情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供システム
【課題】利用者の移動状況に応じた情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供システムを提供する。
【解決手段】構造情報記憶部は2地点間の対を1以上有し各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報を記憶し、構造解析部は前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定め、提示文型記憶部は空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶し、提示情報生成部は前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成し、情報提示制御部は前記生成した提示情報を出力する。
【解決手段】構造情報記憶部は2地点間の対を1以上有し各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報を記憶し、構造解析部は前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定め、提示文型記憶部は空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶し、提示情報生成部は前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成し、情報提示制御部は前記生成した提示情報を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が目的地に移動することを支援するために、利用者に誘導情報を提供する技術が提案されている。ここで、目的地までの移動経路を探索し、探索した移動経路の情報を地図情報に合成した誘導情報を利用者が個々に所有する携帯端末装置に提供する技術がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の道案内装置は、道路網データとランドマークデータとを含む地図データに基づいて、出発地から目的地までの道案内情報を生成する際、利用者により指定された出発地から目的地までの経路を道路網データから探索し、探索された経路に沿って案内ポイントを抽出すると共に、抽出された案内ポイントについての道案内情報を生成する。
【0004】
特許文献2に記載の画像形成装置は、目的地を検索するための目印となる各施設のランドマーク名及びその地域毎の位置情報を記憶するランドマーク情報記憶部と、表示手段の画面上でユーザにより出発地及び目的地が選択されると当該エリア情報に対応する地図画像データを取得する地図画像データ取得部と、出発地から目的地へ移動するための最適ルートを取得する最適ルート情報取得部と、該最適ルート情報に沿った該当ランドマーク情報を取得するランドマーク取得部と、取得した地図画像データと、最適ルート情報と該当ランドマーク情報とを含む合成地図画像データを生成する合成地図画像データ生成部と、生成した合成地図画像データを表示手段に画面表示させる表示制御部とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−207358号公報
【特許文献2】特開2009−204807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の道案内装置は、目的地までの経路に沿った案内ポイントにおける道案内情報を提示するため、利用者にとって必ずしも必要ではない道案内情報まで提供されるという問題点があった。
特許文献2に記載の画像形成装置は、平面で表される地図上に目的地までの最適ルートとその最適ルートに沿ったランドマーク情報を合成して表示するため、各地点が属する空間的階層(例えば、建物の階数、立体交差、等)など目的地まで誘導するための情報を十分に表現できないという問題点があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、利用者の移動状況に応じた情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、(1)本発明の一態様は、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部と、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める構造解析部と、空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部と、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する提示情報生成部と、前記生成した提示情報を出力する情報提示制御部とを備えることを特徴とする情報提供装置である。
【0009】
(2)本発明のその他の態様は、前記構造解析部は、現地点及び前記現時点に隣接する地点である隣接点を含む空間要素情報である現空間要素情報、前記隣接点及び前記現地点に隣接する地点である次隣接点を含む空間要素情報である隣接空間要素情報、又は現地点を含む空間階層情報である現空間階層情報に含まれる地点と、前記現空間階層情報に隣接する隣接空間階層情報に含まれる地点を含む空間要素情報である階層間空間要素情報の変化を表す構造変化情報を決定し、前記提示情報生成部は、前記構造変化情報に基づいて前記提示情報を生成し、前記情報提示制御部は、前記構造変化情報に基づいて前記生成した提示情報の出力を制御することを特徴とする(1)の情報提供装置である。
【0010】
(3)本発明のその他の態様は、前記提示情報生成部は、以前の地点から現地点への方向、及び前記経路情報における現地点から隣接点への方向に基づいて利用者に案内する方向である案内方向を算出し、前記案内方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成することを特徴とする(2)の情報提供装置である。
【0011】
(4)本発明のその他の態様は、前記提示情報生成部は、以前の地点から現地点への方向、及び前記経路情報における現地点から次の地点への方向に基づいて利用者に案内する方向である案内方向を算出し、前記案内方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成することを特徴とする(1)の情報提供装置である。
【0012】
(5)本発明のその他の態様は、地点毎に目標物の位置情報を記憶する目標物記憶部を備え、前記提示情報生成部は、前記目標物記憶部を参照し、前記経路情報に含まれる地点に対応する目標物の位置情報に基づいて利用者に案内する目標物の方向である案内目標物方向を算出し、前記案内目標物方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成すること特徴とする(1)の情報提供装置である。
【0013】
(6)本発明のその他の態様は、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備える情報提供装置における情報提供方法であって、前記情報提供装置が、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める第1の過程と、前記情報提供装置が、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する第2の過程と、前記情報提供装置が、前記生成した提示情報を出力する第3の過程とを有することを特徴とする情報提供方法である。
【0014】
(7)本発明のその他の態様は、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備える情報提供装置におけるコンピュータに、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める手順と、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する手順と、前記生成した提示情報を出力する手順とを有することを特徴とする情報提供プログラムである。
【0015】
(8)本発明のその他の態様は、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部と、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める構造解析部と、空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部と、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する提示情報生成部と、前記生成した提示情報を出力する情報提示制御部とを備えることを特徴とする情報提供システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者の移動状況に応じた情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報提供装置の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係るリンク情報と位置情報の一例を示す表である。
【図3】本実施形態に係る経路情報を探索する処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る構造情報の一例を示す表である。
【図5】本実施形態に係る空間構造情報の一例を示す概念図である。
【図6】本実施形態に係る位置情報及び名称情報の一例を示す表である。
【図7】本実施形態に係る目標物の位置情報の一例を示す概念図である。
【図8】本実施形態に係る提示文型情報の一例を示す表である。
【図9】本実施形態に係る誘導文型情報に対する判定結果の一例を示す概念図である。
【図10】本実施形態に係る情報提供装置が行う情報提供処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る提示情報生成部が行う提示情報生成処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る情報提示制御部が行う情報提示制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係る情報提供装置が提示する提示情報の一例を示す。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る情報提供システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報提供装置の構成を示す概略図である。
情報提供装置11は、受信部101、目的地入力部102、地点情報記憶部103、経路探索部104、構造情報記憶部105、構造解析部106、目標情報記憶部107、提示文型記憶部108、提示情報生成部109、情報提示制御部110及び情報提示部111を含んで構成される。
【0019】
位置情報送信部21は、自己の位置情報を情報提供装置11に近距離(例えば、数m以内)の無線(例えば、電磁界又は電波)で送信する媒体である。位置情報送信部21は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification、無線個体識別)タグである。位置情報送信部21は、自己と他装置とを区別する識別情報を、自己の位置情報として送信してもよい。なお、本実施形態では、利用者(歩行者)が移動する空間において、位置情報送信部21は複数(例えば、数m間隔)備えられている。
【0020】
受信部101は、位置情報送信部21から位置情報を受信する。このとき、位置情報送信部21は、情報提供装置11との無線通信が可能な領域に在圏することになる。受信部101は、受信した位置情報を、情報提供装置11を所持する利用者が現在所在する現在地情報として経路探索部104に出力する。即ち、情報提供装置の位置情報を利用者の現在地情報としている。
【0021】
目的地入力部102は、利用者の操作により、目的地を示す目的地情報を入力される。本実施形態では、その操作は、例えば、目的地入力部102が備える画面に表示された地図の座標、もしくはその座標から最も近接した位置情報送信部21の位置情報、又はその画面に表示された複数の位置情報の何れかを指示することである。目的地入力部102は、入力された目的地情報を経路探索部104に出力する。
【0022】
地点情報記憶部103は、位置情報送信部21が備えられている位置(例えば、座標)を示す位置情報、及び一地点(起点)を示す情報と隣接する他地点(終点)を示す情報の対(リンク、link)を示すリンク情報を記憶する。この記憶される地点を示す情報は、上述の位置情報送信部21の各々が備えられている位置を示す。経路情報記憶部103は、リンク情報としてリンク毎にコスト情報を記憶する。コスト情報とは、起点から終点までの移動に要するリソースの量であり、例えば距離、所要時間、又は消費エネルギー量である。
【0023】
図2は、本実施形態に係るリンク情報と位置情報の一例を示す表である。
図2(a)は、リンク情報を示す。図2(a)の各行は、順にリンクの識別番号、起点番号、終点番号及びコスト(cost)を示す。コストは、起点番号が示す起点から終点番号が示す終点までの距離に、その経路の状態を考慮した係数を乗じた値である。例えば、図2(a)の第2行は、リンクL1は、起点がP3、終点がP2及びコストが10であることを示す。このコストは、起点P3と終点P2の距離を示す。また、係数は1である。この係数は、起点P3と終点P2の間で起伏も障害物もないことを反映する。図2(a)の第8行は、リンクL7は、起点がP7、終点がP8及びコストが25であることを示す。このコスト25は、起点P3と終点P2の距離5に係数5を乗じた値である。この係数は、起点P7から終点P8まで高低差があり、移動のために時間やエネルギーを平地よりも要することを示す。
【0024】
図2(b)の各行は、順に各地点の識別番号、X座標「X」、Y座標「Y」、及びZ座標「Z」を示す。X座標は、ある基準点からの東方向の座標を示す。X座標が負値である場合、その基準点よりも西にあることを示す。Y座標は、その基準点からの北方向の座標を示す。Y座標が負値である場合、その基準点よりも南にあることを示す。Z座標は、その基準点からの高さ方向の座標を示す。Z座標が負値である場合、その基準点よりも低い場所にあることを示す。例えば、図2(b)の第2行は、地点P1のX座標が10、Y座標が10、Z座標が0であることを示す。
【0025】
図1に戻り、経路探索部104は、受信部101から入力された現在地情報、目的地入力部102から入力された目的地情報、地点情報記憶部103に記憶された位置情報及びリンク情報に基づき、現在地から目的地までのコストが最小となる経路情報を探索する。経路探索部104は、探索した経路情報を構造解析部106に出力する。探索した経路情報は、現在地から目的地まで通過する各地点の識別情報、又は現在地から目的地まで通過し順次隣接する地点の対である各リンクの識別情報を含む。また、探索した経路情報は、探索した各地点の位置情報を含む。
【0026】
経路探索部104は、その経路情報を探索するためには、公知の経路探索方法(最短経路問題)、例えば、A*探索法(A−star search algorithm)、ダイクストラ法(Dijkstra‘s algorithm)等を用いることができる。
次にダイクストラ法を用いて、経路探索部104が、現在地から目的地までの経路情報を探索する処理について説明する。
【0027】
図3は、本実施形態に係る経路情報を探索する処理を示すフローチャートである。
(ステップS101)経路探索部104は、初期値として現地点を候補地点として設定し、現地点以外の全ての地点を未到達地点と設定し、到達地点がないものと設定する。また、経路探索部は、現地点から候補地点nまでの総コストf(n)の初期値を0と設定する。経路探索部104は、自己が備える記憶部に設定した候補地点、未到着地点、候補地点に対応する総コストの初期値を記憶する。その後、ステップS102に進む。
【0028】
(ステップS102)経路探索部104は、総コストf(n)の最小とする候補地点nが記憶部に存在するか否か判断する。経路探索部104は、その候補地点nが存在しないと判断した場合(ステップS102 N)、ステップS114に進む。経路探索部104は、その候補地点nが存在すると判断した場合(ステップS102 Y)、ステップS103に進む。
(ステップS103)経路探索部104は、総コストf(n)の最小とする候補地点nは目的地であるか否かを判断する。経路探索部104は、その候補地点nは目的地であると判断した場合(ステップS103 Y)、ステップS115に進む。経路探索部104は、その候補地点nは目的地でないと判断した場合(ステップS103 N)、ステップS104に進む。
【0029】
(ステップS104)経路探索部104は、候補地点nに隣接する隣接地点全てについてステップS105を実行したか否か判断する。経路探索部104は、候補地点nに隣接する隣接地点全てについてステップS105を実行したと判断した場合(ステップS104 Y)、ステップS102に進む。経路探索部104は、候補地点nに隣接する隣接地点全てについてステップS105を実行していないと判断した場合(ステップS104 N)、ステップS105に進む。
【0030】
(ステップS105)経路探索部104は、記憶部を参照して候補地点nに隣接する隣接地点mが到達済地点であるか否か判断する。経路探索部104は、隣接地点mが到達済地点であると判断した場合(ステップS105 Y)、ステップS106に進む。経路探索部104は、隣接地点mが到達済地点ではないと判断した場合(ステップS105 N)、ステップS107に進む。
(ステップS106)経路探索部104は、処理対象とする候補地点nに隣接する隣接地点mを変更する。その後、ステップS104に進む。
(ステップS107)経路探索部104は、記憶部を参照して隣接地点mが未到達地点であるか候補地点であるか判断する。経路探索部104は、隣接地点mが未到達地点であると判断した場合(ステップS107 Y)、ステップS108に進む。経路探索部104は、隣接地点mは候補地点と判断した場合(ステップS107 N)、ステップS111に進む。
【0031】
(ステップS108)経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)として、候補地点nまでの総コストf(n)に、地点情報記憶部103から読み出した候補地点nを起点、隣接地点mを終点とするリンクのコストd(n,m)を加算して算出する。経路探索部104は算出した隣接地点mと総コストf(m)を対応づけて記憶部に記憶する。その後、ステップS109に進む。
(ステップS109)経路探索部104は、隣接地点mを終点(子地点)、候補地点nを起点(親地点)とするリンク情報を記憶部に記憶する。その後、ステップS110に進む。
(ステップS110)経路探索部104は、地点mを候補地点として記憶部に記憶する。その後、ステップS106に進む。
【0032】
