説明

情報提供装置及びプログラム

【課題】ある調査対象に関する情報をその調査対象の休業日や営業時間外でも遠隔地から確実に取得できるようにする。
【解決手段】情報提供サーバ5に接続されたDB5には、予め登録された会員の携帯端末装置4から定期的に送信される位置情報の履歴が蓄積されている。情報提供要求者は、端末装置3を用いて情報提供サーバにアクセスし、ある施設に関する情報の提供を要求する。情報提供サーバ2は、所定の期間に、その施設から所定距離内に位置した会員を、DB5に蓄積されている位置情報の履歴に基づいて特定し、その会員の携帯端末装置4へ回答を依頼するメールを送信する。情報提供サーバ2は、回答を受信すると、情報提供要求者の端末装置3へ、回答があったことを通知するメール及び回答を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある調査対象に関する情報を、その調査対象のある場所を含むエリアに居た人に問い合わせて取得し、提供することのできる情報提供装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストラン、店舗、遊園地等の施設に関する情報(営業日、営業時間、混み具合など)を知るには、それらの施設に電話で問い合せるか、現地へ行って自ら確認することが一般的である。ホームページを開設している施設であれば、ホームページで確認することもできる。
【0003】
また、これらの施設の混み具合や順番待ちの行列の長さなどの現況について、現地へ行かずに遠隔地から知ることの出来るシステムとして、サーバと、依頼者端末装置と、GPS(Global Positioning System)情報送信機能付きの移動通信端末装置とを有し、依頼者端末装置からサーバに対し、レストランなどの現況を問い合わせたとき、サーバは、そのレストランなどの近くに位置する移動通信端末装置に対し、そのレストランなどの現況に関する回答依頼をメールで送信し、その移動通信端末のユーザからの回答を依頼者端末装置へ送信することにより、レストランなどの現況を知ることのできる情報提供システムがある(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、電話による問い合わせは営業時間外は出来ない。ホームページによる確認であれば営業時間外でも出来るが、ホームページを開設していない施設の場合は出来ないし、開設していても必要な情報が公開されているとは限らない。また、上記情報提供システムの場合、偶々施設の近くに居るユーザに情報提供を依頼することから、施設の休業日や営業時間外には情報提供を依頼することのできるユーザが居らず、情報提供を受けられない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−227841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ある調査対象に関する情報をその調査対象の休業日や営業時間外つまり何時でも遠隔地から確実に取得できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報提供装置は、予め登録された情報提供者の位置情報の履歴を保存する履歴情報データベースと、情報提供要求者の端末装置から送信された、調査対象に関する情報提供要求を受け付ける情報提供要求受付手段と、所定期間に前記調査対象を含む所定のエリアに居た情報提供者を、前記履歴情報データベースを参照して特定する情報提供者特定手段と、前記特定した情報提供者の端末装置に対し、前記情報提供要求に対する回答の依頼を送信する回答依頼送信手段と、その端末装置からの回答を受信する回答受信手段と、受信した回答を前記情報提供要求者の端末装置へ送信する回答送信手段と、を有することを特徴とする情報提供装置である。
本発明のプログラムは、予め登録された情報提供者の位置情報の履歴を保存する履歴情報データベースを有する情報提供装置のコンピュータを、本発明の情報提供装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
【0008】
[作用]
