説明

情報収集システム

【課題】通信負荷を抑制すると共に、渋滞状況の把握や各車両の経路案内に必要な情報をリアルタイムに提供する情報収集システムを提供する。
【解決手段】車両が走行予定進路から逸脱して走行しているか否か判定する予測合致判定部212と、逸脱して走行していると判定した場合に自車情報取得部209が取得した車両情報をサーバ装置に出力するプローブ情報管理部207とを備えた車載情報通信装置2と、地図情報の領域を時間および位置関係に基づいて決定される領域に分割する時空間分割部と、車両が時空間分割部において分割された領域の所定の位置にいつ存在するかを予測した走行予定進路を作成する対象時空間予測部と、履歴管理部が管理する過去の車両情報提供履歴を参照し、車両情報の提供を要求する車両を抽出する要求車抽出部と、抽出した車両のプローブ情報管理部207に車両情報の提供を要求する情報要求部とを備えたサーバ装置で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のプローブ情報の収集および収集したプローブ情報のサーバ装置への送信に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両を通じて収集される位置情報や時刻情報などのプローブ情報を用いて道路および交通の管理や道路交通情報を提供するテレマティクスサービスが開発されている。車両側で収集されたプローブ情報は道路交通情報などを管理するサーバ装置において、渋滞状況の把握や、各車両の経路案内に利用される。このようなテレマティクスサービスでは、プローブ情報の送信による通信負荷の抑制が求められている。特許文献1では、通信システムの輻輳状況や、リアルタイムな交通状況の変化に応じて、データ量や指定区域や通信間隔などの、必要なプローブ情報に関する収集条件を決定して情報量を制限し、通信負荷を低減させるプローブ情報収集装置が開示されている。
【0003】
しかし、上述した特許文献1では、ある一定の条件に応じて情報量を制限しているため、無駄な通信が発生する可能性があり、通信負荷をより低減させる余地がある。この対策として、特許文献2には、特定の区間に特定の車両を割り当て、割り当てられた車両が特定区間を通過した際の時刻情報と、平均速度とをサーバ側に送信することにより、通信負荷を抑制するプローブデータ収集システムが開示されている。また特許文献3には、車両の走行開始地点と走行終了地点を含む走行条件と、車両が走行を行った時間情報とを対応付けた走行履歴データを作成し、サーバ装置では時間区分毎に特定された車両から走行履歴データを収集する情報収集装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−077143号公報
【特許文献2】特開2010−044543号公報
【特許文献3】特開2010−067074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献2に開示された技術では、特定の車両のプローブ情報を収集するため、収集したデータに偏りが生じる場合もあり、正確な予測や、プローブ情報の網羅性を確保することが困難であるという課題があった。また、特許文献3に開示された技術では、走行履歴データを収集するため、リアルタイム性に欠けるという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、車両情報の通信負荷を抑制すると共に、渋滞状況の把握や各車両の経路案内に必要となる車両情報をリアルタイムに提供する情報収集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る情報収集システムは、地図情報を記憶する第1地図情報記憶部と、少なくとも車両の自車位置情報および現在時刻を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、車両情報取得部が取得した車両の自車位置情報に基づいて、設定された目的地までの経路案内情報の作成をサーバ装置に要求する経路案内要求部と、経路案内要求部の要求に対してサーバ装置から提供された経路案内情報および第1地図情報記憶部に記憶された地図情報を用いて、目的地までの経路案内を行う経路案内部と、サーバ装置から提供される車両の走行予定進路を管理する予測進路管理部と、車両が走行予定進路から逸脱して走行しているか否か判定する予測合致判定部と、予測合致判定部が車両が走行予定進路から逸脱して走行していると判定した場合に、車両情報取得部が取得した車両情報をサーバ装置に出力する情報提供部とを備えた車載情報通信装置と、車載情報通信装置の認証を行う認証部と、地図情報を記憶する第2地図情報記憶部と、経路案内要求部から経路案内情報の作成要求が入力されると、第2地図情報記憶部に記憶された地図情報および車両の自車位置情報に基づいて、設定された目的地までの経路案内情報を作成する経路案内作成部と、地図情報の領域を時間および位置関係に基づいて決定される領域に分割する時空間分割部と、車両が、時空間分割部において分割された領域の所定の位置にいつ存在するかを予測した走行予定進路を作成する対象時空間予測部と、時空間に位置する車両を管理する対象車管理部と、対象車管理部が管理する車両の車両情報提供履歴を管理する履歴管理部と、履歴管理部が管理する過去の車両情報提供履歴を参照し、車両情報の提供を要求する車両を抽出する要求車抽出部と、要求車抽出部が抽出した車両の情報提供部に車両情報の提供を要求する情報要求部とを備えたサーバ装置で構成されるものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、車両情報の通信負荷を抑制し、車両の走行状況を把握するために必要となる車両情報をリアルタイムに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1による情報収集システムの構成を示す説明図である。
