説明

情報処理装置

【課題】高次元空間におけるデータを高精度に分類するための情報処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】任意の次元の空間におけるデータを処理する情報処理装置1であって、主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群を主成分分析し、主成分空間を導出する主成分分析手段と、主成分空間の次元毎に、主成分分析手段で導出された各ラベルでの主成分空間に対する直交補空間をそれぞれ導出し、各ラベルでの直交補空間の共通空間を導出する共通空間導出手段と、共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から、任意の次元の空間におけるデータをラベル毎に最も分離可能な共通空間を選択する選択手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の次元の空間におけるデータを処理する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高次元空間におけるデータに対してラベリングする方法が各種開発されており、例えば、車両のドライバから取得した画像データや生体データなどからなる高次元空間のデータに対して複数段階からなる覚醒度(眠気度合い)を判別する方法がある。特許文献1には、高次元空間におけるクラス分けされたデータの特徴を抽出するために、クラス毎にそれぞれ作成された各部分空間の和空間を考え、和空間に対する補空間をカーネル関数を利用して情報を認識することが開示されている。
【特許文献1】特開2003−281545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した方法の場合、カーネル関数の選択方法には複数あり、また、カーネル関数を選択したとしてもカーネル関数のパラメータの設定方法にも様々な方法がある。そのため、選択されたカーネル関数あるいはパラメータによっては、データの特徴を精度良く抽出できない場合がある。
【0004】
そこで、本発明は、高次元空間におけるデータを高精度に分類するための情報処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理装置は、任意の次元の空間におけるデータを処理する情報処理装置であって、主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群を主成分分析し、主成分空間を導出する主成分分析手段と、主成分空間の次元毎に、主成分分析手段で導出された各ラベルでの主成分空間に対する直交補空間をそれぞれ導出し、各ラベルでの直交補空間の共通空間を導出する共通空間導出手段と、共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から、任意の次元の空間におけるデータをラベル毎に最も分離可能な共通空間を選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この情報処理装置では、任意の次元の空間におけるデータが多数用意され、各データにはラベルがそれぞれ対応付けられ、各ラベルが対応付けられたデータからなるデータ群に対して処理を行う。情報処理装置では、主成分分析手段により、主成分空間の次元毎に(主成分分析を行う際の主成分の数毎に)、各ラベルが対応付けられたデータ群を主成分分析し、各ラベルについての主成分空間を導出する。そして、情報処理装置では、共通空間導出手段により、主成分空間の次元毎に、各ラベルについての主成分空間に対する直交補空間をそれぞれ導出し、各ラベルについての直交補空間の共通空間を導出する。ここで、主成分空間の次元毎に共通空間がそれぞれ導出される。さらに、情報処理装置では、選択手段により、主成分空間の各次元についての共通空間の中から、データをラベル毎に最も分離可能な共通空間を選択する。この選択された共通空間においては、任意の次元の空間(特に、高次元空間)におけるデータを、そのデータの特徴に対応するラベルに精度良く分離できる。したがって、任意の次元の空間におけるデータに対してこの選択された共通空間を適用することにより、任意の次元の空間におけるデータに対応するラベルを高精度に判別できる。このように、この情報処理装置では、高次元空間におけるデータでもラベル毎に精度良く分離するための部分空間(共通空間)を導出でき、この部分空間を用いることにより高次元空間におけるデータでも高精度に分類することができる。
【0007】
本発明の上記情報処理装置では、選択手段を、主成分空間の次元毎に、所定のラベルが対応付けられたデータ群の各データを共通空間導出手段で導出された共通空間にそれぞれ射影する。そして、それぞれのデータ同士を共通空間で比較するために、基準となるデータを共通空間に射影したもので単位空間を定義し、当該定義された単位空間を用いてマハラノビス・タグチ・システムを実行し、共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から任意の次元の空間におけるデータをラベル毎に最も分離可能な共通空間を選択する構成としてもよい。
【0008】
