情報収集方法および情報収集プログラム
【課題】通信資源を効率的に使用すること。
【解決手段】情報収集装置101は、移動体103に搭載された移動通信装置102からプローブ情報120を受信する。プローブ情報120は、移動通信装置102の位置情報と移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含む情報である。情報収集装置101は、受信したプローブ情報120に含まれる移動通信装置102の位置情報に基づいて、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在するか否かを判定する。情報収集装置101は、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在する場合、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求130を移動通信装置102に送信する。
【解決手段】情報収集装置101は、移動体103に搭載された移動通信装置102からプローブ情報120を受信する。プローブ情報120は、移動通信装置102の位置情報と移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含む情報である。情報収集装置101は、受信したプローブ情報120に含まれる移動通信装置102の位置情報に基づいて、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在するか否かを判定する。情報収集装置101は、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在する場合、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求130を移動通信装置102に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を収集する情報収集方法および情報収集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各地に点在する車両や携帯電話端末などの移動体から様々な情報を収集して、各種サービスに活用する技術(いわゆる、「プローブ技術」)がある。例えば、走行中の車両から、車両の速度、位置、ワイパーの稼働状況などの情報を収集して、渋滞情報や天候情報などのサービスに活用するものがある。
【0003】
関連する先行技術としては、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星から信号が発信されてから受信機によって受信されるまでの遅延時間に基づいて、大気中に存在する水蒸気量を算出する技術がある。また、移動局の周辺に位置する固定局で求めた天頂大気遅延量から移動局地点での天頂大気遅延量を推定して、移動局地点での可降水量を導出する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−10460号公報
【特許文献2】特開2007−85755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、移動体から収集された情報群の中には利用されない情報が多く含まれていることがあり、無駄に多くの通信資源を使用してしまう場合があるという問題があった。例えば、ある地域に移動体が密集している場合、移動体から収集された情報は、その内容が他の移動体から収集された情報と類似していることが多いため利用されない場合が多い。
【0006】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、通信資源を効率的に使用することができる情報収集方法および情報収集プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する情報収集方法および情報収集プログラムが提案される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、通信資源を効率的に使用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態にかかる情報収集方法の一実施例を示す説明図(その1)である。
【図2】図2は、実施の形態にかかる情報収集方法の一実施例を示す説明図(その2)である。
【図3】図3は、実施の形態にかかる情報収集システム300のシステム構成例を示す説明図である。
【図4】図4は、実施の形態にかかる情報収集装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図6】図6は、プローブ情報DB110の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、車両DB700の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図8】図8は、エリアテーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、第1のプローブ情報の具体例を示す説明図である。
【図10】図10は、第2のプローブ情報の具体例を示す説明図である。
【図11】図11は、実施の形態にかかる情報収集装置101の機能的構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、水蒸気量リスト1200の具体例を示す説明図である。
【図13】図13は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの機能的構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、実施の形態にかかる情報収集装置101の情報収集処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図15】図15は、実施の形態にかかる情報収集装置101の情報収集処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図16】図16は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの情報提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報収集方法および情報収集プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(情報収集方法の一実施例)
図1および図2は、実施の形態にかかる情報収集方法の一実施例を示す説明図である。図1において、情報収集装置101は、プローブ情報DB(データベース)110を備え、各地に点在する移動通信装置102からプローブ情報を収集するコンピュータである。
【0012】
プローブ情報DB110は、複数の移動通信装置102から収集したプローブ情報を記憶する。プローブ情報とは、例えば、移動通信装置102の位置情報と、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含む情報である。なお、プローブ情報DB110の記憶内容については、図6を用いて後述する。
【0013】
移動通信装置102は、自装置の位置情報を取得する機能を有する。また、移動通信装置102は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報を取得する機能を有する。また、移動通信装置102は、自装置の位置情報と、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含むプローブ情報を情報収集装置101に送信する機能を有する。移動通信装置102は、例えば、車両に搭載されたナビゲーション装置や、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などである。
【0014】
ここで、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とは、例えば、移動通信装置102の周囲の気温、気圧、水蒸気量などを特徴付ける情報である。また、環境情報として、移動通信装置102の周囲の交通状況を特徴付ける車両(例えば、移動体103)の速度、ブレーキの使用状況、ワイパーの稼働状況、撮影画像などを示す情報を含むことにしてもよい。
【0015】
以下、情報収集装置101が実行する情報収集方法の一実施例について説明する。
【0016】
(1−1)情報収集装置101は、移動体103に搭載された移動通信装置102からプローブ情報120を受信する。ここで、プローブ情報120は、移動通信装置102の位置情報と移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含む情報である。
【0017】
(1−2)情報収集装置101は、受信したプローブ情報120に含まれる移動通信装置102の位置情報、時刻情報、車輌識別子情報と移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを関連付けてプローブ情報DB110に登録する。
【0018】
(1−3)情報収集装置101は、受信したプローブ情報120に含まれる移動通信装置102の位置情報に基づいて、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在するか否かを判定する。特定のエリアAは、予め規定された所定範囲の領域である。特定のエリアAは、例えば、車両や人などの移動体が密集する幹線道路、繁華街などを含む領域である。
【0019】
(1−4)情報収集装置101は、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在する場合、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求130を移動通信装置102に送信する。この結果、移動通信装置102は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を一時的に停止する。
【0020】
これにより、特定のエリアAにおける移動通信装置102から情報収集装置101への環境情報の送信を一時的に停止させることができる。
【0021】
(2−1)情報収集装置101は、移動通信装置102に停止要求130を送信した後、移動通信装置102からプローブ情報140を受信する。ここで、プローブ情報140は、移動通信装置102の位置情報を含む情報である。ただし、プローブ情報140は、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない。
【0022】
(2−2)情報収集装置101は、受信したプローブ情報140に含まれる移動通信装置102の位置情報に基づいて、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在するか否かを判定する。
【0023】
(2−3)情報収集装置101は、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在する場合、プローブ情報DB110に記憶されている特定のエリアA内で収集された環境情報のうち、他の移動通信装置から受信した情報も含め、最新の環境情報が取得されてから所定時間Tが経過しているか否かを判定する。
【0024】
(2−4)情報収集装置101は、所定時間Tが経過している場合、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求150を移動通信装置102に送信する。すなわち、所定時間T以上、移動通信装置102から環境情報を受信していない場合、情報収集装置101が移動通信装置102に環境情報の送信を要求する。移動通信装置102は、直前に送信したプローブ情報と同じタイミングで取得していた環境情報を送信し、その後のプローブ情報送信の際に、環境情報を含んだプローブ情報を送信するようになる。
【0025】
これにより、特定のエリアA内において、移動通信装置102から情報収集装置101への環境情報の送信が所定時間T以上行われていない場合、移動通信装置102から情報収集装置101への環境情報の送信を再開させることができる。
【0026】
このように、情報収集装置101によれば、特定のエリアAを進行している移動通信装置102からの環境情報の収集を一時的に制限することができる。これにより、例えば、特定のエリアAを、移動通信装置102が密集する地域や、一時的に環境情報の収集対象外となる地域に設定することで、利用されない環境情報の収集にかかる無駄な通信資源の使用を抑制することができる。
【0027】
(情報収集システム300のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかる情報収集システム300について説明する。ここでは一例として、情報収集装置101を、移動通信装置102の周囲の水蒸気量を特徴付ける環境情報を収集する情報収集システム300に適用した場合について説明する。
【0028】
図3は、実施の形態にかかる情報収集システム300のシステム構成例を示す説明図である。図3において、情報収集システム300は、情報収集装置101と、移動通信装置102−1〜102−mと、を含む構成である。情報収集装置101および移動通信装置102−1〜102−mは、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワーク210を介して接続されている。
【0029】
情報収集システム300において、各移動通信装置102−1〜102−mは、それぞれ異なる車両103−1〜103−mに搭載されている。移動通信装置102−1〜102−mは、後述するGPSユニット511により、自装置の位置情報を取得する機能を有する。また、移動通信装置102−1〜102−mは、GPS信号の遅延量を取得する機能を有する。
【0030】
ここで、GPS信号の遅延量とは、GPS衛星から発信されるGPS信号の遅延時間を表す指標値である。GPS衛星から発信されたGPS信号が大気中を通過して移動通信装置102−1〜102−mに届くまでの時間は、大気中の水蒸気によって遅延する。すなわち、GPS信号の遅延量は、GPS信号と移動体通信装置102−1〜102−mの間にある大気の水蒸気量を特徴付ける情報となる。遅延量の単位は[m:メートル]であり、遅延時間とGPS信号伝搬速度の積で算出される。
【0031】
以下の説明では、移動通信装置102−1〜102−mのうち任意の移動通信装置を「移動通信装置102−j」と表記する(j=1,2,…,m)。
【0032】
(情報収集装置101のハードウェア構成例)
図4は、実施の形態にかかる情報収集装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、情報収集装置101は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read‐Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、ディスプレイ408と、I/F(Interface)409と、キーボード410と、マウス411と、スキャナ412と、プリンタ413と、を有している。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続されている。
【0033】
ここで、CPU401は、情報収集装置101の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記憶する。また、ノード(交差点)とリンク(交差点間をつなぐ道路)で表現された地図データなどがROM402またはRAM403または磁気ディスク405に格納されている。
【0034】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク407に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0035】
ディスプレイ408は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ408は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0036】
I/F409は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F409は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F409には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0037】
キーボード410は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、キーボード410は、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス411は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0038】
スキャナ412は、画像を光学的に読み取り、情報収集装置101内に画像データを取り込む。なお、スキャナ412は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ413は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ413には、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0039】
なお、情報収集装置101は、光ディスクドライブ406、光ディスク407、ディスプレイ408、キーボード410、マウス411、スキャナ412およびプリンタ413等を備えないことにしてもよい。
【0040】
(移動通信装置102−jのハードウェア構成例)
図5は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jのハードウェア構成例を示すブロック図である。図5において、移動通信装置102−jは、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、ディスプレイ508と、I/F509と、入力デバイス510と、GPSユニット511と、各種センサ512と、を有している。また、各構成部はバス500によってそれぞれ接続されている。
【0041】
ここで、CPU501は、移動通信装置102−jの全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを記憶する。また、ノード(交差点)とリンク(交差点間をつなぐ道路)で表現された地図データなどがROM502またはRAM503または磁気ディスク505に格納されている。
【0042】
光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク507に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0043】
ディスプレイ508は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ508は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0044】
I/F509は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F509は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。入力デバイス510は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、入力デバイス510はタッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
