情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法、端末装置、表示方法
【課題】例えば偶発的に人が集まっているような状況を情報としてユーザに提供できるようにする。
【解決手段】サーバ装置側では、各位置(場所)における人の集まり具合を検出管理する。そして、現在居る人数が所定人数以上、もしくは人数変化量が所定の基準変化量以上となる位置を判別し、その位置の情報を、集合情報として端末装置に提供する。端末装置では、集合情報に基づいた表示を行う。例えば地図画像上で、人が集まっている位置に、集まっていることを示す表示を行う。これによって端末装置のユーザは、その場所で何らかの出来事が起きていると知ることができる。
【解決手段】サーバ装置側では、各位置(場所)における人の集まり具合を検出管理する。そして、現在居る人数が所定人数以上、もしくは人数変化量が所定の基準変化量以上となる位置を判別し、その位置の情報を、集合情報として端末装置に提供する。端末装置では、集合情報に基づいた表示を行う。例えば地図画像上で、人が集まっている位置に、集まっていることを示す表示を行う。これによって端末装置のユーザは、その場所で何らかの出来事が起きていると知ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法、端末装置、表示方法に関し、特に、人の集合状況を情報として提供できるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2007−11391号公報
【0003】
上記特許文献1には、ユーザの主観的情報を抽出して、地図にマッピングする地図作成システムが開示されている。
これは、ユーザの行動に起因した異種電子情報を行動情報として一括に捉え、それを位置情報とともに収集、蓄積し、且つその中から場所に関する行動者の主観的情報を抽出して、それを既存の客観的地図にマッピングすることで、実社会にて行動している人々の主観的情報からなる、主観性および情報性に富む、従来にない地図を作成するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信インフラストラクチャの発達、センサネットワークの開発、ストレージデバイスの軽量化,増大化などの技術進歩とともに、一般ユーザの行動を検知したり、又は記録,蓄積したりすることで、ユーザの行動や位置、状況に応じた有益な情報や広告の提供、或いはユーザの趣向に合うようにコンテンツを推薦するシステムなどが実現可能となりつつある。
ここで、一般人にとっては、特に偶発的な出来事や、広告等の告知の無い(或いは少ない)イベントなど、予め知ることが難しい出来事が発生している場合に、そのような出来事の発生又は可能性を告知できると、有益な情報提供となる。
例えば或る場所に、通常時以上に人が集まっているとしたら、その場所で、何らかのおもしろい出来事や興味深い出来事が起こっていると推定できる。
そこで本発明では、人が集まっているということに注目し、そのような状況を情報としてユーザに提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報提供システムは、端末装置と、上記端末装置と通信可能な情報提供装置とを有するシステムである。
そしてこの情報提供システムを構成する本発明の情報提供装置は、上記端末装置との間で通信を行う通信手段と、各位置における現在の人数情報を管理する人数情報管理手段と、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を判別し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成する集合情報生成手段と、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を、上記通信手段により上記端末装置に送信させる送信制御手段とを備える。
またこの情報提供システムを構成する本発明の端末装置は、上記情報提供装置との間で通信を行う通信手段と、一体又は別体の表示部において地図画像の表示を実行させるとともに、上記情報提供装置から送信され上記通信手段により受信された集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行させる制御手段とを備える。
【0006】
上記した本発明の情報提供装置において、上記通信手段は、外部の端末装置から送信されてくる、少なくとも上記端末装置の現在位置情報を含む現在状況情報を受信するとともに、上記人数情報管理手段は、受信した上記現在状況情報に用いて、各位置における現在の人数情報を管理する。
また上記現在状況情報には、上記端末装置側の識別情報も含まれており、上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報を上記識別情報により管理する。
また上記現在状況情報には、さらに上記端末装置を所持する人物の生体情報又は運動情報が含まれており、上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報として、上記識別情報とともに上記生体情報又は上記運動情報を管理する。
また上記人数情報管理手段は、上記識別情報に対応させて、上記端末装置を使用する人物の属性登録情報を管理する。
また上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報として、上記識別情報に対応させて現在の位置での滞在時間を管理する。
【0007】
また情報提供装置における上記集合情報生成手段は、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報により、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定する。
また各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別する際、位置毎に、上記所定人数の値を異なる値として判別を行い、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、特定の地域範囲内での各位置として、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別し、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、各位置での現在人数として、所定の抽出条件に該当する人物の現在人数を判別し、該判別した現在人数が所定人数以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定する。上記抽出条件は、人物の属性登録情報、生体情報、運動情報、滞在時間の少なくとも1つを含む条件である。
また上記集合情報生成手段は、現在人数が所定人数以上である位置であって、かつ存在する人物の属性情報の分布状況に応じて、告知表示を行う位置を決定する。
【0008】
また情報提供装置における上記集合情報生成手段は、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報により、各位置での人数変化量が、所定の基準変化量以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、各位置での人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別する際、位置毎に、上記基準変化量の値を異なる値として判別を行い、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、特定の地域範囲内での各位置として、各位置での人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別し、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、各位置での所定の抽出条件に該当する人物の現在人数を判別し、該判別した現在人数の人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定する。上記抽出条件は、人物の属性登録情報、生体情報、運動情報、滞在時間の少なくとも1つを含む条件である。
また上記集合情報生成手段は、人数変化量が基準変化量以上である位置であって、かつ存在する人物の属性情報の分布状況に応じて、告知表示を行う位置を決定する。
【0009】
また上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該位置における現在人数もしくは人数変化量の情報を含む集合情報を生成する。
また上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該位置の決定の際の抽出条件の情報を含む集合情報を生成する。
また上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該決定した位置についての付加情報を含む集合情報を生成する。
【0010】
また、上記送信制御手段は、外部の端末装置からの要求情報を受信することに応じて、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を上記通信手段により上記端末装置に対して送信させる。
或いは上記送信制御手段は、人数状況の変化に応じた送信タイミングで、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を上記通信手段により上記端末装置に対して送信させる。
【0011】
本発明の情報提供方法は、各位置における現在の人数情報を管理するステップと、管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を決定し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成するステップと、生成された集合情報を、外部の端末装置に送信するステップとを備える。
【0012】
上記の本発明の端末装置において、受信する上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置における現在人数もしくは人数変化量の情報が含まれており、上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記現在人数もしくは人数変化量に応じて異なる態様の表示を実行させる。
また上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置の決定の際の抽出条件の情報が含まれており、上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記抽出条件に応じて異なる態様の表示を実行させる。
また上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置についての付加情報が含まれており、上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記付加情報に基づく表示を実行させる。
【0013】
本発明の表示方法は、外部の情報提供装置と通信可能な端末装置における表示方法であり、上記情報提供装置から、告知表示を行う位置情報を含む集合情報を受信するステップと、一体又は別体の表示部において、地図画像の表示を実行するとともに、上記受信した集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行するステップとを備える。
【0014】
このような本発明では、情報提供装置側では、各位置(場所)における人の集まり具合を検出管理する。そして、現在居る人数が所定人数以上、もしくは人数変化量が所定の基準変化量以上となる位置(場所)を判別し、その位置の情報を、集合情報として端末装置に提供するものである。端末装置では、集合情報に基づいた表示を行う。例えば地図画像上で、人が集まっている位置に、集まっていることを示す表示を行う。これによって端末装置のユーザは、その場所で何らかの出来事が起きていると知ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端末装置のユーザは、通常は、その特定の場所に居ない限りは知ることができないような出来事やイベントなどを、人が集まっている位置の情報として知ることができる。これによってユーザに対して非常に有益な情報提供が可能となる。
また単なる人の集まりでなく、どのような人々が集まっているか、どの程度の人数が集まっているかなどを表現する表示を行うことで、ユーザにとって、その場所で起きている出来事が、自分に興味のある出来事か否かの判断にも適しており、ユーザに適切な情報提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。説明は次の順序で行う。
[1.システム構成]
[2.端末装置構成]
[3.サーバ装置構成]
[4.端末装置からサーバ装置への現在状況情報の送信]
[5.サーバ装置における人数推移判別]
[6.集合情報表示のための動作例I]
[7.集合情報表示のための動作例II]
[8.集合情報表示のための動作例III]
[9.抽出条件によるフィルタ処理例]
[10.表示例]
[11.実施の形態の効果及び変形例]
【0017】
[1.システム構成]
図1により本実施の形態のシステム構成例を説明する。
本例のシステムは、端末装置1、1A、1Bと、サーバ装置70(情報提供装置)とが、ネットワーク60を介して通信可能とされて構成される。
【0018】
端末装置1、1A、1Bは、ユーザが所持する例えば携帯機器としての装置である。
本システムでは、多数のユーザがそれぞれ例えば端末装置1を所持していることを想定する。各端末装置1からはユーザの現在の位置情報がサーバ装置70に送信されることで、サーバ装置70は、多数のユーザの現在位置を管理する。そして「人が集まっている場所」を判別する。
そしてサーバ装置70が「人が集まっている場所」の情報を集合情報として端末装置1に送信すると、端末装置1側では、その集合情報に基づく告知表示を行う。例えば地図画像表示上で、人が集まっている場所を示すような表示を行う。
このような動作により、端末装置1のユーザは、人が集まっている場所を知ることができる。
【0019】
このようなシステム動作を実現するため、端末装置1は、現在状況情報として、少なくとも現在の位置情報を例えば定期的にサーバ装置70に送信する。位置情報と共に生体情報や運動情報を送信する場合もある。
また端末装置1は、サーバ装置70から集合情報を受け取り、その集合情報に基づく表示を行うことで、集合情報の告知をユーザに対して行うことができる。集合情報とは、基本的には、ある位置(場所)において多数の人が集まっていることを示す情報であり、端末装置1では、その集合情報に基づいて、地図画像上で多数の人が集まっている場所を示すような表示を行う。
【0020】
実施の形態としては、基本的には、端末装置1とサーバ装置70によるシステムを想定すればよいが、システム上の端末として、単にサーバ装置70による集合状況の管理のために用いられる端末装置1Aや、集合状況の管理には寄与しないが、情報提供サービスを受けることのできる端末装置1Bとしての機器も考えられるため、端末装置1A、1Bについても示している。
端末装置1Aは、現在位置情報を含む現在状況情報をサーバ装置70に送信する動作を行うが、サーバ装置70から集合情報を受信して、集合情報に基づく表示を行う機能のない機器としている。
また、端末装置1Bは、サーバ装置70から集合情報を受信して、集合情報に基づく表示を行う機能を有するが、特に現在状況情報をサーバ装置70に送信しない機器としている。
各端末装置1,1A,1Bの構成例については後述する。
【0021】
端末装置1,1A,1Bとしては、携帯電話器やPDA(Personal Digital Assistant)、小型のパーソナルコンピュータのような携帯に適した形状及びサイズの機器としてユーザが持ち歩くものでもよい。さらには、携帯電話機やPDA、パーソナルコンピュータの内蔵機能として、この端末装置1,1A,1Bとしての機能が設けられるものでもよい。
また、例えば眼鏡型、ヘッドセット型などとしてユーザが頭部に装着するものであってもよいし、腕時計型、ペンダント型などとされてユーザが装着するものであってもよい。
【0022】
端末装置1Aについては、より小型の機器として、カード状の機器、ICタグなどとして構成されてもよい。
また、端末装置1Bについては、必ずしも携帯型の機器ではなく、ユーザが自宅等に配置する機器、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータのような形態の機器であってもよいし、或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータの内蔵機能として端末装置1Bが実現されてもよい。
【0023】
サーバ装置70は、端末装置1、1Bに対して集合情報を提供する情報提供装置として機能する。
サーバ装置70は、端末装置1、1Aから送信されてくる現在位置情報についての管理を行い、各位置において、人がどの程度集まっているかを判別し、各位置での人の集合状況を管理する。また、集合状況の管理に基づいて、集合情報を生成し、端末装置1、1Bに送信する。
【0024】
ネットワーク60とは、インターネット、携帯電話通信網、PHS通信網、アドホックネットワーク、LANなど、各種考えられる。
【0025】
[2.端末装置構成]
端末装置1,1A、1Bの構成例を説明する。
まず、図2に端末装置1の構成例を示す。
端末装置1は、システムコントローラ10、生体センサ部11、運動センサ部12、位置検出部13、表示部14、日時計数部15、操作部16、記憶部17、通信部18を有する。
【0026】
システムコントローラ10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ部、インターフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、端末装置1の全体を制御する制御部とされる。
このシステムコントローラ10は内部の動作プログラムに基づいて、端末装置1内の各部の制御を行い、必要な通信動作や、集合情報に基づく表示動作等を実行させる。
【0027】
生体センサ部11は、ユーザの生体情報を検出する。生体情報とは、脈拍、心拍、心電図信号、筋電、呼吸(例えば呼吸の速さ、深さ、換気量など)、発汗、GSR(皮膚電気反応)、血圧、血中酸素飽和濃度(SpO2)、皮膚表面温度、脳波(例えばα波、β波、θ波、δ波の情報)、血流変化(近赤外分光による脳血流、抹消血流などの血流変化)、体温、眼の状態(瞳孔状態、眼の動き、まばたき等)などである。
例えばGSR(皮膚電気反応)、体温、皮膚表面温度、心電図反応、筋電心拍、脈拍、血流、血圧、脳波、発汗、体温などを検出するには、被検出者の皮膚に接触するセンサを用いることが考えられる。脳波については頭部に接触して装着されるセンサを用いる。
また、ユーザの眼の状態を検出するセンサとしては、例えばユーザの眼部を撮像するようにされた撮像部により形成できる。この場合、該撮像部が撮像したユーザの眼部の画像について画像解析を行うことで、視線方向、焦点距離、瞳孔の開き具合、眼底パターン、まぶたの開閉などを検出できる。または、ユーザの眼部に光を照射する発光部と、眼部からの反射光を受光する受光部により形成することもできる。例えば受光信号からユーザの水晶体の厚みを検知することも可能である。
生体センサ部11は、これら所要のセンサによる検出結果情報をシステムコントローラ10に出力する。
【0028】
運動センサ部12は、ユーザの運動情報を検出する。運動情報とは、ユーザの静止/歩行/走行の各状態を示す情報や、運動状態(揺れ、跳躍、歩行/走行のリズム、重心等)を示す情報、或いはユーザの身体要素である頭、腕、足、手、指などの動きを示す情報などである。
これらの運動情報は、加速度センサ、ジャイロ(角速度センサ)、振動センサなどを用いることで検出可能となる。即ち加速度センサやジャイロを備えることで、ユーザの動きに応じた信号として、例えば全身の動き、頭部の動き、首の動き、腕部の動き、脚部の動きなどを検出することができる。もちろん腕部の動き、脚部の動きなどを検出する場合は、加速度センサやジャイロがユーザの腕部や脚部に装着されるようにすればよい。
生体センサ部11は、これら加速度センサ等による検出結果情報をシステムコントローラ10に出力する。
【0029】
位置検出部13は例えばGPS受信部とされる。GPS受信部は、GPS(Global Positioning System)の衛星からの電波を受信し、現在位置としての緯度・経度の情報をシステムコントローラ10に出力する。
なお、位置検出部12としては、WiFi(Wireless Fidelity)や携帯電話会社が提供する位置情報サービスを利用するものとしてもよい。
日時計数部15は、常時日時カウント動作を行い、年月日時分秒を計数する。
【0030】
操作部16は、端末装置1を使用するユーザが各種の操作を行うためのキーやダイヤルなどの操作子として設けられている。また表示部14にタッチパネルを設け、これを操作部16としてタッチ操作可能としてもよい。
例えば、電源オン/オフ操作、表示関連操作(例えば表示モードの選択や表示調整操作)、各種設定操作などが可能とされる。
システムコントローラ10は、操作部16からの操作情報に基づいて所要の制御処理を行う。
なお本例の端末装置1は、生体センサ部11や運動センサ部12を備えるため、これらによって検出される生体情報/運動情報から、ユーザの意識的な挙動を検知して、システムコントローラ10がそれを操作入力情報と判断するようにしてもよい。
例えばユーザが端末装置1をコツコツと軽く叩くといったことを、運動センサ部12の加速度センサ、振動センサ等で検知し、これをシステムコントローラ10がユーザの操作として認識するようにすることができる。
またユーザが頭を回す、首を振るなどとすることを加速度センサや角速度センサで検知し、これをシステムコントローラ10がユーザの操作として認識するようにしてもよい。
また生体センサ部11でユーザの眼の動きを検出し、例えばユーザの意識的な挙動としての目の動き(視線方向の変化やまばたき)などを操作入力とすることも考えられる。
【0031】
通信部18は、外部機器との間でのデータの送受信を行う。この通信部18は、有線又は無線でネットワーク接続され、図1に示したネットワーク60を介してサーバ装置70と通信を行う。
【0032】
記憶部17はシステムコントローラ10の制御に基づいて各種データの記録(保存)や、記録されているデータの再生(読み出し)を行う。
この記憶部17は、RAM或いはフラッシュメモリなどの固体メモリにより構成されても良いし、例えばHDD(Hard Disk Drive)により構成されてもよい。
また内蔵の記録媒体ではなく、可搬性の記録媒体、例えば固体メモリを内蔵したメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、ホログラムメモリなどの記録媒体に対応する記録再生ドライブなどとされても良い。
もちろん、固体メモリやHDD等の内蔵タイプのメモリと、可搬性記録媒体に対する記録再生ドライブの両方が搭載されてもよい。
本例の場合、記憶部17には、特に通信データ格納部17a、検出情報蓄積部17b、地図データベース17cとしての記憶領域が用意される。
【0033】
通信データ格納部17aは、通信部18での送信/受信データのバッファリングや格納に用いられる。
検出情報蓄積部17bは、生体センサ部11で検出される生体情報、運動センサ部12で検出される運動情報、位置検出部13で検出される位置情報を記憶する。例えばシステムコントローラ10の制御に基づいて、例えば一定時間毎にこれらの情報を、日時計数部15でカウントされている日時情報とともに記憶していくようにされる。つまり検出情報蓄積部17bには、ユーザの生体情報/運動情報/位置情報が記録され、この記録された情報に基づいて、後述する現在状況情報が生成される。
地図データベース17cには、地図表示を行うための地図画像その他必要な情報が記憶されている。
【0034】
表示部14は、例えば液晶パネル、有機ELパネル等の表示パネル部と、表示パネル部を表示駆動する表示駆動部が設けられる。表示駆動部は、供給される画像データを表示パネル部において表示させるための画素駆動回路で構成されている。画素駆動回路は表示パネル部においてマトリクス状に配置されている各画素について、それぞれ所定の水平/垂直駆動タイミングで映像信号に基づく駆動信号を印加し、表示を実行させる。
この表示部14は、システムコントローラ10の制御に基づいて、表示パネル部に所定の表示を実行させる。特に本例では、システムコントローラ10は、地図データベース17cに記憶された地図画像データを用いて、表示部14に地図表示を実行させたり、さらにその地図画像上において、サーバ装置70から受信した集合情報に基づいた表示を実行させる。
【0035】
このような端末装置1は、上述したようにユーザが装着或いは所持できるように小型軽量の機器として構成されることが好適である。ここで特に生体センサ部11や、運動センサ部12による検出を適切に行うためには、検出しようとする生体情報の内容にもよるが、例えば腕時計型、眼鏡型、ヘッドセット型、帽子型、ヘルメット型、手袋型、或いは機器内蔵の衣服などの形態であって、特に一部(生体センサ部11)が被検出者の皮膚や頭部など、検出内容に応じて適切な身体部位に接触できるような形態が考えられる。
但し、少なくとも生体センサ部11(検出する運動情報の内容によっては運動センサ部12)がユーザの身体に密着できるようにすればよいことから、端末装置1を図3のように2つのユニットで形成してもよい。
【0036】
図3は、端末装置1を、検出装置部2と表示装置部3という別体のユニットで構成した例である。
検出装置部2は、生体センサ部11と、運動センサ部12と、検出情報送信部19を有する。
また表示装置部3は、システムコントローラ10、位置検出部13、表示部14、日時計数部15、操作部16、記憶部17、通信部18に加え、検出情報受信部20を備える。
検出情報受信部20と検出情報送信部19は、例えば無線通信或いは有線通信で互いに通信を行う。無線通信とする場合、例えばブルートゥース等の近距離無線通信方式を採用してもよいし、可視光又は非可視光などを用いた光パルス変調でデータ通信を行う光通信方式でもよい。もちろんより長距離に対応した無線通信方式やネットワーク通信を用いてもよい。
そしてこの図3の場合、生体センサ部11で検出される生体情報及び運動センサ部12で検出される運動情報は、検出情報送信部19から送信され、検出情報受信部20で受信される。
システムコントローラ10は、検出情報受信部20で受信された生体情報、運動情報に基づいて、キャラクタ画像の表示制御を行うことになる。
