説明

情報提供システムおよびプログラム

【課題】 健康管理を支援するための双方向の情報提供を、高い即時性で、かつ手軽に行うことができる情報提供システムを提供する。
【解決手段】 このシステムは、複数の携帯情報端末10と管理サーバ20とから構成される。各携帯情報端末10は、ユーザの生体情報を計測する生体情報計測手段と、位置情報を取得する位置情報取得手段と、ユーザから指示を受けて、生体情報を計測、位置情報を取得させて、それらを携帯情報端末の識別情報とともに管理サーバ20へ送信する端末制御手段とを含む。管理サーバ20は、複数の携帯情報端末10のそれら情報を用い、設定条件に従って生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を生成する生体情報解析手段と、生体情報解析情報を生成させ、生成された情報を携帯情報端末10へ配信して、ユーザに提示させるサーバ制御手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが所持する携帯情報端末と管理サーバとの間で双方向の情報提供を行う情報提供システムおよびその処理を実現するためのコンピュータ可読なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通話やメール機能のほか、無線LAN等による通信機能、GPS(Grobal Positioning System)機能、撮影機能、音楽再生機能、地図表示機能といった様々な機能が搭載されたスマートフォンのような携帯情報端末が普及してきている。この携帯情報端末は、日常生活において常に携帯され、頻繁に使用されるものの1つとなっている。
【0003】
携帯情報端末は、ネットワークを介して各種サービスを提供するサーバへ接続し、そのサーバから各種サービスの提供を受けることができる。このため、携帯情報端末向けのサービスが多数開発されている。また、携帯情報端末は、GPS機能や通信機能を用いて位置情報を取得することができ、サーバとの間で相互に情報提供を行うことができることから、位置情報を伴った双方向の情報提供を行うサービスも数多く開発されている。そのサービスとしては、例えば現在の位置を地図上に表示するサービスが挙げられる。
【0004】
ところで、携帯情報端末とサーバとを含むシステムとして、複数の被験者の生体情報を活用して付加価値のある情報を配信する健康管理支援サービスを提供する目的で、ネットワークを介して接続される計測装置と、サーバ装置と、携帯情報端末といった受信装置とから構成される生体情報活用システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
このシステムは、まず、計測装置が被験者の体温等の生体情報を計測すると計測装置または被験者を特定するための識別情報とともにサーバ装置へ送信する。次に、サーバ装置が、受信した複数の被験者の生体情報を識別情報に対応する各被験者の住所または計測装置の設置位置を示す位置情報とともに管理し、付加価値情報を作成して受信装置へ送信する。ここで、付加価値情報は、複数の生体情報の時間変化および地域分布の変化を示すものである。その後、受信装置が、サーバ装置から受信した付加価値情報を受信し、提示出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシステムは、サーバ装置が、複数の被験者の生体情報をリアルタイムに収集し、被験者全体の生体情報の上記変化を示す付加価値情報を作成するため、付加価値情報の提供先である個人、医療機関、公共機関および企業等では、この付加価値情報を利用することにより、例えば、ウィルスを含む微生物による感染症の発生状況を実質的にリアルタイムに把握することができる。このため、個人、医療機関、公共機関および企業等では、個人や社会全体の健康管理のために、より有効でタイムリーな対策を講じることができる。
【0007】
しかしながら、上記従来のシステムは、生体情報を計測する計測装置が設置して使用するものとされ、生体情報の計測がその設置された場所に限定されることから、生体情報の計測頻度がその計測装置の設置場所へ被験者が訪れる頻度に限定されることになる。また、位置情報は、計測装置の設置場所または被験者の住所とされるため、被験者が異なる場所へ移動することは考慮されない。したがって、従来のシステムでは、複数のユーザの生体情報および位置情報を基にして、健康管理を支援するための双方向の情報提供を、高い即時性で、かつ手軽に行うことはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、ネットワークを介して接続される複数のユーザの各々が所持する複数の携帯情報端末と管理サーバとを含み、該複数の携帯情報端末と該管理サーバとの間で健康管理を支援するための双方向の情報提供を、高い即時性で、かつ手軽に行うことができる情報提供システムを提供する。
【0009】
これを実現するために、各携帯情報端末は、携帯情報端末を所持するユーザの生体情報を計測する生体情報計測手段と、携帯情報端末の位置を特定するための位置情報を取得する位置情報取得手段と、ユーザからの情報提供指示を受け付けたことに応答して、生体情報計測手段および位置情報取得手段に指示して、生体情報を計測させ、位置情報を取得させて、計測された生体情報と取得された位置情報とに携帯情報端末を識別するための識別情報を付加して管理サーバへ送信する端末制御手段とを含む構成とされる。
【0010】
