説明

情報提供装置

【課題】予めデータベースに登録されていない情報であっても、ユーザに当該情報を提供することができる情報提供装置を提供する。
【解決手段】地図データ上でPOI情報を管理するデータベース1と、車両の走行データを示すプローブデータを複数の車両から収集するプローブデータ収集手段と、プローブデータ収集手段により収集されたプローブデータに基づき、複数の車両が立ち寄った立ち寄り地点を特定する地点特定手段と、データベース1で管理されているPOI情報が登録されていない立ち寄り地点の情報を車両のユーザに提供する提供手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続され、地図データをモニタに表示する車載端末装置と、通信部によりユーザと相互通信を行い、施設情報データベースに各施設の情報を格納し、ユーザの検索要求により施設情報データベースに格納された施設情報を検索して、ユーザが上記通信部を介して送信してきた施設情報を上記施設情報データベースに登録する施設情報管理センタ装置とを備え、施設情報管理センタ装置が車載端末装置から検索の要求を受けた施設の情報を検索し、結果を車載端末装置に送信するとともに、ユーザからの施設情報を施設情報管理センタ装置に登録する施設情報紹介・登録システムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−46547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、施設情報記憶手段に予め記憶された施設情報しか、ユーザに提供することができない、という問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、予めデータベースに登録されていない情報であっても、ユーザに当該情報を提供することができる情報提供装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プローブデータに基づき、複数の車両が立ち寄った立ち寄り地点を特定し、データベースで管理されているPOI情報が登録されていない当該立ち寄り地点の情報を車両のユーザに提供することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の車両から収集したプローブデータに基づいて、ユーザにとって価値のある地点を特定するため、特定された地点のPOI情報がデータベースに登録されていない場合であっても、当該特定された地点の情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態にかかる情報提供装置のブロック図である。
【図2】図1のデータベースに含まれるPOI情報のデータ構造示す図である。
【図3】図1のデータベースで管理されるプローブデータ、POI情報及び立ち寄り地点の情報を説明するための図であって、地図データの一部を示す概要図である。
【図4】図1のサーバにおける、制御手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の車両における、制御手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態の情報提供装置のうちサーバにおける、制御手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態の情報提供装置のうち車両における、制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
《第1実施形態》
図1は情報提供装置のブロック図を示す。図1に示すように、本例の情報提供装置は、サーバ100側の構成と、車両200側の構成により構成されている。サーバ100は、データベース1と、制御部2とを備えている。車両200は、ディスプレイ3と、制御部4とを備えている。サーバ100は複数の車両と通信をしつつ、施設情報、各種車両との間で取得した情報等を管理し、データを蓄積するサーバである。また車両200は、図示しない通信部によりサーバ200と通信を行うことができる車両である。
【0011】
まずサーバ100の構成について説明する。データベース1には、地図データ及び施設情報を示すPOI情報が記録されている。地図データ及びPOI情報について、サーバ100の管理者は、最新の地図データ及び最新のPOI情報を記録した記録データを、データベース1に記録されているデータの上に書き換えることで地図データ及びPOI情報を更新する。