(ステップS111)経路探索部104は、記憶部から読み出した候補地点nまでの総コストf(n)に地点情報記憶部103から読み出した候補地点nを起点、隣接地点mを終点とするリンクのコストd(n,m)を加算して、コスト値f(n)+d(n,m)を算出する。経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)が、コスト値f(n)+d(n,m)よりも小さいか否かを判断する。経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)が、コスト値f(n)+d(n,m)よりも小さいと判断したとき(ステップS111 Y)、ステップS106に進む。経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)が、コスト値f(n)+d(n,m)と等しい、又はそのコスト値よりも大きいと判断したとき(ステップS111 N)、ステップS112に進む。
【0033】
(ステップS112)経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)としてコスト値f(n)+d(n,m)に置き換え、置き換えた総コストf(m)を記憶部に記憶する。その後、ステップS113に進む。
(ステップS113)経路探索部104は、隣接地点mを終点(子地点)、候補地点nを起点(親地点)とするリンク情報を記憶部に記憶する。その後、ステップS106に進む。
【0034】
(ステップS114)経路探索部104は、経路探索が失敗したと判断する。その後、処理を終了する。
(ステップS115)経路探索部104は、記憶部を参照して、目的地を終点とするリンクから、ある1つのリンクの起点と終点が一致(連接)する他の1つのリンクを、起点が目的地であるリンクに達するまで抽出する。その後、ステップS116に進む。
(ステップS116)経路探索部104は、抽出したリンクを、現時点を起点とするリンクから、ある1つのリンクの終点と起点が一致する他の1つのリンクを、終点が目的地であるリンクに達するように順列させて、現在地から目的地までの経路情報を構成する。その後、経路探索処理を終了する。
【0035】
図1に戻り、構造情報記憶部105は、空間階層(フロア、floor)情報、空間要素(セグメント、segment)情報及び空間要素毎の種別を示す空間要素種別情報を記憶する。空間階層情報とは、地点毎に所属する空間階層を表す情報である。空間階層とは、歩行者にとって水平方向に連続した空間の単位であって、垂直方向の座標、即ち高さによって区別される空間の単位である。空間階層情報は、例えば、建物の各階、地下街の各階、舞台、道路、横断歩道の架橋部、等の各々を示す情報である。
空間要素情報とは、歩行者にとって移動形態や環境が異なりうる空間の単位であって、互いに隣接する2地点間の対(リンク)を1以上有し、1つの対の1地点が他の対の1地点に順次重複(つまり各対を連接)する地点の組を示す情報である。空間要素情報は、例えば、歩道、廊下、階段、横断歩道、等の各々を示す情報である。
【0036】
空間階層情報、空間要素情報及び空間要素種別情報を構造情報と総称する。
図4は、本実施形態に係る構造情報の一例を示す表である。
図4(a)は、空間階層情報を示す。図4(a)の各行は、順に地点及びフロアを示す。例えば、図4(a)の第2行は、地点P1が属するフロアがFl1であることを示す。なお、本実施形態では各地点は何れか1つのフロアに属す。
図4(b)は、空間要素情報を示す。図4(b)の各行は、順に地点、順序及びセグメントを示す。例えば、図4(b)の第2行は、地点P1が第1番目(起点)となるセグメントSg1を示す。図4(b)は、セグメント毎に順序が昇順又は降順に連続するように地点を配列している。なお、本実施形態では各地点はいずれか1以上のセグメントに属する。2以上のセグメントに属する地点は、互いに異なるセグメント同士を接続する地点である。
図4(c)は、空間要素種別情報を示す。図4(c)の各行は、順にセグメント及びセグメント種別を示す。例えば、図4(c)の第2行は、セグメントSg1のセグメント種別がSIDEWALK、つまり歩道であることを示す。セグメント種別のSIDEWALK、CROSSWALK、STAIRWAY及びCORRIDORは、各々歩道、横断歩道、階段及び廊下を示す。
【0037】
図1に戻り、構造解析部106は、経路探索部104から経路情報を入力される。構造解析部106は、構造情報記憶部105に記憶されている空間階層情報を参照して入力された経路情報に含まれる地点を含む空間階層(フロア)を決定し、決定した空間階層(フロア)情報を読み出す。
構造解析部106は、構造情報記憶部105に記憶されている空間要素情報を参照して入力された経路情報に含まれる地点が属する空間要素(セグメント)を決定し、決定した空間要素(セグメント)情報を読み出す。構造解析部は106が、構造情報記憶部105に記憶されている空間要素種別情報を参照して決定した地点毎の空間要素(セグメント)種別を決定し、決定した空間要素(セグメント)情報を読み出す。
構造解析部106は、決定した地点毎の空間階層、空間要素及び空間要素種別を空間構造情報として構造情報記憶部105に記憶し、その空間構造情報を提示情報生成部109に出力する。
【0038】
構造解析部106は、現在地及び検索された経路情報が示す経路において現在地に隣接する地点(隣接点)のリンクを含む空間要素(現空間要素、カレントセグメント;current segment)を決定する。構造解析部106は、隣接点及び検索された経路情報が示す経路において隣接点に隣接する地点(次隣接点)を含む空間要素(隣接空間要素、ネクストセグメント;next segment)を決定する。つまり、隣接空間要素は、情報提供装置11を所持する利用者が隣接点に到達すると現空間要素となる空間要素である。従って、隣接空間要素は予想される現空間要素を表す情報であり、隣接空間要素と現空間要素が一致するか否かは、空間要素情報の変化を示す一つの指標である。
【0039】
構造解析部106は、現在地が属する空間階層(フロア)に属する地点のうち経路情報が示す経路上の最終地点と、その次の地点(現在地とは異なる空間階層に属する)のリンクを含む空間要素(階層間空間要素、インタフロアセグメント;interfloor segment)を決定する。構造解析部106は、決定した現空間要素、隣接空間要素及び階層間空間要素を構造情報記憶部105に記憶する。また、構造解析部106は、前回決定した現空間要素、隣接空間要素及び階層間空間要素を構造情報記憶部105から読み出す。
【0040】
構造解析部106は、今回決定した階層間空間要素が前回決定した階層間空間要素から変化があるか否かを示す階層間空間要素変化信号を生成する。構造解析部106は、今回決定した現空間要素が前回決定した現空間要素から変化があるか否かを示す現空間要素変化信号を生成する。
構造解析部106は、今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致しているか否かを示す隣接空間要素変化信号を生成する。構造解析部106は、生成した階層間空間要素変化信号、現空間要素変化信号及び隣接空間要素変化信号を構造変化情報として提示情報生成部109及び情報提示制御部110に出力する。また、構造解析部106は、経路探索部104から入力された経路情報を提示情報生成部109に出力する。
【0041】
構造解析部106が生成した空間構造情報の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係る空間構造情報の一例を示す概念図である。
図5において、P1、P2、…P12は、各地点のノードを示す。隣接する地点間を結ぶ線は、リンクを示す。
リンクで結ばれた複数の地点を各々囲む破線は、空間要素(セグメント)を示す。図5は、セグメントSg1からSg6を示し、各地点は何れかの空間要素に含まれる。
地点P1〜P7、P8〜P12を区分する一点鎖線は、空間階層(フロア)を示す。図5では、地点P1〜P7がフロアFl1、地点P8〜12がフロアFl2に属する。
【0042】
破線で囲まれたP3は、現在地を示す。一点鎖線で囲まれたP10は、目的地を示す。P3からP10まで順次連接する矢印は、経路を示す。現在地P3及び隣接点P2の対を含むセグメントSg1が、現空間要素(カレントセグメント)である。この経路において隣接点P2及び次隣接点P5の対を含むセグメントSg2が、隣接空間要素(ネクストセグメント)である。現在地P3が属するフロアFl1に含まれる地点のうち、その経路の最終地点P7とその次の地点P8であって現在地とは異なる空間階層Fl2に属する地点P8を含む空間要素Sg4が階層間空間要素(インタフロアセグメント)である。
【0043】
目標情報記憶部107は、地点毎に利用者(歩行者)が視認できる目標物(ランドマーク、landmark)の位置を含む位置情報と、空間要素、空間階層及び目標物等の案内単位毎の言語及びその言語で表示した名称を含む名称情報を記憶する。
図6は、本実施形態に係る位置情報及び名称情報の一例を示す表である。
図6(a)は、目標物(ランドマーク)の位置情報を示す。図6(a)の各行は、順に地点、目標物(ランドマーク)、方向、及び距離を示す。
方向は、その地点から歩行者が目標物を視認できる方向、例えば北を0°とし、左回り(反時計回り)に傾いた角度である。従って、その方向が正値であることは、その地点から目標物が左側にあることを示し、その方向が負値であることは、その地点から目標物が右側にあることを示す。なお、この例において、方向は、−180°から180°までのいずれかの値である。
距離は、その地点から目標物が所在している場所までの距離を示す。
例えば、図6(a)の第2行は、地点P2から歩行者が視認できるランドマークLm1が、地点P2から−45°(右斜め前)に距離10だけ離れた場所にあることを示す。
図6(b)は、名称情報を示す。図6(b)の各行は、順に、案内単位、言語、及び名称を示す。言語とは、対応する名称を表示するための言語であり、名称とは、対応する案内単位を指す名称である。例えば、図6(b)の第2行は、フロアFl1の名称が、言語jpn(日本語)で「銀座地上部」であることを示す。
【0044】
ここで、目標物(ランドマーク)の位置情報の一例について説明を行う。
図7は、本実施形態に係る目標物の位置情報の一例を示す概念図である。
図7において、P1〜P5は地点、Lm1、Lm2は目標物(ランドマーク)をそれぞれ示す。また、図7において上方が北、右方が東を示す。図7は、目標物Lm1が地点P3から北(0°)に距離10の位置にあり、地点P2から右前方(−45°)に距離14の位置にあることを示す。また、図7は、目標物Lm2が地点P2から南(−180°)に距離20の位置にあり、地点P5から右後方(−135°)に距離12の位置にあることを示す。
【0045】
提示文型記憶部108は、空間要素(セグメント)種別毎に利用者に対して提示しようとする情報のパターンを示す提示文型情報を記憶する。提示文型情報は、利用者に対する行動を促す指示情報(テキスト)と、空間要素情報の名称又は案内単位を代入する部分を示す代入情報(タグ)とを含んで構成される。
提示文型記憶部108は、提示文型情報を、その指示情報及び代入情報の属性情報と対応して記憶する。指示情報の属性情報として、例えば、空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、及び目標物(ランドマーク)方向がある。
【0046】
空間要素(セグメント)方向とは、探索された経路が通過する空間要素(セグメント)における地点の順序が昇順(forward)又は降順(backward)であるか否かを示す。例えば、探索された経路が地点P2、P5の順序(昇順)で通過する場合、このときの空間要素(セグメント)方向は、昇順(forward)に対応する提示文型情報(例えば、図8(b)下から2行目)を選択する手がかりとなる。
案内(ターン)方向とは、現地点から検索された経路上の次の地点、ひいては目的地に到達するために案内する進行方向である。即ち、案内(ターン)方向とは、前回利用者が所在していた地点から現地点への方向に対する、現時点から探索された経路上隣接する地点(隣接点)への方向の変化量である。案内(ターン)方向とは、もしくは、探索された経路において、ある基準となる地点(基準地点)の1つ現在地に近接する地点から、その基準地点への方向に対する、基準時点から探索された隣接点への方向の変化量である。
指示情報には、空間要素方向、案内(ターン)方向及び目標物方向の一部が、任意又は存在しなくとも許容される情報がある。代入情報の属性情報として、空間要素(セグメント)種別がある。
【0047】
提示文型情報には、概要文型情報、誘導文型情報、及び予告文型情報の3種類がある。概要文型情報とは、利用者に対して案内しようとする経路の概要を示す情報を構成する文型を示す情報である。誘導文型情報とは、利用者に対して現地点において誘導しようとする行動を示す情報を構成する文型を示す情報である。予告文型情報とは、利用者に対して隣接点において誘導しようとする行動を示す情報を構成する文型を示す情報である。
【0048】
次に、提示文型情報の一例について説明する。
図8は、本実施形態に係る提示文型情報の一例を示す表である。
図8の各行は、順に空間要素(セグメント)種別、空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向及び提示文型(パターン)を示す。
図8において、空間要素(セグメント)方向及び目標物(ランドマーク)方向の列のうち幾つかの行に示される記号*(アスタリスク、asterisk)は、その内容の有無又は如何を問わず該当することを示す記号(ワイルドカード、wild card)である。また、最右列に示される<Fl>は、案内単位として空間階層情報(フロア)の名称を、その位置に代入することを示す代入情報である。また、<Sg>は、案内単位として空間要素情報の名称を、その位置に代入することを示す代入情報である。また、<Lm>は、案内単位として目標物(ランドマーク)の名称を、その位置に代入することを示す代入情報である。
【0049】
図8において、空間要素(セグメント)方向は、forward(前進)、backward(後退)又は*(任意)の何れかの値をとる。案内(ターン)方向は、straight(直進)、left(左転)、back(後退)、right(右転)、又は*(任意)のいずれかの値をとる。ここで、直進とは、前方から左右45°(−45°〜45°)の方向の範囲であり、左転とは、左前方から左後方(45°〜135°)の方向の範囲であり、後退とは左後方から右後方(135°〜180°、−180°〜−135°)の方向の範囲であり、右転とは、右後方から右前方(−135°〜−45°)の方向の範囲である。
【0050】
目標物(ランドマーク)方向は、front(前方)、left(左方)、back(後方)、right(右方)、又は*(任意)のいずれかの値をとる。図8に示す目標物(ランドマーク)方向とは、現地点から探索された経路において次の地点(次時点)への方向(案内方向)からの相対的な目標物(ランドマーク)方向である。この点は、図6(a)に示す目標物(ランドマーク)方向が絶対的な方向である点とは異なる。以降、図8に示す目標物(ランドマーク)方向を案内目標物方向と呼んで、図6(a)に示す絶対的目標物(ランドマーク)方向と区別する。
図8において、案内目標物(ランドマーク)方向が前方とは、現在地から探索された経路において次の地点への方向であり、その方向から左右45°(−45°〜45°)の方向の範囲である。左方とは、左前方から左後方(45°〜135°)の方向の範囲であり、後方とは左後方から右後方(135°〜180°、−180°〜−135°)の方向の範囲であり、右方とは、右後方から右前方(−135°〜−45°)の方向の範囲である。
【0051】
図8(a)は、概要文型情報を示す。図8(a)における提示文型情報は、概要文型(パターン)を示す。図8(a)の第2行は、空間要素種別がSTAIRWAY(階段)、セグメント方向が任意、案内(ターン)方向がstraight(直進)、ランドマーク方向が任意であることを示す。また、図8(a)の第2行の概要文型情報は、<Sg>及び<Lm>を代入情報として含む。また、この概要文型情報は、「…を通って、…に進みます」と、利用者に<Sg>を通って<Lm>に進む、旨を経路の概要として示す情報を構成する文型を示す。
【0052】
図8(b)において、誘導文型情報を示す。図8(b)の各行における提示文型情報は、誘導文型(パターン)である。図8(b)の第2行は、空間要素種別がWALKWAY(歩道)、セグメント方向が任意、案内(ターン)方向がstraight(直進)、ランドマーク方向がright(右方)であることを示す。また、図8(b)の第2行の誘導文型情報は、<Sg>及び<Lm>を代入情報として含む。また、この誘導文型情報は、「…を右手に見ながら…を進んで下さい」と、利用者に方向がright(右方)である目標物(ランドマーク)<Lm>を目標として空間要素(セグメント)<Sg>をstraight(直進)の方向に進行するように誘導する情報を構成する文型を示す。
【0053】
図8(c)は、予告文型情報を示す。図8(c)における提示文型情報は、予告文型(パターン)である。図8(c)の第2行は、空間要素種別がWALKWAY(歩道)、案内(セグメント)方向が任意、案内(ターン)方向がright(右転)、案内目標物(ランドマーク)方向がfront(前方)であることを示す。また、図8(c)の第2行の予告文型情報は、<Lm>及び<Sg>を代入情報として含む。また、この予告文型情報は、「この先右折し、…の方向に左手の…を進んで下さい」と、利用者に、案内(ターン)方向right(右転)に進行方向を変更し、方向front(前方)の目標物(ランドマーク)<Lm>を目標として空間要素(セグメント)<Sg>を進むように予告する情報を構成する文型を示す。
【0054】
このような提示文型情報の構成は、空間要素(セグメント)情報の種別、その他の属性情報に応じた提示文型情報を定義及び拡充を可能にし、情報提供装置11は空間構造、目標物その他の空間的環境の多様化に応じた提示情報を生成及び提示することができる。
【0055】
図1に戻り、提示情報生成部109は、構造解析部106から経路情報、空間構造情報及び構造変化情報を入力される。
提示情報生成部109は、入力された空間構造情報に含まれる地点毎の目標物(ランドマーク)情報及び、その目標物の方向情報を目標情報記憶部107から読み出す。提示情報生成部109は、案内単位、即ち入力された空間構造情報に含まれる空間要素情報(セグメント)、空間階層情報(フロア)及び読み出した目標物(ランドマーク)情報に対応する言語の名称情報を目標情報記憶部107から読み出す。
【0056】
提示情報生成部109は、経路情報に含まれる地点の位置情報に基づき現地点を基準とした案内(ターン)方向を決定する。ここで、提示情報生成部109は、前回の利用者の地点における位置情報(座標)から現地点の位置情報(座標)への方向を基準とし、現地点の位置情報(座標)から経路上隣接する地点の位置情報(座標)への方向を案内(ターン)方向の実数値として算出する。提示情報生成部109は、算出した案内(ターン)方向の実数値を、提示文型記憶部108においてとり得る案内(ターン)方向(例えば、straight、left、back及びright)の何れかの代表値に丸める(量子化、quantization)。
なお、前回の地点における座標を得るために、提示情報生成部109は、例えば自己が備える記憶部に、現時点及びその位置情報を記憶する。
【0057】
なお、提示情報生成部109は、探索された経路上の一地点(現地点以外)を基準とする案内(ターン)方向(量子化値)を決定してもよい。その場合、提示情報生成部109は、前地点の位置情報(座標)から基準とする地点の位置情報(座標)への方向を基準とし、基準とする地点の位置情報(座標)から次地点における位置情報(座標)への方向を案内(ターン)方向の実数値として算出してもよい。ここで、前地点とは、前回の利用者の地点、つまり基準となる地点から探索された経路において1地点だけ現地点に近接する地点である。次地点とは、探索された経路において基準とする地点から1地点だけ目的地に近接する地点である。