そして、管理サーバは、複数の携帯情報端末から受信した生体情報と位置情報と識別情報とを用い、設定された条件に従って生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を生成する生体情報解析手段と、携帯情報端末から生体情報と位置情報と識別情報とを受信したことに応答して、生体情報解析手段に指示して生体情報解析情報を生成させ、生成された生体情報解析情報を携帯情報端末へ配信して、ユーザにその生体情報解析情報を提示させるサーバ制御手段とを含む構成とされる。
【0011】
このシステムは、携帯情報端末において、生体情報を計測し、位置情報を取得することができ、それを即座に管理サーバへ送信し、管理サーバが即座に生体情報解析情報を生成して携帯情報端末へ送り返し、携帯情報端末の表示画面上にその生体情報解析情報を表示してユーザに提示することができるので、高い即時性で、かつ手軽に情報提供を行うことができる。
【0012】
生体情報解析手段は、各携帯情報端末から受信した各生体情報を、複数に区分けされた生体情報の計測範囲の各々に割り当てられた各階級に分類し、各位置情報に対する生体情報の階級を示す個別生体情報解析情報を生体情報解析情報として生成することができる。これにより、現在自分がいる位置の周辺にどのくらいの人数のユーザがいて、どの階級のユーザが多くいるかという詳細な生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を提供することができる。
【0013】
また、生体情報解析手段は、各携帯情報端末から受信した各生体情報を、複数に区分けされた生体情報の計測範囲の各々に割り当てられた各階級に分類し、予め指定された階級につき、各携帯情報端末から各生体情報とともに受信した各位置情報を用いて、対応する各生体情報を各エリアに分類し、各エリアに対する指定された階級に属するユーザの人数を示すエリア別生体情報解析情報を生体情報解析情報として生成することもできる。これにより、指定された階級に属するユーザが、どのエリアにどの程度いるかという詳細な生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を提供することができる。
【0014】
こういった詳細な生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を提供することにより、風邪等の病気の疑いがある人がいる場所を避けて行動したり、マスクの着用やうがい手洗いを念入りに行う等の対策をとり、ユーザの健康管理につなげることができる。
【0015】
端末制御手段は、地理的範囲を指定する地理的範囲指定情報の入力を受け付けたことに応答して、該地理的範囲指定情報を管理サーバへ送信し、該地理的範囲における生体情報解析情報を生成させることができる。これにより、ユーザが知りたい地理的範囲にある生体情報解析情報を提供することができる。
【0016】
サーバ制御手段は、地理的範囲を指定する地理的範囲指定情報を携帯情報端末から受信したか否かに応じて、個別生体情報解析情報およびエリア別生体情報解析情報のいずれかを選択し、携帯情報端末へ配信することができる。これにより、ユーザが知りたい地理的範囲に適した生体情報解析情報を提供することができる。
【0017】
1つの例としては、サーバ制御手段は、地理的範囲を指定する地理的範囲指定情報を携帯情報端末から受信したかどうかを判定し、受信したと判定した場合に、地理的範囲内にいるユーザの人数が閾値を超えるか否かを判定し、閾値以下と判定した場合に、個別生体情報解析情報を選択して携帯情報端末へ配信し、一方、地理的範囲指定情報を受信していないと判定した場合または閾値を超えると判定した場合に、エリア別生体情報解析情報を選択して携帯情報端末へ配信することができる。
【0018】
本発明では、上記の情報提供システムのほか、情報提供システムが行う各処理を実行させるためのコンピュータ可読なプログラムや、各処理ステップを含む方法を提供することも可能であり、このプログラムは、記録媒体に格納して提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態の情報提供システムの構成を示した図。
【図2】本実施形態の情報提供システムが備える携帯情報端末の構成例を示した図。
【図3】本実施形態の情報提供システムが備える管理サーバの構成例を示した図。
【図4】図3に示す管理サーバにより生成される生体情報解析情報を例示した図。
【図5】図1に示す情報提供システムにより実行される処理の流れを示したフローチャート。
【図6】図3に示す管理サーバが配信する生体情報解析情報を決定する処理の流れを示したフローチャート。
【図7】図2に示す携帯情報端末の表示画面に提示される生体情報解析情報を例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態の情報提供システムは、図1に示すように、複数のユーザの各々が所持する複数の携帯情報端末10と、管理サーバ20と、複数の携帯情報端末10と管理サーバ20とを通信可能に接続するネットワーク30と、複数の携帯情報端末10を無線通信によりネットワーク30に接続するための基地局あるいはアクセスポイント(AP)40とを含んで構成される。図1では、無線通信により接続する形態が示されているが、ネットワークケーブルを用い、直接ネットワーク30に接続される形態であってもよい。
【0021】