【0037】
この図3の構成の場合、検出装置部2のみを、ユーザの皮膚や頭部などの所要部位に接触できるようにすればよいため、ユーザの装着負担を軽くするような形態が可能となる。特に検出装置部2は生体センサ部11,運動センサ部12、検出情報送信部19を有する簡易な構成であるため、小型軽量化が容易であり、身体の所要部位に装着可能な機器としての実現が容易となる。
また、表示装置部3は、ユーザが所持する専用の小型機器とされてもよいが、例えば携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯可能な機器に、この表示装置部3としての機能を加えたものとしても実現可能である。
【0038】
図4は、上述した端末装置1Aの構成例を示したものである。
この端末装置1Aは、サーバ装置70に対して現在状況情報を送信する機器であり、このため、システムコントローラ10、生体センサ部11、運動センサ部12、位置検出部13、日時計数部15、記憶部17、通信部18を有するようにすればよい。
記憶部17においては、現在状況情報の内容とする位置情報、生体情報、運動情報を記憶する検出情報蓄積部17bが設けられればよい。
【0039】
図5は、上述した端末装置1Bの構成例を示したものである。
この端末装置1Bは、サーバ装置70から送信されてくる集合情報を受信し、その集合情報に基づく表示を行う機器である。このため端末装置1Bは、システムコントローラ10、位置検出部13、表示部14、操作部16、記憶部17、通信部18を有するようにすればよい。
記憶部17においては、受信した集合情報を保存するための通信データ格納部17aと、地図表示のための地図データベース17cが設けられればよい。
なお位置検出部13での位置検出は、例えば地図画像の表示の際に、その地図画像上で現在の自己位置を表示するために行われる。
【0040】
図2,図3,図4,図5に端末装置1,1A、1Bの構成例を挙げたが、実際にはそれぞれ多様な構成の変形例が考えられる。
即ち、少なくとも後述する各種の動作例や通信するデータの構造などに応じて、必要な部位が設けられると考えればよく、上記各図に図示した構成の削除や追加は多様に考えられる。
例えば端末装置1,1Aとして、生体センサ11、運動センサ12の無い構成も考えられる。
また、端末装置1、1Bとして地図データベース71cは必ずしも必要ではない。地図データベース17cは、表示部14での地図表示を行うために用いるのであるが、例えば地図表示の際にサーバ装置70から地図描画データがダウンロードされるようにすれば、地図データベース17cを備えなくとも、地図画像表示を行うことができる。
【0041】
[3.サーバ装置構成]
次に図6に、サーバ装置70の構成例を示す。
上述したようにサーバ装置70は、例えばネットワーク60を介した通信により、端末装置1(又は1A:以下省略)から送信されてくる現在状況情報を取り込んで、各位置の集合状況を把握するとともに、人が集まっている場所を示す集合情報を生成し、集合情報を端末装置1(又は1B:以下省略)に送信する装置である。
サーバ装置70は、サーバ制御部72、ネットワークストレージ部71、通信部73、データベース管理部74、人数管理データベース75、登録ユーザデータベース76、地図データベース77、位置管理データベース78を備える。
【0042】
サーバ制御部72は、サーバ装置70としての必要な動作制御を行う。特には、ネットワーク通信動作の制御や、端末装置1からの現在状況情報が送信されてきた際の処理制御、端末装置1に対する集合情報の送信に関する制御などを行う。
ネットワークストレージ部71は、例えばHDD等により実現され、例えば端末装置1とのネットワーク60を介した通信による送受信データを一時的に保存したり、各種必要なデータの保存などに用いられる。
通信部73は、端末装置1との間で、ネットワーク60を介したデータ通信を行う。
【0043】
データベース管理部74は、人数管理データベース75、登録ユーザデータベース76、地図データベース77、位置管理データベース78のそれぞれについての管理を行う。即ち各データベースについての更新処理、検索処理、読出処理などを行う。
【0044】
人数管理データベース75は、各位置での現在人数の管理を行うデータベースである。
この人数管理データベース75は例えば図7(a)のような構造とされる。即ち地図上の各位置(P1,P2,P3・・・)に対応させて、その位置における現在居る人の人数を常時更新しながら管理する。またユーザIDとして、その現在居る人の識別情報が更新登録される。
管理の単位となる位置P1,P2,P3・・・とは、それぞれが緯度・経度によって表現される1つの位置でもよいし、地名、地区名などに応じた位置でもよい。また、地図上でエリア分割して設定した位置でもよい。あくまで、端末装置1側で検出される位置情報によって判別できる「場所」の単位が設定されればよいものである。
ユーザIDは、端末装置1のユーザに固有に設定された識別情報であり、このユーザIDとは、端末装置1に個別に付与された装置IDであってもよい。
【0045】
後述するが、端末装置1又は1Aからは、現在状況情報として、ユーザIDと現在の位置情報が少なくとも送信されてくる。サーバ装置70側では、現在状況情報を受信する毎に、人数管理データベース75を更新していく。例えば受信した現在状況情報としてユーザIDが「UID1」であって、位置情報が位置P1に相当する位置であった場合、この人数管理データベース75において、位置P1についてユーザID「UID1」を登録する。現在人数は、登録されたユーザIDの数として管理できる。
【0046】
図7(b)は、人数管理データベース75の他の構造例を示している。例えば図7(a)と同様に位置(P1,P2,P3・・・)に対応させて、現在人数及びユーザIDを管理するが、さらに、単位時間x分ごとの人数の変動を管理できるように、人数経過情報としてx分前の人数、2x分前の人数、3x分前の人数を、それぞれ登録する。
このように過去の人数についても或る程度、登録情報として残しておくことで、サーバ装置70側では各位置における人数変化を把握できることになる。
例えばこの図7(b)の例の場合、位置P1では、徐々に人が増えている状況が確認でき、また位置P3では、人が減っている状況が確認できる。
【0047】
登録ユーザデータベース76は、本例のシステムによる情報提供サービスに登録したユーザの情報を管理するデータベースである。
例えば図8に登録ユーザデータベース76の構造例を示す。
ここでは登録ユーザデータベース76には、例えば予めユーザが通知した属性登録情報や、最新の状況を示す最新更新情報が登録される例としている。
【0048】
登録ユーザデータベース76では、ユーザIDで識別される個々のユーザに対応して属性登録情報や最新更新情報が登録される。
まず属性登録情報とは、本例のシステムによるサービスを享受するためにユーザが予め通知した情報である。例えばサービス享受の際に、属性登録情報を端末装置1から送信することで、この登録ユーザデータベース76に登録される。
その属性登録情報の内容としては、年齢、性別、趣味嗜好情報UPDなどが想定される。趣味嗜好情報UPDとしては、例えば趣味等のジャンルとしての音楽、スポーツ、グルメ、ショッピングなどの内容や、さらにそれらを細分化した内容(例えば音楽であれば、ロック、クラシックなどの音楽ジャンル)などが考えられる。
【0049】
またユーザIDに対応する最新更新情報は、端末装置1から送信されてくる現在状況情報として通知される情報である。即ち現在状況情報が送信されてくるたびに更新される情報であり、例えば日時TM、現在位置、生体情報BD、運動情報PD、滞在時間STMなどがある。
端末装置1から送信されてくる現在状況情報の内容例は図11で後述するが、少なくともユーザIDと日時情報と位置情報が含まれる。このため、現在状況情報が送信されたきた場合、この登録ユーザデータベース76において、少なくとも日時TMと、現在位置の内容は更新される。例えば或る端末装置1から、ユーザID=UID1の現在状況情報が送信されてきた場合、この登録ユーザデータベース76においてはユーザID=UID1の登録情報として日時、位置が更新される。
位置の情報としては、例えば図7の人数管理データベース75で示した位置P1,P2・・・と同じ位置情報が記憶される。例えば現在状況情報で送信されてきた位置情報(緯度・経度)が、人数管理データベース75における位置P3に相当する場合、登録ユーザデータベース76の最新更新情報の位置の情報として「P3」と登録される。
また、現在状況情報に生体情報や運動情報が含まれている場合、登録ユーザデータベース76において、生体情報BD、運動情報PDとしての内容も更新される。
この日時TM、位置、生体情報BD、運動情報PDを含む最新更新情報は、各ユーザについての最新の状況を管理するためのものとなる。
【0050】
また、滞在時間STMは、ユーザが現在の場所に滞在している時間を示す情報である。例えば図のようにユーザID=UID1のユーザの現在の位置が位置P3である場合、この位置P3に滞在している時間が滞在時間STMとして示される。
例えば現在状況情報を受信して最新更新情報を更新する際には、位置の情報に変化があるか否かを確認し、変化が無ければ、それまで記憶されていた日時と、今回の現在状況情報で示される日時との差分時間を、それまでの滞在時間STMの値に加算することで、現在までの同じ位置での滞在時間を算出することができる。もちろん、今回の現在状況情報で示される位置が、それまで記憶されていた位置と異なる場合は、滞在時間STM=0にリセットすればよい。
【0051】
この図8のような登録ユーザデータベース76により、サーバ装置70では、各端末装置1のユーザについての属性(年齢、性別、趣味嗜好)や、最新の状況として、現在(現在に近い時点)で、どこに居て、どのような生体状況や運動状況にあるか、さらには現在の場所にどのくらい滞在しているか、ということを管理把握できることになる。
【0052】
図6の構成における地図データベース77は、緯度・経度を基準とした地図情報を記憶する。例えば緯度・経度と、上記人数管理データベース75や登録ユーザデータベース76で用いる位置P1,P2・・・を対応づける処理の際などに参照されたり、次に述べる位置管理データベース78の作成の際などに参照される。
【0053】
位置管理データベース78は、人数管理データベース75や登録ユーザデータベース76で用いる位置P1,P2・・・のそれぞれについての情報として、位置属性ZD、平均集合レベル、集合必然性レベル、位置対応サービスデータPSDが登録される。
位置属性ZDとは、各位置についての属性を示す内容とされる。例えば、その位置についての地名、地域名、道路名、建物・施設などの名称、或いは建物、施設、場所などの種別などである。ここでいう種別とは、例えば店舗、競技場、公園、畑、駅などの種別が想定される。
【0054】
平均集合レベルとは、通常、その位置にどの程度人が集まるかを示す情報を、n段階のレベルで示した情報である。
例えば人口の多い/少ない地域であるか、住宅地/繁華街の別などによっては、平均的に居る人の数は異なる。例えば東京の新宿、渋谷の繁華街におけるある位置Pxでは、常時非常に多数の人が居るが、地方都市の繁華街における位置Pyでは平均的な人の数は、さほどでもない。また農村等であれば、例えば駅前である位置Pzなどであっても、殆ど人がいないという状況がある。
本システムは、人が集まっている場所を端末装置1のユーザに提示するサービスを行うものであるが、「人が集まっている場所」を、「何か興味深い出来事が起こっている場所」としてユーザに提示するには、通常より多く人が集まっている場所を抽出する必要がある。例えば渋谷区内の或る位置Pxでは、日常平均的に100人程度が居るとすると、100人の集合が検出されたとしても、それが「何か興味深い出来事が起こっている場所」とは推定しにくい。このような場所では、「何か興味深い出来事が起こっている場所」と判断する基準を、より多数の人数に引き上げることが適切である。
一方、農村の駅前の位置Pz集会場では、通常殆ど人がいないため、10人程度が集まっていれば、何らかの出来事が起こっている場所と推定できる。
このように、人が集まっている場所を、通常時より人が多く集まっているか否かを判断する際には、通常時の平均的な人の数を基準にして判断することが適切となる。
そこで、位置管理データベースには平均集合レベルとして、通常時の人の数のレベルを設定して管理しておき、人が集まっているか否かの判断を、レベルに応じて行うようにする。
【0055】
集合必然性レベルとは、人がよく集まる場所であるか否かとしてのレベルを設定して登録したものである。
本例のシステムは、例えば予め予定され、一般に広告されたイベント等をガイドすることよりも、偶発的な出来事が発生したと思われる場所をガイドすることに重点を置く。
例えばスポーツスタジアムでの競技開催中であったり、ライブハウス、コンサート会場、劇場などでの開演中であれば、その場所には必然的に人が集まっているといえる。つまり例えばスタジアム、ライブハウス等は、人が集合する必然性が高いといえる。
一方、そのような人の集まる施設ではなく、或る路上、街角、公園など、特に人が集まる必然性が小さい場所もあるが、そのような場所に人が集まっている場合は、その場所で何らかの偶発的な出来事や、ゲリラライブなど広告されていないイベントが発生していると推定できるものとなる。
そこで各位置P1,P2・・・について、集合必然性レベルとして、人が集まる必然性をm段階のレベルに設定して登録しておく。この集合必然性レベルを参照することで、ある位置について人が集まっていることが検出された場合、その人が集まっていることが必然的なことか、偶発的なことかの判断に用いることができる。
【0056】
位置対応サービスデータPSDとは、各位置に対応した付加情報である。例えば店舗等の営業施設に相当する位置Pxであれば、その位置Pxについての位置対応サービスデータPSDとして、店の広告、営業案内、画像、ホームページアドレス、アドレスリンク、割引情報などの情報が登録される。また、その位置についてのユーザからの投稿データとしての写真画像やコメントなどのデータが位置対応サービスデータPSDとして登録されるようにしてもよい。
【0057】
このように位置管理データベース78では、位置P1,P2・・・の各地についての情報を登録しておき、端末装置1のユーザに告知する集合情報の生成の際に参照できるようにする。
【0058】
[4.端末装置からサーバ装置への現在状況情報の送信]
以上の端末装置1(1A,1B)とサーバ装置70で構成される情報提供システムとしての動作例を説明する。
まず、ここではサーバ装置70における、各位置の人数管理のために行われる現在状況情報の通信動作について述べる。
【0059】
上述のようにユーザが所持する端末装置1又は端末装置1Aはサーバ装置70に対して現在状況情報の送信を行う。、
例えば端末装置1(又は1A)が定期的なタイミングで自動的に、サーバ装置70に対して現在状況情報の送信を行う場合の処理を図10に示す。
端末装置1(又は1A)のシステムコントローラ10は、定期的に図10の左側に示す処理を実行し、これに応じてサーバ装置70のサーバ制御部72は、図10の右側に示す処理を行う。
【0060】
まず端末装置1のシステムコントローラ10は、ステップF101で送信タイミングを監視する。例えば30秒間隔、1分間隔、或いは数分間隔などとしての一定時間毎が送信タイミングと設定されており、システムコントローラ10はタイムカウントにより、この送信タイミングとなったか否かを判別する。
【0061】
送信タイミングとなったら、システムコントローラ10は処理をステップF102に進め、現在状況情報を生成する。
なお、端末装置1では、システムコントローラ10は常時、生体センサ部11で検出される生体情報や、運動センサ部12で検出される運動情報としての検出値を、記憶部17の検出情報蓄積部17bに記憶する動作を実行させている。また位置検出部13で検出される位置情報(例えば緯度・経度)も、検出情報蓄積部17bに記憶させるようにしている。
或いは、送信タイミングとなってステップF102に進んだ時点で、システムコントローラ10は、生体センサ部11,運動センサ部12,位置検出部13で検出される各検出値を検出情報蓄積部17bに記憶させるようにしてもよい。
【0062】
いずれにしても、送信タイミングとなってステップF102に進んだ際には、システムコントローラ10は、このように検出情報蓄積部17bに記憶された最新の検出情報を用いて現在状況情報を生成する。
【0063】
生成する現在状況情報としての内容例を図11に示す。
図11(a)は、現在状況情報を、現在状況情報ヘッダ、ユーザID、日時情報、位置情報により構成する例である。
図11(b)は、現在状況情報を、現在状況情報ヘッダ、ユーザID、日時情報、位置情報、生体情報、運動情報により構成する例である。
図11(c)は、現在状況情報を、現在状況情報ヘッダ、ユーザID、日時情報、位置情報、生体情報により構成する例である。
図11(d)は、現在状況情報を、現在状況情報ヘッダ、ユーザID、日時情報、位置情報、運動情報により構成する例である。
現在状況情報の内容例は他にも考えられるが、現在状況情報の内容としてどのような情報を含むようにするかは、システム動作形態や端末装置1の構成によるものとなる。
【0064】
現在状況情報ヘッダには、現在状況情報であることの識別コードや、同期信号、データサイズ、情報のエンコード方式など、送信する現在状況情報としての基本的事項が含まれる。
ユーザIDは、ユーザ固有に付与されたユーザ識別情報である。これは端末装置1に固有に付与された識別情報であってもよい。
日時情報は、現在の年月日時分秒の情報である。システムコントローラ10は、日時計数部15で計数されている現在日時の値を、この現在状況情報に付加する。
位置情報は、位置検出部13で検出されて検出情報蓄積部17bに取り込まれていた位置情報(緯度・経度)である。
【0065】
現在状況情報には、少なくとも図11(a)のような情報が含まれるが、図2、図3、図4に示したように生体センサ部11、運動センサ部12を備える場合、図11(b)(c)(d)のように、生体情報や運動情報を現在状況情報に含むようにすることもできる。
【0066】
ここで生体情報とは、上述したように例えば心拍数、脈拍、脳波、血圧、皮膚電気反応などの検出値そのものとすればよいが、これらの生体情報検出値から推定されるユーザの心理情報を含むようにしてもよい。
例えば緊張状態、興奮状態、快適状態などに伴う生体情報の数値の変動に基づいてユーザの感情(楽しい、おもしろい、うれしい、悲しい、恐ろしい、穏やか、懐かしい、感動、驚愕、興奮、緊張等)を推定することができる。例えば心拍数、脈拍、脳波、血圧、皮膚電気反応などは心理変化により検出値も変動するためである。例えば心拍数や呼吸情報から、ユーザがドキドキしている状況にあるか否かを判定できる。
さらに視覚センサによる瞳孔の状態、視線の動きによっても、ユーザの状況(落ち着いている、焦っている等)を判定できる。
さらに、運動センサ部12によって検出されるユーザの身体の動きを、ユーザ状況の判定に用いても良い。例えば脈拍等が早くなった場合に、緊張や興奮が原因の場合もあれば、ユーザが走っているなど運動したことが原因の場合もある。これらの判別に為に、加速度センサ等の情報を参照するようにすることもできる。
システムコントローラ10は、このように判定した心理情報を、生体情報の1つとして現在状況情報に含ませるようにすることができる。
【0067】
なお、心理状態を推定するのにはある程度の時間が必要であり、一時的に生体センサ部11の検出情報を取り込むだけでは的確な心理状態を推定できない場合がある。即ち生体から得られる信号としての生体センサ部11の検出情報は時々刻々とその値が変化するものであり、或る瞬間の値を見ただけではどのような心理状態にあるのかがわかりにくい。または継続的な感情の変化によって、心理状態の判定のための閾値を変化させたほうがよい場合もある。
そこで、或る程度の過去からの継続的な生体情報/運動情報の変化を参照して心理判定を行うようにすることも適切である。即ち検出情報蓄積部17bに記憶された生体情報を時系列に検査し、或る程度過去の時点から(例えば数分前から)の生体情報を参照して心理判定を行うことも適切である。
【0068】
システムコントローラ10は、ステップF102で図11に例示したような現在状況情報を生成したら、ステップF103で、その現在状況情報を通信部18からサーバ装置70に対して送信させる。
端末装置1では、定期的な送信タイミング毎に、以上のステップF102,F103の処理を行うことになる。
なお、必ずしも定期的でなくてもよく、ユーザ操作、或いは周囲環境、或いは現在位置の変化など、何らかのトリガに応じてステップF102,F103の処理を行うようにしてもよい。
【0069】
サーバ装置70側では、サーバ制御部72はステップF201,F202,F203の処理を行う。
即ち、或る端末装置1からの現在状況情報が通信部73で受信されたら、サーバ制御部72は処理をステップF201からF202に進め、受信し、デコードされた現在状況情報の内容をネットワークストレージ部71に取り込む。
そしてステップF203では、取り込んだ現在状況情報に含まれる必要な情報をデータベース管理部74に転送し、データベース更新を指示する。
データベース管理部74は、人数管理データベース75及び登録ユーザデータベース76に関しての更新処理を次のように行うことになる。
【0070】
まず人数管理データベース75については、受信されたら現在状況情報における位置情報とユーザIDを参照して更新処理を行う。
人数管理データベース75の更新処理例を図12に示す。
【0071】
データベース管理部74は、ステップF211で、受信された現在状況情報における位置情報としての例えば緯度、経度の情報を、人数管理データベース75で管理する位置P1、P2・・・のいずれに相当するかを判別する。判別した位置をP(x)とする。
もちろん、人数管理データベース75での位置P1,P2・・・が緯度、経度の値そのものである場合はそのままでよいが、例えば緯度・経度としての検出位置の細かさと、位置P1,P2・・・としての範囲が一致していない場合は、緯度・経度に対応するデータベース管理上の位置Pを判別する。
【0072】
次にデータベース管理部74はステップF212で、受信した現在状況情報におけるユーザIDと一致するユーザIDが、人数管理データベース75に登録されているか否かを検索する。図7に示したように、人数管理データベース75には、各位置P1,P2・・・について、現在居る人をユーザIDで登録しているものであるが、これらの中に、受信したユーザIDが存在するか否かを判別するものである。
【0073】
一致するユーザIDが見つからなかった場合は、データベース管理部74はステップF213からF218に進み、位置P(x)についてのユーザIDとして、受信したユーザIDを追加するとともに、位置P(x)の現在人数の値を+1する。
【0074】
一致するユーザIDが見つかった場合は、データベース管理部74はステップF213からF214に進み、位置P1,P2・・・のうちで、その検索された該当のユーザIDが登録されている位置を位置P(y)とする。
そしてステップF215で位置P(x)=位置P(y)であるか否かを判別する。位置P(x)=位置P(y)とは、現在登録されている内容と変化がないということを意味する。つまり、今回受信した現在状況情報の送信元の端末装置1のユーザは、前回現在状況情報を送信した時と、同じ位置に居るということである。
この場合は、更新は必要ないため、そのまま処理を終える。
【0075】
一方、ステップF215で位置P(x)=位置P(y)ではないと判定したら、ユーザが前回の現在状況情報の送信時とは異なる位置に移動したものであるため、ステップF216に進んで更新を行う。
まずステップF216では、位置P(y)において登録されている該当のユーザIDを消去する。また位置P(y)における現在人数の値を−1する。
ステップF217では、位置P(x)についてのユーザIDとして、受信したユーザIDを追加するとともに、位置P(x)の現在人数の値を+1する。
【0076】
現在状況情報を受信する毎に、データベース管理部74が以上のような処理を行うことで、人数管理データベース75には、現在の状況として、各位置P1,P2・・・についての人数と、そこに居るユーザを把握できる状態となる。
【0077】
またデータベース管理部74は、サーバ制御部72の指示に基づいて、登録ユーザデータベース76の更新処理も行う。これを図13に示す。
まずステップF221でデータベース管理部74は、登録ユーザデータベース76について、受信したユーザIDで検索を行い、受信したユーザIDが既登録か未登録かを判定する。
【0078】
受信した現在状況情報におけるユーザIDが、登録ユーザデータベース76に既登録のユーザIDであったら、ステップF222からF223に進み、まず、そのユーザIDについて登録されている最新更新情報における日時YM、位置P(z)、滞在時間STMを読み出す。
そしてデータベース管理部74は、読み出した位置P(z)が、上記図12のステップF211で判別した位置P(x)と一致しているか否かを判定する。
つまりこれも、上記図12のステップF215と同様に、ユーザが前回の現在状況情報の送信時と同じ位置に居るか否かの判定となる。
なお、ここではステップF221〜F224の処理で、ユーザID登録の有無や、ユーザの位置の移動の有無を判定するものとしているが、図12の処理を既に実行しているのであれば、これらの判定は既にデータベース管理部74においてなされているため、これらの判定処理は省略できる。
【0079】
ユーザが、前回の現在状況情報の送信時と同じ位置に居ると判定された場合は、ステップF225に進んで、滞在時間を算出する。これは登録されている滞在時間STMの値に、今回受信した現在状況情報における日時と、登録されている日時TMとの時間差を加算すればよい。つまり、
滞在時間STM=滞在時間STM+(現在状況情報に含まれる日時−日時TM)
とする。
一方、ユーザが、前回の現在状況情報の送信時とは異なる位置に移動したと判定された場合は、ステップF226に進んで、滞在時間STM=0とする。
【0080】
このように滞在時間STMを設定したら、データベース管理部74はステップF227で更新処理を行う。
即ち、登録ユーザデータベース76の該当ユーザIDのスロットとしての最新更新情報において、日時TMの値を、受信した現在状況情報における日時の値に書き換える。
また、位置の値を位置P(x)とする。
また、滞在時間STMの値を、上記ステップF225又はF226で得られた値に書き換える。
また、受信されたら現在状況情報に生体情報や運動情報が含まれていた場合は、登録ユーザデータベース76における生体情報BDや運動情報PDを、その受信した内容に書き換える。
【0081】
