説明

情報収集装置及び情報収集方法

【課題】 簡易な設備で車両の走行軌跡を取得し、施設の待ち行列情報等の入場車両関連情報を収集できるようにする。
【解決手段】 車両50の車載機60は走行軌跡を蓄積する機能を有する。車載機60は、駐車場等の施設入口に設置された情報収集路上機10との通信が可能になると、走行軌跡のデータを送信する。情報収集路上機10によって受信した走行軌跡データは情報収集装置20に供給され、走行経路特定部22で車両の走行経路が、出発地域特定部23で車両の出発地域が、待ち行列特定部24で待ち行列の経路や末尾位置や待ち時間などがそれぞれ特定され、各収集情報が生成される。これらの収集情報は、情報提供装置40を介して交通情報活用装置70へ提供され、施設への待ち行列情報の表示、来場車両の分析等に活用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に入る車両から走行軌跡等の情報を収集する情報収集装置及び情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駐車場等の施設に関する空き情報などを提供するシステムが実用化されてきている。例えば、駐車場施設に、駐車場待車両を判定して駐車場待車両に関する駐車場周辺情報を出力する車両判定手段と、駐車場周辺情報を交通情報提供機関に提供する情報提供手段とを設け、交通情報提供機関に駐車場周辺情報を発信する情報発信手段を設け、車両に、駐車場周辺情報を受信する情報受信手段を設け、地図情報検索手段に目的駐車場への入場待車両の最後尾を目的駐車場の位置として設定する手段を設けたナビゲーションシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、所望の駐車場に、入口の位置、入庫経路、入庫待機車両の列等を考慮した上で車両を適切に誘導する駐車場情報提供システムが提案されている。各駐車場の駐車場システムでは、駐車車両検出装置で検出した駐車車両の有無及び待機車両検出装置で検出した入庫待機車列に基づいて、駐車場管理装置で満車・空車情報及び待機車両の最後尾の情報を取得する。各駐車場の位置及び入庫経路の情報とこれら取得した情報を駐車場情報蓄積部に記憶しておき、各車両の駐車場情報取得装置からの要求に応じて送信する。駐車場情報取得装置では、これらの情報に基づいて所望の駐車場へ入庫するための経路を算出し、情報表示部により運転者に通知する(特許文献2参照)。
【0004】
また、路上を走行中の車両のドライバーに、複数の駐車場の駐車待ち時間をリアルタイムに提供する駐車待ち時間案内システムが提案されている。この例では、道路上の各地点に接地された出力装置(案内表示板)に各駐車場の待ち時間が表示される。また、通信領域内を走行中の車両に搭載されている受信用端末との間でFM多重通信を行うビーコンを設置し、情報提供センタから提供された待ち時間情報をビーコンから出力し、最終的にその通信領域を走行中の個々の車両の受信用端末のディスプレイ等から出力される(特許文献3参照)。
【0005】
また、駐車場の空き状況や施設の待ち時間等のリアルタイムな施設情報を提供し、さらに目的地までの経路を途中の駐車場や施設での待ち時間を考慮して探索することにより、最適な経路途中の施設情報をユーザーに提供するようにした施設情報表示装置が提案されている。この例では、施設情報検索手段は地図情報記憶手段からある地点の所定距離内の施設を読み出し、施設情報取得手段により該当する施設の情報を外部より取得して施設情報解析手段で解析した後、施設情報表示手段の制御にしたがって、ディスプレイに表示を行う(特許文献4参照)。
【0006】
また、スーパーマーケットや百貨店、遊園地などの施設の駐車場への入場を待つ車両が列をなす道路、または該道路付近に間隔をおいて複数設置される設置体それぞれに装備される第1の発信機と、所定の情報から、設置体付近に存在する車両が前記駐車場に入場するのに要する時間を求める時間算出手段と、時間算出手段により求められた時間情報を第1の発信機へ送信する第1の送信手段と、第1の発信機から発信される情報を受信する第1の受信機を含んで構成される第1の端末装置とを備えた情報処理システムであって、第1の端末装置に、第1の受信機で受信した情報に基づいて、駐車場へ入場するのに要する時間情報を乗員へ提供する提供手段が装備されている情報処理システムが提案されている(特許文献5参照)。
【0007】
