説明

情報提供装置および情報提供方法

【課題】現在提供中の音声情報の中断方法を工夫することで、優先情報をわかりやすく、かつ効果的に提供できる情報提供装置および情報提供方法を提供する。
【解決手段】品詞単位の音声情報Wを所定の順序で並べることで文章単位の音声情報セットSを作成する。複数の品詞単位の音声情報Wに当該音声情報Wを再生した後に優先割込情報Y1の再生が開始できる“再生後割り込み可能”の属性または当該音声情報を再生した後でも優先割込情報Y1の再生が開始できない“再生後割り込み不可能”の属性を設定する。現在再生中の音声情報セットSより優先度の高い優先割込情報Y1が入力された際に、その時点で再生中の音声情報が“再生後割り込み可能”であれば、当該音声情報を再生した後で優先割込情報Y1を再生し、一方、“再生後割り込み不可能”であれば、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報の再生が完了した後に優先割込情報Y1を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置および情報提供方法に係り、特に、自車両の外部から入力される情報を自車両の乗員に音声情報として提供する情報提供装置および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自車両の乗員に種々の情報を提供する手段として、路上に設置されているアンテナとの間で行う路車間通信および他車との間で行う車々間通信によって、自車両の外部から最新の情報を受信するシステムの開発が進んでいる。この路車間通信および車々間通信を利用すれば、現在の道路規制情報や信号情報、他車の位置情報や操作情報等をリアルタイムに得ることができるので、例えば、より優先度の高い緊急情報等を受信した際に、現在進行中の情報提供を中断して、この緊急情報等を優先して提供することが可能となる。
【0003】
特許文献1には、所定の情報を提供している間に、現在提供中の情報より優先度の高い情報が入力されると、現在提供中の情報の提供を中断して優先情報を提供し、その後、提供が中断された情報を再び提供するようにしたナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3923572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、所定の優先情報が音声情報として入力された際に、優先情報を提供するために現在再生中の音声情報をどのように中断するかという点は考慮されていなかった。具体的には、音声情報の場合には、提供(再生)中の音声が途中で途切れることで違和感が生じたり、また、中断されるまでの音声と優先情報の音声とが文章的につながってしまうことで優先情報の意味が把握しにくくなることが考えられるため、現在提供中の音声情報をどのように中断するかが重要な課題となる。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、現在提供中の音声情報の中断方法を工夫することで、優先情報をわかりやすく、かつ効果的に提供することができる情報提供装置および情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、自車両に入力された各種の情報に基づいて、前記自車両の乗員に提供する音声情報を作成する情報提供装置(1)において、複数の品詞単位の音声情報(W)を記憶する音声情報記憶部(9)と、前記音声情報記憶部(9)に記憶されている前記品詞単位の音声情報(W)を所定の順序で並べることで文章単位の音声情報セット(S)を作成する音声情報セット作成手段(5)と、前記音声情報セット(S)を再生中に該音声情報セット(S)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、現在再生中の音声情報セット(S)の再生を中断して前記優先割込情報(Y1)の再生を開始する優先割込情報処理手段(6)とを具備し、前記優先割込情報処理手段(6)は、現在再生中の音声情報(W)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、前記優先割込情報(Y1)が入力された時点より後の時点で、現在再生中の音声情報セット(S)の再生を中断して前記優先割込情報(Y1)の再生を開始する点に第1の特徴がある。
【0008】
前記優先割込情報処理手段(6)は、現在再生中の音声情報(W)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、少なくとも前記優先割込情報(Y1)が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報(W1,W3)の再生が完了した後に、前記優先割込情報(Y1)の再生を開始する点に第2の特徴がある。
【0009】
