説明

情報提供システム

【課題】 個人間通信における通信相手に対して身元を証明するシステムを提供する。
【解決手段】 本発明の情報提供システムは、生体認証情報51と個人情報52とを対応付けて記憶するデータベース21、生体認証情報51を送信することで個人情報52の送信を指示する電話機11、この電話機11からの指示に基づき生体認証情報51に対応付けられた個人情報52を電話機12に送信するサーバ14、このサーバ14から送信された個人情報52を受信する電話機12を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記憶装置、情報送信指示装置、情報受信装置および情報提供装置を含む情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体認証を用いて本人確認を行う本人確認システムが存在していた(例えば、特許文献1)。しかしながら、これは通信相手を認証するものではない。
【0003】
通信相手を認証する技術としては、ファクシミリという限られた分野において、送信側と受信側のユーザをそれぞれ登録することで通信相手を認証するシステムが存在していた(例えば、特許文献2)。しかしながら、これはユーザが登録されていなければ、全ての認証が拒否されるため、実用的とはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−143136号公報
【特許文献2】特開2008−40912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電話回線、インターネット回線を通した電話による通信や電子メール通信等、不特定多数の相手と通信可能な既存の個人間通信方法における通信相手の信頼性に関する課題を述べる。以降、このような通信の総称を"個人間通信"とする。
【0006】
現在の個人間通信においては、通信相手が本当に通信しようとしている本人であるかどうか、金銭の授受が生じるケースにおいて信頼できる相手かどうか、特に通信相手が意図的に騙そうとしている場合においては、通信システム上、確実に通信相手の身元を証明できるような認証を行う術がなく、ステップを踏まずに安易に通信相手を信頼してしまった場合、最悪のケース、金銭の授受においてトラブルが発生する可能性があるという問題点がある。例として、現在社会問題となっている"振り込め詐欺"のケースが該当する。
【0007】
また、近年においてはインターネット通信を介した地図提供サービス向上により、住所入力によってその住所の場所を地図上にピンポイントで表示するだけでなく、その住所の場所の画像を簡単に見ることが可能なサービスも登場した。例として、"ストリートビュー"が該当する。住所情報は、本来、郵送物・配達物が届くようにするため、あるいは本人の身元証明を行うために相手に開示するものであって、その住所の場所の画像をその本人に通知されることなく相手に見せることまでは想定しておらず、セキュリティ上、重大な問題があると考える。
【0008】
ただし、前記のサービスにおいて、住所の場所の画像を相手に見せる事によって、その相手からみれば通信相手を信頼するためのひとつの情報となりうるものであり、個人間通信における通信相手の身元証明の信頼度をあげることができるため、前記サービスを一律に禁止するよりかは、見せる相手を限定するシステムを構築することができればセキュリティ上の問題はクリアできる。しかしながら、現在はそのようなシステムは無いという問題点がある。
【0009】
したがって、従来技術では個人間通信における通信相手の身元をその通信システム上で証明する術が無いという問題点があった。また、個人間通信における通信相手に対して自らの身元をその通信システム上で証明する術が無いという問題点があった。
【0010】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、個人間通信における通信相手に対して身元を証明するシステムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、記憶装置、情報送信指示装置、情報受信装置および情報提供装置を含む情報提供システムであって、
前記記憶装置は、認証情報とその認証情報に対応付けられた秘密情報とを記憶し、
前記情報送信指示装置は、前記認証情報を送信することにより前記秘密情報の送信を指示し、
前記情報提供装置は、前記情報送信指示装置からの指示に基づき前記認証情報に対応付けられた前記秘密情報を前記情報受信装置に送信し、
