説明

情報処理装置

【課題】訴求力が高い表示し、しかも限られた容量の記憶媒体で実現することができる情報処理装置等の提供が求められていた。
【解決手段】記憶媒体と通信する記憶媒体通信部と、記憶媒体通信部が記憶媒体から受信した記憶媒体情報を画面表示する表示部と、内部記憶手段を備えることを特徴とする情報処理装置において、記憶媒体から受信した記憶媒体情報に基づく表示情報を取得し、取得された表示情報が画像情報か否かを判断し、表示情報が画像情報である場合には、画像情報を画像処理して表示部に画面表示することを特徴とする情報処理装置等を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体と通信する、記憶媒体の記憶されている情報をもとに画像表示する情報処理装置、または、記憶媒体と一体化している場合に、記憶媒体の記憶されている情報をもとに画像表示する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、近距離無線通信を利用した非接触型のICカードなどの記憶媒体を利用した商取引が普及している。このような商取引では、非接触型の記憶媒体を専用のリーダライタ装置にかざすことにより、記憶媒体とリーダライタ装置とが通信をして支払いなどの処理が行われている。具体的には、リーダライタ装置に接続された端末装置が、リーダライタ装置を介して、記憶媒体に備えられている不揮発性の記憶領域に記憶されている利用可能金額などを示す電子マネー情報を読み出し、新たな情報を書き込んで更新することにより、支払いなどの処理が行われている(特許文献1)。
【0003】
現在の記憶媒体には、内部に記憶している電子マネー情報などを表示する機能を備えていない記憶媒体がある。そのため、専用のリーダライタ装置が接続されている端末装置に、記憶媒体に記憶されている情報を読み出させて表示させたり、書き換え可能なリライト層を記憶媒体の表面に有する場合にはリライト層の表面に印刷させたりすることで、記憶媒体に記憶されている電子マネー情報などを表示させている。
【0004】
上述の方法では、端末装置がないところではリアルタイムに電子マネー情報などを確認することができないので、例えば、買い物の支払いなどの前に利用可能な金額を即時に確認することができず、利便性を損なっていた。そこで、記憶媒体に記憶されている電子マネー情報を即時に確認できるように、記憶媒体に記憶されている情報を読み出して表示する携帯型のビューワーなどの情報処理装置が利用されている。
【0005】
この場合の記憶媒体から受信した記憶媒体情報の表示は、文字情報をそのまま表示する、または、その文字列を適宜修正する等の表示制御であった。また、情報処理装置内で記憶媒体情報の表示を工夫する方法として、表形式で表示する方法も示されているが、単に記憶媒体情報を表計算ソフト等に入れて表示させたものに過ぎず、見にくく、かつ訴求力のない画面であった。
【0006】
他方、特許文献2の様に、組版情報を記憶媒体情報の一部に組み込む方法も知られている。この組版情報を用いた記憶媒体情報の表示は、各種表示の高度な制御が可能で、これにより高い訴求力を発揮できるが、メモリに上限が実質的にないネットワークを介した組版サーバの組版データを用いることで可能になっているものである。
【0007】
しかし、この様な組版データを記憶媒体に記憶させるのは、外部の組版システムだから可能なものであり、非接触型のICカードではその様なデータ全部を記憶させるのは実際的ではなく、またデータ全部を記憶させることが可能であっても、その記憶容量分だけ非接触型のICカードが高価なものになってしまい、容易に普及できる規格にはなっていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−250136号公報
【特許文献2】特開2005−100099公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の記憶媒体に記憶されている記憶媒体情報には、記憶容量の関係上、コード情報の様な情報しか入っていなかったため、そのまま表示した単純な文字表示や、単純な表形式の様な画面表示であり、高度で訴求力のある表示ではなかった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、記憶媒体から受信した記憶媒体情報を、高度で訴求力のある画面表示とすることを可能とするものであり、しかも、記憶容量の少ない記憶媒体であってもその様な画面表示を可能にした情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を解決するために、請求項1に係る本発明は、記憶媒体と通信する記憶媒体通信部と、前記記憶媒体通信部が前記記憶媒体から受信した記憶媒体情報を画面表示する表示部と、内部記憶手段を備えることを特徴とする情報処理装置において、
