説明

情報処理装置

【課題】コンテンツ画像の表示に際して、他のユーザからの入力を表示したり、また自身の入力を反映できるアプリケーションを提供する。
【解決手段】コメントデータ取得部160は、表示画像に重ねて表示するためのコメントデータを取得し、重畳処理部162は、コメントデータから重畳画像を生成する。コメントデータは、縮尺率または縮尺率に関連する情報を含んでおり、表示条件判定部164は、コメントデータに含まれている縮尺率または縮尺率に関連する情報とが所定の関係にあるか判定する。所定の関係にある場合には、重畳画像生成部166が、コメントデータに含まれている表示情報を用いて、コメント画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイに表示する画像を拡大/縮小、または上下左右に移動させる画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームプログラムを実行するだけでなく、動画を再生できる家庭用エンタテインメント
システムが提案されている。この家庭用エンタテインメントシステムでは、GPUがポリ
ゴンを用いた三次元画像を生成する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
近年、高精細な写真などのディジタル画像から生成された複数の解像度のタイル画像を用いて、表示画像の拡大/縮小処理や、上下左右方向の移動処理を行う技術が提案されている。この画像処理技術では、原画像サイズを複数段階に縮小して異なる解像度の画像を生成し、各階層の画像を一又は複数のタイル画像に分割して、原画像を階層構造で表現する。通常、最も解像度の低い画像は1つのタイル画像で構成され、最も解像度の高い原画像は、最も多い数のタイル画像で構成される。情報処理装置は、表示画像の拡大処理または縮小処理時に、使用しているタイル画像を、異なる階層のタイル画像に切り替えることで、拡大表示または縮小表示を迅速に行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6563999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザは、コンテンツの画像を拡大することで、コンテンツの細かな箇所を確認でき、コンテンツの画像を縮小することで、コンテンツ全体のバランスを見ることができる。そのため、コンテンツ画像を容易に拡大、縮小できるツールは、そのコンテンツを評価する上で、重要である。このとき、他人の評価も参考にしたいのが通常であり、他人の評価を参照できたり、また、自身の評価を他人に提供できるアプリケーションの開発が望まれている。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンテンツ画像の表示に際して、他のユーザからの入力を表示したり、また自身の入力を反映できるアプリケーションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報処理装置は、全体画像の全部または一部をディスプレイに表示する情報処理装置であって、表示画像の変更指示を受け付ける受付部と、変更指示にしたがって、表示する画像の縮尺率または縮尺率に関連する情報を特定し、全体画像の全部または一部である表示画像を生成する表示画像生成部と、表示画像に重ねて表示するための重畳データを取得する取得部と、重畳データから重畳画像を生成する重畳処理部と、を備える。重畳データは、縮尺率または縮尺率に関連する情報を含んでいる。重畳処理部は、表示画像生成部により生成される表示画像の縮尺率と、重畳データに含まれている縮尺率または縮尺率に関連する情報とが所定の関係にあるか判定する判定部と、重畳データをもとに表示画像上に表示する重畳画像を生成する重畳画像生成部と、を有する。
【0008】
本発明の別の態様もまた、情報処理装置である。この装置は、全体画像の全部または一部をディスプレイに表示する情報処理装置であって、表示画像の変更指示を受け付ける第1受付部と、変更指示にしたがって、表示する画像の縮尺率または縮尺率に関連する情報を特定し、全体画像の全部または一部である表示画像を生成する表示画像生成部と、ユーザからの入力を受け付ける第2受付部と、第2受付部において受け付けた入力を処理する入力処理部と、を備える。入力処理部は、第2受付部が入力を受け付けた表示画像中の位置を特定する位置情報を取得する位置情報取得部と、位置情報取得部により取得された位置情報と、ユーザからの入力とを対応付ける対応付部と、を有し、位置情報は、第2受付部が入力を受け付けた表示画像の縮尺率または縮尺率に関連する情報を含む。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、コンテンツ画像の表示に際して、他のユーザからの入力を表示したり、また自身の入力を反映できるアプリケーションを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例にかかる情報処理システムを示す図である。
【図2】入力装置の外観構成を示す図である。
【図3】情報処理システムにおいて使用する画像データの階層構造を示す図である。
【図4】縮尺率の関係を説明するための説明図である。
【図5】階層データにおける座標系を説明するための説明図である。
【図6】情報処理装置の機能ブロック図である。
【図7】情報処理装置における制御部の構成を示す図である。
【図8】コンテンツ閲覧アプリケーションのメニュー画面の一例を示す図である。
【図9】コンテンツ画像の表示処理開始時に出力装置に示される表示画像の一例を示す図である。
【図10】蓄積サーバに蓄積されているコメントデータの一例を示す図である。
【図11】重畳画像の表示制御の説明図である。
【図12】アルファブレンドにおけるαを示す図である。
【図13】アイコン画像の例を示す図である。
【図14】初期画像を拡大処理した表示画像の一例を示す図である。
【図15】コメント画像を含む表示画像の一例を示す図である。
【図16】コメントをリスト形式で表示する例を示す図である。
【図17】重畳画像の表示制御のフローチャートを示す図である。
【図18】表示画像の一例を示す図である。
【図19】表示画像上に生成されたコメントの書込領域を示す図である。
【図20】ユーザがテキスト入力を行った状態を示す図である。
【図21】対応付部で生成されるコメントデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、ネットワーク18で通信可能に接続された情報処理装置10、画像データ提供サーバ2および蓄積サーバ4を備える。ネットワーク18は、たとえばTCP/IPプロトコルを用いるインターネットであってよい。なお、図1には1つの情報処理装置10を示しているが、複数の情報処理装置10がネットワーク18に接続されていてよい。
【0013】
情報処理装置10は出力装置12を有する。出力装置12は、画像を出力するディスプレイと音声を出力するスピーカを有するテレビであってよく、またコンピュータディスプレイであってもよい。出力装置12は、情報処理装置10に有線ケーブルで接続されてよく、また無線LAN(Local Area Network)などにより無線接続されてもよい。入力装置20は、ユーザにより操作されて、情報処理装置10に対してユーザの操作情報を入力するための入力インタフェースである。
【0014】
情報処理システム1において、情報処理装置10は画像処理を実行する機能を有する。情報処理装置10は、ユーザから入力装置20に入力される操作情報に応じて、出力装置12のディスプレイに表示する表示画像の拡大/縮小処理や、上下左右方向への移動処理など、表示画像を変更する処理を行う。
【0015】
情報処理装置10は、GUIアプリケーションやゲームアプリケーションを実行するゲーム装置であって、画像処理用のプログラムをロードすることで画像処理機能を実現してもよい。また情報処理装置10は、様々なアプリケーションを実行可能なパーソナルコンピュータであってもよく、画像処理用のプログラムをロードすることで画像処理機能を実現してもよい。なお情報処理装置10、入力装置20および出力装置12は、一体に形成されてもよく、たとえば画像処理機能を搭載した携帯端末装置として構成されてもよい。
【0016】
