説明

情報提供装置及び情報提供方法

【課題】利用者に車両の電力消費量に関する正確な情報を提供する。
【解決手段】目的地に至る走行経路を探索する走行経路探索機能と、走行経路を走行する際の総電力消費量を算出する電力消費量算出機能と、利用者に電力消費量に関する情報を提供する情報提供機能とを有し、電力消費量算出機能が、第1単位領域に対応づけられた走行情報を参照し、第1単位領域を走行するために消費される第1電力消費量をそれぞれ算出する第1算出機能と、第2単位領域ごとに予測された天気情報を参照し、第2単位領域を走行する際に空調装置に入力される設定温度を予測し、予測された設定温度の入力された空調装置が第2単位領域を走行中に稼働された場合に消費される第2電力消費量をそれぞれ算出する第2算出機能と、第1電力消費量と第2電力消費量とに基づいて、総電力消費量を算出する積算機能とを有する情報提供装置100を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリが搭載された車両の電力消費に関する情報を提供する情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の情報提供装置に関し、車両のエネルギー商品に関する消費情報(走行距離/充電率)を参照して、車両のエネルギー残量に対応する航続可能距離を算出し、算出された航続可能距離に基づく走行可能範囲を提示する情報提供装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3758140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、天気が変化すると、車両の空調装置の利用状況が変化するので、車両の電力消費量が変動する。このため、電力消費量に関する正確な情報を車両の利用者に提供することができないという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、天気に応じて変化する車両の空調装置の利用状況を考慮し、車両の電力消費量に関する正確な情報を車両の利用者に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、目的地に至る走行経路に属する単位領域に対応づけられた走行情報を参照して算出された、単位領域を走行するために消費される第1電力消費量と、走行経路が属する単位領域ごとの天気情報から予測された設定温度で空調装置を稼働した場合に消費される第2電力消費量とに基づいて、総電力消費量を算出することにより上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予測された設定温度で空調装置が稼働された場合に消費される電力量を含めて走行経路を通過する際の総電力消費量を算出するため、天気に応じた総電力消費量を推測することができる。この結果、天気に応じて空調装置の利用状況が変化した場合であっても、車両の電力消費量に関する正確な情報を利用者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る実施形態の情報提供装置100を含むドライブ計画システム1のブロック構成図である。
【図2】第1単位領域に対応づけられた走行情報の一例を示す図である。
【図3】第2単位領域に対応づけられた天気情報の一例を示す図である。
【図4】利用者が空調装置に入力した設定温度の履歴に基づいて作成された設定温度テーブルの一例を示す。
【図5】車両の外気温と設定温度と空調装置の消費電力との消費電力テーブルの一例を示す図である。
【図6】本発明に係る実施形態の情報提供装置100の制御処理手順の一例を示すフローチャート図である。
【図7】本発明に係る実施形態の情報提供装置100の制御処理手順を示す他の例のフローチャート図である。
【図8】本発明に係る実施形態の情報提供装置100の制御処理手順を示すさらに他の例のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明に係る実施形態の情報提供装置100について説明する。本実施形態では、情報提供装置100を備えるドライブ計画システム1を例に説明する。ドライブ計画システム1は、情報通信網600を介して利用者又は車両から出発地と目的地の入力を受け付け、目的地に至る走行経路を案内するとともに、充電の要否、充電する場合の充電設備の場所、充電量などの電力消費量に関する情報を提供する装置である。
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報提供装置100を含むドライブ計画システム1のブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態のドライブ計画システム1は、情報提供装置100の他に、ナビゲーション装置200と車両コントローラ300とサーバ400と端末装置500を含む連携装置を備えている。これらの各装置は有線又は無線の通信機器を備え、インターネット等の情報通信網600を介して相互に情報の授受が可能である。なお、本実施形態の情報提供装置100、サーバ400、ナビゲーション装置200はネットワーク上のサーバ装置として配置することができる。
【0011】
各連携装置について説明すると、ナビゲーション装置200は、出発地(現在地)から目的地に至る走行経路を探索することができる装置である。
【0012】
車両コントローラ300は、車両に搭載されたバッテリの残容量センサ301、空調装置302、キーその他の個人認証情報を入力する乗員ID入力装置303、車両の外気温を検知する外気温センサ304、現在位置検知装置305から各種情報を取得し、情報通信網600を介して情報提供装置100などの他の連携装置に送信することができる装置である。
【0013】
サーバ400は、天気情報、後述する走行情報などを記憶し、要求に応じて情報提供装置100などの連携装置に送出することができる装置である。
【0014】
端末装置500は、ドライブ計画システム1を利用するにあたり、利用者が情報を入力するためのスイッチなどの入力装置51を備えるとともに、情報提供装置100が求めた車両の消費電力量に関する情報を出力するディスプレイやスピーカなどの出力装置52を備える装置である。なお、先述した乗員IDは、この入力装置51を用いて利用者が入力することも可能である。