記憶媒体から受信した記憶媒体情報に基づく表示情報を取得し、取得された表示情報が画像情報か否かを判断し、表示情報が画像情報である場合には、画像情報を画像処理して前記表示部に画面表示することを特徴とする情報処理装置を提供するものである。
【0012】
また、請求項2に係る本発明は、記憶媒体と、記憶媒体情報を画面表示する表示部と、内部記憶手段を備えることを特徴とする情報処理装置において、
記憶媒体情報に基づく表示情報を取得し、取得された表示情報が画像情報か否かを判断し、表示情報が画像情報である場合には、画像情報を画像処理して前記表示部に画面表示することを特徴とする情報処理装置を提供するものである。
【0013】
また、請求項3に係る本発明は、前記画像情報に組み込むべき文字情報を、内部記憶手段から取得し、前記画像処理が、前記画像情報に前記文字情報を組み込むものであることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置を提供するものである。
【0014】
また、請求項4に係る本発明は、前記記憶媒体内の前記画像情報がベクタデータであり、このベクタデータをラスタデータに変換したうえで前記画像処理を行うものであることを特徴とする請求項1から3何れか記載の情報処理装置を提供するものである。
【0015】
また、請求項5に係る本発明は、前記画像処理された画像データをさらに組版して前記表示部に画面表示することを特徴とする請求項1から4何れか記載の情報処理装置を提供するものである。
【0016】
また、請求項6に係る本発明は、画像処理情報が記憶媒体から取得するものであることを特徴とする請求項1から5何れか記載の情報処理装置を提供するものである。
【0017】
また、請求項7に係る本発明は、画像処理情報が内部記憶手段から取得するものであることを特徴とする請求項1から5記載の情報処理装置を提供するものである。
【0018】
また、請求項8に係る本発明は、記憶媒体の画像情報を書き換える機能も備えていることを特徴とする請求項1から7何れか記載の情報処理装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、記憶媒体から受信した記憶媒体情報を、高度で訴求力のある画面表示とすることを可能とするものであり、しかも、記憶容量の少ない記憶媒体であってもそ
の様な画面表示を可能にした情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態における情報処理装置1の外形の一例を示す模式図である。
【図2】本実施形態における情報処理装置1及び記憶媒体2の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図3】情報処理装置1に備えられている非接触IC112と、記憶媒体2に備えられている非接触IC21とに記憶されている情報の一例を示す図である。
【図4】本実施形態における情報処理装置1の制御処理を示すフローチャートである。
【図5】図4におけるステップS114のカード読取処理の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の情報処理装置1において表示パネル122に表示する情報を生成する過程の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による情報処理装置を説明する。
【0022】
図1は、本実施形態における情報処理装置1の外形の一例を示す模式図である。なお、本実施形態では、記憶媒体2がカード状の形状の、情報処理装置とは別体を構成している場合を例にして説明する。
【0023】
同図に示すように、情報処理装置1は、記憶媒体2から読み出した表示情報をそのまま、もしくは適当な処理、例えば、コード情報の場合にはテキストデータに変換し、組版した上で表示する表示パネル122と、ユーザによる操作に基づいて操作信号が入力される入力部13とを備えている。また、情報処理装置1には、カード状の記憶媒体2を差し込むことで、記憶媒体2を内部に収納するスロットを備えている。なお、図1において、入力部13は、1つの場合を示しているが、複数あってもよいし、表示パネル122上に配置されるタッチ式のパネルであってもよいし、加速度センサ(モーションセンサ)などでもよい。
