説明

情報提供システム、通信装置及び情報提供方法

【課題】幅広い情報に基づいてユーザの嗜好を分析することにより分析結果の精度を向上させる情報提供システム、通信装置及び情報提供方法を提供すること
【解決手段】本発明の情報提供システムにおいて通信装置10は、通信装置10を操作するユーザによる操作履歴又は通信装置10に搭載されたセンサにおいて検出されたセンサ情報を保存する保存部11を有し、通信装置20は、ユーザによる通信装置20の過去の操作履歴を保存する保存部22と、通信装置20に搭載されている搭載機能を実行する際に、保存部11に保存されている操作履歴及びセンサ情報の少なくとも一方を収集し、収集した操作履歴及びセンサ情報の少なくとも一方と通信装置20に保存されている操作履歴とを用いてユーザの行動を分析する分析部23と、ユーザの行動に応じた搭載機能を実行する実行部24と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報提供システム、通信装置及び情報提供方法に関し、特にユーザの嗜好に合わせた情報を提供する情報提供システム、通信装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、PC)等において、ユーザが過去に行った操作履歴等を利用して、ユーザにとってより関心のある情報を提供するサービスが実現されている。例えば、ユーザが使用するPCにおいて、過去のWeb閲覧履歴を用いて、ユーザが興味を持ちそうなカテゴリ情報を推定する。次に、ユーザがPCにおける検索機能を用いて検索を実行した場合に、ユーザにとって関心のあるカテゴリ情報に関するホームページ等を優先して表示する。このようにして、よりユーザの嗜好に沿った情報をユーザへ提供することにより、ユーザの満足度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−261883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、情報処理装置の多様化により、ユーザは、PCのみではなく、携帯電話端末、スマートフォン端末又はタブレット型端末等の様々な通信装置を用いて生活している。そのため、PCにおける過去の操作履歴等を用いたとしても、生活のなかの一部の時間における操作履歴等しか収集できない。そのため、限られた情報のみに基づいてユーザの嗜好を分析しても分析結果の精度が向上しないという問題があった。
【0005】
特許文献1には、携帯電話機とPCとを連携させ、携帯電話機を用いた通話内容等のデータをPCにおいて分析するシステムが開示されている。しかし、特許文献1には、通話内容におけるキーワードの検索等をPCにおいて実施することが開示されているが、携帯電話機が収集した情報に基づいてユーザの嗜好を分析する処理については開示されていない。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するために、幅広い情報に基づいてユーザの嗜好を分析することにより分析結果の精度を向上させる情報提供システム、通信装置及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる情報提供システムは、第1及び第2の通信装置を備える情報提供システムであって、前記第1の通信装置は、前記第1の通信装置を操作するユーザによる前記第1の通信装置の過去の操作履歴及び前記第1の通信装置に搭載されたセンサにおいて検出されたセンサ情報のうち少なくとも一方を保存する第1の保存部を有し、
前記第2の通信装置は、前記ユーザによる前記第2の通信装置の過去の操作履歴を保存する第2の保存部と、前記ユーザが前記第2の通信装置に搭載されている搭載機能を実行する際に、前記第1の通信装置から前記第1の保存部に保存されている前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方を収集し、前記収集した前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方と前記第2の保存部に保存されている操作履歴とを用いて前記ユーザの行動を分析する分析部と、前記分析されたユーザの行動に応じて前記搭載機能を実行する実行部と、を有するものである。
【0008】
本発明の第2の態様にかかる通信装置は、ユーザによる過去の操作履歴を保存する保存部と、前記ユーザが通信装置に搭載された搭載機能を実行する際に、前記ユーザにより外部装置が操作された際に生成される操作履歴及び前記外部装置に搭載されているセンサにおいて検出されたセンサ情報のうち少なくとも一方を収集し、前記収集された前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方と前記保存部に保存されている操作履歴とを用いて、前記ユーザの行動を分析する分析部と、前記分析されたユーザの行動に応じた前記搭載機能を実行する実行部と、を備えるものである。
