説明

情報出力装置および情報出力方法

【課題】
“Copy One Generation”のようにコピーが制限される場合に、無数の記録媒
体に無制限にコピーが行われるのを防止し、著作権者の利益を保護する方法と装置を提供する。
【解決手段】
複数の出力回路(315A,315B,72A〜72D)に接続されている外部機器に対しディジタル情報を出力する際、制御回路(311,73)が外部機器との認証を行う数を制限することにより、コピーが制限されたディジタル情報を出力する外部機器の総数を所定数以内となるように制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像、音声などのディジタル情報を出力する情報出力装置および情報出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像、音声などの情報をディジタル情報として扱うと、情報の伝送過程や記録再生過程での品質劣化がない、もしくはごく少ない長所がある。しかし、情報の良質なコピーが、著作権者の預かり知らぬところで多数作成されて出回り、またコピーが繰返された場合、その著作権者に利益が還元されない問題がある。
【0003】
特許文献1には、情報に2ビットのコピー制御情報を付す方法が開示されている。これは著作権者や情報作成者の意志により、「コピー禁止」(Copy Never)、「コピー認可」(Copy Free)、「一世代のみコピー認可」(Copy One Generation)の3つのうちいずれかを選択することで、記録装置の動作を制御するものである。記録装置は、「コピー禁止」ならば記録動作をせず、「コピー認可」なら記録動作を行う。「一世代のみコピー認可」ならば、この制御情報を「これ以上のコピーを認めない」(No More Copies)という情報に書換えた上で、記録動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5896454号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術に開示される事項は、与えられた情報を記録装置に供給した場合の、記録装置側の動作を規定するものである。しかし、「一世代のみコピー認可」(Copy One Generation)とされた情報の扱いには、次のような問題がある。
【0006】
「一回のみコピー認可」(Copy Once)ではなく、「一世代のみコピー認可」(Copy One Generation)とする理由は、接続されている記録装置の数、あるいはコピーの数を制限する有効な方法がなかったためである。従って、記録装置の数さえ揃えれば無数の記録媒体に記録することも可能となり、実質的には「コピー認可」(Copy Free)と変わらなくなり、著作権者の利益が損なわれてしまう。この問題に関しては、上記した文献では言及されていない。
【0007】
本発明の目的は、上記した問題に鑑み、「一世代のみコピー認可」(Copy One Generation)のようにコピーが制限される場合に、無数の記録媒体に無制限にコピーが行われるのを防止し、著作権者の利益を保護する方法と装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、ディジタル情報を外部機器に出力する情報出力装置において、前記ディジタル情報を出力する複数の出力回路と、前記複数の出力回路を制御する制御回路を備え、前記制御回路は、外部機器との認証を行う数を制限することにより複数の出力回路に接続されている外部機器の内の前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数を所定数以内に制限することにより達成できる。また、複数の出力回路を実装可能なディジタル情報の出力装置において、前記複数の出力回路を制御する制御回路を備え、前記制御回路は、外部機器との認証を行う数を制限することにより複数の出力回路に接続されている外部機器の内の前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数を所定数以内に制限することにより達成できる。さらには、ディジタル情報を複数の出力回路から外部機器に出力する情報出力方法において、複数の出力回路に接続されている外部機器の内の認証を行った外部機器の総数を検知し、前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数を所定数以内に制限することにより達成できる。
【発明の効果】
【0009】
