説明

情報提供システム及び方法

【課題】医用機器に生じた問題を解決するための時間と手間を削減することができる情報提供システム及び方法を提供する。
【解決手段】医用機器に接続された操作用コンピュータが、通信回線を介して接続されたサポート用コンピュータに対して情報の提供を求める情報提供システムであって、前記サポート用コンピュータは、前記医用機器に関する問題事例を定義した問題情報であって一の問題事例に対して少なくとも一の問題表現例を用いて定義された問題情報と、前記問題事例を解決するための解決情報と、が互いに関連付けられて格納された情報格納手段と、前記情報格納手段を検索する手段と、を備える。前記操作用コンピュータは、前記サポート用コンピュータに検索要求をして検索結果を受信する手段と、前記検索結果に関係する前記医用機器の箇所を特定し、前記箇所の状態情報を取得する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の操作方法やトラブルの解決方法をデータベースから提供する情報提供システム及び方法に係り、特に、病院などに設置された医用機器に生じた問題の解決情報が遠隔地にあるサポートセンタに設置されたデータベースから提供される技術に関する。
【背景技術】
【0002】
病院では、磁気共鳴撮影(MRI)システム、コンピュータ断層撮影(CT)システム、超音波撮影システム、X線撮影システム等の医用画像撮影装置の他、検体の分析を行う臨床検査システムや電子カルテシステム等の医用機器が院内ネットワークに接続されて利用されている。これらの医用機器のユーザは、その使用方法について疑問や問題をもったり、医用機器の操作について具体的な情報を欲したりする場合がある。この場合、ユーザは、説明書を参照して回答を得たり、また医用機器のサポートセンタに相談して回答を得たりすることができる。また、説明書を読んだりサポートセンタに連絡したりする手間を省略するための技術として、例えば、特許文献1には、医用機器のサポートセンタが、予め医用機器に関する問題情報及びその問題に対応した解決情報をデータベースに格納しておき、医用機器のユーザが前記データベースに医用機器に関する問題を照会して解決情報を得る問題照会システムに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−209724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されている問題照会システムには以下の欠点がある。例えば、「変な音がする」、「画像がちょっと歪む」といったようにあいまいな問題提起しかできない場合、ユーザがデータベースの検索キーに合致する質問文を書くのは難しい。また、データベース内の大量のデータから例えば「音」又は「画像」、「歪む」といった分割された語句を用いて解決情報を検索すると、大量の解決情報が表示される。その大量の解決情報のうち、どの解決情報が実際に生じている問題の解決情報に合致するのかをユーザが区別するのは困難である。その場合、結局ユーザがサポートセンタに電話をして問い合わせたり、更に医用機器のサービス員が来たりする必要が生じ、問題の解決までに時間がかかる。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、医用機器に問題が生じた場合に、ユーザが説明書を読んだり医用機器のサービス員を呼んだりするといった時間のかかる手段を使用せずに問題を解決するための解決情報を取得でき、問題解決にかかる時間及び手間を削減することができる情報提供システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明による情報提供システムは、医用機器に接続されて前記医用機器の操作を行う操作用コンピュータが、通信回線を介して接続されたサポート用コンピュータに対して情報の提供を求める情報提供システムであって、前記操作用コンピュータは、前記サポート用コンピュータに対して所望する情報を特定するための検索条件情報の入力を受付ける検索条件入力手段と、前記検索条件情報と、前記サポート用コンピュータに対して前記所望する情報の検索要求を行うための検索要求情報と、を前記サポート用コンピュータに送信する検索要求手段と、前記検索条件情報及び前記検索要求情報に基づいて前記サポート用コンピュータから提供される検索結果を受信するための検索結果受信手段と、前記検索結果に基づいて前記検索結果に関係する前記医用機器の箇所を特定し、前記箇所の状態情報を取得する状態情報取得手段と、を備え、前記サポート用コンピュータは、前記医用機器に関する問題事例を定義した問題情報であって一の問題事例に対して少なくとも一の問題表現例を用いて定義された問題情報と、前記問題事例を解決するための解決情報と、が互いに関連付けられて格納された情報格納手段と、前記操作用コンピュータから受信した前記検索条件情報及び前記検索要求情報に基づいて前記情報格納手段を検索し、少なくとも一の前記解決情報を検索結果として抽出する検索手段と、前記検索結果を前記操作用コンピュータに対して送信する検索結果送信手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記操作用コンピュータは、前記状態情報を前記サポート用コンピュータに送信する状態情報送信手段を更に備え、前記サポート用コンピュータは、前記状態情報を受信し、前記検索手段に出力する状態情報処理手段を更に備え、前記検索手段は、入力された前記状態情報を検索条件情報として前記情報格納手段を検索する。
【0007】
更に好ましくは、前記操作用コンピュータは、前記検索条件情報と前記検索結果と前記状態情報とを備えた電子メールを作成する電子メール作成手段と、前記電子メール作成手段が作成した電子メールを前記サポート用コンピュータに送信する電子メール送信手段と、を更に備え、前記サポート用コンピュータは、受信した前記電子メールを転送するあて先となる電子メールアドレスが格納された電子メールアドレス格納手段と、前記電子メールアドレス格納手段を参照し、受信した前記電子メールを前記あて先となる電子メールアドレスに対して転送する電子メール転送手段と、を更に備える。
【0008】
また本発明にかかる情報提供方法は、医用機器に接続されて前記医用機器の操作を行う操作用コンピュータが、通信回線を介して接続されたサポート用コンピュータに対して情報の提供を求める情報提供方法であって、前記医用機器に関する問題事例を定義した問題情報であって一の問題事例に対して少なくとも一の問題表現例を用いて定義された問題情報と、前記問題事例を解決するための解決情報と、が互いに関連付けられて前記サポート用コンピュータに備えられた情報格納手段に格納される工程と、前記操作用コンピュータが、前記サポート用コンピュータに対して所望する情報を特定するための検索条件情報の入力を受付ける工程と、前記操作用コンピュータが、前記検索条件情報と、前記サポート用コンピュータに対して前記所望する情報の検索要求を行うための検索要求情報と、を前記サポート用コンピュータに送信する工程と、前記サポート用コンピュータが、前記操作用コンピュータから受信した前記検索条件情報及び前記検索要求情報に基づいて前記情報格納手段を検索し、少なくとも一の前記解決情報を検索結果として抽出する工程と、前記サポート用コンピュータが、前記検索結果を前記操作用コンピュータに対して送信する工程と、前記操作用コンピュータが、前記検索結果を受信する工程と、前記操作用コンピュータが、前記検索結果に基づいて前記検索結果に関係する前記医用機器の箇所を特定し、前記箇所の状態情報を取得する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、医用機器に問題が生じた場合に、ユーザが説明書を読んだり医用機器のサービス員を呼んだりするといった時間のかかる手段を使用せずに解決情報を取得でき、問題解決にかかる時間及び手間を削減することができる情報提供システム及び方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面に従って本発明に係る情報提供システム及び方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0011】
図1は、問題照会システム10の概略構成図である。この問題照会システム10は、各病院に設置された院内システム20、50、60と、サポートセンタシステム30とを備える。院内システム20、50、60は、インターネット等の公衆回線網や専用回線網からなる外部ネットワーク40によりサポートセンタシステム30と接続される。
【0012】
サポートセンタシステム30は、サポートセンタにいるサポート員が操作するサポートセンタ用コンピュータ31と、サポートの対象となる医用機器の情報を格納したサポートセンタ用データベースサーバ32とを備える。サポートセンタ用コンピュータ31は、センタ内ネットワーク(LAN)33を介してサポートセンタ用データベースサーバ32に接続される。サポートセンタにいるサポート員は、サポートセンタ用コンピュータ31を操作することによって、サポートセンタ用データベースサーバ32に対して情報の入力や更新を行う。センタ内ネットワーク33は、通信モジュール34を介して外部ネットワーク40に接続される。本実施例においては、医用機器の情報は、サポートセンタ用データベースサーバ32に格納されているが、図示はしないものの、サポートセンタ用コンピュータ31がデータ記憶装置を備え、そのデータ記憶装置に医用機器の情報が格納されてもよい。
