説明

情報処理装置

【課題】記録媒体の排出中の他の記録媒体の誤挿入を防止できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】CDチェンジャ1はディスク搬送部4とディスク検知機構26と侵入規制部27を備えている。ディスク搬送部4は回転駆動されることで機器本体内にCDを出し入れする駆動ローラ21と駆動ローラ21に近づく方向に付勢された従動ローラ22を備えている。ディスク検知機構26は機器本体内外に搬送されるCD2の外縁に接触する検知ピン33が設けられた一対のレバー部材32を備えている。侵入規制部27はCD2を機器本体3外に排出する際にCD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転すると一方のレバー部材32に当接して一対のレバー部材32が互いに離れることを規制してCD2が機器本体内に侵入することを規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などに搭載される情報処理装置に関し、更に詳しくは、記録媒体を機器本体に出し入れ可能であり、この機器本体内に収容した記録媒体に記録された情報を再生する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、情報処理装置としてのCDプレーヤ(例えば、特許文献1参照)が取り付けられる。CDプレーヤは、記録媒体としてのCompact Disc(以下CDと呼ぶ)が記録した情報を読み出す。
【0003】
特許文献1などに示された従来のCDプレーヤは、前記インパネに取り付けられる機器本体と、前記機器本体の前面に開口した記録媒体挿入口と、CDを機器本体の内外に出し入れする搬送ユニットと、前記CDに記録された情報を読み出すための再生ユニットと、前記機器本体の前面に設けられかつ前記CDプレーヤの動作状況を表示する表示部と、前記機器本体の前面に設けられかつ前記CDプレーヤを操作するための操作部などを備えている。機器本体は、複数の板金などが互いに組み付けられて箱状に形成されたシャーシを備えている。記録媒体挿入口は、内側に前記CDが通される。
【0004】
搬送ユニットは、記録媒体挿入口内を通されたCDを所定の再生位置まで搬送したり、前記再生位置からCDを記録媒体挿入口まで搬送して該CDを機器本体内から排出する。搬送ユニットは、互いに接離自在に設けられて、互いの間に前記CDを挟みこむ駆動ローラと従動ローラとを備えている。駆動ローラと従動ローラとは、互いに接離自在に設けられかつ互いに近づく方向に付勢されている。駆動ローラは、駆動源としてのモータによりその軸芯周りに回転駆動される。従動ローラは、その軸芯周りに回転自在に設けられかつ駆動ローラとの間に挟みこんだCDが当該駆動ローラの回転駆動により機器本体に出し入れされるCDの移動に従動して回転する。搬送ユニットは、駆動ローラと従動ローラとの間にCDを挟んで、駆動ローラがモータにより回転駆動されることで、前記CDを機器本体に出し入れする。
【0005】
再生ユニットは、機器本体内に収容されたCDをクランプして、当該CDの情報を読み出す。
【0006】
表示部は、周知の蛍光表示管などで構成されている。操作部は、複数の押圧スイッチやダイヤルスイッチなどを備えている。
【0007】
前述したCDプレーヤは、搬送ユニットが機器本体にCDを出し入れし、再生ユニットが機器本体内のCDの情報を読み出して再生する。
【特許文献1】特開2000−207802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述した従来のCDプレーヤは、機器本体内のCDを機器本体外に排出する際に、使用者が誤って、排出中のCDと従動ローラとの間に他のCDを挿入すると、前記従動ローラが回転自在となっているために、当該他のCDが前記排出中のCD上を滑って機器本体内に挿入されてしまうことがあった。このように、他のCDを機器本体内に挿入してしまうと、勿論、当該他のCDを再度排出することは困難で、CDプレーヤが故障してしまう原因となっていた。
【0009】
したがって、本発明の目的は、例えば、記録媒体の排出中の他の記録媒体の誤挿入を防止できる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報処理装置は、機器本体と、駆動源により回転駆動されることで前記機器本体内外に記録媒体を搬送する駆動ローラと、回転自在に設けられかつ前記駆動ローラとの間に前記記録媒体を挟みこむ従動ローラと、前記記録媒体の非搬送時に前記記録媒体の搬送経路内に位置するとともに、搬送時に前記記録媒体に押圧されて搬送経路外へ移動するピンが設けられたレバー部材と、を備えた情報処理装置において、前記記録媒体を前記機器本体外に排出する際に、前記記録媒体を排出するときに回転する方向と逆向きの方向に前記従動ローラが回転すると、当該従動ローラの回転に連動して前記レバー部材に当接し、前記ピンが前記搬送経路外に移動することを規制する侵入規制部を備えたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、機器本体と、駆動源により回転駆動されることで前記機器本体内に記録媒体を出し入れする駆動ローラと、回転自在に設けられかつ前記駆動ローラとの間に前記記録媒体を挟みこむ従動ローラと、前記機器本体に互いに接離自在に設けられかつ互いに近づく方向に付勢されているとともに前記機器本体内外に搬送される記録媒体の外縁に接触する検知ピンが設けられた一対のレバー部材を有して、前記記録媒体によって前記検知ピンが押圧されて前記レバー部材が移動することで前記記録媒体を検知するディスク検知機構と、を備えた情報処理装置において、前記記録媒体を前記機器本体外に排出する際に、前記記録媒体を排出するときに回転する方向と逆向きの方向に前記従動ローラが回転すると、前記一対のレバー部材のうちの少なくとも一方に当接して、当該レバー部材が他方のレバー部材から離れることを規制して、前記記録媒体が前記機器本体内に侵入することを規制する侵入規制部を備えたことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、記録媒体の排出中に、従動ローラが排出するときに回転する方向と逆向きの方向に回転すると、侵入規制部が一対のレバー部材が互いに離れることを規制して、このレバー部材に設けられたピン又は検知ピンにより記録媒体の機器本体内への侵入を規制している。こうすることで、記録媒体の排出中に、他の記録媒体が排出中の記録媒体と従動ローラとの間に挿入されても、当該他の記録媒体の機器本体内への侵入を阻止できる。したがって、記録媒体の排出中の他の記録媒体の誤挿入を確実に防止することができる。