画像データ提供サーバ2は、一つのコンテンツの全体画像を複数の解像度のタイル画像で表現する階層化された画像データを保持している。画像データ提供サーバ2は、複数のコンテンツの画像データを保持しており、各画像データは、コンテンツを特定する識別情報(以下、「コンテンツID」とよぶ)により区別される。画像データ提供サーバ2は、情報処理装置10からの要求に応じて、情報処理装置10において表示画像の生成に必要なタイル画像を情報処理装置10に提供する。なお画像データ提供サーバ2は、階層化された画像データの全体を情報処理装置10に提供してもよい。
【0017】
情報処理装置10は、ネットワーク18に接続し、入力装置20に入力される操作情報に応じて、画像データ提供サーバ2から表示画像の生成に必要なタイル画像を適宜ダウンロードして取得する。なお情報処理装置10は、画像データ提供サーバ2から階層化された圧縮画像データの全体をダウンロードして取得してもよい。
【0018】
蓄積サーバ4は、コンテンツ画像に対して、複数のユーザから入力されたコメントを蓄積している。蓄積サーバ4は、複数のコンテンツについてのコメントデータを保持しており、コメントデータは、コンテンツIDに紐付けられている。蓄積サーバ4は、情報処理装置10からの要求に応じて、コメントデータを情報処理装置10に提供する。なお、図1において、画像データ提供サーバ2と蓄積サーバ4とを別個のサーバとして示しているが、これらは同じサーバとして構成されてもよい。
【0019】
情報処理システム1において、情報処理装置10のユーザは、出力装置12に表示されたコンテンツ画像上で、他のユーザにより入力されたコメントを参照でき、また、自身でコメントを付加することができる。他のユーザにより入力されたコメントは、蓄積サーバ4に蓄積され、情報処理装置10が、あるコンテンツの画像データを画像データ提供サーバ2からダウンロードする際に、同じコンテンツIDに紐付けられたコメントデータを蓄積サーバ4からダウンロードすることで、他のユーザのコメントを表示できるようになる。
【0020】
本実施例の情報処理装置10は、ユーザからの指示に応じて、コンテンツ画像の拡大/縮小処理や、上下左右方向への移動処理を行い、コンテンツ画像の全体の全部または一部を表示する。本実施例において、コンテンツの全体画像は、たとえば1つの雑誌の見開き、すなわち雑誌を開いたときに向き合っている左右の2ページを表現する。ユーザが、入力装置20を操作して、表示されている画像上でコメントを入力すると、情報処理装置10は、入力されたコメントと、表示画像中の入力位置とを対応付ける。対応付けたコメントおよび入力位置情報(コメント設定位置情報)はコンテンツIDとともに蓄積サーバ4に送信され、蓄積される。
【0021】
本実施例において、コンテンツ画像は、拡大/縮小処理がなされるため、コメント設定位置情報は、仮想3次元空間における3つのパラメータにて特定される。一例として、コメント設定位置情報は、XY平面上の一点を表現するX座標値、Y座標値と、拡大/縮小の割合(以下、「縮尺率」、とよぶ)とで表現される。本実施例において、コメントを表示するための条件は、表示画像に、コメント設定位置情報のX座標値、Y座標値が含まれていることと、表示画像の縮尺率が、コメント設定位置情報の縮尺率の近傍にあることに設定される。
【0022】
情報処理装置10は、画像データをダウンロードすると、最初に、コンテンツ画像の全体を出力装置12に表示する。ユーザは、コンテンツの全体画像を見て、詳細を見たい領域を決めると、入力装置20を操作して、その領域を拡大表示させる。このとき、その領域にコメントが付加されており、且つ表示画像の縮尺率がコメント設定位置情報の縮尺率の近傍に到達すると、情報処理装置10が、表示画像上に、コメントを重畳表示する。これにより、ユーザは、他のユーザが付加したコメントを参照できる。なお、表示画像の縮尺率がコメント設定位置情報の縮尺率近傍に到達するまでの間、コメントが存在することをユーザに知らせる何らかのインジケータが表示されてもよい。
【0023】
図2は、入力装置20の外観構成を示す。入力装置20は、ユーザが操作可能な操作手段として、十字キー21、アナログスティック27a、27bと、4種の操作ボタン26を備える。4種の操作ボタン26は、○ボタン22、×ボタン23、□ボタン24および△ボタン25から構成される。
【0024】
情報処理システム1において、入力装置20の操作手段に、表示画像の拡大/縮小指示、および上下左右方向へのスクロール指示を入力するための機能が割り当てられる。たとえば、表示画像の拡大/縮小指示の入力機能は、右側のアナログスティック27bに割り当てられる。ユーザはアナログスティック27bを手前に引くことで、表示画像の縮小指示を入力でき、また手前から押すことで、表示画像の拡大指示を入力できる。表示画像のスクロール指示の入力機能は、アナログスティック27aに割り当てられる。ユーザはアナログスティック27aを前後左右に倒すことで、表示画像のスクロール指示を入力できる。本実施例において、表示画像の拡大指示や縮小指示、スクロール指示を、まとめて画像変更指示とよぶ。
【0025】
入力装置20は、入力された画像変更指示信号を情報処理装置10に伝送する機能をもち、本実施例では情報処理装置10との間で無線通信可能に構成される。入力装置20と情報処理装置10は、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどを用いて無線接続を確立してもよい。なお入力装置20は、情報処理装置10とケーブルを介して接続して、画像変更指示信号を情報処理装置10に伝送してもよい。
【0026】
図3は、情報処理システム1において使用する画像データの階層構造を示す。この画像データは画像データ提供サーバ2において保持されており、画像データ提供サーバ2は、情報処理装置10に対して、表示画像の生成に必要なタイル画像を適宜提供する。なお画像データ提供サーバ2は、情報処理装置10に対して画像データの階層構造を示す構造データを通知し、情報処理装置10は、このデータを用いて、入力装置20の操作情報から、フレーム画像(表示画像)を特定する空間座標を導出してもよい。なお、この階層構造は、すべてのコンテンツにおいて共通化されており、したがって情報処理装置10は、その共通化された構造データをもとに、以下に示すように空間座標を導出してもよい。
【0027】
画像データは、深さ(Z軸)方向に、第0階層30、第1階層32、第2階層34および第3階層36を含む階層構造を有し、以下、この階層構造をもつ画像データを「階層データ」とよぶ。なお第4階層以上の高階層があってもよく、また階層数は3つ以下であってもよいが、少なくとも2つの階層が存在している。図3に示す階層データ28は4分木の階層構造を有し、各階層は、1以上のタイル画像38で構成される。すべてのタイル画像38は同じ画素数をもつ同一サイズに形成され、たとえば256×256画素を有する。各階層の画像データは、一つの全体画像を異なる解像度で表現しており、最高解像度をもつ第3階層36の原画像を複数段階に縮小して、第2階層34、第1階層32、第0階層30の画像データが生成される。たとえば第N階層の解像度(Nは0以上の整数)は、左右(X軸)方向、上下(Y軸)方向ともに、第(N+1)階層の解像度の1/2であってよい。
【0028】
図3に示す階層データ構造において、深さ(Z軸)方向における位置は、解像度を示し、第0階層30に近い位置ほど解像度が低く、第3階層36に近い位置ほど解像度は高い。ディスプレイに表示される画像の大きさに注目すると、深さ方向における位置は、縮尺率に対応し、第3階層36の表示画像を基準として、その縮尺率を1とすると、第2階層34における縮尺率は1/4、第1階層32における縮尺率は1/16となり、第0階層30における縮尺率は1/64となる。したがって深さ方向において、表示画像が第0階層30側から第3階層36側へ向かう方向に変化する場合、表示画像は拡大していき、第3階層36側から第0階層30側へ向かう方向に変化する場合は、表示画像は縮小していく。
【0029】
画像データ提供サーバ2において、階層データ28は、所定の圧縮形式で圧縮された状態で記憶装置に保持されている。階層データにおいて、圧縮処理は、タイル画像単位に行われていてもよく、また同一階層内または異なる階層間において複数のタイル画像単位に行われていてもよい。画像データ提供サーバ2は、複数のコンテンツの階層データ28を保持している。複数の階層データ28は、コンテンツIDで識別される。
【0030】
