説明

情報処理装置

【課題】記録媒体を確実に収容及び排出することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】CDプレーヤ1はCD2を内側に通す挿入口10が設けられた前面パネル31を有する機器本体3と機器本体3内に収容されかつ挿入口10を通されたCD2から情報を読み出すことが可能な再生ユニット4と前面パネル31と再生ユニット4との間に設けられかつ挿入口10を通されるCD2を案内するガイド部7と間隔調整機構30を備えている。ガイド部7が互いの間に前記CD2が通される一対のガイド部材37を備えている。間隔調整機構30はCD2を収容する際のガイド部材37の縁間の間隔D1よりCD2を排出する際のガイド部材27の縁間の間隔D2が広くなるようにガイド部材37を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、機器本体に収容した記録媒体から情報を読み出す情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)などの記録媒体から情報を読み出す情報処理装置は、箱状の機器本体と、この機器本体内に収容された再生機構などを備えている。機器本体は、情報処理装置の外殻を形成する箱状に形成されている。機器本体は、前述した記録媒体を出し入れする挿入口が設けられた前面パネルと、この前面パネルの外縁から立設した格好の複数の壁を有する箱状の本体部とを備えている。
【0003】
再生機構は、機器本体の本体部内に収容され、前記前面パネルと間隔をあけて配置されている。再生機構は、該機器本体内に収容された記録媒体の情報を読み出して再生する。
【0004】
前述した従来の情報処理装置は、前述した挿入口を通して、記録媒体を機器本体内の再生機構に案内するとともに、前記再生機構が排出する記録媒体を挿入口へ案内するガイド部を備えている。ガイド部は、前記挿入口の縁から機器本体の内側に向かって立設した扁平な筒状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−56505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来の情報処理装置のガイド部は、前記前面パネルの挿入口の縁から立設した筒状に形成されて、当該前面パネルに固定されている。このため、前面パネル、機器本体及び再生機構の各々の寸法の公差などにより、これらの相対的な位置がばらついてしまう。
【0007】
このため、ガイド部と再生ユニットの公差などにより、記録媒体を挿入する際に、当該記録媒体が再生ユニットに引っ掛かりスムーズに当該記録媒体を挿入できなくなる問題が生じたり、排出する記録媒体がガイド部に引っ掛かり当該記録媒体を排出できなくなる問題が生じる虞があった。
【0008】
したがって、本発明の目的の一例は、記録媒体を確実に収容及び排出することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、記録媒体を内側に通す挿入口が設けられた前面パネルを有する機器本体と、前記機器本体内に収容されかつ前記挿入口を通された記録媒体から情報を読み出すことが可能な再生ユニットと、前記前面パネルと前記再生ユニットとの間に設けられかつ前記挿入口を通される記録媒体を案内するガイド部とを備えた情報処理装置において、前記ガイド部が、前記記録媒体の厚み方向に互いに間隔をあけて互いの間に前記記録媒体が通される一対のガイド部材を備え、前記ガイド部材の前記再生ユニット寄りの縁が互いに接離するように、前記ガイド部材を移動自在に支持するとともに、前記記録媒体を収容する際の前記ガイド部材の前記縁間の間隔より前記記録媒体を排出する際の前記ガイド部材の前記縁間の間隔が広くなるように、前記ガイド部材を移動させる間隔調整機構を備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例にかかるCDプレーヤの斜視図である。
【図2】図1に示されたCDプレーヤの再生ユニットなどを示す斜視図である。
【図3】図2に示された再生ユニットにCDを挿入し始めた状態を模式的に示す説明図である。
【図4】図3に示された再生ユニットに挿入されたCDがキャリッジシャーシとクランプアームとの間に位置した状態を模式的に示す説明図である。
【図5】図4に示されたCDがクランプ再生ユニットにクランプされた状態を模式的に示す説明図である。
【図6】図1に示されたCDプレーヤの間隔調整機構などを模式的に示す説明図である。
【図7】図6に示された間隔調整機構によりガイド部材の縁間の間隔が広げられた状態を模式的に示す説明図である。
【図8】図6に示されたガイド部材間にCDが挿入された状態を模式的に示す説明図である。