【0024】
図2は、本実施形態における情報処理装置1及び記憶媒体2の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【0025】
同図に示すように、情報処理装置1は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、電源部14と、キャリア検出部15とを備えている。記憶媒体2は、非接触IC(Integratedcircuit;集積回路)21と、アンテナ(ループアンテナ)22とを備えている。
【0026】
情報処理装置1において、通信部11は、記憶媒体2と無線による通信を行い、記憶媒体2に備えられている非接触IC21が記憶している表示情報などの各種情報を読み出し、読み出した情報をそのまま、もしくは適当に処理を施して表示部12に出力する。通信部11は、制御部111と、非接触IC112と、アンテナ(ループアンテナ)113とを備えている。
【0027】
制御部111は、受信した情報を非接触IC21に記憶させるカードモードと、記憶媒体2から情報を読み出すリーダライタモード(RWモード)との2つの動作モードを切り替えて、情報処理装置1内の各構成部に対する制御を行う。例えば、制御部111は、マイクロプロセッサ、マイクロプロセッサの記憶領域としてのRAM、マイクロプロセッサのプログラムが記憶されているROM、タイマなどを含み構成されている。
【0028】
また、制御部111は、入力部13から入力される操作信号に基づいて、非接触IC112を制御し、非接触IC112を通じて読み出した記憶媒体2の情報の判別や処理、例えば、情報が、表示情報であり、それが画像情報であった場合、文字情報を組み込み、また必要に応じて組版などを行ったうえで、表示部12に表示させる処理を行う。
【0029】
非接触IC112は、アンテナ113を通じて通信を行い、記憶媒体2に記憶されている情報を読み出して制御部111に出力する。
【0030】
なお、例えば、非接触IC112が送信する信号の電力は、自装置(情報処理装置1)に差し込まれた記憶媒体2と通信ができる範囲内で可能な限り小さい電力に設定されている。この電力値は、シミュレーションや、実測に基づいて設定される。
【0031】
更に、非接触IC112は、不揮発性の記憶領域を有し、当該記憶領域にアプリケーション・プログラム及びデータが記憶されていてもよい。
【0032】
アンテナ113は、例えば、情報処理装置1の中央部に配置され、記憶媒体2が情報処理装置1に差し込まれた際に、記憶媒体2が有するアンテナ22と重ならない位置に配置されるのが好ましい。
【0033】
表示部12は、表示ドライバ121と、表示パネル122とを有している。表示ドライバ121は、通信部11から入力される情報を表示パネル122に応じた電気信号に変換して表示パネル122に出力する。
【0034】
表示パネル122は、表示ドライバ121から入力された電気信号に応じた情報を表示する。例えば、表示パネル122には、液晶ディスプレイや、電子ペーパーなどが用いられる。
【0035】
入力部13は、図1において示したように、ユーザの操作による操作信号が入力される。入力部13は、例えば、機械式のスイッチや、抵抗膜方式又は静電容量方式のタッチ・センサなどが用いられる。入力部13には、例えば、ユーザの操作により、記憶媒体2に記憶されている情報のうち、操作対象の情報を指定する。この場合、例えば指示された情報が画像情報の場合、この画像情報を読み出して対応する文字情報を付加し、必要に応じて組版したうえで、表示部12に表示させる操作情報が入力される。
【0036】
電源部14は、情報処理装置1内に電源を供給する。電源部14としては、例えば、1次電池、2次電池などが用いられる。また、大容量のコンデンサと太陽電池とを組み合わせて電源部14を構成するようにしてもよい。
【0037】
キャリア検出部15は、非接触IC112を介してアンテナ113に接続されている。また、キャリア検出部15は、アンテナ113を通じて、記憶媒体2と通信をする周波数帯域において受信環境に対応して設定される。
【0038】
例えば、基準電力値は、自装置の非接触IC112の送信電力、及び記憶媒体の非接触IC21の送信電力より高く、リーダライタ装置などの送信電力より低く設定される。また、キャリア検出部15は、受自装置の非接触IC112が送信している信号と、自装置以外の装置から送信される信号とも適宜区別できる。
【0039】
