説明

情報提供システム及び情報提供方法

【課題】消火器を情報源とする信頼性及び自由度の高い情報提供システムと情報提供方法の提供。
【解決手段】
本発明1つの情報提供システム100は、消火剤貯蔵容器14,18の表面上又はその上方に二次元コードにコード化されたURLが配置された消火器10,15と、二次元コード12,16を撮像する撮像部22,32、二次元コード12,16を復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末20,30と、そのURLに基づいて通信ネットワーク50を介して携帯端末20,30と接続されるサーバー40とを備えている。サーバー40は、消火器10,15の使用方法を説明する情報等の静的情報を蓄積するデータベース42を有し、そのURLに基づき、携帯端末20,30によってサーバー40に接続されることにより、前述の静的情報が携帯端末20,30に提供される情報提供手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火器を用いた情報提供システム及び消火器を用いた情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、消火器等の防災機器の製造メーカー名・製造年月日等の情報を記録したデータキャリアを当該防災機器に取り付けるとともに、情報端末機器を用いてそのデータキャリアから読み取った又は書き込んだ上記情報をサーバーに送信接続して記録させるシステムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−110105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の消火器は、データキャリアと呼ばれる超小型ICチップを備えることを前提としているため、一般的な消火器単体の販売額を考慮すれば、超小型ICチップを採用することはコスト的な負担が少なくない。また、例えば、消火器が設置される環境は千差万別であるのに加え、その耐用年数が通常8年と長期間であるため、超小型ICチップのような精密な部品の採用はシステム全体の信頼性に少なからず影響を与えることになる。さらに、超小型ICチップに書き込む情報を変更するためには各々の消火器の超小型ICチップに処理を施すこととなるため、作業上の負荷が大きい。加えて、上述のデータキャリアは、決められた(入力された)情報をサーバーに提供して記録させるためにのみ用いられるものであるため、有益な情報を提供する情報源としての自由度が備えられていない。
【0005】
上述の通り、長期間、様々な環境下に設置される消火器が信頼性の高い情報源となるための技術的課題は多い。また、消火器を用いた情報提供システム及び情報提供方法として、情報の内容の自由度が高められる工夫も未だ不十分であるといえる。さらに踏み込んで言えば、緊急時に用いられる消火器という器具の特性を活かした情報発信という観点での技術開発は未だ手が付けられていない状況である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の複数の課題を解決することにより、消火器を利用した、より廉価で、より信頼性が高く、且つより自由度の高い情報が簡便に表示又は送信(以下、提供ともいう。)される情報提供システム及び情報提供方法の実現に大きく貢献するものである。本発明者らは、消火器自身が多くの情報を保有するのではなく、それらの情報に接続するための起点となる情報を備えることにより、高い信頼性と高い自由度を持つ情報提供が同時に実現されると考えた。また、本発明者らは、緊急時に用いられる消火器という器具の特性を活かした情報発信についても鋭意研究を行った結果、本発明が創出された。
【0007】
本発明の1つの情報提供システムは、消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に二次元コードにコード化されたURL(Uniform Resource Locator、以下同じ。)が配置された消火器と、その二次元コードを撮像する撮像部、表示部、その二次元コードを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末と、そのURLに基づいて通信ネットワークを介してその携帯端末と接続されるサーバーとを備えている。また、前述のサーバーは、前述の消火器の使用方法を説明する情報、その消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、その消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及びその消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの情報(以下、本段落及び次段落において静的情報ともいう。)を蓄積するデータベースを有している。さらに、前述のURLに基づき、前述の携帯端末によって前述のサーバーに接続されることにより、前述の静的情報がその携帯端末に提供される情報提供手段を備えている。
【0008】
この情報提供システムによれば、例えば市販のカメラ付き携帯電話に代表される携帯端末によって消火器の一部に備えられた二次元コードが撮像され、復号されることにより、インターネット等の通信ネットワークを介して所定のURLのサーバーに接続することができる。一方、サーバーが備えるデータベースには、消火器の使用方法を説明する情報、消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報が蓄積されている。その結果、例えば、表示手段又は公知の自動送信装置などの提供手段により、前述の静的情報が前述の携帯端末に提供される。従って、その携帯端末の利用者は、消火器に備えられた二次元コードを利用して、消火や火災に関する有益な情報を簡便に入手することができる。一方、サーバーが備えるデータベースに蓄積される情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となるため、質、量ともに、その情報提供の自由度が向上する。
【0009】
また、本発明のもう1つの情報提供システムは、消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に二次元コードにコード化されたURLが配置された消火器と、その二次元コードを撮像する撮像部、表示部、その二次元コードを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末と、そのURLに基づいて通信ネットワークを介してその携帯端末と接続されるサーバーとを備えている。また、前述のサーバーは、前述の消火器の使用方法を説明する情報、その消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、その消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及びその消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも2つの情報(以下、本段落及び次段落において、静的情報ともいう。)を蓄積するデータベースを有している。さらに、本発明のもう1つの情報提供システムは、前述のURLに基づき、前述の携帯端末によって前述のサーバーに接続されることにより、その携帯端末に前述の静的情報の目次が提供される第1情報提供手段と、その携帯端末によってその目次の中から選択された1つ又は複数の目次がそのサーバーに送信されることにより、前述の選択された1つ又は複数の目次の詳細情報である静的情報がその携帯端末に提供される第2情報提供手段とを備えている。
