説明

情報出力装置及び情報出力方法

【課題】データ量の増加を抑制したうえで、指定された地点に関連する情報を迅速に出力する。
【解決手段】所定範囲の領域をメッシュ状に分割して得られる複数のメッシュ領域のそれぞれについて、メッシュ領域の関連情報が共通であるグループのグループ識別子をメッシュ領域と対応づけてマップ格納部に記憶するとともに、各グループにおける関連情報をグループ識別子と対応付けてデータ格納部に記憶し、地図上の地点を特定する座標情報を受け付け、該座標情報で指定される地点が含まれるメッシュ領域を特定し、マップ格納部及びデータ格納部を参照し、特定されたメッシュ領域における関連情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置及び情報出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末やパーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置等の情報処理装置では、利用者が指定した地点に関連する情報を表示することが行われることがある。例えば、地図上で指定された地点の住所を表示したり、この地点の近辺にあるコンビニエンスストアやレストラン等の情報を表示したりすることが行われている。例えば、特許文献1には、行政区画を規定したポリゴンや、地図を矩形状に分割したメッシュ領域のうち、利用者から指定された地点が含まれるポリゴンやメッシュ領域を判定することにより、指定された地点に関連するエリア情報を提供する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−89815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、利用者から指定された地点に関連する情報は一種類だけではなく、様々な種類の情報が含まれる場合が多い。例えば、住所、近隣の施設や交通手段、地域に関連するイベントや広告情報等があげられる。そして、指定された地点に関連するこれらの情報は、情報ごとに異なる方法で検索が行われることがある。例えば、住所についてはポリゴンとの比較処理により検索が行われ、近隣施設については、各施設の位置情報をもとに、指定された地点から例えば半径1km以内にある施設が検索される。
【0005】
このように、指定された地点に関連する様々な情報を取得する際に情報ごとに検索を行うと、利用者がある地点を指定してから全ての情報が提供されるまでに時間がかかってしまうこととなる。また、検索時間を削減するために、例えば、全てのメッシュ領域について、関連する複数種類の情報をあらかじめデータベースに格納しておくことも考えられるが、メッシュ領域を細かくした場合にデータ量が膨大となってしまい、現実的ではない。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、データ量の増加を抑制したうえで、指定された地点に関連する情報を迅速に出力可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る情報出力装置は、所定範囲の領域をメッシュ状に分割して得られる複数のメッシュ領域のそれぞれについて、メッシュ領域の関連情報が共通であるグループのグループ識別子をメッシュ領域と対応づけて記憶するマップ格納部と、各グループにおける前記関連情報を前記グループ識別子と対応付けて記憶するデータ格納部とを有する関連情報記憶部と、地図上の地点を特定する座標情報を受け付け、該座標情報で指定される地点が含まれるメッシュ領域を特定するメッシュ領域特定部と、前記マップ格納部及びデータ格納部を参照し、前記メッシュ領域特定部により特定されたメッシュ領域における関連情報を出力する関連情報出力部と、を備える。
【0008】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、データ量の増加を抑制したうえで、指定された地点に関連する情報を迅速に出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態である情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】メッシュ領域の一例を示す図である。
【図3】メッシュ領域の一例を示す図である。
【図4】関連情報ファイルの構成の一例を示す図である。
【図5】関連情報記憶部における階層構造の一例を示す図である。
【図6】関連情報を出力する処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】関連情報が共通のグループの範囲を識別可能に表示した例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態である情報処理システムの構成を示す図である。情報処理システムは、情報出力装置10及び携帯端末12を含んで構成されており、情報出力装置10及び携帯端末12はインターネット等のネットワーク14を介して通信可能に接続されている。
