説明

情報提供システム及び情報提供方法

【課題】複数のアプリケーションが共通の出力装置等を共用する場合の動作不良を防止する。
【解決手段】情報を提供する出力装置300、入力を受け付ける入力装置400、情報を取得する情報取得装置200と、情報の提供を制御する情報提供制御装置100とを備え、情報制御装置100は、出力装置300等を利用して情報処理を実行させる利用要求情報を種直する利用要求取得手段110と、利用要求情報の取得に呼応して、各利用要求情報のグループ識別子と各情報の優先情報とを含む制御要因情報を取得する制御要因取得手段120と、グループ識別子に基づいて利用要求情報をグループ化するグループ化手段130と、グループ化された情報群の優先順位を算出する優先順位算出手段140と、算出された優先順位に従い情報群の出力の可否を判断し、当該判断結果に基づいて情報群の出力動作を制御する制御手段160とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム及び情報提供方法に関し、特に、複数のテレマティクスアプリケーションが情報を提供する際に共通の出力装置等を共用する場合において、各アプリケーションの出力動作等を制御する情報提供システム及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置等に関し、危険度及び緊急度に基づく重要性の観点から各情報に対してそれぞれ優先順位を付与し、車両において1又は2以上の情報の着信及び/又は生起が発生した場合、対応する情報を優先順位に従って各情報を伝達するものがある(特許文献1参照)。
しかしながら、複数のアプリケーションが各情報の伝達に伴い、共通の通信装置、表示装置、音声出力装置又は入力装置等を起動させる場合、各装置の利用状態によっては動作停止、いわゆるデッドロック(deadlock)が生じて、正常に動作させることができないという問題があった。たとえば、重要性に応じた優先順位で情報を伝達しようとした場合、重要度の高い情報の出力待ち状態になると、後続情報の出力ができずに、動作が停止してしまうという不都合があった。
【特許文献1】特開2001−143191号公報
【発明の開示】
【0003】
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、複数のテレマティクスアプリケーションが共通の通信装置、表示装置、音声出力装置又は入力装置等を共用する場合において、アプリケーションの動作に障害が発生しないように制御することを目的とする。
本発明によれば、複数のアプリケーションにより、外部又は内部から取得した情報を、共通の出力装置を介して提供する際に、出力装置等を利用して情報提供処理を実行させる出力要求情報等取得し、出力要求情報等の取得に呼応して、各出力要求情報等の出力グループ識別子と各出力要求情報等の優先情報とを少なくとも含む制御要因情報を取得し、出力グループ識別子に基づいて出力要求情報をグループ化し、グループ化された出力要求情報群の優先順位を各出力要求情報の優先情報に基づいて算出し、算出された優先順位に従い出力要求情報により情報提供処理がなされる情報の出力の可否を判断し、当該判断結果に基づいて出力要求情報等による出力動作を制御して、情報の提供を制御する情報提供装置又は情報提供制御方法が、提供される。
【0004】
本発明の情報提供システム及び情報提供方法は、複数のアプリケーションが共通の通信装置、表示装置、音声出力装置又は入力装置等を用いて略同時に各情報を提供する際に、デッドロック等の動作障害が発生しないように動作制御をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、図面に基づいて、本発明に係る実施形態の情報提供システム1000を説明する。本実施形態の情報提供システム1000は、車両に搭載され、車両に搭乗するユーザに情報を提供する。情報提供システム1000は、情報提供制御装置100と、情報取得装置200と、出力装置300とを有し、特に、複数のテレマティクスアプリケーションが共通の情報取得装置200(通信装置210)、出力装置(表示装置310および音声出力装置320)、入力装置400を共用する場合において、アプリケーションの動作に障害が発生しないように情報を提供する。
【0006】
図1に第1実施形態に係る情報提供システムのブロック構成図を示した。図1に示すように、情報提供システム1000は、情報提供制御装置100と、情報取得装置200と、出力装置300と、入力装置400とを有し、車載装置500と情報授受が可能なように接続している。 情報提供システム1000は、図示しない、車載ネットワーク上で動作する複数のテレマティクスアプリケーションを動作させる演算装置と情報の授受が可能なように接続している。これら情報提供制御装置100、演算装置、車載装置等を制御する車載コントローラは、マイクロコンピュータとその上で動作するリアルタイムOS、マイクロコンピュータとその上で動作するリアルタイムOSとさらにその上で動作するJava(登録商標) 実行環境(Java(登録商標) Virtual Machine)を備えることが好ましい。
以下、各装置の構成を説明すると、「情報取得装置200」は、通信装置210と、VICS(Vehicle Information and Communication System)装置220とを有し、外部又は内部から情報を取得する。通信装置210は移動体通信機能または無線LAN機能を備え、インターネットを介して駐車場情報及びPOI(Point Of Interest)情報等を取得する。VICS装置220は、FM多重信号とビーコン信号を受信する受信機能を備え、インフラ側のVICS情報発信装置が発信する交通情報などの情報を取得する。ここでは取得する情報を具体的に例示したが、これに限定されるものではない。
【0007】
「出力装置300」は、表示装置310と音声出力装置320とを備え、取得された情報をユーザに提供する。本例の表示装置310は情報を視認可能に表示する液晶ディスプレイである。本例の音声出力装置320はテキスト情報を聴取可能に発話する車載スピーカーである。
【0008】
「入力装置400」は、スイッチ410を備え、出力される情報に関して、ユーザからの入力を受け付ける。本例の入力装置400は、リモートコントローラ、車両のセンタークラスタ、ステアリングハンドルに取り付けられたスイッチ、ディスプレイ310を介して入力を受け付けるタッチパネル、音声認識入力装置その他の入力デバイスを用いる。
【0009】
「車載装置500」は、現在位置検出装置510と走行状況検出装置520とを有し、車両に関する情報を情報提供制御装置100へ向けて送出する。現在位置検出装置510は車載のナビゲーション装置が備えるGPS機能(Global Positioning System)、および自律航法を利用して、自車位置を検出する。走行状況検出装置520は、駐車用ブレーキのON/OFF情報、スピードメーターの車速情報を車載のコントローラを介して取得し、これに基づいて車両の走行状況を検出し、検出結果を情報提供装置100へ送出する。
【0010】
「情報提供制御装置100」は、上述した情報取得装置200の情報取得動作と、出力装置300の情報出力動作と、入力装置400の情報入力動作とを制御する。もちろん、本実施形態の情報処理を実行するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)等と、このROM等に格納されたプログラムを実行することで、グループ化手段130、グループ優先順位算出手段140、情報量算出手段150、制御手段160として機能するCPU(Central Processing Unit)等と、アクセス可能な記憶手段として機能するRAM(Random Access Memory)等(メモリ50)により構成してもよい。
【0011】