【0012】
ここで、POI情報の例を、図2に示す。図2は、データベース1に含まれるPOI情報の一例を示すデータ構造である。POI情報には複数の属性情報が割り当てられており、例えば図2に示すように、1つのPOI情報に対して、名称、緯度経度、施設情報、電話番号が属性情報として割当てられている。例えば地点AのPOI情報として、名称に「ホテル下田」、経度緯度に「東経135度×分×秒、北緯36度×分×秒」、カテゴリーに「ホテル」、電話番号に「**−****−****」が格納されている。
【0013】
図2に示すようなPOI情報は、レストランなどの商業的な情報や市役所など公的な情報を表している。一方、夕日が綺麗な場所や、景色がきれいな場所、無料駐車場などの、商業的な施設情報や公的施設の情報ではない情報は、POI情報として割当てられていない。そのため、POI情報からは、商業的でもなく公的でもない施設を検索することができない。あるいは、POI情報が予め登録されるような商業的な施設及び公的な施設が新規に設立された場合には、地図データの更新の際に、POI情報が新規な施設情報に付された上で地図データに更新される。一方、商業的な施設情報や公的施設の情報ではない情報は、地図データの更新のタイミングとは関係なく、口コミ等によって価値が高まる情報であるため、POI情報が適切なタイミングで登録されない、という背景がある。
【0014】
図1に戻り、制御部2は、プローブデータ収集部21と、地点特定部22と、検索推定部23と、登録部24と、通信部25とを備えている。制御部2は、複数の車両200と通信を行って、複数の車両の走行データを収集しデータベース1にデータを格納しつつ、車両のユーザの要求に応じてデータベース1で管理されるデータをユーザに提供するためのコントローラであって、サーバ100の全体を制御するコントローラである。
【0015】
プローブデータ収集部21は、車両200から送信されるプローブデータを受信することで、複数の車両200のプローブデータを収集する。プローブデータには、車両200の走行経路、走行時刻、車両の速度、ステアリングの操舵角、ブレーキ等の
車両の走行データを示すデータである。プローブデータには、車両毎に識別記号(ID)が付されており、プローブデータ収集部21は、プローブデータとIDとを対応させて、データベース1に格納する。プローブデータは、車両200が走行している間に、車両200に設けられる車速センサ(図示しない)、車両200に設けられるGPS装置など検出値に基づいて周期的に検出される。そして、車両200からサーバ100へのプローブデータの送信は、所定の周期で送信してもよく、または、車両200が停車したときに送信してもよい。なお、車両200がバッテリを駆動源とする電気自動車などの場合には、プローブデータに当該バッテリの充電状態(SOC:State of Charge)を含めてもよい。これにより、制御部2はデータベース1に格納したプローブデータから、各車両の走行経路や停車時間を含めた車両200の走行履歴を把握することができる。
【0016】
地点特定部22は、データベース1に格納されたプローブデータから車両200立ち寄り地点を特定する。立ち寄り地点とは、所定の車両数以上の複数の車両が、所定の時間以上停車した場所であって、当該停車場所にPOI情報が登録されていない場所である。本例の立ち寄り地点とは、POI情報が付されている、商業的施設あるいは公的な施設ではなく、例えば景色が綺麗な絶景ポイントなど、口コミなどで広がった場所に相当する。
【0017】
すなわち、地点特定部22は、複数の車両のプローブデータから、POI情報が登録されていないにもかかわらず、多くの車両が停車して立ち寄った場所を特定する。なお、立ち寄り地点を特定するための制御内容については後述する。
【0018】
