説明

情報提供支援方法及び情報提供支援装置

【課題】嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った情報提供を使用開始時から受けられるようになる。
【解決手段】使用開始時には、ドライバプロフィール情報格納部101に格納されているドライバのプロフィール情報と、一般的傾向データベース102に格納されている平均的な嗜好性とに基づいて、そのドライバの年代や性別などに対応した平均的な嗜好性がベイジアンネットワーク処理部104に導入されて学習動作が行われる。また、コンテンツデータ格納部106に格納されている楽曲コンテンツから得られる楽曲がユーザの好みの楽曲として学習される。その結果、ベイジアンネットワークによる推論計算によってユーザの嗜好を反映した番組表が作成され、番組表に従った番組コンテンツの提供が行われる。また以降は、ユーザが番組聴取時に行う操作が学習され、ユーザの嗜好をより反映した番組提供が行われるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの嗜好を考慮してユーザへの情報提供の支援を行う情報提供支援方法及び情報提供支援装置に関する。本発明は、特に、ユーザの嗜好を学習してユーザ嗜好を反映した番組表を作成し、ユーザの嗜好に合った番組を提供するための情報提供支援方法及び情報提供支援装置、ユーザの嗜好を学習してユーザ嗜好を反映したレストランやその他の立ち寄り施設の選択を行えるように、ユーザ思考に応じた候補を提示するための情報提供支援方法及び情報提供支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両を運転しているドライバが音楽やニュースなどの情報を聴く場合、安全上の問題などから、できるだけ少ない操作で自動的に、提供される情報がドライバの嗜好に合ったものになる必要がある。また、特に楽曲の嗜好は個人差が非常に大きいため、楽曲を提供する場合には、ユーザの嗜好をより詳細に反映できるようにする必要がある。
【0003】
一方、下記の特許文献1には、ドライバが運転中に音楽などを聴く際の操作回数を少なくするための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−343979号公報(図1、3、5、7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術によれば、ユーザは最初に、嗜好に関するいくつかの初期設定操作を行わなければならないという問題がある。また、ユーザの嗜好が、初期設定操作によって入力されたユーザの嗜好から変わった場合には、ユーザは、再度、ユーザの嗜好を入力する初期設定操作を行わなければならないという問題がある。特に、楽曲コンテンツに対する嗜好はすぐに変わっていく傾向があり、特許文献1に開示されている技術では、こうした楽曲コンテンツに対する嗜好の変化に対応しきれないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、ユーザが、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った情報提供(番組構成及び番組コンテンツの選択)を使用開始時から受けられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の情報提供支援方法は、移動体に搭載されている移動体搭載装置内にあらかじめ格納されている情報を選択的に読みだすステップと、
確率的な推論処理を行う確率的推論モデル処理部で、選択的に読み出された前記情報に基づいて前記推論処理に係る学習処理を行うステップと、
前記移動体にユーザが乗車している状況を検出するステップと、
検出された前記状況に対して前記確率的推論モデル処理部で推論処理を行い、所定の複数の属性の中から前記状況に関連がある属性を推論するステップと、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記ユーザの嗜好度を表すコンテンツスコアを付けて、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記コンテンツスコアを格納するステップと、
検出された前記状況に関連があると推論された属性、さらに前記コンテンツスコアに基づいて前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うとともに、前記ユーザに提供する対象として選択された前記情報を提供する方法を決定するステップとを、
有する。
この方法により、ユーザが、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った情報提供(番組構成及び番組コンテンツの選択)を使用開始時から受けられるようになる。また、個々のコンテンツ情報にコンテンツスコア(ユーザの嗜好度)を設定し、このコンテンツスコアに基づいた情報提供が行われるようにすることが可能となる。
【0008】
また、本発明の情報提供支援方法は、移動体に搭載されている移動体搭載装置内にあらかじめ格納されている情報を選択的に読みだすステップと、
確率的な推論処理を行う確率的推論モデル処理部で、選択的に読み出された前記情報に基づいて前記推論処理に係る学習処理を行うステップと、
前記移動体にユーザが乗車している状況を検出するステップと、
検出された前記状況に対して前記確率的推論モデル処理部で推論処理を行い、所定の複数の属性の中から前記状況に関連がある属性を推論するステップと、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記ユーザの嗜好度を表すコンテンツスコアを付けて、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記コンテンツスコアを格納するステップと、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれが有する属性に対して前記確率的推論モデル処理部で定められている前記ユーザの嗜好度を示す属性スコアと、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれの前記コンテンツスコアとに基づいて、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれの総合スコアを決定するステップと、
検出された前記状況に関連があると推論された属性、さらに前記総合スコアに基づいて前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うとともに、前記ユーザに提供する対象として選択された前記情報を提供する方法を決定するステップとを、
有する。
この方法により、ユーザが、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った情報提供(番組構成及び番組コンテンツの選択)を使用開始時から受けられるようになる。また、個々のコンテンツ情報にコンテンツスコア(ユーザの嗜好度)を設定し、このコンテンツスコアと各属性に対する嗜好度を表す属性スコアとを組み合わせた総合スコアに基づいた情報提供が行われるようにすることが可能となる。
【0009】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、乱数を発生させて、前記乱数も加味して前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うステップを有する。
この方法により、個々のコンテンツ情報にコンテンツスコア(ユーザの嗜好度)を設定し、このコンテンツスコアにランダム性を加味した値に基づく情報提供が行われるようにすることが可能となる。
【0010】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、乱数を発生させて、前記乱数も加味して前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うステップを有する。
この方法により、個々のコンテンツ情報にコンテンツスコア(ユーザの嗜好度)を設定し、このコンテンツスコアと各属性に対する嗜好度を表す属性スコアとを組み合わせた総合スコアにランダム性を加味した値に基づく情報提供が行われるようにすることが可能となる。
【0011】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、前記ユーザに提供する対象として選択された情報、及び、その情報を提供する方法に基づいて、前記ユーザに前記情報の提供を行うステップと、
前記情報の提供を行っている最中に、前記ユーザによって行われた操作を操作履歴情報として記録するステップと、
前記確率的推論モデル処理部で、前記操作履歴情報に基づいて学習処理を行うステップとを、
有する。
この方法により、ユーザが情報提供を受けているときに自然に行う操作が記録され、この操作履歴から得られる嗜好性が、更なる情報提供に反映されるようにすることが可能となる。
