説明

情報提供装置

【課題】 搭乗者の健康状態に適した音楽情報を出力する情報提供装置を提供する。
【解決手段】 音楽データを記憶しておき、各音楽データには予め又はユーザの操作によって、健康状態に対応したフラグが付けられる。そして、測定及び診断した搭乗者の健康状態に応じて、出力する音楽(演奏する曲)を変える。
すなわち、リモコン20やステアリングホイル30に配置したセンサで脈拍数等の基礎データを測定し、運転者の健康状態がどの区分に該当するかを判定する。健康状態の区分としては、施設データの区分に従って、例えば、良好A、普通B、不安Cに分類される。例えば、脈拍数が150以上の場合にはリラックス効果の高い曲が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置に係り、例えば、ナビゲーション装置に適用されて、ユーザの要求に従って音楽出力するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内においてユーザに対して各種の情報を提供する情報提供装置が広く採用されている。
例えば、ナビゲーション装置では、車両の現在位置や目的地までの走行経路等を案内したり、更に、ナビゲーション機能に加えて、種々の施設に関する情報を提供したり、音楽情報を出力する機能を搭載するものも存在している。
特許文献1では、運転中において多数の楽曲の中から希望する条件の楽曲を簡単に検索し、演奏できる選曲機能を備えた情報提供装置(ナビゲーション装置)が提案されている。
【0003】
また特許文献2に記載されているように、場所に対応した香りを放出する技術も提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−281013
【特許文献2】特開2001−349739
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特許文献1に記載した情報提供装置では、各音楽情報として音楽を演奏するための演奏情報の他、ジャンル、アーティスト、発表年、曲名などの情報が格納されているが、搭乗者の健康状態に対応した分類や区分情報については格納されていない。
また、搭乗者の健康状態を検出する装置も備えていない。
このため、音楽情報を出力する場合には、ユーザが予め指定した検索条件に従って検索された曲が出力されるか、単純にユーザが選択した曲が出力されるか、予め決められた順番に出力されるだけであった。
また、特許文献2に記載した車載用案内装置においても、場所に対応する香りは放出するが、搭乗者の健康状態に対応した香りを放出することはしていない。
【0006】
そこで、本発明は、搭乗者の健康状態に適した音楽情報を出力する情報提供装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、搭乗者の健康状態に適した香りを放出する情報提供装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)請求項1記載の発明では、音楽情報を、健康状態との対応が区別可能な状態で記憶した音楽情報記憶手段と、搭乗者の健康状態を判断する基礎データを測定する基礎データ測定手段と、前記測定した基礎データに基づいて、前記測定した搭乗者の健康状態を診断する診断手段と、前記診断結果に対応する音楽情報を前記音楽情報記憶手段から読み出して出力する音楽情報出力手段と、を情報提供装置に具備させて前記第1の目的を達成する。
(2)請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の情報提供装置において、前記診断結果に対応する音楽情報が複数存在する場合、該当する音楽情報を表示装置にリスト表示する表示手段を備え、前記音楽情報出力手段は、前記リスト表示された音楽情報からユーザにより選択された音楽情報を出力する、ことを特徴とする。
(3)請求項3に記載した発明では、請求項1に記載の情報提供装置において、前記出力手段による出力回数を各音楽情報毎に記憶する回数記憶手段を備え、前記音楽情報出力手段は、前記診断結果に対応する音楽情報が複数存在する場合、前記回数記憶手段に記憶された出力回数が少ない順に出力する、ことを特徴とする。
(4)請求項4に記載した発明では、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の情報提供装置において、前記基礎データ測定手段は、搭乗者の基礎データとして、体脂肪、血圧、脈拍数、及び体温のうちの少なくとも1つを測定する、ことを特徴とする。
