説明

情報処理装置

【課題】複数の配信先装置に対する配信情報の配信時間が遅延するという問題を解決すること。
【解決手段】本発明における情報処理装置は、配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得する配信能力情報取得手段と、前記配信能力情報取得手段により取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択する配信先選択手段と、前記配信先選択手段により選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信する配信情報取得指示送信手段と、前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する通信手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置にかかり、特に、ネットワークを介して接続された配信先装置に配信情報を配信させる情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、P2P(Peer to Peer)型ネットワークを介して接続された他の端末装置に対してコンテンツ等を配信する技術が普及している。P2P型のネットワークでは、初めに配信元装置だけがコンテンツのオリジナルデータを有しており、複数の配信先装置に対してコンテンツのデータを配信する。配信先装置が、配信元装置からコンテンツのデータを取得すると、以降、まだコンテンツのデータを取得していない他の配信先装置に対してデータを配信することができるようになる。上述した処理が繰り返されることで、全ての配信先装置に対してコンテンツのデータを提供することができる。
【0003】
このようなコンテンツの配信システムでは、コンテンツの取得のタイミングが配信先装置にゆだねられていることがある。コンテンツの取得のタイミングが配信先装置にゆだねられている場合、最初にコンテンツの取得を要求した配信先装置のタイミングと、最後にコンテンツの取得を要求した配信先装置のタイミングと、の間には大きな開きが発生するという問題がある。一方で、複数の配信先装置のコンテンツの取得のタイミングを小さくするために、全ての配信先装置に対して一斉にコンテンツ取得指示を送信すると、コンテンツを取得するために多数の配信先装置が配信元装置にほぼ同時にアクセスするので、配信元装置にアクセスが集中し、負荷が増加してしまうという問題がある。
【0004】
上記問題に関連する技術が特許文献1に開示されている。具体的に、特許文献1には、送信装置からコンテンツを取得した受信装置が、次にコンテンツを配信する他の受信装置を宛先グループ化処理部に問い合わせ、通知された1つの未配信の受信装置に対してコンテンツ更新通知を送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−199578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の発明では、未配信の受信装置の電源がオフになっている場合、コンテンツを配信済みの受信装置は、未配信の受信装置にコンテンツを配信することができないことがある。また同様に、未配信の受信装置の電源がオンになりコンテンツの取得要求を送信したとき、コンテンツを配信済みの受信装置の電源がオフになっていると、未配信の受信装置はコンテンツを取得することができないことがある。このように、全ての受信装置に対するコンテンツの配信時間が遅延するという問題があった。一方で、受信装置の電源を常にオンにしておくことは、電気代などのコストが増加するので好ましくない。
【0007】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、全ての受信装置に対するコンテンツの配信時間が遅延するという問題を解決することができる情報処理装置を提供させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明の一形態である情報処理装置は、
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得する配信能力情報取得手段と、
前記配信能力情報取得手段により取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択する配信先選択手段と、
前記配信先選択手段により選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信する配信情報取得指示送信手段と、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する通信手段と、を備える
という構成を取る。
【0009】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得する配信能力情報取得手段と、
前記配信能力情報取得手段により取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択する配信先選択手段と、
前記配信先選択手段により選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信する配信情報取得指示送信手段と、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する通信手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0010】
また、本発明の他の形態である、情報処理方法は、
情報処理装置にて、
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得し、
取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択し、
選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信し、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する、
という構成を取る。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上のように構成されることにより、複数の配信先装置のそれぞれに対して迅速に配信情報を配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明における情報配信システムの概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明における情報配信システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明における情報配信システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明における配信先選択処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】図5に開示した配信先選択処理の動作を示す説明図である。
【図7】本発明における配信先選択処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7に開示した配信先選択処理の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
本発明の実施形態を、図1乃至図8を参照して説明する。図1と図2は、情報配信システムの構成を説明するための図であり、図3乃至図8は、情報配信システムの動作を説明するための図である。
【0014】
[構成]
図1は、本実施形態における情報配信システム1の概略を示す図である。図1に示されるように、本実施形態における情報配信システム1は、ネットワーク15を介して接続された、配信元情報提供装置11、配信制御装置12、配信先装置13−1乃至13−6、および情報配信装置14を備える。
【0015】
P2Pを利用した情報配信システム1は、初期状態では、情報配信装置14がオリジナルデータとしての配信情報を有している。そして、配信元情報提供装置11と配信制御装置12(情報処理装置)が、配信情報を取得する配信先装置13を制御して、管理する。
