説明

情報提供装置及び情報提供システム

【課題】様々な情報を地図情報と関連付けて総合的に提供すること。
【解決手段】施設情報、観光情報、イベント情報、気象情報、災害情報、公共交通機関情報、及び渋滞情報の少なくとも二つを含むカテゴリを有し、該カテゴリ別に位置情報とその位置における詳細情報とが関連付けられて格納されている第2記憶部22を有し、ユーザ端末に対してある地域の地図情報を送る際に、その地域に関する各カテゴリの詳細情報を第2記憶部22から読み出し、読み出した情報を地図情報とともにユーザ端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して情報を提供する情報提供装置及び情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信技術等の発達により、PDA(Personal DigitalAssistants:個人用情報機器)、携帯電話機、携帯用パーソナルコンピュータ等の携帯端末において、様々な情報を取得することが可能となっている。例えば、ユーザが指定した目的地の地図情報を表示させるだけでなく、目的地までの経路を表示するサービスや、音声で道案内を行うようなサービスも開始されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−226650号公報
【特許文献2】特開2009−5366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、目的地が特に決定していない場合、例えば、観光で見知らぬ土地に訪れた場合などにおいては、宿泊施設、イベント情報、気象情報、観光名所等、様々な情報を効率的に取得し、その日のスケジュールなどを決めたいといった要望が生じる可能性がある。
従来、その土地の地図や、宿泊施設の情報、イベント情報を取得するためには、各カテゴリを取り扱うサイトにそれぞれアクセスし、所望の情報を取得する必要があり、これらの情報を一括して効率よく取得することはできなかった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、様々な情報を地図情報と関連付けて総合的に提供することのできる情報提供装置及び情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、ネットワークを介してユーザ端末と接続され、該ユーザ端末に対して地域情報を提供する情報提供装置であって、ネットワークを介して通信を行う通信手段と、地図情報が格納されている第1記憶手段と、施設情報、観光情報、イベント情報、気象情報、災害情報、公共交通機関情報、及び渋滞情報の少なくとも二つを含むカテゴリを有し、該カテゴリ別に位置情報とその位置における詳細情報とが関連付けられて格納されている第2記憶手段と、前記ユーザ端末から場所、または、いずれかの前記カテゴリに属する詳細情報に関連する情報を取得した場合に、該場所または該詳細情報に関連する情報から特定される場所を含む地図領域を決定する第1処理手段と、該地図領域に該当する地図情報を前記地図情報記憶手段から読み出して地図画面を作成する第2処理手段と、前記第2記憶手段の各カテゴリから、前記地図領域内に含まれる詳細情報とその位置情報とを読み出す第3処理手段と、前記第2処理手段によって作成された地図画面と、第3処理手段によって抽出された詳細情報の全てまたは一部とから送信画面情報を作成する第4処理手段とを備え、前記通信手段は、前記送信画面情報を前記ユーザ端末に送信する情報提供装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、ユーザによって場所が指定された場合には、その場所を含む地図領域が第1処理手段によって決定され、この地図領域に該当する地図画面が第2処理手段によって作成される。また、第3処理手段によって、該地図領域に含まれる詳細情報とその位置情報とが第2記憶手段の各カテゴリ情報から読み出される。これにより、ユーザによって指定された場所を含む地図領域内に関する情報、例えば、該地図領域内に存在する各種施設、該地図領域内で開催されるイベント情報、その地図領域における気象情報、災害情報、公共交通機関情報、渋滞情報などが読み出されることとなる。そして、これらの情報が、先ほど作成された地図画面と関連付けられてユーザ端末へ送信される。
【0008】
これにより、各カテゴリに属する様々な情報が地図と同時に表示された画像をユーザに提示することが可能となる。この結果、ユーザは、従来では他のサイトを検索しないと取得することのできなかった情報を総合的に一つの画面で見ることができる。
本発明において、通信手段から送信された送信画面情報は、結果的にユーザに提供されればよく、本情報提供装置とユーザ端末との間に、他の装置が介在していても良い。換言すると、他の装置を経由して、送信画面情報がユーザ端末に提供される場合も含むものとする。
【0009】
