説明

情報処理装置

【課題】排出する大径記録媒体が幅方向の常に一方向のみによってしまう場合でも、当該大径記録媒体を機器本体外に確実に排出することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】CDプレーヤ1は機器本体3内に大径CD2aと小径CD2bとを出し入れする。CDプレーヤ1はディスクセンタリング機構4とロック機構7を備えている。ロック機構7はディスクセンタリング機構4の一対のセンタリングアーム20a,20bのいずれか一方のみの突出ピン24が他方の突出ピン24から離れる方向に押圧されると大径CD2aを機器本体3に出し入れ可能とするまで一対のセンタリングアーム20a,20bのアーム本体23が回転することを規制する。ロック機構7のカム孔25の中心線はアーム本体23の回転を規制する第1及び第2凹み26a,26bを境にずれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、Compact Discなどの記録媒体から情報を読み出す記媒体再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、例えば、外径が12cmの大径Compact Disc(以下CDと呼ぶ)と外径が8cmの小径CDなどの大きさの異なる記録媒体が選択されて挿入されて、当該記録媒体の情報を読み出す情報処理装置としてのCDプレーヤ(例えば、特許文献1参照)が取り付けられる。
【0003】
前記CDプレーヤは、前記インパネに取り付けられる機器本体と、前記機器本体に開口した記録媒体挿入口と、搬送ユニットと、案内手段としてのディスクセンタリング機構と、前記CDに記録された情報を読み出すための再生ユニット等を備えている。機器本体は、複数の板金などが互いに組み付けられて箱状のシャーシを備えている。記録媒体挿入口は、内側に前記CDが通される。
【0004】
搬送ユニットは、記録媒体挿入口内を通されたCDを所定の再生位置まで搬送したり、前記再生位置からCDを記録媒体挿入口まで搬送して該CDを機器本体内から排出する。搬送ユニットは、互いに接離自在に設けられた一対の挟持部材を備えている。
【0005】
これら一対の挟持部材のうち一方は、モータなどの駆動源によって回転駆動される搬送ローラを備えている。搬送ローラは、前記モータなどの駆動源によって回転駆動されることによって、CDを搬送する。他方の挟持部材は、摩擦係数の小さい滑り部材を備えている。滑り部材は、前記搬送ローラとの間に前記CDを挟んで、該CDの搬送方向を案内する。搬送ユニットは、一対の挟持部材間にCDを挟んで、前記CDを搬送する。
【0006】
ディスクセンタリング機構は、一対のセンタリングアームと、リンクレバーと、付勢手段としてのコイルばねと、ロック機構を備えている。ディスクセンタリング機構は、前記記録媒体挿入口の近傍に配されている。
【0007】
一対のセンタリングアームは、機器本体の幅方向に沿って互いに間隔をあけて配されている。一対のセンタリングアームは、記録媒体挿入口寄りの一端部が互いに近づいたり互いに離れたりするように、前記機器本体のシャーシに回転自在に支持されたアーム本体と、このアーム本体の記録媒体挿入口寄りの一端部から突出した突出ピンと、を備えている。
【0008】
リンクレバーは、センタリングアームのアーム本体それぞれと回転自在に連結している。リンクレバーは、突出ピンが互いに離れかつ当該突出ピンが互いに近づくように、一対のセンタリングアーム同士を同期させて回転させる。コイルばねは、突出ピンが互いに近づく方向にセンタリングアームなどを付勢している。
【0009】
ロック機構は、いずれか一方の突出ピンのみが他方の突出ピンから離れる方向に押圧されると、大径CDを機器本体に出し入れ可能とするまで一対のセンタリングアームのアーム本体が回転することを規制する。
【0010】
再生ユニットは、前記CDを回転するために回転テーブルと、前記CDに記録された情報を読み出すための光ピックアップ等を備えている。再生ユニットは、前記CDを前記再生位置に位置決め(クランプ)して、回転テーブルがCDを回転して、光ピックアップが前記CDに記録された情報を読み出す。
【0011】
前記CDが記録媒体挿入口を通して機器本体3内に挿入されると、まず、CDが突出ピンに接触する。そして、CDは、前記一対の挟持部材間に挟まれる。搬送ローラの回転によってCDが機器本体内に搬送されるのにしたがって、突出ピンが互いに離れる方向にアーム本体が徐々に回転する。一対のセンタリングアームの突出ピンは、前記再生位置にCDを案内する。こうして、情報処理装置は、CDを機器本体外から再生位置に搬送してきた。このとき、小径CDが挿入されて当該小径CDがいずれか一方の突出ピンのみを押圧した場合、ロック機構は大径CDを機器本体に出し入れ可能とするまで一対のセンタリングアームのアーム本体が回転することを規制する。また、大径CDが挿入されると、当該大径CDは双方の突出ピンを押圧してロック機構がアーム本体の回転を規制せずに、大径CDを機器本体に出し入れ可能とするまで一対のセンタリングアームの突出ピンが互いに離れる。
【0012】
そして、前記CDは再生ユニットにクランプされて、該再生ユニットによって情報を取り出される。情報処理装置は、取り出された情報を音声として出力する。CDを機器本体外に搬出する際には、まず、回転テーブルの回転を止める。搬送ユニットの搬送ローラを先ほどとは逆方向に回転させて、CDを記録媒体挿入口内に通して機器本体内から機器本体外に徐々に搬送する。
【0013】
このとき、突出ピンがCDに接触する。一対のセンタリングアームの突出ピンは、CDの排出にしたがって、互いに離れたり近づいたり(接離)する。そして、一対のセンタリングアームの突出ピンは、前記CDの排出方向を案内する。このときも、小径CDを排出して当該小径CDがいずれか一方の突出ピンのみを押圧した場合、ロック機構は大径CDを機器本体に出し入れ可能とするまで一対のセンタリングアームのアーム本体が回転することを規制する。また、大径CDを排出する際には、当該大径CDが双方の突出ピンを押圧してロック機構がアーム本体の回転を規制せずに、大径CDを機器本体に出し入れ可能とするまで一対のセンタリングアームの突出ピンが互いに離れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2002−313007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述したCDプレーヤは、経年変化により搬送ローラに異物が付着したり、部品の公差などにより、CDを排出する際に、当該排出されるCDが幅方向の常に一方向のみによってしまう(右のみによったり左のみによってしまう)ことがあった。この場合、大径CDを排出する際には、当該大径CDが常に同じいずれか一方の突出ピンのみを押圧することとなって、前述したロック機構により大径CDを機器本体に出し入れ可能とするまで一対のセンタリングアームのアーム本体が回転することを規制されてしまう。この場合、勿論、当該大径CDを機器本体外に排出できなくなってしまう。
【0016】