この情報処理装置の選択手段では、主成分空間の次元毎に、所定のラベルが対応付けられたデータ群の各データを共通空間にそれぞれ射影し、射影されたデータ群からなる単位空間を生成し、この単位空間を用いてマハラノビス・タグチ・システムを実行する。さらに、選択手段では、主成分空間の次元毎のマハラノビス・タグチ・システムの実行結果に基づいて、任意の次元の空間におけるデータをラベル毎に最も分離可能な共通空間を選択する。このように、情報処理装置では、共通空間に射影したデータ群を単位空間としてマハラノビス・タグチ・システムを実行することにより、高次元空間におけるデータでもラベル毎に精度良く分離できる共通空間を高精度に選択することができる。
【0009】
本発明の上記情報処理装置では、選択手段を、主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群の各データを共通空間導出手段で導出された共通空間にそれぞれ射影し、当該射影された各データと共通空間の原点との距離をそれぞれ導出し、ラベル毎に距離の度数分布を作成し、各ラベルの距離度数分布間の分離度を算出し、共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から分離度の最も高い共通空間を選択する構成としてもよい。
【0010】
この情報処理装置の選択手段では、主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群の各データを共通空間にそれぞれ射影し、射影された各データと共通空間の原点との距離をそれぞれ導出する。さらに、選択手段では、主成分空間の次元毎に、共通空間における各ラベルについての距離の度数分布をそれぞれ作成し、各ラベルの距離度数分布間の分離度を算出する。そして、選択手段では、主成分空間の次元毎の共通空間の中から分離度の最も高い共通空間を選択する。このように、情報処理装置では、共通空間における各ラベルの距離度数分布間の分離度を求めることにより、高次元空間におけるデータでもラベル毎に精度良く分離できる共通空間を高精度に選択することができる。
【0011】
本発明の上記情報処理装置では、選択手段を、主成分空間の次元毎に共通空間における基準となる各ラベルの距離度数分布を予め作成し、主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群の各データを共通空間導出手段で導出された共通空間にそれぞれ射影し、当該射影された各データと共通空間の原点との距離をそれぞれ導出し、ラベル毎に距離の度数分布を作成し、当該作成された各ラベルの距離度数分布と予め作成された基準となる各ラベルの距離度数分布との分離度を算出し、共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から分離度の最も低い共通空間を選択する構成としてもよい。
【0012】
この情報処理装置の選択手段では、予め、主成分空間の次元毎に、共通空間における基準となる各ラベルの距離度数分布(データをラベル毎に分離できる理想的な距離度数分布)を作成する。選択手段では、主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群の各データを共通空間にそれぞれ射影し、射影された各データと共通空間の原点との距離をそれぞれ導出する。さらに、選択手段では、主成分空間の次元毎に、共通空間における各ラベルについての距離の度数分布をそれぞれ作成し、この作成された各ラベルの距離度数分布と予め作成された基準となる各ラベルの距離度数分布との分離度を算出する。そして、選択手段では、主成分空間の次元毎の共通空間の中から分離度の最も低い共通空間を選択する。このように、情報処理装置では、実際のデータから作成された各ラベルの距離度数分布と予め定義した理想的な各ラベルの距離度数分布との分離度を求めることにより、高次元空間におけるデータでもラベル毎に精度良く分離できる共通空間を高精度に選択することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、任意の次元の空間におけるデータをラベル毎に分離するための部分空間(共通空間)を導出でき、この部分空間を用いることにより高次元空間におけるデータでも高精度に分類することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る情報処理装置の実施の形態を説明する。
【0015】
本実施の形態では、本発明に係る情報処理装置を、車両のドライバの覚醒度(眠気度合い)を推定する際に用いる部分空間を探索する情報処理装置に適用する。本実施の形態に係る情報処理装置は、覚醒度の推定の前処理として、ドライバの顔周辺を撮像した各画像を構成する画素数に対応した高次元の空間における画像データに覚醒度を対応付け、この各覚醒度が対応付けられた多数の画像データからなるデータ群に基づいて画像データを覚醒度毎に最も精度良く分離できる部分空間を探索する。本実施の形態では、覚醒度(眠気度合いのレベル)を、D0〜D5(6〜1)の6段階で表し、D0が覚醒状態が最も高く(眠気が最も弱く)、D5が覚醒状態が最も低い(眠気が最も強い)。ちなみに、車両に搭載された覚醒度推定装置において、リアルタイム処理で、この探索された部分空間を利用して、ドライバの顔周辺を撮像した各画像データから車両運転中のドライバの覚醒度を推定する。
【0016】
図1〜図5を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係る情報処理装置の構成図である。図2は、本実施の形態で取り扱う画像の画素配置の模式図である。図3は、本実施の形態で取り扱う覚醒度が対応付けられた画像の時系列データである。図4は、本実施の形態に係る共通空間の一例である。図5は、本実施の形態に係る共通空間における距離のヒストグラムの一例である。
【0017】