本発明の情報提供装置は、情報提供要求者の端末装置から、ある調査対象に関する情報提供の要求を受けたとき、所定期間に、その調査対象を含む所定のエリアに居た情報提供者を、予め登録されている情報提供者の位置情報の履歴に基づいて特定し、その特定された情報提供者に回答を依頼する。次いで、情報提供者から送信された回答を受信し、情報提供要求者の端末装置へ送信することで、情報提供要求者に対して上記調査対象についての情報を要求に応じて何時でも提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報提供要求者は、調査対象に関する知りたい情報を、その調査対象の休業日や営業時間等に関係なく、実際にその調査対象のある場所に行った人或いはそばに居た人の体験に基づく情報として何時でもどこからでも自由に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態の情報提供システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の情報提供サーバ及びデータベースのブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の情報提供システムにおける履歴データ登録手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態の情報提供システムにおける情報提供要求から情報取得までの手順の一例を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における質問入力画面、及び質問・回答DBに保存される質問情報を示す図である。
【図6】情報提供要求に対する回答を依頼する情報提供会員の範囲を示す地図である。
【図7】情報提供要求に対する回答を依頼する情報提供会員の履歴情報を示す図である。
【図8】情報提供会員の端末装置における回答入力画面を示す図である。
【図9】情報提供会員からの回答結果のリストを示す図である。
【図10】図9のリスト中の1番目の回答の内容を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の情報提供システムにいて、情報提供サーバが情報提供要求を受けたときの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の情報提供システムは、図1に示すように、インターネットなどのネットワーク1と、ネットワーク1に接続される情報提供サーバ2、端末装置3、及び位置情報送信機能付き携帯端末装置4を含み、情報提供サーバ2にはDB(データベース)5が接続される。なお、DB5は、ネットワーク1上に設けてもよいし、情報提供サーバ2に内蔵させてもよい。
【0012】
端末装置3は、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、PND(Personal Navigation Device)などからなる。本実施形態の情報提供サービスを利用して情報提供を要求することの出来る情報提供要求者(質問者)として登録を行った会員(以下、情報要求会員と言う)は、端末装置3を用い、ネットワーク1を介して情報提供サーバ2にアクセスすることで、所定の情報提供サービスを受けることができる。
【0013】
位置情報送信機能付き携帯端末装置4は、GPS受信機やVICS(Vehicle Information and Communication System)受信機を内蔵した携帯電話機、PDAなどからなる。情報要求会員からの情報提供要求に応じて回答する情報提供者(回答者)として登録を行った会員(以下、情報提供会員と言う)の位置情報送信機能付き携帯端末装置4は、定期的にネットワーク1を介して情報提供サーバ2にアクセスし、GPS受信機で測定した自己位置情報(経度情報、緯度情報、時間情報等)やVICS受信機で取得した同様な情報を送信する。
【0014】
情報提供サーバ2は、情報提供サービスを運営する企業等に設置されている情報処理装置であり、パーソナルコンピュータやワークステーションなどからなり、予め登録された会員に各種情報提供サービスを行う。
【0015】
DB5は、図2に示すように会員情報DB51、地図情報DB52、履歴情報DB53、及び質問・回答情報DB54からなる。
会員情報DB51には、情報要求会員及び情報提供会員に関する情報が保存されている。ここで、情報要求会員に関する情報としては、会員番号、氏名、年齢、メールアドレス、ユーザID、パスワードなどがあり、情報提供会員に関する情報としては、会員番号、氏名、年齢、性別、メールアドレス、回答数、回答に対するユーザからの評価ポイント数、還元ポイント数などがある。なお、情報要求会員としての会員登録と、情報提供会員としての会員登録とは、共通でも個別でもよい。即ち、各人が双方の登録を個別に可能にしてもよいし、双方の登録のみを可能にしてもよい。
