説明

情報提供装置、及びプログラム

【課題】屋内GPS信号(エリア内情報)を用いるか否かの判定における切り替えの精度を向上させる情報提供装置を提供する。
【解決手段】情報提供装置(10)は、サービス対象のエリアの出入り口(10d)の近傍にユーザがいるか否かを検出する検出部(11)と、検出部による検出結果に応じて扉の開閉を行う扉制御部(12)と、扉制御部が扉の開閉動作を行う際に、当該扉の開閉動作を行うことを表す開閉情報とエリア内情報とを含む第2の測位信号を、出入り口の近傍に存在する通信可能な領域内の端末装置(20)へ送信する送信部(13)とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、及び情報提供装置からの情報を処理する端末装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが屋外から屋内に移動してきた際、屋外GPS(Global Positioning System)信号から屋内GPS信号へと測位信号の受信を切り替える機能を用いることで、端末装置は、画面やスピーカ等に出力する情報を、屋内GPS信号に応じたサービスに関する情報に切り替えるシステムがある。例えば、屋外から屋内に移動したと判定することを契機として、屋内の地図を端末装置に表示したり、屋内で受けられるサービスの案内情報を端末装置に表示させることができる。
【0003】
このようなシステムとして、特許文献1においては、屋外GPS信号の受信強度が基準値未満になった場合に、端末装置は、屋内であると判定し、屋内向けの屋内GPS信号を受信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−271206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、端末装置が、受信する屋外GPS信号または屋内GPS信号の受信強度に従って屋内か屋外かのいずれかにいるかを判定する。そのため、ユーザが窓際や中庭等にいる場合、屋内にいるにもかかわらず、基準値以上の屋外GPS信号を受信すると、屋外にいるものとして判定してしまい、屋外GPS信号に応じたサービスを提供するように切り替わってしまう場合がある。
【0006】
つまり、特許文献1のシステムの構成では、屋内というサービスエリア内であるにも関わらず、サービスエリア外である屋外のGPS信号を受信することでサービスエリア外の情報に切り替わって端末装置に出力されてしまう場合がある。そうすると、サービスエリア内の情報を提供することができない。
【0007】
また、サービス対象のエリア内向けのGPS信号をサービスエリア内に送信しても、サービスエリアの周縁においては、ユーザがサービスエリア外であるにも関わらず、また、ユーザがサービスエリア内に入ることができないにも関わらず、サービスエリア内の情報に切り替わって端末装置に出力されてしまう場合がある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、端末装置が屋内GPS信号(エリア内の情報)を用いるか否かの判定における切り替えの精度を向上させる情報提供装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の情報提供装置は、送信元から送信される第1の測位信号と前記第1の測位信号とは異なる測位信号でありサービス対象のエリアに関する情報であるエリア内情報を含む第2の測位信号とのうちいずれかの測位信号に基づく情報を出力する機能を有しユーザに携帯される端末装置へ、前記第2の測位信号を送信する情報提供装置であって、
前記サービス対象のエリアの出入り口の近傍にユーザがいるか否かを検出する検出部と、前記検出部による検出結果に応じて扉の開閉を行う扉制御部と、前記扉制御部が扉の開閉動作を行う際に、当該扉の開閉動作を行うことを表す開閉情報と前記エリア内情報とを含む前記第2の測位信号を、前記出入り口の近傍に存在する通信可能な領域内の前記端末装置へ送信する送信部とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の情報提供装置は、上記情報提供装置において、前記送信部は、前記検出部が検出した結果に基づいて、前記ユーザがエリア内とエリア外のどちら側に移動したかを判定し、判定結果と前記開閉情報と前記エリア内情報とを送信することを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明のプログラムは、端末装置のコンピュータに、情報提供装置から送信される情報を受信する受信ステップと、前記受信した情報に、サービス対象のエリアの出入り口に設けられた扉が開いたことを表す開閉情報が含まれているか否かを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップにおける判定結果に応じて、前記情報提供装置から送信される自端末装置の位置を示す位置データを含む情報を出力するか否かを判定する第2の判定ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザが携帯する端末装置は、扉の開閉動作を契機として、開閉情報を含むエリア内情報を受信することで、エリア内情報を出力することができる。そのため、ユーザは、サービスエリア内への移動に応じて、移動先のエリアに基づいたサービスの提供を受けることができる。