したがって、本発明の目的は、例えば、経年変化により搬送ローラに異物が付着したり、部品の公差などにより、排出する大径記録媒体が幅方向の常に一方向のみによってしまう場合でも、当該大径記録媒体を機器本体外に確実に排出することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の情報処理装置は、互いに大きさの異なる大径記録媒体と小径記録媒体とを機器本体内に出し入れして、これらの記録媒体に記録された情報を読み出す情報処理装置において、機器本体に回転自在に支持されたアーム本体と、前記アーム本体の前記機器本体の挿入口寄りの一端部に設けられ前記大径記録媒体と小径記録媒体との双方と接触可能な突出ピンと、を有した第1センタリングアームと、前記第1センタリングアームと前記機器本体の幅方向に間隔をあけて配置され、かつ機器本体に回転自在に支持されたアーム本体と、前記アーム本体の前記挿入口寄りの一端部に設けられ前記大径記録媒体と小径記録媒体との双方と接触可能な突出ピンと、を有した第2センタリングアームと、前記第1センタリングアームと前記第2センタリングアームの前記アーム本体を同期させて回転させるリンクレバーと、前記第1センタリングアームと前記第2センタリングアームの突出ピンが互いに近づく方向に付勢する付勢手段と、カム孔と、前記第1センタリングアームと前記第2センタリングアームの回転に連動して前記カム孔内を移動するカムピンと、前記カム孔の内縁から凹に形成されかつ前記第1センタリングアームの突出ピンのみが第2センタリングアームの突出ピンから離れる方向に押圧されると前記カムピンが侵入して前記大径記録媒体を前記機器本体に出し入れ可能とするまで前記第1及び第2センタリングアームのアーム本体が回転することを規制する第1凹みと、前記カム孔の内縁から凹に形成されかつ前記第2センタリングアームの突出ピンのみが第1センタリングアームの突出ピンから離れる方向に押圧されると前記カムピンが侵入して前記大径記録媒体を前記機器本体に出し入れ可能とするまで前記第1及び第2センタリングアームのアーム本体が回転することを規制する第2凹みとを有し、前記第1センタリングアームの初期位置から前記カムピンが前記第1凹み内に侵入するまでの前記第1センタリングアームの前記アーム本体の回転角度が前記第2センタリングアームの初期位置から前記カムピンが前記第2凹み内に侵入するまでの前記第2センタリングアームの前記アーム本体の回転角度よりも小さく形成されたロック機構と、を備え、
前記大径記録媒体を排出する際に、前記カムピンが前記初期位置から前記第1凹みに至る間は当該カムピンが前記カム孔の前記第1凹みと相対する内縁に摺動し、かつ前記カムピンが前記第1凹みを過ぎると、前記カムピンが前記カム孔の前記第2凹みと相対する内縁に摺動するように、前記カム孔は、前記第1及び第2の凹みを境にして、その中心線がずれていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例にかかるCDプレーヤの斜視図である。
【図2】図1に示されたCDプレーヤのシャーシ本体及びクランプ再生ユニットなどを示す斜視図である。
【図3】図1に示されたCDプレーヤのディスクセンタリング機構などの構成を模式的に示す平面図である。
【図4】図3中のIVを拡大して示す第1センタリングアームのカム孔の平面図である。
【図5】図3中のVを拡大して示す第2センタリングアームのカム孔の平面図である。
【図6】図3に示されたディスクセンタリング機構の第1センタリングアームのカム孔の第1凹みにカムピンが侵入した状態を示す平面図である。
【図7】図3に示されたディスクセンタリング機構の第2センタリングアームのカム孔の第2凹みにカムピンが侵入した状態を示す平面図である。
【図8】図3に示されたディスクセンタリング機構の第2センタリングアームの突出ピンに機器本体外に排出され始めた大径CDの外縁が接触している状態を模式的に示す平面図である。
【図9】(a)は図8中のIXa部を拡大して示す平面図であり、(b)は図8中のIXb部を拡大して示す平面図である。
【図10】(a)は図8中のXa部を拡大して示す平面図であり、(b)は図8中のXb部を拡大して示す平面図である。
【図11】図8に示された大径CDがさらに機器本体外に排出された状態を模式的に示す平面図である。
【図12】(a)は図11中のXIIa部を拡大して示す平面図であり、(b)は図11中のXIIb部を拡大して示す平面図である。
【図13】(a)は図11中のXIIIa部を拡大して示す平面図であり、(b)は図11中のXIIIb部を拡大して示す平面図である。
【図14】図11に示された大径CDがさらに機器本体外に排出された状態を模式的に示す平面図である。
【図15】(a)は図14中のXVa部を拡大して示す平面図であり、(b)は図14中のXVb部を拡大して示す平面図である。
【図16】(a)は図14中のXVIa部を拡大して示す平面図であり、(b)は図14中のXVIb部を拡大して示す平面図である。
【図17】図14に示された大径CDがさらに機器本体外に排出された状態を模式的に示す平面図である。
【図18】(a)は図17中のXVIIIa部を拡大して示す平面図であり、(b)は図17中のXVIIIb部を拡大して示す平面図である。
【図19】(a)は図17中のXIXa部を拡大して示す平面図であり、(b)は図17中のXIXb部を拡大して示す平面図である。
【図20】本発明の第2の実施例にかかるCDプレーヤのディスクセンタリング機構などを模式的に示す平面図である。
【図21】図20に示されたCDプレーヤのロック機構を模式的に示す平面図である。
【図22】図21に示されたディスクセンタリング機構の第2センタリングアームの突出ピンに機器本体外に排出され始めた大径CDの外縁が接触している状態を模式的に示す平面図である。
【図23】図22に示されたロック機構を模式的に示す平面図である。
【図24】図22に示された大径CDがさらに機器本体外に排出された状態を模式的に示す平面図である。
【図25】図24に示されたロック機構を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、大径記録媒体を排出する際に、初期位置から第1凹みに至る間はカムピンがカム孔の第1凹みと相対する内縁に摺動し、かつ第1凹みを過ぎるとカムピンがカム孔の第2凹みと相対する内縁に摺動するように、前記カム孔の中心線を、第1及び第2の凹みを境にしてずらしている。こうすることで、大径記録媒体を排出する際に、カムピンが第1及び第2凹みに侵入して係止することを防止でき、ロック機構により第1及び第2センタリングアームのアーム本体の回転が規制されて、大径記録媒体を機器本体外に排出できなくなることを防止できる。このために、経年変化により搬送ローラに異物が付着したり、部品の公差などにより、排出する大径記録媒体が幅方向の常に一方向のみによってしまう場合でも、当該大径記録媒体を機器本体外に確実に排出することができる。
【0020】
また、本実施形態の情報処理装置は、ロック機構が、カム孔を各センタリングアームに設け、カムピンをリンクレバーの両端部に設けてもよい。この場合、大径記録媒体を機器本体外に確実に排出することができるに加え、一本のリンクレバーにより、各センタリングアームを同期させて回転させることができるので、部品点数が増加することを防止できる。
【0021】
さらに、本実施形態の情報処理装置は、ロック機構が、カム孔を機器本体に設け、第1凹み及び第2凹みをカム孔の内縁に設けてもよい。この場合、大径記録媒体を機器本体外に確実に排出することができるに加え、カム孔を一つのみ設け、さらに当該カム孔に第1及び第2凹みを一体に形成するので、加工に要する工数が増加することを防止できる。
【実施例1】
【0022】
以下、本発明の第1の実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図1ないし図19に基づいて説明する。図1などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに取り付けられて、外径が例えば12cmなどの比較的大径な大径記録媒体としての大径CD2aと、外径が例えば8cmなどの比較的小径な小径記録媒体としての小径CD2bとを使用者がいずれかを選択して、後述する機器本体3内に収容する。大径CD2aと小径CD2bとは、勿論、互いに大きさが異なる。
【0023】
CDプレーヤ1は、これらの互いに大きさ(外径)の異なるCD2a,2bを機器本体3内の後述する再生位置に位置させて、これらのCD2a,2bに記録された情報を取り出して(再生して)、音声として出力する。なお、CD2a,2bは、勿論、ディスク形に形成されており、特許請求の範囲に記載された記録媒体をなしているとともに、円板状のコンピュータなどの電子機器で情報を読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
CDプレーヤ1は、図1及び図2に示すように、機器本体3(図1に示す)と、搬送手段としての搬送ユニット5と、クランプ再生手段としてのクランプ再生ユニット6と、図示しない連動手段としての連動機構と、ディスクセンタリング機構4(図3に示す)と、ロック機構7(図3に示す)と、案内手段としての案内機構8(図3に示す)と、図示しない制御手段としてのμCOMとを備えている。なお、以下、CD2a,2bの表面と搬送ユニット5のCD2a,2bの搬送方向との双方と平行な図1中の矢印YをCDプレーヤ1の奥行き方向と記し、CD2a,2bの表面と平行でかつ前記奥行き方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2a,2bの表面と奥行き方向Yと幅方向Xの全てと直交する矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向と記す。