情報処理装置1は、各車両に搭載される覚醒度推定装置で覚醒度を推定する際に用いる部分空間を探索する。情報処理装置1では、主成分空間の次元毎に、各覚醒度が対応付けられた画像データ群からそれぞれ導出された主成分空間の直交補空間の共通空間を導出し、この主成分空間の次元毎の共通空間の中から画像データを覚醒度毎に最も精度良く分離できる共通空間(部分空間)を選択する。そして、情報処理装置1では、この選択した共通空間を車両に搭載される覚醒度推定装置に提供する。そのために、情報処理装置1は、カメラ2とコンピュータ3を備えている。
【0018】
まず、情報処理装置1で取り扱う各覚醒度が対応付けられた画像データ群について説明しておく。情報処理装置1で取り扱う画像は、ドライバの顔周辺を撮像した画像あり、図1に示すように、m×n個の画素x11,x12,・・・,x1n,x21,x22,・・・,x2n,・・・・・,xm1,xm2,・・・,xmnで構成される。各画素は、輝度値の情報を有している。また、情報処理装置1で取り扱う画像は、一定時間毎に撮像された時系列データであり、各画像データが各時間(t=1,2,・・・)におけるm×n個の輝度値で構成される。図3に示すように、例えば、時間t=1の画像データの場合、画素x11の輝度値B11,画素x12の輝度値B12,・・・・・,画素xmnの輝度値Bmnで構成される。さらに、各時間(t=1,2,・・・)の画像データには、覚醒度の官能評価値が対応付けされる。図3に示すように、例えば、時間t=1の画像データの場合、覚醒度D0が対応付けられる。情報処理装置1で取り扱う各覚醒度が対応付けられた画像データ群は、各覚醒度が対応付けられた多数の各時間毎の画像データからなる。
【0019】
人は、覚醒状態(眠気状態)によって顔の目や口などの各部が変化し、その各部の変化に連動してその周辺も変化する。例えば、眠気が増してくると、瞬きの回数が増えたり、あくびをしたり、口が開いたりし、その周辺の頬や顎なども変化する。そのため、顔周辺を撮像した画像では、覚醒度D0,・・・,D5毎に、目や口などの各部についての画素群やその周辺の画素群において特徴的な輝度パターンをそれぞれ示すと考えられる。したがって、この画像における特徴的な輝度パターンを覚醒度毎に分類できれば、画像データから覚醒度を推定することができる。そこで、情報処理装置1では、画像データを覚醒度毎に高精度に分類できる部分空間を探索する。
【0020】
なお、本実施の形態では、特許請求の範囲に記載の任意の次元の空間におけるデータは、各時間(t=1,2,・・・)におけるm×n次元(高次元)の空間における画像データである。また、本実施の形態では、特許請求の範囲に記載する各データに対応付けられるラベルは、D0〜D5の覚醒度である。
【0021】
カメラ2は、ドライバの顔周辺を撮像するためのカメラである。カメラ2は、車室内のドライバの前方(ステアリングのコラム部分など)に設けられ、ドライバの顔周辺を撮像できる向きで配置される。カメラ2では、ドライバが車両運転中に、一定時間毎にドライバの顔周辺を撮像し、運転中の一定時間毎の画像の時系列データを取得する。データの取得対象のドライバは、一人だけでもよいし、あるいは、複数の人でもよい。また、多くのデータを取得するために、月日(季節)、時刻、天候、道路環境(一般道路、高速道路、渋滞など)などが多種多様の条件で運転した場合のデータが取得される。
【0022】
このカメラ2で取得された各時間(t=1,2,・・・)の画像データには、覚醒度の官能評価値がそれぞれ対応付けられる。そして、この覚醒度の官能評価値が対応付けされた画像の時系列データが、コンピュータ3に入力され、コンピュータ3のハードディスクなどの所定の領域に構成されるデータベースに格納される。したがって、コンピュータ3には、覚醒度D0が対応付けられた多数の画像データからなるデータ群、覚醒度D1が対応付けられた多数の画像データからなるデータ群、覚醒度D2が対応付けられた多数の画像データからなるデータ群、覚醒度D3が対応付けられた多数の画像データからなるデータ群、覚醒度D4が対応付けられた多数の画像データからなるデータ群、覚醒度D5が対応付けられた多数の画像データからなるデータ群が格納されている。
【0023】
コンピュータ3は、パーソナルコンピュータなどであり、情報処理装置1の各処理が行われる。コンピュータ3では、ハードディスクなどに格納されている情報処理装置1用のアプリケーションプログラムをRAM上にロードしてCPUで実行することによって主成分分析部、直交補空間導出部、共通空間導出部、選択部が構成される。
【0024】
本実施の形態では、主成分分析部が特許請求の範囲に記載する主成分分析手段に相当し、直交補空間導出部及び共通空間導出部が特許請求の範囲に記載する共通空間導出部に相当し、選択部が特許請求の範囲に記載する選択手段に相当する。
【0025】
主成分分析部では、主成分分析の主成分の数毎に(つまり、主成分空間の次元毎に)、データベースに格納されている各覚醒度D0,D1,・・・,D5が対応付けられたデータ群に対してそれぞれ主成分分析を行い、各覚醒度D0,D1,・・・,D5についての主成分空間P0,P1,・・・,P5をそれぞれ算出する。これによって、主成分空間の各次元について、覚醒度毎の主成分空間P0,P1,・・・,P5が導出される。なお、主成分の数は、1,2,・・・,最大主成分数である。最大主成分数は、演算負荷や精度などを考慮して任意の数が設定され、オペレータによって予め設定される。
【0026】