(5)請求項5に記載した発明では、請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の情報提供装置において、前記基礎データ測定手段は、入力操作を行うリモートコントローラ、及び車両のステアリングホイルの少なくとも一方に配置されていることを特徴とする。
(6)請求項6に記載した発明では、請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の情報提供装置において、前記基礎データ測定手段による測定値に対応する健康状態が規定された健康状態診断テーブルを備え、前記診断手段は、この健康状態診断テーブルを参照して前記搭乗者の健康状態を診断する、ことを特徴とする。
(7)請求項7に記載した発明では、複数の香りを保持した香り保持手段と、前記各香りと健康状態との対応を区別可能な状態で記憶した香りテーブルと、搭乗者の健康状態を判断する基礎データを測定する基礎データ測定手段と、前記測定した基礎データに基づいて、前記測定した搭乗者の健康状態を診断する診断手段と、前記診断結果に対応する香りを前記香り保持手段から放出させる香り放出手段と、を情報提供装置に具備させて前記2の目的を達成する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1から請求項6記載の発明によれば、搭乗者の健康状態を判断する基礎データを測定して健康状態を診断し、該診断結果に対応する音楽情報を前記音楽情報記憶手段から読み出して出力するようにしたので、搭乗者の健康状態に適した音楽情報を出力することができる。
請求項7記載の発明によれば、搭乗者の健康状態を判断する基礎データを測定して健康状態を診断し、該診断結果に対応する香りを放出するようにしたので、搭乗者の健康状態に適した香りを放出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の情報提供装置をナビゲーション装置に適用した場合の好適な実施形態について、図1から図4を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態のナビゲーション装置では、音楽データ(演奏用のデータ)を記憶しておき、各音楽データには予め又はユーザの操作によって、健康状態に対応したフラグが付けられる。そして、測定及び診断した搭乗者の健康状態に応じて、出力する音楽(演奏する曲)を変える。
【0010】
すなわち、ナビゲーション装置は、リモコンやステアリングホイルに、体脂肪、血圧、脈拍数、及び体温の各センサを配置し、所定のタイミング、例えば、リモコンやステアリングホイルに配置した送信ボタンが押された時や、定期的に、又はリモコンの操作がされた場合等に、測定した体脂肪率、血圧等を、健康情報を判断する基礎データとして測定する。
【0011】
そして基礎データの測定値に基づいて、例えば、被測定者(通常は運転者)の健康状態がどの区分に該当するかを判定する。
健康状態の区分としては、音楽情報の区分に従って、例えば、良好A、普通B、不安Cに分類される。例えば、最高血圧120未満はA、120以上で145未満はB、145以上はCのように区分し、また、体脂肪率が20未満はA、20以上で28未満はB、28以上はC、また、脈拍数が100未満はA、100以上で150未満B、150以上はCというように各測定項目毎に診断をする。
【0012】
一方、音楽情報DB(データーベース)には、各音楽情報(曲)毎に演奏用データ、音楽名、ジャンル、作詞家、作曲家、演奏者/歌手、等の通常の音楽情報に加えて、健康区分データが格納される。健康区分データは各健康状態A、B、C…に対応したフラグが格納される。
例えば、健康状態AとBのフラグが格納されている音楽情報は、健康状態Aの搭乗者と健康状態Bの搭乗者に提案してよいが、健康状態Cの搭乗者に対しては提案しないようになっている。
【0013】
本実施形態によれば、例えば、運転中の脈拍数がステアリングホイルに配置されたセンサで測定され、健康状態A〜Cのいずれかについて診断され、対応した音楽情報が出力される。
例えば、健康状態を測定して脈拍数が152であれば健康状態Cと判断され、リラックスさせるための音楽として、健康区分データCの音楽が出力される。
検索された健康区分Cの音楽情報が複数存在する場合、本実施形態では、検索された各音楽情報のうちから任意の1つを選択して出力、すなわち、ランダムに出力するようになっている。