【0013】
院内システム20は、被検体の医用画像を撮影するためのX線撮影装置、X線CT装置、MRI装置、超音波撮影装置等の医用画像撮影装置22、26と、それらの医用画像撮影装置22、26に接続されて医用画像撮影装置22、26の操作を行うための操作用コンピュータ21、25とを備える。操作用コンピュータ21、25は、院内ネットワーク(LAN)23に接続される。院内ネットワーク23は、通信モジュール24を介して、外部ネットワーク40に接続される。
【0014】
本実施の形態においては医用機器の例として医用画像撮影装置22、26としたが、その他の医用機器、例えば、患者から採取した検体の分析検査を行うための検体検査機器や電子カルテシステム等の医用機器でもよい。また、院内システム20は、複数の医用画像撮影装置22、26を備えたが、単数の医用機器を備えていてもよい。また、院内システム50、60も、院内システム20と同様の構成である。
【0015】
次に図2に基づいて、操作用コンピュータ21の各構成要素を説明する。
【0016】
操作用コンピュータ21は、主として、各構成要素の動作を制御する中央処理装置(CPU)71と、操作用コンピュータ21に接続された医用画像撮影装置22や問題照会システムの制御プログラムが格納された主メモリ72と、問題照会プログラムや自己診断プログラム等が格納されたデータ記録装置73と、問題照会プログラムの問題照会画面やサポートセンタ用データベースサーバ32から提供された解決情報を表示する解決情報表示画面用データを一時記憶する表示メモリ74と、この表示メモリ74からの表示用データに基づいて問題照会画面や解決情報表示画面を表示するモニタ75と、モニタ75の画面上のソフトスイッチを操作するためのマウス、トラックボール、タッチパネル等のポインティングデバイス76及びポインティングデバイスコントローラ77と、各種パラメータ設定用のキーやスイッチを備えたキーボード78と、操作用コンピュータ21を院内ネットワーク23に接続するための通信インターフェース(以下「通信I/F」と記載する。)79と、上記各構成要素を互いに接続するデータバス80とから構成される。データ記録装置73は、操作用コンピュータ21に内蔵又は外付けされたメモリ、磁気ディスク等の記憶装置や、取り出し可能な外部メディアに対してデータの書き込み及び読み出しを行う装置や、外部記憶装置とネットワークを介してデータを送受信する装置などでも良い。操作用コンピュータ25は、操作用コンピュータ21と同様の構成である。
【0017】
次に図3に基づいてサポートセンタ用データベースサーバ32について説明する。
【0018】
サポートセンタ用データベースサーバ32は、問題情報と解決情報とを互いに関連付けて格納した解決情報データベース35を備える。また、サポートセンタ用データベースサーバ32は、過去に販売された製品に関する製品情報と、サポートセンタシステム30に外部ネットワーク40を介して接続された医用画像撮影装置22、26に固有のメンテナンス情報とを格納した機器情報データベース36を備える。さらにサポートセンタ用データベースサーバ32は、サポートセンタシステム30が受信した電子メールの転送先を格納したメールアドレスデータベース37を備える。
【0019】
解決情報データベース35は、問題情報を格納した問題情報テーブルと、解決情報を格納した解決情報テーブルと、問題情報及び解決情報を互いに関連付けて格納した解決指示テーブルとを備える。
【0020】
問題情報テーブルには、医用画像撮影装置22、26のユーザが遭遇すると想定される問題事例であって、一の問題事例が複数の問題表現例によって定義された問題情報が格納される。例えば「画像が歪む」という問題事例に対して「画像」、「画像が歪む」、「画像がぶれる」といった異なった文字列からなる複数の問題表現例からなる問題情報が格納される。同一の問題事例を示す問題表現例は、同一の問題コードに関連付けられて格納される。
【0021】
解決情報テーブルは、問題事例を解決するための操作方法や調査必要箇所を定義した解決情報と、解決情報に対応した記号からなる解決情報コードとが互いに関連付けられて格納される。
【0022】
