説明

情報提供装置、情報提供システム及び情報提供プログラム

【課題】ユーザの入室時における行動から座席の移動の可能性を推定して通知する。
【解決手段】各扉の近傍に設置されたいずれかの照明のスイッチに対する操作が検出された時に、その直前に取得された通行履歴情報を入退館管理システム11から取得する通行履歴情報取得部34と、通行履歴情報から特定されるユーザと扉との組合せについての関連の強度を表すユーザ−扉関連度を算出し、学習情報記憶部38に書き込む学習部35と、ユーザ毎に、各扉のユーザ−扉関連度を比較することによって最大値となるユーザ−扉関連度が入れ替わったことを定時処理により検知する変化検知部36と、変化が検知された旨を管理者端末13へ通知する通知部37と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供システム及び情報提供プログラム、特に座席(机)が設置されることによって部屋の中の所在位置が決められているユーザの所在位置の移動に関する情報の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、仕事場のある部屋の出入口にカードリーダを設置しておき、従業員が入室するときに携帯している識別カードをカードリーダに読み取らせることで、各従業員の居場所を検出できる入退室管理システムが導入されている企業も少なくない。近年では、この入退室管理システムを有効利用したシステムが提案されている。例えば、仕事場のある部屋における従業員の座席位置と照明との位置関係を予めデータベース化しておき、従業員が識別カードをカードリーダに読み取らせると、その従業員の座席位置に対応する照明だけを点灯させたり、照度を自動調整させる、入退室管理システムと照明システムとを連動させたシステムが提案されている。
【0003】
なお、特許文献1,2には、建物内を移動する居住者の現在地に応じて照明を点灯したり、エレベータかごの呼び登録をしたりするシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−26955号公報
【特許文献2】特開2010−39875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、座席位置と照明との位置関係を予めデータベース化しておく場合、従業員が転属などにより座席が移動したりすると、データベースをその都度更新する必要が生じてくる。しかしながら、システム管理者は、データベースを更新するためには、各部署に問い合わせたり、各部屋まで自ら出向いたりして、従業員の座席の移動を把握する必要があった。
【0006】
本発明は、ユーザの入室時における行動から座席の移動の可能性を推定して通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報提供装置は、各自の所在位置が決められており、複数の設備が分散配置されている部屋の入口に設置された読取手段によって、入口から入室するユーザが携帯する識別カードが読み取られた時に生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該ユーザのユーザ識別情報及び当該ユーザが入室した入口を識別する入口識別情報を含む通行履歴情報を取得する手段と、各入口に設置されたいずれかの前記設備に対応した操作手段に対する操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定されるユーザと入口との組合せについての関連の強度を表すユーザ−入口関連度を算出するユーザ−入口関連度算出手段と、前記ユーザ−入口関連度算出手段により算出されたユーザ−入口関連度を、ユーザと入口との組合せ毎に記憶するユーザ−入口関連度記憶手段と、前記ユーザ−入口関連度記憶手段に記憶された当該ユーザのユーザ−入口関連度それぞれを比較することによって、ユーザと入口との組合せについての関連の強度関係の変化を検知する検知手段と、前記検知手段により変化が検知されたことを通知する通知手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、前記操作手段に対する操作が検出された時に、操作された操作手段に対応する設備を特定する設備位置情報を取得する手段と、前記操作手段に対する操作が検出された時に取得された設備位置情報から特定される設備と、前記操作手段に対する操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定されるユーザと、の組合せについての関連の強度を表すユーザ−設備関連度を算出するユーザ−設備関連度算出手段と、前記ユーザ−設備関連度算出手段により算出されたユーザ−設備関連度を、ユーザと設備との組合せ毎に記憶するユーザ−設備関連度記憶手段と、を有し、前記検知手段は、前記ユーザ−設備関連度記憶手段に記憶された当該ユーザのユーザ−設備関連度それぞれを比較することによって、ユーザと設備との組合せについての関連の強度関係の変化を検知することを特徴とする。
【0009】
また、前記操作手段に対する操作が検出された時に、操作された操作手段に対応する設備を特定する設備位置情報を取得する手段と、前記操作手段に対する操作が検出された時に取得された設備位置情報から特定される設備と、前記操作手段に対する操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定される入口と、の組合せについての関連の強度を表す入口−設備関連度を算出する入口−設備関連度算出手段と、前記入口−設備関連度算出手段により算出された入口−設備関連度を、入口と設備との組合せ毎に記憶する入口−設備関連度記憶手段と、を有し、前記検知手段は、前記入口−設備関連度記憶手段に記憶された当該入口の入口−設備関連度それぞれを比較することによって、入口と設備との組合せについての関連の強度関係の変化を検知することを特徴とする。
【0010】