【0009】
本発明の第3の態様にかかる情報提供方法は、ユーザによる過去の操作履歴を保存するステップと、前記ユーザが移動通信装置に搭載されている搭載機能を実行する際に、前記ユーザにより外部装置が操作された際に生成される操作履歴及び前記外部装置に搭載されているセンサにおいて検出されたセンサ情報のうち少なくとも一方を収集するステップと、収集された前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方と前記保存されている操作履歴とを用いて、前記ユーザの行動を分析するステップと、前記分析されたユーザの嗜好に応じた前記搭載機能を実行させるステップと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、幅広い情報に基づいてユーザの行動を分析することにより分析結果の精度を向上させる情報提供システム、通信装置及び情報提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1にかかる情報提供システムの構成図である。
【図2】実施の形態1にかかる携帯端末の構成図である。
【図3】実施の形態1にかかるパーソナルコンピュータの構成図である。
【図4】実施の形態1にかかる情報提供処理を示すシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる情報提供システムの構成例について説明する。情報提供システムは、通信装置10と通信装置20とを備えている。また、通信装置10は、保存部11と、センサ12と、操作部13と、を有している。さらに、通信装置20は、操作部21と、保存部22と、分析部23と、実行部24と、を有している。
【0013】
通信装置10は、携帯電話端末や、PHS(Personal Handy-phone System)端末、スマートフォン端末、タブレット端末等であって、持ち運びが容易な通信装置である。また、身体の一部に身につける腕時計等に通信機能を搭載した装置であってもよい。
【0014】
通信装置20は、PCや、サーバ装置等である。また、通信装置10がPCや、サーバ装置等であって、通信装置20が、持ち運びが容易な通信装置等であってもよい。また、通信装置10及び通信装置20が、ともに持ち運びが容易な通信装置等であってもよい。
【0015】
通信装置10の保存部11は、通信装置10内のRAM(Random Access Memory)等の内部メモリにより構成されてもよく、通信装置10に接続される外部記憶装置等により構成されてもよい。保存部11は、通信装置10を操作するユーザによる操作部13の過去の操作履歴及び通信装置10に搭載されたセンサ12において検出されたセンサ情報の少なくとも一方を保存する。操作履歴とは、ユーザによって入力された文字情報や、ユーザによって使用された端末機能の使用履歴等を含む。保存部11は、定期的にセンサ12及び操作部13から情報を収集してもよく、センサ12及び操作部13において情報が更新されるたびに更新された情報を受け取ってもよい。
【0016】
通信装置20の保存部22は、通信装置20内のRAM等の内部メモリにより構成されてもよく、通信装置20に接続される外部記憶装置等により構成されてもよい。保存部22は、通信装置20を操作するユーザによる操作部21の過去の操作履歴等を保存する。保存部22は、定期的に操作部21から情報を収集してもよく、操作部21において情報が更新されるたびに更新された情報を受け取ってもよい。
【0017】
分析部23は、ユーザが通信装置20に搭載されている機能(以下、搭載機能と称する)を実行する際に、通信装置10から保存部11に保存されている操作履歴及びセンサ情報の少なくとも一方を収集し、収集した操作履歴及びセンサ情報の少なくとも一方と保存部22に保存されている操作履歴とを用いてユーザの行動を分析する。もしくは、分析部23は、通信装置10において、操作履歴及びセンサ情報の少なくとも一方を用いて分析されたユーザの行動に関する情報を収集してもよい。
【0018】
分析部23は、通信装置10と無線LANや、赤外線通信等の近距離無線通信を実行することにより操作履歴及びセンサ情報の少なくとも一方を収集する。また、通信装置20は、通信装置10と公衆通信網を介して通信を行ってもよい。また、通信装置20は、通信装置10と通信装置20とをケーブル等を用いて接続し、有線を用いた通信を実行することにより操作履歴及びセンサ情報の少なくとも一方を収集してもよい。