記憶媒体2に備えられている非接触IC21は、アンテナ22を通じて無線通信を行う。また、非接触IC21は、情報処理装置1に備えられている非接触IC112と同様に、不揮発性の記憶領域を有している。
【0040】
記憶媒体2の記憶領域には、各種画像情報、例えば、座席チケット画像、クーポン、地図、無料券、広告などの画像情報が記憶されている。
【0041】
なお、記憶容量に応じて、この様な画像情報以外に、アプリケーション・プログラム等や、コード情報、もしくはその所在情報が記憶されているのが通例である。
【0042】
対する、情報処理装置1の記憶領域には、記憶媒体2の記憶領域の画像情報と一緒に表示を表示部12で行うべく、情報処理装置1もしくは記憶媒体2に組版情報が記憶されているものであってもよい。なお、この様な組版情報に加えて、コード情報の表現力やアピール力を高めるためのプログラム等や、各種コード情報、もしくはその他の制御情報が記憶されているものであっても良い。
【0043】
以下の説明は、記憶媒体2の記憶領域に表示情報の一種であるチケットなどの画像情報のほかに、アプリケーション・プログラム及びコード情報等のデータが記憶されている場合で以下説明する。
【0044】
また、情報処理装置1の記憶領域には、組版情報だけではなく、その他のプログラムを含む集合体であるスクリプトと、表示に用いられるコード情報などのデータが記憶されている場合で以下説明する。
【0045】
まず、非接触IC21は、受信する信号に基づいて当該記憶領域に記憶されている画像情報を読み出して送信し、また、受信した信号に基づいて画像情報を記憶又は更新する。また、非接触IC21は、アンテナ22を通じて受信した信号により発電し、発電した電力により動作する。
【0046】
図3は、情報処理装置1に備えられている非接触IC112と、記憶媒体2に備えられている非接触IC21とに記憶されている画像情報を含む情報の一例を示す図である。
【0047】
図3(a)は、記憶媒体2に備えられている非接触IC21に記憶されている画像情報を含む情報の一例である。記憶領域のうち、アプリケーション・プログラム及びデータが記憶されている領域は、複数のアプリケーション領域に分割され、各アプリケーション領域には、アプリケーション・プログラム又は画像情報又はコード情報が記憶されている。
【0048】
なお、この様な記憶媒体としては、ICカード等のカード状のものとして説明したが、ストラップ形状などの各種形状や、他の物品にICや通信手段が附属している様なものでも構わず、また、情報が収納されている端末の様なものでも構わない。
【0049】
同図に示す例では、1番目の領域には、画像データが記憶されている。2番目の領域には、3番目以降のアプリケーション領域に記憶されているプログラム又はデータを選択するための表示機能アプリケーションが記憶されている。3番目の領域には、電子マネー情報の更新履歴を表示させる際に用いる履歴画像データと、更新履歴を示す文字情報を組版するためのスクリプトとを含む履歴表示アプリケーションが記憶されている。
【0050】
4番目の領域には、電子マネー情報として記憶されている利用可能な残高を表示させる際に用いる残高画像データと、残高を示す文字情報を組版するためのスクリプトとを含む残高表示アプリケーションが記憶されている。5番目の領域には、非接触IC21の記憶領域に記憶されているチケット情報を表示させる際に用いるチケット画像データと、文字情報を組版するためのスクリプトとを含むチケット表示アプリケーションが記憶されている。
【0051】
以上のように、各領域には、アプリケーションに応じたプログラム(スクリプト)と、コード情報などのデータとが記憶されている。
【0052】
また、図3(b)は、情報処理装置1に備えられている非接触IC112に記憶されている情報の一例を示す図である。非接触IC112の記憶領域は、複数のアプリケーション領域に分割され、各アプリケーション領域には、アプリケーション・プログラム及びデータが記憶されている。
【0053】
同図に示す例では、1番目の領域には、画像データが記憶されている。2番目の領域には、3番目以降のプリケーション領域に記憶されているプログラム又はデータを選択するためのプログラムを含む表示機能アプリケーションが記憶されている。3番目の領域には、買い物や食事などで割引を受けられる電子クーポンを表す画像データを含むクーポン情報が記憶されている。4番目の領域には、地図を表す画像データを含む地図情報記憶されている。5番目の領域には、お店の特徴などを記載した文章を示す文章データを含む店舗情報が記憶されている。6番目の領域には、史跡の特徴などを記載した文章を示す文章データや、史跡の写真などを示す画像データを含む史跡情報が記憶されている。
