説明

情報提供システム及び方法

【課題】GPSによらず現在位置に対応した情報を提供する。
【解決手段】カード型端末20と、無線LAN30と、サーバ40とを有し、無線LAN30と、サーバ40とが通信網50に接続されている情報提供システム1であって、
サーバ40は、URLで指定されるコンテンツを管理する手段を有し、
カード型端末20は、無線LAN30の個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する手段と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる手段と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバ40から取得して表示する手段とを有することを特徴とする情報提供システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPSにより取得した位置情報に対応する配信情報を提供するシステムが知られている(引用文献1参照)。しかしながら、GPSは屋内では使えない。
【0003】
また従来から、非接触通信技術を利用して携帯端末に個人に特化した情報を提供するシステムが知られている(引用文献2参照)。しかしながら、このシステムは、個人の現在位置に対応する情報を提供できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−217789号公報
【特許文献2】特開2003−244059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は斯かる背景技術に鑑みてなされたもので、GPSによらず現在位置に対応した情報を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明において上記課題を解決するために、まず請求項1の発明では、カード型端末と、無線LANと、サーバとを有し、無線LANと、サーバとが通信網に接続されている情報提供システムであって、
サーバは、URLで指定されるコンテンツを管理する手段を有し、
カード型端末は、無線LANの個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する手段と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる手段と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバから取得して表示する手段とを有することを特徴とする情報提供システムとしたものである。
【0007】
また請求項2の発明では、ゲートと、カード型端末と、無線LANと、サーバとを有し、無線LANと、サーバとが通信網に接続されている情報提供システムであって、
サーバは、URLで指定されるコンテンツを管理する手段を有し、
ゲートは、無線LANの個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する手段と、この情報を非接触でカード型端末に送信する手段と、
カード型端末は、この情報を非接触でゲートから受信する手段と、受信した情報を記憶する手段と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる手段と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバから取得して表示する手段とを有することを特徴とする情報提供システムとしたものである。
【0008】
また請求項3の発明では、個々のアクセスポイントごとのコンテンツは、個々のアクセスポイント周辺の地図データであることを特徴とする請求項1又は2記載の情報提供シス
テムとしたものである。
【0009】
また請求項4の発明では、カード型端末と、無線LANと、サーバとを有し、無線LANと、サーバとが通信網に接続されているシステムで行なわれる方法であって、
サーバは、URLで指定されるコンテンツを管理する工程を行い、
カード型端末は、無線LANの個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する工程と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる工程と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバから取得して表示する工程とを行なうことを特徴とする情報提供方法としたものである。
【0010】
また請求項5の発明では、ゲートと、カード型端末と、無線LANと、サーバとを有し、無線LANと、サーバとが通信網に接続されているシステムで行なわれる方法であって、
サーバは、URLで指定されるコンテンツを管理する工程を行い、
ゲートは、無線LANの個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する工程と、この情報を非接触でカード型端末に送信する工程とを行い、
カード型端末は、この情報を非接触でゲートから受信する工程と、受信した情報を記憶する工程と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる工程と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバから取得して表示する工程とを行うことを特徴とする情報提供方法としたものである。
【0011】
また請求項6の発明では、個々のアクセスポイントごとのコンテンツは、個々のアクセスポイント周辺の地図データであることを特徴とする請求項4又は5記載の情報提供方法としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、カード型端末が、接続できたアクセスポイントのコンテンツをサーバから取得して表示するので、GPSによらず現在位置に対応した情報を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】情報提供システムの構成例を示す図。
