情報提示装置、方法及びプログラム
【課題】大量の情報の中から利用者に適する情報を選択し提示する際に、利用者と情報との関連度が容易に認識できるようにする。
【解決手段】利用者を模したアバタを中央に配し、その周囲に3つの同心円状の境界線を配した提示フォーマットを生成し、検索クエリとの関連スコアが高い情報データのアイコンとその関連情報データのアイコンを上記検索クエリとの関連スコアに応じて上記境界線上に表示させる。そして、この状態で利用者が上記アイコンを意図的に操作した場合に、この操作が吸着操作であれば当該アイコンの表示位置を利用者アバタに接触する位置に移動させ、一方剥離操作であれば当該アイコンを表示画面から消去する。また、提示時間が一定時間を経過したアイコンも表示画面から消去する。この消去の結果、提示中の情報数が最大提示数未満になれば未提示の情報データのアイコンを追加表示する。
【解決手段】利用者を模したアバタを中央に配し、その周囲に3つの同心円状の境界線を配した提示フォーマットを生成し、検索クエリとの関連スコアが高い情報データのアイコンとその関連情報データのアイコンを上記検索クエリとの関連スコアに応じて上記境界線上に表示させる。そして、この状態で利用者が上記アイコンを意図的に操作した場合に、この操作が吸着操作であれば当該アイコンの表示位置を利用者アバタに接触する位置に移動させ、一方剥離操作であれば当該アイコンを表示画面から消去する。また、提示時間が一定時間を経過したアイコンも表示画面から消去する。この消去の結果、提示中の情報数が最大提示数未満になれば未提示の情報データのアイコンを追加表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者に対し適切な情報を提示するための情報提示装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のコンピュータネットワークを利用して、利用者に対し当該利用者に適した情報を選択し提示するサービスが種々提案されている。提示する情報としては、衣類や食品、家電製品、音楽CD、書籍等の商品或いはサービスに関する情報や、ニュースや広告等の情報、会議やセミナに関する資料や議事録等の情報が有望である。
【0003】
ところで、利用者に適した情報は、興味度合いが高いと推測された順にリスト状かグリッド状に表示されるのが一般的である。図16(1),(2)はそれぞれ、商品を薦める際のリスト表示およびグリッド表示を例示したものである。また、このような表示手法において、表示画面上に各情報に関連する情報(各商品への関連情報)を同時に提示しようとすると、図17(1),(2)に示すような提示手法が考えられる。
しかし、このような提示手法では、図17の(1)に示すように、関連商品αが商品Aと商品Bの両者に関連している場合には両方のリストに表記されるため冗長な提示になり、また商品Aと商品Bが関連商品αを通じて関連しているという関連性を認識し難い表現となる。この問題はグリッド表示の場合においても同様に発生する(図17の(2))。また、これらの提示手法の場合、利用者の操作に応じて動的に順位を変化させると、商品同士の関連性はより把握し難くなる。このように、一般的な情報表示手法は、情報間の関連性や興味のある情報を動的に提示しようとする場合には適さない。
【0004】
そこで、3つの軸(例えば外部リンク数、アクセス数、最終更新日時)をもつ空間上に、ウェブ情報群を整理して提示する手法が提案されている(例えば特許文献1を参照)。この手法を用いると、3つの軸にそれぞれ対応付けた要素が類似しているという、情報同士の関係性を提示することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−132829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載された情報提示手法では、Web情報を閲覧する等の利用者の行動に応じて当該利用者にとって興味のある情報を加味して提示情報を再構成することや、利用者ごとに提示する情報の内容や配置位置を変化させることは困難である。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、大量の情報の中から利用者に適する情報を選択し提示する際に、利用者と情報との関連度が容易に認識できるようにした情報提示装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明の1つの観点は、提示候補となる複数の情報を記憶する記憶部と、利用者を利用者アイコンにより表しかつ前記提示候補となる情報と利用者との関連度を前記利用者アイコンからの距離により表す複数の関連度領域を有する提示フォーマットを生成する手段とを備えている。そして、前記利用者が取得を希望する情報を表すクエリが設定されたとき、当該クエリと前記記憶部に記憶された複数の情報との間の関連度合いを表す第1の関連度をそれぞれ算出し、この算出された第1の関連度に基づいて前記記憶部から提示対象の情報を選択的に読み出し、この読み出された提示対象の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置し、この利用者アイコン及び情報アイコンが配置された提示フォーマットを提示手段に提示させるようにしたものである。