図4、図5に示す例では、m×n次元空間において2つの覚醒度(例えば、D0とD1)が対応付けられたデータ群に対して処理を行った場合の処理結果を示している。黒丸I0,I0,I0,・・・で示される多数の画像データからなるデータ群が、覚醒度D0が対応付けられたデータ群とする。白丸I1,I1,I1,・・・で示される多数の画像データからなるデータ群が、覚醒度D1が対応付けられたデータ群とする。所定の個数の主成分で覚醒度D0のデータ群を主成分分析すると、主成分空間P0が導出される。また、所定の個数の主成分で覚醒度D1のデータ群を主成分分析すると、主成分空間P1が導出される。なお、図4、図5では、説明を容易にするために、2つの覚醒度についてのデータ群に対して処理を行った例を示しているが、実際には、6つの覚醒度についてのデータ群に対して処理を行っている。
【0027】
直交補空間導出部では、主成分分析の主成分の数毎に、主成分分析手段で導出した各覚醒度D0,D1,・・・,D5についての主成分空間P0,P1,・・・,P5の直交補空間M0,M1,・・・,M5をそれぞれ算出する。これによって、主成分空間の各次元について、覚醒度毎の直交補空間M0,M1,・・・,M5が導出される。
【0028】
図4に示す例では、覚醒度D0についての主成分空間P0に対して直交補空間M0が導出され、覚醒度D1についての主成分空間P1に対して直交補空間M1が導出される。
【0029】
共通空間導出部では、主成分分析の主成分の数毎に、直交補空間導出部で導出した6つの覚醒度D0,D1,・・・,D5についての直交補空間M0,M1,・・・,M5の共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5を算出する。これによって、主成分空間の各次元について、共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5が導出される。
【0030】
図4に示す例では、覚醒度D0についての直交補空間M0と覚醒度D1についての直交補空間M1との共通空間として、M0∩M1で示す空間が導出される。
【0031】
選択部は、共通空間導出部で導出した主成分空間の各次元における共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5から、画像データを覚醒度D0,D1,・・・,D5毎に最も精度良く分類できる共通空間を探索する。選択部には、第1〜第3の3つの選択手法がある。
【0032】
第1の選択手法について説明する。選択部では、主成分分析の主成分の数毎に、データベースに格納されている覚醒度D0が対応付けられたデータ群に含まれる全ての画像データを共通空間導出部で導出した共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5にそれぞれ射影し、この射影したデータ群からなる単位空間を生成する。さらに、選択部では、主成分分析の主成分の数毎に、生成した単位空間を用いて、マハラノビス・タグチ・システムを実行する。
【0033】
選択部では、主成分空間の各次元でのマハラノビス・タグチ・システムの実行結果を比較する。そして、選択部では、主成分空間の各次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の中から、画像データを覚醒度D0,・・・,D5毎に最も精度良く分類できる共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5を選択する。
【0034】
第2の選択手法について説明する。選択部では、主成分分析の主成分の数毎に、データベースに格納されている各覚醒度D0,・・・,D5が対応付けられたデータ群について、各データ群に含まれる全ての画像データを共通空間導出部で導出した共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5にそれぞれ射影する。そして、選択部では、主成分分析の主成分の数毎に、共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の原点と射影された各データとの距離をそれぞれ算出する。さらに、選択部では、主成分分析の主成分の数毎に、各覚醒度D0,・・・,D5について、射影された各データの距離を度数分布化する。これによって、主成分空間の各次元について、覚醒度毎のヒストグラムH0,H1,・・・,H5が導出される。
【0035】
図5に示す例の場合、覚醒度D0が対応付けられたデータ群の各画像データI0,I0,・・・が共通空間M0∩M1にそれぞれ射影されるとともに、覚醒度D1が対応付けられたデータ群の各画像データI1,I1,・・・が共通空間M0∩M1にそれぞれ射影される。そして、この射影された各データと共通空間M0∩M1の原点との多数の距離を覚醒度D0,D1毎に度数分布化し、覚醒度D0についてのヒストグラムH0と覚醒度D1についてのヒストグラムH1が作成される。ここで、ヒストグラムH0とヒストグラムH1とが離れており、分離し易いほど、覚醒度D0と覚醒度D1とを判別し易い。
【0036】
そして、選択部では、主成分分析の主成分の数毎に、各覚醒度D0,・・・,D5についてのヒストグラムH0,・・・,H5間の分離度を算出する。この分離度の算出では、カルバック・ライブラー情報量などの相互情報量を用いて算出する。これによって、主成分空間の各次元についての共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5における分離度が導出される。
【0037】