また、前記検知手段は、複数の関連度を組み合わせて得た関連度を比較することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る情報提供システムは、入退館管理システムと、設備制御システムと、情報提供装置と、管理者端末と、を有し、前記入退館管理システムは、各自の所在位置が決められており、複数の設備が分散配置されている部屋の入口に設置された読取手段によって、入口から入室するユーザが携帯する識別カードが読み取られた時に生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該ユーザのユーザ識別情報及び当該ユーザが入室した入口を識別する入口識別情報を含む通行履歴情報を生成する手段を有し、前記設備制御システムは、各入口に設置されたいずれかの前記設備に対応した操作手段に対する操作を検出する手段を有し、前記情報提供装置は、前記設備制御システムにより前記操作手段に対する操作が検出された時に、その操作が検出された直前に取得された通行履歴情報を前記入退館管理システムから取得する手段と、前記取得した通行履歴情報から特定されるユーザと入口との組合せについての関連の強度を表すユーザ−入口関連度を算出するユーザ−入口関連度算出手段と、前記ユーザ−入口関連度算出手段により算出されたユーザ−入口関連度を、ユーザと入口との組合せ毎に記憶するユーザ−入口関連度記憶手段と、前記ユーザ−入口関連度記憶手段に記憶された当該ユーザのユーザ−入口関連度それぞれを比較することによって、ユーザと入口との組合せについての関連の強度関係の変化を検知する検知手段と、前記検知手段により変化が検知されたことを前記管理者端末へ通知する通知手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る情報提供プログラムは、コンピュータを、各自の所在位置が決められており、複数の設備が分散配置されている部屋の入口に設置された読取手段によって、入口から入室するユーザが携帯する識別カードが読み取られた時に生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該ユーザのユーザ識別情報及び当該ユーザが入室した入口を識別する入口識別情報を含む通行履歴情報を取得する手段、各入口に設置されたいずれかの前記設備に対応した操作手段に対する操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定されるユーザと入口との組合せについての関連の強度を表すユーザ−入口関連度を算出するユーザ−入口関連度算出手段、前記ユーザ−入口関連度算出手段により算出されたユーザ−入口関連度を、ユーザと入口との組合せ毎にユーザ−入口関連度記憶手段に記憶させる手段、前記ユーザ−入口関連度記憶手段に記憶された当該ユーザのユーザ−入口関連度それぞれを比較することによって、ユーザと入口との組合せについての関連の強度関係の変化を検知する検知手段、前記検知手段により変化が検知されたことを通知する通知手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザの入室時における行動から当該ユーザの座席の移動があったことを推定して移動先候補を通知することができる。
【0014】
また、ユーザの設備に対応する操作手段に対する操作から当該ユーザの座席の移動があったことを推定して移動先候補を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る情報提供システムが適用される部屋の全体見取り図である。
【図2】本実施の形態における情報提供システムの全体ブロック構成図である。
【図3】本実施の形態における照明制御システムを形成するコンピュータのハードウェア構成図である。
【図4】本実施の形態における照明制御システムのブロック構成図である。
【図5】本実施の形態において常時実行する処理を示したフローチャートである。
【図6】本実施の形態において定時処理として実行する処理を示したフローチャートである。
【図7】本実施の形態における学習情報記憶部に保存される学習結果のデータ構成の一例を示した図である。
【図8】本実施の形態において時間と累積学習値との関係をグラフにて表した図である。
【図9】本実施の形態における各関連度の関係のモデルパターンの一例を示した図である。
【図10】本実施の形態における各関連度の関係のモデルパターンの他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る情報提供装置システムが適用される部屋の全体見取り図であり、図2は、このシステムの一実施の形態を示した全体ブロック構成図である。なお、本実施の形態を適用する部屋2は、従業員が仕事をするビル内のある一室を想定している。また、図面の説明において、照明8aなどのように添え字が付いた構成を総称して説明するときには照明8などのように添え字をとることにする。図1に示した部屋2には3カ所の出入口が設けられており、各出入口には、電気錠3を備える扉4と、読取手段としてのカードリーダ(CR)5とが設置されている。電気錠3は、通常施錠されており、IDコントローラ6は、ユーザが、携帯する社員証等の識別カードをカードリーダ5にかざすことにより得られるユーザ識別情報を、内部に記憶している個人情報と照合し、認証に成功した場合に電気錠3を解錠する。
【0018】