【0058】
提示情報生成部109は、探索された経路を示す経路情報に含まれる各地点の位置情報と、読み出した目標物(ランドマーク)の方向情報に基づき案内目標物(ランドマーク)方向を決定する。ここで、提示情報生成部109は、現地点の位置情報(座標)から探索された経路上の次の地点の位置情報(座標)への方向を基準とし、現時点の位置情報(座標)から読み出した目標物の方向情報への方向を案内目標物(ランドマーク)方向の実数値として算出する。提示情報生成部109は、算出した案内目標物(ランドマーク)方向の実数値を、上述の案内(ターン)方向と同様に量子化し、量子化された案内目標物(ランドマーク)方向を決定する。
なお、提示情報生成部109は、さらに次の地点の位置情報(座標)から、その次の時点の位置情報(座標)への方向を基準とし、次の時点の位置情報(座標)から読み出した目標物への方向情報への方向を、さらに案内目標物(ランドマーク)方向の実数値として算出してもよい。
【0059】
提示情報生成部109は、経路情報が示す経路を通過する空間要素(セグメント)における地点の順序が昇順(forward)又は降順(backward)であるか否かを示す空間要素(セグメント)方向を決定する。本実施形態では、例えば、探索された経路が地点P2、P5の順序(昇順)で含むとき、この順序でこれらの地点を含む空間要素Sg2について空間要素(セグメント)情報を昇順と定める。
【0060】
提示情報生成部109は、構造解析部106から入力された構造変化情報に含まれる階層間空間要素変化信号が今回決定した階層間空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。
提示情報生成部109は、階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示すと判断した場合、その階層間空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する概要文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。
提示情報生成部109は、目的地が属する空間階層の名称情報、及び階層間空間要素が属する名称情報を、読み出した概要文型情報に代入して提示情報として概要情報を生成する。
【0061】
なお、図8(a)に示す概要文型情報のように、空間要素(セグメント)方向及び目標物(ランドマーク)方向について*印が示されている場合は、提示情報生成部109は、これらについて判断せず案内(ターン)方向が該当する概要文型情報を読み出してもよい。
また、提示情報生成部109がそのような概要文型情報だけを用いる場合には、提示情報生成部109は、上述した空間要素(セグメント)方向及び案内目標物(ランドマーク)方向の決定に係る処理を省略してもよい。
【0062】
提示情報生成部109は、2以上の階層間空間要素を決定した場合には、そのうち1つの候補となる階層間空間要素を決定してもよい。提示情報生成部109は、候補となる階層間空間要素を決定する際、探索した経路において現在地に近接する地点を含む階層間空間要素を優先する。その場合、提示情報生成部109は、候補となる階層間空間要素において最も現在地に近接する地点を基準として空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向又は案内目標物(ランドマーク)方向を算出する。そして、提示情報生成部109は、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向又は案内目標物(ランドマーク)方向に基づき提示文型記憶部108から概要文型情報を読み出す。提示情報生成部109は、最も目的地に近接する地点が属する空間階層の名称情報及び当該階層間空間要素が属する名称情報を、読み出した概要文型情報に代入して提示情報として概要情報を生成する。最も目的地に近接する地点とは、当該階層間空間要素に含まれる地点のうち探索された経路上において最も目的地に近い地点である。
【0063】
提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる現空間要素変化信号が今回決定した現空間要素に変化があることを示すか否かを判断し、現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示す場合、次の処理を行う。
提示情報生成部109は、その現空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する誘導文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。
提示情報生成部109は、現空間階層の名称情報、現地点に対応する目標物の名称情報を、読み出した誘導文型情報に代入して提示情報として誘導情報を生成する。
【0064】
なお、図8(b)に示す誘導文型情報のように、空間要素(セグメント)方向について*印が示されている場合は、提示情報生成部109は、これらについて判断せず案内(ターン)方向及び案内目標物(ランドマーク)方向が該当する誘導文型情報を読み出してもよい。
また、提示情報生成部109がそのような誘導文型情報だけを用いる場合には、上述した空間要素(セグメント)方向の決定に係る処理を省略してもよい。
【0065】
提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すか否かを判断し、現空間要素と隣接空間要素が一致していないことを示す場合、次の処理を行う。
提示情報生成部109は、その隣接空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する予告文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。
提示情報生成部109は、隣接空間階層の名称情報、現地点に隣接する地点に対応する目標物の名称情報を、読み出した予告文型情報に代入して提示情報として予告情報を生成する。
提示情報生成部109は、生成した提示情報を情報提示制御部110に出力する。
【0066】
なお、図8(c)に示す予告文型情報のように、空間要素(セグメント)方向について*印が示されている場合は、提示情報生成部109は、これらについて判断せず案内(ターン)方向が該当する予告文型情報を読み出してもよい。
また、提示文型記憶部がそのような予告文型情報だけを記憶している場合には、提示情報生成部109は、空間要素(セグメント)方向の決定に係る処理を省略してもよい。
【0067】
なお、提示情報生成部109は、提示文型記憶部108から誘導文型情報又は予告文型情報を読み出す際、現地点の位置情報(座標)に基づいて算出した案内目標物(ランドマーク)方向と現地点に隣接する次地点の位置情報(座標)に基づいて算出した案内目標物方向を併用してもよい。即ち、提示情報生成部109は、何れか一種類の案内目標物方向だけではなく、この両種類の案内目標物方向に対応する誘導文型情報又は予告文型情報を読み出すようにしてもよい。
【0068】
提示情報生成部109が提示文型記憶部108から、2種類の誘導文型情報(パターン)を読み出す過程を例にとって説明する。
図9は、本実施形態に係る誘導文型情報に対する判定結果の一例を示す概念図である。
図9(a)の上段左側の「<Lm>を左手に進んで下さい」は読み出し対象の誘導文型情報1である。図9(a)の上段右側の「目標物(ランドマーク)方向 left」は、読み出し対象の誘導文型情報1に対応する目標物(ランドマーク)方向である。
図9(a)の下段左側は、経路として現地点Paから右側に次地点Pbが配置され、目標物(ランドマーク)Lmが現地点Paの上方近傍に配置されていることを示す。
このような経路情報に基づき、提示情報生成部109は、地点Paに対応する案内目標物(ランドマーク)方向は、その実数値が案内方向から−135°〜−45°の間にあるため、left(左方)と決定することを示す。提示情報生成部109は、決定した案内目標物(ランドマーク)方向と、誘導文型情報1に対応する目標物方向と照合し、一致するため、この誘導文型情報1が有効であると判断する。従って、提示情報生成部109は、この誘導文型情報1に基づいて誘導情報を生成する。
【0069】
図9(b)の上段左側の「<Lm>の方向に進んで下さい」は読み出し対象の誘導文型情報2である。図9の上段右側の「目標物(ランドマーク)方向 front」は、読み出し対象の誘導文型情報2に対応する案内目標物(ランドマーク)方向である。
誘導文型情報2のように対応する目標物(ランドマーク)方向が前方(front)又は後方(back)である場合には、提示情報生成部109は、現地点Paの他、次地点Pbからの案内目標物(ランドマーク)方向も考慮して誘導文型情報を選択してもよい。具体的には、提示情報生成部109は、次地点Pbからの案内目標物(ランドマーク)方向が、対応する目標物(ランドマーク)方向と反対方向とならない誘導文型情報を有効な誘導文型情報と判断して採用する。提示情報生成部109は、次地点Pbからの案内目標物(ランドマーク)方向が、対応する目標物(ランドマーク)方向と反対方向となる誘導文型情報を無効な誘導文型情報と判断して棄却する。ここで、提示情報生成部109は、案内方向に対する次地点Pbからの目標物(ランドマーク)の相対的な方向を次地点Pbからの案内目標物(ランドマーク)方向として決定する。
【0070】
図9(b−1)の左側は、経路として現地点Paから右側に次地点Pbが配置され、目標物(ランドマーク)Lmが現地点Paの右方であり、かつ次地点Pbの右方に配置されていることを示す。
このような経路情報に基づき、提示情報生成部109は、地点Paに対応する案内目標物(ランドマーク)方向、地点Pbに対応する案内目標物(ランドマーク)方向ともに、その実数値が案内方向から−45°〜45°の間にあるため、front(前方)と決定する。提示情報生成部109は、決定した2地点分の案内目標物(ランドマーク)方向と、誘導文型情報2に対応する目標物方向front(前方)と照合し、一致するため、この誘導文型情報2が有効であると判断する。従って、提示情報生成部109は、この誘導文型情報2に基づいて誘導情報を生成する。
【0071】
図9(b−2)の左側は、経路として現地点Paから右側に次地点Pbが配置され、目標物(ランドマーク)Lmが現地点Paの右方であり、かつ次地点Pbの上方近傍に配置されていることを示す。
このような経路情報に基づき、提示情報生成部109は、地点Paに対応する案内目標物(ランドマーク)方向を、その実数値が案内方向から−45°〜45°の間にあるため、front(前方)と決定する。提示情報生成部109は、決定した案内目標物(ランドマーク)方向と、誘導文型情報2に対応する目標物方向と照合し、一致するため、この誘導文型情報2が有効であると判断し、候補として仮に採用する。
【0072】
提示情報生成部109は、地点Pbに対応する案内目標物(ランドマーク)方向を、その実数値が案内方向から−135°〜−45°の間にあるため、left(左方)と決定する。提示情報生成部109は、決定した案内目標物(ランドマーク)方向は、誘導文型情報2に対応する目標物方向と照合し、その目標物方向の反対方向にないと判断する。提示情報生成部109は、この誘導文型情報2が有効であると判断し、最終的に採用する。従って、提示情報生成部109は、この誘導文型情報2に基づいて誘導情報を生成する。
【0073】
これにより、本実施形態では、利用者の経路の進行により目標物が見える方向が変動する場合、現地点の案内目標物(ランドマーク)方向だけに頼った提示情報を利用者に提示したために、誤った方向に経路を案内することを回避することができる。
【0074】
情報提示制御部110は、構造解析部106から構造変化情報を入力され、提示情報生成部109から提示情報を入力される。
情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる階層間空間要素変化信号が今回決定した階層間空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示す場合、情報提示制御部110は、提示情報である概要情報を情報提示部111に出力する。
情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる現空間要素変化信号が今回決定した現空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示す場合、情報提示制御部110は、提示情報である誘導情報を情報提示部111に出力する。
【0075】
情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すか否かを判断する。現空間要素と隣接空間要素が一致していないことを示す場合、情報提示制御部110は、提示情報である予告情報を情報提示部111に出力する。
なお、情報提示制御部110は、公知のテキスト音声合成技術を用いて音声信号に変換する音声合成部を備えてもよい。その場合、入力された提示情報がテキスト情報である場合に、当該音声合成部は、提示情報を音声信号に変換して情報提示部111に出力する。
【0076】
情報提示部111は、情報提示制御部110から入力された提示情報を利用者が認識できる形態で提示する。例えば、入力された提示情報がテキスト情報である場合、情報提示部111は、文字を表す画像として、その提示情報を表示する。入力された提示情報が音声信号である場合、情報提示部111は、その音声信号に基づく音声を再生する。
【0077】
次に、本実施形態に係る情報提供装置11が行う情報提供処理について説明する。
図10は、本実施形態に係る情報提供装置11が行う情報提供処理を示すフローチャートである。
(ステップS201)受信部101は、位置情報送信部21から受信した位置情報を現在所在する現在地情報として経路探索部104に出力する。その後、ステップS202に進む。
(ステップS202)経路探索部104は、受信部101から入力された現在地情報、目的地入力部102から入力された目的地情報、地点情報記憶部103に記憶された位置情報及びリンク情報に基づき、現在地から目的地までのコストが最小となる経路情報を探索する。経路探索部104は、経路情報を探索する際、例えば、図3に示すダイクストラ法を用いる。経路探索部104は、探索した経路情報を構造解析部106に出力する。その後、ステップS203に進む。
【0078】
(ステップS203)構造解析部106は、構造情報記憶部105に記憶されている空間階層情報を参照して経路探索部104から入力された経路情報に含まれる地点が属する空間階層(フロア)を決定する。構造解析部106は、構造情報記憶部105に記憶されている空間要素情報を参照して入力された経路情報に含まれる地点が属する空間要素(セグメント)を決定する。構造解析部は106が、構造情報記憶部105に記憶されている空間要素種別情報を参照して決定した地点毎の空間要素(セグメント)種別を決定する。
構造解析部106は、決定した地点毎の空間階層、空間要素及び空間要素種別を空間構造情報として構造情報記憶部105に記憶し、その空間構造情報を提示情報生成部109に出力する。その後、ステップS204に進む。
【0079】
(ステップS204)構造解析部106は、決定した空間階層、空間要素に基づき現空間要素、隣接空間要素、及び階層間空間要素を決定する。構造解析部106は、新たに決定した現空間要素、隣接空間要素及び階層間空間要素を構造情報記憶部105に記憶し、前回決定した現空間要素、隣接空間要素及び階層間空間要素を構造情報記憶部105から読み出す。
構造解析部106は、今回決定した現空間要素が前回決定した現空間要素から変化があるか否かを示す現空間要素変化信号を生成する。構造解析部106は、今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致しているか否かを示す隣接空間要素変化信号を生成する。構造解析部106は、生成した階層間空間要素変化信号、現空間要素変化信号及び隣接空間要素変化信号を構造変化情報として提示情報生成部109及び情報提示制御部110に出力する。また、構造解析部106は、経路探索部104から入力された経路情報を提示情報生成部109に出力する。その後、ステップS205に進む。
【0080】
(ステップS205)提示情報生成部109は、構造解析部106から入力された経路情報、空間構造情報及び構造変化情報に基づいて提示情報を生成する。提示情報生成部109が提示情報を生成する処理については、図11を用いて後述する。
提示情報生成部109は、生成した提示情報を情報提示制御部110に出力する。その後、ステップS206に進む。
【0081】
(ステップS206)情報提示制御部110は、構造解析部106から入力された構造変化情報に基づき、提示情報生成部109から入力された提示情報を提示するか否か判断する。情報提示制御部110は、提示すると判断した提示情報を情報提示部111に出力する。情報提示制御部110が、提示情報を提示するか否かを判断する情報提示制御処理については、図12を用いて後述する。その後、ステップS207に進む。
(ステップS207)情報提示部111は、情報提示制御部110から入力された提示情報を利用者が認識できる形態で提示する。その後、処理を終了する。
【0082】
次に、本実施形態に係る提示情報生成部109が行う提示情報生成処理について説明する。
図11は、本実施形態に係る提示情報生成部109が行う提示情報生成処理を示すフローチャートである。
(ステップS301)提示情報生成部109は、入力された経路情報に含まれる地点の位置情報に基づき案内(ターン)方向の実数値を算出し、算出した実数値を量子化し案内(ターン)方向の量子化値を決定する。その後、ステップS302に進む。
(ステップS302)提示情報生成部109は、入力された空間構造情報に含まれる地点毎の目標物(ランドマーク)情報、及びその方向情報を目標情報記憶部107から読み出す。入力された経路情報に含まれる地点の位置情報と、読み出した目標物(ランドマーク)の方向情報に基づき案内目標物(ランドマーク)方向を決定する。その後、ステップS303に進む。
(ステップS303)提示情報生成部109は、経路情報が示す経路を通過する空間要素(セグメント)方向を決定する。その後、ステップS304に進む。
【0083】
(ステップS304)提示情報生成部109は、案内単位、即ち入力された空間構造情報に含まれる空間要素情報(セグメント)、空間階層情報(フロア)及び読み出した目標物(ランドマーク)情報に対応する言語の名称情報を目標情報記憶部107から読み出す。
提示情報生成部109は、入力された構造変化情報に含まれる階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示す場合(ステップS304 Y)、ステップS305に進む。提示情報生成部109が、階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化がないことを示すと判断した場合(ステップS304 N)、ステップS307に進む。
【0084】
(ステップS305)提示情報生成部109は、その階層間空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する概要文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。その後、ステップS306に進む。