選択部では、主成分空間の各次元についての共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5における分離度を比較する。そして、選択部では、主成分空間の各次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の中から、分離度が最も高い共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5を選択する。この選択された共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5が、画像データを覚醒度D0,・・・,D5毎に最も精度良く分類できる部分空間である。
【0038】
第3の選択手法について説明する。選択部では、予め、主成分空間の各次元についての共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5における理想的な各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムH0’,H1’,・・・,H5’を定義する。理想的な各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムH0’,H1’,・・・,H5’とは、ヒストグラムH0’,H1’,・・・,H5’をそれぞれ完全に分離でき、覚醒度D0,・・・を高精度に判別できるものである。ここでは、共通空間における理想的な各覚醒度の距離のヒストグラムを定義するために、過去に導出された共通空間における各覚醒度の距離のヒストグラムの多数の導出結果を用いて経験的に定義しており、例えば、第1の手法や第2の手法によって導出された結果を利用する。
【0039】
次に、選択部では、第2の選択手法と同様の処理により、主成分空間の各次元について、データベースに格納されている各覚醒度D0,・・・,D5が対応付けられたデータ群から覚醒度毎の距離のヒストグラムH0,H1,・・・,H5をそれぞれ導出する。
【0040】
そして、選択部では、主成分分析の主成分の数毎に、各覚醒度D0,・・・,D5について導出した距離のヒストグラムH0,・・・,H5と予め定義した理想的な各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムH0,・・・,H5との近さ(分離度によって定義する)を算出する。近さは、ヒストグラムの共通空間における位置やヒストグラムの形状などの近さである。この近さの算出でも、第2の手法と同様に、相互情報量を用いて算出する。
【0041】
選択部では、主成分空間の各次元についての各覚醒度D0,・・・,D5について導出したヒストグラムH0,・・・,H5と予め定義した理想的な各覚醒度D0,・・・,D5のヒストグラムH0’,・・・,H5’との近さを比較する。そして、選択部では、主成分空間の各次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の中から、理想的な各覚醒度D0,・・・,D5のヒストグラムH0’,・・・,H5’に最も近い(分離度が最も低い)覚醒度D0,・・・,D5のヒストグラムH0,・・・,H5に対応する共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5を選択する。この選択された共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5が、画像データを覚醒度D0,・・・,D5毎に高精度に分類できる部分空間である。
【0042】
情報処理装置1では、この選択された共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5(部分空間)を車両に搭載される覚醒度推定装置に提供する。
【0043】
ちなみに、車両に搭載される覚醒度推定装置では、提供された部分空間をECUの記憶部に格納している。そして、覚醒度推定装置では、一定時間毎に、カメラでドライバの顔周辺を撮像し、その画像データをECUに送信する。ECUでは、画像データを受信する毎に、その画像データを部分空間に射影する。そして、ECUでは、部分空間に射影された各データの分布から覚醒度を判別する。
【0044】
図1〜図5を参照して、情報処理装置1の動作について説明する。特に、コンピュータ3における処理については図6、図7、図8、図9のフローチャートに沿って説明する。コンピュータ3における選択部の処理については3つの選択手法についての処理を順に説明する。図6は、図1のコンピュータに構成される主成分分析部、直交補空間導出部、共通空間導出部における処理の流れを示すフローチャートである。図7は、図1のコンピュータに構成される選択部における第1の選択手法の処理の流れを示すフローチャートである。図8は、図1のコンピュータに構成される選択部における第2の選択手法の処理の流れを示すフローチャートである。図9は、図1のコンピュータに構成される選択部における第3の選択手法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
カメラ2では、ドライバが車両運転中に、一定時間毎にドライバの顔周辺を撮像する。そして、カメラ2で取得された運転中の一定時間毎の画像の時系列データには、一定時間毎に覚醒度の官能評価値が対応付けられる。そして、この各時間(t=1,2,・・・)の覚醒度が対応付けられた多数の画像データがコンピュータ3のデータベースに格納される。上記の動作が様々な運転条件やドライバに対して行われ、コンピュータ3のデータベースには、膨大な量の各覚醒度D0,・・・,D5が対応付けられた画像データが格納され、各覚醒度D0,・・・,D5について多数の画像データからなるデータ群が構成される。