【0016】
図1の例では、まず配信先装置13−1,13−4が情報配信装置14から配信情報を取得する。すると、配信情報を取得した配信先装置13−1,13−4は、他の配信先装置13に配信情報を配信することが可能になる。続いて、配信先装置13−1,13−4のそれぞれは、例えば配信先装置13−2,13−5に配信情報をそれぞれ配信する。そして、同様の処理が繰り返えされることで、複数の配信先装置13の全てが配信情報を取得することができる。
【0017】
配信元情報提供装置11は、配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を、配信情報を未取得の配信先装置13に提供するトラッカーとして機能する。配信元装置と接続するための情報は、配信元装置のIP(Internet Protocol)アドレス等の情報である。また、配信情報を未取得の配信先装置13は、配信情報を取得中(すなわちダウンロード中)のコンピュータ等を表すリーチャである。そして、配信元装置(情報配信装置14と配信情報を取得した配信先装置13)は、配信情報を配信するシーダとして機能する。
【0018】
次に、図2を参照して、配信元情報提供装置11、配信制御装置12、配信先装置13、および情報配信装置14の詳細な構成について説明する。図2は、本実施形態における情報配信システム1の構成を示すブロック図である。
【0019】
なお、図2を参照した説明では、配信先装置13が情報配信装置14から配信情報を取得する例について説明するが、図1の説明で上述したように、配信先装置13は、配信情報を取得した他の配信先装置13から配信情報を取得することもできる。
【0020】
配信元情報提供装置11は、プログラム制御により動作する送信能力観測部21、配信元記憶部22、取得状態記憶部23、プログラム制御により動作する配信能力情報取得部24、およびプログラム制御により動作する情報通信部25を備えている。
【0021】
送信能力観測部21は、一定間隔毎又は配信能力情報取得部24からの要求に応じて配信元情報提供装置11の送信能力を表す送信能力情報を観測する。送信能力情報は、例えば、図示せぬ配信元情報提供装置11のCPU(Central Processing Unit)の使用率などの情報処理能力、I/O(Input/Output)の使用率、通信IF(Interface)の使用率、メモリの使用率、最大同時接続数などである。最大同時接続数は、例えば、同時接続セッション数の最大値である。すなわち、最大同時接続数は、配信元情報提供装置11が同時に接続可能な配信先装置13の数を表す。
【0022】
配信元記憶部22(配信元記憶手段)は、配信情報を記憶した配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を記憶する。配信元装置は、元となる(オリジナルの)配信情報を記憶する情報配信装置14と、配信情報を取得した配信先装置13である。配信元情報は、各配信元装置と接続するためのIPアドレス等の情報である。
【0023】
取得状態記憶部23は、情報通信部25を介して配信先装置13から受信した取得状態情報を記憶する。取得状態情報は、配信先装置13の配信情報の取得状態を表す情報である。取得状態情報は、例えば、配信情報の取得を開始する前の状態を表す未取得状態と、配信情報の取得を開始した状態を表す取得中状態と、配信情報の取得を完了した状態を表す取得完了状態と、のいずれかの情報である。
【0024】
配信能力情報取得部24(配信能力情報取得手段)は、上述した送信能力観測部21が観測した送信能力情報と、配信元記憶部22が記憶した配信元情報と、取得状態記憶部23が記憶した取得状態情報と、のうち少なくとも1つを配信能力情報として取得する。
【0025】
情報通信部25は、後述して説明する配信先装置13から、配信元情報を取得するための要求を表す配信元情報取得要求を受信する。配信元情報取得要求を受信した情報通信部25は、配信元記憶部22に記憶された配信元情報を取得するとともに、取得した配信元情報を配信先装置13に送信する。また、情報通信部25は、所定のタイミングで配信先装置13から取得状態情報を受信すると、その取得状態情報により示される配信先装置13の配信情報の取得状態を取得状態記憶部23に記憶する。さらに、情報通信部25は、取得完了状態を表す取得状態情報(以下、取得完了通知と記載する)を配信先装置13から受信する。取得完了通知を送信した配信先装置13は、以降、配信元装置(例えばシーダ)として機能する。よって、情報通信部25は、取得完了通知を送信した配信先装置13を識別するためのID(Identification)と、当該配信先装置13と接続するためのIPアドレスと、を配信元情報として、配信元記憶部22に記憶する。
【0026】
次に、配信制御装置12の構成について説明する。配信制御装置12は、配信先記憶部31、プログラム制御により動作する配信先選択部32、およびプログラム制御により動作する通信部33から構成される。
【0027】
配信先記憶部31は、配信情報を未取得の配信先装置13の配信先情報を記憶する。配信先情報は、例えば配信先装置13を識別するために予め設定されたIDと、配信先装置13と接続するためのIPアドレス等である。配信先選択部32(配信先選択手段)は、配信先記憶部31から配信先情報を取得するとともに、配信元情報提供装置11から配信能力情報を取得する。そして、配信先選択部32は、取得した配信先情報と配信能力情報に基づいて配信数を算出し、算出された配信数の配信先装置13を選択する。例えば、配信数Sは式(1)により算出される。
【0028】
配信数S = min(f(x),y) (1)
【0029】
式(1)のxは、配信元装置の数を表す。すなわち、配信元装置の数xは、配信元情報に含まれる配信元装置の数を表す。また、yは最大同時接続数を表す。最大同時接続数yは、配信元情報提供装置11が同時に接続可能な配信先装置13の数を表す。すなわち、配信数Sは、配信元装置の数を引数とする関数f(x)により算出される値と、最大同時接続数yと、のうち小さい方の数値になる。
【0030】
本実施形態では、説明を簡単にするため、関数f(x)により算出される値は、配信元情報に含まれる配信元装置の数そのものとする(すなわちf(x)=x)。なお、配信先選択部32は、配信元装置の情報処理能力や通信速度等、配信元装置の性能等に応じて重みづけした関数を利用することもできる。例えば、重みづけした関数f’は、式(2)により算出される。
【0031】
f’(z,…,z) = α+・・・+α (nは2以上の自然数) (2)
【0032】
式(2)のαi(1≦i≦n)は、配信元装置ziの性能比(すなわち重み)を表す。配信元装置の性能比とは、基準となる配信元装置に対する、配信元装置ziの情報処理能力、通信能力等である。具体的には、性能比は、基準となる配信元装置の性能を1とし、基準となる配信元装置より性能が高ければ1より大きくなり、基準となる配信元装置より性能が低ければ小さくなる。例えば、基準となる配信元装置2台分の性能を有する配信元装置ziは、αi=2(すなわち、重み2)とすることができる。
【0033】
また、式(1)では、配信数を算出するために最大同時接続数を利用しているが、最大同時接続数の他、配信元情報提供装置11のCPUの情報処理能力(CPUの使用率)やメモリ使用率、現在の同時接続数(セッション本数)、将来予測できる同時接続数など、他の送信能力情報の値を利用することもできる。例えば、CPUやメモリの使用率に対応付けて、予め所定の数値を送信能力情報の値として割り当て、図示せぬ記憶装置やRAM(Random Access Memory)等に記憶する。そして、送信能力観測部21により観測されたCPUの情報処理能力及び/又はメモリの使用率から、予め記憶された所定の送信能力情報の値を特定し、特定した送信能力情報の値を利用することもできる。なお、以下に記載する他の式についても同様に、最大同時接続数の代わりに送信能力情報の値を利用することができる。
【0034】
上述して説明した式(1)では、複数の配信先装置13からのアクセスが1台の配信元装置に集中しないようにするため、配信元装置の数を引数として利用している。一方、配信元装置の性能が十分に高い場合など、複数の配信先装置13からのアクセスが1台の配信元装置に集中しても問題のない場合には、式(1)の代わりに以下の式(3)を利用して配信数S’を算出することができる。