【0045】
GPSユニット511は、GPS衛星からの電波(GPS信号)を受信し、車両(移動通信装置102−j)の位置を示す位置情報を出力する。車両の位置情報は、例えば、緯度・経度、高度などの地球上の1点を特定する情報である。なお、車両の位置情報は、各種センサ512の出力値を用いて補正されることにしてもよい。
【0046】
各種センサ512は、気温、気圧などの車両の周囲の環境を特徴付ける情報を出力する。また、各種センサ512は、車両の位置や挙動を判断する情報を出力する。各種センサ512の出力値は、CPU501による移動通信装置102−jの現在位置の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0047】
また、各種センサ512は、例えば、ドライバーによる車両の各操作を検知するセンサなどを含むことにしてもよい。具体的には、例えば、各種センサ512は、ワイパーのON/OFF、ハンドル操作、ウインカーの入力、車両のドアの開閉、車両のエンジンのON/OFFなどを検知することにしてもよい。
【0048】
(各種DB等110,600,700の記憶内容)
つぎに、情報収集装置101が用いる各種DB等110,600,700の記憶内容について説明する。各種DB等110,600,700は、例えば、図4に示した情報収集装置101のROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置により実現される。
【0049】
<プローブ情報DB110の記憶内容>
図6は、プローブ情報DB110の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、プローブ情報DB110は、時刻、車両ID、緯度/経度、エリアID、遅延量および水蒸気量のフィールドを有する。各フィールドの情報を設定することで、プローブ情報600−1〜600−Kがレコードとして記憶されている。
【0050】
ここで、時刻は、移動通信装置102−jの位置情報が取得された時刻である(単位:年/月/日 時:分:秒)。車両IDは、移動通信装置102−jが搭載された車両の識別子である。緯度/経度は、移動通信装置102−jの位置情報である(単位:度.分)。移動通信装置102−jの位置情報は、移動通信装置102−jが搭載された車両の位置を示している。
【0051】
エリアIDは、車両が存在する密集エリアの識別子である。密集エリアとは、車両(移動通信装置102−j)が密集する領域であり、例えば、幹線道路、繁華街などを含む領域である。遅延量は、GPS衛星から発信されたGPS信号の遅延量である(単位:[m])。水蒸気量は、1[m3]当たりに含まれる水蒸気の質量である(単位:[g/m3])。
【0052】
プローブ情報600−1を例に挙げると、時刻「2010/02/14 12:00:00」に取得された、車両V1に搭載された移動通信装置102−jの位置を示す緯度/経度「35.69/139.69」が示されている。また、プローブ情報600−1には、車両V1が存在するエリアのエリアID「A1」、移動通信装置102−jの位置情報の算出に利用されたGPS信号の遅延量「2」およびGPS信号の遅延量から算出された水蒸気量「1」が示されている。
【0053】
以下の説明では、プローブ情報600−1〜600−Kのうち任意のプローブ情報を「プローブ情報600−k」と表記する(k=1,2,…,K)。
【0054】
<車両DB700の記憶内容>
図7は、車両DB700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、車両DB700は、車両ID、アドレス、車番および車種のフィールドを有する。各フィールドの情報を設定することで、車両情報(例えば、700−1,700−2)がレコードとして記憶されている。
【0055】
ここで、車両IDは、移動通信装置102−jが搭載された車両の識別子である。アドレスは、車両に搭載された移動通信装置102−jのアドレスである。アドレスとして、例えば、移動通信装置102−jのIP(Internet Protocol)アドレスを用いることができる。車番は、車両の車両番号である。車種は、車両の種類である。
【0056】
車両情報700−1を例に挙げると、車両V1のアドレス「10.10.xx.10」、車番「11−xx−123」および車種「○○」が示されている。
【0057】
<エリアテーブル800の記憶内容>
図8は、エリアテーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、エリアテーブル800は、エリアID、緯度1/経度1、緯度2/経度2、曜日および時間帯のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、エリアA1〜Anのエリア情報800−1〜800−nがレコードとして記憶されている。
【0058】
エリアIDは、密集エリアの識別子である。緯度1/経度1および緯度2/経度2は、密集エリアを矩形により表現した際の対角頂点の緯度/経度である。緯度1/経度1および緯度2/経度2によれば、密集エリアを表す地球上の領域を特定することができる。
【0059】
曜日は、密集エリアにおいて車両(移動通信装置102−j)が密集する曜日である。時間帯は、密集エリアにおいて車両(移動通信装置102−j)が密集する時間帯である。なお、車両が密集する密集エリア、曜日、時間帯は、移動通信装置102−jから収集された過去のプローブ情報をもとに推定されたものである。
【0060】
エリア情報800−1を例に挙げると、密集エリアA1の緯度1/経度1「35.50/139.50」、緯度2/経度2「36.00/140.00」、曜日「月−金」および時間帯「08:00−10:00」が示されている。なお、「月−金」は、月曜日から金曜日までのすべての曜日を表している。また、「08:00−10:00」は、8時から10時までの時間帯を表している。
【0061】
上述した密集エリアの大きさは、例えば、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の空間分解能に基づいて設定される。以下、観測対象となる気象現象に応じた密集エリアの大きさの設定例について説明する。
【0062】
例えば、観測対象となる気象現象が局地的豪雨(ゲリラ豪雨)の場合、局地的豪雨の水平スケールは10km四方程度の領域となり、要求される水蒸気量の空間分解能は1km程度となる。この場合、密集エリアの大きさは、例えば、1辺の長さが1kmの正方形として設定される。
【0063】
例えば、観測対象となる気象現象が対流性豪雨(集中豪雨)の場合、対流性豪雨の水平スケールは10〜数10km四方程度の領域となり、要求される水蒸気量の空間分解能は2.5km程度となる。この場合、密集エリアの大きさは、例えば、1辺の長さが2.5kmの正方形として設定される。
【0064】
例えば、観測対象となる気象現象が寒冷前線の場合、寒冷前線の水平スケールは200〜500km程度の領域となり、要求される水蒸気量の空間分解能は20km程度となる。この場合、密集エリアの大きさは、例えば、1辺の長さが20kmの正方形として設定される。
【0065】
以下の説明では、密集エリアA1〜Anのうち任意の密集エリアを「密集エリアAi」と表記する(i=1,2,…,n)。
【0066】
(プローブ情報の具体例)
つぎに、移動通信装置102−jから情報収集装置101に送信されるプローブ情報の具体例について説明する。ここでは、車両V1に搭載されている移動通信装置102−1から情報収集装置101に送信されるプローブ情報を例に挙げて説明する。
【0067】
図9は、第1のプローブ情報の具体例を示す説明図である。図9において、第1のプローブ情報900は、時刻、車両ID、緯度/経度および遅延量に関する情報を有する。
【0068】
ここで、時刻は、移動通信装置102−jの位置情報が取得された時刻である。車両IDは、移動通信装置102−jが搭載された車両の識別子である。緯度/経度は、移動通信装置102の位置情報である。遅延量は、GPS衛星から発信されたGPS信号の遅延量である。
【0069】
具体的には、第1のプローブ情報900は、時刻「2010/02/14 12:00:00」、車両ID「V1」、緯度/経度「35.69/139.69」および遅延量「2」を示している。第1のプローブ情報900によれば、車両V1に搭載されている移動通信装置102−1の位置情報、該位置情報の取得時刻および該位置情報の算出に利用されたGPS信号の遅延量を特定することができる。
【0070】
図10は、第2のプローブ情報の具体例を示す説明図である。図10において、第2のプローブ情報1000は、時刻、車両IDおよび緯度/経度に関する情報を有する。
【0071】
ここで、時刻は、移動通信装置102−jの位置情報が取得された時刻である。車両IDは、移動通信装置102−jが搭載された車両の識別子である。緯度/経度は、移動通信装置102の位置情報である。
【0072】
具体的には、第2のプローブ情報1000は、時刻「2010/02/14 12:00:10」、車両ID「V1」および緯度/経度「35.69/139.69」を示している。第2のプローブ情報1000によれば、車両V1に搭載されている移動通信装置102−1の位置情報および該位置情報の取得時刻を特定することができる。
【0073】
(情報収集装置101の機能的構成例)
つぎに、情報収集装置101の機能的構成例について説明する。図11は、実施の形態にかかる情報収集装置101の機能的構成を示すブロック図である。図11において、情報収集装置101は、受信部1101と、登録部1102と、第1の判定部1103と、送信部1104と、第2の判定部1105と、算出部1106と、出力部1107と、を含む構成である。この制御部となる機能(受信部1101〜出力部1107)は、具体的には、例えば、図4に示したROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、I/F409により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶される。
【0074】
受信部1101は、第1のプローブ情報を移動通信装置102−jから受信する機能を有する。ここで、第1のプローブ情報とは、移動通信装置102−jの位置情報、時刻情報、車輌識別子と移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含むプローブ情報である。具体的には、例えば、受信部1101が、ネットワーク210を介して、図9に示した第1のプローブ情報900を移動通信装置102−1から受信する。
【0075】
登録部1102は、受信された第1のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報、時刻情報、車輌識別子と、移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報とを関連付けて記憶装置に記憶する機能を有する。
【0076】
具体的には、例えば、登録部1102が、第1のプローブ情報に含まれている各種情報(時刻、車両ID、緯度/経度、遅延量)をプローブ情報DB110内の各フィールドに設定する。この結果、受信された第1のプローブ情報に関するプローブ情報600−kが新たなレコードとしてプローブ情報DB110に記憶される。
【0077】
なお、この時点では、プローブ情報600−kのエリアIDフィールドおよび水蒸気量フィールドは、情報が設定されていない未設定の状態である。また、ここでは第1のプローブ情報に含まれている時刻(位置情報の取得時刻)をプローブ情報DB110の時刻フィールドに設定することにしたが、第1のプローブ情報が受信された時刻を設定することにしてもよい。
【0078】
第1の判定部1103は、受信された第1のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する機能を有する。具体的には、例えば、第1の判定部1103が、図8に示したエリアテーブル800を参照して、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する。
【0079】
より具体的には、例えば、第1の判定部1103が、下記式(1)および(2)を用いて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定することができる。ただし、緯度x/緯度yは、移動通信装置102−jの位置情報を示す緯度/経度である。緯度1/経度1および緯度2/経度2は、密集エリアAiの対角頂点の緯度/経度である。
【0080】
緯度1≦緯度x≦緯度2 ・・・(1)
経度1≦経度y≦経度2 ・・・(2)
【0081】
第1の判定部1103は、第1のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの緯度x/経度yを上記式(1)および(2)に代入する。さらに、第1の判定部1103は、密集エリアAiの緯度1/経度1および緯度2/経度2を上記式(1)および(2)に代入する。この結果、上記式(1)および(2)を満たす場合、第1の判定部1103は、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在すると判定する。
【0082】
ここで、図9に示した第1のプローブ情報900を例に挙げて、移動通信装置102−1が密集エリアA1内に存在するか否かを判定する場合について説明する。移動通信装置102−1の緯度x/経度yは、「35.69/139.69」である。また、密集エリアA1の緯度1/経度1および緯度2/経度2は、「35.50/139.50」および「36.00/140.00」である。
【0083】
また、移動通信装置102−1の緯度x/経度yと、密集エリアA1の緯度1/経度1および緯度2/経度2を上記式(1)および(2)に代入した代入結果は、下記(a)、(b)の通りである。この場合、上記式(1)および(2)を満たすため、第1の判定部1103は、移動通信装置102−1が密集エリアA1内に存在すると判定する。
【0084】
(a)緯度1「35.50」≦緯度x「35.69」≦緯度2「36.00」
(b)経度1「139.50」≦経度y「139.69」≦経度2「140.00」
【0085】
上記第1の判定部1103は、エリアテーブル800内の密集エリアA1〜Anの中からいずれかの密集エリアAiを順次選択して、上記式(1)および(2)を用いた判定処理を行う。これにより、移動通信装置102−jが存在する密集エリアAi、あるいは、移動通信装置102−jが密集エリアA1〜Anのいずれの密集エリアAiにも存在しないことを判断することができる。
【0086】
また、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在すると判定された場合、プローブ情報DB110内の該当するプローブ情報のエリアIDフィールドに、密集エリアAiのエリアIDが設定される。
【0087】
また、第1の判定部1103は、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在するか否かを判定することにしてもよい。ここで、特定の時期とは、例えば、密集エリアAiに移動通信装置102−jが密集する月、日、曜日、時間帯などである。
【0088】
具体的には、例えば、まず、移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在する場合、第1の判定部1103が、エリアテーブル800を参照して、密集エリアAiに対応する曜日および時間帯を特定する。この曜日は、密集エリアAiにおいて車両が密集する曜日である。この時間帯は、密集エリアAiにおいて車両が密集する時間帯である。
【0089】
つぎに、第1の判定部1103が、第1のプローブ情報に含まれる時刻から、移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在した曜日、時間帯を特定する。そして、第1の判定部1103が、移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在した曜日、時間帯が、密集エリアAiに対応する曜日および時間帯に含まれるか否かを判定する。
【0090】
例えば、移動通信装置102−1が密集エリアA1に存在した曜日を「水曜日」、時間帯を「9:00」とする。この場合、第1の判定部1103が、移動通信装置102−1が密集エリアAiに存在した曜日、時間帯が、密集エリアA1に対応する曜日「月−金」および時間帯「08:00−10:00」に含まれると判定する。
【0091】
そして、第1の判定部1103が、移動通信装置102−1が特定の時期に密集エリアAi内に存在すると判定する。これにより、移動通信装置102−1が、車両が密集する時期(曜日、時間帯)に密集エリアA1に存在するか否かを判定することができる。
【0092】
上述した説明では、密集エリアAiに車両が密集する時期(曜日、時間帯)は予め設定されていることにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、第1の判定部1103が、密集エリアAiにおける車両の密集度合いを計測して、現時点が特定の時期に含まれているか否かを判断することにしてもよい。
【0093】
より具体的には、例えば、第1の判定部1103が、プローブ情報DB110を参照して、現在時刻を含む一定時間内(例えば、5分以内)に密集エリアAi内に存在する移動通信装置102−jの数を計数する。そして、第1の判定部1103が、計数した計数結果が閾値α以上の場合、現時点が特定の時期に含まれていると判断する。
【0094】
これにより、密集エリアAiにおける車両の密集度合いをリアルタイムに判断することができる。なお、上記閾値α(例えば、1000)は、例えば、予め設定されてROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶されている。
【0095】
送信部1104は、第1の判定部1103による判定結果を受取り、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在すると判定された場合、移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を移動通信装置102−jに送信する機能を有する。ここで、停止要求とは、移動通信装置102−jによる環境情報の送信を一時的に停止させるための制御信号である。
【0096】
具体的には、例えば、まず、情報収集装置101が、図7に示す車両DB700を参照して、受信した第1のプローブ情報に含まれる車両IDに対応するアドレスを特定する。例えば、第1のプローブ情報に含まれる車両IDが「V1」の場合、車両ID「V1」に対応するアドレス「10.10.xx.10」が特定される。
【0097】
そして、送信部1104が、特定されたアドレスを宛先として、環境情報の送信を停止する停止要求を送信する。具体的には、例えば、送信部1104が、アドレス「10.10.xx.10」を宛先として、移動通信装置102−1の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を送信する。
【0098】
これにより、密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0099】
また、送信部1104は、第1の判定部1103による判定結果を受取り、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在すると判定された場合、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を移動通信装置102−jに送信することにしてもよい。これにより、車両が密集する特定の時期の密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0100】