部屋2には、従業員それぞれが使用する机7が並べられている。つまり、この部屋2における各従業員の所在位置は、机7の配置によって決められている。なお、本実施の形態においては、机7と座席は、部屋2における各従業員の所在位置を特定するものであることから同義な語として用いる。部屋2の天井には、照明8が取り付けられている。図1では、照明8の取付位置を波線で示している。照明8は、図1に例示したように、本実施の形態では、机7の上方に8カ所に分散配置されている。そして、出入口から部屋2に入ったところの壁には、各照明8を点灯及び消灯するための1又は複数のスイッチ(SW)9を備えるスイッチパネルが設けられている。スイッチパネルに含まれるスイッチ9は、全て同様に構成してもよいが、本実施の形態では、各扉4に近い照明8に対応したスイッチ9のみが含まれているものとする。例えば、図1において扉Aに対応したスイッチパネルには、机7の島10aと島10bとにそれぞれ対応した照明8a,8b,8c,8d用のスイッチ9が含まれている。扉Bに対応したスイッチパネルには、机7の島10bと島10cにそれぞれ対応した照明8c,8d,8e,8f用のスイッチ9が含まれている。扉Cに対応したスイッチパネルには、机7の島10cと島10dにそれぞれ対応した照明8e,8f,8g,8h用のスイッチ9が含まれている。
【0019】
図2において、入退館管理システム11は、カードリーダ5によって、識別カードが読み取られ、認証が成功した時に通行履歴情報を生成し、内部にて保持管理すると共に、情報提供装置として機能する照明制御システム20へ送信する。通行履歴情報には、カードリーダ5が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該カードリーダ5が読み取った識別カードから特定されるユーザのユーザ識別情報及び当該ユーザが入室した出入口を特定する情報として、当該出入口に設置された扉を識別する扉識別情報が含まれている。照明制御システム20は、コントローラ12を介して、ユーザによるスイッチ操作を検出し、対応する照明8の点灯及び消灯並びに調光等の照明制御を行う。管理者端末13は、本システムの管理者が使用する端末装置である。入退館管理システム11、照明制御システム20及び管理者端末13は、LAN等のネットワーク14を介して情報交換を行う。
【0020】
図3は、本実施の形態における照明制御システム20を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態において照明制御システム20を形成するコンピュータは、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、図3に示したようにCPU21、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24を接続したHDDコントローラ25、入力手段として設けられたマウス26とキーボード27、及び表示装置として設けられたディスプレイ28をそれぞれ接続する入出力コントローラ29、通信手段として設けられたネットワークコントローラ30を内部バス31に接続して構成される。
【0021】
なお、性能的に差異はあるかもしれないが、入退館管理システム11及び管理者端末13もコンピュータであることから、そのハードウェア構成は、図3と同じように図示することができる。また、入退館管理システム11及び照明制御システム20は、図2では1台のコンピュータで実現するよう図示したが、複数台のコンピュータにより実現してもよい。
【0022】
図4は、本実施の形態における照明制御システム20のブロック構成図である。本実施の形態における照明制御システム20は、照明制御システム機能処理部32、設備位置情報取得部33、通行履歴情報取得部34、学習部35、変化検知部36、通知部37及び学習情報記憶部38を有している。照明制御システム機能処理部32は、従前の照明制御システムが持つ処理機能を実現するための手段である。設備位置情報取得部33は、照明制御システム機能処理部32がユーザによるスイッチ操作を検出したことに伴い送られてくる設備位置情報を取得する。通行履歴情報取得部34は、カードリーダ5によって出入口から入室するユーザが携帯する識別カードが読み取られた時に生成される通行履歴情報を取得する。学習部35は、スイッチ9の操作が検出された時に取得された設備位置情報から特定される照明8と、スイッチ9の操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定されるユーザ及び扉4から、ユーザと扉4の組合せについての関連の強度を表すユーザ−扉関連度、ユーザと照明8の組合せについての関連の強度を表すユーザ−照明関連度、更に扉4と照明8の組合せについての関連の強度を表す扉−照明関連度をそれぞれ算出する。変化検知部36は、各関連度それぞれにおいて、関連の強度関係の変化を検知する。通知部37は、変化検知部36により各関連度において関連の強度関係の変化が検知されたことを示す情報を管理者端末13へ送信することでシステム管理者へ通知する。学習情報記憶部38には、学習部35による学習の結果が記憶される。
【0023】
照明制御システム20における各構成要素32〜37は、照明制御システム20を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、学習情報記憶部38は、照明制御システム20に搭載されたHDD24にて実現される。あるいは、外部にある記憶装置で学習情報記憶部38を構成し、必要なときに必要な情報をネットワーク14経由で外部の学習情報記憶部38から取得するようにしてもよい。
【0024】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがインストールプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0025】
次に、本実施の形態における動作について説明する。入退館管理システム11及び照明制御システム20は、起動されることによって常時動作している状態にある。最初に、入退館管理システム11における動作について説明する。
【0026】