【0012】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、前記ユーザに提供する対象として選択された情報、及び、その情報を提供する方法に基づいて、前記ユーザに前記情報の提供を行うステップと、
前記情報の提供を行っている最中に、前記ユーザによって行われた操作を操作履歴情報として記録するステップと、
前記操作履歴情報に基づいて前記コンテンツスコアを変更するステップとを、
有する。
この方法により、ユーザが情報提供を受けているときに自然に行う操作が記録され、この操作履歴から得られる嗜好性が、更なる情報提供に反映されるようにすることが可能となる。
【0013】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、前記操作履歴情報として記録する前記ユーザによって行われた操作に、スキップ操作、リピート操作、ダイレクト選択操作の少なくとも1つが含まれる。
この方法により、ユーザが情報提供を受けているときに行う自然な操作から、ユーザの嗜好性が得られるようになる。
【0014】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、所定の情報が提供されている途中で前記スキップ操作又は前記リピート操作が行われた場合、前記所定の情報が提供された途中までの時間を記録するステップと、
前記確率的推論モデル処理部で、前記操作履歴情報と共に前記時間に基づく学習処理を行うステップとを、
有する。
この方法により、スキップ操作又はリピート操作が行われた場合に、より詳細にその操作の意図や動作などを把握することが可能となる。
【0015】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、前記ユーザに提供する情報の選択、及び、前記情報を提供する方法の決定において、前記状況に関連があると推論された属性のコーナーを有する番組を作成する。
この方法により、ユーザが、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った属性のコーナーを含む番組を使用開始時から楽しむことができるようになる。
【0016】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、前記状況に関連があると推論された属性のコーナーを複数含む番組を作成する場合、各属性に関する嗜好度の大きさに応じて各コーナーの長さを比例配分する。
この方法により、番組の各コーナーの長さをユーザの嗜好に応じて決定することが可能となる。
【0017】
また、本発明の情報提供支援方法は、上記の方法に加えて、複数の属性を組み合わせて前記状況に関連がある前記属性の組み合わせを推論させ、前記状況に関連があると推論された属性の組み合わせのコーナーを有する番組を作成する。
この方法により、番組を構成するコーナーを複数の属性の組み合わせから定めることが可能となる。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、本発明の情報提供支援装置は、移動体に搭載されている移動体搭載装置内にあらかじめ格納されている情報を選択的に読みだす手段と、
確率的な推論処理を行うとともに、選択的に読み出された前記情報に基づいて前記推論処理に係る学習処理を行う確率的推論モデル処理手段と、
前記移動体にユーザが乗車している状況を検出する状況検出手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記ユーザの嗜好度を表すコンテンツスコアを付けるコンテンツスコア付与手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記コンテンツスコアを格納するコンテンツスコア格納手段と、
検出された前記状況に対して前記確率的推論モデル処理手段で推論処理を行わせて、所定の複数の属性の中から前記状況に関連がある属性を推論させ、前記状況に関連があると推論された属性、さらに前記コンテンツスコアに基づいて前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うとともに、前記ユーザに提供する対象として選択された前記情報を提供する方法を決定する情報提供支援手段とを、
有する。
この構成により、ユーザが、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った情報提供(番組構成及び番組コンテンツの選択)を使用開始時から受けられるようになる。また、個々のコンテンツ情報にコンテンツスコア(ユーザの嗜好度)を設定し、このコンテンツスコアに基づいた情報提供が行われるようにすることが可能となる。
【0019】
また、本発明の情報提供支援装置は、移動体に搭載されている移動体搭載装置内にあらかじめ格納されている情報を選択的に読みだす手段と、
確率的な推論処理を行うとともに、選択的に読み出された前記情報に基づいて前記推論処理に係る学習処理を行う確率的推論モデル処理手段と、
前記移動体にユーザが乗車している状況を検出する状況検出手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記ユーザの嗜好度を表すコンテンツスコアを付けるコンテンツスコア付与手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記コンテンツスコアを格納するコンテンツスコア格納手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれが有する属性に対して前記確率的推論モデル処理手段で定められている前記ユーザの嗜好度を示す属性スコアと、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれの前記コンテンツスコアとに基づいて、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれの総合スコアを決定する総合スコア決定手段と、
検出された前記状況に対して前記確率的推論モデル処理手段で推論処理を行わせて、所定の複数の属性の中から前記状況に関連がある属性を推論させ、前記状況に関連があると推論された属性、さらに前記総合スコアに基づいて前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うとともに、前記ユーザに提供する対象として選択された前記情報を提供する方法を決定する情報提供支援手段とを、
有する。
この構成により、ユーザが、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った情報提供(番組構成及び番組コンテンツの選択)を使用開始時から受けられるようになる。また、個々のコンテンツ情報にコンテンツスコア(ユーザの嗜好度)を設定し、このコンテンツスコアと各属性に対する嗜好度を表す属性スコアとを組み合わせた総合スコアに基づいた情報提供が行われるようにすることが可能となる。
【0020】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、乱数を発生させる手段を有し、前記乱数も加味して前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択が行われる。
この構成により、個々のコンテンツ情報にコンテンツスコア(ユーザの嗜好度)を設定し、このコンテンツスコアにランダム性を加味した値に基づく情報提供が行われるようにすることが可能となる。
【0021】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、乱数を発生させる手段を有し、前記乱数も加味して前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択が行われる。
この構成により、個々のコンテンツ情報にコンテンツスコア(ユーザの嗜好度)を設定し、このコンテンツスコアと各属性に対する嗜好度を表す属性スコアとを組み合わせた総合スコアにランダム性を加味した値に基づく情報提供が行われるようにすることが可能となる。
【0022】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、前記ユーザに提供する対象として選択された情報、及び、その情報を提供する方法に基づいて、前記ユーザに前記情報の提供を行う情報提供手段と、
前記情報の提供を行っている最中に、前記ユーザによって行われた操作を操作履歴情報として記録する操作履歴情報記録手段と、
前記確率的推論モデル処理部で、前記操作履歴情報に基づいて学習処理を行わせるモデル更新制御手段とを、
有する。
この構成により、ユーザが情報提供を受けているときに自然に行う操作が記録され、この操作履歴から得られる嗜好性が、更なる情報提供に反映されるようにすることが可能となる。
【0023】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、前記ユーザに提供する対象として選択された情報、及び、その情報を提供する方法に基づいて、前記ユーザに前記情報の提供を行う情報提供手段と、
