説明

情報提供装置

【課題】ユーザが現在地や目的地から外れる場所を自由に経由した走行可能範囲を表示する情報提供装置を提供する。
【解決手段】自車両のエネルギー残量情報を取得する残量情報取得部12と、自車両の現在地に関する現在地情報及び自車両が向かう目的地に関する目的地情報を取得する位置情報取得部13と、残量情報取得部12によって取得されたエネルギー残量情報に基づいて、自車両の走行可能距離を算出する走行可能距離算出部14と、位置情報取得部13によって取得された現在地情報及び目的地情報と、走行可能距離算出部14によって算出された走行可能距離に基づいて、自車両のエネルギー残量で経由可能な経由可能地に関する情報を取得し、当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得する走行可能範囲取得部15と、走行可能範囲取得部15によって算出された走行可能範囲を表示する表示装置6と、を備えることを特徴とする情報提供装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自車両のエネルギー残量を考慮して、現在地から目的地までの走行可能範囲をユーザに提供する情報提供装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものが挙げられる。特許文献1には、現在のエネルギー残量に対応する航続距離に応じた走行可能範囲とこれに含まれる経路に関する経路情報をユーザに提示する情報提示装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、所定の地形による道路を走行する時のバッテリの電力消費量から車両の走行可能距離にもとづいて、自車両の現在位置から見た走行可能範囲を道路地図上に表示する手段をとるようにした電気自動車用表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−21522号公報
【特許文献2】特開平7−85397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の情報提示装置において、現在のエネルギー残量に対応する航続距離に応じた走行可能範囲を表示させると、現在地と目的地とを囲んだような走行可能範囲が表示される。すなわち、走行可能範囲が現在地と目的地に引っ張られ、現在地と目的地の間の地点での膨らみが大きくなった形状となる。また、例えば、特許文献1の情報提示装置において、特許文献2に開示されているように、所定の地形による道路を走行する時のバッテリの電力消費量から自車両の走行可能距離を考慮して走行可能範囲を表示することも考えられる。しかし、この場合でも、走行可能範囲は現在地と目的地の間の地点での膨らみが大きくなった形状となる。
【0006】
現在地から目的地に向かうにあたり、目的地を基準として現在地よりも戻る方向や現在地を基準として目的地を行き過ぎる方向の道を経由すると、自車両のエネルギーを余分に消費する。特許文献1の情報提供装置が表示する走行可能範囲が現在地と目的地の間の地点での膨らみが大きくなった形状となるのは、現在地よりも戻る方向や目的地を行き過ぎる方向については現在地や目的地から大きく外れないように走行可能範囲が表示されるからである。よって、ユーザは現在地や目的地から大きく外れる場所を自由に経由しながら目的地に向かう場合には、目的地まで走行可能であるかを把握できなかった。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザが現在地や目的地から大きく外れる場所を自由に経由することを考慮した走行可能範囲を表示することが可能な情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決のため、本発明は、現在地から目的地までの走行可能範囲を表示する情報提供装置において、自車両のエネルギー残量情報を取得する残量情報取得手段と、自車両の現在地に関する情報である現在地情報及び当該自車両が向かう目的地に関する情報である目的地情報を取得する位置情報取得手段と、残量情報取得手段によって取得されたエネルギー残量情報に基づいて、自車両の走行可能距離を算出する走行可能距離算出手段と、位置情報取得手段によって取得された現在地情報及び目的地情報、並びに、走行可能距離算出手段によって算出された走行可能距離に基づいて、自車両のエネルギー残量で経由可能な場所である経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得する走行可能範囲取得手段と、走行可能範囲取得手段によって取得された走行可能範囲を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この情報提供装置は、自車両のエネルギー残量で経由可能な場所である経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得する。