説明

情報提供システム、携帯情報端末および情報管理装置

【課題】 ユーザからの要求がなくとも、これまでに蓄積されたユーザに関する情報に応じて、必要な情報やメッセージをユーザが受け取ることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 ユーザに関する情報を有する携帯情報端末と、ネットワーク上に接続され、携帯情報端末からユーザに関する情報を、無線通信を介して取得して蓄積するとともに、取得したユーザに関する情報を、これまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報に基づいて分析するデータベースと、データベースによって分析された結果に基づいて、ユーザに必要な情報や指示を、携帯情報端末を介して、ユーザに提供する情報提供装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに応じて必要な情報を提供することができる情報提供システム、携帯情報端末および情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の普及に伴い、単なる電話機や情報端末の機能として使われるだけでなく、携帯電話機の各ユーザに合ったサービスの提供およびそのための技術の開発が盛んに行われている。そのサービスの提供分野の1つとして、健康管理に関する医療の分野がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1は、各ユーザが携帯電話機に、各ユーザが測定した血糖値を入力するとともに、入力された血糖値を、ネットワークを介して病院にあるコンピュータのデータベースに送信して、そのコンピュータは、各ユーザの血糖値に応じて、投薬、食事または運動に関する指導情報を、各ユーザの携帯電話機に返信する技術を開示している。
特許文献2は、各ユーザに複数の健康データ項目を携帯電話機に入力させ、その健康データを健康管理サーバのデータベースに送信させることによって、各ユーザの日常の時系列個人健康情報として蓄積するとともに、各ユーザ自身の健康管理を行う上で有用な個人健康情報として、蓄積された上記時系列データから自動的にまたは各ユーザの要求に応じて抽出し、各ユーザに通知する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−344571号公報
【特許文献2】特開2006−110278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、各ユーザからの健康状態を示す情報の入力や要求がなければ、病院等にあるコンピュータや健康管理サーバからは、各ユーザに対して健康管理に関する情報提供が行われないという問題があった。
上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の目的は、ユーザからの要求がなくとも、これまでに蓄積されたユーザに関する情報に応じて、必要な情報やメッセージをユーザが受け取ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の情報提供システムは、ユーザに関する情報を有する携帯情報端末と、ネットワーク上に接続され、携帯情報端末からユーザに関する情報を、無線通信を介して取得して蓄積するとともに、取得したユーザに関する情報を、これまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報に基づいて分析するデータベースと、データベースによって分析された結果に基づいて、ユーザに必要な情報や指示を、携帯情報端末を介して、ユーザに提供する情報提供装置とを備える。
また、携帯情報端末を装着する装着部を有し、携帯情報端末が装着部に装着された場合、ユーザに関する情報を取得して管理する情報管理装置を備える。
また、情報管理装置は、管理するユーザに関する情報の内容に応じて、ユーザの注意を引くための動作を行う動作駆動部を備えてもよい。
また、情報管理装置は、管理するユーザに関する情報の内容を外部の表示装置に表示させる表示出力部を備えてもよい。
【0006】
また、携帯情報端末は、ユーザの運動を検出する検出部を備え、データベースは、検出されたユーザの運動の情報を携帯情報端末から取得してユーザの運動による消費エネルギーを算出し、情報提供装置は、データベースが算出した消費エネルギーを、携帯情報端末または情報管理装置を介して、ユーザに提供してもよい。
また、携帯情報端末は、ユーザが携帯情報端末を握持し、または携帯情報端末に向かって息を吐くことによって、ユーザの生体情報を計測する生体計測部を備え、データベースは、計測したユーザの生体情報を携帯情報端末から取得してユーザの健康状態を分析し、情報提供装置は、データベースが分析したユーザの健康状態の情報を、携帯情報端末または情報管理装置を介して、ユーザに提供してもよい。
【0007】
また、携帯情報端末は、被写体像を撮像して画像を生成する撮像部を備え、データベースは、撮像部によって撮像されたユーザが摂取した食事の画像を携帯情報端末から取得して食事による摂取エネルギーを算出し、情報提供装置は、データベースが算出した摂取エネルギーの情報を、携帯情報端末または情報管理装置を介して、ユーザに提供してもよい。
また、情報提供装置は、データベースに蓄積されたユーザの運動、消費エネルギー、摂取エネルギーおよび生体情報に基づいて、ユーザに対する運動の内容、食事の内容または医療における治療の内容に関する情報や指示を、携帯情報端末または情報管理装置を介して、ユーザに提供してもよい。
また、データベースに蓄積された他の情報とは、携帯情報端末の他の複数のユーザに関する情報であり、情報提供装置は、他の複数のユーザに関する情報を参照して、ユーザに対する運動の内容、食事の内容または医療における治療の内容に関する情報や指示を、携帯情報端末または情報管理装置を介して、ユーザに提供してもよい。
また、情報管理装置は、ユーザに関する情報を、データベースおよび情報提供装置との間で、無線通信で送受信できる無線通信部を備えてもよい。
また、携帯情報端末は、携帯電話として動作する通話部を備えてもよい。
【0008】
本発明の携帯端末装置は、ユーザに関する情報を有し、ユーザに関する情報をネットワーク上に接続されたデータベースに提供して蓄積するとともに、データベースにより、提供されたユーザに関する情報が、データベースにこれまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報と合わせて分析され、その分析結果に基づいて情報提供装置から提供されるユーザに必要な情報や指示を受信する情報提供システムにおける携帯情報端末であって、データベースおよび情報提供装置との間で情報の送受信を行う通信部と、ユーザに関する情報をデータベースに送信して、情報提供装置から提供されるユーザに必要な情報や指示を受信するために通信部を制御する制御部と、を備える。
【0009】
本発明の携帯端末装置は、ユーザに関する情報を記録する記憶部と、ネットワーク上に接続された外部装置との間で情報の送受信を行う通信部と、記憶部に記録されたユーザに関する情報を外部装置に提供して蓄積するために送信して、外部装置により、提供されたユーザに関する情報が、外部装置にこれまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報と合わせて分析され、その分析結果に基づいて提供されるユーザに必要な情報や指示を受信するために通信部を制御する制御部と、を備える。
また、ユーザに関する情報を管理する情報管理装置と接続する接続部を備え、制御部は、接続部を介して、ユーザに関する情報を情報管理装置に転送してもよい。
また、制御部は、接続部に接続された情報管理装置を介して、ユーザに関する情報を外部装置に送信し、外部装置から提供されるユーザに必要な情報や指示を受信するために情報管理装置を制御してもよい。
【0010】
また、ユーザの運動を検出する検出部を備え、制御部は、通信部または情報管理装置を介して、検出されたユーザの運動の情報を外部装置に送信して、外部装置により、送信されたユーザの運動に基づいて算出された消費エネルギーを受信してもよい。
また、ユーザが携帯情報端末を握持し、または携帯情報端末に向かって息を吐くことによって、ユーザの生体情報を計測する生体計測部を備え、制御部は、通信部または情報管理装置を介して、計測されたユーザの生体情報を外部装置に送信して、外部装置により、送信されたユーザの生体情報に基づいて分析されたユーザの健康状態を受信してもよい。
また、被写体像を撮像して画像を生成する撮像部を備え、制御部は、通信部または情報管理装置を介して、撮像部によって撮像されたユーザが摂取した食事の画像を外部装置に送信して、外部装置により、算出される食事による摂取エネルギーを受信してもよい。
また、外部装置から提供されるユーザに必要な情報や指示を表示する表示部を備えてもよい。
また、携帯電話として動作する通話部を備えてもよい。
【0011】
本発明の情報管理装置は、ユーザに関する情報を有する携帯情報端末と、ネットワーク上に接続され、携帯情報端末からユーザに関する情報を取得して蓄積するとともに、取得したユーザに関する情報を、これまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報に基づいて分析するデータベースと、データベースによって分析された結果に基づいて、ユーザに必要な情報や指示をユーザに提供する情報提供装置とともに構成される情報提供システムにおける情報管理装置であって、携帯情報端末を装着する装着部と、装着部を介して、携帯情報端末からユーザに関する情報を取得して管理する制御部と、管理するユーザに関する情報をデータベースに送信して、情報提供装置から提供されるユーザに必要な情報や指示を受信する通信部と、を備え、制御部は、通信部によって受信されたユーザに必要な情報や指示を携帯情報端末に、装着部を介して転送する。
【0012】
本発明の情報管理装置は、ユーザに関する情報を有する携帯情報端末を装着する装着部と、装着部を介して、携帯情報端末からユーザに関する情報を取得して管理する制御部と、管理するユーザに関する情報をネットワーク上に接続される外部装置に提供して蓄積するために送信して、外部装置により、提供されたユーザに関する情報が、外部装置にこれまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報と合わせて分析され、その分析結果に基づいて提供されるユーザに必要な情報や指示を受信する通信部と、を備え、制御部は、通信部によって受信されたユーザに必要な情報や指示を携帯情報端末に、装着部を介して転送する。
また、情報管理装置を駆動させる動作駆動部を備え、制御部は、管理するユーザに関する情報の内容に応じて、ユーザの注意を引くための動作を動作駆動部に行わせてもよい。
また、管理するユーザに関する情報の内容を外部の表示装置に表示させる表示出力部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザからの要求がなくとも、これまでに蓄積されたユーザに関する情報に応じて、必要な情報やメッセージをユーザが受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報提供システム100の構成図
【図2】情報提供システム100の携帯電話機30を情報管理装置50の装着部57に装着した状態を示す図
【図3】携帯電話機30をユーザが握持して生体計測部39による健康計測を行う場合の図
【図4】情報提供システム100の基本的な動作手順を示すフローチャート
【図5】携帯電話機30の表示部32に表示される初期画面の一例を示す図
【図6】(a)運動のアプリケーションが選択された場合の画面と(b)消費カロリーの変化をグラフにして示す画面との図
【図7】食事のアプリケーションが選択された場合の画面の一例を示す図
【図8】健康計測のアプリケーションが選択された場合の画面の一例を示す図
【図9】情報管理装置50の動作駆動部における動作設定の一例を示す図
【図10】本発明の第2の実施形態に係る情報提供システム200の構成図
【図11】携帯電話機30における生体計測部39の配置の一例を示す図
【図12】携帯電話機30の表示部32による表示の仕方の一例を示す図
【図13】本発明の第3の実施形態に係る情報提供システム300の構成図
【図14】本発明の第4の実施形態に係る情報提供システム400の構成図
【図15】情報提供システム400の携帯電話機30を情報管理装置50’の装着部57に装着した状態の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
≪第1の実施形態≫