以上述べたように本発明によれば、著作権者の利益を保護する装置及び方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の情報出力装置を適用するシステム全体の第1の実施形態を示すブロック図。
【図2】図1における情報提供局1の構成例を示すブロック図。
【図3】図1における受信装置3(情報出力装置)の構成例を示すブロック図。
【図4】第1の実施形態における機器の接続のフローチャートを示す図。
【図5】本発明の情報出力装置の第2の実施形態を示すブロック図。
【図6】本発明の情報出力装置の第3の実施形態を示すブロック図。
【図7】第3の実施形態における機器の接続のフローチャートを示す図。
【図8】本発明の情報出力装置の第4の実施形態を示すブロック図。
【図9】本発明の情報出力装置の第5の実施形態を示すブロック図。
【図10】本発明の情報出力装置の第6の実施形態を示すブロック図。
【図11】本発明の情報出力装置の第7の実施形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。まず本発明を適用するシステム全体から述べる。
【0012】
図1は、本発明の情報出力装置が用いられるシステム全体の第1の実施形態を示すブロック図である。放送局などの情報提供局1から中継局2を介して放送された情報を受信装置3で受信し、第1の記録再生装置4、第2の記録再生装置6A、第3の記録再生装置6Bで記録再生し、ディスプレイ5で視聴するものである。この場合、受信装置3が本発明でいう情報出力装置に相当し、記録再生装置6A、6Bが外部機器に相当する。
【0013】
放送局など情報提供局1は、例えば放送用衛星などの中継局2を介して、情報によって変調された信号電波として伝送する。この他に、ケーブルによる伝送、電話線による伝送、地上波放送による伝送などを用いても良い。受信側の受信装置3は、信号を受信し復調した後、必要に応じ第1の記録再生装置4、第2の記録再生装置6A、第3の記録再生装置6Bへ記録する。また、ディスプレイ5により、受信した情報内容を直接に、または上記した第1〜第3の記録再生装置4、6A、6Bで再生された情報を視聴する。
【0014】
第1の記録再生装置4は、ここでは受信装置3に内蔵されるディジタル記録方式によるものとする。その記録媒体には、例えばハードディスクが利用できる。受信装置に内蔵する記録再生装置は、情報の保存期間は比較的短いので、取外しのできない媒体で良い。第2の記録再生装置6Aと第3の記録再生装置6Bは、ここでは受信装置3に外付けされる。記録媒体は、ハードディスクの他、磁気テープ、光ディスクのように取外しのできる媒体でも良い。
【0015】
放送された情報に付されたコピー制御情報が、「コピー認可」であれば、第1〜第3の記録再生装置4、6A、6Bのいずれにも記録することができるが、コピー制御情報が、「コピー禁止」または「一世代のみコピー認可」であれば、後述するように記録が制限される。
【0016】
図1の例では3台の記録再生装置を有するが、これに限定されない。すなわち装置の台数、または内蔵されるか外付けであるかに関わらず、本発明は適用可能である。また本発明は、受信した情報を記録再生するシステムにのみ適用されるものではない。予め情報を記録したパッケージソフトを再生する場合はもちろん、単に現在放送中の情報を受信してディスプレイ5に出力する場合、またPC(Personal Computer)のハードディスクなどから情報を再生し、グラフィック
ボード等を介して装置の外部へ出力する場合にも適用できる。
【0017】
情報が予め記録された取外し可能な記録媒体、例えばパッケージソフトが提供される時は、これを取付けた、例えば第2の記録再生装置6Aでの再生動作以降が行われる。この場合は、情報提供局1と中継局2を除いた状態となるが、やはり本発明を適用できる。
【0018】
装置間の情報の授受はディジタル信号で行われることが多いが、例えば受信装置3とディスプレイ5の間は、アナログ信号で接続することもある。輝度と2つの色差信号で接続することもあれば、PCのようにRGB信号で接続することもある。
【0019】
図2は、図1における情報提供局1の構成例を示すブロック図である。カメラ、記録再生装置などから成るソース発生部11で発生した映像・音声などの情報は、より少ない占有帯域で伝送できるよう、エンコード回路12でMPEG方式等によりデータ量の圧縮が施される。コピーの制限等の保護が必要な場合は、スクランブル回路13で伝送暗号化される。変調回路14で伝送するのに適した信号に変調された後、送信アンテナ15から、例えば放送用衛星などの中継局2に向けて電波として発射される。この際、管理情報付与回路16では、前記したコピー制御情報などを付加する。また入力端子17には、例えばビデオオンデマンドにおける受信側からのリクエスト情報が電話回線などを介して入力され、これに応えて送出する情報を決定する。