【0013】
情報出力装置10は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、プロセッサやメモリ、記憶装置を含んで構成される。また、携帯端末12は、利用者が使用する情報処理装置であり、情報出力装置10から提供される各種情報を表示することができる。なお、利用者が使用する情報処理装置は携帯端末12に限られず、パーソナルコンピュータやカーナビゲーション装置等であってもよい。
【0014】
このような構成の情報処理システムにおいて、情報出力装置10は、地図情報に加えて、地図上で指定された地点に関連する様々な情報を携帯端末12に提供する。なお、本実施形態では、ある地点に関連する情報のことを「関連情報」と表すこととする。関連情報としては、例えば、指定された地点の住所や、コンビニエンスストアやレストラン等の近隣施設の場所を示す情報等である。
【0015】
情報出力装置10の構成について詳細に説明する。情報出力装置10は、地図情報記憶部20、地図情報出力部22、関連情報記憶部24、メッシュ領域特定部26、及び関連情報出力部28を含んで構成されている。なお、地図情報記憶部20及び関連情報記憶部24は、情報出力装置10が備えるメモリや記憶装置を用いて構成され、地図情報出力部22、メッシュ領域特定部26、及び関連情報出力部28は、情報出力装置10においてメモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0016】
地図情報記憶部20は、携帯端末12に表示可能な地図画像を含む地図データを記憶している。
【0017】
地図情報出力部22は、携帯端末12において要求された地点の周辺の地図画像を含む地図データを携帯端末12に送信する。なお、携帯端末12において要求された地点とは、例えば、携帯端末12においてGPS(Global Positioning System)機能により取得された位置情報で指定される地点や、携帯端末12において利用者が入力した住所で指定される地点である。
【0018】
なお、地図情報記憶部20及び地図情報出力部22の一方または双方は、情報出力装置10とは別の情報処理装置によって提供されることとしてもよい。
【0019】
関連情報記憶部24は、地図上の領域をメッシュ状に分割して得られる複数のメッシュ領域のそれぞれにおける関連情報を記憶する。なお、関連情報記憶部24は、各メッシュ領域の関連情報を個別に記憶するのではなく、関連情報が共通するメッシュ領域をグループ化することにより、データ量の増加を抑制している。関連情報記憶部24に記憶されるデータの具体的な構成については後述する。
【0020】
ここで、本実施形態におけるメッシュ領域について説明する。図2は、メッシュ領域の一例を示す図である。メッシュ領域は地図上の領域をメッシュ状に分割して得られる領域であり、複数レベルのメッシュ領域を規定することができる。図2に示されるように、例えば、1次レベルメッシュ領域は、約80km四方の領域とすることができる。そして、例えば、2次レベルメッシュ領域は、1次レベルメッシュ領域を縦方向及び横方向ともに8分割して得られる、約10km四方の領域とすることができる。さらに、例えば、3次レベルメッシュ領域は、2次レベルメッシュ領域を縦方向及び横方向ともに2分割して得られる、約5km四方の領域とすることができる。
【0021】
各メッシュ領域はメッシュコードにより識別することができるようになっている。例えば、図2において、1次レベルメッシュ領域のメッシュコードは「5438」となっている。そして、「5438」の1次レベルメッシュ領域内における、星マークで示される2次レベルメッシュ領域のメッシュコードは「5438−23」となっている。さらに、「5438−23」の2次レベルメッシュ領域内における、星マークで示される3次レベルメッシュ領域のメッシュコードは「5438−231」となっている。なお、メッシュコードは、例えば経度及び緯度から算出することが可能である。したがって、GPSにより測位された位置情報や地図上で指定された任意の点によって示される経度及び緯度からメッシュコードを算出することにより、ピンポイントでメッシュ領域を特定することが可能となっている。
【0022】
本実施形態では、図3に示すように、約3m四方の領域である8次レベルメッシュ領域を最小のメッシュ領域としている。そして、関連情報記憶部24は、約300m四方の領域である7次レベルメッシュ領域ごとに、その中に含まれる8次レベルの各メッシュ領域の関連情報をグループ化したうえで記憶している。なお、本実施形態に示すメッシュ領域のサイズや次数は一例にすぎず、メッシュ領域のサイズや次数は任意の数であってよい。
【0023】