【図2】実施の形態1による情報収集システムの車載情報通信機器の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1による情報収集システムの車載情報通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1による情報収集システムの車載情報通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1による情報収集システムのサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態1による情報収集システムのサーバ装置の認証処理を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1による情報収集システムのサーバ装置の情報把握処理を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1による情報収集システムのサーバ装置のブローブ情報作成処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1による情報収集システムのサーバ装置のプローブ情報要求処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1による情報収集システムの車載情報通信機器の異なる処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による情報収集システムの構成を示す説明図である。
実施の形態1の情報収集システムは、複数の車両1a,1b,・・・,1n(以下、総称する場合には車両1と表記する)、車両1に搭載された車載情報通信機器2a,2b,・・・,2n(以下、総称する場合には車載情報通信機器2と表記する)、携帯電話網やインターネット網4、サーバ装置5およびデータ蓄積装置6で構成されている。
【0011】
車載情報通信機器2は、GPSを利用した自車両1の位置情報や、走行速度、走行方向、一定時間の平均速度、ガソリン残量や電気車両の場合はバッテリー残量、タイヤの交換してからの走行距離などといった自車の車両情報を取得する。さらに車載情報通信機器2は、携帯電話網、路側にあるDSRC(dedicated short range communications)路側器、あるいはホットスポットエリアの場合は無線LANなど、利用可能な広域/近距離無線3a,3b,・・・,3nを利用し、携帯電話網やインターネット網4などを介して、取得した車両情報をデータ蓄積装置6に蓄積するとともに、サーバ装置5で各位置における各車両1の平均速度などから渋滞や事故といった状態を推定して各車両1の経路案内などに利用するとともに、各車両1に情報を送る。これら構成によりテレマティクスサービスを実現する。
【0012】
車載情報通信機器2は、入力インタフェース部201、経路案内要求部202、通信部203、経路案内部204、地図データ記憶部205、表示部206、プローブ情報蓄積部208を備えたプローブ情報管理部207、走行履歴管理部210を備えた自車情報取得部209、予測進路管理部211および予測合致判定部212で構成されている。入力インタフェース部201は、タッチパネルや音声入力装置で構成され、現在位置や目的地の入力を行う。当該入力インタフェース部201を介して、ユーザが行き先の名称や電話番号を指定する、あるいは地図データ記憶部205に記憶された地図データを用いて直接地図上で指定することにより現在位置や目的地の設定を行う。経路案内要求部202は、サーバ装置5側における自機器の認証を受信すると、入力インタフェース部201を介して入力された現在位置および目的地の情報に基づき得られる経路案内情報の要求を出力する。通信部203は、サーバ装置5側の通信部511と通信接続され、情報の送受信を行う。
【0013】
経路案内部204は、サーバ装置5から入力される経路情報に地図データ記憶部205に記憶された地図情報を重畳し、経路案内を表示部206に表示する。経路案内部204は最新の情報を利用した経路案内を行うためにサーバ装置5側に経路案内を要求してもよく、また入力インタフェース部201を介して入力された目的地と現在位置の情報から経路の候補を算出して経路案内を行ってもよい。また、経路案内部204は様々に構成可能であり、例えば経路案内部204が作成した経路案内をサーバ装置5側に出力し、サーバ装置5が当該経路案内に渋滞情報を加味して最適な経路を送り返すように構成してもよい。さらに、サーバ装置5側が算出した経路案内の候補が複数存在する場合には、当該候補の中からユーザが選択して選択結果をサーバ装置5側に返送してもよい。さらに、経路案内部204が経路案内を作成する場合には、車載情報通信機器2上で選択された経路情報のみをサーバ装置5側に出力する方式でも構わない。この場合、サーバ装置5側において渋滞情報を加味した経路情報に変更されるように構成してもよい。
【0014】
地図データ記憶部205は、地図情報や施設情報など経路案内に必要となる地図データを記憶している。表示部206は、経路案内部204で作成された経路案内情報を表示する。プローブ情報管理部207は、サーバ装置5側から送られる時空間情報などを参照して、指定されたタイムスロットに到達するとプローブ情報(後述する自車情報取得部209が取得する種々の車両1の状態情報)を準備する。サーバ装置5側からプローブ情報出力指示が入力されると準備したプローブ情報をサーバ装置5側に出力する。さらに、予測進路管理部211から入力される車両1の進行状況に関する判定結果(予定した通過時刻と一定時間以上の差がある、あるいは進行予定経路から逸脱しているなど、詳細は後述する)に基づいてプローブ情報をサーバ装置5側に出力する。プローブ情報管理部207はプローブ情報蓄積部208を備えており、サーバ装置5側に送信しなかったプローブ情報を当該プローブ情報蓄積部208に蓄積する。
【0015】