【0010】
この情報提供システムによれば、例えば市販のカメラ付き携帯電話に代表される携帯端末によって消火器の一部に備えられた二次元コードが撮像され、復号されることにより、インターネット等の通信ネットワークを介して所定のURLのサーバーに接続することができる。一方、サーバーが備えるデータベースには、消火器の使用方法を説明する情報、消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも2つの静的情報が蓄積されている。ここで、例えば、表示手段又は公知の自動送信装置などの提供手段により、最初に前述の静的情報の目次がその携帯端末に提供される。その後、その携帯端末によって前述の目次の中から選択された1つ又は複数の目次がそのサーバーに送信又は入力されることにより、前述の選択された1つ又は複数の目次の詳細情報である静的情報がその携帯端末に提供される。従って、その携帯端末の利用者は、消火器に備えられた二次元コードを利用して、まず消火や火災に関する有益な情報の目次が提供され、その中でその利用者が必要な情報のみを簡便に入手することができる。一方、サーバーが備えるデータベースに蓄積される情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となるため、質、量ともに、その情報提供の自由度が向上する。
【0011】
また、本発明の1つの情報提供方法は、撮像部、表示部、二次元コードにコード化されたURLを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末を用いることにより、消火器の消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に配置された二次元コードを撮像する工程と、その復号手段及びその通信手段により、そのURLに基づいて通信ネットワークを介して、前述の消火器の使用方法を説明する情報、その消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、その消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及びその消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの情報(以下、本段落及び次段落において静的情報ともいう。)を蓄積するデータベースを有するサーバーに接続する工程と、前述のURLに基づき、前述の携帯端末によって前述のサーバーに接続されることにより、その静的情報がその携帯端末に提供される情報提供工程とを含んでいる。
【0012】
この情報提供方法によれば、例えば市販のカメラ付き携帯電話に代表される携帯端末によって消火器の一部に備えられた二次元コードが撮像され、復号されることにより、インターネット等の通信ネットワークを介して所定のURLのサーバーに接続することができる。一方、サーバーが備えるデータベースには、消火器の使用方法を説明する情報、消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報が蓄積されている。その結果、例えば、表示手段又は公知の自動送信装置などの提供手段により、前述の静的情報が前述の携帯端末に提供される。従って、その携帯端末の利用者は、消火器に備えられた二次元コードを利用して、消火や火災に関する有益な情報を簡便に入手することができる。一方、サーバーが備えるデータベースに蓄積される情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となるため、質、量ともに、その情報提供の自由度が向上する。
【0013】
また、本発明のもう1つの情報提供方法は、撮像部、表示部、二次元コードにコード化されたURLを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末を用いることにより、消火器の消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に配置された二次元コードを撮像する工程と、その復号手段及びその通信手段により、そのURLに基づいて通信ネットワークを介して、前述の消火器の使用方法を説明する情報、その消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、その消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及びその消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも2つの情報(以下、本段落及び次段落において静的情報ともいう。)を蓄積するデータベースを有するサーバーに接続する工程と、前述のURLに基づき、前述の携帯端末によって前述のサーバーに接続されることにより、前述の携帯端末に前述の静的情報の目次が提供される第1情報提供工程と、その携帯端末によってその目次の中から選択された1つ又は複数の目次がそのサーバーに送信されることにより、前述の選択された1つ又は複数の目次の詳細情報である静的情報がその携帯端末に提供される第2情報提供工程とを含んでいる。
【0014】
この情報提供方法によれば、例えば市販のカメラ付き携帯電話に代表される携帯端末によって消火器の一部に備えられた二次元コードが撮像され、復号されることにより、インターネット等の通信ネットワークを介して所定のURLのサーバーに接続することができる。一方、サーバーが備えるデータベースには、消火器の使用方法を説明する情報、消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも2つの静的情報が蓄積されている。ここで、例えば、表示手段又は公知の自動送信装置などの提供手段により、最初に前述の静的情報の目次がその携帯端末に提供される。その後、その携帯端末によって前述の目次の中から選択された1つ又は複数の目次がそのサーバーに送信又は入力されることにより、前述の選択された1つ又は複数の目次の詳細情報である静的情報がその携帯端末に提供される。従って、その携帯端末の利用者は、消火器に備えられた二次元コードを利用して、まず消火や火災に関する有益な情報の目次が提供され、その中でその利用者が必要な情報のみを簡便に入手することができる。一方、サーバーが備えるデータベースに蓄積される情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となるため、質、量ともに、その情報提供の自由度が向上する。
【0015】