但し、次のいずれかの方法により決定した音楽情報を順次出力するようにしてもよい。例えば、出力回数の少ない順に出力するようにしてもよい。また、ユーザが個別的に選択した音楽情報(ユーザが自分の好みで選択した音楽情報)が当該健康区分の音楽情報に存在する場合には、選択回数の多い順に出力するようにしてもよい。さらに、検索された複数の音楽情報をリスト表示しユーザが選択した曲を出力するようにしてもよい。
【0014】
(2)実施形態の詳細
図1は、ナビゲーション装置の構成を表したものである。
図1に示されるように、ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置全体を制御するナビゲーション制御部10を備えている。
また、ナビゲーション装置は、ナビゲーション制御部10に対して入力手段として機能し各種操作の入力を行うと共に、搭乗者の健康状態を測定する健康状態測定手段とて機能するリモコン(リモートコントローラ20)を備えている。
ナビゲーション装置はまた、ステアリングホイル30に配置され、健康状態測定手段として機能するセンサ部(後述する)を備えており、ナビゲーション制御部10と接続されている。
このナビゲーション制御部10には、表示装置11、スピーカ12、現在位置検出部13、記憶部14、停止状態検出部15が接続されている。
【0015】
ナビゲーション制御部10は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムで構成されており、RAMを所定の作業領域としてROMや記憶部14に格納された各種プログラムを実効することで、本実施形態における音楽情報出力処理を含め、目的地設定、経路探索、経路案内、各種情報の提供等の各種機能を実現するようになっている。
【0016】
表示装置11は、液晶ディスプレイ11aを備えており、この液晶ディスプレイ11aには、経路案内に必要な目的地設定用の画面を表示したり、走行中の現在位置を地図と共に表示したり、さらに経路案内において車両の走行すべき経路を表示したりするようになっている。
またディスプレイ11aには、本実施形態の音楽情報出力処理において、搭乗者の健康状態に応じて選択され出力されている音楽情報の情報、例えば、演奏曲名、アーティスト名、演奏時間等が表示されるようになっている。
なお、本実施形態の表示装置11としては液晶ディスプレイ11aが使用されるが、他にCRTやプラズマディスプレイ等を使用するようにしてもよい。
【0017】
表示装置11は、液晶ディスプレイ11aの表面にタッチパネルが配置されており、液晶ディスプレイ11aに表示された各種操作キーに対応する表示部位を押圧(タッチ)することで当該部位に対応した操作キーが選択されるようになっている。
なお、これらの操作キーは、液晶ディスプレイ11aの外側の外側パネル部11bに常設された専用操作キーとして配置するようにしてもよい。
【0018】
表示装置11の外側パネル部11bには、リモコン受光部11cが配置されている。
リモコン受光部11cは、リモコン20から送信される情報の受信手段として機能する。
リモコン20から受信する情報としては、入力された操作信号の他に、リモコン20で検出されたリモコン操作者の健康状態に関する基礎データがある。
【0019】
本実施形態におけるリモコン20は、赤外線リモコンが採用されており、赤外線によるシリアル通信により入力された操作内容に対応する信号が送信され、リモコン受光部11cでこれを受光してナビゲーション制御部10で受信内容が解析されるようになっている。
なお、リモコン20の通信方式としては、赤外線に限られるものではなく、ブルートゥース等の他の無線通信方式により構成するようにしてもよい。
その場合、リモコン受光部11cに代えて、リモコン20の通信方式に対応したリモコン受信部が外側パネル部11bに配置され、対応した受信情報の解析がナビゲーション制御部10で行われるように構成される。
【0020】
スピーカ12は、図示しない音声プロセッサが接続され、ナビゲーション制御部10による制御のもと各種音声を出力するようになっている。
スピーカ12からは、例えば、「この道300m先を右方向です」といった経路案内用の音声や、液晶ディスプレイ11aに表示された各種画面操作方法についての操作案内音声等が出力されるようになっている。
またスピーカ12からは、本実施形態における音楽情報出力処理の際に、診断した搭乗者の健常状態に対応した音楽情報が順次音楽情報DBから読み出されて出力されるようになっている。その際、スピーカ12からは、本実施形態における音楽情報出力処理の際に、診断した搭乗者の健常状態を報知する音声、例えば、「リモコンを操作された方/運転者の健康状態Bに最適な音楽を出力します」といった音声が出力されるようにしてもよい。
