説明

情報提供装置、情報提供方法、およびコンピュータプログラム

【課題】経路案内において、経路の近傍における同種の享受物を享受できる複数の地点の情報を入手する際のユーザの負荷を軽減する。
【解決手段】(a)経路の位置に関する第1種の情報と、共通の享受物を享受できる複数の地点を含む領域であって、経路の近傍の領域である近傍領域に関する第2種の情報と、を含む経路データを準備する。(b)経路データに基づいて、経路の案内を行う。その際、(b1)第1種の情報に基づいて、経路についての案内を行う。(b2)第2種の情報に基づいて、享受物に関する近傍領域の紹介を行って、享受物を享受できる地点に関する情報検索を促す(S1204,S1224)。(b3)情報検索を行う旨の指示を受け取った場合に、第2種の情報に基づいて、自動的に検索条件の少なくとも一部を決定する(S1230,S1232)。(b4)検索条件を使用して情報検索を行って(S1234)、検索結果を出力する工程1236)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出発地から目的地に至る経路についての案内を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、出発地から目的地に至る経路の近傍の販売店の情報を提供する技術が存在する。たとえば、ある従来技術においては、ナビゲーション装置の制御回路は、メッシュ情報のどこに案内経路が含まれるかを算出し、経路メッシュ情報とする。制御回路は、経路メッシュ情報を外部局へ送信する。
【0003】
外部局の制御部は、販売店情報を確認して、経路メッシュ情報に対応するメッシュの範囲に存在する販売店の識別情報とリンクされている販売店情報から特売品情報が格納されている販売店情報を検索する。そして、制御部は、販売店情報を制御回路へ送信する。制御回路は、案内経路と共に販売店情報を表示装置に表示する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−241379号公報
【0005】
しかし、上記の技術においては、特売品の販売を行っている個々の販売店の情報が、商品の種類を問わず、経路案内とともに表示されるに過ぎない。そして、上記の技術においては、検索を行って、近傍にある同種の商品を販売する複数の販売店の情報をまとめてユーザに提供することについては考慮されていない。このような問題は、物の販売や購入に関する情報の提供に限らず、経路案内において、経路の近傍における同種の享受物を享受できる複数の地点の情報を提供しようとする場合について、広く存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願に係る発明の少なくとも一部は、経路案内において、経路の近傍における同種の享受物を享受できる複数の地点の情報を入手する際のユーザの負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、その一態様において、経路案内において経路の周辺の地点の情報を提供する際に、以下のような処理を行う。その処理は、
(a)目的地に至る経路の位置に関する第1種の情報と、共通の享受物を享受できる複数の地点を含む領域であって、前記経路の近傍の所定の範囲と重複する領域である近傍領域に関する第2種の情報と、を含む経路データを準備する工程と、
(b)前記経路データに基づいて、前記経路に関する案内を行う工程と、を含み、
前記工程(b)は、
(b1)前記第1種の情報に基づいて、前記経路の案内を行う工程と、
(b2)前記第2種の情報に基づいて、前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行って、前記享受物を享受できる前記地点に関する情報検索を促す工程と、
(b3)前記情報検索を行う旨の指示を受け取った場合に、前記第2種の情報に基づいて、検索条件の少なくとも一部を決定する工程と、
(b4)前記検索条件を使用して前記情報検索を行う工程と、を含む。
なお、検索条件の少なくとも一部の決定は、自動的に行われることが好ましい。また、情報検索によって得られる検索結果は、ユーザに対して出力されることが好ましい。
【0008】
このような態様においては、ユーザは、経路の近傍における同種の享受物を享受できる複数の地点の情報を入手する際に、すべての検索条件を入力する必要がない。よって、上記の態様によれば、経路案内において、経路の近傍における同種の享受物を享受できる複数の地点の情報を入手する際のユーザの負荷を軽減することができる。
【0009】
なお、経路データの「準備」には、たとえば、動作主体が自ら経路データを生成する態様や、他の要素が生成した経路データを動作主体が入手する態様が含まれる。また、「特定の(第1種の、または第2種の)情報に基づいて、何らかの処理をする」、には、特定の情報がその処理をするための情報をすべて含んでいる態様のほか、その処理をするための情報を、その特定の情報を使用して入手して、入手した情報を使用してその処理を行う態様も含まれる。
【0010】
また、経路データは、たとえば以下のような処理で生成することができる。
(c)共通の享受物を享受できる複数の地点を含む特定領域の位置に関する情報と、前記享受物に関する情報と、を対応づけて格納する領域データベースを参照して、近傍領域として、目的地に至る経路の近傍の所定の範囲と重複する特定領域を決定する。
(d)前記経路の位置に関する情報を含む第1種の情報と、前記近傍領域に関する第2種の情報と、を含む経路データを生成する。
【0011】
なお、前記第2種の情報は、前記近傍領域に関する位置の情報と前記享受物に関する情報とを含むことが好ましい。
情報検索を行う際には、
前記享受物を享受できる前記地点の位置に関する情報と、前記享受物の分類に関する情報とを対応づけて格納している地点データベースを参照し、前記検索条件として、位置に関する第1の検索条件と、前記享受物の分類に関する第2の検索条件と、を使用して前記情報検索を行うことができる。
そのような態様においては、検索条件の少なくとも一部を決定する際には、
前記第2種の情報に含まれる前記近傍領域に関する前記位置の情報に基づいて、前記第1の検索条件の少なくとも一部を決定し、
前記第2種の情報に含まれる前記享受物に関する前記情報に基づいて、前記第2の検索条件の少なくとも一部を決定することが好ましい。
【0012】
このような態様とすれば、情報検索の際にユーザが享受物に基づいて分類を指定する負担を軽減することができる。
【0013】
また、情報検索を行う際には、
前記享受物を享受できる前記地点の位置に関する情報と、前記享受物に関する情報とを対応づけて格納している地点データベースを参照し、前記検索条件として、位置に関する検索条件と、前記享受物に関するキーワードと、を使用して前記情報検索を行うことができる。
そのような態様においては、検索条件の少なくとも一部を決定する際には、
前記第2種の情報に含まれる前記近傍領域に関する前記位置の情報に基づいて、前記位置に関する検索条件の少なくとも一部を決定し、
前記第2種の情報に含まれる前記享受物に関する前記情報に基づいて、キーワードの少なくとも一部を決定することが好ましい。
【0014】
このような態様とすれば、情報検索の際にユーザがキーワードを入力する負担を軽減することができる。
【0015】
なお、現在位置の移動に応じて前記経路についての案内を行うことができる。
そして、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲内に現在位置があるときに、前記紹介を行って前記情報検索を促すことができる。
【0016】
このような態様とすれば、ユーザは、実際に目的地に向かって移動している際に、寄り道を検討することができる。
【0017】
「近傍領域の近傍の所定の範囲」は、あらかじめ定められた範囲であって、近傍領域を含む所定の範囲とすることができる。「近傍領域の近傍の所定の範囲」は、たとえば、近傍領域の外縁から所定の距離以内の範囲とすることができる。
【0018】
なお、指定された位置に応じて前記経路についての案内を行う態様とすることもできる。
そして、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲内の地点を指定されたときに、前記紹介を行って前記情報検索を促すことができる。
【0019】
このような態様とすれば、ユーザは、目的地に至る経路を検討する際に、寄り道について検討して経路を決定することができる。
【0020】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、情報提供装置および情報提供方法、経路データ生成装置および経路データ生成方法、経路案内装置および経路案内方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施例である経路探索システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】経路と特定領域との関係を表す図。
【図3】経路探索を行う際の携帯電話200、経路探索サーバ100、領域情報サーバ180の情報のやりとりを示すチャート。
【図4】ルートガイドにおける特定領域の案内の処理を示すフローチャート。
【図5】ルートガイド中にユーザに特定領域を紹介するために携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像ID1を示す図。
【図6】表示パネル202上に画像ID1が表示されなくなった後の状態を示す図。
【図7】ルートガイドにおいて表示パネル202上に表示される範囲SD1と、ステップS1220において表示パネル202上に表示される地図の範囲SD2と、を示す図。
【図8】ステップS1234において享受物を享受できる場所を検索する際の表示パネル202上の表示の例を示す図。
【図9】ステップS1234の検索の結果を示す画像。
【図10】第2実施例において、ステップS1234で享受物を享受できる場所を検索する際の表示パネル202上の表示の例を示す図。
【図11】第3実施例において、図4のステップS1220で表示パネル202上に表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である経路探索システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の経路探索システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、領域情報サーバ180と、携帯電話200と、を含む。
【0023】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0024】
GPSユニット201は、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0025】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0026】
通信部205は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。
【0027】
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0028】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU、RAM、ROMを備えている。たとえば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア212を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置から目的地までの経路を表す経路データを入手して、その経路を表示パネル202に表示することができる。なお、経路データを入手する主制御部210の機能部を、図1において経路準備ユニット231として示す。また、経路データに基づいて表示パネル202に経路を表示し、ルートガイドを行う主制御部210の機能部を、図1において経路案内ユニット232として示す。
【0029】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して地図サーバ150、領域情報サーバ180および携帯電話200と通信を行うことができる。
【0030】
記憶部106は、経路探索のための経路ネットワークデータを格納している。記憶部106は、さらに、地図サーバ150、領域情報サーバ180、および携帯電話200から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成されたデータを格納する。
【0031】
経路ネットワークデータは、ノード情報と、交差点および駅の属性情報と、アーク情報とを含む。
【0032】
ノード情報は、交差点や、道路上で車線数が変わる地点、有料道路への進入路が分岐している場所、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表すデータである。
【0033】
交差点の属性情報は、ユーザがその交差点に進入するときに、そのユーザの携帯電話200の表示パネル202に表示すべき情報、たとえば、交差点で交わる各道路がどこに向かっているかを示す情報である。
【0034】
駅の属性情報は、その駅に列車の路線のうち何線が乗り入れているかを表す乗り入れ路線情報を含む。また、駅の属性情報は、その駅における各ホーム間の乗り換えに要する時間の情報も含んでいる。
【0035】
アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。各アークには固有のIDが割り当てられている。各アーク情報は、それぞれのアークに含まれる多数の地点の緯度および経度のデータを含んでいる。すなわち、ルートを設定することができる道路や路線区間は、それらの地点の点列として表すことができる。各アーク情報は、それらのIDおよび点列の情報に加えて、さらに、それぞれのアークが有料道路であるか否かに関する情報や、車線数の情報を含んでいる。
【0036】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106に格納されている経路ネットワークデータを参照しつつ、出発地および目的地、ならびに経由地その他の探索条件の情報に基づいて、ルートを探索する。そして、制御部104は、出発地点から目的地に至る経路を表す経路データを生成し、携帯電話200に送信する。経路データは、ノード情報、アーク情報、交差点や駅の属性情報などを含む。
【0037】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。通信部152は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。
【0038】
地図データベース156は、携帯電話200に送信するための画像データとしての地図画像データを格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する一部の領域の地図を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0039】
領域情報サーバ180は、通信部182と、制御部184と、領域データベース186とを有している。通信部182は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100と通信を行うことができる。
【0040】
領域データベース186は、領域情報のデータを有している。領域情報は、(i)地理上の特定領域の場所を表す情報と、(ii)その特定領域の特徴を表す情報と、を含む。
【0041】
図2は、経路と特定領域との関係を表す図である。領域データベース186が有するデータにおいては、図2に示すように、日本の地理上の全領域が所定の大きさの長方形の区画に区切られている。各区画は、たとえば、基準となる区画から数えて東西南北のいずれかの向きに何番目の区画であるか、によって特定することができる。以下、「北に○番目、東に△番目」等の情報を「番地」と呼ぶ。また、区画は、たとえば、長方形の対角線を張る2点の緯度および経度で特定することができる。
【0042】
なお、図2に示す地図上の範囲は、ルートガイドにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される範囲と一致するものではない。携帯電話200の表示パネル202に表示される範囲は、たとえば、図2に示す範囲の一部の範囲SD1である。参考のために、ルートガイドの際に表示される現在位置を示すアイコンをPPとして示す。ルートガイドの際には、範囲SD1に示すように、所定の条件下で特定領域が表示パネル202に表示される。
【0043】
領域データベース186が有する領域情報のデータにおいては、特定領域の場所の情報を、その特定領域を構成する区画の番地の集合として保持する。また、領域データベース186が有する領域情報のデータは、特定領域の場所の情報を、その特定領域を構成する区画を表す2点の緯度および経度の集合としても保持する。図2の例においては、ハッチが付されている領域A1〜A5が特定領域である。
【0044】
一方、特定領域の特徴を表す情報は、たとえば、おいしいラーメン屋が多い地域である旨の情報や、居酒屋が多い地域である旨の情報、紅葉が美しい地域である旨の情報、桜が美しい地域である旨の情報、などとすることができる。図2の例では、おいしいラーメン屋が多い特定領域A1〜A5を示す。「特定領域の特徴を表す情報」は、特定領域においてユーザが享受できるもの(ラーメン屋、居酒屋、紅葉、桜など)の情報である。以下、特定領域においてユーザが享受できるものを「享受物」と呼ぶ。
【0045】
なお、「享受物」は、ユーザが所有することができる有体物(たとえば、おみやげや、飲食店における飲食物など)だけではなく、ユーザが所有することができる有体物ではないもの、すなわち、ユーザが享受できるサービスやユーザが楽しむことができる景色など(紅葉を楽しむこと、桜をたのしむことなど)を含む。
【0046】
なお、互いに異なる享受物を享受できる特定領域は、互いに重複する領域である場合がある。たとえば、おいしいラーメン屋が多い特定領域と、居酒屋が多い特定領域は、一部が重複することがある。
【0047】
領域データベース186は、さらに、特定領域に含まれる個々の地点に関する情報も含む。たとえば、おいしいラーメン屋が多い特定領域については、個々のラーメン屋の位置の情報(緯度および経度)と、そのラーメン屋の評価の情報とを有している。美しい紅葉が見られる特定領域については、たとえば、美しいモミジの木がある地点の情報(緯度および経度)や、駐車場の位置の情報(緯度および経度)および駐車料金の情報などを含むことができる。これらの情報は、ブログ(Weblog)から収集した住所の情報および評価の記事に基づいて生成することができる。
【0048】
特定領域の特徴を表す情報は、時間の情報を含む場合がある。たとえば、紅葉が美しい地域である旨の情報は、紅葉が美しい時期の情報とともに、特定領域の特徴を表す情報として領域データベース186に格納される。すなわち、その特徴が発揮される時間が限られる場合には、特定領域の特徴を表す情報は、その特徴が発揮される時間の情報を含む。
【0049】
制御部184は、経路探索サーバ100から受け取った経路を表す位置データに基づいて、その経路の近傍にある特定領域を決定する。そして、その特定領域の位置の情報および特徴を表す情報を含むデータを作成し、通信部182を介して経路探索サーバ100に送信する。
【0050】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照しつつ、地図サーバ150、領域情報サーバ180、および携帯電話200から受け取った各データに基づいて、出発地点から目的地に至る経路を表す経路データを生成する。生成された経路データは、携帯電話200に送信され、携帯電話200において経路の案内または表示のために使用される。
【0051】
経路データには、経路を表すノード情報およびアーク情報などの経路情報のほか、交差点で曲がるべき方向を示すなどの移動案内に使用されるデータが含まれる。それら経路に沿ってユーザを移動させるための移動案内に使用される情報を「第1種の情報」と呼ぶことがある。また、経路データには、経路の近傍にある特定領域の位置の情報および特徴を表す情報を含むデータが含まれる。それら特定領域の享受物に関して特定領域の紹介を行うための情報を「第2種の情報」と呼ぶことがある。
【0052】
A2.経路データの生成:
図3は、経路探索を行う際の携帯電話200、経路探索サーバ100、領域情報サーバ180の情報のやりとりを示すチャートである。
【0053】
ステップS110において、ユーザからルート検索の指示を受け取ると、携帯電話200の主制御部210は、出発地および目的地の情報、ならびに経由地やユーザが経路を移動する日の日付、高速道路の利用の有無を指定する情報などの探索条件の情報を、経路探索サーバ100に送信する。
【0054】
ステップS210では、経路探索サーバ100の制御部104が、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照しつつ、出発地および目的地の情報、探索条件の情報などに基づいて、経路を決定する。ステップS210の処理を行う制御部104の機能部を、経路決定部111として示す。
【0055】
ステップS220では、経路探索サーバ100は、決定された経路の各地点の位置の情報(ノード情報およびアーク情報)を領域情報サーバ180に送信して、経路の近傍の特定領域の情報を問い合わせる。
【0056】
ステップS310では、領域情報サーバ180は、領域データベース186を参照して、経路探索サーバ100から受け取った経路の位置の情報に基づいて、経路の近傍の特定領域を決定する。そして、それらの特定領域の情報は経路探索サーバ100に送信される。
【0057】
より具体的には、経路を中心に所定の距離だけの幅を有する領域と少なくとも一部が重なる特定領域は、ステップS310において原則として選択される。たとえば、図2の例において、図3のステップS210で決定された経路をR0とする。ステップS310では、経路R0がその中を通過する特定領域A1,A3のほか、経路R0を中心に両側に所定の距離W1(たとえば1500m)だけの幅を有する領域R0fと一部または全部が重なる特定領域A2,A4,A5も、選択される。なお、経路を中心に両側に所定の距離だけの幅を有する領域は、経路上の任意の点から所定の距離以内にある範囲である。
【0058】
なお、経路を移動する際の日付として経路探索サーバ100から受け取った日付が、ある特定領域の特徴が発揮される時間外である場合には、領域情報サーバ180は、その特定領域が経路の近傍にあるものであっても、ステップS310においてその特定領域を選択しない。
【0059】
なお、経路の近傍の特定領域を決定する領域情報サーバ180の制御部184の機能部を、図1において領域決定部188として示す。また、ステップS220の処理を行って、経路近傍の特定領域の中から所定の条件を満たす特定領域を決定する経路探索サーバ100の制御部104の機能部を、図1において領域決定部112として示す。これら領域決定部112および領域決定部188によって、経路データに情報が組み込まれる経路近傍の特定領域が決定される。
