説明

情報取得装置、商品登録装置、および、情報取得方法

【課題】コストの増大を抑制しつつ不正行為を低減する。
【解決手段】情報取得装置1は、値引き開始時刻が消費期限時刻の一定時間前に設定される商品であって、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とが付された商品から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを取得する取得部2と、取得部2が取得した消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出する算出部3と、算出部3が算出した差分と一定時間とを比較する比較部4と、取得部2が取得した商品識別情報を商品の精算を実行する精算部6に出力するとともに、比較部4による比較の結果、算出部3が算出した差分が一定時間よりも短い場合、取得部2が取得した値引き情報を精算部6に出力する出力部5と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、情報を取得する、情報取得装置、商品登録装置、および、情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スーパーマーケット等の小売店では、バーコード等によって表現された商品識別情報が付された商品から、スキャナ等を用いて商品識別情報を取得し、取得した商品識別情報に基づいて商品の精算を実行する、例えば、セルフチェックアウト装置やPOS(Point Of Sale)端末装置等の商品登録装置が用いられている。
【0003】
ところで、スーパーマーケット等の小売店では、廃棄ロスを低減するため、惣菜品等の商品に関して、消費期限時刻が近づき消費期限時刻までの時間が一定時間を切った商品を値引き販売することがある。このような値引き販売を上記の商品登録装置を用いて行う方法として、次の方法がある。
【0004】
すなわち、商品識別情報とは別に、値引き情報を商品に付しておき、精算の際、商品登録装置が、スキャナを用いて商品識別情報とともに値引き情報を商品から取得し、取得した商品識別情報と値引き情報とに基づいて、価格を算出する方法がある(例えば、特許文献1,2参照)。値引き情報の付与は、例えば、値引き情報が表示された値引きシールを商品に貼付することで行われる。
【0005】
ところが、このような精算方法では、悪意のある買い物客が、値引き情報を商品から剥がし、剥がした値引き情報を他の商品に付することで、値引き対象ではない商品を値引き価格にて購入するような不正行為を行う可能性がある。
【0006】
これに対して、商品に付された値引き情報の信憑性を判断して不正行為を低減する技術がある。例えば、値引き情報と識別情報とが表示された値引きシールを商品に貼付しておき、精算の際、商品登録装置が、値引き情報とともに識別情報を取得し、取得した識別情報に基づいて値引き情報の信憑性を判断する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−134731号公報
【特許文献2】特開2010−26745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、値引き情報と識別情報とが表示された値引きシールを商品に貼付する方法では、値引きシール毎に表示内容を変える必要があり、また、識別情報を管理する必要があることから、値引きシールの準備にかかるコストが増大してしまう可能性がある。
【0009】
このような点に鑑み、本件は、コストの増大を抑制しつつ不正行為を低減する情報取得装置、商品登録装置、および、情報取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために以下のような情報取得装置、商品登録装置、および、情報取得方法が提供される。
この情報取得装置は、値引き開始時刻が消費期限時刻の一定時間前に設定される商品であって、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とが付された商品から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを取得する取得部と、取得部が取得した消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出する算出部と、算出部が算出した差分と一定時間とを比較する比較部と、取得部が取得した商品識別情報を商品の精算を実行する精算部に出力するとともに、比較部による比較の結果、算出部が算出した差分が一定時間よりも短い場合、取得部が取得した値引き情報を精算部に出力する出力部と、を有している。
【0011】
また、この商品登録装置は、値引き開始時刻が消費期限時刻の一定時間前に設定される商品であって、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とが付された商品から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを取得する取得部と、取得部が取得した消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出する算出部と、算出部が算出した差分と一定時間とを比較する比較部と、取得部が取得した商品識別情報を出力するとともに、比較部による比較の結果、算出部が算出した差分が一定時間よりも短い場合、取得部が取得した値引き情報を出力する出力部と、を有する情報取得装置と、情報取得装置の出力部が出力した商品識別情報および値引き情報に基づいて、商品の精算を実行する精算装置と、を備えている。