【0025】
機器本体3は、合成樹脂や金属等からなる図1に示す外側ケース9と、図2に示すシャーシ本体10とを備えている。
【0026】
外側ケース9は、扁平な箱状に形成されている。外側ケース9の前述したインパネに取り付けると乗員に相対する前面9a(図1に示す)には、CDを出し入れ可能な挿入口11が一つ設けられている。なお、前面9aは、外側ケース9即ちCDプレーヤ1がインパネに取り付けられると、該インパネの外側に露出する外側ケース9の一つの面である。
【0027】
挿入口11は、外側ケース9の外壁を貫通している。挿入口11は、内側にCD2a,2bを通すことができる。挿入口11を通して、前記CD2a,2bは、外側ケース9即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。即ち、挿入口11は、CD2a,2bを機器本体3に出し入れ自在とする。
【0028】
さらに、前述した前面9aには、表示パネル12と、各種のスイッチ13とが設けられている。
【0029】
表示パネル12は、前面9aに露出して、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。表示パネル12は、表示面に再生中のプログラム名等の情報を表示する。
【0030】
各種のスイッチ13は、使用者が操作するための操作部を構成している。スイッチ13が使用者などに操作されることによって、例えば、クランプ再生ユニット6が再生するCD2a,2bのプログラムの選択やCD2a,2bの出し入れなどが行われる。
【0031】
シャーシ本体10は、図2などに示すように、複数の折り曲げられた板金などが互いに取り付けられて構成されている。シャーシ本体10は、図2に示すように、略平坦な底板14と、該底板14に間隔をおいて相対する略平坦な天井板15と、これらの底板14と天井板15とに連なる複数の周板16と、を備えている。これらの板14,15,16には、それぞれ、前記シャーシ本体10の軽量化と剛性の確保とのために、複数の開口部が設けられている。
【0032】
搬送ユニット5は、ローラアームと、ディスクガイド17と、を備えている。ローラアームには、モータなどの駆動源によって回転駆動される搬送ローラが取り付けられている。ローラアームとディスクガイド17とは、互いに接離自在に設けられている。搬送ユニット5は、ローラアームとディスクガイド17とが互いに近づいて、これらの間にCD2a,2bを挟み込んで、搬送ローラがモータに回転駆動されることで、CD2a,2bを機器本体3に出し入れする。
【0033】
搬送ユニット5は、CD2a,2bの両表面と平行で、かつ挿入口11と後述する再生位置とを結んだ方向(即ち奥行き方向Y)に沿って、該CD2a,2bを搬送する。また、搬送ユニット5は、クランプ再生ユニット6がCD2a,2bをクランプして該CD2a,2bの情報を読み取る際に、ローラアームとディスクガイド17とが互いに離れて、クランプ再生ユニット6の動作を妨げることがない。
【0034】
クランプ再生ユニット6は、互いに接離自在に設けられたキャリッジシャーシと、クランプアーム18とを備えている。キャリッジシャーシには、回転自在に支持された回転テーブルと光ピックアップ部とが取り付けられている。
【0035】
クランプアーム18には、回転テーブルとの間にCD2a,2bを挟んで、当該CD2a,2bをクランプするクランパ19が取り付けられている。なお、本明細書では、回転テーブルとクランパ19との間に挟まれた際のCD2a,2bの位置及び回転テーブルとクランパ19との間に挟まれることが可能なCD2a,2bの位置を再生位置とする。また、挿入口11と前記再生位置との間は、CD2a,2bの搬送経路をなしている。
【0036】
前述したクランプ再生ユニット6は、搬送ユニット5によって機器本体3内に挿入されたCD2a,2bをキャリッジシャーシとクランプアーム18との間に挟んで、CD2a,2bを回転テーブルが回転させて、当該CD2a,2bの情報を光ピックアップ部が読み出して再生する。
【0037】
連動機構は、CD2a,2bを搬送する際には、搬送ユニット5のディスクガイド17とローラアームの搬送ローラとを互いに近づけ、キャリッジシャーシとクランプアーム18とを互いに遠ざけておく。連動機構は、搬送ユニット5によって再生位置にCD2a,2bが位置付けられると、キャリッジシャーシとクランプアーム18とを互い近づけて回転テーブルとクランパ19との間にCD2a,2bを挟むとともに、搬送ユニット5のディスクガイド17とローラアームの搬送ローラとを互いに遠ざけて、これらのディスクガイド17とローラアームの搬送ローラがCD2a,2bに干渉することを規制する。このように、連動機構は、搬送ユニット5とクランプ再生ユニット6の動作を連動させる。
【0038】
ディスクセンタリング機構4は、図3に示すように、第1センタリングアーム20aと、第2センタリングアーム20bと、一つのリンクレバー21と、付勢手段としてのコイルばね28とを備えている。
【0039】
第1及び第2センタリングアーム20a,20bは、それぞれ、挿入口11の近傍に配されている。第1及び第2センタリングアーム20a,20bは、幅方向X即ち挿入口11の長手方向に沿って、互いに間隔をあけて配置されている。このため、第2センタリングアーム20bは、第1センタリングアーム20aと機器本体3の幅方向Xに間隔をあけて配置されている。
【0040】
第1及び第2センタリングアーム20a,20bは、それぞれ、帯状のアーム本体23と、突出ピン24と、を備えている。第1及び第2センタリングアーム20a,20bそれぞれのアーム本体23は、挿入口11寄りの一端部が互いに近づいたり離れたり(接離)するように、回転自在にシャーシ本体10の底板14に支持されている。
【0041】
第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの図3中の右側に位置する第1センタリングアーム20aのアーム本体23は、その長手方向の中央部を中心として回転自在に設けられている。第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの図3中の左側に位置する第2センタリングアーム20bのアーム本体23は、機器本体3の奥側に位置する他端部を中心として回転自在に設けられている。
【0042】
前述した第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23は、CD2a,2bを出し入れしていない際に位置付けられる長手方向が奥行き方向Yと略平行となる初期位置(図3に示す)と、この初期位置から一端部が互いに最も離れた解除位置(図17に示す)とに亘って、変位可能に底板14に回転自在に支持されている。
【0043】
突出ピン24は、アーム本体23の一端部から天井板15即ち挿入口11の内側に向かって突出している。突出ピン24は、円柱状に形成されている。
【0044】
リンクレバー21は、直線状に伸びた帯板状に形成されている。リンクレバー21は、その長手方向が幅方向Xと平行な状態で底板14上に重ねられて、幅方向X即ち奥行き方向Yに対して交差(図示例では直交)する方向に沿って、スライド自在に底板14に支持されている。リンクレバー21は、ロック機構7によって、その一端部が前述した第1センタリングアーム20aのアーム本体23の機器本体3の奥側の他端部に連結し、他端部が前述した第2センタリングアーム20bのアーム本体23の長手方向の中央部に連結している。このように、リンクレバー21は、ロック機構7によって、第1センタリングアーム20aのアーム本体23の回転中心よりも当該アーム本体23の他端部寄りの箇所と、第2センタリングアーム20bのアーム本体23の回転中心よりも当該アーム本体23の一端部寄りの箇所とを連結している。
【0045】