なお、上述のいずれの発明においても、前述の二次元コードに、さらにコード化された消火器の個体識別番号(以下、消火器識別番号ともいう。)が追加されれば、前述のサーバーに接続されることにより、その識別番号を有する消火器に対応した個別の使用方法を説明する情報に加え、その消火器の適性及び性能の情報もその携帯端末に提供することができる。また、例えば我が国では、消防法により、所定間隔毎に消火器の設置が義務付けられている。従って、その二次元コードに消火器識別情報が追加されれば、消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報に加えて、消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報など、緊急時に有益な情報もその携帯端末に提供され得る。より具体的には、避難経路又は最寄りの避難場所を説明する情報が提供されることによって生命の安全が図られる。また、消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報が提供されることにより、例えば小規模な火災を複数人が助け合って消火する際に、使用する消火器の配置場所を探す時間が大幅に短縮される。加えて、上述のいずれの発明においても、前述の二次元コードに代わりに、消火器識別番号がコード化された二次元コードが配置された場合であっても、前述のサーバーに接続されることにより、その識別番号を有する消火器に対応した個別の使用方法を説明する情報に加え、その消火器の適性及び性能の情報もその携帯端末に提供することができる。また、そのような二次元コードを採用すれば、消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報に加えて、消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報など、緊急時に有益な情報もその携帯端末に提供され得る。
【0016】
また、本発明のもう1つの情報提供システムは、消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に二次元コードにコード化されたURL(Uniform Resource Locator、以下同じ。)が配置された消火器と、その二次元コードを撮像する撮像部、表示部、その二次元コードを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末と、そのURLに基づいて通信ネットワークを介してその携帯端末と接続されるサーバーとを備えている。また、前述のサーバーは、その消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、その消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、その消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、その消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、及びその消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの情報(以下、本段落及び次段落において静的情報ともいう。)を蓄積するデータベースを有している。さらに、前述のURLに基づき、前述の携帯端末によって前述のサーバーに接続されることにより、前述の静的情報がその携帯端末に提供される情報提供手段を備えている。
【0017】
この情報提供システムによれば、例えば市販のカメラ付き携帯電話に代表される携帯端末によって消火器の一部に備えられた二次元コードが撮像され、復号されることにより、インターネット等の通信ネットワークを介して所定のURLのサーバーに接続することができる。一方、サーバーが備えるデータベースには、前述の消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、その消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、その消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、その消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、及びその消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報が蓄積されている。その結果、例えば、表示手段又は公知の自動送信装置などの提供手段により、前述の静的情報が前述の携帯端末に提供される。従って、その携帯端末の利用者は、消火器に備えられた二次元コードを利用して、消火や火災に関する有益な情報を簡便に入手することができる。一方、サーバーが備えるデータベースに蓄積される情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となるため、質、量ともに、その情報提供の自由度が向上する。
【0018】
また、本発明の1つの情報提供方法は、撮像部、表示部、二次元コードにコード化されたURLを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末を用いることにより、消火器の消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に配置された二次元コードを撮像する工程と、その復号手段及びその通信手段により、そのURLに基づいて通信ネットワークを介して、前述の消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、その消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、その消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、その消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、及びその消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの情報(以下、本段落及び次段落において静的情報ともいう。)を蓄積するデータベースを有するサーバーに接続する工程と、前述のURLに基づき、前述の携帯端末によって前述のサーバーに接続されることにより、その静的情報がその携帯端末に提供される情報提供工程とを含んでいる。
【0019】