【0060】
経路探索サーバ100は、領域情報サーバ180から特定領域のデータを受信すると、ステップS230で、ステップS210で決定した経路の情報、および経路の近傍の特定領域の情報に基づいて、経路データを生成する。生成された経路データは、出発地、目的地、探索条件などの情報とともに、経路探索サーバ100の記憶部106内に格納される。ステップS230の処理を行って、経路データを生成する経路探索サーバ100の制御部104の機能部を、図1において経路データ生成部113として示す。
【0061】
経路データは、経路に含まれる地点のノード情報およびアーク情報と、交差点および駅の属性情報と、を含む。アーク情報は、さらに、緯度および経度の点列の情報を含む。また、経路データは、上述の移動案内のための情報や、経路近傍の特定領域の情報を含む。なお、ノード情報とアーク情報とをまとめて「経路情報」と呼ぶことがある。
【0062】
ステップS230で経路探索サーバ100によって生成された経路データは、ステップS240で、経路探索サーバ100から携帯電話200に送信される。携帯電話200は、その経路データを受信する。出発地、目的地、探索条件などの情報を、経路探索サーバ100に送信し、経路探索サーバ100から経路データを受け取る主制御部210の機能部は、経路準備ユニット231である(図1参照)。すなわち、本実施例において経路データは、経路準備ユニット231が経路探索サーバ100に生成させ、これを入手することによって準備される。
【0063】
その後、ユーザからコマンド入力部206を介してルートガイドを開始する旨の指示が入力されると、携帯電話200の主制御部210は、ステップS120で、ルートガイドを実行する。ルートガイドは、経路探索サーバ100から受信した経路データに基づいて行われる。また、携帯電話200の主制御部210は、別途、地図サーバ150から取得した地図画像データに基づいて、表示パネル202上に経路とともに現在位置の周辺の地図を表示する。
【0064】
なお、地図サーバ150から地図画像データを入手する主制御部210の機能部を、図1において地図情報準備ユニット233として示す。また、経路データに基づいてルートガイドを行う主制御部210の機能部は、経路案内ユニット232である(図1参照)。特に、経路データのノード情報、交差点および駅の属性情報、アーク情報等に基づいて、個々の交差点の曲がり方を指示したり、分岐の際の進行方向を指示したりする主制御部210の機能部を、図1において、案内実行部232aとして示す。
【0065】
なお、本明細書においては、ルートガイドを「経路案内」ということがある。これに対して、たとえば、個々の交差点の曲がり方を指示したり、分岐の際の進行方向を指示したりする処理、すなわち、進行方向に関して複数の選択肢がある場合に、経路に沿ってユーザを移動させるための処理を、「移動案内」と呼ぶ。主制御部210の機能部としての案内実行部232aが、移動案内を実行する。
【0066】
A3.ルートガイドにおける特定領域の案内:
図4は、ルートガイドにおける特定領域の案内の処理を示すフローチャートである。携帯電話200の主制御部210は、ルートガイドを行いつつ(図3のステップS120参照)、現在位置が特定領域の近傍にあるか否かの判定を行う(図4のステップS1202)。現在位置が特定領域の近傍にない場合には、そのまま所定時間だけ待機して再びステップS1202の判定を行う。現在位置が特定領域の近傍にある場合には、処理はステップS1204に進む。
【0067】
なお、特定領域の外縁上の任意の点から一定の距離以内の範囲、または特定領域内に現在位置があるとき、現在位置が「特定領域の近傍」にあるものとする。具体的には、特定領域の外縁からさらに一定の距離だけ特定領域の外部に向かう方向に離れた外縁を有する所定の領域内に現在位置がある場合には、現在位置が特定領域の近傍にあると判定できる。
【0068】
図5は、ルートガイド中にユーザに特定領域を紹介するために携帯電話200の表示パネル202上に表示される画像ID1を示す図である。図5において、図2中の要素と同じ符号が付されている要素は、図2中の要素と同じ要素である。ルートガイドの際には、表示パネル202上に、経路R0と現在位置PPとが示される。経路R0と現在位置PPの位置関係は、GPSユニット201から得られる現在位置情報と、経路データのノード情報およびアーク情報等に基づいて決定される。
【0069】
また、表示パネル202上には、経路R0以外の地図画像が表示される。現在位置周辺の地図画像のデータは、地図サーバ150から取得される。図5の例では、道路R1とR2が表示されている。pc2は、経路R0である道路と道路R2の交差点である。図5には示されていないが、経路R0である道路と道路R1の交差点をpc1とする。
【0070】
図4のステップS1202で現在位置がその近傍にあると判定された特定領域は、ステップS1204において、ルートガイドの最中に、図5のID1のような表示を使用してユーザに紹介される。以下では、特定領域の紹介を「領域紹介」と呼ぶ。また、領域紹介と同時に、現在位置がその近傍にあると判定された特定領域も表示パネル202上に表示される。図5の例では、特定領域A1が表示されている。ステップS1202,S1204の機能を奏する主制御部210の機能部を、図1において、領域紹介部232bとして示す。
【0071】
ユーザに特定領域を紹介するための画像ID1は、特定領域の享受物に関する表示DM1と、その特定領域の享受物をユーザが享受できる個々の場所を検索させるためのボタンB01と、ステップS1202で現在位置がその近傍にあると判定された特定領域以外の特定領域を検索させるためのボタンB02と、を含む。
【0072】
ボタンB01は、また、享受物を享受できる個々の場所に関する情報検索の指示をユーザに促す機能を奏する。すなわち、「地点検索」という表示を伴うボタンB01(図5参照)を見たユーザは、「地点検索」という表示によって、享受物を享受できる個々の場所に関する情報検索を促され、ボタンB01を押すことで享受物を享受できる個々の場所に関する情報検索の指示を、経路探索システムに対して行う。
【0073】
また、ボタンB02は、現在位置がその近傍にある特定領域以外の特定領域の検索の指示をユーザに促す機能を奏する。すなわち、「他領域検索」という表示を伴うボタンB02(図5参照)を見たユーザは、「他領域検索」という表示によって、現在位置がその近傍にある特定領域以外の特定領域の検索を促され、ボタンB02を押すことでその検索の指示を、経路探索システムに対して行う。なお、ユーザに特定領域を紹介するための画像ID1は、「移動案内」が所定の時間(たとえば30秒)だけ実行されない時間区間を選んで所定のタイミングで表示される。
【0074】
図4のステップS1206では、他の特定領域を提示させるためのボタンB02が押されたか否かが判定される。ボタンB02が押された場合には、処理はステップS1220に進む。ボタンB02が押されない場合には、処理はステップS1208に進む。
【0075】
図4のステップS1208では、享受物を享受できる場所を検索させるためのボタンB01が押されたか否かが判定される。ボタンB01が押された場合には、処理はステップS1230に進む。ボタンB01が押されない場合には、処理はステップS1210に進む。
【0076】
ステップS1210では、ボタンB01,B02が押されない状態で所定の時間Tw1(たとえば、15秒)が経過したか否かが判定される。時間Tw1が経過していない場合には、処理はステップS1206に戻る。ボタンB01,B02が押されない状態で時間Tw1が経過した場合には、処理はステップS1212に進む。
【0077】
図6は、表示パネル202上に画像ID1が表示されなくなった後の状態を示す図である。ステップS1212では、主制御部210の機能部としての領域紹介部232bは、画像ID1の表示を終了する。ただし、ボタンB01,B02については、図6に示すように、画面の端に表示され続ける。所定時間経過後に特定領域の享受物に関する表示DM1を表示パネル202から消すことによって、領域紹介のための表示がルートガイドのための経路や地図の表示を覆ってしまい、ルートガイドがわかりにくくなるという事態を防止できる。また、ボタンB01,B02の表示を残すことで、ルートガイドのための表示を阻害しない範囲で、その後、ユーザが特定領域の情報を求めた場合に、特定領域の情報を提供することができる。
【0078】
ステップS1214では、ステップS1202で現在位置がその近傍にあると判定された特定領域を通過したか否かが判定される。現在位置が特定領域を通過していない場合には、処理はステップS1206に戻る。現在位置が特定領域を通過した場合には、処理はステップS1216に進む。なお、ステップS1214からステップS1206に戻った後、再びステップS1212に至った場合には、表示DM1が表示されない状態が維持される。
【0079】
ステップS1216では、ボタンB01,B02の表示を終了する。このような態様とすることで、特定領域を出た後、次の特定領域の近傍に至るまでの間は、画面の表示を単純にして、ルートガイドをわかりやすくすることができる。また、ボタンB01,B02を押さずに特定領域を通過した場合には、ユーザは、その特定領域の情報を希望しないという意思決定をしたものと推測できる。このため、特定領域を通過した後は、ボタンB01,B02の表示を終了しても、ユーザが不便を感じる可能性は低い。
【0080】
ステップS1218では、ルートガイドが終了したか否かが判定される。ルートガイドが終了した場合には図4の領域紹介の処理も終了する。ルートガイドが終了していない場合には、処理はステップS1202に戻る。
【0081】
一方、ステップS1206において、他の特定領域を提示させるためのボタンB02が押されたと判定された場合には、処理はステップS1220に進む。
【0082】
図7は、ルートガイド(たとえば図4のステップS1202,S1204の状態)において表示パネル202上に表示される地図の範囲SD1と、図4のステップS1220において表示パネル202上に表示される地図の範囲SD2と、を示す図である。ステップS1220では、それまでに表示されていた範囲よりも広い範囲の地図を表示パネル202上に表示する。たとえば、ステップS1220では、それまでに表示されていた範囲の4倍(縦2倍かつ横2倍)以上の範囲の地図を表示パネル202上に表示する。その際、図7には示されないが、「エリアを選択して下さい」などの特定領域の選択を促す表示も、範囲SD2内の地図の画像とともに表示される。
【0083】
なお、ステップS1220において表示パネル202上に表示される範囲は、図3のステップS310において使用された、経路R0を中心に両側に所定の距離W1だけの幅を有する領域R0fに含まれる範囲である(図2参照)。本明細書において、領域R0fを一般化して「第1の範囲」と呼ぶことがある。また、範囲SD2に相当する領域を一般化して「第2の範囲」と呼ぶことがある。ステップS1220において表示パネル202上に表示される地図の範囲SD2は、現在位置PPに対して経路R0の前方部分の長さが、現在位置PPに対して経路R0の後ろ部分の長さよりも長くなるように決定される。
【0084】