検索推定部23は、地点特定部22により特定された立ち寄り地点に関する情報を、立ち寄り地点の周囲のPOI情報を用いて検索して、立ち寄り地点に関連する情報を推定する。上記の通り、立ち寄り地点は、所定の車両数以上の車両が停車する場所であるため、立ち寄り地点には、多くの車両が停車する理由があると考えられる。また、近年のインターネット環境の発展を背景に、一般のユーザが、自らのブログや口コミサイト等により、観光スポットや飲食店の情報を容易にウェブ上に登録している現状を鑑みると、当該立ち寄り地点に関する情報も、ウェブ上に登録している可能性がある。さらに、立ち寄り地点にはPOI情報が登録されておらず、名称がない場合があるため、ユーザがウェブ上に書き込む際に、立ち寄り地点の周囲の施設情報の名称を用いて、立ち寄り地点の場所を特定することが考えられる(例えば、「ホテル下田から1kmぐらい県道××号線を北上した場所」)。
【0019】
そのため、本例において、検索推定部23は、立ち寄り地点の周囲のPOI情報に含まれる属性情報をキーワードにして、インターネット上でウェブ検索を行い、検索結果から、立ち寄り地点に関する情報を推測する。
【0020】
登録部24は、地点特定部22により特定された立ち寄り地点と、検索推定部23により検索された立ち寄り地点に関連する推測情報とを、データベース1に登録する。これにより、本例は、データベース1に、POI情報として登録されておらず、例えば口コミ等で話題になっている場所を登録することができる。
【0021】
通信部25は、車両200と通信を行う通信部であって、車両200から送信される信号に応じてデータベース1に格納されたデータを車両200に送信する。例えば、POI情報が付された施設情報及び立ち寄り地点の施設情報を取得したい旨の制御信号がサーバ1に送信された場合に、制御部2は通信部25により当該信号を受信し、POI情報が付された施設情報及び立ち寄り地点の情報をデータベース1から取得して、通信部25を介して車両200に送信する。これによりサーバ100は、POI情報が付された施設情報及び立ち寄り地点の情報をユーザに提供する。
【0022】
次に、車両200の構成を説明する。車両200は、ディスプレイ3と、制御部4とを備えている。ディスプレイ3は車両200の車室内に設けられている表示部である。制御部4は、ディスプレイ3を含め車両200の全体を制御するコントローラである。制御部4は、ユーザの操作指示に基づいて、POI情報が付された施設情報及びPOI情報が付されていない立ち寄り地点の情報を検索するための制御信号をサーバ200に送信する。また制御部4は、サーバ200から検索結果のデータを含む信号を受信すると、ディスプレイ3で表示される地図上に、POI情報が付された施設情報及び立ち寄り地点の情報を表示させる。表示の際、制御部4は、POI情報が付された施設場所と、立ち寄り地点とを異なるマークにより表示させてもよい。
【0023】
次に、図1〜図3を用いて、本例の情報提供装置の制御内容を説明する。図3は、データベースで管理されるプローブデータ、POI情報及び立ち寄り地点の情報を説明するための図であって、地図データの一部を示す概要図である。なお、図3に示す「A」〜「D」は、図2の地点「A」〜「D」に相当する。また図3に記した名称はPOI情報の名称に相当する。
【0024】
まず地点特定部22における、立ち寄り地点を特定する際の制御について説明する。地点特定部22には、立ち寄り地点を特定するために、閾値となる車両数(以下、車両数閾値と称す)及び閾値となる停車時間(以下、停車時間閾値と称す)が予め設定されている。
【0025】
地点特定部22は、ある車両200のプローブデータから、車両の走行履歴に、停車時間閾値以上の停車時間を含むか否かを判定する。そして、車両の走行履歴に停車時間閾値以上の停車時間を含む場合には、地点特定部22は、停車した時刻及び停車場所を抽出する。地点特定部22は、他の車両についても、同様に他の車両の走行履歴から、停車時間閾値以上の停車時間を含むか否かを判定する。すなわち、地点特定部22は、所定の地点における、車両の停車時間、停車時刻及び停車した車両数を管理する。
【0026】
地点特定部22は、プローブデータから抽出した地点において、車両数閾値以上の車両数が停車したか否かを判定する。地点特定部22は、抽出した所定の地点において、車両数閾値以上の車両数が停車した場合には、データベース1を参照し、当該所定の地点にPOI情報が登録されているか否か判断する。そして、POI情報が登録されていない場合に、地点特定部22は、当該所定の地点を、立ち寄り地点として特定する。
【0027】
