情報抽出装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体
【課題】ユーザが特にコンテンツの持つ付帯情報を意識しなくても、当該コンテンツに付帯するメタデータを、情報抽出のための条件として設定することができる情報抽出装置を提供する。
【解決手段】情報抽出装置は、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示手段2と、コンテンツを表示手段2上で移動操作する操作手段3と、コンテンツ群より抽出条件を基にコンテンツを抽出する情報抽出手段(CPU1)とを備える。また、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の持つ情報より、情報抽出手段のための抽出条件を決定する抽出条件決定手段(CPU1)を備える。
【解決手段】情報抽出装置は、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示手段2と、コンテンツを表示手段2上で移動操作する操作手段3と、コンテンツ群より抽出条件を基にコンテンツを抽出する情報抽出手段(CPU1)とを備える。また、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の持つ情報より、情報抽出手段のための抽出条件を決定する抽出条件決定手段(CPU1)を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報抽出装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体に関し、特に、アイコンデータに対するUI操作により、情報の抽出条件、及び除外条件を設定可能な情報抽出装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くのデータの中から必要なデータを抽出するための情報抽出装置においては、当該データに直接含まれる情報キーワードを指定し、あるいはデータに付随する各種メタデータに含まれる情報キーワードを指定することで、必要な情報を抽出していた。
【0003】
また、上述の情報キーワードは、データに直接含まれるものの場合は、任意のキーワード、そして各種メタデータに含まれる情報キーワードについては、指定するメタデータの種類に応じて任意、あるいは定められたキーワードとなっていた。
【0004】
また、メタデータ中の情報キーワードについて、複数の情報キーワードを指定する際には、それぞれの情報キーワードの重み付けなど考慮し、点数付けによる情報抽出も行われていた。従って、多くのデータの中から、ユーザが効率良く情報の抽出を行うには、適切な情報キーワードの選択、適切な情報分類、そして適切な重み付けが重要なポイントとなっていた。
【0005】
この様な情報キーワードの適切な選択や、データ分類のための適切な視点、更には適切な重み付けをユーザに提供するために、以下に示す幾つかの技術が開示されている。
【0006】
特許文献1は、当初の検索結果に対して、絞り込みを行うためのラベルを自動抽出し、これをユーザに提示可能な技術を提案している。
【0007】
ユーザが当該ラベルを選択することで、予め情報キーワードとなるラベル情報を知らなくても、効率的な絞り込みが行われる。また、当該ラベルの適切な選択を繰り返すことにより、ユーザが必要とする適切な情報が得られる。
【0008】
特許文献2には以下の技術が示される。検索者が検索対象となるデータを閲覧する際に、当該データの持つ用意された分類視点に基づいてデータを表示する。この時、ユーザが視点を切り替えることで、それぞれの視点における検索分類結果が動的に変化する。
【0009】
従って、ユーザが逐次視点を切り替えて効率的な選択を行うことで、短時間で絞り込みを行うことが可能となる。また、この時、検索者が気づいていない新たな視点も提供することができる。
【0010】
特許文献3には以下の技術が示される。検索キーワードとして設定された検索要求アイテムが入力されると、他の検索要求アイテムの類似度と、検索対象アイテムとの類似度に応じて、検索対象アイテムを中心として配置された表示が行われる。
【0011】
更には、検索結果として不要なものを目的の検索対象アイテムから遠ざけるように移動させると、遠ざけた検索対象アイテムと類似度の大きなアイテムもそれぞれの類似度に応じて中央から離れる方向に移動する。その結果、検索結果として不要なものは検索対象アイテムから遠ざけられる様に表示が行われ、目的のアイテムのみが選択しやすくなる。
【0012】
また、今日一般家庭においては、映像コンテンツデータの数が急速に増えつつあり、同時に映像コンテンツデータに対する情報抽出の要求も増えつつある。当該コンテンツデータにおいては、撮影日時や撮影機材など、情報抽出のためのメタデータも充実している。
【0013】
しかしながら、ユーザが最終的に目的の映像コンテンツデータを抽出する場合には、上述の情報キーワードに加えて、コンテンツの概略を表記したサムネール情報も利用し、即ち、ユーザによる視覚検索も併用して行われる場合が多かった。
【特許文献1】特開2003−345829号公報
【特許文献2】特開平08−044759号公報
【特許文献3】特開平08−339375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上述の情報抽出装置においては、適切な情報キーワードを選択し、これを適切に組み合わせない限りは、ユーザの望む適切な情報の抽出は実現できず、また抽出されたとしても、その数が膨大となる場合が多かった。また、適切な情報キーワードの選択に誤ると、適切な数の抽出情報となったにも関わらず、ユーザの必要とする肝心の情報が得られない場合も多かった。
【0015】
また、特許文献1記載の技術は、ユーザに提示可能なラベルは自動抽出されるものであり、それぞれのラベルに対応するデータとの関係がユーザにとって不明確であった場合や、提示されたラベルの数が多い場合などはラベルの選択に失敗する場合があった。また、自動抽出されるラベルは、情報キーワードの有無に対応するものであり、メタデータ項目に対応するパラメータの指定などはできないという問題点があった。
【0016】
また、特許文献2記載の技術は、ユーザが対象となるデータについて、絞り込むための視点が明確になっていない場合には、絞り込みによる抽出が効率的でないばかりか、そもそも目的のデータを抽出できないという問題点があった。更に、提供される視点については、上述の例と同様、情報キーワードの有無に対応するものであり、メタデータ項目に対応するパラメータの指定はできないという問題点があった。
【0017】
また、特許文献3記載の技術においては、ユーザのアイテムに対する移動操作による結果は、ユーザが直接知ることのできない類似度によって左右される。また、その移動操作の距離は、アイテムを見易くするための操作となり、パラメータなどを指定するといった意味のある操作では有り得なかった。
【0018】
また、移動の方向にあっては、現在の表示位置が類似度に依存しているために、ユーザの感覚とは異なる移動操作と成り得るという問題点があった。更には、映像コンテンツなど、サムネールの目視によるユーザの視覚検索についても、その数が多い場合には、全く非効率的なものであった。
【0019】
本発明の目的は、ユーザが特にコンテンツの持つ付帯情報を意識しなくても、当該コンテンツに付帯するメタデータを、情報抽出のための条件として設定することができる情報抽出装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、請求項1記載の情報抽出装置は、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示手段と、前記コンテンツを前記表示手段上で移動操作する操作手段と、複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出手段と、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出手段のための抽出条件を決定する抽出条件決定手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の情報抽出方法は、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示ステップと、前記コンテンツを前記表示ステップ上で移動操作する操作ステップと、複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出ステップと、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出ステップのための抽出条件を決定する抽出条件決定ステップとを備えることを特徴とする。
【0022】
請求項12記載の情報抽出プログラムは、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示モジュールと、前記コンテンツを前記表示モジュール上で移動操作する操作モジュールと、複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出モジュールと、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出モジュールのための抽出条件を決定する抽出条件決定モジュールとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項13記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、請求項12記載の情報抽出プログラムを格納する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の情報抽出装置は、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示手段と、コンテンツを表示手段上で移動操作する操作手段と、コンテンツ群より抽出条件を基にコンテンツを抽出する情報抽出手段とを備える。また、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の持つ情報より、情報抽出手段のための抽出条件を決定する抽出条件決定手段を備える。