【0016】
地図情報DB52には、地図の画像データ(ベクトルデータ、ラスタデータ、時間情報等)、行政区、商業エリアなどの情報が保存されている。履歴情報DB53には、情報提供会員が所有する位置情報送信機能付き携帯端末装置4から定期的に送信された位置情報の履歴が保存されている。質問・回答情報DB54には、情報要求会員からの質問(情報提供要求の内容)と、それに対する情報提供会員からの回答とが関連付けられて保存されている。これらの情報の詳細については後述する。
【0017】
情報提供サーバ2は、通信制御手段21、会員情報管理手段22、地図情報管理手段23、履歴情報管理手段24、及び質問・回答情報管理手段25からなる。これらの手段は、情報提供サーバ2に内蔵されているCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)内のプログラムを読み出し、RAM(Random Access Memory)をワークエリアとして使用することにより実現される機能ブロックである。
【0018】
通信制御手段21は、端末装置3及び携帯端末装置4と、会員情報管理手段22、地図情報管理手段23、履歴情報管理手段24、及び質問・回答情報管理手段25との間のデータ通信制御を行う。会員情報管理手段22、地図情報管理手段23、履歴情報管理手段24、及び質問・回答情報管理手段25は、それぞれ会員情報DB51、地図情報DB52、履歴情報DB53、及び質問・回答情報DB54を管理するとともに、通信制御手段21との間で必要なデータのやりとりを行う。
【0019】
以上の構成を有する本実施形態の情報提供システムの動作を説明する。
本実施形態の情報提供システムの動作を詳細に説明するに先立ってまず、その動作を概略的に説明する。
【0020】
情報要求会員が自身の端末装置3から情報提供サーバ2にアクセスし、情報提供要求メッセージ(例えば有楽町三丁目のラーメン屋Pのおすすめメニュー、混雑時間帯、年末の営業日及び営業時間を教えて下さい。)を送信する。
【0021】
情報提供サーバ2は、端末装置3からの情報提供要求を受信すると、DB5を検索して、携帯端末装置4を所有する情報提供会員のうち、所定期間(例えば過去三日間)にラーメン屋Pを含む所定のエリア(例えば有楽町三丁目、或いはラーメン屋Pから半径500m以内など)に居たことのある情報提供会員を、そこに保存されている情報提供会員の携帯端末装置4の位置情報の履歴から特定し、その情報提供会員の携帯端末装置4へ、情報提供要求に対する回答(情報提供)を依頼するメールを送信する。
【0022】
情報提供サーバ2は、携帯端末装置4からの回答を受信すると、回答があったことを通知するメール及びその回答を端末装置3へ送信する。この回答はメールの添付ファイルとして送信してもよいし、メール本文中に回答にリンクしたURLを記載してもよい。端末装置3のユーザは、メールにより会員からの回答を受信して必要な情報を得ることができる。
【0023】
次に、以上で概略的に示した情報提供装置の動作を順に説明する。
図3は、履歴情報DB53に携帯端末装置4の位置情報の履歴を登録する手順を示すフローチャートである。
この図において、携帯端末装置4側のフローが一定時間毎に起動されると、情報提供サーバ2に対し、接続要求信号を送信する(ステップS1)。この接続要求信号には、携帯端末装置4の端末識別情報、例えば携帯電話番号、ユーザID、端末番号が含まれている。
【0024】
この接続要求信号が情報提供サーバ2の通信制御手段21で受信されると、情報提供サーバ2側のフローがスタートする。通信制御手段21は、接続要求信号中の端末識別情報を会員情報管理手段22に渡す。会員情報管理手段22は、渡された端末識別情報が会員情報DB51に存在するか否かを調べ、その結果を通信制御手段21に通知する。
【0025】
通信制御手段21は、会員情報管理手段22から「存在する」との通知を受けた場合は、携帯端末装置4に対し、接続応答信号(OK)を送信し、「存在しない」との通知を受けた場合は、携帯端末装置4に対し、接続応答信号(NG)を送信する(ステップS2)。ここでは、接続応答信号(OK)を送信したものとする。