また、前記複数の品詞単位の音声情報(W)には、それぞれ、当該音声情報(W)を再生した後に前記優先割込情報(Y1)の再生が開始できる“再生後割り込み可能”の属性か、または、当該音声情報を再生した後でも前記優先割込情報(Y1)の再生が開始できない“再生後割り込み不可能”の属性のいずれかが与えられており、前記優先割込情報処理手段(6)は、現在再生中の音声情報セット(S)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力された際に、その時点で再生中の品詞単位の音声情報(W4)の属性が“再生後割り込み可能”である場合には、当該品詞単位の音声情報(W4)を再生した後で前記優先割込情報(Y1)の再生を開始し、一方、前記優先割込情報(Y1)が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報(W3)の属性が“再生後割り込み不可能”である場合には、前記音声情報セット(S)の再生を継続して、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報(W4)の再生が完了した後に前記優先割込情報(Y1)の再生を開始する点に第3の特徴がある。
【0010】
また、前記音声情報記憶部(9)に記憶された複数の品詞単位の音声情報(W)には、さらに、“省略可能”または“省略不可能”な属性のいずれかが与えられており、前記優先割込情報処理手段(6)は、現在再生中の音声情報セット(S)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力された際に、その時点で再生中の品詞単位の音声情報(W4)の属性が“再生後割り込み可能”であると、当該品詞単位の音声情報(W4)を再生した後で前記優先割込情報(Y1)の再生を開始し、一方、前記優先割込情報(Y1)が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報(W3)の属性が“再生後割り込み不可能”であると、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報(W4)までの間に配置されている“省略可能”な音声情報(W2,W3)を省略して前記音声情報セット(S)の再生を継続し、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報(W4)の再生が完了した後に前記優先割込情報(Y1)の再生を開始する点に第4の特徴がある。
【0011】
また、前記音声情報記憶部(9)は、乗員が注意すべき方向および注意の対象に対応する品詞単位の音声情報(W)に“省略不可能”な属性を与える点に第5の特徴がある。
【0012】
また、前記音声情報記憶部(9)は、名詞、名詞句、動詞、動詞句に対応する品詞単位の音声情報(W)に“再生後割り込み可能”な属性を与える点に第6特徴がある。
【0013】
また、前記情報提供装置(1)は、自車両の外部から前記自車両に入力される各種の情報を車々間通信または路車間通信で送受信する無線通信手段(21)を備えたナビゲーション装置である点に第7の特徴がある。
【0014】
また、自車両の外部から前記自車両に入力される各種の情報に基づいて、前記自車両の乗員に提供する音声情報を作成する情報提供方法において、複数記憶された品詞単位の音声情報(W)を所定の順序で並べることで、前記自車両の乗員に提供する文章単位の音声情報セット(S)を作成し、前記音声情報セット(S)を再生中に該音声情報セット(S)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、現在再生中の音声情報セット(S)の再生を中断して前記優先割込情報(Y1)の再生を開始し、現在再生中の音声情報(W)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、少なくとも前記優先割込情報(Y1)が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報(W1,W3)の再生が完了した後に、前記優先割込情報(Y1)の再生を開始する点に第8の特徴がある。
【0015】
さらに、前記各種の情報は、車々間通信または路車間通信によって送受信される点に第9の特徴がある。
【発明の効果】
【0016】
第1の特徴によれば、複数の品詞単位の音声情報を記憶する音声情報記憶部と、音声情報記憶部に記憶されている品詞単位の音声情報を所定の順序で並べることで文章単位の音声情報セットを作成する音声情報セット作成手段と、音声情報セットを再生中に該音声情報セットより優先度の高い優先割込情報が入力されると、現在再生中の音声情報セットの再生を中断して優先割込情報の再生を開始する優先割込情報処理手段とを具備し、優先割込情報処理手段は、現在再生中の音声情報より優先度の高い優先割込情報が入力されると、優先割込情報が入力された時点より後の時点で、現在再生中の音声情報セットの再生を中断して優先割込情報の再生を開始するので、例えば、品詞単位の音声情報の再生中に再生が途切れることで違和感が生じることを防止できる。
【0017】
第2の特徴によれば、優先割込情報処理手段は、現在再生中の音声情報より優先度の高い優先割込情報が入力されると、少なくとも前記優先割込情報が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報の再生が完了した後に、優先割込情報の再生を開始するので、品詞単位の音声情報の途中で再生が途切れることによる違和感が生じることを防止できる。これによって、走行に必要な最低限の重要情報(語句)を簡潔に乗員へ伝えることができる。