【0054】
以上のように、各領域には、アプリケーションに応じた情報が記憶されている。
【0055】
図4は、本実施形態における情報処理装置1の制御処理を示すフローチャートである。
【0056】
同図に示す処理例では、情報処理装置1は、3つの割り込み処理ルーチンと、メイン処理ルーチンとを実行する。なお、ここでは、情報処理装置1には、記憶媒体2が差し込まれ、情報処理装置1以外に記憶媒体2と通信をする装置をリーダライタ装置とした場合を例にして説明する。
【0057】
まずは、メイン処理ルーチンから説明する。
【0058】
メイン処理が開始されると、キャリア検出部15は、記憶媒体2との通信で使用する周波数帯域の信号を受信すると、リーダライタ装置から送信された信号(RWキャリア)が送信されているか否かを判定して、制御部111に出力する(ステップS101)。
【0059】
リーダライタ装置から送信された信号が検出された場合(ステップS101、Yes)、制御部111は、動作モードをカードモードに切り替え(ステップS102)、リーダライタ装置から受信した信号に自装置の識別子が含まれている否かを非接触IC112に判定させる(ステップS103)。なお、ステップS103の判定において、不特定の装置を示すブロードキャスト用の識別子が含まれていた場合、自装置の識別子が含まれていると判定する。
【0060】
自装置の識別子が含まれていない場合(ステップS103、No)、制御部111は、後述するステップS109とステップS110とを順に行う。
【0061】
一方、自装置の識別子が含まれていた場合(ステップS103、Yes)、制御部111は、非接触IC112を制御してリーダライタ装置から情報の受信を開始し(ステップS104)、リーダライタ装置から情報の受信が完了するまで、受信を継続する(ステップS105、ステップS106)。
【0062】
リーダライタ装置から情報の受信が完了すると(ステップS106、Yes)、制御部111は、受信した情報を変換して表示ドライバ121に出力する(ステップS107)
。ここで、制御部111が行う変換は、例えば、圧縮されたデータの復元などである。
【0063】
表示ドライバ121は、制御部111から入力された情報を表示パネル122に応じた電気信号に変換して出力し、表示パネル122に表示させる(ステップS108)。
【0064】
続いて、制御部111は、予め定められた時間を設定してタイマ111Aを起動させ(ステップS109)、設定された時間が経過したことをタイマ111Aにより検出すると、一時的に動作を停止してスリープ状態(節電状態)になる(ステップS110)。
【0065】
ステップS101における判定で、リーダライタ装置から送信された信号が検出されなかった場合(ステップS101、No)、制御部111は、記憶媒体2から情報を読み出して表示させることを示す操作信号が入力部13に入力されているか否かを判定する(ステップS111)。ここで、記憶媒体2から情報を読み出して表示させることを示す操作信号とは、例えば、予め定められたスイッチをオンにすることにより入力される信号などである。
【0066】
記憶媒体2に記憶されている情報を表示させる操作信号が入力されていない場合(ステップS111、No)、制御部111は、ステップS109と、ステップS110とを順に行う。
【0067】
一方、記憶媒体2から情報を読み出して表示させることを示す操作信号が入力されている場合(ステップS111、Yes)、制御部111は、動作モードをRWモードに切り替えて(ステップS112)、非接触IC112から記憶媒体2に向けて情報の読み出し要求を含む信号を送信させ(ステップS113)、非接触IC112を介して記憶媒体2に記憶されている情報を読み出す(ステップS114)。
【0068】
制御部111は、記憶媒体2から情報の読み出しが完了すると、非接触IC112に信号の送信を停止させて(ステップS115)、ステップS107〜ステップS110を順に行う。
【0069】
続いて、割り込み処理Aについて説明する。
【0070】
キャリア検出部15は、リーダライタ装置からの信号(RWキャリア)を検出すると、制御部111にRWキャリアを検出したことを示す情報を出力する(ステップS141)。
【0071】
制御部111は、RWキャリアを検出したことを示す情報が入力されると、表示ドライバ121にRWキャリアを検出したこと表示させる情報を出力して、表示パネル122に表示させ(ステップ143)、リアルタイム・インターラプト(RealTimeInterrupt;RTI)により、メイン処理ルーチン(ステップS101〜ステップS115)の動作を行うように、各機能部を制御する。