自車情報取得部209は、例えば車両1の車速、位置情報、車線情報、ガソリンの残情報および電池の残情報といった種々の車両1の状態情報を取得し、データ取得時刻(現在時刻)とを履歴として蓄積管理する。走行履歴管理部210は、過去の自車両1の走行履歴を記憶する。
【0016】
予測進路管理部211は、サーバ装置5から提供される時空間の分割情報および予想空間から算出される自車両1がいつ、どの地点を走行するかを予測した時空間予測情報を管理する。時空間予測情報の管理は、目的地までの間に位置する交差点やランドマーク、バス停の前といったドライバーが容易に特定可能な複数の地点への到着時刻または通過時刻を位置情報と時刻で管理することにより行われる。
【0017】
予測合致判定部212は、予測進路管理部211において管理されている時空間予測情報に含まれる進行予定経路と現在時刻や車両1の現在位置が合致しているか計算する。当該計算処理は、上述した複数の特定地点を通過する毎に、あるいは一定時間経過する毎に、予測進路管理部211が管理する位置情報にある時刻と現在時刻との差分を算出し、一定時間以上の差があるか否か判定する。予測進路管理部211は、予測合致判定部212の計算結果を参照し、現在の車両1の進行が進行予定経路から逸脱している場合には、逸脱している旨をプローブ情報管理部207に通知する。
【0018】
次に、実施の形態1による車載情報通信機器の動作について、図3および図4を参照しながら説明する。図3は実施の形態1による車載情報通信機器の経路案内を開始するまでの動作を示すフローチャートであり、図4はプローブ情報(車両情報)を送信する動作を示すフローチャートである。
まず、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
車載情報通信機器2が起動されると(ステップST1)、入力インタフェース部201を介して車両1の現在位置や目的地が入力され(ステップST2)、入力情報は経路案内要求部202に出力される。なお、現在位置は自車情報取得部209が取得した情報を用いてもよい。経路案内要求部202は、通信部203を介してサーバ装置5側に接続要求を出力する(ステップST3)。なお、ステップST3では、接続要求と共に、例えば電話番号の情報、ナンバープレート情報、あるいは車両1の固体番号といった車両1を一意に決定可能な情報を出力する。
【0019】
サーバ装置5側がステップST3の接続要求を認証すると、当該サーバ装置5から入力される認証処理結果を経路案内要求部202が受信する(ステップST4)。さらにステップST2で入力された車両1の現在位置や目的地を示す情報などと共に、経路案内要求をサーバ装置5側に出力する(ステップST5)。経路案内部204は、サーバ装置5側からステップST5の経路案内要求に応じた経路案内情報が入力されると(ステップST6)、当該経路案内情報を地図データ記憶部205に記憶された地図データに重畳させ、表示部206を介して地図表示を行う(ステップST7)。
【0020】
ステップST7の地図表示に基づき車両1の走行が開始されると、ステップST6で入力された経路案内情報に沿った経路案内が開始される(ステップST8)。経路案内部204は、通信部203を介してサーバ装置5側に経路案内が開始された旨を通知すると共に、案内経路を出力する(ステップST9)。
【0021】
次に、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
上述したステップST9の経路案内開始通知に対して、サーバ装置5側から送られる時空間の分割情報、予想空間、およびタイムスロット情報などを、通信部203を介してプローブ情報管理部207および予測進路管理部211が受信する(ステップST11)。プローブ情報管理部207は、ステップST11で受信したタイムスロット情報を参照し、次のタイムスロットに到達するまで待機する(ステップST12)。
【0022】
プローブ情報管理部207は、次のタイムスロットに到達したと判定した場合(ステップST12;YES)、自車情報取得部209から例えば現在位置情報、現在速度、現タイムスロットでの平均速度などで構成されるプローブ情報を取得する(ステップST13)。なお、これらの情報は車載情報通信機器2に付属しているGPS情報や車載情報通信機器2内のネットワーク(不図示)で提供される情報を用いてもよい。また、車載情報通信機器2に付属されていなくてもよく、携帯電話やPND(Personal Navigation Device)といった接続可能なデバイスを経由して獲得する構成としてもよい。このステップST13までの処理でプローブ情報を定期的にサーバ装置5側に送信する準備が整ったことになる。
【0023】
プローブ情報管理部207は、サーバ装置5側からプローブ情報要求指示が入力されているか否か監視を行う(ステップST14)。これは車載情報通信機器2が前触れなく故障したり、停止して電源を切った場合と、経路案内どおり走行している場合とをサーバ装置5側が区別するために、サーバ装置5が優先度を決めて順番に各車載情報通信機器2と通信し、プローブ情報を取得する動作である。プローブ情報管理部207がプローブ情報要求指示が入力されたと判定した場合(ステップST14;YES)、ステップST13で取得したプローブ情報を、通信部203を介してサーバ装置5側に送信し(ステップST17)、ステップST11の処理に戻り次のタイムスロットに到達するまで待機する。
【0024】
一方、所定時間サーバ装置5側からプローブ情報要求指示が入力されない場合(ステップST14;NO)は、予測進路管理部211が予測合致判定部212の計算結果を参照して案内経路から逸脱しているか否か判定を行う(ステップST15)。予測進路管理部211が案内経路から逸脱していると判定した場合(ステップST15;YES)、プローブ情報管理部207がプローブ情報をサーバ装置5側に送信する(ステップST17)。案内経路から逸脱していると判定した場合は、ステップST17の処理によりサーバ装置5側で把握している動作とは異なることを示すと共に、経路案内部204が再度経路探索を行うか、サーバ装置5からプローブ情報とともに再探索結果を送信してもらい、サーバ装置5側の当該車両1の車載情報通信機器2の情報を更新する。