前述した構成によって、リンクレバー21は、幅方向Xに沿って底板14に対してスライドすることで、一端部即ち突出ピン24が互いに離れるように、及び、一端部即ち突出ピン24が互いに近づくように、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23を同期させて回転させる。こうして、リンクレバー21は、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23を同期させて回転させて、一対のセンタリングアーム20a,20bを前記初期位置と解除位置とに亘って変位させる。
【0046】
コイルばね28は、底板14とリンクレバー21とに掛け渡されて、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の一端部即ち突出ピン24同士が近づく方向に、リンクレバー21を介して前述した第1及び第2センタリングアーム20a,20bを付勢している。このため、第1及び第2センタリングアーム20a,20bは、CD2a,2bを搬送していない状態では、前述した初期位置に位置付けられる。
【0047】
ロック機構7は、図3に示すように、リンクレバー21の両端部から第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23に向かって突出したカムピン22と、一対のセンタリングアーム20a,20bそれぞれのアーム本体23のリンクレバー21の連結箇所に設けられたカム孔25と、カム孔25それぞれの内縁に設けられた第1及び第2凹み26a,26bと、を備えている。
【0048】
カムピン22は、柱状に形成されて、図示例では、リンクレバー21と一体に形成されている。
【0049】
カム孔25は、図4及び図5に示すように、第1及び第2センタリングアーム20a,20bそれぞれのアーム本体23を貫通しているとともに、円弧状に形成されている。カム孔25は、第1及び第2センタリングアーム20a,20bの双方のアーム本体23に設けられている。各カム孔25は、第1及び第2センタリングアーム20a,20bの双方のアーム本体23の回転中心から放射方向に延在しているとともに、当該放射方向に対して回転中心から離れるのに対して徐々に湾曲している。
【0050】
第1センタリングアーム20aに設けられたカム孔25は、図4に示すように、当該第1センタリングアーム20aのアーム本体23の回転中心から離れるのにしたがって徐々に機器本体3の奥側に向かうように湾曲している。第2センタリングアーム20bに設けられたカム孔25は、図5に示すように、当該第2センタリングアーム20bのアーム本体23の回転中心から離れるのにしたがって徐々に挿入口11に向かうように湾曲している。
【0051】
カム孔25には、前述したカムピン22が侵入している。また、カム孔25内には、カムピン22が該カム孔25の長手方向に沿って移動自在となっている。カム孔25内をカムピン22が移動することで、ロック機構7は、リンクレバー21と協働して、第1及び第2センタリングアーム20a,20bを互いに連動させて回転させる。
【0052】
なお、第1センタリングアーム20aが前述した初期位置に位置付けられると、この第1センタリングアーム20aに設けられたカム孔25は、機器本体3の奥側の端部内にカムピン22を位置付ける。また、第2センタリングアーム20bが前述した初期位置に位置付けられると、この第2センタリングアーム20bに設けられたカム孔25は、機器本体3の挿入口11寄りの端部内にカムピン22を位置付ける。
【0053】
第1センタリングアーム20aが、初期位置から回転するのに連動して、当該第1センタリングアーム20aのアーム本体23に設けられたカム孔25内に侵入したカムピン22は、カム孔25の挿入口11寄りに移動して、前述した解除位置でカム孔25の挿入口11寄りの端部に位置付けられる。
【0054】
また、第2センタリングアーム20bが、初期位置から回転するのに連動して、当該第2センタリングアーム20bのアーム本体23に設けられたカム孔25内に侵入したカムピン22は、カム孔25の機器本体3の奥側に移動して、前述した解除位置でカム孔25の機器本体3の奥側の端部に位置付けられる。
【0055】
第1凹み26aは、図4に示すように、第1センタリングアーム20aのアーム本体23に設けられている。第1凹み26aは、カム孔25の中央部でかつ機器本体3の幅方向の外側の内縁から凹形状に設けられている。このため、第1凹み26aは、カム孔25の幅を他の部分よりも広くしている。第1凹み26a内には、カムピン22が侵入可能となっている。第1凹み26a内にカムピン22が侵入すると、第1センタリングアーム20aのアーム本体23の回転が規制される(回転できなくなる)。
【0056】
第2凹み26bは、図5に示すように、第2センタリングアーム20bのアーム本体23に設けられている。第2凹み26bは、カム孔25の中央部でかつ機器本体3の幅方向の内側の内縁から凹形状に設けられている。このため、第2凹み26bは、カム孔25の幅を他の部分よりも広くしている。第2凹み26b内には、カムピン22が侵入可能となっている。第2凹み26b内にカムピン22が侵入すると、第2センタリングアーム20bのアーム本体23の回転が規制される(回転できなくなる)。
【0057】
第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの一方に設けられたカム孔25の第1及び第2凹み26a,26b内にカムピン22が侵入したときの第1及び第2センタリングアーム20a,20bの突出ピン24間の距離は、前述した小径CD2bの外径よりも大きく大径CD2aの外径よりも小さい。このため、ロック機構7は、小径CD2bを機器本体3に出し入れする際には、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの一方に設けられたカム孔25の第1及び第2凹み26a,26b内にカムピン22が侵入したときを超えて、第1及び第2センタリングアーム20a,20bの突出ピン24同士が離れること即ち第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23が回転することを規制する。
【0058】
なお、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの一方に設けられたカム孔25の第1及び第2凹み26a,26b内にカムピン22が侵入したときの第1及び第2センタリングアーム20a,20bの突出ピン24よりも小径CD2bが機器本体3の幅方向Xの外側に位置付けられると、該小径CD2bを機器本体3の外部と再生位置(クランプ再生ユニット6が当該小径CD2bをクランプできる位置)とに亘って搬送することができなくなる。なお、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの一方に設けられたカム孔25の第1及び第2凹み26a,26b内にカムピン22が侵入したときの第1及び第2センタリングアーム20a,20bの突出ピン24の位置は、小径CD2bを機器本体3に出し入れ可能な範囲の境界となっている。
【0059】
このように、ロック機構7は、小径CD2bを機器本体3に出し入れする際には、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの一方の突出ピン24のみに該小径CD2bが接触した場合、該一方の突出ピン24のみが小径CD2bから他方の突出ピン24から離れる方向に押される。そして、ロック機構7は、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの一方に設けられたカム孔25の第1及び第2凹み26a,26b内にカムピン22が侵入して、小径CD2bを機器本体3に出し入れ可能となる範囲を超えて、第1及び第2センタリングアーム20a,20bの突出ピン24が互いに離れることを規制する。
【0060】
こうして、第1凹み26aは、第1センタリングアーム20aの突出ピン24のみが第2センタリングアーム20bの突出ピン24から離れる方向に押圧されるとカムピン22が侵入して大径CD2aを機器本体に出し入れ可能とするまで第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23が回転することを規制する。第2凹み26bは、第2センタリングアーム20bの突出ピン24のみが第1センタリングアーム20aの突出ピン24から離れる方向に押圧されるとカムピン22が侵入して大径CD2aを機器本体3に出し入れ可能とするまで第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23が回転することを規制する。