【0035】
配信数S’ = y (3)
【0036】
すなわち、配信数を常に最大同時接続数yとすることができる。さらに、配信元情報提供装置11の性能が十分高い場合など、複数の配信先装置13からのアクセスが配信元情報提供装置11に集中してもよい場合には、式(1)の代わりに以下の式(4)を利用して配信数S’’を算出することができる。
【0037】
配信数S’’ = f(x) (4)
【0038】
すなわち、配信数S’’は、配信元装置の数xを引数とする関数f(x)により算出される値とすることができる。同様に、配信数S’’は、上述した式(2)のf’(z,…,z)により算出される値とすることができる。
【0039】
通信部33(配信情報取得指示送信手段)は、配信先選択部32により選択された配信先装置13に配信情報の取得を開始させるための指示を表す配信情報取得指示を送信する。
【0040】
次に配信先装置13の構成について説明する。配信先装置13は、プログラム制御により動作する通信部41、プログラム制御により動作するCPU42、および記憶部43を備えている。配信先装置13は、例えば、パーソナルコンピュータ(図1の配信先装置13−1,13−2)、携帯端末装置(図1の配信先装置13−3,13−4)、サーバ装置(図1の配信先装置13−5,13−6)などの情報端末装置である。
【0041】
CPU42は、通信部41を介して配信制御装置12から配信情報取得指示を受信するとともに、配信元情報提供装置11に配信元情報取得要求を送信する。配信元情報取得要求は、配信情報を取得した配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報(例えばIPアドレス等)を取得するための要求である。そして、CPU42は、通信部41を介して配信元情報提供装置11から配信元情報を受信すると、通信部41およびネットワーク15を介して配信元装置(すなわち、情報配信装置14又は配信情報を取得した他の配信先装置13)に配信情報を取得するための配信情報取得要求を送信する。続いて、CPU42は、配信元装置から配信情報を受信すると、記憶部43に配信情報を記憶するとともに、通信部41およびネットワーク15を介して配信元情報提供装置11に取得完了通知を送信する。
【0042】
なお、CPU42は、所定のタイミングで、配信情報の取得状態を表す取得状態情報を配信元情報提供装置11に送信する。CPU42が取得状態情報を送信する所定のタイミングは、配信情報の取得を開始した時と、配信情報を取得中の所定の時間毎と、配信情報の取得を完了した時と、のうちの少なくとも1つのタイミングである。そして、CPU42は、配信情報を取得中の所定の時間毎の取得状態情報を、取得中通知として配信元情報提供装置11に送信する。また、CPU42は、配信情報の取得を完了した時の取得状態情報を、取得完了通知として配信元情報提供装置11に送信する。そして、取得完了通知を送信した(配信情報を記憶部43に記憶した)配信先装置13は、以降配信元装置として機能する。すなわち、CPU42は、後述する情報配信装置14の配信制御部52と同様の処理を実行し、記憶部43は、配信情報記憶部51と同様の機能を有するようになる。
【0043】
情報配信装置14は、配信情報記憶部51、プログラム制御により動作する配信制御部52、および通信部53から構成される。配信制御部52は、通信部53を介して配信先装置13から配信情報取得要求を受信すると、配信情報記憶部51に記憶された配信情報を取得し、取得した配信情報を、通信部53およびネットワーク15を介して配信先装置13に送信する。
【0044】
[動作]
次に、図3乃至図8を参照して、上述した情報配信システム1の動作について詳細に説明する。図3と図4は、情報配信システム1の動作を示すフローチャートである。図5は、本発明における配信先選択処理1の動作を示すフローチャートである。図6は、図5に開示した配信先選択処理1の動作を示す説明図である。図7は、本発明における配信先選択処理2の動作を示すフローチャートである。図8は、図7に開示した配信先選択処理2の動作を示す説明図である。
【0045】
図3の情報配信システム1の処理は、配信元情報提供装置11の配信元記憶部22に記憶された配信元情報が更新された際に開始する。具体的には、配信元情報提供装置11が、配信元記憶部22に新たな配信元情報を記憶したときに開始する。配信元情報提供装置11が配信元情報を記憶すると、ステップS1において、配信元情報提供装置11の配信能力情報取得部24は配信能力情報を取得する。配信能力情報は、送信能力観測部21により観測された送信能力情報と、配信元記憶部22により記憶された配信元情報と、取得状態記憶部23により記憶された取得状態情報と、のうちの少なくとも1つを含む情報である。例えば、配信能力情報取得部24は、配信元情報として、情報配信装置14と接続するための情報を取得する。また例えば、配信能力情報取得部24は、送信能力観測部21により観測された送信能力情報として、最大同時接続数を取得する。なお、図3と図4の説明では、最大同時接続数が6である場合について説明する。
【0046】
続いて、ステップS2において、情報通信部25は、ステップS1において取得された配信能力情報を、ネットワーク15を介して配信制御装置12に送信する。なお、配信元情報提供装置11と配信制御装置12を直接有線等で接続し、配信能力情報取得部24により取得された配信能力情報を直接、配信制御装置12に提供することもできる。
【0047】
ステップS11において、配信制御装置12の通信部33は、ステップS2の処理で配信元情報提供装置11から送信された配信能力情報を受信する。続いて、ステップS12において、配信先選択部32は、配信先選択処理として配信先選択処理1を実行する。図5を参照して、配信先選択処理1の詳細について説明する。
【0048】
図5のステップS51において、配信先選択部32は、図3のステップS11の処理で情報通信部25により受信された配信能力情報に基づいて配信数を算出する。具体的には、配信先選択部32は、上述した式(1)乃至(4)のうちの少なくとも1つを利用して配信数を算出する。図6を参照して、式(1)を利用して配信数を算出する場合について説明する。図6の初期状態を表すステップA0では、情報配信装置14だけが配信元情報(シーダ)として登録されている。すなわち、配信元装置の数は、1(f(1)=1)になる。また、最大同時接続数は、上述したように6である。従って、ステップA0の状態で式(1)を適用すると、配信数S=min(1,6)=1。すなわち、配信数は1になる。
【0049】
配信数が算出されると、ステップS52において、配信制御装置12の配信先選択部32は、配信先記憶部31から配信先情報を取得する。そして、ステップS53において、配信先選択部32は、配信先情報に含まれる複数の配信先装置から、ステップS52の処理で算出された配信数の配信先装置を選択する。配信先選択部32は、配信先情報から任意の配信先装置を選択してもよいし、配信先情報に記憶されている順番に配信先装置を選択してもよい。具体的には、配信先選択部32は、予め配信先装置の性能に関する情報(例えば、配信先装置の情報処理能力、通信能力等)を、配信元情報提供装置11または配信先装置13から取得する。そして、配信先選択部32は、性能の高い順番に配信先装置13の情報を並び替えて、配信先情報として配信先記憶部31に記憶する。すると、配信先選択部32は、配信先情報に記憶されている順番に配信先装置を選択することで、適切な配信先装置を選択することができる。
【0050】
上述した図6のステップA0では、配信数が1になるので、配信先選択部32は、配信先情報の配信状態が「未」となっている配信先装置を1つ選択する。例えば、配信先選択部32は、配信先装置13−1を選択する。ステップS53の処理の後、配信先選択部32の配信先選択処理は終了し、処理は図のステップS13に進む。
【0051】
そして、ステップS13において、配信制御装置12の通信部33は、図5のステップS53の処理で配信先選択部32により選択された配信先装置13に情報取得指示を送信する。図6のステップA0の例では、配信先選択部32により選択された配信先装置13−1に対して配信情報取得指示を送信する。
【0052】