【0021】
現在位置検出部13は、ナビゲーション装置を搭載している車両の現在位置(例えば、緯度、経度による絶対位置)を検出する。検出した現在位置は、例えば、経路案内において道路データとのマッチング等に使用され、液晶ディスプレイ11aに表示された地図上に車両の現在位置として表示される。
現在位置検出部13としては、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)、車速センサ、ジャイロセンサ、方位センサ、舵角センサ、距離センサ等の1又は複数を備えている。
【0022】
記憶部14は、プログラム記憶部14aとデータ記憶部14bを備えている。
プログラム記憶部14aには、本実施形態における音楽情報出力プログラムの他、経路案内を行うための各種プログラムとして目的地設定プログラム、経路探索プログラム、経路案内プログラム、その他各種プログラムが格納されている。
データ記憶部14bには、ナビゲーション処理に必要な各種データとして、地図データ、道路データ、音楽情報出力プログラムで使用される音楽情報DB(図3で後述)及び健康状態診断テーブル等の各種データが格納されている。
【0023】
健康状態診断テーブルは、本実施形態において測定項目となっている基礎データ(体脂肪、血圧、脈拍数、体温)の測定値に対する健康状態の区分が規定されている。
例えば、最高血圧120未満はA、120以上で145未満はB、145以上はCのように区分し、また、体脂肪率が20未満はA、20以上で28未満はB、28以上はC、また、脈拍数が100未満はA、100以上で150未満B、150以上はCに規定されている。
そして、各区分毎に点数化されており、A=p点、B=q点、C=r点(p>q>r)、これらの各測定項目毎の点数の合計値Xが所定の閾値t1以上(X≧t1)であれば健康状態A、また、合計値Xが閾値t1未満t2(t1>t2)以上(t1>X≧t2)であれば健康状態B、合計値Xが閾値t2未満(X<t2)であれば健康状態Cというように総合的に健康状態が診断される。
【0024】
なお、健康状態の診断については、各測定項目毎の点数の合計値Xではなく平均値から判断するようにしてもよい。この場合、例えば、閾値T1、T2(T1>T2)に対して、平均値をEとして、E≧T1の場合に健康状態A、T1>E≧T2の場合に健康状態B、E<T2の場合に健康状態Cとする。
また、他の方法により健康状態を診断するようにしてもよい。
【0025】
停止状態検出部15は、車両が停止状態であるか否かをナビゲーション制御部10で判断するための車両の状態を検出する。
本実施形態での停止状態検出部15は、車速センサを備え、車速がナビゲーション制御部10に供給される。ナビゲーション制御部10では車速V=0の場合にナビゲーション停止状態であると判断するようになっている。
なお、ナビゲーション制御部10は、車速V>所定車速v1(例えば、5km/h)である場合に停止状態と判断するようにしてもよい。
また、停止状態検出部15は、シフトレバー位置を検出し、又はサイドブレーキのオン、オフを検出してナビゲーション制御部10に供給するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション制御部10は、シフトレバー位置がパーキングP位置である場合、サイドブレーキがオンである場合に停止状態と判断する。
なお、停止状態検出部15の車速センサは、現在位置検出部13の車速センサと兼用するようにしてもよい。
【0026】
次に、基礎データ測定手段として機能するリモコン20とステアリングホイル30による、基礎データの測定について説明する。
図2は、リモコン20とステアリングホイル30の外観構成を表したものである。
リモコン20は、図2(a)に示されるように、送信部25と、カーソル移動キー22、縮尺選択キー23、その他の操作キー24、及びセンサ部31a、31bを備えている。
センサ部31a、31bは、リモコン20の操作キーの配置面からみて両側面に配置されており、操作キーの入力操作のためにリモコン20を把持した際に手が接触して基礎データを測定するようになっている。
送信部25からは、赤外線により操作内容等の各種操作信号と、センサ部31a、31bで測定された体脂肪率等の各種基礎データが送信される。
【0027】
ステアリングホイル30には、直進状態の位置における左右両側にセンサ部31a、31bが配置されており、運転者がステアリング操作により握った手から基礎データを測定するようになっている。