なお、上述した説明では、車両DB700を参照して宛先となるアドレスを特定することにしたが、これに限らない。例えば、第1のプローブ情報に移動通信装置102−jのアドレスが含まれている場合、該アドレスを宛先として、送信部1104が停止要求を送信することにしてもよい。
【0101】
また、受信部1101は、停止要求が移動通信装置102−jに送信された後、第2のプローブ情報を移動通信装置102−jから受信する機能を有する。ここで、第2のプローブ情報とは、移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まないプローブ情報である。具体的には、例えば、移動通信装置102−1に停止要求が送信された後、受信部1101が、ネットワーク210を介して、図10に示した第2のプローブ情報1000を移動通信装置102−1から受信する。
【0102】
また、登録部1102は、受信された第2のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報、時刻情報、車輌識別子を記憶装置に記憶する機能を有する。具体的には、例えば、登録部1102が、第2のプローブ情報に含まれている各種情報(時刻、車両ID、緯度/経度)をプローブ情報DB110内の各フィールドに設定する。この結果、受信された第2のプローブ情報に関するプローブ情報600−kが新たなレコードとしてプローブ情報DB110に記憶される。
【0103】
また、第1の判定部1103は、受信された第2のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する機能を有する。具体的には、例えば、第1の判定部1103が、上記式(1)および(2)を用いて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する。
【0104】
また、第1の判定部1103は、第2のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在するか否かを判定することにしてもよい。これにより、移動通信装置102−jが、車両が密集する特定の時期に密集エリアAiに存在するか否かを判定することができる。
【0105】
第2の判定部1105は、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在する場合、密集エリアAiの環境情報のうち、最新の環境情報が取得されてから所定時間Tが経過しているか否かを判定する機能を有する。ここでの移動通信装置102−jは、第2のプローブ情報の送信元の移動通信装置、すなわち、停止要求の送信先の移動通信装置である。
【0106】
具体的には、例えば、まず、第2の判定部1105が、プローブ情報DB110を参照して、移動通信装置102−jから受信した第1のプローブ情報に含まれる時刻情報から遡って、所定時間T以内の情報を検索し、その中における停止要求の送信先の移動通信装置102−jが存在する密集エリアAi上に位置するプローブ情報の有無を調べる。
【0107】
密集エリアAi上に位置するプローブ情報が有る場合、第2の判定部1105が、最新のGPS信号の遅延量が取得されてから所定時間Tが経過していないと判定する。一方、密集エリアAi上に位置するプローブ情報が無い場合、第2の判定部1105が、最新のGPS信号の遅延量が取得されてから所定時間Tが経過していると判定する。
【0108】
上記所定時間Tは、例えば、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の時間分解能に基づいて設定される。以下、観測対象となる気象現象に応じた所定時間Tの設定例について説明する。
【0109】
例えば、観測対象となる気象現象が局地的豪雨(ゲリラ豪雨)の場合、局地的豪雨の時間スケールは1時間程度となり、要求される水蒸気量の時間分解能は5分程度となる。この場合、所定時間Tは、例えば、5[分]として設定される。
【0110】
例えば、観測対象となる気象現象が対流性豪雨(集中豪雨)の場合、対流性豪雨の時間スケールは1.5〜3時間程度となり、要求される水蒸気量の時間分解能は30〜45分程度となる。この場合、所定時間Tは、例えば、30〜45[分]として設定される。
【0111】
例えば、観測対象となる気象現象が寒冷前線の場合、寒冷前線の時間スケールは24時間程度となり、要求される水蒸気量の時間分解能は1時間程度となる。この場合、所定時間Tは、例えば、1[時間]として設定される。なお、所定時間Tは、例えば、予め設定されてROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶されている。
【0112】
また、送信部1104は、所定時間Tが経過している場合、移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を、停止要求の送信先の移動通信装置102−jに送信する機能を有する。ここで、復帰要求とは、環境情報の送信を停止する停止状態から、環境情報を送信する通常状態に復帰させるための制御信号である。
【0113】
具体的には、例えば、まず、情報収集装置101が、車両DB700を参照して、受信した第2のプローブ情報に含まれる車両IDに対応するアドレスを特定する。例えば、第2のプローブ情報に含まれる車両IDが「V1」の場合、車両ID「V1」に対応するアドレス「10.10.xx.10」が特定される。
【0114】
そして、送信部1104が、特定されたアドレスを宛先として、環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を送信する。具体的には、例えば、送信部1104が、アドレス「10.10.xx.10」を宛先として、移動通信装置102−1の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量の送信を停止する停止状態からの復帰要求を送信する。
【0115】
これにより、密集エリアAiのGPS信号の遅延量が所定時間T以上継続して取得されていない場合に、密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0116】
また、第2の判定部1105は、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在する場合、密集エリアAiの環境情報のうち、最新の環境情報が取得されてから所定時間Tが経過しているか否かを判定することにしてもよい。そして、送信部1104は、所定時間Tが経過している場合、停止要求の送信先の移動通信装置102−jに復帰要求を送信することにしてもよい。
【0117】
これにより、車両が密集する特定の時期の密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0118】
また、送信部1104は、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在しない場合、環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を移動通信装置102−jに送信する機能を有する。これにより、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiから退出した場合に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0119】
また、送信部1104は、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在しない場合、環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を移動通信装置102−jに送信することにしてもよい。これにより、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在する場合であっても、車両が密集する特定の時期を過ぎた際に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0120】
算出部1106は、受信された第1のプローブ情報に含まれるGPS信号の遅延量に基づいて、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を算出する機能を有する。具体的には、例えば、算出部1106が、下記式(4)〜(6)の関係を利用して、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を見積もることができる。
【0121】
なお、屈折指数は、乾燥大気と湿潤大気で分けられるものとし、積分はGPS信号の幾何学的経路に沿って行われる。また、乾燥大気による影響(下記式(4)の右辺第1項)は、地上気圧を利用して算出することができる。
【0122】
【数1】
【0123】
算出部1106は、第1のプローブ情報に含まれるGPS信号の遅延量を、上記式(4)のΔTropに代入して得られる関係から、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を見積もることができる。
【0124】
算出された水蒸気量は、例えば、プローブ情報DB110に記憶される。具体的には、例えば、算出された水蒸気量は、第1のプローブ情報に関するプローブ情報600−kの水蒸気量フィールドに設定される。
【0125】
出力部1107は、算出された算出結果を出力する。出力部1107の出力形式としては、例えば、ディスプレイ408への表示、プリンタ413への印刷出力、I/F409による外部装置への送信がある。また、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶領域に記憶することにしてもよい。
【0126】
具体的には、例えば、出力部1107が、プローブ情報DB110内のプローブ情報600−kの「時刻」と「緯度/経度」と「水蒸気量」とを関連付けて示す水蒸気量情報を出力することにしてもよい。ここで、水蒸気量情報をリスト化して示す水蒸気量リスト1200について説明する。
【0127】
図12は、水蒸気量リスト1200の具体例を示す説明図である。図12において、水蒸気量リスト1200は、複数の水蒸気量情報(例えば、水蒸気量情報1200−1〜1200−3)をリスト化して示す情報である。
【0128】
ここで、時刻は、水蒸気量の算出に利用されたGPS信号の遅延量が取得された時刻、すなわち、移動通信装置102−jの位置情報が取得された時刻である。緯度/経度は、水蒸気量に対応する地点の緯度/経度、すなわち、移動通信装置102の位置情報である。水蒸気量は、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量[g/m3]である。
【0129】
これにより、同一時間帯における水蒸気量分布を作成して、該時間帯における降水可能性を示すことができる。また、水蒸気量分布と他の気象情報とを併用することで、降水予測に活用することができる。
【0130】
上述した説明では、情報収集装置101が水蒸気量を算出する算出部1106を備えることにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、情報収集装置101とは異なる他のコンピュータがプローブ情報DB110にアクセスして、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を算出することにしてもよい。
【0131】
また、上述した説明では、密集エリアAiを対角頂点の緯度/経度を用いて表現することにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、密集エリアAiをノードとリンクの集合として表現することにしてもよい。この場合、第1の判定部1103は、例えば、各ノードと各リンクの緯度、経度情報に基づいて、移動通信装置102−jがノード上またはリンク上に存在するか否かを判定することにより、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する。
【0132】
また、上述した説明では、移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在する場合に、移動通信装置102−jから情報収集装置101への環境情報の送信を一時的に停止させることにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、移動通信装置102−jが特定のエリアA(密集エリアAiに限らない)を進行する際に、移動通信装置102−jから情報収集装置101への環境情報の送信を行わせることにしてもよい。この場合、特定のエリアAの環境情報を取得してから所定時間T経過後に、その都度、特定のエリアAに存在する、あるいはエリアA内を進行する移動通信装置102−jから情報収集装置101への環境情報の送信を行わせることになる。
【0133】
(移動通信装置102−jの機能的構成例)
つぎに、移動通信装置102−jの機能的構成例について説明する。図13は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの機能的構成を示すブロック図である。図13において、移動通信装置102−jは、取得部1301と、送信部1302と、受信部1303と、送信制御部1304と、を含む構成である。この制御部となる機能(取得部1301〜送信制御部1304)は、具体的には、例えば、図5に示したROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU501に実行させることにより、または、I/F509により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などの記憶装置に記憶される。
【0134】
取得部1301は、自装置の位置情報を取得する機能を有する。具体的には、例えば、取得部1301が、自装置に搭載されたGPSユニット511により、自装置の位置情報を取得する。自装置の位置情報には、該位置情報が取得された時刻が付与されている。なお、取得部1301は、各種センサ512の出力値やDGPS(Differential GPS)により、GPSユニット511により取得した位置情報を補正することにしてもよい。
【0135】
また、取得部1301は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報を取得する機能を有する。具体的には、例えば、取得部1301が、自装置の位置情報の算出に利用されたGPS信号の遅延量を取得する。また、取得部1301が、各種センサ512の出力値(気温、気圧など)を取得することにしてもよい。
【0136】
ここで、移動通信装置102−jの位置情報は、複数のGPS衛星(例えば、4つ以上のGPS衛星)からのGPS信号をもとに取得される。これにより、GPS信号が大気中を通過する際の大気遅延による測位誤差を低減して、移動通信装置102−jの位置情報を補正することができる。
【0137】
ここでは、取得部1301が、複数のGPS衛星のうちいずれかのGPS衛星からのGPS信号をもとに取得される移動通信装置102−jの位置と補正後の移動通信装置102−jの位置とのずれを、GPS衛星からのGPS信号の遅延量として取得する。
【0138】
送信部1302は、第1のプローブ情報を情報収集装置101に送信する機能を有する。ここで、第1のプローブ情報は、取得部1301によって取得された、自装置の位置情報、時刻情報、予め割り当てられた車輌識別子と、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含む情報である(図9参照)。
【0139】
受信部1303は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を情報収集装置101から受信する機能を有する。具体的には、例えば、受信部1303が、自装置の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を情報収集装置101から受信する。
【0140】
送信制御部1304は、停止要求が受信された場合、送信部1302を制御して、第2のプローブ情報を情報収集装置101に送信する機能を有する。ここで、第2のプローブ情報は、取得部1301によって取得された自装置の位置情報、時刻情報、車輌識別子を含む情報である(図10参照)。すなわち、送信制御部1304が、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報を情報収集装置101に送信しないように制御する。
【0141】
これにより、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0142】
また、受信部1303は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を情報収集装置101から受信する機能を有する。具体的には、例えば、受信部1303が、自装置の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量の送信を停止する停止状態からの復帰要求を情報収集装置101から受信する。
【0143】
また、送信制御部1304は、復帰要求が受信された場合、直前に送信したプローブ情報と同じタイミングで取得していた環境情報を、情報収集装置101に送信する機能を有する。また、送信制御部1304は、送信部1302を制御して、第1のプローブ情報を情報収集装置101に送信する機能を有する。これにより、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0144】
なお、送信部1302の送信処理は、送信制御部1304の制御にしたがって、例えば、一定時間t0間隔(例えば、2分、10分)で実行される。一定時間t0は、例えば、予め設定されてROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などの記憶装置に記憶されている。
【0145】
(情報収集装置101の情報収集処理手順)
つぎに、実施の形態にかかる情報収集装置101の情報収集処理手順について説明する。まず、情報収集装置101が移動通信装置102−jから第1のプローブ情報を受信した場合の情報収集処理手順について説明する。
【0146】
図14および図15は、実施の形態にかかる情報収集装置101の情報収集処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。図14のフローチャートにおいて、まず、受信部1101により、移動通信装置102−jからプローブ情報を受信する(ステップS1401)。
【0147】
そして、情報収集装置101により、受信したプローブ情報が、第1のプローブ情報であるか、第2のプローブ情報であるかを判断する(ステップS1402)。第1のプローブ情報が受信された場合(ステップS1402:第1)、登録部1102により、受信された第1のプローブ情報をプローブ情報DB110に登録する(ステップS1403)。
【0148】
一方、第2のプローブ情報が受信された場合(ステップS1402:第2)、図15に示すS1501に移行する。つぎに、第1の判定部1103により、受信された第1のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する(ステップS1404)。
【0149】
ここで、密集エリアAi内に存在しない場合(ステップS1404:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、密集エリアAi内に存在する場合(ステップS1404:Yes)、第1の判定部1103により、受信された第1のプローブ情報に含まれる時刻から特定される時期が、密集エリアAiに対応する特定の時期か否かを判定する(ステップS1405)。
【0150】
