説明

情報取得システム

【課題】従来の2次元コードに代わる情報の記憶方法及び取得方法を提供することにある。
【解決手段】第1透過率を有する第1領域と、前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて情報が記憶された情報記憶カードと、前記情報記憶カードに光を出力する発光手段と、前記情報記憶カードに対して前記発光手段と反対側に配置され、前記発光手段から前記情報記憶カードを透過する透過光を検出する光検出手段と、前記透過光の検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する制御手段と、を備える情報取得システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報取得システム、特に、カードに記憶された情報を取得するための情報取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定の情報を記憶可能なシステムとして、バーコードシステムが普及している。バーコードは、太さの異なる黒色の棒状部と、空白部分の組み合わせによって、情報を符号化したものであり、該コードをスキャナで光学的に読み取って、符号化された情報を復号することによって、バーコードに符号化する前の情報を取得することが可能となる。該バーコードシステムを使用して符号化される情報量を増加させるためには、バーコードの桁数を増加させる必要が生じる。しかし、桁数の増加によってバーコード配列が長くなり、スキャナによる読み取りが困難になる等の問題が発生する。現在、こうした問題を解決すべく、バーコードに代わる情報の符号化システムとして、複数の黒色の矩形セルが所定の配列規則に従って2次元配置された2次元コードシステムが普及し始めている。2次元コードは、例えばビデオカメラ等の光学機器によって読み取りが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような2次元コードシステムにおいて情報量を増加させる場合にも、矩形セルの配列面積を増加する必要がある。一般に携帯電話機等の小型情報端末では、赤外線ユニットを搭載しており、この赤外線ユニットからの赤外線の照射によって2次元コードを取得する。しかしながら、矩形セルの配列面積が大きくなると、赤外線ユニットからの赤外線を矩形セル部分に一度に照射することができなくなり、情報の読み取りが困難になる。
【0004】
本発明の目的は、従来の2次元コードに代わる情報の記憶方法及び取得方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る情報取得システムは、情報記憶カードと、発光手段と、光検出手段と、制御部とを備えている。情報記憶カードは、第1透過率を有する第1領域と、前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶されている。発光手段は、前記情報記憶カードに光を出力する。光検出手段は、前記情報記憶カードに対して前記発光手段と反対側に配置され、前記発光手段から前記情報記憶カードを透過する透過光を検出する。制御部は、前記透過光の検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する。
【0006】
この情報取得システムでは、情報記憶カードにおいて異なる透過率の領域を利用して情報を記憶する。情報の記憶は、第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて行われる。第2領域の形態は、例えば、第2領域の大きさ、色、形状、模様である。この情報システムによれば、第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて情報を簡易に記憶することができる。この情報取得システムでは、情報記憶カードを発光手段及び光検出部と略同一の形状及び大きさに構成することができ、情報記憶カードにおける情報記憶面積が大きくなった場合にも、情報を容易に読み取ることができる。
【0007】
また、この情報取得システムは、第1発明に係る情報取得システムにおいて、前記第2領域の形態は、前記第2領域の大きさを含む。
【0008】
この情報取得システムでは、情報記憶カードへの情報の記憶において、第2領域の形態として大きさを用いる。第2領域の位置及び/又は数と、大きさとを組み合わせることにより、情報記憶密度を向上させることができる。
【0009】
また、この情報取得システムは、第1発明に係る情報取得システムにおいて、前記第2領域の形態は、前記第2領域の色を含む。
【0010】
この情報取得システムでは、情報記憶カードへの情報の記憶において、第2領域の形態として色を用いる。第2領域の位置及び/又は数と、色とを組み合わせることにより、情報記憶密度を向上させることができる。
【0011】
また、この情報取得システムは、第1発明に係る情報取得システムにおいて、前記復号データは、画像データ又は音声データであり、前記制御部は、前記画像データ又は音声データを表示部又は音声出力部に出力する。
【0012】
この情報取得システムによれば、情報記憶カードに画像データ又は音声データが含まれていた場合に、画像データ又は音声データを自動的に出力するので、ユーザが、情報記憶カードに記憶されている情報を容易に認識できる。
【0013】
第2発明に係る情報取得システムは、第1発明に係る情報取得システムにおいて、前記復号データは、画像データ又は音声データを指定する指定情報である。また、前記情報取得システムは、前記指定情報と前記画像データ又は音声データとを記憶する記憶部をさらに備える。また、前記制御部は、前記記憶部から前記指定情報に対応する画像データ又は音声データを読み出して表示部又は音声出力部に出力する。
【0014】
この情報取得システムによれば、情報記憶カードに画像データ又は音声データを指定する指定情報のみを記憶しておけば良いので、情報記憶カードに記憶した情報により大量の画像データ又は音声データを指定できるようになる。また、この情報取得システムによれば、情報記憶カードの情報に基づいて、画像データ又は音声データを自動的に出力するので、ユーザが、情報記憶カードに記憶されている情報を容易に認識できる。
【0015】
また、この情報取得システムは、第1発明に係る情報取得システムにおいて、前記復号データはURL情報であり、前記情報取得システムは、通信部をさらに備える。また、前記制御部は、通信部を介して前記URL情報で指定される接続先と通信し、所定の画像及び/又は音声データを取得して表示部及び/又は音声出力部に出力する。
【0016】
この情報取得システムによれば、情報記憶カードにURL情報が含まれていた場合に、URL情報が指定する場所にある画像及び/又は音声データを自動的に出力するので、ユーザが、情報記憶カードに記憶されている情報を容易に認識できる。
【0017】
第3発明に係る情報取得システムは、第1発明に係る情報取得システムにおいて、前記復号データはURL情報を指定する指定情報である。また、前記情報取得システムは、通信部と、前記指定情報と前記URL情報とを対応付けて記憶する記憶部をさらに備える。また、前記制御部は、前記記憶部から前記指定情報に対応するURL情報を読み出し、前記通信部を介して前記URL情報で指定される接続先と通信し、所定の画像及び/又は音声データを取得して表示部及び/又は音声出力部に出力する。
【0018】
この情報取得システムによれば、情報記憶カードに記憶されている指定情報を更新しなくても、記憶部のURL情報を更新することより、情報記憶カードの指定情報に基づく情報を最新状態に保つことができる。また、情報記憶カードにURL情報が含まれていた場合に、URL情報が指定する場所にある画像及び/又は音声データを自動的に出力するので、ユーザが、情報記憶カードに記憶されている情報を容易に認識できる。
【0019】
第4発明に係る情報取得システムは、情報記憶カードと、発光手段と、光検出手段と、制御部とを備えている。情報記憶カードは、板状部と、板状部に形成された複数の穴部とを有し、前記複数の穴部の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶されている。発光手段は、前記情報記憶カードに光を出力する。光検出手段は、前記情報記憶カードに対して前記発光手段と反対側に配置され、前記発光手段から前記情報記憶カードを透過する透過光を検出する。制御部は、前記透過光の検出値に基づいて前記穴部の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記穴部の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する。
【0020】
この情報取得システムでは、情報記憶カードにおいて異なる透過率の領域を利用して情報を記憶する。情報の記憶は、穴部の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて行われる。穴部の形態は、例えば、穴部の大きさ、色、形状、模様である。この情報取得システムによれば、穴部の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて情報を簡易に記憶することができる。

第5発明に係る情報取得システムは、情報記憶カードと、情報取得装置とを備えている。情報記憶カードは、第1透過率を有する第1領域と、前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶されている。情報取得装置は、前記情報記憶カードから情報を取得する。情報取得装置は、開閉可能な第1筐体及び第2筐体と、前記第1筐体に設けられた発光手段と、光検出手段と、制御部とを備えている。光検出手段は、前記第2筐体に設けられ、かつ前記第1筐体及び前記第2筐体が閉状態にある場合に前記発光手段と対向して配置され、前記情報記憶カードが設置される。制御部は、前記光検出手段により検出された光の検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する。
【0021】
この情報取得システムでは、情報記憶カードにおいて異なる透過率の領域を利用して情報を記憶する。情報の記憶は、第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて行われる。第2領域の形態は、例えば、第2領域の大きさ、色、形状、模様である。この情報システムによれば、第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて情報を簡易に記憶することができる。また、この情報取得システムでは、情報記憶カードを第1筐体及び第2筐体で挟んだ状態で、発光手段及び光検出手段により情報記憶カードの透過光を検出するので、外光の影響を受けにくく、情報記憶カードに記憶されている情報を確実に取得することができる。
【0022】
第6発明に係る情報記憶カードは、発光手段と光検出手段とに挟まれた状態で前記光検出手段からの出力により情報を取得する情報取得システムに用いられる情報記憶カードであって、第1透過率を有する第1領域と、前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域であって、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶される前記第2領域と、を含む。
【0023】