また、第4処理手段は、第3処理手段によって抽出された全ての情報を含む送信画面情報を作成してもよいし、また、第3処理手段によって抽出された情報が多く、一つの画面上に表示してしまうと、見難くなってしまうような場合等には、該情報を複数のグループに分け、グループ毎に送信画面情報を作成し、これらが時系列で繰り返しユーザ端末に表示されるようにしてもよい。
このように、情報の提供形態については、特に限定されない。全ての情報を一括して、又は、分割して、或いは、その一部のみをユーザ端末に送信するいずれの場合においても、第4処理部が提供可能な情報を全て保有しているので、ユーザ端末からこれらの情報の提供要求がなされた場合には、速やかに応答することができる。
【0010】
上記情報提供装置において、前記施設情報のカテゴリにおける詳細情報には、その施設の内観画像が含まれていてもよい。
【0011】
施設の内観画像は、その施設専用のサイトでなければ閲覧できないことが多い。しかしながら、本発明の情報提供装置は、このような専用のサイトでしか閲覧できないような情報を保有しているので、ユーザが専用サイトへアクセスすることなく、同一地図画面上で内観画像を閲覧することができる。
また、上記の他に、例えば、施設情報のカテゴリにおいては、その施設の内観画像、施設が提供する商品およびサービスに関する情報の少なくともいずれかが含まれていてもよい。
また、観光情報のカテゴリにおける詳細情報には、観光が提供する商品およびサービスに関する情報の少なくともいずれかが含まれている。
また、イベント情報のカテゴリにおける詳細情報には、イベントが提供する商品およびサービスに関する情報の少なくともいずれかが含まれている。
また、前記気象情報、大気汚染情報、騒音情報、犯罪情報、災害情報、感染症情報、及び交通情報のカテゴリにおける詳細情報には、公共団体などから提供されるそれら事象への対処情報が含まれている。
【0012】
上記情報提供装置において、前記地図画面とともに送信されるカテゴリ及びそのカテゴリにおける詳細情報の種別の少なくともいずれかを前記ユーザ端末から指定可能としてもよい。
【0013】
このようにすることで、ユーザは、複数あるカテゴリの中から取得を希望するカテゴリやそのカテゴリにおける詳細情報の種別を指定することが可能となる。これにより、ユーザが特に希望する情報のみを選別して提供することが可能となる。
【0014】
上記情報提供装置において、前記ユーザ端末に提供された送信画面情報において、前記ユーザ端末から更なる情報提供の要求および要求する情報の内容を受信した場合に、該情報提供の要求を受けた情報を前記ユーザ端末に提供することとしてもよい。
【0015】
これにより、更なる情報提供の要求を受けた場合でも、第4処理部が地図領域に関連する情報を保有しているので、この要求に速やかに対応することができる。
【0016】
上記情報提供装置において、前記ユーザ端末が親端末と子端末とを備えている場合に、親端末と子端末とを関連付ける情報を受信した場合には、該親端末と該子端末に対して共通の送信画像情報を送信することとしてもよい。
【0017】
これにより、親端末と子端末に対して共通の画面を表示させることができる。
【0018】
上記情報提供装置において、前記地図画面は、建物や風景が立体的に表示された3次元地図情報であってもよく、また、航空写真、衛生写真等のような俯瞰地図画面であってもよい。
【0019】
本発明は、上記いずれかに記載の情報提供装置と、該情報提供装置とネットワークを介して接続されるユーザ端末とを備える情報提供システムを提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、様々な情報を地図情報と関連付けて総合的に提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報提供システムの全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報提供装置のハードウェア構成を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る情報提供装置が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。
【図4】俯瞰地図画面の一例を示した図である。
【図5】ユーザ端末の表示部に表示される表示画面の一例を示した図である。
【図6】ユーザ端末の表示部に表示される表示画面の一例を示した図である。
【図7】表示画面においてユーザによって更なる操作がされた場合に表示される画面の一例を示した図である。
【図8】三次元地図画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る情報提供装置及び情報提供システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供システムの概略全体構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報提供システムは、情報提供装置1と、ネットワーク2を介して情報提供装置1と接続されるユーザ端末3とを備えている。本実施形態において、ユーザ端末3は説明の便宜上、1台のみ示しているがユーザ端末3の台数は特に限定されない。