【0025】
従って、ユーザが特にコンテンツの持つ付帯情報を意識しなくても、該コンテンツのアイコンに対する移動操作を行うことにより、当該コンテンツに付帯するメタデータを、情報抽出のための条件として設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作の際の表示画面を示す図である。
【0028】
図1において、情報抽出を行う対象を格納するフォルダ101は、本発明による情報抽出を行う元の母集合となるコンテンツ群106を格納しておく場所となる。また、個々のコンテンツは、本フォルダ101上においては、それぞれのコンテンツの概要を示す代表アイコンとして表示されている。
【0029】
即ち、本実施の形態においては、アイコンに対する抽出操作は、コンテンツに対する抽出操作と等しい。尚、該当母集合は、ユーザが求めている特定のコンテンツを明らかに含む集合であり、ここでは、その数がアイコンの目視による検索では特定不可能な数からなるコンテンツの集合である。
【0030】
また、母集合となるコンテンツ群106は、本システムにおいて、何らかの一時抽出が行われた結果のコンテンツ群でも良く、また、本システムに格納されている全てのコンテンツであっても良い。また、表示画面には、それぞれ異なる抽出除外条件であるA乃至Dまでを指定するための抽出除外条件指定領域102乃至105が表示される。
【0031】
図2は、図1の表示画面上における抽出操作を説明する図である。
【0032】
具体的には、ユーザによるコンテンツの移動操作により、抽出対象フォルダからの抽出除外条件対象としたコンテンツの選択と、当該コンテンツの持つ付帯情報の内、抽出除外条件の種類を指定する動作を説明する図である。
【0033】
図2において、ユーザが選択した抽出対象フォルダの中にあるコンテンツ208は、ユーザが当該フォルダの中から抽出したいものとは異なるコンテンツの情報を持つものである。また、ユーザの行うコンテンツに対する移動操作を表すイメージ図207、上述のユーザが選択したコンテンツ208が移動された後の移動コンテンツ209が示される。
【0034】
即ち、ユーザは、抽出対象フォルダ内のコンテンツから、除外したいコンテンツ208を選択し、そのコンテンツ208の持つ付帯情報の内、抽出除外条件としたい種類を指定するための領域202へ移動操作を行う。
【0035】
符号201乃至206は、図1の符号101乃至106と対応する。図3以下も同様である。
【0036】
図3は、図2の抽出操作の結果を示す図である(その1)。
【0037】
図3において、ユーザが移動操作を行ったコンテンツ306が表示される。領域302に存在するコンテンツ306以外のコンテンツ307は、図2における移動操作が完了したことにより、本実施の形態において後述される動作により、領域302に移動させられたものである。
【0038】
図4は、図2の抽出操作の結果を示す図である(その2)。
【0039】
具体的には、図2から図3における抽出除外対象の選択とその条件指定を、抽出対象フォルダ401内のコンテンツの、各抽出除外条件指定領域402乃至404への移動操作として実行し、これを繰り返した結果を示したものである。
【0040】
図4において、抽出対象フォルダから除外されたコンテンツが極僅かとなったため、ユーザが目的のコンテンツを選択することが可能となった状態を示すものである。
【0041】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置によって実行される情報抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0042】
図5において、ユーザによる抽出対象フォルダからのコンテンツの移動操作が行われた際の処理が開始される。まず、移動操作に関連する情報を取得する(ステップS501)。続いて、上述の移動操作に関連する操作からそれぞれ必要な情報を取得する(ステップS502乃至ステップS504)。
【0043】
次に、移動操作が行われたコンテンツに移動先である抽出除外条件指定領域に対応する条件種類が存在するか否かを判定する(ステップS505)。ここで、移動先の領域に対応する条件の種類が移動されたコンテンツに存在しなかった場合にはステップS506に進み、コンテンツの移動操作自体を取り消して、処理を終了する。
【0044】
また、ステップS505において、対応する条件の種類が存在する場合にはステップS507に進み、コンテンツに存在する上記条件の種類に対応する付帯情報を特定する。当該付帯情報を基に、抽出対象フォルダにあるコンテンツ群から除外条件となる条件に基づき、抽出が実行される(ステップS508)。
【0045】
次に、ステップS508における抽出の結果が存在するか否かを判定する(ステップS509)。結果が存在しない場合には、処理を終了する。また、結果が存在する場合には当該抽出結果に基づき対応コンテンツのリストを作成し、コンテンツの特定を行う(ステップS510)。続いて、特定されたリストコンテンツについて、対応する抽出除外条件指定領域への移動を行い(ステップS511)、処理を終了する。
【0046】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置におけるコンテンツの持つ付帯情報を示す図である。
【0047】
図6において、付帯データの項目名701、項目名に対応するデータ702を示す。当該コンテンツにおいては、付帯データの項目として、コンテンツ種類、ジャンル、作成日時、及び作成機器に関する情報が存在している。
【0048】
以下、図1乃至図6を用いて、第1の実施の形態を更に詳細に説明する。
【0049】
図1の本情報抽出装置の表示画面には、ここでは詳細を説明しないウィンドウシステムにより、アイコン化されたコンテンツ、フォルダ、及び、識別可能な領域が表示されている。また、当該画面上では、ユーザのポインティングデバイス操作により、アイコン化されたコンテンツの該画面上における移動操作が可能となっている。
【0050】
ユーザは特定のコンテンツを探す目的で、該コンテンツが含まれていることが確実なコンテンツ群を事前に抽出し、図1の抽出対象フォルダに当該コンテンツ群を格納している。ここで当該コンテンツ群は、それぞれのコンテンツの概要を表したアイコンとして表示画面上に存在している。
【0051】
図1の画面において、ユーザは、数年前に撮影したプライベートの写真コンテンツを探しているものとする。ここでユーザは情報抽出装置に存在する全ての情報から、映像コンテンツのみを抽出し、これを抽出対象フォルダに格納する。即ち、文書データなど、明らかに目的のコンテンツを異なるコンテンツに関してはここでは既に除外されているものとする。
【0052】
また、図1の抽出対象フォルダに存在しているコンテンツはアイコン化されているために、ユーザはその内容の概要を把握することが可能な状態にある。ここで、ユーザは抽出対象フォルダに存在しているコンテンツの中から、明らかに探しているコンテンツとは異なるアイコンを目視で選択を行うことになる。
【0053】
次に、図2において、ユーザが探しているコンテンツは写真コンテンツであるが、目に付いたアイコン(コンテンツ)208は、ユーザの記憶から、明らかに動画コンテンツのものである。この結果、ユーザは、当該目に付いたコンテンツは確実に除外して良いコンテンツと判断する。
【0054】
次にユーザは、当該コンテンツの付帯情報の項目において、コンテンツが動画データであるか写真データであるかを識別するためのコンテンツ種類を判断する。即ち、コンテンツ208について、抽出対象フォルダ201からの除外を決定すると同時に、当該除外のための条件としてコンテンツ種類を抽出除外条件として指定するために、当該コンテンツを領域202に移動する。
【0055】
この時、本情報抽出装置においては、抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域への移動を検知し、図5の処理が起動される。
【0056】
図5においては、上記のユーザの操作によりステップS501からの処理が開始される。ステップS501においては、先の移動操作に関連する情報が取得され、ステップS502及びステップS503ではそれぞれ、コンテンツ208の情報、及び、当該コンテンツに付帯する情報が取得される。図6はコンテンツ208に付帯する情報を表に表したものである。
【0057】
ステップS503では、当該コンテンツの移動先の情報である抽出除外条件として「コンテンツ種類」が取得される。ステップS505では、コンテンツ208の付帯情報の中に、「コンテンツ種類」の項目が存在するか否かが判定され、ここでは「コンテンツ種類」の情報が存在するためにステップS507へと進む。
【0058】
ステップS507では、抽出除外条件として、図6の「コンテンツ種類」に対応するコンテンツ208の持つデータである「動画コンテンツ」が特定される。ステップS508では抽出対象フォルダ201に含まれるコンテンツの中から、「コンテンツ種類」項目に「動画コンテンツ」を含むコンテンツの抽出が実行される。
【0059】
ステップS509では、抽出の結果が存在するか否かが判定され、ここでは抽出結果が存在したために、ステップS510で当該抽出されたコンテンツのリストが作成される。次にステップS511において、当該リストのコンテンツについて、先の抽出除外条件指定領域202への移動が行われ、処理を終了する。