【0025】
予測進路管理部211が案内経路から逸脱していないとした場合(ステップST15;NO)、さらに経路案内の到着予想時刻あるいは通過予想時刻との間にずれがあるか否か判定を行う(ステップST16)。時間にずれがあると判定した場合(ステップST16;YES)、プローブ情報管理部207がプローブ情報をサーバ装置5側に送信する(ステップST17)。到着予想時刻あるいは通過予想時刻との間にずれがある場合には、たとえ経路通りに走行していた場合であってもサーバ装置5側で把握している時空間とは異なる場所に位置していることになるため、サーバ装置5側の情報を更新するために、ステップST17においてプローブ情報を送信する。
【0026】
時間にずれがないと判定した場合(ステップST16;NO)、ステップST13で取得したプローブ情報をプローブ情報蓄積部208に蓄積し(ステップST18)、ステップST12の処理に戻り、次のタイムスロットに到達するまで待機する。
【0027】
これらの構成により、サーバ装置5側は車両1の走行状態を予測し、予測から逸脱していない場合にはプローブ情報の通知を受けることがなく、データ送信量を削減することができる。また、車載情報通信機器2においてサーバ装置5側から入力されるプローブ情報要求指示の送受信が不可能になっている場合を、サーバ装置5側で把握することができ、正確な車両状態を把握することができる。
【0028】
次に、サーバ装置5側の構成について説明する。
図5は、実施の形態1による情報収集システムのサーバ装置5の構成を示すブロック図である。サーバ装置5は、認証部501、経路案内作成部502、情報要求部504を備えた対象車管理部503、要求車抽出部506を備えた対象時空間予測部505、時空間分割部507、データベース509を備えた履歴管理部508、渋滞予測処理部510、通信部511および地図データ記憶部512で構成されている。
サーバ装置5が各車両1の車載情報通信機器2と通信を行う際には、各車載情報通信機器2を一意に特定する必要がある。認証部501は、接続してきた車載情報通信機器2を認証する。認証方法としては、例えば車載情報通信機器2の識別番号と電話番号を関係付けておき、接続してきた携帯電話番号とその際に送られてくる車両1の識別番号から一意に特定するなどの方法が挙げられる。
【0029】
経路案内作成部502は、車載情報通信機器2から送信される現在位置情報と目的位置情報から現状既にあるVICS(登録商標)情報の渋滞情報や、既存のプローブ情報から計算する渋滞予測情報を利用し、地図データ記憶部512に記憶された地図データを参照して最適な経路を算出し、経路案内を作成する。最適な経路とは、例えば複数の経路に対して平均速度および渋滞の通過にかかる時間を加味して最も早く到着する経路である。また、経路案内作成部502は、車載情報通信機器2の経路案内部204で案内経路が既に計算されている場合には、既に計算された案内経路に対して予測される到着時間などを返信し、各車載情報通信機器2側で案内経路を選択するように構成してもよい。
【0030】
対象車管理部503は、接続要求を出力した各車載情報通信機器2の車両1を管理し、各車載情報通信機器2の識別IDから車両1の各時空間上の位置を返答する、あるいは時空間を指定するとその範囲内に位置する車両1のIDを返答する。この対象車管理部503は、例えば既存のデータベース機能を利用して実現可能である。対象時空間予測部505は、対象車管理部503で管理している各車両1が、どの時間にどの位置に存在したかを示す情報、各車両1の進行方向、各車両1の経路案内の情報、平均速度および経路(渋滞情報)から、その後の一定間隔毎のタイムスロットと位置で決定される時空間上のどの位置に各車両1が存在するかを推測する。対象車管理部503で管理している車両1全てについて推測することにより各時空間にどのような車両1がどのような位置関係で存在するかを予測することができる。
【0031】
要求車抽出部506は、対象時空間予測部505で抽出される時空間の中から、プローブ情報取得を要求する特定の車両1を抽出する。この特定の車両1は必要にして最低限の一定の台数を選ぶ。情報要求部504は、要求車抽出部506が抽出した車両1の中から特定の条件を満たす車両1の車載情報通信機器2に対してのみプローブ情報送信要求を出力する。
【0032】
時空間分割部507は、地図データ記憶部に記憶された地図データの領域を、時間すなわち一定の時間ごとのタイムスロットおよび位置関係に基づき決定される特定の空間に分割する。なお、分割方法は、街中と郊外など過去の履歴および現時点での通行量の関係から動的に変更可能とし、車両の通行が多い領域では細かく分割し、車両の通行が少ない領域では大きく分割する。これにより、分割処理の負荷を抑制し、詳細な渋滞などの状況を確実に把握することができる。履歴管理部508は、時空間分割部507において分割された各時空間に対応する過去の履歴をデータベース509に一定期間保有している。渋滞予測処理部510は、対象時空間予測部505が読み込んだプローブ情報に基づいて経路の渋滞予測を行う。通信部511は、車載情報通信機器2の通信部203と通信接続を行い、情報の送受信を行う。
【0033】
次に、実施の形態1によるサーバ装置5の動作について説明する。サーバ装置5は起動されると、認証処理、道路情報把握および予測処理、プローブ情報作成処理およびプローブ情報要求処理の4つの処理が並行して行われる。上述した4つの処理は、1つのサーバ装置5が行う、複数台のサーバ装置5が分かれて行う、あるいは複数の処理を行うサーバ装置5と1つの処理を行うサーバ装置5とを組み合わせて行うなど適宜構成可能である。