図4は、関連情報記憶部24に記憶される関連情報ファイルの構成の一例を示す図である。図4に示された関連情報ファイルは、1つの7次レベルメッシュ領域(約300m四方)に対応するものであり、ヘッダ40、ビットマップ42、及びデータ部44を含んでいる。
【0024】
ヘッダ40(共通データ格納部)には、7次レベルメッシュ領域内で共通の関連情報が記憶されている。例えば、7次レベルメッシュ領域内が全て同一の市区町村に属する場合であれば、この市区町村の住所を示す情報をヘッダ40に格納することができる。
【0025】
ビットマップ42(マップ格納部)には、7次レベルメッシュ領域内の8次レベルメッシュ領域(約3m四方)のそれぞれについて、関連情報が共通のメッシュ領域のグループを識別するグループ識別子が記憶されている。つまり、図4において、ビットマップ42における1つのマスは1つの8次レベルメッシュ領域に対応しており、各マスに設定されている数字が、メッシュ領域のグループ識別子を示している。例えば、図4には、ビットマップ42において「1」が設定されているマスが複数存在している。これは、これらのマスに対応する8次レベルメッシュ領域の関連情報が共通であることを示している。
【0026】
データ部44(データ格納部)には、関連情報が共通の8次レベルメッシュ領域のグループごとに、関連情報とグループ識別子とが対応づけて記憶されている。
【0027】
このように、関連情報記憶部24には、7次レベルメッシュ領域ごとに1つの関連情報ファイルが形成されている。そして、本実施形態では、図5に示すように、各関連情報ファイルには7次レベルメッシュ領域のメッシュコードを識別可能なファイル名が付与され、複数の関連情報ファイルがメッシュ領域の階層構造を考慮して格納されている。また、図5に示すように、7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルに加えて、1次から6次までの各レベルのメッシュ領域の関連情報ファイルも関連情報記憶部24に記憶されている。例えば、図5に示す例において、「3422−00.info」という関連情報ファイルは、メッシュコードが「3422−00」である2次レベルメッシュ領域の関連情報を記憶するファイルである。つまり、「3422−00.info」には、メッシュコードが「3422−00」である2次レベルメッシュ領域において共通の関連情報が記憶されている。
【0028】
図1に戻り、メッシュ領域特定部26は、地図上の地点を特定する座標情報を受け付け、この座標情報で指定される地点が含まれる8次レベルメッシュ領域を特定する。ここで、座標情報には、例えば、経度及び緯度を示す情報が含まれており、メッシュ領域特定部26は、例えば、経度及び緯度とメッシュ領域との対応関係を規定する関数に基づいて、経度及び緯度から8次レベルメッシュ領域を特定することができる。なお、座標情報は、例えば、利用者が携帯端末12のディスプレイに表示された地図上においてある地点を選択することにより、携帯端末12から情報出力装置10に送信される。また、例えば、携帯端末12から送信されてくるGPSの位置情報を座標情報とすることもできる。
【0029】
関連情報出力部28は、メッシュ領域特定部26で特定された8次レベルメッシュ領域の関連情報を関連情報記憶部24から読み出して携帯端末12に出力する。
【0030】
ここで、関連情報出力部28は、関連情報記憶部24から読み出した関連情報を、そのままの形式で携帯端末12に出力してもよいし、携帯端末12に表示するための形式に変換する処理等、関連情報に基づく処理を施した上で携帯端末12に出力してもよい。
【0031】
また、関連情報に複数種類の情報が含まれる場合、関連情報出力部28は、複数種類の情報を全て携帯端末12に出力することとしてもよいし、利用者から指定された種類の情報のみを携帯端末12に出力することとしてもよい。例えば、一部の種類の情報を出力する場合、出力する情報の種類の指定は、携帯端末12から送信されてくることとしてもよいし、情報出力装置10にあらかじめ登録しておくこととしてもよい。出力する情報の種類をあらかじめ登録しておく場合、例えば、利用者または携帯端末12の識別子と対応づけて、出力対象とする情報の種類を示す情報を記憶しておくことができる。そして、携帯端末12から送信されてくる座標情報を含むパケットに設定された、利用者または携帯端末12の識別子に基づいて、出力対象とする情報の種類を判別することができる。
【0032】
図6は、情報出力装置10において関連情報を出力する処理の一例を示すフローチャートである。
【0033】
前述したように、例えば、携帯端末12では、地図情報出力部22から出力された地図情報に基づく地図を表示することが可能であり、利用者がこの地図上で関連情報を取得したい地点を指定することにより、この地点の座標情報を情報出力装置10に送信することができる。また、例えば、携帯端末12からは、GPSにより測位された位置情報が座標情報として情報出力装置10に送信されることもある。