【0061】
また、第1及び第2センタリングアーム20a,20bでは、これらの第1及び第2センタリングアーム20a,20bを初期位置から解除位置に向かって回転させていくと、第1センタリングアーム20aに設けられたカム孔25の第1凹み26a内にカムピン22が侵入した後、第2センタリングアーム20bに設けられたカム孔25の第2凹み26b内にカムピン22が侵入する位置に、前述した第1及び第2凹み26a,26bを配置している。このように、第1センタリングアーム20aの初期位置からカムピン22が第1凹み26a内に侵入するまでの当該第1センタリングアーム20aのアーム本体23の回転角度θ1(図6に示す)が、第2センタリングアーム20bの初期位置からカムピン22が第2凹み26b内に侵入するまでの当該第2センタリングアーム20bのアーム本体23の回転角度θ2(図7に示す)よりも小さく形成されている。
【0062】
前述した構成のディスクセンタリング機構4は、第1及び第2センタリングアーム20a,20bが前述した初期位置に付勢され、かつ突出ピン24にCD2a,2bの外縁が当接することで、突出ピン24に当接したCD2a,2bをCDプレーヤ1の幅方向Xの中央に導き、挿入口11を通されて機器本体3に挿入されたCD2a,2bを前述した再生位置に案内する。即ち、ディスクセンタリング機構4は、CD2a,2bの移動方向を案内する。
【0063】
さらに、ディスクセンタリング機構4の第1及び第2センタリングアーム20a,20bは、挿入口11を通して機器本体3に出し入れされるCD2a,2bの外縁が突出ピン24に当接することで、CD2a,2bを機器本体3に出し入れする際に、CD2a,2bの移動と連動して、シャーシ本体10の底板14に対して回転する。則ち、第1及び第2センタリングアーム20a,20bは、CD2a,2bを機器本体3に出し入れする際に、CD2a,2bの移動と連動して、機器本体3に対して移動する。
【0064】
また、第1センタリングアーム20aのカム孔25は、図4に示すように、前記第1凹み26aを境にして、挿入口11寄りの端部の中心線C1(図4中に点線で示す)と、機器本体3の奥寄りの端部の中心線C2(図4中に点線で示す)とが、カム孔25の幅方向に互いにずれて配置されている。図示例では、前記中心線C1,C2は、互いに平行に配置され、機器本体3の奥寄りの端部の中心線C2が挿入口11寄りの端部の中心線C1よりも機器本体3の幅方向Xの外側に配置されている。
【0065】
さらに、第2センタリングアーム20bのカム孔25は、図5に示すように、前記第2凹み26bを境にして、挿入口11寄りの端部の中心線C3(図5中に点線で示す)と、機器本体3の奥寄りの端部の中心線C4(図5中に点線で示す)とが、カム孔25の幅方向に互いにずれて配置されている。図示例では、前記中心線C3,C4は、互いに平行に配置され、挿入口11寄りの端部の中心線C3が機器本体3の奥寄りの端部の中心線C4よりも機器本体3の幅方向Xの外側に配置されている。
【0066】
このため、大径CD2aを機器本体3外に排出する際に、カムピン22が第1センタリングアーム20aのカム孔25の機器本体3の奥側の端部即ち初期位置から第1凹み26aに至る間は、当該カムピン22が、カム孔25の第1凹み26aと相対する内縁に摺動し、かつカムピン22が第1凹み26aを過ぎると、カムピン22が第2センタリングアーム20bのカム孔25の第2凹み26bと相対する内縁に摺動する。このように、カム孔25は、前記第1及び第2凹み26a,26bを境にして、その中心線C1,C2,C3,C4がずれている。
【0067】
また、カム孔25の中心線C1,C2,C3,C4が前述したようにずれているので、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の長手方向は、奥行き方向Yに対して角度θ(図3に示す)傾いている。第1センタリングアーム20aでは、突出ピン24が、機器本体3の幅方向Xの外側に位置するようにアーム本体23が奥行き方向Yに対して傾き、第2センタリングアーム20bでは、突出ピン24が、機器本体3の幅方向Xの内側に位置するようにアーム本体23が奥行き方向Yに対して傾いている。
【0068】
案内機構8は、図3に示すように、一対のガイド部材27を備えている。ガイド部材27は、それそれ、機器本体3の幅方向の両端に設けられ、シャーシ本体10などに固定されている。一対のガイド部材27は、奥行き方向Yに沿って直線状に延在しており、互いの間にCD2a,2bを位置付けて、これらのCD2a,2bを案内する。
【0069】
μCOMは、前述した搬送ユニット5と、クランプ再生ユニット6と、連動機構と、ディスクセンタリング機構4の一方のセンタリングアーム20aの回転角度を検出するスイッチやエンコーダなどのセンサとに接続して、これらの動作を制御して、CDプレーヤ1全体の制御をつかさどる。
【0070】
次に、前述した構成のCDプレーヤ1の作用(動作)について説明する。まず、CD2a,2bが機器本体3内に挿入されていない状態では、搬送ユニット5のローラアームの搬送ローラとディスクガイド17とが互いに近づき、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシとクランプアーム18とが互いに離れている。また、ディスクセンタリング機構4は、図3に示す初期位置に位置付けられている。
【0071】
まず、CDプレーヤ1の使用者が挿入口11内にCD2a,2bを挿入する。すると、搬送ローラが回転して、前述した図示しないモータの駆動力によって回転された搬送ローラとディスクガイド17との間にCD2a,2bが挟まれる。搬送ローラが回転しているため、CD2a,2bは、キャリッジシャーシとクランプアーム18との間に向かって搬送される。
【0072】
このとき、小径CD2bを挿入して、この小径CD2bが第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの一方の突出ピン24のみに当接した場合、カムピン22が第1凹み26aと第2凹み26bのうちいずれかに侵入して、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の回転が規制された状態で当該小径CD2bをキャリッジシャーシとクランプアーム18との間に向かって搬送する。
【0073】
また、大径CD2aを挿入すると、この大径CD2aが第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの双方の突出ピン24に当接して、カムピン22が第1凹み26aと第2凹み26bのいずれにも侵入せずに、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の回転が規制されることなく、当該大径CD2aをキャリッジシャーシとクランプアーム18との間に向かって搬送する。
【0074】
CD2a,2bが再生位置に位置付けられると、連動機構が、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシとクランプアーム18とを互いに近づけ、搬送ユニット5のディスクガイド17とローラアームの搬送ローラとを互いに離す。そして、クランプ再生ユニット6は、クランパ19と回転テーブルとの間にCD2a,2bを挟んで則ちクランプして、該CD2a,2bの情報を読み出して音声として出力する。
【0075】
前記CDプレーヤ1は、前述したCD2a,2bの再生などが終了して、該CD2a,2bを機器本体3内から排出する際には、連動機構が搬送ユニット5のディスクガイド17とローラアームの搬送ローラとを互いに近づけ、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシとクランプアーム18とを互いに離す。そして、搬送ローラを回転駆動して、CD2a,2bを排出する。
【0076】