また地点特定部22は、特定した立ち寄り地点と、当該立ち寄り地点の周囲のPOI情報が付された場所との距離を計測し、計測した距離と距離閾値とを比較する。すなわち、POI情報が付された施設の近距離に車両が集まっている場合には、車両が集まっている地点は例えば当該施設の駐車場として利用されている可能性が高い。そのため、かかる場合には、立ち寄り地点をデータベース1に登録しないよう、地点特定部22には距離閾値が予め設定されている。そして、地点特定部22は、特定した立ち寄り地点と周囲のPOI情報の場所との距離が距離閾値より長い場合には、当該立ち寄り地点を、データベース1に登録する地点であると確定する。
【0028】
以下、図3を用いて、地点特定部22の制御内容について説明する。図3に示すように、午後6時から午後7時の間において、車両aが停車し、5台の車両群bが地点Bの「東伊豆銀行」に停車し、6台の車両群xが地点Xに停車していたとする。そして、車両数閾値を4台に設定したと仮定する。
【0029】
車両aの停車地点は、POI情報が付された周囲の地点から離れているが、車両a、1台しか停車していないため、地点特定部22は車両aの停車地点を立ち寄り地点として特定しない。一方、車両群b及び車両群xの停車地点では、車両数閾値以上の車両が停止しているため、地点特定部22は車両群bの停車地点及び車両群xの停車地点を立ち寄り地点として特定する。車両群bの停車地点は、近くにPOI情報(B)が付された「東伊豆銀行」があり、車両群bの停車地点と地点Bまでの距離は距離閾値より小さい。そのため地点特定部22は、車両群bの停車地点を、データベース1への登録対象から除外する。一方、車両群xの停車地点には、周囲にPOI情報(A)が付された「ホテル下田」があるが、車両群xの停車地点と地点Aまでの距離は距離閾値より大きい。そのため、地点特定部22は、車両群xの立ち寄り地点Xを、データベース1への登録対象とする。これにより、地点特定部22は、複数の車両のプローブデータに基づき、複数の車両が立ち寄った立ち寄り地点を特定し、特定した立ち寄り地点をデータベース1への登録対象とするか否かを判断する。
【0030】
次に、検索推定部23における、立ち寄り地点の関連情報を推測する際の制御について、図1〜図3を用いて説明する。地点特定部22により、データベース1への登録対象とする立ち寄り地点が特定されると、検索推定部23は、立ち寄り地点の周囲のPOI情報を用いて、ウェブ上で検索を行う。そして、検索推定部23は、検索結果から、立ち寄り地点に関連する情報を推定する。
【0031】
例えば、図3において、車両群Xに含まれる車両のユーザが自身のブログに「ホテル下田の近くの海岸では、無料駐車場が整備されて、夕日絶景スポットです。」という情報を掲載したと仮定する。そして、検索推定部23は、立ち寄り地点Xの周知に位置付けされている地点AのPOI情報「ホテル下田」をキーワードにして、ウェブ検索を行う。検索の結果、上記のブログの情報「ホテル下田の近くの海岸では、無料駐車場が整備されて、夕日絶景スポットです。」が検索されたとする。かかる場合に、検索推定部23は、立ち寄り地点Xが海沿いに位置していること、車両群xの停車時間が夕方の時間帯(午後6時から午後7時)であること、及び、上記のブログの掲載情報から、立ち寄り地点Xは「無料駐車場がある夕日絶景ポイント」である、と推定する。
【0032】
また他の例として、図3において、ホテル下田のホームページに「全室オーシャンビュー」という情報が記載されていると仮定する。検索推定部23は、上記と同様に、地点AのPOI情報「ホテル下田」をキーワードにして、ウェブ検索を行い、ホテル下田のホームページの情報「全室オーシャンビュー」を検索したとする。かかる場合にも、検索推定部23は、立ち寄り地点Xの場所、車両群xの停車時刻、及び、検索結果の情報「全室オーシャンビュー」から、立ち寄り地点Xは「夕日絶景ポイント」である、と推定する。
【0033】
さらに他の例として、図3において、車両群xは、午前7時から午前8時の間に停車していた車両群であると仮定する。検索推定部23は、地点DのPOI情報「下田港」をキーワードにして、ウェブ検索を行い、POI情報が登録されていない食堂の情報を検索したとする。かかる場合に、検索推定部23は、立ち寄り地点Xの場所から検索された食堂の場所より、立ち寄り地点Xに食堂があること、立ち寄り地点Xの周囲に下田港があること、及び、車両群xの停車時間が朝の時間帯であることから、立ち寄り地点Xは「朝獲れのおいしい魚が食べられる人気の店がある」と推定する。
【0034】