【0012】
また、この情報取得方法は、コンピュータが、値引き開始時刻が消費期限時刻の一定時間前に設定される商品であって、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とが付された商品から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを取得し、取得した消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出し、算出した差分と一定時間とを比較し、取得した商品識別情報を商品の精算を実行する精算部に出力するとともに、比較の結果、算出した差分が一定時間よりも短い場合、取得した値引き情報を精算部に出力する。
【発明の効果】
【0013】
開示の情報取得装置、商品登録装置、および、情報取得方法によれば、コストの増大を抑制しつつ不正行為を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係る情報取得装置の一例を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係るセルフチェックアウトシステムの一例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係るセルフチェックアウト装置のハードウェアの一例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係る画像スキャナのハードウェアの一例を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る商品の一例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る商品の値引きスケジュールの一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係るセルフチェックアウト装置の機能の一例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係る情報取得手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る画像スキャナによる処理結果の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る情報取得装置の一例を示す図である。情報取得装置1は、商品に付された情報を取得する取得部2と、算出部3と、比較部4と、精算部6に接続された出力部5とを有している。
【0016】
ここでは、商品の値引き開始時刻が、その商品の消費期限時刻の一定時間前に設定されているものとする。また、商品には、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とが付されている。ここで、商品識別情報と消費期限時刻とは、一般的に、商品に付されている情報である。
【0017】
商品識別情報は、例えば、バーコードにより表現されている。例えば、商品識別情報と消費期限時刻とは、商品に貼付された商品ラベルに表示されており、値引き情報は、商品ラベルとは別に商品に貼付された値引きシールに表示されている。
【0018】
取得部2は、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを商品から取得する。算出部3は、取得部2が取得した消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出する。ここで、差分とは、現在時刻から消費期限時刻までの時間を指す。比較部4は、算出部3が算出した差分と、値引き開始時刻から消費期限時刻までの一定時間とを比較する。
【0019】
出力部5は、取得部2が取得した商品識別情報を商品の精算を実行する精算部6に出力するとともに、比較部4による比較の結果、算出部3が算出した差分が一定時間よりも短い場合、取得部2が取得した値引き情報を精算部6に出力する。
【0020】
すなわち、出力部5は、比較部4による比較の結果、算出部3が算出した差分が一定時間よりも長い場合、取得部2が取得した値引き情報を精算部6に出力しない。精算部6は、出力部5から出力された商品識別情報および値引き情報に基づいて商品の精算を実行する。
【0021】
次に、情報取得装置1による情報取得手順について説明する。まず、取得部2が、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを商品から取得する。次に、算出部3が、取得部2によって取得された消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出する。
【0022】