この情報記憶カードでは、異なる透過率の領域を利用して情報を記憶する。情報の記憶は、第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて行われる。第2領域の形態は、例えば、第2領域の大きさ、色、形状、模様である。この情報記憶カードによれば、第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて情報を簡易に記憶することができる。
【0024】
また、この情報記憶カードは、第6発明に係る情報記憶カードにおいて、前記第2領域の形態は、前記第2領域の大きさを含む。
【0025】
情報記憶カードへの情報の記憶において、第2領域の形態として大きさを用いる。第2領域の位置及び/又は数と、大きさとを組み合わせることにより、情報記憶密度を向上させることができる。
【0026】
また、この情報記憶カードは、第6発明に係る情報記憶カードにおいて、前記第2領域の形態は、前記第2領域の色を含む。
【0027】
情報記憶カードへの情報の記憶において、第2領域の形態として色を用いる。第2領域の位置及び/又は数と、色とを組み合わせることにより、情報記憶密度を向上させることができる。
【0028】
第7発明に係るプログラムは、情報記憶カードから情報を取得する情報取得装置としてコンピュータを機能させるプログラムに関する。このプログラムは、第1透過率を有する第1領域と、前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶された情報記憶カードに、発光手段の光を照射する手段と、前記発光手段から前記情報記憶カードを透過した透過光を光検出手段が検出した検出値を取得する手段と、前記検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する手段と、してコンピュータを機能させる。
【0029】
また、このプログラムは、第7発明に係るプログラムにおいて、前記第2領域の形態は、前記第2領域の大きさを含む。
【0030】
また、このプログラムは、第7発明に係るプログラムにおいて、前記第2領域の形態は、前記第2領域の色を含む。
【0031】
第8発明に係る情報取得システムは、情報記憶カードと、情報取得装置とを備えている。情報記憶カードは、第1反射率を有する第1領域と、前記第1反射率とは異なる第2反射率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶されている。情報取得装置は、前記情報記憶カードから情報を取得する情報取得装置であって、第1筐体及び第2筐体と、発光手段と、光検出手段と、制御部とを備えている。第1及び第2筐体は、開閉可能であり、前記情報記憶カードから情報を取得する際に前記情報記憶カードを挟む。発光手段は、前記第1筐体又は前記第2筐体に設けられている。光検出手段は、前記発光手段が設けられた前記第1筐体又は前記第2筐体に設けられ、かつ前記第1筐体及び前記第2筐体が閉状態にある場合に、前記発光手段から前記情報記憶カードに照射した光の反射光を検出する。制御部は、前記光検出手段により検出された光の検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する。
【0032】
この情報取得システムでは、情報記憶カードにおいて異なる反射率の領域を利用して情報を記憶する。情報の記憶は、第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて行われる。第2領域の形態は、例えば、第2領域の大きさ、色、形状、模様である。この情報システムによれば、第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて情報を簡易に記憶することができる。また、この情報取得システムでは、情報記憶カードを第1筐体及び第2筐体で挟んだ状態で、発光手段及び光検出手段により情報記憶カードの反射光を検出するので、外光の影響を受けにくく、情報記憶カードに記憶されている情報を確実に取得することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、情報記憶面積が大きくなった場合にも、容易に読み取り可能な情報取得システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
(1)第1実施形態
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る情報取得システム100の斜視図である。図2は、本実施形態に係る情報取得システム100の概略ブロック図である。
【0035】
この情報取得システム100は、後述する穴部101bによって情報が記憶されたカード101と、カード101から情報を取得する電子機器102とを備えている。
【0036】
電子機器102は、図1に示すように、第1筐体103と、第2筐体104とを備えている。第1筐体103及び第2筐体104は、略矩形状の板状部で構成されている。第1筐体103及び第2筐体104は、開閉自在に固定されている。図1(a)及び(b)は、電子機器102が開状態にある場合、即ち、第1筐体103及び第2筐体104が開状態にある場合を図示している。図1(c)は、電子機器102が閉状態にある場合、即ち、第1筐体103及び第2筐体104が閉状態にある場合を図示している。
【0037】
また、電子機器102は、図2に示すように、第1表示部105と、第2表示部106と、光感知パネル107と、操作キー108と、電源部109と、スピーカ110と、マイク111と、CPU112と、メモリ113と、インターフェース114と、リアルタイムクロック115と、通信ユニット116と、開閉センサ117とを備えている。
【0038】
第1表示部105、第2表示部106、光感知パネル107、操作キー108、電源部109、スピーカ110、マイク111、CPU112、メモリ113、インターフェース114、リアルタイムクロック115、通信ユニット116、及び開閉センサ117は、バスに接続されている。
【0039】
第1表示部105は、第1筐体103の面のうち、電子機器102が閉状態にある場合に内側となる内側面に配置されている。第1表示部105は、LCD、有機EL等で構成されており、CPU112の制御により所定の画像を出力する。
【0040】
第2表示部106は、第2筐体104の面のうち、電子機器102が閉状態にある場合に内側となる内側面に配置されている。第2表示部106は、LCD、有機EL等で構成されており、CPU112の制御により所定の画像を出力する。第2表示部106は、第1表示部105と平面視において略同一の形状及び大きさで形成されている。
【0041】
図3は、第1実施形態に係る光感知パネルの配置を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る光感知パネル107の概略平面図である。
【0042】
光感知パネル107は、第1表示部105及び第2表示部106と平面視において略同一の形状及び大きさで形成されている。光感知パネル107は、図3に示すように、第2表示部106上に重ねて配置されており、光感知パネル107を介して第2表示部106を視認可能な程度の透過率を有する。
【0043】
光感知パネル107は、図4に示すように、走査電極S(S1・・Sm)と、データ電極G(G1・・Gn)と、データ電極Gと走査電極Sに接続された受光センサ回路91とを備えている。受光センサ回路91は、データ電極Gと走査電極Sとの交差部に形成されるセルP(P11・・Pmn)ごとに配置されている。各受光センサ回路91は、光センサと、スイッチとを備えている。光センサは、フォトダイオード等で構成され、受光した光の強度に対応する電気信号を出力する。スイッチは、走査電極Sに走査信号が印加された場合に、光センサとデータ電極Gとを電気的に接続する。
【0044】
この光感知パネル9では、受光センサ回路91のスイッチを駆動する走査信号を各走査電極S(S1・・Sm)に順次印加することにより、走査信号が印加された走査電極Sに接続された光センサ回路91においてスイッチがオンされ、光センサの検出値がデータ電極Gに出力される。したがって、CPU112の制御により、各走査電極Sに走査信号を順次印加して各データ電極Gからの出力をメモリ113に記憶することにより、各セルPにおける光の受光強度を検出することができる。
【0045】
図5(a)は、本実施形態に於ける光感知パネル107のセルPの配置を示す図であり、光センサを受光したセルを黒塗りで表現している。同図(b)は、光感知パネル107のセルの座標(P11・・Pmn)である。同図(c)は、光感知パネル107の各セルP11〜Pmnの検出値を示す座標データである。ここで、Pxy(x=1,・・,m,y=1,・・,n)は、x行y列のセルの座標を表すものとする。従って、同図(c)における第1行第1列の値は、セルP11の値を表している。
【0046】
本実施形態では、光感知パネル107の各セルPの光センサで検出された値(以下検出値という)は、CPU112において所定の閾値と比較され、検出値が閾値以上である場合には当該セルPに「1」を割り当て、検出値が閾値未満の場合には当該セルPに「0」を割り当てる。例えば、図5(a)の黒塗部分に示すように、セルP22で検出値が閾値以上であった場合には、図5(c)に示すようにセルP22に「1」が割り当てられ、検出値が閾値未満のセルPには「0」が割り当てられる。
【0047】
操作キー108は、十字キーや上下左右キー等の複数のキーを備えており、ユーザからの入力を受け付けてその入力結果をCPU112に出力する。電源部109は、充電式の電池等の蓄電手段、電源回路を含んで構成され、電子機器102の各部に電力を供給する。スピーカ110は、CPU112の制御によって、所定の音声を出力する。マイク111は、外部音声に所定の処理を施してデジタル信号に変換し、CPU112に出力する。
【0048】
メモリ113は、所定の情報を予め記憶する不揮発性メモリ(例えばROM、フラッシュメモリ)や、所定の情報を一時的に記憶する揮発性メモリ(例えば、RAM)で構成されている。インターフェイス114は、外部メモリである記録媒体114aとCPU112等の内部回路とのインターフェースである。CPU112は、インターフェース114を介して記録媒体114aに記憶された情報を取得する。リアルタイムクロック115は、時刻を計時する時計機能、年、月、日、曜日を計時するカレンダ機能、及び、所定の時間の長さを計測するカウンタ機能を備えている。通信ユニット116は、CPU112の制御により、インターネット等のネットワークに接続可能な通信装置である。開閉センサ117は、電子機器102の開閉状態、即ち、第1筐体103と第2筐体104との開閉状態を検出する。開閉センサ117は、第1筐体103と第2筐体104とが閉状態となった場合に、所定のレベルの検出信号を出力する。
【0049】
CPU112は、バスを介して操作キー108、開閉センサ117からの入力を受け付ける。また、CPU112は、第1表示部105、第2表示部106、光感知パネル107、電源部109、スピーカ110、マイク111、メモリ113、インターフェース114、リアルタイムクロック115、通信ユニット116をバスを介して制御する。
【0050】
[カードの構成]
図6は、本実施形態に係るカード101の斜視図である。
【0051】
カード101は、板状部101aと、板状部101aに形成された複数の穴部101bとを備えている。板状部101aは、樹脂形成等により形成されており、光を殆ど透過しない材料により構成されている。板状部101aは、第1面101cと、第1面101cと対向する第2面101dとを有している。第2面101は、カード101からの情報取得(以下、カード情報取得という)の際に、光感知パネル107に対向して配置される。穴部101bは、平面視略円形状であり、板状部101aの第1面101cから第2面101dに亘って貫通して形成されている。このカード101は、穴部101bにおいて第1面101cと第2面101dとの間で光を透過させるが、穴部101b以外の板状部101aの部分では光を透過させない。なお、穴部101bの形状は、平面視略円形状に限らず、任意の形状で形成することができる。