【0015】
以下、本発明に係る本実施形態の情報提供装置100について説明する。本実施形態の情報提供装置100は、電気自動車、ハイブリッドカーなどのバッテリを備える車両を利用する者に、消費電力量に関する情報を提供する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る情報提供装置100は、電力消費量に関する情報を求め、車両の利用者に提供する処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、情報提供装置100として機能させる動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13と、を備えている。
【0017】
この本実施形態に係る情報提供装置100は、走行経路探索機能と、電力消費量算出機能と、情報提供機能とを備えている。本実施形態の情報提供装置100は、上記機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実行することができる。
【0018】
以下に、この情報提供装置100が実現する各機能についてそれぞれ説明する。
【0019】
まず、情報提供装置100の走行経路探索機能について説明する。本実施形態の情報提供装置100は、取得した車両の現在位置と目的地に基づいて、地図情報を参照し、目的地に至る走行経路を探索する。情報提供装置100は、内蔵されたCPU11においても走行経路の探索処理をすることができるが、本実施形態の情報提供装置100は、ナビゲーション装置200の経路探索装置22に走行経路の探索処理を実行させて、探索した走行経路の情報を取得する。
【0020】
ナビゲーション装置200の現在位置取得装置21は、車両に搭載された現在位置検知装置305から車両の現在位置を取得する。車載の現在位置検知装置305は、GPS(Global Positioning System)などの位置検出装置を備えている。また、目的地取得装置23は、端末装置500の入力装置51から入力された目的地を取得する。
【0021】
また、ナビゲーション装置200の記憶装置24は、経路や施設の位置を含む一般的な地図情報240を記憶している。本実施形態の地図情報240は、地図情報上の座標等により定義された区画(メッシュ)やリンクに関する情報を含む領域情報241、第1単位領域の(メッシュの場合は道路に沿った部分の)距離、各第1単位領域の(メッシュの場合は道路に沿った部分の)傾斜、各第1単位領域(メッシュの場合は道路に沿った部分)を通過するために要する電力消費量(Wh)、各第1単位領域の(メッシュの場合は道路に沿った部分の)平均速度を含む走行情報242、充電施設の位置を含む充電施設情報243が含まれている。ここで、第1単位領域とは、地図情報240上の座標で定義されたメッシュ(所定の区画)又は地図情報240に含まれる経路上のノードで両端が定義された道路のリンクである。なお、走行経路に属する第1単位領域とは、走行経路を構成するリンク又は走行道路を構成するリンクを含むメッシュなどの領域である。
【0022】
そして、経路探索装置22は、取得した車両の現在位置と目的地に基づいて、地図情報240を参照して車両が目的地に至るための走行経路を探索する。走行経路を探索する手法は、特に限定されず、一般的な手法を利用することができる。
【0023】
次に、情報提供装置100の総電力消費量算出機能について説明する。情報提供装置100は、車両が探索された走行経路を走行する際に消費する総電力消費量を算出する。具体的に、情報提供装置100の総電力消費量算出機能は、第1算出機能と、第2算出機能と、積算機能とを有する。
【0024】
各機能についてそれぞれ説明する。第1算出機能は、先述したナビゲーション装置200の地図情報240に含まれる第1単位領域に対応づけられた走行情報242を参照し、第1単位領域を走行するために消費される第1電力消費量を算出する。
【0025】
図2は、第1単位領域(リンク)に対応づけられた走行情報242の一例を示す図である。図2に示すように、第1単位領域(リンク)は地図情報240上で付与されているリンクID(識別子)で識別され、このリンクごとに、そのリンクの平均速度(Km/h)、そのリンクのノード間の距離であるリンク長(m)、リンクを通過するために要するリンク旅行時間(秒)、リンクの道路勾配(度)、そのリンクを通過するために消費される電力消費量(Wh)が対応づけられている。また、図2に示す走行情報242では、そのリンクを通過した履歴が付されている。
【0026】
なお、図2は第1単位領域がリンクである場合の走行情報242を示しているが、第1単位領域がメッシュである場合には、第1単位領域であるメッシュは地図情報240上で付与されているメッシュ番号で識別され、このメッシュごとに、メッシュの走行経路に沿う部分の距離(走行経路とメッシュの辺の2つの接点の距離)、メッシュの走行経路に沿う部分の平均速度(Km/h)、メッシュの走行経路に沿う部分を通過するために要するメッシュ旅行時間(秒)、そのメッシュの走行経路に沿う部分の道路勾配(度)、そのメッシュの走行経路に沿う部分を通過するために消費される電力消費量(Wh)が対応づけられている。
【0027】
第1算出機能は、走行経路に属するリンクIDを識別し、そのリンクIDに対応づけられた電力消費量に基づいて、第1電力消費量を算出する。
【0028】
続いて、第2算出機能について説明する。情報提供装置100は、探索された走行経路に属する第2単位領域ごとに予測された天気情報41を参照し、第2単位領域を走行する際に空調装置302に入力される設定温度を予測する。さらに、情報提供装置100は、予測された設定温度の入力された空調装置302が第2単位領域を走行中する際に稼働された場合に、消費される第2電力消費量を算出する。
【0029】
第2単位領域は、上述した第1単位領域と同様に、メッシュ又はリンクである。第2単位領域は第1単位領域と共通するメッシュ又はリンクであってもよいし、第1単位領域とは異なるメッシュ又はリンクであってもよい。第1単位領域と第2単位領域とが同じである場合には、走行情報242と天気情報41の共通化を図ることができるとともに、演算処理の効率化を図ることができるので、処理の迅速化を期待することができる。
【0030】