【0020】
なお、送信する電波信号には、複数の情報が、時分割、スペクトル拡散などの方法で多重されることが多い。この場合には、ソース発生部11とエンコード回路12の系統が複数個あり、エンコード回路12とスクランブル回路13との間に、複数の情報を多重するマルチプレクス回路が置かれる。
【0021】
図3は、図1のシステムにおける受信装置3の構成例を示すブロック図である。図中の実線は受信した映像音声など主となる情報の流れを、また破線は各構成要素間の制御信号情報の流れを示す。第1の記録再生装置4は、受信装置3に内蔵される場合を示す。
【0022】
まず、本実施例の構成を、実線で示した映像音声などの主情報の流れに沿って説明する。RF/IF変換回路301には、例えば放送用衛星などの中継局からの電波が入力される。ここで、RF帯域の電波はIF帯域(Intermediate Frequency)に周波数変換され、また受信チャンネルに依存しない一定の帯域の信号となり、復調回路302で伝送のために施された変調操作が復調される。さらに誤り訂正回路303で、伝送途中で発生した符号の誤りが検出さらには訂正された後、デスクランブル回路304で伝送暗号の解除を行う。その後、第1および第2のデマルチプレクス回路305、307へ送られる。デマルチプレクス回路305、307は、1つのチャンネルに多重された複数の情報から所望の情報だけを分離する。2つのデマルチプレクス回路を設ける理由は、いわゆる裏番組記録を可能にするのみならず、第1のデマルチプレクス回路305で、記録しない情報を除去、及び記録のための情報を付加するためである。例えば、天気予報、番組の放送予定など、記録する必要のないものはここで除去する。
【0023】
第1のデマルチプレクス回路305の出力は、第1の記録再生装置4へ与えられるとともに、入出力回路315A、315Bへも与えられる。入出力回路315A、315Bは、入出力端子306A、306Bを介して、それぞれ第2の記録再生装置6A、第3の記録再生装置6Bが接続される。入出力回路315A、315Bは、例えば双方向の入出力インターフェースであって、第2、第3の記録再生装置6A、6Bとの間で、記録再生する情報などを例えばディジタルデータで授受する。一般にはIEEE1394規格による接続が多く用いられる。またPCで多用されるUSB(Universal Serial Bus)接続であっても良いし、無線LAN(Local Area Network)などを用いて無線で接続しても良い。また、入出力回路315A、315Bの数はこれに限らずさらに多数個設けても良く、あるいは仕様の異なる複数の入出力インターフェースを使用しても良い。
【0024】
第1〜第3の記録再生装置4、6A、6Bにおいては、記録する情報に付されたコピー制御情報に従って記録動作を行う。コピー制御情報が、「コピー禁止」(Copy Never)ないし「これ以上のコピーを認めない」(No More Copies)を示すならば、記録を行わない。「一世代のみコピー認可」(Copy One Generation
)であるならば、これを「これ以上のコピーを認めない」(No More Copies)と書替えたうえで記録を行う。「コピー認可」(Copy Free)であるならば、その
まま記録を行う。なお特殊な場合として、Copy Neverでありながら再生利用する期間に制限を付けて一時記録する場合や、No More Copiesでありながら元の情報源を再生不能にすることを条件に情報を移動する場合などの記録動作を認めてもよい。
【0025】
先の第2のデマルチプレクス回路307には、デスクランブル回路304から送られた情報、第1の記録再生装置4で再生された情報、あるいは入出力回路315A、315Bを経由して第2、第3の記録再生装置6A、6Bで再生された情報が入力されており、これらから所望の情報が選択・分離される。次のデコード回路308では、伝送前に施されたMPEG方式等によるデータ圧縮に対する伸張処理がなされ、出力端子309、310を介して外部の装置へ送られる。出力端子309、310はディジタル出力、アナログ出力いずれの場合もあり、また前者をディジタル出力、後者をアナログ出力と使い分けることもできる。出力端子は1個としても良い。
【0026】