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報提供システム100の概念図である。
情報提供システム100は、端末10(以下、エージェント10とする)、サーバ20、携帯電話機30、情報管理装置50およびテレビ60から構成される。端末10、サーバ20、携帯電話機30および情報管理装置50は、ネットワーク15を介して相互に情報伝達可能に接続されている。
【0016】
エージェント10は、一般的なワークステーションやパソコン等を用いることができる。エージェント10は、サーバ20が、取得し蓄積した過去や現在の天気や気温の情報、携帯電話機30を所有する複数のユーザそれぞれの情報等に基づいて、携帯電話機30のユーザ毎に現在の状況を解析した結果を、ネットワーク15を介して取得し、公知の手法を用いて、その解析結果に基づいて、各ユーザの携帯電話機30に、各ユーザの現在の状況に応じた必要な情報やメッセージを作成し送信する。
サーバ20は、過去や現在の天気や気温の情報、携帯電話機30から送信されてくる複数のユーザの情報等を取得して蓄積し、その蓄積された情報に基づいて、携帯電話機30のユーザ毎に、現在の状況を解析して、その解析結果をエージェント10に送信する。
【0017】
携帯電話機30は、音声通話部31、表示部32、無線通信部33、入出力インターフェス(入出力I/F)部34、CPU35、撮像部36、メモリ37、操作部材38および生体計測部39から構成される。音声通話部31、表示部32、無線通信部33、入出力インターフェス(入出力I/F)部34、CPU35、撮像部36、メモリ37、操作部材38および生体計測部39は、バス40を介して情報伝達可能に接続されている。なお、図1の携帯電話機30は主要部分のみを示す。例えば、携帯電話機30において、地上デジタル放送の受信機や電源である充電式の電池等は省略されている。
音声通話部31は、ユーザからの音声を電気信号に変換するマイクと、相手からの音声の電気信号を音声に変換するスピーカとよって構成され、後述する無線通信部33を介して、ユーザと相手との間で音声通話を行う。
【0018】
表示部32は、メモリ37に記憶されている様々なアプリケーションプログラムのアイコンを表示したり、エージェント10から送信されてくる情報やメッセージ等を表示する。表示部32には、液晶モニタ等を適宜選択して用いることができる。
無線通信部33は、携帯電話機30とネットワーク15または相手の携帯電話機とを無線によって接続し、双方向にデータの送受信を行ったり音声通話を行う。無線通信部33は、従来からの移動体通信網に応じた無線通信方式による無線通信を行い、移動体通信網の電波が弱いまたは受信できない時には、無線LANやWi−Fi等による無線通信を行う。なお、本実施形態において、後述するように、携帯電話機30が情報管理装置50の装着部57に装着された場合には、携帯電話機30の無線通信部33は、他の携帯電話機との間では移動体通信網のよる無線通信を行い、ネットワーク15との間では情報管理装置50の無線通信部53による無線LANやWi−Fi等による無線通信を行う。
【0019】
入出力I/F部34は、図2に示すように、携帯電話機30が情報管理装置50の装着部57に装着された時に、入出力I/F部51と接続される。そして、携帯電話機30のメモリ37に記憶されているユーザの各種情報が、入出力I/F部34および入出力I/F部51を介して、情報管理装置50の記憶部52へ転送され記録される。
CPU35は、ユーザによって操作部材38の電源釦が押されると、携帯電話機30の電源が入れられ、メモリ37に記憶されている制御プログラムを読み込み、携帯電話機30を初期化する。CPU35は、操作部材38を介してユーザからの指示を受け付けると、制御プログラムに基づいて、電話やメール等の各種アプリケーションを動作させたり、撮像部36による被写体の撮像指令を出したりする。さらに、本実施形態では、CPU35は、エージェント10との間で、メモリ37に記録されているユーザの情報を送信したり、エージェント10から受信した情報やメッセージを受信して表示部32に表示したり、それに応答したり等も行う。CPU35には、一般的なコンピュータのCPUが使用できる。
【0020】
撮像部36は、被写体を撮像して画像データを生成する電子カメラである。撮像部36には、一般的なレンズと撮像素子等とから構成される小型の電子カメラを用いることができる。
メモリ37は、CPU35が携帯電話機30を制御するための制御プログラムや、ユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および、後述する生体計測部39によって計測されるユーザの健康状態の情報や運動履歴等が記録される。メモリ37には、半導体メモリのうち、任意の不揮発性メモリを適宜選択して用いることができる。
操作部材38は、ユーザによる部材操作の内容に応じた操作信号をCPU35に出力する。操作部材38には、例えば、電源釦、各種アプリケーションの起動釦及び表示部32に表示されるカーソルの操作釦等の操作部材を有する。なお、操作部材38は、表示部32の画面に表示されるタッチパネル式の釦であってもよいし、携帯電話機30の本体の一部に設けられたタッチセンサ等であってもよい。
【0021】
生体計測部39は、例えば、図3に示すように、ユーザが携帯電話機30を握持することによって、公知の光電脈拍検出方式やインピーダンス方式等によって、ユーザの血圧、脈拍および体脂肪等を計測する。また、生体計測部39は、加速度センサ(不図示)を備え、日々の運動を測る歩数計等としても動作する。なお、本実施形態では、無線通信部33を構成するマイクは、ユーザが息を吹きかけることによって口臭を測定する機能を有し、生体計測部39の一部の機能として動作するものとする。
【0022】
図2に示すように携帯電話機30が装着される情報管理装置50は、入出力I/F部51、記憶部52、無線通信部53、CPU54、外部表示出力I/F部55および装着部57(図2)から構成される。入出力I/F部51、記憶部52、無線通信部53、CPU54および外部表示出力I/F部55は、バス56を介して情報伝達可能に接続されている。なお、図1の情報管理装置50は主要部分のみを示す。例えば、情報管理装置50において、装着部57に携帯電話機30が装着された場合に、入出力I/F部34および入出力I/F部51を介して、携帯電話機30の充電式の電池(不図示)を充電するための電源装置等は省略されている。
【0023】
情報管理装置50の入出力I/F部51、無線通信部53およびCPU54の各々は、携帯電話機30の入出力I/F部34およびCPU35の各々の動作と同じであり、詳しい説明は省略する。
記憶部52は、携帯電話機30が装着部57に装着された時に、CPU54の指示に基づいて、携帯電話機30のメモリ37に記録されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されるユーザの健康状態の情報や運動履歴等を読み込み記録する、記憶部52には、一般的なハードディスク装置、光磁気ディスク装置または半導体メモリである任意の不揮発性メモリを選択して用いることができる。
【0024】
無線通信部53は、基本的に携帯電話機30の無線通信部33と同じ動作をし、情報管理装置50とネットワーク15とを無線LANやWi−Fiによって接続し、双方向にデータの送受信を行う。
外部表示出力I/F部55は、外部の表示装置であるテレビ60と有線で接続され、ユーザによる操作部材38の操作に応じて、携帯電話機30のCPU35やCPU54が出す指示に従って、記憶部52に記憶されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されるユーザの健康状態の情報や運動履歴等を出力して表示したり、携帯電話機30の受信機(不図示)が受信する地上デジタル放送を表示したりする。テレビ60には、一般的な地上デジタル放送に対応したテレビを適宜選択して用いることができる。
【0025】
次に、本実施形態に係る情報提供システム100の基本的な動作手順について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS101:ユーザが、操作部材38の電源釦を押すことによって、携帯電話機30の電源が入れられる。すると、携帯電話機30のCPU35は、メモリ37に記憶されている制御プログラムを読み込み、携帯電話機30を初期化する。携帯電話機30のCPU35は、図5に示すような初期画面を、表示部32に表示して、相手からの通話やメールの着信、またはエージェント10から送信されてくる情報やメッセージの受信を待機して待つ。なお、本実施形態では、ユーザは、あらかじめ操作部材38を操作して、携帯電話機30にユーザ自身の生年月日、年齢、身長および体重等の情報を入力してあるものとする。
【0026】
ここで、図5の表示部32に表示されるアイコンは、例えば、電波の受信状態を表すアイコン61、携帯電話機30の充電状態を示すアイコン64、現在の時刻表示62、カーソル63および各種アプリケーションのアイコン70〜78である。なお、アイコン70は通話のアプリケーションのアイコンを、アイコン71は運動によって消費エネルギーを計算するアプリケーションのアイコンを、アイコン72は音楽のアプリケーションのアイコンを、アイコン73は地上デジタル放送を視聴するアプリケーションのアイコンを、アイコン74はユーザの健康計測を行うアプリケーションのアイコンを、アイコン75はインターネットのアプリケーションのアイコンを、アイコン76はメールのアプリケーションのアイコンを、アイコン77はユーザが摂取する食事の摂取エネルギーを計算するアプリケーションのアイコンを、アイコン78は撮像部36による撮影のアプリケーションのアイコンをそれぞれ表す。
【0027】
ステップS102:携帯電話機30のCPU35は、ユーザによって表示部32に表示されているアイコン70〜78のいずれかが選択されたか否かを判定する。CPU35は、ユーザによって、アイコン70〜78のいずれのアプリケーションも選択されなかったと判定した場合には、ステップS103(NO側)へ移行する。一方、アイコン70〜78のいずれのアプリケーションが選択されたと判定した場合には、CPU35は、ステップS107(YES側)へ移行する。
【0028】
ここで、以下の説明では、上記ステップS102でアプリケーションが選択されなかった場合と選択された場合とに分けて説明する。
≪アプリケーションが選択されなかった場合≫
ステップS103:携帯電話機30のCPU35は、メモリ37に記憶されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されたユーザの健康状態の情報や運動履歴等をサーバ20に送信する。もちろん、今回いずれのアプリケーションも選択されなかったという履歴も情報の1つとして送信される。
【0029】
ステップS104:サーバ20は、携帯電話機30から送信されてきた新たな情報ととともに、これまでにサーバ20に蓄積されたその携帯電話機30のユーザの情報履歴、携帯電話機30の他の複数のユーザの情報の統計的な解析、および現在や過去の天気や気温の情報等を参照して、ユーザにおける現在の状況やこれまでの行動履歴や傾向の解析を、公知の手法を用いて行う。サーバ20は、その解析結果をエージェント10に送信する。
ステップS105:エージェント10は、サーバ20から受信した解析結果に基づいて、ユーザに対して、現在の状況において必要と思われる情報や指示をメッセージとして作成する。エージェント10は、作成したメッセージを携帯電話機30に送信する。
【0030】
ステップS106:携帯電話機30のCPU35は、エージェント10から受信したメッセージを表示部32に表示する。例えば、朝であれば、「おはようございます。昨夜は何時間くらいおやすみになりましたか?」や「朝食は食べましたか?和食が良いらしいですよ。」というメッセージを、夕方に運動を行う傾向がある場合には、「17時30分になりました。今日もスポーツしますか?」というメッセージを、または、サーバ20が取得した天気の情報に基づいて、「今日は雨がふっているので、傘を忘れないようにしましょう。」等の情報や指示のメッセージをエージェント10から受信し、携帯電話機30の表示部32に表示する。そして、これらの情報や指示に対して、ユーザが答えてもよいし、答えなくてもよいが、そうしたユーザの対応も履歴情報の1つとして、携帯電話機30のCPU35は、メモリ37に記録するとともに、サーバ20に送信し、サーバ20に蓄積される。
【0031】
以上が、ステップS102において、ユーザがいずれのアプリケーションも選択しなかった場合についての情報提供システム100の動作手順である。
≪アプリケーションが選択された場合≫