この情報提供方法によれば、例えば市販のカメラ付き携帯電話に代表される携帯端末によって消火器の一部に備えられた二次元コードが撮像され、復号されることにより、インターネット等の通信ネットワークを介して所定のURLのサーバーに接続することができる。一方、サーバーが備えるデータベースには、前述の消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、その消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、その消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、その消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、及びその消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報が蓄積されている。その結果、例えば、表示手段又は公知の自動送信装置などの提供手段により、前述の静的情報が前述の携帯端末に提供される。従って、その携帯端末の利用者は、消火器に備えられた二次元コードを利用して、消火や火災に関する有益な情報を簡便に入手することができる。一方、サーバーが備えるデータベースに蓄積される情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となるため、質、量ともに、その情報提供の自由度が向上する。
【0020】
なお、上述の「その消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報」には、その消火器の製造会社の情報と、その消火器の製造年の情報とのいずれか又はその両方が含まれてもよい。また、上述の「消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報」には、その消火器の点検者の情報、点検日の情報、点検場所の情報、及びその消火器の点検実績ないし点検結果の情報の群から選ばれる1つ又は複数の情報が含まれてもよい。上述の各具体的情報は、消火器識別番号を備えた二次元コードの好適な一態様である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の1つの情報提供システム及び本発明の1つの情報提供方法によれば、例えば市販のカメラ付き携帯電話に代表される携帯端末によって消火器の一部に備えられた二次元コードが撮像され、復号されることにより、インターネット等の通信ネットワークを介して所定のURLのサーバーに接続することができる。一方、サーバーが備えるデータベースには、消火器の使用方法を説明する情報、消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの情報(以下、本段落において静的情報ともいう。)が蓄積されている。その結果、例えば、公知の自動送信装置などの送信手段により、前述の静的情報が前述の携帯端末に提供される。従って、その携帯端末の利用者は、消火器に備えられた二次元コードを利用して、消火や火災に関する有益な情報を簡便に入手することができる。一方、サーバーが備えるデータベースに蓄積される情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となるため、質、量ともに、その情報提供の自由度が向上する。
【0022】
本発明のもう1つの情報提供システム及び本発明のもう1つの情報提供方法によれば、例えば市販のカメラ付き携帯電話に代表される携帯端末によって消火器の一部に備えられた二次元コードが撮像され、復号されることにより、インターネット等の通信ネットワークを介して所定のURLのサーバーに接続することができる。一方、サーバーが備えるデータベースには、消火器の使用方法を説明する情報、消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも2つの情報(以下、本段落において静的情報ともいう。)及び前述の静的情報の目次が蓄積されている。ここで、例えば、表示手段又は公知の自動送信装置などの提供手段により、最初に前述の目次がその携帯端末に提供される。その後、その携帯端末によって前述の目次の中から選択された1つ又は複数の目次がそのサーバーに送信又は入力されることにより、前述の選択された1つ又は複数の目次の詳細情報である静的情報がその携帯端末に提供される。従って、その携帯端末の利用者は、消火器に備えられた二次元コードを利用して、まず消火や火災に関する有益な情報の目次が提供され、その中でその利用者が必要な情報のみを簡便に入手することができる。一方、サーバーが備えるデータベースに蓄積される情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となるため、質、量ともに、その情報提供の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の1つの実施形態における情報提供システムを示す図である。
【図2】本発明の1つの実施形態における情報提供を行う際の処理を示すフローチャートである。
【図3】図2における具体的な処理の例を示す図である。
【図4】図2における具体的な処理の例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態における情報提供システムを示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態における二次元コード及びその周囲の無地部を示す正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態における消火器を示す斜視図である。
【図8】本発明の他の実施形態における情報提供を行う際の処理を示すフローチャートである。
【図9】図6における具体的な処理の例を示す図である。
【図10】図6における具体的な処理の例を示す図である。
【図11】図6における具体的な処理の例を示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態における情報提供システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
つぎに、本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。尚、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、本実施形態の要素は必ずしもスケール通りに示されていない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略され得る。
【0025】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態における情報提供システム100を示す図である。また、図2は、本実施形態における情報提供を行う際の処理を示すフローチャートである。図3及び図4は、図2における具体的な処理の例を示す図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の情報提供システム100のハードウェアの構成は、消火剤貯蔵容器14,18の表面上又はその上方に配置された二次元コード12,16を備えた消火器10,15と、携帯端末20,30と、サーバー40と、それらを互いに接続してデータ等の授受を可能にする通信ネットワーク50とを有する。なお、本実施形態の通信ネットワーク50は、インターネット回線又はWAN(Wide Area Network:広域通信網)である。なお、サーバー40は、例えば、公知のOS、CPU、メモリ、ネットワークインターフェイスを備え、さらに各種データを保存する大容量のハードディスクドライブを備える。但し、サーバー40は上述の各構成に限定されず、公知の他の構成が適用され得る。また、本実施形態の消火器10,15は、それぞれ同じ性能を備えた消火器である。