【0060】
図3は、図5の処理が終了した際の本情報抽出装置の表示画面を示したものである。ここで、抽出対象フォルダ301に存在したいくつかのコンテンツは、抽出除外条件指定領域302に移動している。以下、ユーザは、抽出対象フォルダ301に残ったコンテンツについて、明らかに目的のコンテンツとは異なるコンテンツを選択し、移動を繰り返すことができる。
【0061】
例えば、目に付いたコンテンツの「ジャンル」項目が「プライベート」では無いものについては、抽出除外条件指定領域303に、また、「作成日時」が明らかに目的のものより古いものについては抽出除外条件指定領域304に移動することができる。これらの移動操作を行うことで、その都度、図5の処理が実行され、それぞれ移動を行ったコンテンツと同じ付帯情報の情報を持つコンテンツについては、移動処理が実行される。
【0062】
図4は、上記の移動操作を繰り返した際の本発明による情報抽出装置の表示画面を示したものである。ユーザは上記の移動操作を繰り返し、図4に示すような結果を得ることで、容易に目的のコンテンツを選択することが可能となる。
【0063】
以上説明した様に、本実施の形態の構成によれば、図2から図3に示す様な、移動操作を繰り返すことで、除外したコンテンツと同じ条件のコンテンツについても抽出対象フォルダから同時に除外することができるものである。
【0064】
即ち、抽出対象フォルダの中に存在するコンテンツの数を効率良く減らすことができ、その結果、図4に示す如く、抽出対象フォルダにおいては、数個のコンテンツしか存在しない状態にすることが容易である。この状態においては、ユーザは目的のコンテンツを目視においても簡単に見つけることが可能な状態となるものである。
【0065】
(第2の実施の形態)
上述の第1の実施の形態においては、明らかに抽出対象から除外可能なコンテンツについて、抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域に移動することで、抽出対象フォルダの内容を効率良く減らす構成とした。ここで、逆に抽出対象フォルダへの抽出条件を追加する構成を設けても良い。
【0066】
即ち、第2実施の形態の構成においては、ユーザの操作ミス、あるいは勘違いにより、移動して欲しくないコンテンツが抽出対象フォルダの外に存在していることが確認された場合を考える。
【0067】
ある時、ユーザは、図4の抽出除外条件指定領域において、明らかに除外して欲しく無い、目的のコンテンツと極めて条件の近いコンテンツを発見したとする。この場合、このまま抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域へのコンテンツの移動を繰り返しても目的のコンテンツを抽出することは困難であることが予想される。この場合、目的のコンテンツと極めて条件の近いコンテンツについて、抽出除外条件指定領域から抽出対象フォルダへの移動操作を行うことが可能な構成とする。
【0068】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作を説明する図である。
【0069】
具体的には、抽出除外条件指定領域に存在するコンテンツ811について、ユーザが抽出対象フォルダ801への移動操作を行った際の表示画面を示した図である。
【0070】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置によって実行される情報抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0071】
具体的には、上述の図5の操作とは逆の、抽出除外条件指定領域から抽出対象フォルダへのコンテンツの移動操作が行われた際に行われる処理の動作を示すフローチャートである。
【0072】
図8において、ユーザによる抽出除外条件指定領域から抽出対象フォルダへのコンテンツの移動操作が行われた際の処理が開始される。まず、当該移動操作に関する情報を取得する(ステップS601)。そしても上述の移動操作に関連する操作からそれぞれ必要な情報を取得する(ステップS602乃至ステップS604)。コンテンツに存在する移動元の領域において指定されていた条件種類に対応する付帯情報を特定する(ステップS605)。
【0073】
次に、移動元の領域以外の抽出除外条件指定領域に存在するコンテンツ全てのリストを作成し(ステップS606)、これより当該条件種類に対応する付帯情報を条件として、抽出が実行される(ステップS607)。続いて、当該抽出の結果が存在するか否かが判定され(ステップS608)、存在しなかった場合には処理を終了する。
【0074】
また上記において、抽出結果が存在する場合には、当該抽出結果に基づき対応コンテンツのリストを作成し、コンテンツの特定を行う(ステップS609)。次に、特定されたリストコンテンツについて、抽出対象フォルダへの移動を行い(ステップS610)、処理を終了する。
【0075】
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置におけるコンテンツの持つ付帯情報を示す図である。
【0076】
図9において、付帯データの項目名901、項目名901に対応するデータ902を示す。当該コンテンツにおいては、付帯データの項目として、コンテンツ種類、ジャンル、作成日時、及び作成機器に関する情報が存在している。
【0077】
以下、図7乃至図9を用いて、本実施の形態を更に詳細に説明する。
【0078】
図7の表示画面においては、抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域への移動操作が幾度か行われ、その結果、抽出対象フォルダにはユーザが目視で一覧できる範囲のコンテンツのみ存在している状態とする。
【0079】
この時、当該抽出対象フォルダには、本来存在するはずの目的とするコンテンツが存在せず、尚且つ、抽出除外条件指定領域において、ユーザの目的とするコンテンツに極めて近い条件のコンテンツが発見されている。
【0080】
この状態において、ユーザは、当該目的とするコンテンツに極めて近い条件のコンテンツについて、抽出対象フォルダに移動する操作を行う。当該操作を行うことで、図8のフローチャートに示す処理が開始される。
【0081】
図8においては、上記のユーザの操作により処理が開始される。ステップS601においては、先の移動操作に関する情報が取得され、ステップS602及びステップS603ではそれぞれコンテンツ811の情報、及び、当該コンテンツに付帯する情報が取得される。
【0082】
図9はコンテンツ811に付帯する情報を表に表したものである。ステップS604では、当該コンテンツの移動元(領域)803の情報である抽出除外条件として「ジャンル」が取得される。
【0083】
ステップS605では、コンテンツ811において、抽出除外条件となった「ジャンル」項目に対応するデータ「趣味」が、抽出対象フォルダ801に対する抽出追加条件として特定される。ステップS606では、抽出対象フォルダ以外の領域にあるコンテンツのリストが作成され、ステップS607において、当該リストのコンテンツを基に、「ジャンル」項目が「趣味」であるコンテンツの抽出が行われる。
【0084】
ステップS608においては、上記の抽出の結果が存在するか否かが判定され、存在しない場合には処理が終了する。また、ステップS608において、抽出結果が存在すると判定された場合には、ステップS609において、当該抽出結果のリストが作成され、ステップS610において、当該リストのコンテンツが抽出対象フォルダに移動される。
【0085】
本実施の形態によれば、ユーザが操作ミスや勘違いにより、抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域への誤った移動操作が行われた際にも、操作ミスや勘違いによる抽出除外条件の指定操作を、対応する抽出除外条件について、やり直すことが可能となる。また、抽出除外条件の指定と、本実施の形態の構成による抽出条件の追加を自在に繰り返すことで、より自由度の高い、情報抽出を行うことが可能となる。
尚、本実施の形態においては、ステップS606において、すべての抽出除外条件指定領域にあるコンテンツのリストを作成し、ステップS607の抽出を行う対象とした。しかし、コンテンツ811が表示されていた抽出除外条件指定領域のみにあるコンテンツのリストを作成するようにしても良い。
【0086】
この様な構成とすることで、ユーザの操作ミスや勘違いにより行われた操作が、特定の抽出除外条件指定領域に関するものである場合には、抽出対象フォルダに戻すコンテンツの数を少なくし、目的のコンテンツを探すための操作を少なくすることができる。
【0087】
(第3実施の形態)
上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、抽出除外条件を設定する際に、コンテンツの持つ付帯情報における項目名とそのデータをその条件とし、抽出時は当該条件の一致あるいは不一致により判断を行っていた。
【0088】
これに対して本実施の形態は、コンテンツの持つ付帯情報におけるその数値情報に注目し、これの数値的大小を示す抽出除外条件指定領域を設け、数値的な範囲及び方向性を条件に設定可能としたものである。
【0089】
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作の際の表示画面を示す図である。
【0090】
図10において、抽出除外条件としてコンテンツのサイズを条件として指定する領域1004内に、更にコンテンツのサイズとの数値的な比較を条件として設定可能な領域(1004−1、1004−2、1004−3)を設けたものである。