次に、比較部4が、算出部3によって算出された差分と、値引き開始時刻から消費期限時刻までの一定時間とを比較する。次に、出力部5が、取得部2が取得した商品識別情報を商品の精算を実行する精算部6に出力するとともに、比較部4による比較の結果、算出部3が算出した差分が一定時間よりも短い場合、取得部2が取得した値引き情報を精算部6に出力する。
【0023】
ここで、比較部4による比較の結果、算出部3が算出した差分が一定時間よりも長い場合、出力部5は、取得部2が取得した値引き情報を精算部6に出力しない。そして、精算部6は、出力部5から出力された商品識別情報および値引き情報に基づいて商品の精算を実行する。
【0024】
このように、情報取得装置1は、商品から取得した消費期限時刻と現在時刻との差分が、値引き開始時刻から消費期限時刻までの一定時間よりも短い場合、商品から取得した値引き情報を精算部6に出力する。すなわち、商品から取得した消費期限時刻と現在時刻との差分が一定時間よりも長い場合、商品から取得した値引き情報は精算部6に出力されない。
【0025】
この構成によれば、値引き開始時刻を迎えていない商品に値引き情報が不正に付されている場合には、消費期限時刻と現在時刻との差分が一定時間よりも長くなるため、値引き情報は精算部6に出力されない。すなわち、商品の価格に値引き情報が反映されない。これにより、不正行為を低減することが可能となる。
【0026】
また、この構成によれば、値引き情報とともに新たな情報を商品に付することなく、不正行為を低減することが可能となる。例えば、値引き情報と識別情報とが付された値引きシールを準備する等の必要がない。このため、コストの増大を抑制することが可能となる。
【0027】
[第2の実施の形態]
次に、第1の実施の形態の情報取得装置1を、商品登録装置の1つであり買い物客が自ら商品の精算を行うセルフチェックアウト装置に適用した実施の形態を、第2の実施の形態として説明する。
【0028】
図2は、第2の実施の形態に係るセルフチェックアウトシステムの一例を示す図である。セルフチェックアウトシステム10は、店舗サーバ20とネットワーク11を介して接続されたセルフチェックアウト装置100を有している。セルフチェックアウト装置100では、買い物客によって商品の精算が行われる。店舗サーバ20は、セルフチェックアウト装置100によって精算された商品の情報を一元管理する。
【0029】
セルフチェックアウト装置100は、本体部110と、本体部110の一方側に取り付けられた商品仮置き台111と、他方側に取り付けられた袋詰め台112とを有している。本体部110は、ディスプレイ113と、タッチパネル114と、画像スキャナ115と、貨幣投入部116と、お釣り排出部117とを有している。
【0030】
商品仮置き台111には、精算前の商品が入れられた買い物かごが仮置きされる。画像スキャナ115は、手前に撮像領域を有する。買い物客によって商品仮置き台111の買い物かごから取り出され、撮像領域に翳された商品は、画像スキャナ115によって撮像され、商品が登録される。これにより、登録された商品の精算が行われる。袋詰め台112には、精算済みの商品が入れられるビニール袋や買い物バック等が置かれる。
【0031】
ディスプレイ113には、買い物客への案内画像が表示される。タッチパネル114は、買い物客によるタッチ操作を受け付ける。タッチパネル114は、ディスプレイ113上に重ねて配置され、ディスプレイ113に表示された画像を透過する。買い物客は、ディスプレイ113に表示される案内画像を見ながら、タッチパネル114に対してタッチ操作を行う。貨幣投入部116には、買い物客によって硬貨や紙幣等の貨幣が投入される。お釣り排出部117には、硬貨や貨幣等のお釣りが排出される。
【0032】
次に、セルフチェックアウト装置100のハードウェアについて説明する。
図3は、第2の実施の形態に係るセルフチェックアウト装置のハードウェアの一例を示す図である。セルフチェックアウト装置100は、精算装置100aと複数の周辺機器とを有している。
【0033】
精算装置100aは、CPU(Central Processing Unit)101と、CPU101に接続されたRAM(Random Access Memory)102と、CPU101に接続されたハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103とを有している。セルフチェックアウト装置100は、CPU101により装置全体が制御されている。
【0034】
RAM102は、セルフチェックアウト装置100の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
【0035】
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、セルフチェックアウト装置100の二次記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0036】
CPU101には、バス106を介して、複数の周辺機器が接続されている。バス106に接続されている周辺機器としては、貨幣管理装置104、ディスプレイ113、タッチパネル114、画像スキャナ115、および、通信インタフェース105がある。
【0037】
