説明

情報提供システム及び方法並びに情報提供用プログラム

【課題】 利用者が有するチケットの目的地に関する多様な情報を、利用者が容易に取得することができるシステムを提供すること。
【解決手段】 チケットの記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を読み取って、予め目的地に関する情報が提供情報として記憶された提供情報記憶手段から読み取った搭乗情報中の目的地に対応する提供情報を抽出し、この抽出された提供情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムにかかり、特に、交通機関の目的地に関する情報を提供するシステムに関する。また、情報提供方法及び情報提供用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の飛行機の搭乗券や電車の乗車券などには、バーコードやICタグが装備され、これらの情報記録媒体に搭乗便や目的地などの電子的データが記録されている(特許文献1参照)。そして、かかる情報を読み取る装置を改札機に装備することで、利用者への自動対応を可能とし、手続きの簡素化、迅速化を図っている。また、チケットへの変更情報の記録も容易となる。
【0003】
また、上述したようにチケットに記録された目的地情報を有効利用すべく、かかる情報を読み取って、その目的地に関するプロモーション情報をプリントアウトしたり、電子データにてユーザのコンピュータに送信し、提供するシステムが特許文献2に開示されている。具体的には、利用者はキーボードに対して直接目的地情報を入力したり、あるいは、チケット上のバーコードから読み取りデバイスにて読み取り、この読み取った目的地情報に対応する予め記憶されているプロモーション情報を読み出して、プリントアウトするなどして利用者に出力する。あるいは、利用者のコンピュータにHTTPや電子メールにて配信する。
【0004】
【特許文献1】特開2001−243502号公報
【特許文献2】特表2003−534607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例では以下のような不都合があった。すなわち、上述した特許文献1のシステムにおいてチケットに記録された目的地情報を読み取って当該目的地に関するプロモーション情報をプリントアウトする場合には、利用者はプロモーション情報を迅速に取得することができず、映像などによる詳細な情報の取得が困難である。また、利用者のコンピュータに対してプロモーション情報を提供する場合には、当該利用者のコンピュータからプロモーションを配信するサーバにアクセスして、目的地情報をキーボードなどで入力しなければならず、利用者にとって不便である、という問題が生じる。また、電子メールで利用者のコンピュータにプロモーション情報を提供する場合には、予め利用者の電子メールアドレスが登録されていなければならず、事前登録の手間などが生じうる。
【0006】
このため、本発明では、上記従来の有する不都合を改善し、特に、利用者が有するチケットの目的地に関する多様な情報を、利用者が容易に取得することができるシステムを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明の一形態である情報提供システムは、
チケットの記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を読み取って、予め目的地に関する情報が提供情報として記憶された提供情報記憶手段から読み取った搭乗情報中の目的地に対応する提供情報を抽出し、この抽出された提供情報を表示することを特徴としている。
【0008】
また、情報提供システムの他の形態として、
搭乗する交通機関を特定する搭乗情報が記憶された記憶部を有するチケットと、表示画面と情報演算手段とを有する表示手段と、搭乗情報に含まれる目的地に関する提供情報を記憶する提供情報記憶手段と、を備え、
表示手段が、チケットの記憶部から搭乗情報を読み取る読取手段を備えると共に、
情報演算手段が、読取手段にて読み取った搭乗情報中の目的地に対応する提供情報を提供情報記憶手段から抽出して表示画面に表示する提供情報表示手段を備えた、ことを特徴としている。
【0009】
これにより、表示手段が、チケットの記憶部に記憶された搭乗情報を当該チケットから直接読み取り、その目的地に関する情報を提供情報記憶手段から抽出して表示する。従って、利用者は、チケットから搭乗情報を読み取った表示手段にて、直接的かつ迅速に、交通機関に搭乗する前に目的地の情報を取得することができ、利便性の向上を図ることができる。また、提供情報が表示手段の表示画面に表示されるため、映像での表示が可能となり、多様な態様での情報提供が可能となり、利用者の更なる利便性の向上を図ることができる。
【0010】
また、表示手段は、交通機関に関連する場所に設置された設置端末である、ことを特徴としている。これにより、交通機関を利用する利用者は、チケットの対象となっている便に搭乗する施設や、その施設に向かう他の施設に設置された端末にて、搭乗前に目的地の情報を取得することができる。
【0011】
また、表示手段は、利用者が操作する情報処理端末である、ことを特徴としている。このとき、表示手段である情報処理端末は携帯型情報処理端末である、ことを特徴としている。これにより、利用者はいかなる場所においても容易にチケットの目的地の情報を取得することができる。
【0012】
また、チケットの記憶部はRFIDタグにて形成されており、表示手段の読取手段はRFIDタグを読み取り可能である、ことを特徴としている。また、チケットの記憶部はバーコードにて形成されており、表示手段の読取手段はバーコードを読み取り可能である、ことを特徴としている。このとき、提供情報記憶手段は、提供情報と共に当該提供情報を特定するための予め定められたバーコードを記憶し、表示手段の提供情報表示手段が、表示する提供情報と共に当該提供情報を特定するバーコードを表示する、ことを特徴としている。これにより、チケットに記憶する情報の信頼性が高まり、また、情報の多様性を図ることができる。さらに、提供情報表示手段に提供情報にかかるバーコードが表示されるため、このバーコードを携帯端末等で画像として撮影し、これに基づいて提供情報を特定して要求することができ、携帯端末にて提供情報の取得が容易となる。
【0013】
また、上記構成に加え、
交通機関の予約状況情報を記憶した予約状況記憶手段を備え、
表示手段が、チケットの搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける変更入力受付手段を備えると共に、
情報演算手段が、受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを予約状況記憶手段内の予約状況情報に基づいて判断して当該予約状況情報に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更手段を備えた、ことを特徴としている。
【0014】
これにより、利用者が、表示手段にて容易にチケットの予約変更手続きを行うことができるため、提供された目的地の情報に基づいて変更を行うことができ、より利便性の向上を図ることができる。
【0015】