前記情報受信装置は、前記情報提供装置から送信された前記秘密情報を受信することを特徴とする情報提供システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、通信相手の身元を間違いなく把握したうえで通信することができ、特に金銭授受のトラブルを防ぐという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1に係る情報提供システムのネットワーク構成を示す図である。
【図2】実施の形態2に係る情報提供システムのネットワーク構成を示す図である。
【図3】実施の形態3に係る情報提供システムのネットワーク構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報提供システムのネットワーク構成を示す図である。個人間通信における通信相手に対して身元を証明するシステムを、電話システムに応用した例を示している。発信者1が着信者2に対して電話による発信を行った場合の例について示している。本システムを運用するためのデータベースとして、個人情報認証データベース21(記憶装置)を構築する。個人情報認証データベース21は、発信者1における生体認証情報51(認証情報)と個人情報52(秘密情報)を括りつけて、つまり対応付けて記憶し管理するものである。個人情報認証データベース21に発信者1の生体認証情報51と個人情報52を登録するための手順例として、発信者1は認証情報入力端末22を用いて生体認証情報51を入力する。発信者1の個人情報52は、第3者である管理者3が発信者1の身元をあらかじめ証明された情報について生体認証情報51に括り付けて個人情報入力端末23により、生体認証情報51+個人情報52を個人情報認証データベース21に登録する。
【0015】
なお、生体認証情報51とは、指紋認証や、手のひらや指の血管の形を読み取る静脈認証等、一般的に個人の生体情報によって識別できる生体認証情報とする。また、個人情報52とは、例えば、人の名前、性別、生年月日、顔写真、住所、電話番号、職種、勤務先情報、通学先情報等とし、通信相手となる着信者2に対してすべて通知する義務は負わないものとする。
【0016】
次に、発信者1から着信者2に対して、通話を行う際に身元を証明する個人情報52を通知する仕組みの例について説明する。
【0017】
発信者1は、生体認証情報51を入力することができる電話機11(情報送信指示装置)を用いて、発信者の個人情報52を通知することができる電話機12(情報受信装置)に対して発信する。その際、発信者1は生体認証情報51を電話機11のダイヤルボタンや、受話器等に設置された生体認証手段により、生体認証情報51を電話回線網13における交換機またはサーバ14(情報提供装置)に通知する。
【0018】
交換機またはサーバ14は、個人情報認証データベース21と通信可能であり、電話機11から通知された生体認証情報51に括り付けられる個人情報52を、個人情報データベース21に問い合わせる。
【0019】
個人情報52の問い合わせを受けた個人情報認証データベース21は、交換機またはサーバ14から問い合わせを受けた生体認証情報51と括りつけられた個人情報52をあらかじめ登録済みのデータベース内の情報と照合して、交換機またはサーバ14に通知する。
【0020】
個人情報認証データベース21から生体認証情報51と括りつけられた個人情報52を入手した交換機またはサーバ14は、電話機12に対して入手した個人情報52を伴い着信をかける。
【0021】
個人情報52を伴って着信を受けた電話機12は、その個人情報52を液晶表示等の手段を使って着信者2に対して通知する。
【0022】
なお、本実施例においては、交換機またはサーバ14から、個人情報認証データベース21に生体認証情報51と括りつけられた個人情報52を問い合わせるような構成にしているが、電話機11または電話機12から、個人情報認証データベース21に問い合わせるような仕組みでもよい。
【0023】
次に、前記の実施例を用いて確実に通信相手の身元を証明する運用例を説明する。
【0024】
着信者2は、あらかじめ発信者の個人情報を通知することができる電話機12を設置しておき、信頼できる相手となる発信者1に対して個人情報認証データベース21への生体認証情報51と個人情報52を登録させ、かつ着信者2に電話する際は、生体認証情報51を入力することができる電話機11を用いて発信させるように取り決めておく。
【0025】