従業員等は、部屋2に入室する際に、出入口に設置されたカードリーダ5に社員証等をかざす。なお、本実施の形態においては、各従業員は、自分の机7のある場所に最も近い出入口から入室するものと考えている。カードリーダ5は、社員証等に記録されている識別情報を読み取ると、この読み取った識別情報をIDコントローラ6へ送信する。IDコントローラ6は、識別情報が送信されてくると、その識別情報と内部に記憶している個人情報とを照合し、ユーザ認証を行う。認証の結果、認証に成功すると、出入口にある扉4の電気錠3を解錠し、部屋2への入室を許可する。そして、IDコントローラ6は、通行した日時、通行種別(この例では「進入」)、通行したユーザの識別情報、氏名、所属等を含む通行情報を入退館管理システム11へ送信する。なお、通行種別は、このように、通行情報は、ユーザが入室するたびに生成され、入退館管理システム11へ送信される。
【0027】
入退館管理システム11は、IDコントローラ6から送られてくると、その通行情報に、IDコントローラ6の識別情報から特定できる通行した場所を特定する区画名称(この例では、出入口又は扉4)を付加して通行履歴情報を生成し、内部の通行履歴情報記憶部(図示せず)に蓄積する。なお、以上の処理では、通行履歴情報記憶部に蓄積する通行履歴情報は、上記のデータ構成にて生成されるが、例えば、時間や氏名、所属等の個人情報は入退館管理システム11側にて付加してもよい。
【0028】
以上説明した人の部屋2への入室を管理する機能は、IDコントローラ6とその接続機器及び入退館管理システム11で実現されるが、この機能は、従前の入退館管理システムをそのまま利用して実現してもよい。
【0029】
次に、照明制御システム20における動作について説明する。勤務時間の開始時に最初に部屋2についた従業員は、前述したようにして部屋2への入室が許可されると、自分の机7のある位置に対応した照明8を点灯させるために、扉4の脇にあるスイッチパネルの中から該当するスイッチ9を操作する。なお、本実施の形態においては、自分の机7のある位置に対応した照明8しか点灯させないことを前提としている。コントローラ12は、このユーザ操作を検出すると、操作されたスイッチ9に対応する照明8を点灯する。コントローラ12は、この操作に基づき操作された日時、操作種別(この例では「点灯」)及び操作された照明8を特定する情報として照明の識別情報を含む操作情報を照明制御システム20へ送信する。照明制御システム20における照明制御システム機能処理部32は、操作情報が送られてくると、その操作情報を操作履歴情報として、内部の操作履歴情報記憶部(図示せず)に蓄積する。なお、この操作履歴情報は、操作されたスイッチ9に対応する照明8の位置を特定する情報でもあるので、以降に説明する設備位置情報として用いられる。
【0030】
本実施の形態は、入退館管理システム11と連動して、従業員の所在位置を特定する座席(机7の設置位置)が移動したことを検知し、管理者へ通知することを特徴としているが、この処理について図5及び図6に示したフローチャートを用いて説明する。
【0031】
いずれかのスイッチ9が操作されると、照明制御システム機能処理部32は、前述したように操作履歴情報を生成するが、この生成した操作履歴情報を即座に設備位置情報取得部33へ渡す。設備位置情報取得部33は、照明制御システム機能処理部32から送られてきた操作履歴情報を、操作されたスイッチ9に対応する照明8の位置を特定する設備位置情報として取得する(ステップ110)。設備位置情報取得部33が設備位置情報を取得したことを検出すると、通行履歴情報取得部34は、入退館管理システム11から即座に通行履歴情報を取得する(ステップ120)。
【0032】
従業員は、社員証をカードリーダ5にかざすことで認証を受けるが、これにより通行履歴情報が生成される。続いて、従業員は、部屋2に入り照明8を点灯させるために自分の机7の配置位置に対応するスイッチ9を操作するが、これにより操作履歴情報が生成される。上記ステップ110とステップ120では、この一連の従業員の操作によって生成される操作履歴情報と通行履歴情報とを取得することになり、これらの情報を関連づけて以下に示す処理を行うことになる。
【0033】
なお、関連づける操作履歴情報と通行履歴情報との関係において、ステップ110において取得する操作履歴情報は、ステップ120において取得する通行履歴情報より後に生成される。従って、厳密には、操作履歴情報に設定されている操作日時の直前に生成された通行履歴情報を取得する必要がある。
【0034】
操作履歴情報及び通行履歴情報が取得されると、学習部35は、操作履歴情報から、操作されたスイッチ9に対応する照明8を特定する。更に、学習部35は、通行履歴情報から、部屋2に入室した出入口及び扉4並びにその扉4の近くにあるスイッチ9を操作したユーザを特定する(ステップ130)。本実施の形態では、このようにスイッチ9の操作が検出された直前にある扉4から部屋2に入室したユーザを、その扉4の脇に設置されたスイッチ9を操作したユーザとみなしている。
【0035】
入手した情報から、ユーザ、ユーザが部屋2に入出した扉4及びユーザが操作したスイッチ9に対応する照明8が特定できると、学習部35は、次のような学習を行い(ステップ140)、その学習結果を学習情報記憶部38に保存する(ステップ150)。
【0036】
図7は、本実施の形態における学習情報記憶部38に保存される学習結果のデータ構成の一例を示した図である。
【0037】
すなわち、学習部35が後述する学習を行うことで、3種類の学習結果を得る。1つは、例えば、ユーザaと扉A,扉Bというようにユーザと各扉との組合せについての関連の強度を表す累積学習値をユーザ−扉関連度として求める。1つは、例えば、ユーザaと照明8a,照明8bというようにユーザと各照明との組合せについての関連の強度を表す累積学習値をユーザ−照明関連度として求める。もう1つは、例えば、扉Aと照明8a,照明8bというように扉と各照明との組合せについての関連の強度を表す累積学習値を扉−照明関連度として求める。学習の具体的な内容は、以下の通りである。
【0038】
まず、ユーザ−扉関連度として、ユーザと各扉との学習累積値を扉毎に算出する。この学習累積値は、次式で表せるように、各扉の通行量(扉毎の入室回数)の累積値と微分値と累積の偏差で求める。
x[t]=x[t−1]+(a×Δy×|z[t]−1|)
但し、
x:学習累積値。x[0]=演算開始時の通行量の累積値