次に、図3における構成を破線で示した制御信号に沿って述べる。制御回路311は、上記したRF/IF変換回路301から第1、第2のデマルチプレクス回路305、307、デコード回路308、さらに入出力回路315A、315Bに至る各構成要素との間で制御信号の授受を行い、受信装置3の全体が所望の動作を行うように制御する。情報管理回路312は、制御回路311に対し制御を行う時ための管理データを要求に応じて供給する。例えば、ここには受信契約の情報が管理されている。ユーザが視聴したいチャンネルを指定した時、この指定は入力端子314から入力され、コマンド入力回路313を介して制御回路311に送られる。制御回路311は情報管理回路312に、受信契約情報を要求する。ユーザが指定したチャンネルと契約があると判断した場合、上記した各構成要素に制御信号を送り、該当チャンネルの受信動作を指示するなどの制御動作を行う。
【0027】
また、第1の記録再生装置4が受信装置3に内蔵されている場合には、入力端子314から入力されたユーザの指示に応じて記録再生の動作を行う。このため、コマンド入力回路313の出力が供給されている。この制御信号は、制御回路311から供給されるようにしても良い。
【0028】
次に、受信した情報に付加されている、あるいは入出力回路からの出力時に付加するコピー制御情報について説明する。コピー制御情報は、例えば、表1のような3ビットの情報を用いる。
【0029】
【表1】

【0030】

CCIは、2ビットの情報で、「00」の時は「コピー認可」(Copy Free)を表し、「10」の時は、「一世代のみコピー認可」(Copy One Generation)を表し、「01」の時は、「これ以上のコピーを認めない」(No More Copies)、すなわち一世代のみコピーできる情報がコピーされたものであることを表し、「11」の時は「コピー禁止」(Copy Never)を表す。なお、No More Copiesは、放送などの送信時には用いられない。CCIが「00」以外の時は、出力時に暗号化して伝送することにより、不正なコピーがなされた時に情報を保護する。EPNは、1ビットの情報で、この情報が「0」の時は、コピーの制限はないが、暗号化して伝送することを表す。これにより、正規の記録機器でのコピー以外の不正使用から情報を保護する。
【0031】
次に、本発明の特徴であるコピー数の制限について説明する。コピー数を制限するためには、全ての入出力端子に接続される機器の数を制限すればよい。すなわち、入出力回路315Aに接続されている機器の数と、入出力回路315Bの接続されている機器の数の合計の数Nを制御回路311で管理し、その数が所定の制限数Nm(例えばNm=62)以下になるように制限する。
【0032】
図4は、入出力回路315Aあるいは315Bにおける機器の接続のフローチャートを示す。接続しようとする機器から接続要求(S101)があると、入出力回路315A、315Bは制御回路311に対し現在接続されている機器の数Nを問い合わせる(S102)。そして、Nが制限数Nm未満であれば(S103)、その機器と認証を行う(S104)。認証は、例えば、決められた情報を相手機器に送り、それに対する応答によって正規に機器であるかどうかを判定する(S105)。認証が成功すれば、相手機器が正規の機器であると判断し、暗号化の鍵を相手機器に渡し(S106)、接続を完了すると同時に、接続を行ったことを制御回路311に通知し、制御回路311で管理している接続数Nを更新する(S107)。NがNm未満でないとき(S103)、または、認証が成功しない場合には(S105)、暗号化の鍵を相手機器に渡さないで接続を破棄する(S108)。これにより、接続の認められていない機器が仮に情報を受け取っても、解読鍵を有していないため暗号化された情報の復号ができない。
【0033】
なお、接続要求(S101)は、認証の要求であってもよく、この場合には、認証されている機器の数Nを管理することになる。また、暗号化の鍵を渡す(S106)のではなく共有鍵を生成するための情報を渡してもよい。
【0034】
通常、認証の処理は入出力回路で行われる。したがって、ひとつの入出力回路のみの場合はその入出力回路で認証を行うと共に接続数の管理を行えばよいが、複数の入出力回路がある場合には、個々の入出力回路における接続数は管理できるが、全体の接続数を管理することができない。このような場合でも、制御回路311において接続数を管理することにより全ての入出力回路に接続されている機器の数を管理することができる。
【0035】
このように、複数の入出力回路を有する場合でも接続される機器の数を制限することによってコピー数を制限することができる。なお、複数の入出力回路は、異なる仕様のインターフェースであってもよいし、もちろん、出力専用のインターフェースであってもよい。また、認証の処理を含めて制御回路311を行ってもよい。