携帯情報端末10は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)のほか、近年著しく普及してきているスマートフォン等とされ、各種アプリケーションやデータを記憶するROM、RAM、HDDやフラッシュメモリといった記憶装置と、その記憶装置からアプリケーションを読み出し実行するプロセッサと、ネットワーク30と接続するための通信インタフェースと、出力装置と、入力装置とを含んで構成される。出力装置には、記憶装置等に記憶した音楽を再生して、また、通話により音声を出力するスピーカといった音声出力装置や、提供された情報を表示するディスプレイといった表示装置が含まれる。入力装置には、音声を入力する音声入力装置や、キーボート、マウス、タッチパッド等が含まれる。また、携帯情報端末10は、カメラといった撮像装置や、位置情報を取得するためのGPS受信機、生体情報を計測するためのセンサ等を含んで構成される。
【0022】
携帯情報端末10は、これらの各装置を実装し、iOS(登録商標)やAndroid(登録商標)等の適切なOSによる制御の下で、通話機能、メール機能、無線通信機能、音楽再生機能、動画再生機能、地図表示機能、GPS機能、撮影機能、スキャナ機能、生体情報計測機能等、様々な機能を実現することができる。
【0023】
通信インタフェースは、無線通信を行うことができるようにアンテナ、データの送信機および受信機を備えるものとされる。送信機は、電波にデータをのせてアンテナへ出力し、受信機は、アンテナで拾った電波からデータを取り出す。したがって、送信機は、一定周波数の搬送波を発生し、その搬送波を変調してデータをのせる変調処理を行う回路等を、受信機は、変調された搬送波を復調してデータを取り出す復調処理を行う回路等を備える。基地局あるいはAP40も同様に、アンテナ、送信機および受信機を備える構成とされる。また、無線通信で使用されるプロトコルと、ネットワーク30で使用されるプロトコルが異なる場合には、プロトコルを変換して接続可能にするためのゲートウェイが設けられる。
【0024】
管理サーバ20は、携帯情報端末10と同様の記憶装置、プロセッサ、通信インタフェースを備えていて、Windows(登録商標)、Mac OS(登録商標)、Linux(登録商標)、UNIX(登録商標)等の適切なOSによる制御の下で、ネットワーク30を介して送信された携帯情報端末10からの要求に対して応答し、送信されてきた情報に対して適切な処理を行い、適切な情報を返信して当該情報を提供する。
【0025】
ネットワーク30は、インターネットや公衆交換電話網(PSTN)等とされ、携帯情報端末10間での通話やメール、携帯情報端末10と管理サーバ20との間でのTCP/IP等の適切なプロトコルを使用した双方向データ通信を可能にする。ネットワーク30は、AP40と接続され、携帯情報端末10から無線にて送信された音声信号やデータを、このAP40を介して受信し、管理サーバ20や他の携帯情報端末へAP40あるいは他のAP等を介して送信する。
【0026】
図2は、図1に示す情報提供システムが備える携帯情報端末10の構成を示した図である。これは一例であるので、この構成に限定されるものではない。携帯情報端末10は、充電部11と、通信部12と、生体情報計測部13と、位置情報取得部14と、制御部15と、記憶部16と、入力部17と、出力部18とを含んで構成されている。
【0027】
充電部11は、携帯情報端末10を屋外へ携帯して使用することができるように蓄電し、各部へ駆動電力を供給する。充電部11の一例としては、バッテリが挙げられる。通信部12は、充電部11からの駆動電力が供給されて起動し、他のデバイスとデータのやりとりを行うためのデータ送受信を行う。携帯情報端末10は、この通信部12を介してネットワーク30に接続し、ネットワーク30を介して管理サーバ20との間でデータの送受信を行うことができる。
【0028】
通信部12は、上述したアンテナ、送信機および受信機を含む無線通信装置として構成することができるが、無線通信に限られるものではなく、有線通信を行うことができるものであってもよい。一例として、通信部12は、公衆無線LANを使用してネットワーク30に接続する場合、そのネットワーク30に接続されたAP40から発信されたSSID(Service Set IDentification)を含む電波を受信し、自己に予め登録されているSSIDと一致するかを判断し、一致すると判断した場合に、携帯情報端末を一意に識別するためのMACアドレス等を含む応答を返信し、AP40との間の通信を確立することができる。この通信の確立により、通信部12は、ネットワーク30を介して管理サーバ20との間で双方向の情報提供が可能となる。この通信の際、必要に応じてWEP(Wired Equivalent Privacy)キー等を用いて、やりとりを行うデータを暗号化することができる。暗号化の方式としては、これに限られるものではなく、これまでに知られたいかなる方式でも採用することができる。
【0029】
生体情報計測部13は、充電部11からの駆動電力が供給されて起動し、ユーザが携帯情報端末10の使用中に、ユーザからの指示を受けて当該ユーザの生体情報を計測する。生体情報計測部13としては、生体センサを用いることができる。生体センサとしては、血流計、脳波計、眼球運動センサ、心電計、振動ジャイロ、加速度センサ、筋音計、皮膚温度センサ、体動加速度センサ、皮膚導電率センサ、脈拍計等を挙げることができる。
【0030】
血流計は、人体に赤外線を放射し、その赤外線の反射により脳内血流量や血中酸素の濃度を測定する。脳波計は、脳内を流れる電流を基にα波やβ波等の波数成分を測定する。眼球運動センサは、ゴーグルに取り付けた小型カメラから取得される眼球画像を画像処理することにより瞳の中心を抽出し、視線方向を計算する。この眼球運動センサは、そのほか、左右のこめかみと額の中央に貼付した3つの電極から得られる皮膚電位の差動増幅により眼球の水平方向の運動を信号として出力することもできる。
【0031】