ここで、特定の時期ではない場合(ステップS1405:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、特定の時期の場合(ステップS1405:Yes)、送信部1104により、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を移動通信装置102−jに送信して(ステップS1406)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0151】
これにより、車両が密集する特定の時期の密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0152】
つぎに、図15を用いて、情報収集装置101が移動通信装置102−jから第2のプローブ情報を受信した場合の情報収集処理手順について説明する。
【0153】
図15のフローチャートにおいて、登録部1102により、受信された第2のプローブ情報をプローブ情報DB110に登録する(ステップS1501)。つぎに、第1の判定部1103により、受信された第2のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する(ステップS1502)。
【0154】
ここで、密集エリアAi内に存在しない場合(ステップS1502:No)、ステップS1506に移行する。一方、密集エリアAi内に存在する場合(ステップS1502:Yes)、第1の判定部1103により、受信された第2のプローブ情報に含まれる時刻から特定される時期が、密集エリアAiに対応する特定の時期か否かを判定する(ステップS1503)。
【0155】
ここで、特定の時期ではない場合(ステップS1503:No)、ステップS1507に移行する。一方、特定の時期の場合(ステップS1503:Yes)、第2の判定部1105により、プローブ情報DB110を参照して、所定時間T内の密集エリアAi上に位置するプローブ情報を検索する(ステップS1505)。
【0156】
密集エリアAi上に位置するプローブ情報が有る場合(ステップS1505:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、密集エリアAi上に位置するプローブ情報が無い(ステップS1505:Yes)、送信部1104により、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止状態からの復帰要求を移動通信装置102−jに送信して(ステップS1506)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0157】
これにより、密集エリアAiのGPS信号の遅延量が所定時間T以上継続して取得されていない場合に、密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。また、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiから退出した場合に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0158】
(移動通信装置102−jの情報提供処理手順)
つぎに、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの情報提供処理手順について説明する。図16は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの情報提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0159】
図16のフローチャートにおいて、まず、送信制御部1304により、前回プローブ情報を送信してから、一定時間t0が経過しているか否かを判断する(ステップS1601)。t0が経過していない場合(ステップ1601:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。t0が経過している場合(ステップ1601:Yes)、取得部1301により、自装置の位置情報、時刻情報およびGPS信号の遅延量を取得する(ステップS1602)。
【0160】
つぎに、受信部1303により、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を情報収集装置101から受信したか否かを判断する(ステップS1603)。ここで、停止要求を受信していない場合(ステップS1603:No)、移動通信装置102−jが環境情報送信状態であるか否かを判断する(ステップS1604)。
【0161】
移動通信装置102−jが環境情報送信状態である場合(ステップ1604:Yes)、送信制御部1304により、送信部1302を制御して、取得された自装置の位置情報およびGPS信号の遅延量を含む第1のプローブ情報を情報収集装置101に送信する(ステップS1605)。
【0162】
また、移動通信装置102−jが環境情報送信状態でない場合(ステップ1604:No)、送信制御部1304により、送信部1302を制御して、取得された自装置の位置情報を含む第2のプローブ情報を情報収集装置101に送信する(ステップS1607)。
【0163】
また、ステップS1603において、停止要求を受信した場合(ステップS1603:Yes)、移動通信装置102−jを環境情報非送信状態へと遷移させる(ステップS1606)。そして、送信制御部1304により、送信部1302を制御して、取得された自装置の位置情報を含む第2のプローブ情報を情報収集装置101に送信する(ステップS1607)。
【0164】
つぎに、受信部1303により、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止状態からの復帰要求を情報収集装置101から受信したか否かを判断する(ステップS1608)。ここで、復帰要求を受信していない場合(ステップS1608:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0165】
また、ステップS1608において、復帰要求を受信した場合(ステップS1608:Yes)、直前に送信した第2のプローブ情報と同じタイミングで取得した環境情報を、情報収集装置101へ送信する(ステップS1609)。そして、移動通信装置102−jを環境情報送信状態へと遷移させる(ステップS1610)。
【0166】
これにより、自装置の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量を情報収集装置101に提供することができる。また、情報収集装置101から停止要求を受信した場合は、情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止することができる。また、情報収集装置101から復帰要求を受信した場合は、情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開することができる。
【0167】
以上説明したように、実施の形態にかかる情報収集システム300によれば、移動通信装置102−jが密集エリアAiを進行する際に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0168】
これにより、車両が密集する領域内に存在する移動通信装置102−jからの情報収集を制限することができる。この結果、定期的にプローブ情報をアップロードする複数の移動通信装置間で情報内容が重複または類似するために利用されないデータの送信を抑制することができる。
【0169】
また、情報収集システム300によれば、密集エリアAi内で収集されたGPS信号の遅延量が所定時間T以上継続して取得されていない場合、密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0170】
また、情報収集システム300によれば、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiから退出した場合、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0171】
また、情報収集システム300によれば、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAiを進行する際に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。これにより、車両が密集する特定の時期に密集エリアAi内に存在する移動通信装置102−jからの情報収集を制限することができる。
【0172】
また、情報収集システム300によれば、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在する場合であっても、特定の時期を過ぎた場合、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0173】
また、情報収集システム300によれば、移動通信装置102−jから収集したGPS信号の遅延量に基づいて、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を算出することができる。これにより、水蒸気量分布を知ることができる。
【0174】
また、情報収集システム300によれば、密集エリアAiの大きさを、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の空間分解能に基づいて設定することができる。これにより、所望の気象現象を観測する際に必要となる空間分解能を満たす水蒸気量を求めることができる。
【0175】
また、情報収集システム300によれば、密集エリアAiにおけるGPS信号の遅延量の収集を停止する期間を表す所定時間Tを、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の時間分解能に基づいて設定することができる。これにより、所望の気象現象を観測する際に必要となる時間分解能を満たす水蒸気量を求めることができる。
【0176】
これらのことから、本実施の形態にかかる情報収集システム300によれば、利用されないデータの通信にかかる無駄な通信資源の使用を抑制して通信資源を効率的に使用することができる。また、情報収集システム300によれば、利用されないデータを収集しないため、情報収集装置101における記憶領域の使用量を削減することができる。
【0177】
なお、本実施の形態で説明した情報収集方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報収集プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本情報収集プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0178】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0179】
(付記1)移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、
前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報収集方法。
【0180】
(付記2)前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後、前記移動通信装置のプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記記憶部に記憶されている前記特定のエリアの環境情報のうち受信した前記プローブ情報に含まれる時刻情報から所定時間内に取得された情報があるか否かを判定し、
前記所定時間内に取得された情報がない場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を前記移動通信装置に送信する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1に記載の情報収集方法。
【0181】
(付記3)前記所定時間内に取得された情報の有無を判定する処理は、
前記記憶部に前記環境情報と関連付けて記憶されている前記位置情報が取得された時点と、受信した前記移動通信装置の位置情報が取得された時点とに基づいて、前記所定時間内に取得された情報があるか否かを判定することを特徴とする付記1または2に記載の情報収集方法。
【0182】
(付記4)前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後、前記移動通信装置のプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在しない場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を前記移動通信装置に送信する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【0183】
(付記5)前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定する処理は、
受信した前記移動通信装置の位置情報および当該位置情報が取得された時点に基づいて、前記移動通信装置が特定の時期に前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記停止要求を送信する処理は、
前記移動通信装置が前記特定の時期に前記特定のエリア内に存在する場合、前記停止要求を前記移動通信装置に送信することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【0184】
(付記6)前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後に、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定する処理は、
受信した前記移動通信装置の位置情報および当該位置情報が取得された時点に基づいて、前記移動通信装置が特定の時期に前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記所定時間が経過しているか否かを判定する処理は、
前記移動通信装置が前記特定の時期に前記特定のエリア内に存在する場合、前記記憶部に記憶されている前記特定のエリアの環境情報のうち最新の環境情報が取得されてから前記所定時間が経過しているか否かを判定することを特徴とする付記2または3に記載の情報収集方法。
【0185】
(付記7)前記復帰要求を送信する処理は、
前記移動通信装置が前記特定の時期に前記特定のエリア内に存在しない場合、前記復帰要求を前記移動通信装置に送信することを特徴とする付記6に記載の情報収集方法。
【0186】
(付記8)前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報は、GPS衛星から発信されるGPS信号の遅延量を示すことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【0187】
(付記9)前記特定のエリアの大きさは、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の空間分解能に基づいて設定されることを特徴とする付記8に記載の情報収集方法。
【0188】
(付記10)前記所定時間は、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の時間分解能に基づいて設定されることを特徴とする付記8または9に記載の情報収集方法。
【0189】
(付記11)移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、
前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報収集プログラム。
【0190】
(付記12)移動通信装置の位置情報と前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを前記移動通信装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記移動通信装置の位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在すると判定された場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする情報収集装置。
【符号の説明】
【0191】
101 情報収集装置
102,102−1〜102−m,102−j 移動通信装置
110 プローブ情報DB
800 エリアテーブル
1101,1303 受信部
1102 登録部
1103 第1の判定部
1104,1302 送信部
1105 第2の判定部
1106 算出部
1107 出力部
1301 取得部
1304 送信制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を収集する情報収集方法および情報収集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各地に点在する車両や携帯電話端末などの移動体から様々な情報を収集して、各種サービスに活用する技術(いわゆる、「プローブ技術」)がある。例えば、走行中の車両から、車両の速度、位置、ワイパーの稼働状況などの情報を収集して、渋滞情報や天候情報などのサービスに活用するものがある。
【0003】
関連する先行技術としては、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星から信号が発信されてから受信機によって受信されるまでの遅延時間に基づいて、大気中に存在する水蒸気量を算出する技術がある。また、移動局の周辺に位置する固定局で求めた天頂大気遅延量から移動局地点での天頂大気遅延量を推定して、移動局地点での可降水量を導出する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−10460号公報
【特許文献2】特開2007−85755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、移動体から収集された情報群の中には利用されない情報が多く含まれていることがあり、無駄に多くの通信資源を使用してしまう場合があるという問題があった。例えば、ある地域に移動体が密集している場合、移動体から収集された情報は、その内容が他の移動体から収集された情報と類似していることが多いため利用されない場合が多い。
【0006】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、通信資源を効率的に使用することができる情報収集方法および情報収集プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する情報収集方法および情報収集プログラムが提案される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、通信資源を効率的に使用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態にかかる情報収集方法の一実施例を示す説明図(その1)である。
【図2】図2は、実施の形態にかかる情報収集方法の一実施例を示す説明図(その2)である。
【図3】図3は、実施の形態にかかる情報収集システム300のシステム構成例を示す説明図である。