また、上記構成において、表示手段は、チケットの投入を受け付ける投入受付手段と、予約変更手段によって行われた搭乗予約の変更に基づいてチケットに対して当該変更した搭乗情報を記憶する搭乗情報書換手段を備えた、ことを特徴としている。
【0016】
これにより、目的地の変更をチケットに記録することができるため、チケットの発行手続きの迅速化、簡素化を図ることができる。また、書き換えられた搭乗情報に対しても、上述同様に、目的地の提供情報を要求することが可能となる。
【0017】
また、本発明の他の形態である情報提供装置は、
チケットに装備された記憶部に記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を記憶部から読み取る読取手段と、所定の情報を表示する表示画面と、所定の情報を処理する情報演算手段と、を備え、
情報演算手段が、予め目的地に関する提供情報が記憶された提供情報記憶手段から読取手段にて読み取った搭乗情報中の目的地に対応する提供情報を抽出して表示画面に表示する提供情報表示手段、を備えたことを特徴としている。
【0018】
また、チケットの搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける変更入力受付手段を備えると共に、
情報演算手段が、受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを交通機関の予約状況情報を記憶した予約状況記憶手段内の予約状況情報に基づいて判断して当該予約状況情報に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更手段を備えた、ことを特徴としている。
【0019】
また、本発明の他の形態である情報提供方法は、
チケットに装備された記憶部から所定の情報を読み取る読取部と、所定の情報を表示する表示画面と、を備えたコンピュータの情報演算手段にて所定の情報を提供する方法であって、
読取部を介してチケットの記憶部に記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を読み取る読取工程と、予め目的地に関する提供情報が記憶された提供情報記憶手段から読取工程にて読み取られた搭乗情報中の目的地に対応する提供情報を抽出して表示画面に表示する提供情報表示工程と、を有することを特徴としている。
【0020】
また、提供情報表示工程の後に、入力部を介してチケットの搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける変更入力受付工程と、この受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを交通機関の予約状況情報を記憶された予約状況記憶手段内の予約状況情報に基づいて判断して当該予約状況情報に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更工程と、を有することを特徴としている。
【0021】
さらに、本発明の他の形態である情報提供用プログラムは、
チケットに装備された記憶部から所定の情報を読み取る読取部と、所定の情報を表示する表示画面と、を備えたコンピュータに、
読取部を介してチケットの記憶部に記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を読み取る読取手段と、予め目的地に関する提供情報が記憶された提供情報記憶手段から読取手段にて読み取られた搭乗情報中の目的地に対応する提供情報を抽出して表示画面に表示する提供情報表示手段と、を実現することを特徴としている。
【0022】
また、コンピュータに、入力部を介してチケットの搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける変更入力受付手段と、この受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを交通機関の予約状況情報を記憶された予約状況記憶手段内の予約状況情報に基づいて判断して当該予約状況情報に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更手段と、を実現することを特徴としている。
【0023】
上記構成の情報提供装置、方法、プログラムであっても、上述した情報提供用プログラムと同様に作用するため、上記目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、利用者は、チケットから搭乗情報を読み取った表示手段にて、直接的かつ迅速、さらには容易に、交通機関に搭乗する前に目的地に関する情報を取得することができ、利用者の利便性の向上を図ることができる、という従来にない優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、チケットに装備されたバーコードやRFIDタグなどの記憶部に記憶された交通機関の搭乗情報を読み取って、予め目的地に関する情報が提供情報として記憶された提供情報記憶手段から読み取った搭乗情報中の目的地に対応する提供情報を抽出し、この抽出された提供情報を表示する、ことを特徴としている。また、提供情報に基づく利用者によるチケットの変更要求を受け付ける、ことも特徴としている。以下、具体的な構成及び作用を各実施例にて説明する。
【実施例1】
【0026】
本発明の第一の実施例を、図1乃至図4を参照して説明する。図1乃至図3は、本発明の構成を示す図であり、図4は、本発明の動作を示す図である。
【0027】
[構成]
図1に、本発明である情報提供システムの構成の概略を示す。この図に示すように、情報提供システムは、搭乗する交通機関を特定する搭乗情報が記憶された記憶部11を有するチケット1と、表示画面2Aと演算部2B(情報演算手段)とを有するディスプレイ2(表示手段)と、このディスプレイ2にネットワークNを介して接続された搭乗情報に含まれる目的地に関する提供情報を記憶するコンテンツサーバ3(提供情報記憶手段)と、を備えている。以下、各構成について詳述する。
【0028】
<チケット>
チケット1は、交通機関である飛行機や新幹線等の乗車チケットであり、紙媒体やプラスチック媒体などで形成されている。そして、このチケット1上には、所定の情報を記憶することが可能な記憶部11であるRFIDタグ11が備えられており、航空(鉄道)会社名、出発地/到着地、予約情報(搭乗日、搭乗時間、便名)、その他付加情報などからなる搭乗情報が記憶されている。従って、このRFIDタグ11に記憶された搭乗情報は、後述するタグリーダ2Cにて読み出すことが可能となる。
【0029】
<ディスプレイ>
表示手段であるディスプレイ2は、交通機関に関連する場所に設置された設置端末であり、例えば、空港の待合室等に設置される表示画面2Aを有する大型ディスプレイである。そして、このディスプレイ2は、上述したように情報演算処理部である演算部2Bを備えており、いわゆるコンピュータにて構成されている。さらに、このディスプレイ2には、上記チケット1のRFIDタグ11に記憶された情報を読み取ることが可能なタグリーダ2C(読取手段)を備えている。従って、ディスプレイ2は、利用者によりチケット1がタグリーダ2Cの通信可能な範囲に提示されると、かかるタグ11から搭乗情報を読み取ることが可能である。
【0030】