【0046】
情報処理装置1用のアプリケーションプログラムが実行されると、コンピュータ3では、まず、オペレータによる入力などによって主成分分析を行う際の最大主成分数を設定する(S10)。また、コンピュータ3では、k(主成分分析を行う際の主成分の数)を1に初期化する(S11)。
【0047】
コンピュータ3では、覚醒度D0のデータ群をk個の主成分で主成分分析して主成分空間P0を算出する(S12)。さらに、コンピュータ3では、主成分空間P0の直交補空間M0を算出する(S12)。
【0048】
コンピュータ3では、覚醒度D1のデータ群をk個の主成分で主成分分析して主成分空間P1を算出する(S13)。さらに、コンピュータ3では、主成分空間P1の直交補空間M1を算出する(S13)。
【0049】
コンピュータ3では、2つの直交補空間M0,M1の共通空間M0∩M1を算出する(S14)。
【0050】
コンピュータ3では、覚醒度D2のデータ群をk個の主成分で主成分分析して主成分空間P2を算出する(S15)。さらに、コンピュータ3では、主成分空間P2の直交補空間M2を算出する(S15)。
【0051】
コンピュータ3では、3つの直交補空間M0,M1,M2の共通空間M0∩M1∩M2を算出する(S16)。
【0052】
コンピュータ3では、覚醒度D3のデータ群をk個の主成分で主成分分析して主成分空間P3を算出する(S17)。さらに、コンピュータ3では、主成分空間P3の直交補空間M3を算出する(S17)。
【0053】
コンピュータ3では、4つの直交補空間M0,M1,M2,M3の共通空間M0∩M1∩M2∩M3を算出する(S18)。
【0054】
コンピュータ3では、覚醒度D4のデータ群をk個の主成分で主成分分析して主成分空間P4を算出する(S19)。さらに、コンピュータ3では、主成分空間P4の直交補空間M4を算出する(S19)。
【0055】
コンピュータ3では、5つの直交補空間M0,M1,M2,M3,M4の共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4を算出する(S20)。
【0056】
コンピュータ3では、覚醒度D5のデータ群をk個の主成分で主成分分析して主成分空間P5を算出する(S21)。さらに、コンピュータ3では、主成分空間P5の直交補空間M5を算出する(S21)。
【0057】
コンピュータ3では、6つの直交補空間M0,M1,M2,M3,M4,M5の共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5を算出する(S22)。ここで、k次元の主成分空間での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5が導出される。
【0058】
コンピュータ3では、kが最大主成分数か否かを判定する(S23)。S23にてkが最大主成分数でないと判定した場合、コンピュータ3では、kに1を加算してステップS12の処理に戻り(S24)、主成分空間の1つ大きい次元での処理を行う。一方、S23にてkが最大主成分数と判定した場合、コンピュータ3では、共通空間を導出するための処理を終了する。これによって、1,・・・,最大主成分数の各次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5が導出される。
【0059】
選択部の第1の選択手法での処理について説明する。コンピュータ3では、最大主成分数を設定する(S30)。また、コンピュータ3では、kを1に初期化する(S31)。
【0060】
コンピュータ3では、覚醒度D0のデータ群の各画像データを主成分空間がk次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5にそれぞれ射影し、射影されたデータ群によって単位空間を生成する(S32)。そして、コンピュータ3では、生成した単位空間を用いて、マハラノビス・タグチ・システムを実行する(S33)。
【0061】
コンピュータ3では、kが最大主成分数か否かを判定する(S34)。S34にてkが最大主成分数でないと判定した場合、コンピュータ3では、kに1を加算してステップS32の処理に戻り(S35)、主成分空間の1つ大きい次元での処理を行う。一方、S34にてkが最大主成分数と判定した場合、コンピュータ3では、主成分空間の各次元でのマハラノビス・タグチ・システムの実行結果を比較し、主成分空間の各次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の中から、画像データを各覚醒度D0,・・・,D5に最も精度良く分離できる共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5を選択し(S36)、共通空間を選択する処理を終了する。
【0062】
選択部の第2の選択手法での処理について説明する。コンピュータ3では、最大主成分数を設定し(S40)、kを1に初期化する(S41)。
【0063】
コンピュータ3では、覚醒度D0,・・・,D5毎に、各覚醒度のデータ群の各画像データを主成分空間がk次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5にそれぞれ射影する(S42)。そして、コンピュータ3では、主成分空間がk次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の原点と射影された各データとの距離をそれぞれ算出する(S43)。さらに、コンピュータ3では、覚醒度D0,・・・,D5毎に、算出された多数の距離を度数分布化し、ヒストグラムを作成する(S44)。そして、コンピュータ3では、各覚醒度D0,・・・,D5における距離のヒストグラム間の分離度を算出する(S45)。