ステップS1220では、表示パネル202上に表示した範囲に含まれる特定領域であって、ステップS1204で領域紹介した特定領域と同じ享受物を享受できる特定範囲を表示パネル202上に示す。図5および7の例では、ステップS1204で表示されるのは範囲SD1に含まれる特定領域A1のみであるが、ステップS1220では、範囲SD2に含まれる特定領域A2〜A5も表示される。このような態様とすることで、ユーザは、現在位置に最も近い特定領域以外に、同じ享受物を享受できる経路近傍の他の特定領域も考慮して、経路の変更を検討することができる。
【0085】
なお、ステップS1220において表示される特定領域A2〜A5に関する情報は、いずれも経路データに格納されている。すなわち、特定領域A1〜A5は、経路R0を中心に両側に所定の距離の幅を有する領域R0fと一部または全部が重なる特定領域である(図2、および図3のステップS310参照)。
【0086】
ステップS1220では、享受物(図7の例ではラーメン店)を享受できる地点を地理上の単位面積あたりで所定数以上(たとえば、1000平方メートルあたり1地点以上)有している特定領域は、そうではない特定領域よりも濃い色で表示される。図7の例では、特定領域A2とA5は、特定領域A1,A3,A4よりも濃い色で表示されている。図示することはできないが、実際には、特定領域は同系色で表示される。たとえば、特定領域A2とA5は濃いピンクで表示され、特定領域A1,A3,A4は薄いピンクで表示される。
【0087】
このような態様とすれば、ユーザは、経路からの距離とともに、享受物を享受できる地点がどの程度密集しているか、を考慮して、寄り道する特定領域を決定することができる。なお、ステップS1220の機能を奏する主制御部210の機能部を、図1において、他領域提示部232eとして示す。
【0088】
携帯電話200のカーソルキー206bを操作することで、表示パネル202に表示されている特定領域が順に選択される。ステップS1222では、ユーザは、携帯電話200のカーソルキー206bを操作して、表示されている特定領域の中から詳細な情報を得たい特定領域を選択する。すると、ステップS1224では、選択された特定領域の領域紹介が行われる。領域紹介の態様はステップS1204と同様である。
【0089】
すなわち、ステップS1224では、特定領域の享受物に関する表示DM1(たとえば、「ここはおいしいラーメン屋が多い地域です」)と、享受物を享受できる場所を提示させるためのボタンB01と、他の特定領域を提示させるためのボタンB02と、を含む画像ID1が表示される(図5参照)。その後、処理はステップS1206に戻る。なお、ステップS1224の機能を奏するのは、主制御部210の機能部としての領域紹介部232bである(図1参照)。
【0090】
また、ステップS1208において、享受物を享受できる場所を提示させるためのボタンB01が押されたと判定された場合には、処理はステップS1230に進む。ステップS1230では、享受物を享受できる場所を検索する際の地理的条件を決定する。具体的には、ユーザがボタンB01を押した直前に領域紹介された特定領域内に、検索対象を限定する。
【0091】
ステップS1232では、享受物を享受できる場所を検索する際の特徴に関する条件を決定する。具体的には、ユーザがボタンB01を押した直前に領域紹介された特定領域の享受物の分類に関する条件を限定する。
【0092】
図8は、ステップS1234において享受物を享受できる場所を検索する際の表示パネル202上の表示の例を示す図である。ここでは、おいしいラーメン店を含む特定領域が指定されているので、左側に示される大分類の選択肢DC1である「コンビニ」、「グルメ」、「銀行」、「ガソリンスタンド」の中から「グルメ」が選択されている。なお、図8において、選択されている選択肢は太枠で囲まれている。
【0093】
さらに、大分類「グルメ」の中の小分類の選択肢DC2である「和食」、「洋食」、「中華」、「ラーメン」、「居酒屋」の中から「ラーメン」が選択されている。ステップS1232では、このような享受物の分類に関する条件が決定される。
【0094】
なお、たとえば、享受物がイタリア料理である場合には、分類「洋食」の下の図示しない選択肢、「フランス料理」、「イタリア料理」、「スペイン料理」、「ドイツ料理」のうち「イタリア料理」までが指定される。すなわち、享受物に応じてステップS1232で決定される条件の分類の階層の深さは異なる。なお、図4のステップS1230,S1232の機能を奏する主制御部210の機能部を、図1において、条件決定部232cとして示す。
【0095】
ステップS1234では、ユーザがカーソルキー206bの中央のキーを押すと、情報検索が実行される。その際、検索の条件は、ステップS1230で決定された地理に関する検索条件と、S1232で決定された享受物の分類に関する検索条件とに従う。たとえば、あらかじめ大分類「グルメ」および小分類「ラーメン」に含まれるものとして登録されている店舗のうち、特定領域A1内に存在する店舗の情報が検索される。
【0096】
図9は、ステップS1234の検索の結果を示す画像である。ステップS1236では、現在位置がその近傍にある特定領域(ステップS1204参照)、またはユーザが指定した特定領域(ステップS1222参照)において、享受物を享受できる場所のリストが提示される。ここでは、特定領域A1内にあるラーメン屋のリストが提示される。なお、ステップS1234,S1236の機能を奏する主制御部210の機能部を、図1において、情報検索部232dとして示す。
【0097】
なお、携帯電話200は、主制御部210のRAM内に格納された経路データに基づいて、上記のような情報検索を行ってもよいし、経路探索サーバ100や領域情報サーバ180に情報検索を指示して入手したデータに基づいてそのような検索結果の提示を行ってもよい。すなわち、検索対象のデータベースは、経路データを格納する主制御部210のRAMであってもよいし、領域情報サーバ180の領域データベース186であってもよい。なお、享受物の分類に関する情報は、領域データベース186内の特定領域の情報にあらかじめ含まれている。経路データに基づいて上記の情報検索を行う態様においては、経路データ内の特定領域の情報にも、享受物の分類に関する情報が含まれている。
【0098】
その後、ユーザは、リスト中から個々の要素を選択して、その要素のさらに詳細な情報を入手する。具体的には、携帯電話200のカーソルキー206bを操作して、図8のリストのうちの一つを選択しクリックすると、個々のラーメン店の紹介が表示パネル202上に表示される。その際、表示パネル202上には、「再探索」ボタンおよび「戻る」ボタンも表示される(いずれも図示せず)。
【0099】
図4のステップS1238では、再探索ボタンが押されたか否かが判定される。再探索ボタンが押されていない場合は、そのまま所定時間だけ待機して再びステップS1238の判定を行う。なお、個々のラーメン店の紹介の画面において「戻る」ボタンが押された場合には、再び図9の表示に戻る。
【0100】
ステップS1238において「再探索」ボタンが押されると、ステップS1240において、その地点(ラーメン店)を経由して目的地に至るルートを検索する旨の指示が携帯電話200に入力される。
【0101】
その後、ユーザが指定した地点(ラーメン店)を経由して目的地に至るルートを検索する旨の指示が、携帯電話200から経路探索サーバ100に送信される。その後の経路データの生成の処理は、図3で説明したとおりである。
【0102】
このような態様とすることで、ユーザは、目的地に向かう道程において、容易に経路を変更して寄り道をすることができる。また、寄り道がまず領域として案内されるため(図5参照)、寄り道の候補の近傍を通過してしまう可能性が低く、通過した領域を引き返すことなく享受物を享受できる地点に寄り道できる可能性が高い。
【0103】
B.第2実施例:
第1実施例では、図4のステップS1234において、分類に基づく検索(いわゆるディレクトリ型検索)が行われる。しかし、第2実施例では、図4のステップS1234においてキーワードに基づく検索が行われる。すなわち、第2実施例は、ステップS1232,S1234の処理が第1実施例とは異なる。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0104】
図4のステップS1232では、享受物を享受できる場所を検索する際の特徴に関する条件が決定される。第2実施例においては、より具体的には、享受物を享受できる場所を検索する際のキーワードが決定される。たとえば、ユーザがラーメン屋の多い特定領域を選択した場合には(図4のステップS1204,S1208,S1222,S1224)、キーワードとして「おいしい」、「ラーメン」が決定される。ユーザが、紅葉が美しい特定領域を選択した場合には、キーワードとして「きれい」、「紅葉」などが決定される。これらの享受物に関するキーワードは、領域データベース186内の特定領域の情報、および経路データ内の特定領域の情報にあらかじめ含まれている。
【0105】
図10は、第2実施例において、ステップS1234で享受物を享受できる場所を検索する際の表示パネル202上の表示の例を示す図である。ステップS1234では、ステップS1232で決定されたキーワードがあらかじめ入力された検索窓SW01が表示パネル202に表示される。検索窓SW01は、入力ボックスIB01と、検索ボタンB03とを備えている。
【0106】
ユーザは、ステップS1234において、コマンド入力部206を介して検索窓SW01内にキーワードを追加または削除することができる。その後、検索ボタンIB03が押されると、情報検索が実行される。具体的には、携帯電話200は、地理に関する検索条件(選択された特定領域)と、キーワード(たとえば、「おいしい」、「ラーメン」)とを領域情報サーバ180に送信する。領域情報サーバ180の制御部184は、領域データベース186に格納された店舗の評価のデータを検索して情報検索を実行する。その際、検索の条件は、ステップS1230で決定された地理に関する検索条件と、S1232で決定されステップS1234でユーザによって修正された享受物の分類に関する検索条件とに従う。そして、携帯電話200は、領域情報サーバ180から検索結果の回答を得る。
【0107】
なお、以上のような処理を行って、領域情報サーバ180に享受物を享受できる地点の検索を行わせ、検索結果を入手するのは、主制御部210の機能部としての情報検索部232dである。
【0108】
このような態様としても、ユーザは、目的地に向かう道程において、容易に経路を変更して寄り道をすることができる。また、上記の態様においては、ユーザがキーワードを自由に追加できる。このため、ユーザは、あらかじめ特定領域の情報としてあらかじめ含まれているキーワードだけでなく、自分の好みを反映させるためのキーワードを使用して、より検索条件を絞り込んで、寄り道する地点を検索することができる。
【0109】
C.第3実施例:
第1実施例では、図4のステップS1220において表示パネル202上に表示される範囲SD2は、図3のステップS310において特定領域の決定に使用された領域R0f内に含まれる範囲である(図2参照)。そして、ステップS1220においては、表示パネル202に表示される範囲に含まれるすべての特定領域が表示される(図7のSD2参照)。しかし、第3実施例では、ステップS1220において、画面に表示される範囲に含まれるすべての特定領域が表示されるわけではない。すなわち、第3実施例は、ステップS1220の処理が第1実施例とは異なる。第3実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0110】
図11は、第3実施例において、図4のステップS1220で表示パネル202上に表示される画面の一例を示す図である。なお、図11において、図2および図7中の要素と同じ符号が付されている要素は、図2および図7中の要素と同じ要素である。