「情報提供制御装置100」は、利用要求取得手段110と、制御要因取得手段120と、グループ化手段130と、情報量算出手段150と、制御手段160とを有している。以下、各構成について説明する。
【0012】
「利用要求取得手段110」は、出力装置300を利用して情報提供処理を実行させる出力要求情報、入力装置400を利用して入力受付処理を実行させる入力要求情報、又は情報取得装置200を利用して情報取得処理を実行させる取得要求情報を取得する。出力要求情報、入力要求情報、取得要求情報は、外部又は内部から取得した各情報を取得、出力又は入力させる複数のアプリケーションの一部である。本実施形態の利用要求取得手段110は、取得した各利用要求取得手段110に識別子を付記する識別子付記部1101と、取得した各利用要求情報に優先順位を付記する優先順位付記部1102とを有する。この機能は、利用要求を送出した各アプリケーション側に備えさせてもよい。
【0013】
「制御要因取得手段120」は、グループ識別子取得部121と優先情報取得部122と属性情報取得部123とを有し、利用要求の取得に呼応して、各利用要求情報のグループ識別子と各利用要求情報の優先情報とを少なくとも含む制御要因情報を取得する。
【0014】
グループ識別子取得部121は各利用要求情報に付された「グループ識別子」を取得する。
【0015】
「グループ識別子」は、情報の取得、出力又は入力を指令するアプリケーション側から送出された利用要求情報に付され、情報の取得、出力又は入力が同時に行われるグループを定義するための情報である。つまり、情報の取得、出力又は入力を同時に行いたい場合は同一の識別子が付されることが好ましい。こうすることにより、グループ識別子が共通する利用要求のみについて、取得動作、出力動作、入力動作をひとかたまりとして制御することができる。本実施形態のグループ識別子は、グループ識別子が付された利用要求情報が求める出力、取得、又はその情報に関する入力を実行させるアプリケーションを特定する情報を含む。また、本実施形態のグループ識別子は、出力、取得、又はその情報に関する入力が要求されるデバイス(手段)を特定する情報を含む。本実施形態のグループ識別子は、情報について制御の対象が出力装置300である出力グループ識別子と、情報について制御の対象が入力装置400である入力グループ識別子と、情報について制御の対象が情報取得装置200である取得グループ識別子を含み、これらは識別可能である。なお、グループ識別子は、各情報を提供するプログラムの格納アドレスを用いて定義してもよい。
【0016】
優先情報取得部122は各利用要求情報の優先情報を取得する。「優先情報」は利用要求情報の処理対象となる情報の内容の重要度または緊急性を相対的に示す値である。この重要度の高低により、事故情報等のドライバ(ユーザ)にとって相対的に重要度が高い情報と、施設ごとのイベント等を知らせるPOI情報等の相対的に重要度が低い情報とを判断することができる。さらに、数値化された優先情報によって優先的に取得、出力又は入力するべき情報であるか否かを定量的に判断することができる。「優先情報」は処理される情報の内容に対応づけて予め定義することができる。
【0017】
属性情報取得部123は、各利用要求情報により処理される情報の情報量を含む属性情報を取得する。「属性情報」は各情報の情報量などの情報に関する情報である。また、「属性情報」は、情報量の算出処理、優先順位の算出処理において用いられる情報の量を示す情報量、情報の内容、情報の提供態様、ユーザの有力の要否、さらに、情報の対象位置、情報の対象範囲、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数、情報の内容、情報の提供態様を含む。
【0018】
「グループ化手段130」は、グループ識別子に基づいて利用要求情報をグループ化する。本実施形態のグループ化手段130は、グループ識別子が共通する利用要求情報をグループ化し、一かたまりのグループ情報を定義する。これにより、同時に利用したいという複数のデバイスに対する利用要求に係る取得動作、出力動作、入力動作をまとめて制御することができる。例えば、1のアプリケーションにより提供される「交通情報」をディスプレイと音声で出力し、スイッチ(入力装置)により確認入力を要求し、確認入力がされた場合にその出力情報を消去するというような場合、ディスプレイへの表示、音声による出力、スイッチによる入力要求に係る利用要求情報を1グループとして扱うことができる。
【0019】
「グループ優先順位算出手段140」は、グループ化された利用要求情報群の優先順位を算出する。算出されたグループ優先順位は、情報量算出手段150又は制御手段160に送出される。本例のグループ優先順位算出手段140は、各情報の優先情報に基づいて算出する。グループ化された利用要求情報群の優先順位の算出手法は特に限定されず、グループ化された利用要求情報群を構成する情報の中で最も低い優先順位をそのグループの優先順位としても良いし、利用要求情報群を構成する情報の中で最も高い優先順位をそのグループの優先順位としても良い。また、優先順位算出手段140は、各情報の内容に応じて予め定義された各情報の優先値(優先情報)に、現在位置における情報の有効指数を乗じた有効優先値を求め、その有効優先値に基づいて、グループ化手段130によりグループ化された情報群の優先順位を算出してもよい。なお、ここで算出される優先順位は、後述する情報量算出手段150における情報量の算出又は制御手段160における情報群の出力の可否を判断する順序であって、必ずしも動作順序と一致するものではない。
【0020】
グループ優先順位算出手段140は、属性情報に基づいて優先順位を算出してもよい。具体的には、情報の内容に応じて優先情報に重み付けをし、重み付け係数を優先情報に乗じた値に基づいて優先順位を算出してもよい。例えば、緊急性の高い事故情報には1以上の係数を設定し、やや緊急性の高い渋滞情報には1.0の重み付け係数を設定し、工事情報当には1未満の重み付け係数を設定してもよい。同様に、情報の対象位置の広狭、情報の対象範囲の広狭に応じて重み付け係数を設定してもよい。
【0021】
「情報量算出手段150」は、グループ化手段130によりグループ化された利用要求情報群の出力、取得又は入力に係る情報の情報量を算出し、算出結果を制御手段160へ送出する。情報量の算出手法は特に限定されないが、属性情報取得手段123の情報量取得部1231により取得された「各情報の情報量」を合計して算出することが好ましい。情報量算出手段150は、属性情報に基づいて情報量を算出してもよい。本実施形態の情報量算出手段150は、利用要求情報の処理対象となる情報の内容、情報の提供態様、ユーザ入力の要否(入力要求をするか否か)に基づいて情報量を算出する。具体的には、情報の内容に応じて情報量を予め対応づけた対応情報を予め準備し、情報の内容(属性情報)に基づいて対応情報を参照して情報量を算出する。同様に、情報の提供態様が、テキスト情報であるか、画像情報を含むか、アイコンであるか、音声情報であるかという事項と情報量を対応づけ、この対応情報を参照して、属性情報からその情報の情報量を算出することができる。
【0022】
「制御手段160」は、優先順位算出手段122により算出された優先順位に従い情報群の出力の可否を判断し、判断結果に基づいて情報群(グループ化された情報)の出力、取得又は入力の動作を制御する。本実施形態の制御手段160は、利用要求に係る情報量の観点から出力の可否を判断する。この場合、制御手段160は情報量比較部161を起動させる。情報量比較部161は、情報量算出手段150により算出された情報量と情報群の出力時、取得時又は入力時の基準情報量を比較する。特に限定されないが、比較される基準情報量は、走行状況(走行中である、停車中である、高速道路上にある、渋滞中であるなどの状況)と予め対応づけて設定されることが好ましい。この場合、走行状況が停車中であれば基準情報量は高く設定され、走行状況が渋滞中であれば基準情報量は低く設定されることが好ましい。