ステップS102において、図5が示すアイコン70〜78のうち、(1)アイコン71の運動による消費エネルギーを計算するアプリケーション、(2)アイコン77の食事の摂取エネルギーを計算するアプリケーション、および(3)アイコン74の健康計測を行うアプリケーションがそれぞれ選択された場合について説明する。なお、上記3つのアプリケーションを本実施形態では、メディカルアプリケーションと呼ぶことにする。また、それ以外のアイコン70は通話のアプリケーション、アイコン72は音楽のアプリケーション、アイコン73は地上デジタル放送を視聴するアプリケーション、アイコン75はインターネットのアプリケーション、アイコン76はメールのアプリケーション、およびアイコン78は撮像部36による撮影のアプリケーションは、これまでに公知の手法を用いて行うことが可能であり、詳しい説明は省略する。
(1)運動による消費エネルギーを計算するアプリケーションが選択された場合
ステップS107:携帯電話機30のCPU35は、ステップS102においてユーザによってアイコン71が選択されると、図6(a)に示すような、どの運動による消費エネルギーを計算するかをユーザに聞く。ユーザは、表示部32の表示画面を直接触るか、操作部材38であるタッチセンサでカーソル63を操作して、例えば、アイコン71aの歩行運動による消費エネルギーの計算を選択する。ユーザは、歩行運動を行うことで、携帯電話機30の生体計測部39を構成する加速度センサ(不図示)によって、歩数計測が開始される。ここで、アイコン71bはジョギングを、アイコン71cはサイクリングを、アイコン71dは水泳をそれぞれ表す。
【0032】
ステップS103:携帯電話機30のCPU35は、最終的に、ユーザがどれくらいの時間、距離および歩数を歩行したかの情報を、サーバ20に送信する。
ステップS104:サーバ20は、携帯電話機30から送信されてきたユーザによる歩行運動の時間、距離および歩数の情報から、その歩行運動による消費エネルギーを計算して求めるとともに、そのユーザの運動履歴として記録する。サーバ20は、今回のユーザの歩行運動の時間、距離、歩数および消費エネルギーの結果とともに、そのユーザの過去の運動履歴および携帯電話機30の他の複数のユーザの運動履歴における統計的な解析結果や傾向等の情報を、エージェント10に送信する。
【0033】
ステップS105:エージェント10は、サーバ20から送信されてきたユーザの今回の運動結果とともに、そのユーザの過去の運動履歴および他の複数のユーザの運動履歴における統計的な解析結果や傾向等の情報に基づいて、そのユーザに対して必要な情報や指示のメッセージの作成を行う。エージェント10は、作成したメッセージを携帯電話機30に送信する。
ステップS106:携帯電話機30のCPU35は、エージェント10から受信した情報や指示のメッセージを表示部32に表示する。例えば、「今日の歩行時間は1時間で、5km歩きました。消費カロリーは420kcalでした。明日もがんばりましょう!」や「昨日は3km歩きましたが、今日は5km歩きました。明日もその調子でがんばりましょう!」等の情報や指示のメッセージをエージェント10から受信し、携帯電話機30の表示部32に表示する。或いは、図6(b)に示すような、ユーザによる日々の運動による消費エネルギーをグラフにして、携帯電話機30の表示部32に表示させてもよい。なお、図6(b)では日々の消費エネルギーのグラフを表示させたが、ユーザによる操作部材38の操作に応じて、表示部32に表示されるグラフを、1日毎の項目釦80、1週間毎の項目釦81、1ヶ月毎の項目釦82のいずれかを選択することによって、表示の仕方を切り替えるようにしてもよい。また、左スクロール釦83または右スクロール釦84を押すことによって、前後の日、週または月単位での消費カロリーの変化の様子を確認することができるようにしてもよい。
【0034】
以上が、ステップS102において、ユーザがアイコン71の運動による消費エネルギーを計算するアプリケーションを選択した場合についての情報提供システム100の動作手順である。
(2)食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションが選択された場合
ステップS107:携帯電話機30のCPU35は、ステップS102において、ユーザによって表示部32の表示画面に直接触るか、操作部材38のタッチセンサでカーソル63を操作して、アイコン77の食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションが選択されると、図7に示すように、「食事を撮影してください」というメッセージ90が表示される。携帯電話機30のCPU35は、ユーザによる操作部材38の操作に応じて、撮像部36にユーザが摂取しようとする食事を撮像させ画像を生成させる。CPU35は、撮像された食事の画像91を表示部32に表示する。
【0035】
ステップS103:携帯電話機30のCPU35は、食事の画像91をサーバ20に送信する。
ステップS104:サーバ20は、携帯電話機30から送信されてきた食事の画像91に基づいて色分解を行い、その食事が何であるか、その食事には野菜がどれくらい含まれているか、または、蛋白質や炭水化物等の栄養素がどれくらい含まれているかを分析する。サーバ20は、その分析結果を基に、その食事による摂取エネルギーを計算して求め、ユーザの食事履歴として記録する。サーバ20は、今回の食事の情報とともに、摂取エネルギーの結果と過去の食事履歴、および摂取エネルギーの結果と過去の食事履歴、および携帯電話機30の他の複数のユーザの食事履歴における統計的な解析結果や傾向等の情報を、エージェント10に送信する。
【0036】
ステップS105:エージェント10は、サーバ20から送信されてきたユーザの今回の食事とともに、摂取エネルギーの結果と過去の食事履歴、およびの他の複数のユーザの食事履歴における統計的な解析結果や傾向等の情報に基づいて、そのユーザに対して必要な情報や指示のメッセージの作成を行う。エージェント10は、作成したメッセージを携帯電話機30に送信する。
ステップS106:携帯電話機30のCPU35は、エージェント10から受信した情報や指示のメッセージを表示部32に表示する。例えば、「今日の食事はキツネうどんですね。摂取カロリーは398kcalでした。野菜をもっと摂るようにしょう!」や「本日の摂取カロリーは1200kcalです。あと400kcalに抑えてください。」等の情報や指示のメッセージをエージェント10から受信し、携帯電話機30の表示部32に表示する。或いは、図6(b)に示すような方法で、ユーザによる日々の食事による摂取エネルギーのグラフを、携帯電話機30の表示部32に表示させてもよい。
【0037】
以上が、ステップS102において、ユーザがアイコン77の食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションを選択した場合についての情報提供システム100の動作手順である。
(3)健康計測を行うアプリケーションが選択された場合
ステップS107:携帯電話機30のCPU35は、ステップS102において、ユーザによって表示部32の表示画面に直接触るか、操作部材38のタッチセンサでカーソル63を操作して、アイコン74の健康測定を行うアプリケーションが選択されると、図8に示すように、計測項目の一覧が表示されるとともに、「携帯電話本体を握って下さい」というメッセージ110が表示される。そして、ユーザが、図3に示すように携帯電話機30を握持することにより、生体計測部39は、公知の光電脈拍検出方式やインピーダンス方式等によって、ユーザの血圧、脈拍および体脂肪等を計測する。また、生体計測部39の一部として動作する、無線通信部33を構成するマイクに、ユーザが息を吹きかけることによって口臭を測定する。
【0038】
ステップS103:携帯電話機30のCPU35は、今回計測されたユーザの計測結果を表示部32に表示するとともに、サーバ20に送信する。
ステップS104:サーバ20は、携帯電話機30から送信されてきた計測結果を、そのユーザの健康履歴として記録する。サーバ20は、今回の計測結果とともに、そのユーザの過去の健康履歴の情報および携帯電話機30の他の複数のユーザの健康履歴における統計的な解析結果や傾向等を、エージェント10に送信する。
ステップS105:エージェント10は、サーバ20から送信されてきたユーザの今日の計測結果とともに、そのユーザの過去の健康履歴の情報および他の複数のユーザの健康履歴についての統計的な解析結果や傾向等に基づいて、そのユーザに対して必要な情報や指示のメッセージの作成を行う。エージェント10は、作成したメッセージを携帯電話機30に送信する。
【0039】
ステップS106:携帯電話機30のCPU35は、エージェント10から受信した情報や指示を表示部32に表示する。例えば、「体脂肪が標準値より高いです。まずは歩行運動からはじめませんか?」等の情報や指示のメッセージをエージェント10から受信し、携帯電話機30の表示部32に表示する。或いは、図6(b)に示すような方法で、ユーザによる日々の健康状態をグラフで、携帯電話機30の表示部32に表示させてもよい。
以上が、ステップS102において、ユーザがアイコン74の健康計測を行うアプリケーションを選択した場合についての情報提供システム100の動作手順である。
【0040】
これらの3つからなるメディカルアプリケーションによって、ユーザの日々の生活における運動、食事および健康状態等の情報が、サーバ20に蓄積されていくだけでなく、携帯電話機30を情報管理装置50の装着部57に装着することによって、情報管理装置50の記憶部52にもその情報が蓄積される。そして、ユーザは、その蓄積された情報を携帯電話機30の表示部32で確認できるだけでなく、情報管理装置50の外部表示出力I/F部56に接続されたテレビ60の画面で、図6(b)のようなグラフ等の表示から確認することができる。
【0041】
このように本実施形態では、サーバ20にこれまでに蓄積されたユーザに関する履歴情報とともに、ユーザの携帯電話機30から受信する現在のユーザの状況に基づいて、エージェント10が、ユーザからの要求がなくとも、ユーザにとって必要な情報や指示のメッセージを作成し、ユーザが受け取ることによって、ユーザにとって現在または今後の行動において、適切に対応することが可能となる。
また、情報管理装置50とその外部表示出力I/F部55に接続されたテレビ60が、例えば、ジムのような各運動施設に備えられるならば、ユーザが携帯電話機30を運動施設にある情報管理装置50の装着部57に装着することによって、ユーザのこれまでの日々の生活における運動、食事および健康状態等の情報が、テレビ60に表示されて確認できることから、ユーザの健康状態に合わせたトレーニングの構成、ジムに新規トレーニング機器が導入された場合のインフォメーションや携帯電話機30と連動した新規トレーニング機器からデータを取得し運動量を測定することが可能となる。
【0042】
また、情報管理装置50とその外部表示出力I/F部55に接続されたテレビ60が、例えば、各レストラン等に備えられているならば、ユーザが携帯電話機30を各レストランにある情報管理装置50の装着部57に装着することによって、ユーザのこれまでの日々の生活における運動、食事および健康状態等の情報が、テレビ60に表示されて確認できることから、ユーザの健康状態に合わせたメニューの構成、新規店がオープンした場合のインフォメーションや携帯電話機30と連動した摂取食物データを取得し、栄養素を測ることが可能となる。
【0043】
また、情報管理装置50とその外部表示出力I/F部55に接続されたテレビ60が、例えば、各医療機関に備えられているならば、ユーザが携帯電話機30を医療機関にある情報管理装置50の装着部57に装着することによって、患者であるユーザのこれまでの日々の生活における運動、食事および健康状態等の情報が、テレビ60に表示されて確認できることから、医者にとって患者の健康状態および今後の治療方針等を的確に判断することが可能となる。
≪第1の実施形態の補足事項≫
本実施形態では、図1においてエージェント10およびサーバ20は、それぞれ1つであったが、本発明はこれに限定されず、複数あってもよい。ユーザが携帯電話機30を立ち上げた時に、いずれかのエージェント10やサーバ20を選択できるようにするのが好ましい。
【0044】
なお、本実施形態では、ステップS101で携帯電話機30の電源が入れられると、図5に示すような初期画面になるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電源が入ると同時に、電話の着信があった場合には、表示部32は着信を知らせる画面表示になり、その通話中にエージェント10から情報等を受信した場合には、表示部32にそれを知らせるアイコン等を表示させるようにするのが好ましい。