情報提供装置100は、天気の情報を提供する天気サーバ400から情報通信600を介して、天気情報41を所定の周期で取得する。天気情報41は、天気(晴れ、曇り、雨など)、気温、湿度、風向、風速、降水の有無、降水量、気圧などを含む。なお、所定周期で取得した天気情報41の内容に変化があった場合は、その旨のフラグを立てるようにすることができる。このフラグを第2電力消費量の再計算の指令のトリガとすることができる。本実施形態では、天気情報41の内容に変化があった場合には、第2電力消費量が変化することが予測できるので、再計算を行うことができる。
【0031】
図3は第2単位領域に対応づけられた天気情報41(の一部)の一例を示す図である。図3に示すように、第2単位領域(メッシュ又はリンク)には、各第2単位領域が含まれる郵便番号及び/又は住所表示が付され、各第2単位領域について予測された天気(予報)と気温(予測)が日にちと時刻ごとに対応づけられている。これにより、リンクIDが100のリンクのある日時における天気(予報)と気温(予測)を取得することができる。また、図3に示すように、天気情報41の第2単位領域(メッシュ又はリンク)の旅行時間(通過距離/平均速度)を対応づけてもよい。
【0032】
情報提供装置100の第2算出機能は、第2単位領域ごとに予測された天気情報41を参照し、第2単位領域を走行する際に空調装置302に入力される設定温度を予測する。設定温度を予測する手法は特に限定されないが、情報提供装置100は、探索された走行経路に属する第2単位領域についての気温を天気情報41から抽出し、外気温と空調装置302の設定温度とを予め対応づけた対応関係(設定温度テーブル131)を参照して、その第2単位領域を走行する際に利用者が空調装置302に入力する温度を予測することができる。また、所定周期で取得した天気情報の内容に変化があった旨のフラグが立ったら、空調装置302に入力する温度を再度予測するようにすることができる。
【0033】
図4は、利用者が空調装置302に入力した設定温度の履歴に基づいて作成された設定温度テーブル131(対応関係)の一例を示す図である。
【0034】
特に限定ないが、情報提供装置100の第2算出機能は、図4に示すような、空調装置302に入力された設定温度の履歴に基づき生成された、車両の外気温と設定温度との設定温度テーブル131(対応関係)を参照し、取得した利用者ID(乗員ID)に基づいて、その利用者が第2単位領域を走行する際に空調装置302に入力される設定温度を予測することができる。この設定温度テーブル131(対応関係)を用いることにより、過去の設定温度の入力履歴に基づいて、所定の外気温に対する設定温度を統計的に求めることができるので、設定温度を正確に予測することができる。
【0035】
図4に示す設定温度テーブル131では、利用者IDが付されており、各利用者が空調装置302に入力した設定温度と外気温と日時とが対応づけられている。また、図4に示すような利用者ごとの設定温度テーブル131(対応関係)によれば、ドライブ計画システム1を利用する利用者IDを取得し、その利用者の設定温度の入力履歴に基づいて、特定の利用者の所定の外気温に対する設定温度を経験的に求めることができる。温度の感じ方や暖房又は冷房の設定温度には個人差があるため、外気温が同じであっても設定温度が異なる場合が多い。図4に示す利用者ごとの設定温度テーブル131を用いることにより、個人の外気温に対する設定温度の傾向を把握することができるので、各利用者の感覚に応じた正確な設定温度を予測することができる。なお、利用者ID(乗員ID)は、車両のキーのIDから推測でき、また入力装置51を介して入力された利用者ID(乗員ID)を取得することもできる。
【0036】
本実施形態の情報提供装置100の第2算出機能は、予測された設定温度が入力されたと仮定して、空調装置302が第2単位領域を走行中に稼働された場合に消費される第2電力消費量を算出する。特に限定されないが、本実施形態の情報提供装置100は、予測された第2単位領域を走行する際に空調装置302に入力される設定温度と、その第2単位領域について予測された天気情報41に含まれる外気温とに基づいて、第2電力消費量を算出する。
【0037】
具体的に、本実施形態の情報提供装置100は、外気温と設定温度(車室温度)の組み合わせに対して、空調装置302の単位時間あたりの消費電力(W)の消費電力テーブル132(対応関係)を予め定義しておき、この消費電力テーブル132(対応関係)を参照して、予測された設定温度と天気情報41で予測された外気温とに基づいて空調装置302の単位時間あたりの消費電力(W)を算出する。
【0038】
図5は、車両の外気温と設定温度と空調装置302の単位時間あたりの消費電力との消費電力テーブル132の(一部の)一例を示す図である。この消費電力テーブル132を参照すれば、外気温と設定温度とに基づいて、空調装置302の単位時間あたりの消費電力を算出することができる。
【0039】
また、図5に示すように、消費電力テーブル132のように、外気温と設定温度(車室温度)と日射状況との組み合わせに対して、空調装置302の単位時間あたりの消費電力(W)の消費電力テーブル132(対応関係)を予め定義しておくこともできる。同じ外気温であっても日射の有無によっては人間の体感温度が異なり、空調装置302の設定温度が異なる場合があるからである。この消費電力テーブル132を参照すれば、天気情報41に基づいて、第2単位領域を走行する際の日射状況を予測し、予測された日射状況を考慮し、推測された設定温度の入力された空調装置302の単位時間当たりの消費電力を算出することができる。
【0040】
さらに、情報提供装置100の第2算出機能は、外気温と設定温度(車室温度)、又は外気温と設定温度(車室温度)と日射状況に基づいて求めた空調装置302の単位時間あたりの消費電力から、第2単位領域を走行中に空調装置302が稼働された場合に消費される第2電力消費量を算出する。具体的に、情報提供装置100は、先述した天気情報41(図3参照)に含まれる第2単位領域の旅行時間を取得し、先に推測された設定温度の入力された空調装置302の単位時間当たりの消費電力に旅行時間を乗じて、車両が第2単位領域を走行中に空調装置302が稼働された場合に消費される第2電力消費量を算出する。また、第1単位領域と第2単位領域とが共通する場合に、情報提供装置100は、走行情報242(図2参照)に含まれる第1単位領域(第2単位領域)の旅行時間を取得し、空調装置302の単位時間当たりの消費電力に旅行時間を乗じて第2電力消費量を算出することもできる。