前記情報の提供を行っている最中に、前記ユーザによって行われた操作を操作履歴情報として記録する操作履歴情報記録手段と、
前記操作履歴情報に基づいて前記コンテンツスコアを変更するコンテンツスコア変更手段とを、
有する。
この構成により、ユーザが情報提供を受けているときに自然に行う操作が記録され、この操作履歴から得られる嗜好性が、更なる情報提供に反映されるようにすることが可能となる。
【0024】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、前記操作履歴情報として記録する前記ユーザによって行われた操作に、スキップ操作、リピート操作、ダイレクト選択操作の少なくとも1つが含まれる。
この構成により、ユーザが情報提供を受けているときに行う自然な操作から、ユーザの嗜好性が得られるようになる。
【0025】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、所定の情報が提供されている途中で前記スキップ操作又は前記リピート操作が行われた場合、前記所定の情報が提供された途中までの時間を記録する経過時間情報記録手段を有し、前記確率的推論モデル処理部で、前記操作履歴情報と共に前記時間に基づく学習処理を行わせる。
この構成により、スキップ操作又はリピート操作が行われた場合に、より詳細にその操作の意図や動作などを把握することが可能となる。
【0026】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、前記情報提供支援手段が、前記状況に関連があると推論された属性のコーナーを有する番組を作成するように構成されている。
この構成により、ユーザが、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った属性のコーナーを含む番組を使用開始時から楽しむことができるようになる。
【0027】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、前記情報提供支援手段が、前記状況に関連があると推論された属性のコーナーを複数含む番組を作成する場合、各属性に関する嗜好度の大きさに応じて各コーナーの長さを比例配分するように構成されている。
この構成により、番組の各コーナーの長さをユーザの嗜好に応じて決定することが可能となる。
【0028】
また、本発明の情報提供支援装置は、上記の構成に加えて、前記情報提供支援手段が、複数の属性を組み合わせて前記状況に関連がある前記属性の組み合わせを推論させ、前記状況に関連があると推論された属性の組み合わせのコーナーを有する番組を作成するように構成されている。
この構成により、番組を構成するコーナーを複数の属性の組み合わせから定めることが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は上記の構成を有しており、ユーザが、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った情報提供(番組構成及び番組コンテンツの選択)を使用開始時から受けられるようにするという効果を奏する。また、これによって、ドライバは、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ドライバの嗜好に合った番組構成及び番組コンテンツを楽しむことができるようになるという効果を奏する。また、情報提供過程においてユーザが行う操作を、提供すべき情報の選択時に参照されるユーザ嗜好に反映することによって、ユーザの嗜好変化に動的に対応し、ユーザの嗜好を忠実に反映した情報提供が実現されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置の構成の一例が図示されている。
【図2A】本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる新規使用開始時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図2B】本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる2回目以降の処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態において用いられるベイジアンネットワークの一例を示す図である。
【図4A】本発明の第1の実施の形態において、ドライバの操作が反映される前の番組表の一例を示す図である。
【図4B】本発明の第1の実施の形態において、ドライバの操作が反映された後の番組表の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置の構成の一例が図示されている。
【図6A】本発明の第2の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる新規使用開始時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6B】本発明の第2の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる2回目以降の処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態において、使用開始時(初回の番組構成)の曲スコア及び属性スコアから、使用開始後(2回目以降の番組構成)の曲スコア及び属性スコアに変更される様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1及び第2の実施の形態について説明する。
【0032】
本発明は、ユーザの嗜好を考慮してユーザの意思決定支援(ユーザへの情報提案、情報提供)を行うものであるが、以下では、特に、車両に乗車(運転)しているドライバの嗜好が反映されたドライバの嗜好に合った番組した番組(運転中に聴取できるように音声コンテンツによって構成)を提供するにあたって、本発明が適用された場合について説明する。
【0033】
なお、番組は、1つ以上のコーナーによって構成される(例えば1時間程度の長さを持つ)ものである。また、コーナーは、特定の属性を持つ1区切りの時間枠(例えば、数分〜数十分程度の長さを持つ)であり、1つ以上の楽曲コンテンツ及び/又は情報コンテンツによって構成される。楽曲コンテンツとは、1曲の楽曲であり(例えば、数分程度の長さを持つ)、情報コンテンツとは、ニュースや天気予報などである(例えば、数分程度の長さを持つ)。
【0034】
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1には、本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置の構成の一例が図示されている。
【0035】
図1に図示されている番組表作成装置100は、車両内で再生される番組の番組表(タイムテーブル)をユーザ(車両を運転するドライバ)の嗜好に合わせて作成するためのコンテンツ嗜好学習装置を含む構成を有している。また、ここでは、図1に図示されている番組表作成装置100は、車両の車載装置に組み込まれているものとする。
【0036】
図1に図示されている番組表作成装置100は、ドライバプロフィール情報格納部101、一般的傾向データベース102、ドライバ傾向データ出力部103、ベイジアンネットワーク処理部104、乗車時情報検知部105、コンテンツデータ格納部106、嗜好度評価部107、番組表作成部108、操作履歴情報格納部109、操作入力部110を有している。なお、図1では、機能ブロックによって各機能が表されているが、各機能は、ハードウェア及び/又はソフトウェア(コンピュータによって実行可能なプログラム)によって実現可能である。
【0037】
ドライバプロフィール情報格納部101は、例えば、ドライバの年齢、性別、業種などのプロフィール情報を格納するための情報メモリである。このドライバプロフィールに関しては、あらかじめ登録される必要がある。なお、ドライバプロフィール情報格納部101には、ドライバのプロフィール情報が常に格納されていてもよく、また、必要に応じて無線通信機能などを通じて外部の装置(車載装置以外の通信装置)から取得したドライバのプロフィール情報が一時的に格納されてもよい。
【0038】
また、一般的傾向データベース102は、各プロフィールに応じた一般的(平均的)な偏りのない嗜好度の傾向を表す情報が格納されている情報メモリである。具体的には、一般的傾向データベース102には、各年代、各性別、各業種などに属する一般的な人々の嗜好性を表す情報が格納されている。なお、ドライバプロフィール情報格納部101と同様に、一般的傾向データベース102も車載装置から離れたリモートに位置し、必要に応じて無線通信機能などを通じて一般的な人々の嗜好性を表す情報が取得されてもよい。
【0039】