(ステップS306)提示情報生成部109は、目的地が属する空間階層の名称情報、及び階層間空間要素が属する名称情報を、読み出した概要文型情報に代入して提示情報として概要情報を生成する。その後、ステップS307に進む。
【0085】
(ステップS307)提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる現空間要素変化信号が今回決定した現空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。提示情報生成部109が、現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示す場合(ステップS307 Y)、ステップS308に進む。提示情報生成部109が、現空間要素変化信号が現空間要素に変化がないことを示すと判断した場合(ステップS307 N)、ステップS310に進む。
【0086】
(ステップS308)提示情報生成部109は、その現空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する誘導文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。その後、ステップS309に進む。
(ステップS309)提示情報生成部109は、現空間階層の名称情報、現地点に対応する目標物の名称情報を、読み出した誘導文型情報に代入して提示情報として誘導情報を生成する。その後、ステップS310に進む。
【0087】
(ステップS310)提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すか否かを判断する。提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すと判断した場合(ステップS310 Y)、ステップS313に進む。提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していないことを示すと判断した場合(ステップS310 N)、ステップS311に進む。
【0088】
(ステップS311)提示情報生成部109は、その隣接空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する予告文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。その後、ステップS312に進む。
(ステップS312)提示情報生成部109は、隣接空間階層の名称情報、現地点に隣接する地点に対応する目標物の名称情報を、読み出した予告文型情報に代入して提示情報として予告情報を生成する。その後、ステップS313に進む。
(ステップS313)提示情報生成部109は、生成した提示情報を情報提示制御部110に出力する。その後、処理を終了する。
【0089】
次に、本実施形態に係る情報提示制御部110が行う情報提示制御処理について説明する。
図12は、本実施形態に係る情報提示制御部110が行う情報提示制御処理を示すフローチャートである。
(ステップS401)情報提示制御部110は、構造解析部106から入力された構造変化情報に含まれる階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。情報提示制御部110は、階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示すと判断した場合(ステップS401 Y)、ステップS402に進む。情報提示制御部110は、階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化がないことを示すと判断した場合(ステップS401 N)、ステップS403に進む。
(ステップS402)情報提示制御部110は、提示情報生成部109から入力された提示情報である概要情報を情報提示部111に出力する。その後、ステップS403に進む。
【0090】
(ステップS403)情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。情報提示制御部110は、現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示すと判断した場合(ステップS403 Y)、ステップS404に進む。情報提示制御部110は、現空間要素変化信号が現空間要素に変化がないことを示すと判断した場合(ステップS403 N)、ステップS405に進む。
(ステップS404)情報提示制御部110は、提示情報である誘導情報を情報提示部111に出力する。その後、ステップS405に進む。
【0091】
(ステップS405)情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すか否かを判断する。情報提示制御部110は、現空間要素と隣接空間要素が一致していないことを示す場合(ステップS405 N)、ステップS406に進む。情報提示制御部110は、現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示す場合(ステップS405 Y)、処理を終了する。
(ステップS406)情報提示制御部110は、提示情報である予告情報を情報提示部111に出力する。その後、処理を終了する。
【0092】
次に、本実施形態に係る情報提供装置11が提示する提示情報の一例について説明する。
ここで、利用者が情報提供装置11を所持して現在地P3に所在し、操作を行って目的地P10を目的地入力部102に入力したことを仮定する。
利用者は探索された経路(図5参照)に沿って、情報提供装置11を所持して目的地に向かって移動すると仮定する。
【0093】
図13は、本実施形態に係る情報提供装置11が提示する提示情報の一例を示す。
図13の各列は、順に、地点、概要情報、誘導情報及び予告情報を示す。図13の各行は、順に、地点P3、P2、P5、P6、及びP7を示す。
例えば、図13の第2行第2列によれば、地点P3において情報提供装置11が概要情報として「<銀座駅出入口>を通って<銀座地下街>に進みます。」を提示する。図13の第4行第3列によれば、地点P5において情報提供装置11が誘導情報として「右折し、<Wビル>の方向に<中央通り>を進んで下さい。」を提示する。図13の第5行第4列によれば、地点P6において情報提供装置11が誘導情報として「この先<銀座駅出入口>を下りて<銀座駅地下街>に進んで下さい。」を提示する。
【0094】
なお、上述の説明では、目標情報記憶部107が記憶している名称情報、及び提示文型記憶部108が記憶している提示文型情報が表示する言語が日本語である例を取り上げたが、本実施形態ではこれには限られない。本実施形態では、日本語以外の他言語、例えば英語であってもよい。また、本実施形態では、複数の言語について、これらの情報を備え、利用者の操作入力により、それらの言語のうち一つを選択可能としてもよい。これにより、本実施形態において、情報提供装置11は、その言語で表示された提示情報を生成し、提示することで、容易に取り扱う言語を拡張することができる。
【0095】
このように、本実施形態によれば、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備え、構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定め、前記情報提供装置が、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成し、前記情報提供装置が、前記生成した提示情報を出力する。
これにより、利用者の移動状況に応じて、目的地まで到達するための概要情報、誘導情報又は予告情報を必要な時に、過不足なく提供することができる。
【0096】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態に係る情報提供システム2の構成を示す概略図である。
情報提供システム2は、端末装置12、通信制御装置22、ネットワーク31及び情報提供装置41を含んで構成される。
【0097】
端末装置12は、利用者が所持し携帯することができる端末装置、例えば携帯電話機である。端末装置12は、目的地入力部121、送信部122、受信部131、情報提示部132及び位置情報生成部141を含んで構成される。
目的地入力部121は、利用者による操作により目的地を示す目的地情報を入力する。目的地入力部102は、入力した目的地情報を送信部122に出力する。
送信部122は、目的地入力部102から入力された目的地情報又は位置情報生成部141から入力された位置情報を通信制御装置22に無線で送信する。
受信部131は、通信制御装置22から提示情報を無線で受信する。受信部131は受信した提示情報を情報提示部132に出力する。
情報提示部132は、受信部131から入力された提示情報を利用者が認識できる形態で提示する。
【0098】
位置情報生成部141は、端末装置12が所在している位置情報を生成し、生成した位置情報を送信部122に出力する。位置情報生成部141は、位置情報を生成するために、例えば、複数の信号源から受信した信号の伝達時間差を検知し、検知した伝達時間差に基づき端末装置12の位置を算出する。位置情報生成部141は、例えば無線LAN(Local Area Network;構内通信網)受信器である。この場合、信号源は無線LAN親機(アクセスポイント)である。また、位置情報生成部141は、例えば無線RFID読取器(リーダ)である。この場合、信号源はRFIDタグである。
なお、本実施形態では、位置情報を生成するために、無線LAN親機又はRFIDタグからの受信信号を用いる方法の代わりに、通信制御装置22(例えば、基地局装置)からの受信信号を用いる方法を用いてもよい。
【0099】
通信制御装置22は、端末装置12から受信した目的地情報を情報提供装置41に送信し、端末装置12から受信した位置情報を現在地情報として情報提供装置41に送信する。通信制御装置22は、情報提供装置41からネットワーク31を介して受信した提示情報を端末装置12に無線で送信する。通信制御装置22は、例えば、携帯電話網における基地局装置、又はLANと広域通信網(Wide Area Network;WAN又はインターネット)を接続するゲートウェイ装置である。
ネットワーク31は、通信制御装置22と情報提供装置41との間でデータを送受信するネットワークである。ネットワーク31は、例えば携帯電話網又は広域通信網である。
【0100】
情報提供装置41は、受信部401、地点情報記憶部403、経路探索部404、構造情報記憶部405、構造解析部406、目標情報記憶部407、提示文型記憶部408、提示情報生成部409、情報提示制御部410及び送信部411を含んで構成される。
情報提供装置41は、受信部101、目的地入力部102及び情報提示部111の代わりに、受信部401及び送信部411を備える点が情報提供装置11とは異なる。
その他の機能部、即ち、地点情報記憶部403、経路探索部404、構造情報記憶部405、構造解析部406、目標情報記憶部407、提示文型記憶部408、提示情報生成部409、及び情報提示制御部410の機能及び構成は、情報提供装置11の地点情報記憶部103、経路探索部104、構造情報記憶部105、構造解析部106、目標情報記憶部107、提示文型記憶部108、提示情報生成部109及び情報提示制御部110と同様である。
【0101】
ここで、受信部401が、現在地情報及び目的地情報を、ネットワーク31を介して通信制御装置22から受信する。そして、情報提供装置41は、図10に示すステップS202からステップS206までの処理を行う。また、送信部411が情報提示制御部410から入力された提示情報を、ネットワーク31を介して通信制御装置22に送信する。
従って、本実施形態に係る情報提供システム1において、端末装置12は利用者の操作により目的地情報を入力され、情報提供装置41が生成した提示情報を利用者に提示する。
【0102】
なお、本実施形態では、通信制御装置22は、接続している端末装置12が現在所在している位置として、自己の位置情報を情報提供装置41に現在地情報として送信するようにしてもよい。その場合、端末装置は、位置情報生成部141を備える必要はない。
【0103】
このように、本実施形態によれば、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備え、構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定め、前記情報提供装置が、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成し、前記情報提供装置が前記生成した提示情報を出力する。
【0104】
これにより、利用者の移動状況に応じて、目的地まで到達するための概要情報、誘導情報又は予告情報を必要な時に、過不足なく提供することができる。
また、本実施形態によれば、端末装置12が提示情報の生成に係る機能部を備える必要がなくなるため、処理量が比較的少ない安価な端末装置12であっても上述の情報を必要な時に、過不足なく経済的に提供することができる。
【0105】
なお、上述した実施形態における情報提供装置11及び情報提供装置41の一部、例えば、経路探索部104、構造解析部106、提示情報生成部109、情報提示制御部110、経路探索部404、構造解析部406、提示情報生成部409、及び情報提示制御部410をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、情報提供装置11又は情報提供装置41に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における情報提供装置11及び情報提供装置41の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。情報提供装置11及び情報提供装置41の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0106】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0107】
11…情報提供装置、101…受信部、102…目的地入力部、103…地点情報記憶部、104…経路探索部、105…構造情報記憶部、106…構造解析部、
107…目標情報記憶部、108…提示文型記憶部、109…提示情報生成部、
110…情報提示制御部、111…情報提示部、
2…情報提供システム、12…端末装置、121…目的地入力部、122…送信部、
131…受信部、132…情報提示部、141…位置情報生成部
22…通信制御装置、31…ネットワーク、
41…情報提供装置、401…受信部、403…地点情報記憶部、404…経路探索部、405…構造情報記憶部、406…構造解析部、407…目標情報記憶部、
408…提示文型記憶部、409…提示情報生成部、410…情報提示制御部、
411…送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が目的地に移動することを支援するために、利用者に誘導情報を提供する技術が提案されている。ここで、目的地までの移動経路を探索し、探索した移動経路の情報を地図情報に合成した誘導情報を利用者が個々に所有する携帯端末装置に提供する技術がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の道案内装置は、道路網データとランドマークデータとを含む地図データに基づいて、出発地から目的地までの道案内情報を生成する際、利用者により指定された出発地から目的地までの経路を道路網データから探索し、探索された経路に沿って案内ポイントを抽出すると共に、抽出された案内ポイントについての道案内情報を生成する。
【0004】
特許文献2に記載の画像形成装置は、目的地を検索するための目印となる各施設のランドマーク名及びその地域毎の位置情報を記憶するランドマーク情報記憶部と、表示手段の画面上でユーザにより出発地及び目的地が選択されると当該エリア情報に対応する地図画像データを取得する地図画像データ取得部と、出発地から目的地へ移動するための最適ルートを取得する最適ルート情報取得部と、該最適ルート情報に沿った該当ランドマーク情報を取得するランドマーク取得部と、取得した地図画像データと、最適ルート情報と該当ランドマーク情報とを含む合成地図画像データを生成する合成地図画像データ生成部と、生成した合成地図画像データを表示手段に画面表示させる表示制御部とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−207358号公報
【特許文献2】特開2009−204807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の道案内装置は、目的地までの経路に沿った案内ポイントにおける道案内情報を提示するため、利用者にとって必ずしも必要ではない道案内情報まで提供されるという問題点があった。
特許文献2に記載の画像形成装置は、平面で表される地図上に目的地までの最適ルートとその最適ルートに沿ったランドマーク情報を合成して表示するため、各地点が属する空間的階層(例えば、建物の階数、立体交差、等)など目的地まで誘導するための情報を十分に表現できないという問題点があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、利用者の移動状況に応じた情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム、及び情報提供装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、(1)本発明の一態様は、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部と、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める構造解析部と、空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部と、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する提示情報生成部と、前記生成した提示情報を出力する情報提示制御部とを備えることを特徴とする情報提供装置である。
【0009】
(2)本発明のその他の態様は、前記構造解析部は、現地点及び前記現時点に隣接する地点である隣接点を含む空間要素情報である現空間要素情報、前記隣接点及び前記現地点に隣接する地点である次隣接点を含む空間要素情報である隣接空間要素情報、又は現地点を含む空間階層情報である現空間階層情報に含まれる地点と、前記現空間階層情報に隣接する隣接空間階層情報に含まれる地点を含む空間要素情報である階層間空間要素情報の変化を表す構造変化情報を決定し、前記提示情報生成部は、前記構造変化情報に基づいて前記提示情報を生成し、前記情報提示制御部は、前記構造変化情報に基づいて前記生成した提示情報の出力を制御することを特徴とする(1)の情報提供装置である。
【0010】
(3)本発明のその他の態様は、前記提示情報生成部は、以前の地点から現地点への方向、及び前記経路情報における現地点から隣接点への方向に基づいて利用者に案内する方向である案内方向を算出し、前記案内方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成することを特徴とする(2)の情報提供装置である。