【0091】
この様な構成とすることで、ユーザは抽出対象フォルダに存在するコンテンツから、確実にそのサイズの大小関係を認識しているコンテンツを基に、数値情報を入力すること無しに、条件を設定することが可能となる。
【0092】
尚、本実施の形態においては、抽出条件となる数値情報としてコンテンツのサイズ情報を挙げたが、他にコンテンツの付帯情報になる数値情報を持つ項目を用いても良いことは言うまでもない。また、本実施の形態においては、情報が1次元的に存在し、その順番を条件判定することが可能な情報であれば数値情報に限らず利用することができる。
【0093】
(第4実施の形態)
上述の第1実施の形態乃至第3実施の形態においては、情報抽出装置の表示画面に設定された抽出除外条件指定領域に対応する項目は、予め設定されているものであった。
【0094】
これに対して本実施の形態においては、ユーザが始めに抽出対象フォルダに用意したコンテンツ群について、それぞれが持つ付帯情報の中身を走査する手段を設けるものである。更に、当該付帯情報の持つ項目の中から、該コンテンツ群を大きく分割することが可能となる付帯情報の項目を検出し、これを抽出除外条件指定領域の条件指定項目とする手段を設けるものである。
【0095】
この様な構成とすることで、ユーザは抽出除外条件となる項目名について、確実に除外したいコンテンツを選択し、これを繰り返すことで、抽出対象フォルダ内のコンテンツについて効率良く削減していくことが可能となる。
【0096】
上述の各実施の形態においては、抽出対象フォルダを中心に、四方に抽出除外条件指定領域を設けたが、四方より少なく、あるいは多くの抽出除外条件指定領域を設けても差し支えない。
【0097】
また、抽出除外条件指定領域について、抽出対象フォルダの周囲に存在する別のフォルダとして表示し、コンテンツを相互に選択して移動することで、それぞれのフォルダ内のコンテンツについて、より条件の純度の高い集合とすることが可能である。
【0098】
図11は、本発明の情報抽出装置の機能ブロックを概略的に示す図である。
【0099】
図11において、情報処理装置は、CPU1を中心に、表示手段2、操作手段3、RAM4及びROM5から構成される。ここで、CPU1は、請求範囲に記載した各手段を実現する。
【0100】
また、本発明の目的は、システム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPUなど)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。その場合、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給する。
【0101】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0102】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなどがある。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることもできる。又は、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0103】
また、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。その場合、コンピュータが読み出したプログラムコードをOステップSなどが実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき実現される。
【0104】
更に、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。その場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき実現される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作の際の表示画面を示す図である。
【図2】図1の表示画面上における抽出操作を説明する図である。
【図3】図2の抽出操作の結果を示す図である(その1)。
【図4】図2の抽出操作の結果を示す図である(その1)。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置によって実行される情報抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置におけるコンテンツの持つ付帯情報を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置によって実行される情報抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置におけるコンテンツの持つ付帯情報を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作の際の表示画面を示す図である。
【図11】本発明の情報抽出装置の機能ブロックを概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0106】
1 CPU
2 表示手段
3 操作手段
4 RAM
5 ROM
101 抽出対象フォルダ
102 抽出除外条件指定領域(抽出除外条件A)
103 抽出除外条件指定領域(抽出除外条件B)
104 抽出除外条件指定領域(抽出除外条件C)
105 抽出除外条件指定領域(抽出除外条件D)
106 コンテンツ群
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報抽出装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体に関し、特に、アイコンデータに対するUI操作により、情報の抽出条件、及び除外条件を設定可能な情報抽出装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くのデータの中から必要なデータを抽出するための情報抽出装置においては、当該データに直接含まれる情報キーワードを指定し、あるいはデータに付随する各種メタデータに含まれる情報キーワードを指定することで、必要な情報を抽出していた。
【0003】
また、上述の情報キーワードは、データに直接含まれるものの場合は、任意のキーワード、そして各種メタデータに含まれる情報キーワードについては、指定するメタデータの種類に応じて任意、あるいは定められたキーワードとなっていた。
【0004】
また、メタデータ中の情報キーワードについて、複数の情報キーワードを指定する際には、それぞれの情報キーワードの重み付けなど考慮し、点数付けによる情報抽出も行われていた。従って、多くのデータの中から、ユーザが効率良く情報の抽出を行うには、適切な情報キーワードの選択、適切な情報分類、そして適切な重み付けが重要なポイントとなっていた。
【0005】
この様な情報キーワードの適切な選択や、データ分類のための適切な視点、更には適切な重み付けをユーザに提供するために、以下に示す幾つかの技術が開示されている。
【0006】
特許文献1は、当初の検索結果に対して、絞り込みを行うためのラベルを自動抽出し、これをユーザに提示可能な技術を提案している。
【0007】
ユーザが当該ラベルを選択することで、予め情報キーワードとなるラベル情報を知らなくても、効率的な絞り込みが行われる。また、当該ラベルの適切な選択を繰り返すことにより、ユーザが必要とする適切な情報が得られる。
【0008】
特許文献2には以下の技術が示される。検索者が検索対象となるデータを閲覧する際に、当該データの持つ用意された分類視点に基づいてデータを表示する。この時、ユーザが視点を切り替えることで、それぞれの視点における検索分類結果が動的に変化する。
【0009】
従って、ユーザが逐次視点を切り替えて効率的な選択を行うことで、短時間で絞り込みを行うことが可能となる。また、この時、検索者が気づいていない新たな視点も提供することができる。
【0010】
特許文献3には以下の技術が示される。検索キーワードとして設定された検索要求アイテムが入力されると、他の検索要求アイテムの類似度と、検索対象アイテムとの類似度に応じて、検索対象アイテムを中心として配置された表示が行われる。
【0011】
更には、検索結果として不要なものを目的の検索対象アイテムから遠ざけるように移動させると、遠ざけた検索対象アイテムと類似度の大きなアイテムもそれぞれの類似度に応じて中央から離れる方向に移動する。その結果、検索結果として不要なものは検索対象アイテムから遠ざけられる様に表示が行われ、目的のアイテムのみが選択しやすくなる。
【0012】
また、今日一般家庭においては、映像コンテンツデータの数が急速に増えつつあり、同時に映像コンテンツデータに対する情報抽出の要求も増えつつある。当該コンテンツデータにおいては、撮影日時や撮影機材など、情報抽出のためのメタデータも充実している。
【0013】
しかしながら、ユーザが最終的に目的の映像コンテンツデータを抽出する場合には、上述の情報キーワードに加えて、コンテンツの概略を表記したサムネール情報も利用し、即ち、ユーザによる視覚検索も併用して行われる場合が多かった。
【特許文献1】特開2003−345829号公報
【特許文献2】特開平08−044759号公報
【特許文献3】特開平08−339375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上述の情報抽出装置においては、適切な情報キーワードを選択し、これを適切に組み合わせない限りは、ユーザの望む適切な情報の抽出は実現できず、また抽出されたとしても、その数が膨大となる場合が多かった。また、適切な情報キーワードの選択に誤ると、適切な数の抽出情報となったにも関わらず、ユーザの必要とする肝心の情報が得られない場合も多かった。