【0027】
ここで、消火剤貯蔵容器14,18の「表面上又はその上方」とは、消火剤貯蔵容器14,18の表面上に直接二次元コード12,16が印刷又は貼付等の公知の手段によって配置されている場合、及び消火剤貯蔵容器14,18の表面上を覆う単層又は複数層のフィルムやコート材の上又はその間に二次元コード12,16が印刷又は貼付等されている場合を意味する。なお、本実施形態の二次元コード12,16は、サーバー40への接続のためのURLがコード化されている。また、二次元コード13の具体例として、QRコード(登録商標)や白色を除いた複数色を有する公知の二次元コード等が適用され得る。さらに、二次元コード12,16を衝撃又は設置環境等から保護するため、二次元コード12,16を覆う透明フィルムが採用されることは好ましい一態様である。
【0028】
また、本実施形態の携帯端末20,30は、二次元コード12,16を撮像する撮像部22,32、表示部22,34、二次元コード12,16を復号化する復号手段、及び通信手段を備えた市販の携帯電話が適用され得る。なお、本実施形態の表示部22,34は、代表的には液晶ディスプレー装置(LCD)である。また、本実施形態の撮像部22,32は、CCD撮像素子を用いた公知の撮像装置である。
【0029】
さらに、本実施形態のサーバー40内のデータベース42には、消火器10,15又は火災に関する情報が蓄積されている。この情報には、例えば、消火器10,15の使用方法を説明する情報、消火器10,15の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器10,15が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び消火器10,15の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの情報(以下、本実施形態及び本実施形態の各変形例において静的情報ともいう。)が含まれる。本実施形態では、前述の情報が、公知の自動送信手段44により前述の静的情報が通信ネットワーク50を介して携帯端末20,30に提供される。なお、自動送信手段44は、携帯端末20,30がサーバー40にアクセスすると必要な情報を携帯端末20,30に送信する役割を担う。この自動送信手段44は、公知の機器が適用される。
【0030】
次に、図2乃至図4に従って、本実施形態における情報提供システム100の処理の流れを説明する。
【0031】
まず、携帯端末20,30によって、撮像部22,32を用いて消火器10,15に備えられた二次元コード12,16が読み取られるとともに、復号手段によってサーバー40への接続のためのURLが復号される(ステップS10)。
【0032】
その復号されたURLに基づいて、携帯端末20,30は、それらの通信手段により通信ネットワーク50を介してサーバー40に接続される(ステップS20)。
【0033】
サーバー40内のデータベース42には、上述のとおり消火器10,15又は火災に関する情報が蓄積されている。その1つ又は複数の情報が、サーバー40に接続した携帯端末20,30に対して、公知の自動送信手段44により提供される。その結果、携帯端末20,30の表示部24,34上にその提供された情報が表示される(ステップS30)。
【0034】
上述のとおり、本実施形態の情報提供システム100によれば、二次元コード12,16がサーバー40への接続のためのURLの情報を有するため、消火器10,15又は火災に関する有益な情報を携帯端末20,30に提供することができる。なお、本実施形態では、消火器及び携帯端末が2つのみであったが、これに限定されることはない。3つ以上の消火器及び携帯端末であっても本実施形態を適用することができる。他方、サーバー40が備えるデータベース42に蓄積される静的情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となる。従って、静的情報の管理の容易化が図られるとともに、その情報提供の自由度が質、量両面において向上する。
【0035】
<第1の実施形態の変形例(1)>
図5は、本実施形態における情報提供システム200を示す図である。本実施形態の情報提供システム200では、本実施形態の消火器10a,15aが、サーバー41への接続のためのURLに加えて各消火器10a,15aの個体識別番号(以下、消火器識別番号ともいう。)がコード化された二次元コード13,17を有している。また、本実施形態の消火器10a,15aは、互いに異なる性能を有している。加えて、本実施形態のサーバー41内のデータベース43には、第1の実施形態の静的情報に代わりに、各消火器識別番号に対応した個別の消火器の情報が蓄積されている。ここで、この個別の消火器10a,15aの情報には、例えば、各消火器識別番号に対応した消火器の適性や性能の情報、その消火器の使用方法を説明する情報、各消火器10a,15aの配置位置乃至設置位置からの避難経路を説明する情報、各消火器10a,15aの配置位置乃至設置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、消火器10a,15aの近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、消火器10a,15aがその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、消火器10a,15aが適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報が含まれる。この静的情報は、特に緊急時に有益な情報として活用され得る。さらに、本実施形態における情報提供システム200は、第1の実施形態の図3に示す自動送信手段44を備えていない。本実施形態における情報提供システム200は、上述の点を除いて第1の実施形態と同じである。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0036】
本実施形態における情報提供システム200では、まず、二次元コード13,17が有するURL及び消火器識別番号が携帯端末20,30によって取り込まれることによってサーバー41に接続される。その結果、データベース43内に蓄積されている、各消火器識別番号に対応した個別の消火器の情報が携帯端末20,30によって閲覧される状態となる。換言すれば、携帯端末20,30の表示部24,34は、サーバー41への接続によって、各消火器識別番号に対応した個別の消火器の情報を表示することができる。
【0037】