【0011】
(4)本発明のその他の態様は、前記提示情報生成部は、以前の地点から現地点への方向、及び前記経路情報における現地点から次の地点への方向に基づいて利用者に案内する方向である案内方向を算出し、前記案内方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成することを特徴とする(1)の情報提供装置である。
【0012】
(5)本発明のその他の態様は、地点毎に目標物の位置情報を記憶する目標物記憶部を備え、前記提示情報生成部は、前記目標物記憶部を参照し、前記経路情報に含まれる地点に対応する目標物の位置情報に基づいて利用者に案内する目標物の方向である案内目標物方向を算出し、前記案内目標物方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成すること特徴とする(1)の情報提供装置である。
【0013】
(6)本発明のその他の態様は、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備える情報提供装置における情報提供方法であって、前記情報提供装置が、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める第1の過程と、前記情報提供装置が、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する第2の過程と、前記情報提供装置が、前記生成した提示情報を出力する第3の過程とを有することを特徴とする情報提供方法である。
【0014】
(7)本発明のその他の態様は、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備える情報提供装置におけるコンピュータに、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める手順と、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する手順と、前記生成した提示情報を出力する手順とを有することを特徴とする情報提供プログラムである。
【0015】
(8)本発明のその他の態様は、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部と、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める構造解析部と、空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部と、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する提示情報生成部と、前記生成した提示情報を出力する情報提示制御部とを備えることを特徴とする情報提供システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者の移動状況に応じた情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報提供装置の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係るリンク情報と位置情報の一例を示す表である。
【図3】本実施形態に係る経路情報を探索する処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る構造情報の一例を示す表である。
【図5】本実施形態に係る空間構造情報の一例を示す概念図である。
【図6】本実施形態に係る位置情報及び名称情報の一例を示す表である。
【図7】本実施形態に係る目標物の位置情報の一例を示す概念図である。
【図8】本実施形態に係る提示文型情報の一例を示す表である。
【図9】本実施形態に係る誘導文型情報に対する判定結果の一例を示す概念図である。
【図10】本実施形態に係る情報提供装置が行う情報提供処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る提示情報生成部が行う提示情報生成処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る情報提示制御部が行う情報提示制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係る情報提供装置が提示する提示情報の一例を示す。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る情報提供システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報提供装置の構成を示す概略図である。
情報提供装置11は、受信部101、目的地入力部102、地点情報記憶部103、経路探索部104、構造情報記憶部105、構造解析部106、目標情報記憶部107、提示文型記憶部108、提示情報生成部109、情報提示制御部110及び情報提示部111を含んで構成される。
【0019】
位置情報送信部21は、自己の位置情報を情報提供装置11に近距離(例えば、数m以内)の無線(例えば、電磁界又は電波)で送信する媒体である。位置情報送信部21は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification、無線個体識別)タグである。位置情報送信部21は、自己と他装置とを区別する識別情報を、自己の位置情報として送信してもよい。なお、本実施形態では、利用者(歩行者)が移動する空間において、位置情報送信部21は複数(例えば、数m間隔)備えられている。
【0020】
受信部101は、位置情報送信部21から位置情報を受信する。このとき、位置情報送信部21は、情報提供装置11との無線通信が可能な領域に在圏することになる。受信部101は、受信した位置情報を、情報提供装置11を所持する利用者が現在所在する現在地情報として経路探索部104に出力する。即ち、情報提供装置の位置情報を利用者の現在地情報としている。
【0021】
目的地入力部102は、利用者の操作により、目的地を示す目的地情報を入力される。本実施形態では、その操作は、例えば、目的地入力部102が備える画面に表示された地図の座標、もしくはその座標から最も近接した位置情報送信部21の位置情報、又はその画面に表示された複数の位置情報の何れかを指示することである。目的地入力部102は、入力された目的地情報を経路探索部104に出力する。
【0022】
地点情報記憶部103は、位置情報送信部21が備えられている位置(例えば、座標)を示す位置情報、及び一地点(起点)を示す情報と隣接する他地点(終点)を示す情報の対(リンク、link)を示すリンク情報を記憶する。この記憶される地点を示す情報は、上述の位置情報送信部21の各々が備えられている位置を示す。経路情報記憶部103は、リンク情報としてリンク毎にコスト情報を記憶する。コスト情報とは、起点から終点までの移動に要するリソースの量であり、例えば距離、所要時間、又は消費エネルギー量である。
【0023】
図2は、本実施形態に係るリンク情報と位置情報の一例を示す表である。
図2(a)は、リンク情報を示す。図2(a)の各行は、順にリンクの識別番号、起点番号、終点番号及びコスト(cost)を示す。コストは、起点番号が示す起点から終点番号が示す終点までの距離に、その経路の状態を考慮した係数を乗じた値である。例えば、図2(a)の第2行は、リンクL1は、起点がP3、終点がP2及びコストが10であることを示す。このコストは、起点P3と終点P2の距離を示す。また、係数は1である。この係数は、起点P3と終点P2の間で起伏も障害物もないことを反映する。図2(a)の第8行は、リンクL7は、起点がP7、終点がP8及びコストが25であることを示す。このコスト25は、起点P3と終点P2の距離5に係数5を乗じた値である。この係数は、起点P7から終点P8まで高低差があり、移動のために時間やエネルギーを平地よりも要することを示す。
【0024】
図2(b)の各行は、順に各地点の識別番号、X座標「X」、Y座標「Y」、及びZ座標「Z」を示す。X座標は、ある基準点からの東方向の座標を示す。X座標が負値である場合、その基準点よりも西にあることを示す。Y座標は、その基準点からの北方向の座標を示す。Y座標が負値である場合、その基準点よりも南にあることを示す。Z座標は、その基準点からの高さ方向の座標を示す。Z座標が負値である場合、その基準点よりも低い場所にあることを示す。例えば、図2(b)の第2行は、地点P1のX座標が10、Y座標が10、Z座標が0であることを示す。
【0025】
図1に戻り、経路探索部104は、受信部101から入力された現在地情報、目的地入力部102から入力された目的地情報、地点情報記憶部103に記憶された位置情報及びリンク情報に基づき、現在地から目的地までのコストが最小となる経路情報を探索する。経路探索部104は、探索した経路情報を構造解析部106に出力する。探索した経路情報は、現在地から目的地まで通過する各地点の識別情報、又は現在地から目的地まで通過し順次隣接する地点の対である各リンクの識別情報を含む。また、探索した経路情報は、探索した各地点の位置情報を含む。
【0026】
経路探索部104は、その経路情報を探索するためには、公知の経路探索方法(最短経路問題)、例えば、A*探索法(A−star search algorithm)、ダイクストラ法(Dijkstra‘s algorithm)等を用いることができる。
次にダイクストラ法を用いて、経路探索部104が、現在地から目的地までの経路情報を探索する処理について説明する。
【0027】
図3は、本実施形態に係る経路情報を探索する処理を示すフローチャートである。
(ステップS101)経路探索部104は、初期値として現地点を候補地点として設定し、現地点以外の全ての地点を未到達地点と設定し、到達地点がないものと設定する。また、経路探索部は、現地点から候補地点nまでの総コストf(n)の初期値を0と設定する。経路探索部104は、自己が備える記憶部に設定した候補地点、未到着地点、候補地点に対応する総コストの初期値を記憶する。その後、ステップS102に進む。
【0028】
(ステップS102)経路探索部104は、総コストf(n)の最小とする候補地点nが記憶部に存在するか否か判断する。経路探索部104は、その候補地点nが存在しないと判断した場合(ステップS102 N)、ステップS114に進む。経路探索部104は、その候補地点nが存在すると判断した場合(ステップS102 Y)、ステップS103に進む。
(ステップS103)経路探索部104は、総コストf(n)の最小とする候補地点nは目的地であるか否かを判断する。経路探索部104は、その候補地点nは目的地であると判断した場合(ステップS103 Y)、ステップS115に進む。経路探索部104は、その候補地点nは目的地でないと判断した場合(ステップS103 N)、ステップS104に進む。
【0029】
(ステップS104)経路探索部104は、候補地点nに隣接する隣接地点全てについてステップS105を実行したか否か判断する。経路探索部104は、候補地点nに隣接する隣接地点全てについてステップS105を実行したと判断した場合(ステップS104 Y)、ステップS102に進む。経路探索部104は、候補地点nに隣接する隣接地点全てについてステップS105を実行していないと判断した場合(ステップS104 N)、ステップS105に進む。
【0030】
(ステップS105)経路探索部104は、記憶部を参照して候補地点nに隣接する隣接地点mが到達済地点であるか否か判断する。経路探索部104は、隣接地点mが到達済地点であると判断した場合(ステップS105 Y)、ステップS106に進む。経路探索部104は、隣接地点mが到達済地点ではないと判断した場合(ステップS105 N)、ステップS107に進む。
(ステップS106)経路探索部104は、処理対象とする候補地点nに隣接する隣接地点mを変更する。その後、ステップS104に進む。
(ステップS107)経路探索部104は、記憶部を参照して隣接地点mが未到達地点であるか候補地点であるか判断する。経路探索部104は、隣接地点mが未到達地点であると判断した場合(ステップS107 Y)、ステップS108に進む。経路探索部104は、隣接地点mは候補地点と判断した場合(ステップS107 N)、ステップS111に進む。
【0031】
(ステップS108)経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)として、候補地点nまでの総コストf(n)に、地点情報記憶部103から読み出した候補地点nを起点、隣接地点mを終点とするリンクのコストd(n,m)を加算して算出する。経路探索部104は算出した隣接地点mと総コストf(m)を対応づけて記憶部に記憶する。その後、ステップS109に進む。
(ステップS109)経路探索部104は、隣接地点mを終点(子地点)、候補地点nを起点(親地点)とするリンク情報を記憶部に記憶する。その後、ステップS110に進む。
(ステップS110)経路探索部104は、地点mを候補地点として記憶部に記憶する。その後、ステップS106に進む。
【0032】
(ステップS111)経路探索部104は、記憶部から読み出した候補地点nまでの総コストf(n)に地点情報記憶部103から読み出した候補地点nを起点、隣接地点mを終点とするリンクのコストd(n,m)を加算して、コスト値f(n)+d(n,m)を算出する。経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)が、コスト値f(n)+d(n,m)よりも小さいか否かを判断する。経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)が、コスト値f(n)+d(n,m)よりも小さいと判断したとき(ステップS111 Y)、ステップS106に進む。経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)が、コスト値f(n)+d(n,m)と等しい、又はそのコスト値よりも大きいと判断したとき(ステップS111 N)、ステップS112に進む。
【0033】
(ステップS112)経路探索部104は、隣接地点mまでの総コストf(m)としてコスト値f(n)+d(n,m)に置き換え、置き換えた総コストf(m)を記憶部に記憶する。その後、ステップS113に進む。
(ステップS113)経路探索部104は、隣接地点mを終点(子地点)、候補地点nを起点(親地点)とするリンク情報を記憶部に記憶する。その後、ステップS106に進む。
【0034】
(ステップS114)経路探索部104は、経路探索が失敗したと判断する。その後、処理を終了する。
(ステップS115)経路探索部104は、記憶部を参照して、目的地を終点とするリンクから、ある1つのリンクの起点と終点が一致(連接)する他の1つのリンクを、起点が目的地であるリンクに達するまで抽出する。その後、ステップS116に進む。
(ステップS116)経路探索部104は、抽出したリンクを、現時点を起点とするリンクから、ある1つのリンクの終点と起点が一致する他の1つのリンクを、終点が目的地であるリンクに達するように順列させて、現在地から目的地までの経路情報を構成する。その後、経路探索処理を終了する。
【0035】
図1に戻り、構造情報記憶部105は、空間階層(フロア、floor)情報、空間要素(セグメント、segment)情報及び空間要素毎の種別を示す空間要素種別情報を記憶する。空間階層情報とは、地点毎に所属する空間階層を表す情報である。空間階層とは、歩行者にとって水平方向に連続した空間の単位であって、垂直方向の座標、即ち高さによって区別される空間の単位である。空間階層情報は、例えば、建物の各階、地下街の各階、舞台、道路、横断歩道の架橋部、等の各々を示す情報である。
空間要素情報とは、歩行者にとって移動形態や環境が異なりうる空間の単位であって、互いに隣接する2地点間の対(リンク)を1以上有し、1つの対の1地点が他の対の1地点に順次重複(つまり各対を連接)する地点の組を示す情報である。空間要素情報は、例えば、歩道、廊下、階段、横断歩道、等の各々を示す情報である。
【0036】
空間階層情報、空間要素情報及び空間要素種別情報を構造情報と総称する。
図4は、本実施形態に係る構造情報の一例を示す表である。
図4(a)は、空間階層情報を示す。図4(a)の各行は、順に地点及びフロアを示す。例えば、図4(a)の第2行は、地点P1が属するフロアがFl1であることを示す。なお、本実施形態では各地点は何れか1つのフロアに属す。
図4(b)は、空間要素情報を示す。図4(b)の各行は、順に地点、順序及びセグメントを示す。例えば、図4(b)の第2行は、地点P1が第1番目(起点)となるセグメントSg1を示す。図4(b)は、セグメント毎に順序が昇順又は降順に連続するように地点を配列している。なお、本実施形態では各地点はいずれか1以上のセグメントに属する。2以上のセグメントに属する地点は、互いに異なるセグメント同士を接続する地点である。
図4(c)は、空間要素種別情報を示す。図4(c)の各行は、順にセグメント及びセグメント種別を示す。例えば、図4(c)の第2行は、セグメントSg1のセグメント種別がSIDEWALK、つまり歩道であることを示す。セグメント種別のSIDEWALK、CROSSWALK、STAIRWAY及びCORRIDORは、各々歩道、横断歩道、階段及び廊下を示す。
【0037】
図1に戻り、構造解析部106は、経路探索部104から経路情報を入力される。構造解析部106は、構造情報記憶部105に記憶されている空間階層情報を参照して入力された経路情報に含まれる地点を含む空間階層(フロア)を決定し、決定した空間階層(フロア)情報を読み出す。
構造解析部106は、構造情報記憶部105に記憶されている空間要素情報を参照して入力された経路情報に含まれる地点が属する空間要素(セグメント)を決定し、決定した空間要素(セグメント)情報を読み出す。構造解析部は106が、構造情報記憶部105に記憶されている空間要素種別情報を参照して決定した地点毎の空間要素(セグメント)種別を決定し、決定した空間要素(セグメント)情報を読み出す。
構造解析部106は、決定した地点毎の空間階層、空間要素及び空間要素種別を空間構造情報として構造情報記憶部105に記憶し、その空間構造情報を提示情報生成部109に出力する。
【0038】
構造解析部106は、現在地及び検索された経路情報が示す経路において現在地に隣接する地点(隣接点)のリンクを含む空間要素(現空間要素、カレントセグメント;current segment)を決定する。構造解析部106は、隣接点及び検索された経路情報が示す経路において隣接点に隣接する地点(次隣接点)を含む空間要素(隣接空間要素、ネクストセグメント;next segment)を決定する。つまり、隣接空間要素は、情報提供装置11を所持する利用者が隣接点に到達すると現空間要素となる空間要素である。従って、隣接空間要素は予想される現空間要素を表す情報であり、隣接空間要素と現空間要素が一致するか否かは、空間要素情報の変化を示す一つの指標である。
【0039】
構造解析部106は、現在地が属する空間階層(フロア)に属する地点のうち経路情報が示す経路上の最終地点と、その次の地点(現在地とは異なる空間階層に属する)のリンクを含む空間要素(階層間空間要素、インタフロアセグメント;interfloor segment)を決定する。構造解析部106は、決定した現空間要素、隣接空間要素及び階層間空間要素を構造情報記憶部105に記憶する。また、構造解析部106は、前回決定した現空間要素、隣接空間要素及び階層間空間要素を構造情報記憶部105から読み出す。