【0018】
第3の特徴によれば、複数の品詞単位の音声情報には、それぞれ、当該音声情報を再生した後に優先割込情報の再生が開始できる“再生後割り込み可能”の属性か、または、当該音声情報を再生した後でも優先割込情報の再生が開始できない“再生後割り込み不可能”の属性のいずれかが与えられており、優先割込情報処理手段は、現在再生中の音声情報セットより優先度の高い優先割込情報が入力された際に、その時点で再生中の品詞単位の音声情報の属性が“再生後割り込み可能”である場合には、当該品詞単位の音声情報を再生した後で優先割込情報の再生を開始し、一方、優先割込情報が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報の属性が“再生後割り込み不可能”である場合には、音声情報セットの再生を継続して、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報の再生が完了した後に優先割込情報の再生を開始するので、再生後割り込み可能または再生後割り込み不可能な属性を品詞単位で規定することにより、文章が途中で途切れることによる違和感を低減することができる。これにより、音声情報の言葉に違和感や唐突感がなくなり、乗員がより優先割込情報の内容を理解しやすくなる。
【0019】
第4の特徴によれば、音声情報記憶部に記憶された複数の品詞単位の音声情報には、さらに、“省略可能”または“省略不可能”な属性のいずれかが与えられており、優先割込情報処理手段は、現在再生中の音声情報セットより優先度の高い優先割込情報が入力された際に、その時点で再生中の品詞単位の音声情報の属性が“再生後割り込み可能”であると、当該品詞単位の音声情報を再生した後で優先割込情報の再生を開始し、一方、前記優先割込情報が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報の属性が“再生後割り込み不可能”であると、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報までの間に配置されている“省略可能”な音声情報を省略して音声情報セットの再生を継続し、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報の再生が完了した後に優先割込情報の再生を開始するので、省略可能な品詞単位の音声情報を規定することで、違和感を生じさせることなく優先割込情報の再生が開始されるまでの時間を短縮することができる。
【0020】
第5の特徴によれば、音声情報記憶部は、乗員が注意すべき方向および注意の対象に対応する品詞単位の音声情報に“省略不可能”な属性を与えるので、乗員が注意すべき重要情報は省略することなく、優先割込情報の再生が開始されるまでの時間を短縮することができる。
【0021】
第6の特徴によれば、音声情報記憶部は、名詞、名詞句、動詞、動詞句に対応する品詞単位の音声情報に“再生後割り込み可能”な属性を与えるので、例えば、優先割込情報の再生が開始される直前に「が」や「に」等の助詞が再生されることで、それまで再生していた音声情報と優先割込情報とが文脈的につながってしまうことを防止できる。これにより、優先割込情報の意味がわかりにくくなることを防ぐことが可能となる。
【0022】
第7の特徴によれば、情報提供装置は、自車両の外部から自車両に入力される各種の情報を車々間通信または路車間通信で送受信する無線通信手段を備えたナビゲーション装置であるので、車々間通信または路車間通信によって受信されるリアルタイムな情報を受信し、さらに、優先度の高い優先割込情報を受信して乗員に提供することが可能となる。
【0023】
第8の特徴によれば、複数記憶された品詞単位の音声情報を所定の順序で並べることで、車両の乗員に提供する文章単位の音声情報セットを作成し、音声情報セットを再生中に該音声情報セットより優先度の高い優先割込情報が入力されると、現在再生中の音声情報セットの再生を中断して優先割込情報の再生を開始し、現在再生中の音声情報より優先度の高い優先割込情報が入力されると、少なくとも優先割込情報が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報の再生が完了した後に、優先割込情報の再生を開始するので、品詞単位の音声情報の途中で再生が途切れることによる違和感が生じることを防止できる。
【0024】
第9の特徴によれば、各種の情報は車々間通信または路車間通信によって送受信されるので、車々間通信または路車間通信によって受信されるリアルタイムな情報を受信し、さらに、優先度の高い優先割込情報を受信して乗員に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報提供装置の構成を示すブロック図である。
【図2】音声情報に記憶された品詞単位の音声情報および音声情報セットの概念図である。
【図3】品詞単位の音声情報に与えられる属性およびその性質を示す表である。
【図4】音声情報の提供中に優先割込情報が入力された場合の処理の流れを示す概念図である(割り込みタイミング1)。