【図2】ゲートの構成例を示す図。
【図3】カード型端末の構成例を示す図。
【図4】デジタルサイネージエリアの構成例を示す図。
【図5】個々のアクセスポイントを識別するSSIDと、個々のアクセスポイント周辺の地図データのURLとの組のリストの例を示す図。
【図6】カード型端末を持ってデジタルサイネージエリアに入り歩き回るときになされる処理の流れの例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
【0015】
本実施形態は、図1に示すように、ゲート10と、カード型端末20と、無線LAN(Local Area Network)30と、サーバ40とを有する情報提供システム1であって、無線LAN30と、サーバ40とはインターネット等の通信網50に接続されている。
【0016】
無線LAN30は、図4に示すように、デジタルサイネージエリア60に、複数のアクセスポイント32を有し、個々のアクセスポイント32は、個々の電波到達エリア31が、互いに重ならず、デジタルサイネージエリア60全体を覆うように配置されている。
【0017】
ゲート10は、例えば、デジタルサイネージエリア60の入口に配置されていてもよい。
【0018】
ゲート10は、図2に示すように、リーダライタ11と、記憶部12とを有する。
【0019】
リーダライタ11は、図3に示すカード型端末20の非接触通信部23との間で、非接触のデータ通信を行い、記憶部12に記憶されている情報を、非接触通信部23に送信する装置である。この非接触のデータ通信は、NFC(Near Field Communication)規格のピアツーピア(P2P)通信によるものが、Aタイプ、Bタイプ、フェリカタイプの何れにも対応できるので好ましい。
【0020】
記憶部12は、情報を記憶する装置である。記憶部12に記憶される情報には、例えば、個々のアクセスポイント32に接続して通信を確立するのに、カード型端末20で設定が必要となる、個々のアクセスポイント32ごとの設定情報、そして、図5に示すような、個々のアクセスポイント32を識別するSSIDと、個々のアクセスポイント32ごとのコンテンツのURLとの組のリストなどがある。
【0021】
設定情報には、例えば、SSID(Service Set IDentifier)、鍵などの情報がある。ここで、SSIDは、個々のアクセスポイント32の識別子である。また、鍵は、暗号化通信を行なう際に必要となる情報である。例えば、このような鍵には、WPA(Wi−Fi Protected Access 2)で規定される鍵がある。
【0022】
また、個々のアクセスポイント32ごとのコンテンツには、例えば、図5に示すような、個々のアクセスポイント32周辺の地図データ、この周辺に展示されている物品のリストなどの情報が挙げられる。
【0023】
尚、ゲート10の代わりに、記憶装置を備えるリーダライタを用い、この記憶装置に、記憶部12に記憶される情報を記憶してもよい。
【0024】
カード型端末は、図3に示すように、CPU21と、無線LAN通信部22と、非接触通信部23と、不揮発性メモリ24と、バッファメモリ25と、表示デバイス26と、キーパッド27とを有する。
【0025】
CPU21は、不揮発性メモリ24から種々のプログラムをロードし、ロードしたプログラムに従って処理を行なう装置である。
【0026】
無線LAN通信部22は、アンテナを内蔵し、アクセスポイント32を介して無線LAN30でデータ通信をする装置である。
【0027】
非接触通信部23は、非接触ICチップとアンテナとを有し、リーダライタ11と、非接触のデータ通信を行なう装置である。この非接触ICチップは、NFC(Near Field Communication)規格のピアツーピア(P2P)通信に対応したものが、Aタイプ、Bタイプ、フェリカタイプの何れにも対応できるので好ましい。
【0028】
不揮発性メモリ24は、種々のメモリ及びプログラムを永続的に記憶する装置である。
【0029】
バッファメモリ25は、表示デバイス26で表示する情報を一時的に記憶する装置である。
【0030】
表示デバイス26は、バッファメモリ25に一時的に記憶されている情報を表示する装置である。
【0031】
キーパッド27は、データを入力する装置である。
【0032】
サーバ40は、URLで指定されるコンテンツを保存し管理するサーバである。
【0033】
以下に、カード型端末20を持ってデジタルサイネージエリア60に入り歩き回るときになされる処理の流れの例を、図6のフローチャートに従って説明する。
【0034】
S(STEP)1;
カード型端末20をゲート10にタッチする。
【0035】
S(STEP)2;
リーダライタ11は、記憶部12から、個々のアクセスポイント32と接続して通信を確立するのに、カード型端末20で設定が必要となる、個々のアクセスポイント32ごとの設定情報、及び、個々のアクセスポイント32を識別するSSIDと、個々のアクセスポイント32ごとのコンテンツのURLとの組のリストを含む情報を読み出して、カード型端末20の非接触通信部23に送信する。
【0036】
S(STEP)3;
カード型端末20は、非接触通信部23にて、上記設定情報及び上記リストを含む情報を受信して、不揮発性メモリ24に記憶する。
【0037】
S(STEP)4;
カード型端末20は、上記リストから最初のSSIDを読み出す。
【0038】
S(STEP)5;
読み出したSSIDで識別されるアクセスポイント32の設定情報を用いて、読み出したSSIDで識別されるアクセスポイント32との接続を試み、
接続できなかった場合は、STEP6に進み、
接続できた場合は、STEP7に進む。
【0039】
S(STEP)6;