【0034】
情報出力装置10のメッシュ領域特定部26は、携帯端末12から送信されてくる座標情報を受け付ける(S601)。そして、メッシュ領域特定部26は、受信した座標情報に含まれる経度及び緯度に基づいて、指定された地点が含まれる8次レベルメッシュ領域を特定する(S602)。
【0035】
続いて、関連情報出力部28は、特定された8次レベルメッシュ領域に対応する関連情報ファイルを開く(S603)。具体的には、特定された8次レベルメッシュ領域を含む7次レベルメッシュ領域のメッシュコードに紐付けられた関連情報ファイルが開かれる。さらに、7次レベルメッシュ領域より上位のメッシュ領域において共通の関連情報が記憶されている関連情報ファイルも開かれる。なお、特定された8次レベルメッシュ領域を含む7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルが存在しない場合もある。そのような場合、7次レベルより上位レベルのメッシュ領域の関連情報ファイルが、7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルの代わりに参照される。
【0036】
そして、関連情報出力部28は、7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルのビットマップ42を参照し、特定された8次レベルメッシュ領域に対応するグループの関連情報を出力する(S604)。例えば、図4に示す例において、特定された8次レベルメッシュ領域に対応するビットマップ42のマスに設定されているグループ識別子が「3」であれば、グループ識別子「3」と対応付けられている関連情報がデータ部44から取得される。
【0037】
また、関連情報出力部28は、関連情報ファイルのデータ部44から取得した関連情報に加えて、ヘッダ40に設定されている、7次レベルメッシュ領域に共通の関連情報も出力する。さらに、関連情報出力部28は、7次レベルメッシュ領域より上位のメッシュ領域の関連情報ファイルに記憶されている情報についても出力することができる。
【0038】
なお、関連情報出力部28は、取得した関連情報をそのままの形式で携帯端末12に送信してもよいし、携帯端末12での表示に適した形式に変換する等、関連情報に対して何らかの処理を施したうえで携帯端末12に送信することとしてもよい。
【0039】
また、関連情報出力部28は、7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルに記憶されている情報に基づいて、8次レベルメッシュ領域における関連情報が共通であるグループを識別可能な情報を出力することもできる。ここで、グループを識別可能な情報とは、例えば、図4に例示した関連情報ファイルにおけるビットマップ42の情報である。ビットマップ42を参照すれば、7次レベルメッシュ領域に含まれる8次レベルメッシュ領域において関連情報が共通であるグループを識別することができる。
【0040】
そして、グループを識別可能な情報を用いれば、例えば、図7に示すように、7次レベルメッシュ領域の地図上において、関連情報が共通のグループの範囲を識別可能に表示することができる。例えば、7次レベルメッシュ領域の地図上において、グループごとに異なる半透明の色を重畳したり、グループの境界線を表示したりすることにより、グループを識別可能とすることができる。
【0041】
さらに、関連情報出力部28は、携帯端末12に表示されているグループ分けされた地図上において、利用者によってあるグループが選択されると、選択されたグループの関連情報を携帯端末12に送信することができる。そして、携帯端末12においては、図7に示すように、選択されたグループの関連情報を表示することができる。
【0042】
以上、本実施形態における情報処理システムについて説明した。本実施形態では、7次レベルメッシュ領域ごとに、関連情報が共通の8次レベルメッシュ領域をグループ化し、各グループに対する関連情報を関連情報ファイルに記憶している。そして、地図上の地点を特定する座標情報に基づいて8次レベルメッシュ領域が特定されると、特定された8次レベルメッシュ領域が属するグループが特定され、特定されたグループの関連情報が出力される。したがって、全ての8次レベルメッシュ領域に対して個別に関連情報を持つ構成ではないため、例えば8次レベルまでメッシュ領域を細分化したような場合においてもデータ量の増加を抑制することが可能となる。そして、関連情報の取得要求がされた後に関連情報の種類に応じた検索処理を行うのではなく、関連情報ファイルに記憶されている関連情報を出力すればよいため、指定された地点に対する関連情報を迅速に出力することが可能である。
【0043】