貨幣管理装置104は、硬貨や紙幣の入出、計数、収納を行う。ディスプレイ113は、CPU101からの命令に従って、画像を表示する。ディスプレイ113には、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などが用いられる。
【0038】
タッチパネル114は、買い物客によるタッチ操作を受け付け、入力信号をCPU101に送信する。画像スキャナ115は、撮像領域を撮像し、撮像画像をCPU101に送信する。
【0039】
通信インタフェース105は、ネットワーク11に接続されている。通信インタフェース105は、ネットワーク11を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0040】
次に、画像スキャナ115のハードウェアについて説明する。
図4は、第2の実施の形態に係る画像スキャナのハードウェアの一例を示す図である。画像スキャナ115は、CPU201によって装置全体が制御されている。CPU201には、バス207を介してRAM202と複数の周辺機器が接続されている。
【0041】
RAM202は、画像スキャナ115の主記憶装置として使用される。RAM202には、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM202には、CPU201による処理に必要な各種データが格納される。バス207に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ203、撮像素子204、時計205、および通信インタフェース206がある。
【0042】
HDD203は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD203は、画像スキャナ115の二次記憶装置として使用される。HDD203には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0043】
撮像素子204は、CPU201からの命令に従って、撮像領域を撮像する。撮像素子204には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。
【0044】
さらに、撮像素子204は撮像した撮像画像をCPU201に送信する。時計205は、CPU201に日時情報を送信する。通信インタフェース206は、バス106に接続されている。通信インタフェース206は、バス106を介して、CPU101との間でデータの送受信を行う。
【0045】
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。
次に、セルフチェックアウトシステム10で取り扱われる商品について説明する。
【0046】
図5は、第2の実施の形態に係る商品の一例を示す図である。商品30は、例えば、惣菜品等である。商品30の表面には、商品ラベル31と値引きシール32とが貼付されている。
【0047】
商品ラベル31には、商品名と、消費期限日時と、バーコードと、価格とが表示されている。バーコードは、商品識別情報を表現している。バーコードには、一次元バーコードや、QRコードのような二次元バーコードも含まれる。商品ラベル31は、例えば、商品30を店頭に並べる前に予め貼付されている。商品ラベル31は、その商品が値引き対象であるかどうかにかかわらず、全ての商品に貼付される。
【0048】
値引きシール32は、商品ラベル31とは独立して商品30に貼付されている。値引きシール32には、値引き率や、値引き額等の値引き情報が表示されている。値引きシール32は、商品30が店頭に並べられてから所定時間が経過し、商品30が値引き販売期間を迎えた際に、店員によって貼付される。すなわち、値引きシール32は、値引き対象の商品のみに貼付される。
【0049】
次に、商品の値引きスケジュールについて説明する。
図6は、第2の実施の形態に係る商品の値引きスケジュールの一例を示す図である。商品の値引き開始日時は、その商品の消費期限日時の一定時間前に設定される。この一定時間は、店の方針によって決定される。すなわち、値引き開始日時よりも前の期間は、値引きしない通常販売期間であり、値引き開始日時から消費期限日時までの期間が、値引き販売期間となる。
【0050】
例えば、この一定時間が「2時間」である場合、消費期限日時が「2011年3月1日18時」の商品については、日時が「2011年3月1日16時」になると、店員により値引きシールが貼付され、値引き販売が開始される。
【0051】
次に、セルフチェックアウト装置100の機能について説明する。
図7は、第2の実施の形態に係るセルフチェックアウト装置の機能の一例を示す図である。画像スキャナ115は、撮像部211と、バーコード復調部212と、文字認識部213と、算出部214と、現在日時取得部215と、比較部216と、一定時間記憶部217と、出力部218とを有している。精算装置100aは、画像スキャナ115の出力部218と接続された精算部219を有している。
【0052】
撮像部211は、買い物客によって商品が翳される撮像領域を周期的に撮像する。バーコード復調部212は、撮像部211によって撮像された撮像画像のうちバーコード部分を復調することで、バーコード情報を取得する。文字認識部213は、撮像部211によって撮像された撮像画像に含まれた文字を認識することで、商品から消費期限日時と値引き情報とを取得する。