【0045】
なお、本実施形態では、情報管理装置50は、記憶部52に記憶されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されるユーザの健康状態の情報や運動履歴等を記録したり、外部表示出力I/F部55を介して、それらの情報や携帯電話機30の受信機(不図示)が受信する地上デジタル放送をテレビ60に表示したりしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、情報管理装置50が動作駆動部のようなものを備え、記憶部52に記録されたユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されるユーザの健康状態の情報や運動履歴等に応じて、ユーザの注意を引くために、情報管理装置50が音を鳴らしたり、LEDによる光の点滅を行ったり、または回転等の動作を行ってもよい。
【0046】
具体的には、図9に示すように、情報管理装置50の動作駆動部が、留守番電話や未読メール等の数、電話やメール等の使用頻度、音楽やゲームの使用頻度および摂取カロリーや消費カロリー等の値の大きさに応じて、LEDの点滅、揺れ運動、回転運動およびアラーム音を鳴らす。なお、LEDの点滅、揺れ運動、回転運動およびアラーム音を鳴らすための留守番電話や未読メール等の数、電話やメール等の使用頻度、音楽やゲームの使用頻度および摂取カロリーや消費カロリー等の閾値をあらかじめ記憶部52に設定・記憶させておくことが好ましい。さらに、その閾値は、所定の期間(例えば、1週間)毎に、その期間における留守番電話や未読メール等の数、電話やメール等の使用頻度、音楽やゲームの使用頻度および摂取カロリーや消費カロリー等の平均値と比較して、互いの値が大きく異なる場合には、平均値を新たな閾値として設定することが好ましい。
【0047】
なお、図9では、留守番電話や未読メール等の数、電話やメール等の使用頻度、音楽やゲームの使用頻度および摂取カロリーや消費カロリーの各々と、LEDの点滅、揺れ運動、回転運動およびアラームの各々と対応しているが、本発明はこれに限定されず、対応関係は適宜変更することができる。また、LEDの点滅、揺れ運動、回転運動およびアラームの鳴らし方のパターンは、情報管理装置50の記憶部52に蓄積されるユーザの情報量に応じて変化するように、動作が進化するような制御プログラムが記憶部52に記憶されていることが好ましい。これにより、ユーザを飽きさせることなく、常に注意を引きつけることができる。
【0048】
なお、本実施形態では、携帯電話機30のメモリ37にインストールされているアプリケーションは、アイコン70〜78で表されるものだけであったが、本発明はこれに限定されず、アイコン75のインターネットによるアプリケーションを介して、様々なアプリケーションを追加することができる。
なお、本実施形態では、情報管理装置50は、装着された携帯電話機30から受信したユーザに関する情報を記憶部52に記録して、その情報を外部表示出力I/F部55を介してテレビ60に表示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、携帯電話機30のアイコン73の地上デジタル放送のアプリケーションが選択された場合、地上デジタル放送の番組を表示部32に表示してもよいし、情報管理装置50に装着され外部表示出力I/F部55にテレビ60が接続されている場合には、テレビ60にその番組を表示してもよい。また、情報管理装置50が、記憶部52に記録されているユーザの情報のうち、ユーザが好んで視聴している番組についての情報や番組表を、無線通信部53を介して、エージェント10やサーバ20から受信することによって、ユーザが留守の間に、情報管理装置50が、ユーザがいつも観ているまたは観たそうな番組を、テレビ60と外部表示出力I/F部55とを介して、記憶部52に録画してもよい。
【0049】
なお、本発明は、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈されてはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
≪第2の実施形態≫
図10は、本発明の第2の実施形態に係る情報提供システム200の概念図である。
【0050】
本実施形態に係る情報提供システム200が、第1の実施形態に係る情報提供システム100と異なる点は、エージェント10、サーバ20および携帯電話機30から構成される点にある。なお、エージェント10、サーバ20および携帯電話機30の各々を構成する各要素は、図1に示すものと同じであり、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態における携帯電話機30の各構成要素のうち、第1の実施形態のものと異なる点について、以下に説明する。なお、図10の携帯電話機30は主要部分のみを示す。例えば、携帯電話機30を駆動するための充電式電池、およびその充電式電池を充電するための充電器等は省略されている。
【0051】
本実施形態における表示部32は、メモリ37に記憶されている様々なアプリケーションプログラムのアイコン、エージェント10から送信されてくる情報やメッセージ等を表示する。なお、本実施形態における表示部32は、図2に示すように、携帯電話機30の面の一部に設けられているが、その面全体に設けられてもよい。
また、本実施形態における無線通信部33は、従来の移動体通信網に応じた無線通信方式による無線通信を行い、移動体通信網の電波が弱いまたは受信できない時には、無線LAN、Wi−Fi、赤外線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の方式による無線通信を行うものとする。さらに、無線通信部33には、全地球測位システム(GPS)の信号を受信して、現在位置を求めるGPS受信機も有する。
また、本実施形態における操作部材38は、表示部32の画面に表示されるタッチパネル式の釦であってもよいし、携帯電話機30の本体の一部または全体に設けられたタッチセンサ等であってもよい。
【0052】
また、本実施形態における生体計測部39として、例えば、圧力センサが、図11に示すように、図3に示される表示部32が設けられた携帯電話機30の面とは反対側の面にさらに備えられる。ユーザが、第1の実施形態の場合と同様に、携帯電話機30を生体計測部39に触れるように握持することによって、公知の光電脈拍検出方式やインピーダンス方式等によって、ユーザの血圧、脈拍および体脂肪等を計測する。なお、本実施形態では、生体計測部39である圧力センサがユーザの健康測定に用いられない時、カーソル63を操作する操作部材38として用いてもよい。
また、従来、携帯電話機の表示部の大きさが小さいことから、画像やウェブページ等は、画像やウェブページの大きさを縮小したり、ウェブページの内容を簡略化したりして表示されていた。本実施形態では、生体計測部39である加速度センサ(不図示)がユーザの健康測定に用いられない時、CPU35は、図12に示すように、仮想的には画像93やウェブページ等は元の大きさのままで、表示部32にその一部を表示して、ユーザにより携帯電話機30が上下左右等に動かされることで、その動きを加速度センサ(不図示)が検出し、その検出された信号に応じて画像93やウェブページ等上を移動するように表示してもよい。
【0053】
次に、本実施形態に係る情報提供システム200の動作手順は、第1の実施形態に係る情報提供システム100と同じであり、図4のフローチャートに従って行われる。
ステップS101:ユーザが、携帯電話機30の操作部材38の電源釦を押すことによって、携帯電話機30に充電式電池(不図示)から電力が供給される。携帯電話機30のCPU35は、メモリ37に記憶されている制御プログラムを読み込み、携帯電話機30を初期化する。CPU35は、図5に示すような初期画面を表示部32に表示して、相手からの通話やメール、またはエージェント10から送信されてくる情報やメッセージの受信を待機して待つ。なお、本実施形態では、ユーザが、あらかじめ操作部材38を操作して、携帯電話機30にユーザ自身の生年月日、年齢、身長および体重等の情報を入力して、メモリ37に記録しているものとする。
【0054】
ステップS102:CPU35は、ユーザによって表示部32に表示されるアイコン70〜78のいずれかが選択されたか否かを判定する。CPU35は、ユーザによって、アイコン70〜78のいずれのアプリケーションも選択されなかったと判定した場合には、ステップS103(NO側)へ移行する。一方、アイコン70〜78のいずれのアプリケーションが選択されたと判定した場合には、CPU35は、ステップS107(YES側)へ移行する。
【0055】
以下の説明では、上記ステップS102でアプリケーションが選択されなかった場合と選択された場合とに分けて説明する。
≪アプリケーションが選択されなかった場合≫
ステップS103:CPU35は、メモリ37に記憶されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されたユーザの健康状態の情報や運動履歴等をサーバ20に送信する。なお、今回いずれのアプリケーションも選択されなかったという履歴も情報の1つとして送信される。
【0056】
ステップS104:サーバ20は、携帯電話機30から送信されてきた新たな情報ととともに、これまでにサーバ20に蓄積されたその携帯電話機30のユーザの情報履歴、携帯電話機30を所持する他の複数のユーザに関する同様の情報、および現在や過去の天気や気温の情報等を参照して、ユーザにおける現在の状況やこれまでの行動履歴やその傾向に関する統計的な解析を、公知の手法を用いて行う。サーバ20は、その解析結果をエージェント10に送信する。
ステップS105:エージェント10は、サーバ20から受信した解析結果に基づいて、ユーザに対して、現在の状況において必要と思われる情報や指示をメッセージとして作成する。エージェント10は、作成したメッセージを携帯電話機30に送信する。
【0057】
ステップS106:携帯電話機30のCPU35は、エージェント10から受信したメッセージを表示部32に表示する。例えば、朝であれば、「おはようございます。昨夜は何時間くらいおやすみになりましたか?」や「朝食は食べましたか?和食が良いらしいですよ。」というメッセージを、夕方に運動を行う傾向がある場合には、「17時30分になりました。今日もスポーツしますか?」というメッセージを、または、サーバ20が取得した天気の情報に基づいて、「今日は雨がふっているので、傘を忘れないようにしましょう。」等の情報や指示のメッセージをエージェント10から受信し、携帯電話機30の表示部32に表示する。
また、CPU35は、ステップS105において、朝に、「朝食は食べましたか?和食が良いらしいですよ。」というメッセージをエージェント10から受信した場合、そのメッセージとともに、例えば、無線通信部33によって受信したGPS信号による現在位置情報と、その位置周辺における朝食が取れるレストラン等の情報とをエージェント10から受信して、上記メッセージとともに、現在位置を示した地図にレストラン情報を重ねて表示するようにしてもよい。ユーザが、表示部32をタッチして、いずれかのレストランを選択した場合、選択されたレストランのより詳しい朝食メニューや口コミ等の情報が表示されるのが好ましい。なお、これらの情報や指示に対して、ユーザが答えてもよいし、答えなくてもよい。しかしながら、そうしたユーザの個々のメッセージに対する対応も履歴情報の1つとして、携帯電話機30のCPU35は、メモリ37に記録するとともに、サーバ20に送信し、サーバ20に蓄積される。
【0058】
以上が、ステップS102において、ユーザがいずれのアプリケーションも選択しなかった場合についての情報提供システム200の動作手順である。
≪アプリケーションが選択された場合≫
ステップS102において、第1の実施形態の場合と同様に、(1)アイコン71の運動による消費エネルギーを計算するアプリケーション、(2)アイコン77の食事の摂取エネルギーを計算するアプリケーション、および(3)アイコン74の健康計測を行うアプリケーションであるメディカルアプリケーションのそれぞれが選択された場合について説明する。
(1)運動による消費エネルギーを計算するアプリケーションが選択された場合
ステップS107:携帯電話機30のCPU35は、ステップS102においてユーザによってアイコン71が選択されると、図6(a)に示すような、どの運動による消費エネルギーを計算するかをユーザに聞く。ユーザは、表示部32の表示画面の前面に設けられたタッチパネルである操作部材38を用いたカーソル63の操作等により、例えば、アイコン71aの歩行運動による消費エネルギーの計算を選択する。ユーザは、歩行運動を行うことで、携帯電話機30の生体計測部39を構成する加速度センサ(不図示)によって、歩数計測が開始される。