【0026】
接続応答信号(OK)を受信した携帯端末装置4は、内蔵するGPS受信機で測定した位置情報を情報提供サーバ2へ送信する(ステップS3)。情報提供サーバ2内の通信制御手段21は、受信した位置情報を履歴情報管理手段24に渡す。履歴情報管理手段24は、渡された位置情報を履歴情報DB53に登録する。
【0027】
このように、図3に示す処理により、会員情報DB51に登録されている情報提供会員の携帯端末装置4の位置情報が会員毎に一定時間毎に会員情報DB51に登録される。そのため、会員情報DB51には、情報提供会員毎の一定時間毎の居場所の履歴情報が保存される。なお、携帯端末装置4の位置情報の送信のタイミングは、一定時間毎に限らず、例えば位置の変化量が閾値を超える毎にすることもできる。また、携帯端末装置4と情報提供サーバ2との間のネットワーク1上の携帯電話機基地局(図示せず)に設けたサーバにより、GPS位置データ及び電話番号を登録するとともに、それを情報提供サーバ2へ転送するように構成することもできる。
【0028】
次に、情報要求会員が端末装置3を用いて情報提供要求を開始してから要求した情報を受け取るまでの情報提供システムの動作について、図4を参照して説明する。
情報要求会員が端末装置3を用いて情報提供サーバ2にアクセスすると、端末装置3のディスプレイには、ユーザID及びパスワードを入力するためのログイン画面が表示される。このとき、会員登録していないユーザの新規登録のための入力欄も同時に表示することが好適である。情報要求会員が、ユーザID及びパスワードを入力すると、接続要求信号が情報提供サーバ2へ送信される(ステップS11)。
【0029】
情報提供サーバ2では、通信制御手段21が接続要求信号中のユーザID及びパスワードを会員情報管理手段22に渡す。会員情報管理手段22は、渡されたユーザID及びパスワードが会員情報DB51に存在するか否かを調べ、その結果(認証結果)を通信制御手段21に通知する(ステップS12)。
【0030】
通信制御手段21は、会員情報管理手段22からの通知に応じた接続応答信号を端末装置3へ送信する(ステップS13)。即ち、「登録済み・存在する」との通知(認証OK)を受けた場合は、端末装置3のディスプレイに質問を入力するための入力画面(以下、質問入力画面と言う)を表示させ、「未登録・存在しない」との通知(認証NG)を受けた場合は、ログイン画面にユーザID又はパスワードが誤りであり、正確に入力することを促すメッセージを表示させる。ここでは認証がOKであったものとする。
【0031】
情報要求会員は質問入力画面に質問を入力する。図5Aに、質問が入力されたときの質問入力画面を示す。質問入力画面には、質問対象場所の入力欄101、質問入力欄102、及び「上記で質問」ボタン103が配置されている。これらに加えて、回答期限、質問相手の年齢や性別などの入力欄を配置することもできる。情報要求会員がこれらの情報を入力した後、「上記で質問」ボタン103をクリックすると、情報提供サーバ2へ質問データが送信される(ステップS14)。
【0032】
情報提供サーバ2では、通信制御手段21が質問データを受信し、図5Bに示すような質問データ中の各種情報(会員番号、質問受付時刻、質問対象場所、質問内容)を質問・回答情報管理手段24に渡すとともに、質問データ中の質問対象場所を地図情報管理手段23に渡す(ステップS15)。
【0033】
質問・回答情報管理手段25は、通信制御手段21から受け取った各種情報を質問・回答情報DB54に登録する。一方、地図情報管理手段23は、通信制御手段21から受け取った質問対象地(場所)を基に地図情報DB52を参照して、質問対象地の位置情報(ここでは丸の内三丁目のエリア情報及びラーメン屋Pの位置情報)を取得し、履歴情報管理手段24に渡す。(ステップS16)。
【0034】
履歴情報管理手段24は、履歴情報DB53にアクセスして、地図情報管理手段23から受け取った位置情報が示す位置に所定期間(例えば過去三日間)に居た情報提供会員を特定して回答依頼者とし、そのリストを通信制御手段21に渡す(ステップS17)。
【0035】
ここでは、図6に示すように、丸の内三丁目はエリアAR1〜AR6からなり、エリアAR1内にラーメン屋Pが存在するものとした。履歴情報管理手段24は、過去三日間、即ち12月27日〜29日に、図6のエリアAR1〜AR6に居た情報提供会員の履歴情報を履歴情報DB53から読み出し、その情報提供会員のリストを通信制御手段21に渡す。