そして、ステップS21において、配信先装置13の通信部41は、ステップS13の処理で送信された配信情報取得指示を受信する。続いて、ステップS22において、通信部41は、配信元情報提供装置11に配信元情報取得要求を送信する。
【0053】
配信先装置13から配信元情報取得要求が送信されると、ステップS3において、配信元情報提供装置11の情報通信部25は、ステップS22の処理で送信された配信元情報取得要求を受信する。続いて、ステップS4において、情報通信部25は、配信元記憶部22に記憶された配信元情報を取得する。そして、ステップS5において、情報通信部25は、ステップS4の処理で取得した配信元情報を配信先装置13に送信する。
【0054】
配信先装置13から配信元情報が送信されると、ステップS23において、配信先装置13の通信部41は、ステップS5の処理で送信された配信元情報を受信する。続いて図4のステップS24において、CPU42は、配信元情報の中から所定の配信元装置(例えば情報配信装置14)を選択し、選択された配信元装置と接続するための情報を取得する。続いて、ステップS25において、情報通信部25は、ステップS24の処理で選択された配信元装置に配信情報取得要求を送信する。
【0055】
配信情報取得要求が送信されると、ステップS31において、情報配信装置14の通信部53は、ステップS25の処理で配信先装置13から送信された配信情報取得要求を受信する。続いて、ステップS32において、配信制御部52は、配信情報記憶部51から配信情報を取得する。そして、ステップS33において、通信部53は、ステップS32の処理で取得された配信情報を情報配信装置14に送信する。
【0056】
配信元情報提供装置11から配信情報が送信されると、ステップS26において、配信先装置13の通信部41は、ステップS33の処理で情報配信装置14から送信された配信情報を受信する。そして、ステップS27において、CPU42は、ステップS26の処理で受信された配信情報を配信情報記憶部51に記憶する。そして、ステップS27において、CPU42は、通信部41およびネットワーク15を介して、取得完了通知を配信元情報提供装置11に送信する。
【0057】
ステップS6において、配信元情報提供装置11の情報通信部25は、ステップS28の処理で配信先装置13から送信された取得完了通知を受信する。続いて、ステップS7において、情報通信部25は、ステップS6の処理で取得完了通知を送信した配信先装置13−1を配信元記憶部22に新たに記憶する。また、情報通信部25からの指示により、配信先選択部32は、図6に示される配信先記憶部31に記憶された配信先装置13−1の配信状態を「未」から「済」に変化させる。なお、配信先装置13−1の配信状態を「未」から「済」に変化させる代わりに、配信先装置13−1の配信状態を、配信先記憶部31から削除することもできる。配信先記憶部31から配信先装置13の配信状態を削除することで、配信先記憶部31の記憶領域を小さくすることができる。そして、図3のステップS13の処理で配信情報取得指示を送信した全ての配信先装置13についてステップS7の処理が実行された後、処理はステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0058】
例えば、ステップA0の次の状態であるステップA1では、情報配信装置14と配信先装置13−1の情報が配信元情報(すなわち、図6の配信状態が「済」)として配信元記憶部22に記憶されている。すなわち、配信元装置の数は、2(f(2)=2)になる。従って、ステップA1の状態で式(1)を適用すると、配信数S=min(2,6)=2。すなわち、配信数は2になる(図5のステップS51)。この時、配信先選択部32は、配信先記憶部31に記憶された、配信先装置13の配信状態が「未」となっている配信先装置13を2つ選択する(図5のステップS52,S53)。例えば配信先選択部32は、配信先装置13−2,13−3を選択する。
【0059】
そして、通信部33は、選択した配信先装置13−2,13−3に対して配信情報取得指示を送信する(ステップS13)。配信情報取得指示を受信した配信先装置13−2,13−3は、配信元情報提供装置11に対して配信元情報取得要求を送信する(ステップS21,S22)。配信元情報取得要求を受信した配信元情報提供装置11は、配信元記憶部22から配信元情報を取得し、取得した配信元情報を、配信先装置13−2,13−3のそれぞれに送信する(ステップS3,S4,S5)。
【0060】
配信元情報を受信した配信先装置13−2,13−3のそれぞれは、配信元情報から所定の配信元装置と接続するための情報を選択し(ステップS24)、選択した配信元装置に対して配信情報取得要求を送信する(ステップS25)。配信情報取得要求を受信した配信元装置(情報配信装置14又は配信情報を取得した配信先装置13−1)は、配信情報記憶部51に記憶された配信情報を取得し(ステップS31,S32)、その配信情報を、配信情報取得要求を送信した配信先装置13−2,13−3のいずれかに送信する(ステップS33)。配信先装置13−2,13−3のそれぞれは、配信情報を受信すると(ステップS26)、その配信情報を記憶部43に記憶するとともに(ステップS27)、取得完了通知を配信元情報提供装置11に送信する(ステップS28)。取得完了通知を受信した配信元情報提供装置11は、取得完了通知を送信した配信先装置13−2,13−3を配信元記憶部22に記憶する(ステップS6,S7)。配信先装置13−2,13−3の両方が配信元記憶部22に記憶されると、処理はステップS1に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0061】
すなわち、ステップA1の次の状態であるステップA2では、情報配信装置14と配信先装置13−1乃至13−3が配信元情報として配信元記憶部22に記憶されている。すなわち、配信元装置の数は、4(f(4)=4)になる。従って、ステップA2の状態で式(1)を適用すると、配信数S=min(4,6)=4。すなわち、配信数は4になる。この時、配信先選択部32は、配信先記憶部31に記憶された、配信先装置13の配信状態が「未」となっている配信先装置13を4つ選択する。例えば配信先選択部32は、配信先装置13−4乃至13−7を選択する。
【0062】
そして、通信部33は、選択した配信先装置13−4乃至13−7のそれぞれに対して配信情報取得指示を送信する(ステップS13)。配信情報取得指示を受信した配信先装置13−4乃至13−7のそれぞれは、配信元情報提供装置11に対して配信元情報取得要求を送信する(ステップS21,S22)。配信元情報取得要求を受信した配信元情報提供装置11は、配信元記憶部22から配信元情報を取得し、取得した配信元情報を、配信先装置13−4乃至13−7のそれぞれに送信する(ステップS3,S4,S5)。
【0063】
配信元情報を受信した配信先装置13−4乃至13−7は、配信元情報から所定の配信元装置と接続するための情報を選択し(ステップS24)、選択した配信元装置に対して配信情報取得要求を送信する(ステップS25)。配信情報取得要求を受信した配信元装置(情報配信装置14、又は配信情報を取得した配信先装置13−1乃至13−3のいずれか)は、配信情報記憶部51に記憶された配信情報を取得し(ステップS31,S32)、その配信情報を、配信情報取得要求を送信した配信先装置13−4乃至13−7のいずれかに送信する(ステップS33)。配信先装置13−4乃至13−7のそれぞれは、配信情報を受信すると(ステップS26)、その配信情報を記憶部43に記憶するとともに(ステップS27)、取得完了通知を配信元情報提供装置11に送信する(ステップS28)。取得完了通知を受信した配信元情報提供装置11は、取得完了通知を送信した配信先装置13−4乃至13−7を配信元記憶部22に記憶する(ステップS6,S7)。配信先装置13−4乃至13−7の全てが配信元記憶部22に記憶されると、処理はステップS1に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0064】