また、本実施形態では、7次レベルメッシュ領域において共通の関連情報を関連情報ファイルのヘッダ40に記憶している。これにより、共通の関連情報を重複して関連情報ファイルのデータ部44に記憶する必要がなくなり、関連情報の記憶に必要なデータ量の増加を抑制することが可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、7次レベルメッシュ領域ごとに1つのファイルとして関連情報が記憶されている。したがって、特定された8次レベルメッシュ領域の関連情報を出力する際には、この8次レベルメッシュ領域を含む7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルを開くだけでよく、関連情報を迅速に出力することが可能となる。また、ある7次レベルメッシュ領域内における関連情報を更新する際には、この7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルのみを更新すればよく、他の7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルは何ら影響されない。すなわち、関連情報のメンテナンスを容易にすることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、7次レベルメッシュ領域のメッシュコードが関連情報ファイルのファイル名に含まれているため、特定された8次レベルメッシュ領域のメッシュコードに基づいて、対象の関連情報ファイルを特定することが容易である。
【0046】
また、本実施形態では、7次レベルメッシュ領域より上位レベルのメッシュ領域で共通の関連情報を、各レベルの関連情報ファイルとして記憶している。これにより、共通の関連情報を重複して複数の関連情報ファイルに記憶する必要がなくなり、関連情報の記憶に必要なデータ量の増加を抑制することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態では、7次レベルメッシュ領域を含む地図上において関連情報が共通のグループを識別可能とする情報を出力することができる。これにより、利用者は、8次レベルメッシュ領域の関連情報を確認するだけではなく、関連情報が共通のエリアを確認することができる。例えば、最寄駅までの距離やスーパー、コンビニ等の情報が関連情報に含まれる場合であれば、利用者は、関連情報が共通のエリアを確認することにより、日常生活における便利さが共通のエリアを認識することができる。
【0048】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0049】
例えば、本実施形態では、7次レベルメッシュ領域より上位レベルのメッシュ領域で共通の関連情報を、各レベルの関連情報ファイルとして記憶することとしたが、上位レベルのメッシュ領域における関連情報ファイルはなくてもよい。この場合、上位レベルのメッシュ領域で共通の関連情報は、例えば、7次レベルメッシュ領域の関連情報ファイルのヘッダ40に格納することができる。
【0050】
また、本実施形態では、8次レベルメッシュ領域を特定するための座標情報が携帯端末12からネットワーク14経由で情報出力装置10に送信されることとしたが、座標情報は情報出力装置10において指定されてもよい。例えば、情報出力装置10を、単体で動作するカーナビゲーション装置とすることもできる。
【0051】
また、本実施形態では、8次レベルの各メッシュ領域に対して関連情報を対応づけることとしたが、関連情報が対応づけられるメッシュ領域のレベルは地域によって変更されてもよい。例えば、施設の密集度が低い地域では、関連情報が対応づけられるメッシュ領域を8次レベルメッシュ領域より上位レベルのメッシュ領域とすることにより、データ量の増加を抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、経度及び緯度から8次レベルメッシュ領域を特定し、特定された8次レベルメッシュ領域を含む7次レベル以上のメッシュ領域に対応する関連情報ファイルを参照することとしたが、存在する全てのレベルの関連情報ファイルを参照する必要はない。例えば、天気等の情報のように、7次レベルメッシュ領域より広い範囲に対する情報については、7次レベルより上位レベルの関連情報ファイルに格納しておくことができる。そして、上位レベルの関連情報ファイルに格納された情報が必要な場合は、そのレベルの関連情報ファイルのみを参照することにより、必要な情報を迅速に取得することが可能となる。例えば、天気の情報が3次レベルの関連情報ファイルに格納されている場合であれば、緯度及び経度からメッシュコードを算出し、メッシュコードに対応する3次レベルの関連情報ファイルを参照することにより、天気の情報を取得することができる。これにより、データ量の増加を抑制するとともにデータの更新時間を短縮することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態では、7次レベルの各メッシュ領域に対して1つの関連情報ファイルが設けられた例を示したが、関連情報ファイルの数は1つに限られず、複数であってもよい。