また、ディスプレイ2の演算部2Bには、予め定められたプログラムが組み込まれることにより、読取情報取得部21と、コンテンツ要求部22と、コンテンツ受取部23と、表示処理部24と、が構築されている。これらの機能について説明すると、まず、読取情報取得部21は、上記タグリーダ11にて読み取ったチケット1のRFIDタグ11に記憶された搭乗情報を取得し、コンテンツ要求部22に通知する。そして、コンテンツ要求部22は、取得した搭乗情報をネットワークNを介してコンテンツサーバ3に送信し、当該コンテンツサーバ3に搭乗情報に関連する詳細情報であるコンテンツデータ(提供情報)を要求するよう作動する。例えば、搭乗情報中の目的地に対応する情報である当該目的地の天気情報や観光案内情報、さらには、目的地への到着予定時刻などを要求する。なお、要求するコンテンツデータは上記情報に限定されない。そして、コンテンツ受取部23は上記要求に対してコンテンツサーバ3から送信されたコンテンツデータを受信して表示処理部24に渡す機能を有しており、表示処理部24は、このコンテンツデータを表示画面2Aに表示する機能を有する。
【0031】
<ネットワーク>
ネットワークNは、インターネット等の通信ネットワークであり、携帯電話ネットワークや無線LANネットワーク等と相互接続し、これにより、上記ディスプレイ2とコンテンツサーバ3とが相互に通信可能となる。
【0032】
<コンテンツサーバ>
コンテンツサーバ3は、ワークステーション・サーバ等の情報処理装置であり、所定の情報演算処理を行う演算部3Aと、所定の情報を記憶するハードディスクなどの記憶部3Bとを有している。そして、演算部3Aには、所定のプログラムが組み込まれることにより、コンテンツ要求受付部31と、搭乗情報分析部32と、コンテンツ検索部33と、コンテンツ送信部34と、が構築されている。また、記憶部3Bには、運行情報記憶部35と、気象情報記憶部36と、観光情報記憶部37と、が形成されており、コンテンツデータベース3Bを構成している。
【0033】
ここで、上記各記憶部35,36,37に記憶されているコンテンツデータについて説明する。運行情報記憶部35には、飛行機の各便の運行(運航)情報、具体的には、各便の出発地や目的地、また各地に対する出発予定時刻、到着予定時刻などの運行情報が記憶されている。さらに、この運行情報には、運行の乱れに関する情報も適宜登録される。気象情報記憶部36には、出発地や目的地の天気や気温などの気象情報が記憶されている。観光情報記憶部37には、出発地や目的地の観光案内情報(静止画、動画、音声、これらの組み合わせの情報)などが記憶されている。なお、上記各情報は、上述したチケット1に記憶されている搭乗情報内の各情報(便名や目的地など)に対応して記憶されており、後述するように、利用者に提供されるコンテンツデータ(提供情報)である。また、記憶部3Bに記憶されている情報は上記情報に限定されず、主に、到着地(目的地)に関する他の情報が記憶されていてもよい。
【0034】
次に、演算部3Aに構築される上記各処理部31,32,33,34について説明する。コンテンツ要求受付部31は、上記ディスプレイ2のコンテンツ要求部22から搭乗情報を受け取って、この搭乗情報に関連するコンテンツデータの要求を受け付ける。そして、受け付けた搭乗情報を搭乗情報分析部32に通知する。搭乗情報分析部32は、通知を受けた搭乗情報を分析して、例えば、チケット1の便名や出発地/目的地などの情報を抽出し、コンテンツ検索部33に通知する。コンテンツ検索部33は、分析された搭乗情報に基づいて、対応するコンテンツデータを各記憶部35,36,37内から検索する。たとえば、便名や目的地に基づいて、目的地への到着予定時刻や当該目的地の到着日以降の天気予報、目的地の観光情報などの提供情報を抽出し、コンテンツ送信部34に通知する。コンテンツ送信部34は、搭乗情報に基づいて抽出された上記コンテンツデータを、ディスプレイ2のコンテンツ受取部23に送信する。これにより、上述したように、各コンテンツデータがディスプレイ2の表示画面2Aに表示されることとなる。
【0035】
[動作]
次に、上記構成の情報提供システムの動作を、図4のシーケンス図を参照して説明する。まず、コンテンツサーバ3は、図示しないが、予め飛行機の運行情報や各地の天気情報、さらには、各地の観光CM等の情報が登録されている。そして、これらコンテンツデータは、運行の乱れなどを表す運行状況や天気情報を定期的に更新している。また、ディスプレイ2のタグリーダ2Cは、常時、RFIDタグに記憶されているデータを読み取るべく読取信号を発している(ステップS1)。
【0036】
そして、利用者が飛行機の待ち時間などに搭乗する便に関するコンテンツの取得を希望して、空港内に設置されているディスプレイ2に対して、そのタグリーダ2Cの読み取り箇所にチケット1を翳すと、RFIDタグ11内に記憶されている搭乗情報(便名や出発地/到着時情報など)が当該タグリーダ2Cにて読み取られる(ステップS2)。
【0037】
続いて、ディスプレイ2は、チケット1から読み取った搭乗情報をコンテンツサーバ3に送信して、コンテンツデータを要求する(ステップS3)。すると、コンテンツサーバ3は、送信された搭乗情報内の到着地や便名等の情報をキーとして、コンテンツデータベース3B内から、到着予定時間や天気や観光CM等のコンテンツを検索する(ステップS4)。そして、検索されたコンテンツデータを、ディスプレイ2に送信する(ステップS5)。すると、ディスプレイ2は、コンテンツサーバ2から送信されたコンテンツデータを、表示画面2Aに表示する(ステップS6)。このとき、例えば、コンテンツデータである観光案内情報が動画と音声である場合には、ディスプレイ2には、かかる映像が表示されることとなる。
【0038】
これにより、利用者は、チケット1に記憶されている搭乗情報をディスプレイ2に読み込ませることにより、直ぐに目的地に関する情報を取得することができる。すなわち、容易かつ迅速に、目的地の情報を取得することができるため、飛行機などに搭乗する前の事前調査を行うことができ、利便性が増す。また、コンテンツデータが映像での表示も可能であるため、多様な態様で情報提供を受けることができる。
【0039】
ここで、上記では、チケット1から搭乗情報を読み取って、コンテンツデータを表示するディスプレイ2は空港などに設置されている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、空港への交通機関が通る駅などに設置されていてもよく、その他の場所に設置されていてもよい。これにより、利用者はあらゆる場所で上述したコンテンツデータを取得することができ、さらに利便性の向上を図ることができる。
【0040】
[変形例]
また、上記では、チケット1の記憶部11としてRFIDタグを例示したが、これに限定されない。例えば、チケット1に印刷された二次元バーコードを記憶部11として、当該チケット1に搭乗情報を記憶してもよい。そして、これに伴い、ディスプレイ2には、チケット1から搭乗情報を読み取る読取手段として、バーコードリーダを備えていてもよい。
【0041】
これにより、利用者が、ディスプレイ2に設置されたバーコードリーダにチケット1の二次元バーコード部分11を翳すことで、搭乗情報がディスプレイ2に読み取られ、上述同様に、コンテンツサーバ3を介してコンテンツデータが表示されることとなる。
【0042】
なお、チケット1には、RFIDタグとバーコードとの両方が備えられていて、それぞれに同一の搭乗情報が記憶されていてもよい。そして、いずれかに記憶されている情報がディスプレイ2に読み取られてもよい。