すなわち、ステップA2の次の状態であるステップA3では、情報配信装置14と配信先装置13−1乃至13−7が配信元情報として配信元記憶部22に記憶されている。すなわち、配信元装置の数は、8(f(8)=8)になる。従って、ステップA3の状態で式(1)を適用すると、配信数は6(=min(8,6))になる。この時、配信先選択部32は、配信先記憶部31に記憶された、配信先装置13の配信状態が「未」となっている配信先装置13を6つ選択する。例えば配信先選択部32は、配信先装置13−8乃至13−13を選択する。そして、上述したステップS13以降の処理と同様の処理が実行されることで、配信元情報提供装置11の配信元記憶部22は、配信先装置13−8乃至13−13と接続するための情報を配信元情報として新たに記憶する。
【0065】
同様に、ステップA3の次の状態であるステップA4では、情報配信装置14と配信先装置13−1乃至13−13が配信元情報として配信元記憶部22に記憶されている。すなわち、配信元装置の数は、14(f(14)=14)になる。従って、ステップA4で式(1)を適用すると、配信数は、6(=min(14,6))になる。図6に示されるように、残りの「未」状態の配信先装置13の数は5つであるので、配信先選択部32は、配信先記憶部31に記憶された、配信先装置13の配信状態が「未」となっている配信先装置13を5つ選択する。つまり、配信先選択部32は、配信先装置13−14乃至13−18を選択する。そして、上述したステップS13以降の処理と同様の処理が実行されることで、配信元情報提供装置11の配信元記憶部22は、配信先装置13−14乃至13−18と接続するための情報を配信元情報として新たに記憶する。
【0066】
このように、配信情報の配信能力に応じて、配信情報を取得させる配信先装置13の数を算出し、配信情報を取得させる配信先装置13の数を段階的に増やしていくので、配信元情報提供装置11や配信元装置に対するアクセスの集中を防ぐとともに、より迅速に全ての配信先装置13に配信情報を配信することができる。
【0067】
なお、上述した例では、図3のステップS13の処理で配信情報取得指示を送信した全ての配信先装置13についてステップS7の処理が実行された後、処理はステップS1に戻り、それ以降の処理を繰り返す例について説明した。
【0068】
ここで、配信情報の取得を完了するタイミングは、ネットワークの通信状況や配信先装置13の通信状況によりばらつきが発生することがある。このような状況に対応するため、全ての配信先装置13が配信情報を取得する前であって、少なくとも1つの配信先装置13が配信情報を取得したときに、配信制御装置12が、配信情報を取得させる次の配信先装置13を選択する処理について、図7と図8を参照して説明する。
【0069】
図7は、配信先選択処理2の動作を示すフローチャートである。図8は、図7に開示した配信先選択処理2の動作を示す説明図である。なお、図3のステップS12の配信先選択処理が配信先選択処理2である点と、少なくとも1つの配信先装置13について図4のステップS7の処理が実行された後、図3のステップS1以降の処理を繰り返す点が異なり、それ以外の処理は上述した図3と図4を参照して説明した処理と同様である。従って、同様の処理の説明は簡単に説明し、ステップS12の配信先選択処理(すなわち、図7の配信先選択処理2)の詳細について説明する。
【0070】
図7の配信先選択処理2では、スライディングウィンドウを利用する。スライディングウィンドウとは、通信の高速化を図るためのフロー制御の1つである。スライディングウィンドウは、ウィンドウと呼ばれる概念を設け、そのウィンドウに空きがある限り、受信側からの応答を待たずに送信側が送信を行なうものである。具体的には、配信制御装置12が配信情報取得指示を送信できる配信先装置13の数をウィンドウとして管理する。ウィンドウの大きさ(すなわち配信数)を表すウィンドウサイズWは、以下の式(5)を利用して算出される。
【0071】
ウィンドウサイズW = min(h,y) (5)
【0072】
輻輳ウィンドウサイズhは、初期値が1であり、配信元情報提供装置11が配信先装置13を配信元記憶部22に記憶するたびに(すなわち、図4のステップS7の処理が実行されるたびに)1増加する値である。また、最大同時接続数yは、配信元情報提供装置11が同時に接続可能な配信先装置13の数を表す。なお、図7と図8の例では最大同時接続数を10とする。
【0073】
スライディングウィンドウを利用した方式では、配信制御装置12が、配信先装置13を4つの状態(例えば、状態A乃至状態D)に分類し、管理している。状態Aは、配信情報の取得を完了した状態である。状態Bは、配信情報の取得を開始し、まだ配信情報の取得を完了していない状態である。状態Cは、配信情報取得指示を受信可能で、まだ配信情報取得指示を受信していない状態である。状態Dは、状態Bの配信先装置13の配信情報の取得が完了するまで配信情報取得指示を受信できない状態である。なお、上述したウィンドウサイズWは、状態Bと状態Cの配信先装置13の合計数(すなわち、ウィンドウサイズW=状態Bの配信先装置13の数+状態Cの配信先装置13の数)になる。
【0074】
まず、図3のステップS1において、配信元情報提供装置11の配信能力情報取得部24は配信能力情報を取得する。この例では、配信能力情報として、少なくとも送信能力観測部21により観測された送信能力情報を取得する。続いて、ステップS2において、情報通信部25は、ステップS1において取得された配信能力情報を、ネットワーク15を介して配信制御装置12に送信する。
【0075】
ステップS11において、配信制御装置12の通信部33は、ステップS2の処理で配信元情報提供装置11から送信された配信能力情報を受信する。続いて、ステップS12において、配信先選択部32は、配信先選択処理として配信先選択処理2を実行する。図7を参照して、配信先選択処理2の詳細について説明する。
【0076】
図7のステップS61において、配信制御装置12の配信先選択部32は、輻輳ウィンドウサイズhの数値を増加する。輻輳ウィンドウサイズhの数値を増加する量は、新たに配信情報を取得した配信先装置13の数である。従って、初期状態では新たに配信情報を取得した配信先装置13は存在しないので、ステップS61の処理はスキップされ、輻輳ウィンドウサイズhは初期値の1のままになる。続いて、ステップS62において、配信先選択部32は、ウィンドウサイズWを算出する。例えば、ステップB0の状態で式(5)を適用すると、ウィンドウサイズW=min(1,10)=1。すなわち、ウィンドウサイズは1になる。
【0077】
ウィンドウサイズWが算出されると、ステップS63において、配信制御装置12の配信先選択部32は、配信先記憶部31から配信先情報を取得する。そして、ステップS64において、配信先選択部32は、配信先情報に含まれる複数の配信先装置から、ステップS62の処理で算出されたウィンドウサイズWの数だけ配信先装置を選択する。例えば、図8のステップB0では、破線で示されるウィンドウのウィンドウサイズWが1となるので、1つの配信先装置13−1の状態が状態Cとなり、配信先選択部32は配信先装置13−1を選択する。ステップS64の処理の後、配信先選択部32の配信先選択処理は終了し、処理は図3のステップS13に進む。
【0078】
そして、通信部33は、選択した配信先装置13−1に対して配信情報取得指示を送信する(ステップS13)。配信情報取得指示を受信した配信先装置13−1は、配信元情報提供装置11に対して配信元情報取得要求を送信する(ステップS21,S22)。配信元情報取得要求を受信した配信元情報提供装置11は、配信元記憶部22から配信元情報を取得し、取得した配信元情報を、配信先装置13−1のそれぞれに送信する(ステップS3,S4,S5)。
【0079】
配信元情報を受信した配信先装置13−1は、配信元情報から所定の配信元装置と接続するための情報を選択し(ステップS24)、選択した配信元装置に対して配信情報取得要求を送信する(ステップS25)。配信情報取得要求を受信した配信元装置(情報配信装置14)は、配信情報記憶部51に記憶された配信情報を取得し(ステップS31,S32)、その配信情報を、配信情報取得要求を送信した配信先装置13−1に送信する(ステップS33)。配信先装置13−1は、配信情報を受信すると(ステップS26)、その配信情報を記憶部43に記憶するとともに(ステップS27)、取得完了通知を配信元情報提供装置11に送信する(ステップS28)。取得完了通知を受信した配信元情報提供装置11は、取得完了通知を送信した配信先装置13−1を配信元記憶部22に記憶する(ステップS6,S7)。配信元情報提供装置11が配信先装置13−1を配信元記憶部22に記憶すると、処理はステップS1に戻る。