【0015】
また、特許文献1記載の技術は、ユーザに提示可能なラベルは自動抽出されるものであり、それぞれのラベルに対応するデータとの関係がユーザにとって不明確であった場合や、提示されたラベルの数が多い場合などはラベルの選択に失敗する場合があった。また、自動抽出されるラベルは、情報キーワードの有無に対応するものであり、メタデータ項目に対応するパラメータの指定などはできないという問題点があった。
【0016】
また、特許文献2記載の技術は、ユーザが対象となるデータについて、絞り込むための視点が明確になっていない場合には、絞り込みによる抽出が効率的でないばかりか、そもそも目的のデータを抽出できないという問題点があった。更に、提供される視点については、上述の例と同様、情報キーワードの有無に対応するものであり、メタデータ項目に対応するパラメータの指定はできないという問題点があった。
【0017】
また、特許文献3記載の技術においては、ユーザのアイテムに対する移動操作による結果は、ユーザが直接知ることのできない類似度によって左右される。また、その移動操作の距離は、アイテムを見易くするための操作となり、パラメータなどを指定するといった意味のある操作では有り得なかった。
【0018】
また、移動の方向にあっては、現在の表示位置が類似度に依存しているために、ユーザの感覚とは異なる移動操作と成り得るという問題点があった。更には、映像コンテンツなど、サムネールの目視によるユーザの視覚検索についても、その数が多い場合には、全く非効率的なものであった。
【0019】
本発明の目的は、ユーザが特にコンテンツの持つ付帯情報を意識しなくても、当該コンテンツに付帯するメタデータを、情報抽出のための条件として設定することができる情報抽出装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、請求項1記載の情報抽出装置は、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示手段と、前記コンテンツを前記表示手段上で移動操作する操作手段と、複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出手段と、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出手段のための抽出条件を決定する抽出条件決定手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の情報抽出方法は、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示ステップと、前記コンテンツを前記表示ステップ上で移動操作する操作ステップと、複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出ステップと、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出ステップのための抽出条件を決定する抽出条件決定ステップとを備えることを特徴とする。
【0022】
請求項12記載の情報抽出プログラムは、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示モジュールと、前記コンテンツを前記表示モジュール上で移動操作する操作モジュールと、複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出モジュールと、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出モジュールのための抽出条件を決定する抽出条件決定モジュールとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項13記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、請求項12記載の情報抽出プログラムを格納する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の情報抽出装置は、アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示手段と、コンテンツを表示手段上で移動操作する操作手段と、コンテンツ群より抽出条件を基にコンテンツを抽出する情報抽出手段とを備える。また、移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の持つ情報より、情報抽出手段のための抽出条件を決定する抽出条件決定手段を備える。
【0025】
従って、ユーザが特にコンテンツの持つ付帯情報を意識しなくても、該コンテンツのアイコンに対する移動操作を行うことにより、当該コンテンツに付帯するメタデータを、情報抽出のための条件として設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作の際の表示画面を示す図である。
【0028】
図1において、情報抽出を行う対象を格納するフォルダ101は、本発明による情報抽出を行う元の母集合となるコンテンツ群106を格納しておく場所となる。また、個々のコンテンツは、本フォルダ101上においては、それぞれのコンテンツの概要を示す代表アイコンとして表示されている。
【0029】
即ち、本実施の形態においては、アイコンに対する抽出操作は、コンテンツに対する抽出操作と等しい。尚、該当母集合は、ユーザが求めている特定のコンテンツを明らかに含む集合であり、ここでは、その数がアイコンの目視による検索では特定不可能な数からなるコンテンツの集合である。
【0030】
また、母集合となるコンテンツ群106は、本システムにおいて、何らかの一時抽出が行われた結果のコンテンツ群でも良く、また、本システムに格納されている全てのコンテンツであっても良い。また、表示画面には、それぞれ異なる抽出除外条件であるA乃至Dまでを指定するための抽出除外条件指定領域102乃至105が表示される。
【0031】
図2は、図1の表示画面上における抽出操作を説明する図である。
【0032】
具体的には、ユーザによるコンテンツの移動操作により、抽出対象フォルダからの抽出除外条件対象としたコンテンツの選択と、当該コンテンツの持つ付帯情報の内、抽出除外条件の種類を指定する動作を説明する図である。
【0033】
図2において、ユーザが選択した抽出対象フォルダの中にあるコンテンツ208は、ユーザが当該フォルダの中から抽出したいものとは異なるコンテンツの情報を持つものである。また、ユーザの行うコンテンツに対する移動操作を表すイメージ図207、上述のユーザが選択したコンテンツ208が移動された後の移動コンテンツ209が示される。
【0034】
即ち、ユーザは、抽出対象フォルダ内のコンテンツから、除外したいコンテンツ208を選択し、そのコンテンツ208の持つ付帯情報の内、抽出除外条件としたい種類を指定するための領域202へ移動操作を行う。
【0035】
符号201乃至206は、図1の符号101乃至106と対応する。図3以下も同様である。
【0036】
図3は、図2の抽出操作の結果を示す図である(その1)。
【0037】
図3において、ユーザが移動操作を行ったコンテンツ306が表示される。領域302に存在するコンテンツ306以外のコンテンツ307は、図2における移動操作が完了したことにより、本実施の形態において後述される動作により、領域302に移動させられたものである。
【0038】
図4は、図2の抽出操作の結果を示す図である(その2)。
【0039】
具体的には、図2から図3における抽出除外対象の選択とその条件指定を、抽出対象フォルダ401内のコンテンツの、各抽出除外条件指定領域402乃至404への移動操作として実行し、これを繰り返した結果を示したものである。
【0040】
図4において、抽出対象フォルダから除外されたコンテンツが極僅かとなったため、ユーザが目的のコンテンツを選択することが可能となった状態を示すものである。
【0041】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置によって実行される情報抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0042】
図5において、ユーザによる抽出対象フォルダからのコンテンツの移動操作が行われた際の処理が開始される。まず、移動操作に関連する情報を取得する(ステップS501)。続いて、上述の移動操作に関連する操作からそれぞれ必要な情報を取得する(ステップS502乃至ステップS504)。
【0043】
次に、移動操作が行われたコンテンツに移動先である抽出除外条件指定領域に対応する条件種類が存在するか否かを判定する(ステップS505)。ここで、移動先の領域に対応する条件の種類が移動されたコンテンツに存在しなかった場合にはステップS506に進み、コンテンツの移動操作自体を取り消して、処理を終了する。
【0044】
また、ステップS505において、対応する条件の種類が存在する場合にはステップS507に進み、コンテンツに存在する上記条件の種類に対応する付帯情報を特定する。当該付帯情報を基に、抽出対象フォルダにあるコンテンツ群から除外条件となる条件に基づき、抽出が実行される(ステップS508)。
【0045】
次に、ステップS508における抽出の結果が存在するか否かを判定する(ステップS509)。結果が存在しない場合には、処理を終了する。また、結果が存在する場合には当該抽出結果に基づき対応コンテンツのリストを作成し、コンテンツの特定を行う(ステップS510)。続いて、特定されたリストコンテンツについて、対応する抽出除外条件指定領域への移動を行い(ステップS511)、処理を終了する。