【0019】
また、ユーザの行動を分析することにより、例えばユーザの嗜好に関する情報を生成することができる。ユーザの嗜好とは、例えば、過去の操作履歴等によりユーザが関心を示しているカテゴリ情報等である。
【0020】
実行部24は、分析部23において分析されたユーザの行動に応じた搭載機能の実行結果を表示させる。
【0021】
以上説明したように、本発明の実施の形態1にかかる情報提供システムを用いることにより、通信装置20における操作履歴以外に、外部の通信装置10における操作履歴や、センサ情報等を用いて、ユーザの行動を分析することができる。そのため、通信装置20を操作していない間の操作履歴等の情報を通信装置10から収集することができるため、より正確にユーザの行動を分析することができる。そのため、ユーザが求める情報を正確に提供することができる。
【0022】
続いて、図2を用いて本発明の実施の形態1にかかる携帯端末30の構成例について説明する。携帯端末30は、図1における通信装置10の一例である。携帯端末30は、ユーザI/F部31と、携帯端末機能部32と、センサ35と、動作ログ記憶部36と、ユーザ動作分析支援部37と、アクセス管理部38と、通信部39とを備えている。また、携帯端末機能部32は、ブラウザ33と、地デジ視聴部34とを有している。
【0023】
ユーザI/F部31は、ユーザからの情報入力を受け付けるボタン等のキー入力部と、ユーザに対して画面情報等を提供するディスプレイ等により構成される。また、キー入力部は、物理的に凹凸のあるボタンや、ディスプレイ上に表示されたボタンを操作するタッチパッド等であってもよい。
【0024】
携帯端末機能部32は、ユーザI/F部31を介して、ユーザによる携帯端末30の操作情報を受け取る。ユーザは、ブラウザ33を用いてWebページの閲覧や、Webページの検索等を実行する。ブラウザ33は、アクセスしたWebページのURLや、Webページ内のキーワード情報等を動作ログ記憶部36へ出力する。また、ブラウザ33は、ユーザがWebページの検索に用いたキーワード情報等も動作ログ記憶部36へ出力する。
【0025】
また、ブラウザ33は、ソーシャルメディアへの投稿、書き込み内容や、モバイルコマースの履歴に関する情報等も動作ログ記憶部36へ出力してもよい。
【0026】
さらに、ユーザは、地デジ視聴部34を用いて、地上デジタル放送又はワンセグ放送等による動画を視聴する。地デジ視聴部34は、ユーザによって選択された番組情報や、その番組の登場人物に関する情報等を動作ログ記憶部36へ出力する。
【0027】
センサ35は、例えば加速度センサや、位置情報を検出するGPS等である。例えば、センサ35がGPSである場合に収集する情報について説明する。センサ35は、ユーザの日常的な行動場所に関する情報、例えば、家又は職場の場所に関する位置情報や、通勤経路に関する途中経路の位置情報を検出する。また、センサ35は、旅行先において訪れた店の場所に関する情報等を検出してもよい。
【0028】
次に、センサ35が加速度センサである場合に収集する情報について説明する。この場合、センサ35は、ユーザの加速度情報を検出する。加速度センサは、例えば歩数計等に用いられ、ユーザの歩数情報を算出するとともに、ユーザが歩いているか又は走っているか等を識別することができる。さらに、センサ35は、加速度情報を検出することにより、ユーザの移動手段を識別することもできる。
【0029】
センサ35は、検出した情報を動作ログ記憶部36へ出力する。動作ログ記憶部36は、ブラウザ33及び地デジ視聴部34から受け取った操作履歴に関する情報と、センサ35において検出されたセンサ情報とを保存する。動作ログ記憶部36は、RAM等の内部メモリ等であってもよく、携帯端末30の外部に接続される外部記憶装置等であってもよい。また、動作ログ記憶部36は、操作履歴に関する情報とセンサ情報とをユーザ動作分析支援部37へ出力する。
【0030】
ユーザ動作分析支援部37は、受け取った操作履歴に関する情報及びセンサ情報のうち少なくとも一方の情報を用いて、ユーザの行動を分析し、例えばユーザの嗜好に関する情報を生成する。例えば、ユーザの嗜好は、受け取った操作履歴に関する情報を予め定められたカテゴリ毎に分類し、一番多くの情報が分類されたカテゴリを、ユーザが現在最も関心のあるカテゴリとして推定してもよい。また、GPSによって、最も多く検出された位置に関する情報が、ユーザにとって最も関心のある情報として推定してもよい。過去の操作履歴やセンサ情報等からユーザの行動を分析する方法は多数存在するため、上述した例に制限されるものではない。ユーザ動作分析支援部37は、ユーザの行動を分析した結果を動作ログ記憶部36へ出力する。例えば、ユーザ動作分析支援部37は、ユーザにとって関心があると推定されたカテゴリに関する情報を動作ログ記憶部36へ出力してもよい。動作ログ記憶部36は、ユーザの行動を分析した情報を保存する。