【0023】
具体的に、本実施形態の情報量比較部161は、走行状況取得機能と基準情報量取得機能とを有する。走行状況取得機能は、車載装置500の走行状況検出装置520から車両の走行状況を取得する。走行状況検出手段520は現在位置、走行速度等に基づいて走行状況を検出する。基準情報量取得機能は、予め記憶された情報群の出力装置300、情報取得装置200又は入力装置400ごとに、走行状況(走行中である、停車中である、高速道路上にある、渋滞中であるなどの状況)と予め対応づけられた基準情報量を読み出す。
【0024】
その比較結果に基づいて、制御手段160は情報群の出力の可否を判断し、この判断結果に基づいて情報群(グループ化された情報)の出力、取得又は入力の動作を制御する。上述した情報取得装置200、出力装置300、入力装置400は、情報提要制御装置100から送出された制御命令に基づいて、情報の出力、情報の取得、情報の入力受付を実行する。
【0025】
次に、本実施形態の情報提供制御装置100の制御手順を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
ここでは具体的な説明を行うため、FM多重放送により配信される交通情報、携帯電話網に接続されたインターネット上のサーバーから配信される駐車場情報及び自車両の走行経路付近の店舗情報を取得した場合を例にして、制御手順を説明する。特に図示しないが、本実施形態の情報提供システムは、交通情報、駐車場情報及びPOI情報を提供する複数のアプリケーションが、機能を実現するための動作環境を備えている。交通情報を提供するアプリケーションはVICS装置220に外部から交通情報を取得させ、所定の処理を行い、取得した交通情報を表示装置310又は音声出力装置320に出力させる。駐車場情報又はPOI情報を提供するアプリケーションは、通信装置210にインターネットを介して駐車情報又はPOI情報を取得させ、所定の処理を行い、取得した駐車情報又はPOI情報についての入力情報を入力装置400に受け付けさせ、又は駐車情報若しくはPOI情報を表示装置310又は音声出力装置320に出力させる。
【0027】
図2に示すように、まず、情報提供制御装置100は利用要求情報を取得する(S1001)。利用要求取得手段110は、表示装置310または音声出力装置320を用いた出力要求情報、スイッチ410を用いた入力要求情報、通信装置210又はVICS装置220を用いた取得要求情報を取得する。利用要求取得手段110の識別子付記部1101は利用要求情報にグループ識別子し、優先情報付記部1102は利用要求情報に優先情報を付する。グループ識別子、優先情報等の制御因子情報が付記された利用要求情報は、各情報取得装置200、出力装置300、入力装置400に登録される。利用要求情報とこれに付されたグループ識別子、優先情報等の制御要因情報は、制御要因取得手段120により取得される。
【0028】
本実施形態における利用要求情報と制御因子情報の内容を図3に示した。本実施形態の制御要因情報は、情報の量を示す情報量、情報の内容、情報の提供態様、ユーザの有力の要否を含む属性情報、情報の対象位置、情報の対象範囲、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数、情報の内容、情報の提供態様、ユーザ入力の要否を含む。
【0029】
情報提供制御装置100は取得した利用要求情報に基づいて、動作制御が必要であるか否かを判断する(S1002)。この判断基準は特に限定されず、複数のアプリケーションから利用要求情報を取得した場合としてもよいし、情報取得装置200、出力装置300、入力装置400について動作開始を指示する複数のイベント情報が取得された場合としてもよい。動作制御が必要であると判断した場合はS1003へ進み、動作制御が必要でないと判断した場合は、S1001へ戻って利用要求情報の取得を待機する。
【0030】
グループ化手段130は、グループ識別子取得部120により取得されたグループ識別子に基づいて情報をグループ化する(S1003)。本例ではグループ識別子が共通する情報をグループ化する。
【0031】
優先順位算出手段140は、グループ化手段130によりグループ化された情報群の優先順位を、優先情報取得部122により取得された各利用要求情報の優先情報に基づいて算出する(S1004)。本実施形態では、グループ化された情報群を構成する情報の中で最も低い優先順位をそのグループ(情報群)の優先順位とする。優先順位算出手段140は算出した順位に従い、利用要求情報を並び替える(S1005)。
【0032】
情報量算出手段150は、利用要求に付加された属性情報中の情報量に基づいて、グループ化された利用要求の処理対象となる情報の情報量を算出する(S1006)。
【0033】
制御手段160の情報量比較部161は、現在位置検出装置510、走行状況検出装置520を介して、自車両の位置及び/又は走行状況を取得する(S1007)。
【0034】
制御手段160の情報量比較部161は、取得した自車両位置及び/又は走行状況に応じた基準情報量を決定し、その基準情報量と、S1006にて算出された情報量とを比較する。比較の結果、算出した情報量が基準情報量以上の場合(S1008でY)、制御手段160は、その利用要求に基づく取得、出力又は入力に係る動作は停止させるべきと判断し、その利用要求についての動作停止命令を生成する(S1009)。他方、算出した情報量が基準情報量未満の場合(S1008でN)、制御手段160は、その利用要求に基づく取得、出力又は入力に係る動作は実行可能と判断し、その利用要求についての動作指令命令を生成する(S1010)。算出された情報量と基準情報量との比較において、優先順位に従い算出された情報量は、利用が要求されるデバイス(出力装置、情報取得装置、入力装置)毎に積算されることが好ましい。
【0035】
情報量の比較がされていない利用要求があるか否かを判断し(S1011)、未判断の利用要求がある場合はS1006へ戻る。すべての利用要求について情報量の比較が終了したら(S1011でY)、動作指令が生成されたすべての利用要求について、取得、出力、入力の動作を実行させる(S1012)。
【0036】
<動作例1>
以下に、具体的な動作例1を図2のフローに沿って、図2乃至図5に基づいて説明する。
【0037】
動作例1は、複数のアプリケーションにより、FM多重通信により受信した交通情報サービスと、携帯電話を利用して接続可能なインターネット上のサーバーから情報を受ける駐車場情報サービスと、同じく携帯電話を利用したインターネット上のサーバーから提供される走行経路付近の店舗情報を表示するサービスの、3つのサービスが動作する場合の動作例である。
【0038】
S1001において、利用要求取得手段110が利用要求情報を取得し、必要に応じてグループ識別子及び優先情報を利用要求情報に付記する。動作制御を行う必要があると判断された場合(S1002でY)、制御要因取得手段120は、各利用要求情報について図3に示す制御要因情報を取得する(S1003)。図4に、交通情報提示、駐車場情報提示、店舗情報提示の3つのサービスから情報取得要求(通信要求)を取得した場合の、利用要求の伝達経路を示す。
【0039】
FM多重放送により配信される交通情報の情報提供処理を実行させる取得要求情報について、グループ識別子「1a」及び優先情報「2」を含む制御要因情報を取得し、インターネットを介して配信される駐車場情報の情報提供処理を実行させる取得要求情報について、グループ識別子「1b」優先情報「4」を取得し、同じくインターネットを介して配信されるPOI情報の情報提供処理を実行させる取得要求情報について、グループ識別子「1c」及び優先情報「4」を取得する。グループ識別子に含まれる英文字に相当する情報は各情報提供処理を実行するアプリケーションを特定する情報である。