階層データ28の階層構造は、図3に示すように、左右方向をX軸、上下方向をY軸、深さ方向をZ軸として設定され、仮想的な3次元空間を構築する。この階層構造において、X軸およびY軸は、原点を等しくする共通の座標系を定義する。情報処理装置10は、入力装置20から供給される画像変更指示から表示画像の変更量を導出し、導出した変更量を用いて、階層を特定する情報と、その階層におけるテクスチャ座標(UV座標)を導出する。この階層特定情報およびテクスチャ座標の組み合わせを、空間座標と呼ぶ。仮想空間における空間座標は、使用するタイル画像の特定処理、および表示画像の生成処理に利用される。なお情報処理装置10は、表示画像の変更量を用いて仮想空間におけるフレーム画像の4隅の座標を導出してもよい。この4隅のフレーム座標も、空間座標と呼ぶ。また情報処理装置10は、空間座標として、仮想空間におけるフレーム画像の中心座標(X,Y)と縮尺率SCALEを導出してもよい。情報処理装置10は、入力装置20から供給される画像変更指示信号から、適切な階層のタイル画像38の使用領域を特定できればよく、いずれの手法を採用してもよい。
【0031】
情報処理装置10が画像データ提供サーバ2から表示画像の生成に必要なタイル画像を適宜ダウンロードして取得する場合、情報処理装置10は、導出した空間座標を画像データ提供サーバ2に送信し、画像データ提供サーバ2は、空間座標より特定されるタイル画像を情報処理装置10に提供する。なお画像データ提供サーバ2は、たとえば将来的に必要となるであろうタイル画像を予測により特定し、前もって情報処理装置10に提供してもよい。なお、情報処理装置10が、階層データの全体を画像データ提供サーバ2からダウンロードしている場合には、情報処理装置10が、導出した空間座標から、タイル画像38の使用領域を特定すればよい。
【0032】
図4は、縮尺率の関係を説明するための説明図である。この階層データ構造において、各階層はL0(第0階層30)、L1(第1階層32)、L2(第2階層34)、L3(第3階層36)と表現されている。図4に示す階層データ構造において、深さ(Z軸)方向における位置は、解像度を示し、L0に近い位置ほど解像度が低く、L3に近い位置ほど解像度は高い。ディスプレイに表示される画像の大きさに注目すると、深さ方向における位置は、縮尺率に対応し、L3の表示画像の縮尺率を1とすると、L2における縮尺率は1/4、L1における縮尺率は1/16となり、L0における縮尺率は1/64となる。
【0033】
第1境界31、第2境界33、第3境界35の縮尺率は、L3を基準として定義され、表示画像の生成に使用するタイル画像の階層を定めるための判定基準として利用される。第1境界31の縮尺率は1/32に設定され、表示画像の要求縮尺率が1/32より小さければ、表示画像の生成にL0タイル画像が使用される。第2境界33の縮尺率は1/8に設定され、表示画像の要求縮尺率が1/32以上であり且つ1/8より小さければ、表示画像の生成にL1タイル画像が使用される。同様に第3境界35の縮尺率は1/2に設定され、表示画像の要求縮尺率が1/8以上であり且つ1/2より小さければ、L2タイル画像が使用される。また表示画像の要求縮尺率が1/2以上であれば、L3タイル画像が使用される。したがって情報処理装置10は、これから表示する画像の要求縮尺率が定まれば、その縮尺率に対応する解像度のタイル画像を画像データ提供サーバ2から取得して、その縮尺率に調整した表示画像を生成することができる。なお、縮尺率は、図3に示す仮想3次元空間において、深さ方向のZ座標で表現されてもよく、この場合のZ座標は、情報処理装置10において、縮尺率に関連する情報として扱うことができる。なお、同様に、縮尺率は、仮想3次元空間において、解像度で表現されてもよく、この場合の解像度も、情報処理装置10において、縮尺率に関連する情報として扱うことができる。
【0034】
図5は、階層データにおける座標系を説明するための説明図である。既述したように、各階層の画像データは、X軸およびY軸の原点を等しくした共通の座標系で表現される。XY平面上の一点(x,y)に注目すると、階層データの仮想3次元空間において、空間座標は、(x,y,SCALE)で表現される。具体的に、第0階層30上の点Aの座標は(x,y,1/64)、第1階層32上の点Bの座標は(x,y,1/16)、第2階層34上の点Cの座標は(x,y,1/4)、第3階層36の点Dの座標は(x,y,1)で、それぞれ表現される。
【0035】
図6は、情報処理装置10の機能ブロック図を示す。情報処理装置10は、無線インタフェース40、スイッチ42、表示処理部44、ハードディスクドライブ50、記録媒体装着部52、ディスクドライブ54、メインメモリ60、バッファメモリ70および制御部100を有して構成される。表示処理部44は、フレームメモリを利用して、出力装置12のディスプレイに表示するデータをバッファリングする。後述するが、表示処理部44は、コンテンツ画像に、重畳画像を重ね合わせて表示する機能をもつ。
【0036】
スイッチ42は、イーサネットスイッチ(イーサネットは登録商標)であって、外部の機器と有線または無線で接続して、データの送受信を行うデバイスである。スイッチ42は、外部のネットワーク18に接続し、画像データ提供サーバ2からタイル画像データを受信し、蓄積サーバ4からコメントデータを受信する。またスイッチ42は無線インタフェース40に接続し、無線インタフェース40は、所定の無線通信プロトコルで入力装置20と接続する。入力装置20においてユーザから入力された画像変更指示信号は、無線インタフェース40、スイッチ42を経由して、制御部100に供給される。
【0037】
ハードディスクドライブ50は、データを記憶する補助記憶装置として機能する。スイッチ42を介して受信された圧縮画像データは、メインメモリ60に格納されるが、階層データの全体をダウンロードする際には、階層データがハードディスクドライブ50に格納されてもよい。記録媒体装着部52は、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体が装着されると、リムーバブル記録媒体からデータを読み出す。ディスクドライブ54は、読出専用のROMディスクが装着されると、ROMディスクを駆動して認識し、データを読み出す。ROMディスクは、光ディスクや光磁気ディスクなどであってよく、圧縮画像データが格納されていてもよい。なお圧縮画像データは、ハードディスクドライブ50にプリインストールされていてもよい。また圧縮画像データは、リムーバブル記録媒体またはROMディスクに記録されていて、表示処理の実行時に、メインメモリ60に読み出されてもよい。
【0038】
制御部100は、マルチコアCPUを備え、1つのCPUの中に1つの汎用的なプロセッサコアと、複数のシンプルなプロセッサコアを有する。汎用プロセッサコアはPPU(Power Processing Unit)と呼ばれ、残りのプロセッサコアはSPU(Synergistic-Processing Unit)と呼ばれる。
【0039】
制御部100は、メインメモリ60およびバッファメモリ70に接続するメモリコントローラを備える。PPUはレジスタを有し、演算実行主体としてメインプロセッサを備えて、実行するアプリケーションにおける基本処理単位としてのタスクを各SPUに効率的に割り当てる。なお、PPU自身がタスクを実行してもよい。SPUはレジスタを有し、演算実行主体としてのサブプロセッサとローカルな記憶領域としてのローカルメモリを備える。ローカルメモリは、バッファメモリ70として使用されてもよい。メインメモリ60およびバッファメモリ70は記憶装置であり、RAM(ランダムアクセスメモリ)として構成される。SPUは制御ユニットとして専用のDMA(Direct Memory Access)コントローラをもち、メインメモリ60とバッファメモリ70の間のデータ転送を高速に行うことができ、またフレームメモリとバッファメモリ70の間で高速なデータ転送を実現できる。本実施例の制御部100は、複数のSPUを並列動作させることで、高速な画像処理機能を実現する。表示処理部44は、出力装置12に接続されて、ユーザからの要求に応じた画像処理結果を出力する。
【0040】