【0052】
板状部101aは、所定のエリア101eに分割されており、各穴部101bは、所定のエリア101eごとに形成されている。なお、各エリア101e内に穴部101bが必ずしも形成される必要はない。本実施形態では、エリア101eが光感知パネル107のセルPと一対一に対応するように構成されている。
【0053】
図7は、本実施形態に係るカード101からの情報の取得原理を説明する説明図である。同図に示すように、板状部101a(穴部101b以外の領域)では、第1表示部105から出力される光は、板状部101aに殆ど反射され、光感知パネル107の対応するセルでは光が殆ど検出されず、「0」が割り当てられる。一方、穴部101bでは、第1表示部105からの光が穴部101bを透過して、光感知パネル107の対応するセルでは光が良好に検出され、「1」が割り当てられる。
【0054】
このカード101では、各エリア101eにおける穴部101bの有無、即ち、穴部101bの位置及び数に基づいて符号化した情報を記憶する。言い換えれば、穴部101bが形成されたエリア101eでは、穴部101bを介して第1面101c側から入射する光が第2面101d側に透過し(透過率が大きいエリア)、穴部101bが形成されていないエリア101eでは第1面101c側から入射する光は板状部101aに遮断されて第2面101d側に殆ど透過しない(透過率が小さいエリア)。このように、本実施形態では、カード101上の透過率の異なる領域における光の透過率の差異に基づいて、カード101に情報を記憶し、カード101から情報を取得する。
【0055】
また、本実施形態では、板状部101aの第2面101dを光感知パネル107に対向するように設置してカード101から情報を取得する構成とする。このため、板状部101aの第1面101cと第2面101dとは、ユーザが区別して視認できるように構成されている。例えば、「この面を下にして設置して下さい」等の文字、星印等の記号を第2面101dに設ける。また、第1面101cと第2面101dの色を互いに異なるようにしても良い。
【0056】
カード101からの情報の取得は、カード101の第2面101dを光感知パネル107上に設置し、その状態で第1筐体103と第2筐体104とを図1(c)に示す閉状態にする。そして、第1表示部105を発光させて、第1表示部105から出力される光をカード101の穴部101bを介して光感知パネル107で検出する。このようにして、光感知パネル107によって、カード101の穴部101bの座標データを取得し、座標データから得られる穴部101bの位置及び数に基づいて、カード101に記憶された情報を復号する。
【0057】
[情報取得方法]
図8及び図9は、本実施形態に係る情報取得方法に関するフローチャートである。
【0058】
以下の処理は、電子機器102のメモリ113に記憶されている情報取得プログラムをCPU112が実行することにより行われる。なお、情報取得プログラムは、記録媒体114aに記憶されている場合もあり、通信ユニット116によりネットワーク上から取得される場合もある。
【0059】
操作キー108からカード情報読み取りモードの切り替えを入力した後、図1(b)に示すようにカード101を電子機器102の光感知パネル107上に設置し、電子機器102を図1(c)に示す閉状態にすると、電子機器102は、カード101からの情報の取得を開始する。なお、カード101は、第2面101dが光感知パネル107に対向するように設置する。
【0060】
ステップS101に於いて、CPU112は、操作キー108からカード情報取得モードへの切り替えを受け付けたか否かを判別する。CPU112は、カード情報取得モードへの切り替えを受け付けた場合にはステップS102に移行する。CPU112は、カード情報取得モードへの切り替えを受け付けていない場合にはステップS101の処理を繰り返す。
【0061】
ステップS102に於いて、CPU112は、カード101の光感知パネル107上への設置を指示する指示画像を第2表示部106に出力する。この指示画像は、例えば、「カードをここに置いて下さい」等である。指示画像は、第1表示部105に出力しても良い。この場合の指示画像は、例えば、「カードを下の画面上に置いて下さい」等である。
【0062】
ステップS103に於いて、CPU112は、電子機器102が図1(c)に示す閉状態になったか否かを判別する。CPU112は、開閉センサ117からの検出信号を受信していない場合には、電子機器102が開状態であるとして、ステップS101に移行する。一方、ステップS102の表示を受けて、ユーザがカード101を光感知パネル107上に設置し、電子機器102を閉状態にすると、CPU112は、開閉センサ117からの検出信号を受信する。このとき、CPU112は、開閉センサ117からの検出信号を受信してステップS104に移行する。
【0063】
ステップS104に於いて、CPU112は、第1表示部105を発光させる。CPU112は、例えば、第1表示部105の画面全体を白色で発光させる。第1表示部105の発光は、光感知パネル107の光センサで感知可能な輝度で発光させる限り、どのような表示色で発光させても良い。
【0064】
ステップS105に於いて、CPU112は、光感知パネル107から各セルPに対する光センサの検出値を取得し、図5(c)に示すような穴部101bの座標データを作成する。この座標データから穴部101bの位置及び数が得られる。
【0065】
図10は、ステップS105の処理を説明するフローチャートである。
【0066】
CPU112は、データ電極Sに走査信号を順次印加し(ステップS201)、データ電極Gから各セルに対する光センサの検出値を取得し(ステップS202)、セルP毎に検出値が所定の閾値以上か否かを判別する(ステップS203)。セルPの検出値が閾値以上であれば、当該セルPに「1」を割り当てメモリ113に記憶する(ステップS204)。一方、セルPの検出値が閾値未満であれば、当該セルPに「0」を割り当てメモリ113に記憶する(ステップS205)。各走査電極SについてステップS201〜S205の処理を完了する毎に、全セルPにデータ(「1」又は「0」)を割り当てたか否かを判別し(ステップS206)、全セルPにデータを割り当てた場合には処理を終了し、データを割り当てていないセルPが有る場合にはステップS201に戻り、次のデータ電極Sに対してステップS201〜S205の処理を繰り返す。
【0067】
図10に示すステップS105の処理が終了した後、図8のステップS106に移行する。ステップS106に於いて、ステップS105で取得した穴部101bの座標データ(1次データ)、即ち穴部101bの位置及び数に基づいて、CPU112がデータに所定の処理を施し、復号データ(以降、2次データと称する)を形成する。
ステップS107に於いて、2次データに所定のデータが含まれるか否かを判定する。なお、本実施形態に於いて、所定のデータとは、画像データ、音声データ、及びURL情報である。画像データは、文字や図形に関する静止画データ、及び、動画データを含むものとする。音声データは、音声や音楽に関するデータを含むものとする。また、URL情報とは、ネットワーク上に分散しているファイル等の情報資源の格納場所を一意に指定する情報である。
CPU112は、ステップS107において2次データに所定のデータが含まれないと判別すると、ステップS108に移行し、警告音をスピーカ110から出力する。また、電子機器102において、図1(c)の閉状態で視認可能な位置にLED等の発光手段を設けておき、発光手段を発光させて警告を知らせるようにしても良い。アラーム音及び発光手段の発光に加えて第1表示部105又は第2表示部106に警告表示を表示しても良い。この場合、ユーザは、アラーム音又は発光手段の発光によってカード101からの情報取得が失敗したことを認識することができ、電子機器102を開状態として警告表示を見て、警告の内容を確認することができる。なお、復号データに所定データが含まれない場合とは、カード101を第2表示部106上に設置しないまま、情報取得の開始指示が入力された場合を含む。
【0068】
CPU112は、ステップS107において復号データに所定のデータが含まれると判別した場合、ステップS109(図9参照)に移行する。
【0069】
ステップS109に於いて、CPU112は、復号データに画像データが含まれているか否かを判別する。CPU112は、復号データに画像データが含まれていると判別する場合には、ステップS110に移行し、復号データに含まれている画像データをメモリ113に一時記憶(バッファ)した後、ステップ111に移行する。一方、CPU112は、復号データに画像データが含まれていないと判別する場合には、ステップS110に移行せずにステップS111に移行する。
【0070】
ステップS111に於いて、CPU112は、復号データに音声データが含まれているか否かを判別する。CPU112は、復号データに音声データが含まれていると判別する場合には、ステップS112に移行し、復号データに含まれている音声データをメモリ113に一時記憶した後、ステップS113に移行する。一方、CPU112は、復号データに音声データが含まれていないと判別する場合には、ステップS112に移行せずにステップS113に移行する。
【0071】
ステップS113に於いて、CPU112は、復号データにURL情報が含まれるか否かを判別する。CPU112は、復号データにURL情報が含まれていると判別する場合には、ステップS114に移行し、復号データに含まれているURL情報をメモリ113に一時記憶した後、ステップS115に移行する。一方、CPU112は、復号データにURL情報が含まれていないと判別する場合には、ステップS114に移行せずにステップS115に移行する。
ステップS115に於いて、CPU112は、情報取得が完了した旨を知らせる完了音をスピーカ110から出力する。なお、完了音を出力する代わりに、電子機器102が図1(c)のような閉状態にある場合に視認可能な第1筐体103の外側面又は側面、第2筐体103の外側面又は側面にLED等のランプを設けておき、ランプを点灯するようにしても良い。
ステップS116に於いて、CPU112は、完了音の出力に応じてユーザが電子機器102を開状態としたか否かを、開閉センサ117からの信号によって判別する。CPU112は、開閉センサ117からの検出信号を受信している場合には、電子機器102が閉状態であると判別し、ステップS116の処理を繰り返す。CPU112は、開閉センサ117からの検出信号を受信しなくなった場合には、電子機器102が開状態であると判別し、ステップS117の出力処理を実行する。
【0072】
ステップS117に於いて、CPU112は、画像データをメモリ113に記憶している場合に、画像データを第1表示部105に出力する処理を実行し、音声データをメモリ113に記憶している場合に、音声データをスピーカ110から出力する処理を実行する。また、CPU112は、URL情報をメモリ113に一時記憶している場合には、通信ユニット116を用いてURL情報で指定されるネットワーク上の所定の場所と通信し、当該所定の場所から画像及び/又は音声データを取得してメモリ113に記憶し、メモリ113から画像及び/又は音声データを読み出し、第1表示部105及び/又はスピーカ110に出力する。
【0073】
但し、画像データ、音声データ、URL情報の内、2種類以上のデータが含まれている場合には、データに記憶されている出力順序に従って、データを出力する処理を実行する。ステップS117の処理が終了すると、ステップS101に戻る。