また、入場車両検知機、退場車両検知機、待ち時間情報提供機、及び現在駐車待ちしている車両をモニタして結果を待ち時間情報提供機に入力する駐車待ち台数検知センサを具備し、待ち時間情報提供機は入場車両検知機の検知する信号及び退場車両検知機の検知する信号に基づいて駐車待ち時間を測定する駐車場待ち時間情報提供装置が提案されている(特許文献6参照)。
【0008】
また、ETCシステムの利点を活かしつつ、駐車場の満車/空車の管理やその利用者への情報提供を行う駐車場管理システムが提案されている。この駐車場管理システムは、駐車場に設置され車載器との間で双方向の無線通信を行うDSRC路側装置と、駐車場の画像データを撮像するCCTVカメラと、その画像データを元に駐車場の全駐車スペース内の車の駐車有無を判別する画像処理装置と、路側装置と車載器との間で行われる無線通信により車が停止することなく駐車場のゲート開閉及びその駐車場利用時間に応じた料金決済を自動で行うと共に、画像処理装置によてい判別された駐車スペースに関する情報を車載器向けメッセージ情報としてDSRC路側装置から無線通信により車載器に情報提供する駐車場管理サーバとを備えるものである(特許文献7参照)。
【0009】
さらに、プローブカー等により検出された交通情報に基づいて、その通過経路を算出する技術が提案されている(例えば特許文献8、9参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2001−330462号公報
【特許文献2】特開2003−242599号公報
【特許文献3】特開平10−154299号公報
【特許文献4】特開平9−120486号公報
【特許文献5】特開2003−281684号公報
【特許文献6】特開平11−312297号公報
【特許文献7】特開2003−58925号公報
【特許文献8】特開2002−342884号公報
【特許文献9】特開2002−342893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のような駐車場等の施設への入場待ち車両の有無や待ち行列の末尾位置等を検出するには、待ち行列ができる道路に沿って所定の間隔で多数の検出器を設置したり、複数のモニタカメラ等を設置したりする必要がある。しかし、このようなシステム構成では設備が大掛かりとなり、実際に道路上に設置するのは困難であった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、簡易な設備で車両の走行軌跡を取得し、施設の待ち行列情報等の入場車両関連情報を収集することが可能な情報収集装置及び情報収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の情報収集装置は、施設に入る車両の車載機との間で路車間通信を行う通信手段と、前記路車間通信によって前記車両側から供給される走行軌跡を収集する走行軌跡収集手段と、前記走行軌跡に基づいて前記施設への入場車両関連情報を生成する情報生成手段と、を備えるものである。
これにより、例えば施設の入口等で車両の走行軌跡を収集し、走行軌跡に基づいて施設への待ち行列の情報等の入場車両関連情報を生成し、活用することが可能となる。
【0014】
また、本発明の一態様として、上記の情報収集装置であって、前記情報生成手段は、前記施設に対する待ち行列に関する情報を生成する待ち行列情報生成手段を備え、待ち行列の経路、待ち行列の末尾位置、待ち行列における待ち時間のうちの少なくとも一つを含む情報を生成することとする。
これにより、当該施設へ入場する車両の走行軌跡から、待ち行列の経路、待ち行列の末尾位置、待ち行列における待ち時間等を特定し、待ち行列情報の表示などに活用することが可能となる。
【0015】
また、本発明の一態様として、上記の情報収集装置であって、前記情報生成手段は、前記施設へ入る車両の出発地に関する情報を生成する出発地情報生成手段を備えるものとする。
これにより、当該施設へ入場する車両の走行軌跡から、車両の出発地を特定し、施設の利用者の出発地域の分布の分析、この分析結果の利用、出発地情報の表示などに活用することが可能となる。
【0016】
また、本発明の一態様として、上記の情報収集装置であって、前記情報生成手段は、前記施設へ入る車両の走行経路に関する情報を生成する走行経路情報生成手段を備えるものとする。