図7は、情報処理装置10における制御部100の構成を示す。制御部100は、入力受付部110、送信部130、画像処理部140およびコメント処理部180を備える。入力受付部110は、入力装置20から操作情報を受け付ける機能を有し、変更指示受付部112、コメント作成指示受付部114、文字入力受付部116、サムネイル選択指示受付部118および開始指示受付部120を有する。画像処理部140は、表示画像および重畳画像の生成処理、具体的には表示画像の拡大/縮小、スクロールなどの変更処理や、コメント画像およびアイコン画像の生成処理を実行する機能を有し、画像データ取得部142、デコード部144、変更量導出部146、表示画像生成部150、コメントデータ取得部160、重畳処理部162およびメニュー画像生成部174を有する。重畳処理部162は、表示条件判定部164および重畳画像生成部166を有し、重畳画像生成部166は、コメント画像生成部168およびアイコン生成部170を有する。コメント処理部180は、ユーザから入力されたコメントを処理する機能を有し、書込領域生成部182、位置情報取得部184および対応付部186を有する。
【0041】
図7において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。既述したように、制御部100は1つのPPUと複数のSPUとを有し、PPUおよびSPUがそれぞれ単独または協同して、各機能ブロックを構成できる。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0042】
情報処理システム1において、情報処理装置10は、コメントの書込および参照を可能とするコンテンツ閲覧アプリケーションを実行する。このアプリケーションでは、まず最初に、メニュー画面として、出力装置12に、閲覧可能なコンテンツのサムネイル画像が表示される。このサムネイル画像は、静止画像であっても、動画像であってもよい。情報処理装置10は、画像データ提供サーバ2から、閲覧可能なコンテンツのサムネイル画像を取得する。メニュー画面は、コンテンツのカテゴリ毎に生成されてよい。
【0043】
図8は、コンテンツ閲覧アプリケーションのメニュー画面の一例を示す。出力装置12のディスプレイにおいて、メニュー画面には、閲覧可能なコンテンツのカテゴリを選択するためのカテゴリ選択領域200が設けられる。ユーザは入力装置20を操作して、カテゴリ選択領域200に含まれるカテゴリを選択できる。図8では、カテゴリ「car」が選択され、コンテンツ表示領域204a、204b、204cに、カテゴリ「car」に関して閲覧可能なコンテンツのサムネイル画像が表示されている。ユーザは入力装置20を操作して、選択枠206を動かすことでサムネイル画像を選択でき、選択枠206が配置されたサムネイル画像の拡大画像が選択コンテンツ表示領域202に表示される。
【0044】
以上のメニュー画像は、メニュー画像生成部174により生成される。メニュー画像生成部174は、メニュー画像の生成に必要なメニューデータを、画像データ提供サーバ2から取得する。メニュー画像生成部174は、カテゴリ選択領域200においてカテゴリが選択されると、メニューデータから、選択されたカテゴリに対応付けられたコンテンツIDを抽出する。送信部130は、抽出されたコンテンツIDをスイッチ42経由で画像データ提供サーバ2に送信し、画像データ提供サーバ2は、コンテンツIDに対応付けられたサムネイル画像を情報処理装置10に提供する。画像データ取得部142がサムネイル画像を受け取ると、メニュー画像生成部174は、サムネイル画像をコンテンツ表示領域204に貼り付ける。
【0045】
サムネイル選択指示受付部118が、コンテンツ表示領域204に表示されたサムネイル画像の選択指示すなわち選択枠206の移動指示を受け付けると、メニュー画像生成部174は、選択枠206をコンテンツ表示領域204間で動かし、選択コンテンツ表示領域202に、選択されたサムネイル画像の拡大画像を表示する。なお、この拡大画像は、画像データ提供サーバ2から提供されてもよい。図8に示すメニュー画面において、ユーザが入力装置20の○ボタン22を押下すると、選択コンテンツ表示領域202に示されるコンテンツ画像の表示処理が開始される。
【0046】
図9は、コンテンツ画像の表示処理開始時に出力装置12に示される表示画像の一例を示す。図8に示すメニュー画面においてユーザが○ボタン22を押下すると、開始指示受付部120が、その操作情報を、表示処理の開始指示として受け付け、画像データ取得部142が、画像データ提供サーバ2から、コンテンツ画像の初期画像データを取得する。画像データ提供サーバ2は、情報処理装置10にて初期画像を生成するためのタイル画像を予め保持しており、画像データ取得部142が、送信部130から初期画像の取得要求をコンテンツIDとともに送信すると、画像データ提供サーバ2は、情報処理装置10に、そのコンテンツIDで特定される初期画像を構成するタイル画像を送信する。
【0047】
開始指示受付部120が表示処理の開始指示を受け付けると、コメントデータ取得部160が、蓄積サーバ4から、コメントデータを取得する。コメントデータ取得部160は、送信部130から、コメントデータの取得要求を、コンテンツIDとともに送信すると、蓄積サーバ4は、情報処理装置10に、そのコンテンツIDで特定されるコメントデータを送信する。
【0048】
図10は、蓄積サーバ4に蓄積されているコメントデータの一例を示す。図10においては、コメントデータがテーブル形式で示されているが、CSV形式など、所定の形式で蓄積されていてよい。コメントデータは、出力装置12に表示される画像に重ねて表示するための重畳データであり、識別情報(ID)、ユーザ名、作成日時、表示情報、設定位置情報、リンク情報の項目を含んで構成される。
【0049】
IDは、コメントデータを特定する情報であり、コメントの作成日時の古い方より1から順に割り当てられる。ユーザ名は、コメントを作成したユーザを特定する情報であり、表示情報は、ユーザにより入力された文字(コメント)を示す。なお、ここでは表示情報が、ユーザがテキスト入力したコメントである例を示すが、表示情報は、たとえば写真画像や、キャラクタ画像などであってもよい。設定位置情報は、階層データにより構成される仮想3次元空間において、コメントが入力された位置情報を特定する情報である。リンク情報は、コメント同士の間にリンクが張られているか否かを示す情報であり、リンクが張られている場合には、対応するコメントデータのIDが記述され、張られていなければ、ヌル値が記述される。
【0050】
図7に戻って、開始指示受付部120が表示処理の開始指示を受け付けると、画像データ取得部142が、画像データ提供サーバ2から初期画像用のタイル画像を取得し、またコメントデータ取得部160が、蓄積サーバ4からコメントデータを取得する。タイル画像データおよびコメントデータは、メインメモリ60に記憶される。なお、コメントデータの記憶形式は、テーブル形式であっても、CSV形式であっても構わない。続いて表示画像生成部150は、取得したタイル画像を用いて、コンテンツ画像の初期画像を生成し、重畳処理部162は、取得したコメントデータを用いて、初期画像に重ねる重畳画像を生成する。コンテンツ画像の初期画像は、コンテンツ全体の画像であり、すなわち、本実施例では雑誌の見開き全体の画像である。重畳処理部162は、生成した重畳画像を表示処理部44に供給する。表示処理部44は、表示画像生成部150で生成された表示画像に、重畳処理部162で生成された重畳画像を重畳表示して、図9に示すフレーム画像を生成する。
【0051】
図9において、複数のアイコン画像220、222、224、226と、コメント画像228とが表示されている。これらのアイコン画像およびコメント画像は、重畳処理部162で生成された重畳画像であり、表示処理部44によりコンテンツ画像に合成されている。コメント画像228は、コメントデータに含まれる表示情報から生成され、図10を参照すると、ID4のコメントデータの表示情報が表現されている。アイコン画像220、222、224、226は、表示情報(すなわち、コメント)の存在を知らせるためのマーク画像であり、アイコン画像が付加されている領域を拡大表示していけば、ユーザは、コメントを見ることができる。なお、アイコン画像220、222、224、226のそれぞれは、出力装置12に表示されている画像の縮尺率と、コメントデータに含まれている縮尺率との関係に応じて、表示態様を決定されている。
【0052】
以下、重畳処理部162の動作について説明する前に、表示画像生成部150による表示画像の生成処理について説明する。ユーザが入力装置20のアナログスティック27を操作すると、画像変更指示信号が情報処理装置10に送信される。変更指示受付部112は、入力装置20から、ディスプレイに表示されている表示画像の変更指示信号を受け付ける。
【0053】