心電計は、心筋が発信する電流を基に心拍数を計測する。振動ジャイロは、角速度を基に胸部運動や呼吸数を測定する。加速度センサは、人体の動作を測定する。筋音計は、筋肉の収縮状態を連続的に測定する。皮膚温度センサは、体温を計測する。体動加速度センサは、運動量の度合いを測定する。この度合いから歩数、運動強度、消費カロリー量を得ることができる。皮膚導電率センサは、皮膚電気抵抗を基に発汗量を測定する。脈拍計は、赤外線で血流を測定し、その血流から心拍数を測定する。なお、計測された生体情報は、記憶部16に記憶される。
【0032】
これらの生体センサは、管理サーバ20に対して情報提供する指示を命令として入力する際に、適当な人体の部位に取り付けて使用することができ、生体情報計測部13は、その情報提供指示を受けたことに応答して、生体情報を計測し、計測した生体情報を制御部15へ送る。
【0033】
位置情報取得部14は、充電部11からの駆動電力が供給されて起動し、ユーザが所持する携帯情報端末10の絶対位置を取得する。位置情報取得部14としては、GPS衛生から発信する電波から緯度、経度および高度を割り出すGPS受信機を用いることができる。絶対位置は、経度および緯度の情報から特定することができるが、携帯情報端末10が三次元の立体的な地図を利用することができるものであれば、経度および緯度のほか、高度も含めて位置情報とすることができる。位置情報取得部14は、GPS受信機に代えて、上記の無線通信装置を利用し、携帯情報端末10に近隣する基地局やAP等から予め登録されている正確な緯度および経度といった位置情報を、この携帯情報端末10の位置情報として簡易に取得することも可能である。
【0034】
制御部15も充電部11からの駆動電力が供給されて起動し、携帯情報端末10の各部を制御することにより所望の動作や情報処理を実現する。この制御部15としては、制御プログラムを記憶する記憶装置と、その制御プログラムを読み出し実行するプロセッサとにより構成することができる。制御部15は、ユーザが携帯情報端末10を使用する際に入力部17により命令、すなわち情報提供指示が入力されると、それを受けて、生体情報計測部13に対し、当該ユーザの生体情報を計測するように指示し、計測された生体情報を受け取り、記憶部16に記憶させる。
【0035】
また、制御部15は、取得した位置情報を、記憶部16に記憶された生体情報と、携帯情報端末10を他の携帯情報端末と識別するための識別情報とともに、管理サーバ20へ提供すべき情報として構成し、それを通信部12へ送り、通信部12に対し管理サーバ20へ送信するように指示する。さらに、制御部15は、通信部12が管理サーバ20から提供を受ける生体情報解析情報を受信すると、それを出力部18へ送り、出力部18に対し出力するように指示する。また、制御部15は、ユーザが管理サーバ20から提供を受ける生体情報解析情報の地理的範囲を指定する場合には、入力部17を介して入力された地理的範囲指定情報を、提供すべき情報に含めて通信部12へ送り、管理サーバ20へ送信するように通信部12に対し指示する。
【0036】
ここで、生体情報としては、生体情報計測部13により取得される脳内血流量、血中酸素の濃度、波数成分、視線方向、心拍数、胸部運動、呼吸数、人体の動作、筋肉の収縮状態、体温、運動量の度合い、歩数、運動強度、消費カロリー量、発汗量、心拍数等が挙げられる。なお、生体情報解析情報については後述する。
【0037】
記憶部16も充電部11からの駆動電極が供給され、生体情報、位置情報、上記の識別情報を含む各種情報を記憶する。この記憶部16としては、ROMやRAM等の記憶装置を挙げることができる。また、上述した制御部15として機能させるための制御プログラムも記憶する。入力部17は、ユーザからの命令等の入力を受け付けるものであり、例えば、キーボード、タッチパネル、マイクを挙げることができる。出力部18は、携帯情報端末10内の情報を出力してユーザに報知させるものであり、例えば、スピーカやディスプレイを挙げることができる。これら入力部17および出力部18も、充電部11からの駆動電力が供給されて起動し、それぞれの処理を実現可能にする。
【0038】
次に、図3を参照して、管理サーバ20について詳細に説明する。管理サーバ20は、1つの構成例として、生体情報解析部21と、通信部22と、制御部23と、記憶部24とを含んで構成される。記憶部24は、RAMやROM等の記憶装置とされ、通信部22で受信した携帯情報端末10からの生体情報と位置情報と識別情報とを含む各種情報を記憶する。また、記憶部24は、制御部23が読み込み実行する制御プログラムも記憶する。なお、記憶部24では、生体情報と位置情報は、識別情報に関連付けて記憶され、データベース化される。
【0039】
図4(a)は、記憶部24に記憶される情報の例を示した図である。各情報は、互いを対応付けて記憶するためにテーブルの各フィールドに入力される。左欄のフィールドから携帯情報端末を識別するための識別情報である携帯情報端末ID、位置情報としての緯度および経度(度)、生体情報としての体温(度)が入力されている。携帯情報端末IDは、携帯情報端末を識別することができるものであればいかなるものであってもよく、IPアドレス、MACアドレス、ユーザ名等を用いることができる。
【0040】
再び図3を参照して、生体情報解析部21は、記憶部24内にデータベース化されて記憶された複数の携帯情報端末10から取得した生体情報と位置情報と識別情報とを用い、予め設定された条件に従って生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を作成する。この処理を実現するために、生体情報解析部21は、ROMやRAM等の記憶装置およびプロセッサを用い、記憶装置から読み出したプログラムをプロセッサが実行することにより生体情報解析部21として機能させることができる。