【0013】
侵入規制部が、従動ローラに向かって付勢されて当該従動ローラに取り付けられた被取付部材と、従動ローラが記録媒体を排出するときに回転する方向と逆向きの方向に回転すると被取付部材をレバー部材に当接する位置に維持する維持手段と、を備えていても良い。この場合、記録媒体を排出する際に、従動ローラが逆向きに回転すると即ち従動ローラと排出中の記録媒体との間に他の記録媒体が挿入されると、維持手段により被取付部材をレバー部材に当接する位置に維持することができる。よって、記録媒体を排出する際に、従動ローラと排出中の記録媒体との間に他の記録媒体が挿入されても、一対のレバー部材が互いに離れることを規制でき、前述した他の記録媒体の機器本体内への侵入を確実に防止することができる。
【0014】
また、記録媒体を機器本体内に収容する際に、前述した逆向きの方向に従動ローラが回転しても、記録媒体が機器本体内に侵入することを侵入規制部に許容させる規制解除部を備えても良い。この場合、記録媒体を機器本体内に収容する際には、当該記録媒体の機器本体内への侵入を侵入規制部が妨げることなく、前述した記録媒体を機器本体内に確実に収容することができる。
【0015】
規制解除部が、記録媒体を機器本体内に収容する際に被取付部材の回転を規制する位置と、記録媒体を機器本体外に排出する際に被取付部材の回転を許容する位置とに亘って移動される移動部材を備えていても良い。この場合、記録媒体を機器本体内に収容する際には、当該記録媒体を機器本体内に確実に収容でき、記録媒体を機器本体外に排出する際には、当該記録媒体を機器本体外に確実に排出することができる。
【0016】
また、記録媒体の排出中に、従動ローラが排出するときに回転する方向と逆向きの方向に回転すると、即ち他の記録媒体が排出中の記録媒体と従動ローラとの間に挿入されると、かかる旨の表示部に表示するようにしても良い。この場合、使用者に記録媒体の誤挿入を喚起ことができ、記録媒体の排出中の他の記録媒体の誤挿入をより確実に防止することができる。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の一実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDチェンジャ1を、図1ないし図19に基づいて説明する。図1などに示すCDチェンジャ1は、自動車などの移動体に装備されて、記録媒体としてのCD2(図2などに示す)を複数収容して、これらのCD2から任意のCD2に記録された情報を読み出(再生)して、音声として出力する装置である。CD2は、勿論、円板状即ちディスク状に形成されており、コンピュータなどの電子機器で読みとることのできる情報を記録した記録媒体である。
【0018】
CDチェンジャ1は、図2に示すように、機器本体3(図1に示す)と、表示部としての表示パネル13と、操作部14と、駆動源としてのモータ15と、ディスク搬送部4と、ディスク再生部5と、収容部としてのディスク収容部6と、ディスク検知機構26と、ディスク移動機構7と、侵入規制部27と、規制解除部28と、制御手段としてのマイクロプロセッサ17(以下、MPUとよび、図3に示す)とを備えている。なお、以下、図2中のCD2の搬送する際に移動する方向(以下、搬送方向と呼ぶ)と平行な矢印YをCDチェンジャ1の奥行き方向と記し、奥行き方向Yに対し直交しかつCD2の表面と平行な矢印XをCDチェンジャ1の幅方向と記し、幅方向Xと奥行き方向Yとの双方に対して直交する矢印ZをCDチェンジャ1の厚み方向と記す。
【0019】
機器本体3は、合成樹脂からなる図1に示す外側ケース8と、板金などからなる図2などに示す固定シャーシ9などを備えている。外側ケース8は、扁平な箱状に形成されている。外側ケース8には、その前面8aにCD2を出し入れ可能な挿入口10が設けられている。
【0020】
挿入口10は、外側ケース8の外壁を貫通している。挿入口10は、内側にCD2を通すことができる。挿入口10を通して、前記CD2は、外側ケース8即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。即ち、挿入口10は、CD2を機器本体3に出し入れ自在とする。
【0021】
固定シャーシ9は、外側ケース8内に収容されているとともに、該外側ケース8に固定されている。固定シャーシ9は、図2に示すように、板状の底板11と、この底板11の外縁から立設した周板12と、底板11と間隔をあけて配置された天井板29(図5中に点線で示す)とを備えている。底板11は、外側ケース8の図1中下側に位置する壁上に重ねられている。周板12は、外側ケース8の外壁上に重ねられている。天井板29は、外側ケース8の図1中上側に位置する壁上に重ねられている。
【0022】
表示パネル13は、前述した外側ケース8の前面8aに露出して設けられ、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。表示パネル13は、表示面に再生中のプログラム名等の動作状況を示す情報を表示する。
【0023】
操作部14は、各種のスイッチ14aを備えている。スイッチ14aが使用者などに操作されることによって、例えば、挿入口10を通して機器本体3内に挿入されるCD2を保持する後述のホルダ19を設定するために用いられる。操作部14は、スイッチ14aが使用者に操作されることで、挿入口10を通して機器本体3外に排出されるCD2を保持したホルダ19を設定するために用いられる。操作部14は、スイッチ14aが使用者に操作されることで、複数のホルダ19に保持されたCD2のうち情報を読み出すCD2を設定するために用いられる。
【0024】