【0036】
接続数Nの管理は、コピー制御情報で示される保護対象となる情報を出力する時にのみ行えばよい。情報が保護を必要とする全ての場合に行ってもよいが、コピー数の制限を目的とするのであれば、例えばCopy One Generationの情報を出力する時にのみ行ってもよい。また、全ての入出力回路に接続されている全ての機器について行ってもよいが、保護対象の情報を出力する入出力回路のみ、あるいは記録可能機器のみについて管理すれば、より正確に管理することができる。なお、複数種類の情報を出力する場合には、それぞれの情報毎に独立して管理すればよい。
【0037】
図5は、本発明の情報出力装置の第2の実施形態を示すブロック図である。情報信号源71は情報受信装置あるいは情報再生装置等からなり、情報を入出力回路72A〜72Dにて外部機器へ送出する。ここに一例として、入出力回路72A、72BはIEEE1394規格、入出力回路72CはUSB規格、入出力回路72Dは無線ネットワークによるインターフェースとした。制御回路73は、図3の制御回路311と同様である。このように、複数の異なる仕様の入出力回路を有する場合でも、図3の場合と同様に、制御回路73で全体の接続される機器の数を制限することによってコピー数を制限することができる。
【0038】
なお、入出力回路72Aと72Bは同一のインターフェースであるが、識別IDの異なる回路から出力されるような場合は独立した出力となり、接続等の処理はそれぞれの入出力回路で行われる。また、同一のインターフェースであるが、異なる伝送方式(伝送プロトコル)によって伝送する場合においても、それぞれの伝送方式で独立して制御が行われている時には、全体の接続される機器の数を制御回路73で管理すればよい。
【0039】
図6は、本発明の情報出力装置の第3の実施形態を示すブロック図である。この実施形態は、異なるバスの間を中継するバスブリッジ74が介在する場合である。この場合には、バスブリッジ74を介して接続されている機器数も考慮する必要がある。なお、バスブリッジ74は、同一の仕様のバスを中継するものであってもよいし、異なる仕様のバスを中継するものであってもよい。
【0040】
図7は、図6の実施形態のようなバスブリッジ74が介在する場合の、機器の接続のフローチャートを示す。接続しようとする機器から接続要求があると(S111)、入出力回路72A〜72Dは制御回路73に対し現在接続されている機器の数Nを問い合わせる(S112)。次に、接続しようとする機器の認証を行う(S113)。なお、この時に、図4の場合(S103)と同様にNが制限数Nm未満であるかどうかの確認を行ってもよい。認証が成功すれば、相手機器が正規の機器であると判断し(S114)、次に、相手機器がバスブリッジであるかどうかを確認する(S115)。バスブリッジでない場合は(S120)、Nが制限数Nm未満であれば暗号化の鍵を相手機器に渡し(S121)、接続を完了すると同時に、接続を行ったことを制御回路73に通知し、制御回路73で管理している接続数Nを更新する(S122)。相手機器がバスブリッジである場合には、バスブリッジを介して接続されている数Nbをバスブリッジより取得する(S116)。そして、N+NbがNm以下であれば(S117)暗号化の鍵を相手機器に渡し(S118)、接続を完了すると同時に、接続を行ったことを制御回路73に通知し、制御回路73で管理している接続数NをN+Nbに更新する。N+NbがNmを超えている場合は(S120)接続を破棄する(S123)。なお、Nmを超えない範囲にバスブリッジを介した接続を制限して接続を行ってもよい。
【0041】
図8は、本発明の情報出力装置の第4の実施形態を示すブロック図である。ここでは、例えばPC機器のような情報信号源71、制御回路73および入出力回路72A〜72Dが内部バス75を介して接続されており、取り外し可能とした場合である。ここに内部バス75は、1つのバスに全ての回路を接続してもよいし、複数の内部バスを用いて、例えば情報信号源71は第1のバスを介して制御回路73に接続し、入出力回路72A〜72Dは第2のバスを介して制御回路73に接続してもよい。
【0042】
この実施形態では、まず、装着されている入出力回路72A〜72Dが正規のものであるか、すなわち接続数制限に対応しているものであるかどうかを確認する必要がある。従って、制御回路73は、装着されている入出力回路72A〜72Dとの認証を行い、認証が成功した入出力回路に対して、情報信号源71から情報を暗号化して送る。これにより、正規の入出力回路以外の入出力回路を介して情報が出力されてしまうことを防ぐことができる。また、認証を行わなくても、正規の入出力回路と情報信号源71で共通の鍵を共有しておくようにしてもよい。接続数の制限は、図4あるいは図7と同様の手順で行えばよい。