【図5】音声情報の提供中に優先割込情報が入力された場合の処理の流れを示す概念図である(割り込みタイミング2)。
【図6】優先情報割り込み処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供装置1の構成を示すブロック図である。情報提供装置1は、自車両(以下、単に自車と示すこともある)の状態を検知する自車状態検知手段2と、他車両(以下、単に他車と示すこともある)の状態を検知する他車状態検知手段3と、この自車状態検知手段2および他車状態検知手段3からの情報に基づいて自車両の乗員に提供する各種の情報を作成する提供情報作成手段4とを備える。なお、情報提供装置1は、車両のナビゲーション装置に含めて構成することができる。なお、情報提供装置1は、ナビゲーション装置でなく、車々間通信または路車間通信の専用装置であってもよい。
【0027】
自車状態検知手段2には、GPS衛星から信号を受信して自車位置を検知するためのGPS(Global Positioning System)10、高度を検知する大気圧センサ11、車速を検知する車速センサ12、ブレーキ装置の操作状態を検知するブレーキセンサ13、ウィンカ装置(方向指示器)の操作状態を検知するウィンカセンサ14、車体の加速状態を検知する加速度センサ15からの各情報、さらに、前記GPS10によって検知された自車の位置を地図上に表示するための地図情報16がそれぞれ入力される。
【0028】
自車状態検知手段2は、上記した各入力情報に基づいて、自車の位置や走行状態および乗員の操作状態等を検知することができる。これにより、自車状態検知手段2は、例えば、「ブレーキ装置が作動すると共に右側のウィンカ装置が作動し、車両が右折レーンに移動した」ことに基づいて、自車が交差点で右折の準備を行っていることを推測検知したり、また、「高速道路の合流レーンで加速を開始すると共に右側のウィンカ装置が作動した」ことに基づいて、自車が高速道路の本線に合流しようとしていることを推測検知することが可能となる。
【0029】
さらに、自車状態検知手段2および他車状態検知手段3には、無線通信手段21からの情報が入力されている。無線通信手段21は、道路上に設置された路上アンテナ30との路車間通信によって、自車の位置補正情報、道路規制情報、信号情報、道路形状情報等を受信することができる。また、無線通信手段21は、自車と同様の通信機能を有する他車31との車々間通信によって、他車の位置情報、他車の車両情報、他車の操作情報を送受信することができる。この車々間通信によれば、自車に対する他車の接近速度や接近方向等のほか、例えば、他車が交差点で右折準備を行っていること等を検知することができる。
【0030】
そして、自車状態と、路車間通信および車々間通信によって受信した各種情報を組み合わせることで、例えば、自車が直進する交差点に右折待ちの対向車両が存在する場合に、他車の陰に隠れる等で乗員が目視できない状態でも、この右折待ち車両の存在を音声等によって乗員に知らせることが可能となる。このとき、さらに、自車が交差点を通過中に右折待ちの対向車両が右折を開始した場合には、これを優先度の高い緊急情報として現在提供中の情報に替えて優先的に知らせることも可能となる。
【0031】
本実施形態に係る情報提供装置1は、基本的には、スピーカ17によって再生される音声情報として乗員に提供する各種情報を提供するように構成されているが、光源18の点灯や点滅、振動子19の振動、モニタ20による映像や文字表示等をこの音声情報に併せて提供するように構成することができる。
【0032】
自車両の乗員に提供する情報を作成する提供情報作成手段4には、品詞単位の音声情報を複数記憶する音声情報記憶部9、この音声情報記憶部9に記憶されている複数の品詞単位の音声情報を所定の順序で並べることで文章単位の音声情報セットを作成する音声情報セット作成手段5、所定の音声情報セットを再生(提供)中にこの再生(提供)中の音声情報セットより優先度の高い優先割込情報が入力されると、現在再生(提供)中の音声情報セットの再生(提供)を中断して優先割込情報の再生(提供)を行う優先割込情報処理手段6とが含まれる。
【0033】
自車外から入力される各種の情報には、天気情報に関するものから他車の接近に対する警告に至るまで種々の種類があるが、本実施形態では、これらの各情報に予め優先順位を設定しておき、現在再生中の情報と新たに入力された情報との優先順位の比較等を優先割込情報処理手段6によって判定するように構成されている。優先割込情報処理手段6は、現在再生中の情報よりも上位の優先度を有する情報が入力され、かつ現在進行中の音声情報の再生を停止して上位の優先度を有する情報を乗員に伝達する必要がある場合に、後述する音声情報属性判断部7および音声情報セット再構成手段8を作動させる。
【0034】
なお、情報の優先度は、乗員への運転支援レベルに基づいて設定されている。この運転支援レベルは、情報提供<注意喚起<警報<制御(ブレーキアシスト等)の順で高くなるように設定されており、運転支援レベルが同じ情報が入力された場合には、注意の対象物までの距離が自車両から近い方の情報が優先されることとなる。
【0035】