【0111】
第3実施例では、ステップS1220において、範囲R0gと一部または全部が重なる特定領域であって、ステップS1204で領域紹介した特定領域と同じ享受物を享受できる特定範囲が表示パネル202上に示される。
【0112】
範囲R0gは、(i)現在位置PPを中心として距離W1より小さい所定の距離W2(たとえば500m)の半径を有する第1の円と、(ii)経路が表示範囲SD2と交差する点PFを中心として距離W2の半径を有する第2の円と、経路R0を中心に両側に距離W2だけの幅を有する領域であって、第1の円と第2の円の間の領域と、からなる領域である。この領域R0gは、経路の近傍500m以内の範囲であって、現在位置PPと、現在位置PPよりも下流側の経路R0の一部を含む。なお、本明細書では、経路における「下流側」とは、経路上の所定の基準点に対して、その経路における進行方向の側にあることをいう。本明細書において、領域R0gを一般化して「第2の範囲」と呼ぶことがある。
【0113】
その結果、第3実施例では、ステップS1220において、表示パネル202上に表示される特定領域は、特定領域A1〜A3である。そして、特定領域A4,A5は表示されない。なお、図11において、参考までに特定領域A4,A5を破線で示す。このような態様とすれば、ユーザは、経路を大きく外れることなく寄り道できる特定範囲の中から特定範囲を選択することができる。
【0114】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0115】
D1.変形例1:
地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0116】
D2.変形例2:
上記実施例では、日本の地理上の全領域が所定の大きさの長方形(正方形)の区画に区切られ、その区画の組み合わせで特定領域が定められている。しかし、特定領域は、地理上において一部の領域を任意の形状で特定したものとすることもできる。
【0117】
D3.変形例3:
上記実施例では、おいしいラーメン屋が多い特定領域A1〜A5を例に説明を行った。そして、上記実施例では、特定領域の形状は縮尺によらず一定である。しかし、特定領域は、たとえば、縮尺に応じて複数種類、用意することができる。
【0118】
たとえば、領域データベース186は、特定領域の情報を、携帯電話200の表示パネル202に経路を表示する際の地図の縮尺に応じて複数種類、保持することができる。すなわち、表示パネル202に狭い範囲を示す第1の縮尺に対応する特定領域と、表示パネル202により広い範囲を示す第2の縮尺に対応する特定領域とは、異なるものとすることができる。たとえば、第1の縮尺に対応する特定領域として、複数の特定領域を保持し、第2の縮尺に対応する特定領域としては、それら複数の特定領域を包含する一つの特定領域を保持する態様とすることもできる。
【0119】
そのような態様とすれば、地図上に特定領域を表示する際に表示が煩雑になるのを防止することができる。経路探索サーバ100は、携帯電話200に送信される経路データに、それら複数種類の特定領域の情報を含ませることが好ましい。そして、出力端末としての携帯電話200は、地図の縮尺に応じて表示する特定領域を変えることが好ましい。
【0120】
また、領域データベース186は、特定領域の情報を、経路の移動手段に応じて保持することもできる。領域データベース186は、たとえば、歩行のための特定領域の情報と、自転車のための特定領域の情報と、自動車のための特定領域の情報と、をそれぞれ保持することができる。
【0121】
そして、長距離の移動に適さない第1の移動手段(たとえば徒歩や自転車)で移動すべき区間においては、個々の特定領域が小さく(細かく)設定された複数の特定領域の中から近傍領域を選択し、第1の移動手段よりも長距離の移動に適した第2の移動手段(たとえば自動車)で移動すべき区間においては、個々の特定領域がより大きく(大まかに)設定された特定領域の中から近傍領域を選択することができる。
【0122】
なお、その際、経路の「近傍」にあるか否かの判定の基準となる距離も、移動手段に応じて変更することが好ましい。すなわち、長距離の移動に適さない第1の移動手段で移動すべき区間においては、近傍の判定の基準となる距離は、短くし、長距離の移動に適した第2の移動手段で移動すべき区間においては、近傍の判定の基準となる距離は、第1の移動手段の場合よりも長くすることが好ましい。
【0123】
そして、経路が異なる移動手段で移動すべき区間を含む場合には(図3のステップS210参照)、経路探索サーバ100は、図3のステップS230において、経路データに、各区間の移動手段に応じた特定領域の情報を含ませる。このような態様とすれば、ルートガイドにおいて、移動手段に応じた寄り道しやすい範囲にある特定領域を紹介することができる。
【0124】
D4.変形例4:
上記実施例では、図3のステップS310において経路の近傍の特定範囲を選択する際に、「経路の近傍の所定の範囲」として、経路を中心に両側に所定の距離W1だけの幅を有する領域を採用している(図2参照)。しかし、「経路の近傍の所定の範囲」は、この態様に限られない。たとえば、経路を中心に両側に所定の距離W1だけの幅を有する領域内に川を含む場合には、川を挟んで経路と逆の側は、橋の近傍を除いて「経路の近傍の所定の範囲」に含めないこととすることもできる。すなわち、「経路の近傍の所定の範囲」は、あらかじめ定められた基準に従って設けられた範囲であって、経路を含む所定の範囲とすることができる。
【0125】
また、上記実施例では、図4のステップS1202において、現在位置が特定領域の近傍にあるか否かを判定する際に、「特定領域(近傍領域)の近傍の所定の範囲」として、「特定領域の外縁からさらに一定の距離だけ特定領域の外部に向かう方向に離れた外縁を有する所定の領域」を採用している。しかし、「特定領域(近傍領域)の近傍の所定の範囲」は、この態様に限られない。すなわち、「特定領域(近傍領域)の近傍の所定の範囲」は、あらかじめ定められた基準に従って設けられた範囲であって、特定領域(近傍領域)を含む所定の範囲とすることができる。
【0126】
D5.変形例5:
高速道路や、あらかじめ定められた駅で停止する電車などの交通機関を利用して移動すべき区間を経路が含む場合には、以下のような処理を行うことが好ましい。以下では図2を使用して処理の内容を説明する。
【0127】
図2において、i1,i2は高速道路のインターチェンジである。そして、インターチェンジi1が、経路において高速道路に乗るべきインターチェンジである。インターチェンジi2が、高速道路を降りるべきインターチェンジである。図2においては、高速道路を利用するインターチェンジi1,i2間を経路の他の部分に比べて太い線で示している。
【0128】
図3のステップS220では、経路探索サーバ100は、領域情報サーバ180から受け取った特定領域の中から所定の条件を満たす特定領域を選択する。たとえば、高速道路に乗るべきインターチェンジi1の近傍の所定の範囲Ri1、または高速道路を降りるべきインターチェンジi2の近傍の所定の範囲Ri2と重なる特定領域A2は選択される。なお、ここでは、インターチェンジの近傍の範囲は、インターチェンジを中心とする所定の大きさの半径の円である。
【0129】
これに対して、経路の近傍の特定領域であっても、範囲Ri1,Ri2と重ならない特定領域A3は選択されない。その結果、ルートガイドにおいては、高速道路に乗るべきインターチェンジi1および高速道路を降りるべきインターチェンジi2の近傍の特定領域A2について領域紹介が行われ、途中の区間の近傍にある特定領域A3については、領域紹介は行われない。
【0130】
同様に、経路の乗車駅および降車駅近傍の所定の範囲と重なる特定領域は選択され、経路の近傍の特定領域であっても、乗車駅または降車駅近傍の所定の範囲と重ならない特定領域は選択されない態様とすることができる。その結果、ルートガイドにおいては、乗車駅および降車駅近傍の特定領域について領域紹介が行われ、途中の区間の近傍にある特定領域については、領域紹介は行われない。
【0131】
このような態様とすることで、寄り道をすることができない特定領域、または寄り道をする可能性が低い特定領域については、ルートガイドの際に紹介しないようにすることができる。このため、ユーザは、ルートガイドの際に、不要な特定領域の紹介によって煩わされることがない。
【0132】
なお、高速道路に乗るインターチェンジと高速道路を降りるインターチェンジとの間の途中のインターチェンジの近傍の所定の範囲と重なる特定領域もステップS220において選択される態様とすることもできる。そのような態様においては、ルートガイドにおいて、高速道路に乗るインターチェンジ、高速道路を降りるインターチェンジに加えて途中のインターチェンジの近傍の特定領域についても領域紹介が行われる。そのような態様とすれば、ユーザは、高速道路を途中のインターチェンジで降りて寄り道をすることができる。
【0133】
同様に、乗車駅と降車駅の間の停車駅の近傍の所定の範囲と重なる特定領域も、ステップS220において選択される態様とすることもできる。そのような態様においては、ルートガイドにおいて、乗車駅および降車駅に加えて途中の停車駅の近傍の特定領域についても領域紹介が行われる。そのような態様とすれば、ユーザは、交通機関を途中下車して寄り道をすることができる。
ここで、停車駅としてはユーザによって予め登録されている駅を採用してもよい。例えば、ユーザが所有する定期券の乗車駅または降車駅等の近傍の特定領域について、領域紹介が行われる。
【0134】
D6.変形例6:
なお、上記実施例では、経路を移動する際の日付が、ある特定領域の特徴が発揮される時間外である場合には、領域情報サーバ180は、その特定領域が経路の近傍にあるものであっても、その特定領域を選択しない(図3のステップS310参照)。しかし、日付に基づく特定領域の選択は、経路探索サーバ100において行うこともできる。
【0135】
また、ユーザに紹介される特定領域は、ユーザによる享受物の選択によって、選択されることもできる。すなわち、領域データベース186がデータを保持している特定領域の享受物のうち、ユーザが紹介されることを望まない享受物を、あらかじめ携帯電話200のコマンド入力部206を介して経路探索システムに入力させる(図1参照)。そして、経路探索サーバ100は、ユーザが紹介されることを望まない享受物の情報を携帯電話200から受け取る。なお、ユーザが紹介されることを望まない享受物の情報は、ユーザによって解除されない限り、携帯電話200から表示されることはない。
【0136】
経路探索サーバ100は、経路の近傍の特定領域の情報を領域情報サーバ180に問い合わせる際に(図3のステップS220)、ユーザが紹介されることを望まない享受物の情報を領域情報サーバ180に送信する。領域情報サーバ180は、ステップS310で、ユーザが紹介されることを望まない享受物に対応する特定領域を除いて、経路の近傍の特定領域を決定する。このような態様とすれば、ユーザは、望まない享受物についての特定領域の情報を提供されることがない。なお、ユーザが紹介されることを望まない享受物に基づく特定領域の選択は、領域情報サーバ180に代わって経路探索サーバ100または携帯電話200が行ってもよい。
【0137】
D7.変形例7:
上記実施例では、特定領域の享受物は、おいしいラーメン、美しい紅葉など、ユーザにとって好ましいと思われるものである。しかし、特定領域の享受物は、ユーザにとって好ましくないと思われるものも含むことができる。たとえば、「交通事故が所定回数以上あった地点の多い特定領域」や「渋滞が起こる地点が多い特定領域」を紹介する態様とすることもできる。そのような態様とすれば、ユーザは、より慎重に自動車の運転を行い、路上駐車をしたり、脇道にそれるのをやめて、その特定領域を安全かつ短時間で通過することができる。