【0064】
コンピュータ3では、kが最大主成分数か否かを判定する(S46)。S46にてkが最大主成分数でないと判定した場合、コンピュータ3では、kに1を加算してステップS42の処理に戻り(S47)、主成分空間の1つ大きい次元での処理を行う。一方、S46にてkが最大主成分数と判定した場合、コンピュータ3では、主成分空間の各次元についての共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5における分離度を比較し、主成分空間の各次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の中から、分離度が最も高い共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5を選択し(S48)、共通空間を選択する処理を終了する。
【0065】
選択部の第3の選択手法での処理について説明する。コンピュータ3では、最大主成分数を設定する(S50)。コンピュータ3では、主成分空間の1,・・・,最大主成分数の各次元についての共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5における理想的な各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムを定義する(S51)。そして、コンピュータ3では、kを1に初期化する(S52)。
【0066】
コンピュータ3では、覚醒度D0,・・・,D5毎に、各覚醒度のデータ群の各画像データを主成分空間がk次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5にそれぞれ射影する(S53)。そして、コンピュータ3では、主成分空間がk次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の原点と射影された各データとの距離をそれぞれ算出する(S54)。さらに、コンピュータ3では、覚醒度D0,・・・,D5毎に、算出された多数の距離を度数分布化し、ヒストグラムを作成する(S55)。そして、コンピュータ3では、作成した各覚醒度D0,・・・,D5についての距離のヒストグラムと予め定義した理想的な各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムとの近さを算出する(S56)。
【0067】
コンピュータ3では、kが最大主成分数か否かを判定する(S57)。S57にてkが最大主成分数でないと判定した場合、コンピュータ3では、kに1を加算してステップS53の処理に戻り(S58)、主成分空間の1つ大きい次元での処理を行う。一方、S57にてkが最大主成分数と判定した場合、コンピュータ3では、主成分空間の各次元についての各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムと予め定義した理想的な各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムとの間の近さを比較し、主成分空間の各次元での共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5の中から理想的な各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムに最も近い各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムに対応する共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5を選択し(S59)、共通空間を選択する処理を終了する。
【0068】
この情報処理装置1によれば、m×nの高次元の空間における画像データを覚醒度D0,・・・,D5毎に高精度に分離できる部分空間(共通空間M0∩M1∩M2∩M3∩M4∩M5)を導出することができる。この部分空間を用いることにより、高次元空間における画像データから覚醒度を高精度に判別することができる。
【0069】
特に、情報処理装置1では、基準となるデータを共通空間に射影したデータ群を単位空間としてマハラノビス・タグチ・システムを実行することにより、画像データを覚醒度D0,・・・,D5毎に高精度に分離できる共通空間を高精度に選択することができる。また、情報処理装置1では、共通空間における各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラム間の分離度を求めることにより、画像データを覚醒度D0,・・・,D5毎に高精度に分離できる共通空間を高精度に選択することができる。また、情報処理装置1では、実際のデータから導出した共通空間における各覚醒度D0,・・・,D5の距離のヒストグラムと予め定義した共通空間における各覚醒度D0,・・・,D5の距離の理想的なヒストグラムとの近さ(分離度によって定義する)を求めることにより、画像データを覚醒度D0,・・・,D5毎に高精度に分離できる共通空間を高精度に選択することができる。
【0070】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0071】