図2は、音声情報記憶部9に記憶された品詞単位の音声情報Wおよび音声情報セットSの概念図である。音声情報記憶部9には、例えば、「前方」、「交差点」、「右折車両」、「に」、「が」、「してください」等の品詞単位の音声情報Wが複数記憶されている。
【0036】
音声情報セット作成手段5(図1参照)は、自車状態検知手段2および他車状態検知手段3から入力された情報に基づいて、現在乗員に提供すべきとして選択された情報を音声情報セットSとして構成する。例えば、「前方交差点に右折車両がいます。注意してください」等の文章単位の音声情報である音声情報セットSは、複数の品詞単位の音声情報Wを所定の順序で並べることによって作成される。
【0037】
図3は、品詞単位の音声情報Wに与えられる属性およびその特徴を示す表である。音声情報記憶部9に記憶された品詞単位の音声情報Wには、それぞれ、所定の属性が与えられている。このような属性の設定は、所定の音声情報を再生中に現在再生中の音声情報より優先度の高い優先割込情報が入力された際に、現在再生中の音声情報の再生を中断するために参照される。この図では、現在再生中の音声情報セットSが、「前方交差点に右折車両がいます。注意してください」である場合の例を示している。
【0038】
優先割込情報手段6は、所定の音声情報を再生中に現在再生中の音声情報より優先度の高い優先割込情報が入力された際に、優先割込情報が入力された時点(タイミング)より後の時点で現在再生中の音声情報の再生を中断して優先割込情報を再生するように設定されている。具体的には、所定の音声情報を再生中に現在再生中の音声情報より優先度の高い優先割込情報が入力された際でも、少なくとも現在再生中の品詞単位の音声情報Wの再生が終了しない限り、優先割込情報の再生を行わないように設定されている。これにより、音声情報Wの語尾が中途半端に途切れることで違和感が生じることを防止し、かつ優先割込情報の内容を乗員が理解しやすくすることができる。
【0039】
表中に示した属性としての“再生後割り込み可能”は、この音声情報を再生した後に優先割込情報の再生が開始できることを意味する。この“再生後割込可能”な属性は、「交差点」、「右折車両」、「います」、「注意」、「してください」等の名詞(句)および動詞(句)に与えられる。
【0040】
また、属性としての“再生後割り込み不可能”は、この音声情報を再生した後でも優先割込情報の再生が開始できないことを意味する。この“再生後割り込み不可能”な属性は、上記した“再生後割り込み可能”な語を除いた語、すなわち、この図の例では、「前方」、「に」、「が」に与えられる。
【0041】
また、属性としての“省略可能”および“省略不可能”は、優先割込情報が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報の属性が“再生後割り込み不可能”である場合にのみ考慮されるものである。
【0042】
具体的には、優先割込情報が入力された時点で再生中の音声情報が“再生後割り込み不可能”であった場合に、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報の手前に“省略可能”な音声情報が配置されていればこれを省略し、“省略不可能”であれば省略せずに再生するものである。上記したような属性の区別は、優先割込情報処理手段6の音声情報属性判断部7によって実行される。この図の例では、注意する方向および対象物を表す「前方」および「右折車両」の語に“省略不可能”な属性が与えられており、その他の語、すなわち、「交差点」、「に」、「が」、「います」、「注意」、「してください」の各語に“省略可能”な属性が与えられている。
【0043】
なお、各属性の付与には種々の例外を設けることができる。例えば、音声情報「交差点」は、通常時の属性は“再生後割り込み可能”であるものの、“省略不可能”な音声情報の前に配置されている場合には、“再生後割り込み不可能”に変化する。
【0044】
また、音声情報「います」は、通常時の属性は“省略可能”であるものの、現在再生中の助詞や形容詞につながる次の語となる場合には“省略不可能”に変化するように設定されている。具体的には、音声情報「います」は、その直前に配設されている音声情報「が」の再生中には、その属性が“省略不可能”に変化する。
【0045】
以下、図4および5を参照して、本実施形態に係る音声情報の属性を利用した優先情報の割り込み処理を説明する。
【0046】
図4および5は、音声情報セットSの提供中に優先割込情報Y1が入力された場合の処理の流れを示す概念図である。この両図では、現在再生中の音声情報セットSが「前方交差点に右折車両がいます。注意してください」であると共に、優先割込情報Y1が「右から車が来ます。注意してください」である場合に、音声情報セットSの再生中にそれぞれ異なるタイミングで優先割込情報Y1が入力された場合を示している。
【0047】
この図の例では、音声情報セットSが計8個の音声情報W1〜W8で構成されている。音声情報W1の「前方」、音声情報W2の「交差点」、音声情報W3の「に」には、それぞれ“再生後割り込み不可能”の属性が与えられており、音声情報W4の「右折車両」には、“再生後割り込み可能”の属性が与えられている。これらの属性は、優先割込情報処理手段6の音声情報属性判断部7によって検知され、割込タイミングに応じて行われる音声情報セットSの再構成は、音声情報セット再構成手段8によって実行される。