このため、走行可能範囲は、現在地と目的地とを単に結んだような形状ではなく、現在地及び目的地の周囲にある程度広がった形状となる。よって、ユーザは、現在地や目的地から大きく外れる場所を自由に経由しながら目的地に向かう場合であっても、目的地まで走行可能であるかについて、煩雑な計算することなく一目で把握することができる。
【0010】
位置情報取得手段は、目的地に向かう途中の経由地に関する情報である経由地情報を更に取得し、走行可能範囲取得手段は、位置情報取得手段によって取得された現在地情報、目的地情報及び経由地情報、並びに、走行可能距離算出手段によって算出された走行可能距離に基づいて、自車両のエネルギー残量で経由可能な場所である経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得することが好ましい。この場合、ユーザが実際に経由する経由地の周囲に広がって走行可能範囲が表示されるので、ユーザが実際に経由する可能性の高い場所を経由して目的地まで走行可能であるかについて、煩雑な計算することなく一目で把握することができる。
【0011】
表示手段は、経由地を通過する前の走行可能範囲と経由地を通過した後の走行可能範囲とを色分けて表示することが好ましい。この場合、ユーザは経由地の通過前後のどちらの走行可能範囲であるかを識別できる。
【0012】
経由地がエネルギー補給地である場合、走行可能距離算出手段は、現在地と当該経由地との間の走行で所定のエネルギーを消費するような走行可能距離を算出することが好ましい。この場合、現在地から最終の目的地までの走行で全エネルギーを消費するような走行可能距離を取得した際と比較して、現在地とエネルギー補給地との間の走行可能範囲を柔軟に変えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る情報提供装置によれば、ユーザが現在地や目的地から大きく外れる場所を自由に経由することを考慮した走行可能範囲を表示することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る情報提供装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係る情報提供装置によって表示される走行可能範囲の表示例である。
【図4】第2実施形態に係る情報提供装置によって表示される走行可能範囲の表示例である。
【図5】第2実施形態に係る情報提供装置によって表示される走行可能範囲の別の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報提供装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る情報提供装置10のブロック構成図である。情報提供装置10は、現在地から目的地までの走行可能範囲を表示する情報提供機能を備えた車両に好適に採用されるものである。情報提供装置10は、ユーザの操作によって現在地から目的地までの走行可能範囲の表示が要求される度に、現在地から目的地までの走行可能範囲を表示する。
【0017】
図1に示すように、情報提供装置10は、情報提供ECU(Electronic Control Unit)1を備えている。情報提供ECU1は、電子制御する自動車デバイスのコンピュータである。情報提供ECU1には、自車両情報センサ2、残量エネルギーセンサ3、GPS(Global Positioning System)装置4、及び入力装置5がそれぞれ接続されている。また、情報提供ECU1には、表示装置6が接続されている。
【0018】
自車両情報センサ2は、走行距離などの自車両情報を検出する機能を有している。自車両情報センサ2は、検出した自車両情報を情報提供ECU1へ出力する。自車両情報センサ2として、車輪の回転速度を検出する車輪速センサなどの車速センサを用いることができる。
【0019】