【実施例2】
【0043】
次に、本発明の第二の実施例を、図5を参照して説明する。図5は、本実施例における情報提供システムの構成を示す概略図である。
【0044】
本実施例では、上記実施例1にて説明したディスプレイ2が有する機能を、チケット1を有する利用者が操作する携帯電話4が備えている。また、チケット1に搭乗情報を記憶する記憶部が二次元バーコードである。その他は、上記実施例1のシステムとほぼ同様の構成を採っている。以下、詳述する。
【0045】
まず、チケット1上に印刷された二次元バーコード12には、上述したRFIDタグ11に記憶された搭乗情報と同一の情報、すなわち、搭乗する飛行機の便名や出発地/到着地(目的地)などの情報が記憶されている。但し、バーコードは二次元であることに限定されない。
【0046】
また、携帯電話4は、画像を取得する機能を有しており、すなわち、カメラ付き携帯電話である。そして、このカメラを用いて、チケット1上の二次元バーコード12を撮影して、当該チケット1に記憶されている搭乗情報を取得する。なお、カメラとは異なるバーコードリーダを装備して、チケット上から搭乗情報を取得してもよい。
【0047】
携帯電話4は、ネットワークNを介してコンテンツサーバ3に接続可能であり、上記読み取った搭乗情報を送信して、これに対応するコンテンツデータを要求する機能を有する。さらに、これに対応して取得したコンテンツデータを、自身の表示画面に表示する機能を有する。
【0048】
以上の構成により、利用者はいつでのどこでも目的地の情報を取得することができ、さらなる利便性の向上を図ることができる。なお、利用者が目的地の情報を取得する装置は携帯電話4であることに限定されず、自宅に設置されている固定のパーソナルコンピュータや、ノートパソコンやPDAなどの他のモバイル機器であってもよい。
【0049】
なお、上記携帯電話4にRFIDタグに記憶された情報を読み取るタグリーダを搭載してもよい。これにより、実施例1のようにRFIDタグ11が搭載されているチケット1に対しても、上述同様に携帯電話4にて搭乗情報に対応したコンテンツデータの提供を受けることが可能となる。
【実施例3】
【0050】
次に、本発明の第3の実施例を、図6乃至図7を参照して説明する。図6は、本実施例における情報提供システムの構成を示す概略図である。図7は、動作を示すシーケンス図である。
【0051】
[構成]
まず、図6に示すように、本実施例では実施例1とほぼ同様の構成を有しており、空港などに設置されているディスプレイ2にコンテンツデータを表示する、という構成を採っている。そして、さらに、利用者の携帯電話4にもコンテンツデータを表示可能な構成になっている。以下、詳述する。
【0052】
まず、本実施例のコンテンツサーバ3は、コンテンツデータと共に当該コンテンツデータを特定するための予め定められた二次元バーコードを記憶している。そして、ディスプレイ2からの要求に応じてコンテンツデータを送信する際に、これに対応するバーコードをも読み出してディスプレイ2に送信する。なお、この二次元バーコードには、コンテンツサーバ3へのアクセスアドレスや、関連付けられている上記コンテンツデータを特定する情報、さらには、当該コンテンツデータを要求する情報も組み込まれている。
【0053】
ここで、ディスプレイ2の表示画面2Aには、上記二次元バーコードがコンテンツデータと共に表示されることとなる(符号2Aa参照)。従って、利用者は、表示された二次元バーコードをカメラ付きの携帯電話4で画像として取得することができ、かかる二次元バーコードに記録されている情報に基づいてコンテンツサーバ3にアクセスし、コンテンツデータを要求することが可能である。
【0054】
また、コンテンツサーバ3は、上記二次元バーコード2Aaに基づいてアクセスしてきた携帯電話4に対して、二次元バーコード2Aaに対応するコンテンツデータを送信する機能を有する。さらには、上記二次元バーコード2Aaには、コンテンツデータベース3Bに記憶されているさらに詳細なコンテンツデータが関連付けられていて、かかるコンテンツデータも携帯電話4に送信するよう作動する。
【0055】
[動作]
次に、上記構成のシステムの動作を、図7を参照して説明する。まず、上述した図4と同様に、利用者が空港などに設置されたディスプレイ2にチケット1を翳して、RDIFタグ11に記憶された搭乗情報を読み取らせる。すると、ディスプレイ2はコンテンツサーバ3にコンテンツデータを要求する。これに応じて、コンテンツサーバ3では、目的地等に対応するコンテンツデータと共に記憶された二次元バーコードを読み出し、ディスプレイ2に送信する(ステップS11)。すると、ディスプレイ2には、コンテンツデータと共に、二次元バーコード2Aaが表示される(ステップS12)。
【0056】
続いて、利用者が、コンテンツデータを自己の携帯電話4でも閲覧したいと希望する場合や、さらに詳細なコンテンツデータの取得を希望する場合には、ディスプレイ2の表示画面2Aに表示されている二次元バーコード2Aaを携帯電話4のカメラにて撮影し、二次元バーコードに記憶されている情報を取得する(ステップS13)。そして、携帯電話4は、取得した情報に基づいてコンテンツサーバ3にアクセスしてコンテンツデータを要求する(ステップS14)。
【0057】
すると、コンテンツサーバ3では、二次元バーコード2Aaに対応したコンテンツデータをデータベース3Bから検索して抽出し(ステップS15)、携帯電話4に直接送信する(ステップS16)。これにより、利用者は取得したコンテンツデータを携帯電話4の表示画面に表示させることで(ステップS17)、後にディスプレイ2が設置されている場所から離れた場合でも、コンテンツデータを閲覧することができ、利用者の利便性が増す。
【実施例4】
【0058】
次に、本発明の第4の実施例を、図8乃至図10を参照して説明する。図8乃至図9は、本実施例におけるシステム構成を示す図であり、図10は、動作を示すシーケンス図である。
【0059】
[構成]
図8に、本実施例における情報提供システムの構成の概略を示す。この図に示すように、情報提供システムは、チケット1と、空港などに設置された表示画面5Aを有するディスプレイ5と、このディスプレイ5にネットワークを介して接続されコンテンツデータや予約状況データを記憶する予約サーバ6と、を備えている。以下、各構成について詳述する。
【0060】
まず、チケット1は、上述した実施例2のものとほぼ同様であり、二次元バーコード12が印刷されており、当該二次元バーコードには搭乗情報が含まれている。
【0061】
ディスプレイ5は、チケット1から搭乗情報を読み取ってこれに基づいてコンテンツデータを取得して表示する機能を有する、という基本的な構成は上述した実施例1のものと同一であるが、さらに、チケットの搭乗予約を変更するための構成を有する。以下、図5を参照してディスプレイ5の構成を詳細に説明する。
【0062】