本実施形態においてステアリングホイル30で測定された基礎データは、接続線を介してナビゲーション制御部10と接続されている(図1参照)が、リモコン20と同様に、赤外線通信やブルートゥース等による無線通信により、表示装置11のリモコン受光部11cに送信するようにしてもよい。
【0028】
リモコン20及びステアリングホイル30は、健康状態を判断するための基礎データとして、体脂肪計、血圧計、脈拍数計、体温計を備えており、これらの各検出部が、センサ部21a、21b、及びセンサ部31a、31bに配置されている。
【0029】
体脂肪計は、リモコン20の両センサ部21a、21bとステアリングホイル30の両センサ部31a、31bに配置された一対の電極を有し、各電極がリモコン20の操作者や車両運転者の手で握られた状態で、基礎データとしての体脂肪率を測定する。
体脂肪計は、脂肪の非伝導体性を利用して、両電極から身体に微弱電流を流し、生体インピーダンス(体の電気抵抗)の測定値から体脂肪率を求めることで測定する。
【0030】
体温計は、例えば体脂肪計用の電極の温度を測定し、その温度をリモコン20の操作者や車両運転者の体温を基礎データとして測定する。
【0031】
血圧計は、例えば、人体において心臓の収縮に伴う血液の脈波が心臓から指先に到達するまでの脈波伝播時間(PWTT:Pulse Wave Transmit Time)と血圧との相関関係を利用して血圧測定を行うものである。
血圧計は、心臓の拍動時に発生する電位変化を検知して心臓の収縮タイミングを検知するための電極センサと、指先の血流量の変化を赤外線により検知して脈波が指先に到達したタイミング(脈拍)を捉えるための赤外線センサを備えており、これらセンサにより検知した脈波伝播時間に基づいた演算により血圧を測定する。
本実施形態の血圧計としては、一方のセンサ部21a、31aに心臓の収縮タイミング(心電波(R波))を検知するための電極センサを配置し、他方のセンサ部21b、31bに赤外線センサが配置される。
【0032】
なお、特開2000−107141号公報に記載されるように、心臓からの距離の差を利用して、脈拍を計測する脈拍センサを両センサ部21a、21b、31a、31bに配置するようにしてもよい。
この場合のリモコン20は、一方のセンサ例えば、センサ部21bを、操作キーに配置するようにする。これにより、リモコン20を把持した手からセンサ部21aで脈泊を検出し、操作キーから他方の手で操作した際に操作キーに配置されたセンサ部21bで脈泊が検出される。
本実施形態の血圧計は、その他各種公知の方法を採用することができる。
【0033】
脈泊数計は、センサ部21a、31aに、血流に向けて超音波を発振する発振器と、血流で反射された反射派を受信する受信器が配置され、受信した反射派の周波数変化や振幅の変化から脈拍を検出し、その間隔から脈拍数を測定する。
なお、脈拍数計としては、血圧計と兼用し、血圧計で測定した脈拍を利用して脈泊数を測定するようにしてもよい。
【0034】
これら、リモコン20及びステアリングホイル30で測定された基礎データは、次のタイミングでナビゲーション制御部10に送信される。
すなわち、リモコン20、ステアリングホイル30に基礎データ用の送信ボタンを配置し、この送信ボタンが押された際に送信される。
なお、ステアリングホイル30の場合、予め規定された時間間隔毎に基礎データを測定し、その測定後自動的に送信するようにしてもよい。
逆に、ステアリングホイル30は、ナビゲーション制御部10から要求があった際に基礎データを測定して送信するようにしてもよい。
また、リモコン20の場合、リモコン20が握られた際、すなわち、センサ部21a、21bによる測定が可能になった際に基礎データを測定し、操作キーが押された際に操作キーに対応する情報と共に、基礎データを送信するようにしてもよい。
【0035】
図3は、音楽情報DBの内容を概念的に表したものである。
音楽情報DBは、各音楽情報の識別番号(通し番号)、当該音楽情報を出力する演奏データ(図示せず)、音楽名(曲名)、及び健康区分データを備えており、さらに、各音楽情報によっては、作曲者、演奏者名(又は歌手名)、演奏時間、発売(曲の発表)年等の当該楽曲に関する情報が格納されている。
音楽情報は、各ジャンルごとに分類及び格納されている。ジャンルには、一番大きな分類として「クラッシック」、「ジャズ」、「歌謡曲」、「ポップス」、等に分類されており、各分類の下位に細分類が複数層に分類されている。
例えば、ジャンル「クラッシック」の下位には、「バロック時代」「古典派」「ロマン派」「フランス」「20世紀」等に分類されている。