【0040】
構造解析部106は、今回決定した階層間空間要素が前回決定した階層間空間要素から変化があるか否かを示す階層間空間要素変化信号を生成する。構造解析部106は、今回決定した現空間要素が前回決定した現空間要素から変化があるか否かを示す現空間要素変化信号を生成する。
構造解析部106は、今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致しているか否かを示す隣接空間要素変化信号を生成する。構造解析部106は、生成した階層間空間要素変化信号、現空間要素変化信号及び隣接空間要素変化信号を構造変化情報として提示情報生成部109及び情報提示制御部110に出力する。また、構造解析部106は、経路探索部104から入力された経路情報を提示情報生成部109に出力する。
【0041】
構造解析部106が生成した空間構造情報の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係る空間構造情報の一例を示す概念図である。
図5において、P1、P2、…P12は、各地点のノードを示す。隣接する地点間を結ぶ線は、リンクを示す。
リンクで結ばれた複数の地点を各々囲む破線は、空間要素(セグメント)を示す。図5は、セグメントSg1からSg6を示し、各地点は何れかの空間要素に含まれる。
地点P1〜P7、P8〜P12を区分する一点鎖線は、空間階層(フロア)を示す。図5では、地点P1〜P7がフロアFl1、地点P8〜12がフロアFl2に属する。
【0042】
破線で囲まれたP3は、現在地を示す。一点鎖線で囲まれたP10は、目的地を示す。P3からP10まで順次連接する矢印は、経路を示す。現在地P3及び隣接点P2の対を含むセグメントSg1が、現空間要素(カレントセグメント)である。この経路において隣接点P2及び次隣接点P5の対を含むセグメントSg2が、隣接空間要素(ネクストセグメント)である。現在地P3が属するフロアFl1に含まれる地点のうち、その経路の最終地点P7とその次の地点P8であって現在地とは異なる空間階層Fl2に属する地点P8を含む空間要素Sg4が階層間空間要素(インタフロアセグメント)である。
【0043】
目標情報記憶部107は、地点毎に利用者(歩行者)が視認できる目標物(ランドマーク、landmark)の位置を含む位置情報と、空間要素、空間階層及び目標物等の案内単位毎の言語及びその言語で表示した名称を含む名称情報を記憶する。
図6は、本実施形態に係る位置情報及び名称情報の一例を示す表である。
図6(a)は、目標物(ランドマーク)の位置情報を示す。図6(a)の各行は、順に地点、目標物(ランドマーク)、方向、及び距離を示す。
方向は、その地点から歩行者が目標物を視認できる方向、例えば北を0°とし、左回り(反時計回り)に傾いた角度である。従って、その方向が正値であることは、その地点から目標物が左側にあることを示し、その方向が負値であることは、その地点から目標物が右側にあることを示す。なお、この例において、方向は、−180°から180°までのいずれかの値である。
距離は、その地点から目標物が所在している場所までの距離を示す。
例えば、図6(a)の第2行は、地点P2から歩行者が視認できるランドマークLm1が、地点P2から−45°(右斜め前)に距離10だけ離れた場所にあることを示す。
図6(b)は、名称情報を示す。図6(b)の各行は、順に、案内単位、言語、及び名称を示す。言語とは、対応する名称を表示するための言語であり、名称とは、対応する案内単位を指す名称である。例えば、図6(b)の第2行は、フロアFl1の名称が、言語jpn(日本語)で「銀座地上部」であることを示す。
【0044】
ここで、目標物(ランドマーク)の位置情報の一例について説明を行う。
図7は、本実施形態に係る目標物の位置情報の一例を示す概念図である。
図7において、P1〜P5は地点、Lm1、Lm2は目標物(ランドマーク)をそれぞれ示す。また、図7において上方が北、右方が東を示す。図7は、目標物Lm1が地点P3から北(0°)に距離10の位置にあり、地点P2から右前方(−45°)に距離14の位置にあることを示す。また、図7は、目標物Lm2が地点P2から南(−180°)に距離20の位置にあり、地点P5から右後方(−135°)に距離12の位置にあることを示す。
【0045】
提示文型記憶部108は、空間要素(セグメント)種別毎に利用者に対して提示しようとする情報のパターンを示す提示文型情報を記憶する。提示文型情報は、利用者に対する行動を促す指示情報(テキスト)と、空間要素情報の名称又は案内単位を代入する部分を示す代入情報(タグ)とを含んで構成される。
提示文型記憶部108は、提示文型情報を、その指示情報及び代入情報の属性情報と対応して記憶する。指示情報の属性情報として、例えば、空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、及び目標物(ランドマーク)方向がある。
【0046】
空間要素(セグメント)方向とは、探索された経路が通過する空間要素(セグメント)における地点の順序が昇順(forward)又は降順(backward)であるか否かを示す。例えば、探索された経路が地点P2、P5の順序(昇順)で通過する場合、このときの空間要素(セグメント)方向は、昇順(forward)に対応する提示文型情報(例えば、図8(b)下から2行目)を選択する手がかりとなる。
案内(ターン)方向とは、現地点から検索された経路上の次の地点、ひいては目的地に到達するために案内する進行方向である。即ち、案内(ターン)方向とは、前回利用者が所在していた地点から現地点への方向に対する、現時点から探索された経路上隣接する地点(隣接点)への方向の変化量である。案内(ターン)方向とは、もしくは、探索された経路において、ある基準となる地点(基準地点)の1つ現在地に近接する地点から、その基準地点への方向に対する、基準時点から探索された隣接点への方向の変化量である。
指示情報には、空間要素方向、案内(ターン)方向及び目標物方向の一部が、任意又は存在しなくとも許容される情報がある。代入情報の属性情報として、空間要素(セグメント)種別がある。
【0047】
提示文型情報には、概要文型情報、誘導文型情報、及び予告文型情報の3種類がある。概要文型情報とは、利用者に対して案内しようとする経路の概要を示す情報を構成する文型を示す情報である。誘導文型情報とは、利用者に対して現地点において誘導しようとする行動を示す情報を構成する文型を示す情報である。予告文型情報とは、利用者に対して隣接点において誘導しようとする行動を示す情報を構成する文型を示す情報である。
【0048】
次に、提示文型情報の一例について説明する。
図8は、本実施形態に係る提示文型情報の一例を示す表である。
図8の各行は、順に空間要素(セグメント)種別、空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向及び提示文型(パターン)を示す。
図8において、空間要素(セグメント)方向及び目標物(ランドマーク)方向の列のうち幾つかの行に示される記号*(アスタリスク、asterisk)は、その内容の有無又は如何を問わず該当することを示す記号(ワイルドカード、wild card)である。また、最右列に示される<Fl>は、案内単位として空間階層情報(フロア)の名称を、その位置に代入することを示す代入情報である。また、<Sg>は、案内単位として空間要素情報の名称を、その位置に代入することを示す代入情報である。また、<Lm>は、案内単位として目標物(ランドマーク)の名称を、その位置に代入することを示す代入情報である。
【0049】
図8において、空間要素(セグメント)方向は、forward(前進)、backward(後退)又は*(任意)の何れかの値をとる。案内(ターン)方向は、straight(直進)、left(左転)、back(後退)、right(右転)、又は*(任意)のいずれかの値をとる。ここで、直進とは、前方から左右45°(−45°〜45°)の方向の範囲であり、左転とは、左前方から左後方(45°〜135°)の方向の範囲であり、後退とは左後方から右後方(135°〜180°、−180°〜−135°)の方向の範囲であり、右転とは、右後方から右前方(−135°〜−45°)の方向の範囲である。
【0050】
目標物(ランドマーク)方向は、front(前方)、left(左方)、back(後方)、right(右方)、又は*(任意)のいずれかの値をとる。図8に示す目標物(ランドマーク)方向とは、現地点から探索された経路において次の地点(次時点)への方向(案内方向)からの相対的な目標物(ランドマーク)方向である。この点は、図6(a)に示す目標物(ランドマーク)方向が絶対的な方向である点とは異なる。以降、図8に示す目標物(ランドマーク)方向を案内目標物方向と呼んで、図6(a)に示す絶対的目標物(ランドマーク)方向と区別する。
図8において、案内目標物(ランドマーク)方向が前方とは、現在地から探索された経路において次の地点への方向であり、その方向から左右45°(−45°〜45°)の方向の範囲である。左方とは、左前方から左後方(45°〜135°)の方向の範囲であり、後方とは左後方から右後方(135°〜180°、−180°〜−135°)の方向の範囲であり、右方とは、右後方から右前方(−135°〜−45°)の方向の範囲である。
【0051】
図8(a)は、概要文型情報を示す。図8(a)における提示文型情報は、概要文型(パターン)を示す。図8(a)の第2行は、空間要素種別がSTAIRWAY(階段)、セグメント方向が任意、案内(ターン)方向がstraight(直進)、ランドマーク方向が任意であることを示す。また、図8(a)の第2行の概要文型情報は、<Sg>及び<Lm>を代入情報として含む。また、この概要文型情報は、「…を通って、…に進みます」と、利用者に<Sg>を通って<Lm>に進む、旨を経路の概要として示す情報を構成する文型を示す。
【0052】
図8(b)において、誘導文型情報を示す。図8(b)の各行における提示文型情報は、誘導文型(パターン)である。図8(b)の第2行は、空間要素種別がWALKWAY(歩道)、セグメント方向が任意、案内(ターン)方向がstraight(直進)、ランドマーク方向がright(右方)であることを示す。また、図8(b)の第2行の誘導文型情報は、<Sg>及び<Lm>を代入情報として含む。また、この誘導文型情報は、「…を右手に見ながら…を進んで下さい」と、利用者に方向がright(右方)である目標物(ランドマーク)<Lm>を目標として空間要素(セグメント)<Sg>をstraight(直進)の方向に進行するように誘導する情報を構成する文型を示す。
【0053】
図8(c)は、予告文型情報を示す。図8(c)における提示文型情報は、予告文型(パターン)である。図8(c)の第2行は、空間要素種別がWALKWAY(歩道)、案内(セグメント)方向が任意、案内(ターン)方向がright(右転)、案内目標物(ランドマーク)方向がfront(前方)であることを示す。また、図8(c)の第2行の予告文型情報は、<Lm>及び<Sg>を代入情報として含む。また、この予告文型情報は、「この先右折し、…の方向に左手の…を進んで下さい」と、利用者に、案内(ターン)方向right(右転)に進行方向を変更し、方向front(前方)の目標物(ランドマーク)<Lm>を目標として空間要素(セグメント)<Sg>を進むように予告する情報を構成する文型を示す。
【0054】
このような提示文型情報の構成は、空間要素(セグメント)情報の種別、その他の属性情報に応じた提示文型情報を定義及び拡充を可能にし、情報提供装置11は空間構造、目標物その他の空間的環境の多様化に応じた提示情報を生成及び提示することができる。
【0055】
図1に戻り、提示情報生成部109は、構造解析部106から経路情報、空間構造情報及び構造変化情報を入力される。
提示情報生成部109は、入力された空間構造情報に含まれる地点毎の目標物(ランドマーク)情報及び、その目標物の方向情報を目標情報記憶部107から読み出す。提示情報生成部109は、案内単位、即ち入力された空間構造情報に含まれる空間要素情報(セグメント)、空間階層情報(フロア)及び読み出した目標物(ランドマーク)情報に対応する言語の名称情報を目標情報記憶部107から読み出す。
【0056】
提示情報生成部109は、経路情報に含まれる地点の位置情報に基づき現地点を基準とした案内(ターン)方向を決定する。ここで、提示情報生成部109は、前回の利用者の地点における位置情報(座標)から現地点の位置情報(座標)への方向を基準とし、現地点の位置情報(座標)から経路上隣接する地点の位置情報(座標)への方向を案内(ターン)方向の実数値として算出する。提示情報生成部109は、算出した案内(ターン)方向の実数値を、提示文型記憶部108においてとり得る案内(ターン)方向(例えば、straight、left、back及びright)の何れかの代表値に丸める(量子化、quantization)。
なお、前回の地点における座標を得るために、提示情報生成部109は、例えば自己が備える記憶部に、現時点及びその位置情報を記憶する。
【0057】
なお、提示情報生成部109は、探索された経路上の一地点(現地点以外)を基準とする案内(ターン)方向(量子化値)を決定してもよい。その場合、提示情報生成部109は、前地点の位置情報(座標)から基準とする地点の位置情報(座標)への方向を基準とし、基準とする地点の位置情報(座標)から次地点における位置情報(座標)への方向を案内(ターン)方向の実数値として算出してもよい。ここで、前地点とは、前回の利用者の地点、つまり基準となる地点から探索された経路において1地点だけ現地点に近接する地点である。次地点とは、探索された経路において基準とする地点から1地点だけ目的地に近接する地点である。
【0058】
提示情報生成部109は、探索された経路を示す経路情報に含まれる各地点の位置情報と、読み出した目標物(ランドマーク)の方向情報に基づき案内目標物(ランドマーク)方向を決定する。ここで、提示情報生成部109は、現地点の位置情報(座標)から探索された経路上の次の地点の位置情報(座標)への方向を基準とし、現時点の位置情報(座標)から読み出した目標物の方向情報への方向を案内目標物(ランドマーク)方向の実数値として算出する。提示情報生成部109は、算出した案内目標物(ランドマーク)方向の実数値を、上述の案内(ターン)方向と同様に量子化し、量子化された案内目標物(ランドマーク)方向を決定する。
なお、提示情報生成部109は、さらに次の地点の位置情報(座標)から、その次の時点の位置情報(座標)への方向を基準とし、次の時点の位置情報(座標)から読み出した目標物への方向情報への方向を、さらに案内目標物(ランドマーク)方向の実数値として算出してもよい。
【0059】
提示情報生成部109は、経路情報が示す経路を通過する空間要素(セグメント)における地点の順序が昇順(forward)又は降順(backward)であるか否かを示す空間要素(セグメント)方向を決定する。本実施形態では、例えば、探索された経路が地点P2、P5の順序(昇順)で含むとき、この順序でこれらの地点を含む空間要素Sg2について空間要素(セグメント)情報を昇順と定める。
【0060】
提示情報生成部109は、構造解析部106から入力された構造変化情報に含まれる階層間空間要素変化信号が今回決定した階層間空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。
提示情報生成部109は、階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示すと判断した場合、その階層間空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する概要文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。
提示情報生成部109は、目的地が属する空間階層の名称情報、及び階層間空間要素が属する名称情報を、読み出した概要文型情報に代入して提示情報として概要情報を生成する。
【0061】
なお、図8(a)に示す概要文型情報のように、空間要素(セグメント)方向及び目標物(ランドマーク)方向について*印が示されている場合は、提示情報生成部109は、これらについて判断せず案内(ターン)方向が該当する概要文型情報を読み出してもよい。
また、提示情報生成部109がそのような概要文型情報だけを用いる場合には、提示情報生成部109は、上述した空間要素(セグメント)方向及び案内目標物(ランドマーク)方向の決定に係る処理を省略してもよい。
【0062】
提示情報生成部109は、2以上の階層間空間要素を決定した場合には、そのうち1つの候補となる階層間空間要素を決定してもよい。提示情報生成部109は、候補となる階層間空間要素を決定する際、探索した経路において現在地に近接する地点を含む階層間空間要素を優先する。その場合、提示情報生成部109は、候補となる階層間空間要素において最も現在地に近接する地点を基準として空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向又は案内目標物(ランドマーク)方向を算出する。そして、提示情報生成部109は、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向又は案内目標物(ランドマーク)方向に基づき提示文型記憶部108から概要文型情報を読み出す。提示情報生成部109は、最も目的地に近接する地点が属する空間階層の名称情報及び当該階層間空間要素が属する名称情報を、読み出した概要文型情報に代入して提示情報として概要情報を生成する。最も目的地に近接する地点とは、当該階層間空間要素に含まれる地点のうち探索された経路上において最も目的地に近い地点である。
【0063】
提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる現空間要素変化信号が今回決定した現空間要素に変化があることを示すか否かを判断し、現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示す場合、次の処理を行う。
提示情報生成部109は、その現空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する誘導文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。
提示情報生成部109は、現空間階層の名称情報、現地点に対応する目標物の名称情報を、読み出した誘導文型情報に代入して提示情報として誘導情報を生成する。
【0064】
なお、図8(b)に示す誘導文型情報のように、空間要素(セグメント)方向について*印が示されている場合は、提示情報生成部109は、これらについて判断せず案内(ターン)方向及び案内目標物(ランドマーク)方向が該当する誘導文型情報を読み出してもよい。
また、提示情報生成部109がそのような誘導文型情報だけを用いる場合には、上述した空間要素(セグメント)方向の決定に係る処理を省略してもよい。
【0065】
提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すか否かを判断し、現空間要素と隣接空間要素が一致していないことを示す場合、次の処理を行う。