【0041】
この処理の1つの例としては、まず、予め生体情報の計測範囲を複数の階級に区分けしておく。例えば、生体情報が体温であるとき、体温が、37度未満、37度以上38度未満、38度以上という3つの階級に区分けする。そして、記憶部24内にデータベース化されて記憶された各生体情報を各階級に分類する。各生体情報には、各位置情報が対応付けられていることから、分類結果を用い、各位置情報に対する生体情報の階級を示す生体情報解析情報を生成する。これらは、条件として予め定められ、この条件に従って生体情報解析情報が生成される。以下、この例により生成された生体情報解析情報を、個別生体情報解析情報とする。
【0042】
別の例では、予め生体情報の計測範囲を複数の階級に区分けしておき、記憶部24内にデータベース化されて記憶された各生体情報を各階級に分類する。ここまでは、上記例と同様である。この例では、各ユーザが各位置情報からどのエリアに属するかを決定し、予め指定された階級に属するかを判定する。エリアごとに、その指定された階級に属するユーザの人数をカウントして、各エリアに対する指定された階級に属するユーザの人数を示す生体情報解析情報を生成する。これも同様に、条件として予め定められ、この条件に従って生体情報解析情報が生成される。以下、この別の例により生成された生体情報解析情報を、エリア別生体情報解析情報とする。
【0043】
個別生体情報解析情報の例を、図4(b)に示し、エリア別生体情報解析情報の例を、図4(c)に示す。図4(b)に示す例では、位置情報ごとに、生体情報の1つである体温をある区間で区切りした体温別階級に分類し、これがテーブルの体温別階級フィールドに入力されている。図4(c)に示す例では、位置情報をある領域で区切ったエリアごとに、そのエリア内の位置情報に対する指定された体温別階級、ここでは体温が37度以上あるユーザの人数を、エリア面積で除して得られた単位面積(km2)あたりの体温37度以上の人の人数別階級に分類し、これがエリア別生体情報解析情報としてテーブルの人数別階級フィールドに入力されている。この例では、人数別階級で示されているが、当然にして人数であってもよい。
【0044】
通信部22は、通信ネットワークにより構成され、携帯情報端末10の通信部12と同様、他のデバイスとデータのやりとりを行うためのデータの送受信を行う。管理サーバ20は、この通信部22を介してネットワーク30に接続し、携帯情報端末10の通信部12と通信を行い、双方向の情報提供を実現する。
【0045】
制御部23は、管理サーバ20の各部を制御することにより所望の動作や情報処理を実現する。この制御部23としては、制御プログラムを記憶するROMやRAM等の記憶装置と、その制御プログラムを読み出し実行するプロセッサとにより構成することができる。制御部23は、通信部22が携帯情報端末10から生体情報と位置情報と識別情報とを受信し、記憶部24に同じ識別情報が記憶されているかどうかを判定する。そして、制御部23は、同じ識別情報が記憶されていた場合、その識別情報に対応する生体情報および位置情報を、受信した生体情報および位置情報に置き換え、記憶部24に記憶させる。同じ識別情報が記憶されていない場合には、識別情報と位置情報と生体情報とを対応付けて、新たに記憶部24に記憶させる。
【0046】
次に、制御部23は、生体情報解析部21に対し、記憶部24に記憶された生体情報および位置情報を用いて、生体情報解析情報を生成するように指示する。その後、作成された生体情報解析情報を記憶部24に記憶させる。携帯情報端末10は、ユーザから地理的範囲(例えばエリア)を指定する情報を、入力部17を介して受け付けることができ、制御部15が通信部12を介して生体情報等とともに、この地理的範囲指定情報を送信することができる。このため、管理サーバ20は、この地理的範囲指定情報も受信することができ、携帯情報端末10から受信した情報に地理的範囲指定情報が含まれる場合、制御部23は、地理的範囲指定情報が指定する範囲内にいるユーザの人数が閾値を超えるかどうかを判定する。これは、閾値を超えるほど人数が多い場合、個別生体情報解析情報よりエリア別生体情報解析情報の方が、情報提供を受けたユーザが見やすく、内容を理解しやすいためである。
【0047】
したがって、制御部23は、閾値を超えると判定した場合、エリア別生体情報解析情報を、閾値以下と判定した場合、個別生体情報解析情報を、携帯情報端末10に配信する生体情報解析情報として決定し、通信部22へ送る。携帯情報端末10から受信した情報に地理的範囲指定情報が含まれない場合は、制御部23は、エリア別生体情報解析情報を生体情報解析情報として通信部22へ送る。これは、地理的範囲が指定されていないので、ユーザの人数が多いことが想定され、このように人数が多い場合にはエリア別生体情報解析情報の方が好ましいからである。
【0048】
図2および図3に示す構成を採用することで、このシステムは、携帯情報端末10で生体情報を計測し、位置情報を取得して、それを即座に管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20が即座に生体情報解析情報を生成して携帯情報端末10へ送り返し、携帯情報端末10の表示画面上にその生体情報解析情報を表示してユーザに提示することができるので、高い即時性で、かつ手軽に情報提供を行うことができる。
【0049】