上述のとおり、二次元コード13,17が、コード化されたサーバー43への接続のためのURL及び消火器識別情報を有することにより、その識別番号を有する消火器に対応した個別の情報もその携帯端末に提供することができる。また、例えば我が国では、消防法により、所定間隔毎に消火器の設置が義務付けられているため、本実施形態における情報提供システム200は、各消火器10a,15aの配置位置乃至設置位置からの避難経路を説明する情報、各消火器10a,15aの配置位置乃至設置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、消火器10a,15aの近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、消火器10a,15aがその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、消火器10a,15aが適切に点検されたものであるか否かを説明する情報などの特に緊急時に有益な情報もその携帯端末20,30に提供することができる。より具体的には、避難経路又は最寄りの避難場所を説明する情報が提供されることによって生命の安全が図られる。また、消火器10a,15aの近隣にある他の消火器の位置を説明する情報が提供されることにより、例えば小規模な火災を複数人が助け合って消火する際に、使用する消火器の配置場所を探す時間が大幅に短縮される。
【0038】
なお、第1の実施形態の変形例(1)において、サーバー41内のデータベース43が第1の実施形態の静的情報、すなわち、一般的な消火器の使用方法を説明する情報、一般的な消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び一般的な消火器の二酸化炭素排出量の情報をさらに有していてもよい。そうすれば、さらに多くの有益な情報が取得され得ることになる。
【0039】
<第1の実施形態の変形例(2)>
図6は、本実施形態の消火器を構成する二次元コード212及びその周囲の無地部213を示す正面図である。
【0040】
本実施形態の消火器は、第1の実施形態の二次元コード13の代わりに二次元コード212及び無地部213を備える点以外は、第1の実施形態の消火器10と同じ構成を備える。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0041】
本実施形態の二次元コード212は、その周囲に単一色で構成される無地部213を備える。これにより、二次元コード212を目立たせることができる。このため、消火器の利用者又はその消火器を見つけた者に極めて容易に次元コード13の存在を認識させることができるため、二次元コード13の活用を促進させることができる。なお、二次元コード212を目立たせる観点から、図6中のt1乃至t4が0.5mm乃至10mmの範囲と設定されることが好ましい。加えて、二次元コード212をより目立たせる観点から、二次元コード212が白色及び黒色の二色で構成されている場合には、無地部213が白色又は灰色で構成されることが好ましい。さらに、同様の観点から、二次元コード212が赤色、青色、又は黄色を含む場合には、無地部213が黒色、白色、又は灰色で構成されることが好ましい。中でも白色で構成されることが特に好ましい。
【0042】
<第1の実施形態の変形例(3)>
図7は、本実施形態の消火器19を示す斜視図である。
【0043】
本実施形態の消火器19は、消火剤貯蔵容器14上に塗布される蛍光物質12aをさらに備える点以外は、第1の実施形態の消火器10と同じ構成を備える。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0044】
図7に示すとおり、蛍光物質12aは、二次元コード12の外周に沿うように配置されている。この蛍光物質12aの配置により、二次元コード12を目立たせることができる。このため、消火器の利用者又はその消火器を見つけた者に極めて容易に二次元コード12の存在を認識させることができるため、二次元コード12の活用を促進させることができる。加えて、たとえ薄暗い部屋の中に消火器19が配置されていても、蛍光物質12aが視認され易くなる。なお、本実施形態において、蛍光物質12aが消火剤貯蔵容器14上に塗布されているが、蛍光物質12aを含有するフィルム状部材が消火剤貯蔵容器14上に貼着されても、本実施形態の効果と実質的に同等の効果が奏される。すなわち、消火剤貯蔵容器14,18の表面上に直接蛍光物質12aが塗布、印刷、又は貼付等の公知の手段によって配置されていれば、本実施形態の効果が奏される。さらに、消火剤貯蔵容器14,18の表面上を覆う単層又は複数層のフィルムやコート材の上に蛍光物質12aが塗布、印刷、又は貼付等されている場合、あるいは蛍光物質12aが透明フィルムによって覆われた場合も実質的に本実施形態の効果と同様の効果が奏される。
【0045】
<第2の実施形態>
図8は、本実施形態における情報提供システム300を示す図である。また、図9は、本実施形態における情報提供を行う際の処理を示すフローチャートである。図10及び図11は、図9における具体的な処理の例を示す図である。
【0046】
図8に示すように、本実施形態の情報提供システム300では、第1の実施形態のステップ10及びステップ20と同じ処理を有する。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0047】
なお、本実施形態のサーバー40内のデータベース42には、消火器10,15又は火災に関する情報が蓄積されている。この情報には、例えば、消火器10,15の使用方法を説明する情報、消火器10,15の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、消火器10,15が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び消火器10,15の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも2つの情報(以下、本実施形態において静的情報ともいう。)及び前述の静的情報の目次が含まれる。
【0048】
ステップ20の後、本実施形態では、携帯端末20,30によって復号されたURLに基づいて携帯端末20,30が最初にサーバー40にアクセスした際に、自動送信手段44により、少なくとも2つ以上の静的情報の目次がその携帯端末に提供(第1情報提供)される(ステップ31)。その後、携帯端末20,30の表示部24,34上に表示された前述の目次の中から1つ又は複数の目次が選択された後、その選択された目次が通信ネットワーク50を介してサーバー40に送信又は入力される(ステップ41)。その選択された1つ又は複数の目次の詳細情報が、通信ネットワーク50を介してサーバー40から携帯端末20,30に提供(第2情報提供)される(ステップ51)。ここで、「詳細情報」は、上述の静的情報に相当する。
【0049】
上述のとおり、本実施形態の情報提供システム300は、第1の情報提供と第2の情報提供の処理がなされる。従って、携帯端末20,30の利用者は、消火器10,15に備えられた二次元コード12,14を利用して、まず消火や火災に関する有益な情報の目次が提供され、その中でその利用者が必要な情報のみを簡便に入手することができる。一方、サーバー40が備えるデータベース42に蓄積される静的情報は、非常に簡便にアップデートや追加又は削除されることが可能となる。従って、静的情報の管理の容易化が図られるとともに、その情報提供の自由度が質、量両面において向上する。