図5に示すように、ディスプレイ5は、まず、上述したように表示画面5Aを有することはもちろんのこと、かかる表示画面5Aはタッチパネル5Aaの機能も有している。すなわち、表示画面に利用者が触れることで、種々の操作が可能である。また、チケット1を投入するチケット投入機5C(投入受付手段)が備えられている。このチケット投入機5Cは、チケットを回収する機能を有すると共に、回収したチケット1上の二次元バーコード12を読み取る機能であるバーコードリーダ5Caと、チケット1上に二次元バーコードを新たに印刷するバーコード印刷機5Cb(搭乗情報書換手段)を備えている。なお、ディスプレイ5は、新規にチケット1を発券する機能をも有しており、上記バーコード印刷機5Cbは、新規にチケット1を発券する際に搭乗情報を表す二次元バーコードを印刷するために用いられてもよく、あるいは、回収したチケット1に変更後の搭乗情報を表す二次元バーコードを印刷するために用いられてもよい。また、図示していないが、チケット1には搭乗情報を記憶するRFIDタグも備えられていてもよく、ディスプレイ5には、チケット1上のRFIDタグから搭乗情報を読み取ったり、書き込むタグリーダライタが備えられていてもよい。
【0063】
そして、ディスプレイ5の演算部5Bには、所定のプログラムが組み込まれることにより、読取情報取得部51と、コンテンツ要求部52と、コンテンツ受取部53と、表示処理部54と、が構築されている。これらの機能は、実施例1にて開示したものとほぼ同一であるため、その説明は省略する。また、演算部5Bには、上記タッチパネル5Aaを介して利用者にて入力されたチケット1の搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける予約変更受付部56(変更入力受付手段)と、受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを予約サーバ6に記憶されている予約状況データベース61に基づいて判断して当該予約状況データベース61に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更処理部57(予約変更手段)とが構築されている。これら各処理部について詳述する。
【0064】
上記搭乗予約変更受付部56は、予約サーバ6から予約状況データを取得して、表示処理部54を介して表示画面5Aに搭乗情報に対応する現在の予約状況を表す予約データを表示する。これに対して、利用者から予約変更要求がタッチパネル5Aaを介してなされると、これを受け付けて、予約サーバ6から主に空席状況を表す予約状況データを取得し、これを表示する。さらに表示された予約状況データに対して、利用者からタッチパネル5Aaを介して変更希望となる特定の便を指定されると、かかる情報を受け付けて、予約変更処理部57に通知する。そして、予約変更処理部57は、予約サーバ6内の予約状況データベースに対して変更した予約状況データを登録する。さらに、かかる予約に関する搭乗情報を二次元バーコード化して、バーコード印刷機5Cbに印刷指示を行う。これにより、チケット1には新たな変更後の予約にかかる搭乗情報の二次元バーコードが印刷され、当該チケット1はチケット投入機5Cから排出される。
【0065】
次に、本実施例の予約サーバ6について説明する。予約サーバ6は、ワークステーション・サーバ等の情報処理装置であり、上記実施例1にて説明したものと同様のコンテンツデータベース62を備えていて、搭乗情報に基づいてコンテンツデータをディスプレイ5に送信する。また、予約サーバ6は予約状況を記憶した予約データベース61(予約状況記憶手段)を備えており、各航空会社の飛行機の予約状況が登録されている。従って、この予約サーバ6は、上記ディスプレイ5や他の予約端末からの予約データの入力に応じて、予約データベース61の変更・追加・削除を行う。そして、特に予約サーバ6は、上述したディスプレイ5の予約変更受付部56からの搭乗情報に応じて、その利用者の予約状況を表す予約データを検索して通知する機能を有する。さらには、利用者からの予約希望情報をディスプレイ5の予約変更受付部56を介して受け付けて、かかる希望を満たす空席を検索して、その空席に関する予約状況データをディスプレイ5に通知する機能も有する。
【0066】
[動作]
次に、上記構成の情報提供システムの動作を、図10のシーケンス図を参照して説明する。まず、予約サーバ6は、図示しないが、予め飛行機の運行情報や観光CM等の情報が登録されており、運行の乱れなど運行状況や天気情報を定期的に更新している。また、各飛行機の予約状況も更新している。
【0067】
そして、利用者Uが飛行機の待ち時間などに搭乗する便に関するコンテンツの取得を希望して、ディスプレイ2のチケット投入機5Cにチケット1を投入すると(ステップS21)、当該チケット投入機5Cにてチケット1が受け付けられる(ステップS22)。その後、チケット投入機5C内に装備されたバーコードリーダ5Caに搬送され、チケット1に印刷された二次元バーコード12が読み取られる(ステップS23)。これにより、二次元バーコード12に表された搭乗情報(便名や出発地/到着時情報など)が、ディスプレイ5に取得されることとなる。
【0068】
続いて、ディスプレイ5は、チケット1から読み取った搭乗情報を予約サーバ6に送信して、コンテンツデータを要求する(ステップS24)。すると、予約サーバ6は、送信された搭乗情報内の到着地や便名等の情報をキーとして、コンテンツデータベース62内から、到着予定時刻や天気、観光CM等のコンテンツデータを検索する。そして、検索されたコンテンツデータを、ディスプレイ5に送信する(ステップS25)。すると、ディスプレイ5は、予約サーバ6から送信されたコンテンツデータを、表示画面5Aに表示する(ステップS26)。このとき、ディスプレイ5は、表示可能なコンテンツデータをメニュー表示すると共に、このメニューをタッチパネル5Aaにて操作可能なよう表示する。これにより、利用者Uがタッチパネル5Aaを操作することで、特に見たいコンテンツデータを選択して、表示画面5Aに表示させることができる。また、上記タッチパネル5Aaに表示される画面には、予約変更を要求するボタンもある。
【0069】
続いて、利用者Uは、予約便の目的地の天気や到着予定時刻などのコンテンツデータを閲覧して、予約便の変更を行うことを希望する場合には、表示画面5Aに表示されている予約変更要求ボタンをタッチパネル5Aaにて操作して、予約の変更を要求する(ステップS27)。このとき、変更する希望日時や目的地なども同時にタッチパネルから入力する。すると、ディスプレイ6の予約変更受付部56は、上記チケット1から読み取った搭乗情報に基づいて現在の予約データと、希望日時や目的地などを満たす空席状況を予約サーバ6に検索要求する(ステップS28)。これに応じて、予約サーバ6は、確認のために現在の予約データと、利用者が予約変更する候補となる空席を示す予約状況データを検索してディスプレイ6に送信すると(ステップS29)、ディスプレイ6にはこれらのデータが表示される(ステップS30)。
【0070】
続いて、利用者Uは、予約を変更する現在の予約データを確認し、変更を希望する便をタッチパネル5Aaにて選択することで、予約変更の入力を行う(ステップS31)。かかる予約変更入力を受けたディスプレイ5は、予約サーバ6に予約変更の処理を依頼する(ステップS32)。すると、これに基づいて予約サーバ6では、予約データベースの変更登録が行われ、その変更結果をディスプレイ5に通知する(ステップS33)。
【0071】