【0040】
グループ化手段130は、取得した3つの取得要求情報のグループ識別子を比較し、これらがそれぞれ違うので3つの利用要求グループとする(S1003)。
【0041】
優先順位算出手段140は、3つのグループの取得要求情報群の優先順位を算出する(S1004)。3つのアプリケーションからの取得利用要求は情報取得装置200の利用のみを要求する。優先順位の算出にあたり、優先情報以外の属性情報が共通するため、ここでは優先情報に基づいて優先順位を算出する。利用要求毎の検索用の優先順位を求めると、FM多重放送を利用した交通情報の取得要求の優先情報は「2」であり、他の取得要求の優先情報より値が高いため優先順位を1位とする。通信装置210を利用する駐車場情報サービスと店舗情報サービスは、優先情報が「4」と共通し、他の条件も等しいため、受付順に従い、駐車場情報サービスを優先順位2位、店舗情報サービスを優先順位3位とし、この順番に並び替える(S1005)。
【0042】
情報量算出手段160は各グループの情報量を求める。本実施形態では、ユーザの負荷量の観点から情報量を算出するため、各取得要求に係る情報量は0と算出される(S1006)。ここでは走行状況を取得する必要はないため、S1008へ進む。情報量(ゼロ)は基準情報量以下であるため、3つの利用要求とも利用可能となり(S1010)、FM多重利用の交通情報の取得処理(VICS装置220の利用)を開始し、インターネット利用の駐車場情報の取得処理と走行経路付近の店舗情報の取得処理(通信装置210の利用)を開始する。
【0043】
次に、交通情報提示、駐車場情報提示、店舗情報提示の以下の3つのサービスから出力要求(表示出力要求、音声出力要求)、入力要求を取得した場合を例にして説明する。
【0044】
(1)交通情報を提供するアプリケーションは、表示装置310を介して事故の場所を地図上に提示させるとともに、音声出力装置320を介して事故の位置、事故の処理経過、事故に伴う交通規制等の事故情報を音声で読み上げさせる。表示出力及び音声出力を同時に実行させることとし、表示装置310及び音声出力装置320の両方を同時に動作させることができない場合は、それが可能となるまで出力を待機させる。
【0045】
(2)駐車場情報を提供させるアプリケーションは、表示装置310を介して駐車場の位置を地図上にアイコンで提示させるとともに、入力装置400を介して提示した駐車場を目的地として設定するか否かの確認(入力)を要求させる。表示出力要求及び入力要求は必ずしも同時に動作させる必要はないものとして、表示出力のみを実行させてもよい。
【0046】
(3)店舗情報(POI情報)を提供するアプリケーションは、表示装置310を介して店舗の位置を地図上にアイコンで提示するとともに、店舗の位置、サービス内容等のPOI情報を音声で読み上げさせ、さらに、入力装置400を介して提示した店舗を目的地として設定するか否かの確認(入力)を要求させる。表示出力、音声出力及び入力要求は必ずしも同時に動作させる必要はないものとして、同時に表示出力と音声出力とユーザ入力が利用できなくとも、利用できるデバイス(出力装置300または入力装置400)を用いて情報提示を行う。
【0047】
まず、利用要求取得手段110は利用要求情報を取得する(S1001)。取得した利用要求情報について、必要に応じてグループ識別子及び優先情報を利用要求情報に付記する。動作制御を行う必要があると判断された場合(S1002でY)、制御要因取得手段120は、各利用要求情報について図3に示す制御要因情報を取得する(S1003)。
【0048】
本例では、以下の7つの利用要求情報とこれに付記された制御要因情報を取得した。
【0049】
(1)制御要因取得手段120は、FM多重放送により配信される事故情報1を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(a)」、優先情報「2」、情報の対象位置「現在位置の前方2Km」、情報の対象範囲「2Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「2Kmから地点まで一定」、情報の内容「事故情報」、情報の提供態様「地図上アイコン」、ユーザ入力の要否「なし」、提供情報「事故、車線規制」を取得する。
【0050】
(2)制御要因取得手段120は、FM多重放送により配信される事故情報2を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(a)」、優先情報「2」、情報の対象位置「現在位置の前方2Km」、情報の対象範囲「2Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「2Kmから地点まで一定」、情報の内容「事故情報」、情報の提供態様「テキスト読み上げ(音声出力」、ユーザ入力の要否「なし」、提供情報「この先2Kmの地点で事故発生。車線規制あり。」を取得する。
【0051】
(3)制御要因取得手段120は、インターネットを介して配信される駐車場情報1を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(b)」、優先情報「4」、情報の対象位置「現在位置の前方3Km」、情報の対象範囲「3Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「3Kmから地点まで経路上であれば一定、経路外では半分」、情報の内容「POI情報」、情報の提供態様「地図上アイコン」、ユーザ入力の要否「なし」、提供情報「駐車場」を取得する。
【0052】
(4)制御要因取得手段120は、インターネットを介して配信される駐車場情報2を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「3(b)」、優先情報「4」、情報の対象位置「現在位置の前方3Km」、情報の対象範囲「3Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「3Kmから地点まで経路上であれば一定、経路外では半分」、情報の内容「POI情報」、情報の提供態様「確認付きダイアログ」、ユーザ入力の要否「あり」、提供情報「目的地に設定しますか?」を取得する。
【0053】
(5)制御要因取得手段120は、インターネットを介して配信される店舗情報1を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(c)」、優先情報「3」、情報の対象位置「現在位置の前方3Km」、情報の対象範囲「3Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「3Kmから地点まで一定」、情報の内容「POI情報」、情報の提供態様「地図上アイコン」、ユーザ入力の要否「なし」、提供情報「レストラン」を取得する。
【0054】
(6)制御要因取得手段120は、インターネットを介して配信される店舗情報2を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「3(c)」、優先情報「4」、情報の対象位置「現在位置の前方3Km」、情報の対象範囲「3Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「3Kmから地点まで一定」、情報の内容「POI情報」、情報の提供態様「地図上アイコン」、ユーザ入力の要否「なし」、提供情報「地域特産の海産物を使ったイタリアンのレストランがあります」を取得する。
【0055】
(7)制御要因取得手段120は、インターネットを介して配信される店舗情報3を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「4(c)」、優先情報「4」、情報の対象位置「現在位置の前方1Km」、情報の対象範囲「3Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「3Kmから地点まで一定」、情報の内容「POI情報」、情報の提供態様「地図上アイコン+確認付きダイアログ」、ユーザ入力の要否「あり」、提供情報「目的地に設定しますか?」を取得する。