解決指示テーブルには、問題コードと解決情報コードとが互いに関連付けられて格納される。さらに、この解決指示テーブルは、その解決情報が過去に選択された回数を格納するための選択カウントレコードを備える。そして、複数の解決情報が候補にあがった場合には、この選択カウントレコードを参照し、過去に選択された回数が多いものから順に解決情報として提供する。
【0023】
機器情報データベース36は、過去に販売された医用画像撮影装置の製品情報、例えば機種番号、システムバージョン、パッチ情報、撮像視野パラメータ値等の仕様情報を格納した製品情報テーブルを備える。
【0024】
また機器情報データベース36は、サポートセンタ用データベースサーバ32に接続された個々の医用画像撮影装置22、26に固有の情報、例えばID(製造番号)、機種番号、システムバージョン、パッチ更新履歴、前回照会日時、所在地等を格納したメンテナンス情報テーブルを備える。
【0025】
メールアドレスデータベース37には、サポートセンタ用データベースサーバ32に接続された操作用コンピュータ21、25のメールアドレスが受信アドレスとして格納される。さらに、その受信アドレスから受け取った電子メールを転送する相手先、例えばサポートセンタ用コンピュータ31、担当サービス員の携帯端末装置などの電子メールアドレスが送信アドレスとして格納される。この送信アドレスは、一の受信アドレスに対して複数あってもよい。
【0026】
なお、図示はしないものの、サポートセンタ用データベースサーバ32は、上記の解決方法データベース35、機器情報データベース36、及びメールアドレスデータベース37を検索処理するための検索エンジンを備える。
【0027】
上記解決情報データベース35、機器情報データベース36、及びメールアドレスデータベース37に所定のアクセス権限を設定して、そのアクセス権限がある者のみがデータの入力及び更新を行えるようにしてもよい。特に、解決情報データベース35へのデータ入力及び更新は、医用画像撮影装置22、26の操作を熟知した者が行うことが好ましい。
【0028】
図4は、以上のように構成された問題照会システム10によってユーザが問題照会を行う際のサポートセンタ用コンピュータ31、サポートセンタ用データベースサーバ32、操作用コンピュータ21、医用画像撮影装置22の間の動作手順を示すシーケンス図である。なお、ユーザは、操作用コンピュータ25及び医用画像撮影装置26についても、操作用コンピュータ21及び医用画像撮影装置22と同様の処理手順に従ってサポートセンタ用データベースサーバ32に対して問題照会を行うことができる。
【0029】
まず、ユーザが、操作用コンピュータ21において問題照会プログラムを起動すると、例えば図5のような問題照会画面501がモニタ75に表示される(S201)。次に、ユーザは、問題照会の検索条件情報となるキーワードを入力する。ユーザは、キーワード入力が終了し、例えば図5の問題照会画面501に備えられた問題照会開始ボタン504をクリックすることにより、サポートセンタ用データベースサーバ32に対する検索要求情報を入力し、サポートセンタ用データベースサーバ32に対して問題照会要求を行う(S202)。操作用コンピュータ21は、医用画像撮影装置22のID、入力されたキーワード、及び検索要求情報をサポートセンタ用データベースサーバ32に送信する(S203)。
【0030】
サポートセンタ用データベースサーバ32は、操作用コンピュータ21から受信した情報に基づいて解決情報データベース35及び機器情報データベース36を検索する。そして、解決情報及び問題を解決するために調査が必要と考えられる医用画像撮影装置22の調査必要箇所を検索結果として抽出し、検索結果を操作用コンピュータ21に送信する(S204)。操作用コンピュータ21は、サポートセンタ用データベースサーバ32から受信した検索結果を、例えば図6に示す解決情報表示画面601としてモニタ75に表示する(S205)。
【0031】
ユーザは、その表示された解決情報及び調査必要箇所の表示に基づいて問題解決を試みる。そして、表示された解決情報を実行した結果、問題が解決された場合(S206)は、ユーザは、ユーザが実行した解決情報を示すための選択情報を操作用コンピュータ21に入力する。操作用コンピュータ21は、その選択情報をサポートセンタ用データベースサーバ32に送信した後、待機状態となる(S207)。サポートセンタ用データベースサーバ32は、解決情報データベース35が備える解決指示テーブルの選択カウントレコードの値を「1」更新することにより選択情報の保存を行う。その後待機状態となる(S208)。