y:通行量。Δyは一定期間(Δt)の通行量の変動値。正負あり。
z:通行量の偏差値
a:学習感度調整パラメータ(定数)
t:時間
【0039】
偏差は、過去一定期間内の通行量より、離散型の偏差値を標準偏差から算出する。例えば、偏差は、次のような値をとる。すなわち、日頃の使用頻度の低い扉4にユーザの出入りが急増すると急増する。そのまま通行量が高止まりすると、値は安定する。日頃の使用頻度の高い扉4にユーザの出入りが減ると緩やかに減っていく。通行がなくなった扉4の偏差が拡大して行くにつれ急減する。一定期間が経過すると、通行量の変動がなくなって値は安定する。
【0040】
時間と、前述した累積学習値によって表されるユーザ−扉関連度との関係をグラフにて表すと図8のようになる。実線と波線は、同一ユーザaにおいて異なる扉Aと扉Bの累積学習値を示している。ユーザ−扉関連度を表す累積学習値が大きいほど、当該ユーザが当該扉から入室する回数が多いということを意味している。図8に示した例によると、学習の当初、ユーザaは、扉Aを頻繁に使用していたが、扉Aの使用回数が減ることに伴い扉Aの累積学習値が小さくなる一方、扉Bの使用回数が増えることに伴い扉Bの累積学習値が大きくなり、その結果、点Dにおいて累積学習値が入れ替わったことを示している。
【0041】
ユーザ−照明関連度及び扉−照明関連度も同様の算出方法にて学習を重ねることで学習累積値を算出する。なお、前述した各関連度を求める学習の方法は、一例であって、上記算出式に限定する必要はない。
【0042】
スイッチ9が操作されるたびに、以上の学習が実施され、各関連度が逐次更新される。本実施の形態では、以上の処理が常時実行される間に、定時処理として図6に示した処理を別途実行する。本実施の形態においては、変化検知部36が図6に示した処理を、例えば1日に1回、各日の予め決められた時間に実行する。
【0043】
まず、変化検知部36は、図7に示したユーザ−扉関連度テーブルのユーザと各扉の学習値を参照し、検知対象の1日における各累積学習値を比較する(ステップ210)。そして、最大値となる扉が入れ替わっていない場合(ステップ220でN)、当該ユーザが使用する扉に変化がないものと判断する。変化がないため、管理者への通知は必要としない。
【0044】
一方、累積学習値の最大値となる扉が入れ替わっていることを認識することによって(ステップ220でY)、ユーザと扉の組合せについての関連の強度関係が変化したことを検知する。図8に示した例によると、累積学習値の最大値が入れ替わっている検出点Dにおいて検知される。これは、当該ユーザが使用する扉の使用頻度に変化があった、つまり、ユーザが今まで使用していた扉4を変えたと言うことは、当該ユーザの座席が今まで使用していた扉とは異なる他の扉に近い座席に移動した可能性が高いと考えられる。そこで、本実施の形態においては、累積学習値の最大値となる扉4が入れ替わったことを、当該ユーザの座席が移動したとみなすようにした。この場合、通知部37は、ユーザと扉の組合せについての関連の強度関係の変化が検知された旨を示す情報を管理者端末13へ送信することによってその旨を通知する(ステップ230)。なお、ユーザ−照明関連度及び扉−照明関連度も同様に処理する。
【0045】
前述したように、ユーザと扉の組合せについての関連の強度関係に変化が発生したということは、当該ユーザの座席が移動した可能性が高いと考えられる。そこで、本実施の形態においては、ユーザと扉の組合せについての関連の強度関係の変化を検知した場合に、管理者へ通知するようにした。この通知を受けた管理者は、座席が移動しているのかを確認し、実際に移動していることを確認できれば、照明制御システムが照明制御に用いるデータベースを更新すればよい。換言すると、管理者は、各部署に問い合わせたり、各部屋まで自ら出向いたりしなくても、照明制御システム20からの通知を待つだけで従業員の座席の移動の可能性を知ることができる。なお、照明制御システムの管理・運用方法によっては、部屋のユーザ側から管理者へ移動等によるデータベースの更新を依頼するという仕組みの場合もある。管理者はそのような場合、更新依頼を受ける前に予め予備情報として従業員の移動先を推定することができ、データベース更新に有用な情報として活用できる。
【0046】
本実施の形態においては、座席の移動の有無を判断するための指標としてユーザ−扉関連度を用いた。ただ、例えば、図1において、あるユーザが机7の島10aから島10bに移動した場合、そのユーザの扉Bの使用頻度が高くなる可能性があるとはいえ、扉Aを使い続ける場合もあり、そうすると学習しても座席の移動が検知されない可能性が生じてくる。この場合、ユーザ−照明関連度を参照すると、そのユーザが操作するスイッチ9に対応する照明8に変化が現れることから、座席に移動を検知することができる。例えば、ユーザが机7の島10aの照明8bの位置から島10bの照明8dの位置に移動した場合、ユーザは、扉Aは使い続けるかもしれないが、照明8bのスイッチ9は操作することがなくなる一方、照明8dのスイッチ9は操作する回数が急増してくる。従って、ユーザと扉Aとの関係だけでは、座席に移動が検知されなくても、ユーザと照明8d(又は照明8b)との関係を参照することで、座席の移動の可能性を見いだすことができるようになる。
【0047】
ここで、ユーザ−照明関連度は、ユーザと照明8との関係を明確にする情報であることから、座席に移動の可能性を知るためには非常に有効な情報であると考えられる。ただ、ユーザ−照明関連度は、ユーザがスイッチ9を操作して初めて得られる操作履歴情報にも基づく情報であることから、他の従業員より遅く出勤する従業員に対しては、操作履歴情報を全く得ることができない可能性もある。一方、ユーザ−扉関連度は、通行履歴情報から得られる指標であるが、この通行履歴情報は、ユーザが部屋2に入るたびに確実に収集される情報である。そこで、本実施の形態においては、ユーザ−照明関連度のみで座席移動の可能性を検知するようようにはせずに、ユーザ−扉関連度のみ、あるいはユーザ−扉関連度とユーザ−照明関連度との双方の指標を利用して座席に移動の可能性を検知するようにした。これは、ステップ210において比較する累積学習値として、ユーザ−扉関連度のみを用いるのではなく、ユーザ−扉関連度とユーザ−照明関連度との加算値を求めて比較するということである。もちろん、単純に加算するのではなく、いずれかの関連度に重み付けをしてから加算するようにしてもよい。すなわち、ステップ210において比較対象とするデータとして、各関連度を単独で比較することに限るものではなく、ユーザ−扉関連度、ユーザ−照明関連度及び扉−照明関連度を任意の組合せで求めるようにしてもよい。