【図9】図7に示されたガイド部材間に排出されるCDが位置付けられる状態を模式的に示す説明図である。
【図10】図6に示された間隔調整機構のμCOMの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図1に示されたCDプレーヤのガイド部を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、記録媒体を案内するガイド部が再生ユニット寄りの縁が互いに接離自在な一対のガイド部材を備え、記録媒体を収容する際のガイド部材の再生ユニット寄りの縁間の間隔よりも記録媒体を排出する際のガイド部材の再生ユニット寄りの縁間の間隔が広くなるように、ガイド部材を移動させる間隔調整機構を備えている。こうすることで、ガイド部のガイド部材や再生ユニットに公差が生じても、記録媒体を収容する際にはガイド部材の縁間の間隔を狭くするので、当該記録媒体が再生ユニットに引っ掛かることなく、ガイド部が記録媒体を再生ユニットまで案内することができる。また、ガイド部のガイド部材や再生ユニットに公差が生じても、記録媒体を排出する際にはガイド部材の縁間の間隔を広くするので、当該記録媒体がガイド部に引っ掛かることなく、ガイド部が記録媒体を機器本体外まで案内することができる。よって、記録媒体を確実に収容及び排出することができる。
【0012】
また、本実施形態では、間隔調整機構は、ガイド部材の中央部を互いに回転自在に連結する連結部と、ガイド部材の再生ユニット寄りの縁が互いに連動して接離するようにガイド部材の回転を連動させる連動部と、一方のガイド部材を連結部を中心として回転させる駆動部を備えていてもよい。この場合、間隔調整機構は、一方のガイド部材を回転させることで、記録媒体を収容する際のガイド部材の再生ユニット寄りの縁間の間隔よりも記録媒体を排出する際のガイド部材の再生ユニット寄りの縁間の間隔が広くなるように、ガイド部材を互いに連動させて回転させることができる。
【0013】
さらに、駆動部が、一方のガイド部材の連結部から離れた部分に一端部が連結した連結部材と、連結部材の一端部を記録媒体を移動方向に沿って移動させる駆動源部とを備えていてもよい。この場合、駆動源部が連結部材の一端部を移動させることで、確実にガイド部材を回転させることができ、記録媒体を収容する際のガイド部材の再生ユニット寄りの縁間の間隔よりも記録媒体を排出する際のガイド部材の再生ユニット寄りの縁間の間隔が広くなるように、ガイド部材を互いに連動させて回転させることができる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の一実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図1ないし図10に基づいて説明する。図1などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに取り付けられて、記録媒体としてのCD2(図3ないし図5などに一部示す)を一枚収容して、このCD2に記録された情報を読み出(再生)して、音声として出力する装置である。CD2は、勿論、円板状即ちディスク状に形成されており、コンピュータなどの電子機器で読みとることのできる情報を記録した記録媒体である。
【0015】
CDプレーヤ1は、図2乃至図9に示すように、機器本体3(図1に示す)と、再生ユニット4と、ガイド部7と、間隔調整機構30と、を備えている。なお、以下、CD2の表面と後述する搬送ユニット5によるCD2の移動方向との双方と平行な図1中の矢印YをCDプレーヤ1の奥行き方向と記し、CD2の表面と平行でかつ前記奥行き方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2の表面と奥行き方向Yと幅方向Xの全てと直交する矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向(即ちCD2の厚み方向Z)と記す。
【0016】
機器本体3は、CDプレーヤ1の外殻を形成する扁平な箱状に形成されている。機器本体3は、前面パネル31と、この前面パネル31に取り付けられた本体部32とを備えている。前面パネル31は、CDプレーヤ1が前述したインパネに取り付けると乗員に相対する前壁33と、この前壁33の外縁から立設した複数の周壁34とを備えている。前壁33には、CD2を出し入れ可能な挿入口10が一つ設けられている。なお、前壁33は、CDプレーヤ1がインパネに取り付けられると、該インパネの外側に露出する機器本体3の一つの壁である。
【0017】
挿入口10は、前壁33を貫通している。挿入口10は、内側にCD2を通すことができる。挿入口10を通して、前記CD2は、外側ケース8即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。即ち、挿入口10は、CD2を機器本体3に出し入れ自在とする。