【0041】
さらに、情報提供装置100は、所定周期で取得した天気情報の内容に変化があった旨のフラグが立ったら、第2電力消費量を再度算出するようにすることができる。
【0042】
次に、情報提供装置100が備える総電力消費量算出機能の積算機能について説明する。情報提供装置100は、第1電力算出機能により算出された第1電力消費量と、第2電力算出機能により算出された第2電力消費量とに基づいて、総電力消費量を算出する。具体的には、走行経路の現在位置から目的地に至るまで第1単位領域ごとに算出された第1電力消費量を走行経路ごとに集計し、走行経路を走行するための消費される第1総電力消費量を求める。さらに、走行経路の現在位置から目的地に至るまで第2単位領域ごとに算出された第2電力消費量を走行経路ごとに集計し、走行経路を走行する際に予測された設定温度が入力された空調装置302の稼働に要する第2総電力消費量を求める。そして、第1総電力消費量と第2総電力消費量を加算し、空調装置302を予測された外気温で予測された設定温度で稼働した状態で車両が走行経路を走行した場合の総電力消費量を算出する。
【0043】
また、積算の過程においても、所定周期で取得した天気情報の内容に変化があった旨のフラグが立ったら、再度算出された第2電力消費量と、先の算出された第1電力消費量とを加算して、総電力消費量を算出するようにすることができる。
【0044】
続いて、情報提供装置100の情報提供機能について説明する。情報提供装置100は、利用者に車両の電力消費量に関する情報を提供する。具体的に、情報提供機能は、算出された総電力消費量を評価するための情報を生成する電力評価機能と、この評価を含む総電力消費量に関する情報を出力装置52に出力させる出力制御機能とを有する。
【0045】
まず、本実施形態の情報提供装置100電力評価機能は、電力消費量算出手段により算出された総電力消費量と、車両から取得したバッテリの残容量又は車両の最大充電量とを比較し、車両のバッテリの残容量又は車両の最大充電量が総電力消費量よりも小さい場合は、充電情報を含む総電力消費量に関する情報を生成する。
【0046】
現在のバッテリの残容量は車両コントローラ300を介してバッテリ残容量センサ301から取得する。情報提供装置100は、現在のバッテリ残容量が目的地に至るまでに必要な総電力消費量以下である場合は、電力が不足するため、ドライブ前に充電をすることを利用者に促すために、充電が必要である旨、現在位置近傍の充電施設の位置などを含む総電力消費量に関する情報を生成する。
【0047】
さらに、情報提供装置100は、現在のバッテリ残容量が総電力消費量以下であり、かつ、車両の最大充電量が総電力消費量以下である場合は、現在のバッテリ残容量では目的地に至る電力に足りず、加えて、ドライブ前にバッテリを満充電にしたとしても途中で電力が不足するため、走行経路の途中で充電が必要である旨、又は走行経路途中の充電施設の情報などを含む総電力消費量に関する情報を生成する。
【0048】
この場合において、情報提供装置100の電力評価機能は、地図情報240の充電施設情報244を参照し車両に充電することができる充電施設を選択する。充電施設を選択する際の基準は特に限定されず、情報提供装置100は、車両の現在位置に最も近い充電施設、車両の進行方向に沿う走行経路上にある充電施設、充電施設に立ち寄った場合の走行距離が最も小さい充電施設、又は充電施設に立ち寄った場合における消費電力が最も小さい充電施設などを選択することができる。
【0049】
また、情報提供装置100の電力評価機能は、選択された充電施設において充電した電力量と充電前の車両のバッテリの残容量との合計値が総電力消費量以下である場合は、車両が充電する充電施設をさらに選択する。この処理により、充電により目的地に至る電力を確保できるまで充電施設を順次選択することができる。
【0050】
そして、情報提供装置100の電力評価機能は、選択した充電施設情報を含む総電力消費量に関する情報を生成する。充電施設情報は、選択した充電施設の位置(住所、地図上の位置)、選択した充電施設の電話番号やサービス内容を含む。
【0051】
また、情報提供装置100の電力評価機能は、選択された充電施設を経由地とする現在位置から目的地までの新しい走行経路を再探索し(又はナビゲーション装置200に再探索させ)、再探索された新しい走行経路が示された地図情報を含む総電力消費量に関する情報を生成する。このような情報によれば、利用者は、走行経路の途中でどの充電施設を利用し、充電施設に立ち寄った後にどのような経路で目的地に至ることができるかということを知ることができる。
【0052】
最後に情報提供装置100の出力制御機能について説明する。情報提供装置100は、出力装置52を介して、上述した電力消費量算出機能により算出された総電力消費量に関する情報を車両の利用者に示すように出力を制御する。出力装置52は、ディスプレイやスピーカなどを備える装置である。情報提供装置100は、現在位置から目的地に至る走行経路に加えて、充電の要否、充電施設の位置、充電施設を経由地とする現在位置から目的地までの走行経路などを含む総電力消費量に関する情報を出力装置52に出力させる。総電力消費量に関する情報は、走行経路に重畳させて表示してもよいし、ディスプレイの別の領域に表示してもよいし、スピーカを介して音声により表示することもできる。
【0053】
なお、本実施形態では、情報提供装置100をネットワーク上のサーバ装置として配置する例を示したが、このように車載に搭載せずに、ネットワーク上のサーバ装置として配置した場合には、車室内外からアクセスすることができ、利便性を向上させることができる。
また、情報提供装置100を車両に搭載した場合には、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって、同じく車載の車両コントローラ300、ナビゲーション装置200と接続することにより、上述の動作を実現することができる。情報提供装置100を車両に搭載した場合には、車両側から情報を迅速に取得できるので、高速な処理を実現することができる。
【0054】