モータ15は、固定シャーシ9の底板11などに取り付けられ、前述した挿入口10の近傍に配されている。モータ15は、出力軸の軸芯が、挿入口10の長手方向即ち機器本体3の幅方向Xに沿っている。モータ15の出力軸には、ピニオン20(図2に示す)が取り付けられている。
【0025】
ディスク搬送部4は、機器本体3内に収容され、かつ挿入口10の近傍に配置されている。ディスク搬送部4は、駆動ローラ21と、従動ローラ22とを備えている。
【0026】
駆動ローラ21と従動ローラ22とは、それぞれ円柱状の棒状に形成され、互いに厚み方向Zに重ねられている。図示例では、図2に示すように、駆動ローラ21が従動ローラ22の上方に配置されている。また、駆動ローラ21と従動ローラ22とは、それぞれ、軸芯が幅方向Xと平行に配置され、軸芯周りに回転自在に駆動シャーシ30(図8などに示す)を介して固定シャーシ9などに支持されている。
【0027】
また、これらの駆動ローラ21と従動ローラ22とは、厚み方向Zに沿って移動自在に機器本体3の固定シャーシ9などに移動自在に支持されて、互いに接離自在となっている。さらに、これらの駆動ローラ21と従動ローラ22とは、図示しない付勢手段としてのコイルばねなどにより互いに近づく方向に付勢されている。駆動ローラ21と従動ローラ22とは、それぞれ、金属で構成された芯軸31(図14中に従動ローラ22の芯軸31のみ示す)と、この芯軸31の周りに設けられたゴムなどの合成樹脂で構成されたローラ本体とを備えている。
【0028】
さらに、駆動ローラ21の図2中の手前側の端部には、歯車23が取り付けられている。歯車23は、固定シャーシ9に回転自在に設けられた中間歯車24に噛合している。この中間歯車24は、複数の他の中間歯車24を介して前述したピニオン20と噛み合っている。このため、歯車23即ち駆動ローラ21は、モータ15によりその軸芯周りに回転駆動されることで前記機器本体3内にCD2を出し入れする。
【0029】
また、前記従動ローラ22には、検出手段としてのロータリエンコーダ25(図3に示す)が取り付けられている。即ち、CDチェンジャ1は、検出手段としてのロータリエンコーダ25を備えている。ロータリエンコーダ25は、従動ローラ22の回転方向を検出して、この回転方向を示す情報をMPU17に向かって出力する。
【0030】
前述した構成のディスク搬送部4は、駆動ローラ21と従動ローラ22との間にCD2を挟み、モータ15により駆動ローラ21が回転駆動されることで、当該CD2を機器本体3に出し入れする即ち機器本体3の内外に搬送する。ディスク搬送部4の従動ローラ22は、勿論、CD2の移動ととともに軸芯周りに回転する。
【0031】
ディスク再生部5は、機器本体3内に収容されており、移動シャーシと、この移動シャーシに揺動自在に支持された揺動シャーシと、クランプ再生部とを備えている。移動シャーシは、枠状に形成され、厚み方向Z即ちCD2同士が重ねられる方向に沿って移動自在に固定シャーシ9に支持されている。
【0032】
揺動シャーシは、帯板状に形成されている。揺動シャーシは、一端部を中心として回動自在に移動シャーシに支持されている。揺動シャーシは、一端部を中心として回動することで、ディスク収容部6に収容される複数のCD2間に他端部が侵入する状態と、ディスク収容部6に収容される複数のCD2間から他端部が抜け出る状態とに亘って変位自在になっている。
【0033】
クランプ再生部は、揺動シャーシ上に設けられている。クランプ再生部は、CD2をクランプするターンテーブルと、当該ターンテーブルを回転するスピンドルモータと、ターンテーブルにクランプされたCD2の径方向に移動自在でかつCD2からの情報を読み出すピックアップなどを備えている。クランプ再生部は、揺動シャーシの他端部がCD2間に侵入して、ターンテーブルが該CD2をクランプして、スピンドルモータが当該CD2を回転する。そして、クランプ再生部は、ターンテーブルが回転しているCD2からピックアップが情報を読み出す。
【0034】
ディスク再生部5は、揺動シャーシの他端部がCD2間に侵入して、ターンテーブルがCD2をクランプするとともに、ターンテーブルがCD2を回転する。ディスク再生部5は、ピックアップが、ターンテーブルにより回転されたCD2から情報を読み出す。
【0035】
ディスク収容部6は、機器本体3内に収容されており、図2に示すように、移動シャーシ18と、複数の保持部材としてのホルダ19とを備えている。移動シャーシ18は、板金などからなり、板状に形成されている。移動シャーシ18は、固定シャーシ9の底板11と間隔をあけて平行に配されている。移動シャーシ18は、固定シャーシ9の底板11との間にディスク再生部5を位置付けている。移動シャーシ18は、前述した厚み方向Z即ちCD2同士が重ねられる方向に沿って移動自在に固定シャーシ9の周板12などに支持されている。
【0036】
ホルダ19は、合成樹脂からなり、板状に形成されている。ホルダ19の平面形状は、C字状に形成されている。ホルダ19は、底板11と移動シャーシ18との双方と平行な状態で、移動シャーシ18に支持されている。ホルダ19は、そのC字状に形成された開口部が挿入口10と相対する状態に配されている。
【0037】
ホルダ19は、挿入口10を通して機器本体3に挿入されたCD2が、開口部を通して内側に侵入することで、このCD2を保持する。複数のホルダ19は、各々が保持するCD2の外表面が互いに平行になるように、互いに重ねられて配されている。ホルダ19は、前記厚み方向Zに沿って移動自在に移動シャーシ18などに支持されている。ディスク収容部6は、CD2を保持可能な複数のホルダ19を積層配列して収容する。
【0038】
ディスク検知機構26は、図5などに示すように、一対のレバー部材32と、一対のピンとしての検知ピン33と、複数のスイッチを備えている。
【0039】
レバー部材32は、それぞれ、帯板状に形成され、かつ、挿入口10の近傍に配置されている。レバー部材32は、幅方向Xに沿って、互いに間隔をあけて配置され、かつ、それぞれが天井板29上に重ねられている。レバー部材32は、天井板29に設けられた図示しないガイド溝などにより、幅方向Xに沿って、移動自在に設けられている。また、一対のレバー部材32は、図示しない付勢ばねにより、互いに近づく方向に付勢されている。
【0040】