上述した4つの処理を図6から図9を参照しながら説明する。図6は実施の形態1によるサーバ装置5の認証処理の動作を示すフローチャートであり、図7は道路情報把握および予測処理の動作を示すフローチャートであり、図8はプローブ情報作成処理の動作を示すフローチャートであり、図9はプローブ情報要求処理の動作を示すフローチャートである。
【0034】
まず、図6を参照しながら、サーバ装置5の認証処理の動作について説明する。
認証部501は、サーバ装置5が起動されると認証要求待ち状態となり(ステップST21)、通信部511を介して車載情報通信機器2から入力された認証要求を受け付けると(ステップST22)、要求後に送信される認証情報を抽出する(ステップST23)。抽出する認証情報は、例えば認証情報送信に用いられた携帯電話の番号および車両IDなどである。認証情報は車載情報通信機器2を特定可能であればどのような情報で構成してもよい。また、認証処理において、電話回線と車載情報通信機器2が必ずしも1対1に対応する必要性もないため、単に車両IDのみを抽出する構成としてもよい。
【0035】
認証部501は、履歴管理部508に登録されたデータベース509を参照し、ステップST22で認証要求を入力した車載情報通信機器2がサーバ装置5に対して初めての接続であるか否か判定を行う(ステップST24)。認証部501が初めての接続であると判定した場合(ステップST24;YES)、ステップST23で抽出した認証情報を関連付けて履歴管理部508のデータベース509に格納する(ステップST25)。その後、フローはステップST21の処理に戻り、車載情報通信機器2からの認証要求の入力待ちとなる。
【0036】
一方、認証部501が初めての接続でないと判定した場合(ステップST24;NO)、ステップST23で取得した認証情報を履歴管理部508に登録されたデータベース509と照合し(ステップST26)、照合結果を通信部511を介して車載情報通信機器2に出力する(ステップST27)。さらに、ステップST26において、認証可能であった場合には、サーバ装置5と車載情報通信機器2の接続を維持し、認証不能であった場合にはサーバ装置5と車載情報通信機器2の接続を切断する(ステップST28)。その後フローチャートはステップST21の処理に戻り、車載情報通信機器2からの認証要求の入力待ちとなる。
【0037】
次に、図7を参照しながら、サーバ装置5の道路情報把握および予測処理の動作について説明する。なお、以下の説明で車両1と記載する場合、車載情報通信機器2を搭載した車両1と読み替えて適用可能であるものとする(図8および図9の説明においても同様)。
サーバ装置5が起動されると、時空間分割部507が空間全体を一定の範囲毎および一定の時間毎に区切った時空間を作成する(ステップST31)。例えば、500m四方の領域と、1分という単位で区切る。また、車両1からの信号の密度の薄い領域では、領域の大きさや区切る時間単位をより大きな範囲とするなど、車両1からの信号密度に応じて区切る領域を決定してもよい。ステップST31で時空間が分割されると、対象時空間予測部505は、次の時空間上のタイムスロットを待つ(ステップST32)。ステップST32においてタイムスロットに到達すると、対象時空間予測部505は一定領域毎にプローブ情報を取得する(ステップST33)。なお、プローブ情報は、サーバ装置5側で算出可能である。もちろん車載情報通信機器2から送信されるプローブ情報を用いてもよい。
【0038】
対象時空間予測部505は、ステップST33で取得したプローブ情報を参照し、対象車管理部503が管理している車両1のうち一定台数以上の車両1の平均速度が一定値以上であるか否か判定を行う(ステップST34)。一定台数以上の車両1の平均速度が一定値以上である場合(ステップST34;YES)、当該一定領域を渋滞していないことを示す通常値に設定する(ステップST35)。
なお、ステップST34の処理は、例えば1台の車両1のみを見るとたまたま停止している可能性もあり、あるいはたまたま走行が遅い車両という可能性もある。また、バスが車両の前に存在するだけでも車両1台でのみを見ると渋滞していると判断する可能性もある。そのため、一定台数以上の車両1の平均速度を用いて判定する。一定台数とは例えば10台という具体的な数字を用いる。
【0039】
一方、一定台数以上の車両1の平均速度が一定値以下である場合(ステップST34;NO)、さらに対象時空間予測部505は一定領域内で引き返す車両1が一定台数以上存在するか判定を行う(ステップST36)。引き返す車両1が一定台数以上存在する場合は、事故や災害が考えられるためである。引き返す車両1が一定台数未満である場合(ステップST36;NO)、事故や災害ではなく渋滞が発生しているとして車両1の到着時刻や通過予想時刻の計算に用いる平均速度を、ステップST33で取得したプローブ情報の例えば平均速度に設定する(ステップST37)。一方、引き換える車両1が一定台数以上である場合(ステップST36;YES)、事故などが発生していると判断してルート探索の対象から一時的に除外する(ステップST38)。
【0040】
ステップST35、ステップST37またはステップST38の処理が行われると、対象時空間予測部505は全ての領域についてプローブ情報を取得し、確認を行ったか否か判定を行う(ステップST39)。全ての領域についてプローブ情報の取得および確認を行っていない場合(ステップST39;NO)、ステップST33の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、全ての領域についてプローブ情報の取得および確認を行った場合(ステップST39;YES)、ステップST32の処理に戻り、次のタイムスロットの到達を待機する。
【0041】
次に、図8を参照しながらプローブ情報作成処理の動作について説明する。
サーバ装置5が起動されると、対象時空間予測部505は、次の時空間上のタイムスロットを待つ(ステップST41)。ステップST41においてタイムスロットに到達すると、対象時空間予測部505は到達したタイムスロットに入るプローブ情報を取得し(ステップST42)、取得したプローブ情報を渋滞予測処理部510に出力する(ステップST43)。