例えば、情報の更新頻度に応じて関連情報を複数のグループに分割し、各グループごとに関連情報ファイルが設けられることとしてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、関連情報ファイルにはビットマップ42及びデータ部44が1つずつ含まれることとしたが、複数のビットマップ42及びデータ部44が含まれることとしてもよい。例えば、7次レベルメッシュ領域に含まれる複数の8次レベルメッシュ領域について、関連情報の種類に応じた複数のグルーピングを示す複数のビットマップ42が設けられることとしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 情報出力装置
12 携帯端末
14 ネットワーク
20 地図情報記憶部
22 地図情報出力部
24 関連情報記憶部
26 メッシュ領域特定部
28 関連情報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定範囲の領域をメッシュ状に分割して得られる複数のメッシュ領域のそれぞれについて、メッシュ領域の関連情報が共通であるグループのグループ識別子をメッシュ領域と対応づけて記憶するマップ格納部と、各グループにおける前記関連情報を前記グループ識別子と対応付けて記憶するデータ格納部とを有する関連情報記憶部と、
地図上の地点を特定する座標情報を受け付け、該座標情報で指定される地点が含まれるメッシュ領域を特定するメッシュ領域特定部と、
前記マップ格納部及びデータ格納部を参照し、前記メッシュ領域特定部により特定されたメッシュ領域における関連情報を出力する関連情報出力部と、
を備える情報出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報出力装置であって、
前記関連情報記憶部は、さらに、前記所定範囲の領域における全てのメッシュ領域に共通の関連情報を記憶する共通データ格納部を有し、
前記関連情報出力部は、前記共通データ格納部、マップ格納部、及びデータ格納部を参照し、前記メッシュ領域特定部により特定されたメッシュ領域における関連情報を出力する、
情報出力装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報出力装置であって、
前記関連情報記憶部は、複数の前記所定範囲の領域における前記グループ識別子及び前記関連情報を、前記所定範囲の領域ごとに1つのファイルとして記憶する、
情報出力装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報出力装置であって、
前記所定範囲の領域を識別する領域識別子が前記ファイルのファイル名に含まれている、
情報出力装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の情報出力装置であって、
前記関連情報記憶部は、前記複数の所定範囲の領域を含む領域である上位領域の関連情報を前記複数の所定範囲の領域ごとに1つのファイルとして記憶し、
前記関連情報出力部は、前記メッシュ領域特定部により特定されたメッシュ領域が含まれる前記所定範囲の領域に対応するファイルに記憶されている前記関連情報と、該所定範囲の領域が含まれる上位領域に対応するファイルに記憶されている前記関連情報とを出力する、
情報出力装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の情報出力装置であって、
前記関連情報出力部は、前記所定範囲の領域を含む地図上において前記グループを識別可能とするために、前記マップ格納部を参照し、メッシュ領域とグループ識別子との対応関係を示す情報を出力する、
情報出力装置。
【請求項7】
所定範囲の領域をメッシュ状に分割して得られる複数のメッシュ領域のそれぞれについて、メッシュ領域の関連情報が共通であるグループのグループ識別子をメッシュ領域と対応づけてマップ格納部に記憶するとともに、各グループにおける前記関連情報を前記グループ識別子と対応付けてデータ格納部に記憶し、
地図上の地点を特定する座標情報を受け付け、該座標情報で指定される地点が含まれるメッシュ領域を特定し、
前記マップ格納部及びデータ格納部を参照し、前記特定されたメッシュ領域における関連情報を出力する、
情報出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−128350(P2012−128350A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282014(P2010−282014)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】