説明

情報提供装置

【課題】 屋内外で容易に利用することができる情報提供装置を提供する。
【解決手段】 ネットワーク7を介して接続している端末1から送信される要求に応じて、端末1に所定の情報を提供する情報提供装置において、識別情報が記録された非接触型ICカード4と、屋内外の所定の場所に固定設置され、互いを識別する固有の情報を持つ複数の端末1と、端末1とネットワーク7を介して相互に情報の授受を行うサーバ8とを備え、端末1には、識別情報を読み取る情報読取手段5と、サーバ8が提供する情報を表示する表示手段4と、要求情報を入力する入力手段3とが設けられ、サーバ8には、識別情報と要求情報とを記憶する記憶手段9と、識別情報と要求情報と固有の情報とから提供情報を抽出する情報抽出手段10とが設けられ、提供情報を端末1の表示手段4に表示することを特徴とする情報提供装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続している端末に情報を提供する情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報提供装置に関し、例えば目的地までの経路を探索して、利用者が携帯する端末に地図および経路を情報として表示するナビゲーション装置がある。ナビゲーション装置は、例えば、携帯電話機の表示画面に地図として表示する携帯ナビゲーション装置が普及しており、目的地までの経路が、徒歩・電車・徒歩と複数の移動手段に跨っても利用者に適切な経路案内を行う経路案内サービスを利用することができるようになってきている。この種の携帯ナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)によって現在地情報を取得している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−44328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来の装置では、次のような問題点があった。第1に、GPSによって現在値情報を取得しているため、屋内や地下街といった場所ではGPS衛星からの電波の届かないため経路案内サービスを利用することができない。第2に、経路案内サービスを利用するには専用の機能を有する携帯端末が必要であり、利用者にとってはコスト面および手続面での負担が大きいものとなっている。
【0004】
そこで、本発明は、屋内外で簡便に利用することができる情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の情報提供装置は、ネットワークを介して接続している端末から送信される要求に応じて、端末に所定の情報を提供する情報提供装置において、識別情報が記録された非接触型ICカードと、屋内外の所定の場所に固定設置され、互いを識別する固有の情報を持つ複数の端末と、端末とネットワークを介して相互に情報の授受を行うサーバとを備えている。ここで、端末には、識別情報を読み取る情報読取手段と、サーバが提供する情報を表示する表示手段と、要求情報を入力する入力手段とが設けられ、また、サーバには、識別情報と要求情報とを記憶する記憶手段と、識別情報と要求情報と固有の情報とから提供情報を抽出する情報抽出手段とが設けられている。そして、抽出された提供情報を端末の表示手段に表示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の情報提供装置によれば、屋内外で簡便に情報提供を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明による情報提供装置を、より具体的に説明する。
【実施例】
【0008】
図1は、本発明による情報提供装置の一実施例を示す図である。端末1(1a,・・・1n)は、イベント会場、ショッピングモール、地下街といった屋内外の所定の複数箇所に固定設置され、表示手段である表示器2に各種のイベント情報や地図・案内図、宣伝広告、電車の時刻表といった様々な情報が表示されている。
【0009】
3は端末に設けられた入力手段で、利用者が行きたい場所(要求情報)を目的地情報として入力できる。ここで入力手段3は、キーボードのように直接に文字情報を入力できるものに限らず、例えば表示器2がタッチパネル式のもので、画面案内に従って目的地情報を選択式に入力できるものでも良い。
【0010】
4は、利用者が携帯する例えばSuica(登録商標)やPASMO(登録商標)などの非接触型ICカードであり、端末1の情報読取手段であるカードリーダ5にかざすことにより、非接触型ICカード4に記録された例えばID番号情報を識別情報として読み取ることができる。
【0011】
目的地情報とID番号情報とは、操作が行われた端末1が有し端末同士を互いに識別できる例えばシリアル番号のような固有の情報とともに、端末1の端末制御部6により各情報を一時的に記憶しネットワーク7を介してサーバ8へ送信される。この固有の情報は端末1の位置を特定するために識別できるものであれば良く、端末ごとに固有の情報であればシリアル番号に限定されない。