これら携帯情報端末10と管理サーバ20とを含む情報提供システムが行う情報提供処理について、図5に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。ステップ500において、ユーザが携帯情報端末10を使用し、情報提供指示を入力することにより処理を開始し、ステップ505において、入力部17がその指示の入力を受け付ける。入力部17は、制御部15へその指示を送るが、ステップ510で制御部15がその指示の入力を検出すると、生体情報計測部13に指示し、生体情報計測部13が生体情報を計測する。生体情報が体温である場合、生体情報計測部13としての温度センサが接触する皮膚の温度を計測する。
【0050】
ステップ515では、制御部15が、計測された生体情報を記憶部16に記憶すると、位置情報取得部14に指示して、位置情報を取得する。位置情報取得部14としてのGPS受信機は、少なくとも3つのGPS衛星からの電波を受信し、二次元測位により緯度および経度を測定する。なお、GPS受信機は、4つのGPS衛星からの電波を受信することで、三次元測位により緯度および経度のほか、高度も測定することができる。また、位置情報取得部14は、通信部12を使用して最も近くのAP40等からその登録されている位置情報を、それを携帯情報端末10の位置情報として簡易に取得することも可能である。
【0051】
位置情報取得部14による位置情報の取得が完了すると、ステップ520で制御部15が、通信部12に指示し、その指示を受けて通信部12が取得した位置情報と、記憶部16に記憶した生体情報と、携帯情報端末10を識別するための識別情報とを提供すべき情報として管理サーバ20へ送信する。このとき、地理的範囲指定情報が入力された場合、管理サーバ20へ送信する情報に、地理的範囲指定情報も含められる。
【0052】
ステップ525では、管理サーバ20の通信部22が、携帯情報端末10から生体情報と位置情報と識別情報とを含む情報を受信し、地理的範囲指定情報を含む場合にはこの地理的範囲指定情報も受信する。そして、ステップ530で、管理サーバ20の制御部23が、記憶部24に受信した識別情報と同じ識別情報が記憶されているかどうかを判定する。
【0053】
同じ識別情報が記憶されていない場合、ステップ535へ進み、制御部23が、生体情報と位置情報と識別情報とを新たに記憶部24に記憶する。一方、同じ識別情報が記憶されていた場合、ステップ540へ進み、制御部23が、同じ識別情報に対応する生体情報と位置情報とを受信した新たな生体情報と位置情報に置き換えて(上書きして)記憶部24に記憶する。
【0054】
ステップ545では、管理サーバ20の記憶部24に記憶される情報が更新されると、制御部23が生体情報解析部21に指示し、記憶部24に記憶された生体情報および位置情報を用いて、生体情報解析部21が予め設定された条件に従って生体情報解析情報を生成する。生体情報解析部21による生体情報解析情報の作成が完了すると、ステップ550で、制御部23は完了した旨の通知を受け、その生体情報解析情報を記憶部24に記憶させる。
【0055】
管理サーバ20の制御部23は、ステップ555で、地理的範囲指定情報に基づき通信部22に指示し、その指示を受けて通信部22が生体情報解析情報を携帯情報端末10へ配信する。ステップ560では、携帯情報端末10の通信部12が、その生体情報解析情報を受信する。通信部12が生体情報解析情報を受信すると、ステップ565で、制御部15が出力部18に指示し、その指示を受けて出力部18が受信した生体情報解析情報を表示装置の画面に表示してユーザに提示し、ステップ570でこの処理を終了する。
【0056】
管理サーバ20の生体情報解析部21は、個別生体情報解析情報とエリア別生体情報解析情報の2つを生成するが、いずれをユーザに提示する生体情報解析情報として携帯情報端末10へ配信するかを決定する必要がある。そこで、図6を参照して、管理サーバ20の制御部23が配信する生体情報解析情報を決定する処理について詳細に説明する。
【0057】
生体情報解析部21が2つの生体情報解析情報を生成し、記憶部24にそれらを記憶した後、ステップ600からこの処理を開始し、ステップ605で、制御部23は、携帯情報端末10から地理的範囲指定情報を受信したかどうかを判定する。受信したと判定した場合、ステップ610へ進み、制御部23は、記憶部24に記憶された位置情報が指定された地理的範囲内のユーザの人数を計算し、その人数が閾値より多いかどうかを判定する。閾値は、携帯情報端末10の表示画面上に表示される生体情報解析情報の見やすさや、内容の理解しやすさを考慮して、適当な値として設定することができる。
【0058】
閾値以下と判定した場合、制御部23は、ステップ615へ進み、個別生体情報解析情報を配信すべき生体情報解析情報として決定し、ステップ625で、通信部22に指示し、通信部22がその個別生体情報解析情報を携帯情報端末10へ配信する。配信が完了すると、ステップ630でこの処理を終了する。
【0059】
ステップ610で閾値を超えると判定した場合、あるいはステップ605で地理的範囲指定情報を受信していない場合、ステップ620へ進み、制御部23は、エリア別生体情報解析情報を配信すべき生体情報解析情報として決定し、ステップ625で、通信部22に指示し、通信部22がそのエリア別生体情報解析情報を携帯情報端末10へ配信する。配信が完了すると、ステップ630でこの処理を終了する。
【0060】
図7は、携帯情報端末10の表示画面上に表示された生体情報解析情報の例を示した図である。図7(a)は、地図を表示するディスプレイを出力部18とし、生体情報解析情報として図4(c)に示したエリア別生体情報解析情報を出力した場合の図である。図7(b)は、生体情報解析情報として図4(b)に示した個別生体情報解析情報を出力した場合の図である。
【0061】