すると、ディスプレイ5では、変更された予約の搭乗情報を印刷するようバーコード印刷機5Cbに指示し、これにより予め投入されたチケット1の余白に、変更後の搭乗情報を表す二次元バーコード12が印刷される(ステップS34)。また、これと同時に、以前の予約にかかる二次元バーコードは読み取り不可能となるよう別途情報が書き込まれる。さらに、このとき、チケットにRFIDタグが備えられている場合には、予約変更後の二次元バーコードに記憶された搭乗情報と同一の情報が、ディスプレイ5にてRFIDタグにも書き込まれる。その後、チケット1がチケット投入機5Cから排出され、利用者Uの手元に渡る(ステップS35)。
【0072】
これにより、利用者が、提供された目的地のコンテンツデータに基づいて容易にチケットの予約変更を行うことができるため、より利便性の向上を図ることができる。また、目的地の変更をチケット1に記録することができるため、チケットの発行手続きの迅速化、簡素化を図ることができる。すなわち、係員が発券手続きを行う窓口に並ぶ必要はなく、また、人手による予約変更手続きが行われずに済むため、より効果的に発券手続きの迅速化を図ることができる。なお、チケット1に書き換えられた搭乗情報に対しても、上述同様に、ディスプレイ5や携帯電話4にて目的地のコンテンツデータの提供を受けることが可能となる。
【実施例5】
【0073】
次に、本発明の第5の実施例を、図11乃至図12を参照して説明する。図11は、本実施例におけるシステム構成を示す図であり、図12は、動作を示すシーケンス図である。そして、本実施例では、上記実施例4と同様にチケットの予約変更を行う構成であるが、携帯電話4にて変更を行う点で異なる。
【0074】
[構成]
図11に、本実施例における情報提供システムの構成の概略を示す。この図に示すように、情報提供システムは、チケット1と、空港などに設置された表示画面5Aを有するディスプレイ5と、このディスプレイ5にネットワークを介して接続されコンテンツデータや予約状況データを記憶する予約サーバ6と、利用者が操作する携帯電話4と、を備えている。以下、各構成について詳述する。
【0075】
まず、チケット1は、上述した実施例2のものとほぼ同様であり、二次元バーコード12が印刷されており、当該二次元バーコードには搭乗情報が含まれている。
【0076】
携帯電話4は、上記実施例2のものとほぼ同様の構成であり、カメラを備えていて、上記チケット1に印刷された二次元バーコード12を撮影し、搭乗情報を読み取る機能を有する。また、かかる搭乗情報に対応したコンテンツデータを、ネットワークNを介して予約サーバ6から取得する機能を有する。また、携帯電話4は、上記実施例4にて説明したディスプレイ5と同様に、予約サーバ6に対してチケット1の予約の変更を要求する機能も有する。すなわち、携帯電話4の操作部から予約サーバ6に対して予約変更要求を行う。さらに、これに対して、後述するように、変更された予約状況を特定する二次元バーコードが予約サーバ6から送信されるため、これを取得して記憶し、表示画面に表示させて、ディスプレイ5に読み取らせる機能を有する。
【0077】
予約サーバ6は、携帯電話4からの予約要求に応じて予約データベースへの予約変更登録を行う。なお、予約変更に関する機能は、上記実施例4にて説明したものと同様である。また、予約変更を行うと、変更にかかる予約を特定する二次元バーコードを発行し、予約データと関連付けて予約データベースに登録する。また、この二次元バーコードを予約変更した携帯電話4に送信する。
【0078】
ディスプレイ5は、上記実施例4の構成と同様に、チケット投入機5Cを装備しており、バーコード印刷機も装備している。また、二次元バーコードを読み取るバーコードリーダ5Dを備えており、携帯電話4の表示画面に表示される二次元バーコードを読み取る機能を有する。そして、この読み取った二次元バーコードを予約サーバ6に送信し、かかる予約の確認を行う機能を有すると共に、確認が取れた予約の内容を表す搭乗情報を二次元バーコード化して、投入されたチケット1にバーコード印刷機にて印刷する機能を有する。
【0079】
[動作]
次に、上記構成の情報提供システムの動作を、図12のシーケンス図を参照して説明する。かかる動作では、利用者は、空港などに行く前など、上述したディスプレイ5が設置されていない場所で目的地の天気などを調べ、それによっては目的地を変更することを希望していることとする。
【0080】
まず、利用者は、携帯電話4にてチケット1に印刷されている二次元バーコードを撮影し(ステップS41、図11の矢印Y1参照)、読み取った搭乗情報に基づいてネットワークNを介して目的地の天気などコンテンツデータの要求を行う(図12には図示せず、図11の矢印Y2参照)。その後、予約の変更を行うことを希望すると、コンテンツデータを取得すべくアクセスしている予約サーバ6に対して、携帯電話4の操作部を操作して予約変更要求を行う(ステップS42)。このとき、変更する希望日時や目的地なども同時に操作部から入力する。
【0081】
すると、予約サーバ6は、確認のために現在の予約データと変更の候補となる空席の予約状況データを検索して携帯電話4に送信すると(ステップS43)、携帯電話4の表示画面にかかるデータが表示される。これに対して、利用者は、予約を変更する現在の予約データを確認し、変更を希望する空席データを操作部にて選択することで、予約変更の入力を行う(ステップS44)。かかる予約変更入力を受けた予約サーバ6は、予約データベースの変更登録を行い(ステップS46)、変更された予約内容を特定する二次元バーコードを生成して、予約データベース61に登録しておくと共に、携帯電話4に送信する(ステップS47、図11の矢印Y2参照)。これにより、あらゆる場所において、利用者は当初の目的地に関する情報を取得することができ、これに応じてチケットの予約を変更することができる。
【0082】
その後、実際にチケット1を受け取る場合には、空港などのディスプレイ5が設置されている場所に行き(図11の矢印Y3参照)、現在所有しているチケット1をディスプレイ5のチケット投入機5Cに投入する(ステップS51、図11の矢印Y4参照)。続いて、携帯電話4に、予約サーバ6から送信された変更した予約を特定する二次元バーコードを表示させ(ステップS52)、ディスプレイ5のバーコードリーダ5Dに読み取らせる(ステップS53、図11の矢印Y5参照)。
【0083】
すると、ディスプレイ5は、読み取った二次元バーコードの情報を予約サーバ6に送信し、予約の確認を行う(ステップS54)。そして、予約サーバ6にて予約の確認が取れると(ステップS55)、ディスプレイ5は変更後の予約にかかる搭乗情報を二次元バーコード化して、バーコード印刷機5Cbに印刷するよう指示する。これにより予め投入されたチケット1に変更後の搭乗情報を表す二次元バーコード12が余白に印刷される(ステップS56)。また、これと同時に、以前の予約にかかる二次元バーコードは読み取り不可能となるよう別途情報が書き込まれる。さらに、このとき、チケットにRFIDタグが備えられている場合には、予約変更後の二次元バーコードに記憶された搭乗情報と同一の情報が、ディスプレイ5にてRFIDタグにも書き込まれる。その後、チケット1がチケット投入機5Cから排出され(図11の矢印Y4参照)、利用者Uの手元に渡る(ステップS57)。
【0084】
これにより、利用者が、携帯電話4を用いて遠隔にて予約変更を行うことが可能であり、かつ、そのチケット1の発券も確実となる。また、発券作業が簡素化され、発券時間の短縮化を図ることができる。
【実施例6】
【0085】
次に、本発明の第6の実施例を、図13を参照して説明する。図13は、本実施例における情報提供システムの構成を示す概略図である。本実施例では、上述したディスプレイ2,5に替わって、所定の窓口や案内所などに設置される窓口端末7が備えられている点で上記実施例とは構成が異なる。