【0018】
さらに、前述した前壁33には、表示パネル11と、各種のスイッチ12とが設けられている。
【0019】
表示パネル11は、前壁33の表面に露出して、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。表示パネル11は、表示面に再生中のプログラム名等の情報を表示する。
【0020】
各種のスイッチ12は、前壁33の表面に露出して、使用者が操作するための操作部を構成している。スイッチ12が使用者などに操作されることによって、例えば、クランプ再生ユニット6が再生するCD2のプログラムの選択やCD2の出し入れなどが行われる。
【0021】
本体部32は、前記前面パネル31の周壁34に連なって当該周壁34に取り付けられる複数の周壁35と、これら複数の周壁35の全てに連なりかつ前記前壁33と間隔をあけて相対する奥壁36とを備えている。前述した機器本体3は、周壁34,35が互いに連なりかつ前壁33と奥壁36とが間隔をあけて相対した状態で、前面パネル31と本体部32とが互いに取り付けられている。
【0022】
再生ユニット4は、図2に示すように、機器本体3の本体部32内に収容されている。再生ユニット4は、シャーシ本体9と、搬送手段としての搬送ユニット5(図4ないし図6に示す)と、クランプ再生手段としてのクランプ再生ユニット6(図4ないし図6に示す)と、図示しない連動手段としての連動機構とを備えている。
【0023】
シャーシ本体9は、図2などに示すように、複数の折り曲げられた板金などが互いに取り付けられて構成されている。シャーシ本体9は、図2に示すように、略平坦な底壁13と、該底壁13に間隔をおいて相対する略平坦な天井壁15と、これらの底壁13と天井壁15とに連なる複数の周壁14と、を備えている。これらの壁13,14,15には、それぞれ、前記シャーシ本体9の軽量化と剛性の確保とのために、複数の開口部が設けられている。
【0024】
なお、複数の周壁14のうち図2中の手前側に位置しかつ前記挿入口10が設けられた機器本体3の外壁と間隔をあけて重なる一つの周壁14には、前述した挿入口10と連通する挿入口16(図2などに示す)が設けられている。挿入口16は、勿論、前記一つの周壁14を貫通して、内側にCD2を通すことができ、CD2を機器本体3に出し入れ自在とする。
【0025】
搬送ユニット5は、図4ないし図6などに示すように、ローラアーム18と、ディスクガイド17と、を備えている。ローラアーム18は、挿入口10の近傍に配されている。ローラアーム18は、板金などからなるアーム本体19と、搬送ローラ22とを備えている。
【0026】
アーム本体19は、長手方向が幅方向Xと平行な帯状に形成されている。アーム本体19は、当該アーム本体19自体の挿入口16寄りの縁部を中心として底壁13に回転自在に支持されている。アーム本体19の回転中心は、幅方向Xと平行である。アーム本体19は、当該アーム本体19自体の機器本体3の奥側の縁部が底壁13から離れる方向に、図示しないコイルばねなどによって付勢されている。
【0027】
搬送ローラ22は、アーム本体19の機器本体3の奥側の縁部に回転自在に支持されている。搬送ローラ22の回転中心は、幅方向Xと平行である。搬送ローラ22の一端部には、図示しない歯車が取り付けられている。アーム本体19の機器本体3の奥側の縁部が底壁13から離れた状態において、搬送ローラ22の歯車は、モータなどにより回転駆動される歯車と噛み合う。搬送ローラ22は、前記歯車などを介して、モータの回転駆動力によって回転される。アーム本体19の機器本体3の奥側の縁部が底壁13に近づいた状態において、搬送ローラ22の歯車は、前述した歯車と噛み合わない。
【0028】
ディスクガイド17は、板金などからなるガイド本体20と、このガイド本体20に取り付けられた平板状の滑り部材21とを備えて、その長手方向が幅方向Xと平行な帯状に形成されている。滑り部材21は、CD2との摩擦係数の小さな合成樹脂で構成されている。
【0029】
前述した構成のローラアーム18とディスクガイド17は、互いに接離自在に設けられ、かつ互いに近づいて、搬送ローラ22と滑り部材21との間にCD2を挟んで、搬送ローラ22が前述したモータにより回転駆動されることで、機器本体3にCD2を出し入れする。搬送ローラ22がCD2を機器本体3に出し入れする際に、ディスクガイド17及びガイド板部20は、機器本体3に出し入れされるCD2を、クランプ再生ユニット6がクランプできる位置などに案内する。
【0030】
クランプ再生ユニット6は、図4ないし図6に示すように、キャリッジシャーシ23と、クランプアーム24と、を備えている。キャリッジシャーシ23は、板金などからなるシャーシ本体25と、該シャーシ本体25に取り付けられた回転テーブル28と、シャーシ本体25に取り付けられた図示しない光ピックアップ部と、を備えている。