【0048】
更に、本実施の形態では、図6に示した定時処理の実行時における累積学習値を用いて比較をしたが、例えば、過去に実施した定時処理の時点における累積学習値を保存しておき、ステップ210においては、過去の累積学習値をも加味して比較するようにしてもよい。
【0049】
また、扉−照明関連度は、例えば、部屋2のレイアウトの変更を把握するために有用な情報となる。前述したように、図1の各扉A,B,Cの脇に備えるスイッチパネルは、各扉A,B,Cから近い照明8のスイッチ9で構成すると説明したが、このスイッチパネルにおけるスイッチ9の構成が変化した可能性を検知することが可能になる。
【0050】
以下、具体例をあげて説明する。
【0051】
扉A、扉B共に通行量が多い(利用頻度が高い)が、滅多に照明をつけないユーザXを考える。この場合の各関連度の関係を図9に示す。図9において、高関連度、中関連度、低関連度の順に関連度が大きいものとする。また、この例では、ユーザXは、扉Aを最も多く利用し、扉Bをそれについで利用しているものとする。この場合、ユーザXと各照明a,bとの関係において、[X]−[A]及び[A]−[a]の累積学習値が最大となるので、ユーザXの机は、照明aのエリアにあると推定する。そして、扉Bの利用頻度が扉Aより高くなり(つまり、[X]−[A]が中関連度、[X]−[B]が高関連度)、累積学習値が逆転した場合、ユーザXの座席位置は、照明bのエリアに移動したと推定し、この旨を管理者へ通知することになる。なお、([X]−[A],[A]−[a])と([X]−[B],[B]−[b])との関連度が拮抗している場合、逆転が頻繁に発生する可能性が生じてくるので、学習感度調整パラメータ(上記式のa)を調整して通知の乱発を防止するようにしてもよい。
【0052】
次に、部屋2の内部のレイアウト変更により扉Aと照明aの関係が薄くなり([A]−[a]が低関連度)、照明cとの関係が増大した場合([A]−[c]が高関連度)の各関連度の関係を図10に示す。この例のように各関連度の強度関係が入れ替わると、レイアウト変更があったと推定し、また、ユーザXの座席位置は、照明cのエリアに移動したと推定し、これらの旨を管理者へ通知する。
【0053】
本実施の形態においては、以上のようにして座席の移動の可能性を検知し、その旨を管理者へ通知することができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、本発明に係る情報提供措置を照明制御システム20に組み込んで構成した場合を例にして説明したが、別装置として構成してもよい。また、本実施の形態においては、照明を設備の一例として説明したが、例えば空調など部屋2に設置する他の設備に対して適用してもよい。
【0055】
この発明の情報提供装置の他の実施の形態を説明する。前述の情報提供装置では、設備位置情報を取得した際に関連度を算出していたが、この実施の形態では、設備位置情報がなかった場合の通行履歴情報も関連度の算出対象とし、さらに設備位置情報があった場合は関連度を大きく算出するものである。
【0056】
また、この実施の形態では、照明制御システム20は予めユーザ毎にその所在位置である机7と該当する照明8がデータベースに登録され、ユーザ入室時に入退室管理システム11から通行履歴情報を受けて、そのユーザの所在位置の照明8が自動点灯するよう制御
されているものである。すなわち、図1において、当初ユーザの所在位置が島10aの照明8bのエリアの机7であるとする。この場合、ユーザが扉A〜扉Cのいずれかから入室すると、照明制御システム20により照明8bが(未点灯の場合は)自動点灯するものである。
【0057】
ユーザの入室時、入退室管理システム11は、前述のとおりユーザの識別カードを読み取って通行した日時を特定する日時情報、ユーザのユーザ識別情報、通行した出入口を識別する扉識別情報を含む通行履歴情報を生成し、内部に保持管理するとともに照明制御システム20に送信する。照明制御システム20は、通行履歴情報を受けて、そのユーザ識別情報をデータベースに照会して所在位置の設備状況につき、照明8bが未点灯の場合は点灯し、点灯中の場合はそのまま維持する。これにより、ユーザはスイッチ9の操作を要せずに座席にて業務を開始することができる。
【0058】
また、照明制御システム20の通行履歴取得部33がユーザの入室毎に通行履歴情報を受けて学習部35に送り、学習部35は、それに含まれるユーザ識別情報と扉識別情報との関連度を算出する。なお、その関連度は、ユーザの通行した扉に応じて算出されるので、この実施の形態では、ユーザ識別情報と各扉A〜Cの扉識別情報との組合せは3種類存在する。
【0059】
また、学習部35の算出結果は、学習情報記憶部38に組合せ毎にその累積値として記憶される。ここで、ユーザの当初の所在位置が島10aなので、当初はユーザと扉Aとの関連度(ユーザ識別情報と扉識別情報との関連度)が最も大きい値として記憶され、ユーザの所定位置の変更がなければ変わらないはずである。
【0060】
それに反し、例えばユーザが扉Bをもっぱら通行した場合、学習部34の算出結果による学習情報記憶部38の累積値は、ユーザと扉Bとの関連度の方が扉Aとの関連度より大きくなる。変化検知部36はそのような変化を検知する。そして、通知部37はユーザが扉B側に移動した可能性がある旨を通知する。
【0061】