【0050】
ところで、第2の実施形態では、消火器10,15はそれぞれ同じ性能を備えた消火器であるが、これに限定されない。第2の実施形態でも、第1の実施形態の変形例(1)のように、互いに異なる性能を有していてもよい。その場合、第1の実施形態の変形例(1)のサーバー41による第1の実施形態の変形例(1)の処理がなされる。その結果、第2の実施形態の効果に加え、第1の実施形態の変形例(1)の効果と同様の効果が奏される。
【0051】
また、第2の実施形態の情報提供システム300に対して、第1の実施形態の変形例(2)の二次元コード212、及び第1の実施形態の変形例(3)の蛍光物質12aを適用することも好ましい一態様である。それぞれの適用により、各実施形態の効果が追加的に奏される。
【0052】
また、第2の実施形態では、少なくとも2つの静的情報及び前述の静的情報の目次がデータベース42内に蓄積されていたが、これに限定されない。換言すれば、前述の静的情報の目次が第2の実施形態における詳細情報とは別に蓄積されている場合に限定されない。例えば、その詳細情報の一部(例えば、最初の数文字)を抽出することによって実質的に目次として提供(すなわち、送信又は閲覧可能に)することにより、第2の実施形態の効果と同等の効果を発揮させ得る。
【0053】
また、図12に示すもう1つの情報提供システム400のように、少なくとも2つの静的情報及び前述の静的情報の目次のうち、一方のみがサーバー41のデータベース43内に蓄積され、他方が別のサーバー46のデータベース47内に蓄積されていてもよい。その場合は、例えば、データベース43内の前述の静的情報の目次の1つ乃至複数が選択されると、インターネット等の通信ネットワーク50を介してサーバー46に接続することにより、データベース47内に蓄積されている1つ乃至複数の前述の静的情報(詳細情報)が携帯端末20,30に提供され得る。
【0054】
さらに、上述の各実施形態における各携帯端末20,30の二次元コードの復号化手段は、各携帯端末20,30自身がその手段を備えている場合に限定されない。例えば、まず、二次元コードが各携帯端末20,30によって認識された後、その二次元コードが携帯端末20,30の通信手段によって所定の復号化用サーバーに送信される。その後、その復号化された所定のURL情報が各携帯端末20,30に返送される。このような復号化も、上述の各実施形態における二次元コードの復号化手段に含まれる。また、公知となっている他の復号化手段も上述の各実施形態における二次元コードの復号化手段に含まれる。
【0055】
以上、述べたとおり、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、消火器を情報源とする情報提供システム及び情報提供方法として広く利用されうる。
【符号の説明】
【0057】
10,10a,15,15a 消火器
12,13,16,17,212 二次元コード
12a 蛍光物質
14,18 消火剤貯蔵容器
20,30 携帯端末
22,32 撮像部
24,34 表示部
40,41,46 サーバー
42,43,47 データベース
44 自動送信手段
50 通信ネットワーク
100,200,300 情報提供システム
213 無地部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に二次元コードにコード化されたURLが配置された消火器と、
前記二次元コードを撮像する撮像部、表示部、前記二次元コードを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末と、
前記URLに基づいて通信ネットワークを介して前記携帯端末と接続されるサーバーとを備え、
前記サーバーは、前記消火器の使用方法を説明する情報、前記消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、前記消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び前記消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報を蓄積するデータベースを有し、
前記URLに基づき、前記携帯端末によって前記サーバーに接続されることにより、前記静的情報が前記携帯端末に提供される情報提供手段とを備える
情報提供システム。
【請求項2】
消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に二次元コードにコード化されたURLが配置された消火器と、
前記二次元コードを撮像する撮像部、表示部、前記二次元コードを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末と、
前記URLに基づいて通信ネットワークを介して前記携帯端末と接続されるサーバーとを備え、
前記サーバーは、前記消火器の使用方法を説明する情報、前記消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、前記消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び前記消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも2つの静的情報を蓄積するデータベースを有し、
前記URLに基づき、前記携帯端末によって前記サーバーに接続されることにより、前記携帯端末に前記静的情報の目次が提供される第1情報提供手段と、
前記携帯端末によって前記目次の中から選択された1つ又は複数の目次が前記サーバーに送信されることにより、前記選択された1つ又は複数の目次の詳細情報である静的情報が前記携帯端末に提供される第2情報提供手段とを備える
情報提供システム。
【請求項3】
消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に二次元コードにコード化されたURL及び消火器識別情報が配置された消火器と、
前記二次元コードを撮像する撮像部、表示部、前記二次元コードを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末と、
前記URLに基づいて通信ネットワークを介して前記携帯端末と接続されるサーバーとを備え、
前記サーバーは、前記消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、前記消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、前記消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、前記消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、及び前記消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報を蓄積するデータベースを有し、