【0031】
通信部39は、外部装置等と通信を行う。通信部39は、無線LANや、赤外線通信等の近距離無線通信により外部装置と通信を行ってもよく、外部装置とケーブル等を介した有線を用いて通信を行ってもよい。外部装置等は、例えば、PCや、サーバ装置等である。
【0032】
アクセス管理部38は、Webサーバ機能(以下、端末内サーバと称する)を有し、通信部39を介してアクセスする外部装置等の接続可否を判定する。アクセス管理部38には、IPアドレス等の識別子が設定されており、外部装置は、アクセス管理部38に設定されたIPアドレス等の識別子を指定してアクセス管理部38へアクセスする。
【0033】
また、アクセス管理部38は、外部装置からHTTPメッセージを受け取り、HTTPメッセージに応じたAPIを実行することにより、携帯端末30の内部機能を動作させる。例えば、「ユーザの嗜好に関する分析結果を送る」というHTTPメッセージを受け取った場合に、「動作ログ記憶部36に保存されたユーザの嗜好に関する分析結果を受け渡す」というAPIを実行する。これにより、アクセス管理部38は、動作ログ記憶部36からユーザの嗜好に関する分析結果を抽出し、通信部39を介して外部装置へ送信する。
【0034】
続いて、図3を用いて本発明の実施の形態1にかかるPC40の構成例について説明する。PC40は、ユーザI/F41と、PC機能部42と、動作ログ記憶部44と、ユーザ動作分析支援部45と、ユーザ動作統合管理部46と、通信部47と、を備えている。PC機能部42は、例えばブラウザ43を有している。
【0035】
ユーザI/F41は、ユーザからの情報入力を受け付けるボタン等のキー入力部と、ユーザに対して画面情報等を提供するディスプレイ等により構成されている。また、キー入力部は、キーボードや、カーソル操作をするマウス、ディスプレイ上に表示されたボタンを操作するタッチパッド等であってもよい。また、PC40を操作するユーザと、携帯端末30を操作するユーザは同一である。
【0036】
PC機能部42は、ユーザI/F41を介して、ユーザによるPC40の操作情報を受け取る。ユーザは、ブラウザ43を用いてWebページの閲覧や、Webページの検索等を実行する。ブラウザ43は、アクセスしたWebページのURLや、Webページ内のキーワード情報等を動作ログ記憶部44へ出力する。また、ブラウザ43は、ユーザがWebページの検索に用いたキーワード情報等も動作ログ記憶部44へ出力する。
【0037】
また、ブラウザ43が起動されると、通信部47は、携帯端末30に保存されているユーザの行動に関する情報を収集するために携帯端末30へアクセスする。
【0038】
動作ログ記憶部44は、ブラウザ43から受け取った操作履歴に関する情報を保存する。動作ログ記憶部44は、RAM等の内部メモリ等であってもよく、PC40の外部に接続される外部記憶装置等であってもよい。また、動作ログ記憶部44は、操作履歴に関する情報をユーザ動作分析支援部45へ出力する。
【0039】
ユーザ動作分析支援部45は、受け取った操作履歴に関する情報を用いてユーザの行動を分析する。ユーザの行動を分析する方法は、携帯端末30におけるユーザ動作分析支援部37と同様であるため、詳細な説明を省略する。ユーザ動作分析支援部45は、ユーザの行動を分析した結果を動作ログ記憶部44へ出力する。
【0040】
通信部47は、携帯端末30と通信を行う。通信部47は、無線LANや、赤外線通信等の近距離無線通信により携帯端末30と通信を行ってもよく、携帯端末30とケーブル等を介した有線を用いて通信を行ってもよい。
【0041】
また、通信部47は、ブラウザ43の起動に伴い、携帯端末30に保存されているユーザの行動に関する情報を収集するために携帯端末30へアクセスする。PC40は、携帯端末30へアクセスする際に、アクセス管理部38に設定されているIPアドレス及びポート番号等を指定してアクセスを行う。例えば、通信部47は、IPアドレスを「123.456.78.99」と設定し、ポート番号を「54321」と設定してアクセス管理部38へアクセスする。さらに、通信部47は、「ユーザの嗜好に関する分析結果を送る」というHTTPメッセージをアクセス管理部38へ送付する。通信部47は、HTTPメッセージに対する応答として、携帯端末30に保存されている、ユーザの嗜好に関する情報を受け取り、ユーザ動作統合管理部46へ出力する。
【0042】