【0080】
すなわち、ステップB0の次の状態であるステップB1では、配信先装置13−1が配信情報を取得した状態(状態A)になる。このステップB1の状態で再度、図7の配信先選択処理2が実行されると、輻輳ウィンドウサイズhの数値が1増加し、2になる(図7のステップS61)。従って、ステップB1の状態で式(5)を適用すると、ウィンドウサイズWは、2(=min(2,10))になる(図7のステップS62)。この時、新たに2つの配信先装置13の状態が状態Dから状態Cになり、配信先選択部32は状態Cの配信先装置13を2つ選択する。例えば配信先選択部32は、配信先装置13−2,13−3を選択する(図7のステップS63,S64)。
【0081】
そして、通信部33は、選択した配信先装置13−2,13−3に対して配信情報取得指示を送信する(ステップS13)。配信情報取得指示を受信した配信先装置13−2,13−3は、配信元情報提供装置11に対して配信元情報取得要求を送信する(ステップS21,S22)。配信元情報取得要求を受信した配信元情報提供装置11は、配信元記憶部22から配信元情報を取得し、取得した配信元情報を、配信先装置13−2,13−3のそれぞれに送信する(ステップS3,S4,S5)。
【0082】
配信元情報を受信した配信先装置13−2,13−3のそれぞれは、配信元情報から所定の配信元装置と接続するための情報を選択し(ステップS24)、選択した配信元装置に対して配信情報取得要求を送信する(ステップS25)。配信情報取得要求を受信した配信元装置(情報配信装置14又は配信情報を取得した配信先装置13−1)は、配信情報記憶部51に記憶された配信情報を取得し(ステップS31,S32)、その配信情報を、配信情報取得要求を送信した配信先装置13−2,13−3のいずれかに送信する(ステップS33)。配信先装置13−2,13−3のそれぞれは、配信情報を受信すると(ステップS26)、その配信情報を記憶部43に記憶するとともに(ステップS27)、取得完了通知を配信元情報提供装置11に送信する(ステップS28)。取得完了通知を受信した配信元情報提供装置11は、取得完了通知を送信した配信先装置13−2,13−3を配信元記憶部22に記憶する(ステップS6,S7)。例えば、配信元情報提供装置11が配信先装置13−2を配信元記憶部22に記憶すると、処理はステップS1に戻る。
【0083】
すなわち、ステップB1の次の状態であるステップB2は、配信先装置13−1,13−2が配信情報を取得した状態(状態A)であり、配信先装置13−3が配信情報を取得中の状態(状態B)である。このステップB2の状態で再度、図7の配信先選択処理2が実行されると、輻輳ウィンドウサイズhの数値が1増加し、3になる。従って、ステップB2の状態で式(5)を適用すると、ウィンドウサイズWは、3(=min(3,10))になる。この時、1つの状態Bの配信先装置13(すなわち、配信先装置13−3)が存在するので、ウィンドウサイズW(=3)と、状態Bの配信先装置13の数(=1)との差に対応する数は2になる。従って、新たに2つの配信先装置13の状態が状態Dから状態Cになり、配信先選択部32は状態Cの配信先装置13を選択する。例えば配信先選択部32は、配信先装置13−4,13−5を選択する。そして、上述した図3のステップS13以降の処理と同様の処理が実行される。例えば、配信元情報提供装置11が配信先装置13−3を配信元記憶部22に記憶すると、処理はステップS1に戻る。
【0084】
すなわち、ステップB2の次の状態であるステップB3では、配信先装置13−1乃至13−3が配信情報を取得した状態(状態A)であり、配信先装置13−4,13−5が配信情報を取得中の状態(状態B)である。このステップB3の状態で再度、図7の配信先選択処理2が実行されると、輻輳ウィンドウサイズhの数値が1増加し、4になる。従って、ステップB3の状態で式(5)を適用すると、ウィンドウサイズWは、4(=min(4,10))になる。この時、2つの状態Bの配信先装置13(すなわち、配信先装置13−4,13−5)が存在するので、新たに2つの配信先装置13の状態が状態Dから状態Cになり、配信先選択部32は状態Cの配信先装置13を選択する。例えば配信先選択部32は、配信先装置13−6,13−7を選択する。そして、上述した図3のステップS13以降の処理と同様の処理が実行される。例えば、配信元情報提供装置11が配信先装置13−4を配信元記憶部22に記憶すると、処理はステップS1に戻る。
【0085】
すなわち、ステップB3の次の状態であるステップB4は、配信先装置13−1乃至13−4が配信情報を取得した状態(状態A)であり、配信先装置13−5乃至13−7が配信情報を取得中の状態(状態B)である。このステップB4の状態で再度、図7の配信先選択処理2が実行されると、輻輳ウィンドウサイズhの数値が1増加し、5になる。従って、ステップB4の状態で式(5)を適用すると、ウィンドウサイズWは、5(=min(5,10))になる。この時、3つの状態Bの配信先装置13(すなわち、配信先装置13−5乃至13−7)が存在するので、新たに2つの配信先装置13の状態が状態Dから状態Cとなり、配信先選択部32は状態Cの配信先装置13を選択する。例えば配信先選択部32は、配信先装置13−8,13−9を選択する。そして、上述した図3のステップS13以降の処理と同様の処理が実行される。例えば、配信元情報提供装置11が2台の配信先装置13−5,13−6を同じタイミングで配信元記憶部22に記憶すると、処理はステップS1に戻る。
【0086】
すなわち、ステップB4の次の状態であるステップB5は、配信先装置13−1乃至13−6が配信情報を取得した状態(状態A)であり、配信先装置13−7乃至13−9が配信情報を取得中の状態(状態B)である。このステップB5の状態で再度、図7の配信先選択処理2が実行されると、2台の配信先装置13−5,13−6が新たに記憶されたので、輻輳ウィンドウサイズhの数値が2増加し、7になる。従って、ステップB5の状態で式(5)を適用すると、ウィンドウサイズWは、7(=min(7,10))になる。この時、3つの状態Bの配信先装置13(すなわち、配信先装置13−7乃至13−9)が存在するので、新たに4つの配信先装置13の状態が状態Dから状態Cとなり、配信先選択部32は状態Cの配信先装置13を選択する。例えば配信先選択部32は、配信先装置13−10乃至13−13を選択する。そして、上述した図3のステップS13以降の処理と同様の処理が実行される。例えば、配信元情報提供装置11が3台の配信先装置13−7乃至13−9を同じタイミングで配信元記憶部22に記憶すると、処理はステップS1に戻る。
【0087】
図8のステップB6は、配信先装置13−1乃至13−9が配信情報を取得した状態(状態A)であり、配信先装置13−10乃至13−13が配信情報を取得中の状態(状態B)である。このステップB6の状態で再度、図7の配信先選択処理2が実行されると、3台の配信先装置13−7乃至13−9が新たに記憶されたので、輻輳ウィンドウサイズhの数値が3増加し、10になる。従って、ステップB5の状態で式(5)を適用すると、ウィンドウサイズWは、10(=min(10,10))になる。この時、4つの状態Bの配信先装置13(すなわち、配信先装置13−10乃至13−13)が存在するので、新たに6つの配信先装置13の状態が状態Dから状態Cとなり、配信先選択部32は状態Cの配信先装置13を選択する。図8に示されるように、状態Cの配信先装置13の数は5つであるので、配信先選択部32は、配信先装置13−14乃至13−18を選択する。そして、上述した図3のステップS13以降の処理と同様の処理が実行される。
【0088】
このように、配信先装置13が配信情報を取得するたびに、新たな配信先装置13に配信情報を取得させるので、配信元情報提供装置11と、配信元装置のそれぞれにアクセスを集中させることなく、迅速に全ての配信先装置13に配信情報を配信することができる。
【0089】