ステップF222で、受信した現在状況情報におけるユーザIDが、まだ登録ユーザデータベース76に未登録のユーザIDであったら、ステップF222からF228に進み、今回受信したユーザIDについての登録を行うスロットを新たに設ける。そしてステップF229で、そのスロットにおいて最新更新情報としての日時TM、位置、生体情報BD、運動情報PD、滞在時間STMを書き込む。日時TM、生体情報BD、運動情報PDは、受信した現在状況情報の内容としての値を書き込むことになる。位置は上記の位置P(x)とする。滞在時間STMは、「0」とすればよい。
【0082】
データベース管理部74は、例えば以上の処理で、現在状況情報が受信されることに応じた登録ユーザデータベース76の更新を行う。
上記図10のステップF203でのサーバ制御部72の指示により、この図12,図13の処理でデータベース更新が行われることになる。サーバ装置70側には、多数の端末装置1から逐次現在状況情報が送られて来るが、その現在状況情報の受信のたびに、このようなデータベース更新が行われることで、サーバ装置70側では多数のユーザの状況を管理できることになる。
特に、人数管理データベース75で、各位置P1,P2・・・における現在人数と、そこに居る人について管理できる。
また登録ユーザデータベース76における最新更新情報により、各ユーザの現在の位置や滞在時間、生体情報や運動情報を把握できる。
【0083】
[5.サーバ装置における人数推移判別]
ところで、人数管理データベース75の例として、図7(b)には、人数経過情報(例えばx分前の人数、2x分前の人数・・・)を登録する例を述べた。
このようなデータベース構造とする場合、単位時間毎に、図14のような処理で人数経過情報を更新することが必要となる。
【0084】
例えばサーバ制御部72は、図14のステップF210として、単位時間(x分)の経過をカウントしたら、ステップF211でデータベース管理部74に指示して、人数経過情報の更新を実行させる。
データベース管理部74が行う更新処理例としては、3x分前の人数の値を2x分前の人数の値に更新し、2x分前の人数の値を1x分前の人数の値に更新し、1x分前の人数の値を現在人数の値に更新すればよい。
このようにすれば、人数管理データベース75において、単位時間x分ごとの人数の状況の管理ができ、サーバ装置70側では、各位置P1,P2・・・についての人数変化を把握できる。
【0085】
[6.集合情報表示のための動作例I]
上記のようにサーバ装置70側で、各位置P1,P2・・・についての現在人数が管理されることで、端末装置1又は端末装置1Bに対して「人が集まっている位置」の情報を提供することが可能となる。
ここでは、サーバ装置70が、端末装置1(又は1B)に対して「人が集まっている位置」の情報を含む集合情報を提供する動作に関して説明する。
【0086】
図15は、集合情報の通信を行う際の、端末装置1のシステムコントローラ10の処理と、サーバ装置70のサーバ制御部72の処理を示している。
この図15は、端末装置1からの要求に応じて、サーバ装置70が集合情報を送信するようにした処理例である。
【0087】
端末装置1のユーザは、地図画像上で人が集まっている場所の表示を見たい場合は、例えば操作部16により所定の表示要求操作を行う。
システムコントローラ10は、表示要求操作を検知したら、処理をステップF301からF302に進め、要求情報を生成し、その要求情報を通信部18からサーバ装置70に対して送信させる。
【0088】
要求情報の構成例を図16に示すが、この場合、システムコントローラ10は図16(a)又は図16(b)のような構造の要求情報を生成して送信させることになる。
図16(a)は、要求情報を、要求情報ヘッダとユーザIDにより構成する例である。
図16(b)は、要求情報を、要求情報ヘッダ、ユーザID、位置情報により構成する例である。
なお、図16(c)(d)は抽出条件情報を含む例であるが、これについては後述する。
要求情報ヘッダには、要求情報であることの識別コードや、同期信号、データサイズ、情報のエンコード方式など、送信する現在状況情報としての基本的事項が含まれる。
この要求情報ヘッダに、ユーザID、又はユーザIDと位置情報を付加して要求情報を生成する。位置情報を付加する場合は、この要求情報生成時点で位置検出部13で検出される位置情報、又はこの時点で検出情報蓄積部17bに取り込まれている最新の位置情報を用いればよい。
【0089】
サーバ装置70側では、端末装置1からの要求情報に応じてステップF401〜F404の処理が行われる。
サーバ制御部72は、通信部73が或る端末装置1からの要求情報を受信したら、処理をステップF401からF402に進め、データベース管理部74に検索を指示する。
この場合、データベース管理部74に対して、「人が集まっている場所」を検索させることになる。
【0090】
データベース管理部74は、人数管理データベース75から、現在人が集まっている場所を抽出する。
なお、この際の抽出処理方式は例えば以下の(s1)〜(s6)の各例のように多様に考えられる。
【0091】
(s1) 人数管理データベース75において、現在人数が、所定の基準人数Mより多い位置P(x)を抽出する。
これは、単純に人数管理データベース75の現在人数の値により、基準人数M(例えばM=20人など)以上の場所を抽出する方式である。
【0092】
(s2) 人数管理データベース75において、現在人数が、所定の基準人数Mより多い位置P(x)を抽出するが、その基準人数Mを、各位置の平均集合レベルに応じて変化させる。
上述もしたが、単純に固定的な基準人数Mと現在人数を比較して、人が集まっているか否かを判断するとすると、普段から人が多い地区では、常に人が集まっている場所と判断されてしまうし、普段は人が殆どいない場所では、例えば珍しく数人集まっていても、人が集まっていないと判断されてしまう。これは、人が集まっている場所を、偶発的な出来事が発生している場所、興味深い場所などとして意味づける場合にはあまり適切ではない。
そこで、各位置P1,P2・・・毎に、位置管理データベース78に登録されている平均集合レベルに応じて基準人数Mを変化させる。
例えば人があまり居ない場所では基準人数M=5人、地方都市の繁華街では基準人数M=20人、大都市の繁華街では基準人数M=50人、などというように場所毎に判断基準を変えるようにする。
このようにすることで、「普段より多く人が集まっている場所」を的確に抽出できるようになる。
【0093】
(s3) 人数管理データベース75において、人数の増加度合い(人数変化量)が、所定の基準変化量以上の位置P(x)を抽出する。例えば人数管理データベース75が図7(b)のような形態である場合、各位置について人数の変化の状況を判定することができる。そこで、例えば所定時間前の人数と現在人数を比較して、その増加数、又は増加率が、基準の増加数、又は基準の増加率を越えている場所を抽出することも考えられる。つまり、「人が集まりつつある場所」が抽出できる。
【0094】
(s4) 上記(s3)のように所定時間前の人数と現在人数を比較して、その増加数、又は増加率が、基準の増加数、又は基準の増加率を越えている場所を抽出するが、その基準の増加数、又は基準の増加率を、位置管理データベース78に登録された平均集合レベルによって変化させる。つまり、位置毎の通常の人数に応じて、「人が集まりつつある場所」を判定し、抽出する。
【0095】
(s5) 現在人数が、所定の基準人数Mより多く、かつ人数の増加数又は増加率が、基準の増加数又は基準の増加率を越えている場所を抽出する。つまり、現在の絶対人数が多い場所であって、かつ現在、人が集まりつつある場所を抽出する。
【0096】
(s6) 上記(s5)の抽出方式であるが、基準人数Mと、基準の増加数(又は基準の増加率)の一方又は両方を、位置管理データベース78に登録された平均集合レベルによって変化させる。つまり、現在の絶対人数が多い場所であって、かつ現在、人が集まりつつある場所を抽出するが、さらに位置毎の通常時の人数を考慮したものとする。
【0097】
このように「人が集まっている場所」の抽出処理方式は多様に考えられるが、ステップF402では、これらのいずれかの処理方式で「人が集まっている場所」としての位置P(s)を人数管理データベース75に登録されている位置P1,P2・・・の中から抽出する。
【0098】
続いてサーバ制御部72はステップF403で、データベース管理部74から人が集まっている場所としての抽出結果情報を受け取り、集合情報を生成する。
集合情報の内容の例を図17に示す。
図17(a)に示すように、集合情報は、例えば集合情報ヘッダに続いて、1又は複数個の集合位置情報としてのデータユニットが付加された構成となる。
集合情報ヘッダには、集合情報であることの識別コードや、同期信号、データサイズ、情報のエンコード方式、付加される集合位置情報のデータユニット数など、送信する現在状況情報としての基本的事項が含まれる。
【0099】
1つの集合位置情報は、抽出された1つの位置に対応するデータユニットとなる。
図17(b)は、1つの集合位置情報が位置情報のみで構成される例である。
図17(c)は、1つの集合位置情報が位置情報と現在人数で構成される例である。
図17(d)は、1つの集合位置情報が位置情報と現在人数と集合必然性レベルで構成される例である。
図17(e)は、1つの集合位置情報が位置情報と現在人数と抽出条件で構成される例である。
図17(f)は、1つの集合位置情報が位置情報と現在人数と抽出条件と位置属性と位置対応サービスデータで構成される例である。
もちろんこれ以外にも各種の内容の組み合わせが考えられる。
【0100】
これらのような集合位置情報において、位置情報は、人数管理データベース75から抽出された、人が集まっている場所としての位置P(s)を例えば緯度・経度で示す情報である。
現在人数は、その抽出された位置P(s)において登録されている現在人数の値である。また人数増加量もしくは人数増加率の値を含めるようにしてもよい。
集合必然性レベル、位置属性、位置対応サービスデータは、それぞれ図9で説明した位置管理データベース78に登録されてる情報である。
抽出条件とは、人が集まっている場所としての位置P(s)を抽出する際に、何らかの条件でフィルタリング(絞り込み)を行った場合における、その条件の内容のデータである。これについては後述する。
【0101】
このような集合位置情報は、抽出された1つの位置P(s)に対して生成される。従って、人が集まっている場所としての位置P(s)がn個抽出された場合、n個の集合位置情報が生成され、図17(a)のように集合情報ヘッダに後続されるデータ形式となる。
なお人が集まっている場所としての位置P(s)が、1つも抽出されなかった場合は、集合情報ヘッダにおいて集合位置情報のユニット数=0の情報が載せられ、集合位置情報は付加されないか、あるいはダミーの集合位置情報としてのデータユニットが付加されればよい。
【0102】
サーバ制御部72は、ステップF403において以上のような集合情報を生成したら、ステップF404で、その集合情報を通信部73から、要求情報送信元の端末装置1に送信させる。
端末装置1のシステムコントローラ10は、ステップF302で要求情報を送信させた後は、ステップF303で、サーバ装置70からの集合情報の受信を待機する。
そして集合情報が受信されたら、ステップF304に進み、集合情報の内容を記憶部17の通信データ格納部17aに記憶させる。そして集合情報の内容、即ち集合情報に含まれる各集合位置情報の内容を用いて、人が集まっている場所の告知表示のための表示データを生成する。
その後システムコントローラ10はステップF305で、地図データベース71cに記憶されている地図描画データを用いて表示部14に地図画像を表示させるとともに、その地図画像上で、人が集まっている場所の告知表示としての表示データを重畳表示させるように制御する。
【0103】
以上の動作により、端末装置1のユーザは、表示部14において、地図画像上で、人が集まっている場所を示した表示を見ることができる。
表示例については後述する。
【0104】
[7.集合情報表示のための動作例II]
次に図18で集合情報表示のための動作例IIを説明する。これは単に人が集まっている場所としての条件だけでなく、どのような人たちが集まっているかを、ユーザが指定できるようにした例である。
【0105】
端末装置1のユーザは、地図画像上で人が集まっている場所の表示を見たい場合は、例えば操作部16により所定の表示要求操作を行う。
システムコントローラ10は、表示要求操作に応じて処理をステップF311からF312に進め、ここで抽出条件情報を生成する。
例えば表示部14において、抽出条件の選択を求める表示を行い、ユーザに入力を促す。例えば「子供」「大人」「20才代」「30才〜35才」「50才以上」などの年齢的な条件や、「男」「女」という性別、或いは「音楽の好きな人」「ショッピングの好きな人」などの趣味、嗜好などの条件をユーザが任意に選択できるようにすればよい。
そしてユーザの選択入力に応じて、抽出条件としての情報を生成する。
【0106】
抽出条件情報を生成したら、システムコントローラ10はステップF313で要求情報を生成する。
この場合、要求情報は図16(c)に示すように、要求情報ヘッダ、ユーザIDに加えて、抽出条件情報を含むものとして生成する。或いは、要求情報は図16(d)に示すように、要求情報ヘッダ、ユーザID、位置情報に加えて、抽出条件情報を含むものとして生成する。
要求情報を生成したら、システムコントローラ10はステップF314で、その要求情報を通信部18からサーバ装置70に対して送信させる。
【0107】
サーバ装置70側では、端末装置1からの要求情報に応じてステップF411〜F414の処理が行われる。
サーバ制御部72は、通信部73が或る端末装置1からの要求情報を受信したら、処理をステップF411からF412に進め、データベース管理部74に検索を指示する。
この場合、データベース管理部74に対して、「人が集まっている場所」を検索させるとともに、要求情報に含まれる抽出条件情報に基づくフィルタリングを指示する。
【0108】
データベース管理部74は、人数管理データベース75や登録ユーザデータベース76を用いて、現在、抽出条件情報に合致する人が集まっている場所を抽出する。
抽出処理方式は多様に考えられるが、以下の(A)(B)のような処理が例として挙げられる。
(A) まず人数管理データベース75から、上述した(s1)〜(s6)の方式で、「人が集まっている場所」としての1又は複数の位置P(s)を抽出する。その後、抽出された各位置P(s)について登録されている各ユーザIDについて、登録ユーザデータベース76の登録属性情報(年齢、性別、趣味・嗜好の情報)を参照し、抽出条件に合致しないユーザを除外する。その除外したユーザ数を、人数管理データベース75の現在人数から減算することで、その位置P(s)に、抽出条件に合致する人が何人居るかがわかる。この人数を所定の基準人数と比較することで、「特定の抽出条件の人が多く集まっている場所」であるか否かが判定できる。
(B) 登録ユーザデータベース76から、登録属性情報を参照して、抽出条件情報に合致するユーザIDを抽出する。そして条件に合致するユーザIDについての最新更新情報を参照し、現在の位置を集計する。この集計結果としての各位置の人数を、所定の基準人数と比較することで、各位置が「特定の抽出条件の人が多く集まっている場所」であるか否かが判定できる。
【0109】
例えばこのようにして、抽出条件情報に合致する人がたくさん集まっている場所としての位置が抽出される。
続いてサーバ制御部72はステップF413で、データベース管理部74から、抽出条件情報に合致する人が集まっている場所としての抽出結果情報を受け取り、集合情報を生成する。
集合情報の内容は、上述した図17のようになる。特にこの場合、集合位置情報において図17(e)(f)のように、抽出条件情報を付加することも好適となる。
【0110】
サーバ制御部72は、ステップF413において以上のような集合情報を生成したら、ステップF414で、その集合情報を通信部73から、要求情報送信元の端末装置1に送信させる。
端末装置1のシステムコントローラ10は、ステップF314で要求情報を送信させた後は、ステップF315で、サーバ装置70からの集合情報の受信を待機する。
そして集合情報が受信されたら、ステップF316に進み、集合情報の内容を記憶部17の通信データ格納部17aに記憶させる。そして集合情報の内容、即ち集合情報に含まれる各集合位置情報の内容を用いて、人が集まっている場所の告知表示のための表示データを生成する。
その後システムコントローラ10はステップF317で、地図データベース71cに記憶されている地図描画データを用いて表示部14に地図画像を表示させるとともに、その地図画像上で、人が集まっている場所の告知表示としての表示データを重畳表示させるように制御する。表示例は後述する。
【0111】
以上の動作により、端末装置1のユーザは、表示部14において、地図画像上で、特定の抽出条件に合致した人が集まっている場所を、表示により知ることができる。
なお、抽出条件情報に応じて行われるサーバ装置70側のフィルタリングの例は多様に考えられるため、まとめて後述する。
【0112】
[8.集合情報表示のための動作例III]
上記動作例I、IIでは、端末装置1側からの要求情報に応じてサーバ装置70が集合情報を端末装置1に送信する例を示したが、サーバ装置70が逐次端末装置1に対して集合情報を送信する例も考えられる。これを動作例IIIとして説明する。
【0113】
図19は、動作例IIIとしての端末装置1のシステムコントローラ10の処理と、サーバ装置70のサーバ制御部72の処理を示している。
サーバ制御部72は、ステップF421として、例えば定期的なチェックタイミングを監視している。
チェックタイミングとなったら、サーバ制御部72は処理をステップF422に進め、データベース管理部74にデータベースチェックを指示する。
【0114】
データベース管理部74は、指示に応じて人数管理データベース75を検査し、人の集まり具合の変化した位置が存在するか否かを判定する。
データベース管理部74は、データベースチェックを指示される毎に、上述した(s1)〜(s6)のような処理方式で、「人が集まっている場所」の抽出を行い、その抽出結果に応じて状況変化の有無を判定すればよい。
例えばデータベース管理部74は、前回のチェックタイミングでの抽出処理で、「人が集まっている場所」として抽出した位置P(s)を記憶しておく。そして、今回のチェックタイミングで、基準人数以上に人が集まっている位置を抽出し、その抽出結果としての1又は複数の位置P(s)が、前回の抽出結果としての1又は複数の位置P(s)と一致しているか否かを判定する。
ある位置が、「人が集まっている場所」に該当しなくなっていたり、前回抽出されなかったのに今回は「人が集まっている場所」として抽出された位置が存在すれば、状況変化があったと判定する。
【0115】
データベース管理部74から状況変化無しの結果を受けた場合、サーバ制御部72は処理をステップF423からF421に戻し、次のチェックタイミングを待機する。
一方、データベース管理部74から状況変化有りの結果を受けた場合、サーバ制御部72は処理をステップF423からF424に進め、集合情報を生成する。即ち、データベース管理部74によって行われた今回の抽出結果としての位置の情報を受け取り、抽出された各位置に対応して図17(b)〜(f)のような集合位置情報を生成し、この集合位置情報としてのデータユニットを含む、図17(a)の集合情報を生成する。
そしてサーバ制御部72は、ステップF425において、集合情報を通信部73から、端末装置1に送信させる。この場合は、特定の端末装置1ではなく、多数の端末装置1に対して送信するようにすればよい。
【0116】
端末装置1のシステムコントローラ10は、ステップF321で、サーバ装置70からの集合情報の受信を待機する。
そして集合情報が受信されたら、ステップF322に進み、集合情報の内容を記憶部17の通信データ格納部17aに記憶させる。そして集合情報の内容、即ち集合情報に含まれる各集合位置情報の内容を用いて、人が集まっている場所の告知表示のための表示データを生成する。
その後システムコントローラ10はステップF323で、地図データベース71cに記憶されている地図描画データを用いて表示部14に地図画像を表示させるとともに、その地図画像上で、人が集まっている場所の告知表示としての表示データを重畳表示させるように制御する。表示例は後述する。
【0117】
以上の動作により、端末装置1のユーザは、特に操作を行わなくとも、サーバ装置70側から集合情報が送信されて来ることに応じて、表示部14において、地図画像上で、現在人が集まっている場所を知ることができる。
【0118】
[9.抽出条件によるフィルタ処理例]
ところで上記動作例IIでは、端末装置1のユーザが、年齢、性別、趣味嗜好などの抽出条件を指定し、サーバ装置70側では抽出条件によるフィルタリングを行い、抽出条件に合致した人が集まっている場所を抽出する例を述べた。
一方、図15の左側の処理として述べた端末装置1側の処理のように、特に端末装置1のユーザが抽出条件を指定しなくても、サーバ装置70側でフィルタリングすることもできる。例えば図15の左側の端末装置1の処理と、図18の右側のサーバ装置70側の処理を組み合わせた動作例も考えられる。さらに、図19におけるサーバ装置70側の処理において、フィルタリングを行うことも考えられる。
ここでは、これらのシステム動作に適用できるフィルタ処理例の具体例を各種挙げていく。
【0119】
サーバ装置70側の人が集まっている場所としての位置P(s)の抽出を、地域範囲でフィルタリングする例が考えられる。
例えば端末装置1のユーザが、抽出条件情報として、特定の地域範囲を指定する。例えば地名、地区名、地図画像上での範囲指定などで、地域範囲を指定する。端末装置1は、その指定された地域範囲の情報を抽出条件情報として付加して、図16(c)(d)のような要求情報を送信する。サーバ装置70側では、その抽出条件に該当する範囲内の位置を対象として、人が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。
【0120】
また、端末装置1のユーザが抽出条件を指定しなくとも、端末装置1の現在位置を基準として特定の地域範囲を検索対象とすることもできる。
端末装置1が図16(b)(d)のように要求情報に位置情報を含むようにすることで、サーバ装置70側では、現在の端末装置1のユーザは居る位置を特定できる。そこでサーバ装置70側では、要求情報に含まれる位置情報(ユーザの現在位置)を中心として、例えば半径xkmの範囲、或いは同一の市内、同一の県内などとして、地域範囲を設定する。そしてその地域範囲内の位置を対象として、人が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。
【0121】
また、要求情報に位置情報が含まれなくとも、端末装置1(この場合端末装置1Bは除く)は図10の処理で現在状況情報を送信し、逐次、現在位置をサーバ装置70側に伝えている。従って、サーバ装置70側では、ユーザIDから、登録ユーザデータベース76を検索して現在のユーザの位置を確認できる。その場合、確認されたユーザの位置を基準として、径xkmの範囲、或いは同一の市内、同一の県内などとして、地域範囲を設定し、その地域範囲内の位置を対象として、人が集まっている場所を検索して集合情報を生成することもできる。
【0122】
本例の目的の1つは、端末装置1のユーザに、人が集まっている場所を興味深い出来事が起きている場所として通知することであるが、ユーザが行けないような遠い場所ではあまり意味がない。そのことを考慮すれば、ユーザの現在位置を基準とした地域範囲によるフィルタリングは、ユーザにとって有効な情報提供ができるという点で適している。
一方、ユーザが地域範囲を抽出条件として指定する場合、ユーザは、自分が居る位置に関わらず、遠く離れた地域での人の集まり具合を知ることもできるようになる。例えばユーザが、或る地域について、その場所に行く目的ではなく、例えば調査、研究などのために人の集まり具合を知りたいような場合、自分の位置とは関わりなく、任意の場所の人の集まり具合を見ることができるということでは、好適となる。
なお、地域範囲によるフィルタリングを行えば、人が集まっている場所としての位置の抽出処理も効率化できる。
【0123】
次に、人物の属性によるフィルタリングが考えられる。
上述したように、端末装置1のユーザが、抽出条件情報として、年齢、性別、趣味・嗜好を選択し、端末装置1は、その指定された抽出条件情報を付加した図16(c)(d)のような要求情報を送信する。サーバ装置70側では、その抽出条件に該当する人物が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。
これにより、端末装置1のユーザは、例えば女性が集まっている場所、子供が集まっている場所、音楽趣味の人が集まっている場所など、任意の条件で人が集まっている場所の情報を知ることができる。
【0124】
また、上記図18の例では、端末装置1のユーザが、抽出条件を指定するものとしたが、サーバ装置70側で自動的に人物の属性によるフィルタリングを行うことも考えられる。端末装置1からの要求情報にはユーザIDが含まれており、サーバ装置70側では登録ユーザデータベース76により、その端末装置1のユーザの登録属性情報を管理している。つまり端末装置1のユーザの年齢、性別、趣味・嗜好を判別できる。すると、サーバ装置70側では、端末装置1のユーザの年齢、性別、趣味・嗜好を抽出条件として、これらがユーザに一致する人が多く集まっている場所を検索できることになる。
つまり端末装置1のユーザにとっては、自分と同じ性別、年齢層、趣味・嗜好の人が集まっている場所の情報を知ることができる。
【0125】
また、滞在時間によるフィルタリングも考えられる。
例えば端末装置1のユーザが、抽出条件情報として、滞在時間が10分以上、などの条件を入力する。端末装置1は、その指定された抽出条件情報を付加した図16(c)(d)のような要求情報を送信する。サーバ装置70側では、登録ユーザデータベース76において各ユーザIDについての滞在時間を管理しているため、滞在時間が10分以上というようなユーザIDを抽出できる。そしてその抽出条件に該当する人物が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。
これにより、端末装置1のユーザは、例えば滞在時間の長い人が集まっている場所というような情報を知ることができる。
【0126】
また、端末装置1のユーザが指定しなくても、サーバ装置70側で滞在時間によるフィルタリングを行うようにしてもよい。例えば大都市の中心街の交差点、或いはイベント会場の周囲の道路などは、多数の人が存在しているが、その殆どは移動している人であるという状況もある。このため、滞在時間が短い人物は、その場所に居る人ではない、と推定し、その位置における現在人数に含めないようにするフィルタリングも有効である。
【0127】