このとき、小径CD2bを排出する際に、この小径CD2bが初期位置に位置付けられた第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちの一方の突出ピン24のみに当接した場合、カムピン22が第1凹み26aと第2凹み26bのうちいずれかに侵入して、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の回転が規制された状態で当該小径CD2bを機器本体3外に向かって搬送する。
【0077】
また、大径CD2aを排出する際には、当該大径CD2が、図8に示すように、図中最も右側によって右側のガイド部材27に接触した状態であっても、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の長手方向が奥行き方向Yに対して前述した角度θ傾いているので、図10(a)に示すように、初期位置に位置付けられた第2センタリングアーム20bの突出ピン24が大径CD2aの外縁に接触し、図10(b)に示すように、初期位置に位置付けられた第1センタリングアーム20aの突出ピン24が大径CD2aの外縁から間隔をあける(に接触しない)。大径CD2aが排出されると、第2センタリングアーム20bの突出ピン24は機器本体3の幅方向Xの外側に押圧されて、第2センタリングアーム20bのアーム本体23は、突出ピン24が幅方向Xの外側に向かう方向に回転する。
【0078】
このとき、前述した第2センタリングアーム20bのアーム本体23に設けられたカム孔25の中心線C3,C4が前述したようにずれているので、図9(a)に示すように、当該第2センタリングアーム20bのカム孔25の第2凹み26b寄りの内縁をカムピン22が摺動して、当該カムピン22を図8中の左側に第2センタリングアーム20bのアーム本体23が引っ張ることとなる。そして、リンクレバー21が図8中の左側に引っ張られると、前述した第1センタリングアーム20aのアーム本体23に設けられたカム孔25の中心線C1,C2が前述したようにずれているので、図9(b)に示すように、当該第1センタリングアーム20aのカム孔25の第1凹み26aと相対する内縁をカムピン22が摺動して、第1センタリングアーム20aのアーム本体23が、突出ピン24が幅方向Xの外側に向かう方向に回転する。こうして、図10(b)及び図11に示すように、第1センタリングアーム20aの突出ピン24が大径CD2aの外縁に接触することなく、突出ピン24が互いに離れる方向に第1及び第2センタリングアーム20bのアーム本体23が回転する。
【0079】
そして、第1センタリングアーム20aの第1凹み26aとカムピン22が並ぶ位置に位置付けられても、図12(b)に示すように、当該カムピン22は、カム孔25の第1凹み26aと相対する内縁に摺動する。なお、このとき、第2センタリングアーム20bのカム孔25内のカムピン22は、当該カム孔25の挿入口11寄りの端部内に位置して、図12(a)に示すように、第2凹み26b寄りの内縁を摺動している。そして、図13(a)に示すように、第2センタリングアーム20bの突出ピン24が大径CD2aの外縁に接触し、図13(b)に示すように、第1センタリングアーム20aの突出ピン24が大径CD2aの外縁に接触することなく、突出ピン24が互いに離れる方向に第1及び第2センタリングアーム20bのアーム本体23が回転する。
【0080】
そして、更に、大径CD2aが機器本体3の外側に排出されて、第1センタリングアーム20aのカム孔25内のカムピン22が第1凹み26aを超えると、第2センタリングアーム20bのカム孔25のカムピン22が一旦第2凹み26b内に侵入する。すると、リンクレバー21が図14中左側に引っ張られなくなり、第1及び第2センタリングアーム20bのアーム本体23の回転が一旦停止する。すると、図16(b)に示すように、大径CD2aが第1センタリングアーム20aの突出ピン24に接触して、当該突出ピン24を機器本体3の幅方向Xの外側に向かって押圧する。すると、第1センタリングアーム20aのアーム本体23が回転するとともに、第1センタリングアーム20aのカム孔25の中心線C1,C2が前述したようにずれているので、第1センタリングアーム20aのカム孔25内のカムピン22が、図15(b)に示すように、当該カム孔25の第1凹み26a寄りの内縁を摺動する。
【0081】
すると、第1センタリングアーム20aの回転により、カム孔25の内縁及びカムピン22を介して、リンクレバー21が図14中の左側に押圧される。すると、リンクレバー21が図14中の左側に移動して、第2センタリングアーム20bのカム孔25内のカムピン22が第2凹み26bから抜け出て、図15(a)に示すように、当該カム孔25の第2凹み26bと相対する内縁に押し付けられる。すると、第2センタリングアーム20bのカム孔25内のカムピン22により当該第2センタリングアーム20bのアーム本体23が機器本体3の幅方向Xの外側に押圧されて、突出ピン24が機器本体3の外側に向かうように、回転する。そして、図16(a)に示すように、第2センタリングアーム20bの突出ピン24が大径CD2aの外縁から間隔をあけることとなる。
【0082】
そして、図18(a)に示すように、第2センタリングアーム20bのカム孔25内のカムピン22が第2凹み26bと相対する内縁を摺動し、図18(b)に示すように、第1センタリングアーム20aのカム孔25内のカムピン22が第1凹み26a寄りの内縁を摺動して、図19(a)に示すように、第2センタリングアーム20bの突出ピン24が大径CD2aの外縁と間隔をあけ、図19(b)に示すように、第1センタリングアーム20aの突出ピン24が大径CD2aの外縁に接触した状態で、図17に示すように、大径CD2aを排出していく。こうして、当該大径CD2aを機器本体3外に向かって搬送する。
【0083】
本実施例によれば、大径CD2aを排出する際に、初期位置から第1凹み26aに至る間はカムピン22が第1センタリングアーム20aのカム孔25の第1凹み26aと相対する内縁に摺動し、かつ第1凹み26aを過ぎるとカムピン22が第2センタリングアーム20bカム孔25の第2凹み26bと相対する内縁に摺動するように、前記カム孔25の中心線C1,C2,C3,C4を、第1及び第2凹み26a,26bを境にしてずらしている。このために、大径CD2aを排出する際に、カムピン22が第1及び第2凹み26a,26bに侵入して係止することを防止でき、ロック機構7により第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の回転が規制されて、大径CD2aを機器本体3外に排出できなくなることを防止できる。したがって、経年変化により搬送ローラに異物が付着したり、部品の公差などにより、排出する大径CD2aが幅方向Xの常に一方向のみによってしまう場合でも、当該大径CD2aを機器本体3外に確実に排出することができる。
【0084】
また、ロック機構7が、カム孔25を各センタリングアーム20a,20bに設け、カムピン22をリンクレバー21の両端部に設けている。このために、大径CD2aを機器本体3外に確実に排出することができるに加え、一本のリンクレバー21により、各センタリングアーム20a,20bを同期させて回転させることができるので、部品点数が増加することを防止できる。
【実施例2】
【0085】
次に、本発明の第2の実施例にかかるCDプレーヤ1を、図20ないし図25に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0086】
本実施例では、リンクレバー21は、一対設けられている。これら一対のリンクレバー21は、それぞれ、第1及び第2センタリングアーム20のアーム本体23の他端部と回転自在に連結している。また、リンクレバー21は、互いにカムピンとしての連結ピン30により回転自在に連結されている。
【0087】
また、本実施例では、ロック機構7は、図20に示すように、カムピンとしての前述した連結ピン30と、カム孔31と、第1及び第2凹み26a,26bとを備えている。連結ピン30は、円柱状に形成されている。
【0088】
カム孔31は、本実施例では、一つのみ設けられ、シャーシ本体10の底板14に設けられている。カム孔31は、第1及び第2センタリングアーム20a,20b間でかつ機器本体3のシャーシ本体10の底板14の幅方向Xの中央に設けられ、勿論、シャーシ本体10の底板14を貫通している。カム孔31は、その全長に亘って、その幅が、連結ピン30の幅即ち外径よりも大きく形成されている。