【0042】
次に、要求車抽出部506は、次のタイムスロットで十分な車両1を選択する準備として、現在のタイムスロットで状態が変化した車両1を一定数(例えば、5台など)対象として抽出する(ステップST44)。さらに現在のタイムスロットで状態が変化していない車両1を一定数(例えば、3台など)対象として抽出する(ステップST45)。なお、ステップST44において状態が変化した車両1が一定数まで抽出できなかった場合には、ステップST45において状態が変化していない車両1を追加して抽出するように構成してもよい。
【0043】
さらに、要求車抽出部506は本サーバ装置5に一定時間アクセスしていない車両1を一定数対象として抽出する(ステップST46)。要求車抽出部506は、ステップST44からステップST46で抽出した車両情報を対象車管理部503に出力し(ステップST47)、ステップST41の処理に戻る。なお、ステップST47で抽出した車両1から送信されてくるプローブ情報は次のタイムスロットで用いられる。なお、図8に示したプローブ情報作成処理は、タイムスロットが十分長い場合は、一つのタイムスロット内に閉じて処理を行うように構成してもよい。
【0044】
次に、図9を参照しながらプローブ情報要求処理の動作について説明する。
サーバ装置5が起動されると、対象車管理部503は次の時空間上のタイムスロットを待つ(ステップST51)。ステップST51においてタイムスロットに到達すると、対象車管理部503は上述したステップST47で出力された抽出した車両情報を取得する(ステップST52)。情報要求部504は当該抽出した車両情報に記載された車両1の車載情報通信機器2のプローブ情報管理部207に対して通信部511を介してプローブ情報取得要求を出力する(ステップST53)。なお、ステップST53で実際にプローブ情報取得要求を出力するのは、所定の要件を満たした車両1の車載情報通信機器2に対してのみとなる。例えば、一定期間サーバ装置5にアクセスしていない車載情報通信機器2に対してのみプローブ情報取得要求を出力する。
【0045】
次に、対象車管理部503は、車載情報通信機器2からプローブ情報が提供されるのを所定時間待機する(ステップST54)。なお、各車載情報通信機器2は自車位置情報取得部35を備えていることから、時刻の同期を正確に行うことができる。対象車管理部503はステップST54で所定時間待機している間に提供されたプローブ情報を参照し、指定した車両1の車載情報通信機器2から提供されたプローブ情報を抽出する(ステップST55)。
【0046】
なお、ステップST54で所定時間待機している間に、指定した車両1の車載情報通信機器2からプローブ情報が提供されなかった場合には、当該車両1は停止したものと判断してもよい。また、当該車両1が通信状態の悪い地点を走行していることがあらかじめ分かっている場合には、次回処理において、プローブ情報を取得すべき車両1であると抽出し、次回のプローブ情報要求処理に対しても応答がない場合には、当該車両1は停止しているものと判断してもよい。
【0047】
対象車管理部503は、ステップST54で所定時間待機している間にプローブ情報が提供されなかった車両1を状態不変の車両として抽出して記憶する(ステップST56)。逆にステップST54で所定時間待機している間にプローブ情報を提供した車両1を状態変更車両として抽出し、要求車抽出部506に出力する(ステップST57)。その後フローチャートはステップST51の処理に戻る。
【0048】
なお、上述した説明では、車載情報通信機器2において経路案内を行っている車両1を対象に説明したが、車載情報通信機器2において経路案内を行っていない場合も考えられる。車載情報通信機器2において経路案内を行っていない場合、進行予定経路や当該進行予定経路からの逸脱との概念が存在しないため、プローブ情報管理部207がサーバ装置5に対して常時プローブ情報を提供する必要がある。そこで、以下では、車載情報通信機器2において経路案内を行っていない車両1を対象とし、プローブ情報提供処理の処理負荷を抑制する構成を示す。
【0049】
図10は、実施の形態1による車載情報通信機器において経路案内を行っていない場合のプローブ情報提供の処理動作を示すフローチャートである。
車両1の走行が開始されると(ステップST61)、車載情報通信機器2の走行履歴管理部210は過去の走行履歴を参照し、自車両1の過去の走行履歴が存在するか否か判定を行う(ステップST62)。自車両1の過去の走行履歴が存在する場合(ステップST62;YES)、走行履歴管理部210は自車両1の過去の走行履歴を読み出す(ステップST63)。自車情報取得部209は、車両1の現在位置および進行方向、ステップST63で走行履歴管理部210が読み出した過去の走行履歴に基づいて自車両1が通行する可能性の最も高い経路を抽出し(ステップST64)、当該抽出した経路を自車両1の予測経路とし、当該予測経路をプローブ情報管理部207および通信部203を介してサーバ装置5側に出力し(ステップST65)、処理を終了する。
【0050】
一方、自車両1の過去の走行履歴が存在しない場合(ステップST62;NO)、自車情報取得部209は、車両1の現在位置および進行方向に基づき、さらに優等道路の優先あるいは直線道路の優先などを考慮して車両1が走行する経路を予測した予測経路を抽出し、プローブ情報管理部207に出力する(ステップST66)。プローブ情報管理部207は、ステップST66で入力された予測経路を通信部203を介してサーバ装置5側に出力し(ステップST67)、処理を終了する。このように、予測経路をサーバ装置5側に出力することにより、確率的にプローブ情報をサーバ装置5側に送信する処理負荷を抑制することができる。
【0051】