また、ドライバ傾向データ出力部103は、ドライバのプロフィール情報に基づいて、ドライバが当てはまるプロフィールに対応した一般的な人々(例えば、ドライバと同一の年代、性別、業種の人々)の嗜好性を表す情報を取得する機能を有している。
【0040】
また、ベイジアンネットワーク処理部104は、ベイジアンネットワークモデルに基づく推論計算を行う機能を有している。なお、本明細書では、ベイジアンネットワークモデルを利用するが、任意の確率的な推論処理を行う様々なモデルを採用することが可能である。
【0041】
例えば、本発明の第1の実施の形態におけるベイジアンネットワークは、図3に図示されているような構造を有している。図3に図示されているベイジアンネットワークでは、ドライバの年齢、性別、職業(業種)などのドライバのプロフィールに対応した事象や同乗者の有無、曜日、時間などの乗車時に観測可能な事象、これらの事象から特定される現在のシーン(例えば、通勤出社時、通勤帰宅時、買い物時、帰省時などの状況)に対応した事象、番組を構成する際に考慮される各コーナーや各コンテンツの属性(音楽コンテンツの場合にはジャンル、年代、アーティストなど、情報コンテンツの場合にはニュース、天気、交通情報などのジャンルや、更に詳細な経済ニュース、スポーツニュースなどのジャンル)のそれぞれが、ベイジアンネットワーク内の各ノード、及びこれらの各ノードの依存関係が定義され、これらの各ノードの依存関係が条件付確率値(条件付確率表)によって表されている。
【0042】
例えば、ベイジアンネットワークの学習は、ドライバ傾向データ出力部103から供給されるドライバに対応した一般的な人々の嗜好性を表す情報や、コンテンツデータ格納部106に格納されているコンテンツ(ドライバの好みの楽曲コンテンツや、無線通信を介して受信した情報コンテンツ)の属性情報、操作履歴情報格納部109に格納されている操作履歴情報(ドライバが番組の聴取時に行った操作を示す操作履歴情報)などに基づいて行われる。なお、後述のように、新規に番組表を構成する場合におけるベイジアンネットワークの新規の学習と、既に存在する番組表を作成する場合におけるベイジアンネットワークの2回目以降の学習とでは、異なる動作が行われるが、詳細については後で説明する。
【0043】
また、乗車時情報検知部105は、ドライバに番組を提供する際の同乗者の有無、曜日、時間などの情報を検知する機能を有している。
【0044】
また、コンテンツデータ格納部106は、例えば所定の圧縮フォーマットなどによって加工された楽曲コンテンツのデータが格納されている情報メモリや、無線通信機能(不図示)を介して取得した情報コンテンツが一時的に格納される情報メモリであり、例えばCD(Compact Disc:コンパクトディスク)からリッピングされた楽曲コンテンツのデータが格納されているHDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)やRAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)などによって実現可能である。すなわち、本発明におけるコンテンツデータは、あらかじめ静的にローカル(当該番組表作成装置100)に格納されている楽曲コンテンツや情報コンテンツのデータだけではなく、ネットワークに接続されているサーバから無線通信を介してダウンロードしてきた楽曲コンテンツや情報コンテンツのデータであってもよい。
【0045】
なお、楽曲コンテンツの場合には、実際にベイジアンネットワーク処理部104で必要とされる情報は、コンテンツデータ格納部106に格納されている楽曲コンテンツの属性情報である。ここでは、コンテンツデータ格納部106を参照することで各楽曲コンテンツの属性情報が得られるものとするが、必要に応じて、属性情報を取得するための処理(例えば、リモートに位置するCDDB(CD Database)への問い合わせ)などが行われてもよい。
【0046】
また、嗜好度評価部107は、ベイジアンネットワーク処理部104における推論計算の結果得られるノードの事後確率値を参照、比較(それぞれの事後確率値同士の比較、又は、事後確率値と所定の閾値との比較など)を行うことによって、各属性の嗜好度を推論することが可能である。具体的には、例えばそのドライバのプロフィール情報や現在の状況に係る情報(乗車時に観測可能な情報)から、現在のシーンを考慮したコーナー(又はコンテンツ)の属性ノードの事後確率値が得られ、例えば、ジャンルの属性に対応する事後確率値において、どのジャンルの事後確率値が絶対的に高いか(所定の閾値よりも高いか)、あるいは、相対的に高いか(他のジャンルに比べて高いか)を判定することによって、ドライバの好みのジャンルを評価することが可能となる。例えば、番組を構成するコーナーに関して、例えば、所定の閾値を超えているジャンルのみを採用し、これらの事後確率値同士の相対的な大きさに依存(比例)したコーナーの長さとすることが可能である。なお、上述の例ではジャンルのみでコーナーを作成する場合を一例に挙げて説明しているが、例えば、アーティストのみ(あるいは、その他の属性のみ)でコーナーを作成することも可能である。アーティストのみでコーナーを作成する場合も、上述のジャンルのみを用いてコーナーを作成する場合と同様に、事後確率値の高いアーティストのみを採用したり、事後確率値同士の相対的な大きさに基づいてコーナーの長さを定めたりすることが可能である。
【0047】
さらに、複数の属性を組み合わせてコーナーを作成してもよい。例えば、ジャンルと年代とを組み合わせて、『1970年代J−Pop(邦楽)コーナー』や『2000年代J−Popコーナー』などのコーナーを作成することが可能である。このような複数の属性を組み合わせたコーナーの作成は、ある属性(例えばジャンル)に属するコンテンツが非常に多い場合などに有用である。
【0048】
複数の属性(例えば、ジャンルと年代)を組み合わせてコーナーを作成する場合、ジャンルノードのJ−Popの事後確率値が上述のようにある閾値を超えてコーナーとして採用され、さらにその値が大きすぎて他の閾値をも上回るような場合に、ベイジアンネットワークモデルにおいて、ジャンルノードにJ−Popを観測値として設定した際の年代ノードの事後確率値の評価を行う。そして、例えば、1970年代及び2000年代の事後確率値がある閾値を上回った場合に、『1970年代J−Popコーナー』、『2000年代J−Popコーナー』が採用される。また、これらの各コーナーの長さは、例えばJ−Popの事後確率値に、それぞれの年代の事後確率値を乗じた値に比例配分して定めることが可能である。
【0049】
また、番組表作成部108は、嗜好度評価部107による評価結果に基づいて決定されたコーナー属性やコーナーの長さに加えて、さらに、例えばドライバ傾向データ出力部103から供給されるドライバに対応した一般的な人々の嗜好性を表す情報に基づいて、各コーナーの順序を決定する機能を有している。さらに、ベイジアンネットワークの年代やアーティストなどの属性の事後確率値やドライバ傾向データ出力部103から供給されるドライバに対応した一般的な人々の嗜好性を表す情報などに基づいて、各コーナーに挿入される詳細な楽曲コンテンツや情報コンテンツが決定され、決定された各コーナーの各コンテンツが時間軸に沿って配置された番組表が作成される。なお、番組表作成部108は、操作履歴情報格納部109に格納されている操作履歴情報に基づいて、各コーナー及び各コンテンツの順番を決定することも可能である。この番組表作成部108で作成された番組表は、不図示の番組再生部に供給され、番組表に基づく適切なタイミングに適切なコンテンツが再生されることによって、番組の出力が行われる。
【0050】
また、操作履歴情報格納部109は、ドライバが番組の聴取時に行った操作を記録した操作履歴情報が格納されている。なお、番組の聴取時に行った操作とは、番組の聴取に関連したドライバの嗜好性を表す操作であり、具体的には、現在聴いているコンテンツを飛ばすスキップ操作、現在聴いているコンテンツを再度聴くリピート操作、番組聴取時にドライバが自ら選択操作を行って所望のコンテンツを直接選択するダイレクト選択操作の3つの操作を、ドライバの嗜好性を反映した操作とすることが有効である。なお、特に、これらのスキップ操作、リピート操作、ダイレクト選択操作は、ドライバが自身の嗜好に合わせるために、ドライバによって自然に行われる操作である。
【0051】
また、操作入力部110は、例えば、タッチパネルやリモートコントローラ(リモコン)などの任意の情報入力インタフェースである。なお、操作入力部110は、ドライバが上記のスキップ操作、リピート操作、ダイレクト選択操作を容易に行うことが可能な操作入力インタフェースであることが望ましい。
【0052】
次に、本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる新規使用開始時の処理及び2回目以降の処理について説明する。図2Aには、本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる新規使用開始時の処理の一例が図示されており、図2Bには、本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる2回目以降の処理の一例が図示されている。