変更量導出部146は、変更指示信号をもとに、表示要求される表示画像の変更量を導出する。表示画像の変更量は、階層データの仮想3次元空間において、1フレームごとの表示画像の上下左右方向の移動量および深さ方向の移動量である。表示画像生成部150は、前回フレームの空間座標から、導出された変更量により移動する今回フレームの空間座標(位置情報)を決定する。ここで空間座標は、フレーム画像の中心座標(X,Y)と縮尺率SCALEで特定される位置情報(X,Y,SCALE)である。変更量導出部146は、変更指示信号をもとに変更量(ΔX,ΔY,ΔSCALE)を導出し、表示画像生成部150は、前回フレームの位置情報(Xprev,Yprev,SCALEprev)に変更量(ΔX,ΔY,ΔSCALE)を加えて、今回フレームの位置情報(X,Y,SCALE)を決定する。このように、表示画像生成部150は、表示する画像の縮尺率SCALEを特定するが、既述したように、解像度など、縮尺率に関連する情報を特定してもよい。
【0054】
送信部130は、表示画像生成部150で決定された空間座標を、画像データ提供サーバ2に送信する。画像データ提供サーバ2は、空間座標を受け取ると、情報処理装置10にて表示画像を生成するためにタイル画像を変更する必要があるか判定し、タイル画像を変更する必要がある場合には、そのタイル画像を情報処理装置10に提供する。画像データ取得部142はタイル画像を取得すると、メインメモリ60に保持させる。デコード部144は、メインメモリ60から表示画像の生成に用いるタイル画像を読み出してデコードし、バッファメモリ70に保持させる。表示画像生成部150は、位置情報にもとづいて、バッファメモリ70に保持されたタイル画像を用いて表示画像(フレーム画像)を生成し、フレームメモリ90に供給する。生成した表示画像は、コンテンツ画像の全体の全部または一部を表現し、ここで、全体画像の全部とは、図9に示した表示画像であり、全体画像の一部とは、図9に示した表示画像を拡大表示した画像である。
【0055】
以上のように表示画像生成部150が表示画像を生成することで、情報処理装置10は、表示画像の拡大、縮小処理、またスクロール処理を高速に実行し、スムーズな画像の変化をユーザに提供できる。
【0056】
次に、重畳処理部162の動作について説明する。重畳処理部162は、コメントデータから、表示画像に重畳するための重畳画像を生成する。図9に示すように、重畳画像には、コメントを表示するコメント画像と、コメントの存在を知らせるためのアイコン画像とが存在する。
【0057】
図10において、設定位置情報は、コメントが入力された位置情報を示し、(x,y,scl)のパラメータを含んでいる。xは、コンテンツ画像におけるX座標、yは、コンテンツ画像におけるY座標、sclは、コメント入力時点における表示画像の縮尺率を示す。なお、縮尺率の代わりに、解像度など、縮尺率に関連する情報が用いられてもよい。(x,y)は、全体画像における2次元座標を特定する情報である。本実施例の重畳画像の表示制御によると、初期画像を拡大表示して、表示画像の縮尺率が設定位置情報のsclに近づくと、初期画像において表示されるアイコン画像がコメント画像に切り替えられる。さらに表示画像が拡大表示されて、表示画像の縮尺率が設定位置情報のsclを超えると、次第にコメント表示が薄くされて、最後には表示画像から消えるように、重畳画像の表示制御が行われる。
【0058】
図11は、重畳画像の表示制御の説明図である。重畳画像を表示するための条件は2つある。第1条件は、設定位置情報における2次元座標(x,y)が表示画像に含まれていることであり、第2条件は、表示画像の縮尺率と、設定位置情報における縮尺率sclとが所定の関係にあることである。図11を用いて、第2条件について説明する。
【0059】
設定位置情報により特定される縮尺率sclを基準として、縮尺率1/2×sclを下限値、縮尺率2×sclを上限値とする範囲R1が、コメント表示領域に設定される。つまり、
1/2×scl ≦ 表示画像の縮尺率 ≦ 2×scl ・・(条件a)
の条件が満足されると、表示画像にコメント画像が重畳表示される。コメント表示領域を、範囲R1にわたって設定することで、表示画像の拡大/縮小の際に、ユーザがコメントを見落とさないようにできる。
【0060】
また、縮尺率が下限値よりも小さい領域R2が、アイコン表示領域に設定される。つまり、
表示画像の縮尺率 < 1/2×scl ・・(条件b)
の条件が満足されると、表示画像にアイコン画像が重畳表示される。これにより、表示画像を拡大する際に、ユーザは、注目している領域にコメントが付加されているか知ることができ、アイコン画像が、効果的なインジケータとしての役割を担うことができる。
【0061】
また、縮尺率が上限値よりも大きい領域R3が、非表示領域に設定される。つまり、
2×scl < 表示画像の縮尺率 ・・(条件c)
の条件が満足されると、表示画像に、コメント画像およびアイコン画像ともに重畳表示されない。
【0062】
範囲R1で特定されるコメント表示領域では、コンテンツの表示画像を背景とし、コメント画像を前景としたアルファブレンドが行われる。背景の画素値をValue0、前景の画素値をValue1と表現すると、
Value=Value0×(1−α)+Value1×α
とする演算により、画素値Valueが定められる。
【0063】
図12は、アルファブレンドにおけるαを示す。
1/2×scl ≦ 表示画像の縮尺率 ≦ scl・・(条件d)
の条件が満足する場合には、α=1に設定され、
scl < 表示画像の縮尺率 ≦ 2×scl・・(条件e)
の条件が満足する場合には、α=1−(表示画像の縮尺率−scl)×(1/scl)に設定される。
【0064】
図11に戻って、領域R2で特定されるアイコン表示領域では、表示画像の縮尺率と、設定位置情報により特定される縮尺率sclとの関係に応じて、アイコン画像の表示態様が決定される。具体的には、
1/10×scl ≦ 表示画像の縮尺率 < 1/2×scl・・(条件f)
の条件が満足する場合には、アイコン画像が青に配色され、
表示画像の縮尺率 < 1/10×scl・・(条件g)
の条件が満足する場合には、アイコン画像が赤に配色される。このように、コメントまでの距離に応じてアイコン画像の色を変化させることで、ユーザは、コメントに到達するまでの時間などを推測できる。
なお、表示態様の変化は、配色に限らず、たとえば大きさに変更が加えられてもよい。また、リンクが張られているコメントデータのアイコン画像は、異なる形状で表現されてもよい。
【0065】
図13は、アイコン画像の例を示す。図13(a)は、青色のアイコン画像を示し、図13(b)は、赤色のアイコン画像を示す。図9において、アイコン画像222、224が青色であり、アイコン画像222は、ID1のコメントデータの存在を示し、アイコン画像224は、ID5のコメントデータの存在を示している。また、アイコン画像220は、赤色であり、ID7のコメントデータの存在を示している。
【0066】
図13(c)は、複数のコメントが関連付けられていることを示すアイコン画像を示す。図9において、アイコン画像226は、ID2,ID3,ID6のコメントデータの存在を示している。
【0067】
以上の制御条件の成立の可否は、基本的には表示条件判定部164により判定される。まず第1条件の判定処理について説明する。表示条件判定部164は、コメントデータに含まれる2次元座標(x,y)が表示画像に含まれるか判定する。表示画像生成部150がテクスチャ座標を導出する場合には、表示条件判定部164は、そのテクスチャ座標に設定位置情報の2次元座標が含まれているか否かを判定する。いずれにしても表示画像生成部150は、フレーム画像の4隅の座標を特定しているため、表示条件判定部164は、すべてのコメントデータに含まれる設定位置情報を参照して、該当するコメントデータを抽出する。図9に示すように、表示画像が全体画像である場合には、すべてのコメントデータの2次元座標が表示画像に含まれるため、表示条件判定部164は、すべてのコメントデータが第1条件を満足したことを判定する。
【0068】
次に、第2条件の判定処理について説明する。表示条件判定部164は、表示画像生成部150により生成される表示画像の縮尺率と、第1条件を満たしたコメントデータに含まれている縮尺率または縮尺率に関連する情報とが所定の関係にあるか判定する。所定の関係とは、コメント画像の生成に関して言えば、上記した(条件a)を満たす関係であり、つまり、設定位置情報の縮尺率sclを基準として設定される下限および上限で特定される範囲内に、表示画像の縮尺率が含まれるか否かを判定する。表示条件判定部164は、表示画像生成部150から表示画像の縮尺率SCALEを取得し、設定位置情報の縮尺率sclから上限および下限を演算により求めることで、縮尺率SCALEがコメント表示領域に入っているか否かを確認する。