【0086】
この窓口端末7は、預かっている荷物の管理などを行う業務サーバ8に接続されており、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、設置されている窓口等に在籍する係員に操作される端末である。そして、上述したディスプレイ2,5とほぼ同一の機能を有している。さらに、窓口端末7は、係員の指示に基づいて、接続されている他の業務サーバ8に指示を出すことができる。例えば、予約変更された利用者の荷物を載せる便の変更を指示することができる。
【0087】
以上より、利用者は上述したディスプレイ2,5を使用することなく、窓口の係員にチケットを渡し、その要求を指示することで、係員が窓口端末7にチケット1上の二次元バーコード12の情報を読み込ませる。以降は、上述したディスプレイ2,5同様の処理を実行し、窓口端末7から予約変更後のチケット1を発券する。
【0088】
また、例えば飛行機の手荷物をすでに預かっていた場合には、速やかに手荷物を載せる便を変更させるなど、窓口端末7は予約サーバ6だけでなく既存の業務サーバ8とも連携させることができ、業務の迅速化を図ることができる。
【実施例7】
【0089】
次に、本発明の第7の実施例について、図14を参照して説明する。図14は、本実施例における情報提供システムの構成を示す概略図である。本実施例では、上述したシステムとほぼ同一の構成を有しており、利用者に提供するコンテンツデータが種々のサーバから提供される点で異なる。すなわち、上記実施例では、予約サーバ3,6にてチケットの予約変更処理やコンテンツデータの提供処理を行っていたが、本実施例では、他のサーバから提供されるコンテンツもディスプレイ9を介して提供される。なお、ディスプレイ9は、上述した各実施例にて説明したディスプレイ2,5とほぼ同一の構成を採っている。以下、その構成を詳述する。
【0090】
本実施例においては、ディスプレイ9にネットワークNを介して接続されるサーバはポータルサーバ100であり、これを窓口としてディスプレイ9が他の予約サーバやコンテンツサーバ101,102等に接続される。あるいは、ディスプレイ9は、他のサイトのサーバ110とも接続されており、これらのサーバ110からも種々のコンテンツを取得することができる。
【0091】
動作を簡単に説明する。まず、ディスプレイ9は、チケット1の二次元バーコードやRFIDタグから搭乗情報を読み取ると、ポータルサーバ100に送信する。すると、ポータルサーバ100は、ディスプレイ9から受信した情報を予約サーバ6に送信し、これに対応して、当該予約サーバ6は上述同様に受信した搭乗情報に対応するコンテンツデータを送信したり、利用者からの予約変更を受け付ける。また、このポータルサーバ100は、他のコンテンツサーバ101,102にも搭乗情報を送信し、これに対応してコンテンツサーバ101,102は搭乗情報に対応するコンテンツデータを取得してディスプレイ9に送信する。例えば、コンテンツサーバ101が天気情報サーバであり、コンテンツサーバ102が観光情報サーバであってもよい。そして、予約サーバ6やコンテンツサーバ101,102から集めたコンテンツデータや予約データなどを、ポータルサーバ100がディスプレイ9に送信し、当該ディスプレイ9が利用者に対して表示することとなる。
【0092】
また同様に、ポータルサーバ100は、携帯電話4からの要求を受け付け、複数のサーバから情報を収集し、当該携帯電話4に送信する機能をも有する。なお、上記ポータルサーバ100は、自サイト内のサーバだけでなく、他サイトのサーバ110から情報を収集する機能をも有する。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、空港などに設置されている表示装置に組み込むことが可能であり、チケットの搭乗情報を読み取って利用者に目的地の情報を提供することができるシステムとして、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例1における構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1におけるディスプレイの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】実施例1におけるコンテンツサーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図4】実施例1における動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の実施例2における構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例3における構成を示すブロック図である。
【図7】実施例3における動作を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の実施例4における構成を示すブロック図である。
【図9】実施例4におけるディスプレイの構成を示す機能ブロック図である。
【図10】実施例4における動作を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の実施例5における構成を示すブロック図である。
【図12】実施例5における動作を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の実施例6における構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施例7における構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0095】
1 チケット
2,5 ディスプレイ(表示手段)
3 コンテンツサーバ(提供情報記憶手段)
11 RFIDタグ(チケットが有する記憶部)
12 バーコード(チケットが有する記憶部)
21,51 読取情報取得部
22,52 コンテンツ要求部
23,53 コンテンツ受取部
24,54 表示処理部(提供情報表示手段)
31 コンテンツ要求受付部
32 搭乗情報分析部
33 コンテンツ検索部
34 コンテンツ送信部
35 運行情報記憶部
36 気象情報記憶部
37 観光情報記憶部
56 予約変更受付部(変更入力受付手段)
57 予約変更処理部(予約変更手段)
2A,5A 表示画面
2B 演算部(表示手段が有する情報演算手段)
2C,5D タグリーダ(読取手段)
5Aa タッチパネル
5C チケット投入機(投入受付手段)
5Ca バーコードリーダ(読取手段)
5Cb バーコード印刷機(搭乗情報書換手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チケットの記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を読み取って、予め目的地に関する情報が提供情報として記憶された提供情報記憶手段から前記読み取った搭乗情報中の目的地に対応する前記提供情報を抽出し、この抽出された提供情報を表示することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