検知ピン33は、円柱状に形成され、かつ一対のレバー部材32の中央部から立設している。即ち、検知ピン33は、レバー部材32に設けられている。検知ピン33は、CD2の非搬送時に当該CD2の搬送経路内に位置付けられている。なお、搬送経路とは、機器本体3の内外に移動される際のCD2の移動軌跡をいう。検知ピン33は、挿入口10を通して機器本体3内に挿入されたCD2の外縁が接触するとともに、挿入口10を通して機器本体3内から当該機器本体3外に排出するCD2の外縁が接触する。即ち、検知ピン33は、機器本体3内外に搬送されるCD2の外縁に接触する。そして、検知ピン33は、機器本体3内外へのCD2の搬送時に、当該CD2の外縁に押圧されて、搬送経路外に移動する。
【0041】
複数のスイッチは、それぞれ、天井板29などに取り付けられている。複数のスイッチは、それぞれ、本体部と当該本体部から突没自在な接触子とを備えている。
【0042】
複数のスイッチのうち一つは、検知ピンが最も近づいた状態において、挿入口10内にCD2が挿入されて、一対のレバー部材32が互いに離れる方向に移動すると、レバー部材により接触子が押圧されて、一対のレバー部材32が互いに離れる方向に移動したことを検出する。他の一つは、CD2によりレバー部材32が互いに最も離れると、レバー部材により接触子が押圧されて、一対のレバー部材32が互いに最も離れたことを検出する。さらに、他の一つは、機器本体3内のCD2を当該機器本体3外に排出完了した際に、レバー部材により接触子が押圧されて、CD2の排出が完了したことを検出する。このように、前述したスイッチはオン又はオフとなることで、CD2の位置を検知する。
【0043】
ディスク検知機構26は、互いに近づく方向に付勢された一対のレバー部材32に設けられた検知ピン33がCD2の外縁に接触することで、機器本体3に出し入れされるCD2の移動方向を案内する。そして、ディスク検知機構26は、スイッチのオン・オフによりCD2の位置を検出する。
【0044】
ディスク移動機構7は、機器本体3内に収容されており、ディスク再生部5とディスク収容部6の双方の移動シャーシ18を厚み方向Zに沿って移動させるとともに、ディスク収容部6の各ホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させる。ディスク移動機構7は、モータ15の回転駆動力により、奥行き方向Yに沿って移動されることで、ディスク再生部5とディスク収容部6の双方の移動シャーシ18を厚み方向Zに沿って移動させるスライドシャーシ34を備えている。ディスク移動機構7は、機器本体3内のCD2から情報を読み出す際には、ディスク収容部6の移動シャーシ18を底板11から最も遠ざけて即ち最も上昇させて、ディスク再生部5の移動シャーシを厚み方向Zに沿って移動させる。そして、ディスク移動機構7は、ディスク収容部6のホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させて、一つのCD2を保持したホルダ19を他のホルダ19から遠ざけて、これらのホルダ19間に揺動シャーシの他端部を侵入させて、ディスク再生部5のクランプ再生部に前述した一つのCD2から情報を読み出させる。
【0045】
ディスク移動機構7は、機器本体3の内外にCD2を出し入れする際には、ディスク再生部5の移動シャーシを底板11に最も近づけて即ち最も降下させて、ディスク収容部6の移動シャーシ18を厚み方向Zに沿って移動させる。そして、ディスク移動機構7は、ディスク収容部6のホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させて、機器本体3に挿入されたCD2を保持する又は保持したCD2を機器本体3外に排出する一つのホルダ19を他のホルダ19から遠ざけるとともに、この一つのホルダ19をディスク搬送部4の駆動ローラ21と従動ローラ22との間と奥行き方向Yに沿って並ぶ位置に位置付けて、機器本体3に挿入されたCD2を前述した一つのホルダ19に保持させたり、前述した一つのホルダ19に保持されたCD2を機器本体3外に排出させる。なお、ディスク移動機構7のスライドシャーシ34とモータ15との間には、当該モータ15の回転駆動力をスライドシャーシ34に伝達する状態と、駆動ローラ21に伝達する状態とを切り換える図示しない切換機構が設けられている。
【0046】
侵入規制部27は、図14に示すように、被取付部材としてのストッパ35と、維持手段としての付勢ねじ36と、を備えている。ストッパ35は、従動ローラ22の図2中手前側の端部に取り付けられている。ストッパ35は、図14に示すように、円環状の取付部37と、この取付部37に一端が連なった棒状のストッパ部38とを備えている。
【0047】
取付部37は、従動ローラ22の前述した端部の芯軸31の外周に取り付けられて、この芯軸31に対して回転自在に設けられている。取付部37は、芯軸31と同軸に配置されている。ストッパ部38は、取付部37から当該取付部37の外周方向に延在した格好に配置されている。
【0048】
付勢ねじ36は、そのねじ部39がストッパ35の取付部を貫通しかつ当該ねじ部39の先端が芯軸31に密に接触した状態で、ストッパ35を芯軸31即ち従動ローラ22に取り付けている。付勢ねじ36は、所定の摩擦力を生じさせながら、芯軸31の外周面上を摺動する。即ち。付勢ねじ36は、ねじ部39が芯軸31の外周面に密に接触した状態で、ストッパ35を従動ローラ22に取り付けることで、当該ストッパ35を芯軸31即ち従動ローラ22に向かって付勢する。
【0049】
また、付勢ねじ36は、ストッパ35に外力が作用しない状態では、前述した摩擦力によりストッパ35を芯軸31即ち従動ローラ22とともに回転させる。さらに、付勢ねじ36は、後述するストッパ片40が許容位置に位置付けられると、ストッパ35を従動ローラ22とともに回転させることで、このストッパ35を、駆動ローラ21を回転自在に支持した駆動シャーシ30と天井板29とのいずれかに接触させる。即ち、付勢ねじ36は、ストッパ35を、ストッパ片40が許容位置に位置付けられた状態では、天井板29と駆動シャーシ30との間で回転させる。なお、ストッパ35は、天井板29に接触すると、一対のレバー部材32のうち図5中手前側の一方のレバー部材32と幅方向Xに沿って並び、当該一方のレバー部材32と当接可能となる。また、付勢ねじ36は、ストッパ片40が許容位置に位置付けられた状態では、ストッパ35が天井板29と駆動シャーシ30との間を越えようとしても前述した摩擦力を生じながら芯軸31の外周面上を摺動して、ストッパ35を芯軸31即ち従動ローラ22に対して相対的に回転させる。