【0032】
S205で表示された解決情報によりユーザが問題を解決できない場合(S206)には、ユーザは、操作用コンピュータ21に自己診断処理を開始するための自己診断要求情報を入力する(S209)。この自己診断処理については後で詳述する。
【0033】
操作用コンピュータ21は、医用画像撮影装置22の状態情報を検出し(S210)、その状態情報を取得した後、サポートセンタ用データベースサーバ32に送信する(S211)。サポートセンタ用データベースサーバ32は、受信した状態情報に基づいて解決情報データベース35及び機器情報データベース36を検索し、解決情報及び調査必要箇所を抽出し、抽出した解決情報及び調査必要箇所を自己診断結果として操作用コンピュータ21に送信する(S212)。操作用コンピュータ21は、受信した自己診断結果を、例えば図7の自己診断結果表示画面701としてモニタ75に表示する(S213)。
【0034】
その自己診断結果によりユーザが問題を解決できた場合(S214)には、操作用コンピュータ21は、S207と同様、ユーザが実行した解決情報を指定するための選択情報が入力され、その選択情報をサポートセンタ用データベースサーバ32に送信し、待機状態となる(S215)。サポートセンタ用データベースサーバ32は、受信した選択情報を保存した後、待機状態になる(S216)。
【0035】
S213において自己診断結果として表示された解決情報及び調査必要箇所によってはユーザが問題を解決できなかった場合(S214)には、ユーザは、操作用コンピュータ21に電子メール作成指示を行う。操作用コンピュータ21は、キーワード、解決情報及び調査必要箇所、自己診断結果を含んだ電子メールを作成し、サポートセンタ用データベースサーバ32に対して送信する(S217)。サポートセンタ用データベースサーバ32は、メールアドレスデータベース37を参照し、操作用コンピュータ21から受信した電子メールを転送先として登録された電子メールアドレスへ転送する(S218)。その電子メールを受信したサポートセンタ用コンピュータ31の操作者やサポート員は、新たな解決情報を操作用コンピュータ21に送信したり、訪問する必要がある場合にはその日時等を連絡したりする(S219)。
【0036】
以下、本問題照会システム10において使用される画面表示例について詳述する。
【0037】
図5は、問題照会プログラムを起動させたときに、操作用コンピュータ21のモニタ75に表示される問題照会画面501である。この問題照会画面501は、Webブラウザ又はその他のアプリケーションにより提供される。この問題照会画面501は、問題照会を行うための検索条件情報を入力するためのキーワード入力フォーム502を備える。ユーザは、このキーワード入力フォーム502に、問題照会をしたいキーワードとなる文字列、例えば「画像が歪む」を入力する。さらに、問題照会画面501は、検索条件情報を追加して絞込検索をするため絞込検索入力フォーム503を備える。キーワード入力フォーム502に入力されたキーワードだけでは検索条件情報が広すぎる場合には、ユーザは、必要に応じて絞込検索入力フォーム503に文字列を入力し、検索条件情報を追加することができる。
【0038】
問題照会画面501は、サポートセンタ用データベースサーバ32に対して入力されたキーワードと検索要求情報とを送信するための問題照会開始ボタン504を備える。また、問題照会画面501は、問題照会プログラムを終了するための問題照会終了ボタン505を備える。問題照会開始ボタン504及び問題照会終了ボタン505は、画面上に表示されたソフトボタン(アイコン)として形成される。ユーザは、このアイコンをクリックすることにより問題照会開始ボタン504及び問題照会終了ボタン505を操作する。
【0039】
問題照会開始ボタン504がクリックされると、操作用コンピュータ21は、医用画像撮影装置22のIDやバージョン情報などの問題照会に必要な情報を取得する。これらの情報は、問題照会開始ボタン504が押されたときに、操作用コンピュータ21が医用画像撮影装置22から取得してもよいし、予めデータ記録装置73にこれらの情報を格納しておき、データ記録装置73から読み出してもよい。そして、操作用コンピュータ21は、取得した情報と問題照会画面501で入力されたキーワードと検索要求情報とをサポートセンタ用データベースサーバ32に送信する。
【0040】
図6は、操作用コンピュータ21のモニタ75に表示される解決情報表示画面601の一例である。
【0041】