【図4】図4は、実施の形態にかかる情報収集装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図6】図6は、プローブ情報DB110の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、車両DB700の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図8】図8は、エリアテーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、第1のプローブ情報の具体例を示す説明図である。
【図10】図10は、第2のプローブ情報の具体例を示す説明図である。
【図11】図11は、実施の形態にかかる情報収集装置101の機能的構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、水蒸気量リスト1200の具体例を示す説明図である。
【図13】図13は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの機能的構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、実施の形態にかかる情報収集装置101の情報収集処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図15】図15は、実施の形態にかかる情報収集装置101の情報収集処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図16】図16は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの情報提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報収集方法および情報収集プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(情報収集方法の一実施例)
図1および図2は、実施の形態にかかる情報収集方法の一実施例を示す説明図である。図1において、情報収集装置101は、プローブ情報DB(データベース)110を備え、各地に点在する移動通信装置102からプローブ情報を収集するコンピュータである。
【0012】
プローブ情報DB110は、複数の移動通信装置102から収集したプローブ情報を記憶する。プローブ情報とは、例えば、移動通信装置102の位置情報と、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含む情報である。なお、プローブ情報DB110の記憶内容については、図6を用いて後述する。
【0013】
移動通信装置102は、自装置の位置情報を取得する機能を有する。また、移動通信装置102は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報を取得する機能を有する。また、移動通信装置102は、自装置の位置情報と、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含むプローブ情報を情報収集装置101に送信する機能を有する。移動通信装置102は、例えば、車両に搭載されたナビゲーション装置や、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などである。
【0014】
ここで、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とは、例えば、移動通信装置102の周囲の気温、気圧、水蒸気量などを特徴付ける情報である。また、環境情報として、移動通信装置102の周囲の交通状況を特徴付ける車両(例えば、移動体103)の速度、ブレーキの使用状況、ワイパーの稼働状況、撮影画像などを示す情報を含むことにしてもよい。
【0015】
以下、情報収集装置101が実行する情報収集方法の一実施例について説明する。
【0016】
(1−1)情報収集装置101は、移動体103に搭載された移動通信装置102からプローブ情報120を受信する。ここで、プローブ情報120は、移動通信装置102の位置情報と移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含む情報である。
【0017】
(1−2)情報収集装置101は、受信したプローブ情報120に含まれる移動通信装置102の位置情報、時刻情報、車輌識別子情報と移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを関連付けてプローブ情報DB110に登録する。
【0018】
(1−3)情報収集装置101は、受信したプローブ情報120に含まれる移動通信装置102の位置情報に基づいて、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在するか否かを判定する。特定のエリアAは、予め規定された所定範囲の領域である。特定のエリアAは、例えば、車両や人などの移動体が密集する幹線道路、繁華街などを含む領域である。
【0019】
(1−4)情報収集装置101は、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在する場合、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求130を移動通信装置102に送信する。この結果、移動通信装置102は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を一時的に停止する。
【0020】
これにより、特定のエリアAにおける移動通信装置102から情報収集装置101への環境情報の送信を一時的に停止させることができる。
【0021】
(2−1)情報収集装置101は、移動通信装置102に停止要求130を送信した後、移動通信装置102からプローブ情報140を受信する。ここで、プローブ情報140は、移動通信装置102の位置情報を含む情報である。ただし、プローブ情報140は、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない。
【0022】
(2−2)情報収集装置101は、受信したプローブ情報140に含まれる移動通信装置102の位置情報に基づいて、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在するか否かを判定する。
【0023】
(2−3)情報収集装置101は、移動通信装置102が特定のエリアA内に存在する場合、プローブ情報DB110に記憶されている特定のエリアA内で収集された環境情報のうち、他の移動通信装置から受信した情報も含め、最新の環境情報が取得されてから所定時間Tが経過しているか否かを判定する。
【0024】
(2−4)情報収集装置101は、所定時間Tが経過している場合、移動通信装置102の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求150を移動通信装置102に送信する。すなわち、所定時間T以上、移動通信装置102から環境情報を受信していない場合、情報収集装置101が移動通信装置102に環境情報の送信を要求する。移動通信装置102は、直前に送信したプローブ情報と同じタイミングで取得していた環境情報を送信し、その後のプローブ情報送信の際に、環境情報を含んだプローブ情報を送信するようになる。
【0025】
これにより、特定のエリアA内において、移動通信装置102から情報収集装置101への環境情報の送信が所定時間T以上行われていない場合、移動通信装置102から情報収集装置101への環境情報の送信を再開させることができる。
【0026】
このように、情報収集装置101によれば、特定のエリアAを進行している移動通信装置102からの環境情報の収集を一時的に制限することができる。これにより、例えば、特定のエリアAを、移動通信装置102が密集する地域や、一時的に環境情報の収集対象外となる地域に設定することで、利用されない環境情報の収集にかかる無駄な通信資源の使用を抑制することができる。
【0027】
(情報収集システム300のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかる情報収集システム300について説明する。ここでは一例として、情報収集装置101を、移動通信装置102の周囲の水蒸気量を特徴付ける環境情報を収集する情報収集システム300に適用した場合について説明する。
【0028】
図3は、実施の形態にかかる情報収集システム300のシステム構成例を示す説明図である。図3において、情報収集システム300は、情報収集装置101と、移動通信装置102−1〜102−mと、を含む構成である。情報収集装置101および移動通信装置102−1〜102−mは、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワーク210を介して接続されている。
【0029】
情報収集システム300において、各移動通信装置102−1〜102−mは、それぞれ異なる車両103−1〜103−mに搭載されている。移動通信装置102−1〜102−mは、後述するGPSユニット511により、自装置の位置情報を取得する機能を有する。また、移動通信装置102−1〜102−mは、GPS信号の遅延量を取得する機能を有する。
【0030】
ここで、GPS信号の遅延量とは、GPS衛星から発信されるGPS信号の遅延時間を表す指標値である。GPS衛星から発信されたGPS信号が大気中を通過して移動通信装置102−1〜102−mに届くまでの時間は、大気中の水蒸気によって遅延する。すなわち、GPS信号の遅延量は、GPS信号と移動体通信装置102−1〜102−mの間にある大気の水蒸気量を特徴付ける情報となる。遅延量の単位は[m:メートル]であり、遅延時間とGPS信号伝搬速度の積で算出される。
【0031】
以下の説明では、移動通信装置102−1〜102−mのうち任意の移動通信装置を「移動通信装置102−j」と表記する(j=1,2,…,m)。
【0032】
(情報収集装置101のハードウェア構成例)
図4は、実施の形態にかかる情報収集装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、情報収集装置101は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read‐Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、ディスプレイ408と、I/F(Interface)409と、キーボード410と、マウス411と、スキャナ412と、プリンタ413と、を有している。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続されている。
【0033】
ここで、CPU401は、情報収集装置101の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記憶する。また、ノード(交差点)とリンク(交差点間をつなぐ道路)で表現された地図データなどがROM402またはRAM403または磁気ディスク405に格納されている。
【0034】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク407に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0035】
ディスプレイ408は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ408は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0036】
I/F409は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F409は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F409には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0037】
キーボード410は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、キーボード410は、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス411は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0038】
スキャナ412は、画像を光学的に読み取り、情報収集装置101内に画像データを取り込む。なお、スキャナ412は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ413は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ413には、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0039】
なお、情報収集装置101は、光ディスクドライブ406、光ディスク407、ディスプレイ408、キーボード410、マウス411、スキャナ412およびプリンタ413等を備えないことにしてもよい。
【0040】
(移動通信装置102−jのハードウェア構成例)
図5は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jのハードウェア構成例を示すブロック図である。図5において、移動通信装置102−jは、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、ディスプレイ508と、I/F509と、入力デバイス510と、GPSユニット511と、各種センサ512と、を有している。また、各構成部はバス500によってそれぞれ接続されている。
【0041】
ここで、CPU501は、移動通信装置102−jの全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを記憶する。また、ノード(交差点)とリンク(交差点間をつなぐ道路)で表現された地図データなどがROM502またはRAM503または磁気ディスク505に格納されている。
【0042】
光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク507に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0043】
ディスプレイ508は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ508は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0044】
I/F509は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F509は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。入力デバイス510は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、入力デバイス510はタッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
【0045】
GPSユニット511は、GPS衛星からの電波(GPS信号)を受信し、車両(移動通信装置102−j)の位置を示す位置情報を出力する。車両の位置情報は、例えば、緯度・経度、高度などの地球上の1点を特定する情報である。なお、車両の位置情報は、各種センサ512の出力値を用いて補正されることにしてもよい。
【0046】
各種センサ512は、気温、気圧などの車両の周囲の環境を特徴付ける情報を出力する。また、各種センサ512は、車両の位置や挙動を判断する情報を出力する。各種センサ512の出力値は、CPU501による移動通信装置102−jの現在位置の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0047】
また、各種センサ512は、例えば、ドライバーによる車両の各操作を検知するセンサなどを含むことにしてもよい。具体的には、例えば、各種センサ512は、ワイパーのON/OFF、ハンドル操作、ウインカーの入力、車両のドアの開閉、車両のエンジンのON/OFFなどを検知することにしてもよい。
【0048】
(各種DB等110,600,700の記憶内容)
つぎに、情報収集装置101が用いる各種DB等110,600,700の記憶内容について説明する。各種DB等110,600,700は、例えば、図4に示した情報収集装置101のROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置により実現される。
【0049】
<プローブ情報DB110の記憶内容>
図6は、プローブ情報DB110の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、プローブ情報DB110は、時刻、車両ID、緯度/経度、エリアID、遅延量および水蒸気量のフィールドを有する。各フィールドの情報を設定することで、プローブ情報600−1〜600−Kがレコードとして記憶されている。
【0050】
ここで、時刻は、移動通信装置102−jの位置情報が取得された時刻である(単位:年/月/日 時:分:秒)。車両IDは、移動通信装置102−jが搭載された車両の識別子である。緯度/経度は、移動通信装置102−jの位置情報である(単位:度.分)。移動通信装置102−jの位置情報は、移動通信装置102−jが搭載された車両の位置を示している。
【0051】
エリアIDは、車両が存在する密集エリアの識別子である。密集エリアとは、車両(移動通信装置102−j)が密集する領域であり、例えば、幹線道路、繁華街などを含む領域である。遅延量は、GPS衛星から発信されたGPS信号の遅延量である(単位:[m])。水蒸気量は、1[m3]当たりに含まれる水蒸気の質量である(単位:[g/m3])。
【0052】
プローブ情報600−1を例に挙げると、時刻「2010/02/14 12:00:00」に取得された、車両V1に搭載された移動通信装置102−jの位置を示す緯度/経度「35.69/139.69」が示されている。また、プローブ情報600−1には、車両V1が存在するエリアのエリアID「A1」、移動通信装置102−jの位置情報の算出に利用されたGPS信号の遅延量「2」およびGPS信号の遅延量から算出された水蒸気量「1」が示されている。
【0053】
以下の説明では、プローブ情報600−1〜600−Kのうち任意のプローブ情報を「プローブ情報600−k」と表記する(k=1,2,…,K)。
【0054】
<車両DB700の記憶内容>
図7は、車両DB700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、車両DB700は、車両ID、アドレス、車番および車種のフィールドを有する。各フィールドの情報を設定することで、車両情報(例えば、700−1,700−2)がレコードとして記憶されている。
【0055】
ここで、車両IDは、移動通信装置102−jが搭載された車両の識別子である。アドレスは、車両に搭載された移動通信装置102−jのアドレスである。アドレスとして、例えば、移動通信装置102−jのIP(Internet Protocol)アドレスを用いることができる。車番は、車両の車両番号である。車種は、車両の種類である。
【0056】
車両情報700−1を例に挙げると、車両V1のアドレス「10.10.xx.10」、車番「11−xx−123」および車種「○○」が示されている。
【0057】
<エリアテーブル800の記憶内容>
図8は、エリアテーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、エリアテーブル800は、エリアID、緯度1/経度1、緯度2/経度2、曜日および時間帯のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、エリアA1〜Anのエリア情報800−1〜800−nがレコードとして記憶されている。