例えば、本実施の形態では車両のドライバの覚醒度(眠気度合い)の推定に適用したが、他の乗り物の運転者、各種プラントの監視者、夜間の従業者などの様々な人の状態を推定するために利用してもよいし、覚醒状態以外に心理状態(焦り、イライラ、退屈)、疲労状態などの他の状態を推定するものに適用してもよい。また、人の状態以外にも、データが変化するものであれば、他の多種多様のものに適用可能である。
【0072】
また、本実施の形態では任意の次元の空間の次元を画像の画素数としたが、次元としては多種多様のものを適用でき、例えば、心拍、脳波、呼吸などの生体情報の時系列データ、操舵角、車速、ヨーレートなどの車両挙動の時系列データなどをフーリエ変換して周波数成分に変換し、その周波数成分を所定の周波数領域毎に分割し、その周波数領域の数を次元としてもよいし、あるいは、画像の各画素と周波数成分の各周波数領域を合わせたものを次元としてもよい。また、各画素の情報としては輝度値としたが、他の情報としてもよく、例えば、RGBの各濃淡値としてもよい。
【0073】
また、本実施の形態で主成分空間の各次元で導出された共通空間の中から覚醒度毎に最も精度良く分離できる共通空間を選択する方法として3つの手法について説明したが、選択手法として他の手法を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施の形態に係る情報処理装置の構成図である。
【図2】本実施の形態で取り扱う画像の画素配置の模式図である。
【図3】本実施の形態で取り扱う覚醒度が対応付けられた画像の時系列データである。
【図4】本実施の形態に係る共通空間の一例である。
【図5】本実施の形態に係る共通空間における距離のヒストグラムの一例である。
【図6】図1のコンピュータに構成される主成分分析部、直交補空間導出部、共通空間導出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図1のコンピュータに構成される選択部における第1の選択手法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図1のコンピュータに構成される選択部における第2の選択手法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図1のコンピュータに構成される選択部における第3の選択手法の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
1…情報処理装置、2…カメラ、3…コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の次元の空間におけるデータを処理する情報処理装置であって、
主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群を主成分分析し、主成分空間を導出する主成分分析手段と、
主成分空間の次元毎に、前記主成分分析手段で導出された各ラベルでの主成分空間に対する直交補空間をそれぞれ導出し、各ラベルでの直交補空間の共通空間を導出する共通空間導出手段と、
前記共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から、任意の次元の空間におけるデータをラベル毎に最も分離可能な共通空間を選択する選択手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選択手段では、主成分空間の次元毎に、所定のラベルが対応付けられたデータ群の各データを前記共通空間導出手段で導出された共通空間にそれぞれ射影して単位空間を生成し、当該生成された単位空間を用いてマハラノビス・タグチ・システムを実行し、前記共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から任意の次元の空間におけるデータをラベル毎に最も分離可能な共通空間を選択することを特徴とする請求項1に記載する情報処理装置。
【請求項3】
前記選択手段では、主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群の各データを前記共通空間導出手段で導出された共通空間にそれぞれ射影し、当該射影された各データと共通空間の原点との距離をそれぞれ導出し、ラベル毎に距離の度数分布を作成し、各ラベルの距離度数分布間の分離度を算出し、前記共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から分離度の最も高い共通空間を選択することを特徴とする請求項1に記載する情報処理装置。
【請求項4】
前記選択手段では、主成分空間の次元毎に共通空間における基準となる各ラベルの距離度数分布を予め作成し、主成分空間の次元毎に、各ラベルが対応付けられたデータ群の各データを前記共通空間導出手段で導出された共通空間にそれぞれ射影し、当該射影された各データと共通空間の原点との距離をそれぞれ導出し、ラベル毎に距離の度数分布を作成し、当該作成された各ラベルの距離度数分布と予め作成された基準となる各ラベルの距離度数分布との分離度を算出し、前記共通空間導出手段で導出された主成分空間の次元毎の共通空間の中から分離度の最も低い共通空間を選択することを特徴とする請求項1に記載する情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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