【0036】
図3に示すように、各音楽情報DBには、健康区分データとして、健康状態A、健康状態B、健康状態Cエリアが確保されており、各エリアには、フラグが付与されるようになっている。
そして、フラグが付与されている音楽情報が各健康状態における検索対象となる。例えば、音楽情報○○○は健康状態Aにフラグが付与されているので、健康状態Aと診断された場合には検索対象となる。
【0037】
なお、音楽情報DBの健康区分データは、本実施形態の場合、健康状態A、健康状態B、健康状態Cの3つに区分されているが、この区分は、後述する健康状態判断における区分と一致しているものである。
従って、健康状態の判断として更に細かくnの場合に分けて診断する場合には、音楽情報DBの健康区分データもn種類に区分されることになる。
【0038】
次に以上のように構成された車両における、健康状態を考慮した音楽情報出力の処理動作について説明する。
図4は、音楽情報出力処理の動作を表したフローチャートである。
本実施形態における音楽情報出力処理は、ユーザにより音楽情報の出力指示が、本実施形態装置11に配置された入力キーやリモコン20から入力された場合に実行される。
なお、音楽情報出力処理は、ユーザからの指定によらず、例えば、ナビゲーション装置の電源がオンされた時点で自動的に実行され、BGMとしての音楽情報が出力されるようにしてもよい。
【0039】
ナビゲーション制御部10は、リモコン20の入力操作や、液晶ディスプレイ11a等の入力キー操作により音楽情報出力が選択されると、リモコン20又はステアリングホイル30から基礎データを受信する(ステップ10)。
【0040】
そしてナビゲーション制御部10は、受信した基礎データに基づいて、例えば、被測定者(通常は運転者)の健康状態の診断を行う(ステップ11、ステップ12)。
すなわち、ナビゲーション制御部10は、受信した各測定項目毎の基礎データをデータ記憶部14bの健康状態診断テーブルに従って、各測定項目毎の点数を求め、その合計値Xを算出する。
そして、ナビゲーション制御部10は、合計値Xが所定の閾値t1以上(X≧t1)であれば健康状態Aと診断する。
また、ナビゲーション制御部10は、合計値Xが閾値t1未満t2(t1>t2)以上(t1>X≧t2)であれば健康状態Bと診断し、合計値Xが閾値t2未満(X<t2)であれば健康状態Cと診断する。
【0041】
ついで、ナビゲーション制御部10は、健康状態A〜Cの診断結果に応じて、その健康状態において勧める音楽情報の検索と出力を行う(ステップ12〜ステップ15)。
すなわち、ナビゲーション制御部10は、データ記憶部14bの音楽情報DBから診断した健康状態A〜Cに対応する健康区分にフラグが付与されている音楽情報を検索する。例えば、健康状態Cと診断した場合には、音楽情報DBに格納されている音楽情報のうち、健康状態区分Cにフラグが付与されている音楽情報を検索する。
そして、ナビゲーション制御部10は、健康状態A〜Cに対応して検索された音楽情報について、ランダムに1の音楽情報を選択して順次出力する(ステップ13、14、15)。
なお、操作キーから検索対象となるジャンルが指定されている場合、ナビゲーション制御部10は、当該指定されているジャンルの範囲で検索を行う。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、測定した搭乗者の健康状態の基礎データから健康状態を診断し、診断した健康状態に応じた音楽情報を検索して出力するようにしたので、搭乗者の健康を考慮したお薦めの音楽情報を提案することができる。
【0043】
以上、本発明のナビゲーション装置の実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、特開2001−349739号公報に示されるように、香り放出装置(香り保持手段、香り放出手段)を備え、健康状態に応じて放出する香りを変えてもよい。
例えば、血圧が所定値以上の時は、リラックス効果を高めるアロマの香りを出すようにしてもよい。
また、健康状態に応じて、香りを放出するか否かを決めるようにしてもよい。例えば、心拍数が所定値以上の時は、出すが、それ未満の時は出さないようにする。
このように、健康状態に応じた香りを放出する場合には、各香りついて健康区分データを付与した香り健康区分DB(香りテーブル)をデータ記憶部14bに格納する。
【0044】