【0069】
たとえば、図9に示す全体画像の縮尺率SCALEが1/64(=0.015625)であるとすると、ID4のコメントデータのみが条件aを満たし、他のコメントデータは条件aを満たさない。次に、表示条件判定部164は、第1条件を満たしたコメントデータが、他の条件b、条件cを満たすか判定する。図9に示す全体画像が表示されている場合において、ID1〜3、5〜7のコメントデータは、条件bを満たしている。表示条件判定部164は、さらに条件bを満たしたコメントデータが、条件f、条件gのいずれを満たすか判定する。このとき、ID1、ID5のコメントデータが条件fを満たし、ID7のコメントデータが条件gを満たしている。なお、互いにリンクが張られている複数のコメントデータ(ID2,ID3,ID6)については、条件f、条件gについての判定を行わなくてよい。表示条件判定部164は、この判定結果を重畳画像生成部166に提供する。
【0070】
重畳画像生成部166は、コメントデータをもとに、表示画像上に表示する重畳画像を生成する。表示条件判定部164により、ID4のコメントデータが条件aを満たしていることを示す判定結果を提供されると、コメント画像生成部168は、ID4のコメントデータに含まれている表示情報を用いて、コメント画像を生成する。図9において、コメント画像228は、ID4のコメントデータ(図10参照)をもとに生成されている。コメント画像228には、コメントデータに含まれるユーザ名と、表示情報とが含まれる。これにより、ユーザ名とともに、コメントの内容を閲覧することが可能となる。なお、コメント画像228には、作成日時が含まれてもよい。
【0071】
表示条件判定部164により、ID1〜3、5〜7のコメントデータが条件bを満たしていることを示す判定結果を提供されると、アイコン生成部170は、表示情報の存在を知らせるためのマーク画像(アイコン画像)を生成する。このときアイコン生成部170は、表示画像の縮尺率SCALEと、コメントデータに含まれている縮尺率sclとの関係に応じて、アイコン画像の表示態様を決定する。具体的にアイコン生成部170は、条件fを満たしたID1、ID5のコメントデータのアイコン画像を青に色づけし、また条件gを満たしたID7のコメントデータのアイコン画像を赤に色づけする。表示画像の拡大処理中、青色のアイコン画像は、コメント画像がもうすぐ表示されることを示し、赤色のアイコン画像は、コメント画像にはまだまだ到達しないことを示す。赤色のアイコン画像が表示されている場合、表示画像を拡大していくと、アイコン画像が青色に変化し、また拡大処理を続けると、コメント画像の表示が開始されるようになる。
【0072】
図9に示す全体画像は初期画像であるため、条件cを満たすコメントデータは存在しないが、コメント画像が表示された後も、拡大処理を続ける場合には、条件cが満たされて、重畳画像生成部166は、重畳画像の生成を行わなくなる。
【0073】
表示画像の縮尺率がコメント表示範囲に含まれ、コメント画像生成部168がコメント画像を生成すると、表示処理部44が、表示画像生成部150で生成された表示画像と、コメント画像とをアルファブレンドする。このとき、表示処理部44は、図12に示す関係にしたがってαを求めて、表示画像とコメント画像とを合成する。表示処理部44は、下限(1/2×scl)から所定値の間は、係数αを1に設定し、所定値から上限(2×scl)までの間は、係数αを1から0の間で設定する。これにより、表示画像の拡大処理中、縮尺率が所定値を超えると、コメントが徐々に消えていく演出を実現できる。図12に示す例では、所定値がsclに設定されているが、sclよりも大きい縮尺率に設定されていてもよい。
【0074】
図14は、初期画像を拡大処理した表示画像の一例を示す。図14に示す表示画像は、初期画像を下方向に移動しつつ、拡大することで生成される。このときの表示画像の縮尺率SCALEが0.06であるとする。また、表示条件判定部164が、ID1〜ID3、ID5、ID6のコメントデータの2次元座標が表示画像に含まれていることを判定したとする(第1条件成立)。
【0075】
続いて表示条件判定部164は、第2条件の成立について検証する。ID1,ID2,ID5の設定位置情報の縮尺率は、それぞれ0.06、0.0625、0.05であり、縮尺率SCALEが0.06であることから、ID1,ID2,ID5のコメントデータが条件aを満たしていることを判定する。また、ID3,ID6の設定位置情報の縮尺率は、それぞれ0.25、0.25であり、ID3,ID6のコメントデータが条件bを満たしていることを判定する。表示条件判定部164は、この判定結果を重畳画像生成部166に提供する。
【0076】
重畳画像生成部166は、コメントデータをもとに、表示画像上に表示する重畳画像を生成する。表示条件判定部164により、ID1,ID2,ID5のコメントデータが条件aを満たしていることを示す判定結果を提供されると、コメント画像生成部168は、ID1,ID2,ID5のコメントデータに含まれている表示情報を用いて、コメント画像を生成する。図14において、コメント画像230、232、234は、それぞれID1,ID2,ID5のコメントデータをもとに生成されている。コメント画像230、232、234には、コメントデータに含まれるユーザ名と、表示情報とが含まれる。これにより、ユーザ名とともに、コメントの内容を閲覧することが可能となる。
【0077】
コメント画像生成部168がコメント画像を生成すると、表示処理部44が、表示画像生成部150で生成された表示画像と、コメント画像とをアルファブレンドする。表示処理部44は、図12に示す関係にしたがってαを求めて、表示画像とコメント画像とを合成する。設定位置情報の縮尺率sclとしたとき、表示処理部44は、縮尺率SCALEが下限(1/2×scl)から所定値sclの間は、係数αを1に設定し、所定値sclから上限(2×scl)までの間は、係数αを1から0の間で設定する。したがって、ID1,ID2のコメント画像230、232は、係数α=1でアルファブレンドされ、一方、ID5のコメント画像234は、係数α=0.8でアルファブレンドされる。したがって、コメント画像234は、若干薄くなった状態で表示されることになる。
【0078】
ID2のコメントデータから生成されるコメント画像232には、リンクが張られており、他のコメントデータが関連付けられている。図10を参照して、ID2のコメントデータは、ユーザbbbにより生成されているが、このコメントデータに対して、ユーザbbbにより生成されたID3のコメントデータと、ユーザaaaにより生成されたID6のコメントデータが関連付けられている。したがって、アイコン生成部170は、対応付けられたコメントの存在を示すためのインジケータ236を生成して、コメント画像232の近傍に配置する。インジケータ236は、ユーザにより選択されると、リンクを張られたコメント画像にジャンプさせる機能をもつ。なお、右向きのインジケータ236は、表示されているコメントよりも新しいコメントが存在していることを示す。
【0079】
重畳処理部162は、インジケータ236が選択されると、メインメモリ60に保持されたコメントデータを参照して、指定されたインジケータ236のリンク情報を抽出する。ID2のコメント画像232の近傍に表示されたインジケータ236が選択された場合、重畳処理部162は、ID2のコメントデータのリンク情報を抽出する。このリンク情報は、ID3,ID6のコメントデータを指定しており(図10参照)、重畳処理部162は、2つのコメントデータのうち、たとえば作成日時の古いID3のコメントデータを選択する。重畳処理部162は、ID3のコメントデータの設定位置情報を表示画像生成部150に提供して、表示画像生成部150に表示画像を生成させるとともに、コメント画像生成部168が、ID3のコメント画像を生成する。これにより、ID3のコメント画像が表示される。
【0080】