【0058】
エリアIDは、密集エリアの識別子である。緯度1/経度1および緯度2/経度2は、密集エリアを矩形により表現した際の対角頂点の緯度/経度である。緯度1/経度1および緯度2/経度2によれば、密集エリアを表す地球上の領域を特定することができる。
【0059】
曜日は、密集エリアにおいて車両(移動通信装置102−j)が密集する曜日である。時間帯は、密集エリアにおいて車両(移動通信装置102−j)が密集する時間帯である。なお、車両が密集する密集エリア、曜日、時間帯は、移動通信装置102−jから収集された過去のプローブ情報をもとに推定されたものである。
【0060】
エリア情報800−1を例に挙げると、密集エリアA1の緯度1/経度1「35.50/139.50」、緯度2/経度2「36.00/140.00」、曜日「月−金」および時間帯「08:00−10:00」が示されている。なお、「月−金」は、月曜日から金曜日までのすべての曜日を表している。また、「08:00−10:00」は、8時から10時までの時間帯を表している。
【0061】
上述した密集エリアの大きさは、例えば、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の空間分解能に基づいて設定される。以下、観測対象となる気象現象に応じた密集エリアの大きさの設定例について説明する。
【0062】
例えば、観測対象となる気象現象が局地的豪雨(ゲリラ豪雨)の場合、局地的豪雨の水平スケールは10km四方程度の領域となり、要求される水蒸気量の空間分解能は1km程度となる。この場合、密集エリアの大きさは、例えば、1辺の長さが1kmの正方形として設定される。
【0063】
例えば、観測対象となる気象現象が対流性豪雨(集中豪雨)の場合、対流性豪雨の水平スケールは10〜数10km四方程度の領域となり、要求される水蒸気量の空間分解能は2.5km程度となる。この場合、密集エリアの大きさは、例えば、1辺の長さが2.5kmの正方形として設定される。
【0064】
例えば、観測対象となる気象現象が寒冷前線の場合、寒冷前線の水平スケールは200〜500km程度の領域となり、要求される水蒸気量の空間分解能は20km程度となる。この場合、密集エリアの大きさは、例えば、1辺の長さが20kmの正方形として設定される。
【0065】
以下の説明では、密集エリアA1〜Anのうち任意の密集エリアを「密集エリアAi」と表記する(i=1,2,…,n)。
【0066】
(プローブ情報の具体例)
つぎに、移動通信装置102−jから情報収集装置101に送信されるプローブ情報の具体例について説明する。ここでは、車両V1に搭載されている移動通信装置102−1から情報収集装置101に送信されるプローブ情報を例に挙げて説明する。
【0067】
図9は、第1のプローブ情報の具体例を示す説明図である。図9において、第1のプローブ情報900は、時刻、車両ID、緯度/経度および遅延量に関する情報を有する。
【0068】
ここで、時刻は、移動通信装置102−jの位置情報が取得された時刻である。車両IDは、移動通信装置102−jが搭載された車両の識別子である。緯度/経度は、移動通信装置102の位置情報である。遅延量は、GPS衛星から発信されたGPS信号の遅延量である。
【0069】
具体的には、第1のプローブ情報900は、時刻「2010/02/14 12:00:00」、車両ID「V1」、緯度/経度「35.69/139.69」および遅延量「2」を示している。第1のプローブ情報900によれば、車両V1に搭載されている移動通信装置102−1の位置情報、該位置情報の取得時刻および該位置情報の算出に利用されたGPS信号の遅延量を特定することができる。
【0070】
図10は、第2のプローブ情報の具体例を示す説明図である。図10において、第2のプローブ情報1000は、時刻、車両IDおよび緯度/経度に関する情報を有する。
【0071】
ここで、時刻は、移動通信装置102−jの位置情報が取得された時刻である。車両IDは、移動通信装置102−jが搭載された車両の識別子である。緯度/経度は、移動通信装置102の位置情報である。
【0072】
具体的には、第2のプローブ情報1000は、時刻「2010/02/14 12:00:10」、車両ID「V1」および緯度/経度「35.69/139.69」を示している。第2のプローブ情報1000によれば、車両V1に搭載されている移動通信装置102−1の位置情報および該位置情報の取得時刻を特定することができる。
【0073】
(情報収集装置101の機能的構成例)
つぎに、情報収集装置101の機能的構成例について説明する。図11は、実施の形態にかかる情報収集装置101の機能的構成を示すブロック図である。図11において、情報収集装置101は、受信部1101と、登録部1102と、第1の判定部1103と、送信部1104と、第2の判定部1105と、算出部1106と、出力部1107と、を含む構成である。この制御部となる機能(受信部1101〜出力部1107)は、具体的には、例えば、図4に示したROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、I/F409により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶される。
【0074】
受信部1101は、第1のプローブ情報を移動通信装置102−jから受信する機能を有する。ここで、第1のプローブ情報とは、移動通信装置102−jの位置情報、時刻情報、車輌識別子と移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含むプローブ情報である。具体的には、例えば、受信部1101が、ネットワーク210を介して、図9に示した第1のプローブ情報900を移動通信装置102−1から受信する。
【0075】
登録部1102は、受信された第1のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報、時刻情報、車輌識別子と、移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報とを関連付けて記憶装置に記憶する機能を有する。
【0076】
具体的には、例えば、登録部1102が、第1のプローブ情報に含まれている各種情報(時刻、車両ID、緯度/経度、遅延量)をプローブ情報DB110内の各フィールドに設定する。この結果、受信された第1のプローブ情報に関するプローブ情報600−kが新たなレコードとしてプローブ情報DB110に記憶される。
【0077】
なお、この時点では、プローブ情報600−kのエリアIDフィールドおよび水蒸気量フィールドは、情報が設定されていない未設定の状態である。また、ここでは第1のプローブ情報に含まれている時刻(位置情報の取得時刻)をプローブ情報DB110の時刻フィールドに設定することにしたが、第1のプローブ情報が受信された時刻を設定することにしてもよい。
【0078】
第1の判定部1103は、受信された第1のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する機能を有する。具体的には、例えば、第1の判定部1103が、図8に示したエリアテーブル800を参照して、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する。
【0079】
より具体的には、例えば、第1の判定部1103が、下記式(1)および(2)を用いて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定することができる。ただし、緯度x/緯度yは、移動通信装置102−jの位置情報を示す緯度/経度である。緯度1/経度1および緯度2/経度2は、密集エリアAiの対角頂点の緯度/経度である。
【0080】
緯度1≦緯度x≦緯度2 ・・・(1)
経度1≦経度y≦経度2 ・・・(2)
【0081】
第1の判定部1103は、第1のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの緯度x/経度yを上記式(1)および(2)に代入する。さらに、第1の判定部1103は、密集エリアAiの緯度1/経度1および緯度2/経度2を上記式(1)および(2)に代入する。この結果、上記式(1)および(2)を満たす場合、第1の判定部1103は、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在すると判定する。
【0082】
ここで、図9に示した第1のプローブ情報900を例に挙げて、移動通信装置102−1が密集エリアA1内に存在するか否かを判定する場合について説明する。移動通信装置102−1の緯度x/経度yは、「35.69/139.69」である。また、密集エリアA1の緯度1/経度1および緯度2/経度2は、「35.50/139.50」および「36.00/140.00」である。
【0083】
また、移動通信装置102−1の緯度x/経度yと、密集エリアA1の緯度1/経度1および緯度2/経度2を上記式(1)および(2)に代入した代入結果は、下記(a)、(b)の通りである。この場合、上記式(1)および(2)を満たすため、第1の判定部1103は、移動通信装置102−1が密集エリアA1内に存在すると判定する。
【0084】
(a)緯度1「35.50」≦緯度x「35.69」≦緯度2「36.00」
(b)経度1「139.50」≦経度y「139.69」≦経度2「140.00」
【0085】
上記第1の判定部1103は、エリアテーブル800内の密集エリアA1〜Anの中からいずれかの密集エリアAiを順次選択して、上記式(1)および(2)を用いた判定処理を行う。これにより、移動通信装置102−jが存在する密集エリアAi、あるいは、移動通信装置102−jが密集エリアA1〜Anのいずれの密集エリアAiにも存在しないことを判断することができる。
【0086】
また、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在すると判定された場合、プローブ情報DB110内の該当するプローブ情報のエリアIDフィールドに、密集エリアAiのエリアIDが設定される。
【0087】
また、第1の判定部1103は、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在するか否かを判定することにしてもよい。ここで、特定の時期とは、例えば、密集エリアAiに移動通信装置102−jが密集する月、日、曜日、時間帯などである。
【0088】
具体的には、例えば、まず、移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在する場合、第1の判定部1103が、エリアテーブル800を参照して、密集エリアAiに対応する曜日および時間帯を特定する。この曜日は、密集エリアAiにおいて車両が密集する曜日である。この時間帯は、密集エリアAiにおいて車両が密集する時間帯である。
【0089】
つぎに、第1の判定部1103が、第1のプローブ情報に含まれる時刻から、移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在した曜日、時間帯を特定する。そして、第1の判定部1103が、移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在した曜日、時間帯が、密集エリアAiに対応する曜日および時間帯に含まれるか否かを判定する。
【0090】
例えば、移動通信装置102−1が密集エリアA1に存在した曜日を「水曜日」、時間帯を「9:00」とする。この場合、第1の判定部1103が、移動通信装置102−1が密集エリアAiに存在した曜日、時間帯が、密集エリアA1に対応する曜日「月−金」および時間帯「08:00−10:00」に含まれると判定する。
【0091】
そして、第1の判定部1103が、移動通信装置102−1が特定の時期に密集エリアAi内に存在すると判定する。これにより、移動通信装置102−1が、車両が密集する時期(曜日、時間帯)に密集エリアA1に存在するか否かを判定することができる。
【0092】
上述した説明では、密集エリアAiに車両が密集する時期(曜日、時間帯)は予め設定されていることにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、第1の判定部1103が、密集エリアAiにおける車両の密集度合いを計測して、現時点が特定の時期に含まれているか否かを判断することにしてもよい。
【0093】
より具体的には、例えば、第1の判定部1103が、プローブ情報DB110を参照して、現在時刻を含む一定時間内(例えば、5分以内)に密集エリアAi内に存在する移動通信装置102−jの数を計数する。そして、第1の判定部1103が、計数した計数結果が閾値α以上の場合、現時点が特定の時期に含まれていると判断する。
【0094】
これにより、密集エリアAiにおける車両の密集度合いをリアルタイムに判断することができる。なお、上記閾値α(例えば、1000)は、例えば、予め設定されてROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶されている。
【0095】
送信部1104は、第1の判定部1103による判定結果を受取り、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在すると判定された場合、移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を移動通信装置102−jに送信する機能を有する。ここで、停止要求とは、移動通信装置102−jによる環境情報の送信を一時的に停止させるための制御信号である。
【0096】
具体的には、例えば、まず、情報収集装置101が、図7に示す車両DB700を参照して、受信した第1のプローブ情報に含まれる車両IDに対応するアドレスを特定する。例えば、第1のプローブ情報に含まれる車両IDが「V1」の場合、車両ID「V1」に対応するアドレス「10.10.xx.10」が特定される。
【0097】
そして、送信部1104が、特定されたアドレスを宛先として、環境情報の送信を停止する停止要求を送信する。具体的には、例えば、送信部1104が、アドレス「10.10.xx.10」を宛先として、移動通信装置102−1の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を送信する。
【0098】
これにより、密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0099】
また、送信部1104は、第1の判定部1103による判定結果を受取り、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在すると判定された場合、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を移動通信装置102−jに送信することにしてもよい。これにより、車両が密集する特定の時期の密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0100】
なお、上述した説明では、車両DB700を参照して宛先となるアドレスを特定することにしたが、これに限らない。例えば、第1のプローブ情報に移動通信装置102−jのアドレスが含まれている場合、該アドレスを宛先として、送信部1104が停止要求を送信することにしてもよい。
【0101】
また、受信部1101は、停止要求が移動通信装置102−jに送信された後、第2のプローブ情報を移動通信装置102−jから受信する機能を有する。ここで、第2のプローブ情報とは、移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まないプローブ情報である。具体的には、例えば、移動通信装置102−1に停止要求が送信された後、受信部1101が、ネットワーク210を介して、図10に示した第2のプローブ情報1000を移動通信装置102−1から受信する。
【0102】
また、登録部1102は、受信された第2のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報、時刻情報、車輌識別子を記憶装置に記憶する機能を有する。具体的には、例えば、登録部1102が、第2のプローブ情報に含まれている各種情報(時刻、車両ID、緯度/経度)をプローブ情報DB110内の各フィールドに設定する。この結果、受信された第2のプローブ情報に関するプローブ情報600−kが新たなレコードとしてプローブ情報DB110に記憶される。
【0103】
また、第1の判定部1103は、受信された第2のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する機能を有する。具体的には、例えば、第1の判定部1103が、上記式(1)および(2)を用いて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する。
【0104】
また、第1の判定部1103は、第2のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在するか否かを判定することにしてもよい。これにより、移動通信装置102−jが、車両が密集する特定の時期に密集エリアAiに存在するか否かを判定することができる。
【0105】
第2の判定部1105は、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在する場合、密集エリアAiの環境情報のうち、最新の環境情報が取得されてから所定時間Tが経過しているか否かを判定する機能を有する。ここでの移動通信装置102−jは、第2のプローブ情報の送信元の移動通信装置、すなわち、停止要求の送信先の移動通信装置である。
【0106】
具体的には、例えば、まず、第2の判定部1105が、プローブ情報DB110を参照して、移動通信装置102−jから受信した第1のプローブ情報に含まれる時刻情報から遡って、所定時間T以内の情報を検索し、その中における停止要求の送信先の移動通信装置102−jが存在する密集エリアAi上に位置するプローブ情報の有無を調べる。
【0107】
密集エリアAi上に位置するプローブ情報が有る場合、第2の判定部1105が、最新のGPS信号の遅延量が取得されてから所定時間Tが経過していないと判定する。一方、密集エリアAi上に位置するプローブ情報が無い場合、第2の判定部1105が、最新のGPS信号の遅延量が取得されてから所定時間Tが経過していると判定する。
【0108】
上記所定時間Tは、例えば、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の時間分解能に基づいて設定される。以下、観測対象となる気象現象に応じた所定時間Tの設定例について説明する。
【0109】
例えば、観測対象となる気象現象が局地的豪雨(ゲリラ豪雨)の場合、局地的豪雨の時間スケールは1時間程度となり、要求される水蒸気量の時間分解能は5分程度となる。この場合、所定時間Tは、例えば、5[分]として設定される。
【0110】
例えば、観測対象となる気象現象が対流性豪雨(集中豪雨)の場合、対流性豪雨の時間スケールは1.5〜3時間程度となり、要求される水蒸気量の時間分解能は30〜45分程度となる。この場合、所定時間Tは、例えば、30〜45[分]として設定される。
【0111】
例えば、観測対象となる気象現象が寒冷前線の場合、寒冷前線の時間スケールは24時間程度となり、要求される水蒸気量の時間分解能は1時間程度となる。この場合、所定時間Tは、例えば、1[時間]として設定される。なお、所定時間Tは、例えば、予め設定されてROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶されている。
【0112】
また、送信部1104は、所定時間Tが経過している場合、移動通信装置102−jの周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を、停止要求の送信先の移動通信装置102−jに送信する機能を有する。ここで、復帰要求とは、環境情報の送信を停止する停止状態から、環境情報を送信する通常状態に復帰させるための制御信号である。