【0036】
図7に、12月27日〜29日に図6のエリアAR1〜AR6に居た情報提供会員の履歴情報を示す。図示のように、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、Gさん、Hさん、Iさん、Jさんの九人が該当する。この内、CさんとGさんは、それぞれ12月27日の12時45分から13時15分、12月28日の17時45分から18時30分にラーメン屋P内に滞在していたか或いは滞在していたと推定される。
【0037】
通信制御手段21は、履歴情報管理手段24から受け取った情報提供会員のリスト(ここでは、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、Gさん、Hさん、Iさん、Jさん)を会員情報管理手段22に渡して、会員情報DB51にアクセスさせ、リスト中の情報提供会員のメールアドレスを報告させる。そして、報告された携帯端末装置4に質問があることをメールで通知する(ステップS18)。携帯端末装置4を所持している情報提供会員がメールを開き、所定の操作を行うと、ディスプレイに質問の内容及び回答入力欄が表示された画面(以下、回答入力画面と言う)が表示される。
【0038】
携帯端末装置4を所持している情報提供会員は、質問に対する答え(ここでは、丸の内三丁目のラーメン屋Pのおすすめメニュー、混雑時間帯、年末の営業日及び営業時間)を知っていて回答することができる場合は回答する。図8に回答が入力されたときの回答入力画面を示す。図示のように、回答入力欄111に回答を入力した後、「上記で回答」ボタン112をクリックすると、情報提供サーバ2へ回答データが送信される(ステップS19)。
【0039】
情報提供サーバ2では、通信制御手段21が回答データを受信し、回答の内容を質問・回答情報管理手段25に渡す。質問・回答情報管理手段25は、受け取った回答を質問に関連付けて、質問・回答情報DB54に登録する。このとき、通信制御手段21が回答データを会員情報管理手段22に渡し、会員情報管理手段22が会員情報DB51にアクセスして、回答を行った情報提供会員の還元ポイント数をインクリメントしてもよい。
【0040】
情報提供サーバ2には、一人以上の情報提供会員からの回答が登録される。ここでは、Cさん、Gさん、Hさん、Iさん、Jさんの五人の回答が登録されたものとする。質問・回答情報管理手段25は、五人分の回答を質問・回答情報DB54から読み出し、所定の編集(編集内容については後述する)を行った後に通信制御手段21に渡す(ステップS21)。通信制御手段21は、回答があったことを通知するメール及び編集された回答を情報要求会員の端末装置3へ送信する(ステップS22)。この回答はメールの添付ファイルとして送信してもよいし、メール本文中に回答にリンクしたURLを記載してもよい。
【0041】
情報要求会員が端末装置3に着信したメールを開き、所定の操作を行うと、ディスプレイに回答が表示される。ここで、表示される回答は質問・回答情報管理手段25により編集されたものである。以下、編集の例について説明する。
【0042】
図9に示すように、五人分の回答を予め定めた評価値を基に順位を定めて並べている。順位を決める評価値としては、(1)ラーメン屋Pを含むエリアAR1に居た情報提供会員からの回答は、その他のエリアAR2〜AR6に居た情報提供会員からの回答よりも評価値を大きくする、(2)エリアAR1内に居た情報提供会員同士では、ラーメン屋Pの店内に居た情報提供会員からの回答は、店内にいなかった情報提供会員からの回答よりも評価値を大きくする、(3)過去の回答に対する質問者による評価ポイント数の大きい情報提供会員からの回答の評価値を大きくする、(4)エリアに居た時間が現時点に近い情報提供会員からの回答の評価値を大きくする、などがあり、これらの条件に所定の重み付けを行うことで、リストの表示順位を定める。図9の画面上の「並べ替え」ボタン121をクリックし、プルダウンメニューを用いることで、所望の評価値に応じた表示に切り換えることができる。
【0043】
図9に示す画面上で、例えばリストの1番をクリックすると、図10に示すように、Gさんの回答が表示される。この画面には、質問及び回答の内容、回答に関する情報(回答者、回答時刻など)、ラーメン屋Pの画像(静止画、動画)130、評価ボタン131などが表示される。
【0044】