また、扉が開閉しない限り、開閉情報が端末装置へ送信されないので、エリア内情報が端末装置から出力されない。そのため、サービスエリア外にいるユーザや、サービスエリア周縁においてサービスエリアに入る可能性がないユーザにサービスの提供をしないようにすることもできる。
【0013】
このように、本発明によれば、端末装置において、送信部が出力するエリア内情報を用いるか否かの判定における切り替えの精度を向上させる情報提供装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る情報提供装置10の概略構成図である。
【図2】屋内GPS送信機13の構成を示すブロック図である。
【図3】端末装置20の構成を示すブロック図である。
【図4】端末装置20の処理を説明するためのフロー図である。
【図5】本実施形態に係る情報提供装置10aの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る情報提供装置10の構成を含む情報提供システムの全体概略構成図である。また、図2は、情報提供装置10からの情報を受信する端末装置20、及び端末装置に情報を送信する屋内GPS送信機13の構成を示すブロック図である。
GPS衛星30(航法衛星)は3つ以上存在するが、図1においては、2つのGPS衛星30a、GPS衛星30bが図示されている。GPS衛星30各々は、地上にある端末装置20に対して、測位のための信号(以下、屋外GPS信号と呼ぶ)を送信する機能を有する。
【0016】
端末装置20は利用者21によって携帯される。
端末装置20は、GPS衛星30からの屋外GPS信号と、屋内GPS送信機13が送信する、送信機の位置情報を含み屋外GPS信号の形式と同じ測位信号(以下、屋内GPS信号と呼ぶ)とを、いずれも同時に受信し復調する機能を有する(詳細後述)。
なお、「屋内」とは、ビルその他の建築物の内部に限られず、GPS衛星30から送信された電波が受信できない場所であればよく、たとえば、地下街、鉄道の車両内等も含まれる。図1においては、ドア10d(扉)により仕切られた空間のうち、屋内GPS送信機13側を「屋内」、その反対側を「屋外」として示している。
【0017】
まず、情報提供装置10について説明する。図1に示すように、情報提供装置10は、検出部11、自動ドア制御盤12(扉制御部)、屋内GPS送信機13(GPS送信部)を含んで構成される。
【0018】
検出部11は、サービス対象のエリアである屋内のドア10d(出入り口)の近傍に端末装置20を所持する利用者21(ユーザ)がいるか否かを検出する。この検出部は、赤外線センサ11aと赤外線センサ11bとを含む。
赤外線センサ11aは、ドア10dの屋外側に設けられ、内部に有する赤外線を照射し、反射する赤外線を受光し、受光する赤外線の変化に応じて、屋外から屋内への人の移動があることを示す検出信号を自動ドア制御盤12(扉制御部)に対して送信する。赤外線センサ11bは、ドア10dの屋内側に設けられ、内部に有する赤外線を照射し、反射する赤外線を受光し、受光する赤外線の変化に応じて、屋内から屋外への人の移動があることを示す検出信号を自動ドア制御盤12に対して送信する。
【0019】
自動ドア制御盤12は、検出部11の検出結果に応じて扉の開閉を行う扉制御部であり、赤外線センサ11a又は赤外線センサ11bから検出信号を受信すると、ドア10dを開け、検出信号が受信されなくなってから予め設定された期間が経過した後ドア10dを閉める。
さらに、自動ドア制御盤12は、ドア10dを開ける際に、ドア10dの開閉動作を行うことを表す開閉情報を、屋内GPS送信機13に対して送信する。
【0020】
図2は、屋内GPS送信機13の構成を示す概略ブロック図である。
屋内GPS送信機13は、送信部131と記憶部132とを含んで構成される。
記憶部132は、屋内GPS送信機13の位置情報として、その緯度、経度、高さの情報、フロアの情報、ID情報などを記憶している。
送信部131は、自動ドア制御盤12からドア10dの開閉動作を行うことを表す開閉情報が入力されると、このドア開閉情報を、記憶部132から読み出した屋内GPS送信機13の設置場所の位置情報に付加して、屋内GPS信号を生成する。
また、送信部131は、生成した屋内GPS信号を、通信可能なエリアAに無線送信する。なお、通信可能なエリアAとして、図1においては屋内側に存在するように示しているが、屋外の領域の一部を含めて通信可能なエリアAとしてもよい。
【0021】
続いて、端末装置20の構成について説明する。図3は、端末装置20の構成を示す概略ブロック図である。
端末装置20は、制御部201、受信部202、及び表示部203を含んで構成される。