続いて、図6〜図8に基づいて、本実施形態の情報提供装置100の動作を説明する。ここでは、本実施形態に係る情報提供装置100を含むドライブ計画システム1の動作を例にして説明する。図6は、本発明に係る実施形態の情報提供装置100の制御処理手順の一例を示すフローチャート図、図7は情報提供装置100の制御処理手順の例を示す他のフローチャート図、図8は情報提供装置100の制御処理手順を示すさらに他の例のフローチャート図である。
【0055】
図6に示すように、まず、ステップS1において、端末装置500の入力装置51を介して、利用者が計画しているドライブについての出発地と目的地と出発時刻とを取得する。出発地が車両の現在位置であるときには、現在位置検知装置305が検出した現在位置を取得してもよい。
【0056】
ステップS2において、情報提供装置100は、取得した出発地と目的地をナビゲーション装置200の現在位置取得装置21、目的地取得装置23に送り、同じくナビゲーション装置200の経路探索装置22に、地図情報240を参照させて、出発地から目的地に至る走行経路の探索を実行させる。経路探索装置22は、現在位置から目的地までの走行経路を探索し、目的地に至る到着予想時刻を算出する。
【0057】
ステップS3において、情報提供装置100は、探索した走行経路と走行経路上の各地点を通過する時刻に基づいて、経路に属する各領域の天気情報41(図3参照)を天気サーバ400から取得する。具体的に、情報提供装置100は、経路を分割し、分割された経路が属する第2単位領域(リンク又はメッシュ)の天気情報41を取得する。このとき、各第2単位領域(リンク又はメッシュ)を通過する時刻における天気情報41を取得する。本処理では、第2単位領域がリンクである場合を例にして説明する。
【0058】
続くステップS4において、情報提供装置100は、空調装置302の設定温度と外気温との間には所定の関係(傾向)が見られることを利用して、図4に示すような、空調装置302に入力された設定温度の履歴に基づき生成された、車両の外気温と設定温度との設定温度テーブル131(対応関係)を参照し、第2単位領域を走行する際に空調装置302に入力される設定温度を予測することができる。設定温度テーブル131(対応関係)は、実験値に基づいて作成されたものであってもよいし、空調装置302の入力履歴と入力時の外気温とに基づいて統計処理(平均又は最頻値など)をして作成されたものであってもよい。
【0059】
また、空調装置302の設定温度は個人の感覚によって異なる場合もあることから、利用者の履歴に基づいて設定温度を求めることにより、空調装置302の設定温度を正確に推測することができる。この場合において、情報提供装置100は、利用者IDを取得し、利用者IDごとに車両の外気温と設定温度とが対応づけられた設定温度テーブル131(対応関係)を参照し、その利用者についての各外気温における空調装置302の設定温度の入力履歴の最頻値又は平均値を、その外気温における空調装置302の設定温度として予測することができる。
【0060】
さらに、ステップS5において、情報提供装置100は、予測された設定温度の入力された空調装置302が、各リンク(第2単位領域)を走行する際に予測された外気温の下で稼働された場合に、その空調装置302の稼働により消費される単位時間あたりの電力消費量をそれぞれ算出する。具体的には、図5に示す消費電力テーブル132を参照し、外気温と推測された設定温度において空調装置302の稼働により消費される単位時間あたりの電力消費量をそれぞれ求める。このとき、消費電力テーブル132が日射状況別に消費電力を定義している場合には、天気情報41に含まれる日射状況を考慮して電力消費量を求めることができる。
【0061】
続いて、情報提供装置100は、各リンクの旅行時間を走行情報242又は天気情報41から取得して、空調装置302の稼働により消費される単位時間あたりの第2電力消費量に旅行時間を乗じて、予測された外気温の下で空調装置302が設定温度で稼働された場合に、リンク(第2単位領域)を通過する際に消費される第2電力消費量を算出する。ちなみに、本処理例においては、第1単位領域と第2単位領域が共通のリンクである場合を例にして説明しているが、第1単位領域と第2単位領域とが異なる領域である場合には、天気情報41を参照し、第2単位領域に対応づけられたリンクの旅行時間を取得する必要がある。
【0062】
次のステップS6において、情報提供装置100は、探索された走行経路に属する各リンク(第1単位領域)に対応づけられたモータ電力消費量を含む、走行情報242(図2参照)を参照し、各リンク(第1単位領域)を走行するために消費される第1電力消費量をそれぞれ算出する。
【0063】
そして、ステップS7において、情報提供装置100は、走行経路に属するリンク(第1単位領域)ごとの第1電力消費量と、走行経路に属するリンク(第2単位領域)ごとの第2電力消費量と積算して、走行経路を走行する際に消費される総電力消費量を算出する。
【0064】
続く、ステップS8において、情報提供装置100は、ステップS7で算出された総電力消費量と現在の充電量を比較する。情報提供装置100は、車両のバッテリの残容量が総電力消費量よりも大きい場合は、ドライブ時における電力に問題がないので、ステップS9に進み、探索された走行経路と、この走行経路により目的地に至るために必要な電力(バッテリの充電量)を生成し、出力装置52を介して利用者に提示する。
【0065】
他方、情報提供装置100は、車両のバッテリの残容量(現在の充電量)が総電力消費量以下である場合は、ステップS10に進み、充電の必要性などの充電情報を含む総電力消費量に関する情報を生成し、出力装置52を介して利用者に提示する。これにより、ドライブ前に充電が必要であることを利用者に知らせることができる。
【0066】
また、図6に示す処理の後、図7に示す処理を行うことができる。
【0067】
図7に示すように、図6のステップS8で車両のバッテリの残容量が総電力消費量以下である場合は、ステップS21に進む。ステップS21において、情報提供装置100は、車両の最大充電可能量と総電力消費量とを比較する。最大充電量が総電力消費量よりも大きい場合は、ステップS27へ進み、経路探索の結果と必要な充電量の表示を行う。これにより、利用者はドライブの前に充電しておくべき電力量を知ることができ、予め充電を計画することができる。
【0068】