カード型端末20は、上記リストから次のSSIDを読み出し、STEP5に戻る。
【0040】
S(STEP)7;
カード型端末20は、現在いるエリアを、接続できたアクセスポイント32の電波到達エリア31と特定する。
【0041】
S(STEP)8;
カード型端末20は、上記リストから、接続できたアクセスポイント32のSSIDと組になっているURLを読み出す。
【0042】
S(STEP)9;
カード型端末20は、読み出したURLで指定されるコンテンツを、サーバから取得して表示する。このコンテンツには、例えば、図5に示すような、個々のアクセスポイント32周辺の地図データ、この周辺に展示されている物品のリストなどの情報が挙げられる。
【0043】
尚、個々のアクセスポイント32と接続して通信を確立するのに、カード型端末20で設定が必要となる、個々のアクセスポイント32ごとの設定情報、及び、個々のアクセスポイント32を識別するSSIDと、個々のアクセスポイント32ごとのコンテンツのURLとの組のリストを含む情報は、予め不揮発性メモリ24に記憶していてもよく、或いは、この情報を、キーパッド27、又は、キーパッド27以外の入力装置をカード型端末に設けることにより、入力して不揮発性メモリ24に記憶していてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…情報提供システム
10…ゲート
11…リーダライタ
12…記憶部
20…カード型端末
21…CPU
22…無線LAN通信部
23…非接触通信部
24…不揮発性メモリ
25…バッファメモリ
26…表示デバイス
27…キーパッド
30…無線LAN
31…電波到達エリア
32…アクセスポイント
40…サーバ
50…通信網
60…デジタルサイネージエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード型端末と、無線LANと、サーバとを有し、無線LANと、サーバとが通信網に接続されている情報提供システムであって、
サーバは、URLで指定されるコンテンツを管理する手段を有し、
カード型端末は、無線LANの個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する手段と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる手段と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバから取得して表示する手段とを有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
ゲートと、カード型端末と、無線LANと、サーバとを有し、無線LANと、サーバとが通信網に接続されている情報提供システムであって、
サーバは、URLで指定されるコンテンツを管理する手段を有し、
ゲートは、無線LANの個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する手段と、この情報を非接触でカード型端末に送信する手段と、
カード型端末は、この情報を非接触でゲートから受信する手段と、受信した情報を記憶する手段と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる手段と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバから取得して表示する手段とを有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
個々のアクセスポイントごとのコンテンツは、個々のアクセスポイント周辺の地図データであることを特徴とする請求項1又は2記載の情報提供システム。
【請求項4】
カード型端末と、無線LANと、サーバとを有し、無線LANと、サーバとが通信網に接続されているシステムで行なわれる方法であって、
サーバは、URLで指定されるコンテンツを管理する工程を行い、
カード型端末は、無線LANの個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する工程と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる工程と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバから取得して表示する工程とを行なうことを特徴とする情報提供方法。
【請求項5】
ゲートと、カード型端末と、無線LANと、サーバとを有し、無線LANと、サーバとが通信網に接続されているシステムで行なわれる方法であって、
サーバは、URLで指定されるコンテンツを管理する工程を行い、
ゲートは、無線LANの個々のアクセスポイントごとの設定情報及びコンテンツのURLを含む情報を記憶する工程と、この情報を非接触でカード型端末に送信する工程とを行い、
カード型端末は、この情報を非接触でゲートから受信する工程と、受信した情報を記憶する工程と、順番に、個々のアクセスポイントごとの設定情報を用いて、個々のアクセスポイントとの接続を試みる工程と、接続できたアクセスポイントのコンテンツを、このコンテンツのURLで指定してサーバから取得して表示する工程とを行うことを特徴とする情報提供方法。
【請求項6】
個々のアクセスポイントごとのコンテンツは、個々のアクセスポイント周辺の地図データであることを特徴とする請求項4又は5記載の情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−16107(P2013−16107A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149919(P2011−149919)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】