【0113】
具体的には、例えば、まず、情報収集装置101が、車両DB700を参照して、受信した第2のプローブ情報に含まれる車両IDに対応するアドレスを特定する。例えば、第2のプローブ情報に含まれる車両IDが「V1」の場合、車両ID「V1」に対応するアドレス「10.10.xx.10」が特定される。
【0114】
そして、送信部1104が、特定されたアドレスを宛先として、環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を送信する。具体的には、例えば、送信部1104が、アドレス「10.10.xx.10」を宛先として、移動通信装置102−1の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量の送信を停止する停止状態からの復帰要求を送信する。
【0115】
これにより、密集エリアAiのGPS信号の遅延量が所定時間T以上継続して取得されていない場合に、密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0116】
また、第2の判定部1105は、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在する場合、密集エリアAiの環境情報のうち、最新の環境情報が取得されてから所定時間Tが経過しているか否かを判定することにしてもよい。そして、送信部1104は、所定時間Tが経過している場合、停止要求の送信先の移動通信装置102−jに復帰要求を送信することにしてもよい。
【0117】
これにより、車両が密集する特定の時期の密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0118】
また、送信部1104は、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在しない場合、環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を移動通信装置102−jに送信する機能を有する。これにより、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiから退出した場合に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0119】
また、送信部1104は、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAi内に存在しない場合、環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を移動通信装置102−jに送信することにしてもよい。これにより、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在する場合であっても、車両が密集する特定の時期を過ぎた際に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0120】
算出部1106は、受信された第1のプローブ情報に含まれるGPS信号の遅延量に基づいて、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を算出する機能を有する。具体的には、例えば、算出部1106が、下記式(4)〜(6)の関係を利用して、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を見積もることができる。
【0121】
なお、屈折指数は、乾燥大気と湿潤大気で分けられるものとし、積分はGPS信号の幾何学的経路に沿って行われる。また、乾燥大気による影響(下記式(4)の右辺第1項)は、地上気圧を利用して算出することができる。
【0122】
【数1】
【0123】
算出部1106は、第1のプローブ情報に含まれるGPS信号の遅延量を、上記式(4)のΔTropに代入して得られる関係から、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を見積もることができる。
【0124】
算出された水蒸気量は、例えば、プローブ情報DB110に記憶される。具体的には、例えば、算出された水蒸気量は、第1のプローブ情報に関するプローブ情報600−kの水蒸気量フィールドに設定される。
【0125】
出力部1107は、算出された算出結果を出力する。出力部1107の出力形式としては、例えば、ディスプレイ408への表示、プリンタ413への印刷出力、I/F409による外部装置への送信がある。また、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶領域に記憶することにしてもよい。
【0126】
具体的には、例えば、出力部1107が、プローブ情報DB110内のプローブ情報600−kの「時刻」と「緯度/経度」と「水蒸気量」とを関連付けて示す水蒸気量情報を出力することにしてもよい。ここで、水蒸気量情報をリスト化して示す水蒸気量リスト1200について説明する。
【0127】
図12は、水蒸気量リスト1200の具体例を示す説明図である。図12において、水蒸気量リスト1200は、複数の水蒸気量情報(例えば、水蒸気量情報1200−1〜1200−3)をリスト化して示す情報である。
【0128】
ここで、時刻は、水蒸気量の算出に利用されたGPS信号の遅延量が取得された時刻、すなわち、移動通信装置102−jの位置情報が取得された時刻である。緯度/経度は、水蒸気量に対応する地点の緯度/経度、すなわち、移動通信装置102の位置情報である。水蒸気量は、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量[g/m3]である。
【0129】
これにより、同一時間帯における水蒸気量分布を作成して、該時間帯における降水可能性を示すことができる。また、水蒸気量分布と他の気象情報とを併用することで、降水予測に活用することができる。
【0130】
上述した説明では、情報収集装置101が水蒸気量を算出する算出部1106を備えることにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、情報収集装置101とは異なる他のコンピュータがプローブ情報DB110にアクセスして、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を算出することにしてもよい。
【0131】
また、上述した説明では、密集エリアAiを対角頂点の緯度/経度を用いて表現することにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、密集エリアAiをノードとリンクの集合として表現することにしてもよい。この場合、第1の判定部1103は、例えば、各ノードと各リンクの緯度、経度情報に基づいて、移動通信装置102−jがノード上またはリンク上に存在するか否かを判定することにより、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する。
【0132】
また、上述した説明では、移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在する場合に、移動通信装置102−jから情報収集装置101への環境情報の送信を一時的に停止させることにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、移動通信装置102−jが特定のエリアA(密集エリアAiに限らない)を進行する際に、移動通信装置102−jから情報収集装置101への環境情報の送信を行わせることにしてもよい。この場合、特定のエリアAの環境情報を取得してから所定時間T経過後に、その都度、特定のエリアAに存在する、あるいはエリアA内を進行する移動通信装置102−jから情報収集装置101への環境情報の送信を行わせることになる。
【0133】
(移動通信装置102−jの機能的構成例)
つぎに、移動通信装置102−jの機能的構成例について説明する。図13は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの機能的構成を示すブロック図である。図13において、移動通信装置102−jは、取得部1301と、送信部1302と、受信部1303と、送信制御部1304と、を含む構成である。この制御部となる機能(取得部1301〜送信制御部1304)は、具体的には、例えば、図5に示したROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU501に実行させることにより、または、I/F509により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などの記憶装置に記憶される。
【0134】
取得部1301は、自装置の位置情報を取得する機能を有する。具体的には、例えば、取得部1301が、自装置に搭載されたGPSユニット511により、自装置の位置情報を取得する。自装置の位置情報には、該位置情報が取得された時刻が付与されている。なお、取得部1301は、各種センサ512の出力値やDGPS(Differential GPS)により、GPSユニット511により取得した位置情報を補正することにしてもよい。
【0135】
また、取得部1301は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報を取得する機能を有する。具体的には、例えば、取得部1301が、自装置の位置情報の算出に利用されたGPS信号の遅延量を取得する。また、取得部1301が、各種センサ512の出力値(気温、気圧など)を取得することにしてもよい。
【0136】
ここで、移動通信装置102−jの位置情報は、複数のGPS衛星(例えば、4つ以上のGPS衛星)からのGPS信号をもとに取得される。これにより、GPS信号が大気中を通過する際の大気遅延による測位誤差を低減して、移動通信装置102−jの位置情報を補正することができる。
【0137】
ここでは、取得部1301が、複数のGPS衛星のうちいずれかのGPS衛星からのGPS信号をもとに取得される移動通信装置102−jの位置と補正後の移動通信装置102−jの位置とのずれを、GPS衛星からのGPS信号の遅延量として取得する。
【0138】
送信部1302は、第1のプローブ情報を情報収集装置101に送信する機能を有する。ここで、第1のプローブ情報は、取得部1301によって取得された、自装置の位置情報、時刻情報、予め割り当てられた車輌識別子と、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを含む情報である(図9参照)。
【0139】
受信部1303は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を情報収集装置101から受信する機能を有する。具体的には、例えば、受信部1303が、自装置の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を情報収集装置101から受信する。
【0140】
送信制御部1304は、停止要求が受信された場合、送信部1302を制御して、第2のプローブ情報を情報収集装置101に送信する機能を有する。ここで、第2のプローブ情報は、取得部1301によって取得された自装置の位置情報、時刻情報、車輌識別子を含む情報である(図10参照)。すなわち、送信制御部1304が、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報を情報収集装置101に送信しないように制御する。
【0141】
これにより、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0142】
また、受信部1303は、自装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を情報収集装置101から受信する機能を有する。具体的には、例えば、受信部1303が、自装置の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量の送信を停止する停止状態からの復帰要求を情報収集装置101から受信する。
【0143】
また、送信制御部1304は、復帰要求が受信された場合、直前に送信したプローブ情報と同じタイミングで取得していた環境情報を、情報収集装置101に送信する機能を有する。また、送信制御部1304は、送信部1302を制御して、第1のプローブ情報を情報収集装置101に送信する機能を有する。これにより、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0144】
なお、送信部1302の送信処理は、送信制御部1304の制御にしたがって、例えば、一定時間t0間隔(例えば、2分、10分)で実行される。一定時間t0は、例えば、予め設定されてROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などの記憶装置に記憶されている。
【0145】
(情報収集装置101の情報収集処理手順)
つぎに、実施の形態にかかる情報収集装置101の情報収集処理手順について説明する。まず、情報収集装置101が移動通信装置102−jから第1のプローブ情報を受信した場合の情報収集処理手順について説明する。
【0146】
図14および図15は、実施の形態にかかる情報収集装置101の情報収集処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。図14のフローチャートにおいて、まず、受信部1101により、移動通信装置102−jからプローブ情報を受信する(ステップS1401)。
【0147】
そして、情報収集装置101により、受信したプローブ情報が、第1のプローブ情報であるか、第2のプローブ情報であるかを判断する(ステップS1402)。第1のプローブ情報が受信された場合(ステップS1402:第1)、登録部1102により、受信された第1のプローブ情報をプローブ情報DB110に登録する(ステップS1403)。
【0148】
一方、第2のプローブ情報が受信された場合(ステップS1402:第2)、図15に示すS1501に移行する。つぎに、第1の判定部1103により、受信された第1のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する(ステップS1404)。
【0149】
ここで、密集エリアAi内に存在しない場合(ステップS1404:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、密集エリアAi内に存在する場合(ステップS1404:Yes)、第1の判定部1103により、受信された第1のプローブ情報に含まれる時刻から特定される時期が、密集エリアAiに対応する特定の時期か否かを判定する(ステップS1405)。
【0150】
ここで、特定の時期ではない場合(ステップS1405:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、特定の時期の場合(ステップS1405:Yes)、送信部1104により、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を移動通信装置102−jに送信して(ステップS1406)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0151】
これにより、車両が密集する特定の時期の密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0152】
つぎに、図15を用いて、情報収集装置101が移動通信装置102−jから第2のプローブ情報を受信した場合の情報収集処理手順について説明する。
【0153】
図15のフローチャートにおいて、登録部1102により、受信された第2のプローブ情報をプローブ情報DB110に登録する(ステップS1501)。つぎに、第1の判定部1103により、受信された第2のプローブ情報に含まれる移動通信装置102−jの位置情報に基づいて、移動通信装置102−jが密集エリアAi内に存在するか否かを判定する(ステップS1502)。
【0154】
ここで、密集エリアAi内に存在しない場合(ステップS1502:No)、ステップS1506に移行する。一方、密集エリアAi内に存在する場合(ステップS1502:Yes)、第1の判定部1103により、受信された第2のプローブ情報に含まれる時刻から特定される時期が、密集エリアAiに対応する特定の時期か否かを判定する(ステップS1503)。
【0155】
ここで、特定の時期ではない場合(ステップS1503:No)、ステップS1507に移行する。一方、特定の時期の場合(ステップS1503:Yes)、第2の判定部1105により、プローブ情報DB110を参照して、所定時間T内の密集エリアAi上に位置するプローブ情報を検索する(ステップS1505)。
【0156】
密集エリアAi上に位置するプローブ情報が有る場合(ステップS1505:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、密集エリアAi上に位置するプローブ情報が無い(ステップS1505:Yes)、送信部1104により、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止状態からの復帰要求を移動通信装置102−jに送信して(ステップS1506)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0157】
これにより、密集エリアAiのGPS信号の遅延量が所定時間T以上継続して取得されていない場合に、密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。また、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiから退出した場合に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0158】
(移動通信装置102−jの情報提供処理手順)
つぎに、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの情報提供処理手順について説明する。図16は、実施の形態にかかる移動通信装置102−jの情報提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0159】
図16のフローチャートにおいて、まず、送信制御部1304により、前回プローブ情報を送信してから、一定時間t0が経過しているか否かを判断する(ステップS1601)。t0が経過していない場合(ステップ1601:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。t0が経過している場合(ステップ1601:Yes)、取得部1301により、自装置の位置情報、時刻情報およびGPS信号の遅延量を取得する(ステップS1602)。
【0160】
つぎに、受信部1303により、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止要求を情報収集装置101から受信したか否かを判断する(ステップS1603)。ここで、停止要求を受信していない場合(ステップS1603:No)、移動通信装置102−jが環境情報送信状態であるか否かを判断する(ステップS1604)。
【0161】
移動通信装置102−jが環境情報送信状態である場合(ステップ1604:Yes)、送信制御部1304により、送信部1302を制御して、取得された自装置の位置情報およびGPS信号の遅延量を含む第1のプローブ情報を情報収集装置101に送信する(ステップS1605)。