これにより、当該施設へ入場する車両の走行軌跡から、車両の走行経路を特定し、施設の利用者の来場経路の分析、この分析結果の利用、経路情報の表示などに活用することが可能となる。
【0017】
本発明の情報収集方法は、施設に入る車両の車載機との間で路車間通信を行って前記車両の走行軌跡を収集するステップと、前記走行軌跡に基づいて前記施設への入場車両関連情報を生成するステップと、を有するものである。
これにより、例えば施設の入口等で車両の走行軌跡を収集し、走行軌跡に基づいて施設への待ち行列の情報等の入場車両関連情報を生成し、活用することが可能となる。
【0018】
また、本発明の一態様として、上記の情報収集方法であって、前記入場車両関連情報として、前記施設に対する待ち行列に関する、待ち行列の経路、待ち行列の末尾位置、待ち行列における待ち時間のうちの少なくとも一つを含む情報を生成するものとする。
これにより、当該施設へ入場する車両の走行軌跡から、待ち行列の経路、待ち行列の末尾位置、待ち行列における待ち時間等を特定し、待ち行列情報の表示などに活用することが可能となる。
【0019】
また、本発明の一態様として、上記の情報収集方法であって、前記入場車両関連情報として、前記施設へ入る車両の出発地に関する情報を生成するものとする。
これにより、当該施設へ入場する車両の走行軌跡から、車両の出発地を特定し、施設の利用者の出発地域の分布の分析、この分析結果の利用、出発地情報の表示などに活用することが可能となる。
【0020】
また、本発明の一態様として、上記の情報収集方法であって、前記入場車両関連情報として、前記施設へ入る車両の走行経路に関する情報を生成するものとする。
これにより、当該施設へ入場する車両の走行軌跡から、車両の走行経路を特定し、施設の利用者の来場経路の分析、この分析結果の利用、経路情報の表示などに活用することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡易な設備で車両の走行軌跡を取得し、施設の待ち行列情報等の入場車両関連情報を収集することが可能な情報収集装置及び情報収集方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本実施形態では、駐車場、ショッピングセンター等の店舗、遊園地等の遊戯施設、これらに付設された駐車場等の各種施設の入口等で入場する車両から走行軌跡の情報を収集する情報収集システムの構成例を示す。
【0023】
図1は本発明の実施形態に係る情報収集システムの概略構成を示す図である。情報収集システム1は、情報収集路上機10、情報収集装置20、情報分析装置30、及び情報提供装置40を有して構成される。
【0024】
情報収集路上機10は、施設(施設に付設された駐車場等)の入口等に設置されている。情報収集路上機10は、光や電波を利用した路車間通信として、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communication )による近距離通信を行う通信手段の機能を有する無線通信装置を備えており、車両50に搭載されている車載機との間でデータ通信を行う。車両50は走行軌跡等を蓄積する機能を備えている。車両50は、情報収集路上機10との間で路車間通信が可能な状態になるとデータ51を送信する。なお、この無線通信装置を用いて、施設の料金決済を行う機能等を備えるようにしてもよい。
【0025】
図2は車両50から情報収集路上機10へ送信するデータの一例を示す図である。データ51は、ヘッダデータ、車両をキーオン(エンジンをオン)した位置の緯度経度データ、及び、時空間の走行軌跡データを有してなる。走行軌跡データは、所定のアルゴリズムに基づいて符号化してデータ圧縮するようにしてもよい。データ圧縮することで通信量を低減できる。情報収集路上機10で受信したデータは情報収集装置20へ供給される。
【0026】
情報収集装置20は、走行軌跡収集手段及び情報生成手段の機能を有するもので、ヘッダデータに含まれている識別情報等に基づいて車両を特定するとともに、情報収集装置20内の記憶部に車両がキーオンした位置の緯度経度データをその車両の出発地として登録する。また、情報収集装置20は、走行軌跡データに基づいて車両の走行経路を求めるとともに、施設に入るために待機した待ち行列の区間及び待ち時間を求める。そして、情報収集装置20は、求めた走行経路を車両との対応を付けて記憶部に登録する。また、情報収集装置20は、待ち行列区間及び待ち時間を日時や曜日との対応を付けて記憶部に登録する。