提示情報生成部109は、その隣接空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する予告文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。
提示情報生成部109は、隣接空間階層の名称情報、現地点に隣接する地点に対応する目標物の名称情報を、読み出した予告文型情報に代入して提示情報として予告情報を生成する。
提示情報生成部109は、生成した提示情報を情報提示制御部110に出力する。
【0066】
なお、図8(c)に示す予告文型情報のように、空間要素(セグメント)方向について*印が示されている場合は、提示情報生成部109は、これらについて判断せず案内(ターン)方向が該当する予告文型情報を読み出してもよい。
また、提示文型記憶部がそのような予告文型情報だけを記憶している場合には、提示情報生成部109は、空間要素(セグメント)方向の決定に係る処理を省略してもよい。
【0067】
なお、提示情報生成部109は、提示文型記憶部108から誘導文型情報又は予告文型情報を読み出す際、現地点の位置情報(座標)に基づいて算出した案内目標物(ランドマーク)方向と現地点に隣接する次地点の位置情報(座標)に基づいて算出した案内目標物方向を併用してもよい。即ち、提示情報生成部109は、何れか一種類の案内目標物方向だけではなく、この両種類の案内目標物方向に対応する誘導文型情報又は予告文型情報を読み出すようにしてもよい。
【0068】
提示情報生成部109が提示文型記憶部108から、2種類の誘導文型情報(パターン)を読み出す過程を例にとって説明する。
図9は、本実施形態に係る誘導文型情報に対する判定結果の一例を示す概念図である。
図9(a)の上段左側の「<Lm>を左手に進んで下さい」は読み出し対象の誘導文型情報1である。図9(a)の上段右側の「目標物(ランドマーク)方向 left」は、読み出し対象の誘導文型情報1に対応する目標物(ランドマーク)方向である。
図9(a)の下段左側は、経路として現地点Paから右側に次地点Pbが配置され、目標物(ランドマーク)Lmが現地点Paの上方近傍に配置されていることを示す。
このような経路情報に基づき、提示情報生成部109は、地点Paに対応する案内目標物(ランドマーク)方向は、その実数値が案内方向から−135°〜−45°の間にあるため、left(左方)と決定することを示す。提示情報生成部109は、決定した案内目標物(ランドマーク)方向と、誘導文型情報1に対応する目標物方向と照合し、一致するため、この誘導文型情報1が有効であると判断する。従って、提示情報生成部109は、この誘導文型情報1に基づいて誘導情報を生成する。
【0069】
図9(b)の上段左側の「<Lm>の方向に進んで下さい」は読み出し対象の誘導文型情報2である。図9の上段右側の「目標物(ランドマーク)方向 front」は、読み出し対象の誘導文型情報2に対応する案内目標物(ランドマーク)方向である。
誘導文型情報2のように対応する目標物(ランドマーク)方向が前方(front)又は後方(back)である場合には、提示情報生成部109は、現地点Paの他、次地点Pbからの案内目標物(ランドマーク)方向も考慮して誘導文型情報を選択してもよい。具体的には、提示情報生成部109は、次地点Pbからの案内目標物(ランドマーク)方向が、対応する目標物(ランドマーク)方向と反対方向とならない誘導文型情報を有効な誘導文型情報と判断して採用する。提示情報生成部109は、次地点Pbからの案内目標物(ランドマーク)方向が、対応する目標物(ランドマーク)方向と反対方向となる誘導文型情報を無効な誘導文型情報と判断して棄却する。ここで、提示情報生成部109は、案内方向に対する次地点Pbからの目標物(ランドマーク)の相対的な方向を次地点Pbからの案内目標物(ランドマーク)方向として決定する。
【0070】
図9(b−1)の左側は、経路として現地点Paから右側に次地点Pbが配置され、目標物(ランドマーク)Lmが現地点Paの右方であり、かつ次地点Pbの右方に配置されていることを示す。
このような経路情報に基づき、提示情報生成部109は、地点Paに対応する案内目標物(ランドマーク)方向、地点Pbに対応する案内目標物(ランドマーク)方向ともに、その実数値が案内方向から−45°〜45°の間にあるため、front(前方)と決定する。提示情報生成部109は、決定した2地点分の案内目標物(ランドマーク)方向と、誘導文型情報2に対応する目標物方向front(前方)と照合し、一致するため、この誘導文型情報2が有効であると判断する。従って、提示情報生成部109は、この誘導文型情報2に基づいて誘導情報を生成する。
【0071】
図9(b−2)の左側は、経路として現地点Paから右側に次地点Pbが配置され、目標物(ランドマーク)Lmが現地点Paの右方であり、かつ次地点Pbの上方近傍に配置されていることを示す。
このような経路情報に基づき、提示情報生成部109は、地点Paに対応する案内目標物(ランドマーク)方向を、その実数値が案内方向から−45°〜45°の間にあるため、front(前方)と決定する。提示情報生成部109は、決定した案内目標物(ランドマーク)方向と、誘導文型情報2に対応する目標物方向と照合し、一致するため、この誘導文型情報2が有効であると判断し、候補として仮に採用する。
【0072】
提示情報生成部109は、地点Pbに対応する案内目標物(ランドマーク)方向を、その実数値が案内方向から−135°〜−45°の間にあるため、left(左方)と決定する。提示情報生成部109は、決定した案内目標物(ランドマーク)方向は、誘導文型情報2に対応する目標物方向と照合し、その目標物方向の反対方向にないと判断する。提示情報生成部109は、この誘導文型情報2が有効であると判断し、最終的に採用する。従って、提示情報生成部109は、この誘導文型情報2に基づいて誘導情報を生成する。
【0073】
これにより、本実施形態では、利用者の経路の進行により目標物が見える方向が変動する場合、現地点の案内目標物(ランドマーク)方向だけに頼った提示情報を利用者に提示したために、誤った方向に経路を案内することを回避することができる。
【0074】
情報提示制御部110は、構造解析部106から構造変化情報を入力され、提示情報生成部109から提示情報を入力される。
情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる階層間空間要素変化信号が今回決定した階層間空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示す場合、情報提示制御部110は、提示情報である概要情報を情報提示部111に出力する。
情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる現空間要素変化信号が今回決定した現空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示す場合、情報提示制御部110は、提示情報である誘導情報を情報提示部111に出力する。
【0075】
情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すか否かを判断する。現空間要素と隣接空間要素が一致していないことを示す場合、情報提示制御部110は、提示情報である予告情報を情報提示部111に出力する。
なお、情報提示制御部110は、公知のテキスト音声合成技術を用いて音声信号に変換する音声合成部を備えてもよい。その場合、入力された提示情報がテキスト情報である場合に、当該音声合成部は、提示情報を音声信号に変換して情報提示部111に出力する。
【0076】
情報提示部111は、情報提示制御部110から入力された提示情報を利用者が認識できる形態で提示する。例えば、入力された提示情報がテキスト情報である場合、情報提示部111は、文字を表す画像として、その提示情報を表示する。入力された提示情報が音声信号である場合、情報提示部111は、その音声信号に基づく音声を再生する。
【0077】
次に、本実施形態に係る情報提供装置11が行う情報提供処理について説明する。
図10は、本実施形態に係る情報提供装置11が行う情報提供処理を示すフローチャートである。
(ステップS201)受信部101は、位置情報送信部21から受信した位置情報を現在所在する現在地情報として経路探索部104に出力する。その後、ステップS202に進む。
(ステップS202)経路探索部104は、受信部101から入力された現在地情報、目的地入力部102から入力された目的地情報、地点情報記憶部103に記憶された位置情報及びリンク情報に基づき、現在地から目的地までのコストが最小となる経路情報を探索する。経路探索部104は、経路情報を探索する際、例えば、図3に示すダイクストラ法を用いる。経路探索部104は、探索した経路情報を構造解析部106に出力する。その後、ステップS203に進む。
【0078】
(ステップS203)構造解析部106は、構造情報記憶部105に記憶されている空間階層情報を参照して経路探索部104から入力された経路情報に含まれる地点が属する空間階層(フロア)を決定する。構造解析部106は、構造情報記憶部105に記憶されている空間要素情報を参照して入力された経路情報に含まれる地点が属する空間要素(セグメント)を決定する。構造解析部は106が、構造情報記憶部105に記憶されている空間要素種別情報を参照して決定した地点毎の空間要素(セグメント)種別を決定する。
構造解析部106は、決定した地点毎の空間階層、空間要素及び空間要素種別を空間構造情報として構造情報記憶部105に記憶し、その空間構造情報を提示情報生成部109に出力する。その後、ステップS204に進む。
【0079】
(ステップS204)構造解析部106は、決定した空間階層、空間要素に基づき現空間要素、隣接空間要素、及び階層間空間要素を決定する。構造解析部106は、新たに決定した現空間要素、隣接空間要素及び階層間空間要素を構造情報記憶部105に記憶し、前回決定した現空間要素、隣接空間要素及び階層間空間要素を構造情報記憶部105から読み出す。
構造解析部106は、今回決定した現空間要素が前回決定した現空間要素から変化があるか否かを示す現空間要素変化信号を生成する。構造解析部106は、今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致しているか否かを示す隣接空間要素変化信号を生成する。構造解析部106は、生成した階層間空間要素変化信号、現空間要素変化信号及び隣接空間要素変化信号を構造変化情報として提示情報生成部109及び情報提示制御部110に出力する。また、構造解析部106は、経路探索部104から入力された経路情報を提示情報生成部109に出力する。その後、ステップS205に進む。
【0080】
(ステップS205)提示情報生成部109は、構造解析部106から入力された経路情報、空間構造情報及び構造変化情報に基づいて提示情報を生成する。提示情報生成部109が提示情報を生成する処理については、図11を用いて後述する。
提示情報生成部109は、生成した提示情報を情報提示制御部110に出力する。その後、ステップS206に進む。
【0081】
(ステップS206)情報提示制御部110は、構造解析部106から入力された構造変化情報に基づき、提示情報生成部109から入力された提示情報を提示するか否か判断する。情報提示制御部110は、提示すると判断した提示情報を情報提示部111に出力する。情報提示制御部110が、提示情報を提示するか否かを判断する情報提示制御処理については、図12を用いて後述する。その後、ステップS207に進む。
(ステップS207)情報提示部111は、情報提示制御部110から入力された提示情報を利用者が認識できる形態で提示する。その後、処理を終了する。
【0082】
次に、本実施形態に係る提示情報生成部109が行う提示情報生成処理について説明する。
図11は、本実施形態に係る提示情報生成部109が行う提示情報生成処理を示すフローチャートである。
(ステップS301)提示情報生成部109は、入力された経路情報に含まれる地点の位置情報に基づき案内(ターン)方向の実数値を算出し、算出した実数値を量子化し案内(ターン)方向の量子化値を決定する。その後、ステップS302に進む。
(ステップS302)提示情報生成部109は、入力された空間構造情報に含まれる地点毎の目標物(ランドマーク)情報、及びその方向情報を目標情報記憶部107から読み出す。入力された経路情報に含まれる地点の位置情報と、読み出した目標物(ランドマーク)の方向情報に基づき案内目標物(ランドマーク)方向を決定する。その後、ステップS303に進む。
(ステップS303)提示情報生成部109は、経路情報が示す経路を通過する空間要素(セグメント)方向を決定する。その後、ステップS304に進む。
【0083】
(ステップS304)提示情報生成部109は、案内単位、即ち入力された空間構造情報に含まれる空間要素情報(セグメント)、空間階層情報(フロア)及び読み出した目標物(ランドマーク)情報に対応する言語の名称情報を目標情報記憶部107から読み出す。
提示情報生成部109は、入力された構造変化情報に含まれる階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示す場合(ステップS304 Y)、ステップS305に進む。提示情報生成部109が、階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化がないことを示すと判断した場合(ステップS304 N)、ステップS307に進む。
【0084】
(ステップS305)提示情報生成部109は、その階層間空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する概要文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。その後、ステップS306に進む。
(ステップS306)提示情報生成部109は、目的地が属する空間階層の名称情報、及び階層間空間要素が属する名称情報を、読み出した概要文型情報に代入して提示情報として概要情報を生成する。その後、ステップS307に進む。
【0085】
(ステップS307)提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる現空間要素変化信号が今回決定した現空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。提示情報生成部109が、現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示す場合(ステップS307 Y)、ステップS308に進む。提示情報生成部109が、現空間要素変化信号が現空間要素に変化がないことを示すと判断した場合(ステップS307 N)、ステップS310に進む。
【0086】
(ステップS308)提示情報生成部109は、その現空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する誘導文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。その後、ステップS309に進む。
(ステップS309)提示情報生成部109は、現空間階層の名称情報、現地点に対応する目標物の名称情報を、読み出した誘導文型情報に代入して提示情報として誘導情報を生成する。その後、ステップS310に進む。
【0087】
(ステップS310)提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すか否かを判断する。提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すと判断した場合(ステップS310 Y)、ステップS313に進む。提示情報生成部109は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が今回決定した現空間要素と隣接空間要素が一致していないことを示すと判断した場合(ステップS310 N)、ステップS311に進む。
【0088】
(ステップS311)提示情報生成部109は、その隣接空間要素と対応する空間要素(セグメント)種別、算出した空間要素(セグメント)方向、案内(ターン)方向、案内目標物(ランドマーク)方向に対応する予告文型情報(パターン)を提示文型記憶部108から読み出す。その後、ステップS312に進む。
(ステップS312)提示情報生成部109は、隣接空間階層の名称情報、現地点に隣接する地点に対応する目標物の名称情報を、読み出した予告文型情報に代入して提示情報として予告情報を生成する。その後、ステップS313に進む。
(ステップS313)提示情報生成部109は、生成した提示情報を情報提示制御部110に出力する。その後、処理を終了する。
【0089】
次に、本実施形態に係る情報提示制御部110が行う情報提示制御処理について説明する。
図12は、本実施形態に係る情報提示制御部110が行う情報提示制御処理を示すフローチャートである。
(ステップS401)情報提示制御部110は、構造解析部106から入力された構造変化情報に含まれる階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。情報提示制御部110は、階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化があることを示すと判断した場合(ステップS401 Y)、ステップS402に進む。情報提示制御部110は、階層間空間要素変化信号が階層間空間要素に変化がないことを示すと判断した場合(ステップS401 N)、ステップS403に進む。
(ステップS402)情報提示制御部110は、提示情報生成部109から入力された提示情報である概要情報を情報提示部111に出力する。その後、ステップS403に進む。
【0090】
(ステップS403)情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示すか否かを判断する。情報提示制御部110は、現空間要素変化信号が現空間要素に変化があることを示すと判断した場合(ステップS403 Y)、ステップS404に進む。情報提示制御部110は、現空間要素変化信号が現空間要素に変化がないことを示すと判断した場合(ステップS403 N)、ステップS405に進む。
(ステップS404)情報提示制御部110は、提示情報である誘導情報を情報提示部111に出力する。その後、ステップS405に進む。
【0091】
(ステップS405)情報提示制御部110は、構造変化情報に含まれる隣接空間要素変化信号が現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示すか否かを判断する。情報提示制御部110は、現空間要素と隣接空間要素が一致していないことを示す場合(ステップS405 N)、ステップS406に進む。情報提示制御部110は、現空間要素と隣接空間要素が一致していることを示す場合(ステップS405 Y)、処理を終了する。
(ステップS406)情報提示制御部110は、提示情報である予告情報を情報提示部111に出力する。その後、処理を終了する。
【0092】
次に、本実施形態に係る情報提供装置11が提示する提示情報の一例について説明する。
ここで、利用者が情報提供装置11を所持して現在地P3に所在し、操作を行って目的地P10を目的地入力部102に入力したことを仮定する。
利用者は探索された経路(図5参照)に沿って、情報提供装置11を所持して目的地に向かって移動すると仮定する。
【0093】
図13は、本実施形態に係る情報提供装置11が提示する提示情報の一例を示す。