この解決情報表示画面601では、操作用コンピュータ21が受信した解決情報及び調査必要箇所が表示される。解決情報表示画面601は、表示された解決情報によって問題が解決できなかった場合に医用画像撮影装置22の自己診断プログラムを起動するための自己診断開始ボタン602と、問題照会プログラムを終了するための問題照会終了ボタン605とを備える。さらに解決情報表示画面601は、ユーザがその解決情報を実行したことを示す選択情報を入力するための選択情報チェックボタン604を備える。
【0042】
ユーザは、表示された解決情報を実行した場合には、この選択情報チェックボタン604にチェックをする。ユーザは複数の解決情報を実行する場合もあるため、選択情報チェックボタン604は、選択した解決情報全てについてチェックを入力できるよう形成される。ユーザは、選択情報チェックボタン604にチェックをした後、解決情報表示画面601に備えられた問題照会終了ボタン605をクリックする。操作用コンピュータ21は、選択情報をサポートセンタ用データベースサーバ32に送信し、問題照会プログラムを終了する。そして、操作用コンピュータ21は待機状態になる。
【0043】
一方、選択情報を受信したサポートセンタ用データベースサーバ32は、解決情報データベース35の解決指示テーブルのうち、該当する解決情報の選択カウント値を「1」更新する。
【0044】
解決情報表示画面601に表示された解決情報によっては問題が解決されない場合には、ユーザは、解決情報表示画面601に備えられた自己診断開始ボタン602をクリックし、自己診断プログラムを起動させる。以下、自己診断プログラムの処理について説明する。
【0045】
自己診断プログラムが起動すると、操作用コンピュータ21は、キーワード、解決情報、及び調査必要箇所を参照し、医用画像撮影装置22の自己診断を行う。具体的には、操作用コンピュータ21は、医用画像撮影装置22のうち、キーワード、解決情報、及び調査必要箇所に関係する箇所を特定し、その箇所の状態情報やパラメータ値を検出し、取得する。例えば、図7の例では、「画像が歪む」というキーワード及び「各パラメータの値は適切ですか」という解決情報に対して、自己診断プログラムは、撮像視野パラメータ値及びパッチ情報が問題解決に必要なパラメータであると特定する。そして、操作用コンピュータ21が、医用画像撮影装置22の撮像視野パラメータ値及びパッチ情報を検出し、取得する。そして、操作用コンピュータ21は、取得した撮像視野パラメータ値及びパッチ情報をサポートセンタ用データベースサーバ32に送信する。
【0046】
サポートセンタ用データベースサーバ32は、受信した撮像視野パラメータ値及びパッチ情報と、機器情報データベース36の製品情報テーブルに格納された撮像視野パラメータ値及びパッチ情報とを比較する。サポートセンタ用データベースサーバ32は、医用画像撮影装置22のパラメータ値が最大値であると判定した場合には、解決指示テーブルを参照し「撮像視野パラメータの値が最大です。値を小さくすることにより解決する場合があります。」という解決情報を操作用コンピュータ21に送信する。
【0047】
また、サポートセンタ用データベースサーバ32が、パッチプログラム(サービスパック)が最新のものではないと判定した場合には、「最新のサービスパックに更新されていません。更新しますか?」という解決情報を送信する。操作用コンピュータ21は、その解決情報とともに、サポートセンタシステム30に対して最新のパッチプログラム(サービスパック)のダウンロードを要求するためのアイコンをモニタ75に表示する。
【0048】
上記のように、複数の解決情報がある場合には、解決情報表示画面601には、それらの解決情報が、問題を解決できる可能性が高い順に並べて表示される。この可能性の序列を判定する基準は、解決指示テーブルの選択カウントの値が大きい順としてもよいし、調査必要箇所としてより多くの複数の解決情報に含まれる順としてもよい、
また操作用コンピュータ21は、自己診断プログラムとして予め各パラメータ毎にパラメータ値を修正するための自動修正プログラムを備えておき、キーワード及び解決情報を参照し、どの自動修正プログラムを起動させるか判断しても良い。例えば、キーワードが「画像が歪む」であり、かつ、その解決情報として「各パラメータの値は適切ですか」とある場合、操作用コンピュータ21は、撮像視野パラメータの自動修正プログラムを選択し、医用画像撮影装置22の撮像視野パラメータ値を自動修正してもよい。
【0049】
図7は、自己診断の結果として抽出した解決情報が、モニタ75に自己診断結果表示画面701として表示された例である。
【0050】