なお、輻輳ウィンドウサイズhの初期値と増加量は上述の例に限られない。例えば、1台の配信先装置13が新たに記憶されるたびに2ずつ増加するようにすることもできる。また、配信先装置13が配信情報を取得するたびにウィンドウサイズを(1/ウィンドウサイズ)で増加させることもできる。さらに、配信元情報提供装置11や配信元装置のアクセス数等の負荷が所定値を超えた場合、又はネットワークの負荷が増加して通信速度等が所定値以下に低下した場合に、ウィンドウサイズを半分したりするなど、様々な制御方法を適用することができる。
【0090】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などにより構成される全体的な装置を意味するものとする。さらに、本実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。さらにまた、本実施形態は、一部の機能を他の装置が有していてもよい。
【0091】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における情報処理装置等の構成の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0092】
(付記1)
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得する配信能力情報取得手段と、
前記配信能力情報取得手段により取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択する配信先選択手段と、
前記配信先選択手段により選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信する配信情報取得指示送信手段と、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する通信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0093】
上記情報処理装置(配信元情報提供装置11および配信制御装置12)によると、
配信能力情報取得手段(配信能力情報取得部24)は、配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得する。
配信先選択手段(配信先選択部32)は、配信能力情報取得手段により取得された配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択する。
情報取得指示送信手段(通信部33)は、配信先選択手段により選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信する。
通信手段(情報通信部25)は、配信情報取得指示の受信に応じて配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する。
従って、上記情報処理装置は、配信情報を取得する配信先装置を選択し、選択した配信先装置にだけ配信情報を配信するので、複数の配信先装置からのアクセスを分散し、迅速に配信情報を配信することができる。また、配信元装置と接続するための配信元情報を配信先装置に送信するので、配信先装置が適切な配信元装置を選択し、配信情報を取得することができる。
【0094】
(付記2)
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記配信能力情報取得手段は、情報処理装置の前記配信元情報を送信する能力を表す送信能力情報と、前記配信元情報に含まれる配信元装置の数と、のうちの少なくとも一方を前記配信能力情報として取得し、
前記配信先選択手段は、前記配信能力情報に基づいて、前記配信情報取得指示を送信する配信先装置の数を表す配信数を算出し、当該配信数の配信先装置を選択する、
情報処理装置。
【0095】
上記情報処理装置によると、
配信能力情報取得手段は、情報処理装置の配信元情報を送信する能力を表す送信能力情報と、配信元情報に含まれる配信元装置の数と、のうちの少なくとも一方を配信能力情報として取得する。
そして、配信先選択手段は、配信能力情報に基づいて、配信情報取得指示を送信する配信先装置の数を表す配信数を算出し、当該配信数の配信先装置を選択する。
従って、上記情報処理装置は、配信能力に応じて配信情報を取得させる配信先装置の数を算出し、算出された数の配信先装置に配信情報を取得させるので、複数の配信先装置からのアクセス数を低減し、迅速に配信情報を配信することができる。
【0096】
(付記3)
付記2に記載の情報処理装置であって、
前記送信能力情報は、情報処理装置の情報処理能力、メモリ使用率、および配信先装置との最大同時接続数のうち少なくとも1つである、
情報処理装置。
【0097】
上記情報処理装置によると、
送信能力情報は、情報処理装置の情報処理能力、メモリ使用率、および配信先装置との最大同時接続数のうち少なくとも1つである。
従って、上記情報処理装置は、情報処理装置の送信能力、情報処理能力を超えないように配信数を算出するので、処理の遅延を防止し、迅速に配信情報を配信先装置に配信することができる。
【0098】
(付記4)
付記3に記載の情報処理装置であって、
前記配信能力情報取得手段は、前記送信能力情報としての前記最大同時接続数と、予め記憶された配信元情報に含まれる配信元装置の数と、を前記配信能力情報として取得し、
前記配信先選択手段は、前記配信能力情報取得手段により取得された前記最大同時接続数と、前記配信元装置数のうち小さい方を配信数として算出する、
情報処理装置。
【0099】
上記情報処理装置によると、
配信能力情報取得手段は、送信能力情報としての最大同時接続数と、予め記憶された配信元情報に含まれる配信元装置の数と、を配信能力情報として取得する。
配信先選択手段は、配信能力情報取得手段により取得された最大同時接続数と、配信元装置数のうち小さい方を配信数として算出する。
従って、上記情報処理装置は、情報処理装置の処理能力を超えないように配信数を算出するので、処理の遅延を防止し、迅速に配信情報を配信先装置に配信することができる。
【0100】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記配信元情報を記憶する配信元記憶手段をさらに備え、
前記通信手段は、配信先装置から配信情報の取得を完了したことを表す取得完了通知を受信するとともに、前記取得完了通知を送信した前記配信先装置と接続するための情報を、前記配信元情報として前記配信元記憶手段に新たに記憶する、
情報処理装置。
【0101】
上記情報処理装置によると、
配信元記憶手段(配信元記憶部22)は、配信元情報を記憶する。
そして、通信手段は、配信先装置から配信情報の取得を完了したことを表す取得完了通知を受信するとともに、取得完了通知を送信した配信先装置と接続するための情報を、配信元情報として配信元記憶手段に新たに記憶する。
従って、上記情報処理装置は、最新の配信元装置の情報を常に保持するので、より多くの配信先装置に迅速に配信情報を配信させることができる。
【0102】
(付記6)
付記6に記載の情報処理装置であって、
前記通信手段は、配信先装置から、配信情報の取得を開始した取得中通知をさらに受信し、
前記配信能力情報取得手段は、前記配信元記憶手段に前記配信元情報が新たに記憶されたとき、前記配信元記憶手段に記憶された配信元情報に含まれる配信元装置の数と、前記取得中通知を送信した前記配信先装置の数と、を前記配信能力情報として取得し、
前記配信先選択手段は、前記配信元装置の数に基づいて配信先装置の配信数を算出するとともに、算出した当該配信数と、前記取得中通知を送信した前記配信先装置の数との差に対応する数の配信先装置を選択する、
情報処理装置。
【0103】
上記情報処理装置によると、
通信手段は、配信先装置から、配信情報の取得を開始した取得中通知をさらに受信する。
配信能力情報取得手段は、配信元記憶手段に配信元情報が新たに記憶されたとき、配信元記憶手段に記憶された配信元情報に含まれる配信元装置の数と、取得中通知を送信した配信先装置の数と、を配信能力情報として取得する。
配信先選択手段は、配信元装置の数に基づいて配信先装置の配信数を算出するとともに、算出した当該配信数と、取得中通知を送信した配信先装置の数との差に対応する数の配信先装置を選択する。
従って、上記情報処理装置は、配信先装置により配信情報が取得されるたびに、新たな配信先装置を選択し、配信情報を取得させるので、より迅速に全ての配信先装置に配信情報を配信することができる。