【0056】
これら、交通情報提示、駐車場情報提示、店舗情報提示を行う3つのアプリケーションから取得した利用要求の伝達経路を図5に示した。
【0057】
グループ化手段130は、利用要求取得手段110が取得した7つの利用要求をグループ化する(S1004)。グループ識別子が2aである事故情報1の表示出力要求及び事項情報2(交通情報)の音声出力要求が1のグループとなり、グループ識別子が2bである駐車場情報1の表示出力要求が1のグループとなり、駐車場情報2の入力要求が1のグループとなり、店舗情報1の表示出力要求が1のグループとなり、店舗情報2の音声出力要求が1のグループとなり、店舗情報3の入力要求が1のグループとなり、図5に示すように6つの利用要求グループが得られる。
【0058】
本例のグループ識別子はアプリケーションごとに固有のものであり、アプリケーションが異なる利用要求は同一のグループに属さない。これは、本発明が、複数のアプリケーション間において、1のアプリケーションが動作する環境の上で、他のアプリケーションがどのデバイス(出力装置など)を利用しようとしているかを認識できない場合に生じるデッドロックを防止する観点に基づいて、異なるアプリケーションの利用要求の制御を行うためである。
【0059】
優先順位算出手段140は、グループ化された6つの利用要求の組合せについて検索用の優先情報を求め、求めた優先情報に基づいて優先順位を算出する(S1006)。FM多重利用の交通情報1及び2を提供する利用要求の優先情報はいずれも「2」であるため、このグループの優先情報を「2」とする。
【0060】
他の利用要求はそれぞれ独立のグループを構成するので、ここでは各利用要求の優先情報を算出する。インターネット利用の駐車場情報1を表示する出力要求の優先情報は「4」であり、駐車場情報2に関する入力要求の優先情報は「4」である。また、インターネット利用の走行経路付近の店舗情報1を表示する出力要求の優先情報も「4」であり、店舗情報2を音声出力する出力利用要求の優先情報も「4」であり、店舗情報3に関する入力要求の優先情報も「4」である。
【0061】
これら6グループの優先順位を並びかえる(S1005)。優先順位1位は、優先情報が「2」と最も高いFM多重利用の事故情報1の表示出力要求と事故情報2の音声出力要求のグループである。次に高い値の優先情報は「4」であり、5つの利用要求が同じ優先情報である。このような場合、優先順位算出手段140は属性情報の内容に基づいて優先順位を算出する。駐車情報1及び2を提供する利用要求の有効指数は、現在位置と誘導経路との位置関係に基づいて制限が定義されているが、店舗情報1〜3を提供する利用要求の有効指数にはそのような制限が定義されていない。このため、優先順位算出手段140は、同じ優先情報を有する場合、制限が加重された駐車場情報の提供に係る利用要求の優先順位を、店舗情報の提供に係る利用要求の優先順位よりも高い優先順位として算出する。
【0062】
次いで、優先順位算出手段140は、駐車場情報1及び2の2つの利用要求と、店舗情報1〜3の3つの利用要求の優先順位をそれぞれ算出する。本例では、利用を要求するデバイスにより、例えば表示装置310、音声出力装置320、入力装置400、情報取得装置200の順番で優先順位を決定する。
【0063】
その結果、優先順位算出手段140は、駐車場情報1の表示出力要求、駐車場情報2の入力利用要求、店舗情報1の表示出力要求、店舗情報2の音声出力要求、店舗情報3の入力利用要求の順で検索用の優先順位をつける。
【0064】
算出された優先順位に従い、情報量算出手段150は、各グループの利用要求に係る情報量を算出する(S1006)。 制御手段160の情報量比較部161は現在位置及び走行状況を取得する(S1007)。また情報量比較部161は取得した走行状況に対応する基準情報量を読み出す。制御手段160は、優先順位算出手段140により算出された優先順位に従い、利用要求により情報提供処理がされる情報が出力可能であるか否かを判断する。制御手段160は、情報量算出手段150により算出された情報量が先に読み出した基準情報量以上であるか否かを判断する(S1008)。算出された情報量は利用が要求されるデバイス(出力装置300、情報取得装置200、入力装置400)毎に積算することが好ましい。
【0065】
情報量比較部161は、優先順位1位のFM多重利用の事故情報1及び2を提供する表示出力要求及び音声出力要求に関する情報量は、基準情報量未満であるとして、動作可能と判断し、S1010において表示出力要求及び音声出力要求による出力動作を指令する動作指令を生成する。
【0066】
S1011において他の利用要求があると判断されたため、S1006に戻り、情報量算出手段150は優先順位第2位の駐車場情報1の表示出力要求に関する情報量を求める。駐車場情報1は地図上へのアイコン表示であって情報量は小さく、情報量比較部161は算出された情報量は基準情報量未満であるとして、動作可能と判断し、S1010において表示出力要求による出力動作を指令する動作指令を生成する。
【0067】
同じくS1011からS1006へ戻り、情報量算出手段150は優先順位第3位の駐車場情報2の入力利用要求に関する情報量を求める。入力装置400は利用されておらず(積算される情報量がゼロ)基準情報量が大きいため、情報量比較部161は算出された情報量は基準情報量未満であるとして、動作可能と判断し、S1010において入力要求による出力動作を指令する動作指令を生成する。
【0068】
同じくS1011からS1006へ戻り、情報量算出手段150は優先順位第4位の店舗情報1の表示出力要求に関する情報量を求める。店舗情報1は地図上へのアイコン表示であるため、情報量は小さく、情報量比較部161は算出された情報量は基準情報量未満であるとして、動作可能と判断し、S1010において表示出力要求による出力動作を指令する動作指令を生成する。
【0069】
同じくS1011からS1006へ戻り、情報量算出手段150は優先順位第5位の店舗情報2の音声出力要求に関する情報量を求める。音声出力装置は事故情報2の出力に利用されており、情報量が積算される。情報量比較部161は積算算出された情報量は基準情報量以上であるとして、動作不可能と判断し、S1009において音声出力要求による出力動作を停止させる動作停止指令を生成する。
【0070】
同じくS1011からS1006へ戻り、情報量算出手段150は優先順位第6位の店舗情報3の入力要求に関する情報量を求める。入力装置は駐車場情報2の出力に利用されており、情報量が積算される。情報量比較部161は積算算出された情報量は基準情報量以上であるとして、動作不可能と判断し、S1009において入力要求による出力動作を停止させる動作停止指令を生成する。
【0071】
以上で、グループ化されたすべての利用要求の処理が完了したため、動作指令又は動作停止指令に基づいて動作制御を行う。つまり、FM多重利用の交通情報サービスから提供された事故情報1を地図上にアイコンで提示し、事故情報2をテキスト読み上げにより音声出力し、インターネット利用の駐車場情報サービスにより提供された駐車場情報1(駐車場の位置)を地図上にアイコンで提示し、駐車場情報2の目的地変更を行うかどうかの確認付きダイアログを提示して、スイッチ入力を待機し、インターネット利用の店舗情報サービスにより提供された店舗情報1を地図上にアイコンで表示する。動作停止命令が生成された店舗情報2の音声出力と、店舗情報3の入力待機は実行されない。
【0072】
<動作例2>
次に、属性情報に基づいて、優先順位を算出する場合の例を説明する。本例では、ユーザが事故情報等に基づいて異なる経路を走行し、誘導経路が変更された場合を想定する。