残量エネルギーセンサ3は、自車両のエネルギー残量情報を検出する機能を有している。残量エネルギーセンサ3は、検出したエネルギー残量情報を情報提供ECU1へ出力する。残量エネルギーセンサ3として、例えば、自車両の燃料タンク内に設置された残量エネルギー検出センサなどを用いることができる。エネルギー残量情報は、エネルギーの残量がLなどの単位で表示される。
【0020】
GPS装置4は、GPS衛星から送信されたGPS信号等を利用して自車両の現在の位置情報を取得する機能を有している。GPS装置4は、取得した自車両の位置情報を情報提供ECU1へ出力する。
【0021】
入力装置5は、ユーザからの目的地情報の入力や走行可能範囲の表示の要求を受け付ける機能を有している。入力装置5として、後述する表示装置6上に設けられたタッチパネルを用いることができる。入力装置5は、受け付けた目的地情報や走行可能範囲の表示の要求を情報提供ECU1へ出力する。
【0022】
情報提供ECU1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read OnlyMemory)、RAM(Random Access Memory)、及び入出力インターフェイスを有している。また、図1に示すように、情報提供ECU1は、消費情報記憶部11と、残量情報取得部12と、位置情報取得部13と、走行可能距離算出部14と、走行可能範囲取得部15と、を備えている。
【0023】
消費情報記憶部11は、自車両のエネルギー消費情報を記憶する機能を有している。エネルギー消費情報とは、エネルギーの単位容量あたりの走行距離(km/L)についての情報であり、エネルギーとは、ガソリンや軽油、電気などの自車両の動力源となりうるエネルギーを含む。エネルギーの単位容量あたりの走行距離は、予め自車両ごとにある程度決まっているが、自車両情報センサ2から自車両の過去の走行距離に関する情報を取得し、自車両の過去の走行距離をそのエネルギー消費量で割ることで算出することもできる。消費情報記憶部11は、走行可能距離算出部14からの要求に応じて記憶しているエネルギー消費情報を走行可能距離算出部14に出力する。
【0024】
また、消費情報記憶部11は、自車両の現在位置周辺の地図を表示装置6に表示するために道路情報を含む地図情報データベースを保持している。消費情報記憶部11は、走行可能範囲取得部15からの要求に応じて記憶している地図情報データベースに含まれる地図情報を走行可能範囲取得部15に出力する。
【0025】
残量情報取得部12は、自車両のエネルギー残量情報を取得する機能を有している。残量情報取得部12は、残量エネルギーセンサ3からエネルギー残量情報を取得し、取得したエネルギー残量情報を走行可能距離算出部14に出力する。
【0026】
位置情報取得部13は、現在地情報及び目的地情報を取得する機能を有している。現在地情報とは、自車両の現在地に関する情報であり、GPS装置4から取得される。目的地情報は、自車両が向かう最終の目的地に関する情報である。位置情報取得部13は、取得した現在地情報及び目的地情報を走行可能範囲取得部15に出力する。
【0027】
走行可能距離算出部14は、残量情報取得部12から出力されたエネルギー残量情報に基づいて、走行可能距離を算出する機能を有している。例えば、残量情報取得部12から出力されたエネルギー残量情報が5Lであり、消費情報記憶部11から取得した自車両のエネルギー消費情報が20km/Lであった場合、走行可能距離算出部14は、走行可能距離を100kmと算出する。走行可能距離算出部14は、算出した走行可能距離を走行可能範囲取得部15に出力する。
【0028】
走行可能範囲取得部15は、位置情報取得部13にから出力された現在地情報及び目的地情報、並びに、走行可能距離算出部14にから出力された走行可能距離に基づいて、経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得する機能を有している。走行可能範囲取得部15は、位置情報取得部13から現在地情報及び目的地情報が、走行可能距離算出部14から走行可能距離がそれぞれ出力されると、消費情報記憶部11に格納された地図情報データベースに基づいて、自車両のエネルギー残量で現在地から目的地まで向かう際に経由可能な場所である経由可能地に関する情報を取得する。次いで、取得した当該経由可能地に関する情報を地図上にプロットし、全ての経由可能地が含まれるように外側に位置する経由可能地を線で結ぶことで走行可能範囲を取得する。すなわち、経由可能地以外の走行可能範囲の外周上の場所は、周辺の経由可能地から近似的に表示されることになる。
【0029】