【0104】
(付記7)
情報処理装置に、
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得する配信能力情報取得手段と、
前記配信能力情報取得手段により取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択
する配信先選択手段と、
前記配信先選択手段により選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信する配信情報取得指示送信手段と、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する通信手段と、
を実現させるためのプログラム。
【0105】
(付記8)
付記7に記載のプログラムであって、
前記配信能力情報取得手段は、情報処理装置の前記配信元情報を送信する能力を表す送信能力情報と、前記配信元情報に含まれる配信元装置の数と、のうちの少なくとも一方を前記配信能力情報として取得し、
前記配信先選択手段は、前記配信能力情報に基づいて、前記配信情報取得指示を送信する配信先装置の数を表す配信数を算出し、当該配信数の配信先装置を選択する、
プログラム。
【0106】
(付記9)
情報処理装置にて、
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得し、
取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択し、
選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信し、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する、
情報処理方法。
【0107】
(付記10)
付記9に記載の情報処理方法であって、
情報処理装置の前記配信元情報を送信する能力を表す送信能力情報と、前記配信元情報に含まれる配信元装置の数と、のうちの少なくとも一方を配信能力情報として取得し、
前記配信能力情報に基づいて、前記配信情報取得指示を送信する配信先装置の数を表す配信数を算出し、当該配信数の配信先装置を選択する、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0108】
11 配信元情報提供装置
12 配信制御装置
13 配信先装置
14 情報配信装置
22 配信元記憶部
25 情報通信部
32 配信先選択部
33 通信部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得する配信能力情報取得手段と、
前記配信能力情報取得手段により取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択する配信先選択手段と、
前記配信先選択手段により選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信する配信情報取得指示送信手段と、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する通信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記配信能力情報取得手段は、情報処理装置の前記配信元情報を送信する能力を表す送信能力情報と、前記配信元情報に含まれる配信元装置の数と、のうちの少なくとも一方を前記配信能力情報として取得し、
前記配信先選択手段は、前記配信能力情報に基づいて、前記配信情報取得指示を送信する配信先装置の数を表す配信数を算出し、当該配信数の配信先装置を選択する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記送信能力情報は、情報処理装置の情報処理能力、メモリ使用率、および配信先装置との最大同時接続数のうち少なくとも1つである、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記配信能力情報取得手段は、前記送信能力情報としての前記最大同時接続数と、予め記憶された配信元情報に含まれる配信元装置の数と、を前記配信能力情報として取得し、
前記配信先選択手段は、前記配信能力情報取得手段により取得された前記最大同時接続数と、前記配信元装置の数のうち小さい方を配信数として算出する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記配信元情報を記憶する配信元記憶手段をさらに備え、
前記通信手段は、配信先装置から配信情報の取得を完了したことを表す取得完了通知を受信するとともに、前記取得完了通知を送信した前記配信先装置と接続するための情報を、前記配信元情報として前記配信元記憶手段に新たに記憶する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記通信手段は、配信先装置から、配信情報の取得を開始した取得中通知をさらに受信し、
前記配信能力情報取得手段は、前記配信元記憶手段に前記配信元情報が新たに記憶されたとき、前記配信元記憶手段に記憶された配信元情報に含まれる配信元装置の数と、前記取得中通知を送信した前記配信先装置の数と、を前記配信能力情報として取得し、
前記配信先選択手段は、前記配信元装置の数に基づいて配信先装置の配信数を算出するとともに、算出した当該配信数と、前記取得中通知を送信した前記配信先装置の数との差に対応する数の配信先装置を選択する、
情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置に、
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得する配信能力情報取得手段と、
前記配信能力情報取得手段により取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択する配信先選択手段と、
前記配信先選択手段により選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信する配信情報取得指示送信手段と、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する通信手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって、
前記配信能力情報取得手段は、情報処理装置の前記配信元情報を送信する能力を表す送信能力情報と、前記配信元情報に含まれる配信元装置の数と、のうちの少なくとも一方を前記配信能力情報として取得し、
前記配信先選択手段は、前記配信能力情報に基づいて、前記配信情報取得指示を送信する配信先装置の数を表す配信数を算出し、当該配信数の配信先装置を選択する、
プログラム。
【請求項9】
情報処理装置にて、
配信先装置に対する配信情報を配信する能力を表す配信能力情報を取得し、
取得された前記配信能力情報に基づいて、所定数の配信先装置を選択し、
選択された所定数の配信先装置に配信情報取得指示を送信し、
前記配信情報取得指示の受信に応じて前記配信先装置から送信された配信元情報取得要求を受信するとともに、当該配信先装置に、予め記憶された配信情報を配信する配信元装置と接続するための情報を表す配信元情報を送信する、
情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
情報処理装置の前記配信元情報を送信する能力を表す送信能力情報と、前記配信元情報に含まれる配信元装置の数と、のうちの少なくとも一方を配信能力情報として取得し、
前記配信能力情報に基づいて、前記配信情報取得指示を送信する配信先装置の数を表す配信数を算出し、当該配信数の配信先装置を選択する、
情報処理方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−114609(P2013−114609A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262737(P2011−262737)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】