【0059】
ステップS103:CPU35は、最終的に、ユーザがどれくらいの時間、距離および歩数を歩行したかの情報を、サーバ20に送信する。
ステップS104:サーバ20は、携帯電話機30から送信されてきたユーザによる歩行運動の時間、距離および歩数の情報から、その歩行運動による消費エネルギーを計算して求めるとともに、そのユーザの運動履歴として記録する。サーバ20は、今回のユーザの歩行運動の時間、距離、歩数および消費エネルギーの結果とともに、そのユーザの過去の運動履歴および携帯電話機30の他の複数のユーザの運動履歴における統計的な解析結果や傾向等の情報を、エージェント10に送信する。
ステップS105:エージェント10は、サーバ20から送信されてきたユーザの今回の運動結果とともに、そのユーザの過去の運動履歴および他の複数のユーザの運動履歴における統計的な解析結果や傾向等の情報に基づいて、そのユーザに対して必要な情報や指示のメッセージの作成を行う。エージェント10は、作成したメッセージを携帯電話機30に送信する。
【0060】
ステップS106:携帯電話機30のCPU35は、エージェント10から受信した情報や指示のメッセージを表示部32に表示する。例えば、「今日の歩行時間は1時間で、5km歩きました。消費カロリーは420kcalでした。明日もがんばりましょう!」や「昨日は3km歩きましたが、今日は5km歩きました。明日もその調子でがんばりましょう!」等の情報や指示のメッセージをエージェント10から受信し、携帯電話機30の表示部32に表示する。
なお、第1の実施形態の場合と同様に、図6(b)に示すように、CPU35は、ユーザによる日々の運動による消費エネルギーをグラフにして、携帯電話機30の表示部32に表示してもよい。
【0061】
また、エージェント10は、ステップS105において、サーバ20から送信されてきたユーザの今回の運動による消費エネルギー、例えば、ユーザによる今日の歩行運動によって、420kcalのエネルギーが消費された場合、生ビール(中瓶)1本が約200kcalであることから、「今日の歩行時間は1時間で、5km歩きました。消費カロリーは420kcalでした。生ビール(中瓶)2本飲めます。飲みますか?」というメッセージとともに、生ビールが購入できるウェブサイトのアドレス情報を、携帯電話機30に送信する。携帯電話機30のCPU35は、ステップS106において、上記メッセージとともに、生ビールを飲むか否かの「はい」、「いいえ」釦を表示して、操作部材38からのユーザによる判断の選択信号を受信するまで待機する。CPU35は、ユーザによる生ビールを飲むとの選択信号を受信した場合、エージェント10から受信した生ビールが購入できるウェブサイトの一覧を表示して、購入できるようにしてもよい。
【0062】
さらに、CPU35は、生ビールが購入できるウェブサイトの一覧とともに、おつまみ等の購入サイトの一覧をエージェント10から受信して、表示部32に併せて表示してもよいし、または、生ビールが購入できるウェブサイトの一覧の代わりに、上記メッセージとともに、無線通信部33によって受信したGPS信号による現在位置と、現在位置周辺にある酒屋または居酒屋等の情報とをエージェント10から受信し、そのメッセージと現在位置を示した地図に居酒屋等の情報を重ねて表示部32に表示してもよい。ユーザが、表示部32をタッチして、いずれかの店を選択した場合、選択された店のより詳しいメニューや口コミ等の情報が表示されるのが好ましい。
【0063】
以上が、ステップS102において、ユーザがアイコン71の運動による消費エネルギーを計算するアプリケーションを選択した場合についての情報提供システム100の動作手順である。
(2)食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションが選択された場合
ステップS107:携帯電話機30のCPU35は、ステップS102において、ユーザによって表示部32の表示画面の前面に設けられたタッチパネルである操作部材38を用いたカーソル63の操作等により、アイコン77の食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションが選択されると、図7に示すように、「食事を撮影してください」というメッセージ90が表示される。携帯電話機30のCPU35は、ユーザによる操作部材38の操作に応じて、撮像部36にユーザが摂取しようとする食事を撮像させ画像を生成させる。CPU35は、撮像された食事の画像91を表示部32に表示する。
【0064】
ステップS103:CPU35は、食事の画像91をサーバ20に送信する。
ステップS104:サーバ20は、携帯電話機30から送信されてきた食事の画像91に基づいて色分解を行い、その食事が何であるか、その食事には野菜がどれくらい含まれているか、または、蛋白質や炭水化物等の栄養素がどれくらい含まれているかを分析する。サーバ20は、その分析結果を基に、その食事による摂取エネルギーを計算して求め、ユーザの食事履歴として記録する。サーバ20は、今回の食事の情報とともに、摂取エネルギーの結果と過去の食事履歴、および摂取エネルギーの結果と過去の食事履歴、および携帯電話機30の他の複数のユーザの食事履歴における統計的な解析結果や傾向等の情報を、エージェント10に送信する。
ステップS105:エージェント10は、サーバ20から送信されてきたユーザの今回の食事とともに、摂取エネルギーの結果と過去の食事履歴、およびの他の複数のユーザの食事履歴における統計的な解析結果や傾向等の情報に基づいて、そのユーザに対して必要な情報や指示のメッセージの作成を行う。エージェント10は、作成したメッセージを携帯電話機30に送信する。
【0065】
ステップS106:携帯電話機30のCPU35は、エージェント10から受信した情報や指示のメッセージを表示部32に表示する。例えば、「今日の食事はキツネうどんですね。摂取カロリーは398kcalでした。野菜をもっと摂るようにしょう!」や「本日の摂取カロリーは1200kcalです。あと400kcalに抑えてください。」等の情報や指示のメッセージをエージェント10から受信し、携帯電話機30の表示部32に表示する。
なお、第1の実施形態の場合と同様に、図6(b)に示すような表示形態で、CPU35は、ユーザによる日々の食事による摂取エネルギーのグラフを、携帯電話機30の表示部32に表示してもよい。
【0066】
また、携帯電話機30のCPU35は、ステップS105において、例えば、上述した「今日の食事はキツネうどんですね。摂取カロリーは398kcalでした。野菜をもっと摂るようにしょう!」というメッセージをエージェント10から受信した場合、そのメッセージとともに、無線通信部33によって受信したGPS信号による現在位置と、現在位置周辺にあるキツネうどんが取れる他のレストランや野菜が取れるレストラン等の情報とをエージェント10から受信し、そのメッセージと現在位置を示した地図にレストランの情報を重ねて表示部32に表示してもよい。ユーザが、表示部32をタッチして、いずれかのレストランを選択した場合、選択されたレストランのより詳しいメニューや口コミ等の情報が表示されるのが好ましい。
【0067】
以上が、ステップS102において、ユーザがアイコン77の食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションを選択した場合についての情報提供システム100の動作手順である。
(3)健康計測を行うアプリケーションが選択された場合
ステップS107:携帯電話機30のCPU35は、ステップS102において、ユーザによって表示部32の表示画面の前面に設けられたタッチパネルである操作部材38を用いたカーソル63の操作等により、アイコン74の健康測定を行うアプリケーションが選択されると、図8に示すように、計測項目の一覧が表示されて、いずれかの計測項目が選択されると「携帯電話本体を握って下さい」や「息を吹きかけてください」等のメッセージ110が表示される。そして、ユーザが、図3に示すように携帯電話機30を握持することにより、生体計測部39は、公知の光電脈拍検出方式やインピーダンス方式等によって、ユーザの血圧、脈拍および体脂肪等を計測する。また、生体計測部39の一部として動作する、無線通信部33を構成するマイクに、ユーザが息を吹きかけることによって口臭を測定する。
【0068】
ステップS103:CPU35は、今回計測されたユーザの計測結果を表示部32に表示するとともに、サーバ20に送信する。
ステップS104:サーバ20は、携帯電話機30から送信されてきた計測結果を、そのユーザの健康履歴として記録する。サーバ20は、今回の計測結果とともに、そのユーザの過去の健康履歴の情報および携帯電話機30の他の複数のユーザの健康履歴における統計的な解析結果や傾向等を、エージェント10に送信する。
ステップS105:エージェント10は、サーバ20から送信されてきたユーザの今日の計測結果とともに、そのユーザの過去の健康履歴の情報および他の複数のユーザの健康履歴についての統計的な解析結果や傾向等に基づいて、そのユーザに対して必要な情報や指示のメッセージの作成を行う。エージェント10は、作成したメッセージを携帯電話機30に送信する。
【0069】
ステップS106:携帯電話機30のCPU35は、エージェント10から受信した情報や指示を表示部32に表示する。例えば、「体脂肪が標準値より高いです。まずは歩行運動からはじめませんか?」等の情報や指示のメッセージをエージェント10から受信し、携帯電話機30の表示部32に表示する。または、図6(b)に示すような表示形態で、CPU35は、ユーザによる日々の健康状態をグラフで、携帯電話機30の表示部32に表示してもよい。
以上が、ステップS102において、ユーザがアイコン74の健康計測を行うアプリケーションを選択した場合についての情報提供システム100の動作手順である。
【0070】
このように本実施形態では、サーバ20にこれまでに蓄積されたユーザに関する履歴情報とともに、ユーザの携帯電話機30から受信する現在のユーザの状況に基づいて、エージェント10が、ユーザからの要求がなくとも、ユーザにとって必要な情報や指示のメッセージを作成し、ユーザが受け取ることによって、ユーザにとって現在または今後の行動において、適切に対応することが可能となる。
≪第2の実施形態の補足事項≫
本実施形態では、図10においてエージェント10およびサーバ20は、それぞれ1つであったが、本発明はこれに限定されず、複数あってもよい。ユーザが携帯電話機30または30を立ち上げた時に、いずれかのエージェント10やサーバ20を選択できるようにするのが好ましい。
【0071】
なお、本実施形態では、ステップS101で携帯電話機30の電源が入れられると、図5に示すような初期画面になるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電源が入ると同時に、電話の着信があった場合には、表示部32は着信を知らせる画面表示になり、その通話中にエージェント10から情報等を受信した場合には、表示部32にそれを知らせるアイコン等を表示させるようにするのが好ましい。
なお、本実施形態では、携帯電話機30のメモリ37にインストールされているアプリケーションは、アイコン70〜78で表されるものだけであったが、本発明はこれに限定されず、アイコン75のインターネットによるアプリケーションを介して、様々なアプリケーションを追加することができる。
【0072】
なお、本実施形態では、食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションが選択された場合、携帯電話機30のCPU35は、撮像部36に摂取しようとする食事を撮像させて、撮像された食事の画像91をサーバ20に送信し摂取エネルギーを計算させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、CPU35は、撮像部36に購入した野菜や弁当等の商品のラベルを撮像させ、撮像した画像をサーバ20に送信して、サーバ20は、受信した画像から購入した商品名、購入日および消費期限(または賞味期限)等の文字情報を抽出し管理してもよい。これにより、例えば、エージェント10は、ステップS105において、消費期限が迫ってきた商品がある場合や食べ頃の商品がある場合等、携帯電話機30にメッセージを送信して、携帯電話機30のCPU35は、ステップS106において、表示部32に「8月2日に購入した牛乳の消費期限が明日です。早く飲みましょう!」や「バナナが食べ頃です。」、または「昨日、消費期限が過ぎたお弁当を食べましたが、大丈夫ですか?」等のメッセージを表示させることができる。なお、画像から文字情報を抽出する手法は、公知の技術を適宜用いることが好ましい。