【0053】
現在日時取得部215は、現在日時を取得する。現在日時は、例えば、時計205や、精算装置100aから取得することができる。算出部214は、文字認識部213によって取得された消費期限日時から、現在日時取得部215によって取得された現在日時を差し引いた差分を算出する。ここで差分とは、現在日時から消費期限日時までの時間を指す。
【0054】
一定時間記憶部217には、図6に示す値引き開始日時から消費期限日時までの一定時間(例えば、「2時間」)が記憶される。比較部216は、算出部214が算出した差分と、一定時間記憶部217に記憶されている一定時間とを比較する。なお、一定時間は、全ての商品一律に固定値としてもよいし、商品ごとに個別に決めるようにしてもよい。例えば商品ごとに一定時間を決める場合は、撮像されたバーコード情報から商品を特定した後、一定時間記憶部217に予め商品ごとに一定時間を規定した一定時間テーブルから当該商品に対応する一定時間を取得するようにする。
【0055】
出力部218は、バーコード復調部212によって取得されたバーコード情報を精算装置100aの精算部219に出力する。さらに、出力部218は、比較部216による比較結果に応じて、文字認識部213によって取得された値引き情報を、精算部219に出力する。また、出力部218は、精算部219にエラー通知を行う。精算部219は、画像スキャナ115の出力部218から出力されたバーコード情報と値引き情報とに基づいて、商品の精算を実行する。
【0056】
次に、画像スキャナ115による商品からの情報取得手順について説明する。
図8は、第2の実施の形態に係る情報取得手順の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、撮像部211が撮像領域を撮像する毎に開始される。なお、一定時間記憶部217には、値引き開始日時から消費期限日時までの一定時間が予め記憶されているものとする。
【0057】
[ステップS11]バーコード復調部212が、撮像部211によって撮像された撮像画像のうちバーコード部分を復調することで、バーコード情報を取得する。
[ステップS12]バーコード復調部212が、バーコード情報の取得に成功したかどうかを判定する。バーコード情報の取得に成功した場合、バーコード復調部212は、処理をステップS13に進める。バーコード情報の取得に成功しなかった場合、バーコード復調部212は、処理を終了し、次の撮像指示を待つ。
【0058】
[ステップS13]文字認識部213が、撮像部211によって撮像された撮像画像のうち値引き情報の表示部分を文字認識し、値引き情報を取得する。
[ステップS14]文字認識部213が、値引き情報の取得に成功したかどうかを判定する。値引き情報の取得に成功した場合、文字認識部213は、処理をステップS15に進める。値引き情報の取得に成功しなかった場合、文字認識部213は、処理をステップS21に進める。
【0059】
[ステップS15]文字認識部213が、撮像部211によって撮像された撮像画像のうち消費期限日時の表示部分を文字認識し、消費期限日時を取得する。
[ステップS16]文字認識部213が、消費期限日時の取得に成功したかどうかを判定する。消費期限日時の取得に成功した場合、文字認識部213は、処理をステップS17に進める。消費期限日時の取得に成功しなかった場合、文字認識部213は、処理をステップS22に進める。
【0060】
[ステップS17]現在日時取得部215が、現在日時を取得する。現在日時は、時計205、または、精算装置100aから取得することができる。
[ステップS18]算出部214が、文字認識部213によって取得された消費期限日時から、現在日時取得部215によって取得された現在日時を差し引いた差分を算出する。
【0061】
[ステップS19]比較部216が、算出部214が算出した差分が、一定時間記憶部217に記憶されている一定時間以下であるかどうかを判定する。差分が一定時間以下である場合、比較部216は、処理をステップS20に進める。差分が一定時間以下ではない場合、比較部216は、処理をステップS21に進める。
【0062】
[ステップS20]出力部218が、バーコード復調部212によって取得されたバーコード情報と、文字認識部213によって取得された値引き情報とを、精算装置100aの精算部219に出力して処理を終了する。そして、精算部219は、出力部218から出力されたバーコード情報と値引き情報とに基づいて、商品の精算を実行する。すなわち、商品の価格に、値引きが反映される。
【0063】
[ステップS21]出力部218が、バーコード復調部212によって取得されたバーコード情報を、精算装置100aの精算部219に出力して処理を終了する。そして、精算部219は、出力部218から出力されたバーコード情報に基づいて、商品の精算を実行する。すなわち、商品の価格に、値引きが反映されない。
【0064】
[ステップS22]出力部218が、精算装置100aの精算部219に読み取り不良通知を行う。そして、ディスプレイ113に読み取り不良の旨を買い物客に通知すると共に、通信インタフェース105を介して、店員に読み取り不良の通知を行う。これにより、店員による個別対応を行い必要に応じて手入力などにより値引き処理を行うことが可能となる。