【0074】
なお、ここでは、第1表示部105に画像を出力する処理としたが、第2表示部106に画像を出力しても良い。この場合には、ステップS116で電子機器102の開状態を検出した後、カード101を第2表示部106から取り除くことを指示する画像や音声を出力して、第2表示部106上のカード101を取り除くようにすることが好ましい。また、その後、カード101が取り除かれたことを検出してから第2表示部106に画像を出力するか、若しくは、カード101が取り除かれたことを検出し、操作キー8からのユーザ入力を受け付けてから、第2表示部106に画像を出力することが好ましい。また、ステップS117において、画像、音声を外部の機器(図示せず)に出力するようにしても良い。
【0075】
また、ステップS117の処理では、復号データに、画像データ、音声データ、URL情報の内、2種類以上のデータが含まれている場合には、データに記憶されている出力順序に従って、データを出力する処理を実行する。ステップS117の処理が終了すると、ステップS101に戻る。
【0076】
[作用効果]
本実施形態に係る情報取得システム100では、カード101における透過率の異なる領域を利用してカード101に情報を記憶することができる。具体的には、カード101の板状部101aを透過率の小さい(反射率の大きい)材料で形成し、板状部101aに透過率の大きい領域としての複数の穴部101bを形成する。複数の穴部101bのカード101上における位置及び数に基づいて、カード101に情報を記憶することができる。
【0077】
また、本実施形態に係る情報取得システム100では、上記のように情報が記憶されたカード101を簡易な方法で取得することが可能である。発光手段としての第1表示部105と、光検出手段としての光感知パネル107とを備えた電子機器102を用いて、簡易な方法でカード101の情報を取得することができる。電子機器102での情報取得は、カード101を光感知パネル107上に載置した後、カード101に対して光感知パネル107と反対側に第1表示部105を配置し、第1表示部105から出力する光を光感知パネル107が検出する。そして、光感知パネル107で検出した検出値に基づいて、カード101の穴部101bの座標データ(穴部101bの位置及び数)を取得し、穴部101bの位置及び数に基づいて復号データを生成する。そして、生成された復号データは、第1表示部105、スピーカ110に出力される。従って、ユーザは、操作キー8によりカード情報取得モードを選択し、カード101を電子機器102の第2表示部106上に載置した後、電子機器102を閉状態にするのみで、カード101から情報を簡易に取得することができる。また、第1表示部105(発光手段)、カード101、及び光感知パネル107(光検出手段)の形状及び大きさが対応するように形成されているので、第1表示部105を発光させることにより、カード101上の情報が記憶されている領域に一斉に光を照射することができ、光感知パネル107ではデータ電極の走査により各セルの光センサの出力を取得するため、カード101に記憶された情報を高速に取得することが可能である。
【0078】
また、カード101を、カード情報取得処理の際にカード101を設置すべき第2表示部106と略同一の大きさ及び形状に形成しているので、ユーザは、カード情報取得処理の際にカード101を容易に設置することができる。
【0079】
また、カード101を第2表示部106に設置した後、光感知パネル107が自動的にカード101に記憶されている情報を検出するため、カード101における情報の記憶面積が大きい場合にも、確実かつ容易にカード101から情報を取得することができる。つまり、従来、ユーザが携帯型の読み取り装置等から赤外線を照射して2次元コード等を取得する場合には、情報の記憶面積が大きいと読み取りが困難になる場合があったが、本実施形態によれば、情報の記憶面積が大きい場合にも確実かつ簡易に情報を取得することができるのである。
【0080】
また、本実施形態では、穴部101bの位置及び数に基づいて情報を記憶する構成としたが、穴部101bを用いて、現在用いられている2次元コードのパターンを描画して情報を記憶することも可能である。
【0081】
また、本実施形態に係る情報取得システム100によれば、カード101に記憶された所定情報が画像データを含む場合に、画像データを表示部に自動的に出力することができるので、ユーザは、カード101から取得した情報を容易に見ることができる。なお、画像データとは、文字、図形等の画像に関するデータを含むデータである。
【0082】
また、本実施形態に係る情報取得システム100によれば、カード101に記憶された所定情報が音声データを含む場合に、音声出力部から音声データを自動的に出力することが出来るので、ユーザはカード101から取得した情報を容易に聞くことができる。なお、音声データとは、音声や音楽に関するデータを含むものとする。
【0083】
また、本実施形態に係る情報取得システム100によれば、カード101に記憶された所定情報がURL情報を含む場合に、通信ユニット116を介してインターネットにアクセスし、URLに格納されている情報(例えば、所定のウェブサイト)を表示部に自動的に出力することが可能であるので、ユーザは、カード101から取得した情報を容易に視認することができる。なお、URL情報とは、ネットワーク上に分散しているファイル等の情報資源の格納場所を一意に指定する情報である。
【0084】
なお、上記では、画像データ、音声データ、URL情報自体がカード101に記憶されている場合を説明したが、画像データ、音声データ、URL情報を指定する指定情報をカード101に記憶し、電子機器102の内部又は外部の記憶部に指定情報と画像データ、音声データ、URL情報とを対応させたテーブルを記憶しておいても良い。この場合、電子機器102は、カード101から指定情報を取得し、テーブルを参照して指定情報に対応する画像データ、音声データ又はURL情報を抽出し、表示部又は音声出力部に出力する。このような情報処理システムによれば、画像データ、音声データ、URL情報自体をカード101に記憶する場合に比較して、表示部又は音声出力部に出力する情報量に対するカード101への記憶量を節約することができる。また、カード101に記憶されている指定情報を更新しなくても、記憶部のテーブルにおける画像データ、音声データ、URL情報を更新することより、カード101の指定情報に基づく情報(画像データ、音声データ、URL情報)を最新状態に保つことができる。
【0085】
[変形例]
(a)上記実施形態では、カード101から取得した情報を一時記憶して第1表示部105、スピーカ110に出力する処理としたが、カード101から取得した情報をメモリ113の不揮発性メモリに記憶して、メモリ113に記憶されているデータを選択して出力できるような構成としても良い。即ち、カード101から取得してメモリ113の不揮発性領域に記憶されたデータを操作キー8からの信号(ユーザからの入力)に基づいて、表示部や音声出力部に出力するようにしても良い。このようにすれば、カード101に記憶されている情報を表示部や音声出力部に出力させる度に、カード101から情報の取得処理を行う必要がない。即ち、カード101から情報を一度取得すれば、取得した情報を繰り返し使用することができる。また、メモリ113に記憶した情報を通信ユニット116を介して他の電子機器との間で交換することも可能である。
【0086】
(b)本実施形態に係る情報取得システム100によれば、電子機器102でゲームソフトを実行する場合に、カード101から読み出した情報をゲームソフトとリンクさせることができる。例えば、ゲームのキャラクタ、ゲーム実行条件等をカード101に穴部101bの位置、数に基づいて記憶しておき、カード101から電子機器102に読み出したゲームのキャラクタ、ゲーム実行条件をゲームソフトで使用すれば、ゲームソフトの内容がカード101の情報によって様々に変化するようになる。この場合、ゲームの開始時に、ゲームソフトがカード情報取得モードを自動的に選択し、カード設置指示を表示するようにすることができる。また、カード101から情報を取得した後には、自動的にゲームを再開するように構成することができる。
【0087】
(c)また、カード101を名刺として利用し、会社の情報、氏名等の固有情報等をカード101に記憶しておけば、電子機器102で名刺の画像を表示させることができる。例えば、カード101にパスワードの情報も併せて記憶しておけば、カード101からは直接視認できない状態で名刺を所持し、必要な相手のみにパスワードを知らせてカード101の情報を読みとれるようにすることが可能である。この場合、図8のステップS102でカード設置指示の画像とともに、パスワード情報の入力指示の画像を表示し、ユーザからパスワードの入力を受け付けるようにすれば良い。
【0088】
(d)また、上記実施形態では、第1表示部105を発光手段として用い、カード101に光を一斉に照射したが、カード101の一端部から他端部に向かって1ラインずつ露光走査するようにしても良い。例えば、第1表示部105の代わりに、図27に示す発光手段130aを有する走査ユニット130を用いても良い。この走査ユニット130は、カード101の一端部から他端部に向かって1ラインずつ露光走査する。この場合、CPU112は、走査ユニット130の露光走査に同期させて、光感知パネル107の走査電極を走査する。
【0089】
(e)また、上記実施形態では、カード101を電子機器102で挟んで情報取得処理を行ったが、電子機器102を図1(b)の開状態としたまま、外光(自然光)を利用して、カード101の透過光を検出するようにしても良い。
【0090】
(f)また、本実施形態に係る情報取得方法は、図22(a)に示す電子機器102に適用可能である。図22(a)の電子機器102は、筐体118の片面に第1表示部105と、光感知パネル107及び第2表示部106と、を備えている。この電子機器102は、図1の電子機器102のように開閉状態をとる構成ではない。
【0091】
このような図22(a)の電子機器102にも、本実施形態に係る情報取得方法を適用することができる。即ち、カード101を光感知パネル107上に設置して、外光を利用してカード101から情報を取得し、画像データ、音声データを、内部又は外部の表示部及び音声出力部に出力することができる。なお、第2表示部106に情報を出力しない場合には、第2表示部106を省略しても良い。
また、本実施形態に係る情報取得方法は、図22(b)に示す電子機器102に適用可能である。図22(b)の電子機器102は、筐体118の片面に光感知パネル107及び第2表示部106を備えている。この電子機器102は、1つの表示部のみ、即ち第2表示部106のみを備えている。このような図22(b)の電子機器102にも、本実施形態に係る情報取得方法を適用することができる。即ち、カード101を光感知パネル107上に設置して、外光を利用してカード101から情報を取得し、画像データ、音声データを、内部又は外部の表示部及び音声出力部に出力することができる。
【0092】
(g)上記実施形態では、穴部101bの位置及び数に基づいて符号化した情報をカード101に記憶したが、穴部101bの位置又は数の何れか1つに基づいて符号化した情報をカード101に記憶しても良い。この場合、図8のステップS8において、穴部101bの位置又は数の何れか一方のみを用いて復号データを作成する。
【0093】
(2)第2実施形態
本実施形態では、カード101に大きさの異なる穴部101bを形成し、穴部101bの位置及び数に加えて、穴部101bの大きさに基づいて符号化した情報をカード101に記憶する。
【0094】
[全体構成]