次に、人物の状況によるフィルタリングが考えられる。
人物の状況とは、生体情報や、その生体情報から推定される心理状況であったり、運動情報で示される動作状態などである。
例えば「ドキドキしている人」という抽出条件に応じて、サーバ装置70側では登録ユーザデータベース76の生体情報を参照し、心拍数が所定値以上の人を抽出対象とするフィルタリングを行うことができる。すると端末装置1のユーザは、結果としてドキドキしている人が集まっている場所を知ることができる。
同様に、心理状態として「興奮している人」「楽しさを感じている人」などを抽出条件とすることで、それらに該当する人が集まっている場所を知ることができる。
特にこれらの条件は、端末装置1のユーザが、何かおもしろそうなことが起こっている場所を知りたいという場合に有効である。
また、運動情報として「走っている人」などを抽出条件とすることで、それに該当する人が集まっている場所を知ることができる。
【0128】
このような生体情報や運動情報についても、ユーザが指定してもよいし、サーバ側で自動的に設定してもよい。
例えば端末装置1のユーザが、抽出条件情報として、「ドキドキしている人」などの条件を入力する。端末装置1は、その指定された抽出条件情報を付加した図16(c)(d)のような要求情報を送信する。サーバ装置70側では、登録ユーザデータベース76において各ユーザIDについての心理状態を管理しているため、ドキドキしている人に該当するユーザIDを抽出できる。そしてその抽出条件に該当する人物が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。これにより、端末装置1のユーザは、例えばドキドキしている人など、任意の生体状況等に該当する人が集まっている場所を知ることができる。
さらに、端末装置1からの要求情報にはユーザIDが含まれており、サーバ装置70側では登録ユーザデータベース76により、その端末装置1のユーザの最新更新情報を管理している。このため、端末装置1のユーザの現在の生体情報、運動情報を判別できる。従って、サーバ装置70側では、端末装置1のユーザと似た生体状況、心理状況、運動状況を抽出条件として、該当する人が多く集まっている場所を検索できることになる。
つまり端末装置1のユーザにとっては、自分と同じような状況や気分にある人が集まっている場所の情報を知ることができる。
【0129】
また、人物の分布状況によるフィルタリングも考えられる。
例えばサーバ装置70側では、人数管理データベース75や登録ユーザデータベース76により、各位置P1,P2・・・について、どのような人物の分布であるかを把握できる。
例えば集まっている人として特定の年齢層の人が集中しているか、或いは非常に多様な年齢層の人が集まっているか、などを判定できる。もちろん男女比も確認できる。
そこで、例えば特定の年齢層が支配的ではなく、多様な年齢の人が集まっている場所、男女比が同等程度の場所、などを抽出することも可能である。
【0130】
以上、フィルタリングの例を列挙したが、もちろんこれらが組み合わされたフィルタリングも可能であるし、ここで挙げていないフィルタリングの例も多様に考えられる。
【0131】
[10.表示例]
上記した集合情報表示のための動作例I、II、IIIによって、端末装置1では、サーバ装置70側から送信されてきた集合情報に基づく表示が行われる。
ここでは表示例について説明する。
【0132】
図20、図21、図22、図23は、それぞれ端末装置1又は端末装置1Bの表示部14における表示パネル14aに表示されている画像例を示したものである。
図20の例では、地図画像上に、「人が集まっている場所」に相当する位置を集合マーク31により提示している。また、自己位置表示30として、この端末装置1のユーザの現在位置をキャラクタ画像等により提示している。
【0133】
端末装置1では、サーバ装置70からの集合情報を受信した場合、その集合情報に含まれる1又は複数の位置に対応する集合位置情報により、人が集まっている場所としての位置情報を取得したことになる。そこでシステムコントローラ10は、地図データベース17cから読み出した地図描画データにより地図表示を行うとともに、位置情報で示される地図上の地点に、この図20のように集合マーク31を表示させることができる。
このように表示を行うことで、端末装置1のユーザは、人が集まっている場所を知ることができる。
また、端末装置1の自己位置表示30を行うことで、ユーザは、自分の位置と、人が集まっている場所の位置関係を容易に把握できる。
【0134】
なお、集合マーク31の表示態様は多様に考えられる。
集合マーク31としては、所定の形状のマーク、キャラクタ画像などにより表現してもよいし、地図上の位置として色を変えたり、或いは点滅させるなどの表示態様でもよい。
また、集合情報に含まれる集合位置情報が図17(c)〜(f)のように現在人数を含むものであった場合、システムコントローラ10は、その現在人数(又は増加数、増加率)に応じて集合マーク31の大きさを変えたり、色を変えたり、点滅速度を変えたりすることも考えられる。これにより、ユーザは、どのくらい人が集まっているかも知ることができる。
【0135】
図21の表示例は、上述したフィルタリングがサーバ装置70側で行われた際に、その抽出条件に応じた表示を行う例である。
例えば集合情報に含まれる集合位置情報が図17(e)(f)のように抽出条件を含むものであった場合、システムコントローラ10は、その集合位置情報で示される位置の提示の際に、抽出条件に応じて表示するキャラクタ画像を選択することができる。
【0136】
例えば抽出条件が「女性」であれば、集合マーク32のように、女性を表現するキャラクタ画像を表示させる。
また抽出条件が「走っている人」であれば、集合マーク33のように、走っている人を表現するキャラクタ画像を表示させる。
また抽出条件が「ドキドキしている人」であれば、集合マーク33のように、ドキドキしている人を表現するキャラクタ画像を表示させる。
このようなキャラクタ画像表示を行うことで、端末装置1のユーザは、どのような人が集まっているかということも知ることができる。
【0137】
なお、システムコントローラ10は、受信した集合情報における集合位置情報が図17(e)(f)のように抽出条件を含むものではなくとも、例えば図18のように端末装置1側から抽出条件を指定した要求情報を送信した場合、システムコントローラ10は、その抽出条件を記憶しておくことで、ステップF316、F317の表示処理の際に、抽出条件に応じたキャラクタ画像を選択できるため、この図21のような表示が可能となる。
【0138】
図22は、より詳細な情報をユーザに提供するような表示例である。
例えば上記図21のような表示が行われた際に、ユーザが集合マーク34を指定(例えばクリック)するような操作を行ったとする。
このような場合、システムコントローラ10は、ユーザに対して、集合マーク34に関連する付加情報表示35を実行させることができる。
もちろんユーザ操作によらず、付加情報が取得できた場合は、システムコントローラ10が自動的に図22のような付加情報表示35を実行させるようにしてもよい。
【0139】
例えば集合位置情報が図17(f)のように位置属性や位置対応サービスデータを含むものであった場合、システムコントローラ10は、その集合位置情報で示される位置に関連して位置属性や位置対応サービスデータとしての付加情報が取得されることになる。そこで、ユーザ操作に応じて、図22のように、位置属性や位置対応サービスデータに基づいた表示を実行制御できる。
位置属性とは、例えば地名、場所名、施設名、道路名、施設種別などであり、位置対応サービスデータは、その地点に関連するURL(Uniform Resource Locator)、店の広告、営業案内、画像、割引情報、一般ユーザからの投稿データとしての写真画像やコメントなどである。システムコントローラ10は、これらの情報に応じて付加情報表示35として実行できる。
例えば、この集合マーク34の場所に居る人が、アーティスト「AAA」の路上ライブに遭遇して、その撮像画像とコメントをサーバ装置70側に投稿していたとする。
このとき、図中の自己位置表示30の場所にいる端末装置1に送られる集合情報には、この撮像画像や「AAAがゲリラライブやってるよ!」というコメントデータが、位置対応サービスデータに含まれて受信させる。この際、システムコントローラ10は、自動的に、或いはユーザ操作に応じて、図22のような付加情報表示35を実行させることができる。
【0140】
なお、このような付加情報(位置属性や位置対応サービスデータ)は、集合位置情報に含まれて送受信されるものではなく、例えばユーザが集合マーク34を指定する操作を行った際に、システムコントローラ10がサーバ装置70への通信アクセス制御を行い、サーバ装置70に付加情報の送信を要求するようにしてもよい。
【0141】
また、この付加情報表示35としては、必ずしもサーバ装置70から提供される位置属性や位置対応サービスデータによらない表示も可能である。例えば図22の例では「106人がどきどきしています!」という文が表示されている。集合位置情報が図17(d)(e)のように現在人数と抽出条件を含む場合、システムコントローラ10は、その位置情報の説明としてのテキストデータを作成できる。即ち現在人数が106人、抽出条件が「ドキドキしている人」というものであれば、システムコントローラ10は、上記のテキストデータを生成し、これを付加情報表示35として表示させることができる。
【0142】
図23は、集合必然性レベルに応じた表示例である。例えば「ドキドキしている人」という抽出条件でフィルタリングした結果としてサーバ装置70から送信されてきた集合情報に基づいて集合マーク34A、34Bを表示する場合を想定する。ここで集合情報における集合位置情報は、図17(d)のように集合必然性レベルの情報が含まれているとする。
上述のように、或る場所で偶発的な出来事が起こっているか否かという観点からすれば、集合必然性レベルが高い場所に人が集まっていても、ユーザにとってさほど貴重な情報とはならない。一方、集合必然性レベルが低い場所に人が集まっていれば、その情報は貴重な情報となる。
例えば図23の集合マーク34Bの位置はコンサートホールなどであって、一方、集合マーク34Aの位置は、単なる路上であったとする。
この場合、サーバ装置70における位置管理データベース78では、集合マーク34Bの位置に関する集合必然性レベルは高く設定され、集合マーク34Aの位置に関する集合必然性レベルは低く設定される。そして、その集合必然性レベルが集合位置情報に付加されて端末装置1に送信される。
端末装置1のシステムコントローラ10は、集合必然性レベルに応じて、表示サイズを変更することができる。即ち集合必然性レベルが低い場所ほど、人が集まっていることが貴重な情報となるため、図のように大きい集合マーク34Aで表示させ、集合必然性レベルが高い場所は、小さい集合マーク34Bで表示させる。
【0143】
これによってユーザは、その偶発性な出来事という意味での人の集まり具合を判断できるようになる。
なお、ここでは集合マーク34のサイズを変えることとしたが、集合マーク34の色や、点滅速度などで、偶発性の度合いを表現してもよい。
【0144】
また、ここではシステムコントローラ10が受信した集合情報に含まれる集合必然性レベルに応じて表示サイズ等を変更するものとしたが、システムコントローラ10が地図データベース17cで把握できる施設種別などに応じて、集合必然性レベルを判断し、表示態様を選択してもよい。例えば集合情報に応じて告知表示を行う位置がコンサートホールやスポーツスタジアムなどであることが地図データベース17cで把握できれば、その場所は集合必然性レベルが高いと判断するなどである。
【0145】
以上、表示例を示したが、人が集まっている場所を提示する表示態様は、さらに多様に考えられる。
また、地図表示の際には、地図のスケールを変化させることも通常行われるが、スケールに応じて、人が集まっている場所の告知表示の数の上限数を変えることも適切である。
【0146】
[11.実施の形態の効果及び変形例]
以上の実施の形態によれば、端末装置1(1B)のユーザは、通常は、現場に居ない限りは知ることができないような出来事やイベントなどを、人が集まっている位置の情報として知ることができる。これによってユーザに対して非常に有益な情報提供が可能となる。
また単なる人の集まりでなく、どのような人々が集まっているか、どの程度の人数が集まっているかなどを表現する表示を行うことで、ユーザにとって、その場所で起きている出来事が、自分に興味のある出来事か否かの判断にも適しており、ユーザに適切な情報提供が可能となる。
【0147】
上記図15の集合情報表示のための動作例Iの場合は、端末装置1のユーザは、人が集まっている場所の情報を知りたいときに、その情報を得ることができる。
また上記図18の集合情報表示のための動作例IIの場合は、端末装置1のユーザは、特定の抽出条件に合致する人が集まっている場所の情報を知りたいときに、その情報を得ることができる。
また上記図19の集合情報表示のための動作例IIIの場合は、人が集まっている場所としての状況の変化に応じて、人が集まっている場所の情報が端末装置1のユーザに告知されるため、ユーザは偶発的な出来事が起こっている場所を、容易に知ることができる。
【0148】
本発明は上記実施の形態に限られず、装置構成例や処理例として各種の変形例が考えられる。
端末装置1,1A、1B、サーバ装置70としての上述した構成は一例にすぎず、実際に実施される動作例や機能に応じて各種の構成要素の追加や削除は当然考えられる。
例えば端末装置1、1Bおいては表示部14を備える構成としたが、表示部を備えず、別体の表示デバイスを利用して表示を実行するようにしてもよい。
【0149】
上記実施の形態では、サーバ装置70側では、ユーザIDにより端末装置1の個別管理を行うようにしているが、ユーザID等、ユーザもしくは端末装置を特定する情報を用いないシステム動作も考えられる。
即ち端末装置1,1Aから送信する現在状況情報にはユーザID等を含めないようにし、サーバ装置70では、単に現在状況情報により、各位置P1,P2・・・についての人数管理だけを行うようにする。そして、それに基づいて、集合情報を生成し、不特定の端末装置1、1Bに送信するという例である。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の実施の形態のシステム構成例の説明図である。
【図2】実施の形態の端末装置のブロック図である。
【図3】実施の形態の端末装置のブロック図である。
【図4】実施の形態の端末装置のブロック図である。
【図5】実施の形態の端末装置のブロック図である。
【図6】実施の形態のサーバ装置のブロック図である。
【図7】実施の形態の人数管理データベースの説明図である。
【図8】実施の形態の登録ユーザデータベースの説明図である。
【図9】実施の形態の位置管理データベースの説明図である。
【図10】実施の形態の現在状況情報の送受信処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態の現在状況情報の構造の説明図である。
【図12】実施の形態の人数管理データベースの更新処理の説明図である。
【図13】実施の形態の登録ユーザデータベースの更新処理の説明図である。
【図14】実施の形態の人数変化の管理処理のフローチャートである。
【図15】実施の形態の集合情報表示のための動作例Iのフローチャートである。
【図16】実施の形態の要求情報の構造の説明図である。
【図17】実施の形態の集合情報の構造の説明図である。
【図18】実施の形態の集合情報表示のための動作例IIのフローチャートである。
【図19】実施の形態の集合情報表示のための動作例IIIのフローチャートである。
【図20】実施の形態の集合マークの表示例の説明図である。
【図21】実施の形態の抽出条件に応じた集合マークの表示例の説明図である。
【図22】実施の形態の付加情報を加えた集合マークの表示例の説明図である。
【図23】実施の形態の集合必然性レベルに応じた集合マークの表示例の説明図である。
【符号の説明】
【0151】
1,1A,1B 端末装置、2 検出装置部、3 表示装置部、10 システムコントローラ、11 生体センサ部、12 運動センサ部、13 位置検出部、14 表示部、15 日時計数部、17 記憶部、18,73 通信部、70 サーバ装置、72 サーバ制御部、74 データベース管理部、75 人数管理データベース、76 登録ユーザデータベース、78 位置管理データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法、端末装置、表示方法に関し、特に、人の集合状況を情報として提供できるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2007−11391号公報
【0003】
上記特許文献1には、ユーザの主観的情報を抽出して、地図にマッピングする地図作成システムが開示されている。
これは、ユーザの行動に起因した異種電子情報を行動情報として一括に捉え、それを位置情報とともに収集、蓄積し、且つその中から場所に関する行動者の主観的情報を抽出して、それを既存の客観的地図にマッピングすることで、実社会にて行動している人々の主観的情報からなる、主観性および情報性に富む、従来にない地図を作成するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信インフラストラクチャの発達、センサネットワークの開発、ストレージデバイスの軽量化,増大化などの技術進歩とともに、一般ユーザの行動を検知したり、又は記録,蓄積したりすることで、ユーザの行動や位置、状況に応じた有益な情報や広告の提供、或いはユーザの趣向に合うようにコンテンツを推薦するシステムなどが実現可能となりつつある。
ここで、一般人にとっては、特に偶発的な出来事や、広告等の告知の無い(或いは少ない)イベントなど、予め知ることが難しい出来事が発生している場合に、そのような出来事の発生又は可能性を告知できると、有益な情報提供となる。
例えば或る場所に、通常時以上に人が集まっているとしたら、その場所で、何らかのおもしろい出来事や興味深い出来事が起こっていると推定できる。
そこで本発明では、人が集まっているということに注目し、そのような状況を情報としてユーザに提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報提供システムは、端末装置と、上記端末装置と通信可能な情報提供装置とを有するシステムである。
そしてこの情報提供システムを構成する本発明の情報提供装置は、上記端末装置との間で通信を行う通信手段と、各位置における現在の人数情報を管理する人数情報管理手段と、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を判別し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成する集合情報生成手段と、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を、上記通信手段により上記端末装置に送信させる送信制御手段とを備える。
またこの情報提供システムを構成する本発明の端末装置は、上記情報提供装置との間で通信を行う通信手段と、一体又は別体の表示部において地図画像の表示を実行させるとともに、上記情報提供装置から送信され上記通信手段により受信された集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行させる制御手段とを備える。
【0006】
上記した本発明の情報提供装置において、上記通信手段は、外部の端末装置から送信されてくる、少なくとも上記端末装置の現在位置情報を含む現在状況情報を受信するとともに、上記人数情報管理手段は、受信した上記現在状況情報に用いて、各位置における現在の人数情報を管理する。
また上記現在状況情報には、上記端末装置側の識別情報も含まれており、上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報を上記識別情報により管理する。
また上記現在状況情報には、さらに上記端末装置を所持する人物の生体情報又は運動情報が含まれており、上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報として、上記識別情報とともに上記生体情報又は上記運動情報を管理する。
また上記人数情報管理手段は、上記識別情報に対応させて、上記端末装置を使用する人物の属性登録情報を管理する。
また上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報として、上記識別情報に対応させて現在の位置での滞在時間を管理する。
【0007】
また情報提供装置における上記集合情報生成手段は、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報により、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定する。
また各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別する際、位置毎に、上記所定人数の値を異なる値として判別を行い、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、特定の地域範囲内での各位置として、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別し、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、各位置での現在人数として、所定の抽出条件に該当する人物の現在人数を判別し、該判別した現在人数が所定人数以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定する。上記抽出条件は、人物の属性登録情報、生体情報、運動情報、滞在時間の少なくとも1つを含む条件である。
また上記集合情報生成手段は、現在人数が所定人数以上である位置であって、かつ存在する人物の属性情報の分布状況に応じて、告知表示を行う位置を決定する。
【0008】
また情報提供装置における上記集合情報生成手段は、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報により、各位置での人数変化量が、所定の基準変化量以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、各位置での人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別する際、位置毎に、上記基準変化量の値を異なる値として判別を行い、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、特定の地域範囲内での各位置として、各位置での人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別し、告知表示を行う位置を決定する。
また上記集合情報生成手段は、各位置での所定の抽出条件に該当する人物の現在人数を判別し、該判別した現在人数の人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定する。上記抽出条件は、人物の属性登録情報、生体情報、運動情報、滞在時間の少なくとも1つを含む条件である。
また上記集合情報生成手段は、人数変化量が基準変化量以上である位置であって、かつ存在する人物の属性情報の分布状況に応じて、告知表示を行う位置を決定する。
【0009】
また上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該位置における現在人数もしくは人数変化量の情報を含む集合情報を生成する。
また上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該位置の決定の際の抽出条件の情報を含む集合情報を生成する。
また上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該決定した位置についての付加情報を含む集合情報を生成する。
【0010】
また、上記送信制御手段は、外部の端末装置からの要求情報を受信することに応じて、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を上記通信手段により上記端末装置に対して送信させる。
或いは上記送信制御手段は、人数状況の変化に応じた送信タイミングで、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を上記通信手段により上記端末装置に対して送信させる。
【0011】
本発明の情報提供方法は、各位置における現在の人数情報を管理するステップと、管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を決定し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成するステップと、生成された集合情報を、外部の端末装置に送信するステップとを備える。
【0012】
上記の本発明の端末装置において、受信する上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置における現在人数もしくは人数変化量の情報が含まれており、上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記現在人数もしくは人数変化量に応じて異なる態様の表示を実行させる。
また上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置の決定の際の抽出条件の情報が含まれており、上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記抽出条件に応じて異なる態様の表示を実行させる。
また上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置についての付加情報が含まれており、上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記付加情報に基づく表示を実行させる。
【0013】
本発明の表示方法は、外部の情報提供装置と通信可能な端末装置における表示方法であり、上記情報提供装置から、告知表示を行う位置情報を含む集合情報を受信するステップと、一体又は別体の表示部において、地図画像の表示を実行するとともに、上記受信した集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行するステップとを備える。
【0014】