【0065】
次に、具体例として、商品(1)〜(3)に対する、画像スキャナ115による処理結果について説明する。
図9は、第2の実施の形態に係る画像スキャナによる処理結果の一例を示す表である。なお、ここでは、値引き開始日時から消費期限日時までの一定時間が「2時間」であり、現在日時が「2011年3月1日17時」であるものとする。
【0066】
商品(1)は、値引きシールが貼付されており、消費期限日時が「2011年3月1日18時」である。この場合、消費期限日時から現在日時を差し引いた差分は「1時間」となり、一定時間である「2時間」よりも短いため、画像スキャナ115は、値引き情報を精算装置100aに送信する。すなわち、値引きシールは商品に正しく貼付されたものとして扱われる。
【0067】
商品(2)は、値引きシールが貼付されており、消費期限日時が「2011年3月1日23時」である。この場合、消費期限日時から現在日時を差し引いた差分は「6時間」となり、一定時間である「2時間」よりも長いため、画像スキャナ115は、値引き情報を精算装置100aに送信しない。すなわち、値引きシールは商品に不正に貼付されたものとして扱われる。
【0068】
商品(3)は、値引きシールが貼付されていない。この場合、消費期限日時によらず、画像スキャナ115は、値引き情報を精算装置100aに送信しない。
以上、説明してきたように、セルフチェックアウト装置100では、画像スキャナ115が、商品から取得した消費期限日時と現在日時との差分が、値引き開始日時から消費期限日時までの一定時間以下である場合、商品から取得した値引き情報を精算装置100aの精算部219に出力する。すなわち、商品から取得した消費期限日時と現在日時との差分が一定時間よりも長い場合、商品から取得した値引き情報は精算部219に出力されない。
【0069】
この構成によれば、値引き開始日時を迎えていない商品に値引きシールが不正に貼付されている場合には、消費期限日時と現在日時との差分が一定時間よりも長くなるため、値引き情報は精算部219に出力されない。すなわち、商品の価格に値引き情報が反映されない。これにより、不正行為を低減することが可能となる。
【0070】
また、この構成によれば、値引き情報とともに新たな情報を値引きシールに付することなく、不正行為を低減することが可能となる。例えば、値引き情報と識別情報とが付された値引きシールを準備する等の必要がない。このため、コストの増大を抑制することが可能となる。
【0071】
また、この構成によれば、精算部219を備える精算装置100aのプログラム等を変更することなく、発明を実現することが可能となる。精算装置100aのプログラムを変更する場合、セルフチェックアウト装置100の動作テスト等を改めて実施する必要があり、開発に多くの時間を要してしまう可能性がある。セルフチェックアウト装置100によれば、画像スキャナ115の動作テスト等を実施すれば足りるため、開発期間を大幅に短縮させることが可能となる。
【0072】
さらに、セルフチェックアウト装置100では、画像スキャナ115が、消費期限日時および値引き情報に先行してバーコード情報を取得する。この構成によれば、バーコード情報を取得できなかった場合、消費期限日時および値引き情報の取得を行うことなく処理を終了することができる。これにより、処理に係る時間を短縮することができる。
【0073】
さらに、セルフチェックアウト装置100では、画像スキャナ115が、消費期限日時に先行して値引き情報を取得する。この構成によれば、値引き情報を取得できなかった場合、消費期限日時の取得を行うことなく、バーコード情報を精算装置100aの精算部219に出力することができる。これにより、処理に係る時間を短縮することができる。
【0074】
さらに、セルフチェックアウト装置100では、画像スキャナ115が、バーコード情報または値引き情報が取得されなかった場合には、差分の算出を実行しない。この構成によれば、バーコード情報または値引き情報が取得されなかった場合、差分の算出を実行することなく、バーコード情報を精算部219に出力することができる。これにより、処理に係る時間を短縮することができる。
【0075】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、セルフチェックアウト装置100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0076】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0077】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0078】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0079】
1 情報取得装置
2 取得部
3,214 算出部
4,216 比較部
5,218 出力部
6,219 精算部
30 商品
31 商品ラベル
32 値引きシール
100 セルフチェックアウト装置
100a 精算装置
115 画像スキャナ
211 撮像部
212 バーコード復調部