前記、取り決めに従い発信者1から着信者2に対して電話発信がなされた場合、着信者2は前記の実施例の通り動作し、着信者2は発信者1を確実に証明した上で通話できるが、前記取り決めを知らない第3者が発信者1になりすまして着信者2に対して電話発信がなされたとしても、生体認証情報51が異なるため、第3者は発信者1であると電話機12に通知されることは不可能であり、着信者2は通信相手が発信者1ではない事を知ることができる。
【0026】
また、発信者1が、役所、裁判所、官公庁、警察、消防署等、公的機関の場合である運用例を説明する。
【0027】
例えば、公的機関における発信電話端末は全て前記実施例における電話機11を設置し、公的機関における勤労者は、全員に対して個人情報認証データベース21への生体認証情報51と個人情報52を登録し、発信者1となるよう取り決めておく。なお、個人情報52には、公的機関の勤務先、役職等が含まれていれば有用である。
【0028】
前記の前提において、着信者2に電話機12を設置しておくとすると、公的機関から電話がかかってきた場合、前記実施例に従って運用すると、着信者2は電話の発信者1が公的機関の人であることが証明された上で電話を受けることができる。
【0029】
さらに、公的機関に設置する電話機11は、その公的機関に設置した電話機11であることが特別に分かるような情報を発信時に電話機12に通知するような仕組みを設けておけば、着信者2は公的機関の場所からかかってきたことが証明されるため、前記の通知情報とあわせて判断すれば、信頼度をあげて運用することが可能である。
【0030】
また、前記の例においては、発信者1が公的機関に設置した電話機11の場合に限り、着信者2に通知する個人情報52に公的機関の人であるという情報を付加するような仕組みにすれば、信頼度をあげて運用することが可能である。
【0031】
前記は、発信者1が公的機関の例であったが、同様に発信者1を信頼できる企業や病院として登録制として運用したとしてもよい。本例においても、着信者2は電話の発信者1が信頼できる企業のものであることが証明された上で電話を受けることができる。
【0032】
また、本実施例で運用するシステムにおいて、電話機12において、着信可能な発信者1の個人情報52のリストを登録し、リストにない発信者1の個人情報52からの着信の場合は、着信拒否できるような運用も可能である。
【0033】
このように、実施の形態1.に係わる個人間通信における通信相手に対して身元を証明するシステムでは、生体認証情報と、その本人の個人情報を結び付けるデータベースを構築し、電話回線を通した電話発信時に、生体認証手段を備えた電話から、前記生体認証情報を取得し、その生体認証情報に結び付けられたデータベースに登録済みの個人情報から通信相手に対して必要な情報を取得して、通信相手に通知する構成としたため、着信者2にとって発信者1が信頼できる通信相手であることを証明できるという効果を有する。
【0034】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る情報提供システムのネットワーク構成を示す図である。個人間通信における通信相手に対して身元を証明するシステムを、電子メールシステムに応用した例を示している。発信者4が受信者5に対して電子メールによる発信を行った場合の例について示している。本システムを運用するためのデータベースとして、個人情報認証データベース21を構築する。個人情報認証データベース21は、発信者4における生体認証情報51と個人情報52を括りつけた情報をデータベースとして管理するものである。個人情報認証データベース21に発信者1の生体認証情報51と個人情報52を登録するための手順例として、発信者4は認証情報入力端末22を用いて生体認証情報51を入力する。発信者4の個人情報52は、第3者である管理者3が発信者1の身元をあらかじめ証明された情報について生体認証情報51に括り付けて個人情報入力端末23により、生体認証情報51+個人情報52を個人情報認証データベース21に登録する。これは、実施の形態1で説明した内容と同様のものであり、実施の形態1における図1の個人情報認証データベース21と共有して運用してもよい。
【0035】
なお、生体認証情報51、個人情報52は、実施の形態1で説明した内容と同一のものである。
【0036】
次に、発信者4から受信者5に対して、電子メールを送信する際に身元を証明する個人情報52を通知する仕組みの例について説明する。
【0037】
発信者4は、生体認証情報51を入力することができる電子メール端末15(情報送信指示装置)を用いて、発信者の個人情報52を通知することができる電子メール端末16(情報受信装置)に対して電子メール送信する。その際、発信者4は生体認証情報51を電子メール端末15の入力キーや、マウス等に設置された生体認証手段により、生体認証情報51をネットワーク17におけるサーバ18(情報提供装置)に通知する。