他方、図7のステップS21において、情報提供装置100は、最大充電量が総電力消費量以下である場合は、充電をしたとしても目的地に至るために必要な電力には足りないので、ステップS22へ進み、ナビゲーション装置200に車両が充電するための充電施設を検索させる。充電施設の検索手法は特に限定されないが、本例では、車両の進行方向に沿う走行経路上にある充電施設を優先的に選択する。
【0069】
続くステップS23において、情報提供装置100は、検索した充電施設を経由地として追加して、ナビゲーション装置200に現在位置から目的地に至る走行経路を再度探索させる。
【0070】
そして、ステップS24においては、情報提供装置100は、新たな走行経路について図6に示す、ステップS3〜S8を実行し、新たな走行経路についての総電力消費量を得る。
【0071】
その後、ステップS25においては、情報提供装置100は、再処理のステップS7で求めた総電力消費量と、検索された充電施設で充電される追加充電量と元の充電量(現在の充電量又は充電前の充電量)とを比較する。なお、充電施設で充電する前の充電量は、現在位置から充電施設に至るまでの総電力消費量を先述のステップS3〜S8の手法で求めて、現在の充電量から差し引いて求めることができる。
【0072】
ステップS25で再算出された総電力消費量よりも、検索された充電施設で充電される追加充電量と元の充電量現在の充電量又は充電前の充電量)が大きければ、充電により電力不足が解消したことになるので、ステップS26に移行し、充電施設を経由地として含めた新たな経路探索結果を、出力装置52を介して表示する。
【0073】
他方、検索された充電施設で充電される追加充電量と元の充電量現在の充電量又は充電前の充電量)が、ステップS25で再算出された総電力消費量以下である場合には、検索された充電施設での充電だけでは電力不足が解消していないことになるので、ステップS22に戻り、さらに別の充電施設を検索する。このルーチンを繰り返すことにより、目的地に至るまでの電力が確保できる走行経路を利用者に提案することができる。
【0074】
続いて、図8に基づいて、ドライブ計画システム1における総電力消費量の再計算処理の一例を説明する。
【0075】
図8に示すように、ステップS31において、情報提供装置100は、所定周期で天気サーバ400から取得する天気情報41について、前回取得した天気情報41と今回取得した天気情報41とを比較して、その内容に変更があったか、つまり天気情報41が更新されたか否かを判断する。
【0076】
天気情報41が更新された場合はステップS32へ進み、図6のステップS1で入力された運転予定日時(ドライブ計画の日時)が現在日時を超えているか否かを判断する。
【0077】
運転予定日時(ドライブ計画の日時)が現在日時を超えていない場合はステップS33に進み、超えていれば終了する。ステップS33において、情報提供装置100は、図6、図7に示す総電力消費量を再計算する。
【0078】
そして、ステップS34において、前回算出した総電力消費量と今回算出した総電力消費量とを比較し、両者が等しければ新たな情報を提示する必要が無いのでそのまま終了する。他方、両者が等しくなければ、ステップS35に進み、出力装置52を介して今回算出した総電力消費量を提示する。これにより、天気の変化に応じた最新の総電力消費量に関する情報を利用者に提供することができる。
【0079】
本発明は以上のように構成され、以上のように作用するので、以下の効果を奏する。
【0080】
本発明に係る本実施形態の情報提供装置100又は情報提供方法によれば、目的地に至る走行経路に属する単位領域に対応づけられた走行情報を参照して算出された、単位領域を走行するために消費される第1電力消費量と、走行経路が属する単位領域ごとに予測された天気情報を参照して予測された設定温度で空調装置302が単位領域を走行中に稼働された場合に消費される第2電力消費量とに基づいて、総電力消費量を算出するので、天気の変化に応じた車両の空調装置302の利用状況を考慮し、車両の電力消費量に関して正確な情報を車両の利用者に提供することができる。
【0081】
本発明によれば、空調装置302が予測された設定温度で稼働された場合に消費される電力量を含めて総電力消費量を算出するため、天気に応じた総電力消費量を推測することができる。この結果、天気の変化によって車両の空調装置の利用状況が変化した場合であっても、電力消費量に関する正確な情報を利用者に提供することができる。
【0082】
ちなみに、従来のドライブ計画サービスにおいては、現在地・経由地・目的地および走行予定日から走行ルートを提示するものがあるものの、その日の天気情報や、実際の走行時に利用者が空調装置302の設定温度を何度にして走行するかという点を考慮したものが無かった。本実施形態の情報提供装置100によれば、その日の天気において利用者がどの様な設定温度で空調装置302を稼働させるかという点まで予測した上で、消費電力を算出するので正確な情報を利用者に提供することができる。
【0083】
なお、車両が電動車両又はハイブリッド車両である場合には、充電された電力と消費電力とのバランスを正確に判断できないと、目的地に至る前に電力切れになるというトラブルが生じる場合があるが、本実施形態の情報提供装置100は、探索された走行経路を走行する際に消費される総電力消費量を正確に算出することができるので、目的地に至る前に電力切れになるというトラブルを防止することができる。
【0084】
本実施形態の情報提供装置100は、空調装置302の稼動による第2電力消費量を算出する際に、空調装置302に入力された設定温度の履歴に基づき生成された、外気温と設定温度との対応関係(設定温度テーブル131)を予め準備し、これを参照して、第2単位領域を走行する際に空調装置302に入力される設定温度を予測するので、空調装置302の稼動による第2電力消費量を正確に算出することができる。空調装置302の設定温度は個人差があるが、外気温に基づいて統計的に導出された関係に基づいて設定温度を予測することができるので、固定値によって空調装置302の稼動による電力消費量を算出する場合に比べて、高い精度で第2電力消費量を算出することができる。
【0085】