≪第3の実施形態≫
図13は、本発明の第3の実施形態に係る情報提供システム300の概念図である。
【0073】
本実施形態に係る情報提供システム300の構成は、第1の実施形態に係る情報提供システム100と同じであり、同じ構成要素については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態における携帯電話機30および情報管理装置50の構成要素のうち、第1の実施形態のものと異なる点について、以下に説明する。なお、図13の情報管理装置50は主要部分のみを示す。例えば、情報管理装置50を駆動するための充電式電池、およびその充電式電池を充電するための充電器等は省略されている。
本実施形態における表示部32は、メモリ37に記憶されている様々なアプリケーションプログラムのアイコンや、エージェント10から送信されてくる情報やメッセージ等を表示する。なお、本実施形態における表示部32は、図2に示すように、携帯電話機30の面の一部に設けられているが、その面全体に設けられてもよい。
【0074】
また、本実施形態における無線通信部33は、従来の移動体通信網に応じた無線通信方式による無線通信を行い、移動体通信網の電波が弱いまたは受信できない時には、無線LAN、Wi−Fi、赤外線、Bluetooth、ZigBee等の方式による無線通信を行うものとする。さらに、無線通信部33には、GPSの信号を受信して、現在位置を求めるGPS受信機も有する。
なお、本実施形態において、図2に示すように、携帯電話機30が情報管理装置50の装着部57に装着された場合、携帯電話機30の無線通信部33は、他の携帯電話機との間では移動体通信網のよる無線通信を行い、ネットワーク15との間では情報管理装置50の無線通信部53による無線LAN、Wi−Fi、Bluetooth、ZigBee等の方式による無線通信を行う。
【0075】
また、本実施形態における入出力I/F部34は、図2に示すように、携帯電話機30が情報管理装置50の装着部57に装着された場合、情報管理装置50の入出力I/F部51と、コネクタまたは無接点給電・充電の方式で接続され、携帯電話機30と情報管理装置50との間のデータ転送、および不図示の携帯電話機30の充電式電池を充電するために、情報管理装置50を介して、AC電源(不図示)からの電力供給を受ける。
また、本実施形態における操作部材38は、表示部32の画面に表示されるタッチパネル式の釦であってもよいし、携帯電話機30の本体の一部または全体に設けられたタッチセンサ等であってもよい。さらに、携帯電話機30が情報管理装置50の装着部57に装着された場合、操作部材38は、情報管理装置50の操作部材として動作するのが好ましい。
【0076】
また、本実施形態における生体計測部39として、例えば、圧力センサが、図11に示すように、図3に示される表示部32が設けられた携帯電話機30の面とは反対側の面にさらに備えられる。そして、ユーザが、第1の実施形態の場合と同様に、携帯電話機30を生体計測部39に触れるように握持することによって、公知の光電脈拍検出方式やインピーダンス方式等によって、ユーザの血圧、脈拍および体脂肪等を計測する。なお、本実施形態では、生体計測部39である圧力センサがユーザの健康測定に用いられない時、カーソル63を操作する操作部材38として用いてもよい。
【0077】
また、従来、携帯電話機の表示部の大きさが小さいことから、画像やウェブページ等は、画像やウェブページの大きさを縮小したり、ウェブページの内容を簡略化したりして表示されていた。本実施形態では、生体計測部39である加速度センサ(不図示)がユーザの健康測定に用いられない時、CPU35は、図12に示すように、仮想的には画像93やウェブページ等は元の大きさのままで、表示部32にその一部を表示して、ユーザにより携帯電話機30が上下左右等に動かされることで、その動きを加速度センサ(不図示)が検出し、その検出された信号に応じて画像93やウェブページ等上を移動するように表示してもよい。
【0078】
また、本実施形態における無線通信部53は、基本的に携帯電話機30の無線通信部33と同じ動作をして、情報管理装置50とネットワーク15との間を、無線LAN、Wi−Fi、赤外線、Bluetooth、ZigBee等の方式によってデータの送受信を行う。
最後に、本実施形態における動作駆動部58は、記憶部52に管理されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されるユーザの健康状態の情報や運動履歴等に基づいた、CPU54からの指示に応じて、ユーザの注意を引くために、音を鳴らしたり、光の点滅を行ったり、または回転運動等の動作を行う。動作駆動部58には、スピーカ、LED等の光源、および電動モータ等が用いられる。
【0079】
次に、本実施形態に係る情報提供システム300の動作手順は、第1の実施形態および第2の実施形態のものと同じであり、図4のフローチャートに従って行われる。ただし、本実施形態に係る情報提供システム300において、携帯電話機30が、情報管理装置50を介して、エージェント10およびサーバ20と情報の送受信を行う場合でも、基本的には図4のフローチャートに基づくが、ステップS103における動作が、第1の実施形態および第2の実施形態の場合と異なる。なお、ユーザが、あらかじめ操作部材38を操作して、携帯電話機30にユーザ自身の生年月日、年齢、身長および体重等の情報を入力して、メモリ37に記録しているものとする。
【0080】
すなわち、ステップS103において、ユーザにより携帯電話機30が情報管理装置50の装着部57に装着されることにより、情報管理装置50の無線通信部53によって、メモリ37に記憶されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されたユーザの健康状態の情報や運動履歴等がサーバ20に送信される前に、携帯電話機30のCPU35は、それらの情報を、入出力I/F部34および入出力I/F部51を介して、情報管理装置50の記憶部52へ転送して記録更新する点が異なる。
【0081】
さらに、CPU54は、ステップS103において、記憶部52に管理されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されたユーザの健康状態の情報や運動履歴等を、無線通信部53を介して、サーバ20に送信するとともに、記憶部52に管理されているそれらの情報に基づいて、動作駆動部58に対して、ユーザの注意を引くために、音を鳴らしたり、LEDによる光の点滅を行ったり、または回転運動等の動作の制御を行う。
【0082】
具体的には、図9に示すように、情報管理装置50の動作駆動部58は、留守番電話や未読メール等の数、電話やメール等の使用頻度、音楽やゲームの使用頻度および摂取カロリーや消費カロリー等の値の大きさに応じて、LEDの点滅、揺れ運動、回転運動およびアラーム音や音楽を鳴らすように、CPU54によって制御される。なお、LEDの点滅、揺れ運動、回転運動および音を鳴らすための留守番電話や未読メール等の数、電話やメール等の使用頻度、音楽やゲームの使用頻度および摂取カロリーや消費カロリー等の閾値は、あらかじめ記憶部52に設定・記憶させておくことが好ましい。さらに、それらの閾値は、所定の期間(例えば、1週間)毎に、ユーザの使用頻度等に応じて更新設定することが好ましい。
なお、図9では、留守番電話や未読メール等の数、電話やメール等の使用頻度、音楽やゲームの使用頻度および摂取カロリーや消費カロリーの各々と、LEDの点滅、揺れ運動、回転運動およびアラームの各々と対応しているが、本発明はこれに限定されず、対応関係は適宜変更することができる。また、LEDの点滅、揺れ運動、回転運動およびアラームの鳴らし方のパターンは、情報管理装置50の記憶部52に蓄積されるユーザの情報量に応じて、動作が変化・進化するような制御プログラムが記憶部52に記憶されていることが好ましい。これにより、ユーザを飽きさせることなく、常に注意を引きつけることができる。
【0083】
このように本実施形態では、サーバ20にこれまでに蓄積されたユーザに関する履歴情報とともに、ユーザの携帯電話機30から受信する現在のユーザの状況に基づいて、エージェント10が、ユーザからの要求がなくとも、ユーザにとって必要な情報や指示のメッセージを作成し、ユーザが受け取ることによって、ユーザにとって現在または今後の行動において、適切に対応することが可能となる。
また、情報管理装置50とその外部表示出力I/F部55に接続されたテレビ60が、例えば、ジムのような各運動施設に備えられるならば、ユーザが携帯電話機30を運動施設にある情報管理装置50の装着部57に装着することによって、ユーザのこれまでの日々の生活における運動、食事および健康状態等の情報が、テレビ60に表示されて確認できることから、ユーザの健康状態に合わせたトレーニングの構成、ジムに新規トレーニング機器が導入された場合のインフォメーションや携帯電話機30と連動した新規トレーニング機器からデータを取得し運動量を測定することが可能となる。
【0084】
また、情報管理装置50とその外部表示出力I/F部55に接続されたテレビ60が、例えば、各レストラン等に備えられているならば、ユーザが携帯電話機30を各レストランにある情報管理装置50の装着部57に装着することによって、ユーザのこれまでの日々の生活における運動、食事および健康状態等の情報が、テレビ60に表示されて確認できることから、ユーザの健康状態に合わせたメニューの構成、新規店がオープンした場合のインフォメーションや携帯電話機30と連動した摂取食物データを取得し、栄養素を測ることが可能となる。
【0085】
また、情報管理装置50とその外部表示出力I/F部55に接続されたテレビ60が、例えば、各医療機関に備えられているならば、ユーザが携帯電話機30を医療機関にある情報管理装置50の装着部57に装着することによって、患者であるユーザのこれまでの日々の生活における運動、食事および健康状態等の情報が、テレビ60に表示されて確認できることから、医者にとって患者の健康状態および今後の治療方針等を的確に判断することが可能となる。
≪第3の実施形態の補足事項≫
本実施形態では、図13においてエージェント10およびサーバ20は、それぞれ1つであったが、本発明はこれに限定されず、複数あってもよい。ユーザが携帯電話機30を立ち上げた時に、いずれかのエージェント10やサーバ20を選択できるようにするのが好ましい。
【0086】
なお、本実施形態では、ステップS101で携帯電話機30の電源が入れられると、図5に示すような初期画面になるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電源が入ると同時に、電話の着信があった場合には、表示部32は着信を知らせる画面表示になり、その通話中にエージェント10から情報等を受信した場合には、表示部32にそれを知らせるアイコン等を表示させるようにするのが好ましい。
なお、本実施形態では、携帯電話機30のメモリ37にインストールされているアプリケーションは、アイコン70〜78で表されるものだけであったが、本発明はこれに限定されず、アイコン75のインターネットによるアプリケーションを介して、様々なアプリケーションを追加することができる。
【0087】
なお、本実施形態では、食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションが選択された場合、携帯電話機30のCPU35は、撮像部36に摂取しようとする食事を撮像させて、撮像された食事の画像91をサーバ20に送信し摂取エネルギーを計算させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、CPU35は、撮像部36に購入した野菜や弁当等の商品のラベルを撮像させ、撮像した画像をサーバ20に送信して、サーバ20は、受信した画像から購入した商品名、購入日および消費期限(または賞味期限)等の文字情報を抽出し管理してもよい。これにより、例えば、エージェント10は、ステップS105において、消費期限が迫ってきた商品がある場合や食べ頃の商品がある場合等、携帯電話機30にメッセージを送信して、携帯電話機30のCPU35は、ステップS106において、表示部32に「8月2日に購入した牛乳の消費期限が明日です。早く飲みましょう!」や「バナナが食べ頃です。」、または「昨日、消費期限が過ぎたお弁当を食べましたが、大丈夫ですか?」等のメッセージを表示させることができる。なお、画像から文字情報を抽出する手法は、公知の技術を適宜用いることが好ましい。
【0088】