【0050】
規制解除部28は、移動部材としてのストッパ片40を備えている。ストッパ片40は、図2に示すように、スライドシャーシ34の挿入口10寄りの端部に設けられている。即ち、ストッパ片40は、スライドシャーシ34とともに奥行き方向Yに沿って移動される。ストッパ片40は、スライドシャーシ34の前述した端部より機器本体3の幅方向Xの中央に向かって立設している。
【0051】
ストッパ片40は、スライドシャーシ34とともに奥行き方向Yに沿って移動させることで、図10に示すストッパ35を駆動シャーシ30との間に挟み込んで当該ストッパ35が従動ローラ22とともに回転することを規制する規制位置と、図8に示すストッパ35と間隔をあけて当該ストッパ35が駆動シャーシ30と天井板29との間において従動ローラ22とともに回転することを許容する許容位置とに亘って、移動される。
【0052】
MPU17は、周知のROM、RAM、CPU、タイマーなどを内蔵したマイクロコンピュータであり、モータ15、ディスク搬送部4、ロータリエンコーダ25、ディスク再生部5、ディスク収容部6、ディスク移動機構7及び規制解除部28の動作を制御して、CDチェンジャ1全体の制御をつかさどる。
【0053】
MPU17は、機器本体3内のCD2を排出する際には、モータ15を制御して、図5、図6、図8、図9、図11、図12、図15乃至図17に示すように、ストッパ片40を前述した許容位置に位置付ける。そして、MPU17は、図4中のステップS1において、スイッチ14aのうち排出用のスイッチ14aが押圧操作されると、ステップS2に進む。
【0054】
そして、MPU17は、ステップS2では、モータ15により駆動ローラ21を機器本体3外にCD2を排出する方向K1(図15中に矢印で示す)に回転駆動して、ステップS3に進む。すると、機器本体3内のCD2が、図15に示すように、駆動ローラ21と従動ローラ22との間に挟まれて、当該機器本体3外に徐々に排出されるとともに、当該CD2の移動にともなって、従動ローラ22が勿論機器本体3外にCD2を排出する方向としての矢印K2(図15中に矢印で示す)に沿って回転している。この際、侵入規制部27は、ストッパ35が駆動シャーシ30に接触する位置に維持されているので、当該ストッパ35が回転することなく、従動ローラ22のみが回転している。
【0055】
ステップS3では、MPU17は、ロータリエンコーダ25が、CD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2a(図17中に矢印で示す)に従動ローラ22が回転したことを検出したか否かを判定する。MPU17は、ロータリエンコーダ25が、CD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転したことを検出していないとステップS4に進み、検出するとステップS6に進む。そして、MPU17は、ステップS4では、スイッチなどから情報により、CD2の排出が完了したか否かを判定し、排出が完了していないと、ステップS3に戻り、排出が完了すると、ステップS5に進んで、駆動ローラ21の回転駆動を停止する。要するに、MPU17は、CD2の排出が完了するまで、ステップS3及びステップS4を繰り返す。
【0056】
この状態で、図16に示すように、排出中のCD2と従動ローラ22との間に他のCD2aが挿入されると、まず、従動ローラ22が、他のCD2aの移動に伴って、当該従動ローラ22がCD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに回転する。MPU17は、ステップS3において、ロータリエンコーダ25が、CD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転したことを検出して、ステップS6に進む。さらに、従動ローラ22が前述した逆向きの方向K2aに回転すると、図6、図9、図12及び図17に示すように、ストッパ35が天井板29に接触する。そして、付勢ねじ36のねじ部39の先端が芯軸31の外周面上を摺動して、ストッパ35が天井板29に接触した位置に維持される。
【0057】
すると、他のCD2aが検知ピン33を一対のレバー部材32が互いに離れる方向に押圧する。そして、付勢ねじ36が芯軸31の外周面上を摺動して、ストッパ35が天井板29に接触した位置に維持されるので、図18に示すように、図5中手前側の一方のレバー部材32がストッパ35に当接する。すると、一対の検知ピン33は、図5中手前側の一方のレバー部材32がストッパ35に当接した位置よりも互いに離れることが規制される。そして、侵入規制部27により前述した他のCD2aが機器本体3内に完全に収容されることが規制される。
【0058】
こうして、侵入規制部27は、CD2を機器本体3外に排出する際に、CD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転すると、当該従動ローラ22の回転に連動して、レバー部材32に当接して、検知ピン33が搬送経路外に移動することを規制する。また、侵入規制部27は、CD2を機器本体3外に排出する際に、CD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転すると、一対のレバー部材32のうちの一方のレバー部材32に当接して、当該レバー部材32が他方のレバー部材32から離れることを規制する。そして、侵入規制部27は、前述した他のCD2aが機器本体3内に侵入することを規制する。さらに、侵入規制部27のストッパ35は、付勢ねじ36により、CD2を機器本体3外に排出する際に、従動ローラ22が逆向きの方向K2aに回転すると、天井板29に接触する位置即ち一対のレバー部材32のうちの一方のレバー部材32に当接する位置まで従動ローラ22とともに回転する。また、付勢ねじ36は、芯軸31の外周面上を摺動することにより、CD2を機器本体3外に排出する際に、従動ローラ22が逆向きの方向K2aに回転すると、ストッパ35を一対のレバー部材32のうちの一方のレバー部材32に当接する位置に維持する。