特に、外気温と設定温度との対応関係(設定温度テーブル131)を利用者ごとの履歴に基づいて作成した場合には、より高い精度で第2電力消費量を算出することができる。外気温が同じであっても、体感温度には個人差があり、車室内の設定温度は画一的に予測することが難しい。本実施形態によれば、利用者の識別子に基づいて、利用者の履歴に基づく設定温度テーブル131を参照して、その利用者の設定温度を予測することができるので、より高い精度で設定温度を予測することができる。
【0086】
また、本実施形態の情報提供装置100は、空調装置302の稼動による第2電力消費量を算出する際に、外気温と空調装置302の設定温度の組み合わせに基づいて第2電力消費量を求めるので、より高い精度で第2電力消費量を算出することができる。空調装置302の稼働によって消費される電力量は、設定温度だけでは決定されず、外気温との差によって異なるため、本実施形態のように外気温と空調装置302の設定温度の組み合わせに基づいて第2電力消費量を求めることにより、空調装置302の消費電力を正確に求めることができ、結果として第2電力消費量を正確に算出することができる。
【0087】
本実施形態の情報提供装置100は、第1電力消費量を算出する際に用いる第1単位領域、第2電力消費量を算出する際に用いる第2単位領域が道路のリンク、又は所定区画のメッシュとし、リンク又はメッシュごとに算出された第1電力消費量及び第2電力消費量を走行経路に沿って積算することにより、走行経路を走行する際に消費される総電力消費量を正確に算出することができる。
【0088】
また、本実施形態の情報提供装置100は、日射状況を考慮して第2電力消費量を算出するので、より正確な第2電力消費量を求めることができる。外気温と設定温度が同じであっても、車室内に差し込む日射が強い場合には日射が弱い場合よりも空調装置302の電力消費量が多い傾向がある。本実施形態では、外気温及び設定温度が同じであっても、日射状況に応じて空調装置302の単位時間あたりの電力消費量が異なる消費円力テーブル132を準備したので、日射状況に応じた第2電力消費量を正確に算出することができる。
【0089】
本実施形態の情報提供装置100は、車両のバッテリの残容量が総電力消費量以下である場合は、充電の必要性などの充電情報を含む総電力消費量に関する情報を生成することにより、利用者は目的地に至るためには充電が必要であることを予め知ることができる。
【0090】
また、本実施形態の情報提供装置100は、車両のバッテリの残容量及び車両の最大充電量が総電力消費量以下である場合は、充電施設情報を含む総電力消費量に関する情報を生成する。このため、利用者は、目的地に至るためには、現在の車両のバッテリ残容量では電力が足りず、さらに、満充電したとしても電力が足りないことを知ることができ、加えて、充電施設の情報までを知ることができる。この結果、利用者は、ドライブの実行前に満充電にするとともに、選択された充電施設で充電することを予め計画することができる。
【0091】
さらに、上述の場合において、選択された充電施設において充電した電力量と充電前の車両のバッテリの残容量との合計値が総電力消費量以下である場合は、車両が充電する充電施設をさらに選択し、さらに選択した充電施設情報を含む総電力消費量に関する情報を生成するので、目的地が遠く、1回の充電で電力が足りない場合には、目的地まで到達できるまでに必要な電力を確保できるように充電施設情報を提供することができる。利用者はドライブ計画に則って、充電をすることにより、目的地に至ることができる。
【0092】
上述の場合において、選択された充電施設を経由地として新たな走行経路を再検索することにより、利用者は充電施設で充電しながら目的地に至る経路を知ることができる。
【0093】
本実施形態では、ディスプレイ、スピーカを含む出力装置52を備えているので、利用者に電力消費量に関する情報を分かり易く視聴させることができる。
【0094】
また、情報提供装置100は、所定周期で天気情報41を取得し、前回取得した天気情報41と今回取得した天気情報41に変化があった場合に、第2電力消費量を再度算出するので、天気情報41の変化に応じた精度の高い第2電力消費量を求めることができる。
【0095】
さらに、情報提供装置100を車両に搭載した場合には、車両側から情報を迅速に取得できるので、高速な処理を実現することができる。
【0096】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0097】
すなわち、本明細書では、本発明に係る情報提供装置又は情報提供方法の一態様として情報提供装置100を含むドライブ計画システム1を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0098】
また、本明細書では、本発明に係る情報提供装置の一態様として、CPU11、ROM12、RAM13を含む情報提供装置100を一例として説明するが、これに限定されるものではない。
【0099】
また、本明細書では、本願発明に係る走行経路探索手段と、第1算出部と第2算出部と積算部とを有する電力消費量算出手段と、必要に応じて電力評価手段と、出力手段を有する情報提供装置の一態様として、走行経路探索機能と、第1算出機能と、第2算出機能と、積算機能とを有する電力消費量算出機能と、必要に応じて電力評価機能と、出力制御機能とを有する情報提供装置100を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0100】
1…ドライブ計画システム
100…情報提供装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
131…設定温度テーブル
132…消費電力テーブル
200…ナビゲーション装置
21…現在位置取得装置
22…経路探索装置
23…目的地取得装置
24…記憶装置
240…地図情報
241…領域情報
242…走行情報
243…給電施設情報
300…車両コントローラ
301…バッテリ残容量センサ
302…空調装置
303…乗員ID入力装置
304…外気温センサ
305…現在位置検知装置
400…天気サーバ
41…天気情報
500…端末装置
51…入力装置
52…出力装置
600…情報通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得された車両の現在位置と目的地に基づいて、地図情報を参照して前記目的地に至る走行経路を探索する走行経路探索手段と、
前記探索された走行経路を走行する際に消費される総電力消費量を算出する電力消費量算出手段と、を備え、