なお、本実施形態では、情報管理装置50は、装着された携帯電話機30から受信したユーザに関する情報を記憶部52に記録更新して、その情報を外部表示出力I/F部55を介してテレビ60に表示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、携帯電話機30のアイコン73の地上デジタル放送のアプリケーションが選択された場合、地上デジタル放送の番組を表示部32に表示してもよいし、情報管理装置50に装着され外部表示出力I/F部55にテレビ60が接続されている場合には、テレビ60にその番組を表示してもよい。また、情報管理装置50が、記憶部52に記録されているユーザの情報のうち、ユーザが好んで視聴している番組についての情報や番組表を、無線通信部53を介して、エージェント10やサーバ20から受信することによって、ユーザが留守の間に、情報管理装置50が、ユーザがいつも観ているまたは観たそうな番組を、テレビ60と外部表示出力I/F部55とを介して、記憶部52に録画してもよい。
≪第4の実施形態≫
図14は、本発明の第4の実施形態に係る情報提供システム400の概念図である。
【0089】
図15は、本実施形態における情報管理装置50’の一例を、情報管理装置50’に電力を供給する電力供給装置120とともに示す。
本実施形態に係る情報提供システム400の構成は、第3の実施形態に係る情報提供システム300の変形例であり、同じ構成要素については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。なお、図14において、携帯電話機30の構成内容については、第3の実施形態における携帯電話機30と同じことから省略する。また、図14の情報管理装置50’は主要部分のみを示す。例えば、情報管理装置50’を駆動するための充電式電池等は省略されている。
【0090】
次に、本実施形態における情報管理装置50’が、第3の実施形態における情報管理装置50と異なる点を以下に示す。
1)情報管理装置50’が回転運動等の自走動作するための車輪58aおよび58bを有し、動作駆動部58の電動モータ(不図示)に接続される。
2)測距を行うセンサ部59aおよび障害物等を撮像する撮像部59bを有し、CPU54は、自走動作において壁等の障害物を認識するとともにその距離を測定する。
3)電力供給装置120が情報管理装置50’とは別に設けられることにより、外部表示出力I/F部55が電力供給装置120に備えられる。
【0091】
そこで、上記異なる点を有する本実施形態の情報管理装置50’について、電力供給装置120とともに、図14および図15に基づいて説明する。
本実施形態における動作駆動部58は、第3の実施形態の場合と同様に、記憶部52に管理されているユーザがやり取りした通話やメールの送受信記録、撮像部36によって撮像された画像、および生体計測部39によって測定されるユーザの健康状態の情報や運動履歴等に基づいた、CPU54からの指示に応じて、ユーザの注意を引くために、音を鳴らしたり、光の点滅を行ったり、または回転運動等の動作を行う。動作駆動部58には、スピーカ、LED等の光源、および電動モータ等が用いられる。さらに、本実施形態における動作駆動部58は、回転運動等の自走運作を行うために、図15に示すように、例えば、半円形の車輪58aおよび58bと接続される。
【0092】
なお、図15に示される、本実施形態の車輪58aおよび58bは、例えば、携帯電話機30が装着されていない場合、携帯電話機30が装着された直後で情報管理装置50’にユーザに関する情報を転送している場合、または情報管理装置50’が電力供給装置120において充電中の場合には閉じた状態に、一方、例えば、携帯電話機30を装着部57に装着する場合、または自走動作を行う場合には開いた状態になるように、動作駆動部58の電動モータ(不図示)の動作に応じて開閉可能な車輪であるとする。
センサ部59aは、上述したように、情報管理装置50’の自走動作において壁等の障害物までの距離を測定する測距センサである。本実施形態では、図15に示すような、情報管理装置50’の位置に、測距の精度の向上が図られるように、2つのセンサ部59aが設けられる。センサ部59aには、一般的な測距センサを適宜選択して用いることができる。
【0093】
撮像部59bは、被写体を撮像して画像データを生成する電子カメラである。撮像部59bには、一般的な撮像レンズとCMOSなどの撮像素子等とから構成される小型の電子カメラを用いることができる。この撮像部59bを用いて、情報管理装置50’のCPU54は、被写体を所定のフレームレートで連続的に撮像し、各フレームの画像を解析することによって、壁等の障害物を認識する。CPU54は、その認識結果をセンサ部59aの測距情報と併せることで、情報管理装置50’の自走動作において障害物との衝突を避けるように制御する。さらに、情報管理装置50’の記憶部52に、あらかじめ携帯電話機30のユーザの顔データが記録され、携帯電話機30に通話やメールの着信、またはエージェント10から情報を受信した場合、情報管理装置50’のCPU54は、撮像部59bによって撮像された画像に対して顔認識処理を行い、記憶部52に記録されているユーザの顔データと一致するか否かを判定することで、ユーザのところまで自走するようにしてもよい。なお、撮像部59bによって撮像された画像における障害物の認識や顔認識処理の手法は、公知の技術を用いて行うことができる。
【0094】
受電部59cは、後述する電力供給装置120のCPU121の制御に基づいて、送電部124が無接点給電・充電の方式によって送電するAC電源からの電力を受信して、情報管理装置50’の充電式電池(不図示)を充電する。なお、本実施形態における受電部59cと送電部124との接続は、コネクタによる接続であってもよい。
次に、電力供給装置120は、CPU121、記憶部122、無線通信部123、送電部124および外部表示出力I/F部55から構成され、バス126を介して、情報伝達可能に接続されている。
【0095】
CPU121は、ユーザにより不図示の電源釦が入れられ、または不図示の電源プラグがAC電源のコンセントに差し込まれることにより電力が供給されると、記憶部122に記憶されている制御プログラムを読み込み、電力供給装置120を初期化する。CPU121は、その制御プログラムに基づいて、送電部124にAC電源からの電力を無接点給電・充電の方式により、情報管理装置50’の受電部59cに送信する。また、CPU121は、あらかじめ記憶部122に記録される電力供給装置120および情報管理装置50’の識別情報に基づいて、無線通信部123を介して、自走動作している情報管理装置50’の無線通信部53にビーコン信号を、その識別情報とともに送信する。これにより、情報管理装置50’のCPU54は、無線通信部53で受信したビーコン信号と識別情報とに基づいて、電力供給装置120との相対位置を求めるとともに、その相対位置の情報に基づいて、充電式電池(不図示)の充電量が所定の閾値以下になった場合、図15に示すように、充電を行うために電力供給装置120に戻る自走動作や、携帯電話機30の操作部材38を介してユーザによって設定された範囲やあらかじめ記憶部52に設定された範囲での自走動作を行うことができる。
【0096】
記憶部122には、CPU121が行う制御プログラムや電力供給装置120および情報管理装置50’の識別情報等が記録される。記憶部122には、半導体メモリのうち、任意の不揮発性メモリを適宜選択して用いることができる。
無線通信部123は、情報管理装置50’の無線通信部53にビーコン信号および識別情報を、Wi−Fi、赤外線、Bluetooth、またはZigBee等の方式によって送信する。
【0097】
次に、本実施形態に係る情報提供システム400の動作手順は、第3の実施形態と同じであり、詳細な説明は省略する。
このように本実施形態では、サーバ20にこれまでに蓄積されたユーザに関する履歴情報とともに、ユーザの携帯電話機30から受信する現在のユーザの状況に基づいて、エージェント10が、ユーザからの要求がなくとも、ユーザにとって必要な情報や指示のメッセージを作成し、ユーザが受け取ることによって、ユーザにとって現在または今後の行動において、適切に対応することが可能となる。
≪第4の実施形態の補足事項≫
本実施形態では、図14においてエージェント10およびサーバ20は、それぞれ1つであったが、本発明はこれに限定されず、複数あってもよい。ユーザが携帯電話機30を立ち上げた時に、いずれかのエージェント10やサーバ20を選択できるようにするのが好ましい。
【0098】
なお、本実施形態では、ステップS101で携帯電話機30の電源が入れられると、図5に示すような初期画面になるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電源が入ると同時に、電話の着信があった場合には、表示部32は着信を知らせる画面表示になり、その通話中にエージェント10から情報等を受信した場合には、表示部32にそれを知らせるアイコン等を表示させるようにするのが好ましい。
なお、本実施形態では、携帯電話機30のメモリ37にインストールされているアプリケーションは、アイコン70〜78で表されるものだけであったが、本発明はこれに限定されず、アイコン75のインターネットによるアプリケーションを介して、様々なアプリケーションを追加することができる。
【0099】
なお、本実施形態では、食事による摂取エネルギーを計算するアプリケーションが選択された場合、携帯電話機30のCPU35は、撮像部36に摂取しようとする食事を撮像させて、撮像された食事の画像91をサーバ20に送信し摂取エネルギーを計算させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、CPU35は、撮像部36に購入した野菜や弁当等の商品のラベルを撮像させ、撮像した画像をサーバ20に送信して、サーバ20は、受信した画像から購入した商品名、購入日および消費期限(または賞味期限)等の文字情報を抽出し管理してもよい。これにより、例えば、エージェント10は、ステップS105において、消費期限が迫ってきた商品がある場合や食べ頃の商品がある場合等、携帯電話機30にメッセージを送信して、携帯電話機30のCPU35は、ステップS106において、表示部32に「8月2日に購入した牛乳の消費期限が明日です。早く飲みましょう!」や「バナナが食べ頃です。」、または「昨日、消費期限が過ぎたお弁当を食べましたが、大丈夫ですか?」等のメッセージを表示させることができる。なお、画像から文字情報を抽出する手法は、公知の技術を適宜用いることが好ましい。
【0100】
なお、本実施形態では、情報管理装置50’は、装着された携帯電話機30から受信したユーザに関する情報を記憶部52に記録更新して、その情報を電力供給装置120の外部表示出力I/F部55を介してテレビ60に表示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、携帯電話機30のアイコン73の地上デジタル放送のアプリケーションが選択された場合、地上デジタル放送の番組を表示部32に表示してもよいし、情報管理装置50に装着され、電力供給装置120の外部表示出力I/F部55にテレビ60が接続されている場合には、テレビ60にその番組を表示してもよい。また、情報管理装置50が、記憶部52に記録されているユーザの情報のうち、ユーザが好んで視聴している番組についての情報や番組表を、無線通信部53を介して、エージェント10やサーバ20から受信することによって、ユーザが留守の間に、情報管理装置50が、ユーザがいつも観ているまたは観たそうな番組を、テレビ60と外部表示出力I/F部55とを介して、記憶部52に録画してもよい。
【0101】
なお、本実施形態では、撮像部59bが障害物やユーザの顔を認識するために被写体を撮像するとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電力供給装置120の外部表示出力I/F部55にテレビ60が接続され、図5や図6等の表示がされている場合、CPU54は、撮像部59bにユーザを撮像させ、撮像されたユーザの画像を解析してユーザの指の動きを検出することにより、携帯電話機30および情報管理装置50’を操作する操作部材38として用いてもよい。
なお、本実施形態では、電力供給装置120の無線通信部123に送信されるビーコン信号および識別情報に基づいて、情報管理装置50’のCPU54が電力供給装置120との相対位置を求めるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、CPU54は、無線通信部53が受信する無線通信部123からの電波強度や視野角の大きさに応じて、電力供給装置120との相対位置を求めてもよい。
【符号の説明】
【0102】