このような本発明では、情報提供装置側では、各位置(場所)における人の集まり具合を検出管理する。そして、現在居る人数が所定人数以上、もしくは人数変化量が所定の基準変化量以上となる位置(場所)を判別し、その位置の情報を、集合情報として端末装置に提供するものである。端末装置では、集合情報に基づいた表示を行う。例えば地図画像上で、人が集まっている位置に、集まっていることを示す表示を行う。これによって端末装置のユーザは、その場所で何らかの出来事が起きていると知ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端末装置のユーザは、通常は、その特定の場所に居ない限りは知ることができないような出来事やイベントなどを、人が集まっている位置の情報として知ることができる。これによってユーザに対して非常に有益な情報提供が可能となる。
また単なる人の集まりでなく、どのような人々が集まっているか、どの程度の人数が集まっているかなどを表現する表示を行うことで、ユーザにとって、その場所で起きている出来事が、自分に興味のある出来事か否かの判断にも適しており、ユーザに適切な情報提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。説明は次の順序で行う。
[1.システム構成]
[2.端末装置構成]
[3.サーバ装置構成]
[4.端末装置からサーバ装置への現在状況情報の送信]
[5.サーバ装置における人数推移判別]
[6.集合情報表示のための動作例I]
[7.集合情報表示のための動作例II]
[8.集合情報表示のための動作例III]
[9.抽出条件によるフィルタ処理例]
[10.表示例]
[11.実施の形態の効果及び変形例]
【0017】
[1.システム構成]
図1により本実施の形態のシステム構成例を説明する。
本例のシステムは、端末装置1、1A、1Bと、サーバ装置70(情報提供装置)とが、ネットワーク60を介して通信可能とされて構成される。
【0018】
端末装置1、1A、1Bは、ユーザが所持する例えば携帯機器としての装置である。
本システムでは、多数のユーザがそれぞれ例えば端末装置1を所持していることを想定する。各端末装置1からはユーザの現在の位置情報がサーバ装置70に送信されることで、サーバ装置70は、多数のユーザの現在位置を管理する。そして「人が集まっている場所」を判別する。
そしてサーバ装置70が「人が集まっている場所」の情報を集合情報として端末装置1に送信すると、端末装置1側では、その集合情報に基づく告知表示を行う。例えば地図画像表示上で、人が集まっている場所を示すような表示を行う。
このような動作により、端末装置1のユーザは、人が集まっている場所を知ることができる。
【0019】
このようなシステム動作を実現するため、端末装置1は、現在状況情報として、少なくとも現在の位置情報を例えば定期的にサーバ装置70に送信する。位置情報と共に生体情報や運動情報を送信する場合もある。
また端末装置1は、サーバ装置70から集合情報を受け取り、その集合情報に基づく表示を行うことで、集合情報の告知をユーザに対して行うことができる。集合情報とは、基本的には、ある位置(場所)において多数の人が集まっていることを示す情報であり、端末装置1では、その集合情報に基づいて、地図画像上で多数の人が集まっている場所を示すような表示を行う。
【0020】
実施の形態としては、基本的には、端末装置1とサーバ装置70によるシステムを想定すればよいが、システム上の端末として、単にサーバ装置70による集合状況の管理のために用いられる端末装置1Aや、集合状況の管理には寄与しないが、情報提供サービスを受けることのできる端末装置1Bとしての機器も考えられるため、端末装置1A、1Bについても示している。
端末装置1Aは、現在位置情報を含む現在状況情報をサーバ装置70に送信する動作を行うが、サーバ装置70から集合情報を受信して、集合情報に基づく表示を行う機能のない機器としている。
また、端末装置1Bは、サーバ装置70から集合情報を受信して、集合情報に基づく表示を行う機能を有するが、特に現在状況情報をサーバ装置70に送信しない機器としている。
各端末装置1,1A,1Bの構成例については後述する。
【0021】
端末装置1,1A,1Bとしては、携帯電話器やPDA(Personal Digital Assistant)、小型のパーソナルコンピュータのような携帯に適した形状及びサイズの機器としてユーザが持ち歩くものでもよい。さらには、携帯電話機やPDA、パーソナルコンピュータの内蔵機能として、この端末装置1,1A,1Bとしての機能が設けられるものでもよい。
また、例えば眼鏡型、ヘッドセット型などとしてユーザが頭部に装着するものであってもよいし、腕時計型、ペンダント型などとされてユーザが装着するものであってもよい。
【0022】
端末装置1Aについては、より小型の機器として、カード状の機器、ICタグなどとして構成されてもよい。
また、端末装置1Bについては、必ずしも携帯型の機器ではなく、ユーザが自宅等に配置する機器、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータのような形態の機器であってもよいし、或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータの内蔵機能として端末装置1Bが実現されてもよい。
【0023】
サーバ装置70は、端末装置1、1Bに対して集合情報を提供する情報提供装置として機能する。
サーバ装置70は、端末装置1、1Aから送信されてくる現在位置情報についての管理を行い、各位置において、人がどの程度集まっているかを判別し、各位置での人の集合状況を管理する。また、集合状況の管理に基づいて、集合情報を生成し、端末装置1、1Bに送信する。
【0024】
ネットワーク60とは、インターネット、携帯電話通信網、PHS通信網、アドホックネットワーク、LANなど、各種考えられる。
【0025】
[2.端末装置構成]
端末装置1,1A、1Bの構成例を説明する。
まず、図2に端末装置1の構成例を示す。
端末装置1は、システムコントローラ10、生体センサ部11、運動センサ部12、位置検出部13、表示部14、日時計数部15、操作部16、記憶部17、通信部18を有する。
【0026】
システムコントローラ10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ部、インターフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、端末装置1の全体を制御する制御部とされる。
このシステムコントローラ10は内部の動作プログラムに基づいて、端末装置1内の各部の制御を行い、必要な通信動作や、集合情報に基づく表示動作等を実行させる。
【0027】
生体センサ部11は、ユーザの生体情報を検出する。生体情報とは、脈拍、心拍、心電図信号、筋電、呼吸(例えば呼吸の速さ、深さ、換気量など)、発汗、GSR(皮膚電気反応)、血圧、血中酸素飽和濃度(SpO2)、皮膚表面温度、脳波(例えばα波、β波、θ波、δ波の情報)、血流変化(近赤外分光による脳血流、抹消血流などの血流変化)、体温、眼の状態(瞳孔状態、眼の動き、まばたき等)などである。
例えばGSR(皮膚電気反応)、体温、皮膚表面温度、心電図反応、筋電心拍、脈拍、血流、血圧、脳波、発汗、体温などを検出するには、被検出者の皮膚に接触するセンサを用いることが考えられる。脳波については頭部に接触して装着されるセンサを用いる。
また、ユーザの眼の状態を検出するセンサとしては、例えばユーザの眼部を撮像するようにされた撮像部により形成できる。この場合、該撮像部が撮像したユーザの眼部の画像について画像解析を行うことで、視線方向、焦点距離、瞳孔の開き具合、眼底パターン、まぶたの開閉などを検出できる。または、ユーザの眼部に光を照射する発光部と、眼部からの反射光を受光する受光部により形成することもできる。例えば受光信号からユーザの水晶体の厚みを検知することも可能である。
生体センサ部11は、これら所要のセンサによる検出結果情報をシステムコントローラ10に出力する。
【0028】
運動センサ部12は、ユーザの運動情報を検出する。運動情報とは、ユーザの静止/歩行/走行の各状態を示す情報や、運動状態(揺れ、跳躍、歩行/走行のリズム、重心等)を示す情報、或いはユーザの身体要素である頭、腕、足、手、指などの動きを示す情報などである。
これらの運動情報は、加速度センサ、ジャイロ(角速度センサ)、振動センサなどを用いることで検出可能となる。即ち加速度センサやジャイロを備えることで、ユーザの動きに応じた信号として、例えば全身の動き、頭部の動き、首の動き、腕部の動き、脚部の動きなどを検出することができる。もちろん腕部の動き、脚部の動きなどを検出する場合は、加速度センサやジャイロがユーザの腕部や脚部に装着されるようにすればよい。
生体センサ部11は、これら加速度センサ等による検出結果情報をシステムコントローラ10に出力する。
【0029】
位置検出部13は例えばGPS受信部とされる。GPS受信部は、GPS(Global Positioning System)の衛星からの電波を受信し、現在位置としての緯度・経度の情報をシステムコントローラ10に出力する。
なお、位置検出部12としては、WiFi(Wireless Fidelity)や携帯電話会社が提供する位置情報サービスを利用するものとしてもよい。
日時計数部15は、常時日時カウント動作を行い、年月日時分秒を計数する。
【0030】
操作部16は、端末装置1を使用するユーザが各種の操作を行うためのキーやダイヤルなどの操作子として設けられている。また表示部14にタッチパネルを設け、これを操作部16としてタッチ操作可能としてもよい。
例えば、電源オン/オフ操作、表示関連操作(例えば表示モードの選択や表示調整操作)、各種設定操作などが可能とされる。
システムコントローラ10は、操作部16からの操作情報に基づいて所要の制御処理を行う。
なお本例の端末装置1は、生体センサ部11や運動センサ部12を備えるため、これらによって検出される生体情報/運動情報から、ユーザの意識的な挙動を検知して、システムコントローラ10がそれを操作入力情報と判断するようにしてもよい。
例えばユーザが端末装置1をコツコツと軽く叩くといったことを、運動センサ部12の加速度センサ、振動センサ等で検知し、これをシステムコントローラ10がユーザの操作として認識するようにすることができる。
またユーザが頭を回す、首を振るなどとすることを加速度センサや角速度センサで検知し、これをシステムコントローラ10がユーザの操作として認識するようにしてもよい。
また生体センサ部11でユーザの眼の動きを検出し、例えばユーザの意識的な挙動としての目の動き(視線方向の変化やまばたき)などを操作入力とすることも考えられる。
【0031】
通信部18は、外部機器との間でのデータの送受信を行う。この通信部18は、有線又は無線でネットワーク接続され、図1に示したネットワーク60を介してサーバ装置70と通信を行う。
【0032】
記憶部17はシステムコントローラ10の制御に基づいて各種データの記録(保存)や、記録されているデータの再生(読み出し)を行う。
この記憶部17は、RAM或いはフラッシュメモリなどの固体メモリにより構成されても良いし、例えばHDD(Hard Disk Drive)により構成されてもよい。
また内蔵の記録媒体ではなく、可搬性の記録媒体、例えば固体メモリを内蔵したメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、ホログラムメモリなどの記録媒体に対応する記録再生ドライブなどとされても良い。
もちろん、固体メモリやHDD等の内蔵タイプのメモリと、可搬性記録媒体に対する記録再生ドライブの両方が搭載されてもよい。
本例の場合、記憶部17には、特に通信データ格納部17a、検出情報蓄積部17b、地図データベース17cとしての記憶領域が用意される。
【0033】
通信データ格納部17aは、通信部18での送信/受信データのバッファリングや格納に用いられる。
検出情報蓄積部17bは、生体センサ部11で検出される生体情報、運動センサ部12で検出される運動情報、位置検出部13で検出される位置情報を記憶する。例えばシステムコントローラ10の制御に基づいて、例えば一定時間毎にこれらの情報を、日時計数部15でカウントされている日時情報とともに記憶していくようにされる。つまり検出情報蓄積部17bには、ユーザの生体情報/運動情報/位置情報が記録され、この記録された情報に基づいて、後述する現在状況情報が生成される。
地図データベース17cには、地図表示を行うための地図画像その他必要な情報が記憶されている。
【0034】
表示部14は、例えば液晶パネル、有機ELパネル等の表示パネル部と、表示パネル部を表示駆動する表示駆動部が設けられる。表示駆動部は、供給される画像データを表示パネル部において表示させるための画素駆動回路で構成されている。画素駆動回路は表示パネル部においてマトリクス状に配置されている各画素について、それぞれ所定の水平/垂直駆動タイミングで映像信号に基づく駆動信号を印加し、表示を実行させる。
この表示部14は、システムコントローラ10の制御に基づいて、表示パネル部に所定の表示を実行させる。特に本例では、システムコントローラ10は、地図データベース17cに記憶された地図画像データを用いて、表示部14に地図表示を実行させたり、さらにその地図画像上において、サーバ装置70から受信した集合情報に基づいた表示を実行させる。
【0035】
このような端末装置1は、上述したようにユーザが装着或いは所持できるように小型軽量の機器として構成されることが好適である。ここで特に生体センサ部11や、運動センサ部12による検出を適切に行うためには、検出しようとする生体情報の内容にもよるが、例えば腕時計型、眼鏡型、ヘッドセット型、帽子型、ヘルメット型、手袋型、或いは機器内蔵の衣服などの形態であって、特に一部(生体センサ部11)が被検出者の皮膚や頭部など、検出内容に応じて適切な身体部位に接触できるような形態が考えられる。
但し、少なくとも生体センサ部11(検出する運動情報の内容によっては運動センサ部12)がユーザの身体に密着できるようにすればよいことから、端末装置1を図3のように2つのユニットで形成してもよい。
【0036】
図3は、端末装置1を、検出装置部2と表示装置部3という別体のユニットで構成した例である。
検出装置部2は、生体センサ部11と、運動センサ部12と、検出情報送信部19を有する。
また表示装置部3は、システムコントローラ10、位置検出部13、表示部14、日時計数部15、操作部16、記憶部17、通信部18に加え、検出情報受信部20を備える。
検出情報受信部20と検出情報送信部19は、例えば無線通信或いは有線通信で互いに通信を行う。無線通信とする場合、例えばブルートゥース等の近距離無線通信方式を採用してもよいし、可視光又は非可視光などを用いた光パルス変調でデータ通信を行う光通信方式でもよい。もちろんより長距離に対応した無線通信方式やネットワーク通信を用いてもよい。
そしてこの図3の場合、生体センサ部11で検出される生体情報及び運動センサ部12で検出される運動情報は、検出情報送信部19から送信され、検出情報受信部20で受信される。
システムコントローラ10は、検出情報受信部20で受信された生体情報、運動情報に基づいて、キャラクタ画像の表示制御を行うことになる。
【0037】
この図3の構成の場合、検出装置部2のみを、ユーザの皮膚や頭部などの所要部位に接触できるようにすればよいため、ユーザの装着負担を軽くするような形態が可能となる。特に検出装置部2は生体センサ部11,運動センサ部12、検出情報送信部19を有する簡易な構成であるため、小型軽量化が容易であり、身体の所要部位に装着可能な機器としての実現が容易となる。
また、表示装置部3は、ユーザが所持する専用の小型機器とされてもよいが、例えば携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯可能な機器に、この表示装置部3としての機能を加えたものとしても実現可能である。
【0038】
図4は、上述した端末装置1Aの構成例を示したものである。
この端末装置1Aは、サーバ装置70に対して現在状況情報を送信する機器であり、このため、システムコントローラ10、生体センサ部11、運動センサ部12、位置検出部13、日時計数部15、記憶部17、通信部18を有するようにすればよい。
記憶部17においては、現在状況情報の内容とする位置情報、生体情報、運動情報を記憶する検出情報蓄積部17bが設けられればよい。
【0039】
図5は、上述した端末装置1Bの構成例を示したものである。
この端末装置1Bは、サーバ装置70から送信されてくる集合情報を受信し、その集合情報に基づく表示を行う機器である。このため端末装置1Bは、システムコントローラ10、位置検出部13、表示部14、操作部16、記憶部17、通信部18を有するようにすればよい。
記憶部17においては、受信した集合情報を保存するための通信データ格納部17aと、地図表示のための地図データベース17cが設けられればよい。
なお位置検出部13での位置検出は、例えば地図画像の表示の際に、その地図画像上で現在の自己位置を表示するために行われる。
【0040】
図2,図3,図4,図5に端末装置1,1A、1Bの構成例を挙げたが、実際にはそれぞれ多様な構成の変形例が考えられる。
即ち、少なくとも後述する各種の動作例や通信するデータの構造などに応じて、必要な部位が設けられると考えればよく、上記各図に図示した構成の削除や追加は多様に考えられる。
例えば端末装置1,1Aとして、生体センサ11、運動センサ12の無い構成も考えられる。
また、端末装置1、1Bとして地図データベース71cは必ずしも必要ではない。地図データベース17cは、表示部14での地図表示を行うために用いるのであるが、例えば地図表示の際にサーバ装置70から地図描画データがダウンロードされるようにすれば、地図データベース17cを備えなくとも、地図画像表示を行うことができる。
【0041】
[3.サーバ装置構成]
次に図6に、サーバ装置70の構成例を示す。
上述したようにサーバ装置70は、例えばネットワーク60を介した通信により、端末装置1(又は1A:以下省略)から送信されてくる現在状況情報を取り込んで、各位置の集合状況を把握するとともに、人が集まっている場所を示す集合情報を生成し、集合情報を端末装置1(又は1B:以下省略)に送信する装置である。
サーバ装置70は、サーバ制御部72、ネットワークストレージ部71、通信部73、データベース管理部74、人数管理データベース75、登録ユーザデータベース76、地図データベース77、位置管理データベース78を備える。
【0042】
サーバ制御部72は、サーバ装置70としての必要な動作制御を行う。特には、ネットワーク通信動作の制御や、端末装置1からの現在状況情報が送信されてきた際の処理制御、端末装置1に対する集合情報の送信に関する制御などを行う。
ネットワークストレージ部71は、例えばHDD等により実現され、例えば端末装置1とのネットワーク60を介した通信による送受信データを一時的に保存したり、各種必要なデータの保存などに用いられる。
通信部73は、端末装置1との間で、ネットワーク60を介したデータ通信を行う。
【0043】
データベース管理部74は、人数管理データベース75、登録ユーザデータベース76、地図データベース77、位置管理データベース78のそれぞれについての管理を行う。即ち各データベースについての更新処理、検索処理、読出処理などを行う。
【0044】
人数管理データベース75は、各位置での現在人数の管理を行うデータベースである。
この人数管理データベース75は例えば図7(a)のような構造とされる。即ち地図上の各位置(P1,P2,P3・・・)に対応させて、その位置における現在居る人の人数を常時更新しながら管理する。またユーザIDとして、その現在居る人の識別情報が更新登録される。
管理の単位となる位置P1,P2,P3・・・とは、それぞれが緯度・経度によって表現される1つの位置でもよいし、地名、地区名などに応じた位置でもよい。また、地図上でエリア分割して設定した位置でもよい。あくまで、端末装置1側で検出される位置情報によって判別できる「場所」の単位が設定されればよいものである。
ユーザIDは、端末装置1のユーザに固有に設定された識別情報であり、このユーザIDとは、端末装置1に個別に付与された装置IDであってもよい。
【0045】
後述するが、端末装置1又は1Aからは、現在状況情報として、ユーザIDと現在の位置情報が少なくとも送信されてくる。サーバ装置70側では、現在状況情報を受信する毎に、人数管理データベース75を更新していく。例えば受信した現在状況情報としてユーザIDが「UID1」であって、位置情報が位置P1に相当する位置であった場合、この人数管理データベース75において、位置P1についてユーザID「UID1」を登録する。現在人数は、登録されたユーザIDの数として管理できる。
【0046】
図7(b)は、人数管理データベース75の他の構造例を示している。例えば図7(a)と同様に位置(P1,P2,P3・・・)に対応させて、現在人数及びユーザIDを管理するが、さらに、単位時間x分ごとの人数の変動を管理できるように、人数経過情報としてx分前の人数、2x分前の人数、3x分前の人数を、それぞれ登録する。
このように過去の人数についても或る程度、登録情報として残しておくことで、サーバ装置70側では各位置における人数変化を把握できることになる。
例えばこの図7(b)の例の場合、位置P1では、徐々に人が増えている状況が確認でき、また位置P3では、人が減っている状況が確認できる。
【0047】
登録ユーザデータベース76は、本例のシステムによる情報提供サービスに登録したユーザの情報を管理するデータベースである。
例えば図8に登録ユーザデータベース76の構造例を示す。
ここでは登録ユーザデータベース76には、例えば予めユーザが通知した属性登録情報や、最新の状況を示す最新更新情報が登録される例としている。
【0048】
登録ユーザデータベース76では、ユーザIDで識別される個々のユーザに対応して属性登録情報や最新更新情報が登録される。
まず属性登録情報とは、本例のシステムによるサービスを享受するためにユーザが予め通知した情報である。例えばサービス享受の際に、属性登録情報を端末装置1から送信することで、この登録ユーザデータベース76に登録される。
その属性登録情報の内容としては、年齢、性別、趣味嗜好情報UPDなどが想定される。趣味嗜好情報UPDとしては、例えば趣味等のジャンルとしての音楽、スポーツ、グルメ、ショッピングなどの内容や、さらにそれらを細分化した内容(例えば音楽であれば、ロック、クラシックなどの音楽ジャンル)などが考えられる。
【0049】
またユーザIDに対応する最新更新情報は、端末装置1から送信されてくる現在状況情報として通知される情報である。即ち現在状況情報が送信されてくるたびに更新される情報であり、例えば日時TM、現在位置、生体情報BD、運動情報PD、滞在時間STMなどがある。
端末装置1から送信されてくる現在状況情報の内容例は図11で後述するが、少なくともユーザIDと日時情報と位置情報が含まれる。このため、現在状況情報が送信されたきた場合、この登録ユーザデータベース76において、少なくとも日時TMと、現在位置の内容は更新される。例えば或る端末装置1から、ユーザID=UID1の現在状況情報が送信されてきた場合、この登録ユーザデータベース76においてはユーザID=UID1の登録情報として日時、位置が更新される。
位置の情報としては、例えば図7の人数管理データベース75で示した位置P1,P2・・・と同じ位置情報が記憶される。例えば現在状況情報で送信されてきた位置情報(緯度・経度)が、人数管理データベース75における位置P3に相当する場合、登録ユーザデータベース76の最新更新情報の位置の情報として「P3」と登録される。
また、現在状況情報に生体情報や運動情報が含まれている場合、登録ユーザデータベース76において、生体情報BD、運動情報PDとしての内容も更新される。
この日時TM、位置、生体情報BD、運動情報PDを含む最新更新情報は、各ユーザについての最新の状況を管理するためのものとなる。
【0050】
また、滞在時間STMは、ユーザが現在の場所に滞在している時間を示す情報である。例えば図のようにユーザID=UID1のユーザの現在の位置が位置P3である場合、この位置P3に滞在している時間が滞在時間STMとして示される。
例えば現在状況情報を受信して最新更新情報を更新する際には、位置の情報に変化があるか否かを確認し、変化が無ければ、それまで記憶されていた日時と、今回の現在状況情報で示される日時との差分時間を、それまでの滞在時間STMの値に加算することで、現在までの同じ位置での滞在時間を算出することができる。もちろん、今回の現在状況情報で示される位置が、それまで記憶されていた位置と異なる場合は、滞在時間STM=0にリセットすればよい。
【0051】
この図8のような登録ユーザデータベース76により、サーバ装置70では、各端末装置1のユーザについての属性(年齢、性別、趣味嗜好)や、最新の状況として、現在(現在に近い時点)で、どこに居て、どのような生体状況や運動状況にあるか、さらには現在の場所にどのくらい滞在しているか、ということを管理把握できることになる。
【0052】
図6の構成における地図データベース77は、緯度・経度を基準とした地図情報を記憶する。例えば緯度・経度と、上記人数管理データベース75や登録ユーザデータベース76で用いる位置P1,P2・・・を対応づける処理の際などに参照されたり、次に述べる位置管理データベース78の作成の際などに参照される。
【0053】
位置管理データベース78は、人数管理データベース75や登録ユーザデータベース76で用いる位置P1,P2・・・のそれぞれについての情報として、位置属性ZD、平均集合レベル、集合必然性レベル、位置対応サービスデータPSDが登録される。
位置属性ZDとは、各位置についての属性を示す内容とされる。例えば、その位置についての地名、地域名、道路名、建物・施設などの名称、或いは建物、施設、場所などの種別などである。ここでいう種別とは、例えば店舗、競技場、公園、畑、駅などの種別が想定される。
【0054】
平均集合レベルとは、通常、その位置にどの程度人が集まるかを示す情報を、n段階のレベルで示した情報である。
例えば人口の多い/少ない地域であるか、住宅地/繁華街の別などによっては、平均的に居る人の数は異なる。例えば東京の新宿、渋谷の繁華街におけるある位置Pxでは、常時非常に多数の人が居るが、地方都市の繁華街における位置Pyでは平均的な人の数は、さほどでもない。また農村等であれば、例えば駅前である位置Pzなどであっても、殆ど人がいないという状況がある。
本システムは、人が集まっている場所を端末装置1のユーザに提示するサービスを行うものであるが、「人が集まっている場所」を、「何か興味深い出来事が起こっている場所」としてユーザに提示するには、通常より多く人が集まっている場所を抽出する必要がある。例えば渋谷区内の或る位置Pxでは、日常平均的に100人程度が居るとすると、100人の集合が検出されたとしても、それが「何か興味深い出来事が起こっている場所」とは推定しにくい。このような場所では、「何か興味深い出来事が起こっている場所」と判断する基準を、より多数の人数に引き上げることが適切である。