受信部202は、測位信号(屋内GPS信号または屋外GPS信号)を無線によって受信して電気信号に変換し、制御部201に対して出力する回路である。
制御部201は、判定部201a、モード記憶部201b、位置データ生成部201c、及び記憶部201dを含んで構成される。
モード記憶部201bは、現在の端末装置20の位置が屋内にあるか屋外にあるかを表す動作モードを示すデータを記憶するデータの書き換えが可能な記憶部である。この動作モードは、端末装置20の位置が屋内であることを表す屋内モードと、端末装置20の位置が屋外であることを表す屋外モードとがあり、現在のモードがどちらであるかを表す。
判定部201aは、受信部202が受信する測位信号にドアの開閉情報が含まれるか否かを判定する。
また、判定部201aは、測位信号にドアの開閉情報が含まれる場合、モード記憶部201bに記憶されたデータを読み出し、このデータを現在の動作モードとは反対の動作モードへ切り替え、切り替え後のデータをモード記憶部201bに書き込む。判定部201aは、現在の動作モードが屋外モードであれば屋内モードへ切り替え、屋内モードであれば屋外モードへ切り替え、切り替え後のデータをモード記憶部201bに書き込む。
【0022】
位置データ生成部201cは、モード記憶部201bが記憶する動作モードに応じて、受信部202が受信した測位信号から位置データを算出する。
位置データ生成部201cは、モード記憶部201bが記憶する動作モードが屋外モードである場合、端末装置20が屋外に存在する場合における測位処理を実行する。位置データ生成部201cは、屋外GPS信号(第1の測位信号)に応じて、端末装置20自身の位置を示す位置データを算出する。
一方、位置データ生成部201cは、モード記憶部201bが記憶する動作モードが屋内モードである場合、端末装置20が屋内に存在する場合における測位処理を実行する。屋内GPS送信機13から、送信機の場所を特定するための位置情報が含まれる屋内GPS信号(第2の測位信号)を送信されるので、端末装置20は、屋内GPS信号に含まれる位置情報を取り出し、その位置情報を端末装置20の位置を示す位置データとして生成する。
【0023】
また、位置データ生成部201cは、算出した端末装置20の位置を示す位置データを、画面を表示するためのデータに組み込み、自端末の位置を表わす画像、あるいは自端末を含む周辺地図を表示するための画像を生成する。
記憶部201dは、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリで構成され、上述した制御部201内の各回路の動作を制御するためのプログラムを記憶している。制御部201の各回路は、起動時に記憶部201dから当該プログラムを読み出し、上述した動作を実行する。
【0024】
出力部203は、位置データ生成部201cが生成した画像を表示したり、音声を出力することで、端末装置20の利用者21にサービスを提供する。利用者21は、このサービスにより、現在の自身の位置、及び行き先の位置等を知ることができる。なお、サービスの提供は、端末装置20が有する無線機能により、移動体通信網経由で管理サーバへ送信し、管理サーバ側でこの端末装置20の位置及び送信時間等の履歴を一元的に管理することで、利用者21へ地図情報等を提供する構成としてもよい。
【0025】
続いて、上述した情報提供システムにおいて、端末装置20の行う処理について説明する。
図4は、端末装置20の処理を説明するためのフロー図である。端末装置20は、以下に説明する判定処理を実行するプログラムを記憶部201d内に有しており、このプログラムに従って、屋内または屋外において、利用者21に端末装置20の位置情報を提供する。また、ここでは、端末装置20が存在する、屋外又は屋内の位置に対応する動作モードが、モード記憶部201bに記憶されているものとして説明する。
【0026】
端末装置20は、屋内または屋外において、予め設定されたタイミングにより測位信号(屋外GPS信号または屋内GPS信号)を、周期的に受信する(ステップS1)。
端末装置20は、受信した測位信号に、屋内GPS送信機13が送信する、出力するドアの開閉情報が含まれているか否かを判定する(ステップS2;第1の判定ステップ)。
【0027】
端末装置20は、受信した測位信号にドアの開閉情報が含まれていない場合、現在端末装置20は屋外にあると判定し、ステップS3に進む(ステップS2−No)。
端末装置20は、現在端末装置20は屋外にあると判定したので、屋外GPS信号に基づいて自端末の位置を示す位置データを算出する(ステップS3)。
次に、端末装置20は、この端末装置20の位置を示す位置データを、画面を表示するためのデータに組み込み、自端末の位置を示す画像を生成し、自端末が備えるディスプレイに表示する。また、端末装置20は、必要に応じて位置データに応じた音声を出力する(ステップS6)。
【0028】
一方、端末装置20は、受信した測位信号にドアの開閉情報が含まれている場合、現在の動作モードを現在とは反対の動作モードへ切り替え、ステップS4に進む。