【0031】
シャーシ本体25は、略平板状に形成されている。回転テーブル28は、シャーシ本体25に回転自在に支持されている。回転テーブル28は、CD2の中央孔内に侵入する。回転テーブル28は、シャーシ本体25に取り付けられた図示しないスピンドルモータの駆動力によって、CD2を回転させる。
【0032】
光ピックアップ部は、CD2に記録された情報を読みとるための光ピックアップと、該光ピックアップを回転テーブルに対し接離させる駆動機構などを備えている。
【0033】
クランプアーム24は、板金などからなるアーム本体26と、クランパ27と、を備えている。アーム本体26は、略平板状に形成されている。キャリッジシャーシ23のシャーシ本体25に、挿入口10から離れた端部を中心として回転自在に支持されている。アーム本体26の回転中心は幅方向Xと平行である。アーム本体26がシャーシ本体25に近づいた状態では、シャーシ本体25とアーム本体26とが略平行になる。
【0034】
クランパ27は、回転テーブル28に相対する位置に配されている。クランパ27は、円板状に形成されているとともに、アーム本体26に回転自在に支持されている。クランパ27は、アーム本体26がシャーシ本体25と略平行な状態となると、回転テーブル28との間にCD2を挟むことができる。さらに、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とは、図示しないばねなどの付勢手段により互いに近づく方向に付勢されている。
【0035】
また、前述した構成のクランプ再生ユニット6は、図示しないゴムなどの弾性体からなるダンパと、コイルばねなどによって、前記機器本体3に対し移動自在にシャーシ本体9内に支持される。クランプ再生ユニット6は、クランプアーム24のアーム本体26がキャリッジシャーシ23に回転自在に支持されることで、これらのキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに接離自在に設けられている。クランプ再生ユニット6は、クランプアーム24とキャリッジシャーシ23とが互いに近づいて、回転テーブル28とクランパ27との間にCD2を挟んで(即ち互いの間にCD2を挟んでクランプし)、回転テーブル55でCD2を回転させ光ピックアップ部で該CD2内の情報を読み出す。
【0036】
そして、クランプ再生ユニット6は、前記自動車の走行中の振動によって機器本体3が振動しても、前記ダンパとコイルばねとによってシャーシ本体9に対し移動する。このように、前記ダンパとコイルばねなどは、前記自動車の走行中の振動などが前記CD2の情報を読み出す作業に悪影響を与えることを防止する。
【0037】
連動機構は、機器本体3内にCD2を収容する前には、図4に示すように、搬送ユニット5のローラアーム18の搬送ローラ22とディスクガイド17とを互いに近づけ、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とを互いに遠ざけておく。
【0038】
そして、連動機構は、図5に示すように、機器本体3にCD2が挿入されて、搬送ローラ22の回転駆動によりCD2がキャリッジシャーシ23とクランプアーム24との間に位置付けられると、図6に示すように、クランプ再生ユニット6の回転テーブルとクランパとを互いに近づけて当該クランプ再生ユニット6にCD2をクランプさせるとともに、搬送ローラ22がディスクガイド17から離れる方向にローラアーム18を回転させる。このように、連動機構は、機器本体3内にCD2を収容すると、搬送ユニット5のローラアーム18の搬送ローラ22とディスクガイド17とを互いに離し、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とを互いに近づける。
【0039】
このように、連動機構は、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに近づくと、搬送ユニット5のローラアーム18の搬送ローラ22とディスクガイド17とが互いに離れるとともに、搬送ユニット5のローラアーム18の搬送ローラ22とディスクガイド17とが互いに近づくと、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに離れるように、クランプ再生ユニット6の動作と搬送ユニット5の動作とを互いに連動させる。
【0040】
ガイド部7は、図8、図9及び図11に示すように、挿入口10,16間即ち前面パネル31の前壁33とシャーシ本体9の挿入口16が設けられた周壁14との間に設けられている。ガイド部7は、図8及び図9に示すように、前記厚み方向Z即ちCD2の厚み方向に沿って互いに間隔をあけて設けられた一対のガイド部材37を備えている。