図15は、ID3のコメント画像を含む表示画像の一例を示す。図10を参照して、ID3とID6のコメントデータの設定位置情報は同じであるため、ID3のコメント画像が表示されるときには、必ずID6のコメント画像も表示される。これは、後述するが、ユーザaaaが、ユーザbbbのコメントに応答する形式でコメントを付加したためであり、そのために、ユーザaaaのコメントデータ(ID6)の設定位置情報が、ユーザbbbのコメントデータ(ID3)の設定位置情報と同じになっている。このような場合、コメント画像生成部168は、1つの表示領域に、2つのコメントを並べたコメント画像を生成する。なお、ID3とID6のコメントデータには、ID2のコメントデータが対応付けられているため、アイコン生成部170は、インジケータ242を生成して、コメント画像240の近傍に配置する。なお、左向きのインジケータ242は、表示されているコメントよりも古いコメントが存在していることを示す。
【0081】
コメント画像240では、2つのコメントを並べて表示したが、コメント画像生成部168は、別個のコメント画像を生成してもよい。なお、1つの表示領域に複数のコメントを含めることで、コメント同士に何らかの繋がりがあることを、ユーザに認識させることができるため、別個にコメント画像を生成するよりも、効果的である。
【0082】
図16は、コメントをリスト形式で表示する例を示す。コメント画像生成部168は、作成日時の古い順に上からコメントを並べたコメント画像246を生成する。この場合、ユーザがコメントを選択すると、その設定位置情報をもとに、コメントが付加されたときの表示画像にジャンプできる仕組みを用意しておくことが好ましい。ジャンプする仕組みは、上記したとおりである。
【0083】
図17は、重畳画像の表示制御のフローチャートを示す。図17に示すフローチャートにおいては、各部の処理手順を、ステップを意味するS(Stepの頭文字)と数字との組み合わせによって表示する。また、Sと数字との組み合わせによって表示した処理で何らかの判断処理が実行され、その判断結果が肯定的であった場合は、Y(Yesの頭文字)を付加して、例えば、(S10のY)と表示し、逆にその判断結果が否定的であった場合は、N(Noの頭文字)を付加して、(S10のN)と表示する。このフローは、各コメントデータに対して、表示画像の変更処理が行われるたびに実行される。
【0084】
表示条件判定部164が、コメントデータの2次元座標が表示画像に含まれるか判定する(S10)。表示画像に含まれていない場合には(S10のN)、そのコメントデータの表示制御は終了する。表示画像に含まれている場合(S10のY)、表示条件判定部164が、表示画像の縮尺率が、コメントデータの縮尺率を基準として設定される下限および上限で特定される範囲内に含まれているか判定する(S12)。
【0085】
表示画像の縮尺率がコメント表示範囲内に含まれている場合(S12のY)、その表示画像の縮尺率が、下限から所定値の間にあるか判定する(S14)。下限から所定値の間にある場合(S14のY)、表示処理部44は、αを1に設定し(S16)、コメント画像を表示画像に重畳する(S20)。一方、表示画像の縮尺率が所定値から上限の間にある場合(S14のN)、表示処理部44は、αを1から0の間で設定し(S18)、コメント画像と表示画像をアルファブレンドする(S20)。
【0086】
表示画像の縮尺率がコメント表示範囲内に含まれていない場合(S12のN)、表示条件判定部164は、表示画像の縮尺率が、コメント表示範囲の下限よりも小さいか判定する(S22)。下限よりも小さい場合(S22のY)、表示条件判定部164は、その表示画像の縮尺率が、所定値以上であるか判定する(S24)。所定値以上である場合(S24のY)、表示処理部44は、青色アイコン画像を表示画像に重畳する(S26)。一方、所定値よりも小さい場合(S24のN)、表示処理部44は、赤色アイコン画像を表示画像に重畳する(S28)。なお、表示画像の縮尺率が上限よりも大きい場合には(S22のN)、重畳画像生成部166は、重畳画像を生成せず、このコメントデータの表示制御は終了する。なお、図17にもとづいて重畳画像の表示制御のフローを説明したが、各条件の判定順序は、図17に示した順序に限定されるものではない。
【0087】
以上は、蓄積サーバ4から取得したコメントデータの表示制御についての説明であるが、以下に、コメントデータの作成について説明する。出力装置12にフレーム画像が表示されている状態で、コメント作成指示受付部114が、ユーザからコメントの作成指示を受け付ける。図18は、表示画像の一例を示す。
【0088】
図18に示す表示画面において、ユーザが入力装置20の×ボタン23を押下すると、コメント作成指示受付部114が、コメント作成指示を受け付ける。コメント作成指示はコメント処理部180に伝達され、書込領域生成部182が、コメントの書込領域を生成する。
【0089】
図19は、表示画像上に生成されたコメントの書込領域250を示す。書込領域250は、たとえば表示画像の中央に作成される。なお、ユーザが表示画像上でカーソルを動かせる場合には、コメントを書き込みたい位置にカーソルを動かし、その後、×ボタン23を押下することで、書込領域250をカーソル位置に配置できる。また、ユーザが、表示画像中央に配置された書込領域250を、所望の位置に動かせてもよい。
【0090】
書込領域生成部182は、ソフトウェアキーボードを表示画像上に生成して、ユーザがテキスト入力できる環境を作成する。ユーザは入力装置20を操作して、ソフトウェアキーボードのキーをクリックし、テキスト入力を行う。なお、図2に示した入力装置20とは別に、文字キーを入力可能なデバイスを情報処理装置10に接続してもよい。
【0091】
図20は、ユーザがテキスト入力を行った状態を示す。文字入力受付部116は、ユーザからの入力を受け付け、書込領域250に表示する。また、文字入力受付部116は、受け付けた入力をコメント処理部180に供給する。コメント処理部180は、文字入力受付部116において受け付けた入力を処理する。具体的に、コメント処理部180は、蓄積サーバ4に送信するコメントデータの作成処理を行う。
【0092】
位置情報取得部184は、文字入力受付部116が入力を受け付けた表示画像中の位置を特定する位置情報を取得する。位置情報は、(x,y,scl)のパラメータを含んで構成され、xは、コンテンツ画像におけるX座標、yは、コンテンツ画像におけるY座標、sclは、コメント入力時点における表示画像の縮尺率である。これらの位置情報は、表示画像生成部150から取得する。対応付部186は、取得された位置情報と、ユーザからの入力とを対応付け、コメントデータを生成する。
【0093】
図21は、対応付部186で生成されるコメントデータの一例を示す。図21に示すコメントデータは、情報処理装置10から蓄積サーバ4に送信されるデータであり、ユーザ名、作成日時、入力情報、位置情報の項目を含んで構成される。
【0094】
ユーザ名は、コメントを作成したユーザを特定する情報であり、作成日時は、コメントを作成した日時を特定する情報であり、入力情報は、ユーザにより入力された文字(コメント)を示す。なお、ここでは入力情報が、ユーザがテキスト入力したコメントである例を示すが、入力情報は、たとえば写真画像や、キャラクタ画像などであってもよい。位置情報は、階層データにより構成される仮想3次元空間において、コメントが入力された位置情報を特定する情報である。送信部130は、生成されたコメントデータを、コンテンツIDとともに蓄積サーバ4に送信する。
【0095】
図10に示すコメントデータと比較すると、図21に示す入力情報は、図10に示す表示情報に相当し、図21に示す位置情報は、図10に示す設定位置情報に相当する。蓄積サーバ4は、図10に示すコメントデータを受信すると、作成日時にしたがってIDを割り当てる。
【0096】
なお、図20に示す例では、他のユーザからのコメントが表示されていない状態で、書込領域250にテキストが入力された例を示しているが、ユーザは、図15に示す表示画像上で、コメントを入力することも可能である。
【0097】
図15に示す表示画像では、コメント画像240が表示画像上に重畳されている。ユーザが入力装置20を操作して、コメント画像240を選択し、×ボタン23を押下すると、書込領域生成部182が、書込領域250をコメント画像240上に生成する。このとき書込領域生成部182は、入力されるコメントを、コメント画像240に関連付けることを判定し、対応付部186に通知する。これを受けて、対応付部186は、リンク情報を付加して、コメントデータを生成する。これにより、蓄積サーバ4は、受信したコメントデータが他のコメントデータに関連付けられていることを認識でき、図10に示すコメントデータを生成できる。