端末装置20は、切り替え後の動作モードが屋内モードか否かを判定する(ステップS4;第2の判定ステップ)。
【0029】
端末装置20は、切り替え後の動作モードが屋外モードにある場合、ステップS3に進む(ステップS4−No)。そして、端末装置20は、上述したステップS3、及びステップS6の処理を実行する。
一方、端末装置20は切り替え後の動作モードが屋内モードにある場合、屋内GPS送信機13が送信する屋内GPS信号に基づいて、屋内GPS送信機13の位置を特定するための位置情報(緯度、経度、高度を示す座標値)を抽出し、その位置情報を端末装置20の位置を示す位置データとする(ステップS5)。
【0030】
次に、端末装置20は、この端末装置20の位置を示す位置データを、画面を表示するためのデータに組み込み、自端末の位置を示す画像を生成し、自端末が備えるディスプレイに表示する。また、端末装置20は、必要に応じて位置データに応じた音声を出力する(ステップS6)。
【0031】
このように、本発明の情報提供装置(情報提供装置10)は、送信元(GPS衛星30)から送信される第1の測位信号(屋外GPS信号)と第1の測位信号とは異なる測位信号でありサービス対象のエリアに関する情報であるエリア内情報(屋内GPS送信機13の位置情報)を含む第2の測位信号(屋内GPS信号)とのうちいずれかの測位信号に基づく情報を出力する機能を有しユーザ(利用者21)に携帯される端末装置(端末装置20)へ、第2の測位信号を送信する情報提供装置である。
また、情報提供装置10は、サービス対象のエリアの出入り口(ドア10d)の近傍にユーザがいるか否かを検出する検出部(検出部11)と、検出部による検出結果に応じて扉の開閉を行う扉制御部(自動ドア制御盤12)と、扉制御部が扉の開閉動作を行う際に、当該扉の開閉動作を行うことを表す開閉情報とエリア内情報とを含む第2の測位信号を、出入り口の近傍に存在する通信可能な領域内(エリアA)の端末装置へ送信する送信部(屋内GPS送信機13)とを有する。
【0032】
図5は、検出部11の構成を、赤外線センサからICカードリーダーに変更した場合の実施形態を示す図である。図5において、図1と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、情報提供装置10aにおいて、検出部41は、ICカードリーダー41a及びICカードリーダー41bから構成され、ドア10dの近傍に端末装置20を所持し、かつICカード40を所持する利用者21(ユーザ)によって所定の距離内に近づけられたICカード40を検出する検出部である。
【0033】
ICカードリーダー41aは、ドア10dの屋外側に設けられ、利用者21が保持するICカード40を検出し、ICカード40に記憶されたユーザIDを読み込み、ドア制御盤12aに出力する。ドア制御盤12aは、ICカードリーダー41aが読み込んだユーザIDが、ドア制御盤12aの内に内蔵するデータベースに格納されているか否かを判定し、格納されている場合、ドア10dを開け、予め設定された期間が経過した後ドア10dを閉める。ICカードリーダー41bは、ドア10dの屋内側に設けられ、利用者21が保持するICカード40を検出し、ICカード40に記憶されたユーザIDを読み込み、ドア制御盤12aに出力する。ドア制御盤12aは、ICカードリーダー41bが読み込んだユーザIDが、ドア制御盤12aの内に内蔵するデータベースに格納されているか否かを判定し、格納されている場合、ドア10dを開け、予め設定された期間が経過した後ドア10dを閉める。
【0034】
この実施形態では、ICカード40がユーザによってICカードリーダー(ICカードリーダー41a、ICカードリーダー41b)に近づけられたことを契機にしてドア10dを開閉するようにした。これにより、利用者21(ユーザ)がエリア内に入る意思があってドア10d近傍に接近したと見なすことができるので、ユーザがエリア内に移動することの検出精度を向上させることができる。
なお、ICカード40が有する機能を、端末装置20に含める構成としてもよい。
【0035】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
たとえば、図1に示す情報提供システムでは、屋内GPS送信機13が、ドアの開閉情報により、ユーザが屋外から屋内へ、または屋内から屋外へ移動することを判定し、端末装置20は、受信したドアの開閉情報により、現在の動作モードをそれまでの動作モードとは反対の動作モードへ切り替える構成とした。
【0036】
この構成を、屋内GPS送信機13が、ユーザが屋内と屋外のどちら側に移動したかを判定する構成としてもよい。例えば、赤外線センサを用いた上記実施形態では、屋外側の赤外線センサ11aが屋内側の赤外線センサ11bより早く人の動きを検出した場合、ドアの開閉情報に、屋外から屋内への移動との移動の方向を示す情報も含めるようにし、屋内側の赤外線センサ11bが屋外側の赤外線センサ11aより早く人の動きを検出した場合、ドアの開閉情報に、屋内から屋外への移動との移動の方向を示す情報も含めるようにしてもよい。