【0041】
ガイド部材37は、図11に示すように、その長手方向が前述した幅方向Xと平行な梁状の部材本体38と、この部材本体38の端に連なった回動部39とを備えている。回動部39は、平板状に形成されている。部材本体38は、回動部39の中央部から立設している。部材本体38は、図11に示すように、その中央部38aが互いに最も離れかつ端部38bが互いに最も近づくように湾曲して形成されている。一対のガイド部材37は、前記部材本体38が互いに間隔をあけて相対し、かつ回動部39が互いに重ねられている。そして、一対のガイド部材37は、部材本体38間に機器本体3及び再生ユニット4に出し入れされるCD2を通す。一対のガイド部材37は、挿入口10を通して機器本体3外からクランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24との間へCD2を案内するとともに、キャリッジシャーシ23とクランプアーム24との間から挿入口10を通して機器本体3外へCD2を案内する。
【0042】
間隔調整機構30は、図6及び図7に示すように、連結部としての連結ピン40と、連動部41と、駆動部42と、検出用のスイッチ43と、図示しない制御手段としてのμCOMとを備えている。
【0043】
連結ピン40は、長手方向が幅方向Xと平行な円柱状に形成されている。連結ピン40は、一対のガイド部材37の回動部39の奥行き方向Y(即ちCD2の移動方向)の中央部でかつ互いに重なる部分を貫通して、これらに取り付けられている。連結ピン40は、一対のガイド部材37のうちの一方のガイド部材37の回動部39に固定されかつ他方のガイド部材37の回動部39には固定されていない。こうすることで、連結ピン40は、当該連結ピン40を中心として回転自在に一対のガイド部材37の回動部39を連結している。また、連結ピン40は、前面パネル31にもその軸芯周りに回転自在に支持されている。このため、一対のガイド部材37は、前面パネル31即ち機器本体3に対して連結ピン40を中心として回転自在に設けられている。即ち、一対のガイド部材37は、連結ピン40を中心として回転自在に設けられることで、再生ユニット4寄りの縁が互いに接離(近づいたり離れたり)するように、連結ピン40により移動自在に支持されている。
【0044】
連動部41は、一方のガイド部材37に設けられた長孔44と、他方のガイド部材37に設けられた連動ピン45とを備えている。長孔44は、一方のガイド部材37の回動部39を貫通している。長孔44は、前記連結ピン40を中心とした径方向に沿って直線状に延在している。連動ピン45は、他方のガイド部材37の回動部39から凸の円柱状に形成され、長孔44内に侵入して、当該長孔44内を移動自在となる。
【0045】
前述した連動部41は、連動ピン45が長孔44内に侵入し、連動ピン45が長孔44内を移動することで、再生ユニット4寄りの縁が互いに近づくように、一対のガイド部材37の連結ピン40を中心とした回転を連動させるとともに、再生ユニット4寄りの縁が互いに離れるように、一対のガイド部材37の連結ピン40を中心とした回転を連動させる。こうして、連動部41は、一対のガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁が互いに接離するように、これら一対のガイド部材37の連結ピン40を中心とした回転を連動させる。
【0046】
駆動部42は、図6及び図7に示すように、連結部材としての駆動アーム46と、駆動源部47とを備えている。駆動アーム46は、長手方向が奥行き方向Yと平行な帯板状に形成されている。駆動アーム46は、その一端部が一方のガイド部材37の回動部39に重なりかつ他端部が再生ユニット4のシャーシ本体9内に収容されている。また、駆動アーム46は、奥行き方向Yに沿って移動自在に当該シャーシ本体9に支持されている。また、駆動アーム46の一方の縁には、ラック48が一体に設けられている。ラック48には、勿論、複数の歯が駆動アーム46の長手方向即ち奥行き方向Yに沿って等間隔に設けられている。
【0047】
また、駆動アーム46の一端部には、長手方向が当該駆動アーム46の幅方向X即ち厚み方向Zと平行な長孔49aが設けられている。長孔49aには、前記一方のガイド部材37の奥行き方向Yの中央部でかつ連結ピン40から離れた部分から立設した連結ピン49bが侵入している。連結ピン49bは、長孔49a内で当該長孔49aの長手方向に沿って移動自在となる。このように、駆動アーム46の一端部が、前述した一方のガイド部材37の連結ピン40から離れた部分に連結されているとともに、前述した長孔49aと連結ピン49bにより駆動アーム46即ち当該駆動アーム46の一端部が奥行き方向Y即ちCD2の移動方向に移動すると、ガイド部材37は、連結ピン40を中心として回転する。