【0046】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置におけるコンテンツの持つ付帯情報を示す図である。
【0047】
図6において、付帯データの項目名701、項目名に対応するデータ702を示す。当該コンテンツにおいては、付帯データの項目として、コンテンツ種類、ジャンル、作成日時、及び作成機器に関する情報が存在している。
【0048】
以下、図1乃至図6を用いて、第1の実施の形態を更に詳細に説明する。
【0049】
図1の本情報抽出装置の表示画面には、ここでは詳細を説明しないウィンドウシステムにより、アイコン化されたコンテンツ、フォルダ、及び、識別可能な領域が表示されている。また、当該画面上では、ユーザのポインティングデバイス操作により、アイコン化されたコンテンツの該画面上における移動操作が可能となっている。
【0050】
ユーザは特定のコンテンツを探す目的で、該コンテンツが含まれていることが確実なコンテンツ群を事前に抽出し、図1の抽出対象フォルダに当該コンテンツ群を格納している。ここで当該コンテンツ群は、それぞれのコンテンツの概要を表したアイコンとして表示画面上に存在している。
【0051】
図1の画面において、ユーザは、数年前に撮影したプライベートの写真コンテンツを探しているものとする。ここでユーザは情報抽出装置に存在する全ての情報から、映像コンテンツのみを抽出し、これを抽出対象フォルダに格納する。即ち、文書データなど、明らかに目的のコンテンツを異なるコンテンツに関してはここでは既に除外されているものとする。
【0052】
また、図1の抽出対象フォルダに存在しているコンテンツはアイコン化されているために、ユーザはその内容の概要を把握することが可能な状態にある。ここで、ユーザは抽出対象フォルダに存在しているコンテンツの中から、明らかに探しているコンテンツとは異なるアイコンを目視で選択を行うことになる。
【0053】
次に、図2において、ユーザが探しているコンテンツは写真コンテンツであるが、目に付いたアイコン(コンテンツ)208は、ユーザの記憶から、明らかに動画コンテンツのものである。この結果、ユーザは、当該目に付いたコンテンツは確実に除外して良いコンテンツと判断する。
【0054】
次にユーザは、当該コンテンツの付帯情報の項目において、コンテンツが動画データであるか写真データであるかを識別するためのコンテンツ種類を判断する。即ち、コンテンツ208について、抽出対象フォルダ201からの除外を決定すると同時に、当該除外のための条件としてコンテンツ種類を抽出除外条件として指定するために、当該コンテンツを領域202に移動する。
【0055】
この時、本情報抽出装置においては、抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域への移動を検知し、図5の処理が起動される。
【0056】
図5においては、上記のユーザの操作によりステップS501からの処理が開始される。ステップS501においては、先の移動操作に関連する情報が取得され、ステップS502及びステップS503ではそれぞれ、コンテンツ208の情報、及び、当該コンテンツに付帯する情報が取得される。図6はコンテンツ208に付帯する情報を表に表したものである。
【0057】
ステップS503では、当該コンテンツの移動先の情報である抽出除外条件として「コンテンツ種類」が取得される。ステップS505では、コンテンツ208の付帯情報の中に、「コンテンツ種類」の項目が存在するか否かが判定され、ここでは「コンテンツ種類」の情報が存在するためにステップS507へと進む。
【0058】
ステップS507では、抽出除外条件として、図6の「コンテンツ種類」に対応するコンテンツ208の持つデータである「動画コンテンツ」が特定される。ステップS508では抽出対象フォルダ201に含まれるコンテンツの中から、「コンテンツ種類」項目に「動画コンテンツ」を含むコンテンツの抽出が実行される。
【0059】
ステップS509では、抽出の結果が存在するか否かが判定され、ここでは抽出結果が存在したために、ステップS510で当該抽出されたコンテンツのリストが作成される。次にステップS511において、当該リストのコンテンツについて、先の抽出除外条件指定領域202への移動が行われ、処理を終了する。
【0060】
図3は、図5の処理が終了した際の本情報抽出装置の表示画面を示したものである。ここで、抽出対象フォルダ301に存在したいくつかのコンテンツは、抽出除外条件指定領域302に移動している。以下、ユーザは、抽出対象フォルダ301に残ったコンテンツについて、明らかに目的のコンテンツとは異なるコンテンツを選択し、移動を繰り返すことができる。
【0061】
例えば、目に付いたコンテンツの「ジャンル」項目が「プライベート」では無いものについては、抽出除外条件指定領域303に、また、「作成日時」が明らかに目的のものより古いものについては抽出除外条件指定領域304に移動することができる。これらの移動操作を行うことで、その都度、図5の処理が実行され、それぞれ移動を行ったコンテンツと同じ付帯情報の情報を持つコンテンツについては、移動処理が実行される。
【0062】
図4は、上記の移動操作を繰り返した際の本発明による情報抽出装置の表示画面を示したものである。ユーザは上記の移動操作を繰り返し、図4に示すような結果を得ることで、容易に目的のコンテンツを選択することが可能となる。
【0063】
以上説明した様に、本実施の形態の構成によれば、図2から図3に示す様な、移動操作を繰り返すことで、除外したコンテンツと同じ条件のコンテンツについても抽出対象フォルダから同時に除外することができるものである。
【0064】
即ち、抽出対象フォルダの中に存在するコンテンツの数を効率良く減らすことができ、その結果、図4に示す如く、抽出対象フォルダにおいては、数個のコンテンツしか存在しない状態にすることが容易である。この状態においては、ユーザは目的のコンテンツを目視においても簡単に見つけることが可能な状態となるものである。
【0065】
(第2の実施の形態)
上述の第1の実施の形態においては、明らかに抽出対象から除外可能なコンテンツについて、抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域に移動することで、抽出対象フォルダの内容を効率良く減らす構成とした。ここで、逆に抽出対象フォルダへの抽出条件を追加する構成を設けても良い。
【0066】
即ち、第2実施の形態の構成においては、ユーザの操作ミス、あるいは勘違いにより、移動して欲しくないコンテンツが抽出対象フォルダの外に存在していることが確認された場合を考える。
【0067】
ある時、ユーザは、図4の抽出除外条件指定領域において、明らかに除外して欲しく無い、目的のコンテンツと極めて条件の近いコンテンツを発見したとする。この場合、このまま抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域へのコンテンツの移動を繰り返しても目的のコンテンツを抽出することは困難であることが予想される。この場合、目的のコンテンツと極めて条件の近いコンテンツについて、抽出除外条件指定領域から抽出対象フォルダへの移動操作を行うことが可能な構成とする。
【0068】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作を説明する図である。
【0069】
具体的には、抽出除外条件指定領域に存在するコンテンツ811について、ユーザが抽出対象フォルダ801への移動操作を行った際の表示画面を示した図である。
【0070】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置によって実行される情報抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0071】
具体的には、上述の図5の操作とは逆の、抽出除外条件指定領域から抽出対象フォルダへのコンテンツの移動操作が行われた際に行われる処理の動作を示すフローチャートである。
【0072】
図8において、ユーザによる抽出除外条件指定領域から抽出対象フォルダへのコンテンツの移動操作が行われた際の処理が開始される。まず、当該移動操作に関する情報を取得する(ステップS601)。そしても上述の移動操作に関連する操作からそれぞれ必要な情報を取得する(ステップS602乃至ステップS604)。コンテンツに存在する移動元の領域において指定されていた条件種類に対応する付帯情報を特定する(ステップS605)。
【0073】
次に、移動元の領域以外の抽出除外条件指定領域に存在するコンテンツ全てのリストを作成し(ステップS606)、これより当該条件種類に対応する付帯情報を条件として、抽出が実行される(ステップS607)。続いて、当該抽出の結果が存在するか否かが判定され(ステップS608)、存在しなかった場合には処理を終了する。
【0074】
また上記において、抽出結果が存在する場合には、当該抽出結果に基づき対応コンテンツのリストを作成し、コンテンツの特定を行う(ステップS609)。次に、特定されたリストコンテンツについて、抽出対象フォルダへの移動を行い(ステップS610)、処理を終了する。
【0075】
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置におけるコンテンツの持つ付帯情報を示す図である。
【0076】
図9において、付帯データの項目名901、項目名901に対応するデータ902を示す。当該コンテンツにおいては、付帯データの項目として、コンテンツ種類、ジャンル、作成日時、及び作成機器に関する情報が存在している。
【0077】
以下、図7乃至図9を用いて、本実施の形態を更に詳細に説明する。
【0078】