表示装置6は、GPS装置4で取得した自車両の位置情報などを画面に表示させる機能を有している。表示装置6は、自車両の位置情報を消費情報記憶部11が保持している地図情報と統合させて、地図上に現在地及び目的地を表示する。また、表示装置6は、走行可能範囲取得部15から出力された走行可能範囲に関する情報を地図に重畳表示する機能を有している。
【0030】
次に、第1実施形態に係る情報提供装置10の動作について説明する。図2は、情報提供装置10における処理手順を示すフローチャートである。図2に示すように、第1実施形態に係る情報提供装置10においては、最初に、残量情報取得部12が残量エネルギーセンサ3から自車両のエネルギー残量情報を取得し、走行可能距離算出部14に出力する(S10)。次に、位置情報取得部13が、現在地情報をGPS装置4から取得するとともに、目的地情報を入力装置5から取得し、現在地情報及び目的地情報を走行可能範囲取得部15に出力する(S11)。
【0031】
続いて、走行可能距離算出部14が、残量情報取得部12から出力されたエネルギー残量情報に基づいて、走行可能距離を算出し、走行可能範囲取得部15に出力する(S12)。次いで、走行可能範囲取得部15が、位置情報取得部13にから出力された現在地情報及び目的地情報、並びに、走行可能距離算出部14にから出力された走行可能距離に基づいて、経由可能地に関する情報を取得する(S13)。また、走行可能範囲取得部15は、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得し、取得した走行可能範囲を表示装置6に出力する(S14)。そして最後に、表示装置6は、走行可能範囲取得部15から出力された走行可能範囲を表示する(S15)。
【0032】
ここで、ステップS14で算出される走行可能範囲について説明する。図3は、第1実施形態に係る情報提供装置10によって表示される走行可能範囲Cの表示例である。図3に示すように、表示装置6は、走行可能範囲取得部15から走行可能範囲の情報が出力されると、現在地から目的地までの走行可能範囲Cを現在地S及び目的地Gとともに、表示画面6Aに表示された地図情報に重畳して表示する。経由可能地は、図3中には図示されていないが走行可能範囲C内に含まれている。また、図3の表示例では、現在地Sが矢印、目的地Gが「G」で、それぞれ表示されている。走行可能範囲Cは、エネルギー残量が多いほど広く、エネルギー残量が少ないほど狭い。また、エネルギー残量が変化した場合に走行可能範囲Cの表示を更新させると、走行可能範囲Cの大きさが変化する。例えば、エネルギー補給地等でエネルギーを補給した場合に走行可能範囲Cを更新させると、走行可能範囲Cは拡大する。一方、寄り道などをして自車両のエネルギーを余計に消費した場合に走行可能範囲Cを更新させると、走行可能範囲Cは縮小する。
【0033】
以上説明したように、第1実施形態の情報提供装置10は、自車両のエネルギー残量で経由可能な場所である経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲Cを取得する。このため、走行可能範囲Cは、図3に示されるように、現在地Sと目的地Gとを単に結んだような形状ではなく、現在地S及び目的地Gの周囲にある程度広がった形状となる。よって、ユーザは、現在地や目的地から大きく外れる場所を自由に経由しながら目的地に向かう場合であっても、目的地まで走行可能であるかについて、煩雑な計算することなく一目で把握することができる。
【0034】
(第2実施形態)
本発明の好適な実施形態である第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る情報提供装置10が第1実施形態に係る情報提供装置10と異なる点は、以下の点である。すなわち、第1実施形態に係る情報提供装置10では、位置情報取得部13が現在地情報及び目的地情報を取得する機能を有し、走行可能範囲取得部15が現在地情報及び目的地情報、並びに、走行可能距離算出部14にから出力された走行可能距離に基づいて経由可能地を取得し、取得した当該経由可能地に基づいて走行可能範囲を表示する。これに対し、第2実施形態に係る情報提供装置10では、位置情報取得部13が現在地情報、目的地情報及び経由地情報を取得する機能を有し、走行可能範囲取得部15が現在地情報、目的地情報及び経由地情報、並びに、走行可能距離算出部14にから出力された走行可能距離に基づいて経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を表示する。
【0035】