【0048】
なお、図示例では、駆動アーム46が前面パネル31側に移動すると、再生ユニット4寄りの縁が互いに離れるように一対のガイド部材37が互いに連動して回転する。駆動アーム46が前面パネル31から離れる側に移動すると、再生ユニット4寄りの縁が互いに近づくように一対のガイド部材37が互いに連動して回転する。このように、前述した長孔49aと連結ピン49bにより、駆動アーム46の移動と一対のガイド部材37の回転とが互いに連動する。なお、このとき、長孔49a内を連結ピン49bが移動することで、駆動アーム46の移動と一対のガイド部材37の回転との連動が妨げられることがない。
【0049】
駆動源部47は、駆動源としてのモータ50と、複数の歯車51とを備えている。モータ50は、シャーシ本体9の底壁13に取り付けられている。モータ50は、その出力軸が幅方向Xと平行に配置されている。また、モータ50の出力軸には、ピニオン52が取り付けられている。歯車51は、図示例では、一対設けられている。一対の歯車51は、幅方向と平行な軸芯回りに回転自在にシャーシ本体9に支持されている。一対の歯車51は、互いに噛合している。一方の歯車51は、ピニオン52と噛合し、他方の歯車51は、ラック48と噛合している。
【0050】
前述した構成の駆動部42は、モータ50が回転することで、駆動アーム46を奥行き方向Yに沿って移動させ、一対のガイド部材37を連結ピン40を中心として回転させる。
【0051】
スイッチ43は、本体部53と、この本体部53から凸没自在でかつ突出する方向に付勢された接触子54とを備えている。本体部53は、シャーシ本体9の天井壁15に取り付けられている。接触子54は、本体部53に没すると、当該本体部53内の接点を閉じて、スイッチ43をオンとする。接触子54は、本体部53から突出すると、当該本体部53内の接点を開放して、スイッチ43をオフとする。スイッチ43は、接触子54が本体部53に没するとオンとされ、本体部53から突出するとオフとされる。
【0052】
また、スイッチ43は、一対のガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁が互いに近づく位置に位置付けられた駆動アーム46により接触子54が押圧されて本体部53内に没し、一対のガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁が互いに離れた位置に位置付けられた駆動アーム46により接触子54が押圧されずに本体部53から突出する位置に設けられている。
【0053】
μCOMは、プログラムに従って各種の処理を行う中央処理ユニット(CPU)と、CPUが行う処理のプログラムなどを格納した読み取り専用のメモリであるROMと、CPUでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み取り書き込み自在のメモリであるRAMなどを内蔵し、これらがバスラインによって互いに接続されている。
【0054】
μCOMは、再生ユニット4、モータ50及びスイッチ43と接続しており、スイッチ12から入力された命令などを示す情報に応じて、モータ50の動作を制御して、間隔調整機構30の制御を司る。
【0055】
μCOMは、図10中のステップS1において、機器本体3へのCD2の挿入前、及びCD2の情報を読み出して再生中または再生を停止している状態では、図6及び図8に示すように、ガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁が互いに近づいた待機状態に一対のガイド部材37を位置付けておく。なお、このとき、勿論、スイッチ43は、駆動アーム46によりオンとされている。そして、ステップS2に進む。
【0056】
μCOMは、ステップS2では、CD2を排出するためのスイッチ12が操作されたか否かを判定し、操作されると、ステップS3に進み、操作されていないと、ステップS1に戻り、ステップS1とステップS2を繰り返す。ステップS3では、μCOMは、モータを駆動して、駆動アーム46を前面パネル31に向かって移動させて、ステップS4に進む。
【0057】
μCOMは、ステップS4では、検出用のスイッチ43がオフとされているか否かを判定し、オフとされていると、ステップS5に進み、オフとされていないと、ステップS3に戻り、ステップS3とステップS4を繰り返す。ステップS5では、μCOMは、モータを停止して、ステップS6に進む。こうして、μCOMは、スイッチ43がオフとなるまで、モータ50を駆動して、駆動アーム46を移動させる。そして、図7及び図9に示すように、ガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁が互いに離れた状態に一対のガイド部材37が位置付けられ、搬送ユニット5の搬送ローラ22が回転してCD2が機器本体3外に搬送され、CD2の大部分が機器本体3外に位置付けられ、一部が挿入口10内に挿入された状態となっている。