【0072】
割り込み処理Bについて説明する。
【0073】
制御部111は、入力部13からユーザによる操作信号が入力されると(ステップS151)、直前に表示部12に表示させた情報を再度表示させて(ステップS152)、RTIにより、メイン処理ルーチン(ステップS101〜ステップS115)の動作を行うように、各機能部を制御する。
【0074】
割り込み処理Cについて説明する。
【0075】
制御部111は、設定された時間が経過したことをタイマ111Aの桁あふれ(Overflow;OVF)により検出すると(ステップS161)、表示ドライバ121に表示を停止させる信号を出力して、表示パネル122の表示を停止させ(ステップ162)、RTIにより、ステップS110の動作を行う。
【0076】
上述のように、制御部111は、リーダライタ装置から送信される信号を検出すると非接触IC112に送信を停止させる(ステップS142)。また、制御部111は、入力部13に入力された操作信号により動作を開始する場合、リーダライタ装置から送信される信号を検出すると動作モードを、信号を送信しないカードモードとして動作させる(ステップS151〜S153、ステップS101、S102)。
【0077】
これにより、情報処理装置1は、リーダライタ装置と記憶媒体2との通信に干渉せずに、記憶媒体2に記憶されている情報を読み出して表示することができる。
【0078】
図5は、図4におけるステップS114のカード読取処理の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【0079】
上述の様に、割り込み処理A〜Cのどれかが発生した場合、図4における各種ステップを経てステップS114の動作が開始される。
【0080】
そうすると、制御部111は、入力部13からの入力を待つ。その結果、指示された情報を記憶媒体2に記憶されている表示情報から取得する。
【0081】
例えば、記憶媒体2に記憶されている表示情報から、入力部13からの入力により、1番目の情報である画像情報を取得する。この場合、まず表示情報が画像情報か否かを判断し(ステップS201)、その情報が画像情報ではない場合、その種類に応じた適宜処理(ステップS205)をする。例えば、コード情報であればテキスト変換などを行い、その結果、適宜処理結果を表示ドライバ121に送付し、表示ドライバ121の働きにより表示部12で画像表示する(ステップS206)。
【0082】
なお、この場合に入力部13からの入力が認識されなかった場合は、自動的に1番目の情報を取得する様にしてもよい。
【0083】
また、入力部13からの入力により、2番目の情報であるコードを取得した場合も、その表示情報が画像情報か否かを判断し(ステップS201)、対応情報取得(ステップS202)に進む。対応情報取得(ステップS202)では、表示情報がどの様な種類のものか、例えば、チケットの座席情報に関する画像情報と判断し、その座席情報に関する画像処理に必要な情報、例えば、画像情報において文字を組み込む位置、画像情報が座席情報である場合であれば、座席絵柄を外た位置など、画像の中で文字を組み込むのに適した位置に関す情報などの、対応情報を取得する。この場合は、対応情報が画像情報なかの組込み位置であるが、組版などで画像処理を行う場合は、組版情報などでも構わない。
【0084】
次に、画像情報を必要に応じてデータ変換する(ステップS203)。例えば、画像情報は、ビットマップ形式では情報量が多すぎるため、アウトライン画像で記憶媒体に記憶される場合が多い。この場合は、ベクタ形式で保存されていた画像情報を、ラスタ形式にデータ変換しないと一般的には、文字組込などの画像情報を行うことができない。このため、ラスタライズ処理を行い、ビットマップ化するなどの画像情報のデータ変換などが含まれる。
【0085】
次に、画像情報に組み込むべき情報を取得する。本実施の形態では、画像情報に組み込むべき文字情報を適宜文字セットする(ステップS204)。この場合は、画像に組み込む情報を文字である場合で説明したが、別な画像などでも構わない。
【0086】
次に、この画像情報にセットされた文字を組み込む画像処理を行う(ステップS205)。例えば、このデータ変換した画像情報の所定位置にセットされた文字を組み込むなどである。
【0087】
最後に、この画像処理された画像情報を表示ドライバ121に送付し、表示ドライバ121の働きにより表示部122で表示する(ステップS207)。