【0089】
カム孔31は、第1直線部32と、第2直線部33と、傾斜部34とを備えている。第1直線部32と第2直線部33は、機器本体3の奥行き方向Yに沿って直線状に延在しており、第1直線部32は、第2直線部33よりも機器本体3の奥側に設けられている。また、第1直線部32は、第1及び第2センタリングアーム20a,20bの中間位置よりも第2センタリングアーム20a,20b寄りに配置され、第2直線部33は、第1及び第2センタリングアーム20bの中間位置よりも第1センタリングアーム20a寄りに配置されている。また、傾斜部34は、第1直線部32と第2直線部33とを連結して直線状に延在している。
【0090】
第1凹み26aは、第1直線部32と傾斜部34との交差部に設けられ、カム孔31の第1センタリングアーム20aから離れた側の内縁から凹に形成されている。第2凹み26bは、第2直線部33と傾斜部34との交差部に設けられ、カム孔31の第2センタリングアーム20bから離れた側の内縁から凹に形成されている。このため、第2凹み26bは、第1凹み26aよりも挿入口11寄りに設けられている。また、直線部32,33が前述した配置とされ、かつ凹み26a,26bが前述した位置に配置されているので、カム孔31の中心線C5,C6(図21中に点線で示す)は、凹み26a,26bを境にずれていることとなる。なお、中心線C5は、第1直線部32の中心線であり、中心線C6は、第2直線部33の中心線である。
【0091】
本実施例のロック機構7は、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのうちいずれかの突出ピン24が他方の突出ピン24から離れる方向に押されると、リンクレバー21同士を連結した連結ピン30がいずれかの凹み26a,26b内に侵入する。そして、ロック機構7は、連結ピン30が凹み26a,26b内に侵入した状態から、第1及び第2センタリングアーム20a,20bの突出ピン24が互いに離れることを防止する。すなわち、ロック機構7は、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのいずれか一方のみの突出ピン24が他方の突出ピン24から離れる方向に押圧されると、連結ピン30が凹み26a,26b内に侵入した状態からアーム本体23の回転を規制して、前述した第1の実施例と同様に、大径CD2aを機器本体3に出し入れ可能とするまで一対のセンタリングアーム20a,20bのアーム本体23が回転することを規制する。
【0092】
本実施例のCDプレーヤ1において、大径CD2aを機器本体3外に排出する際には、第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の長手方向が奥行き方向Yに対して前述した第1の実施例と同様に傾いているので、図22に示すように、初期位置に位置付けられた第2センタリングアーム20bの突出ピン24が大径CD2aの外縁に接触し、初期位置に位置付けられた第1センタリングアーム20aの突出ピン24が大径CD2aの外縁から間隔をあける(に接触しない)。大径CD2aが排出されると、第2センタリングアーム20bの突出ピン24は機器本体3の幅方向Xの外側に押圧されて、第2センタリングアーム20bのアーム本体23は、突出ピン24が幅方向Xの外側に向かう方向に回転する。
【0093】
このとき、前述した第2センタリングアーム20bのアーム本体23に設けられたカム孔31の中心線C5,C6が前述したようにずれており、更に、第2センタリングアーム20bのアーム本体23の回転により連結ピン30が図22中の左側に押圧されるので、図23に示すように、当該連結ピン30がカム孔31の第2凹み26b寄りでかつ第1凹み26aと相対した内縁を摺動して、当該連結ピン30が挿入口11に向かって移動する。すると、連結ピン30及びリンクレバー21から引っ張られて、第1センタリングアーム20aが、突出ピン24が大径CD2aの外縁から間隔をあけたまま突出ピン24が幅方向Xの外側に向かうように当該第1センタリングアーム20aのアーム本体23が回転する。
【0094】
そして、連結ピン30が、傾斜部34内を通って第2直線部33内に侵入すると、一旦、第2凹み26b内に侵入する。すると、リンクレバー21が前述したように引っ張られなくなり、第1及び第2センタリングアーム20bのアーム本体23の回転が一旦停止する。すると、大径CD2aが第1センタリングアーム20aの突出ピン24に接触して、当該突出ピン24を機器本体3の幅方向Xの外側に向かって押圧する。すると、第1センタリングアーム20aのアーム本体23が回転して、連結ピン30を図24中の右側に押圧するとともに、カム孔31の中心線C5,C6が前述したようにずれているので、カム孔31内の連結ピン30が、第2凹み26bから抜け出て、図25に示すように、当該カム孔31の第1凹み26a寄りでかつ第2凹み26bと相対する内縁を摺動する。
【0095】
すると、第1センタリングアーム20aの回転により、カム孔31内をカムピン22が挿入口11に向って移動して、リンクレバー21から引っ張られて第2センタリングアーム20bの突出ピン24が機器本体3の外側に向かうように、第2センタリングアーム20bのアーム本体23が回転する。そして、図24に示すように、第2センタリングアーム20bの突出ピン24が大径CD2aの外縁から間隔をあけることとなる。こうして、当該大径CD2aを機器本体3外に向かって搬送する。
【0096】
本実施例においても、前述した第1の実施例と同様に大径CD2aを排出する際に、初期位置から第1凹み26aに至る間は連結ピン30がカム孔31の第1凹み26aと相対する内縁に摺動し、かつ第1凹み26a及び第2凹み26bを過ぎるとカムピン22がカム孔31の第2凹み26bと相対する内縁に摺動するように、前記カム孔31の中心線C5,C6を、第1及び第2凹み26a,26bを境にしてずらしている。このために、大径CD2aを排出する際に、カムピン22が第1及び第2凹み26a,26bに侵入して係止することを防止でき、ロック機構7により第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の回転が規制されて、大径CD2aを機器本体3外に排出できなくなることを防止できる。したがって、経年変化により搬送ローラに異物が付着したり、部品の公差などにより、排出する大径CD2aが幅方向Xの常に一方向のみによってしまう場合でも、当該大径CD2aを機器本体3外に確実に排出することができる。
【0097】
さらに、本実施例によれば、ロック機構7が、カム孔31を機器本体3に設け、第1凹み26a及び第2凹み26bをカム孔31の内縁に設けている。このために、大径CD2aを機器本体3外に確実に排出することができるに加え、カム孔31を一つのみ設け、さらに当該一つのカム孔31に第1及び第2凹み26a,26bを一体に形成するので、加工に要する工数がすることを防止できる。
【0098】
前述した実施例では、記録媒体として、ディスク形記録媒体としてのCD2a,2bを示している。しかしながら、本発明では、例えば、記録媒体としてのMD(Mini Disc)
、DVD(Digital VersatileDisc)などの他の記録媒体を用いても良い。また、本発明
では、ディスク形に限らず種々の形状の記録媒体を用いても良い。
【0099】
また、前述した実施例では、記録媒体から情報を読み出す(情報を再生する)CDプレーヤ1を示している。しかしながら、本発明では、記録媒体から情報を読み出す情報処理装置に限ることなく、例えば、情報を記録媒体に記録する記録装置や、情報の再生及び記録を行う情報記録再生装置としても適用可能としても良い。
【0100】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施する
ことができる。
【0101】
前述した実施例によれば、以下のCDプレーヤ1が得られる。
【0102】
(付記) 互いに大きさの異なる大径CD2aと小径CD2bとを機器本体3内に出し入れして、これらのCD2a,CD2bに記録された情報を読み出すCDプレーヤ1において、