以上のように、この実施の形態1によれば、サーバ装置5が、空間全体を一定の範囲および時間毎に区切った時空間を作成する時空間分割部507と、各時空間毎に車両の存在位置を予測する対象時空間予測部505とを備え、車載情報通信機器2が、対象時空間予測部が作成した時空間予測情報を管理する予測進路管理部211と、予測された予測進路から逸脱したか計算を行う予測合致判定部212とを備え、予測進路から逸脱した場合やサーバ装置5から要求が入力された場合以外はプローブ情報をサーバ装置5側に送信しないように構成したので、プローブ情報の送信量を削減した情報収集システムを実現することができる。
【0052】
また、この実施の形態1によれば、プローブ情報提供を要求する特定の車両の車載情報通信機器2を抽出する要求車抽出部506と、抽出した車両から特定の条件を満たす車両の車載情報通信機器2にプローブ情報送信要求を出力する情報要求部504とを備えるように構成したので、サーバ装置5側で指定した車載情報通信機器2のうち、情報の送受信が行えない車載情報通信機器2を把握することができ、車両の状態を正確に把握することができる。
【0053】
また、この実施の形態1によれば、車載情報通信機器2において経路案内を行っていない場合にも、自車両の過去の送信履歴を読み出す走行履歴管理部210と、読み出した過去の走行履歴に基づいて自車両が通行する可能性の最も高い経路を抽出して自車両の予測経路とする自車両情報取得部209とを備えるように構成したので、経路案内を行っていない場合であっても、車載情報通信機器2側で過去の走行履歴に基づいた予測経路から逸脱したか判断することができ、常時プローブ情報を送信する場合と比較して送信量を削減することができる。
【0054】
また、この実施の形態1によれば、車載情報通信機器2において経路案内を行っていない場合、且つ過去の走行履歴が存在しない場合であっても、道路の優先を考慮して予測経路を作成し、当該予測経路から逸脱したか判断するように構成したので、プローブ情報の送信量を削減することができる。
【0055】
また、この実施の形態1によれば、時空間分割部507が通行量あるいは車両から出力される信号密度に応じて分割する時空間の領域を設定するように構成したので、分割処理の負荷を抑制し、詳細な渋滞などの状況を確実に把握することができる。
【0056】
なお、本願発明の範囲内において、実施の形態を適宜変更、省略等することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 車両、2 車載情報通信機器、3 広域/近距離無線、4 携帯電話網、5 サーバ装置、6 データ蓄積装置、201 入力インタフェース部、202 経路案内要求部、203 通信部、204 経路案内部、205,512 地図データ記憶部、206 表示部、207 プローブ情報管理部、208 プローブ情報蓄積部、209 自車情報取得部、210 走行履歴管理部、211 予測進路管理部、212 予測合致判定部、501 認証部、502 経路案内作成部、503 対象車管理部、504 情報要求部、505 対象時空間予測部、506 要求車抽出部、507 時空間分割部、508 履歴管理部、509 データベース、510 渋滞予測処理部、511 通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車両情報を提供する車載情報通信装置と、前記車載情報通信機器から提供された車両情報に基づいて、前記車両に対する走行支援情報を作成して提供するサーバ装置とを備えた情報収集システムにおいて、
前記車載情報通信装置は、
地図情報を記憶する第1地図情報記憶部と、
少なくとも前記車両の自車位置情報および現在時刻を含む前記車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部が取得した前記車両の自車位置情報に基づいて、設定された目的地までの経路案内情報の作成を前記サーバ装置に要求する経路案内要求部と、
前記経路案内要求部の要求に対して前記サーバ装置から提供された経路案内情報および前記第1地図情報記憶部に記憶された地図情報を用いて、前記目的地までの経路案内を行う経路案内部と、
前記サーバ装置から提供される前記車両の走行予定進路を管理する予測進路管理部と、
前記車両が前記走行予定進路から逸脱して走行しているか否か判定する予測合致判定部と、
前記予測合致判定部が前記車両が前記走行予定進路から逸脱して走行していると判定した場合に、前記車両情報取得部が取得した車両情報を前記サーバ装置に出力する情報提供部とを備え、
前記サーバ装置は、
前記車載情報通信装置の認証を行う認証部と、
地図情報を記憶する第2地図情報記憶部と、
前記経路案内要求部から前記経路案内情報の作成要求が入力されると、前記第2地図情報記憶部に記憶された地図情報および前記車両の自車位置情報に基づいて、前記設定された目的地までの経路案内情報を作成する経路案内作成部と、
前記地図情報の領域を時間および位置関係に基づいて決定される領域に分割する時空間分割部と、
前記車両が、前記時空間分割部において分割された領域の所定の位置にいつ存在するかを予測した前記走行予定進路を作成する対象時空間予測部と、
前記時空間に位置する車両を管理する対象車管理部と、
前記対象車管理部が管理する車両の車両情報提供履歴を管理する履歴管理部と、
前記履歴管理部が管理する過去の車両情報提供履歴を参照し、車両情報の提供を要求する車両を抽出する要求車抽出部と、
前記要求車抽出部が抽出した車両の前記情報提供部に車両情報の提供を要求する情報要求部とを備えたことを特徴とする情報収集システム。
【請求項2】
車両の車両情報を提供する車載情報通信装置と、前記車載情報通信機器から提供された車両情報に基づいて、前記車両に対する走行支援情報を作成して提供するサーバ装置とを備えた情報収集システムにおいて、
前記車載情報通信装置は、
地図情報を記憶する第1地図情報記憶部と、
少なくとも前記車両の自車位置情報および現在時刻を含む前記車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両の過去の走行履歴を記憶する走行履歴管理部と、