【0138】
D8.変形例8:
上記実施例では、移動案内に使用される画像データや音声データ等、案内地点の位置を表すデータは、経路データを生成する際に経路データに含まれる。しかし、それらのデータは、すべてがあらかじめ経路データに含まれているのではなく、経路上を現在位置が進行するのに応じて、少なくとも一部が経路探索サーバ100や他のサーバから取得される態様とすることもできる。
【0139】
D9.変形例9:
上記第2実施例では、図4のステップS1220で表示パネル202に表示される特定領域は、円と円を経路R0に沿って結んだ範囲Rgと重なる特定領域である。しかし、図4のステップS1220で提示される特定領域は、他の基準で選択することもできる。たとえば、円形の範囲であって、現在位置を円の直径の一端とし、所定の大きさの直径を有し、直径の他端を現在位置よりも下流の経路上に有する円形の範囲と重複する特定領域を選択することもできる。すなわち、ステップS1204で紹介された特定領域と同じ享受物が得られる特定領域としてステップS1220で提示される特定領域は、現在位置と、経路のうち現在位置よりも下流側の一部と、を含む所定の形状の範囲と重なる特定領域とすることができる。
【0140】
D10.変形例10:
上記実施例では、図4のステップS1220において、享受物を享受できる地点を1000平方メートルあたり1地点以上有している特定領域は濃いピンクで表示され、そうではない特定領域は薄いピンクで表示される(図7,11参照)。しかし、特定領域は、他の態様で表示されることができる。
【0141】
たとえば、享受物を享受できる地点の密度に応じて特定領域に3段階以上の区分を設け、その区分に応じて異なる色で特定領域を表示することができる。その際、享受物を享受できる地点の密度が高い特定領域は、密度が低い特定領域よりも濃い色で表示されることが好ましい。ここで、「特定の色よりも濃い色」とは、「特定の色と色相と彩度が同じで明度が低い色」のみを指すものではない。すなわち、「特定の色よりも濃い色」とは、(i)特定の色と色相が同じで明度が低いという条件と、(ii)特定の色と色相が同じで彩度が高いという条件と、の少なくとも一方を満たす色である。
【0142】
また、享受物を享受できる地点の密度が異なる複数の特定領域を、密度に応じて3色以上の色を使い分けて表示する場合には、第1の色と第2の色の関係と、第2の色と第3の色の関係は異なっていてもよい。たとえば、第2の色は、第1の色と色相が同じで明度が低い色であり、第3の色は、第2の色と色相が同じで彩度が高い色であってもよい。また、その際の色相も、赤(ピンク)以外に、青や緑などさまざまな色相とすることができる。
【0143】
そして、最初にユーザに提示される特定領域(図5、図7および図11の特定領域A1参照)と、その後、代替候補として示される特定領域(図7および図11の特定領域A2〜A5参照)とは、異なる色相の色で表示されることができる。ただし、最初にユーザに提示される特定領域と代替候補として示される特定領域が同じ色相の色で表示されてもよい。
【0144】
D11.変形例11:
第1実施例では、情報検索の際には、分類の選択肢の中で選択されている選択肢を太枠で囲って表示する。しかし、分類の選択肢の中で選択されている選択肢を表示する方法は、他の方法であってもよい。たとえば、各選択肢の前にチェックボックスがあり、選択された選択肢のチェックボックスにチェックが入れられている状態を示すこともできる。すなわち、図4のステップS1234においては、分類に関する選択肢は、ステップS1232の処理の結果、選択されている選択肢と、選択されていない選択肢と、が異なる態様で表示されていればよい。
【0145】
また、上記実施例では、ステップS1232で自動的に決定された分類の検索条件やキーワードが表示パネル202に表示され(図8および図10参照)、情報検索が行われる。しかし、情報検索は、そのような自動的に決定された検索条件の表示を伴わずに行われてもよい。
【0146】
D12.変形例12:
第1実施例では、図4のステップS1234では、ステップS1230,S1232で決定された条件を使用して情報検索が行われる。しかし、ステップS1234において、ユーザがさらに検索条件を付与できる態様とすることもできる。たとえば、ステップS1230で決定された地理的条件、ステップS1232で決定された享受物の分類に関する条件に加えて、キーワードを入力できる態様とすることもできる(図10参照)。また、ステップS1230で決定された地理的条件に、さらに地理的条件を付加したり、地理的条件の一部を削除したりできる態様とすることもできる。
【0147】
このような態様とすれば、ユーザは、より自己の希望を検索条件に盛り込んだ情報検索を行うことができる。すなわち、経路探索システムは、少なくとも一部の検索条件を自動的に決定する態様であればよい。
【0148】
D13.変形例13:
上記実施例においては、検索条件の自動的な決定は、携帯電話200の主制御部210が行っている。しかし、検索条件の自動的な決定は、領域情報サーバ180の制御部184や経路探索サーバ100の制御部104が行う態様とすることもできる。
【0149】
たとえば、携帯電話200から領域情報サーバ180に、特定領域を特定する番地の組み合わせまたは緯度および経度の組み合わせを領域情報サーバ180に送信し、領域情報サーバ180がその特定領域に応じた検索条件を定める態様とすることもできる。なお、特定領域を特定する番地または緯度および経度の組み合わせを、経路探索サーバ100を経由して領域情報サーバ180に送信することもできる。
【0150】
さらに、特定領域を特定する番地または緯度および経度の組み合わせを、経路探索サーバ100に送信し、経路探索サーバ100がその特定領域に応じた検索条件を定める態様とすることもできる。すなわち、検索条件の自動的な決定は、携帯電話200を含む経路探索システムの任意の要素が実行することができる。
【0151】
D14.変形例14:
上記実施例では、図4のステップS1234における情報検索は、経路データまたは領域データベース186を対象として行われる。しかし、ステップS1234における情報検索が、経路探索サーバ100の記憶部106に格納されているデータベースや、他のサーバに格納されたデータベースを対象として行われる態様とすることもできる。すなわち、享受物を享受できる地点に関する情報検索は、享受物を享受できる地点の位置に関する情報と、享受物の分類やキーワードに関する情報とを格納しており、経路探索システムのいずれかの要素がアクセスすることができる任意のデータベースを対象に行うことができる。
【0152】
D15.変形例15:
上記実施例では、ボタンB01をクリックすると(図6参照)、特定領域の享受物をユーザが享受できる場所のリストが提示される(図9参照)。このリストは、複数種類の特定領域が重複する領域内またはその近傍に現在位置があるときには、複数表示される。そのような場合には、たとえば、享受物に関する表示(図5の表示DM1参照)は、「このあたりは、おいしいラーメン屋が多い地域です。このあたりは、紅葉が美しい地域です。」などといった複数種類の情報を提供する表示とすることができる。そして、ボタンB01が押されると、ラーメン屋のリストと、美しいモミジの木がある地点のリストが提示される。このような態様とすれば、よりユーザの利便性を向上させることができる。
【0153】
なお、享受物に関する表示が複数の享受物に関する情報を提供する表示である場合には、享受物をユーザが享受できる個々の場所を提示させるためのボタンが、享受物ごとに表示される態様とすることもできる。そのような態様においては、各ボタンが押されると、対応する享受物のリストが表示される。
【0154】
D16.変形例16:
上記実施例では、ボタンB01(図5参照)をクリックすると、特定領域の享受物をユーザが享受できる場所のリストが提示される。しかし、享受物をユーザが享受できる場所の情報は、他の方法で提供されることもできる。たとえば、享受物をユーザが享受できる場所が地図上にプロットされた画像を表示パネル202に表示することで、享受物をユーザが享受できる場所の情報を提供することもできる。
【0155】
そのような態様においては、地図上に表示された享受物を享受できる地点を、コマンド入力部206を操作することでユーザが選択できる態様とすることが好ましい。ユーザは、図4のステップS1236において、地図上に表示された各地点を選択して、詳細な情報を入手することができる。なお、複数種類の特定領域が重複する領域内またはその近傍に現在位置があるときには、享受物を享受できる各地点は、異なる色または形状の印で地図上にプロットされることが好ましい。
【0156】
D17.変形例17:
上記実施例においては、経路に関する案内(経路案内と領域紹介とを含む)は、主として表示パネル202上の表示を介して行われる。しかし、経路に関する案内は、少なくとも一部について、音声出力部203や振動機構204など他の出力部を使用して行われることもできる。
【0157】
たとえば、実施例において、ユーザに特定領域を紹介する際に表示パネル202に表示された享受物に関する表示DM1(図5参照)や、検索の結果(図9参照)を、音声出力部203を使用して音声で読み上げる態様とすることができる。また、ユーザに特定領域を紹介する際に(図4のステップS1204および図5参照)、振動機構204が、所定のパターンの振動でユーザの注意を促す態様とすることもできる。
【0158】
また、享受物を享受できる個々の場所に関する情報検索の指示をユーザに促す際に(図5のボタンB01参照)、享受物の情報に基づいてメッセージデータを作成して、「ラーメン屋を検索しますか?」といった享受物に応じた音声案内を行うこともできる。同様に、現在位置がその近傍にある特定領域以外の特定領域の検索の指示をユーザに促す際に、(図5のボタンB02参照)、享受物の情報に基づいてメッセージデータを作成して、「ラーメン屋が多い他の地域を検索しますか?」といった享受物に応じた音声案内を行うこともできる。すなわち、音声のパターンや振動のパターンなどの出力のパターンは、画面表示とは独立にそれぞれ用意され、出力されることができる。
【0159】
なお、これらの音声や振動を利用した出力は、それぞれ単独で、または、画像を使用した出力とともに、行われることができる。すなわち、ユーザに対して所定の出力を行うことができる各種の出力部は、単独で使用され、または他の出力部とともに使用されて、ユーザに対して出力を行うことができる。
【0160】
D18.変形例18:
上記実施例では、GPSユニット201から得られる現在位置情報に基づいて、実際に現在位置が特定領域近傍に位置したことを検知して、領域紹介が行われる。しかし、領域紹介は、実際の現在位置とは無関係に、現在位置に相当する指定位置を経路に沿って移動させるシミュレーションを行いつつ実行することもできる。そのような態様においても、シミュレーションにおいて制御部が現在位置として指定する指定位置が特定領域近傍に位置した状態となった際に、領域紹介を行うことができる。このような態様とすれば、ユーザは、目的地までの経路を検討する際に、途中の寄り道を考えながら経路を検討することができる。
【0161】