そして、登録部24は、上記のより推測された立ち寄り地点Xの推定情報と、立ち寄り地点Xの場所の情報とをデータベース4に登録する。制御部4は、ユーザの操作による制御部4からの制御信号に基づいて、データベース1の情報を車両200に送信することで、立ち寄り地点Xの推定情報及び立ち寄り地点Xの位置情報をユーザに提供する。
【0035】
次に、図4及び図5を用いて、本例の情報提供装置の制御手順を説明する。図4は本例の情報提供装置のうちサーバ100側の制御手順を示すフローチャートであり、図5は本例の情報提供装置のうち車両200側の制御手順を示すフローチャートである。
【0036】
図4に示すように、ステップS1にて、プローブデータ収集部21は車両からプローブデータを受信し、プローブデータを収集する。ステップS2にて、地点特定部22は、プローブデータから車両の走行履歴を演算して、車両の停車時間を演算する。そして、地点特定部22は、車両の停車時間が停車時間閾値より長いか否かを判定する。車両の停車時間が停車時間閾値以下である場合には、本例の制御処理を終了する。
【0037】
車両の停車時間が停車時間閾値より長い場合には、ステップS3にて地点特定部22は、データベース1の地図データを参照しつつ、停車時間閾値より長く停車した停車地点を抽出する。ステップS4にて、地点特定部22は、ステップS3で抽出した停車地点における、停車した車両数を演算する。この際、地点特定部22は、ステップS2で演算された停車時間内で、当該停車地点の停車車両数が最も多くなった車両数を演算する。ステップS5にて、地点特定部22は、演算した車両数が車両数閾値より多いか否かを判定する。車両数が車両数閾値以下である場合には、本例の制御処理を終了する。
【0038】
車両数が車両数閾値より多い場合には、ステップS6にて、地点特定部22は、データベース1に記録されているPOI情報を参照して、ステップS3で抽出した停車地点にPOI情報が登録されているか否かを判定する。停車地点にPOI情報が登録されている場合には、本例の制御処理を終了する。
【0039】
停車地点にPOI情報が登録されていない場合には、ステップS7にて、地点特定部22は、停車地点を立ち寄り地点に特定する。ステップS8にて、地点特定部22は、立ち寄り地点から、周囲のPOI情報の場所までの距離を計測する。ステップS9にて、地点特定部22は、ステップS8で計測した計測距離と距離閾値とを比較し、計測距離が距離閾値より長いか否かを判定する。計測距離が距離閾値以下である場合には、本例の制御処理を終了する。
【0040】
計測距離が距離閾値より長い場合には、地点特定部22は立ち寄り地点をデータベース1への登録対象として確定させる(ステップS10)。ステップS11にて、検索部推定部23は、ステップS10で確定した立ち寄り地点の周囲のPOI情報を用いて、ウェブ検索を行い、検索結果から当該立ち寄り地点に関連する情報を推定する。なお、ステップS11の検索にて、立ち寄り地点に関連する情報が推定されない場合には、推定情報を無しにしてもよい。
【0041】
ステップS12にて、登録部24は、地点特定部22により特定された立ち寄り地点の場所の情報と、検索推定部23により推定された立ち寄り地点の推定情報とを、立ち寄り地点の情報として、データベース1に登録し、本例の制御処理を終了する。
【0042】
次に車両200側の制御手順を説明する。図5に示すように、ステップS21にて、ユーザは、例えば車両200の現在地を中心に半径10km以内のPOI情報及び立ち寄り地点の情報を表示する旨の操作行うと、制御部4はユーザの操作に応じた制御信号をサーバ1に送信する。ステップS22にて、制御部4は、通信部25から送信され、データベース1の立ち寄り地点の情報及びPOI情報を含む施設情報を含む信号を受信する。ステップS23にて、制御部4は、ディスプレイ3に表示されている地図上に、POI情報が付された場所の情報及び立ち寄り地点の位置情報を表示させる。また制御部4は、立ち寄り地点に関連する推定情報(ステップS10にて、検索推定部23により推定された情報)を表示する旨の操作がされた場合には、当該推定情報もディスプレイ3に表示させる。
【0043】
上記のように、本例は、プローブデータに基づき、複数の車両が立ち寄った立ち寄り地点を特定する地点特定部22と、データベース1で管理されているPOI情報が登録されていない立ち寄り地点の情報をユーザに提供する通信部25とを備えている。これにより、本例はPOI情報としてデータベース1に予め登録されていないが、多くの車両が立ち寄る価値のある場所をユーザに提供することができる。