第2実施形態に係る情報提供装置10は、第1実施形態に係る情報提供装置10と構成は同じであるが、位置情報取得部13、走行可能距離算出部14、走行可能範囲取得部15及び表示装置6の機能が異なる。以下、第1実施形態に係る情報提供装置10と異なる点を中心に説明する。
【0036】
位置情報取得部13は、現在地情報、目的地情報及び経由地情報を取得する機能を有している。現在地情報とは、自車両の現在地に関する情報であり、GPS装置4から取得される。目的地情報は、自車両が向かう最終の目的地に関する情報である。また、経由地情報とは、目的地に向かう途中の経由地に関する情報であり、経由地としては、ガソリンスタンドや充電ステーションなどの自車両のエネルギー補給地が含まれる。経由地情報は、ユーザによって目的地情報と共に、入力装置5に入力され後、入力装置5から取得される。位置情報取得部13は、取得した現在地情報、目的地情報及び経由地情報を走行可能範囲取得部15に出力する。
【0037】
また、位置情報取得部13は、経由地情報としてエネルギー補給地の位置情報を取得した場合、経由地情報としてエネルギー補給地が出力されたことを示す補給地情報を走行可能距離算出部14に出力する。
【0038】
走行可能距離算出部14は、残量情報取得部12から出力されたエネルギー残量情報に基づいて、走行可能距離を算出する機能を有している。例えば、残量情報取得部12から出力されたエネルギー残量情報が5Lであり、消費情報記憶部11から取得した自車両のエネルギー消費情報が20km/Lであった場合、走行可能距離算出部14は、走行可能距離を100kmと算出する走行可能距離算出部14は、算出した走行可能距離を走行可能範囲取得部15に出力する。
【0039】
なお、走行可能距離算出部14は、位置情報取得部13から補給地情報が出力された場合、現在地とエネルギー補給地との間の走行で全エネルギーを消費するような走行可能距離を算出する。走行可能距離算出部14は、このように算出した走行可能距離を走行可能範囲取得部15に出力する。
【0040】
走行可能範囲取得部15は、位置情報取得部13にから出力された現在地情報、目的地情報及び経由地情報、並びに、走行可能距離算出部14にから出力された走行可能距離に基づいて経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得する機能を有している。走行可能範囲取得部15は、位置情報取得部13から現在地情報、目的地情報及び経由地情報が、走行可能距離算出部14から走行可能距離がそれぞれ出力されると、消費情報記憶部11に格納された地図情報データベースに基づいて、自車両のエネルギー残量で現在地から経由地を経由し目的地まで向かう際に経由可能な場所である経由可能地に関する情報を取得する。次いで、取得した当該経由可能地に関する情報を地図上にプロットし、全ての経由可能地が含まれるように外側に位置する経由可能地を線で結ぶことで走行可能範囲を取得する。すなわち、経由可能地以外の走行可能範囲の外周上の場所は、周辺の経由可能地から近似的に表示されることになる。
【0041】
なお、走行可能範囲取得部15は、走行可能距離算出部14が、現在地とエネルギー補給地との間の走行で全エネルギーを消費するような走行可能距離を算出した場合は、現在地情報及びエネルギー補給地の位置情報と、当該走行可能距離に基づいて、自車両のエネルギー残量で現在地からエネルギー補給地まで向かう際に経由可能な範囲である経由可能地に関する情報を取得する。そして、取得した経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得する。走行可能範囲取得部15は、このように算出した走行可能範囲の情報を表示装置6に出力する。
【0042】
表示装置6は、GPS装置4で取得した自車両の位置情報などを画面に表示させる機能を有している。表示装置6は、自車両の位置情報を消費情報記憶部11が保持している地図情報と統合させて、地図上に現在地、経由地及び目的地を表示する。また、表示装置6は、走行可能範囲取得部15から出力された走行可能範囲に関する情報を地図に重畳表示する機能を有している。
【0043】
次に、図2を用いて第2実施形態に係る情報提供装置10の動作について説明する。第2実施形態に係る情報提供装置10においては、第1実施形態に係る情報提供装置10と同様に、最初に、残量情報取得部12が残量エネルギーセンサ3から自車両のエネルギー残量情報を取得し、走行可能距離算出部14に出力する(S10)。次に、位置情報取得部13が、現在地情報をGPS装置4から取得するとともに、目的地情報及び経由地情報を入力装置5から取得し、現在地情報、目的地情報及び経由地情報を走行可能範囲取得部15に出力する(S11)。