第2実施形態の全体構成については、前述の第1実施形態の全体構成(図1参照)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0095】
[カードの構成]
図11は、第2実施形態に係るカードの斜視図(a)と、断面図(b)である。
【0096】
カード101は、板状部101aと、板状部101aに形成された複数の穴部101bを備えている。板状部101は、樹脂形成等により形成されており、光を殆ど透過しない材料により構成されている。穴部101bは、平面視略円形状であり、板状部101aの第1面101cから第2面101dに亘って貫通して形成されている。
【0097】
本実施形態に於いては、穴部101bの大きさは、「大」、「小」、2種類の大きさで形成されている。ここでは、穴部101bの大きさを面積で定義する。「小」の穴部101bの大きさは面積Sa1であり、「大」の穴部101bの大きさは面積Sa2(>Sa1)である。板状部101aは所定数のエリア101eに分割されており、各穴部101bはエリア101eごとに形成されている。なお、各エリア101e内に穴部101bが必ずしも形成される必要はない。本実施形態では、図12(d)に示すように、カード101のエリア101eは、光感知パネル107の5行5列のセルPの集合に対応するように構成する。
【0098】
このカード101では、穴部101bの位置及び数に加えて穴部101bの大きさ(面積)によって、所定の情報が記憶されており、第2面101dを光感知パネル107と対向するように配置し、光感知パネル107によりカード101を透過する光を検出することにより、穴部101bの数、位置、及び、面積(大きさ)が検出され、CPU112に出力される。
【0099】
[情報取得方法]
本実施形態に係る情報取得方法に関するフローチャートは、前述の第1実施形態に係る情報取得方法に関するフローチャート(図8乃至図10参照)と略同一であるので、同一部分については説明を省略し、図8乃至図10、図12、図13を参照して、相違点について説明する。
【0100】
図12(a)は、本実施形態に係る光感知パネル107におけるセルの配置を示す図であり、同図(b)は、光感知パネル107上のセルPの座標を示す図であり、同図(c)は、光感知パネル107の各セルPの座標データを示す図である。ここで、Pxy(x=1,・・m,y=1,・・n)は、x行y列のセルの座標を表すものとする。従って、例えば、同図(c)に示す2行2列に対応する検出値は、セルP22の検出値を表している。
【0101】
図12(d)は、光感知パネル107において、エリア105eに対応するエリアDの配置を示す図であり、同図(e)は、エリアDの座標を示す図であり、同図(f)は、エリアDの座標データ(穴部101bの面積データ)である。
【0102】
図12(d)では、光感知パネル107のセルPを実線で区画して示しており、エリアDを破線で示している。
【0103】
図13は、本実施形態に係る情報取得方法に関するフローチャート(図8乃至図10参照)に於けるステップS106の処理内容を示すフローチャートである。
【0104】
図8に於いて、カード情報取得モードが設定され(S101)、カード設置指示表示(S102)に従い光感知パネル107上にカード101を設置して電子機器102を閉じたことが検出され(S103)、第1表示部105が発光されると(S104)、ステップS105において光感知パネル107から検出値の取得、穴部101bの座標データの作成が行われる。
【0105】
例えば、図12(a)に図示されているように、光感知パネル107のセルのうち黒色部分で光が検出された場合には、同図(b)に図示された光感知パネル107の座標、P22、P23、P24、P32、P33、P34、P42、P43、P44には、同図(c)に図示されているように「1」の値が割り当てられる。光が検出されなかった座標には、「0」が割り当てられる。CPU112は、光の検出値に関するデータをメモリ113の所定領域に記憶する。光感知パネル107の全てのセルについて検出値の取得、座標データの作成が終了すると、図8に示すステップS106に移行する。そして、ステップS106において、光感知パネル107から取得したカード101の穴部101bの位置に関する座標データ(1次データ)(穴部101bの位置及び座標)、及び穴部101bの面積に基づいて、CPU112がデータに所定の処理を施し、復号データ(以降、2次データと称する)を形成する。
【0106】
ここで、ステップS106の処理内容について説明する。前述の通り、本実施形態に於いて、カード101に形成された穴部101bは、板状部101aに於いて所定数に分割されたエリア101e内に配置されている。本実施形態では、図12(d)に図示されているように、エリア101eは光感知パネル107の5行5列のセルPによって囲まれた領域に対応しており、この領域をエリアD(D11・・Dmn)として設定している。
【0107】
図13に図示されたステップS301に於いて、CPU112は、エリアD11から順次、エリアDに「1」が割り当てられたセルPが存在するか否かを判別する。CPU112は、エリアDに「1」のセルPが存在すると判別する場合には、ステップS303を実行する。例えば、図12(c)、(d)、(e)を参照すると、エリアD11には「1」のセルが9つ存在する。
【0108】
ステップS303では、当該エリアDに存在する「1」のセルPが所定数以内か否かを判別する。「1」のセルPが所定数以内であると判別する場合には、ステップS304に移行し、当該エリアDに面積データとして「1」を割り当てメモリ113に記憶する。例えば、図12(d)のD21に「1」を割り当てる。
【0109】
一方、ステップS303において、CPU112が、当該エリアDに存在する「1」のセルPが所定数を超えると判別する場合には、ステップS305に移行して、当該エリアDに面積データ「2」を割り当てメモリ113に記憶する。例えば、図12(d)のD11に「2」を割り当てる。
【0110】
ステップS301において、CPU112が、当該エリアDに「1」のセルPが存在しないと判別する場合には、ステップS302に移行して、当該エリアDに面積データ「0」を割り当てメモリ113に記憶する。例えば、図12(d)のD22に「0」を割り当てる。
【0111】
なお、本実施形態に於いては、ステップS303での所定数は4である。即ち、エリアD内で「1」のセルPが4つ以内存在する場合には、当該エリアDに「1」を割り当て、エリアD内で「1」のセルPが5つ以上存在する場合には、当該エリアDに「2」を割り当てる。言い換えれば、「1」の値を割り当てられたエリアDには、大きさが「小」の穴部101bが形成されており、「2」の値を割り当てられたエリアDには、大きさが「大」の穴部101bが形成されている。例えば、図12(d)に図示されているD11においては、「1」のセルPが9つ有るので、エリアD11に「2」を割り当てる。また、エリアD内に「1」のセルPが存在しない場合には、エリアD11に「0」を割り当てる。「0」が割り当てられるエリアDには、穴部101bが形成されていないことを意味する。
【0112】
そして、ステップ306に於いて、CPU112は、全てのエリアD(D11〜Dmn)について面積データ(「0」、「1」、「2」)の割り当てが終了したか否かを判別する。全エリアD(D11〜Dmn)について面積データ(「0」、「1」、「2」)の割り当てが終了した場合には、ステップS307に移行する。一方、全てのエリアD(D11〜Dmn)についてデータの割り当てが終了していない場合には、ステップS301に戻り、次のエリアDについてデータの割り当てを行う。
【0113】
ステップS307に於いて、全エリアDに割り当てられた面積データに関するデータベースを作成し、ステップS308に移行する。
【0114】
ステップS308に於いて、CPU112は、ステップS105で形成された穴部101bの座標データ(穴部101bの数及び位置)と、穴部101bの面積データに関するデータベースとに基づいて所定の処理を施して、復号データを作成し、ステップS107に移行する。
【0115】
[作用効果]
本実施形態に係る情報取得システム100によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
さらに、本実施形態によれば、カード101に形成する穴部101bの座標データ(穴部101bの位置及び数)に加えて、穴部101bの大きさに応じて種々の情報をカード101に記憶することが可能である。即ち、穴部101bの位置及び数に加え、穴部101bの大きさによっても情報を記憶するため、第1実施形態よりも情報の記憶密度を増大し得る。上記では、穴部101bの大きさが「大」、「小」の2種類の場合を説明したが、穴部101bの大きさは3種類以上であっても良い。穴部101bの大きさの種類を増加させる程、情報の記憶密度をさらに増大し得る。
【0116】
[変形例]
上記では、穴部101bの位置、数及び大きさに基づいて符号化した情報をカード101に記憶したが、穴部101bの大きさのみに基づいて符号化した情報をカード101に記憶しても良い。この場合、図13のステップS308では、ステップS307で作成した穴部面積のデータベースのみに基づいて復号データを作成する。
【0117】
(3)第3実施形態
第1及び第2実施形態に係る情報取得システム100では、カード101において光の透過率の異なる領域を利用して情報を記憶し、光の透過率の違いを利用してカード101から情報を取得する構成とした。本実施形態では、カード101において光の反射率の異なる領域を利用して情報を記憶し、光の反射率の違いを利用してカード101から情報を取得する。
【0118】
[全体構成]
図14は、第3実施形態に係る情報取得システム100の全体構成を示す斜視図である。図15は、第3実施形態に係る情報取得システム100の概略ブロック図である。
【0119】
ここでは、第1実施形態に係る図1と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態に係る情報取得システム100は、第1実施形態に係る光感知パネル107の代わりに、走査ユニット120を備えている。
【0120】
[走査ユニット]
図16は、走査ユニット120の斜視図である。
【0121】
走査ユニット120は、図14に示すように第2筐体104に配置されており、光を良好に透過するフィルム119によって覆われている。このフィルム119上には、カード情報取得の際に、カード101が設置される。走査ユニット120は、ハロゲンランプ、LED等で構成される発光手段120aと、発光手段120aにより露光走査されたカード101からの反射光を集光し、光センサに入力する為のロッドアレイレンズ120bと、ロッドアレイレンズ120bから入力される光を検出するラインセンサ120cとを備えている。走査ユニット120は、カード101がフィルム119上に設置された状態でカード101を1ライン分ずつ露光走査し、カード101からの反射光を検出し、その検出値をCPU112に出力する。
【0122】
なお、本実施形態では、走査ユニット120の下方に第2表示部106が配置されているので、走査ユニット120は、カード情報取得時以外は、第2表示部106の視認を妨げない位置に退避しているように制御する。
【0123】
[カードの構成]
第3実施形態に係るカード101の構成も、図6に示す第1実施形態に係るカード101の構成と同様であるので、説明を省略する。但し、本実施形態では、光感知パネル107に対向して配置されるカード101の第2面101dの反射率が十分大きくなるように、板状部101aを形成している。より詳細には、板状部101aの第2面101dの反射率は、第2面101dでの反射光の検出値が、穴部101bでの反射光の検出値と区別できる程度に十分大きくする。