【0053】
本発明の第1の実施の形態では、新規に番組表の作成が行われる場合には、図2Aに図示されているように、まず、ドライバ傾向データ出力部103から供給されるドライバに対応した一般的な人々の嗜好性を表す情報や、コンテンツデータ格納部106にリッピングされた楽曲コンテンツの属性情報を用いて、図3に図示されているようなベイジアンネットワークモデルの学習動作が行われる(ステップS201、S203)。
【0054】
そして、上述の学習動作が終了した後、実際にドライバが乗車及び運転を行う場合に、ドライバのプロフィール情報と、乗車時情報検知部105によって観測可能な情報(同乗者、曜日、時間など)の観測値とが、ベイジアンネットワーク処理部104に入力されることにより、ベイジアンネットワーク処理部104でベイジアンネットワークの推論計算が行われ、シーン(通勤出社時、通勤帰宅時、買い物時、帰省時など)を考慮した属性ノード(ジャンル、年代、アーティスト名、ニュース、天気予報、交通情報など)の事後確率値の評価(各属性ノードの嗜好度の推論)が行われる(ステップS205)。すなわち、ドライバのプロフィール情報及びドライバの状況から推測される一般的傾向や、ドライバの好みの楽曲コンテンツの属性情報に基づいて、コンテンツ属性やジャンル属性の嗜好度が推論される。
【0055】
そして、例えば、所定の閾値を超えた事後確率値の属性(例えば、ジャンルにおけるロックや年代における1970年代など)が番組を構成するコーナーの属性として採用され、さらに、事後確率値の大きさに従って、そのコーナーに割り当てられる時間の長さが、例えば比例配分によって決定される。なお、この際、ジャンルノードの事後確率値にランダムな値を乗じた値に基づいて、コーナーとして採用するジャンルを決定することも可能である。また、上述のように、複数の属性を組み合わせてコーナーを作成することも可能である。また、ニュースなどの情報コンテンツに関しても同様にして、事後確率値が所定の閾値を超えたニュース分野名のみをコーナーとして採用してもよく、その採用においても同様にランダムな揺らぎを入れてもよい。また、同一の番組内に、ある単独の属性ノードの1個の値から決定されるコーナー(例えば、『ジャンル=ロックのコーナー』や『アーティストABCのコーナー』など)と、異なる属性ノードの組み合わせを用いて決定されるコーナー(例えば、『1970年代洋楽コーナー』や『1980年代J−Popコーナー』など)とを混在させることも可能である。
【0056】
さらに、例えば、ドライバ傾向データ出力部103から供給されるドライバに対応した一般的な人々の嗜好性を表す情報などに基づいて、コーナーやコンテンツの順序が決定される。ここでは、例えば情報コンテンツに関しては、交通情報は番組の最初のほう、ニュースと天気は連続させるなどのようなルールによってコーナーの順序が決定される。また、楽曲に関しては、ジャンル間で好まれる相対的な順序に基づいて番組内におけるコーナーやコンテンツの順序を決定したり、各コンテンツをまったくランダムに決定したりすることも可能である。これによって、使用開始時の番組構成(新規に作成された番組構成)が決定される(ステップS207)。
【0057】
以上の処理によって、コーナーの属性及びコーナーの長さと、コーナーの順序が決定されて、新規の番組構成が完了する。
【0058】
一方、本発明の第1の実施の形態では、既に存在している番組表の更新が行われる場合には、図2Bに図示されているように、ドライバが番組を聴取している最中に自身の嗜好に合わせるために自然に行うコンテンツのスキップ操作、リピート操作、ダイレクト選択操作が操作履歴情報として記録される(ステップS211)。なお、この操作履歴情報は、番組のどのタイミングで(どのコンテンツが再生されている最中に)操作が行われたのかが把握可能となるように記録される。
【0059】
そして、例えば番組の聴取が終了して処理がアイドル状態となった時点(あるいは、任意のタイミング)で、記録された操作履歴情報に基づいてベイジアンネットワークの学習が行われる(ステップS213)。このとき、基本的に、スキップ操作されたコンテンツはドライバの嗜好に合わないものであり、リピート操作されたコンテンツはドライバの嗜好に合うものであり、ダイレクト選択操作の結果選択されたコンテンツはドライバの嗜好に合うもの、あるいは、そのタイミングで聴取が望まれたものとして、これらの傾向を反映した学習が行われることが望ましい。また、例えば、コンテンツデータ格納部106に格納される楽曲コンテンツのデータが更新されている場合には、これらの更新情報に基づく学習も同時に行われることが望ましい。さらに、例えば、各コンテンツの再生履歴(再生回数や総再生時間など)が記録されており、この再生履歴を用いたベイジアンネットワークの学習が行われてもよい。このとき、例えば、再生回数や総再生時間の値が高いコンテンツはドライバの嗜好に合うものとして、この傾向を反映した学習が行われることが望ましい。
【0060】
この学習動作の後は、ステップS205と同様に、実際にドライバが乗車及び運転を行う場合に、ドライバのプロフィール情報と、乗車時情報検知部105によって観測可能な情報(同乗者、曜日、時間など)の観測値とが、ベイジアンネットワーク処理部104に入力されることにより、ベイジアンネットワーク処理部104でベイジアンネットワークの推論計算が行われ、シーン(通勤出社時、通勤帰宅時、買い物時、帰省時など)を考慮した属性ノード(ジャンル、年代、アーティスト名、ニュース、天気予報、交通情報など)の事後確率値の評価(各属性ノードの嗜好度の推論)が行われる(ステップS215)。また、さらに、ステップS207と同様に、コーナーの順序及びコンテンツの順序も決定されて、番組構成(更新された番組構成)が決定される(ステップS217)。
【0061】
以上の処理により、例えばニュースなどの情報コンテンツに関しては、基本的には、前回スキップ操作が行われたものに関しては削除され、ダイレクト選択操作が行われていれば、番組内にダイレクト選択されたタイミングでダイレクト選択された属性のコンテンツが挿入されるようになる。
【0062】
例えば、図4Aには、ドライバの操作が反映される前の番組表の一例が部分的に図示されている。この番組表に基づく番組再生中に、ドライバによって、
・最初の音楽コーナーの楽曲コンテンツに対してリピート操作が行われた
・最初の音楽コーナーの途中で、天気予報のダイレクト選択操作が行われた
・ニュースコーナーで、経済ニュースのダイレクト選択操作が行われた
・2度目の音楽コーナーの楽曲コンテンツに対してスキップ操作が行われた
とする。
【0063】
この場合、これらの操作履歴情報がベイジアンネットワークに学習され、次に番組が作成された場合には、結果的に、
・最初の音楽コーナーの時間を長くする
・最初の音楽コーナーの前に天気予報のコーナーを配置する
・ニュースコーナーの属性を最新ニュースから経済ニュースに変更する
・2度目の音楽コーナーの時間を短くする
などのように、ドライバによる前回の操作履歴が反映された番組表の更新が行われる。
【0064】
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、ユーザ(ドライバ)は、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザ(ドライバ)の嗜好に合った情報提供(番組構成及び番組コンテンツの決定)を使用開始時から受けることができるようになる。また、本発明の第1の実施の形態によれば、スキップ、リピート、ダイレクト選択などのようなユーザ自身の嗜好に提供されている情報を調整するための基本的な操作のみに基づいて、ユーザの嗜好がより的確に反映された情報提供が行われるようになる。
【0065】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5には、本発明の第2の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置の構成の一例が図示されている。なお、図5に図示されている番組表作成装置500も、図1に図示されている番組表作成装置100と同様に、コンテンツ嗜好学習装置を含むとともに、車両の車載装置に組み込まれているものとする。
【0066】
図5に図示されている番組表作成装置500は、ドライバプロフィール情報格納部101、一般的傾向データベース102、ドライバ傾向データ出力部103、ベイジアンネットワーク処理部104、乗車時情報検知部105、コンテンツデータ格納部106、嗜好度評価部107、番組表作成部508、操作履歴情報格納部109、操作入力部110、コンテンツスコア計算部501、コンテンツスコア格納部502を有している。なお、図5では、機能ブロックによって各機能が表されているが、各機能は、ハードウェア及び/又はソフトウェア(コンピュータによって実行可能なプログラム)によって実現可能である。
【0067】