【0088】
これに代わり、制御部111は、ユーザの操作によりスクロールなどして選択されたアプリケーション領域を示す操作信号が入力部13を通じて入力され、選択されたアプリケーション領域から読み出した情報にスクリプトが含まれているか否かを判定するものでもよい。
【0089】
スクリプトが含まれている場合、制御部111は、選択されたアプリケーション領域に記憶されている情報を、非接触IC112を介して読み出し、読み出した情報に含まれる画像データを表示パネル122に表示できるサイズに設定し、読み出した情報に含まれる文字情報をスクリプトに従って画像情報を行う。
【0090】
制御部111は、読み出した情報に含まれる画像データが圧縮されている場合、復元し、読み出した情報に複数の画像データが含まれている場合、当該複数の画像データを画像処理して表示パネル122に表示する情報を生成する。なお、この場合は画像処理された画像情報をそのまま表示する場合で説明したが、さらにこの画像情報を組版情報などをもとに組版し、最終的に表示する様にしても構わない。
【0091】
制御部111は、この様に、画像処理などにより生成した情報を表示ドライバ121に出力して、表示部122に表示させるものでも良い。
【0092】
また、画像情報か否かは、JPEG2000形式であるか否かや、BMP(ビットマップ)である判断作を行うものでも良い。
【0093】
また、制御部111は、表示部122に何も表示させない情報を生成して、表示のクリアを行うものでもよい。
【0094】
さらに、対応情報は、以上の説明においてその対応情報が文字を組み込む位置として説明したが、画像情報中で文字領域を指定するものでも、文字情報表示の開始点を指定するものでも、その文字情報がテキストデータの場合は、それに加えてフォント情報や文字サイズを含むものでも構わない。
【0095】
図6は、本実施形態の情報処理装置1において表示パネル122に表示する情報を生成する過程の一例を示す図である。ここでは、記憶媒体2に記憶されている情報のうち、図3(a)において5番目のアプリケーション領域に記憶されているチケット表示アプリケーションが選択され、これが表示すべき個別情報である場合について説明する。
【0096】
図6において、画像データ7aは、チケット画像データの一例を示す図である。チケット画像データには、表示するチケットの種別、航空券などの搭乗券や、イベントの入場券などを表す画像が予め含まれている。
【0097】
チケット表示アプリケーションには、画像データ7aが含まれている。制御部111は、チケット表示アプリケーションに含まれている、画像データ7aに基づいて、非接触IC112もしくは記憶媒体2からチケット項目情報7bに対応したチケット情報7cを読み出し、読み出したチケット情報を文字情報に変換する。そして、制御部111は、変換により得られた文字情報を、その文字情報のチケット項目情報7bとして定められた位置に位置決めして画像データ7aに組み合わせ表示画像情報7dを得る。
【0098】
この場合、その表示画像情報7dをそのまま表示ドライバ121で処理できる場合は、処理した画像情報を表示ドライバ121に出力して表示パネル122に表示させる。
【0099】
しかし、その表示画像情報7dをそのまま表示ドライバ121で処理できない場合や、さらに組版して表示したい場合は、情報処理装置1から読み出した情報に含まれるスクリプトに基づいてさらなる情報処理や組版をして最終的な表示情報を生成し、生成した情報を表示ドライバ121に出力して表示パネル122に表示させる。
【0100】
これにより、単なる文字の羅列によるチケット項目の表示に比べて、チケット情報が組版されて表示されているため、ユーザがそのチケット情報を容易に、しかも誤認識されることが少なくなり、しかも、訴求力が高い表示し、しかも限られた容量の記憶媒体2で実現することができるようになった。
【0101】
本実施形態における情報処理装置1は、その他、支払い処理を実行する端末装置と、記憶媒体2とが通信をすることにより、記憶媒体2に記憶されている電子マネー情報を利用した支払いを可能にするものであっても構わない。
【0102】
また、情報処理装置1は、記憶媒体2と独立した構成としているので、情報処理装置1に備えられた電源部14から電力を供給できなくなった場合においても、記憶媒体2と、リーダライタ装置などの他の装置との通信を阻害することはない。そのため、ユーザは、情報処理装置1が動作しない場合でも、記憶媒体2を利用した支払いなどの処理を行うことができる。