自己診断結果表示画面701は、問題が解決した場合に問題照会プログラムを終了させるための解決ボタン702と、問題が解決しない場合に操作用コンピュータ21からサポートセンタ用データベースサーバ32に電子メールを送信するための未解決ボタン703とを備える。また、自己診断結果表示画面701は、図6と同様に、選択情報チェックボタン704を備える。
【0051】
ユーザは、問題が解決した場合には、該当する解決情報に対応した選択情報チェックボタン704をチェックし、解決ボタン702をクリックする。操作用コンピュータ21は、選択情報をサポートセンタ用データベースサーバ32に送信し、問題照会プログラムを終了する。操作用コンピュータ21は、自己診断プログラムが医用画像撮影装置22のパラメータ値を修正した場合には、パラメータ値を修正したという情報もサポートセンタ用データベースサーバ32に送信する。
【0052】
ユーザは、自己診断結果に基づいて問題が解決できない場合には、未解決ボタン703をクリックする。操作用コンピュータ21は、キーワード、解決情報、及び自己診断結果を含んだ電子メールを作成し、サポートセンタ用データベースサーバ32に送信する。サポートセンタ用データベースサーバ32は、受信した電子メールをメールアドレスデータベース37に登録された電子メールアドレスに対して転送する。
【0053】
上記の実施の形態においては、操作用コンピュータ21が、解決情報表示画面601や自己診断結果表示画面701をモニタ75に表示している。しかし、操作用コンピュータ21が処理を進める上で、ユーザに判断を求める必要がない場合には、解決情報や調査必要箇所を表示させなくてもよい。
【0054】
また上記の実施の形態においては、操作用コンピュータ21が自己診断プログラムを備えたが、サポートセンタ用データベースサーバ32が自己診断プログラムを備えてもよい。また、上記実施の形態においては、図6に示すように自己診断開始ボタン602を備え、自己診断要求をユーザが行うこととしたが、自己診断プログラムは、ユーザが問題照会プログラムを起動させると、自動的に起動するように構成されてもよい。この場合には、ユーザが図5のキーワード入力フォーム502にキーワードを入力した後問題照会開始ボタン504をクリックすると、操作用コンピュータ21又はサポートセンタ用データベースサーバ32が、医用画像撮影装置22の調査必要箇所に関係するパラメータ値や状態情報の検出を行い、その状態情報を検索条件情報に追加して解決情報を検索する。
【0055】
サポートセンタ用データベースサーバ32は、各医療機関に設置された医用画像撮影装置に関する問題照会を受け付けるため、問題照会に使われたキーワードとそのキーワードに対して提供された解決情報とが集積され随時更新される。そのため、最新情報を利用して問題照会プログラムを実行することができ、医用画像撮影装置の問題解決の迅速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明に係る問題照会システムの実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】図2は操作用コンピュータのハードウェア構成を説明する概念図である。
【図3】図3はサポートセンタ用データベースサーバに格納されたデータベースの構造を説明する概念図である。
【図4】図4は本実施の形態にかかる問題照会方法の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図5】図5は問題照会画面の一例を示す概念図である。
【図6】図6は解決情報表示画面の一例を示す概念図である。
【図7】図7は自己診断結果表示画面の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0057】
10…問題照会システム、20…院内システム、21…操作用コンピュータ、22…医用画像撮影装置、23…院内ネットワーク、24…通信モジュール、25…操作用コンピュータ、26…医用画像撮影装置、30…サポートセンタシステム、31…サポートセンタ用コンピュータ、32…サポートセンタ用データベースサーバ、33…センタ内ネットワーク、34…通信モジュール、40…外部ネットワーク、50…院内システム、60…院内システム、71…CPU、72…主メモリ、73…データ記録装置、74…表示メモリ、75…モニタ、76…ポインティングデバイス、77…ポインティングデバイスコントローラ、78…キーボード、79…通信I/F、80…データバス、