【0124】
[カードでの反射光を利用した情報取得原理]
図17は、カードでの反射光を利用した情報取得原理を説明する説明図である。
【0125】
カード情報取得時において、カード101は、図14(b)に示すように、フィルム119上に設置される。このとき、カード101は、第1実施形態と同様に、第2面101dがフィルム119上に設置される。走査ユニット120が駆動され、カード101への露光走査が開始されると、図17に示すように、板状部101a(穴部101b以外の領域)において、走査ユニット120の発光手段120aからの光(矢印a)は、反射率の高い板状部101aで反射され、殆どの入射光が反射光(矢印b)となり、強い反射光が走査ユニット120のラインセンサ120cで検出される。一方、穴部101bでは、走査ユニット120の発光手段120aからの光(矢印c)は、穴部101bを殆ど透過して、弱い反射光が走査ユニット120のラインセンサ120cで検出される。このような、板状部101aの反射率と、穴部101bの反射率との差異を利用して、カード101に情報を記憶し、カード101から情報を取得する。
【0126】
[情報取得方法]
図18は、本実施形態に係る情報取得方法に関するフローチャートである。
【0127】
以下の処理は、電子機器102のメモリ113に記憶されている情報取得プログラムをCPU112が実行することにより行われる。なお、情報取得プログラムは、記録媒体114aに記憶されている場合もあり、通信ユニット116によりネットワーク上から取得される場合もある。
【0128】
ステップS401に於いて、CPU112は、操作キー108からカード情報取得モードへの切り替えを受け付けたか否かを判別する。CPU112は、カード情報取得モードへの切り替えを受け付けた場合にはステップS402に移行する。CPU112は、カード情報取得モードへの切り替えを受け付けていない場合には、ステップS401の処理を繰り返す。
【0129】
ステップS402に於いて、CPU112は、カード101のフィルム119上への設置を指示する指示画像を第2表示部106に表示する。この指示画像は、例えば、「カードをここに置いて下さい」等である。指示画像は、第1表示部105に出力しても良い。この場合の指示画像は、例えば、「カードを下の画面上に置いて下さい」等である。
【0130】
ステップS403に於いて、CPU112は、操作キー108等から情報取得の開始指示があったか否かを判別する。CPU112は、開始指示があったと判別する場合に、ステップS404に移行する。即ち、ステップS402の指示画像に応じて、カード101がフィルム119上に設置された後、操作キー108から開始指示が入力された場合には、ステップS404に移行する。
【0131】
ステップS404では、CPU112は、走査ユニット120を駆動してカード101から穴部101bの座標データ(位置及び数)を検出する。
【0132】
図20は、ステップS404の処理を示すフローチャートである。ステップS501に於いて、CPU112は、走査ユニット120を駆動して1ライン分の検出値を取得する。ここで、1ライン分は、図5(a)、(b)に示す第1実施形態における光感知パネル107のセルPの1列分と等しいとする。従って、以下の説明では、CPU112が走査ユニット120から取得する座標の間隔、即ち走査ユニット120の解像度は、図5(a)(b)に示すセルPに等しいものとして説明する。
【0133】
ステップS502では、CPU112は、ステップS501で取得した1ライン分の座標の検出値を所定の閾値と順次比較する。CPU112は、検出値が閾値以上と判別すると、当該座標に「0」(穴部101bが形成されていないことを示す)を割り当て、図5(c)に示すように、当該座標と「0」とを対応づけてメモリ113に記憶する(ステップS503)。一方、CPU112は、検出値が閾値未満と判別すると、当該座標に「1」(穴部101bが形成されていることを示す)を割り当て、当該座標と「1」とを対応づけてメモリ113に記憶する(ステップS504)。
【0134】
ステップS505では、CPU112は、カード101の全領域を走査したか否かを判別する。CPU112は、カード101の全領域を走査したと判別する場合に、ステップS404の処理を終了し、図18に図示されたステップS405に移行する。一方、CPU112は、カード101の全領域を未だ走査し終わっていないと判別する場合に、ステップS501に戻り、走査ユニット120に次の1ライン分を走査させる。
【0135】
以上のステップS501からS505の処理により、図5(c)に示すようなカード101の穴部101bの座標データを取得する。図5(c)中、「1」の座標Pが「穴部101bが形成された座標」であり、「0」の座標Pが「穴部101bが形成されていない座標」である。
【0136】
ステップS405に於いて、CPU112は、ステップS404で取得した穴部101bの座標データ(1次データ)に所定の処理を施し、復号データ(2次データ)を作成する。具体的には、座標データから得られる穴部101bの位置及び数に基づいて、復号データを作成する。
ステップS406に於いて、復号データに所定のデータが含まれるか否かを判定する。
本実施形態に於いて、所定のデータとは、画像データ、音声データ、及びURL情報である。画像データは、文字や図形に関する静止画データ、及び、動画データを含むものとする。音声データは、音声や音楽に関するデータを含むものとする。また、URL情報とは、ネットワーク上に分散しているファイル等の情報資源の格納場所を一意に指定する情報である。
【0137】
ステップS406において、CPU112は、復号データに所定のデータが含まれないと判別すると、ステップS407に移行する。ステップS407に於いて、CPU112は、第1表示部105に警告表示を出力する。警告表示の出力に代えて、又は警告音の表示とともに、スピーカ110から警告音を発生させても良い。ユーザは、この処理による警告表示又は警告音によって、カード101からの情報取得が失敗したと知ることができる。なお、復号データに所定データが含まれない場合とは、カード101をフィルム119上に設置しない状態で、情報取得の開始指示が入力された場合を含む。そして、CPU112は、ステップS407の処理を実行後、ステップS401に戻る。
【0138】
一方、ステップS406において、CPU112が復号データに所定のデータが含まれると判別した場合、ステップS408に移行する。
【0139】
図19に図示されたステップS408に於いて、CPU112は、復号データに画像データが含まれているか否かを判別する。CPU112は、復号データに画像データが含まれていると判別する場合には、ステップS409に移行する。ステップS409に於いて、CPU112は、復号データに含まれている画像データをメモリ113に一時記憶した後、ステップS410に移行する。一方、CPU112は、復号データに画像データが含まれていないと判別する場合には、ステップS409に移行せずにステップS410に移行する。
【0140】
ステップS410に於いて、CPU112は、復号データに音声データが含まれているか否かを判別する。CPU112は、復号データに音声データが含まれていると判別する場合には、ステップS411に移行する。ステップS411に於いて、CPU112は、復号データに含まれている音声データをメモリ113に一時記憶した後、ステップS412に移行する。一方、CPU112は、復号データに音声データが含まれていないと判別する場合には、ステップS411に移行せずにステップS412に移行する。
【0141】
ステップS412に於いて、CPU112は、復号データにURL情報が含まれるか否かを判別する。CPU112は、復号データにURL情報が含まれていると判別する場合には、ステップS413に移行する。ステップS413に於いて、CPU112は、復号データに含まれているURL情報をメモリ113に一時記憶して、ステップS414に移行する。一方、CPU112は、復号データにURL情報が含まれていないと判別する場合には、ステップS413に移行することなくステップS414に移行する。
【0142】
ステップS414に於いて、CPU112は、画像データをメモリ113に記憶している場合に、画像データを第1表示部105に出力する処理を実行する。また、CPU112は、音声データをメモリ113に記憶している場合に、音声データをスピーカ110から出力する処理を実行する。また、CPU112は、URL情報をメモリ113に一時記憶している場合には、通信ユニット116を用いてURL情報で指定されるネットワーク上の所定の場所と通信し、当該所定の場所から画像及び/又は音声データを取得してメモリ113に記憶し、メモリ113から画像及び/又は音声データを読み出して、第1表示部105及び/又はスピーカ110に出力する。
【0143】
なお、ここでは、第1表示部105に画像を出力する処理としたが、第2表示部106に画像を出力しても良い。この場合には、情報取得処理中、第2表示部106上方にカード101が設置されているので、各データのバッファ後に、完了音又は完了表示をして、ユーザにカード101をフィルム119から外すことを指示することが好ましい。また、その後、カード101が取り除かれたことを検出して、又は操作キー8からの入力に基づいて、第2表示部106に画像を出力することが好ましい。また、ステップS414において、画像、音声を外部の機器(図示せず)に出力するようにしても良い。
【0144】
また、ステップS414の処理では、復号データに、画像データ、音声データ、URL情報の内、2種類以上のデータが含まれている場合には、データに記憶されている出力順序に従って、データを出力する処理を実行する。ステップS414の処理が終了すると、ステップS401に戻る。
【0145】
[作用効果]
本実施形態に係る情報取得システム100では、カード101における反射率の異なる領域を利用してカード101に情報を記憶することができる。具体的には、カード101の板状部101aを反射率の大きい材料で形成し、板状部101aに反射率の小さい複数の穴部101bを形成する。複数の穴部101bのカード101における位置及び数に基づいて符号化した情報をカード101に記憶することができる。
【0146】
また、本実施形態に係る情報取得システム100では、カード101に記憶された情報を簡易かつ確実に取得することが可能である。具体的には、カード101をフィルム119上に設置し、走査ユニット120によりカード101を露光走査することにより、カード101の穴部101bの座標データを取得し、座標データから得られる穴部101bの位置及び数に基づいて、カード101に記憶されている情報を復号する。そして、復号したデータを自動的に表示部及び音声出力部に出力する。従って、ユーザは、カード101をフィルム119上に設置して開始指示するのみで簡易かつ確実にカード101から情報を取得することができる。
【0147】
また、カード101を、カード情報取得処理の際にカード101を設置すべきフィルム119と略同一の大きさ及び形状に形成しているので、ユーザは、カード情報取得処理の際にカード101を容易に設置することができる。
【0148】
また、カード101をフィルム119に設置した後、走査ユニット120が自動的にカード101に記憶されている情報を検出するため、カード101における情報の記憶面積が大きい場合にも、確実かつ容易にカード101から情報を取得することができる。つまり、従来、ユーザが携帯型の読み取り装置等から赤外線を照射して2次元コード等を取得する場合には、情報の記憶面積が大きいと読み取りが困難になる場合があったが、本実施形態によれば、情報の記憶面積が大きい場合にも確実かつ簡易に情報を取得することができるのである。