但し、ユーザが座席の移動とは無関係に扉4を選択することもあり得ること、また変化の検出までに相当の時間を要することが考えられるため、照明の操作情報を用いて移動有無推測の精度向上を図る。
【0062】
例えば、ユーザの座席が島10cの照明8fのエリアの机7に移動したとする。ここで、このユーザの移動を照明制御システム20のデータベースに変更登録しなければ、ユーザが入室しても照明8fが点灯しない。その場合、ユーザは入室後、扉Bの近傍のスイッチ9を操作して照明8fを点灯させなければならない。
【0063】
ユーザが扉B近傍のスイッチ9により照明8fを点灯するように操作すると、照明制御システム機能処理部32が操作情報から得られる設備位置情報に基づき対象の照明がデータベースに登録された特定の照明か否かを判定する。この場合、当初データベースに登録されているのは照明8bなので否と判定する。
【0064】
また、設備位置情報取得部33は、特定照明でないという判定結果を含む設備位置情報を取得し学習部35に送る。
【0065】
また、学習部35は、通行履歴情報に含まれる日時情報より遅い特定時間内に設備位置情報を受け、それに特定照明ではないという判定結果が含まれている場合、当該ユーザ識別情報と扉識別情報の関連度を通常よりも非常に大きく算出する。これにより、学習情報記憶部38に記憶される累積値もより大きくなり、早い段階で図8の点Dを超え、その右側のほぼ一定した状態の関連度になる。
なお、この実施の形態では、学習部35は、設備位置情報が日時情報より1秒後以降15秒以内の場合に特定照明か否かの判定を行う。この時間は、ユーザが識別カードを読み取らせて入室後、照明の点灯状態を確認してスイッチ操作をするために要する時間を設定すれば良く、部屋、扉や設備配置の状況等に応じて適宜設定すればよい。
【0066】
また、変化検知部36は、図8に示す関連度の大小が反転する点Dより右側のほぼ一定の状態にまで変化が検出された場合に、ユーザが移動したと推定して島10cの照明8fエリアを移動先の候補とする変化結果を通知部37に送り、通知部37から管理者端末13にその旨の通知が送信される。
【0067】
なお、この実施の形態では、ユーザ−扉関連度の比較結果と設備位置情報の内容とに基づき、移動先候補を推定したが、前述の実施の形態と同様に、ユーザ照明関連度や照明−扉関連度を算出し、その比較結果を用いて移動先候補を推定してもよい。
【0068】
以上説明したように、この実施の形態による情報提供装置によれば、ユーザと各出入口との関連度に加え、ユーザによる操作情報を用いて座席の移動の有無や移動先の蓋然性を高め、ユーザの移動の有無及び移動先を推定し、移動先の候補を変化結果として管理者側に通知するので、管理者はその情報をデータベースの更新に役立てることができる。
【符号の説明】
【0069】
3 電気錠、5 カードリーダ、6 IDコントローラ、8 照明、9 スイッチ、11 入退館管理システム、12 コントローラ、13 管理者端末、14 ネットワーク、20 照明制御システム、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 ハードディスクドライブ(HDD)、25 HDDコントローラ、26 マウス、27 キーボード、28 ディスプレイ、29 入出力コントローラ、30 ネットワークコントローラ、31 内部バス、32 照明制御システム機能処理部、33 設備位置情報取得部、34 通行履歴情報取得部、35 学習部、36 変化検知部、37 通知部、38 学習情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各自の所在位置が決められており、複数の設備が分散配置されている部屋の入口に設置された読取手段によって、入口から入室するユーザが携帯する識別カードが読み取られた時に生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該ユーザのユーザ識別情報及び当該ユーザが入室した入口を識別する入口識別情報を含む通行履歴情報を取得する手段と、
各入口に設置されたいずれかの前記設備に対応した操作手段に対する操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定されるユーザと入口との組合せについての関連の強度を表すユーザ−入口関連度を算出するユーザ−入口関連度算出手段と、
前記ユーザ−入口関連度算出手段により算出されたユーザ−入口関連度を、ユーザと入口との組合せ毎に記憶するユーザ−入口関連度記憶手段と、
前記ユーザ−入口関連度記憶手段に記憶された当該ユーザのユーザ−入口関連度それぞれを比較することによって、ユーザと入口との組合せについての関連の強度関係の変化を検知する検知手段と、
前記検知手段により変化が検知されたことを通知する通知手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報提供装置において、
前記操作手段に対する操作が検出された時に、操作された操作手段に対応する設備を特定する設備位置情報を取得する手段と、
前記操作手段に対する操作が検出された時に取得された設備位置情報から特定される設備と、前記操作手段に対する操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定されるユーザと、の組合せについての関連の強度を表すユーザ−設備関連度を算出するユーザ−設備関連度算出手段と、
前記ユーザ−設備関連度算出手段により算出されたユーザ−設備関連度を、ユーザと設備との組合せ毎に記憶するユーザ−設備関連度記憶手段と、
を有し、
前記検知手段は、前記ユーザ−設備関連度記憶手段に記憶された当該ユーザのユーザ−設備関連度それぞれを比較することによって、ユーザと設備との組合せについての関連の強度関係の変化を検知することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の情報提供装置において、
前記操作手段に対する操作が検出された時に、操作された操作手段に対応する設備を特定する設備位置情報を取得する手段と、