搭乗する交通機関を特定する搭乗情報が記憶された記憶部を有するチケットと、表示画面と情報演算手段とを有する表示手段と、前記搭乗情報に含まれる目的地に関する提供情報を記憶する提供情報記憶手段と、を備え、
前記表示手段が、前記チケットの記憶部から前記搭乗情報を読み取る読取手段を備えると共に、
前記情報演算手段が、前記読取手段にて読み取った搭乗情報中の目的地に対応する前記提供情報を前記提供情報記憶手段から抽出して前記表示画面に表示する提供情報表示手段を備えた、ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記交通機関に関連する場所に設置された設置端末である、ことを特徴とする請求項2記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記利用者が操作する情報処理端末である、ことを特徴とする請求項2記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記表示手段である情報処理端末は携帯型情報処理端末である、ことを特徴とする請求項4記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記チケットの記憶部はRFIDタグにて形成されており、前記表示手段の読取手段は前記RFIDタグを読み取り可能である、ことを特徴とする請求項2,3,4又は5記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記チケットの記憶部はバーコードにて形成されており、前記表示手段の読取手段は前記バーコードを読み取り可能である、ことを特徴とする請求項2,3,4,5又は6記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記提供情報記憶手段は、前記提供情報と共に当該提供情報を特定するための予め定められたバーコードを記憶し、
前記表示手段の提供情報表示手段が、前記表示する提供情報と共に当該提供情報を特定する前記バーコードを表示する、ことを特徴とする請求項7記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記交通機関の予約状況情報を記憶した予約状況記憶手段を備え、
前記表示手段が、前記チケットの前記搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける変更入力受付手段を備えると共に、
前記情報演算手段が、受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを前記予約状況記憶手段内の予約状況情報に基づいて判断して当該予約状況情報に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更手段を備えた、ことを特徴とする請求項2,3,4,5,6,7又は8記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記表示手段は、前記チケットの投入を受け付ける投入受付手段と、前記予約変更手段によって行われた搭乗予約の変更に基づいて前記チケットに対して当該変更した搭乗情報を記憶する搭乗情報書換手段を備えた、ことを特徴とする請求項9記載の情報提供システム。
【請求項11】
チケットに装備された記憶部に記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を前記記憶部から読み取る読取手段と、所定の情報を表示する表示画面と、所定の情報を処理する情報演算手段と、を備え、
前記情報演算手段が、予め目的地に関する提供情報が記憶された提供情報記憶手段から前記読取手段にて読み取った前記搭乗情報中の目的地に対応する前記提供情報を抽出して前記表示画面に表示する提供情報表示手段を備えた、ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項12】
前記チケットの前記搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける変更入力受付手段を備えると共に、
前記情報演算手段が、前記受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを前記交通機関の予約状況情報を記憶した予約状況記憶手段内の前記予約状況情報に基づいて判断して当該予約状況情報に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更手段を備えた、ことを特徴とする請求項11記載の情報提供装置。
【請求項13】
チケットに装備された記憶部から所定の情報を読み取る読取部と、所定の情報を表示する表示画面と、を備えたコンピュータの情報演算手段にて所定の情報を提供する方法であって、
前記読取部を介して前記チケットの記憶部に記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を読み取る読取工程と、予め目的地に関する提供情報が記憶された提供情報記憶手段から前記読取工程にて読み取られた前記搭乗情報中の目的地に対応する前記提供情報を抽出して前記表示画面に表示する提供情報表示工程と、を有することを特徴とする情報提供方法。
【請求項14】
前記提供情報表示工程の後に、入力部を介して前記チケットの前記搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける変更入力受付工程と、この受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを前記交通機関の予約状況情報を記憶された予約状況記憶手段内の前記予約状況情報に基づいて判断して当該予約状況情報に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更工程と、を有することを特徴とする請求項13記載の情報提供方法。
【請求項15】
チケットに装備された記憶部から所定の情報を読み取る読取部と、所定の情報を表示する表示画面と、を備えたコンピュータに、
前記読取部を介して前記チケットの記憶部に記憶された搭乗する交通機関を特定する搭乗情報を読み取る読取手段と、予め目的地に関する提供情報が記憶された提供情報記憶手段から前記読取手段にて読み取られた前記搭乗情報中の目的地に対応する前記提供情報を抽出して前記表示画面に表示する提供情報表示手段と、
を実現するための情報提供用プログラム。
【請求項16】
前記コンピュータに、
入力部を介して前記チケットの前記搭乗情報にて特定される搭乗予約の変更要求を受け付ける変更入力受付手段と、この受け付けた搭乗予約の変更が可能な否かを前記交通機関の予約状況情報を記憶された予約状況記憶手段内の前記予約状況情報に基づいて判断して当該予約状況情報に対して搭乗予約の変更処理を行う予約変更手段と、を実現するための請求項15記載の情報提供用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−155173(P2006−155173A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−344045(P2004−344045)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】