【0044】
また本例において、地点特定部22は、プローブデータに基づき、所定の地点における車両の数を演算し、演算された車両の数が車両数閾値より多い場合に、当該所定の地点を立ち寄り地点として特定する。これにより、立ち寄り地点を特定する精度を高めることができる。
【0045】
また本例において、地点特定部22は、プローブデータに基づき、所定の地点における車両の停車時間を演算し、演算された停車時間が停車時間閾値より長い場合に、当該所定の地点を立ち寄り地点として特定する。これにより、立ち寄り地点を特定する精度を高めることができる。
【0046】
また本例は、立ち寄り地点の周囲の場所に登録されているPOI情報を用いてウェブ検索を行い、検索結果に基づいて前記立ち寄り地点に関連する情報を推定する情報検索推定部23を備え、通信部25は、推定情報を立ち寄り地点と対応させてユーザに提供する。これにより、立ち寄り地点において、なぜ人が集まっているのか、ユーザが把握することができる。
【0047】
また本例において、通信部25は、立ち寄り地点の周囲の場所に登録されているPOI情報をユーザに提供する。これにより、ユーザは、POI情報と立ち寄り地点の情報を把握することができる。
【0048】
なお、本例において、地点特定部22は、ステップS4にて、停車時間内で、当該停車地点の停車車両数が最も多くなった車両数を演算したが、停車時間内における停車車両数の延べ数、または、停車時間内における単位時間に対する停車車両数を演算し、演算値に基づいて立ち寄り地点を特定してもよい。
【0049】
また、本例において、地点特定部22は、それぞれの車両を識別した上で、所定の場所における停車回数を算出し、算出した停車回数に基づいて立ち寄り地点を特定してもよい。これにより、本例は、ある車両が、所定の場所に、多く立ち寄っていることを把握することができるため、ユーザが繰り返し立ち寄る地点を立ち寄り地点に特定することができ、立ち寄り地点を特定する精度を高めることができる。
【0050】
また、本例において、停車車両数を演算する際に、車両を識別することなく車両数を演算してもよく、また車両を識別した上で算出してもよい。
【0051】
なお、本例では、登録部24により、POI情報が登録されていない立ち寄り地点の情報をデータベース1に登録した上で、通信部25により登録された立ち寄り地点の情報を車両200に送信したが、POI情報が登録されていない立ち寄り地点の情報を必ずしもデータベース1に登録する必要はなく、また、通信部25は必ずしもデータベース1に登録していない情報を送信してもよい。すなわち、図5に示す制御フローにおいて、ステップS12を省いた制御フローを省いた上で、車両200側から立ち寄り地点の情報を取得したい旨の制御信号を通信部25が受信したことをトリガにして、地点特定部22によって立ち寄り地点を特定する制御処理と、検索推定部23によるウェブ検索及び立ち寄り地点の関連情報の推定制御処理行う。そして、通信部25は、地点特定部22によって特定された立ち寄り地点及び当該立ち寄り地点に関連する推定情報を、車両200に送信する。これにより、本例は、立ち寄り地点の情報をデータベース1に登録することなく、ユーザに提供することができる。
【0052】
また本例は、サーバ200に設けたプローブデータ収集部21、地点測定部22、検索推定部23、登録部24及びデータベース1を車両100に設けてもよい。
【0053】
また本例において、地点特定部23は、車両の数、車両の停車回数、または、車両停車時間の少なくとも一つの要素に基づいて、立ち寄り地点を特定すればよい。
【0054】
上記のプローブデータ収集部21が本発明の「プローブデータ収集手段」に相当し、地点特定部22が本発明の「地点特定手段」に、通信部25が「提供手段」に、情報検索推定部23が「情報検索推定手段」に相当する。
【0055】
《第2実施形態》
図6は発明の他の実施形態に係る情報提供装置のうちサーバ100側の制御手順を示すフローチャートであり、図7は車両200側の制御手順のフローチャートである。本例では上述した第1実施形態に対して、車両数に応じて、立ち寄り地点の表示形式を変える点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を援用する。
【0056】