【0023】
ユーザ端末3は、入力部、表示部、及び通信部を備えている。ユーザ端末3は、固定式のもの、携帯可能なものを問わない。例えば、固定式のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)(登録商標)、PDA、携帯用のパーソナルコンピュータ等がユーザ端末3の例として挙げられる。また、通信部は、本体に内蔵されていてもよいし、外部から接続される形態のものでもよい。
【0024】
情報提供装置1は、図2に示すように、コンピュータシステム(計算機システム)であり、CPU(中央演算処理装置)11、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置12、補助記憶装置13、キーボードやマウスなどの入力装置14、及びモニタやプリンタなどの出力装置15、外部の機器と通信を行うことにより情報の授受を行う通信装置16などで構成されている。
補助記憶装置13は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。この補助記憶装置13には、各種プログラム(例えば、情報提供プログラム)が格納されており、CPU11が補助記憶装置13から主記憶装置12にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
【0025】
図3は、情報提供装置1が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図3に示されるように、情報提供装置1は、第1記憶部(第1記憶手段)21、第2記憶部(第2記憶手段)22、第1処理部(第1処理手段)23、第2処理部(第2処理手段)24、第3処理部(第3処理手段)25、第4処理部(第4処理手段)26、情報更新部27、及び通信部(通信手段)28を主な構成として備えている。
【0026】
第1記憶部21には、地図情報が格納されている。具体的には、地図情報として2次元地図情報、建物等が立体的に表示された3次元地図情報、及び航空写真、衛星写真等のような俯瞰地図情報が格納されている。なお、これら全てを備えている必要はなく、いずれか一つの地図情報が格納されていれば足りる。
【0027】
第2記憶部22には、施設情報、観光情報、イベント情報、求人情報、株価情報、為替情報、冠婚葬祭情報、気象情報、大気汚染情報、騒音情報、犯罪情報、災害情報、感染症情報、公共交通機関情報、公共団体の公示情報、地価情報、生態系情報、地質情報、暦情報、天体情報、統計情報、歴史情報、文化情報、及び交通情報等の少なくとも二つを含むカテゴリについて、該カテゴリ別に位置情報とその位置における詳細情報とが関連付けられて格納されている。
換言すると、第2記憶部22には、上記カテゴリのうちのいずれか一つと、そのいずれか一つとは異なる他のカテゴリについて、カテゴリ別に位置情報とその位置における詳細情報とが関連付けられて格納されている。ここで、他のカテゴリとは、上記に一例として挙げたカテゴリの中に含まれているものでもよいし、それ以外のものでもよい。
【0028】
施設情報のカテゴリには、宿泊施設、飲食店、レジャー施設、医療施設等の各種施設の情報が関連付けられている。例えば、宿泊施設であれば、宿泊施設の名称、空室状況、内観画像、宿泊施設概要等の詳細情報とその位置情報とが互いに関連付けられている。また、飲食店等のその他の施設についてもほぼ同様の内容の詳細情報が位置情報と関連付けられている。
【0029】
観光情報のカテゴリには、観光におけるお勧めスポットの情報が格納されている。例えば、観光施設であれば、開館時間、駐車場、入館料金等の施設概要、入館状況、内観画像等の詳細情報が位置情報と関連付けられている。
イベント情報のカテゴリには、イベントの概要やイベントの写真等からなる詳細情報とイベント開催場所の位置情報とが互いに関連付けられている。
【0030】
また、前記気象情報、大気汚染情報、騒音情報、犯罪情報、災害情報、感染症情報、及び交通情報のカテゴリにおける詳細情報には、公共団体などから提供されるそれら事象への対処情報が含まれている。
【0031】
例えば、気象情報のカテゴリには、各地の現在の天気、気温、降水確率、風向等からなる詳細情報が位置情報(例えば、エリア)と関連付けられている。また、現在の様子だけでなく、予報についても関連付けられていてもよい。
例えば、災害情報のカテゴリには、現在発生している災害の内容等の詳細情報と位置情報とが互いに関連付けられている。
例えば、公共交通機関情報のカテゴリには、各公共交通機関の名称、その運行状態(例えば、正常、遅延発生、運行見合わせ)等の詳細情報とその公共交通機関が運行しているエリア情報とが関連付けられている。
渋滞情報のカテゴリには、主要な道路の名称、その渋滞情報等の詳細情報とその道路のエリア情報とが関連付けられている。
なお、各カテゴリにおける情報は、上記例に限定されない。また、各カテゴリにおける情報は、適宜選択追加できるものであり、各カテゴリに関連する情報が少なくとも1つ詳細情報として格納されていれば足りる。