前記算出された総電力消費量に基づいて、前記車両の電力消費量に関する情報を利用者に提供する情報提供装置であって、
前記電力消費量算出手段は、前記探索された走行経路に属する第1単位領域に対応づけられた走行情報を参照し、前記第1単位領域を走行するために消費される第1電力消費量をそれぞれ算出する第1算出部と、
前記探索された走行経路に属する第2単位領域ごとに予測された天気情報を参照し、前記第2単位領域を走行する際に前記空調装置に入力される設定温度を予測し、前記予測された設定温度の入力された空調装置が前記第2単位領域を走行中に稼働された場合に消費される第2電力消費量をそれぞれ算出する第2算出部と、
前記第1電力消費量と前記第2電力消費量とに基づいて、前記総電力消費量を算出する積算部と、を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記第2算出部は、前記空調装置に入力された設定温度の履歴に基づき生成された、前記車両の外気温と設定温度との対応関係を参照し、前記第2単位領域を走行する際に前記空調装置に入力される設定温度を予測することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記第2算出部は、前記利用者の識別子を取得し、前記空調装置に入力された設定温度の履歴に基づき前記車両の利用者ごとに生成された、前記車両の外気温と設定温度との対応関係を参照し、前記利用者が前記第2単位領域を走行する際に前記空調装置に入力される設定温度を予測することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記第2算出部は、前記予測された前記第2単位領域を走行する際に前記空調装置に入力される設定温度と、前記第2単位領域について予測された天気情報に含まれる外気温とに基づいて、前記第2電力消費量を算出することを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記第1単位領域及び/又は第2単位領域は、前記探索された走行経路に属し、前記地図情報で定義された道路のリンクであることを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記第1単位領域及び/又は第2単位領域は、前記探索された走行経路に属し、前記地図情報で定義されたメッシュであることを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記第2算出部は、前記天気情報に基づいて、前記第2単位領域を走行する際の日射状況を予測し、前記予測された日射状況を考慮して、前記推測された設定温度の入力された空調装置が前記第2単位領域を走行中に稼働された場合に消費される第2電力消費量を算出することを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記電力消費量算出手段により算出された総電力消費量と、前記車両から取得したバッテリの残容量又は前記車両の最大充電量とを比較し、前記車両のバッテリの残容量が前記総電力消費量以下である場合は、充電情報を含む総電力消費量に関する情報を生成する電力評価手段をさらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報提供装置において、
前記電力評価手段は、前記車両のバッテリの残容量及び前記車両の最大充電量がいずれも前記総電力消費量以下である場合は、前記車両が充電できる充電施設を選択し、選択した充電施設情報を含む総電力消費量に関する情報を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報提供装置において、
前記電力評価手段は、前記選択された充電施設において充電した電力量と充電前の車両のバッテリの残容量との合計値が前記総電力消費量以下である場合は、前記車両が充電する充電施設をさらに選択し、さらに選択した充電施設情報を含む総電力消費量に関する情報を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の情報提供装置において、
前記電力評価手段は、前記経路探索手段に、前記選択された充電施設を経由地とする前記現在位置から前記目的地までの新しい走行経路を再探索させ、再探索された新しい走行経路を含む総電力消費量に関する情報を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記電力消費量算出手段により算出された総電力消費量に関する情報を前記車両の利用者に示す出力手段を、さらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記第2算出部は、前記走行経路が属する第2単位領域ごとに予測された天気情報を所定周期で参照し、当該参照する天気情報に所定の変化が生じた場合には、前記第2電力消費量を再び算出し、
前記積算部は、前記再算出された第2電力消費量と前記第1電力消費量とに基づいて、前記総電力消費量を再び算出することを特徴とする情報提供装置。
【請求項14】
車両の現在位置から目的地までの走行経路を探索するステップと、
前記探索された走行経路に属する第1単位領域に対応づけられた走行情報を参照し、前記第1単位領域を走行するために消費される第1電力消費量をそれぞれ算出するステップと、
前記探索された走行経路に属する第2単位領域ごとに予測された天気情報を参照し、前記第2単位領域を走行する際に前記空調装置に入力される設定温度を予測し、前記予測された設定温度の入力された空調装置が前記第2単位領域を走行中に稼働された場合に消費される第2電力消費量をそれぞれ算出するステップと、
前記第1電力消費量と前記第2電力消費量とに基づいて、前記総電力消費量を算出するステップと、を有し、前記総電力消費量に基づいて車両の電力消費量に関する情報を提供する情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−32256(P2012−32256A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171400(P2010−171400)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】