ユーザ動作統合管理部46は、通信部47を介して受け取った携帯端末30におけるユーザの行動に関する情報と、動作ログ記憶部44に保存されているPC40におけるユーザの行動に関する情報とを用いて、携帯端末30及びPC40を用いるユーザの行動を分析する。ユーザ動作統合管理部46は、分析した結果を動作ログ記憶部44へ出力する。
【0043】
また、ユーザ動作統合管理部46は、通信部47を介して、携帯端末30から、操作履歴とセンサ情報とを受け取り、携帯端末30におけるユーザの行動を分析してもよい。その際に、ユーザ動作統合管理部46は、携帯端末30から受け取った操作履歴とセンサ情報とに基づいて分析したユーザの行動と、動作ログ記憶部44に保存されているPC40におけるユーザの行動に関する情報とを用いて、携帯端末30及びPC40を用いるユーザの行動を分析してもよい。
【0044】
動作ログ記憶部44へ保存された携帯端末30及びPC40を用いるユーザの行動を分析した結果は、ブラウザ43を介してユーザI/F41に表示される。
【0045】
続いて、図4を用いて本発明の実施の形態1にかかるユーザへの情報提供処理の流れについて説明する。はじめに、携帯端末30とPC40との間においてペアリング設定を行う(S51)。
【0046】
ペアリング設定は、携帯端末30とPC40との間における相互認証である。例えば、携帯端末30は、接続を許可するPCのIPアドレスや、MACアドレス、PCの端末識別子等を携帯端末30内のメモリ等へ保存しておく。PC40も同様に、接続を許可する携帯端末のPCのIPアドレスや、MACアドレス、携帯端末の端末識別子等をPC40内のメモリ等へ保存しておいてもよい。携帯端末30とPC40とは、接続される際に、それぞれのIPアドレスや、MACアドレス、識別子等を交換する。さらに、携帯端末30とPC40とはそれぞれ、受け取ったIPアドレス等が、予め設定されているIPアドレス等と一致するか否かを確認する。これにより、携帯端末30とPC40とは機器認証を行い、それぞれ、PC40又は携帯端末30と接続が許可されているか否かを判定する。さらに、携帯端末30とPC40とが同一のユーザによって使用されていることを確認するために、それぞれの装置において、共通のユーザ名とパスワードとを予め保存しておいてもよい。ユーザは、ペアリング設定時に、携帯端末30とPC40とに共通のユーザ名とパスワードとを入力し、それぞれの装置が、ユーザ名とパスワードとが予め保存しているユーザ名とパスワードと一致するか否かを判定する。これにより、本人認証が行われる。機器認証及び本人認証が行われた後、携帯端末30及びPC40は、携帯端末30及びPC40の間のメッセージ交換に使用する認証鍵、暗号鍵などを共有する。また、図4においては、携帯端末30とPC40とが1対1の例を示しているが、携帯端末30とPC40とがそれぞれ複数、又は、いずれか一方が複数であってもよい。
【0047】
次に、携帯端末30は、Webブラウザ機能を用いてインターネット上の情報の閲覧や、動画視聴、Webブラウザのサーチ機能を用いた検索等を行い、操作履歴を動作ログ記憶部36へ保存する(S52)。また、携帯端末30は、ワンセグ機能によるTV視聴時の操作履歴や、センサ情報も併せて保存してもよい。もしくは、Webブラウザにおける操作履歴、TV視聴時の操作履歴及びセンサ情報のうち少なくとも1つを保存することでもよい。
【0048】
次に、PC40は、ブラウザ43を起動する(S53)。ブラウザ43は、PC40に搭載されているアプリケーションである。次に、ブラウザ43は、携帯端末30におけるユーザの行動に関する情報を収集するために、携帯端末30に対して「ユーザの嗜好に関する分析結果を送る」(嗜好情報収集要求)というhttpメッセージを送信する(S54)。次に、携帯端末30のアクセス管理部38は、「動作ログ記憶部36に保存されたユーザの嗜好に関する分析結果を受け渡す」というAPIを実行する(S55)。次に、携帯端末30の通信部39は、APIの実行結果(ユーザの嗜好に関する情報)をPC40へ送信する(S56)。
【0049】
次に、PC40のユーザ動作統合管理部46は、携帯端末30から受け取ったユーザの行動に関する情報と、動作ログ記憶部44に保存されているユーザの行動に関する情報とを用いて、携帯端末30とPC40とにおけるユーザの行動を分析する(S57)。
【0050】
次に、ブラウザ43は、ユーザ動作統合管理部46における分析結果をユーザI/F41へ表示させる(S58)。
【0051】