【0073】
図2のS1000からS1003までは動作例1と共通し、動作例1に示した6つの利用要求の組合せについて検索用の優先順位を算出する(S1004)。
【0074】
FM多重利用の交通情報を提供するアプリケーションによる事故情報1の表示出力要求及び事故情報2の音声出力要求の優先情報は(動作例1と同様に)「2」である。
【0075】
インターネット利用の駐車場情報1を提供するアプリケーションによる表示出力要求と同じく駐車場情報2に関するユーザ入力要求の優先順位は「4」であるが(図3参照)、本例では自車両が経路を変更し、誘導経路上から外れている(経路上3km以内に位置しない)ため、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「経路外半分」という条件に従い、各優先情報「4」を「8」に換算する。また、インターネット利用の走行経路付近の店舗情報1を提供するための表示出力要求と店舗情報2を提供するための音声出力要求と、店舗情報3に関するユーザ入力要求の優先順位は「4」である。
【0076】
優先順位算出手段140は、これらの検索用の優先順位を決定する。まず優先順位が「2」と最も高いFM多重利用の事故情報1の表示出力要求と事故情報2の音声出力要求のグループを優先順位第1位とする。優先情報の値が共通する3つの利用要求(店舗情報1を提供するための表示出力要求と、店舗情報2を提供するための音声出力要求と、店舗情報3に関するユーザ入力要求)については、利用が要求されるデバイスに応じて予め決定されている順番(本例では表示装置、音声出力装置、入力装置、情報取得装置の順番)に従い、
店舗情報1を提供するための表示出力要求を優先順位第2位、店舗情報2を提供するための音声出力要求を優先順位第3位、店舗情報3に関するユーザ入力要求を優先順位第4位とする。次に優先情報が半分に換算されて優先情報が「8」で共通する、駐車場情報1の表示出力要求と駐車場情報2のユーザ入力要求についても、同様に利用が要求されるデバイスに応じて予め決定されている順番に従い並び替える。駐車場情報1の表示出力要求は優先順位第4位、駐車場情報2のユーザ入力要求は優先順位第5位となる。
【0077】
この順番で情報量算出(S1006)、情報量比較(S1007,S1008)、動作制御の処理(S1009〜S1012)が実行される。この処理については動作例1と共通するため説明を省略する。
【0078】
<動作例3>
次に、交通情報提示、駐車場情報提示、店舗情報提示の以下の3つのサービスから出力要求(表示出力要求、音声出力要求)、入力要求を取得した場合を例にして説明する。本例では、以下の2つのアプリケーションが動作する。
【0079】
(1)交通情報を提供するアプリケーションは、表示装置310を介して画面中央にダイアログを表示して事故情報を提示させ、音声出力装置320を介して事故の位置、事故の処理経過、事故に伴う交通規制等の事故情報を音声で読み上げさせ、入力装置400を介して事故情報を画面から消すことについてユーザに確認入力を求めさせる。表示出力、音声出力及び入力待機の3つを同時に実行させることとし、表示装置310、入力装置400及び音声出力装置320の両方を同時に動作させることができない場合は、全ての機能の利用ができるようになるまで待機させる。
【0080】
(2)店舗情報(POI情報)を提供するアプリケーションは、表示装置310を介して店舗の位置を地図上にアイコンで提示するとともに、店舗の位置、サービス内容等のPOI情報を音声で読み上げさせる。表示出力及び音声出力は必ずしも同時に動作させる必要はないものとして、同時に表示出力と音声出力が利用できなくとも、利用できるデバイス(表示装置310または音声出力装置320)を用いて情報提示を行う。
【0081】
まず、利用要求取得手段110は利用要求情報を取得する(S1001)。取得した利用要求情報について、必要に応じてグループ識別子及び優先情報を利用要求情報に付記する。動作制御を行う必要があると判断された場合(S1002でY)、制御要因取得手段120は、各利用要求情報について制御要因情報を取得する(S1003)。
【0082】
本例では、以下の8つの利用要求情報とこれに付記された制御要因情報を取得した。
【0083】
(11)制御要因取得手段120は、FM多重放送により配信される事故情報1を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(a)」、情報の対象位置「現在位置の前方2Km」、情報の対象範囲「2Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「2Kmから地点まで一定」、情報の内容「事故情報」、情報の提供態様「地図上アイコン」、ユーザ入力の要否「なし」、提供情報「事故、車線規制」を取得する。
【0084】
(12)制御要因取得手段120は、FM多重放送により配信される事故情報2を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(a)」、情報の対象位置「現在位置の前方2Km」、情報の対象範囲「2Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「2Kmから地点まで一定」、情報の内容「事故情報」、情報の提供態様「テキスト読み上げ(音声出力」、ユーザ入力の要否「あり」、提供情報「この先2Kmの地点で事故発生。車線規制あり。」を取得する。
【0085】
(13)制御要因取得手段120は、FM多重放送により配信される事故情報3を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(a)」、情報の対象位置「現在位置の前方2Km」、情報の対象範囲「2Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「2Kmから地点まで一定」、情報の内容「事故情報」、情報の提供態様「確認」、ユーザ入力の要否「あり」、提供情報「この先2Kmの地点で事故発生。車線規制あり。」を取得する。
【0086】
(14)制御要因取得手段120は、インターネットを介して取得される事故情報4を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(b)」、情報の対象位置「現在位置の前方2Km」、情報の対象範囲「2Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「2Kmから地点まで一定」、情報の内容「事故情報」、情報の提供態様「ダイアログ」、ユーザ入力の要否「あり」、提供情報「この先2Kmの地点で事故発生。車線規制あり。」を取得する。
【0087】
(15)制御要因取得手段120は、インターネットを介して取得される事故情報5を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(b)」、情報の対象位置「現在位置の前方2Km」、情報の対象範囲「2Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「2Kmから地点まで一定」、情報の内容「事故情報」、情報の提供態様「テキスト読み上げ」、ユーザ入力の要否「あり」、提供情報「この先2Kmの地点で事故発生。車線規制あり。」を取得する。
【0088】
(16)制御要因取得手段120は、インターネットを介して取得される事故情報6を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(b)」、情報の対象位置「現在位置の前方2Km」、情報の対象範囲「2Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「2Kmから地点まで一定」、情報の内容「事故情報」、情報の提供態様「確認」、ユーザ入力の要否「あり」、提供情報「この先2Kmの地点で事故発生。車線規制あり。」を取得する。