【0027】
前記待ち行列の情報等の入場車両関連情報は、情報提供装置40へ供給される。情報提供装置40は、この待ち行列区間、待ち時間等の情報を含む入場車両関連情報を交通情報提供機関等へ提供する。また、情報提供装置40は、インターネット等のネットワークを介して入場車両関連情報を提供することもできる。また、情報提供装置40は、入場車両関連情報を施設運営者が路側等に設置した施設案内表示板等に提供し、待ち行列区間や待ち時間を表示させることもできる。
【0028】
情報分析装置30は、走行経路情報や出発地情報等の入場車両関連情報に基づき、施設来場車両の走行経路の分析(どの方向から来場する車両が多いか)や出発地の分布等の解析を行う。施設への主な走行経路がわかると、案内看板や宣伝看板を立てたり、割り込み車両が無いよう迂回看板を立てたりする際に参考となる。出発地の分布がわかると、新聞の折り込み広告等を出す際に参考となる。
【0029】
図3は本発明の実施形態に係る情報収集システムの具体的な構成例を示す図である。車両50の車載機60は、GPS受信部61で受信したGPS信号に基づく位置情報やジャイロ62の方角情報を用いて自車位置を検出する自車位置判定部63と、速度を検出するセンサA64の計測情報を収集するセンサ情報収集部65と、自車の走行軌跡や計測情報を蓄積する走行軌跡計測情報蓄積部66と、走行軌跡計測情報蓄積部66で蓄積したデータを送信する走行軌跡送信部67とを備える。また、走行軌跡計測情報蓄積部66と走行軌跡送信部67との間に符号化処理部68を設け、符号化処理部68で蓄積したデータを圧縮してから送信することで通信量を低減する構成としてもよい。
【0030】
情報収集路上機10は走行軌跡受信部11を備える。情報収集装置20は、符号化によって圧縮されている受信データを復号する符号化データ復号部21と、データ提供元の車両の走行軌跡に基づいて走行経路を特定する走行経路特定部(走行経路情報生成手段の機能を有する)22と、車両がキーオンした位置の緯度経度に基づいて出発地を特定する出発地域を特定する出発地域特定部(出発地情報生成手段の機能を有する)23と、車両の走行軌跡と速度情報に基づいて待ち行列を特定する待ち行列特定部(待ち行列情報生成手段の機能を有する)24とを備える。待ち行列特定部24によって生成された待ち行列の情報、出発地域特定部23によって生成された出発地情報、走行経路特定部22によって生成された走行経路情報等の入場車両関連情報は、情報提供装置40を介して、カーナビゲーション装置、携帯電話端末、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ等による交通情報活用装置70に配信されて活用される。交通情報活用装置70では、提供された待ち行列の最後尾位置や待ち時間の情報等に基づき、対象施設までの待ち行列の状況や最後尾位置及び待ち時間の表示、対象施設までの経路探索、音声等によるルート案内、対象施設への来場方向の分析、来場者の地域分布の分析などが行われる。
【0031】
図4は本実施形態における車載機の動作を示すフローチャートである。車載機60は、一定距離毎に現在位置・時刻を計測し、走行軌跡を蓄積する(ステップS1)。なお、車載機60は、一定時間毎に現在位置を蓄積するようにしてもよい。車載機60は、送信タイミングか否か、すなわち情報収集路上機10との通信が発生するかどうかを判断し(ステップS2)、送信タイミングになるまでステップS1で走行軌跡データが蓄積される。 ステップS2で送信タイミングになると、蓄積されている走行軌跡にデータ圧縮処理等を施して送信用のフォーマットに変換し(ステップS3)、走行軌跡データを情報収集路上機10へ送信する(ステップS4)。
【0032】
図5は本実施形態における情報収集システムの動作を示すフローチャートである。車載機60側から送信された走行軌跡データは、情報収集路上機10の走行軌跡受信部11によって受信されて情報収集装置20に送られ(ステップS11)、情報収集装置20の符号化データ復号部21で走行軌跡データが復号される(ステップS12)。そして、待ち行列特定部24は、施設入口から遡って車両速度が遅い区間を施設待ち行列区間と判定し、待ち行列の延伸方向を含む経路と末尾位置を特定する(ステップS13)。また、待ち行列特定部24は、待ち行列末尾位置から施設入口までの待ち時間を求める(ステップS14)。
【0033】