図5に図示されている機能ブロックのうち、ドライバプロフィール情報格納部101、一般的傾向データベース102、ドライバ傾向データ出力部103、ベイジアンネットワーク処理部104、乗車時情報検知部105、コンテンツデータ格納部106、嗜好度評価部107の機能は、図1に図示されている番組表作成装置100に設置されているものと基本的に同一であり、ここでは説明を省略する。
【0068】
一方、コンテンツスコア計算部501は、コンテンツデータ格納部106に格納されている(あるいは、格納可能な)コンテンツに対して、それぞれ独立の嗜好度(コンテンツスコア)を設定するものである。具体的には、コンテンツスコア計算部501は、コンテンツデータ格納部106に格納されている(あるいは、格納可能な)コンテンツデータのリストを取得して、各コンテンツに対して、初めは、例えばドライバ傾向データ出力部103から供給されるドライバに対応した一般的な人々の嗜好度(いわゆる、各コンテンツの一般的な人気度)を示すコンテンツスコアを設定し、各コンテンツの識別情報と各コンテンツに設定されたコンテンツスコアとが関連付けられた情報(例えば、コンテンツのタイトルとコンテンツスコアとの対応が分かるコンテンツスコアリスト)がコンテンツスコア格納部502に格納される。なお、ドライバのプロフィールに対応した一般的な人々の嗜好度ではなく、より一般的な人気ランキング(例えば、全年代及び性別を問わない人気度)に基づいて初期のコンテンツスコアを設定してもよい。また、初期コンテンツスコアに関しては、単純にすべてのコンテンツにおいて同一の値が設定されるようにしてもよい。なお、コンテンツスコア計算部501は、単に各コンテンツに対するドライバの嗜好度を表すコンテンツスコアの代わりに、コンテンツスコア及び属性スコアの両方を組み合わせることによって得られる総合スコア(例えばコンテンツスコアと属性スコアの積)を用いて、本発明に係る処理を行うことが可能である。
【0069】
また、コンテンツスコア計算部501は、番組の聴取中にドライバが行った操作(スキップ操作、リピート操作、ダイレクト選択操作)が記録された操作履歴情報に基づいて、コンテンツスコア格納部502に格納されているコンテンツスコアの値の更新を行う。例えば、スキップ操作が行われたコンテンツに対しては、そのコンテンツのコンテンツスコアを減少させ、リピート操作が行われたコンテンツに対しては、そのコンテンツのコンテンツスコアを増加させる更新処理が行われる。さらに、例えば、各コンテンツの再生履歴(再生回数や総再生時間など)によってコンテンツスコアの設定が行われてもよい。なお、特に楽曲コンテンツに関しては、同一ジャンル、同一年代、同一アーティストなどの同一属性を有する楽曲であっても、ドライバがある特定の楽曲を好み、別の楽曲は好まないような状況も起こり得る。このように、楽曲コンテンツは、個々のコンテンツごとに嗜好度が大きく異なる傾向にあり、当該コンテンツスコアの設定は非常に有効である。
【0070】
また、番組表作成部508は、図1に図示されている番組表作成部108の機能に加えて、コンテンツスコア格納部502に格納されているコンテンツスコアリストから取得可能なコンテンツスコア(あるいは、コンテンツスコア及び属性スコアの両方を組み合わせることによって得られる総合スコア)を加味して、番組表の作成を行うことが可能である。例えば、コーナーとして採用される属性や、各属性のコーナーの長さなどに関しては、ベイジアンネットワーク処理部104における処理によって決定された状態から、番組表作成部508は、ドライバの嗜好度や一般的な嗜好度を考慮してコーナーの順序を決定した後、さらに、各コーナーに挿入するコンテンツの選択及びコンテンツの順序決定の際に、コンテンツスコアの高いコンテンツが優先して選択されるようにすることが可能である。なお、コンテンツスコアに基づいてコンテンツの選択が行われる場合には、番組構成のたびに毎回似たようなコンテンツが選択されてしまう可能性もあるので、乱数による揺らぎを入れて、コンテンツスコアの高いコンテンツばかりが選択されるわけではなくランダム性のあるコンテンツの選択となるようにしてもよい。
【0071】
次に、本発明の第2の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる新規使用開始時の処理及び2回目以降の処理について説明する。図6Aには、本発明の第2の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる新規使用開始時の処理の一例が図示されており、図6Bには、本発明の第2の実施の形態におけるコンテンツ嗜好学習装置を含む番組表作成装置で行われる2回目以降の処理の一例が図示されている。
【0072】
図6Aにおいて、本発明の第2の実施の形態では、本発明の第1の実施の形態におけるステップS201〜S205(図2A参照)と同様にベイジアンネットワークモデルの学習動作、ベイジアンネットワークの推論計算、各属性ノードの事後確率値の評価(各属性ノードの嗜好度の推論)が行われる。なお、当該第2の実施の形態では、上述したコンテンツスコアに対比して、ベイジアンネットワークによって定まる属性ノードの嗜好度を属性スコアと呼ぶ場合がある。なお、コンテンツスコアは、個々のコンテンツごとに定まるスコアであり、属性スコアは、個々の属性(ジャンル、年代、アーティスト)ごとに定まるスコアである。
【0073】
また、ステップS201〜S205と並行して、コンテンツスコア計算部501は、各コンテンツに対してコンテンツスコアの初期値を設定する(ステップS601)。このコンテンツスコアの初期値の設定は、上述のように、一般的な人気度を参照して設定されてもよく、あるいは、単純にすべてのコンテンツスコアに同一の値が設定されてもよい。そして、番組表作成部508は、図2Aに図示されているステップS207の処理で説明したように、属性スコアに基づいて、番組を構成するコーナーの属性、各コーナーの長さ、コーナーの順序を決定し、さらに、各コーナー内に配置するコンテンツ(各コーナーに挿入するコンテンツ)の優先度を各コンテンツのコンテンツスコアに基づいて決定することが可能である(ステップS603)。これにより、コンテンツスコアに基づいた番組表の作成が行われることになり、個々のコンテンツに対する嗜好度がより反映された番組表の作成が可能となる。また、コンテンツスコア及び属性スコアの両方に基づいた番組表の作成が行われることで、さらに、ドライバの嗜好度がより反映された番組表の作成が可能となる。
【0074】
なお、各コンテンツに対するドライバの嗜好度を表すコンテンツスコアに、各コンテンツの属性に対するドライバの嗜好度を表す属性を加えてもよい。すなわち、各コンテンツに対するコンテンツスコアと、各コンテンツの属性に対する属性との組み合わせた結果得られる値(例えば、コンテンツスコアと属性スコアとの積の値)を総合スコアとし、上述のステップS603において、この総合スコアに基づいて各コーナー内に配置するコンテンツの優先度を決定してもよい。なお、本明細書で説明されている動作において、コンテンツスコアに対して行われる動作を、コンテンツスコア及び属性スコアの組み合わせから得られる総合スコアに対して行われる動作と読み換えることが可能である。
【0075】
また、図6Bにおいて、本発明の第2の実施の形態では、既に存在している番組表の更新が行われる場合には、本発明の第1の実施の形態におけるステップS211、S213(図2B参照)と同様に、操作履歴情報の記録と、この操作履歴情報を加味した属性スコアの計算が行われる。
【0076】
また、ステップS211、S213と並行して、コンテンツスコア計算部501は、記録された操作履歴情報を参照して、基本的に、スキップ操作の対象となったコンテンツのコンテンツスコアを減少させ、リピート操作の対象となったコンテンツのコンテンツスコアを増加させるように、コンテンツスコアの更新を行う(ステップS611)。なお、同様にして、例えば、ダイレクト選択操作によって選択されたコンテンツのコンテンツスコアを増加させてもよく、また、ダイレクト選択操作によって途中で再生が停止されたコンテンツのコンテンツスコアを減少させてもよい。
【0077】
そして、番組表作成部508は、図2Bに図示されているステップS215の処理で説明したように、操作履歴情報を加味して変更された属性スコアに基づいて、番組を構成するコーナーの属性、各コーナーの長さ、コーナーの順序を決定し、さらに、各コーナー内に配置するコンテンツ(各コーナーに挿入するコンテンツ)の優先度を各コンテンツのコンテンツスコアに基づいて決定することが可能である(ステップS613)。これにより、基本的にドライバの行った操作履歴のみに基づいてドライバの嗜好性を反映するコンテンツスコアの更新が行われることになる。また、コンテンツスコア及び属性スコアの両方共、基本的にドライバの操作履歴に基づいて、ドライバの嗜好性がより反映されるように更新されていくので、ドライバの操作履歴を記録、蓄積するという簡単な処理のみで、ドライバの嗜好度がより反映された番組表の作成が可能となる。
【0078】
また、図7には、本発明の第2の実施の形態において、使用開始時(初回の番組構成)の曲スコア及び属性スコアから、使用開始後(2回目以降の番組構成)の曲スコア及び属性スコアに変更される様子が模式的に図示されている。