【0048】
そして、図4に示すように、音声情報W3の再生中に優先割込情報Y1が入力された(割込タイミング1)場合は、音声情報W3の属性が“再生後割り込み不可能”であるため、音声情報W3の再生後も優先割込情報Y1を再生することができず、続く音声情報W4の再生を実行する。そして、音声情報W4に“再生後割り込み可能”の属性が与えられているため、音声情報W4の再生を終了した後に、優先割込情報Y1の再生を実行する。
【0049】
これにより、図4に示した割込タイミング1による再生結果1は、「前方交差点に右折車両。右から車が来ます。注意してください」となる。
【0050】
なお、前記したように、“再生後割り込み可能”な属性は、音声情報記憶部9に記憶された複数の品詞単位の音声情報Wのうち、名詞(句)および動詞(句)に与えられているため、例えば、優先割込情報Y1の再生が開始される直前に「が」や「に」等の助詞が再生されてしまい、それまで再生していた音声情報と優先割込情報Y1とが文脈的につながることで優先割込情報Y1の意味が把握しにくくなることを防止できる。
【0051】
一方、図5に示すように、音声情報W1の再生中に優先割込情報Y1が入力された(割込タイミング2)場合は、音声情報W1の属性が“再生後割り込み不可能”であるため、音声情報W1の再生後も優先割込情報Y1を再生することができない。このとき、音声情報セットSを参照すると、次に再生する予定の“再生後割り込み可能”な音声情報は、音声情報W4の「右折車両」であるため、少なくとも音声情報W4の再生が終了するまでは、優先割込情報Y1を再生することができない。しかしながら、音声情報セットSの配列中、音声情報W1とW4の間には、“省略可能”な属性が与えられた音声情報W2「交差点」および音声情報W3「に」が配置されているため、前記音声情報セット再構成手段8により、音声情報W2,W3を省略(削除)した音声情報セットSが再構成される。
【0052】
したがって、音声情報W1の次には音声情報W4が再生されることとなり、図5に示した割込タイミング2による再生結果2は、「前方右折車両。右から車が来ます。注意してください」となる。これにより、文脈に違和感を生じることなく、割込タイミング2から優先割込情報Y1が再生されるまでの時間を短縮することが可能となる。
【0053】
なお、図3で示した属性の例外において、音声情報「います」が、現在再生中の助詞や形容詞につながる次の語となる場合に、その属性が“省略可能”から“省略不可能”に変化すると説明したが、この例外設定により、音声情報「います」は、その直前に配置されている音声情報「が」の再生中に優先割込情報Y1が入力されると、その属性が“省略不可能”に変化する。これにより、例えば、音声情報「が」の再生直後に、「います」ではない他の動詞等が再生されてしまい、優先割込情報Y1の意味がわかりにくくなることを防ぐことができる。
【0054】
図6は、優先情報割り込み処理の手順を示すフローチャートである。ステップS1では、音声情報セットSを再生中か否かが判定され、肯定判定されるとステップS2に進む。ステップS2では、優先割込情報処理手段6によって優先割込情報Y1が入力されたか否かが判定され、肯定判定されるとステップS3に進む。なお、ステップS1,S2で否定判定されると、それぞれ、ステップS1の判定に戻る。
【0055】
ステップS3では、再生中の音声情報の属性が“再生後割り込み可能”であるか否かが音声情報属性判断部7によって判定される。ステップS3で否定判定されると、ステップS5に進み、音声情報セット再構成手段8が、音声情報セットSの未再生部分から“省略可能”な語を省略して、新たな音声情報セットSを再構成する。続くステップS6では、再構成された音声情報セットSの再生を継続し、ステップS3の判定に戻る。
【0056】
一方、ステップS3で肯定判定されると、ステップS4に進んで、提供情報作成手段4が“再生後割り込み可能”な語を再生した後に、優先割込情報Y1を再生して、一連の制御を終了する。
【0057】
なお、優先情報割り込み処理の手順は、入力された情報の種類等に応じて種々の変形が可能である。例えば、現在再生中の音声情報と優先割込情報との間で、注意する方向が同じ場合には、新たな接続詞を伴って方向情報を除いた情報を連続提示すると、情報をスムーズに伝達することができ、違和感を少なくすることができる。具体的には、現在再生中の音声情報が「前方に右折車両がいます。注意してください」であり、かつ優先割込情報が「前方に停止車両があります。注意してください」である場合には、新たな接続詞としての「と」を伴うことで、「前方に右折車両と停止車両があります。注意してください」からなる一文に再構成して提供することができる。
【0058】
また、“省略可能”な品詞単位の音声情報が、優先割込情報を包括することが可能なときは、省略する語を最小限に抑えると共に音声情報の再生を中断しないようにすると、中断回数や省略語句が減少し、違和感をさらに少なくすることができる。
【0059】