【0032】
第2記憶部22に格納されている情報、例えば、各施設の空き状況や、入館状況、気象情報、渋滞情報、公共交通機関の運行状態等は、時々刻々と変わるため、定期的に更新する必要がある。そのため、本実施形態に係る情報提供装置1は、これらの情報を提供するサイトから定期的に情報を取得し、第2記憶部22における各種情報を更新する情報更新部27を備えている。
【0033】
第1処理部23は、ユーザ端末3から場所、または、いずれかのカテゴリ情報に属する詳細情報に関連する情報を取得した場合に、該場所または該詳細情報に関連する情報から特定される場所を含む地図領域を決定する。
【0034】
例えば、ユーザ端末3から場所の情報(例えば、住所)を受信した場合には、その住所を含む所定領域を地図領域として決定する。また、いずれかのカテゴリ情報に属する詳細情報として、例えば、施設カテゴリにおける施設の名称や、イベントの名称を受信した場合には、その施設の名称や、イベントの名称に関連付けられている位置情報を取得し、その位置情報を含む所定領域を地図領域として決定する。
【0035】
このように、「カテゴリ情報に属する詳細情報」とは、第2記憶部22に格納されている詳細情報に含まれる情報であって、かつ、その情報から位置情報を一意に決定することが可能な情報を意味する。
【0036】
第2処理部24は、第1処理部23によって決定された地図領域に該当する地図情報を第1記憶部21から読み出して地図画面を作成する。図4に地図画面の一例を示す。図4は、俯瞰地図画面の一例を示している。
【0037】
第3処理部25は、第1処理部23によって決定された地図領域内に含まれる詳細情報とその位置情報とを第2記憶部22から読み出す。これにより、例えば、施設情報のカテゴリからは、この地図領域内に位置する各施設の詳細情報とその施設の位置情報が読み出され、イベント情報のカテゴリからは、この地図領域内で開催されているイベントの詳細情報とその開催位置情報とが読み出される。また、他のカテゴリにおいても同様である。
このように、第3処理部25によって、各カテゴリ別に、この地図領域内に位置する詳細情報とその位置情報とが読み出される。
【0038】
第4処理部26は、第2処理部24によって作成された地図画面と、第3処理部25によって抽出された情報から送信画面情報を作成する。
このとき、第4処理部26は、第3処理部25によって抽出された情報を全て用いて送信画像情報を作成してもよいし、その一部の情報のみを用いて送信画面情報を作成してもよい。例えば、第4処理部26は、ユーザ端末において指定された場所、換言すると、上記地図領域を決定する際に基準とされた場所に関する情報のみを地図画面上に重畳させた画面を送信画面情報として作成する。
【0039】
通信部28は、例えば、ユーザ端末3から送信された情報を受信するとともに、第4処理部26によって作成された送信画面情報をユーザ端末へ送信する。
【0040】
次に、上述した情報提供装置1が備える各部において実行される処理内容について説明する。なお、各部により実現される後述の各種処理は、CPU11が補助記憶装置13に記憶されている情報提供プログラムを主記憶装置12に読み出して実行することにより実現されるものである。
また、以下においては、説明の便宜上、地図画面として俯瞰地図画面を作成し、また、施設情報のカテゴリの情報及びイベント情報のカテゴリの情報を第2記憶部22が有している場合を想定して説明する。
【0041】
まず、ユーザがユーザ端末3を操作することにより、情報の取得を希望する場所、例えば、宿泊施設の住所を入力し、送信操作を行うと、この住所の情報がネットワーク2を介して情報提供装置1に送信される。
送信された住所の情報は、情報提供装置1の通信部28により受信され、その後、第1処理部23に出力される。
第1処理部23において、この住所を含む所定領域が地図領域として決定され、この地図領域が第2処理部24及び第3処理部25に出力される。
【0042】
第2処理部24において、第1処理部23によって決定された地図領域に該当する地図情報が第1記憶部21から読み出され、地図画面が作成される。本実施形態では、上述のように、俯瞰地図画面を作成する場合を想定しているため、例えば、図4に示すような地図画面が作成される。
【0043】
第3処理部25においては、第1処理部23によって決定された地図領域内に含まれる詳細情報とその位置情報とが第2記憶部22から読み出される。これにより、例えば、施設情報のカテゴリからは、この地図領域内に位置する各施設の詳細情報とその施設の位置情報が読み出され、イベント情報のカテゴリからは、この地図領域内で開催されているイベントの詳細情報とその開催位置情報とが読み出される。
【0044】
このようにして、第2処理部24において作成された地図画面及び第3処理部25によって抽出された情報は、第4処理部26に出力される。第4処理部26では、第2処理部24によって作成された俯瞰地図画面及び第3処理部25によって抽出された情報の全てを用いて送信画面情報が作成される。
そして、この送信画面情報は通信部28を介してユーザ端末3に送信される。