【0149】
また、本実施形態では、穴部101bの位置及び数に基づいて情報を記憶する構成としたが、穴部101bを用いて、現在用いられている2次元コードのパターンを描画して情報を記憶することも可能である。
【0150】
また、本実施形態に係る情報取得システム100によれば、カード101に記憶された所定情報が画像データを含む場合に、画像データを表示部に自動的に出力することができるので、ユーザは、カード101から取得した情報を容易に視認することができる。なお、画像データとは、文字、図形等の画像に関するデータを含むデータである。
【0151】
また、本実施形態に係る情報取得システム100によれば、カード101に記憶された所定情報が音声データを含む場合に、音声出力部から音声データを自動的に出力することが出来るので、ユーザは、カード101から取得した情報を容易に聞くことができる。なお、音声データとは、音声や音楽に関するデータを含むものとする。
【0152】
また、本実施形態に係る情報取得システム100によれば、カード101に記憶された所定情報がURL情報を含む場合に、通信ユニット116を介してインターネットにアクセスし、URLに格納されている情報(例えば、所定のウェブサイト)を表示部に自動的に出力することが可能であるので、ユーザは、カード101から取得した情報を容易に視認することができる。なお、URL情報とは、ネットワーク上に分散しているファイル等の情報資源の格納場所を一意に指定する情報である。
【0153】
本実施形態に係る情報取得システム100では、電子機器102を開状態のままでカード101から情報を取得することができる。従って、カード101をフィルム119上に設置して電子機器102を閉じる操作、情報取得後に電子機器102を開く操作が省略される。
【0154】
[変形例]
(a)上記実施形態では、カード101から取得した情報を一時記憶して第1表示部105、スピーカ110に出力する処理としたが、カード101から取得した情報をメモリ113の不揮発性メモリに記憶して、メモリ113に記憶されているデータを選択して出力できるような構成としても良い。即ち、カード101から取得してメモリ113の不揮発性領域に記憶されたデータを操作キー8からの信号(ユーザからの入力)に基づいて、表示部や音声出力部に出力するようにしても良い。このようにすれば、カード101に記憶されている情報を表示部や音声出力部に出力させる度に、カード101から情報の取得処理を行う必要がない。即ち、カード101から情報を一度取得すれば、取得した情報を繰り返し使用することができる。また、メモリ113に記憶した情報を通信ユニット116を介して他の電子機器との間で交換することも可能である。
【0155】
(b)本実施形態に係る情報取得システム100によれば、電子機器102でゲームソフトを実行する場合に、カード101から読み出した情報をゲームソフトとリンクさせることができる。例えば、ゲームのキャラクタ、ゲーム実行条件等をカード101に穴部101bの位置、数に基づいて記憶しておき、カード101から電子機器102に読み出したゲームのキャラクタ、ゲーム実行条件をゲームソフトで使用すれば、ゲームソフトの内容がカード101の情報によって様々に変化するようになる。この場合、ゲームの開始時に、ゲームソフトがカード情報取得モードを自動的に選択し、カード設置指示を表示するようにすることができる。また、カード101から情報を取得した後には、自動的にゲームを再開するように構成することができる。
【0156】
(c)また、カード101を名刺として利用し、会社の情報、氏名等の固有情報等をカード101に記憶しておけば、電子機器102で名刺の画像を表示させることができる。例えば、カード101にパスワードの情報も併せて記憶しておけば、カード101からは直接視認できない状態で名刺を所持し、必要な相手のみにパスワードを知らせてカード101の情報を読みとれるようにすることが可能である。この場合、図18に示されたステップS402において、カード設置指示の画像とともに、パスワード情報の入力指示の画像を表示し、ユーザからパスワードの入力を受け付けるようにすれば良い。
【0157】
(d)また、カード101をフィルム119に設置した後、電子機器を閉状態としてから、情報取得処理を行うようにしても良い。この場合、図21に示すように、走査ユニット120から穴部101bを透過した光が、第1表示部105で反射されて反射光が走査ユニット120に戻る。従って、第1表示部105での反射光の強度と、板状部101aでの反射光の強度との差異が走査ユニット120で検出できるように構成する。即ち、第1表示部105での反射光と、板状部101aでの反射光との光路差を考慮して、第1表示部105での反射率と、板状部101aでの反射率とを適切に設定する。この場合には、カード101を電子機器102で挟み込んで情報取得処理を行うため、カード101の穴部101bから入射する外光の強度が強い場合にも、カード101上での反射光の強度を確実に検出することができる。
また、カード101を電子機器102で挟む代わりに、カード101の第1面101cに反射率の小さい板状部101aを設けて、穴部101bに外光が入射しない構成としても良い。
【0158】
(e)また、本実施形態に係る情報取得方法は、図22(a)に示す電子機器102に適用可能である。図22(a)の電子機器102は、筐体118の片面に第1表示部105と、フィルム119、走査ユニット120及び第2表示部106と、を備えている。この電子機器102は、図14の電子機器102のように開閉状態をとる構成ではない。このような図22(a)の電子機器102にも、本実施形態に係る情報取得方法を適用することができる。即ち、カード101をフィルム119上に設置して上記同様に、カード101から情報を取得し、画像データ、音声データを内部又は外部の表示部及び音声出力部に出力することができる。なお、第2表示部106に情報を出力しない場合には、第2表示部106を省略しても良い。
【0159】
また、本実施形態に係る情報取得方法は、図22(b)に示す電子機器102に適用可能である。図22(b)の電子機器102は、筐体118の片面にフィルム119、走査ユニット120及び第2表示部106を備えている。この電子機器102は、1つの表示部のみ、即ち第2表示部106のみを備えている。このような図22(b)の電子機器102にも、本実施形態に係る情報取得方法を適用することができる。即ち、カード101をフィルム119上に設置して上記同様に、カード101から情報を取得し、画像データ、音声データを内部又は外部の表示部及び音声出力部に出力することができる。
【0160】
(f)また、本実施形態における走査ユニット120、第2表示部106に代えて、イメージセンサ付きのLCDを用いてもよい。
【0161】
(g)また、第2実施形態に係る大きさの異なる穴部101bが形成されたカード101を、第3実施形態に係るカード101における反射率の異なる領域を利用する情報の記憶及び取得方法に適用することができる。この場合、情報取得システム101の全体構成は第3実施形態と同様であり、本実施形態に係るカード101は第2実施形態と同様である。
【0162】
この場合の情報取得処理は、図18乃至図20と同様である。ただし、ここでは、大きさの異なる穴部101bが形成されたカード101を用いるため、図18に図示されたステップS405の処理が第3実施形態と異なる。即ち、本実施形態に係るステップS405では、第2実施形態に係る図13のフローチャートを用いる。これにより、穴部101bの位置及び数に加えて、穴部101bの面積(大きさ)に基づいて、カード101に記憶された情報を復号することができる。
【0163】
(4)第4実施形態
本実施形態では、カード101の穴部101bにカラーフィルタ101f又は101gを設け、穴部101bを透過する光の色を用いて、カード101に情報を記憶及びカード101から情報を取得する。このカラーフィルタ101f、101gは、例えば、セロファンで構成される。本実施形態では、カード101の穴部101bの位置及び数に加えて色に基づいて、カード101に情報を記憶及びカード101から情報を取得する。また、本実施形態では、カード101の穴部101bの位置、数、大きさに加えて、色に基づいて符号化した情報をカード101に記憶させると共に、カード101の穴部101bの位置、数、大きさに加えて、色に基づいて、カード101に記憶されている情報を復号する。
【0164】
図23は、第4実施形態に係るカード101の断面図である。
図23(a)のカード101は、板状部101aの何れか一方の面に、カラーフィルタ101fが設けられている。このカラーフィルタ101fは、所定数の色の部分を有している。カラーフィルタ101fは、穴部101bに対応する部分毎に、上記所定数の色のうち、何れかの色で形成されている。従って、このカード101の穴部101bに入射する光は、上記所定数の色の内、何れかの色となって出力される。これにより、カード101の穴部101bの位置及び数に加えて色を用いて、カード101に情報を記憶させると共に、該カード101に記憶させた情報を取得することが可能となる。また、カード101の穴部101bの位置、数、大きさに加えて、色に基づいて符号化した情報をカード101に記憶させると共に、カード101の穴部101bの位置、数、大きさに加えて、色に基づいて、該カード101に記憶させた情報を復号して取得することが可能となる。
【0165】
図23(b)のカード101は、穴部101bにカラーフィルム101gが埋め込まれている。このカラーフィルム101gは、所定数の色のうち何れかの色で形成されている。従って、このカード101の穴部101bに入射する光は、上記所定数の色のうち何れかの色となって出力される。これにより、カード101の穴部101bの位置及び数に加えて色に基づいて情報をカード101に記憶し、また、カード101に記憶されている情報を、カード101の穴部101bの位置及び数に加えて色に基づいて復号することが可能となる。また、カード101の穴部101bの位置、数、大きさに加えて、色に基づいて符号化した情報をカード101に記憶するとともに、カード101に記憶されている情報を、カード101の穴部101bの位置、数、大きさに加えて色に基づいて復号することが可能となる。
【0166】
[情報取得方法]
図24は、本実施形態における穴部101bの色を検出する原理を説明する説明図である。
【0167】
図24は、第1実施形態に係る光感知パネル107上にカラーフィルタ107aを配置した構成である。この構成では、カラーフィルタ107aを介して光感知パネル107上にカード101が設置される。また、カード情報取得時に於いて、カード101に対して光感知パネル107と反対側に第1表示部105が配置されている。図25に示すように、カラーフィルタ107aは、光感知パネル107の各セルPごとにR(赤)、G(緑)、B(青)が対応するように配置されている。光感知パネル107の各セルPとRGBとの対応関係は、メモリ113に予め記憶している。また、隣接するRGBのセルの集合を画素PPとする。光感知パネル107への入射光の色は、画素PP単位で決定する。穴部101bの色は、予め所定数決められている。所定数の色の各色は、画素PPにおけるRGBのセルの検出値の比で決定される。各色と、RGBの検出値の比とは対応付けられて、色テーブルとしてメモリ113に記憶されている。
【0168】
図24を参照すると、第1表示部105から穴部101bに入射した光は、穴部101bの色を決めるカラーフィルタ101f(黄色)を通過し、RGB分離用のカラーフィルタ107でRGB各色に分離され、光感知パネル107に入射する。CPU112は、光感知パネル107から各セルの検出値を取得し、画素PP毎にRGB各セルの検出値の比を算出し、メモリ113に記憶されている色テーブルから、検出値の比に対応する色を決定する。そして、当該画素PPの座標と、検出光の色とを対応付けて、色データベースを作成する。