【0012】
サーバ8では、端末1から送信された情報で、目的地情報とID番号情報とを記憶手段9により保存する。そして、情報抽出手段10により、目的地情報と端末1のシリアル番号とから、操作が行われている端末1から目的地までの案内図(提供情報)を抽出する。ここで、情報抽出手段10は、例えば、予め用意された案内図情報パターンの中から条件に合致する案内図を抽出するようにしても良い。
【0013】
利用者が最初に操作した端末1とは別の端末1で再度操作する場合で目的地が変わらない場合は、非接触型ICカード4を端末1のカードリーダ5へかざすだけで、非接触型ICカード4のID番号情報と端末1のシリアル番号がサーバ8へ送信され、記憶手段9に保存されているID番号情報と照合し、保存されている目的地情報を抽出して、操作が行われた端末1と目的地までの案内図を端末1の表示器2へ表示することができる。
【0014】
サーバ8から端末1への送信はサーバ制御部11で行われる。
【0015】
以下、本実施形態の作用を、図2のフローチャートに基いて説明する。
【0016】
利用者は、所定の場所に設定された複数の端末1のうち、任意の端末1を選択して操作を行う。最初の操作で目的地をまだ設定していない場合、あるいは目的地を変更したい場合は、端末1にある入力手段3により目的地を設定する(ステップS101のY、ステップS102)。
【0017】
非接触型ICカード4を端末のカードリーダ5へかざすことにより、ID番号を読み取らせる(ステップS103)。
【0018】
目的地情報、ID番号情報および端末1のシリアル番号をネットワークを介してサーバ8へ送信する(ステップS104)。
【0019】
サーバ8では受信した情報より、操作が行われた端末1から目的地までのルートを示す案内図を抽出し(ステップS105)、操作が行われた端末1へ案内図情報を送信し(ステップS106)、端末1に表示する(ステップS107)。
【0020】
利用者はその案内図情報を見て、目的地まで迷うことなく到達することができる。また、道に迷った場合は、近くにある端末1にICカード4をかざすことにより、既にサーバ8に保存されている目的地情報、ID番号情報と照合して、操作が行われた端末1から目的地までの案内図が端末1に表示される。
【0021】
従って、本実施の形態によれば、屋内や地下街のようなGPS電波の届かない場所であっても、簡便な操作で目的地までの案内図情報を提供することができる。
【0022】
なお、目的地情報を設定する他の実施例として、表示器2の内容が時々刻々と変わるような表示に対して、利用者が目的とする要求情報が表示された時に非接触型ICカード4をカードリーダ5にかざすことにより、ID番号情報とともに目的地情報を合わせて入力できるようにしても良い。また、デパート等の複合商業施設において、各店の情報が碁盤の目のように複数表示された案内看板等において、各店の看板位置に合わせてカードリーダ5をそれぞれ設置し、目的の店の看板上に非接触型ICカード4をかざすだけでID番号情報とともに目的地情報を入力できるものでも良い。
【0023】
さらに、この発明は、上述した実施例に何ら限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明の一実施の形態の処理の流れを示すフロー図。
【符号の説明】
【0025】
1a、1b、1c、1n・・・端末、2・・・表示器、3・・・入力手段、4・・・非接触型ICカード、5・・・カードリーダ、6・・・端末制御部、7・・・ネットワーク、8・・・サーバ、9・・・記憶手段、10・・・情報抽出手段、11・・・サーバ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続している端末から送信される要求に応じて、前記端末に所定の情報を提供する情報提供装置において、識別情報が記録された非接触型ICカードと、屋内外の所定の場所に固定設置され、互いを識別する固有の情報を持つ複数の端末と、前記端末とネットワークを介して相互に情報の授受を行うサーバとを備え、前記端末には、前記識別情報を読み取る情報読取手段と、前記サーバが提供する情報を表示する表示手段と、要求情報を入力する入力手段とが設けられ、前記サーバには、前記識別情報と前記要求情報とを記憶する記憶手段と、前記識別情報と前記要求情報と前記固有の情報とから提供情報を抽出する情報抽出手段とが設けられ、前記提供情報を前記端末の表示手段に表示することを特徴とする情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−112940(P2010−112940A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310229(P2008−310229)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】