機器本体3に回転自在に支持されたアーム本体23と、前記アーム本体23の前記機器本体3の挿入口11寄りの一端部に設けられ前記大径CD2aと小径CD2bとの双方と接触可能な突出ピン24と、を有した第1センタリングアーム20aと、
前記第1センタリングアーム20aと前記機器本体3の幅方向Xに間隔をあけて配置され、かつ機器本体3に回転自在に支持されたアーム本体23と、前記アーム本体23の前記挿入口11寄りの一端部に設けられ前記大径CD2aと小径CD2bとの双方と接触可能な突出ピン24と、を有した第2センタリングアーム20bと、
前記第1センタリングアーム20aと前記第2センタリングアーム20bの前記アーム本体23を同期させて回転させるリンクレバー21と、
前記第1センタリングアーム20aと前記第2センタリングアーム20bの突出ピン24が互いに近づく方向に付勢するコイルばね28と、
カム孔25,31と、前記第1センタリングアーム20aと前記第2センタリングアーム20bの回転に連動して前記カム孔25,31内を移動するカムピン22,30と、前記カム孔25,31の内縁から凹に形成されかつ前記第1センタリングアーム20aの突出ピン24のみが第2センタリングアーム20bの突出ピン24から離れる方向に押圧されると前記カムピン22,30が侵入して前記大径CD2aを前記機器本体3に出し入れ可能とするまで前記第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23が回転することを規制する第1凹み26aと、前記カム孔25,32の内縁から凹に形成されかつ前記第2センタリングアーム20bの突出ピン24のみが第1センタリングアーム20aの突出ピン24から離れる方向に押圧されると前記カムピン22,30が侵入して前記大径CD2aを前記機器本体3に出し入れ可能とするまで前記第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23が回転することを規制する第2凹み26bとを有し、前記第1センタリングアーム20aの初期位置から前記カムピン22,30が前記第1凹み26a内に侵入するまでの前記第1センタリングアーム20aの前記アーム本体23の回転角度θ1が前記第2センタリングアーム20bの初期位置から前記カムピン22,3が前記第2凹み26b内に侵入するまでの前記第2センタリングアーム20bの前記アーム本体23の回転角度θ2よりも小さく形成されたロック機構7と、を備え、
前記大径CD2aを排出する際に、前記カムピン22,30が前記初期位置から前記第1凹み26aに至る間は当該カムピン22,30が前記カム孔25の前記第1凹み26aと相対する内縁に摺動し、かつ前記カムピン22,30が前記第1凹み26aを過ぎると、前記カムピン22,30が前記カム孔25の前記第2凹み26bと相対する内縁に摺動するように、前記カム孔25は、前記第1及び第2の凹み26a,26bを境にして、その中心線C1,C2,C3,C4,C5,C6がずれていることを特徴とするCDプレーヤ1。
【0103】
付記によれば、大径CD2aを排出する際に、初期位置から第1凹み26aに至る間はカムピン22が第1センタリングアーム20aのカム孔25の第1凹み26aと相対する内縁に摺動し、かつ第1凹み26aを過ぎるとカムピン22が第2センタリングアーム20bカム孔25の第2凹み26bと相対する内縁に摺動するように、前記カム孔25の中心線C1,C2,C3,C4を、第1及び第2凹み26a,26bを境にしてずらしている。このために、大径CD2aを排出する際に、カムピン22が第1及び第2凹み26a,26bに侵入して係止することを防止でき、ロック機構7により第1及び第2センタリングアーム20a,20bのアーム本体23の回転が規制されて、大径CD2aを機器本体3外に排出できなくなることを防止できる。したがって、経年変化により搬送ローラに異物が付着したり、部品の公差などにより、排出する大径CD2aが幅方向Xの常に一方向のみによってしまう場合でも、当該大径CD2aを機器本体3外に確実に排出することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 CDプレーヤ(情報処理装置)
2a 大径CD(大径記録媒体)
2b 小径CD(小径記録媒体)
3 機器本体
7 ロック機構
11 挿入口
20a 第1センタリングアーム
20b第2センタリングアーム
21 リンクレバー
22 カムピン
23 アーム本体
24 突出ピン
25 カム孔
26a 第1凹み
26b 第2凹み
28 コイルばね(付勢手段)
30 連結ピン(カムピン)
31 カム孔
C1,C2,C3,C4,C5,C6 中心線
θ1,θ2 回転角度
X 幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに大きさの異なる大径記録媒体と小径記録媒体とを機器本体内に出し入れして、これらの記録媒体に記録された情報を読み出す情報処理装置において、
機器本体に回転自在に支持されたアーム本体と、前記アーム本体の前記機器本体の挿入口寄りの一端部に設けられ前記大径記録媒体と小径記録媒体との双方と接触可能な突出ピンと、を有した第1センタリングアームと、
前記第1センタリングアームと前記機器本体の幅方向に間隔をあけて配置され、かつ機器本体に回転自在に支持されたアーム本体と、前記アーム本体の前記挿入口寄りの一端部に設けられ前記大径記録媒体と小径記録媒体との双方と接触可能な突出ピンと、を有した第2センタリングアームと、
前記第1センタリングアームと前記第2センタリングアームの前記アーム本体を同期させて回転させるリンクレバーと、
前記第1センタリングアームと前記第2センタリングアームの突出ピンが互いに近づく方向に付勢する付勢手段と、
カム孔と、前記第1センタリングアームと前記第2センタリングアームの回転に連動して前記カム孔内を移動するカムピンと、前記カム孔の内縁から凹に形成されかつ前記第1センタリングアームの突出ピンのみが第2センタリングアームの突出ピンから離れる方向に押圧されると前記カムピンが侵入して前記大径記録媒体を前記機器本体に出し入れ可能とするまで前記第1及び第2センタリングアームのアーム本体が回転することを規制する第1凹みと、前記カム孔の内縁から凹に形成されかつ前記第2センタリングアームの突出ピンのみが第1センタリングアームの突出ピンから離れる方向に押圧されると前記カムピンが侵入して前記大径記録媒体を前記機器本体に出し入れ可能とするまで前記第1及び第2センタリングアームのアーム本体が回転することを規制する第2凹みとを有し、前記第1センタリングアームの初期位置から前記カムピンが前記第1凹み内に侵入するまでの前記第1センタリングアームの前記アーム本体の回転角度が前記第2センタリングアームの初期位置から前記カムピンが前記第2凹み内に侵入するまでの前記第2センタリングアームの前記アーム本体の回転角度よりも小さく形成されたロック機構と、を備え、
前記大径記録媒体を排出する際に、前記カムピンが前記初期位置から前記第1凹みに至る間は当該カムピンが前記カム孔の前記第1凹みと相対する内縁に摺動し、かつ前記カムピンが前記第1凹みを過ぎると、前記カムピンが前記カム孔の前記第2凹みと相対する内縁に摺動するように、前記カム孔は、前記第1及び第2の凹みを境にして、その中心線がずれていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ロック機構は、前記カム孔を前記第1センタリングアームと前記第2センタリングアームとのそれぞれに設け、前記カムピンを前記リンクレバーの両端部に設けたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ロック機構は、前記カム孔を前記機器本体に設け、前記第1凹みを前記カム孔の前記第1センタリングアームから離れた側の内縁に設け、前記第2凹みを前記カム孔の前記第2センタリングアームから離れた側の内縁でかつ前記第1凹みよりも前記挿入口寄りに設けたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−192014(P2010−192014A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32727(P2009−32727)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】