そして、走行経路特定部22は、待ち行列区間よりもさらに上流側の走行軌跡を用いて、施設への待ち行列に至る車両が通った経路や方向を分析する(ステップS15)。また、出発地域特定部23は、車両がキーオンした位置の緯度経度に基づいて出発地域を特定する(ステップS16)。そして、生成された待ち行列の情報、走行経路情報、出発地情報などが情報提供装置40を介して交通情報活用装置70に提供され、収集した情報の活用処理がなされる(ステップS17)。これにより、待ち行列の末尾位置や待ち行列の平均待ち時間を提供したり、来場車両の走行経路や出発地の情報を施設運営等に利用したりすることができる。
【0034】
図6は待ち行列特定部24の動作を示す図である。施設(ここでは駐車場)80の入口(ここでは駐車場入口)81において、設置された情報収集路上機10に車両から提供された走行軌跡データが収集される。待ち行列特定部24は、収集した走行軌跡の速度データに基づいて、駐車場入口81から遡った上流側で車両速度が遅い区間(例えば30km/h以下)を駐車場待ち渋滞区間と判定し、待ち行列末尾位置を特定する。また、この待ち行列の軌跡を抽出する。
【0035】
図7は施設待ち行列と待ち行列までの走行軌跡の一具体例を示す図である。駐車場入口において、車両50から情報収集路上機10へ送信された走行軌跡データに基づいて当該車両の走行軌跡を解析することで、この車両は駐車場入口に近い交差点から入ってきたが、待ち行列があるために駐車場外周を廻り込んで待ち行列に並び、その後入場したことが判明する。
【0036】
図8は収集情報活用の第1例を示す図である。この第1例は、待ち行列特定部24で生成された待ち行列の情報に基づいて、施設(駐車場)入口の待ち時間、待ち行列末尾、待ち行列への進入方向の各情報を提供する例であり、交通情報活用装置70として、車両に搭載されるカーナビゲーション装置等に適用するものである。カーナビゲーション装置の表示部等において、図8に示すように、道路地図上に3箇所の駐車場P1,P2,P3の位置を表示するとともに、各駐車場P1,P2,P3について、入口位置、待ち行列の形状、待ち行列の末尾位置、駐車場入口までの平均待ち時間、待ち行列に到達するまでの走行方向(待ち行列への進入方向)をそれぞれ表示する。この提供情報を用いて、車両の運転者は駐車場へ入場する際の目標駐車場の決定、進入経路の設定、などの判断の参考にすることができる。
【0037】
図9は収集情報活用の第2例を示す図である。この第2例は、走行経路特定部22で生成された走行経路情報に基づいて、車両の来場方向の分析を行う例であり、交通情報活用装置70として、図1の情報分析装置30や他の情報処理端末などに適用するものである。図9は、車両の来場方向の分析結果として、駐車場Pに来る車両の台数が多少を線の太さで表わしており、この画像情報が情報処理端末の表示部などに表示される。ここで、線が太いほど駐車場に来る車両の台数が多いことを示し、矢印は来場方向を示している。このような車両の来る方向や来場台数の分析結果の情報は、案内看板の設置位置検討などに利用できる。
【0038】
図10は収集情報活用の第3例を示す図である。この第3例は、出発地域特定部23で生成された出発地情報に基づいて、来場者の地域分析を行う例であり、交通情報活用装置70として、図1の情報分析装置30や他の情報処理端末などに適用するものである。図10は、来場者の地域分析結果として、車場Pの周辺地域を主要道路や行政区画によって所定領域ごとに区画分けし、来場者数の多少を3段階に区分して表示したものであり、この画像情報が情報処理端末の表示部などに表示される。このような来場者の地域分布や来場台数の分析結果の情報は、チラシなどの宣伝広告に利用することができる。また、単位人口当たりの来場者数を求めて表示するようにしてもよい。
【0039】
なお、情報収集システム1は、車載機60との通信が可能となった時点で情報収集路上機10から走行軌跡送信要求を車載機60側へ送信し、車載機60側は走行軌跡の送信を許可する設定となっている場合に、走行軌跡を自動的に送信するようにしてもよい。また、情報収集システム1は、走行軌跡の提供に対して例えば駐車料金を割り引く等の特典を与えるようにしてもよい。
【0040】