以上説明したように本発明の実施の形態1にかかる情報提供システムを用いることにより、次のような効果が得られる。ユーザが使用するPCにおいて、過去のWebページ閲覧履歴から判断して興味を持ちそうなWebページを検索結果として表示する場合に、PCにおける過去の操作履歴を分析して、ユーザの行動を分析する。ユーザの行動を分析する際に、外出時にWebページの閲覧等を行う携帯電話における操作履歴又は携帯電話におけるセンサ情報等も活用することにより、PCのみの操作履歴を分析する場合と比較して的確な分析を行うことができるため、Webページの検索が行われた際に、ユーザに対してより必要な情報を提供することができる。さらに、ユーザが動画閲覧を行う際に、ユーザの行動にあった番組情報等を表示させることもできる。さらに、ユーザが、インターネットショッピング等のサービスを利用した場合に、ユーザの行動に合ったお勧めの商品等を即座に表示させることもできる。
【0052】
また、本発明の実施の形態1にかかる情報提供システムにおいては、携帯端末30とPC40との間において情報の交換が行われる。これにより、個人情報である携帯端末30及びPC40の操作履歴をインターネット上のクラウド等に送信して処理を実行する場合と比較して、個人情報が手の届かない所に送付又は保持されてしまうことによるユーザの不安感を解消することができる。これにより、より高いユーザ受容性を実現することができる。
【0053】
また、上記の説明においては、PCにおけるWebページの閲覧、検索等などにおける利便性向上のために、携帯端末30の操作履歴情報等をPC40へ提供していたが、PC40における操作履歴情報等を携帯端末30へ提供し、携帯端末30におけるWebページの閲覧、検索等における利便性向上を図ることができる。
【0054】
また、携帯端末30とPC40とにおける操作履歴等を用いて高精度に分析されたユーザの嗜好に関する情報をPC40等に表示させるのみではなく、ユーザの行動に関する情報を、インターネットモール業者や、コンテンツプロバイダ業者、インターネット広告業者等へ有償にて提供することもできる。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
10 通信装置
11 保存部
12 センサ
13 操作部
20 通信装置
21 操作部
22 保存部
23 分析部
24 実行部
30 携帯端末
31 ユーザI/F部
32 携帯端末機能部
33 ブラウザ
34 地デジ視聴部
35 センサ
36 動作ログ記憶部
37 ユーザ動作分析支援部
38 アクセス管理部
39 通信部
40 PC
41 ユーザI/F
42 PC機能部
43 ブラウザ
44 動作ログ記憶部
45 ユーザ動作分析支援部
46 ユーザ動作統合管理部
47 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の通信装置を備える情報提供システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記第1の通信装置を操作するユーザによる前記第1の通信装置の過去の操作履歴及び前記第1の通信装置に搭載されたセンサにおいて検出されたセンサ情報のうち少なくとも一方を保存する第1の保存部を有し、
前記第2の通信装置は、
前記ユーザによる前記第2の通信装置の過去の操作履歴を保存する第2の保存部と、
前記ユーザが前記第2の通信装置に搭載されている搭載機能を実行する際に、前記第1の通信装置から前記第1の保存部に保存されている前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方を収集し、前記収集した前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方と前記第2の保存部に保存されている操作履歴とを用いて前記ユーザの行動を分析する分析部と、
前記分析されたユーザの行動に応じて前記搭載機能を実行する実行部と、を有する、情報提供システム。
【請求項2】
前記第1の通信装置は、
前記第2の通信装置からのアクセスを制御するアクセス管理部をさらに備え、
前記第2の通信装置は、
前記アクセス管理部へアクセスして前記第1の保存部に保存されている前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方を収集する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記アクセス管理部は、
前記第2の通信装置から送信されたhttpメッセージを受信し、前記httpメッセージに応じたAPIを実行することにより、前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方を収集し、前記収集した情報を前記第2の通信装置へ送信する、請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記第2の通信装置は、