【0103】
なお、本実施形態において、制御部111は、記憶媒体2が他の装置と通信をしていることを検出した場合、表示パネル122に記憶媒体2が通信中であることを示す情報を表示するようにしてもよい。これにより、ユーザに記憶媒体2から情報を読み出せないことを通知することができる。
【0104】
また、本実施形態では、情報処理装置1と、記憶媒体2とが独立した構成を説明したが、情報処理装置1が記憶媒体2を含む構成にしてもよい。その場合、情報処理装置1の内部に、非接触IC21及びアンテナ22が含まれることになる。
【0105】
また、制御部111は、記憶媒体2の情報が更新された場合に、表示パネル122に表示する情報を更新することができるものであってもよく、また、制御部111は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。その場合、上述した制御処理及びカード読取処理の過程は、組版情報を含むプログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記組版などの処理が行われることになる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0106】
以上の説明は、情報処理装置と記憶媒体が別体である場合で説明したが、一体である場
合でも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0107】
非接触ICカードなどの記憶媒体を利用した既存のシステムに干渉することなく、当該記憶媒体に記憶されている情報を的確に、しかも表現力のある表示をすることができる。
【符号の説明】
【0108】
1…情報処理装置
2…記憶媒体
11…通信部
12…表示部
13…入力部
14…電源部
15…キャリア検出部
21…非接触IC
22…アンテナ
111…制御部
112…非接触IC
113…アンテナ
121…表示ドライバ
122…表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体と通信する記憶媒体通信部と、前記記憶媒体通信部が前記記憶媒体から受信した記憶媒体情報を画面表示する表示部と、内部記憶手段を備えることを特徴とする情報処理装置において、
記憶媒体から受信した記憶媒体情報に基づく表示情報を取得し、取得された表示情報が画像情報か否かを判断し、表示情報が画像情報である場合には、画像情報を画像処理して前記表示部に画面表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
記憶媒体と、記憶媒体情報を画面表示する表示部と、内部記憶手段を備えることを特徴とする情報処理装置において、
記憶媒体情報に基づく表示情報を取得し、取得された表示情報が画像情報か否かを判断し、表示情報が画像情報である場合には、画像情報を画像処理して前記表示部に画面表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記画像情報に組み込むべき文字情報を、内部記憶手段から取得し、前記画像処理が、前記画像情報に前記文字情報を組み込むものであることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶媒体内の前記画像情報がベクタデータであり、このベクタデータをラスタデータに変換したうえで前記画像処理を行うものであることを特徴とする請求項1から3何れか記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像処理された画像データをさらに組版して前記表示部に画面表示することを特徴とする請求項1から4何れか記載の情報処理装置。
【請求項6】
画像処理情報が記憶媒体から取得するものであることを特徴とする請求項1から5何れか記載の情報処理装置。
【請求項7】
画像処理情報が内部記憶手段から取得するものであることを特徴とする請求項1から5記載の情報処理装置。
【請求項8】
記憶媒体の画像情報を書き換える機能も備えていることを特徴とする請求項1から7何れか記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−73848(P2012−73848A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218552(P2010−218552)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】