上述したように、本実施形態によれば、車両側から提供される走行軌跡に基づいて、施設への入場待ち行列の情報として、待ち行列の経路、待ち行列の末尾位置、待ち時間等の情報を収集することができる。また、来場車両の走行経路や出発地の情報を収集することができる。これらの収集情報を用いて、対象施設までの待ち行列の状況や最後尾位置及び待ち時間の表示、対象施設までの経路探索、音声等によるルート案内、対象施設への来場方向の分析、来場者の地域分布の分析などに活用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、簡易な設備で車両の走行軌跡を取得し、施設の待ち行列情報等の入場車両関連情報を収集することが可能となる効果を有し、施設に入る車両から走行軌跡等の情報を収集する情報収集装置及び情報収集方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る情報収集システムの概略構成を示す図
【図2】本実施形態において車両から情報収集路上機へ送信するデータの一例を示す図
【図3】本発明の実施形態に係る情報収集システムの具体的な構成例を示す図
【図4】本実施形態における車載機の動作を示すフローチャート
【図5】本実施形態における情報収集システムの動作を示すフローチャート
【図6】本実施形態における待ち行列特定部の動作を示す図
【図7】本実施形態における施設待ち行列と待ち行列までの走行軌跡の一具体例を示す図
【図8】本実施形態における収集情報活用の第1例を示す図
【図9】本実施形態における収集情報活用の第2例を示す図
【図10】本実施形態における収集情報活用の第3例を示す図
【符号の説明】
【0043】
1 情報収集システム
10 情報収集路上機
11 走行軌跡受信部
20 情報収集装置
21 符号化データ復号部
22 走行経路特定部
23 出発地域特定部
24 待ち行列特定部
30 情報分析装置
40 情報提供装置
50 車両
60 車載機
70 交通情報活用装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に入る車両の車載機との間で路車間通信を行う通信手段と、
前記路車間通信によって前記車両側から供給される走行軌跡を収集する走行軌跡収集手段と、
前記走行軌跡に基づいて前記施設への入場車両関連情報を生成する情報生成手段と、
を備える情報収集装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報収集装置であって、
前記情報生成手段は、前記施設に対する待ち行列に関する情報を生成する待ち行列情報生成手段を備え、待ち行列の経路、待ち行列の末尾位置、待ち行列における待ち時間のうちの少なくとも一つを含む情報を生成する情報収集装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報収集装置であって、
前記情報生成手段は、前記施設へ入る車両の出発地に関する情報を生成する出発地情報生成手段を備える情報収集装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報収集装置であって、
前記情報生成手段は、前記施設へ入る車両の走行経路に関する情報を生成する走行経路情報生成手段を備える情報収集装置。
【請求項5】
施設に入る車両の車載機との間で路車間通信を行って前記車両の走行軌跡を収集するステップと、
前記走行軌跡に基づいて前記施設への入場車両関連情報を生成するステップと、
を有する情報収集方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報収集方法であって、
前記入場車両関連情報として、前記施設に対する待ち行列に関する、待ち行列の経路、待ち行列の末尾位置、待ち行列における待ち時間のうちの少なくとも一つを含む情報を生成する情報収集方法。
【請求項7】
請求項5に記載の情報収集方法であって、
前記入場車両関連情報として、前記施設へ入る車両の出発地に関する情報を生成する情報収集方法。
【請求項8】
請求項5に記載の情報収集方法であって、
前記入場車両関連情報として、前記施設へ入る車両の走行経路に関する情報を生成する情報収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−31421(P2006−31421A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209550(P2004−209550)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】