【0038】
サーバ18は、個人情報認証データベース21と通信可能であり、電子メール端末15から通知された生体認証情報51に括り付けられる個人情報52を、個人情報データベース21に問い合わせる。
【0039】
個人情報52の問い合わせを受けた個人情報認証データベース21は、サーバ18から問い合わせを受けた生体認証情報51と括りつけられた個人情報52をあらかじめ登録済みのデータベース内の情報と照合して、サーバ18に通知する。
【0040】
個人情報認証データベース21から生体認証情報51と括りつけられた個人情報52を入手したサーバ18は、電子メール端末(受信側)16に送信する電子メールに個人情報52を付与する。
【0041】
電子メール端末(受信側)16にて、発信者4からの電子メールを取り込むと、その個人情報52が付与されており、受信者5は発信者4の個人情報52を確認することができる。
【0042】
なお、本実施例においては、サーバ18から、個人情報認証データベース21に生体認証情報51と括りつけられた個人情報52を問い合わせるような構成にしているが、電子メール端末(発信側)15または電子メール端末(受信側)16から、個人情報認証データベース21に問い合わせるような仕組みでもよい。
【0043】
次に前記の実施例を用いて確実に通信相手の身元を証明する運用例を説明する。
【0044】
受信者5は、あらかじめ発信者の個人情報を通知することができる電子メール端末(受信側)16を設置しておき、信頼できる相手となる発信者4に対して個人情報認証データベース21への生体認証情報51と個人情報52を登録させ、かつ受信者5に電子メールを送信する際は、生体認証情報51を入力することができる電子メール端末(発信側)15を用いて発信させるように取り決めておく。
【0045】
前記、取り決めに従い発信者4から受信者5に対して電子メール発信がなされた場合、受信者5は前記の実施例の通り動作し、受信者5は発信者4を確実に証明した電子メールであると判断できるが、前記取り決めを知らない第3者が発信者4になりすまして受信者5に対して電子メール発信がなされたとしても、生体認証情報51が異なるため、第3者は発信者4であると電子メール端末(受信側)16にて受信した電子メールで確認することは不可能であり、受信者5は電子メール発信相手が発信者4ではない事を知ることができる。
【0046】
また、発信者4が、役所、裁判所、官公庁、警察、消防署等、公的機関の場合である運用例を説明する。
【0047】
例えば、公的機関における発信電子メール端末は全て前記実施例における電子メール端末(発信側)15を設置し、公的機関における勤労者は、全員に対して個人情報認証データベース21への生体認証情報51と個人情報52を登録し、発信者4となるよう取り決めておく。なお、個人情報52には、公的機関の勤務先、役職等が含まれていれば有用である。
【0048】
前記の前提において、受信者5に電子メール端末(受信側)16を設置しておくとすると、公的機関から電子メールを受信した場合、前記実施例に従って運用すると、受信者5は電子メールの発信者4が公的機関の人であることが証明された上の電子メールであると確認することができる。
【0049】
さらに、公的機関に設置する電子メール端末(発信側)15は、その公的機関に設置した電子メール端末(発信側)15であることが特別に分かるような情報を発信時に電子メール端末(受信側)16の電子メール受信時に確認することができるような仕組みを設けておけば、受信者5は公的機関の場所から送信されたことが証明されるため、前記の通知情報とあわせて判断すれば、信頼度をあげて運用することが可能である。
【0050】
また、前記の例においては、発信者4が公的機関に設置した電子メール端末(発信側)15の場合に限り、受信者5に通知する個人情報52に公的機関の人であるという情報を付加するような仕組みにすれば、信頼度をあげて運用することが可能である。
【0051】
前記は、発信者4が公的機関の例であったが、同様に発信者4を信頼できる企業や病院として登録制として運用したとしてもよい。本例においても、受信者5は電子メールの発信者1が信頼できる企業のものであることが証明されたことを確認することができる。
【0052】
また、本実施例で運用するシステムにおいて、電子メール端末(受信側)16において、受信可能な発信者4の個人情報52のリストを登録し、リストにない発信者4の個人情報52からの受信の場合は、受信拒否できるような運用も可能である。