【0162】
また、移動通信装置102−jが環境情報送信状態でない場合(ステップ1604:No)、送信制御部1304により、送信部1302を制御して、取得された自装置の位置情報を含む第2のプローブ情報を情報収集装置101に送信する(ステップS1607)。
【0163】
また、ステップS1603において、停止要求を受信した場合(ステップS1603:Yes)、移動通信装置102−jを環境情報非送信状態へと遷移させる(ステップS1606)。そして、送信制御部1304により、送信部1302を制御して、取得された自装置の位置情報を含む第2のプローブ情報を情報収集装置101に送信する(ステップS1607)。
【0164】
つぎに、受信部1303により、GPS信号の遅延量の送信を停止する停止状態からの復帰要求を情報収集装置101から受信したか否かを判断する(ステップS1608)。ここで、復帰要求を受信していない場合(ステップS1608:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0165】
また、ステップS1608において、復帰要求を受信した場合(ステップS1608:Yes)、直前に送信した第2のプローブ情報と同じタイミングで取得した環境情報を、情報収集装置101へ送信する(ステップS1609)。そして、移動通信装置102−jを環境情報送信状態へと遷移させる(ステップS1610)。
【0166】
これにより、自装置の周囲の水蒸気量を特徴付けるGPS信号の遅延量を情報収集装置101に提供することができる。また、情報収集装置101から停止要求を受信した場合は、情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止することができる。また、情報収集装置101から復帰要求を受信した場合は、情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開することができる。
【0167】
以上説明したように、実施の形態にかかる情報収集システム300によれば、移動通信装置102−jが密集エリアAiを進行する際に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。
【0168】
これにより、車両が密集する領域内に存在する移動通信装置102−jからの情報収集を制限することができる。この結果、定期的にプローブ情報をアップロードする複数の移動通信装置間で情報内容が重複または類似するために利用されないデータの送信を抑制することができる。
【0169】
また、情報収集システム300によれば、密集エリアAi内で収集されたGPS信号の遅延量が所定時間T以上継続して取得されていない場合、密集エリアAiにおける移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0170】
また、情報収集システム300によれば、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiから退出した場合、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0171】
また、情報収集システム300によれば、移動通信装置102−jが特定の時期に密集エリアAiを進行する際に、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を一時的に停止させることができる。これにより、車両が密集する特定の時期に密集エリアAi内に存在する移動通信装置102−jからの情報収集を制限することができる。
【0172】
また、情報収集システム300によれば、停止要求の送信先の移動通信装置102−jが密集エリアAiに存在する場合であっても、特定の時期を過ぎた場合、移動通信装置102−jから情報収集装置101へのGPS信号の遅延量の送信を再開させることができる。
【0173】
また、情報収集システム300によれば、移動通信装置102−jから収集したGPS信号の遅延量に基づいて、移動通信装置102−jとGPS衛星とをつなぐ直線間の水蒸気量を算出することができる。これにより、水蒸気量分布を知ることができる。
【0174】
また、情報収集システム300によれば、密集エリアAiの大きさを、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の空間分解能に基づいて設定することができる。これにより、所望の気象現象を観測する際に必要となる空間分解能を満たす水蒸気量を求めることができる。
【0175】
また、情報収集システム300によれば、密集エリアAiにおけるGPS信号の遅延量の収集を停止する期間を表す所定時間Tを、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の時間分解能に基づいて設定することができる。これにより、所望の気象現象を観測する際に必要となる時間分解能を満たす水蒸気量を求めることができる。
【0176】
これらのことから、本実施の形態にかかる情報収集システム300によれば、利用されないデータの通信にかかる無駄な通信資源の使用を抑制して通信資源を効率的に使用することができる。また、情報収集システム300によれば、利用されないデータを収集しないため、情報収集装置101における記憶領域の使用量を削減することができる。
【0177】
なお、本実施の形態で説明した情報収集方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報収集プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本情報収集プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0178】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0179】
(付記1)移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、
前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報収集方法。
【0180】
(付記2)前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後、前記移動通信装置のプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記記憶部に記憶されている前記特定のエリアの環境情報のうち受信した前記プローブ情報に含まれる時刻情報から所定時間内に取得された情報があるか否かを判定し、
前記所定時間内に取得された情報がない場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を前記移動通信装置に送信する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1に記載の情報収集方法。
【0181】
(付記3)前記所定時間内に取得された情報の有無を判定する処理は、
前記記憶部に前記環境情報と関連付けて記憶されている前記位置情報が取得された時点と、受信した前記移動通信装置の位置情報が取得された時点とに基づいて、前記所定時間内に取得された情報があるか否かを判定することを特徴とする付記1または2に記載の情報収集方法。
【0182】
(付記4)前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後、前記移動通信装置のプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在しない場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を前記移動通信装置に送信する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【0183】
(付記5)前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定する処理は、
受信した前記移動通信装置の位置情報および当該位置情報が取得された時点に基づいて、前記移動通信装置が特定の時期に前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記停止要求を送信する処理は、
前記移動通信装置が前記特定の時期に前記特定のエリア内に存在する場合、前記停止要求を前記移動通信装置に送信することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【0184】
(付記6)前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後に、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定する処理は、
受信した前記移動通信装置の位置情報および当該位置情報が取得された時点に基づいて、前記移動通信装置が特定の時期に前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記所定時間が経過しているか否かを判定する処理は、
前記移動通信装置が前記特定の時期に前記特定のエリア内に存在する場合、前記記憶部に記憶されている前記特定のエリアの環境情報のうち最新の環境情報が取得されてから前記所定時間が経過しているか否かを判定することを特徴とする付記2または3に記載の情報収集方法。
【0185】
(付記7)前記復帰要求を送信する処理は、
前記移動通信装置が前記特定の時期に前記特定のエリア内に存在しない場合、前記復帰要求を前記移動通信装置に送信することを特徴とする付記6に記載の情報収集方法。
【0186】
(付記8)前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報は、GPS衛星から発信されるGPS信号の遅延量を示すことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【0187】
(付記9)前記特定のエリアの大きさは、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の空間分解能に基づいて設定されることを特徴とする付記8に記載の情報収集方法。
【0188】
(付記10)前記所定時間は、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の時間分解能に基づいて設定されることを特徴とする付記8または9に記載の情報収集方法。
【0189】
(付記11)移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、
前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報収集プログラム。
【0190】
(付記12)移動通信装置の位置情報と前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報とを前記移動通信装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記移動通信装置の位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在すると判定された場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする情報収集装置。
【符号の説明】
【0191】
101 情報収集装置
102,102−1〜102−m,102−j 移動通信装置
110 プローブ情報DB
800 エリアテーブル
1101,1303 受信部
1102 登録部
1103 第1の判定部
1104,1302 送信部
1105 第2の判定部
1106 算出部
1107 出力部
1301 取得部
1304 送信制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、
前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報収集方法。
【請求項2】
前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後、前記移動通信装置のプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記記憶部に記憶されている前記特定のエリアの環境情報のうち受信した前記プローブ情報に含まれる時刻情報から所定時間内に取得された情報があるか否かを判定し、
前記所定時間内に取得された情報がない場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を前記移動通信装置に送信する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1に記載の情報収集方法。
【請求項3】
前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後、前記移動通信装置のプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在しない場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を前記移動通信装置に送信する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1または2に記載の情報収集方法。
【請求項4】
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定する処理は、
受信した前記移動通信装置の位置情報および当該位置情報が取得された時点に基づいて、前記移動通信装置が特定の時期に前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記停止要求を送信する処理は、
前記移動通信装置が前記特定の時期に前記特定のエリア内に存在する場合、前記停止要求を前記移動通信装置に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【請求項5】
前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報は、GPS衛星から発信されるGPS信号の遅延量を示すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【請求項6】
前記特定のエリアの大きさは、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の空間分解能に基づいて設定されることを特徴とする請求項5に記載の情報収集方法。
【請求項7】
前記所定時間は、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の時間分解能に基づいて設定されることを特徴とする請求項5または6に記載の情報収集方法。
【請求項8】
移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、
前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報収集プログラム。
【請求項1】
移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、
前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報収集方法。
【請求項2】
前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後、前記移動通信装置のプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記記憶部に記憶されている前記特定のエリアの環境情報のうち受信した前記プローブ情報に含まれる時刻情報から所定時間内に取得された情報があるか否かを判定し、
前記所定時間内に取得された情報がない場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を前記移動通信装置に送信する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1に記載の情報収集方法。
【請求項3】
前記停止要求を前記移動通信装置に送信した後、前記移動通信装置のプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在しない場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止状態からの復帰要求を前記移動通信装置に送信する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1または2に記載の情報収集方法。
【請求項4】
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在するか否かを判定する処理は、
受信した前記移動通信装置の位置情報および当該位置情報が取得された時点に基づいて、前記移動通信装置が特定の時期に前記特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記停止要求を送信する処理は、
前記移動通信装置が前記特定の時期に前記特定のエリア内に存在する場合、前記停止要求を前記移動通信装置に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【請求項5】
前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報は、GPS衛星から発信されるGPS信号の遅延量を示すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報収集方法。
【請求項6】
前記特定のエリアの大きさは、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の空間分解能に基づいて設定されることを特徴とする請求項5に記載の情報収集方法。
【請求項7】
前記所定時間は、観測対象となる気象現象に対応する水蒸気量の時間分解能に基づいて設定されることを特徴とする請求項5または6に記載の情報収集方法。
【請求項8】
移動通信装置の位置情報を少なくとも含むプローブ情報を前記移動通信装置から受信し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報が、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含む第1のプローブ情報であるか、周囲の環境を特徴付ける環境情報を含まない第2のプローブ情報であるかを判断し、
前記プローブ情報が前記第1のプローブ情報である場合、該第1のプローブ情報を記憶部に記憶し、
受信した前記移動通信装置のプローブ情報に含まれる位置情報に基づいて、前記移動通信装置が特定のエリア内に存在するか否かを判定し、
前記移動通信装置が前記特定のエリア内に存在する場合、前記移動通信装置の周囲の環境を特徴付ける環境情報の送信を停止する停止要求を前記移動通信装置に送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報収集プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−198645(P2012−198645A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61190(P2011−61190)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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