【0059】
そして、MPU17は、ステップS6において、ロータリエンコーダ25がCD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転したことを検出したこと即ち前述したCD2の排出中に他のCD2aが挿入されたことを示す警告メッセージを表示パネル13に表示して、ステップS7に進む。ステップS7では、MPU17は、ロータリエンコーダ25が逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転したことを検出した後に、CD2を排出するときに回転する方向K2に従動ローラ22が回転したことを検出したか否か即ち前述した他のCD2aが抜き取られたか否かを判定して、検出していないと即ち前述した他のCD2aが抜き取られていないとステップS6に戻り、検出すると即ち前述した他のCD2aが抜き取られるとステップS8に進む。こうして、MPU17は、ロータリエンコーダ25がCD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転したことを検出した後に、他のCD2aが抜き取られるまで、ステップS6及びステップS7を繰り返す。
【0060】
そして、MPU17は、ステップS8では、スイッチなどから情報により、CD2の排出が完了したか否かを判定し、排出が完了していないと、当該ステップS8を繰り返し、排出が完了すると、ステップS9に進んで、駆動ローラ21の回転駆動を停止する。要するに、MPU17は、CD2の排出が完了するまで、ステップS8を繰り返す。
【0061】
また、MPU17は、機器本体3内にCD2を収容する際には、モータ15を制御して、図7、図10、図13及び図19に示すように、ストッパ片40を前述した規制位置に位置付ける。そして、MPU17は、スイッチ14aのうち収容用のスイッチ14aが押圧操作されると、モータ15により駆動ローラ21を機器本体3内にCD2を収容する方向K1a(図19中に矢印で示す)に回転駆動する。すると、機器本体3内に収容するCD2が、図7、図13及び図19に示すように、駆動ローラ21と従動ローラ22との間に挟まれて、当該機器本体3内に徐々に収容されるとともに、当該CD2の移動にともなって、従動ローラ22が前述した逆向きの方向K2a(図19中に矢印で示す)に沿って回転する。
【0062】
このとき、ストッパ片40が規制位置に位置付けられて、ストッパ35が駆動シャーシ30とストッパ片40との間に挟まれているので、付勢ねじ36が芯軸31の外周面上を摺動して、ストッパ35が回転することなく、従動ローラ22のみが前述した逆向きの方向K2aに回転する。こうして、機器本体3内にCDが収容されて、所定のホルダ19に保持される。そして、MPU17は、ディスク再生部5及びディスク移動機構7などを適宜制御して、所定のホルダ19に保持されたCD2の情報を読み出して再生する。
【0063】
このように、規制解除部28は、CD2を機器本体3内に収容する際に、CD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転しても、CD2が機器本体3内に侵入することを侵入規制部27に許容させる。そして、規制解除部28のストッパ片40は、CD2を機器本体3内に収容する際に位置付けられかつストッパ35が従動ローラ22とともに逆向きの方向K2aに回転することを規制する規制位置と、CD2を機器本体3外に排出する際に位置付けられかつストッパ35が従動ローラ22とともに逆向きの方向K2aに回転することを許容する許容位置とに亘って移動される。
【0064】
なお、ロータリエンコーダ25は警告メッセージを表示するために従動ローラ22の回転方向を検出しているが、本実施例はロータリエンコーダ25の有無に関わらず他のCD2aの誤挿入を防止している。つまり、他のCD2aが侵入した際には、ロータリエンコーダ25が誤挿入を検出するのではなく、他のCD2aの駆動力に基づいた従動ローラ22、侵入規制部27、レバー部材32等の機構によって侵入を阻止している。よって、ロータリエンコーダ25をなくせばより安価に誤挿入の防止を実現できる。もし警告メッセージが表示されなくても、他のCD2aは検知ピン33に規制される位置より奥に挿入することが出来ないので、ユーザは誤って他のCD2aを挿入したことに気づくことができる。
【0065】
なお、本実施例では、検知ピン33が他のCD2aの侵入を防いでいるが、CD2aの非搬送時にCD2aの搬送経路内に位置しかつ搬送中にCD2aに押圧されて搬送経路外に移動する部材であれば、検知ピン33に限らず種々のピンにより本発明を実現することが可能である。例えば、検知ピン33に代替する部材として、CD2aをトレイに案内するための案内ピン等が挙げられる。ようするに、従動ローラ22の移動に連動した侵入規制部27によって搬送経路内に位置付けることが可能な部材であればよい。
【0066】
本実施例によれば、CDの排出中に、従動ローラ22が排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに回転すると即ち排出中のCD2と従動ローラ22との間に他のCD2aが挿入されると、侵入規制部27が一対のレバー部材32が互いに離れることを規制して、このレバー部材32に設けられた検知ピン33によりCD2の機器本体3内への侵入を規制する。このため、CD2の排出中に、他のCD2aが排出中のCD2と従動ローラ22との間に挿入されても、当該他のCD2aの機器本体3内への侵入を阻止できる。したがって、CD2の排出中の他のCD2aの誤挿入を確実に防止することができる。
【0067】