【0043】
図9は、本発明の情報出力装置の第5の実施形態を示すブロック図である。80A〜80Dは暗号化の鍵を管理する鍵管理部、82は接続数Nを管理する接続数管理部である。接続しようとする機器から接続要求あるいは認証要求があると、入出力回路72A、72B、72Cまたは72Dは制御回路73に対し現在接続あるいは認証されている機器の数Nを問い合わせる。そして、Nが制限数Nm未満であれば、その機器と認証を行い、認証が成功すれば、相手機器が正規の機器であると判断し、鍵管理部80A、80B、80Cまたは80Dで管理されている暗号化の鍵あるいは共有鍵を生成するための情報を相手機器に渡し、接続を完了すると同時に、接続を行ったことを制御回路73に通知し、制御回路73では管理している接続数Nを更新する。このように、鍵管理部80A、80B、80Cまたは80Dでは、それぞれの入出力回路で暗号化する鍵を管理し、制御回路73において接続数Nを管理することにより、それぞれの入出力回路で異なる暗号化鍵を用いる場合、さらには、異なる暗号化方式あるいは認証方式を用いる場合においても接続数の管理を行うことができる。
【0044】
図10は、本発明の情報出力装置の第6の実施形態を示すブロック図である。81は暗号化の鍵を管理する鍵管理部である。接続しようとする機器から接続要求あるいは認証要求があると、入出力回路72A、72B、72Cまたは72Dは制御回路73に対して認証を要求する。制御回路73では、現在接続あるいは認証されている機器の数Nを確認し、Nが制限数Nm未満であれば、その機器と認証を行い、認証が成功すれば、相手機器が正規の機器であると判断し、鍵管理部81で管理されている暗号化の鍵あるいは共有鍵を生成するための情報を相手機器に渡し、接続を完了すると同時に、接続数Nを更新する。このように、制御回路73において暗号化鍵及び接続数Nを管理することにより、複数の入出力回路を有する場合でも、認証及び鍵管理を1つの回路で行うことができる。
【0045】
図11は、本発明の情報出力装置の第7の実施形態を示すブロック図である。83A、83Bは情報信号源71の情報、84A、84Bはそれぞれの情報に対する接続数NA、NBを管理する接続数管理部、85A、85Bはそれぞれの情報に対する暗号化鍵を管理する鍵管理部である。情報83A、83Bは、例えば、受信した異なるチャンネルの情報や受信した情報と再生装置から再生した情報等である。情報信号源71から情報A、情報Bのような複数種類の情報を出力する場合に、それぞれの情報毎に接続数を管理することにより、情報毎にコピー数を制限することができる。
【0046】
もちろん、複数種類の情報を出力する場合でも全体の接続数のみで管理してもよい。この場合には、必要以上に接続数が制限されることになるが、どの情報がどこに出力されているかを管理する必要がなく、管理のための処理を簡単にすることができる。これより、「一世代のみコピー認可」のようにコピーが制限される場合に、無数の記録媒体に無制限にコピーが行われるのを防止できる。
【符号の説明】
【0047】
1・・・・・情報提供局
2・・・・・中継局
3・・・・・受信装置(情報出力装置)
4・・・・・第1の記録再生装置
5・・・・・ディスプレイ
6A・・・・第2の記録再生装置
6B・・・・第3の記録再生装置
306A、306B、309、310・・・入出力端子
308・・・デコード回路
311、73・・・・制御回路
315A、315B、72A〜72D・・・・入出力回路
71・・・・情報信号源
74・・・・バスブリッジ
75・・・・内部バス
80A〜80D、81、85A、85B・・・・鍵管理部
82、84A、84B・・・・接続数管理部
83A、83B・・・・情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル情報を外部機器に出力する情報出力装置において、
上記ディジタル情報を接続された外部機器に出力する複数の出力回路と、
該複数の出力回路を制御する制御回路とを備え、
該制御回路は、上記外部機器との認証を行う数を制限することにより上記複数の出力回路に接続されている上記外部機器の内の上記ディジタル情報を出力する外部機器の総数が所定数以内となるように制限することを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