【0169】
このような色データベースを、第1実施形態に係る図8のS106に適用すれば、穴部101bの位置及び数に加え、穴部101bの色に基づいて符号化した情報をカード101に記憶させると共に、カード101に記憶している情報を、カード101の穴部101bの位置及び数に加え、穴部101bの色に基づいて復号する。
【0170】
また、色データベースを、第2実施形態に係る図13のステップS308に適用すれば、穴部101bの位置及び数、面積データ(穴部101bの大きさ)に加えて、穴部101bの色に基づいて符号化した情報をカード101に記憶させると共に、カード101に記憶させた情報を、穴部101bの位置及び数、面積データ(穴部101bの大きさ)に加えて、穴部101bの色に基づいて復号化することができる。
なお、光感知パネル107を用いる代わりに、第3実施形態に係る走査ユニット120を用いて穴部101bの色を検出しても良い。この場合、走査ユニット120のラインセンサ120cには、フルカラーセンサを用いる。
【0171】
[変形例]
上記では、穴部101bの位置、数及び色に基づいて符号化した情報をカード101に記憶、又は、穴部101bの位置、数、大きさ及び色に基づいて符号化した情報をカード101に記憶させたが、穴部101bの色のみに基づいて符号化した情報をカード101に記憶させても良い。
【0172】
(5)第5実施形態
第1乃至第4実施形態では、穴部101bの位置、数、大きさ、色の少なくとも1つに基づいて符号化した情報をカード101に情報を記憶させ、また、カード101に記憶されている情報を、穴部101bの位置、数、大きさ、色の少なくとも1つに基づいて復号する構成であるが、カード101上における穴部101bの配列自体が画像を構成するように、カード101に穴部101bを形成しても良い。
図26は、穴部の配列自体が画像を構成するカードの一例である。図26(b)に示すように、カード101上に配列された穴部101bより、図26(a)に示すような飛行機の画像を構成している。なお、図26(a)に示された画像の全体を塗りつぶすように穴部101bを配置しても良いし、輪郭に沿って穴部101bを配置しても良い。
【0173】
本実施形態のカード101を第1乃至第3実施形態の何れかに適用した場合、穴部101bの座標データ(図5(c)又は図12(c))を取得し、座標データ自体を2値画像として表示部に出力することができる。この場合、座標データの取得が完了した座標から順次表示部に出力し、カード101の穴部101bのうち、取得された部分から順次画像が描画される様子を演出することができる。
【0174】
また、本実施形態のカード101を第4実施形態に適用すれば、穴部101bの色に対応して、カラーの画像を表示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】第1実施形態に係る情報取得システムの斜視図。
【図2】第1実施形態に係る情報取得システムの概略ブロック図。
【図3】第1実施形態に係る光感知パネルの配置を示す斜視図。
【図4】第1実施形態に係る光感知パネルの概略平面図。
【図5】第1実施形態に係る光感知パネルのセルの配置(a)、セルの座標(b)、座標データ(c)を表す図。
【図6】第1実施形態に係るカードの斜視図(a)、断面図(b)。
【図7】第1実施形態に係るカードからの情報の取得原理を説明する説明図。
【図8】第1実施形態に係る情報取得処理のフローチャート。
【図9】第1実施形態に係る情報取得処理のフローチャート。
【図10】第1実施形態に係る座標データの検出処理のフローチャート。
【図11】第2実施形態に係るカードの斜視図(a)、断面図(b)。
【図12】第2実施形態に係る光感知パネルのセルの配置(a)、セルの座標(b)、座標データ(c)、エリアの配置(d)、エリアの座標(e)、面積データ(f)を表す図。
【図13】第2実施形態に係る復号データ作成処理のフローチャート。
【図14】第3実施形態に係る情報取得システムの斜視図。
【図15】第3実施形態に係る情報取得システムの概略ブロック図。
【図16】第3実施形態に係る走査ユニットの斜視図。
【図17】第3実施形態に係るカードからの情報の取得原理を説明する説明図。
【図18】第3実施形態に係る情報取得処理のフローチャート。
【図19】第3実施形態に係る情報取得処理のフローチャート。
【図20】第3実施形態に係る座標データの検出処理のフローチャート。
【図21】変形例に係るカードからの情報の取得原理を説明する説明図。
【図22】変形例に係る電子機器を示す斜視図。
【図23】第4実施形態に係るカードの断面図。
【図24】第4実施形態に係るカードからの情報の取得原理を説明する説明図。
【図25】第4実施形態に係る光感知パネルの概略平面図。
【図26】第5実施形態に係るカード上の穴部の配列。
【図27】変形例に係る発光手段を示す斜視図。
【符号の説明】
【0176】
100 情報取得システム
101 カード
101a 板状部
101b 穴部
101c 第1面
101d 第2面
101e エリア
101f、g カラーフィルタ
102 電子機器
103 第1筐体
104 第2筐体
105 第1表示部
106 第2表示部
107 光感知パネル
107a カラーフィルタ
108 操作キー
109 電源部
110 スピーカ
111 マイク
112 CPU
113 メモリ
114 インターフェース
114a 外部メモリ
115 リアルタイムクロック
116 通信ユニット
117 開閉センサ
118 筐体
119 フィルム
120 走査ユニット
120a 発光手段
120b ロッドラインレンズ
120c ラインセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透過率を有する第1領域と、前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶された情報記憶カードと、
前記情報記憶カードに光を出力する発光手段と、
前記情報記憶カードに対して前記発光手段と反対側に配置され、前記発光手段から前記情報記憶カードを透過する透過光を検出する光検出手段と、
前記透過光の検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する制御部と、
を備える情報取得システム。
【請求項2】
前記復号データは、画像データ又は音声データを指定する指定情報であり、
前記情報取得システムは、前記指定情報と前記画像データ又は音声データとを記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部から前記指定情報に対応する画像データ又は音声データを読み出して表示部又は音声出力部に出力する、
請求項1に記載の情報取得システム。
【請求項3】
前記復号データはURL情報を指定する指定情報であり、
前記情報取得システムは、通信部と、前記指定情報と前記URL情報とを対応付けて記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部から前記指定情報に対応するURL情報を読み出し、前記通信部を介して前記URL情報で指定される接続先と通信し、所定の画像及び/又は音声データを取得して表示部及び/又は音声出力部に出力する、
請求項1に記載の情報システム。
【請求項4】
板状部材と、板状部材に形成された複数の穴部とを有し、前記複数の穴部の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶された情報記憶カードと、
前記情報記憶カードに光を出力する発光手段と、
前記情報記憶カードに対して前記発光手段と反対側に配置され、前記発光手段から前記情報記憶カードを透過する透過光を検出する光検出手段と、
前記透過光の検出値に基づいて前記穴部の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記穴部の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する制御部と、
を備える情報取得システム。
【請求項5】
第1透過率を有する第1領域と、前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶された情報記憶カードと、
前記情報記憶カードから情報を取得する情報取得装置であって、
開閉可能な第1筐体及び第2筐体と、
前記第1筐体に設けられた発光手段と、
前記第2筐体に設けられ、かつ前記第1筐体及び前記第2筐体が閉状態にある場合に前記発光手段と対向して配置され、前記情報記憶カードが設置される光検出手段と、
前記光検出手段により検出された光の検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する制御部とを備える情報取得装置と、
を備える情報取得システム。
【請求項6】
発光手段と光検出手段とに挟まれた状態で前記光検出手段からの出力により情報を取得する情報取得システムに用いられる情報記憶カードであって、
第1透過率を有する第1領域と、
前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域であって、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶される前記第2領域と、
を備えた情報記憶カード。
【請求項7】
情報記憶カードから情報を取得する情報取得装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
第1透過率を有する第1領域と、前記第1透過率とは異なる第2透過率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶された情報記憶カードに、発光手段の光を照射する手段と、
前記発光手段から前記情報記憶カードを透過した透過光を光検出手段が検出した検出値を取得する手段と、
前記検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する手段と、
してコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項8】
第1反射率を有する第1領域と、前記第1反射率とは異なる第2反射率を有する第2領域とを備え、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて符号化された情報が記憶された情報記憶カードと、
前記情報記憶カードから情報を取得する情報取得装置であって、
開閉可能な第1筐体及び第2筐体であって、前記情報記憶カードから情報を取得する際に前記情報記憶カードを挟む前記第1筐体及び前記第2筐体と、
前記第1筐体又は前記第2筐体に設けられた発光手段と、
前記発光手段が設けられた前記第1筐体又は前記第2筐体に設けられ、かつ前記第1筐体及び前記第2筐体が閉状態にある場合に、前記発光手段から前記情報記憶カードに照射した光の反射光を検出する光検出手段と、
前記光検出手段により検出された光の検出値に基づいて前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つを算出し、前記第2領域の位置、数又は形態の少なくとも1つに基づいて復号データを作成する制御部とを備える情報取得装置と、
を備える情報取得システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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