また、現在位置に相当する指定位置を経路に沿って移動させるシミュレーションを行う態様以外にも、たとえば、ユーザがコマンド入力部206を操作して、表示パネル202に表示された経路の上またはその経路の近傍の所定の位置を指定した場合に、その近傍の特定領域の紹介をする態様とすることもできる。そのような態様とすれば、ユーザは、経路のうちの任意の地点に着目して、その周辺の特定領域の情報を短時間で入手することができる。すなわち、ユーザが着目している地点に、シミュレーションにおける指定位置が到達するのを待つ必要がない。
【0162】
なお、本変形例で説明した態様は、GPSユニットを備えない構成とすることができる。
【0163】
D19.変形例19:
上記実施例においては、経路探索システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、領域情報サーバ180と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットおよびディスプレイを備える携帯端末に、経路探索サーバ100、地図サーバ150の機能を備える態様とすることもできる。さらに、携帯端末に、領域情報サーバ180の機能を備えることもできる。また、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。そして、領域情報サーバ180が、経路探索サーバ100と同じサーバであってもよい。なお、携帯端末は、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)やノート型のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、データに基づいてユーザに対して所定の出力を行うことができる装置であればよい。
【0164】
すなわち、案内装置としての経路探索システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、経路探索システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0165】
D20.変形例20:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0166】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0167】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0168】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0169】
E.その他の態様:
なお、経路案内において経路の周辺の地点の情報を提供する際に、以下のような処理を行うこともできる。その処理は、
(a)目的地に至る経路に関する第1種の情報と、共通の享受物を享受できる複数の地点を含む領域であって、前記経路の近傍の範囲である第1の範囲と重複する領域である近傍領域に関する第2種の情報と、を含む経路データを準備する工程と、
(b)前記経路データに基づいて、前記経路に関する案内を行う工程と、を含み、
前記工程(b)は、
(b1)前記第1種の情報に基づいて、前記経路の案内を行う工程と、
(b2)前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲内に現在位置があるときに、前記第2種の情報に基づいて、前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行い、前記近傍領域における享受物と同じ享受物を享受できる他の領域に関する情報の要求をユーザに促す工程と、
(b3)前記他の領域に関する情報の要求を前記ユーザから受け取った場合に、前記近傍領域における享受物と同じ享受物を享受できる複数の地点を含む領域であって、現在位置の近傍の範囲である第2の範囲と重複する代替領域を、前記他の領域として提示する工程と、
(b4)前記近傍領域と前記代替領域から選択された領域の指定を受けて、前記選択された領域において前記享受物を享受できる地点の情報を提供する工程と、を含む。
【0170】
このような態様においては、ユーザは、現在位置に近い近傍領域と、現在位置近傍の他の領域(代替領域)と、から領域を選択して、目的とする享受物を享受できる地点の情報の提供を受けることができる。その結果、代替領域が提示されない態様に比べてより多くの選択肢の中から好ましい地点を選択して、寄り道することができる。すなわち、上記の態様によれば、経路の近傍で享受物を享受できる地点の情報を入手する際のユーザの利便性が向上する。
【0171】
なお、経路データの「準備」には、たとえば、動作主体が自ら経路データを生成する態様や、他の要素が生成した経路データを動作主体が入手する態様が含まれる。そして、「特定の(第1種の、または第2種の)情報に基づいて」何らかの処理をする、には、特定の情報がその処理をするための情報をすべて含んでいる態様のほか、その処理をするための情報を、その特定の情報を使用して入手して、その処理を行う態様も含まれる。また、「代替領域」の提示は、地図上に代替領域を示す態様で行われてもよいし、代替領域をリストで示す態様とすることもできる。
【0172】
また、代替領域を他の領域として提示する際には、同時に、近傍領域と代替領域からの領域の選択を促すことが好ましい。
【0173】
なお、前記第2種の情報は、複数の前記近傍領域に関する情報を含む態様とすることができる。
そして、現在位置が前記経路上を移動する際の前記第2の範囲は、前記第1の範囲に含まれる態様とすることができる。
前記工程(b3)は、
前記第2種の情報に基づいて、前記複数の近傍領域に含まれる領域を前記代替領域として提示する工程を含むことが好ましい。
【0174】
このような態様とすれば、すでにある情報をもとに代替領域の提示を行うことができる。このため、第2種の情報に含まれない情報を新たに準備する態様に比べて、他の領域に関する情報の要求を受け取った後、短時間で他の領域に関する情報を提示できる。
【0175】
また、前記工程(b3)は、
現在位置の情報に基づいて、前記代替領域に関する情報を準備する工程を含む態様とすることもできる。
【0176】
このような態様とすれば、他の領域に関する情報の要求があった場合に、経路データに情報として含まれる近傍領域以外の領域をも提示することができる。代替領域に関する情報は、例えば、ネットワークで接続された他の装置から入手することができる。
【0177】
なお、前記第2の範囲は、前記経路の近傍の所定の範囲であって、現在位置と、前記経路のうち現在位置よりも下流側の一部と、を含む範囲とすることができる。
【0178】
このような態様とすれば、ユーザは、現在位置に近い近傍領域と、この先、近くを通る予定の代替領域とを比較した上で、どの領域内の地点に寄り道するかを決定することができる。なお、現在位置が経路上を移動する際の現在位置近傍の第2の範囲は、経路近傍の第1の範囲に含まれることが好ましい。
【0179】
また、前記工程(b3)は、
画像を表示することができる画像表示部に、前記近傍領域と前記代替領域とを、前記経路とともに表示する工程であって、
前記近傍領域において、前記享受物を享受できる前記地点の地理上の単位面積あたりの数が所定の数よりも少ない場合には、前記近傍領域は、第1の色を使用して表示され、
前記近傍領域において、前記享受物を享受できる前記地点の地理上の単位面積あたりの数が前記所定の数よりも多い場合には、前記近傍領域は、前記第1の色よりも濃い第2の色を使用して表示され、
前記代替領域において、前記享受物を享受できる前記地点の地理上の単位面積あたりの数が前記所定の数よりも少ない場合には、前記代替領域は、第3の色を使用して表示され、
前記代替領域において、前記享受物を享受できる前記地点の地理上の単位面積あたりの数が前記所定の数よりも多い場合には、前記代替領域は、前記第3の色よりも濃い第4の色を使用して表示される工程を含むことが好ましい。
【0180】
このような態様とすれば、ユーザは、享受物を享受できる地点の密度を考慮して、領域を選択することができる。なお、第1の色と第3の色は、同じ色とすることもでき、異なる色とすることもできる。また、第2の色と第4の色も、同じ色とすることもでき、異なる色とすることもできる。ただし、第1の色と第2の色の系列と、第3の色と第4の色の系列とは、互いに異なる色相の色の系列であることが好ましい。
【0181】
また、前記工程(b1)は、
(b5)画像を表示することができる画像表示部に、前記経路の一部と現在位置とを表示して、前記経路の案内を行う工程を含むことが好ましい。
前記工程(b3)は、
(b6)前記工程(b5)よりも広い範囲の前記経路とともに、前記近傍領域と前記代替領域とを、前記画像表示部に表示する工程を含むことが好ましい。
前記第2の範囲は、前記工程(b6)において前記画像表示部に表示される地理上の範囲を含む範囲であることが好ましい。
【0182】
このような態様とすれば、ユーザは、画像表示部に表示された範囲の中から任意の領域を選択して、寄り道する地点を決定することができる。
【0183】
なお、前記工程(b6)は、
前記近傍領域において、前記享受物を享受できる前記地点の地理上の単位面積あたりの数が所定の数よりも少ない場合には、前記近傍領域は、第1の色を使用して表示され、
前記近傍領域において、前記享受物を享受できる前記地点の地理上の単位面積あたりの数が前記所定の数よりも多い場合には、前記近傍領域は、前記第1の色よりも濃い第2の色を使用して表示され、
前記代替領域において、前記享受物を享受できる前記地点の地理上の単位面積あたりの数が前記所定の数よりも少ない場合には、前記代替領域は、第3の色を使用して表示され、
前記代替領域において、前記享受物を享受できる前記地点の地理上の単位面積あたりの数が前記所定の数よりも多い場合には、前記代替領域は、前記第3の色よりも濃い第4の色を使用して表示される工程を含むことが好ましい。
【0184】
また、前記工程(b4)は、
(b7)前記第2種の情報に基づいて、検索条件の少なくとも一部を決定する工程と、
(b8)前記享受物を享受できる地点に関する情報を格納する地点データベースを参照し、前記検索条件を使用して、前記享受物を享受できる前記地点に関する情報検索を行って、検索結果を出力する工程と、を含むことが好ましい。
なお、検索条件の少なくとも一部の決定は、自動的に行われることが好ましい。
【0185】
このような態様においては、ユーザは、享受物を享受できる地点の情報を入手する際に、すべての検索条件を入力する必要がない。よって、上記の態様によれば、享受物を享受できる地点の情報を入手する際のユーザの負荷を軽減することができる。
【0186】
なお、前記第2種の情報は、前記享受物に関する情報を含むことが好ましい。
前記工程(b8)は、
前記検索条件として、前記享受物の分類に関する条件を使用して前記情報検索を行う工程を含むことが好ましい。
前記工程(b7)は、
前記第2種の情報に含まれる前記享受物に関する前記情報に基づいて、前記享受物の分類に関する条件の少なくとも一部を決定する工程と、を含むことが好ましい。
【0187】
このような態様とすれば、情報検索の際にユーザが享受物に基づいて分類を指定する負担を軽減することができる。
【0188】
前記地点データベースは、前記享受物を享受できる前記地点の位置に関する情報と、前記享受物の分類に関する情報とを対応づけて格納していることが好ましい。そして、検索結果は、享受物を享受できる地点の位置の情報を含むことが好ましい。
【0189】
また、前記第2種の情報は、前記享受物に関する情報を含むことが好ましい。
前記地点データベースは、前記享受物を享受できる前記地点に関する情報と、前記享受物に関する情報とを対応づけて格納していることが好ましい。
前記工程(b8)は、