10 端末(エージェント)、15 ネットワーク、20 サーバ(データベース)、30 携帯電話機(携帯情報端末)、50 情報管理装置、60 テレビ、100 情報提供システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関する情報を有する携帯情報端末と、
ネットワーク上に接続され、前記携帯情報端末から前記ユーザに関する情報を、無線通信を介して取得して蓄積するとともに、取得した前記ユーザに関する情報を、これまでに蓄積された前記ユーザに関する情報および他の情報に基づいて分析するデータベースと、
前記データベースによって分析された結果に基づいて、前記ユーザに必要な情報や指示を、前記携帯情報端末を介して、前記ユーザに提供する情報提供装置と
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システムにおいて、
前記携帯情報端末を装着する装着部を有し、前記携帯情報端末が前記装着部に装着された場合、前記ユーザに関する情報を取得して管理する情報管理装置を備える
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供システムにおいて、
前記情報管理装置は、
管理する前記ユーザに関する情報の内容に応じて、前記ユーザの注意を引くための動作を行う動作駆動部を備える
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の情報提供システムにおいて、
前記情報管理装置は、
管理する前記ユーザに関する情報の内容を外部の表示装置に表示させる表示出力部を備える
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
前記携帯情報端末は、
前記ユーザの運動を検出する検出部を備え、
前記データベースは、検出された前記ユーザの運動の情報を前記携帯情報端末から取得して前記ユーザの運動による消費エネルギーを算出し、
前記情報提供装置は、前記データベースが算出した前記消費エネルギーを、前記携帯情報端末または前記情報管理装置を介して、前記ユーザに提供する
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項6】
請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
前記携帯情報端末は、
前記ユーザが前記携帯情報端末を握持し、または前記携帯情報端末に向かって息を吐くことによって、前記ユーザの生体情報を計測する生体計測部を備え、
前記データベースは、計測した前記ユーザの生体情報を前記携帯情報端末から取得して前記ユーザの健康状態を分析し、
前記情報提供装置は、前記データベースが分析した前記ユーザの健康状態の情報を、前記携帯情報端末または前記情報管理装置を介して、前記ユーザに提供する
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項7】
請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
前記携帯情報端末は、
被写体像を撮像して画像を生成する撮像部を備え、
前記データベースは、前記撮像部によって撮像された前記ユーザが摂取した食事の画像を前記携帯情報端末から取得して前記食事による摂取エネルギーを算出し、
前記情報提供装置は、前記データベースが算出した前記摂取エネルギーの情報を、前記携帯情報端末または前記情報管理装置を介して、前記ユーザに提供する
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報提供システムにおいて、
前記情報提供装置は、前記データベースに蓄積された前記ユーザの運動、前記消費エネルギー、前記摂取エネルギーおよび生体情報に基づいて、前記ユーザに対する運動の内容、食事の内容または医療における治療の内容に関する情報や指示を、前記携帯情報端末または前記情報管理装置を介して、前記ユーザに提供する
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報提供システムにおいて、
前記データベースに蓄積された他の情報とは、前記携帯情報端末の他の複数のユーザに関する情報であり、
前記情報提供装置は、前記他の複数のユーザに関する情報を参照して、ユーザに対する運動の内容、食事の内容または医療における治療の内容に関する情報や指示を、前記携帯情報端末または前記情報管理装置を介して、前記ユーザに提供する
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項10】
請求項2ないし請求項9のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
前記情報管理装置は、前記ユーザに関する情報を、前記データベースおよび前記情報提供装置との間で、無線通信で送受信できる無線通信部を備える
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報提供システムにおいて、
前記携帯情報端末は、携帯電話として動作する通話部を備える
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項12】
ユーザに関する情報を有し、前記ユーザに関する情報をネットワーク上に接続されたデータベースに提供して蓄積するとともに、前記データベースにより、前記提供された前記ユーザに関する情報が、前記データベースにこれまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報と合わせて分析され、その分析結果に基づいて情報提供装置から提供される前記ユーザに必要な情報や指示を受信する情報提供システムにおける携帯情報端末であって、
前記データベースおよび前記情報提供装置との間で情報の送受信を行う通信部と、
前記ユーザに関する情報を前記データベースに送信して、前記情報提供装置から提供される前記ユーザに必要な情報や指示を受信するために前記通信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項13】
ユーザに関する情報を記録する記憶部と、
ネットワーク上に接続された外部装置との間で情報の送受信を行う通信部と、
前記記憶部に記録された前記ユーザに関する情報を前記外部装置に提供して蓄積するために送信して、前記外部装置により、前記提供された前記ユーザに関する情報が、前記外部装置にこれまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報と合わせて分析され、その分析結果に基づいて提供される前記ユーザに必要な情報や指示を受信するために前記通信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項14】
請求項13に記載の携帯情報端末において、
前記ユーザに関する情報を管理する情報管理装置と接続する接続部を備え、
前記制御部は、
前記接続部を介して、前記ユーザに関する情報を前記情報管理装置に転送する
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項15】
請求項14に記載の携帯情報端末において、
前記制御部は、
前記接続部に接続された前記情報管理装置を介して、前記ユーザに関する情報を前記外部装置に送信し、前記外部装置から提供される前記ユーザに必要な情報や指示を受信するために前記情報管理装置を制御する
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項16】
請求項15に記載の携帯情報端末において、
前記ユーザの運動を検出する検出部を備え、
前記制御部は、
前記通信部または前記情報管理装置を介して、検出された前記ユーザの運動の情報を前記外部装置に送信して、前記外部装置により、前記送信された前記ユーザの運動に基づいて算出された消費エネルギーを受信する
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の携帯情報端末において、
前記ユーザが前記携帯情報端末を握持し、または前記携帯情報端末に向かって息を吐くことによって、前記ユーザの生体情報を計測する生体計測部を備え、
前記制御部は、
前記通信部または前記情報管理装置を介して、計測された前記ユーザの生体情報を前記外部装置に送信して、前記外部装置により、前記送信された前記ユーザの生体情報に基づいて分析された前記ユーザの健康状態を受信する
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項18】
請求項14ないし請求項17のいずれか1項に記載の携帯情報端末において、
被写体像を撮像して画像を生成する撮像部を備え、
前記制御部は、
前記通信部または前記情報管理装置を介して、前記撮像部によって撮像された前記ユーザが摂取した食事の画像を前記外部装置に送信して、前記外部装置により、算出される前記食事による摂取エネルギーを受信する
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項19】
請求項13ないし請求項18のいずれか1項に記載の携帯情報端末において、
前記外部装置から提供される前記ユーザに必要な情報や指示を表示する表示部を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項20】
請求項13ないし請求項19のいずれか1項に記載の携帯情報端末において、
携帯電話として動作する通話部を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項21】
ユーザに関する情報を有する携帯情報端末と、ネットワーク上に接続され、前記携帯情報端末から前記ユーザに関する情報を取得して蓄積するとともに、取得した前記ユーザに関する情報を、これまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報に基づいて分析するデータベースと、前記データベースによって分析された結果に基づいて、前記ユーザに必要な情報や指示を前記ユーザに提供する情報提供装置とともに構成される情報提供システムにおける情報管理装置であって、
前記携帯情報端末を装着する装着部と、
前記装着部を介して、前記携帯情報端末から前記ユーザに関する情報を取得して管理する制御部と、
前記管理する前記ユーザに関する情報を前記データベースに送信して、前記情報提供装置から提供される前記ユーザに必要な情報や指示を受信する通信部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部によって受信された前記ユーザに必要な情報や指示を前記携帯情報端末に、前記装着部を介して転送する
ことを特徴とする情報管理装置。
【請求項22】
ユーザに関する情報を有する携帯情報端末を装着する装着部と、
前記装着部を介して、前記携帯情報端末から前記ユーザに関する情報を取得して管理する制御部と、
前記管理する前記ユーザに関する情報をネットワーク上に接続される外部装置に提供して蓄積するために送信して、前記外部装置により、前記提供された前記ユーザに関する情報が、前記外部装置にこれまでに蓄積されたユーザに関する情報および他の情報と合わせて分析され、その分析結果に基づいて提供される前記ユーザに必要な情報や指示を受信する通信部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部によって受信された前記ユーザに必要な情報や指示を前記携帯情報端末に、前記装着部を介して転送する
ことを特徴とする情報管理装置。
【請求項23】
請求項22に記載の情報管理装置において、
前記情報管理装置を駆動させる動作駆動部を備え、
前記制御部は、
前記管理するユーザに関する情報の内容に応じて、前記ユーザの注意を引くための動作を前記動作駆動部に行わせる
ことを特徴とする情報管理装置。
【請求項24】
請求項22または請求項23に記載の情報管理装置において、
前記管理するユーザに関する情報の内容を外部の表示装置に表示させる表示出力部を備えることを特徴とする情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−160783(P2010−160783A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202791(P2009−202791)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(507013338)フラワー・ロボティクス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】