【0053】
このように、実施の形態2.に係わる個人間通信における通信相手に対して身元を証明するシステムでは、生体認証情報と、その本人の個人情報を結び付けるデータベースを構築し、ネットワークを通した電子メール発信時に、生体認証手段を備えた電子メール端末から、前記生体認証情報を取得し、その生体認証情報に結び付けられたデータベースに登録済みの個人情報から通信相手に対して必要な情報を取得して、通信相手に通知する構成としたため、受信者5にとって発信者4が信頼できる通信相手であることを証明できるという効果を有する。
【0054】
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3に係る情報提供システムのネットワーク構成を示す図である。個人間通信における通信相手に対して身元を証明するシステムを、電子メールシステムに応用し、個人情報に基づく画像データベースを活用した例を示している。発信者4が受信者5に対して電子メールによる発信を行い、受信者5が発信者4の住所リンク画像データベース24(画像情報記憶装置)にアクセスを行った場合の例について示している。本システムを運用するためのデータベースとして、個人情報認証データベース21を構築する。個人情報認証データベース21は、発信者4における生体認証情報51と個人情報52を括りつけた情報をデータベースとして管理するものである。個人情報認証データベース21に発信者1の生体認証情報51と個人情報52を登録するための手順例として、発信者4は認証情報入力端末22を用いて生体認証情報51を入力する。発信者4の個人情報52は、第3者である管理者3が発信者1の身元をあらかじめ証明された情報について生体認証情報51に括り付けて個人情報入力端末23により、生体認証情報51+個人情報52を個人情報認証データベース21に登録する。これは、実施の形態1、2で説明した内容と同様のものであり、実施の形態1、2における図1の個人情報認証データベース21と共有して運用してもよい。
【0055】
なお、生体認証情報51、個人情報52は、実施の形態1、2で説明した内容と同一のものである。
【0056】
住所リンク画像データベース24とは、個人情報52の住所情報とリンクしたその住所の場所の画像データを集めたデータベースである。
【0057】
次に、発信者4から受信者5に対して、電子メールを送信する際に身元を証明する個人情報52の通知および個人情報52に基づく画像データベースにアクセスを行う仕組みの例について説明する。
【0058】
発信者4は、生体認証情報51を入力することができる電子メール端末(発信側)15を用いて、発信者の個人情報52と個人情報51に基づく画像データベースにアクセスするワンタイムキー53を通知することができる電子メール端末(受信側)16に対して電子メール送信する。その際、発信者4は生体認証情報51を電子メール端末(発信側)15の入力キーや、マウス等に設置された生体認証手段により、生体認証情報51をネットワーク17におけるサーバ18に通知する。
【0059】
サーバ18は、個人情報認証データベース21と通信可能であり、電子メール端末(発信側)15から通知された生体認証情報51に括り付けられる個人情報52とワンタイムキー53要求を、個人情報データベース21に問い合わせる。
【0060】
個人情報52とワンタイムキー53要求の問い合わせを受けた個人情報認証データベース21は、サーバ18から問い合わせを受けた生体認証情報51と括りつけられた個人情報52をあらかじめ登録済みのデータベース内の情報と照合する。また、個人情報52の住所情報を住所リンク画像データベース24に通知し、住所リンク画像データベースにアクセスするためのワンタイムキー53を要求する。
【0061】
ワンタイムキー53の要求を受けた住所リンク画像データベース24は、通知された個人情報52の住所情報とリンクされた画像情報のみアクセスできるワンタイムキー53を発行し、個人情報認証データベース21に通知する。
【0062】
ワンタイムキー53を通知された個人情報認証データベース21は、個人情報52とワンタイムキーをセットでサーバ18に通知する。
【0063】
個人情報認証データベース21から生体認証情報51と括りつけられた個人情報52とワンタイムキー53を入手したサーバ18は、電子メール端末(受信側)16に送信する電子メールに個人情報52とワンタイムキー53を付与する。
【0064】
電子メール端末(受信側)16にて、発信者4からの電子メールを取り込むと、その個人情報52とワンタイムキー53が付与されており、受信者5は発信者4の個人情報52を確認することができる。また、受信者5は画像閲覧端末19を用い、ワンタイムキー53を入力して住所リンク画像データベースにアクセスする。