【0098】
なお、蓄積サーバ4は、図21に示す位置情報を参照して、リンク情報を設定してもよい。図21に示す位置情報は、図10に示すID3、ID6の設定位置情報と同一であり、このような場合には、図21に示すコメントデータが、ID3、ID6のコメントデータに関連付けられていることを判定する。これにより、蓄積サーバ4は、受信したコメントデータが、他のコメントデータに関連付けられていることを認識できる。
【0099】
なお、図10に示すコメントデータにおいて、同一のユーザbbbにより生成されたID2、ID3のコメントデータの間で、リンクが張られている。これは、ユーザbbbがコメントを書き込む際に、既に書き込んだコメントと明示的に関連付ける操作を行うことで、これらのコメントデータを関連付けることができる。たとえば、ユーザbbbは、コメントを書き込んだ後に、△ボタン25を押下すると、対応付部186が、過去に書き込んだコメントとの関連づけを行う。過去に書き込んだコメントが複数ある場合には、対応付部186がそのリストを表示し、ユーザbbbがいずれかを選択することで、選択されたコメントとの関連づけを行うことが可能となる。
【0100】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。上記実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。実施例では、表示画像の生成に階層データを用いたが、たとえば1枚の高解像度のコンテンツ画像データを用いて、表示画像を生成してもよい。
【0101】
実施例において、コメントデータと階層データとは別個のものであるとして説明したが、たとえばコメントデータは作成されると、階層データに組み込まれてもよい。これによりファイルの管理が容易になる利点がある。
【符号の説明】
【0102】
1・・・情報処理システム、2・・・画像データ提供サーバ、4・・・蓄積サーバ、10・・・情報処理装置、28・・・階層データ、30・・・第0階層、32・・・第1階層、34・・・第2階層、36・・・第3階層、38・・・タイル画像、44・・・表示処理部、100・・・制御部、110・・・入力受付部、112・・・変更指示受付部、114・・・コメント作成指示受付部、116・・・文字入力受付部、118・・・サムネイル選択指示受付部、120・・・開始指示受付部、130・・・送信部、140・・・画像処理部、142・・・画像データ取得部、144・・・デコード部、146・・・変更量導出部、150・・・表示画像生成部、160・・・コメントデータ取得部、162・・・重畳処理部、164・・・表示条件判定部、166・・・重畳画像生成部、168・・・コメント画像生成部、170・・・アイコン生成部、174・・・メニュー画像生成部、180・・・コメント処理部、182・・・書込領域生成部、184・・・位置情報取得部、186・・・対応付部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体画像の全部または一部をディスプレイに表示する情報処理装置であって、
表示画像の変更指示を受け付ける受付部と、
変更指示にしたがって、表示する画像の縮尺率または縮尺率に関連する情報を特定し、全体画像の全部または一部である表示画像を生成する表示画像生成部と、
表示画像に重ねて表示するための重畳データを取得する取得部と、
重畳データから重畳画像を生成する重畳処理部と、を備え、重畳データは、縮尺率または縮尺率に関連する情報を含んでおり、
前記重畳処理部は、
前記表示画像生成部により生成される表示画像の縮尺率と、重畳データに含まれている縮尺率または縮尺率に関連する情報とが所定の関係にあるか判定する判定部と、
重畳データをもとに表示画像上に表示する重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
重畳データは、全体画像における2次元座標を含んでおり、
前記判定部は、重畳データに含まれている2次元座標が表示画像に含まれるか判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
重畳データは、表示情報を含んでおり、
前記判定部により、所定の関係にあることが判定されると、前記重畳画像生成部は、重畳データに含まれている表示情報を用いて重畳画像を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、重畳データに含まれている縮尺率または縮尺率に関連する情報を基準として設定される下限および上限で特定される範囲内に、表示画像の縮尺率が含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
表示画像の縮尺率が前記範囲内に含まれる場合に、表示画像と重畳画像とをアルファブレンドする表示処理部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示処理部は、下限から所定値の間は、係数αを1に設定し、所定値から上限までの間は、係数αを1から0の間で設定することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部が、表示画像の縮尺率が下限よりも小さいことを判定すると、前記重畳画像生成部は、表示情報の存在を知らせるためのマーク画像を生成することを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記重畳画像生成部は、表示画像の縮尺率と、重畳データに含まれている縮尺率または縮尺率に関連する情報との関係に応じて、マーク画像の表示態様を決定することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部が、表示画像の縮尺率が上限よりも大きいことを判定すると、前記重畳画像生成部は、重畳画像の生成を行わないことを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
全体画像の全部または一部をディスプレイに表示する情報処理装置であって、
表示画像の変更指示を受け付ける第1受付部と、
変更指示にしたがって、表示する画像の縮尺率または縮尺率に関連する情報を特定し、全体画像の全部または一部である表示画像を生成する表示画像生成部と、
ユーザからの入力を受け付ける第2受付部と、
前記第2受付部において受け付けた入力を処理する入力処理部と、を備え、
前記入力処理部は、
前記第2受付部が入力を受け付けた表示画像中の位置を特定する位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部により取得された位置情報と、ユーザからの入力とを対応付ける対応付部と、を有し、前記位置情報は、前記第2受付部が入力を受け付けた表示画像の縮尺率または縮尺率に関連する情報を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
前記変更指示は、表示画像の拡大、縮小または移動を指示するものであることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第2受付部は、ユーザから、テキスト入力を受け付けることを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータに、画像の少なくとも一部をディスプレイに表示する機能を実現させるコンピュータプログラムであって、
表示画像の変更指示を受け付ける機能と、
変更指示にしたがって、表示する画像の縮尺率または縮尺率に関連する情報を特定し、全体画像の全部または一部である表示画像を生成する機能と、
縮尺率または縮尺率に関連する情報を含み、表示画像に重ねて表示するための重畳データを取得する機能と、
表示画像の縮尺率と、重畳データに含まれている縮尺率または縮尺率に関連する情報とが所定の関係にあるか判定する機能と、
重畳データをもとに表示画像上に表示する重畳画像を生成する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−147404(P2012−147404A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6340(P2011−6340)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】