図7(a)では、エリアごとの人数別階級を斜線の本数の違いにより区分して表示している。これに限られるものではなく、色分けして表示してもよい。また、図7(a)では、携帯情報端末10を所持するユーザの現在地を白抜きの星印として表示している。これにより、ユーザは、37度以上の体温の人が多く存在するエリアに現在いることを知ることができる。よって、風邪等の病気の感染が懸念されるため、マスクの着用や手洗いうがいを念入りに行う等の対策をとることで、ユーザの健康管理につなげることができる。
【0062】
図7(b)では、個別のユーザを体温別階級に分類して表示している。つまり、1つの印が1つの携帯情報端末10の体温別階級を示すものとされている。また、携帯情報端末10を所持するユーザの現在地を白抜きの星印として表示している。これにより、ユーザは、エリア別生体情報解析情報に比較して、自分の周辺の詳細な空間的分布を知ることができる。図7(b)では、ユーザは、自分のすぐ近くに38度以上の体温の人がいることを知ることができる。よって、体温が高い、風邪等の病気の疑いのある人を避けるために場所を移動したり、マスク着用や手洗いうがいを念入りに行う等の対策をとることで、ユーザの健康管理につなげることができる。
【0063】
図7(a)に示すようなエリア別生体情報解析情報を提示することで、指定された階級、ここでは37度以上の体温を有するユーザが、どのエリアにどの程度いるかという詳細な生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を提供することができる。また、図7(b)に示すような個別生体情報解析情報を提示することで、現在自分がいる位置の周辺にどのくらいの人数のユーザがいて、どの体温別階級のユーザが多くいるかという詳細な生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を提供することができる。
【0064】
これまで本発明を、情報提供システムおよびそのシステムが実行する処理について上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、情報提供システムを構成する複数の携帯情報端末の制御部15が行う処理ステップを実行させる第1プログラムと、管理サーバ20の生体情報解析部21および制御部23が行う処理ステップを実行させる第2プログラムとして構成し、これらプログラムを提供したり、これらプログラムが記録された記録媒体として提供することも可能である。また、これらの処理ステップを含む方法を提供することも可能である。
【0065】
上記では生体情報の一例として体温を用いて説明を行ってきたが、これ以外の情報であってもよく、例えば、発汗量を用いて生体情報解析情報を生成し、ユーザはその情報の提供を受けて、どの場所が暑いあるいは寒いので、涼しい場所あるいは暖かい場所へ移動するという対策をとることができ、これにより、ユーザの健康管理につなげることができる。
【符号の説明】
【0066】
10…携帯情報端末、11…充電部、12…通信部、13…生体情報計測部、14…位置情報取得部、15…制御部、16…記憶部、17…入力部、18…出力部、20…管理サーバ、21…生体情報解析部、22…通信部、23…制御部、24…記憶部、30…ネットワーク、40…AP
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特許第4516018号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続される複数のユーザの各々が所持する複数の携帯情報端末と管理サーバとを含み、該複数の携帯情報端末と該管理サーバとの間で健康管理を支援するための双方向の情報提供を行う情報提供システムであって、
各前記携帯情報端末が、
前記携帯情報端末を所持するユーザの生体情報を計測する生体情報計測手段と、
前記携帯情報端末の位置を特定するための位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記ユーザからの情報提供指示を受け付けたことに応答して、前記生体情報計測手段および前記位置情報取得手段に指示して、前記生体情報を計測させ、前記位置情報を取得させ、計測された前記生体情報と取得された前記位置情報とに前記携帯情報端末を識別するための識別情報を付加して前記管理サーバへ送信する端末制御手段とを含み、
前記管理サーバが、
前記複数の携帯情報端末から受信した前記生体情報と前記位置情報と前記識別情報とを用い、設定された条件に従って前記生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を生成する生体情報解析手段と、
前記携帯情報端末から前記生体情報と前記位置情報と前記識別情報とを受信したことに応答して、前記生体情報解析手段に指示して、前記生体情報解析情報を生成させ、生成された前記生体情報解析情報を前記携帯情報端末へ配信して、前記ユーザに該生体情報解析情報を提示させるサーバ制御手段とを含む、情報提供システム。
【請求項2】