一方、農村の駅前の位置Pz集会場では、通常殆ど人がいないため、10人程度が集まっていれば、何らかの出来事が起こっている場所と推定できる。
このように、人が集まっている場所を、通常時より人が多く集まっているか否かを判断する際には、通常時の平均的な人の数を基準にして判断することが適切となる。
そこで、位置管理データベースには平均集合レベルとして、通常時の人の数のレベルを設定して管理しておき、人が集まっているか否かの判断を、レベルに応じて行うようにする。
【0055】
集合必然性レベルとは、人がよく集まる場所であるか否かとしてのレベルを設定して登録したものである。
本例のシステムは、例えば予め予定され、一般に広告されたイベント等をガイドすることよりも、偶発的な出来事が発生したと思われる場所をガイドすることに重点を置く。
例えばスポーツスタジアムでの競技開催中であったり、ライブハウス、コンサート会場、劇場などでの開演中であれば、その場所には必然的に人が集まっているといえる。つまり例えばスタジアム、ライブハウス等は、人が集合する必然性が高いといえる。
一方、そのような人の集まる施設ではなく、或る路上、街角、公園など、特に人が集まる必然性が小さい場所もあるが、そのような場所に人が集まっている場合は、その場所で何らかの偶発的な出来事や、ゲリラライブなど広告されていないイベントが発生していると推定できるものとなる。
そこで各位置P1,P2・・・について、集合必然性レベルとして、人が集まる必然性をm段階のレベルに設定して登録しておく。この集合必然性レベルを参照することで、ある位置について人が集まっていることが検出された場合、その人が集まっていることが必然的なことか、偶発的なことかの判断に用いることができる。
【0056】
位置対応サービスデータPSDとは、各位置に対応した付加情報である。例えば店舗等の営業施設に相当する位置Pxであれば、その位置Pxについての位置対応サービスデータPSDとして、店の広告、営業案内、画像、ホームページアドレス、アドレスリンク、割引情報などの情報が登録される。また、その位置についてのユーザからの投稿データとしての写真画像やコメントなどのデータが位置対応サービスデータPSDとして登録されるようにしてもよい。
【0057】
このように位置管理データベース78では、位置P1,P2・・・の各地についての情報を登録しておき、端末装置1のユーザに告知する集合情報の生成の際に参照できるようにする。
【0058】
[4.端末装置からサーバ装置への現在状況情報の送信]
以上の端末装置1(1A,1B)とサーバ装置70で構成される情報提供システムとしての動作例を説明する。
まず、ここではサーバ装置70における、各位置の人数管理のために行われる現在状況情報の通信動作について述べる。
【0059】
上述のようにユーザが所持する端末装置1又は端末装置1Aはサーバ装置70に対して現在状況情報の送信を行う。、
例えば端末装置1(又は1A)が定期的なタイミングで自動的に、サーバ装置70に対して現在状況情報の送信を行う場合の処理を図10に示す。
端末装置1(又は1A)のシステムコントローラ10は、定期的に図10の左側に示す処理を実行し、これに応じてサーバ装置70のサーバ制御部72は、図10の右側に示す処理を行う。
【0060】
まず端末装置1のシステムコントローラ10は、ステップF101で送信タイミングを監視する。例えば30秒間隔、1分間隔、或いは数分間隔などとしての一定時間毎が送信タイミングと設定されており、システムコントローラ10はタイムカウントにより、この送信タイミングとなったか否かを判別する。
【0061】
送信タイミングとなったら、システムコントローラ10は処理をステップF102に進め、現在状況情報を生成する。
なお、端末装置1では、システムコントローラ10は常時、生体センサ部11で検出される生体情報や、運動センサ部12で検出される運動情報としての検出値を、記憶部17の検出情報蓄積部17bに記憶する動作を実行させている。また位置検出部13で検出される位置情報(例えば緯度・経度)も、検出情報蓄積部17bに記憶させるようにしている。
或いは、送信タイミングとなってステップF102に進んだ時点で、システムコントローラ10は、生体センサ部11,運動センサ部12,位置検出部13で検出される各検出値を検出情報蓄積部17bに記憶させるようにしてもよい。
【0062】
いずれにしても、送信タイミングとなってステップF102に進んだ際には、システムコントローラ10は、このように検出情報蓄積部17bに記憶された最新の検出情報を用いて現在状況情報を生成する。
【0063】
生成する現在状況情報としての内容例を図11に示す。
図11(a)は、現在状況情報を、現在状況情報ヘッダ、ユーザID、日時情報、位置情報により構成する例である。
図11(b)は、現在状況情報を、現在状況情報ヘッダ、ユーザID、日時情報、位置情報、生体情報、運動情報により構成する例である。
図11(c)は、現在状況情報を、現在状況情報ヘッダ、ユーザID、日時情報、位置情報、生体情報により構成する例である。
図11(d)は、現在状況情報を、現在状況情報ヘッダ、ユーザID、日時情報、位置情報、運動情報により構成する例である。
現在状況情報の内容例は他にも考えられるが、現在状況情報の内容としてどのような情報を含むようにするかは、システム動作形態や端末装置1の構成によるものとなる。
【0064】
現在状況情報ヘッダには、現在状況情報であることの識別コードや、同期信号、データサイズ、情報のエンコード方式など、送信する現在状況情報としての基本的事項が含まれる。
ユーザIDは、ユーザ固有に付与されたユーザ識別情報である。これは端末装置1に固有に付与された識別情報であってもよい。
日時情報は、現在の年月日時分秒の情報である。システムコントローラ10は、日時計数部15で計数されている現在日時の値を、この現在状況情報に付加する。
位置情報は、位置検出部13で検出されて検出情報蓄積部17bに取り込まれていた位置情報(緯度・経度)である。
【0065】
現在状況情報には、少なくとも図11(a)のような情報が含まれるが、図2、図3、図4に示したように生体センサ部11、運動センサ部12を備える場合、図11(b)(c)(d)のように、生体情報や運動情報を現在状況情報に含むようにすることもできる。
【0066】
ここで生体情報とは、上述したように例えば心拍数、脈拍、脳波、血圧、皮膚電気反応などの検出値そのものとすればよいが、これらの生体情報検出値から推定されるユーザの心理情報を含むようにしてもよい。
例えば緊張状態、興奮状態、快適状態などに伴う生体情報の数値の変動に基づいてユーザの感情(楽しい、おもしろい、うれしい、悲しい、恐ろしい、穏やか、懐かしい、感動、驚愕、興奮、緊張等)を推定することができる。例えば心拍数、脈拍、脳波、血圧、皮膚電気反応などは心理変化により検出値も変動するためである。例えば心拍数や呼吸情報から、ユーザがドキドキしている状況にあるか否かを判定できる。
さらに視覚センサによる瞳孔の状態、視線の動きによっても、ユーザの状況(落ち着いている、焦っている等)を判定できる。
さらに、運動センサ部12によって検出されるユーザの身体の動きを、ユーザ状況の判定に用いても良い。例えば脈拍等が早くなった場合に、緊張や興奮が原因の場合もあれば、ユーザが走っているなど運動したことが原因の場合もある。これらの判別に為に、加速度センサ等の情報を参照するようにすることもできる。
システムコントローラ10は、このように判定した心理情報を、生体情報の1つとして現在状況情報に含ませるようにすることができる。
【0067】
なお、心理状態を推定するのにはある程度の時間が必要であり、一時的に生体センサ部11の検出情報を取り込むだけでは的確な心理状態を推定できない場合がある。即ち生体から得られる信号としての生体センサ部11の検出情報は時々刻々とその値が変化するものであり、或る瞬間の値を見ただけではどのような心理状態にあるのかがわかりにくい。または継続的な感情の変化によって、心理状態の判定のための閾値を変化させたほうがよい場合もある。
そこで、或る程度の過去からの継続的な生体情報/運動情報の変化を参照して心理判定を行うようにすることも適切である。即ち検出情報蓄積部17bに記憶された生体情報を時系列に検査し、或る程度過去の時点から(例えば数分前から)の生体情報を参照して心理判定を行うことも適切である。
【0068】
システムコントローラ10は、ステップF102で図11に例示したような現在状況情報を生成したら、ステップF103で、その現在状況情報を通信部18からサーバ装置70に対して送信させる。
端末装置1では、定期的な送信タイミング毎に、以上のステップF102,F103の処理を行うことになる。
なお、必ずしも定期的でなくてもよく、ユーザ操作、或いは周囲環境、或いは現在位置の変化など、何らかのトリガに応じてステップF102,F103の処理を行うようにしてもよい。
【0069】
サーバ装置70側では、サーバ制御部72はステップF201,F202,F203の処理を行う。
即ち、或る端末装置1からの現在状況情報が通信部73で受信されたら、サーバ制御部72は処理をステップF201からF202に進め、受信し、デコードされた現在状況情報の内容をネットワークストレージ部71に取り込む。
そしてステップF203では、取り込んだ現在状況情報に含まれる必要な情報をデータベース管理部74に転送し、データベース更新を指示する。
データベース管理部74は、人数管理データベース75及び登録ユーザデータベース76に関しての更新処理を次のように行うことになる。
【0070】
まず人数管理データベース75については、受信されたら現在状況情報における位置情報とユーザIDを参照して更新処理を行う。
人数管理データベース75の更新処理例を図12に示す。
【0071】
データベース管理部74は、ステップF211で、受信された現在状況情報における位置情報としての例えば緯度、経度の情報を、人数管理データベース75で管理する位置P1、P2・・・のいずれに相当するかを判別する。判別した位置をP(x)とする。
もちろん、人数管理データベース75での位置P1,P2・・・が緯度、経度の値そのものである場合はそのままでよいが、例えば緯度・経度としての検出位置の細かさと、位置P1,P2・・・としての範囲が一致していない場合は、緯度・経度に対応するデータベース管理上の位置Pを判別する。
【0072】
次にデータベース管理部74はステップF212で、受信した現在状況情報におけるユーザIDと一致するユーザIDが、人数管理データベース75に登録されているか否かを検索する。図7に示したように、人数管理データベース75には、各位置P1,P2・・・について、現在居る人をユーザIDで登録しているものであるが、これらの中に、受信したユーザIDが存在するか否かを判別するものである。
【0073】
一致するユーザIDが見つからなかった場合は、データベース管理部74はステップF213からF218に進み、位置P(x)についてのユーザIDとして、受信したユーザIDを追加するとともに、位置P(x)の現在人数の値を+1する。
【0074】
一致するユーザIDが見つかった場合は、データベース管理部74はステップF213からF214に進み、位置P1,P2・・・のうちで、その検索された該当のユーザIDが登録されている位置を位置P(y)とする。
そしてステップF215で位置P(x)=位置P(y)であるか否かを判別する。位置P(x)=位置P(y)とは、現在登録されている内容と変化がないということを意味する。つまり、今回受信した現在状況情報の送信元の端末装置1のユーザは、前回現在状況情報を送信した時と、同じ位置に居るということである。
この場合は、更新は必要ないため、そのまま処理を終える。
【0075】
一方、ステップF215で位置P(x)=位置P(y)ではないと判定したら、ユーザが前回の現在状況情報の送信時とは異なる位置に移動したものであるため、ステップF216に進んで更新を行う。
まずステップF216では、位置P(y)において登録されている該当のユーザIDを消去する。また位置P(y)における現在人数の値を−1する。
ステップF217では、位置P(x)についてのユーザIDとして、受信したユーザIDを追加するとともに、位置P(x)の現在人数の値を+1する。
【0076】
現在状況情報を受信する毎に、データベース管理部74が以上のような処理を行うことで、人数管理データベース75には、現在の状況として、各位置P1,P2・・・についての人数と、そこに居るユーザを把握できる状態となる。
【0077】
またデータベース管理部74は、サーバ制御部72の指示に基づいて、登録ユーザデータベース76の更新処理も行う。これを図13に示す。
まずステップF221でデータベース管理部74は、登録ユーザデータベース76について、受信したユーザIDで検索を行い、受信したユーザIDが既登録か未登録かを判定する。
【0078】
受信した現在状況情報におけるユーザIDが、登録ユーザデータベース76に既登録のユーザIDであったら、ステップF222からF223に進み、まず、そのユーザIDについて登録されている最新更新情報における日時YM、位置P(z)、滞在時間STMを読み出す。
そしてデータベース管理部74は、読み出した位置P(z)が、上記図12のステップF211で判別した位置P(x)と一致しているか否かを判定する。
つまりこれも、上記図12のステップF215と同様に、ユーザが前回の現在状況情報の送信時と同じ位置に居るか否かの判定となる。
なお、ここではステップF221〜F224の処理で、ユーザID登録の有無や、ユーザの位置の移動の有無を判定するものとしているが、図12の処理を既に実行しているのであれば、これらの判定は既にデータベース管理部74においてなされているため、これらの判定処理は省略できる。
【0079】
ユーザが、前回の現在状況情報の送信時と同じ位置に居ると判定された場合は、ステップF225に進んで、滞在時間を算出する。これは登録されている滞在時間STMの値に、今回受信した現在状況情報における日時と、登録されている日時TMとの時間差を加算すればよい。つまり、
滞在時間STM=滞在時間STM+(現在状況情報に含まれる日時−日時TM)
とする。
一方、ユーザが、前回の現在状況情報の送信時とは異なる位置に移動したと判定された場合は、ステップF226に進んで、滞在時間STM=0とする。
【0080】
このように滞在時間STMを設定したら、データベース管理部74はステップF227で更新処理を行う。
即ち、登録ユーザデータベース76の該当ユーザIDのスロットとしての最新更新情報において、日時TMの値を、受信した現在状況情報における日時の値に書き換える。
また、位置の値を位置P(x)とする。
また、滞在時間STMの値を、上記ステップF225又はF226で得られた値に書き換える。
また、受信されたら現在状況情報に生体情報や運動情報が含まれていた場合は、登録ユーザデータベース76における生体情報BDや運動情報PDを、その受信した内容に書き換える。
【0081】
ステップF222で、受信した現在状況情報におけるユーザIDが、まだ登録ユーザデータベース76に未登録のユーザIDであったら、ステップF222からF228に進み、今回受信したユーザIDについての登録を行うスロットを新たに設ける。そしてステップF229で、そのスロットにおいて最新更新情報としての日時TM、位置、生体情報BD、運動情報PD、滞在時間STMを書き込む。日時TM、生体情報BD、運動情報PDは、受信した現在状況情報の内容としての値を書き込むことになる。位置は上記の位置P(x)とする。滞在時間STMは、「0」とすればよい。
【0082】
データベース管理部74は、例えば以上の処理で、現在状況情報が受信されることに応じた登録ユーザデータベース76の更新を行う。
上記図10のステップF203でのサーバ制御部72の指示により、この図12,図13の処理でデータベース更新が行われることになる。サーバ装置70側には、多数の端末装置1から逐次現在状況情報が送られて来るが、その現在状況情報の受信のたびに、このようなデータベース更新が行われることで、サーバ装置70側では多数のユーザの状況を管理できることになる。
特に、人数管理データベース75で、各位置P1,P2・・・における現在人数と、そこに居る人について管理できる。
また登録ユーザデータベース76における最新更新情報により、各ユーザの現在の位置や滞在時間、生体情報や運動情報を把握できる。
【0083】
[5.サーバ装置における人数推移判別]
ところで、人数管理データベース75の例として、図7(b)には、人数経過情報(例えばx分前の人数、2x分前の人数・・・)を登録する例を述べた。
このようなデータベース構造とする場合、単位時間毎に、図14のような処理で人数経過情報を更新することが必要となる。
【0084】
例えばサーバ制御部72は、図14のステップF210として、単位時間(x分)の経過をカウントしたら、ステップF211でデータベース管理部74に指示して、人数経過情報の更新を実行させる。
データベース管理部74が行う更新処理例としては、3x分前の人数の値を2x分前の人数の値に更新し、2x分前の人数の値を1x分前の人数の値に更新し、1x分前の人数の値を現在人数の値に更新すればよい。
このようにすれば、人数管理データベース75において、単位時間x分ごとの人数の状況の管理ができ、サーバ装置70側では、各位置P1,P2・・・についての人数変化を把握できる。
【0085】
[6.集合情報表示のための動作例I]
上記のようにサーバ装置70側で、各位置P1,P2・・・についての現在人数が管理されることで、端末装置1又は端末装置1Bに対して「人が集まっている位置」の情報を提供することが可能となる。
ここでは、サーバ装置70が、端末装置1(又は1B)に対して「人が集まっている位置」の情報を含む集合情報を提供する動作に関して説明する。
【0086】
図15は、集合情報の通信を行う際の、端末装置1のシステムコントローラ10の処理と、サーバ装置70のサーバ制御部72の処理を示している。
この図15は、端末装置1からの要求に応じて、サーバ装置70が集合情報を送信するようにした処理例である。
【0087】
端末装置1のユーザは、地図画像上で人が集まっている場所の表示を見たい場合は、例えば操作部16により所定の表示要求操作を行う。
システムコントローラ10は、表示要求操作を検知したら、処理をステップF301からF302に進め、要求情報を生成し、その要求情報を通信部18からサーバ装置70に対して送信させる。
【0088】
要求情報の構成例を図16に示すが、この場合、システムコントローラ10は図16(a)又は図16(b)のような構造の要求情報を生成して送信させることになる。
図16(a)は、要求情報を、要求情報ヘッダとユーザIDにより構成する例である。
図16(b)は、要求情報を、要求情報ヘッダ、ユーザID、位置情報により構成する例である。
なお、図16(c)(d)は抽出条件情報を含む例であるが、これについては後述する。
要求情報ヘッダには、要求情報であることの識別コードや、同期信号、データサイズ、情報のエンコード方式など、送信する現在状況情報としての基本的事項が含まれる。
この要求情報ヘッダに、ユーザID、又はユーザIDと位置情報を付加して要求情報を生成する。位置情報を付加する場合は、この要求情報生成時点で位置検出部13で検出される位置情報、又はこの時点で検出情報蓄積部17bに取り込まれている最新の位置情報を用いればよい。
【0089】
サーバ装置70側では、端末装置1からの要求情報に応じてステップF401〜F404の処理が行われる。
サーバ制御部72は、通信部73が或る端末装置1からの要求情報を受信したら、処理をステップF401からF402に進め、データベース管理部74に検索を指示する。
この場合、データベース管理部74に対して、「人が集まっている場所」を検索させることになる。
【0090】
データベース管理部74は、人数管理データベース75から、現在人が集まっている場所を抽出する。
なお、この際の抽出処理方式は例えば以下の(s1)〜(s6)の各例のように多様に考えられる。
【0091】
(s1) 人数管理データベース75において、現在人数が、所定の基準人数Mより多い位置P(x)を抽出する。
これは、単純に人数管理データベース75の現在人数の値により、基準人数M(例えばM=20人など)以上の場所を抽出する方式である。
【0092】
(s2) 人数管理データベース75において、現在人数が、所定の基準人数Mより多い位置P(x)を抽出するが、その基準人数Mを、各位置の平均集合レベルに応じて変化させる。
上述もしたが、単純に固定的な基準人数Mと現在人数を比較して、人が集まっているか否かを判断するとすると、普段から人が多い地区では、常に人が集まっている場所と判断されてしまうし、普段は人が殆どいない場所では、例えば珍しく数人集まっていても、人が集まっていないと判断されてしまう。これは、人が集まっている場所を、偶発的な出来事が発生している場所、興味深い場所などとして意味づける場合にはあまり適切ではない。
そこで、各位置P1,P2・・・毎に、位置管理データベース78に登録されている平均集合レベルに応じて基準人数Mを変化させる。
例えば人があまり居ない場所では基準人数M=5人、地方都市の繁華街では基準人数M=20人、大都市の繁華街では基準人数M=50人、などというように場所毎に判断基準を変えるようにする。
このようにすることで、「普段より多く人が集まっている場所」を的確に抽出できるようになる。
【0093】
(s3) 人数管理データベース75において、人数の増加度合い(人数変化量)が、所定の基準変化量以上の位置P(x)を抽出する。例えば人数管理データベース75が図7(b)のような形態である場合、各位置について人数の変化の状況を判定することができる。そこで、例えば所定時間前の人数と現在人数を比較して、その増加数、又は増加率が、基準の増加数、又は基準の増加率を越えている場所を抽出することも考えられる。つまり、「人が集まりつつある場所」が抽出できる。
【0094】
(s4) 上記(s3)のように所定時間前の人数と現在人数を比較して、その増加数、又は増加率が、基準の増加数、又は基準の増加率を越えている場所を抽出するが、その基準の増加数、又は基準の増加率を、位置管理データベース78に登録された平均集合レベルによって変化させる。つまり、位置毎の通常の人数に応じて、「人が集まりつつある場所」を判定し、抽出する。
【0095】
(s5) 現在人数が、所定の基準人数Mより多く、かつ人数の増加数又は増加率が、基準の増加数又は基準の増加率を越えている場所を抽出する。つまり、現在の絶対人数が多い場所であって、かつ現在、人が集まりつつある場所を抽出する。
【0096】
(s6) 上記(s5)の抽出方式であるが、基準人数Mと、基準の増加数(又は基準の増加率)の一方又は両方を、位置管理データベース78に登録された平均集合レベルによって変化させる。つまり、現在の絶対人数が多い場所であって、かつ現在、人が集まりつつある場所を抽出するが、さらに位置毎の通常時の人数を考慮したものとする。
【0097】
このように「人が集まっている場所」の抽出処理方式は多様に考えられるが、ステップF402では、これらのいずれかの処理方式で「人が集まっている場所」としての位置P(s)を人数管理データベース75に登録されている位置P1,P2・・・の中から抽出する。
【0098】
続いてサーバ制御部72はステップF403で、データベース管理部74から人が集まっている場所としての抽出結果情報を受け取り、集合情報を生成する。
集合情報の内容の例を図17に示す。
図17(a)に示すように、集合情報は、例えば集合情報ヘッダに続いて、1又は複数個の集合位置情報としてのデータユニットが付加された構成となる。
集合情報ヘッダには、集合情報であることの識別コードや、同期信号、データサイズ、情報のエンコード方式、付加される集合位置情報のデータユニット数など、送信する現在状況情報としての基本的事項が含まれる。
【0099】
1つの集合位置情報は、抽出された1つの位置に対応するデータユニットとなる。
図17(b)は、1つの集合位置情報が位置情報のみで構成される例である。
図17(c)は、1つの集合位置情報が位置情報と現在人数で構成される例である。
図17(d)は、1つの集合位置情報が位置情報と現在人数と集合必然性レベルで構成される例である。
図17(e)は、1つの集合位置情報が位置情報と現在人数と抽出条件で構成される例である。
図17(f)は、1つの集合位置情報が位置情報と現在人数と抽出条件と位置属性と位置対応サービスデータで構成される例である。
もちろんこれ以外にも各種の内容の組み合わせが考えられる。
【0100】
これらのような集合位置情報において、位置情報は、人数管理データベース75から抽出された、人が集まっている場所としての位置P(s)を例えば緯度・経度で示す情報である。
現在人数は、その抽出された位置P(s)において登録されている現在人数の値である。また人数増加量もしくは人数増加率の値を含めるようにしてもよい。
集合必然性レベル、位置属性、位置対応サービスデータは、それぞれ図9で説明した位置管理データベース78に登録されてる情報である。
抽出条件とは、人が集まっている場所としての位置P(s)を抽出する際に、何らかの条件でフィルタリング(絞り込み)を行った場合における、その条件の内容のデータである。これについては後述する。
【0101】
このような集合位置情報は、抽出された1つの位置P(s)に対して生成される。従って、人が集まっている場所としての位置P(s)がn個抽出された場合、n個の集合位置情報が生成され、図17(a)のように集合情報ヘッダに後続されるデータ形式となる。
なお人が集まっている場所としての位置P(s)が、1つも抽出されなかった場合は、集合情報ヘッダにおいて集合位置情報のユニット数=0の情報が載せられ、集合位置情報は付加されないか、あるいはダミーの集合位置情報としてのデータユニットが付加されればよい。
【0102】
サーバ制御部72は、ステップF403において以上のような集合情報を生成したら、ステップF404で、その集合情報を通信部73から、要求情報送信元の端末装置1に送信させる。
端末装置1のシステムコントローラ10は、ステップF302で要求情報を送信させた後は、ステップF303で、サーバ装置70からの集合情報の受信を待機する。
そして集合情報が受信されたら、ステップF304に進み、集合情報の内容を記憶部17の通信データ格納部17aに記憶させる。そして集合情報の内容、即ち集合情報に含まれる各集合位置情報の内容を用いて、人が集まっている場所の告知表示のための表示データを生成する。
その後システムコントローラ10はステップF305で、地図データベース71cに記憶されている地図描画データを用いて表示部14に地図画像を表示させるとともに、その地図画像上で、人が集まっている場所の告知表示としての表示データを重畳表示させるように制御する。
【0103】