【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用機器に接続されて前記医用機器の操作を行う操作用コンピュータが、通信回線を介して接続されたサポート用コンピュータに対して情報の提供を求める情報提供システムであって、
前記操作用コンピュータは、
前記サポート用コンピュータに対して所望する情報を特定するための検索条件情報の入力を受付ける検索条件入力手段と、
前記検索条件情報と、前記サポート用コンピュータに対して前記所望する情報の検索要求を行うための検索要求情報と、を前記サポート用コンピュータに送信する検索要求手段と、
前記検索条件情報及び前記検索要求情報に基づいて前記サポート用コンピュータから提供される検索結果を受信するための検索結果受信手段と、
前記検索結果に基づいて前記検索結果に関係する前記医用機器の箇所を特定し、前記箇所の状態情報を取得する状態情報取得手段と、を備え、
前記サポート用コンピュータは、
前記医用機器に関する問題事例を定義した問題情報であって一の問題事例に対して少なくとも一の問題表現例を用いて定義された問題情報と、前記問題事例を解決するための解決情報と、が互いに関連付けられて格納された情報格納手段と、
前記操作用コンピュータから受信した前記検索条件情報及び前記検索要求情報に基づいて前記情報格納手段を検索し、少なくとも一の前記解決情報を検索結果として抽出する検索手段と、
前記検索結果を前記操作用コンピュータに対して送信する検索結果送信手段と、を備える、
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記操作用コンピュータは、前記状態情報を前記サポート用コンピュータに送信する状態情報送信手段を更に備え、
前記サポート用コンピュータは、前記状態情報を受信し、前記検索手段に出力する状態情報処理手段を更に備え、
前記検索手段は、入力された前記状態情報を検索条件情報として前記情報格納手段を検索する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記操作用コンピュータは、
前記検索条件情報と前記検索結果と前記状態情報とを備えた電子メールを作成する電子メール作成手段と、
前記電子メール作成手段が作成した電子メールを前記サポート用コンピュータに送信する電子メール送信手段と、を更に備え、
前記サポート用コンピュータは、
受信した前記電子メールを転送するあて先となる電子メールアドレスが格納された電子メールアドレス格納手段と、
前記電子メールアドレス格納手段を参照し、受信した前記電子メールを前記あて先となる電子メールアドレスに対して転送する電子メール転送手段と、を更に備える、
ことを特徴とする請求項2記載の情報提供システム。
【請求項4】
医用機器に接続されて前記医用機器の操作を行う操作用コンピュータが、通信回線を介して接続されたサポート用コンピュータに対して情報の提供を求める情報提供方法であって、
前記医用機器に関する問題事例を定義した問題情報であって一の問題事例に対して少なくとも一の問題表現例を用いて定義された問題情報と、前記問題事例を解決するための解決情報と、が互いに関連付けられて前記サポート用コンピュータに備えられた情報格納手段に格納される工程と、
前記操作用コンピュータが、前記サポート用コンピュータに対して所望する情報を特定するための検索条件情報の入力を受付ける工程と、
前記操作用コンピュータが、前記検索条件情報と、前記サポート用コンピュータに対して前記所望する情報の検索要求を行うための検索要求情報と、を前記サポート用コンピュータに送信する工程と、
前記サポート用コンピュータが、前記操作用コンピュータから受信した前記検索条件情報及び前記検索要求情報に基づいて前記情報格納手段を検索し、少なくとも一の前記解決情報を検索結果として抽出する工程と、
前記サポート用コンピュータが、前記検索結果を前記操作用コンピュータに対して送信する工程と、
前記操作用コンピュータが、前記検索結果を受信する工程と、
前記操作用コンピュータが、前記検索結果に基づいて前記検索結果に関係する前記医用機器の箇所を特定し、前記箇所の状態情報を取得する工程と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−12030(P2006−12030A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191373(P2004−191373)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】