前記検索条件としてキーワードを使用して前記情報検索を行う工程を含むことが好ましい。
前記工程(b7)は、
前記第2種の情報に含まれる前記享受物に関する前記情報に基づいて、キーワードの少なくとも一部を決定する工程と、を含むことが好ましい。
【0190】
このような態様とすれば、情報検索の際にユーザがキーワードを入力する負担を軽減することができる。なお、キーワードを利用した検索としては、一組の情報に対してあらかじめキーワードが対応づけられており、その対応づけられたキーワードを検索する態様がある。また、キーワードを使って一組の情報自体の内容をすべて検索する態様とすることもできる。
【符号の説明】
【0191】
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
111…経路決定部
112…領域決定部
113…経路データ生成部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
180…領域情報サーバ
182…通信部
184…制御部
186…領域データベース
188…領域決定部
200…携帯電話
2005…特開
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
212…アプリケーションソフトウェア
220…通話制御部
231…経路準備ユニット
232…経路案内ユニット
232a…案内実行部
232b…領域紹介部
232c…条件決定部
232d…情報検索部
233…地図情報準備ユニット
A1〜A5…特定領域
A1…領域
B01…享受物を享受できる場所を検索させるためのボタン
B02…現在位置がその近傍にあると判定された特定領域以外の特定領域を検索させるためのボタン
B03…享受物を享受できる場所を検索させるためのボタン
DC1…大分類の選択肢
DC2…小分類の選択肢
DM1…表示
IB01…入力ボックス
IB03…検索ボタン
ID1…領域紹介における特定領域の享受物に関する表示
INT…インターネット
PP…現在位置
R0…経路
R0f…経路R0近傍の領域
R1,R2…道路
Ri1…経路において高速道路に乗るべきインターチェンジ近傍の範囲
Ri2…経路において高速道路を降りるべきインターチェンジ近傍の範囲
SD1…ルートガイドにおいて表示パネル202に表示される範囲
SD2…ステップS1222において表示パネル202に表示される範囲
SW01…検索窓
W1…経路の近傍の範囲R0fを定める距離
i1…経路において高速道路に乗るべきインターチェンジ
i2…経路において高速道路を降りるべきインターチェンジ
pc1…交差点
pc2…交差点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路案内において経路の周辺の地点の情報を提供する情報提供装置であって、
目的地に至る経路に関する第1種の情報と、共通の享受物を享受できる複数の地点を含む領域であって、前記経路の近傍の所定の範囲と重複する領域である近傍領域に関する第2種の情報と、を含む経路データを準備する経路データ準備部と、
前記経路データに基づいて、前記経路に関する案内を行う経路案内部と、を含み、
前記経路案内部は、
前記第1種の情報に基づいて、前記経路の案内を行う案内実行部と、
前記第2種の情報に基づいて、前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行って、前記享受物を享受できる前記地点に関する情報検索を促す領域紹介部と、
前記情報検索を行う旨の指示を受け取った場合に、前記第2種の情報に基づいて、前記情報検索のための検索条件の少なくとも一部を決定する条件決定部と、
前記検索条件を使用して前記情報検索を行う情報検索部と、を含む、情報提供装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報提供装置であって、
前記第2種の情報は、前記近傍領域に関する位置の情報と前記享受物に関する情報とを含み、
前記情報検索部は、前記享受物を享受できる前記地点の位置に関する情報と、前記享受物の分類に関する情報とを対応づけて格納している地点データベースを参照し、前記検索条件として、位置に関する第1の検索条件と、前記享受物の分類に関する第2の検索条件と、を使用して前記情報検索を行い、
前記条件決定部は、
前記第2種の情報に含まれる前記近傍領域に関する前記位置の情報に基づいて、前記第1の検索条件の少なくとも一部を決定し、
前記第2種の情報に含まれる前記享受物に関する前記情報に基づいて、前記第2の検索条件の少なくとも一部を決定する、情報提供装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報提供装置であって、
前記第2種の情報は、前記近傍領域に関する位置の情報と前記享受物に関する情報とを含み、
前記情報検索部は、前記享受物を享受できる前記地点の位置に関する情報と、前記享受物に関する情報とを対応づけて格納している地点データベースを参照し、前記検索条件として、位置に関する検索条件と、前記享受物に関するキーワードと、を使用して前記情報検索を行い、
前記条件決定部は、
前記第2種の情報に含まれる前記近傍領域に関する前記位置の情報に基づいて、前記位置に関する検索条件の少なくとも一部を決定し、
前記第2種の情報に含まれる前記享受物に関する前記情報に基づいて、前記キーワードの少なくとも一部を決定する、情報提供装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報提供装置であって、
前記経路案内部は、現在位置の移動に応じて前記経路についての案内を行い、
前記領域紹介部は、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲内に現在位置があるときに、前記紹介を行って前記情報検索を促す、情報提供装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報提供装置であって、
前記経路案内部は、指定された位置に応じて前記経路についての案内を行い、
前記領域紹介部は、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲内の地点を指定されたときに、前記紹介を行って前記情報検索を促す、情報提供装置。
【請求項6】
経路案内において経路の周辺の地点の情報を提供する情報提供装置で使用される情報提供方法であって、
(a)目的地に至る経路に関する第1種の情報と、共通の享受物を享受できる複数の地点を含む領域であって、前記経路の近傍の所定の範囲と重複する領域である近傍領域に関する第2種の情報と、を含む経路データを準備する工程と、
(b)前記経路データに基づいて、前記情報提供装置が、前記経路に関する案内を行う工程と、を含み、
前記工程(b)は、
(b1)前記情報提供装置が、前記第1種の情報に基づいて、前記経路の案内を行う工程と、
(b2)前記情報提供装置が、前記第2種の情報に基づいて、前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行って、前記享受物を享受できる前記地点に関する情報検索を促す工程と、
(b3)前記情報検索を行う旨の指示を受け取った場合に、前記情報提供装置が、前記第2種の情報に基づいて、前記情報検索のための検索条件の少なくとも一部を決定する工程と、
(b4)前記情報提供装置が、前記検索条件を使用して前記情報検索を行う工程と、を含む、情報提供方法。
【請求項7】
請求項6記載の情報提供方法であって、
前記第2種の情報は、前記近傍領域に関する位置の情報と前記享受物に関する情報とを含み、
前記工程(b4)は、
前記享受物を享受できる前記地点の位置に関する情報と、前記享受物の分類に関する情報とを対応づけて格納している地点データベースを参照し、前記検索条件として、位置に関する第1の検索条件と、前記享受物の分類に関する第2の検索条件と、を使用して前記情報検索を行う工程を含み、
前記工程(b3)は、
前記第2種の情報に含まれる前記近傍領域に関する前記位置の情報に基づいて、前記第1の検索条件の少なくとも一部を決定する工程と、
前記第2種の情報に含まれる前記享受物に関する前記情報に基づいて、前記第2の検索条件の少なくとも一部を決定する工程と、を含む、情報提供方法。
【請求項8】
請求項6記載の情報提供方法であって、
前記第2種の情報は、前記近傍領域に関する位置の情報と前記享受物に関する情報とを含み、
前記工程(b4)は、
前記享受物を享受できる前記地点の位置に関する情報と、前記享受物に関する情報とを対応づけて格納している地点データベースを参照し、前記検索条件として、位置に関する検索条件と、前記享受物に関するキーワードと、を使用して前記情報検索を行う工程を含み、
前記工程(b3)は、
前記第2種の情報に含まれる前記近傍領域に関する前記位置の情報に基づいて、前記位置に関する検索条件の少なくとも一部を決定する工程と
前記第2種の情報に含まれる前記享受物に関する前記情報に基づいて、キーワードの少なくとも一部を決定する工程と、を含む、情報提供方法。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の情報提供方法であって、
前記工程(b)は、現在位置の移動に応じて前記経路についての案内を行う工程であり、
前記工程(b2)は、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲内に現在位置があるときに、前記紹介を行って前記情報検索を促す工程である、情報提供方法。
【請求項10】
請求項6ないし8のいずれかに記載の情報提供方法であって、
前記工程(b)は、指定された位置に応じて前記経路についての案内を行う工程であり、
前記工程(b2)は、前記近傍領域内または前記近傍領域の近傍の所定の範囲内の地点を指定されたときに、前記紹介を行って前記情報検索を促す工程である、情報提供方法。
【請求項11】
コンピュータにおいて実行され、経路案内において経路の周辺の地点の情報を前記コンピュータに提供させるためのコンピュータプログラムであって、
目的地に至る経路に関する第1種の情報と、共通の享受物を享受できる複数の地点を含む領域であって、前記経路の近傍の所定の範囲と重複する領域である近傍領域に関する第2種の情報と、を含む経路データを準備する第1の機能と、
前記経路データに基づいて、前記経路に関する案内を行う第2の機能と、を前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラムであり、
前記第2の機能は、
前記第1種の情報に基づいて、前記経路の案内を行う第3の機能と、
前記第2種の情報に基づいて、前記享受物に関する前記近傍領域の紹介を行って、前記享受物を享受できる前記地点に関する情報検索を促す第4の機能と、
前記情報検索を行う旨の指示を受け取った場合に、前記第2種の情報に基づいて、前記情報検索のための検索条件の少なくとも一部を決定する第5の機能と、
前記検索条件を使用して前記情報検索を行う第6の機能と、を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−32406(P2012−32406A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242001(P2011−242001)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【分割の表示】特願2008−9514(P2008−9514)の分割
【原出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】