また、説明した本実施形態では、健康状態を判断する基礎データを総合して健康状態を診断するようにしているが、測定される各基礎データ毎に健康状態を診断するようにしてもよい。例えば、体脂肪率は健康状態A1、B1、C1の3種類、血圧は健康状態A2、健康状態B2、健康状態C3の3種類、体温は健康状態A3と健康状態Bの2種類、脈拍数は、健康状態A4、B4、C4の3種類…という具合に各測定項目毎に診断する。
この場合、健康状態で診断される各健康状態に応じて、健康区分データも各音楽情報に対した基礎データ毎に区分されることになる。
【0045】
このように、健康状態の区分及び診断を各測定項目毎とすることで、より搭乗者の健康状態に合致した音楽情報の提供と、細かな健康管理を行うことができる。
【0046】
また、別の変形例として、ユーザが音楽情報の出力を指示する際に出力する音楽のジャンル(検索項目)を指定している場合、指定されたジャンルに応じて、健康状態を判断する項目を変更するようにしてもよい。
例えば、ジャンル「ジャズ」が指定されている場合に血圧と脈拍数が測定項目となり、「クラッシック」が指定されている場合には脈拍数が測定項目となるようにしてもよい。
【0047】
本実施形態では、基礎データ測定手段としてリモコン20と、ステアリングホイル30の両方を備える構成としたが、いずれか一方としてもよい。
【0048】
なお、本実施形態のように、リモコン20とステアリングホイル30の両方で基礎データを測定する場合、運転者の基礎データがステアリングホイル30から測定され、運転者以外の搭乗者の基礎データがリモコン20から測定される場合がある。
この場合、ナビゲーション制御部10は、運転者と他の搭乗者の健康状態をそれぞれの基礎データから別々に診断し、別々に音楽情報を検索する。すなわち、運転者用の音楽情報と、他の搭乗者用の音楽情報を別々に検索する。
そして、ナビゲーション制御部10は、運転者用の音楽情報と、他の搭乗者用の音楽情報の両方に存在する音楽情報を最終的な検索音楽情報として液晶ディスプレイ11aに表示する。表示方法は、リスト表示、地図上へのマーク表示のいずれでもよい。
【0049】
また、説明した実施形態では、運転者の基礎データの測定、基礎データに基づく健康状態の診断処理、及び健康状態の診断結果に対応する音楽情報の検索処理について全てナビゲーション装置で行う場合について説明したが、運転者の基礎データの測定を除く他の処理を情報センタが行うようにしてもよい。
【0050】
すなわち、ナビゲーション装置は、情報センタの間で双方向の無線通信を行うための通信手段を備える。
そして、基礎データに基づく健康状態の診断処理、健康状態の診断結果に対応する音楽情報の検索処理の一方又は双方を情報センタで行い、その処理結果をナビゲーション装置に送信するようにしてもよい。
具体的には情報センタが(a)基礎データに基づく健康診断処理を行う場合、(b)基礎デー基づく健康診断処理と健康状態の診断結果に対応する音楽情報の検索処理の双方を行う場合、又は(c)健康状態の診断結果に対応する音楽情報の検索処理を行う場合がある。
【0051】
(a)の場合、ナビゲーション装置は測定した基礎データを情報センタに送信する。
情報センタは受信した基礎データに基づいて健康状態を診断して診断結果をナビゲーション装置に送信する。ナビゲーション装置では、受診した診断結果に応じた音楽情報を検索し、所定順(例えば、ランダムに)出力する。
【0052】
(b)の場合、情報センタは、ナビゲーション装置と同様に、図3に示した音楽情報DBを備える
そして、ナビゲーション装置は測定した基礎データを情報センタに送信する。
情報センタでは、受信した基礎データに基づいて健康状態を診断し、診断結果に応じた音楽情報を検索して、検索結果をナビゲーション装置に送信する。ここで送信される検索結果は、検索された音楽の識別番号(通し番号、図3参照)である。
一方、ナビゲーション装置では、受信した検索結果に対応する音楽情報をデータ記憶部14bの音楽情報DBから読み出して所定順(例えば、ランダムに)出力する。
なお、ナビゲーション装置が音楽情報DBを保持しないようにしても良く、この場合には、情報センタから検索した音楽情報の識別番号ではなく、音楽情報そのものが送信される。
【0053】
(c)の場合にも情報センタは、ナビゲーション装置と同様に、図3に示した音楽情報DBを備える。
そして、ナビゲーション装置は、測定した基礎データに基づいて健康状態を診断し、診断結果(説明した実施形態の場合であれば健康状態A〜C)を情報センタに送信する。
情報センタでは、受信した健康状態に対応する音楽情報を検索し、ナビゲーション装置が音楽情報DBを備えていれば音楽情報の識別番号(通し番号)を送信し、音楽情報DBを備えていなければ音楽情報情報を送信する。