213 文字認識部
215 現在日時取得部
217 一定時間記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
値引き開始時刻が消費期限時刻の一定時間前に設定される商品であって、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とが付された商品から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出する算出部と、
前記算出部が算出した差分と前記一定時間とを比較する比較部と、
前記取得部が取得した商品識別情報を商品の精算を実行する精算部に出力するとともに、前記比較部による比較の結果、前記算出部が算出した差分が前記一定時間よりも短い場合、前記取得部が取得した値引き情報を前記精算部に出力する出力部と、
を有していることを特徴とする情報取得装置。
【請求項2】
前記取得部は、消費期限時刻および値引き情報に先行して商品識別情報を取得すること、
を特徴とする請求項1記載の情報取得装置。
【請求項3】
前記取得部は、消費期限時刻に先行して値引き情報を取得すること、
を特徴とする請求項2記載の情報取得装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記取得部によって商品識別情報または値引き情報が取得されなかった場合には、差分の算出を実行しないこと、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【請求項5】
商品が翳される所定の領域を撮像する撮像部をさらに有し、
前記取得部は、前記撮像部が撮像した画像から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを取得すること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【請求項6】
値引き情報は、商品に貼付された値引きシールに表示されていること、
を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【請求項7】
商品識別情報と消費期限時刻とは、商品に貼付された商品ラベルに表示され、
値引き情報は、商品ラベルとは別に商品に貼付された値引きシールに表示されていること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【請求項8】
商品識別情報は、バーコードによって表現されていること、
を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報取得装置。
【請求項9】
前記一定時間は、商品ごとに個別に規定されていること、
を特徴とする請求項1記載の情報取得装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記撮像部が撮像した画像から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを文字認識により取得すること、
を特徴とする請求項5記載の情報取得装置。
【請求項11】
値引き開始時刻が消費期限時刻の一定時間前に設定される商品であって、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とが付された商品から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを取得する取得部と、前記取得部が取得した消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出する算出部と、前記算出部が算出した差分と前記一定時間とを比較する比較部と、前記取得部が取得した商品識別情報を出力するとともに、前記比較部による比較の結果、前記算出部が算出した差分が前記一定時間よりも短い場合、前記取得部が取得した値引き情報を出力する出力部と、を有する情報取得装置と、
前記情報取得装置の前記出力部が出力した商品識別情報および値引き情報に基づいて、商品の精算を実行する精算装置と、
を備えていることを特徴とする商品登録装置。
【請求項12】
コンピュータが、
値引き開始時刻が消費期限時刻の一定時間前に設定される商品であって、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とが付された商品から、商品識別情報と消費期限時刻と値引き情報とを取得し、
取得した消費期限時刻と、現在時刻との差分を算出し、
算出した差分と前記一定時間とを比較し、
取得した商品識別情報を商品の精算を実行する精算部に出力するとともに、比較の結果、算出した差分が前記一定時間よりも短い場合、取得した値引き情報を前記精算部に出力する、
ことを特徴とする情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−208814(P2012−208814A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74939(P2011−74939)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】