【0079】
図7に模式的に図示されているように、使用開始時(初回)は、個々のコンテンツに独立して定められるコンテンツスコアに関しては、例えば一般的人気度に基づいて、属性に対する嗜好度である属性スコアに関しては、例えばドライバのプロフィールやHDDにリッピングされている楽曲コンテンツの属性などに基づいてそれぞれ初期設定が行われる。
【0080】
一方、使用開始後、ドライバの操作履歴情報が蓄積された場合には、コンテンツスコア及び属性スコアのそれぞれに対して、ドライバの操作履歴情報に基づいた更新処理が行われる。属性スコアの場合には、ベイジアンネットワークにドライバの操作履歴情報が反映さる学習動作が行われた結果、各属性ノードの持つ条件付確率表(さらには、事後確率値)によって特定される属性スコアの更新が行われる。一方、コンテンツスコアに関しても、ドライバの操作履歴情報を反映するようにコンテンツスコアの値が変更されることによって、コンテンツスコアの更新が行われる。
【0081】
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、これにより、コンテンツスコアに基づいた番組表の作成が行われることになり、個々のコンテンツに対する嗜好度がより反映された番組表の作成が可能となる。また、コンテンツスコア及び属性スコアの両方に基づいた番組表の作成が行われることで、さらに、ドライバの嗜好度がより反映された番組表の作成が可能となる。さらに、これにより、基本的にドライバの行った操作履歴のみに基づいてドライバの嗜好性を反映するコンテンツスコアの更新を行うことが可能となる。また、コンテンツスコア及び属性スコアの両方共、基本的にドライバの操作履歴に基づいて、ドライバの嗜好性がより反映されるように更新されていくので、ドライバの操作履歴を記録、蓄積するという簡単な処理のみで、ドライバの嗜好度がより反映された番組表の作成が可能となる。
【0082】
次に、上述したスキップ操作及びリピート操作の定義を補充する。なお、特に、スキップ操作及びリピート操作は、ドライバが自身の嗜好に合わせるために、ドライバによって自然に行われる操作である。
【0083】
スキップ操作は、基本的には、現在聴いているコンテンツの再生を中断して、番組上で次のコンテンツの再生を開始する操作である。上述の本発明の第1及び第2の実施の形態では、スキップ操作に対する学習方法を一律に決定(すなわち、単純にスキップ操作の有無のみを参照)することも可能であるが、同じスキップ操作であっても、コンテンツを聴いた時間やスキップ頻度などを考慮してもよい。具体的には、コンテンツをほとんど最後まで聴いてスキップした場合はスキップ扱いにしないようにしたり、スキップ操作をするまでにコンテンツを聴いた時間を考慮して学習度合いを調整したりすることが可能である。
【0084】
例えば、上述の本発明の第1及び第2の実施の形態で行われるベイジアンネットワークモデルの条件付確率表に対する学習方法としては、1曲中の聴かなかった部分の割合(スキップ操作を行って聴かなかった部分の時間の長さ/曲全体の長さ)に比例して、条件付確率表の中の該当する条件付確率値を減少させる割合を決定してもよい。また、上述の本発明の第2の実施の形態で行われるコンテンツスコアの学習方法も同様にして、1曲中の聴かなかった部分の割合に比例して、コンテンツスコアを減少させる割合を決定してもよい。また、スキップ操作の頻度が非常に多い場合は、嗜好に合わないためスキップ操作しているわけではないと判断して、学習の対象データに採用しないようにすることも可能である。
【0085】
また、リピート操作は、基本的には、現在聴いているコンテンツの再生終了時や終了後、あるいは、コンテンツの再生を中断して、そのコンテンツの再生を再度開始する操作である。上述の本発明の第1及び第2の実施の形態では、リピート操作に対する学習方法を一律に決定(すなわち、リピート操作の有無のみを単純に参照)することもできるが、同じリピート操作であっても、コンテンツを聴いた時間やリピート頻度などを考慮してもよい。具体的には、コンテンツをほとんど聴かずにリピートした場合は嗜好に合うためにリピートしたわけではないと判断して、リピート操作として扱わないようにしたり、リピート操作をするまでにコンテンツを聴いた時間を考慮して学習度合いを調整したりすることが可能である。
【0086】
例えば、上述の本発明の第1及び第2の実施の形態で行われるベイジアンネットワークモデルの条件付確率表に対する学習方法としては、1曲中の聴いた部分の割合(スキップ操作を行うまでに聴いた部分の時間の長さ/曲全体の長さ)に比例して、条件付確率表の中の該当する条件付確率値を増加させる割合を決定してもよい。また、上述の本発明の第2の実施の形態で行われるコンテンツスコアの学習方法も同様にして、1曲中の聴いた部分の割合に比例して、コンテンツスコアを増加させる割合を決定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、ユーザは、嗜好情報の設定などの面倒な前準備操作を行うことなく、ユーザの嗜好に合った情報提供(番組構成及び番組コンテンツの選択)を使用開始時から受けることができるようになるという効果を有しており、ユーザの嗜好を考慮したユーザへの情報提供に係る技術や、そのためにユーザの嗜好を学習するための技術に適用可能である。また、本発明は、ユーザ嗜好を反映した番組を作成して、ユーザの嗜好にあった番組を提供する技術や、ユーザ嗜好を反映したレストランやその他の立ち寄り施設の選択を行うための技術に適用可能であり、さらには、車両を運転するドライバに対して情報を提供する技術に適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
100、500 番組表作成装置
101 ドライバプロフィール情報格納部
102 一般的傾向データベース
103 ドライバ傾向データ出力部
104 ベイジアンネットワーク処理部
105 乗車時情報検知部
106 コンテンツデータ格納部
107 嗜好度評価部
108、508 番組表作成部
109 操作履歴情報格納部
110 操作入力部
501 コンテンツスコア計算部
502 コンテンツスコア格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載されている移動体搭載装置内にあらかじめ格納されている情報を選択的に読みだすステップと、
確率的な推論処理を行う確率的推論モデル処理部で、選択的に読み出された前記情報に基づいて前記推論処理に係る学習処理を行うステップと、
前記移動体にユーザが乗車している状況を検出するステップと、
検出された前記状況に対して前記確率的推論モデル処理部で推論処理を行い、所定の複数の属性の中から前記状況に関連がある属性を推論するステップと、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記ユーザの嗜好度を表すコンテンツスコアを付けて、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記コンテンツスコアを格納するステップと、
検出された前記状況に関連があると推論された属性、さらに前記コンテンツスコアに基づいて前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うとともに、前記ユーザに提供する対象として選択された前記情報を提供する方法を決定するステップとを、
有する情報提供支援方法。
【請求項2】
移動体に搭載されている移動体搭載装置内にあらかじめ格納されている情報を選択的に読みだすステップと、
確率的な推論処理を行う確率的推論モデル処理部で、選択的に読み出された前記情報に基づいて前記推論処理に係る学習処理を行うステップと、
前記移動体にユーザが乗車している状況を検出するステップと、
検出された前記状況に対して前記確率的推論モデル処理部で推論処理を行い、所定の複数の属性の中から前記状況に関連がある属性を推論するステップと、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記ユーザの嗜好度を表すコンテンツスコアを付けて、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記コンテンツスコアを格納するステップと、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれが有する属性に対して前記確率的推論モデル処理部で定められている前記ユーザの嗜好度を示す属性スコアと、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれの前記コンテンツスコアとに基づいて、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれの総合スコアを決定するステップと、
検出された前記状況に関連があると推論された属性、さらに前記総合スコアに基づいて前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うとともに、前記ユーザに提供する対象として選択された前記情報を提供する方法を決定するステップとを、