以上の動作により、端末装置1のユーザは、表示部14において、地図画像上で、人が集まっている場所を示した表示を見ることができる。
表示例については後述する。
【0104】
[7.集合情報表示のための動作例II]
次に図18で集合情報表示のための動作例IIを説明する。これは単に人が集まっている場所としての条件だけでなく、どのような人たちが集まっているかを、ユーザが指定できるようにした例である。
【0105】
端末装置1のユーザは、地図画像上で人が集まっている場所の表示を見たい場合は、例えば操作部16により所定の表示要求操作を行う。
システムコントローラ10は、表示要求操作に応じて処理をステップF311からF312に進め、ここで抽出条件情報を生成する。
例えば表示部14において、抽出条件の選択を求める表示を行い、ユーザに入力を促す。例えば「子供」「大人」「20才代」「30才〜35才」「50才以上」などの年齢的な条件や、「男」「女」という性別、或いは「音楽の好きな人」「ショッピングの好きな人」などの趣味、嗜好などの条件をユーザが任意に選択できるようにすればよい。
そしてユーザの選択入力に応じて、抽出条件としての情報を生成する。
【0106】
抽出条件情報を生成したら、システムコントローラ10はステップF313で要求情報を生成する。
この場合、要求情報は図16(c)に示すように、要求情報ヘッダ、ユーザIDに加えて、抽出条件情報を含むものとして生成する。或いは、要求情報は図16(d)に示すように、要求情報ヘッダ、ユーザID、位置情報に加えて、抽出条件情報を含むものとして生成する。
要求情報を生成したら、システムコントローラ10はステップF314で、その要求情報を通信部18からサーバ装置70に対して送信させる。
【0107】
サーバ装置70側では、端末装置1からの要求情報に応じてステップF411〜F414の処理が行われる。
サーバ制御部72は、通信部73が或る端末装置1からの要求情報を受信したら、処理をステップF411からF412に進め、データベース管理部74に検索を指示する。
この場合、データベース管理部74に対して、「人が集まっている場所」を検索させるとともに、要求情報に含まれる抽出条件情報に基づくフィルタリングを指示する。
【0108】
データベース管理部74は、人数管理データベース75や登録ユーザデータベース76を用いて、現在、抽出条件情報に合致する人が集まっている場所を抽出する。
抽出処理方式は多様に考えられるが、以下の(A)(B)のような処理が例として挙げられる。
(A) まず人数管理データベース75から、上述した(s1)〜(s6)の方式で、「人が集まっている場所」としての1又は複数の位置P(s)を抽出する。その後、抽出された各位置P(s)について登録されている各ユーザIDについて、登録ユーザデータベース76の登録属性情報(年齢、性別、趣味・嗜好の情報)を参照し、抽出条件に合致しないユーザを除外する。その除外したユーザ数を、人数管理データベース75の現在人数から減算することで、その位置P(s)に、抽出条件に合致する人が何人居るかがわかる。この人数を所定の基準人数と比較することで、「特定の抽出条件の人が多く集まっている場所」であるか否かが判定できる。
(B) 登録ユーザデータベース76から、登録属性情報を参照して、抽出条件情報に合致するユーザIDを抽出する。そして条件に合致するユーザIDについての最新更新情報を参照し、現在の位置を集計する。この集計結果としての各位置の人数を、所定の基準人数と比較することで、各位置が「特定の抽出条件の人が多く集まっている場所」であるか否かが判定できる。
【0109】
例えばこのようにして、抽出条件情報に合致する人がたくさん集まっている場所としての位置が抽出される。
続いてサーバ制御部72はステップF413で、データベース管理部74から、抽出条件情報に合致する人が集まっている場所としての抽出結果情報を受け取り、集合情報を生成する。
集合情報の内容は、上述した図17のようになる。特にこの場合、集合位置情報において図17(e)(f)のように、抽出条件情報を付加することも好適となる。
【0110】
サーバ制御部72は、ステップF413において以上のような集合情報を生成したら、ステップF414で、その集合情報を通信部73から、要求情報送信元の端末装置1に送信させる。
端末装置1のシステムコントローラ10は、ステップF314で要求情報を送信させた後は、ステップF315で、サーバ装置70からの集合情報の受信を待機する。
そして集合情報が受信されたら、ステップF316に進み、集合情報の内容を記憶部17の通信データ格納部17aに記憶させる。そして集合情報の内容、即ち集合情報に含まれる各集合位置情報の内容を用いて、人が集まっている場所の告知表示のための表示データを生成する。
その後システムコントローラ10はステップF317で、地図データベース71cに記憶されている地図描画データを用いて表示部14に地図画像を表示させるとともに、その地図画像上で、人が集まっている場所の告知表示としての表示データを重畳表示させるように制御する。表示例は後述する。
【0111】
以上の動作により、端末装置1のユーザは、表示部14において、地図画像上で、特定の抽出条件に合致した人が集まっている場所を、表示により知ることができる。
なお、抽出条件情報に応じて行われるサーバ装置70側のフィルタリングの例は多様に考えられるため、まとめて後述する。
【0112】
[8.集合情報表示のための動作例III]
上記動作例I、IIでは、端末装置1側からの要求情報に応じてサーバ装置70が集合情報を端末装置1に送信する例を示したが、サーバ装置70が逐次端末装置1に対して集合情報を送信する例も考えられる。これを動作例IIIとして説明する。
【0113】
図19は、動作例IIIとしての端末装置1のシステムコントローラ10の処理と、サーバ装置70のサーバ制御部72の処理を示している。
サーバ制御部72は、ステップF421として、例えば定期的なチェックタイミングを監視している。
チェックタイミングとなったら、サーバ制御部72は処理をステップF422に進め、データベース管理部74にデータベースチェックを指示する。
【0114】
データベース管理部74は、指示に応じて人数管理データベース75を検査し、人の集まり具合の変化した位置が存在するか否かを判定する。
データベース管理部74は、データベースチェックを指示される毎に、上述した(s1)〜(s6)のような処理方式で、「人が集まっている場所」の抽出を行い、その抽出結果に応じて状況変化の有無を判定すればよい。
例えばデータベース管理部74は、前回のチェックタイミングでの抽出処理で、「人が集まっている場所」として抽出した位置P(s)を記憶しておく。そして、今回のチェックタイミングで、基準人数以上に人が集まっている位置を抽出し、その抽出結果としての1又は複数の位置P(s)が、前回の抽出結果としての1又は複数の位置P(s)と一致しているか否かを判定する。
ある位置が、「人が集まっている場所」に該当しなくなっていたり、前回抽出されなかったのに今回は「人が集まっている場所」として抽出された位置が存在すれば、状況変化があったと判定する。
【0115】
データベース管理部74から状況変化無しの結果を受けた場合、サーバ制御部72は処理をステップF423からF421に戻し、次のチェックタイミングを待機する。
一方、データベース管理部74から状況変化有りの結果を受けた場合、サーバ制御部72は処理をステップF423からF424に進め、集合情報を生成する。即ち、データベース管理部74によって行われた今回の抽出結果としての位置の情報を受け取り、抽出された各位置に対応して図17(b)〜(f)のような集合位置情報を生成し、この集合位置情報としてのデータユニットを含む、図17(a)の集合情報を生成する。
そしてサーバ制御部72は、ステップF425において、集合情報を通信部73から、端末装置1に送信させる。この場合は、特定の端末装置1ではなく、多数の端末装置1に対して送信するようにすればよい。
【0116】
端末装置1のシステムコントローラ10は、ステップF321で、サーバ装置70からの集合情報の受信を待機する。
そして集合情報が受信されたら、ステップF322に進み、集合情報の内容を記憶部17の通信データ格納部17aに記憶させる。そして集合情報の内容、即ち集合情報に含まれる各集合位置情報の内容を用いて、人が集まっている場所の告知表示のための表示データを生成する。
その後システムコントローラ10はステップF323で、地図データベース71cに記憶されている地図描画データを用いて表示部14に地図画像を表示させるとともに、その地図画像上で、人が集まっている場所の告知表示としての表示データを重畳表示させるように制御する。表示例は後述する。
【0117】
以上の動作により、端末装置1のユーザは、特に操作を行わなくとも、サーバ装置70側から集合情報が送信されて来ることに応じて、表示部14において、地図画像上で、現在人が集まっている場所を知ることができる。
【0118】
[9.抽出条件によるフィルタ処理例]
ところで上記動作例IIでは、端末装置1のユーザが、年齢、性別、趣味嗜好などの抽出条件を指定し、サーバ装置70側では抽出条件によるフィルタリングを行い、抽出条件に合致した人が集まっている場所を抽出する例を述べた。
一方、図15の左側の処理として述べた端末装置1側の処理のように、特に端末装置1のユーザが抽出条件を指定しなくても、サーバ装置70側でフィルタリングすることもできる。例えば図15の左側の端末装置1の処理と、図18の右側のサーバ装置70側の処理を組み合わせた動作例も考えられる。さらに、図19におけるサーバ装置70側の処理において、フィルタリングを行うことも考えられる。
ここでは、これらのシステム動作に適用できるフィルタ処理例の具体例を各種挙げていく。
【0119】
サーバ装置70側の人が集まっている場所としての位置P(s)の抽出を、地域範囲でフィルタリングする例が考えられる。
例えば端末装置1のユーザが、抽出条件情報として、特定の地域範囲を指定する。例えば地名、地区名、地図画像上での範囲指定などで、地域範囲を指定する。端末装置1は、その指定された地域範囲の情報を抽出条件情報として付加して、図16(c)(d)のような要求情報を送信する。サーバ装置70側では、その抽出条件に該当する範囲内の位置を対象として、人が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。
【0120】
また、端末装置1のユーザが抽出条件を指定しなくとも、端末装置1の現在位置を基準として特定の地域範囲を検索対象とすることもできる。
端末装置1が図16(b)(d)のように要求情報に位置情報を含むようにすることで、サーバ装置70側では、現在の端末装置1のユーザは居る位置を特定できる。そこでサーバ装置70側では、要求情報に含まれる位置情報(ユーザの現在位置)を中心として、例えば半径xkmの範囲、或いは同一の市内、同一の県内などとして、地域範囲を設定する。そしてその地域範囲内の位置を対象として、人が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。
【0121】
また、要求情報に位置情報が含まれなくとも、端末装置1(この場合端末装置1Bは除く)は図10の処理で現在状況情報を送信し、逐次、現在位置をサーバ装置70側に伝えている。従って、サーバ装置70側では、ユーザIDから、登録ユーザデータベース76を検索して現在のユーザの位置を確認できる。その場合、確認されたユーザの位置を基準として、径xkmの範囲、或いは同一の市内、同一の県内などとして、地域範囲を設定し、その地域範囲内の位置を対象として、人が集まっている場所を検索して集合情報を生成することもできる。
【0122】
本例の目的の1つは、端末装置1のユーザに、人が集まっている場所を興味深い出来事が起きている場所として通知することであるが、ユーザが行けないような遠い場所ではあまり意味がない。そのことを考慮すれば、ユーザの現在位置を基準とした地域範囲によるフィルタリングは、ユーザにとって有効な情報提供ができるという点で適している。
一方、ユーザが地域範囲を抽出条件として指定する場合、ユーザは、自分が居る位置に関わらず、遠く離れた地域での人の集まり具合を知ることもできるようになる。例えばユーザが、或る地域について、その場所に行く目的ではなく、例えば調査、研究などのために人の集まり具合を知りたいような場合、自分の位置とは関わりなく、任意の場所の人の集まり具合を見ることができるということでは、好適となる。
なお、地域範囲によるフィルタリングを行えば、人が集まっている場所としての位置の抽出処理も効率化できる。
【0123】
次に、人物の属性によるフィルタリングが考えられる。
上述したように、端末装置1のユーザが、抽出条件情報として、年齢、性別、趣味・嗜好を選択し、端末装置1は、その指定された抽出条件情報を付加した図16(c)(d)のような要求情報を送信する。サーバ装置70側では、その抽出条件に該当する人物が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。
これにより、端末装置1のユーザは、例えば女性が集まっている場所、子供が集まっている場所、音楽趣味の人が集まっている場所など、任意の条件で人が集まっている場所の情報を知ることができる。
【0124】
また、上記図18の例では、端末装置1のユーザが、抽出条件を指定するものとしたが、サーバ装置70側で自動的に人物の属性によるフィルタリングを行うことも考えられる。端末装置1からの要求情報にはユーザIDが含まれており、サーバ装置70側では登録ユーザデータベース76により、その端末装置1のユーザの登録属性情報を管理している。つまり端末装置1のユーザの年齢、性別、趣味・嗜好を判別できる。すると、サーバ装置70側では、端末装置1のユーザの年齢、性別、趣味・嗜好を抽出条件として、これらがユーザに一致する人が多く集まっている場所を検索できることになる。
つまり端末装置1のユーザにとっては、自分と同じ性別、年齢層、趣味・嗜好の人が集まっている場所の情報を知ることができる。
【0125】
また、滞在時間によるフィルタリングも考えられる。
例えば端末装置1のユーザが、抽出条件情報として、滞在時間が10分以上、などの条件を入力する。端末装置1は、その指定された抽出条件情報を付加した図16(c)(d)のような要求情報を送信する。サーバ装置70側では、登録ユーザデータベース76において各ユーザIDについての滞在時間を管理しているため、滞在時間が10分以上というようなユーザIDを抽出できる。そしてその抽出条件に該当する人物が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。
これにより、端末装置1のユーザは、例えば滞在時間の長い人が集まっている場所というような情報を知ることができる。
【0126】
また、端末装置1のユーザが指定しなくても、サーバ装置70側で滞在時間によるフィルタリングを行うようにしてもよい。例えば大都市の中心街の交差点、或いはイベント会場の周囲の道路などは、多数の人が存在しているが、その殆どは移動している人であるという状況もある。このため、滞在時間が短い人物は、その場所に居る人ではない、と推定し、その位置における現在人数に含めないようにするフィルタリングも有効である。
【0127】
次に、人物の状況によるフィルタリングが考えられる。
人物の状況とは、生体情報や、その生体情報から推定される心理状況であったり、運動情報で示される動作状態などである。
例えば「ドキドキしている人」という抽出条件に応じて、サーバ装置70側では登録ユーザデータベース76の生体情報を参照し、心拍数が所定値以上の人を抽出対象とするフィルタリングを行うことができる。すると端末装置1のユーザは、結果としてドキドキしている人が集まっている場所を知ることができる。
同様に、心理状態として「興奮している人」「楽しさを感じている人」などを抽出条件とすることで、それらに該当する人が集まっている場所を知ることができる。
特にこれらの条件は、端末装置1のユーザが、何かおもしろそうなことが起こっている場所を知りたいという場合に有効である。
また、運動情報として「走っている人」などを抽出条件とすることで、それに該当する人が集まっている場所を知ることができる。
【0128】
このような生体情報や運動情報についても、ユーザが指定してもよいし、サーバ側で自動的に設定してもよい。
例えば端末装置1のユーザが、抽出条件情報として、「ドキドキしている人」などの条件を入力する。端末装置1は、その指定された抽出条件情報を付加した図16(c)(d)のような要求情報を送信する。サーバ装置70側では、登録ユーザデータベース76において各ユーザIDについての心理状態を管理しているため、ドキドキしている人に該当するユーザIDを抽出できる。そしてその抽出条件に該当する人物が集まっている場所を検索し、集合情報を生成する。これにより、端末装置1のユーザは、例えばドキドキしている人など、任意の生体状況等に該当する人が集まっている場所を知ることができる。
さらに、端末装置1からの要求情報にはユーザIDが含まれており、サーバ装置70側では登録ユーザデータベース76により、その端末装置1のユーザの最新更新情報を管理している。このため、端末装置1のユーザの現在の生体情報、運動情報を判別できる。従って、サーバ装置70側では、端末装置1のユーザと似た生体状況、心理状況、運動状況を抽出条件として、該当する人が多く集まっている場所を検索できることになる。
つまり端末装置1のユーザにとっては、自分と同じような状況や気分にある人が集まっている場所の情報を知ることができる。
【0129】
また、人物の分布状況によるフィルタリングも考えられる。
例えばサーバ装置70側では、人数管理データベース75や登録ユーザデータベース76により、各位置P1,P2・・・について、どのような人物の分布であるかを把握できる。
例えば集まっている人として特定の年齢層の人が集中しているか、或いは非常に多様な年齢層の人が集まっているか、などを判定できる。もちろん男女比も確認できる。
そこで、例えば特定の年齢層が支配的ではなく、多様な年齢の人が集まっている場所、男女比が同等程度の場所、などを抽出することも可能である。
【0130】
以上、フィルタリングの例を列挙したが、もちろんこれらが組み合わされたフィルタリングも可能であるし、ここで挙げていないフィルタリングの例も多様に考えられる。
【0131】
[10.表示例]
上記した集合情報表示のための動作例I、II、IIIによって、端末装置1では、サーバ装置70側から送信されてきた集合情報に基づく表示が行われる。
ここでは表示例について説明する。
【0132】
図20、図21、図22、図23は、それぞれ端末装置1又は端末装置1Bの表示部14における表示パネル14aに表示されている画像例を示したものである。
図20の例では、地図画像上に、「人が集まっている場所」に相当する位置を集合マーク31により提示している。また、自己位置表示30として、この端末装置1のユーザの現在位置をキャラクタ画像等により提示している。
【0133】
端末装置1では、サーバ装置70からの集合情報を受信した場合、その集合情報に含まれる1又は複数の位置に対応する集合位置情報により、人が集まっている場所としての位置情報を取得したことになる。そこでシステムコントローラ10は、地図データベース17cから読み出した地図描画データにより地図表示を行うとともに、位置情報で示される地図上の地点に、この図20のように集合マーク31を表示させることができる。
このように表示を行うことで、端末装置1のユーザは、人が集まっている場所を知ることができる。
また、端末装置1の自己位置表示30を行うことで、ユーザは、自分の位置と、人が集まっている場所の位置関係を容易に把握できる。
【0134】
なお、集合マーク31の表示態様は多様に考えられる。
集合マーク31としては、所定の形状のマーク、キャラクタ画像などにより表現してもよいし、地図上の位置として色を変えたり、或いは点滅させるなどの表示態様でもよい。
また、集合情報に含まれる集合位置情報が図17(c)〜(f)のように現在人数を含むものであった場合、システムコントローラ10は、その現在人数(又は増加数、増加率)に応じて集合マーク31の大きさを変えたり、色を変えたり、点滅速度を変えたりすることも考えられる。これにより、ユーザは、どのくらい人が集まっているかも知ることができる。
【0135】
図21の表示例は、上述したフィルタリングがサーバ装置70側で行われた際に、その抽出条件に応じた表示を行う例である。
例えば集合情報に含まれる集合位置情報が図17(e)(f)のように抽出条件を含むものであった場合、システムコントローラ10は、その集合位置情報で示される位置の提示の際に、抽出条件に応じて表示するキャラクタ画像を選択することができる。
【0136】
例えば抽出条件が「女性」であれば、集合マーク32のように、女性を表現するキャラクタ画像を表示させる。
また抽出条件が「走っている人」であれば、集合マーク33のように、走っている人を表現するキャラクタ画像を表示させる。
また抽出条件が「ドキドキしている人」であれば、集合マーク33のように、ドキドキしている人を表現するキャラクタ画像を表示させる。
このようなキャラクタ画像表示を行うことで、端末装置1のユーザは、どのような人が集まっているかということも知ることができる。
【0137】
なお、システムコントローラ10は、受信した集合情報における集合位置情報が図17(e)(f)のように抽出条件を含むものではなくとも、例えば図18のように端末装置1側から抽出条件を指定した要求情報を送信した場合、システムコントローラ10は、その抽出条件を記憶しておくことで、ステップF316、F317の表示処理の際に、抽出条件に応じたキャラクタ画像を選択できるため、この図21のような表示が可能となる。
【0138】
図22は、より詳細な情報をユーザに提供するような表示例である。
例えば上記図21のような表示が行われた際に、ユーザが集合マーク34を指定(例えばクリック)するような操作を行ったとする。
このような場合、システムコントローラ10は、ユーザに対して、集合マーク34に関連する付加情報表示35を実行させることができる。
もちろんユーザ操作によらず、付加情報が取得できた場合は、システムコントローラ10が自動的に図22のような付加情報表示35を実行させるようにしてもよい。
【0139】
例えば集合位置情報が図17(f)のように位置属性や位置対応サービスデータを含むものであった場合、システムコントローラ10は、その集合位置情報で示される位置に関連して位置属性や位置対応サービスデータとしての付加情報が取得されることになる。そこで、ユーザ操作に応じて、図22のように、位置属性や位置対応サービスデータに基づいた表示を実行制御できる。
位置属性とは、例えば地名、場所名、施設名、道路名、施設種別などであり、位置対応サービスデータは、その地点に関連するURL(Uniform Resource Locator)、店の広告、営業案内、画像、割引情報、一般ユーザからの投稿データとしての写真画像やコメントなどである。システムコントローラ10は、これらの情報に応じて付加情報表示35として実行できる。
例えば、この集合マーク34の場所に居る人が、アーティスト「AAA」の路上ライブに遭遇して、その撮像画像とコメントをサーバ装置70側に投稿していたとする。
このとき、図中の自己位置表示30の場所にいる端末装置1に送られる集合情報には、この撮像画像や「AAAがゲリラライブやってるよ!」というコメントデータが、位置対応サービスデータに含まれて受信させる。この際、システムコントローラ10は、自動的に、或いはユーザ操作に応じて、図22のような付加情報表示35を実行させることができる。
【0140】
なお、このような付加情報(位置属性や位置対応サービスデータ)は、集合位置情報に含まれて送受信されるものではなく、例えばユーザが集合マーク34を指定する操作を行った際に、システムコントローラ10がサーバ装置70への通信アクセス制御を行い、サーバ装置70に付加情報の送信を要求するようにしてもよい。
【0141】
また、この付加情報表示35としては、必ずしもサーバ装置70から提供される位置属性や位置対応サービスデータによらない表示も可能である。例えば図22の例では「106人がどきどきしています!」という文が表示されている。集合位置情報が図17(d)(e)のように現在人数と抽出条件を含む場合、システムコントローラ10は、その位置情報の説明としてのテキストデータを作成できる。即ち現在人数が106人、抽出条件が「ドキドキしている人」というものであれば、システムコントローラ10は、上記のテキストデータを生成し、これを付加情報表示35として表示させることができる。
【0142】
図23は、集合必然性レベルに応じた表示例である。例えば「ドキドキしている人」という抽出条件でフィルタリングした結果としてサーバ装置70から送信されてきた集合情報に基づいて集合マーク34A、34Bを表示する場合を想定する。ここで集合情報における集合位置情報は、図17(d)のように集合必然性レベルの情報が含まれているとする。
上述のように、或る場所で偶発的な出来事が起こっているか否かという観点からすれば、集合必然性レベルが高い場所に人が集まっていても、ユーザにとってさほど貴重な情報とはならない。一方、集合必然性レベルが低い場所に人が集まっていれば、その情報は貴重な情報となる。
例えば図23の集合マーク34Bの位置はコンサートホールなどであって、一方、集合マーク34Aの位置は、単なる路上であったとする。
この場合、サーバ装置70における位置管理データベース78では、集合マーク34Bの位置に関する集合必然性レベルは高く設定され、集合マーク34Aの位置に関する集合必然性レベルは低く設定される。そして、その集合必然性レベルが集合位置情報に付加されて端末装置1に送信される。
端末装置1のシステムコントローラ10は、集合必然性レベルに応じて、表示サイズを変更することができる。即ち集合必然性レベルが低い場所ほど、人が集まっていることが貴重な情報となるため、図のように大きい集合マーク34Aで表示させ、集合必然性レベルが高い場所は、小さい集合マーク34Bで表示させる。
【0143】
これによってユーザは、その偶発性な出来事という意味での人の集まり具合を判断できるようになる。
なお、ここでは集合マーク34のサイズを変えることとしたが、集合マーク34の色や、点滅速度などで、偶発性の度合いを表現してもよい。
【0144】
また、ここではシステムコントローラ10が受信した集合情報に含まれる集合必然性レベルに応じて表示サイズ等を変更するものとしたが、システムコントローラ10が地図データベース17cで把握できる施設種別などに応じて、集合必然性レベルを判断し、表示態様を選択してもよい。例えば集合情報に応じて告知表示を行う位置がコンサートホールやスポーツスタジアムなどであることが地図データベース17cで把握できれば、その場所は集合必然性レベルが高いと判断するなどである。
【0145】
以上、表示例を示したが、人が集まっている場所を提示する表示態様は、さらに多様に考えられる。