上記したように、本発明に係る情報提供装置によれば、現在提供中の音声情報Sより優先度の高い優先割込情報Y1が入力されると、少なくとも優先割込情報Y1が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報の再生が完了した後に、優先割込情報Y1の再生を開始するので、品詞の途中で音声情報の再生が途切れることによる違和感が生じることを防ぐことができる。
【0060】
また、現在提供中の音声情報より優先度の高い優先割込情報Y1が入力された際に、優先割込情報Y1が入力された時に再生中の品詞単位の音声情報の属性が“再生後割り込み可能”であると、当該品詞単位の音声情報を再生した後で優先割込情報Y1の提供を開始し、一方、優先割込情報Y1が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報の属性が“再生後割り込み不可能”であると、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報の再生が完了した後に優先割込情報の再生を開始するので、再生後割り込み可能または再生後割り込み不可能な属性を品詞単位で規定することにより、音声情報の言葉に違和感や唐突感がなくなり、乗員がより優先割込情報の内容を理解しやすくなる。
【0061】
なお、品詞単位の音声情報の内容、音声情報セットの文章の内容、提供情報に対する優先度の設定方法、音声情報に対する属性の設定等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。
【0062】
例えば、優先割込情報処理手段は、外部から入力された情報の優先度や内容に応じて、本願発明のように、少なくとも品詞単位の音声情報の再生が終了してから優先割込情報の再生を実行する方法と、優先割込情報が入力されると現在再生中の音声情報の再生を直ちに中断して優先割込情報を再生する方法とを状況に応じて切り換えることができる。例えば、現在再生中の音声情報が天気予報であり、優先割込情報が他車の接近に対する警告である場合には、お互いの情報の種類および使用する語句が大きく異なるため、天気予報が突然中断してもこれに続く優先割込情報が理解しにくくなる可能性が低い。これにより、天気予報を直ちに中断して優先割込情報が再生されるまでの時間を短縮することができる。なお、このような割込方法を乗員が任意に選択できるように構成することもできる。
【0063】
また、優先割込情報が入力された際には、一定以上の再生時間が必要な映像等の視覚情報やメロディ等の音声情報、また、振動子によるリズム振動等を同時に提供することが可能である。例えば、映像の場合はカット割り、メロディの場合は小節、振動の場合はリズムの小節単位で提供することができる。これにより、現在提供中であった音声情報が中断されたことを乗員に認識させて、情報提供装置の信頼性を高めることができる。なお、本発明に係る情報提供装置は、特に、映像等を表示する画面等の設置スペースが少ないために音声情報による情報提供が有効な自動二輪車に好適であるが、鞍乗型の三/四輪自動車や車室を有する四輪自動車等の各種車両に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…情報提供装置、2…自車状態検知手段、3…他車状態検知手段、4…提供情報作成手段、5…音声情報セット作成手段、6…優先割込情報処理手段、7…音声情報属性判断部、8…音声情報セット再構成手段、10…GPS、16…地図情報、17…スピーカ、21…無線通信手段、30…路上アンテナ、31…他車、S…音声情報セット、W1〜W8…品詞単位の音声情報、Y1…優先割込情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に入力された各種の情報に基づいて、前記自車両の乗員に提供する音声情報を作成する情報提供装置(1)において、
複数の品詞単位の音声情報(W)を記憶する音声情報記憶部(9)と、
前記音声情報記憶部(9)に記憶されている前記品詞単位の音声情報(W)を所定の順序で並べることで文章単位の音声情報セット(S)を作成する音声情報セット作成手段(5)と、
前記音声情報セット(S)を再生中に該音声情報セット(S)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、現在再生中の音声情報セット(S)の再生を中断して前記優先割込情報(Y1)の再生を開始する優先割込情報処理手段(6)とを具備し、
前記優先割込情報処理手段(6)は、現在再生中の音声情報(W)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、前記優先割込情報(Y1)が入力された時点より後の時点で、現在再生中の音声情報セット(S)の再生を中断して前記優先割込情報(Y1)の再生を開始することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記優先割込情報処理手段(6)は、現在再生中の音声情報(W)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、少なくとも前記優先割込情報(Y1)が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報(W1,W3)の再生が完了した後に、前記優先割込情報(Y1)の再生を開始することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記複数の品詞単位の音声情報(W)には、それぞれ、当該音声情報(W)を再生した後に前記優先割込情報(Y1)の再生が開始できる“再生後割り込み可能”の属性か、または、当該音声情報を再生した後でも前記優先割込情報(Y1)の再生が開始できない“再生後割り込み不可能”の属性のいずれかが与えられており、