前記走行履歴管理部が記憶する走行履歴から前記車両が走行する経路を予測し、当該予測した経路における前記サーバ装置から提供される前記車両の走行予定進路を管理する予測進路管理部と、
前記車両が前記走行予定進路から逸脱して走行しているか否か判定する予測合致判定部と、
前記予測合致判定部が前記車両が前記走行予定進路から逸脱して走行していると判定した場合に、前記車両情報取得部が取得した車両情報を前記サーバ装置に出力する情報提供部とを備え、
前記サーバ装置は、
前記車載情報通信装置の認証を行う認証部と、
地図情報を記憶する第2地図情報記憶部と、
前記地図情報の領域を時間および位置関係に基づいて決定される領域に分割する時空間分割部と、
前記予測進路管理部が予測した経路において、前記車両が前記時空間分割部において分割された領域の所定の位置にいつ存在するかを予測した前記走行予定進路を作成する対象時空間予測部と、
前記時空間に位置する車両を管理する対象車管理部と、
前記対象車管理部が管理する車両の車両情報提供履歴を管理する履歴管理部と、
前記履歴管理部が管理する過去の車両情報提供履歴を参照し、車両情報の提供を要求する車両を抽出する要求車抽出部と、
前記要求車抽出部が抽出した車両の前記情報提供部に車両情報の提供を要求する情報要求部とを備えたことを特徴とする情報収集システム。
【請求項3】
前記予測進路管理部は、前記車両の目的地までの経路上に位置する複数の特定地点と、当該特定地点への到着予定時刻または特定地点の通過予定時刻とを合わせて、前記走行予定進路として管理することを特徴とする請求項1記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記予測進路管理部は、前記走行履歴管理部が記憶する走行履歴の中で最も走行回数の多い経路を前記車両が走行する経路と予測し、前記車両の目的地までの前記予測した経路上に位置する複数の特定地点と、当該特定地点への到着予定時刻または特定地点の通過予定時刻とを合せて走行予定進路として管理することを特徴とする請求項2記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記予測進路管理部は、前記走行履歴管理部に走行履歴が記憶されていていない場合に、優等道路を優先して前記車両が走行する経路と予測し、前記車両の目的地までの前記予測した経路上に位置する複数の特定地点と、当該特定地点への到着予定時刻または特定地点の通過予定時刻とを合せて走行予定進路として管理することを特徴とする請求項2記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記予測進路管理部は、前記走行履歴管理部に走行履歴が記憶されていていない場合に、直線道路を優先して前記車両が走行する経路と予測し、前記車両の目的地までの前記予測した経路上に位置する複数の特定地点と、当該特定地点への到着予定時刻または通過予定時刻とを合せて走行予定進路として管理することを特徴とする請求項2または請求項5記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記複数の特定地点は、容易に認識可能な地点に設定することを特徴とする請求項3から請求項6のうちのいずれか1項記載の情報収集システム。
【請求項8】
前記予測合致判定部は、前記車両が前記特定地点に到着または通過した際の時刻と、前記特定地点への到着予定時刻または特定地点の通過予定時刻との差分を算出し、当該差分が予め設定された閾値以上である場合に、前記車両が前記走行予定進路から逸脱して走行していると判定することを特徴とする請求項3から請求項7のうちのいずれか1項記載の情報収集システム。
【請求項9】
前記予測合致判定部は、一定時間間隔で、前記車両の自車位置および現在時刻と、当該自車位置における前記走行予定進路での到着時刻または通貨予定時刻との差分を算出し、当該差分が予め設定された閾値以上である場合に、前記車両が前記走行予定進路から逸脱して走行していると判定することを特徴とする請求項3から請求項7のうちのいずれか1項記載の情報収集システム。
【請求項10】
前記情報提供部は、前記情報要求部から前記車両情報の提供の要求を受けた場合、または前記予測合致判定部が前記差分が予め設定された閾値以上であると判定した場合に、前記車両情報を前記サーバ装置に出力することを特徴とする請求項8または請求項9記載の情報収集システム。
【請求項11】
前記認証部は、前記車載情報通信装置を一意に特定可能な情報に基づいて前記照合を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報収集システム。
【請求項12】
前記サーバ装置は、
前記情報提供部が提供した前記車両の車両情報から渋滞情報を作成する渋滞予測処理部と、
前記対象時空間予測部は、前記渋滞予測処理部が作成した渋滞情報および前記車両の平均速度に基づいて、前記車両の走行予定進路を作成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報収集システム。
【請求項13】
前記時空間分割部は、通行量に応じて分割する時空間の領域を設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報収集システム。
【請求項14】
前記要求車抽出部は、前記履歴管理部が管理する情報提供履歴を参照し、所定時間以上車両情報の提供を受けていない車両を、車両情報を要求する車両として抽出することを特徴とする特徴とする請求項1または請求項2記載の情報収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−221302(P2012−221302A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87445(P2011−87445)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】