侵入規制部27が、従動ローラ22に向かって付勢されて当該従動ローラ22に取り付けられたストッパ35と、従動ローラ22がCD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに回転するとストッパ35をレバー部材32に当接する位置に維持する付勢ねじ36と、を備えている。このため、CD2を排出する際に、従動ローラ22が前述した逆向きの方向K2aに回転すると即ち従動ローラ22と排出中のCD2との間に他のCD2aが挿入されると、付勢ねじ36によりストッパ35をレバー部材32に当接する位置に維持することができる。よって、CD2を排出する際に、従動ローラ22と排出中のCD2との間に他のCD2aが挿入されても、一対のレバー部材32が互いに離れることを規制でき、前述した他のCD2aの機器本体3内への侵入を確実に防止することができる。
【0068】
また、CD2を機器本体3内に収容する際に、前述した逆向きの方向K2aに従動ローラ22が回転しても、CD2が機器本体3内に侵入することを侵入規制部27に許容させる規制解除部28を備えている。このため、CD2を機器本体3内に収容する際には、当該CD2の機器本体3内への侵入を侵入規制部27が妨げることなく、前述したCD2を機器本体3内に確実に収容することができる。
【0069】
規制解除部28が、CD2を機器本体3内に収容する際にストッパ35の回転を規制する規制位置と、CD2を機器本体3外に排出する際にストッパ35の回転を許容する許容位置とに亘って移動されるストッパ片40を備えている。このため、CD2を機器本体3内に収容する際には、当該CD2を機器本体3内に確実に収容でき、CD2を機器本体3外に排出する際には、当該CD2を機器本体3外に確実に排出することができる。
【0070】
また、CD2の排出中に、従動ローラ22が排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに回転すると、即ち他のCD2aが排出中のCD2と従動ローラ22との間に挿入されると、かかる旨の表示パネル13に表示する。このため、使用者にCD2の誤挿入を喚起ことができ、CD2の排出中の他のCD2aの誤挿入をより確実に防止することができる。
【0071】
前述した実施例では、駆動ローラ21は従動ローラ22の上方に配置されている。しかしながら、本発明では、駆動ローラ21を従動ローラ22の下方に配置しても良いことは勿論である。
【0072】
さらに、前述した実施例では、ストッパ35を従動ローラ22の前述した端部のみに設けて、一方のレバー部材32のみに当接させることで、当該レバー部材32の移動を規制している。しかしながら、本発明では、ストッパ35を従動ローラ22の両端部に設けて、一対のレバー部材32の双方に当接させることで、当該レバー部材32の移動を規制するようにしても良い。要するに、本発明では、侵入規制部27は、一対のレバー部材32のうち少なくとも一方に当接することで、当該レバー部材32の移動を規制すれば良い。
【0073】
前述した実施例によれば、以下のCDチェンジャが得られる。
【0074】
(付記) 機器本体3と、
モータ15により回転駆動されることで前記機器本体3内にCD2を出し入れする駆動ローラ21と、
前記駆動ローラ21に接離自在に設けられかつ前記駆動ローラ21に近づく方向に付勢されているとともに前記駆動ローラ21との間に前記CD2を挟みこむ従動ローラ22と、
前記機器本体3に互いに接離自在に設けられかつ互いに近づく方向に付勢されているとともに前記機器本体3内外に搬送されるCD2の外縁に接触する検知ピン33が設けられた一対のレバー部材32を有して、前記CD2によって前記検知ピン33が押圧されて前記レバー部材32が移動することで前記CD2を検知するディスク検知機構26と、
を備えたCDチェンジャ1において、
前記CD2を前記機器本体3外に排出する際に、前記CD2を排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに前記従動ローラ22が回転すると、前記一対のレバー部材32のうちの少なくとも一方に当接して、これら一対のレバー部材32が互いに離れることを規制して、前記CD2が前記機器本体3内に侵入することを規制する侵入規制部27を備えたことを特徴とするCDチェンジャ1。
【0075】
付記によれば、CDの排出中に、従動ローラ22が排出するときに回転する方向K2と逆向きの方向K2aに回転すると即ち排出中のCD2と従動ローラ22との間に他のCD2aが挿入されると、侵入規制部27が一対のレバー部材32が互いに離れることを規制して、このレバー部材32に設けられた検知ピン33によりCD2の機器本体3内への侵入を規制する。このため、CD2の排出中に、他のCD2aが排出中のCD2と従動ローラ22との間に挿入されても、当該他のCD2aの機器本体3内への侵入を阻止できる。したがって、CD2の排出中の他のCD2aの誤挿入を確実に防止することができる。
【0076】
前述した実施例では、記録媒体としてのCD2を複数収容するCDチェンジャ1を示している。しかしながら、本発明では、例えば、記録媒体としてのMD(Mini Disc)を複数収容するMDチェンジャや、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)などの他の記録媒体を複数収容する情報処理装置に適用しても良い。さらに、本発明は、各種の記録媒体を一枚のみ収容する情報処理装置に適用しても良い。
【0077】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施例にかかる情報処理装置としてのCDチェンジャの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたCDチェンジャの互いに組み付けられた固定シャーシとディスク搬送部とディスク再生部とディスク収容部とディスク移動機構などを示す斜視図である。
【図3】図2に示されたCDチェンジャの要部の構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示されたCDチェンジャのCDの排出中に他のCDが挿入された際のフローチャートである。
【図5】図2に示されたCDチェンジャのストッパ片が許容位置に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示されたCDチェンジャの排出中のCDと従動ローラとの間に他のCDが挿入された状態を示す斜視図である。