この結果、この送信画面情報を受信したユーザ端末3の表示部には、俯瞰地図とその地図領域内における各カテゴリの詳細情報がその位置と関連付けられた画面が表示されることとなる。
【0045】
以上説明してきたように、本実施形体に係る情報提供システム及び情報提供装置によれば、複数のカテゴリに関する情報が格納された第2記憶部22を有しているので、地図情報とその地図領域に関する各カテゴリの情報をユーザ端末3に提供することが可能となる。これにより、ユーザは各情報を取得するために、その情報が提供されている個別のサイトにアクセスすることなく、一つの画面上において、ユーザが指定した地域における種々の情報を総合的に取得することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、施設情報、イベント情報のカテゴリの情報を保有している場合を想定して説明したが、第2記憶部22に格納される情報については限定されず、2つのカテゴリに関する情報が格納されていれば足りる。
例えば、気象情報のカテゴリと渋滞情報のカテゴリに関する情報を保有している場合には、気象情報と渋滞情報とがユーザ端末3に提供されることとなる。この場合のユーザ端末の表示部における表示画面例を図6に示す。
また、上記実施形態では、俯瞰地図画面を提供することとしたが、地図の形態については限定されない。例えば、物体を立体的に示した3次元地図画面(図8参照)を提供することとしてもよいし、2次元地図画面を提供することとしてもよい。
【0047】
〔変形例1〕
また、本実施形態では、第3処理部25によって抽出された情報を全て用いて送信画面情報を作成する場合について述べたが、第3処理部25によって抽出された情報の一部を用いて送信画面情報を作成することとしてもよい。
例えば、第4処理部26は、(a)ユーザ端末から受信した住所に関する情報のみを地図画面に重畳させて送信画面情報を作成してもよいし、(b)予めユーザに対してどの情報を初期画面において送信するのかを指定する問いかけを行い、この問いかけに対する回答に基づいて、地図画面上に表示する情報を選別することとしてもよい。
【0048】
例えば、上記(b)の場合には、事前にユーザ端末3に対して、情報提供装置1が有している各カテゴリのリストを送信することにより、ユーザ端末3の表示部にカテゴリのリストを表示させ、この中から初期画面に表示させるカテゴリを指定するように指示する。そして、この結果、ユーザによって所定のカテゴリが指定された場合には、そのカテゴリの情報を記憶しておき、情報提供時において、そのカテゴリに該当する情報のみを用いて送信画面情報を作成する。
【0049】
また、例えば、上述のように、カテゴリをユーザに指定させる代わりに、又は、加えて、各カテゴリにおいてどの情報を初期画面に表示させるのかをユーザが指定できるようにしても良い。例えば、宿泊施設であれば、詳細情報として、宿泊施設の名称、空室状況、内観画像、宿泊施設概要等が登録されているが、このうちのどの情報を初期画面に表示させるかをユーザが指定できるようにしてもよい。
【0050】
また、この結果、例えば、施設情報のカテゴリについては施設の名称が、イベント情報のカテゴリについては、イベントの写真を送信することがユーザによって指定されていた場合には、第4処理部26は第3処理部25によって抽出された情報の中から該当する情報を抽出し、抽出した情報を地図画面上に表示した送信画面情報を作成する。
【0051】
これにより、例えば、ユーザ端末3には、図5に示されるように、地図画面上に施設名称やイベント写真がその位置情報と関連付けられた画像が表示されることとなる。なお、このとき、図5に示されるように、各施設名称およびイベント写真がその位置情報と関連付けられた地図画面を提供するとよい。
【0052】
〔変形例2〕
また、ユーザ端末に提供した送信画面情報の表示画面において、ユーザによって更なる情報提供が指示された場合には、その情報を追記的にユーザ端末に提供することとしてもよい。
【0053】
例えば、図5に示した画面において、ユーザがホテルAの情報をクリックした場合には、第4処理部26は、そのホテルAに関する詳細情報を含んだ送信画面情報を作成し、これをユーザ端末3に送信することとしても良い。このときの画面の一例を図7に示す。
【0054】
このようにすることで、ユーザ端末3に一度提供した地図画面上において、更に詳しい情報を表示することが可能となり、従来のように、新たな情報を取得するたびに、地図画面を更新したり、他のサイトにアクセスしたりすることを回避することができる。特に、地図画面はデータ容量が比較的大きいために再表示には時間がかかるが、上述のように、一度提供した地図画面上に情報を追加することにより再表示を不要とし、時間の短縮を図り、利便性を高めることが可能となる。
【0055】
〔変形例3〕