また、地図表示の際には、地図のスケールを変化させることも通常行われるが、スケールに応じて、人が集まっている場所の告知表示の数の上限数を変えることも適切である。
【0146】
[11.実施の形態の効果及び変形例]
以上の実施の形態によれば、端末装置1(1B)のユーザは、通常は、現場に居ない限りは知ることができないような出来事やイベントなどを、人が集まっている位置の情報として知ることができる。これによってユーザに対して非常に有益な情報提供が可能となる。
また単なる人の集まりでなく、どのような人々が集まっているか、どの程度の人数が集まっているかなどを表現する表示を行うことで、ユーザにとって、その場所で起きている出来事が、自分に興味のある出来事か否かの判断にも適しており、ユーザに適切な情報提供が可能となる。
【0147】
上記図15の集合情報表示のための動作例Iの場合は、端末装置1のユーザは、人が集まっている場所の情報を知りたいときに、その情報を得ることができる。
また上記図18の集合情報表示のための動作例IIの場合は、端末装置1のユーザは、特定の抽出条件に合致する人が集まっている場所の情報を知りたいときに、その情報を得ることができる。
また上記図19の集合情報表示のための動作例IIIの場合は、人が集まっている場所としての状況の変化に応じて、人が集まっている場所の情報が端末装置1のユーザに告知されるため、ユーザは偶発的な出来事が起こっている場所を、容易に知ることができる。
【0148】
本発明は上記実施の形態に限られず、装置構成例や処理例として各種の変形例が考えられる。
端末装置1,1A、1B、サーバ装置70としての上述した構成は一例にすぎず、実際に実施される動作例や機能に応じて各種の構成要素の追加や削除は当然考えられる。
例えば端末装置1、1Bおいては表示部14を備える構成としたが、表示部を備えず、別体の表示デバイスを利用して表示を実行するようにしてもよい。
【0149】
上記実施の形態では、サーバ装置70側では、ユーザIDにより端末装置1の個別管理を行うようにしているが、ユーザID等、ユーザもしくは端末装置を特定する情報を用いないシステム動作も考えられる。
即ち端末装置1,1Aから送信する現在状況情報にはユーザID等を含めないようにし、サーバ装置70では、単に現在状況情報により、各位置P1,P2・・・についての人数管理だけを行うようにする。そして、それに基づいて、集合情報を生成し、不特定の端末装置1、1Bに送信するという例である。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の実施の形態のシステム構成例の説明図である。
【図2】実施の形態の端末装置のブロック図である。
【図3】実施の形態の端末装置のブロック図である。
【図4】実施の形態の端末装置のブロック図である。
【図5】実施の形態の端末装置のブロック図である。
【図6】実施の形態のサーバ装置のブロック図である。
【図7】実施の形態の人数管理データベースの説明図である。
【図8】実施の形態の登録ユーザデータベースの説明図である。
【図9】実施の形態の位置管理データベースの説明図である。
【図10】実施の形態の現在状況情報の送受信処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態の現在状況情報の構造の説明図である。
【図12】実施の形態の人数管理データベースの更新処理の説明図である。
【図13】実施の形態の登録ユーザデータベースの更新処理の説明図である。
【図14】実施の形態の人数変化の管理処理のフローチャートである。
【図15】実施の形態の集合情報表示のための動作例Iのフローチャートである。
【図16】実施の形態の要求情報の構造の説明図である。
【図17】実施の形態の集合情報の構造の説明図である。
【図18】実施の形態の集合情報表示のための動作例IIのフローチャートである。
【図19】実施の形態の集合情報表示のための動作例IIIのフローチャートである。
【図20】実施の形態の集合マークの表示例の説明図である。
【図21】実施の形態の抽出条件に応じた集合マークの表示例の説明図である。
【図22】実施の形態の付加情報を加えた集合マークの表示例の説明図である。
【図23】実施の形態の集合必然性レベルに応じた集合マークの表示例の説明図である。
【符号の説明】
【0151】
1,1A,1B 端末装置、2 検出装置部、3 表示装置部、10 システムコントローラ、11 生体センサ部、12 運動センサ部、13 位置検出部、14 表示部、15 日時計数部、17 記憶部、18,73 通信部、70 サーバ装置、72 サーバ制御部、74 データベース管理部、75 人数管理データベース、76 登録ユーザデータベース、78 位置管理データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、上記端末装置と通信可能な情報提供装置とを有する情報提供システムとして、
上記情報提供装置は、
上記端末装置との間で通信を行う通信手段と、
各位置における現在の人数情報を管理する人数情報管理手段と、
上記人数情報管理手段で管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を判別し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成する集合情報生成手段と、
上記集合情報生成手段で生成された集合情報を、上記通信手段により上記端末装置に送信させる送信制御手段と、
を備え、
上記端末装置は、
上記情報提供装置との間で通信を行う通信手段と、
一体又は別体の表示部において地図画像の表示を実行させるとともに、上記情報提供装置から送信され上記通信手段により受信された集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
外部の端末装置との間で通信を行う通信手段と、
各位置における現在の人数情報を管理する人数情報管理手段と、
上記人数情報管理手段で管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を決定し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成する集合情報生成手段と、
上記集合情報生成手段で生成された集合情報を、上記通信手段により上記端末装置に送信させる送信制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
上記集合情報生成手段は、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報により、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
上記集合情報生成手段は、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報により、各位置での人数変化量が、所定の基準変化量以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
上記通信手段は、外部の端末装置から送信されてくる、少なくとも上記端末装置の現在位置情報を含む現在状況情報を受信するとともに、
上記人数情報管理手段は、受信した上記現在状況情報に用いて、各位置における現在の人数情報を管理することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項6】
上記現在状況情報には、上記端末装置側の識別情報も含まれており、
上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報を上記識別情報により管理することを特徴とする請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
上記現在状況情報には、さらに上記端末装置を所持する人物の生体情報又は運動情報が含まれており、
上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報として、上記識別情報とともに上記生体情報又は上記運動情報を管理することを特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
上記人数情報管理手段は、上記識別情報に対応させて、上記端末装置を使用する人物の属性登録情報を管理することを特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項9】
上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報として、上記識別情報に対応させて現在の位置での滞在時間を管理することを特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項10】
上記集合情報生成手段は、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別する際、位置毎に、上記所定人数の値を異なる値として判別を行い、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項11】
上記集合情報生成手段は、特定の地域範囲内での各位置として、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別し、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項12】
上記集合情報生成手段は、各位置での現在人数として、所定の抽出条件に該当する人物の現在人数を判別し、該判別した現在人数が所定人数以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項13】
上記抽出条件は、人物の属性登録情報、生体情報、運動情報、滞在時間の少なくとも1つを含む条件であることを特徴とする請求項12に記載の情報提供装置。
【請求項14】
上記集合情報生成手段は、現在人数が所定人数以上である位置であって、かつ存在する人物の属性情報の分布状況に応じて、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項15】
上記集合情報生成手段は、各位置での人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別する際、位置毎に、上記基準変化量の値を異なる値として判別を行い、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項16】
上記集合情報生成手段は、特定の地域範囲内での各位置として、各位置での人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別し、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項17】
上記集合情報生成手段は、各位置での所定の抽出条件に該当する人物の現在人数を判別し、該判別した現在人数の人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項18】
上記抽出条件は、人物の属性登録情報、生体情報、運動情報、滞在時間の少なくとも1つを含む条件であることを特徴とする請求項17に記載の情報提供装置。
【請求項19】
上記集合情報生成手段は、人数変化量が基準変化量以上である位置であって、かつ存在する人物の属性情報の分布状況に応じて、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項20】
上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該位置における現在人数もしくは人数変化量の情報を含む集合情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項21】
上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該位置の決定の際の抽出条件の情報を含む集合情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項22】
上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該決定した位置についての付加情報を含む集合情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項23】
上記送信制御手段は、外部の端末装置からの要求情報を受信することに応じて、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を上記通信手段により上記端末装置に対して送信させることを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項24】
上記送信制御手段は、人数状況の変化に応じた送信タイミングで、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を上記通信手段により上記端末装置に対して送信させることを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項25】
各位置における現在の人数情報を管理するステップと、
管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を決定し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成するステップと、
生成された集合情報を、外部の端末装置に送信するステップと、
を備えたことを特徴とする情報提供方法。
【請求項26】
外部の情報提供装置との間で通信を行う通信手段と、
一体又は別体の表示部において地図画像の表示を実行させるとともに、上記情報提供装置から送信され上記通信手段により受信された、告知表示を行う位置情報を含む集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項27】
上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置における現在人数もしくは人数変化量の情報が含まれており、
上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記現在人数もしくは人数変化量に応じて異なる態様の表示を実行させることを特徴とする請求項26に記載の端末装置。
【請求項28】
上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置の決定の際の抽出条件の情報が含まれており、
上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記抽出条件に応じて異なる態様の表示を実行させることを特徴とする請求項26に記載の端末装置。
【請求項29】
上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置についての付加情報が含まれており、
上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記付加情報に基づく表示を実行させることを特徴とする請求項26に記載の端末装置。
【請求項30】
外部の情報提供装置と通信可能な端末装置における表示方法として、
上記情報提供装置から、告知表示を行う位置情報を含む集合情報を受信するステップと、
一体又は別体の表示部において、地図画像の表示を実行するとともに、上記受信した集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行するステップと、
を備えたことを特徴とする表示方法。
【請求項1】
端末装置と、上記端末装置と通信可能な情報提供装置とを有する情報提供システムとして、
上記情報提供装置は、
上記端末装置との間で通信を行う通信手段と、
各位置における現在の人数情報を管理する人数情報管理手段と、
上記人数情報管理手段で管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を判別し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成する集合情報生成手段と、
上記集合情報生成手段で生成された集合情報を、上記通信手段により上記端末装置に送信させる送信制御手段と、
を備え、
上記端末装置は、
上記情報提供装置との間で通信を行う通信手段と、
一体又は別体の表示部において地図画像の表示を実行させるとともに、上記情報提供装置から送信され上記通信手段により受信された集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
外部の端末装置との間で通信を行う通信手段と、
各位置における現在の人数情報を管理する人数情報管理手段と、
上記人数情報管理手段で管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を決定し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成する集合情報生成手段と、
上記集合情報生成手段で生成された集合情報を、上記通信手段により上記端末装置に送信させる送信制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
上記集合情報生成手段は、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報により、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
上記集合情報生成手段は、上記人数情報管理手段で管理されている人数情報により、各位置での人数変化量が、所定の基準変化量以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
上記通信手段は、外部の端末装置から送信されてくる、少なくとも上記端末装置の現在位置情報を含む現在状況情報を受信するとともに、
上記人数情報管理手段は、受信した上記現在状況情報に用いて、各位置における現在の人数情報を管理することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項6】
上記現在状況情報には、上記端末装置側の識別情報も含まれており、
上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報を上記識別情報により管理することを特徴とする請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
上記現在状況情報には、さらに上記端末装置を所持する人物の生体情報又は運動情報が含まれており、
上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報として、上記識別情報とともに上記生体情報又は上記運動情報を管理することを特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
上記人数情報管理手段は、上記識別情報に対応させて、上記端末装置を使用する人物の属性登録情報を管理することを特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項9】
上記人数情報管理手段は、各位置に居る人物の情報として、上記識別情報に対応させて現在の位置での滞在時間を管理することを特徴とする請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項10】
上記集合情報生成手段は、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別する際、位置毎に、上記所定人数の値を異なる値として判別を行い、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項11】
上記集合情報生成手段は、特定の地域範囲内での各位置として、各位置での現在人数が、所定人数以上であるか否かを判別し、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項12】
上記集合情報生成手段は、各位置での現在人数として、所定の抽出条件に該当する人物の現在人数を判別し、該判別した現在人数が所定人数以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項13】
上記抽出条件は、人物の属性登録情報、生体情報、運動情報、滞在時間の少なくとも1つを含む条件であることを特徴とする請求項12に記載の情報提供装置。
【請求項14】
上記集合情報生成手段は、現在人数が所定人数以上である位置であって、かつ存在する人物の属性情報の分布状況に応じて、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項15】
上記集合情報生成手段は、各位置での人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別する際、位置毎に、上記基準変化量の値を異なる値として判別を行い、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項16】
上記集合情報生成手段は、特定の地域範囲内での各位置として、各位置での人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別し、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項17】
上記集合情報生成手段は、各位置での所定の抽出条件に該当する人物の現在人数を判別し、該判別した現在人数の人数変化量が、基準変化量以上であるか否かを判別して、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項18】
上記抽出条件は、人物の属性登録情報、生体情報、運動情報、滞在時間の少なくとも1つを含む条件であることを特徴とする請求項17に記載の情報提供装置。
【請求項19】
上記集合情報生成手段は、人数変化量が基準変化量以上である位置であって、かつ存在する人物の属性情報の分布状況に応じて、告知表示を行う位置を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項20】
上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該位置における現在人数もしくは人数変化量の情報を含む集合情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項21】
上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該位置の決定の際の抽出条件の情報を含む集合情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項22】
上記集合情報生成手段は、告知表示を行うと決定した位置の情報と、該決定した位置についての付加情報を含む集合情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項23】
上記送信制御手段は、外部の端末装置からの要求情報を受信することに応じて、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を上記通信手段により上記端末装置に対して送信させることを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項24】
上記送信制御手段は、人数状況の変化に応じた送信タイミングで、上記集合情報生成手段で生成された集合情報を上記通信手段により上記端末装置に対して送信させることを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項25】
各位置における現在の人数情報を管理するステップと、
管理されている人数情報に基づいて、告知表示を行う位置を決定し、告知表示を行う位置の情報を含む集合情報を生成するステップと、
生成された集合情報を、外部の端末装置に送信するステップと、
を備えたことを特徴とする情報提供方法。
【請求項26】
外部の情報提供装置との間で通信を行う通信手段と、
一体又は別体の表示部において地図画像の表示を実行させるとともに、上記情報提供装置から送信され上記通信手段により受信された、告知表示を行う位置情報を含む集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項27】
上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置における現在人数もしくは人数変化量の情報が含まれており、
上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記現在人数もしくは人数変化量に応じて異なる態様の表示を実行させることを特徴とする請求項26に記載の端末装置。
【請求項28】
上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置の決定の際の抽出条件の情報が含まれており、
上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記抽出条件に応じて異なる態様の表示を実行させることを特徴とする請求項26に記載の端末装置。
【請求項29】
上記集合情報には、告知表示を行う位置情報と、該位置についての付加情報が含まれており、
上記制御手段は、上記集合情報に基づいた表示として、上記位置情報に相当する地図画像上の位置において、上記付加情報に基づく表示を実行させることを特徴とする請求項26に記載の端末装置。
【請求項30】
外部の情報提供装置と通信可能な端末装置における表示方法として、
上記情報提供装置から、告知表示を行う位置情報を含む集合情報を受信するステップと、
一体又は別体の表示部において、地図画像の表示を実行するとともに、上記受信した集合情報に基づいた表示を、上記地図画像上で実行するステップと、
を備えたことを特徴とする表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2009−98446(P2009−98446A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−270393(P2007−270393)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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