複数の前記第1の通信装置から前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方を収集する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記第1の通信装置及び第2の通信装置における過去の操作履歴とは、Webサイトの閲覧履歴、前記Webサイトの検索履歴及び動画の視聴履歴のうち少なくとも1つを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記センサ情報とは、位置情報及び加速度情報のうち少なくとも一方を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記実行部は、
前記ユーザによって前記Webサイトの検索が実行された際に、前記分析された前記ユーザの行動を反映した検索結果を表示させる、請求項6記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記実行部は、
前記ユーザによって前記動画の視聴が行われる際に、前記分析された前記ユーザの行動を反映した番組情報を表示させる、請求項6記載の情報提供システム。
【請求項9】
ユーザによる過去の操作履歴を保存する保存部と、
前記ユーザが通信装置に搭載された搭載機能を実行する際に、前記ユーザにより外部装置が操作された際に生成される操作履歴及び前記外部装置に搭載されているセンサにおいて検出されたセンサ情報のうち少なくとも一方を収集し、前記収集された前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方と前記保存部に保存されている操作履歴とを用いて、前記ユーザの行動を分析する分析部と、
前記分析されたユーザの行動に応じた前記搭載機能を実行する実行部と、を備える通信装置。
【請求項10】
前記分析部は、
前記外部装置内に搭載されており前記外部装置と異なる装置からのアクセスを制御するアクセス管理部へアクセスし、前記ユーザにより外部装置が操作された際に生成される操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方を収集する、請求項9記載の通信装置。
【請求項11】
前記外部装置と通信を行う通信部をさらに備え、
前記通信部は、
前記アクセス管理部へhttpメッセージを送信し、前記httpメッセージの応答メッセージにおいて、前記ユーザにより前記外部装置が操作された際に生成される操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方を収集する、請求項10記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信部は、
複数の前記外部装置から前記ユーザにより前記外部装置が操作された際に生成される操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方を収集する、請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記実行部は、
前記ユーザによってWebサイトの検索が実行された際に、前記分析された前記ユーザの行動を反映した検索結果を表示させる、請求項9乃至12記載の通信装置。
【請求項14】
前記実行部は、
前記ユーザによって動画の視聴に関するアプリケーションが実行された際に、前記分析された前記ユーザの行動を反映した番組情報を表示させる、請求項9乃至13記載の通信装置。
【請求項15】
ユーザによる過去の操作履歴を保存するステップと、
前記ユーザが移動通信装置に搭載されている搭載機能を実行する際に、前記ユーザにより外部装置が操作された際に生成される操作履歴及び前記外部装置に搭載されているセンサにおいて検出されたセンサ情報のうち少なくとも一方を収集するステップと、
収集された前記操作履歴及び前記センサ情報のうち少なくとも一方と前記保存されている操作履歴とを用いて、前記ユーザの行動を分析するステップと、
前記分析されたユーザの嗜好に応じた前記搭載機能を実行させるステップと、を備える情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−208660(P2012−208660A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72940(P2011−72940)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】