情報要求会員が、この回答が役に立ったと思い、評価ボタン131を「はい」にしてクリックすると、評価ポイントデータが情報提供サーバ2へ通知され(ステップS23)、会員情報管理手段22により、会員情報DB51上のGさんの評価ポイント数が更新される(ステップS24)。なお、図10において、「この回答が役に立ちましたか?」の質問及び「はい」ボタン131に代えて、「回答者を評価して下さい」のメッセージ及び、「良い」、「普通」、「悪い」のボタンを表示することもできる。
【0045】
質問・回答情報管理手段25による回答の編集の内容としては、上述した評価値に応じたリスト表示の他に、評価値に応じた表示サイズの設定がある。即ち、質問者の端末装置3のディスプレイに、評価値の大きい情報提供会員の回答ほど大きく表示させるのである。
【0046】
以上詳細に説明したように、本発明の第1の実施形態の情報提供システムによれば、ある施設に関する情報提供要求を受けたとき、所定の期間(例えば過去三日間)に、その施設を含む所定のエリアに居た情報提供会員に対して情報提供を依頼し、その回答を情報要求会員に通知するので、その施設に関する情報をその施設の休業日や営業時間外でも遠隔地から取得できる可能性が高まる。
また、複数の回答が得られた場合、所定の評価値に基づいて、それらの回答を編集してから情報要求会員へ送信するので、信頼性の高い情報を提供することができる。
【0047】
[第2の実施形態]
図11は、本発明の第2の実施形態の情報提供システムにいて、情報提供サーバが情報提供要求を受けたときの処理を示すフローチャートである。この処理以外は第1の実施形態と同じである。
【0048】
この処理は図4のステップS15に続いて実行される、まず、質問・回答情報管理手段25は、通信制御手段21から質問データ中の各種情報(会員番号、質問受付時刻、質問対象場所、質問内容)を受け取ると、質問・回答情報DB54を参照し(ステップS31)、過去に同じ質問及びその回答があり、それが保存されているか否かを調べる(ステップS32)。
【0049】
調べた結果、保存されている場合は(S32:YES)、その回答から所定期間経過しているか否か調べ(ステップS33)、経過していなかった場合は(S33:NO)、質問・回答情報DB54に保存されている回答を編集して、質問者の端末装置3へ送信する(ステップS34)。
【0050】
一方、過去の同じ質問及びその回答が保存されていない場合(S32:NO)、及び保存されていても所定期間経過している場合(S33:YES)は、図4のステップS16〜S22を実行する(ステップS35)。
【0051】
本実施形態によれば、過去の同じ質問と回答が保存されており、それが古くない場合、情報要求会員が質問を入力してから回答を得るまでの時間を短縮することができる。
【0052】
本発明は、上述した第1、第2の実施形態に対して下記(1)〜(6)のような変形が可能である。
(1)図4のステップS20、S21において、質問に対する回答が無い場合は、回答を依頼する情報提供会員の居たエリア、居た日時の範囲を拡大する。また、回答依頼対象となった情報提供会員が複数の端末を所有し、それらが会員情報DBに登録されている場合は、複数の端末へ質問を送信する。
これにより、質問に対する回答が得られる可能性が増大する。
【0053】
(2)図4のステップS17で、履歴情報管理手段24は、回答を拒否することが分かっている情報提供会員を除いたリストを通信制御手段21に渡す。
これにより、無駄な回答依頼を防止することができる。
【0054】
(3)図10の回答表示画面上の「丸の内三丁目ラーメン屋P」の文字、或いはラーメン屋Pの画像130をクリックすることにより、端末装置3がその店のホームページにアクセスする。このアクセスをポイントとして、携帯端末装置4を登録して情報を提供した情報提供会員へポイントを還元する。情報提供会員は、情報を提供することによりポイントを還元され、さらに、情報要求者が提供された情報にアクセスした場合にもポイントを還元するようにすることもできる。
【0055】
(4)情報提供サーバ2は、携帯端末装置4から回答を受信したとき、回答した情報提供会員の会員情報DB51に還元ポイントとして登録する。また、ラーメン屋Pから回答した情報提供会員へのクーポンの提供のためのデータを登録する。
これにより、回答した情報提供会員は回答を行ったことによるメリットを情報サービス提供会社及びラーメン屋Pの双方から得られる。