前記生体情報解析手段は、各前記携帯情報端末から受信した各前記生体情報を、複数に区分けされた前記生体情報の計測範囲の各々に割り当てられた各階級に分類し、各前記位置情報に対する前記生体情報の階級を示す個別生体情報解析情報を生成する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記生体情報解析手段は、各前記携帯情報端末から受信した各前記生体情報を、複数に区分けされた前記生体情報の計測範囲の各々に割り当てられた各階級に分類し、指定された階級につき、各前記携帯情報端末から各前記生体情報とともに受信した各前記位置情報を用いて、対応する各前記生体情報を各エリアに分類し、前記各エリアに対する前記指定された階級に属する前記ユーザの人数を示すエリア別生体情報解析情報を生成する、請求項1または2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記端末制御手段は、地理的範囲を指定する地理的範囲指定情報の入力を受け付けたことに応答して、前記地理的範囲指定情報を前記管理サーバへ送信し、前記地理的範囲における前記生体情報解析情報を生成させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記生体情報解析手段は、各前記携帯情報端末から受信した各前記生体情報を、複数に区分けされた前記生体情報の計測範囲の各々に割り当てられた各階級に分類し、各前記位置情報に対する前記生体情報の階級を示す個別生体情報解析情報と、指定された階級につき、各前記携帯情報端末から各前記生体情報とともに受信した各前記位置情報を用いて、対応する各前記生体情報を各エリアに分類し、前記各エリアに対する前記指定された階級に属する前記ユーザの人数を示すエリア別生体情報解析情報とを生成し、
前記サーバ制御手段は、地理的範囲を指定する地理的範囲指定情報を前記携帯情報端末から受信したか否かに応じて、前記個別生体情報解析情報および前記エリア別生体情報解析情報のいずれかを選択して携帯情報端末へ配信する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記サーバ制御手段は、前記地理的範囲を指定する前記地理的範囲指定情報を前記携帯情報端末から受信したかどうかを判定し、受信したと判定した場合に、前記地理的範囲内にいる前記ユーザの人数が閾値を超えるか否かを判定し、前記閾値以下と判定した場合に、前記個別生体情報解析情報を選択して前記携帯情報端末へ配信し、前記地理的範囲指定情報を受信していないと判定した場合または前記閾値を超えると判定した場合に、前記エリア別生体情報解析情報を選択して前記携帯情報端末へ配信する、請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
ネットワークを介して接続される複数のユーザの各々が所持する複数の携帯情報端末と管理サーバとを含むシステムに実行させる、該複数の携帯情報端末と該管理サーバとの間で健康管理を支援するための双方向の情報提供を行うためのコンピュータ可読なプログラムであって、各前記携帯情報端末に実行させる第1プログラムと、前記管理サーバに実行させる第2プログラムとから構成され、
前記第1プログラムは、
前記ユーザからの情報提供指示を受け付けたことに応答して、前記携帯情報端末が備えるユーザの生体情報を計測する生体情報計測手段に指示して、前記生体情報を計測させるステップと、
前記携帯情報端末が備える該携帯情報端末の位置を特定するための位置情報を取得する位置情報取得手段に指示して、前記位置情報を取得させるステップと、
計測された前記生体情報と取得された前記位置情報とに前記携帯情報端末を識別するための識別情報を付加して前記管理サーバへ送信するステップとを実行させ、
前記第2プログラムは、
前記複数の携帯情報端末から前記生体情報と前記位置情報と前記識別情報とを受信したことに応答して、前記複数の携帯情報端末から受信した前記生体情報と前記位置情報と前記識別情報とを用い、設定された条件に従って前記生体情報の空間的分布を示す生体情報解析情報を生成するステップと、
生成された前記生体情報解析情報を前記携帯情報端末へ配信して、前記ユーザに該生体情報解析情報を提示させるステップとを実行させる、プログラム。
【請求項8】
前記生体情報解析情報を生成するステップでは、各前記携帯情報端末から受信した各前記生体情報を、複数に区分けされた前記生体情報の計測範囲の各々に割り当てられた各階級に分類し、各前記位置情報に対する前記生体情報の階級を示す個別生体情報解析情報と、指定された階級につき、各前記携帯情報端末から各前記生体情報とともに受信した各前記位置情報を用いて、対応する各前記生体情報を各エリアに分類し、前記各エリアに対する前記指定された階級に属する前記ユーザの人数を示すエリア別生体情報解析情報とを生成し、
前記生体情報解析情報を提示させるステップでは、地理的範囲を指定する地理的範囲指定情報を前記携帯情報端末から受信したか否かに応じて、前記個別生体情報解析情報および前記エリア別生体情報解析情報のいずれかを選択して携帯情報端末へ配信する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記生体情報解析情報を提示させるステップでは、前記地理的範囲を指定する前記地理的範囲指定情報を前記携帯情報端末から受信したかどうかを判定するステップと、受信したと判定した場合に、前記地理的範囲内にいる前記ユーザの人数が閾値を超えるか否かを判定するステップとを含み、前記地理的範囲指定情報を受信し、かつ前記閾値以下と判定した場合に、前記個別生体情報解析情報を選択して前記携帯情報端末へ配信し、前記地理的範囲指定情報を受信していないと判定した場合または前記地理的範囲指定情報を受信し、かつ前記閾値を超えると判定した場合に、前記エリア別生体情報解析情報を選択して前記携帯情報端末へ配信する、請求項8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−16110(P2013−16110A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150038(P2011−150038)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】