また、本実施形態における情報提供装置1において、第2記憶部22に格納されている情報の登録・更新をユーザ端末3から実施可能な構成としてもよい。この場合、ユーザ端末3は、第2記憶部22に格納されている情報の登録・更新を希望する旨の情報を情報提供装置に送信する。情報提供装置1は、第2記憶部22における情報登録・更新用のサイトを予め保有しており、ユーザ端末3に対してこれらのサイトへのアクセス情報を送信する。これにより、ユーザ端末側からの第2記憶部22内の情報登録・更新が可能となる。なお、第2記憶部22における情報の登録・更新については、所定のアクセス権をユーザに与えておくと良い。これにより、第三者による第2記憶部22へのアクセスを防止できる。
【0056】
〔変形例4〕
また、ユーザ端末3が親機と子機からなる場合に、親機に表示させた情報と共通の情報を子機にも表示させたいという要望がある。このような要望に応じるために、親機であるユーザ端末3からその子機に関する情報を受信した場合には、上述した情報提供に関して、親機だけではなく子機にも共通の情報を送信することとしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 情報提供装置
2 ネットワーク
3 ユーザ端末
11 CPU
12 主記憶装置
13 記録媒体
14 入力装置
15 出力装置
16 通信装置
21 第1記憶部
22 第2記憶部
23 第1処理部
24 第2処理部
25 第3処理部
26 第4処理部
27 情報更新部
28 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してユーザ端末と接続され、該ユーザ端末に対して地域情報を提供する情報提供装置であって、
ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
地図情報が格納されている第1記憶手段と、
施設情報、観光情報、イベント情報、求人情報、株価情報、為替情報、冠婚葬祭情報、気象情報、大気汚染情報、騒音情報、犯罪情報、災害情報、感染症情報、公共交通機関情報、公共団体の公示情報、地価情報、生態系情報、地質情報、暦情報、天体情報、統計情報、歴史情報、文化情報、及び交通情報の少なくとも二つを含むカテゴリを有し、該カテゴリ別に位置情報とその位置における詳細情報とが関連付けられて格納されている第2記憶手段と、
前記ユーザ端末から場所、または、いずれかの前記カテゴリに属する詳細情報に関連する情報を取得した場合に、該場所または該詳細情報に関連する情報から特定される場所を含む地図領域を決定する第1処理手段と、
該地図領域に該当する地図情報を前記地図情報記憶手段から読み出して地図画面を作成する第2処理手段と、
前記第2記憶手段の各カテゴリから、前記地図領域内に含まれる詳細情報とその位置情報とを読み出す第3処理手段と、
前記第2処理手段によって作成された地図画面と、第3処理手段によって抽出された詳細情報の全てまたは一部とから送信画面情報を作成する第4処理手段と
を備え、
前記通信手段は、前記送信画面情報を前記ユーザ端末に送信する情報提供装置。
【請求項2】
前記施設情報のカテゴリにおける詳細情報には、その施設の内観画像が含まれている請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記地図画面とともに送信されるカテゴリ及びそのカテゴリにおける詳細情報の種別の少なくともいずれかを前記ユーザ端末から指定可能な請求項1または請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記ユーザ端末に提供された送信画面情報において、前記ユーザ端末から更なる情報提供の要求および要求する情報の内容を受信した場合に、該情報提供の要求を受けた情報を前記ユーザ端末に提供する請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記ユーザ端末が親端末と子端末とを備えている場合に、親端末と子端末とを関連付ける情報を受信した場合には、該親端末と該子端末に対して共通の送信画像情報を送信する請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記地図画面は、建物や風景が立体的に表示された3次元地図情報である請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記地図画面は、航空写真、衛星写真等のような俯瞰地図画面である請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の情報提供装置と、
前記情報提供装置とネットワークを介して接続されるユーザ端末と
を備える情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−170427(P2010−170427A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13546(P2009−13546)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(509025094)
【出願人】(509025108)
【出願人】(509024639)
【出願人】(509025119)
【Fターム(参考)】