【0065】
画像閲覧端末19が、住所リンク画像データベース24に対して、ワンタイムキー53による画像の取り込み要求を行うと、住所リンク画像データベース24は、そのワンタイムキー53にのみ許可される画像データを画像閲覧端末19に対して転送する。画像閲覧端末19は、受信者5によってその個人情報52の住所情報に基づいた画像データを閲覧することができる。
【0066】
なお、本実施例においては、サーバ18から、個人情報認証データベース21に生体認証情報51と括りつけられた個人情報52とワンタイムキー53を問い合わせるような構成にしているが、電子メール端末(発信側)15または電子メール端末(受信側)16から、個人情報認証データベース21に問い合わせるような仕組みでもよい。
【0067】
前記の実施例を用いて確実に通信相手の身元を証明する運用例については、実施の形態2で説明した運用例の個人情報52を通知することに加えて、発信者4の個人情報52に基づく住所リンク画像データベースをアクセスするためのワンタイムキー53を得ることであり、受信者5にとっての発信者4の身元照会の信頼性アップに寄与する。
【0068】
このように、実施の形態3.に係わる個人間通信における通信相手に対して身元を証明するシステムでは、生体認証情報と、その本人の個人情報を結び付けるデータベースと個人情報から住所リンク画像にアクセスできるワンタイムキーを取得できる構成を構築し、ネットワークを通した電子メール発信時に、生体認証手段を備えた電子メール端末から、前記生体認証情報を取得し、その生体認証情報に結び付けられたデータベースに登録済みの個人情報から通信相手に対して必要な情報および個人情報から住所リンク画像にアクセスできるワンタイムキーを取得して、通信相手に通知する構成としたため、受信者5にとって発信者4の信頼度がアップできるという効果を有する。
【符号の説明】
【0069】
1 発信者
2 着信者
3 管理者
4 発信者
5 受信者
11 電話機(発信側)
12 電話機(着信側)
13 電話回線網
14 交換機またはサーバ
15 電子メール端末(発信側)
16 電子メール端末(着信側)
17 ネットワーク
18 サーバ
19 画像閲覧端末
21 個人情報認証データベース
22 認証情報入力端末
23 個人情報入力端末
24 住所リンク画像データベース
51 生体認証情報
52 個人情報
53 ワンタイムキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置、情報送信指示装置、情報受信装置および情報提供装置を含む情報提供システムであって、
前記記憶装置は、認証情報とその認証情報に対応付けられた秘密情報とを記憶し、
前記情報送信指示装置は、前記認証情報を送信することにより前記秘密情報の送信を指示し、
前記情報提供装置は、前記情報送信指示装置からの指示に基づき前記認証情報に対応付けられた前記秘密情報を前記情報受信装置に送信し、
前記情報受信装置は、前記情報提供装置から送信された前記秘密情報を受信することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記記憶装置、情報送信指示装置、情報受信装置および情報提供装置は電話回線網を介して相互に接続されたことを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記情報送信指示装置は電子メールを用いて前記認証情報を送信することにより前記秘密情報の送信を指示し、
前記情報提供装置は、前記情報送信指示装置からの指示に基づき前記認証情報に対応付けられた前記秘密情報を、電子メールを用いて前記情報受信装置に送信することを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項4】
画像情報を記憶する画像情報記憶装置を更に含み、
前記情報提供装置は前記画像情報記憶装置に記憶された画像情報を、前記情報受信装置で限定的に得られた情報をキーにして提供可能であることを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−178102(P2010−178102A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19046(P2009−19046)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】