図13の各列は、順に、地点、概要情報、誘導情報及び予告情報を示す。図13の各行は、順に、地点P3、P2、P5、P6、及びP7を示す。
例えば、図13の第2行第2列によれば、地点P3において情報提供装置11が概要情報として「<銀座駅出入口>を通って<銀座地下街>に進みます。」を提示する。図13の第4行第3列によれば、地点P5において情報提供装置11が誘導情報として「右折し、<Wビル>の方向に<中央通り>を進んで下さい。」を提示する。図13の第5行第4列によれば、地点P6において情報提供装置11が誘導情報として「この先<銀座駅出入口>を下りて<銀座駅地下街>に進んで下さい。」を提示する。
【0094】
なお、上述の説明では、目標情報記憶部107が記憶している名称情報、及び提示文型記憶部108が記憶している提示文型情報が表示する言語が日本語である例を取り上げたが、本実施形態ではこれには限られない。本実施形態では、日本語以外の他言語、例えば英語であってもよい。また、本実施形態では、複数の言語について、これらの情報を備え、利用者の操作入力により、それらの言語のうち一つを選択可能としてもよい。これにより、本実施形態において、情報提供装置11は、その言語で表示された提示情報を生成し、提示することで、容易に取り扱う言語を拡張することができる。
【0095】
このように、本実施形態によれば、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備え、構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定め、前記情報提供装置が、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成し、前記情報提供装置が、前記生成した提示情報を出力する。
これにより、利用者の移動状況に応じて、目的地まで到達するための概要情報、誘導情報又は予告情報を必要な時に、過不足なく提供することができる。
【0096】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態に係る情報提供システム2の構成を示す概略図である。
情報提供システム2は、端末装置12、通信制御装置22、ネットワーク31及び情報提供装置41を含んで構成される。
【0097】
端末装置12は、利用者が所持し携帯することができる端末装置、例えば携帯電話機である。端末装置12は、目的地入力部121、送信部122、受信部131、情報提示部132及び位置情報生成部141を含んで構成される。
目的地入力部121は、利用者による操作により目的地を示す目的地情報を入力する。目的地入力部102は、入力した目的地情報を送信部122に出力する。
送信部122は、目的地入力部102から入力された目的地情報又は位置情報生成部141から入力された位置情報を通信制御装置22に無線で送信する。
受信部131は、通信制御装置22から提示情報を無線で受信する。受信部131は受信した提示情報を情報提示部132に出力する。
情報提示部132は、受信部131から入力された提示情報を利用者が認識できる形態で提示する。
【0098】
位置情報生成部141は、端末装置12が所在している位置情報を生成し、生成した位置情報を送信部122に出力する。位置情報生成部141は、位置情報を生成するために、例えば、複数の信号源から受信した信号の伝達時間差を検知し、検知した伝達時間差に基づき端末装置12の位置を算出する。位置情報生成部141は、例えば無線LAN(Local Area Network;構内通信網)受信器である。この場合、信号源は無線LAN親機(アクセスポイント)である。また、位置情報生成部141は、例えば無線RFID読取器(リーダ)である。この場合、信号源はRFIDタグである。
なお、本実施形態では、位置情報を生成するために、無線LAN親機又はRFIDタグからの受信信号を用いる方法の代わりに、通信制御装置22(例えば、基地局装置)からの受信信号を用いる方法を用いてもよい。
【0099】
通信制御装置22は、端末装置12から受信した目的地情報を情報提供装置41に送信し、端末装置12から受信した位置情報を現在地情報として情報提供装置41に送信する。通信制御装置22は、情報提供装置41からネットワーク31を介して受信した提示情報を端末装置12に無線で送信する。通信制御装置22は、例えば、携帯電話網における基地局装置、又はLANと広域通信網(Wide Area Network;WAN又はインターネット)を接続するゲートウェイ装置である。
ネットワーク31は、通信制御装置22と情報提供装置41との間でデータを送受信するネットワークである。ネットワーク31は、例えば携帯電話網又は広域通信網である。
【0100】
情報提供装置41は、受信部401、地点情報記憶部403、経路探索部404、構造情報記憶部405、構造解析部406、目標情報記憶部407、提示文型記憶部408、提示情報生成部409、情報提示制御部410及び送信部411を含んで構成される。
情報提供装置41は、受信部101、目的地入力部102及び情報提示部111の代わりに、受信部401及び送信部411を備える点が情報提供装置11とは異なる。
その他の機能部、即ち、地点情報記憶部403、経路探索部404、構造情報記憶部405、構造解析部406、目標情報記憶部407、提示文型記憶部408、提示情報生成部409、及び情報提示制御部410の機能及び構成は、情報提供装置11の地点情報記憶部103、経路探索部104、構造情報記憶部105、構造解析部106、目標情報記憶部107、提示文型記憶部108、提示情報生成部109及び情報提示制御部110と同様である。
【0101】
ここで、受信部401が、現在地情報及び目的地情報を、ネットワーク31を介して通信制御装置22から受信する。そして、情報提供装置41は、図10に示すステップS202からステップS206までの処理を行う。また、送信部411が情報提示制御部410から入力された提示情報を、ネットワーク31を介して通信制御装置22に送信する。
従って、本実施形態に係る情報提供システム1において、端末装置12は利用者の操作により目的地情報を入力され、情報提供装置41が生成した提示情報を利用者に提示する。
【0102】
なお、本実施形態では、通信制御装置22は、接続している端末装置12が現在所在している位置として、自己の位置情報を情報提供装置41に現在地情報として送信するようにしてもよい。その場合、端末装置は、位置情報生成部141を備える必要はない。
【0103】
このように、本実施形態によれば、2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備え、構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定め、前記情報提供装置が、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成し、前記情報提供装置が前記生成した提示情報を出力する。
【0104】
これにより、利用者の移動状況に応じて、目的地まで到達するための概要情報、誘導情報又は予告情報を必要な時に、過不足なく提供することができる。
また、本実施形態によれば、端末装置12が提示情報の生成に係る機能部を備える必要がなくなるため、処理量が比較的少ない安価な端末装置12であっても上述の情報を必要な時に、過不足なく経済的に提供することができる。
【0105】
なお、上述した実施形態における情報提供装置11及び情報提供装置41の一部、例えば、経路探索部104、構造解析部106、提示情報生成部109、情報提示制御部110、経路探索部404、構造解析部406、提示情報生成部409、及び情報提示制御部410をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、情報提供装置11又は情報提供装置41に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における情報提供装置11及び情報提供装置41の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。情報提供装置11及び情報提供装置41の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0106】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0107】
11…情報提供装置、101…受信部、102…目的地入力部、103…地点情報記憶部、104…経路探索部、105…構造情報記憶部、106…構造解析部、
107…目標情報記憶部、108…提示文型記憶部、109…提示情報生成部、
110…情報提示制御部、111…情報提示部、
2…情報提供システム、12…端末装置、121…目的地入力部、122…送信部、
131…受信部、132…情報提示部、141…位置情報生成部
22…通信制御装置、31…ネットワーク、
41…情報提供装置、401…受信部、403…地点情報記憶部、404…経路探索部、405…構造情報記憶部、406…構造解析部、407…目標情報記憶部、
408…提示文型記憶部、409…提示情報生成部、410…情報提示制御部、
411…送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2地点間の対を1以上有し、各対を連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部と、
前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める構造解析部と、
空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部と、
前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する提示情報生成部と、
前記生成した提示情報を出力する情報提示制御部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記構造解析部は、
現地点及び前記現時点に隣接する地点である隣接点を含む空間要素情報である現空間要素情報、前記隣接点及び前記現地点に隣接する地点である次隣接点を含む空間要素情報である隣接空間要素情報、又は現地点を含む空間階層情報である現空間階層情報に含まれる地点と、前記現空間階層情報に隣接する隣接空間階層情報に含まれる地点を含む空間要素情報である階層間空間要素情報の変化を表す構造変化情報を決定し、
前記提示情報生成部は、前記構造変化情報に基づいて前記提示情報を生成し、前記情報提示制御部は、前記構造変化情報に基づいて前記生成した提示情報の出力を制御すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記提示文型記憶部は、
前記提示文型情報として、現空間要素情報の各属性情報に係る提示情報の文型である誘導文型情報、隣接空間要素情報の各属性情報に係る提示情報の文型である予告文型情報、及び階層間空間要素情報の各属性情報に係る提示情報の文型である概要文型情報を含み、
前記提示情報生成部は、
前記構造変化情報に基づき、前記提示文型記憶部を参照して前記提示情報を生成するか否か判断すること
を特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記提示情報生成部は、
以前の地点から現地点への方向、及び前記経路情報における現地点から隣接点への方向に基づいて利用者に案内する方向である案内方向を算出し、
前記案内方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
地点毎に目標物の位置情報を記憶する目標物記憶部を備え、
前記提示情報生成部は、前記目標物記憶部を参照し、前記経路情報に含まれる地点に対応する目標物の位置情報に基づいて利用者に案内する目標物の方向である案内目標物方向を算出し、
前記案内目標物方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備える情報提供装置における情報提供方法であって、
前記情報提供装置が、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める第1の過程と、
前記情報提供装置が、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する第2の過程と、
前記情報提供装置が、前記生成した提示情報を出力する第3の過程と、
を有することを特徴とする情報提供方法。
【請求項7】
2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備える情報提供装置におけるコンピュータに、
前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める手順と、
前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する手順と、
前記生成した提示情報を出力する手順と、
を有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項8】
2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部と、
前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める構造解析部と、
空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部と、
前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する提示情報生成部と、
前記生成した提示情報を出力する情報提示制御部と、
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項1】
2地点間の対を1以上有し、各対を連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部と、
前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める構造解析部と、
空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部と、
前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する提示情報生成部と、
前記生成した提示情報を出力する情報提示制御部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記構造解析部は、
現地点及び前記現時点に隣接する地点である隣接点を含む空間要素情報である現空間要素情報、前記隣接点及び前記現地点に隣接する地点である次隣接点を含む空間要素情報である隣接空間要素情報、又は現地点を含む空間階層情報である現空間階層情報に含まれる地点と、前記現空間階層情報に隣接する隣接空間階層情報に含まれる地点を含む空間要素情報である階層間空間要素情報の変化を表す構造変化情報を決定し、
前記提示情報生成部は、前記構造変化情報に基づいて前記提示情報を生成し、前記情報提示制御部は、前記構造変化情報に基づいて前記生成した提示情報の出力を制御すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記提示文型記憶部は、
前記提示文型情報として、現空間要素情報の各属性情報に係る提示情報の文型である誘導文型情報、隣接空間要素情報の各属性情報に係る提示情報の文型である予告文型情報、及び階層間空間要素情報の各属性情報に係る提示情報の文型である概要文型情報を含み、
前記提示情報生成部は、
前記構造変化情報に基づき、前記提示文型記憶部を参照して前記提示情報を生成するか否か判断すること
を特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記提示情報生成部は、
以前の地点から現地点への方向、及び前記経路情報における現地点から隣接点への方向に基づいて利用者に案内する方向である案内方向を算出し、
前記案内方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
地点毎に目標物の位置情報を記憶する目標物記憶部を備え、
前記提示情報生成部は、前記目標物記憶部を参照し、前記経路情報に含まれる地点に対応する目標物の位置情報に基づいて利用者に案内する目標物の方向である案内目標物方向を算出し、
前記案内目標物方向を前記属性情報の一部として前記提示情報を生成すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備える情報提供装置における情報提供方法であって、
前記情報提供装置が、前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める第1の過程と、
前記情報提供装置が、前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する第2の過程と、
前記情報提供装置が、前記生成した提示情報を出力する第3の過程と、
を有することを特徴とする情報提供方法。
【請求項7】
2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部、及び空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部を備える情報提供装置におけるコンピュータに、
前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める手順と、
前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する手順と、
前記生成した提示情報を出力する手順と、
を有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項8】
2地点間の対を1以上有し、各対を順次連接してなる地点の組を表す空間要素情報と、地点毎の空間階層を表す空間階層情報、を記憶する構造情報記憶部と、
前記構造情報記憶部を参照して、現地点から目的地までの経路情報に含まれる地点の空間要素情報と、当該経路情報に含まれる地点の空間階層情報を定める構造解析部と、
空間要素情報の属性情報毎の提示情報の文型を表す提示文型情報を記憶する提示文型記憶部と、
前記空間要素情報又は前記空間階層情報が変化したとき、前記提示文型記憶部を参照して、前記変化した空間要素情報の属性情報毎に対応した提示情報文型に基づき提示情報を生成する提示情報生成部と、
前記生成した提示情報を出力する情報提示制御部と、
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−247282(P2012−247282A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118702(P2011−118702)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(397065136)株式会社横須賀テレコムリサーチパーク (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(397065136)株式会社横須賀テレコムリサーチパーク (28)
【Fターム(参考)】
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