情報センタでは、受信した識別番号に対応する音楽情報を音楽情報DBデータから読み出して所定順(例えば、ランダムに)に出力し、又は受信した音楽情報を所定順(例えば、ランダムに)出力する。
【0054】
なお、以上説明したように情報センタの間で双方向の無線通信を行う場合、情報センタは、音楽情報を適宜更新するようにし、ナビゲーション装置か基礎データを受信し、所定の処理を行いその処理結果をナビゲーション装置に送信する際に、最新の音楽情報に更新するための更新情報を送信するようにしてもよい。
この場合、ナビゲーション装置は、基礎データを情報センタに送信する際に、自己の音楽情報の更新情報(最新の更新日)を送信することで、情報センタは必要な更新情報を特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ナビゲーション装置の構成図である。
【図2】リモコンとステアリングホイルの外観構成図である。
【図3】音楽情報DBの内容を概念的に表した説明図である。
【図4】音楽情報出力処理の動作を表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
10 ナビゲーション制御部
11 表示装置
11a 液晶ディスプレイ
11b 外側パネル部
11c リモコン受光部
12 スピーカ
13 現在位置検出部
14 記憶部
14a プログラム記憶部
14b データ記憶部
15 停止状態検出部
20 リモコン
21a、21b センサ部
30 ステアリングホイル
31a、31b センサ部
25 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽情報を、健康状態との対応が区別可能な状態で記憶した音楽情報記憶手段と、
搭乗者の健康状態を判断する基礎データを測定する基礎データ測定手段と、
前記測定した基礎データに基づいて、前記測定した搭乗者の健康状態を診断する診断手段と、
前記診断結果に対応する音楽情報を前記音楽情報記憶手段から読み出して出力する音楽情報出力手段と、
を具備することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記診断結果に対応する音楽情報が複数存在する場合、該当する音楽情報を表示装置にリスト表示する表示手段を備え、
前記音楽情報出力手段は、前記リスト表示された音楽情報からユーザにより選択された音楽情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記出力手段による出力回数を各音楽情報毎に記憶する回数記憶手段を備え、
前記音楽情報出力手段は、前記診断結果に対応する音楽情報が複数存在する場合、前記回数記憶手段に記憶された出力回数が少ない順に出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記基礎データ測定手段は、搭乗者の基礎データとして、体脂肪、血圧、脈拍数、及び体温のうちの少なくとも1つを測定する、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記基礎データ測定手段は、入力操作を行うリモートコントローラ、及び車両のステアリングホイルの少なくとも一方に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記基礎データ測定手段による測定値に対応する健康状態が規定された健康状態診断テーブルを備え、
前記診断手段は、この健康状態診断テーブルを参照して前記搭乗者の健康状態を診断する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
複数の香りを保持した香り保持手段と、
前記各香りと健康状態との対応を区別可能な状態で記憶した香りテーブルと、
搭乗者の健康状態を判断する基礎データを測定する基礎データ測定手段と、
前記測定した基礎データに基づいて、前記測定した搭乗者の健康状態を診断する診断手段と、
前記診断結果に対応する香りを前記香り保持手段から放出させる香り放出手段と、
を具備することを特徴とする情報提供装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−47846(P2007−47846A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228329(P2005−228329)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】