【0058】
μCOMは、ステップS6では、再生ユニット4の図示しない検出スイッチにより挿入口10からCD2が抜き取られたか否かを判定し、CD2が挿入口10から抜き取られたと判定すると、ステップS7に進み、抜き取られていないと判定すると、ステップS5に戻り、ステップS5とステップS6を繰り返す。こうして、μCOMは、CD2が挿入口10から抜き取られまで、モータ50を停止しておく。
【0059】
μCOMは、ステップS7では、μCOMは、モータ50を駆動して、駆動アーム46を前面パネル31から離れる方向に移動させて、ステップS8に進む。μCOMは、ステップS8では、検出用のスイッチ43がオンとされているか否かを判定し、オンとされていると、ステップS9に進み、オンとされていないと、ステップS7に戻り、ステップS7とステップS8を繰り返す。ステップS9では、μCOMは、モータ50を停止して、ステップS1に戻る。こうして、μCOMは、スイッチ43がオンとなるまで、モータ50を駆動して、駆動アーム46を移動させる。そして、図6及び図8に示すように、ガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁が互いに近づいた待機状態に一対のガイド部材37が位置付けられる。
【0060】
こうして、間隔調整機構30は、ガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁が互いに接離するように、ガイド部材37を移動自在に支持している。また、間隔調整機構30は、CD2を収容する際の待機状態でのガイド部材37の中央部38aの再生ユニット4寄りの縁間の間隔D1(図8に示す)より、CD2を排出する際のガイド部材37の中央部38aの再生ユニット4寄りの縁間の間隔D2(図9に示す)が広くなるように、一対のガイド部材37を移動させる。
【0061】
本実施例によれば、CD2を案内するガイド部7が再生ユニット4寄りの縁が互いに接離自在な一対のガイド部材37を備え、CD2を収容する際のガイド部材37の中央部38aの再生ユニット4寄りの縁間の間隔D1よりもCD2を排出する際のガイド部材37の中央部38aの再生ユニット4寄りの縁間の間隔D2が広くなるように、ガイド部材37を移動させる間隔調整機構30を備えている。このために、ガイド部7のガイド部材37や再生ユニット4に公差が生じても、CD2を収容する際にはガイド部材37の中央部38aの縁間の間隔D1を狭くするので、当該CD2が再生ユニット4に引っ掛かることなく、ガイド部7がCD2を再生ユニット4まで案内することができる。また、ガイド部7のガイド部材37や再生ユニット4に公差が生じても、CD2を排出する際にはガイド部材37の中央部38aの縁間の間隔D2を広くするので、当該CD2がガイド部7に引っ掛かることなく、ガイド部7がCD2を機器本体3外まで案内することができる。よって、CD2を確実に収容及び排出することができる。
【0062】
また、間隔調整機構30は、ガイド部材37の中央部を互いに回転自在に連結する連結ピン40と、ガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁が互いに連動して接離するようにガイド部材37の回転を連動させる連動部41と一方のガイド部材37を連結ピン40を中心として回転させる駆動部42を備えている。このために、間隔調整機構30は、一方のガイド部材37を回転させることで、CD2を収容する際のガイド部材37の中央部38aの再生ユニット4寄りの縁間の間隔D1よりもCD2を排出する際のガイド部材37の中央部38aの再生ユニット4寄りの縁間の間隔D2が広くなるように、ガイド部材37を互いに連動させて回転させることができる。
【0063】
さらに、駆動部42が、一方のガイド部材37の連結ピン40から離れた部分に一端部が連結した駆動アーム46と、駆動アーム46の一端部をCD2を移動方向に沿って移動させる駆動源部47とを備えている。このために、駆動源部47が駆動アーム46の一端部を移動させることで、確実にガイド部材37を回転させることができ、CD2を収容する際のガイド部材37の中央部38aの再生ユニット4寄りの縁間の間隔D1よりもCD2を排出する際のガイド部材37の中央部38aの再生ユニット4寄りの縁間の間隔D2が広くなるように、ガイド部材37を互いに連動させて回転させることができる。
【0064】
前述した実施例によれば、以下のCDプレーヤ1が得られる。
【0065】