【0044】
続いて、走行可能距離算出部14が、残量情報取得部12から出力されたエネルギー残量情報に基づいて、走行可能距離を算出し、走行可能範囲取得部15に出力する(S12)。次いで、走行可能範囲取得部15が、位置情報取得部13にから出力された現在地情報、目的地情報及び経由地情報、並びに、走行可能距離算出部14にから出力された走行可能距離に基づいて経由可能地に関する情報を取得する(S13)。また、走行可能範囲取得部15は、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得し、取得した走行可能範囲を表示装置6に出力する(S14)。そして最後に、表示装置6は、走行可能範囲取得部15から出力された走行可能範囲を表示する(S15)。
【0045】
ここで、ステップS14で取得される走行可能範囲について説明する。図4は、第2実施形態に係る情報提供装置10によって表示される走行可能範囲の表示例である。図4に示すように、表示装置6は、走行可能範囲取得部15から走行可能範囲の情報が出力されると、現在地から目的地までの走行可能範囲Cを現在地S、及び目的地G、第1の経由地B1及び第2の経由地B2とともに、表示画面6Bに表示された地図情報に重畳して表示する。図2の表示例では、現在地Sが矢印、目的地Gが「G」、第1の経由地B1が「1」、第2の経由地B2が「2」で、それぞれ表示されている。
【0046】
また、第2実施形態において、表示装置6は、自車両が走行して各経由地を通過した後、経由地を通過する前の走行可能範囲と経由地を通過した後の走行可能範囲とを色分けて表示する。図5は、第2実施形態に係る情報提供装置10によって表示される走行可能範囲の別の表示例である。図5に示すように、表示装置6は、表示画面6Cに表示された地図情報に、目的地から経由地B1までの走行可能範囲C1と、経由地B1から経由地B2までの走行可能範囲C2と、経由地B2から目的地までの走行可能範囲C3と、を重畳して表示する。そして、自車両が経由地B1を通過した後は、走行可能範囲C1と、走行可能範囲C2とを色分けして表示する。さらに、自車両が経由地B2を通過した後は、走行可能範囲C2と走行可能範囲C3とを色分けて表示する。また、走行可能範囲Cは、現在地S、経由地B1、経由地B2、及び目的地Gを点配列と捉えて表示される。このため、図5に示すように、現在地Sと目的地Gとを単に結んだような形状にならず、隣り合う各点が含まれるように囲まれた走行可能範囲C1,C2,C3を重ね合わせたような形状となる。
【0047】
なお、位置情報取得部13が、現在地情報、目的地情報及び経由地情報を取得した際に、経由地がエネルギー補給地であった場合、走行可能距離算出部14は、現在地とエネルギー補給地との間の走行で全エネルギーを消費するような走行可能距離を算出する(S12)。続いて、走行可能範囲取得部15が、その走行可能距離に基づいて、現在地からエネルギー補給地までの経由可能地に関する情報を取得する(S13)。また、走行可能範囲取得部15は、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得し、取得した現在地からエネルギー補給地までの走行可能範囲を表示装置6に出力する(S14)。そして最後に、表示装置6が、現在地からエネルギー補給地までの走行可能範囲を表示する(S15)。
【0048】
以上説明したように、第2実施形態に係る情報提供装置10は、現在地情報、目的地情報及び経由地情報、並びに、自車両の走行可能距離に基づいて経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲Cを表示する。情報提供装置10は、走行可能範囲を表示するにあたり、経由地情報も考慮し、現在地S、経由地B1、経由地B2及び目的地Gを点列として捉えている。このため、走行可能範囲Cは、現在地Sと目的地Gとを単に結んだような形状ではなく、現在地S、経由地B1、経由地B2及び目的地Gの点列からなる各エリア(走行可能範囲C1,C2,C3)が重ね合わさったような形状となる。このため、ユーザが実際に経由する経由地の周囲に広がって走行可能範囲Cが表示されるので、ユーザが実際に経由する可能性の高い場所を経由して目的地まで走行可能であるかについて、煩雑な計算することなく一目で把握することができる。
【0049】