地点特定部22は立ち寄り地点で停車した車両数に応じて、人気のある立ち寄り地点を特定し、登録部24は、人気のある立ち寄り地点をデータベース1に登録する際には、人気があることを示す人気情報を、当該地点に付加した上で登録する。地点特定部22には、第1の形態と同様に、立ち寄り地点を特定するための、閾値となる車両数(以下、第1の車両数閾値と称す)と、人気のある立ち寄り地点を特定するための、閾値となる車両数(以下、第2の車両数閾値と称す)とが設定されている。第2の車両数閾値には、第1の車両数閾値より高い値が設定されている。これにより、所定の地点において、停車車両の車両数が第1の車両数閾値より多く第2の車両数閾値以下である場合には、当該所定の地点は通常の立ち寄り地点として特定され、停車車両の車両数が第2の車両数閾値より多い場合には、当該所定の地点は人気のある立ち寄り地点として特定される。
【0057】
また、地点特定部22は、登録部24により立ち寄り地点が登録された後も、車両の停車数に応じて、人気のある立ち寄り地点であるか否かを判定する。これにより、所定の地点において立ち寄り地点が特定された後の、当該所定の地点の人気度を車両数に基づき設定することができる。
【0058】
次に、図6及び図7を用いて、本例の情報提供装置の制御手順を説明する。なお、図6に示すステップS1〜S12の制御内容は図4に示すステップS1〜S12の制御内容と同様であり、図7のステップS21〜23の制御内容は図5のステップS21〜23の制御内容と同様であるため、説明を省略する。ただし、図4のステップ5の制御処理において、車両数閾値を第1の車両数閾値に置き換える。
【0059】
ステップS7で、第1の車両数閾値に基づき、立ち寄り地点が特定されると、ステップS61にて、制御部2は、特定した立ち寄り地点がデータベース1に既に登録されているか否かを判定する。立ち寄り地点がデータベースに登録されていない場合には、ステップS8に遷る。一方、立ち寄り地点がデータベースに登録されている場合には、地点特定部23は、立ち寄り地点において停車している車両数が第2の車両数閾値より多いか否かを判定する(ステップS62)。車両数が第2の車両数閾値より多い場合には、地点特定部23は、当該立ち寄り地点を人気のある立ち寄り地点として特定する(ステップS63)。ステップS64にて、登録部24は、人気のある立ち寄り地点に対応づけて、人気情報を付加する。
【0060】
ステップS62に戻り、車両数が第2の車両数閾値以下である場合には、ステップS65にて、既に登録された立ち寄り地点に人気情報が登録されている場合には、登録部24は人気情報を削除する。これにより、データベース1に人気のある立ち寄り地点として登録された後、当該地点の人気度が下がった場合には、人気のある立ち寄り地点から通常の立ち寄り地点に更新されるため、人気度に応じて立ち寄り地点を特定することができる。
【0061】
次に車両200側の制御手順について、図7に示すように、ステップS22にて、制御部4がサーバからの信号を受信すると、ステップS71にて制御部4は、受信した信号の立ち寄り地点の情報に人気情報が含まれているか否かを判定する。人気情報が含まれていない場合には、ステップS23にて、第1の実施形態と同様に、POI情報を含む施設場所と立ち寄り地点をディスプレイ3に表示される地図上に表示する。一方、受信した信号の立ち寄り地点の情報に人気情報が含まれている場合には、制御部4は、通常の立ち寄り地点の表示態様より目立つように、人気情報に対応する立ち寄り地点の表示形式を変更する。そして、ステップS23にて、制御部4は、人気情報に対応する立ち寄り地点を、他の通常の立ち寄り地点の表示より目立つように、ディスプレイ3に表示する。
【0062】
上記のように、本例において、地点特定手段23は、複数の車両から収集したプローブデータに基づき、人気のある立ち寄り地点を特定する。これにより、本例はPOI情報としてデータベース1に予め登録されていないが、多くの車両が立ち寄り、さらに人気のある場所をユーザに提供することができる。
【0063】
また本例は、人気のある立ち寄り地点を、他の立ち寄り地点と異なる表示形式でディスプレイ3に表示させる。これにより、ユーザは表示形式の違いから立ち寄り地点の人気度を把握することができる。
【0064】
上記の人気のある立ち寄り地点及び通常の立ち寄り地点のうち、一方が本発明の「第1の立ち寄り地点」に、他方が本発明の「第2の立ち寄り地点」に相当する。また、制御部4が本発明の「制御手段」に相当する。