【0089】
(17)制御要因取得手段120は、インターネットを介して配信される店舗情報1を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「2(c)」、情報の対象位置「現在位置の前方1Km」、情報の対象範囲「1Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「1Kmから地点まで一定」、情報の内容「POI情報」、情報の提供態様「地図上アイコン」、ユーザ入力の要否「なし」、提供情報「レストラン」を取得する。
【0090】
(18)制御要因取得手段120は、インターネットを介して配信される店舗情報2を提供する処理を実行させる利用要求について、制御要因情報として、グループ識別子「3(c)」、情報の対象位置「現在位置の前方1Km」、情報の対象範囲「1Km」、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数「1Kmから地点まで一定」、情報の内容「POI情報」、情報の提供態様「テキスト読み上げ」、ユーザ入力の要否「なし」、提供情報「地域特産の海産物を使ったイタリアンのレストランがあります」を取得する。
【0091】
以上のように、利用要求取得手段110は、(11)〜(18)の利用要求情報を取得する(S1001)。利用要求動作が必要と判断され(S1002)、グループ化手段130はグループ化を行う(S1003)。
【0092】
識別子が「2a」である利用要求(11)〜(13)は1のグループ1、識別子が「2b」である利用要求(14)〜(16)は1のグループ2、識別子が「2c」である利用要求(17)は1のグループ3、識別子が「3c」である利用要求(18)は1のグループ4となる。
【0093】
優先順位算出手段140は、グループの優先順位を算出する(S1004)。本例では、利用要求に係る情報の内容が事故情報である利用要求の優先順位を第1位とする。グループ1とグループ2は、事故情報の提供に係る利用要求であるため、これらを高い優先順位とし、利用要求に係る情報の内容が店舗情報であるグループ3及びグループ4は、低い優先順位とする。同じ優先順位のグループ1及び2、優先順位のグループ3及び4の優先順位は、利用要求の受付順に従う。本例ではFM多重利用の事故情報の利用要求、インターネット利用の事故情報の利用要求の順に受け付けたため、グループ1が優先順位1位、グループ2が優先順位2位となる。走行経路付近の店舗情報の表示出力要求、店舗情報の音声出力要求の順に受け付けたためグループ3が優先順位3位、グループ4が優先順位4となる。
【0094】
算出された優先順位に従い、情報量算出手段150は、各グループの利用要求に係る情報量を算出する(S1006)。 制御手段160の情報量比較部161は現在位置及び走行状況を取得する(S1007)。また情報量比較部161は取得した走行状況に対応する基準情報量を読み出す。制御手段160は、優先順位算出手段140により算出された優先順位に従い、利用要求により情報提供処理がされる情報が出力可能であるか否かを判断する。制御手段160は、情報量算出手段150により算出された情報量が先に読み出した基準情報量以上であるか否かを判断する(S1008)。算出された情報量は利用が要求されるデバイス(出力装置300、情報取得装置200、入力装置400)毎に積算することが好ましい。
【0095】
情報量比較部161は、優先順位1位のFM多重利用の事故情報を提供する表示出力要求、音声出力要求及び入力要求に関する情報量は、基準情報量未満であるとして、動作可能と判断し、S1010において表示出力要求及び音声出力要求による出力動作を指令す
る動作指令を生成する。
【0096】
S1011において他の利用要求があると判断されたため、S1006に戻り、情報量算出手段150は優先順位第2位のインターネット利用の事故情報の表示出力要求、音声出力要求、及び入力要求に関する情報量を求める。グループ1の事故情報1がダイアログに表示されているためこの情報量を積算する。情報量比較部161は積算算出された情報量は基準情報量以上であるとして、動作不可能と判断し、S1010において表示出力要求、音声出力要求及び入力要求による出力動作を停止させる動作停止指令を生成する。
【0097】
S1011において他の利用要求があると判断されたため、S1006に戻り、情報量算出手段150は優先順位第3位の店舗情報1の表示出力要求に関する情報量を求める。店舗情報1は地図上へのアイコン表示であって情報量は小さく、事故情報の情報量を積算してもその情報量は小さい。情報量比較部161は算出された情報量は基準情報量未満であるとして、動作可能と判断し、S1010において表示出力要求による出力動作を指令する動作指令を生成する。
【0098】
S1011において他の利用要求があると判断されたため、S1006に戻り、情報量算出手段150は優先順位第4位の店舗情報の音声出力要求に関する情報量を求める。グループ1の事故情報2が音声出力されているためこの情報量を積算する。情報量比較部161は積算算出された情報量は基準情報量以上であるとして、動作不可能と判断し、S1010において表示出力要求、音声出力要求及び入力要求による出力動作を停止させる動作停止指令を生成する。
【0099】
以上で、グループ化されたすべての利用要求の処理が完了したため、動作指令又は動作停止指令に基づいて動作制御を行う。つまり、FM多重利用の交通情報サービスから提供された事故情報1を地図上にアイコンで提示し、事故情報2をテキスト読み上げにより音声出力し、確認用のユーザー入力画面を提示して、スイッチは入力待ちを行い、インターネット利用の店舗情報サービスにより提供された店舗情報1を地図上にアイコンで表示する。動作停止命令が生成されたインターネット利用の事故情報の表示出力、音声出力及び入力要求と、店舗情報2の音声出力は実行されない。
【0100】
本実施形態によれば、複数のテレマティクスアプリケーションが共通の情報取得装置200、表示装置310、音声出力装置320又は入力装置400等を共用する場合において、これら取得装置200、出力装置300、入力装置400を含むシステム全体において、同時に利用したい情報にかかる利用要求を一まとまりの処理対象(グループ)とし、処理対象となる情報の内容等に応じて情報処理の優先順位を算出し、利用要求のグループごとに動作制御を実行することにより、各アプリケーションの機能実行タイミングの違いによるデッドロック(deadlock)を未然に防止することができる。
特に利用要求に係る情報の情報量に基づいて動作可否を判断することにより、デッドロックを確実に防止することができる。優先順位の高い情報から、情報量の総量が取得、出力又は入力可能な情報量以内となるようにとしたため、複数のアプリケーション同士の関係を調整しなくても、円滑な情報提供を実行することができる。
【0101】
また、利用要求に係る情報の属性情報に基づいて優先順位を算出することにより、ユーザにとって重要性の高い情報、所定の状況(現在位置が誘導経路を外れたなど)にあるユーザにとって重要性の高い情報から、動作可否を判断することができる。
複数のアプリケーションが同時に複数のデバイス(出力装置300、入力装置400、情報取得装置200等)にアクセスした場合に、例えば表示装置310を利用した表示はできても入力装置400を利用することができず、入力装置400が利用できるまで待機せざるを得ず、動作が止まってしまうような事態を避けることができる。つまり、1のグループ属する利用要求のすべてが実行可能である場合に、そのグループ全部の利用要求の実行が実行させられるため、デッドロックの発生を防止することができる。
【0102】
以上、情報提供制御装置100を含む情報提供システム1000により、本発明を説明したが、本発明に係る情報提供方法を使用した場合も、同様に作用し同様の効果を奏する。