前記操作手段に対する操作が検出された時に取得された設備位置情報から特定される設備と、前記操作手段に対する操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定される入口と、の組合せについての関連の強度を表す入口−設備関連度を算出する入口−設備関連度算出手段と、
前記入口−設備関連度算出手段により算出された入口−設備関連度を、入口と設備との組合せ毎に記憶する入口−設備関連度記憶手段と、
を有し、
前記検知手段は、前記入口−設備関連度記憶手段に記憶された当該入口の入口−設備関連度それぞれを比較することによって、入口と設備との組合せについての関連の強度関係の変化を検知することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項3記載の情報提供装置において、
前記検知手段は、複数の関連度を組み合わせて得た関連度を比較することを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
入退館管理システムと、
設備制御システムと、
情報提供装置と、
管理者端末と、
を有し、
前記入退館管理システムは、各自の所在位置が決められており、複数の設備が分散配置されている部屋の入口に設置された読取手段によって、入口から入室するユーザが携帯する識別カードが読み取られた時に生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該ユーザのユーザ識別情報及び当該ユーザが入室した入口を識別する入口識別情報を含む通行履歴情報を生成する手段を有し、
前記設備制御システムは、各入口に設置されたいずれかの前記設備に対応した操作手段に対する操作を検出する手段を有し、
前記情報提供装置は、
前記設備制御システムにより前記操作手段に対する操作が検出された時に、その操作が検出された直前に取得された通行履歴情報を前記入退館管理システムから取得する手段と、
前記取得した通行履歴情報から特定されるユーザと入口との組合せについての関連の強度を表すユーザ−入口関連度を算出するユーザ−入口関連度算出手段と、
前記ユーザ−入口関連度算出手段により算出されたユーザ−入口関連度を、ユーザと入口との組合せ毎に記憶するユーザ−入口関連度記憶手段と、
前記ユーザ−入口関連度記憶手段に記憶された当該ユーザのユーザ−入口関連度それぞれを比較することによって、ユーザと入口との組合せについての関連の強度関係の変化を検知する検知手段と、
前記検知手段により変化が検知されたことを前記管理者端末へ通知する通知手段と、
を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項6】
コンピュータを、
各自の所在位置が決められており、複数の設備が分散配置されている部屋の入口に設置された読取手段によって、入口から入室するユーザが携帯する識別カードが読み取られた時に生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該ユーザのユーザ識別情報及び当該ユーザが入室した入口を識別する入口識別情報を含む通行履歴情報を取得する手段、
各入口に設置されたいずれかの前記設備に対応した操作手段に対する操作が検出された直前に取得された通行履歴情報から特定されるユーザと入口との組合せについての関連の強度を表すユーザ−入口関連度を算出するユーザ−入口関連度算出手段、
前記ユーザ−入口関連度算出手段により算出されたユーザ−入口関連度を、ユーザと入口との組合せ毎にユーザ−入口関連度記憶手段に記憶させる手段、
前記ユーザ−入口関連度記憶手段に記憶された当該ユーザのユーザ−入口関連度それぞれを比較することによって、ユーザと入口との組合せについての関連の強度関係の変化を検知する検知手段、
前記検知手段により変化が検知されたことを通知する通知手段、
として機能させるための情報提供プログラム。
【請求項7】
ユーザの入室可否を制御する入退室管理手段からのユーザ入室情報に基づき複数の室内設備のうち特定の室内設備を制御する設備制御システムの管理に有用な情報を通知する情報提供装置であって、
ユーザ入室毎に前記入退室管理手段により生成される通行時期を特定する日時情報とユーザ識別情報と通行した出入口を特定する出入口識別情報とを含む通行履歴情報を取得する通行履歴情報取得手段と、
前記通行履歴情報を受けて前記ユーザ識別情報と前記出入口識別情報との関連の強度を算出するユーザ出入口関連度算出手段と、
算出された前記関連の強度を前記ユーザ識別情報と前記複数の出入口それぞれの前記出入口識別情報との組合せ毎に累積して記憶するユーザ出入口関連度記憶手段と、
累積して記憶された前記関連の強度の組合せ間での強度関係を比較し、その変化を検知する検知手段と、
前記検知手段が変化を検知した場合に検知結果を通知する通知手段と、
前記複数の室内設備を操作するための操作手段からの操作情報を取得するユーザ操作情報取得手段と、
を有し、
前記ユーザ出入口関連度算出手段は、前記ユーザ操作情報取得手段からの操作情報が前記通行履歴情報に含まれる日時情報より後の所定時間内に発生している場合、前記特定の設備の操作か否かを考慮して前記関連の強度の度合いを算出する
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
前記ユーザ出入口関連度算出手段は、操作情報が特定の室内設備の操作とは異なる場合、当該通行履歴情報による関連の強度の度合いを大きく算出する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−155574(P2012−155574A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14850(P2011−14850)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)