図7の表示画面においては、抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域への移動操作が幾度か行われ、その結果、抽出対象フォルダにはユーザが目視で一覧できる範囲のコンテンツのみ存在している状態とする。
【0079】
この時、当該抽出対象フォルダには、本来存在するはずの目的とするコンテンツが存在せず、尚且つ、抽出除外条件指定領域において、ユーザの目的とするコンテンツに極めて近い条件のコンテンツが発見されている。
【0080】
この状態において、ユーザは、当該目的とするコンテンツに極めて近い条件のコンテンツについて、抽出対象フォルダに移動する操作を行う。当該操作を行うことで、図8のフローチャートに示す処理が開始される。
【0081】
図8においては、上記のユーザの操作により処理が開始される。ステップS601においては、先の移動操作に関する情報が取得され、ステップS602及びステップS603ではそれぞれコンテンツ811の情報、及び、当該コンテンツに付帯する情報が取得される。
【0082】
図9はコンテンツ811に付帯する情報を表に表したものである。ステップS604では、当該コンテンツの移動元(領域)803の情報である抽出除外条件として「ジャンル」が取得される。
【0083】
ステップS605では、コンテンツ811において、抽出除外条件となった「ジャンル」項目に対応するデータ「趣味」が、抽出対象フォルダ801に対する抽出追加条件として特定される。ステップS606では、抽出対象フォルダ以外の領域にあるコンテンツのリストが作成され、ステップS607において、当該リストのコンテンツを基に、「ジャンル」項目が「趣味」であるコンテンツの抽出が行われる。
【0084】
ステップS608においては、上記の抽出の結果が存在するか否かが判定され、存在しない場合には処理が終了する。また、ステップS608において、抽出結果が存在すると判定された場合には、ステップS609において、当該抽出結果のリストが作成され、ステップS610において、当該リストのコンテンツが抽出対象フォルダに移動される。
【0085】
本実施の形態によれば、ユーザが操作ミスや勘違いにより、抽出対象フォルダから抽出除外条件指定領域への誤った移動操作が行われた際にも、操作ミスや勘違いによる抽出除外条件の指定操作を、対応する抽出除外条件について、やり直すことが可能となる。また、抽出除外条件の指定と、本実施の形態の構成による抽出条件の追加を自在に繰り返すことで、より自由度の高い、情報抽出を行うことが可能となる。
尚、本実施の形態においては、ステップS606において、すべての抽出除外条件指定領域にあるコンテンツのリストを作成し、ステップS607の抽出を行う対象とした。しかし、コンテンツ811が表示されていた抽出除外条件指定領域のみにあるコンテンツのリストを作成するようにしても良い。
【0086】
この様な構成とすることで、ユーザの操作ミスや勘違いにより行われた操作が、特定の抽出除外条件指定領域に関するものである場合には、抽出対象フォルダに戻すコンテンツの数を少なくし、目的のコンテンツを探すための操作を少なくすることができる。
【0087】
(第3実施の形態)
上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、抽出除外条件を設定する際に、コンテンツの持つ付帯情報における項目名とそのデータをその条件とし、抽出時は当該条件の一致あるいは不一致により判断を行っていた。
【0088】
これに対して本実施の形態は、コンテンツの持つ付帯情報におけるその数値情報に注目し、これの数値的大小を示す抽出除外条件指定領域を設け、数値的な範囲及び方向性を条件に設定可能としたものである。
【0089】
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作の際の表示画面を示す図である。
【0090】
図10において、抽出除外条件としてコンテンツのサイズを条件として指定する領域1004内に、更にコンテンツのサイズとの数値的な比較を条件として設定可能な領域(1004−1、1004−2、1004−3)を設けたものである。
【0091】
この様な構成とすることで、ユーザは抽出対象フォルダに存在するコンテンツから、確実にそのサイズの大小関係を認識しているコンテンツを基に、数値情報を入力すること無しに、条件を設定することが可能となる。
【0092】
尚、本実施の形態においては、抽出条件となる数値情報としてコンテンツのサイズ情報を挙げたが、他にコンテンツの付帯情報になる数値情報を持つ項目を用いても良いことは言うまでもない。また、本実施の形態においては、情報が1次元的に存在し、その順番を条件判定することが可能な情報であれば数値情報に限らず利用することができる。
【0093】
(第4実施の形態)
上述の第1実施の形態乃至第3実施の形態においては、情報抽出装置の表示画面に設定された抽出除外条件指定領域に対応する項目は、予め設定されているものであった。
【0094】
これに対して本実施の形態においては、ユーザが始めに抽出対象フォルダに用意したコンテンツ群について、それぞれが持つ付帯情報の中身を走査する手段を設けるものである。更に、当該付帯情報の持つ項目の中から、該コンテンツ群を大きく分割することが可能となる付帯情報の項目を検出し、これを抽出除外条件指定領域の条件指定項目とする手段を設けるものである。
【0095】
この様な構成とすることで、ユーザは抽出除外条件となる項目名について、確実に除外したいコンテンツを選択し、これを繰り返すことで、抽出対象フォルダ内のコンテンツについて効率良く削減していくことが可能となる。
【0096】
上述の各実施の形態においては、抽出対象フォルダを中心に、四方に抽出除外条件指定領域を設けたが、四方より少なく、あるいは多くの抽出除外条件指定領域を設けても差し支えない。
【0097】
また、抽出除外条件指定領域について、抽出対象フォルダの周囲に存在する別のフォルダとして表示し、コンテンツを相互に選択して移動することで、それぞれのフォルダ内のコンテンツについて、より条件の純度の高い集合とすることが可能である。
【0098】
図11は、本発明の情報抽出装置の機能ブロックを概略的に示す図である。
【0099】
図11において、情報処理装置は、CPU1を中心に、表示手段2、操作手段3、RAM4及びROM5から構成される。ここで、CPU1は、請求範囲に記載した各手段を実現する。
【0100】
また、本発明の目的は、システム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPUなど)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。その場合、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給する。
【0101】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0102】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなどがある。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることもできる。又は、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0103】
また、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。その場合、コンピュータが読み出したプログラムコードをOステップSなどが実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき実現される。
【0104】
更に、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。その場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき実現される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作の際の表示画面を示す図である。
【図2】図1の表示画面上における抽出操作を説明する図である。
【図3】図2の抽出操作の結果を示す図である(その1)。
【図4】図2の抽出操作の結果を示す図である(その1)。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置によって実行される情報抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る情報抽出装置におけるコンテンツの持つ付帯情報を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置によって実行される情報抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る情報抽出装置におけるコンテンツの持つ付帯情報を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る情報抽出装置における情報抽出操作の際の表示画面を示す図である。
【図11】本発明の情報抽出装置の機能ブロックを概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0106】
1 CPU
2 表示手段
3 操作手段
4 RAM
5 ROM
101 抽出対象フォルダ
102 抽出除外条件指定領域(抽出除外条件A)
103 抽出除外条件指定領域(抽出除外条件B)
104 抽出除外条件指定領域(抽出除外条件C)
105 抽出除外条件指定領域(抽出除外条件D)
106 コンテンツ群
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示手段と、