【図7】図2に示されたCDチェンジャのストッパ片が規制位置に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【図8】図5中のVIII部を拡大して示す斜視図である。
【図9】図6中のIX部を拡大して示す斜視図である。
【図10】図7中のX部を拡大して示す斜視図である。
【図11】図8に示されたCDチェンジャの要部を側方からみた側面図である。
【図12】図9に示されたCDチェンジャの要部を側方からみた側面図である。
【図13】図10に示されたCDチェンジャの要部を側方からみた側面図である。
【図14】図8中のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【図15】図2に示されたCDチェンジャがCDを排出している状態を模式的に示す説明図である。
【図16】図15に示されたCDチェンジャの排出中のCDと従動ローラとの間に他のCDが挿入されようとする状態を模式的に示す説明図である。
【図17】図16に示されたCDチェンジャの排出中のCDと従動ローラとの間に他のCDが挿入された状態を模式的に示す説明図である。
【図18】図17に示されたCDチェンジャの要部を模式的に示す平面図である。
【図19】図2に示されたCDチェンジャがCDを収容している状態を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0079】
1 CDチェンジャ(情報処理装置)
2 CD(記録媒体)
2a 他のCD(他の記録媒体)
3 機器本体
13 表示パネル(表示部)
15 モータ(駆動源)
17 MPU(制御手段)
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
25 ロータリエンコーダ(検出手段)
26 ディスク検知機構
27 侵入規制部
28 規制解除部
32 レバー部材
33 検知ピン(ピン)
35 ストッパ(被取付部材)
36 付勢ねじ(維持手段)
40 ストッパ片(移動部材)
K2 CDを排出するときに回転する方向
K2a 逆向きの方向



【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体と、
駆動源により回転駆動されることで前記機器本体内外に記録媒体を搬送する駆動ローラと、
回転自在に設けられかつ前記駆動ローラとの間に前記記録媒体を挟みこむ従動ローラと、
前記記録媒体の非搬送時に前記記録媒体の搬送経路内に位置するとともに、搬送時に前記記録媒体に押圧されて搬送経路外へ移動するピンが設けられたレバー部材と、
を備えた情報処理装置において、
前記記録媒体を前記機器本体外に排出する際に、前記記録媒体を排出するときに回転する方向と逆向きの方向に前記従動ローラが回転すると、当該従動ローラの回転に連動して前記レバー部材に当接し、前記ピンが前記搬送経路外に移動することを規制する侵入規制部を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
機器本体と、
駆動源により回転駆動されることで前記機器本体内に記録媒体を出し入れする駆動ローラと、
回転自在に設けられかつ前記駆動ローラとの間に前記記録媒体を挟みこむ従動ローラと、
前記機器本体に互いに接離自在に設けられかつ互いに近づく方向に付勢されているとともに前記機器本体内外に搬送される記録媒体の外縁に接触する検知ピンが設けられた一対のレバー部材を有して、前記記録媒体によって前記検知ピンが押圧されて前記レバー部材が移動することで前記記録媒体を検知するディスク検知機構と、
を備えた情報処理装置において、
前記記録媒体を前記機器本体外に排出する際に、前記記録媒体を排出するときに回転する方向と逆向きの方向に前記従動ローラが回転すると、前記一対のレバー部材のうちの少なくとも一方に当接して、当該レバー部材が他方のレバー部材から離れることを規制して、前記記録媒体が前記機器本体内に侵入することを規制する侵入規制部を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記侵入規制部は、
前記従動ローラに向かって付勢された状態で当該従動ローラに取り付けられて前記逆向きの方向に前記従動ローラが回転すると前記一対のレバー部材のうちの少なくとも一方に当接する位置まで前記従動ローラとともに回転する被取付部材と、
前記逆向きの方向に前記従動ローラが回転すると前記被取付部材を前記一対のレバー部材のうちの一方に当接する位置に維持する維持手段と、を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記録媒体を前記機器本体内に収容する際に、前記記録媒体を排出するときに回転する方向と逆向きの方向に前記従動ローラが回転しても、前記記録媒体が前記機器本体内に侵入することを前記侵入規制部に許容させる規制解除部を備えたことを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記規制解除部は、前記記録媒体を前記機器本体内に収容する際に位置付けられかつ前記被取付部材が前記従動ローラとともに前記逆向きの方向に回転することを規制する位置と、前記記録媒体を前記機器本体外に排出する際に位置付けられかつ前記被取付部材が前記従動ローラとともに前記逆向きの方向に回転することを許容する位置と、に亘って移動される移動部材を備えたことを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記機器本体に設けられて動作状況を表示する表示部と、
前記従動ローラの回転方向を検出する検出手段と、
前記記録媒体を前記機器本体外に排出する際に、前記検出手段が前記記録媒体を排出するときに回転する方向と逆向きの方向に前記従動ローラが回転したことを検出すると、この前記従動ローラが逆向きの方向に回転したことを示す情報を前記表示部に表示させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−79981(P2010−79981A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246379(P2008−246379)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】