(付記) CD2を内側に通す挿入口10が設けられた前面パネル31を有する機器本体3と、
前記機器本体3内に収容されかつ前記挿入口10を通されたCD2から情報を読み出すことが可能な再生ユニット4と、
前記前面パネル31と前記再生ユニット4との間に設けられかつ前記挿入口10を通されるCD2を案内するガイド部7とを備えたCDプレーヤ1において、
前記ガイド部7が、前記CD2の厚み方向に互いに間隔をあけて互いの間に前記CD2が通される一対のガイド部材37を備え、
前記ガイド部材37の前記再生ユニット4寄りの縁が互いに接離するように、前記ガイド部材37を移動自在に支持するとともに、前記CD2を収容する際の前記ガイド部材37の前記縁間の間隔D1より前記CD2を排出する際の前記ガイド部材27の前記縁間の間隔D2が広くなるように、前記ガイド部材37を移動させる間隔調整機構30を備えたことを特徴とするCDプレーヤ1。
【0066】
付記によれば、CD2を案内するガイド部7が再生ユニット4寄りの縁が互いに接離自在な一対のガイド部材37を備え、CD2を収容する際のガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁間の間隔D1よりもCD2を排出する際のガイド部材37の再生ユニット4寄りの縁間の間隔D2が広くなるように、ガイド部材37を移動させる間隔調整機構30を備えている。このために、ガイド部7のガイド部材37や再生ユニット4に公差が生じても、CD2を収容する際にはガイド部材37の縁間の間隔D1を狭くするので、当該CD2が再生ユニット4に引っ掛かることなく、ガイド部7がCD2を再生ユニット4まで案内することができる。また、ガイド部7のガイド部材37や再生ユニット4に公差が生じても、CD2を排出する際にはガイド部材37の縁間の間隔D2を広くするので、当該CD2がガイド部7に引っ掛かることなく、ガイド部7がCD2を機器本体3外まで案内することができる。よって、CD2を確実に収容及び排出することができる。
【0067】
本発明では、CD2に限らず、種々の記録媒体から情報を読み出す情報処理装置としても良い。また、本発明では、ガイド部材37を回転移動させることに限定されずに、当該、ガイド部材37を厚み方向Zにスライド移動させてもよい。要するに、再生ユニット4よりの縁の間隔D1,D2が前述したように狭くなったり広くなるように、ガイド部材37を移動させればよい。
【0068】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 CDプレーヤ(情報処理装置)
2 CD(記録媒体)
3 機器本体
4 再生ユニット
10 挿入口
30 間隔調整機構
31 前面パネル
37 ガイド部材
40 連結ピン(連結部)
41 連動部
42 駆動部
46 駆動アーム
47 駆動源部
D1,D2 間隔
Z 厚み方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を内側に通す挿入口が設けられた前面パネルを有する機器本体と、
前記機器本体内に収容されかつ前記挿入口を通された記録媒体から情報を読み出すことが可能な再生ユニットと、
前記前面パネルと前記再生ユニットとの間に設けられかつ前記挿入口を通される記録媒体を案内するガイド部とを備えた情報処理装置において、
前記ガイド部が、前記記録媒体の厚み方向に互いに間隔をあけて互いの間に前記記録媒体が通される一対のガイド部材を備え、
前記ガイド部材の前記再生ユニット寄りの縁が互いに接離するように、前記ガイド部材を移動自在に支持するとともに、前記記録媒体を収容する際の前記ガイド部材の前記縁間の間隔より前記記録媒体を排出する際の前記ガイド部材の前記縁間の間隔が広くなるように、前記ガイド部材を移動させる間隔調整機構を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記間隔調整機構は、
前記一対のガイド部材の前記記録媒体の移動方向の中央部を互いに回転自在に連結する連結部と、
前記一対のガイド部材の前記縁同士が互いに接離するようにこれら一対のガイド部材の前記連結部を中心とした回転を連動させる連動部と、
前記一対のガイド部材のうち一方のガイド部材を前記連結部を中心として回転させる駆動部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記駆動部は、
一端部が前記一方のガイド部材の前記連結部から離れた部分に連結した連結部材と、
前記連結部材の前記一端部を前記記録媒体の移動方向に沿って移動させる駆動源部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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