前記優先割込情報処理手段(6)は、現在再生中の音声情報セット(S)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力された際に、その時点で再生中の品詞単位の音声情報(W4)の属性が“再生後割り込み可能”である場合には、当該品詞単位の音声情報(W4)を再生した後で前記優先割込情報(Y1)の再生を開始し、
一方、前記優先割込情報(Y1)が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報(W3)の属性が“再生後割り込み不可能”である場合には、前記音声情報セット(S)の再生を継続して、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報(W4)の再生が完了した後に前記優先割込情報(Y1)の再生を開始することを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記音声情報記憶部(9)に記憶された複数の品詞単位の音声情報(W)には、さらに、“省略可能”または“省略不可能”な属性のいずれかが与えられており、
前記優先割込情報処理手段(6)は、現在再生中の音声情報セット(S)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力された際に、その時点で再生中の品詞単位の音声情報(W4)の属性が“再生後割り込み可能”であると、当該品詞単位の音声情報(W4)を再生した後で前記優先割込情報(Y1)の再生を開始し、
一方、前記優先割込情報(Y1)が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報(W3)の属性が“再生後割り込み不可能”であると、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報(W4)までの間に配置されている“省略可能”な音声情報(W2,W3)を省略して前記音声情報セット(S)の再生を継続し、次に再生される予定の“再生後割り込み可能”な音声情報(W4)の再生が完了した後に前記優先割込情報(Y1)の再生を開始することを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記音声情報記憶部(9)は、乗員が注意すべき方向および注意の対象に対応する品詞単位の音声情報(W)に“省略不可能”な属性を与えることを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記音声情報記憶部(9)は、名詞、名詞句、動詞、動詞句に対応する品詞単位の音声情報(W)に“再生後割り込み可能”な属性を与えることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記情報提供装置(1)は、自車両の外部から自車両に入力される各種の情報を車々間通信または路車間通信で送受信する無線通信手段(21)を備えたナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項8】
自車両の外部から前記自車両に入力される各種の情報に基づいて、前記自車両の乗員に提供する音声情報を作成する情報提供方法において、
複数記憶された品詞単位の音声情報(W)を所定の順序で並べることで、前記自車両の乗員に提供する文章単位の音声情報セット(S)を作成し、
前記音声情報セット(S)を再生中に該音声情報セット(S)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、現在再生中の音声情報セット(S)の再生を中断して前記優先割込情報(Y1)の再生を開始し、
現在再生中の音声情報(W)より優先度の高い優先割込情報(Y1)が入力されると、少なくとも前記優先割込情報(Y1)が入力された時点で再生中の品詞単位の音声情報(W1,W3)の再生が完了した後に、前記優先割込情報(Y1)の再生を開始することを特徴とする情報提供方法。
【請求項9】
前記各種の情報は、車々間通信または路車間通信によって送受信することを特徴とする請求項8に記載の情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−247960(P2011−247960A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118694(P2010−118694)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】