【符号の説明】
【0065】
100…車両
1…データベース
2…制御部
21…プローブデータ収集部
22…地点特定部
23…検索推定部
24…登録部
25…通信部
200…車両
3…ディスプレイ
4…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データ上でPOI情報を管理するデータベースと、
車両の走行データを示すプローブデータを複数の車両から収集するプローブデータ収集手段と、
前記プローブデータ収集手段により収集されたプローブデータに基づき、前記複数の車両が立ち寄った立ち寄り地点を特定する地点特定手段と、
前記データベースで管理されているPOI情報が登録されていない前記立ち寄り地点の情報を車両のユーザに提供する提供手段とを備える
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記地点特定手段は、
前記プローブデータ収集手段により収集されたプローブデータに基づき、所定の地点における車両の数を演算し、
演算された車両の数が所定の数より多い場合に、前記所定の地点を前記立ち寄り地点として特定する
ことを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記地点特定手段は、
前記プローブデータ収集手段により収集されたプローブデータに基づき、所定の地点における車両の停車回数を演算し、
演算された車両の停車回数が所定の停車回数より多い場合に、前記所定の地点を前記立ち寄り地点として特定する
ことを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記地点特定手段は、
前記プローブデータ収集手段により収集されたプローブデータに基づき、所定の地点における前記車両の停車時間を演算し、
演算された車両の停車時間が所定の停車時間より長い場合に、前記所定の地点を前記立ち寄り地点として特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記データベースにより管理され、前記立ち寄り地点の周囲の場所に登録されているPOI情報を用いてウェブ検索を行い、検索結果に基づいて前記立ち寄り地点に関連する情報を推定する情報検索推定手段をさらに備え、
前記提供手段は、
前記情報検索推定手段により推定された情報を、前記立ち寄り地点と対応させて前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記提供手段は、
前記データベースにより管理され、前記立ち寄り地点の周囲の場所に登録されているPOI情報を前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記車両に設けられるディスプレイと、前記ディスプレイを制御する制御手段とをさらに備え、
前記制御手段は、
前記ユーザの操作に基づいて、前記ディスプレイに表示される地図上に前記立ち寄り地点を表示させる
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記地点特定手段は、
前記プローブデータ収集手段により収集されたプローブデータに基づき、所定の数の車両が立ち寄った第1の立ち寄り地点と、前記所定の数の車両より多い車両が立ち寄った第2の立ち寄り地点とを特定する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれ一項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記車両に設けられるディスプレイと、前記ディスプレイを制御する制御手段とをさらに備え、
前記制御手段は、
前記第1の立ち寄り地点と前記第2の立ち寄り地点とを異なる表示形式で前記ディスプレイに表示させる
ことを特徴とする請求項8に記載の情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−25517(P2013−25517A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158851(P2011−158851)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】