前記複数の出力回路は、異なる出力仕様の出力回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記制御回路は、出力する前記ディジタル情報が保護の必要な情報である時に前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数が所定数以内となるように制限することを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項4】
前記制御回路は、出力する前記ディジタル情報がコピーを制限された情報である時に前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数が所定数以内となるように制限することを特徴とする請求項3に記載の情報出力装置。
【請求項5】
複数の出力回路を実装して該出力回路からディジタル情報を外部機器に出力する情報出力装置において、
上記複数の出力回路を制御する制御回路を備え、
該制御回路は、上記外部機器との認証を行う数を制限することにより上記複数の出力回路に接続されている上記外部機器の内の上記ディジタル情報を出力する外部機器の総数が所定数以内となるように制限することを特徴とする情報出力装置。
【請求項6】
前記複数の出力回路は、異なる出力仕様の出力回路を含むことを特徴とする請求項5に記載の情報出力装置。
【請求項7】
前記制御回路は、出力する前記ディジタル情報が保護の必要な情報である時に前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数が所定数以内となるように制限することを特徴とする請求項5に記載の情報出力装置。
【請求項8】
前記制御回路は、出力する前記ディジタル情報がコピーを制限された情報である時に前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数が所定数以内となるように制限することを特徴とする請求項7に記載の情報出力装置。
【請求項9】
前記制御回路は、実装されている出力回路が外部機器の総数を所定数以内に制限することが可能な出力回路であるときにのみ前記ディジタル情報の出力を可能とすることを特徴とする請求項5に記載の情報出力装置。
【請求項10】
ディジタル情報を複数の出力回路から外部機器に出力する情報出力方法において、
上記複数の出力回路に接続されている外部機器の内の認証を行った外部機器の総数を検知し、
上記ディジタル情報を出力する外部機器の総数が所定数以内となるように制限することを特徴とする情報出力方法。
【請求項11】
前記複数の出力回路は、異なる出力仕様の出力回路を含むことを特徴とする請求項10に記載の情報出力方法。
【請求項12】
出力する前記ディジタル情報が保護の必要な情報である時に前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数を所定数以内となるように制限することを特徴とする請求項10に記載の情報出力方法。
【請求項13】
出力する前記ディジタル情報がコピーを制限された情報である時に前記ディジタル情報を出力する外部機器の総数が所定数以内となるように制限することを特徴とする請求項10に記載の情報出力方法。
【請求項14】
前記ディジタル情報は、前記複数の出力回路から同一の暗号化鍵で暗号化されて出力されることを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項15】
前記ディジタル情報は、前記複数の出力回路から異なる暗号化鍵で暗号化されて出力されることを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項16】
前記ディジタル情報は、前記複数の出力回路から同一の暗号化鍵で暗号化されて出力されることを特徴とする請求項5に記載の情報出力装置。
【請求項17】
前記ディジタル情報は、前記複数の出力回路から異なる暗号化鍵で暗号化されて出力されることを特徴とする請求項5に記載の情報出力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−232465(P2009−232465A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113151(P2009−113151)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【分割の表示】特願2003−3853(P2003−3853)の分割
【原出願日】平成15年1月10日(2003.1.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】