【0037】
そして、屋内GPS送信機13は、この移動の方向を示す情報をドアの開閉情報に含めて、端末装置20に送信する。端末装置20では、移動の方向を示す情報により、屋外から屋内への移動、または屋外から屋内へ移動のいずれか一方があったと判定し、屋内の位置データを算出してもよい。つまり、実施形態において述べたような動作モードの切り替えを行なうことなく、屋内から屋外へ移動したことを表す情報を受信した場合、屋外の位置データを算出し、屋外から屋内へ移動したことを表す情報を受信した場合、屋内の位置データを算出する構成としてもよい。
【0038】
同様に、図5に示す情報提供システムでは、ICカードリーダー41a、及びICカードリーダー41bのうち、ICカードリーダー41aが人の動きを検出した場合、ドアの開閉情報には、屋外から屋内への移動という移動の方向を示す情報も含めるようにし、一方、ICカードリーダー41bが人の動きを検出した場合、ドアの開閉情報には、屋内から屋外への移動という移動の方向を示す情報も含めるようにしてもよい。
【0039】
そして、上記の赤外線センサと同様に、屋内GPS送信機13は、この移動の方向を示す情報をドアの開閉情報に含めて、端末装置20に送信する。端末装置20では、移動の方向を示す情報に基づいて、屋外から屋内への移動、または屋内から屋外への移動のいずれか一方があったと判定し、判定結果に従ってそれぞれ屋内の位置データ、屋外の位置データを算出してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、ドア開閉の検出手段として、赤外線センサ、ICカードリーダーを例にとって説明したが、検出手段は、これらに限られるものではない。例えば、検出手段として、物体を載せるとその物体の重量を圧電により計測するマット型圧電式体重検出装置を用いてもよい。さらに、ドアやドア枠に接触型センサを取り付け、それによりドアの開閉を認識する構成としてもよい。また、検出手段として、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像装置(画像認識装置)を用い、画像処理をすることにより、人物の検出をしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10,10a…情報提供装置、10d…ドア、11,41…検出部、11a,11b…赤外線センサ、12,12a…ドア制御盤、13…屋内GPS送信機、131…送信部、132,201d…記憶部、20…端末装置、21…利用者、201…制御部、201a…判定部、201b…モード記憶部、201c…位置データ生成部、30,30a,30b…GPS衛星、40…ICカード、41a,41b…ICカードリーダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信元から送信される第1の測位信号と前記第1の測位信号とは異なる測位信号でありサービス対象のエリアに関する情報であるエリア内情報を含む第2の測位信号とのうちいずれかの測位信号に基づく情報を出力する機能を有しユーザに携帯される端末装置へ、前記第2の測位信号を送信する情報提供装置であって、
前記サービス対象のエリアの出入り口の近傍にユーザがいるか否かを検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に応じて扉の開閉を行う扉制御部と、
前記扉制御部が扉の開閉動作を行う際に、当該扉の開閉動作を行うことを表す開閉情報と前記エリア内情報とを含む前記第2の測位信号を、前記出入り口の近傍に存在する通信可能な領域内の前記端末装置へ送信する送信部と
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記検出部が検出した結果に基づいて、前記ユーザがエリア内とエリア外のどちら側に移動したかを判定し、判定結果と前記開閉情報と前記エリア内情報とを送信する
ことを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
端末装置のコンピュータに、
情報提供装置から送信される情報を受信する受信ステップと、
前記受信した情報に、サービス対象のエリアの出入り口に設けられた扉が開いたことを表す開閉情報が含まれているか否かを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップにおける判定結果に応じて、前記情報提供装置から送信される自端末装置の位置を示す位置データを含む情報を出力するか否かを判定する第2の判定ステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92451(P2013−92451A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234993(P2011−234993)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】