有する情報提供支援方法。
【請求項3】
乱数を発生させて、前記乱数も加味して前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うステップを有する請求項1に記載の情報提供支援方法。
【請求項4】
乱数を発生させて、前記乱数も加味して前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うステップを有する請求項2に記載の情報提供支援方法。
【請求項5】
前記ユーザに提供する対象として選択された情報、及び、その情報を提供する方法に基づいて、前記ユーザに前記情報の提供を行うステップと、
前記情報の提供を行っている最中に、前記ユーザによって行われた操作を操作履歴情報として記録するステップと、
前記確率的推論モデル処理部で、前記操作履歴情報に基づいて学習処理を行うステップとを、
有する請求項1から4のいずれか1つに記載の情報提供支援方法。
【請求項6】
前記ユーザに提供する対象として選択された情報、及び、その情報を提供する方法に基づいて、前記ユーザに前記情報の提供を行うステップと、
前記情報の提供を行っている最中に、前記ユーザによって行われた操作を操作履歴情報として記録するステップと、
前記操作履歴情報に基づいて前記コンテンツスコアを変更するステップとを、
有する請求項1から4のいずれか1つに記載の情報提供支援方法。
【請求項7】
前記操作履歴情報として記録する前記ユーザによって行われた操作に、スキップ操作、リピート操作、ダイレクト選択操作の少なくとも1つが含まれる請求項5又は6に記載の情報提供支援方法。
【請求項8】
所定の情報が提供されている途中で前記スキップ操作又は前記リピート操作が行われた場合、前記所定の情報が提供された途中までの時間を記録するステップと、
前記確率的推論モデル処理部で、前記操作履歴情報と共に前記時間に基づく学習処理を行うステップとを、
有する請求項7に記載の情報提供支援方法。
【請求項9】
前記ユーザに提供する情報の選択、及び、前記情報を提供する方法の決定において、前記状況に関連があると推論された属性のコーナーを有する番組を作成する請求項1から8のいずれか1つに記載の情報提供支援方法。
【請求項10】
前記状況に関連があると推論された属性のコーナーを複数含む番組を作成する場合、各属性に関する嗜好度の大きさに応じて各コーナーの長さを比例配分する請求項9に記載の情報提供支援方法。
【請求項11】
複数の属性を組み合わせて前記状況に関連がある前記属性の組み合わせを推論させ、前記状況に関連があると推論された属性の組み合わせのコーナーを有する番組を作成する請求項9に記載の情報提供支援方法。
【請求項12】
移動体に搭載されている移動体搭載装置内にあらかじめ格納されている情報を選択的に読みだす手段と、
確率的な推論処理を行うとともに、選択的に読み出された前記情報に基づいて前記推論処理に係る学習処理を行う確率的推論モデル処理手段と、
前記移動体にユーザが乗車している状況を検出する状況検出手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記ユーザの嗜好度を表すコンテンツスコアを付けるコンテンツスコア付与手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記コンテンツスコアを格納するコンテンツスコア格納手段と、
検出された前記状況に対して前記確率的推論モデル処理手段で推論処理を行わせて、所定の複数の属性の中から前記状況に関連がある属性を推論させ、前記状況に関連があると推論された属性、さらに前記コンテンツスコアに基づいて前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うとともに、前記ユーザに提供する対象として選択された前記情報を提供する方法を決定する情報提供支援手段とを、
有する情報提供支援装置。
【請求項13】
移動体に搭載されている移動体搭載装置内にあらかじめ格納されている情報を選択的に読みだす手段と、
確率的な推論処理を行うとともに、選択的に読み出された前記情報に基づいて前記推論処理に係る学習処理を行う確率的推論モデル処理手段と、
前記移動体にユーザが乗車している状況を検出する状況検出手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記ユーザの嗜好度を表すコンテンツスコアを付けるコンテンツスコア付与手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれに対する前記コンテンツスコアを格納するコンテンツスコア格納手段と、
前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれが有する属性に対して前記確率的推論モデル処理手段で定められている前記ユーザの嗜好度を示す属性スコアと、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれの前記コンテンツスコアとに基づいて、前記ユーザに提供可能な情報のそれぞれの総合スコアを決定する総合スコア決定手段と、
検出された前記状況に対して前記確率的推論モデル処理手段で推論処理を行わせて、所定の複数の属性の中から前記状況に関連がある属性を推論させ、前記状況に関連があると推論された属性、さらに前記総合スコアに基づいて前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択を行うとともに、前記ユーザに提供する対象として選択された前記情報を提供する方法を決定する情報提供支援手段とを、
有する情報提供支援装置。
【請求項14】
乱数を発生させる手段を有し、前記乱数も加味して前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択が行われる請求項12に記載の情報提供支援装置。
【請求項15】
乱数を発生させる手段を有し、前記乱数も加味して前記ユーザに提供可能な情報の中から前記ユーザに提供する情報の選択が行われる請求項13に記載の情報提供支援装置。
【請求項16】
前記ユーザに提供する対象として選択された情報、及び、その情報を提供する方法に基づいて、前記ユーザに前記情報の提供を行う情報提供手段と、
前記情報の提供を行っている最中に、前記ユーザによって行われた操作を操作履歴情報として記録する操作履歴情報記録手段と、
前記確率的推論モデル処理部で、前記操作履歴情報に基づいて学習処理を行わせるモデル更新制御手段とを、
有する請求項12から15のいずれか1つに記載の情報提供支援装置。
【請求項17】
前記ユーザに提供する対象として選択された情報、及び、その情報を提供する方法に基づいて、前記ユーザに前記情報の提供を行う情報提供手段と、
前記情報の提供を行っている最中に、前記ユーザによって行われた操作を操作履歴情報として記録する操作履歴情報記録手段と、
前記操作履歴情報に基づいて前記コンテンツスコアを変更するコンテンツスコア変更手段とを、
有する請求項12から15のいずれか1つに記載の情報提供支援装置。
【請求項18】
前記操作履歴情報として記録する前記ユーザによって行われた操作に、スキップ操作、リピート操作、ダイレクト選択操作の少なくとも1つが含まれる請求項16又は17に記載の情報提供支援装置。
【請求項19】
所定の情報が提供されている途中で前記スキップ操作又は前記リピート操作が行われた場合、前記所定の情報が提供された途中までの時間を記録する経過時間情報記録手段を有し、前記確率的推論モデル処理部で、前記操作履歴情報と共に前記時間に基づく学習処理を行わせる請求項18に記載の情報提供支援装置。
【請求項20】
前記情報提供支援手段が、前記状況に関連があると推論された属性のコーナーを有する番組を作成するように構成されている請求項12から19のいずれか1つに記載の情報提供支援装置。
【請求項21】
前記情報提供支援手段が、前記状況に関連があると推論された属性のコーナーを複数含む番組を作成する場合、各属性に関する嗜好度の大きさに応じて各コーナーの長さを比例配分するように構成されている請求項20に記載の情報提供支援装置。
【請求項22】
前記情報提供支援手段が、複数の属性を組み合わせて前記状況に関連がある前記属性の組み合わせを推論させ、前記状況に関連があると推論された属性の組み合わせのコーナーを有する番組を作成するように構成されている請求項20に記載の情報提供支援装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−39914(P2013−39914A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−214406(P2012−214406)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2007−280081(P2007−280081)の分割
【原出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)