前記URLに基づき、前記携帯端末によって前記サーバーに接続されることにより、前記静的情報が前記携帯端末に提供される情報提供手段とを備える
情報提供システム。
【請求項4】
前記二次元コードに、さらに消火器識別情報がコード化される
請求項1又は請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記静的情報が、前記消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、前記消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、前記消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、前記消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、及び前記消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの情報をさらに含む
請求項4に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記二次元コードが、白色を除いた複数色を有する
請求項1乃至請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記二次元コードの周囲0.5mm乃至10mmの範囲の前記消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に、単一色で構成される無地部が形成される
請求項1乃至請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記無地部が黒色、白色、又は灰色で構成される
請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記二次元コードの外周に沿うように、前記消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に蛍光物質が配置される
請求項1乃至請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項10】
撮像部、表示部、二次元コードにコード化されたURLを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末を用いることにより、消火器の消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に配置された二次元コードを撮像する工程と、
前記復号手段及び前記通信手段により、前記URLに基づいて通信ネットワークを介して、前記消火器の使用方法を説明する情報、前記消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、前記消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び前記消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報を蓄積するデータベースを有するサーバーに接続する工程と、
前記URLに基づき、前記携帯端末によって前記サーバーに接続されることにより、前記静的情報が前記携帯端末に提供される情報提供工程とを含む、
情報提供方法。
【請求項11】
撮像部、表示部、二次元コードにコード化されたURLを復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末を用いることにより、消火器の消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に配置された二次元コードを撮像する工程と、
前記復号手段及び前記通信手段により、前記URLに基づいて通信ネットワークを介して、前記消火器の使用方法を説明する情報、前記消火器の性能を説明する情報、火災現場から避難する際の注意事項を説明する情報、前記消火器が不法投棄されている場合の連絡先の情報、及び前記消火器の二酸化炭素排出量の情報を含む群から選ばれる少なくとも2つの静的情報を蓄積するデータベースを有するサーバーに接続する工程と、
前記URLに基づき、前記携帯端末によって前記サーバーに接続されることにより、前記携帯端末に前記静的情報の目次が提供される第1情報提供工程と、
前記携帯端末によって前記目次の中から選択された1つ又は複数の目次が前記サーバーに送信されることにより、前記選択された1つ又は複数の目次の詳細情報である静的情報が前記携帯端末に提供される第2情報提供工程とを含む
情報提供方法。
【請求項12】
撮像部、表示部、二次元コードにコード化されたURL及び消火器識別情報を復号化する復号手段、及び通信手段を備えた携帯端末を用いることにより、消火器の消火剤貯蔵容器の表面上又はその上方に配置された二次元コードを撮像する工程と、
前記復号手段及び前記通信手段により、前記URLに基づいて通信ネットワークを介して、前記消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、前記消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、前記消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、前記消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、及び前記消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの静的情報を蓄積するデータベースを有するサーバーに接続する工程と、
前記URLに基づき、前記携帯端末によって前記サーバーに接続されることにより、前記静的情報が前記携帯端末に提供される情報提供工程とを含む、
情報提供方法。
【請求項13】
前記二次元コードに、さらに消火器識別情報がコード化される
請求項10又は請求項11に記載の情報提供方法。
【請求項14】
前記静的情報が、前記消火器の配置位置からの避難経路を説明する情報、前記消火器の配置位置の最寄りの避難場所を説明する情報、前記消火器の近隣にある他の消火器の位置を説明する情報、前記消火器がその耐用年数を超えているか否かを説明する情報、及び前記消火器が適切に点検されたものであるか否かを説明する情報を含む群から選ばれる少なくとも1つの情報をさらに含む
請求項13に記載の情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−34496(P2011−34496A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182492(P2009−182492)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(391008320)株式会社初田製作所 (78)
【Fターム(参考)】