【0103】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】情報提供システム1000のブロック構成図である。
【図2】情報提供システムの制御手順を示す図である。
【図3】制御要因情報を説明するための図である。
【図4】制御要因情報の伝達経路を示す第1の図である。
【図5】制御要因情報の伝達経路を示す第2の図である。
【符号の説明】
【0105】
1000…情報提供システム
100・・・情報提供制御装置
110・・・イベント情報取得手段
120・・・制御要因取得手段
121・・・グループ識別子取得部
122・・・優先情報取得部
123・・・属性情報取得部
130・・・グループ化手段
140・・・優先順位算出手段
150・・・情報量算出手段
160・・・制御手段
161・・・情報量比較部
200・・・情報取得装置
210・・・通信装置
220・・・VICS装置
300・・・出力装置
310・・・表示装置
320・・・音声出力装置
400・・・入力装置
500・・・車載装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションにより、外部又は内部から取得した各情報を提供する出力装置と、前記各情報の提供を制御する情報提供制御装置とを備えた情報提供システムであって、
前記情報制御装置は、前記出力装置を利用して情報提供処理を実行させる出力要求情報を取得する利用要求取得手段と、
前記利用要求取得手段の出力要求情報の取得に呼応して、各出力要求情報の出力グループ識別子と各出力要求情報の優先情報とを少なくとも含む制御要因情報を取得する制御要因取得手段と、
前記出力グループ識別子に基づいて出力要求情報をグループ化するグループ化手段と、
前記グループ化手段によりグループ化された出力要求情報群の優先順位を、前記各出力要求情報の優先情報に基づいて算出する優先順位算出手段と、
前記優先順位算出手段により算出された優先順位に従い前記出力要求情報により情報提供処理がなされる情報群の出力の可否を判断し、当該判断結果に基づいて前記出力要求情報による出力動作を制御する制御手段と、を有する情報提供システム。
【請求項2】
前記複数のアプリケーションにより、出力される情報に関して、ユーザからの入力を受け付ける入力装置をさらに備え、
前記情報提供制御装置の、
前記利用要求取得手段は、前記入力装置を利用して入力受付処理を実行させる入力要求情報を取得し、
前記制御要因取得手段は入力要求情報の取得に呼応して、各入力要求情報の入力グループ識別子と各入力要求情報の優先情報とを少なくとも含む制御要因情報を取得し、
前記グループ化手段は前記入力グループ識別子に基づいて入力要求情報をグループ化し、
前記優先順位算出手段は前記グループ化手段によりグループ化された入力要求情報群の優先順位を、前記各入力要求情報の優先情報に基づいて算出し、
前記制御手段は前記優先順位算出手段により算出された優先順位に従い、前記入力要求情報群により情報提供処理がなされる情報群の入力の可否を判断し、当該判断結果に基づいて前記入力要求情報群の入力動作を制御する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記複数のアプリケーションにより、外部から情報を取得する情報取得装置をさらに備え、
前記情報提供制御装置の、
前記利用要求取得手段は前記情報取得装置を利用して情報取得処理を実行させる取得要求情報を取得し、
前記制御要因取得手段は取得要求情報の取得に呼応して、各情取得要求報の取得グループ識別子と各取得要求情報の優先情報とを少なくとも含む制御要因情報を取得し、
前記グループ化手段は前記取得グループ識別子に基づいて取得要求情報をグループ化し、
前記優先順位算出手段は前記グループ化手段によりグループ化された取得要求情報群の優先順位を、前記各取得要求情報の優先情報に基づいて算出し、
前記制御手段は前記優先順位算出手段により算出された優先順位に従い、前記取得要求情報群により情報処理がなされる情報群の取得の可否を判断し、当該判断結果に基づいて前記取得要求情報群の取得動作を制御する請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報提供装置は、前記グループ化手段によりグループ化された取得要求情報、出力要求情報又は入力要求情報に係る情報の情報量を算出する情報量算出手段をさらに有し、
前記制御手段は前記情報量算出手段により算出された情報量と情報群の取得時、出力時又は入力時における基準情報量とを比較し、比較結果に基づいて前記情報群の取得、出力又は入力の可否を判断し、当該判断結果に基づいて前記情報の取得動作、出力動作又は入力動作を制御する請求項1〜3のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報提供制御装置の制御要因取得手段は、情報の内容、情報の提供態様、ユーザ入力の要否のいずれか1以上を属性情報として取得し、
前記情報量算出手段は前記グループ化手段によりグループ化された取得要求情報、出力要求情報又は入力要求情報に係る情報の内容、情報の提供態様、ユーザ入力の要否のいずれか1以上に基づいて情報量を算出する請求項4に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記情報提供制御装置の制御要因取得手段は、情報の対象位置、情報の対象範囲、誘導経路に対する現在位置に応じて定義された情報の有効指数、情報の内容、情報の提供態様、ユーザ入力の要否のいずれか1以上を属性情報として取得し、
前記優先順位算出手段は前記グループ化手段によりグループ化された取得要求情報、出力要求情報又は入力要求情報に係る各情報の対象位置、情報の対象範囲、情報の有効指数、情報の内容、情報の提供態様、ユーザ入力の要否のうちいずれか1以上を比較し、その比較結果に基づいて、前記グループ化手段によりグループ化された取得要求情報、出力要求情報又は入力要求情報の前記優先順位を算出する請求項1〜5のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記優先順位算出手段は、各情報の内容に応じて予め定義された取得要求情報、出力要求情報又は入力要求情報の優先情報値に、現在位置における情報の有効指数を乗じた有効優先値を求め、その有効優先値に基づいて、前記グループ化手段によりグループ化された取得要求情報、出力要求情報又は入力要求情報の前記優先順位を算出する請求項1〜5のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項8】
複数のアプリケーションにより、外部又は内部から取得した情報を、共通の出力装置を介して提供する際に、前記情報の提供を制御する情報提供制御方法であって、
前記出力装置を利用して情報提供処理を実行させる出力要求情報を取得するステップと、
出力要求情報の取得に呼応して、各出力要求情報の出力グループ識別子と各出力要求情報の優先情報とを少なくとも含む制御要因情報を取得するステップと、
前記出力グループ識別子に基づいて出力要求情報をグループ化するステップと、
前記グループ化された出力要求情報群の優先順位を、前記各出力要求情報の優先情報に基づいて算出するステップと、
前記算出された優先順位に従い前記出力要求情報により情報提供処理がなされる情報の出力の可否を判断し、当該判断結果に基づいて前記出力要求情報による出力動作を制御するステップと、を有する情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−184257(P2006−184257A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381409(P2004−381409)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】