【0056】
(5)図10の回答画面上に、ラーメン屋Pの周辺の地図、及び地図上の店舗などの広告を表示する。
これにより、広告対象者を絞った広告が出来るため、広告効果の向上が期待できる。
【0057】
(6)情報要求会員としての登録を行わなくても情報提供サービスを受けられるようにする。また、アフィリエイトの利用、他のWebサイトやSNS(Social Networking Service)或いはブログ経由で情報提供サービスを受けられるようにする。また、情報提供要求を行った人(情報要求会員、会員以外)にポイントを還元してもよい。
これらにより、情報提供サービスの早期の普及が期待できる。
【符号の説明】
【0058】
1・・・ネットワーク、2・・・情報提供サーバ、3・・・情報提供要求者の端末装置、4・・・回答者の携帯端末装置、21・・・通信制御手段、22・・・会員情報管理手段、23・・・地図情報管理手段、24・・・履歴情報管理手段、25・・・質問・回答情報管理手段、51・・・会員情報DB、52・・・地図情報DB、53・・・履歴情報DB、54・・・質問・回答情報DB。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された情報提供者の位置情報の履歴を保存する履歴情報データベースと、
情報提供要求者の端末装置から送信された、調査対象に関する情報提供要求を受け付ける情報提供要求受付手段と、
所定期間に前記調査対象を含む所定のエリアに居た情報提供者を、前記履歴情報データベースを参照して特定する情報提供者特定手段と、
前記特定した情報提供者の端末装置に対し、前記情報提供要求に対する回答の依頼を送信する回答依頼送信手段と、
その端末装置からの回答を受信する回答受信手段と、
受信した回答を前記情報提供要求者の端末装置へ送信する回答送信手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載された情報提供装置において、
受信した回答を所定の評価値に基づいて編集する回答編集手段を有し、回答送信手段は、前記回答編集手段により編集された回答を送信することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載された情報提供装置において、
回答編集手段は、複数の回答を評価値に応じた順位で配列することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項2に記載された情報提供装置において、
回答編集手段は、情報提供要求者の端末装置での回答の表示サイズを評価値に応じたサイズに設定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1に記載された情報提供装置において、
情報提供要求の内容と、それに対する回答を関連付けて保存する質問・回答情報データベースと、
情報提供要求受付手段で受け付けた情報提供要求の内容及びその回答が前記質問・回答情報データベースに保存されているか否かを判定する判定手段と、
その判定手段により存在すると判定された場合、回答候補者特定手段、回答依頼送信手段、回答受信手段を動作させず、前記回答送信手段が、前記質問・回答情報データベースに保存されている回答を送信するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項1に記載された情報提供装置において、
情報提供者に関する情報を保存する情報提供者情報データベースと、回答受信手段による回答の受信に基づいて、前記情報提供者情報データベース上の前記回答を送信した端末装置に対応する情報提供者の還元ポイントを更新する手段を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
予め登録された情報提供者の位置情報の履歴を保存する履歴情報データベースを有する情報提供装置のコンピュータを、請求項1に記載された情報提供装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−217952(P2010−217952A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60606(P2009−60606)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)