前記コンテンツを前記表示手段上で移動操作する操作手段と、
複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出手段と、
移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出手段のための抽出条件を決定する抽出条件決定手段と、
を備えることを特徴とする情報抽出装置。
【請求項2】
情報抽出を行う際の母集合となる前記コンテンツ群は、前記特定コンテンツの移動操作の移動先となる領域に存在するコンテンツ群を対象とすることを特徴とする請求項1記載の情報抽出装置。
【請求項3】
情報抽出を行う際の母集合となる前記コンテンツ群は、前記特定コンテンツの移動操作の移動元となる領域に存在するコンテンツ群を対象とすることを特徴とする請求項1記載の情報抽出装置。
【請求項4】
前記表示手段上に、抽出条件の種類を指定する領域を設定する領域設定手段を備え、前記抽出条件決定手段は、前記特定コンテンツの移動先を当該領域内とすることで、前記特定コンテンツの付帯情報の中から抽出条件の種類に対応した抽出条件を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項5】
前記抽出条件決定手段は、抽出条件の種類を指定する領域内の更に特定領域への移動により、前記特定コンテンツの対応した抽出条件との一致あるいは不一致が判定可能な論理関係式の指定を行い、当該論理関係式の判定結果を情報抽出の際の条件とすることを特徴とする請求項4記載の情報抽出装置。
【請求項6】
前記抽出条件決定手段は、抽出条件の種類を指定する領域内の更に特定領域への移動により、前記特定のコンテンツの対応した抽出条件との数値的な近似関係の判定、または数値的な大小関係の判定が可能な条件式の指定を行い、当該条件式の判定結果を情報抽出における条件とすることを特徴とする請求項4記載の情報抽出装置。
【請求項7】
情報抽出を行う際の母集合が存在する領域から前記コンテンツを外に出す操作について、当該領域からの情報抽出における除外条件の指定とすることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項8】
情報抽出を行う際の母集合が存在する領域の外から内に前記コンテンツを入れる操作について、当該領域への情報抽出における追加条件の指定とすることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項9】
情報抽出を行う際の母集合となる前記コンテンツ群の中より、当該母集合を大きく2分割することが可能となる抽出条件の種類を付帯情報より検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された抽出条件の種類について、表示画面上の抽出条件の種類を指定する領域に割り当てる割り当て手段と、
を備えることを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項10】
前記操作手段は、前記情報抽出手段により母集合から抽出された前記コンテンツを、移動操作が行われた前記特定コンテンツの移動先の領域に移動することを特徴とする請求項4乃至請求項9の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項11】
アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示ステップと、
前記コンテンツを前記表示ステップ上で移動操作する操作ステップと、
複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出ステップと、
移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出ステップのための抽出条件を決定する抽出条件決定ステップと、
を備えることを特徴とする情報抽出方法。
【請求項12】
アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示モジュールと、
前記コンテンツを前記表示モジュール上で移動操作する操作モジュールと、
複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出モジュールと、
移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出モジュールのための抽出条件を決定する抽出条件決定モジュールと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報抽出プログラム。
【請求項13】
請求項12記載の情報抽出プログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示手段と、
前記コンテンツを前記表示手段上で移動操作する操作手段と、
複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出手段と、
移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出手段のための抽出条件を決定する抽出条件決定手段と、
を備えることを特徴とする情報抽出装置。
【請求項2】
情報抽出を行う際の母集合となる前記コンテンツ群は、前記特定コンテンツの移動操作の移動先となる領域に存在するコンテンツ群を対象とすることを特徴とする請求項1記載の情報抽出装置。
【請求項3】
情報抽出を行う際の母集合となる前記コンテンツ群は、前記特定コンテンツの移動操作の移動元となる領域に存在するコンテンツ群を対象とすることを特徴とする請求項1記載の情報抽出装置。
【請求項4】
前記表示手段上に、抽出条件の種類を指定する領域を設定する領域設定手段を備え、前記抽出条件決定手段は、前記特定コンテンツの移動先を当該領域内とすることで、前記特定コンテンツの付帯情報の中から抽出条件の種類に対応した抽出条件を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項5】
前記抽出条件決定手段は、抽出条件の種類を指定する領域内の更に特定領域への移動により、前記特定コンテンツの対応した抽出条件との一致あるいは不一致が判定可能な論理関係式の指定を行い、当該論理関係式の判定結果を情報抽出の際の条件とすることを特徴とする請求項4記載の情報抽出装置。
【請求項6】
前記抽出条件決定手段は、抽出条件の種類を指定する領域内の更に特定領域への移動により、前記特定のコンテンツの対応した抽出条件との数値的な近似関係の判定、または数値的な大小関係の判定が可能な条件式の指定を行い、当該条件式の判定結果を情報抽出における条件とすることを特徴とする請求項4記載の情報抽出装置。
【請求項7】
情報抽出を行う際の母集合が存在する領域から前記コンテンツを外に出す操作について、当該領域からの情報抽出における除外条件の指定とすることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項8】
情報抽出を行う際の母集合が存在する領域の外から内に前記コンテンツを入れる操作について、当該領域への情報抽出における追加条件の指定とすることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項9】
情報抽出を行う際の母集合となる前記コンテンツ群の中より、当該母集合を大きく2分割することが可能となる抽出条件の種類を付帯情報より検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された抽出条件の種類について、表示画面上の抽出条件の種類を指定する領域に割り当てる割り当て手段と、
を備えることを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項10】
前記操作手段は、前記情報抽出手段により母集合から抽出された前記コンテンツを、移動操作が行われた前記特定コンテンツの移動先の領域に移動することを特徴とする請求項4乃至請求項9の何れかに記載の情報抽出装置。
【請求項11】
アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示ステップと、
前記コンテンツを前記表示ステップ上で移動操作する操作ステップと、
複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出ステップと、
移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出ステップのための抽出条件を決定する抽出条件決定ステップと、
を備えることを特徴とする情報抽出方法。
【請求項12】
アイコンにより概要表示されたコンテンツを表示する表示モジュールと、
前記コンテンツを前記表示モジュール上で移動操作する操作モジュールと、
複数の前記コンテンツからなるコンテンツ群より抽出条件を基に前記コンテンツを抽出する情報抽出モジュールと、
移動操作の対象となった特定コンテンツの付帯情報と移動先の領域が持つ情報より、前記情報抽出モジュールのための抽出条件を決定する抽出条件決定モジュールと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報抽出プログラム。
【請求項13】
請求項12記載の情報抽出プログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−108200(P2008−108200A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292708(P2006−292708)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]