特に、第2実施形態に係る情報提供装置10において、表示装置6は、経由地を通過する前の走行可能範囲と経由地を通過した後の走行可能範囲とを色分けて表示する。この場合、ユーザは経由地の通過前後のどちらの走行可能範囲であるかを識別できる。
【0050】
また、第2実施形態に係る情報提供装置10において、経由地がエネルギー補給地である場合、走行可能距離算出部14は、現在地と当該経由地との間の走行で全エネルギーを消費するような走行可能距離を取得する。この場合、現在地から目的地までの走行で全エネルギーを消費するような走行可能距離を取得したした際と比較して、現在地とエネルギー補給地との間の走行可能範囲を広く設定することができる。このため、ユーザは現在地や経由地から更に大きく外れる場所を経由して走行可能であるかを一目で把握することができる。
【0051】
以上、本発明のその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
【0052】
例えば、第2実施形態では、経由地がエネルギー補給地である場合、走行可能距離算出部14は、現在地と当該経由地との間の走行で全エネルギーを消費するような走行可能距離を算出したが、走行可能距離算出部14は、現在地とエネルギー補給地との間の走行で全エネルギーではなく、所定のエネルギーを消費するような走行可能距離を算出することもできる。この場合、目的地までエネルギーを残すことを前提に算出した走行可能範囲よりも、走行可能範囲を広く表示することができる。また、エネルギー補給地で補給する分だけエネルギーを消費するような走行可能範囲にするなど、エネルギー補給地での所望のエネルギー残量に合わせて走行可能範囲の広さを柔軟に変えることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1…情報提供ECU、6…表示装置、10…情報提供装置、11…消費情報記憶部、12…残量情報取得部、13…位置情報取得部、14…走行可能距離算出部、15…走行可能範囲取得部、C…走行可能範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地から目的地までの経由可能地を表示する情報提供装置において、
自車両のエネルギー残量情報を取得する残量情報取得手段と、
前記自車両の現在地に関する情報である現在地情報及び当該自車両が向かう目的地に関する情報である目的地情報を取得する位置情報取得手段と、
前記残量情報取得手段によって取得されたエネルギー残量情報に基づいて、自車両の走行可能距離を算出する走行可能距離算出手段と、
前記位置情報取得手段によって取得された現在地情報及び目的地情報、並びに、前記走行可能距離算出手段によって算出された前記走行可能距離に基づいて、自車両のエネルギー残量で経由可能な場所である経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得する走行可能範囲取得手段と、
前記走行可能範囲取得手段によって取得された前記走行可能範囲を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記位置情報取得手段は、前記目的地に向かう途中の経由地に関する情報である経由地情報を更に取得し、
前記走行可能範囲取得手段は、前記位置情報取得手段によって取得された現在地情報、目的地情報及び経由地情報、並びに、前記走行可能距離算出手段によって算出された前記走行可能距離に基づいて、自車両のエネルギー残量で経由可能な場所である経由可能地に関する情報を取得し、取得した当該経由可能地に関する情報に基づいて走行可能範囲を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記経由地を通過する前の走行可能範囲と前記経由地を通過した後の走行可能範囲とを色分けて表示することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記経由地がエネルギー補給地である場合、
前記走行可能距離算出手段は、前記現在地と当該経由地との間の走行で所定のエネルギーを消費するような走行可能距離を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−83604(P2013−83604A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225004(P2011−225004)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】