したがって、利用者と提示対象情報との関連度がその提示位置の距離として表されることになり、これにより利用者は自身にとってどの情報が適しているかを容易に認識することが可能となる。
【0009】
また、この発明の1つの観点は以下のような態様を備えることを特徴とする。
第1の態様は、前記記憶部に記憶された複数の情報間でその関連度合いを表す第2の関連度を算出し、この算出された第2の関連度をもとに、前記提示対象となる情報の関連情報を前記記憶部から選択的に読み出し、この読み出された関連情報を表す情報アイコンを前記算出された第2の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置するようにしたものである。
このようにすると、利用者と提示対象情報との関連度に加え、提示対象情報とその関連情報との関連度についても、その提示位置の距離として表されることになり、これにより利用者は提示対象情報ばかりでなくその関連情報についても自身にとってどの情報が適しているかを容易に認識することが可能となる。
【0010】
第2の態様は、前記提示フォーマットに情報アイコンが配置された情報の提示時間を監視し、当該提示時間が長くなるに従い、前記提示フォーマットにおける当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御するようにしたものである。
このようにすると、提示当初は利用者との関連度が高い位置に提示された情報であっても、その後利用者の関心の度合いが低いと見なされる情報についてはそのアイコンの位置が利用者アイコンから遠ざかる。すなわち、利用者の関心の度合いに応じて情報アイコンの提示位置を動的に変更することが可能となる。
【0011】
第3の態様は、前記利用者の滞在位置を検出する手段を備える。そして、前記提示フォーマットに情報アイコンが配置された情報に地理的な条件が設定されている場合に、前記検出された利用者の滞在位置を前記地理的な条件と比較し、滞在位置が当該条件から離れるに従い当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御するようにしたものである。
このようにすると、提示当初は利用者の滞在位置に対し地理的条件が対応していた情報であっても、その後利用者の滞在位置の移動により地理的条件が対応しなくなるに従いそのアイコンの位置が利用者アイコンから遠ざかる。すなわち、利用者の滞在位置の変化に応じて情報アイコンの提示位置を動的に変更することが可能となる。
【0012】
第4の態様は、前記提示フォーマットに、提示対象の情報とその関連情報の情報アイコンが提示されている場合に、提示対象情報のアイコンの配置位置を利用者アイコンから遠ざける処理に連動して、前記関連情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンからさらに遠ざけるように制御するようにしたものである。
このようにすると、先に述べたように利用者の関心の度合いや利用者の滞在位置の移動に応じて提示対象情報のアイコンの配置位置が利用者アイコンから遠ざけられた場合に、それに連動して関連情報の情報アイコンの位置も遠ざけられる。すなわち、提示対象情報のアイコンの提示位置の変更に応じて、その関連情報のアイコンの提示位置も自動的に変更することが可能となる。
【0013】
第5の態様は、提示フォーマットに提示中の情報アイコンの配置位置を利用者が移動操作するための入力手段と、この入力手段により前記提示中の情報アイコンの配置位置を移動させる操作が行われた場合に、当該操作が前記情報アイコンを利用者アイコンに近づける操作であるか又は遠ざける操作であるかを判定する操作判定手段とをさらに備える。そして、この操作判定手段により情報アイコンを利用者アイコンに近づける操作であると判定された場合に、前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンと接触する位置に変更し、一方遠ざける操作であると判定された場合には、前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンからさらに遠い位置に変更するようにしたものである。
このようにすると、提示されている情報アイコンに対する利用者の操作に応じて、当該アイコンの提示位置を利用者アイコンに近づけたり遠ざけたりすることが可能となる。
【0014】
第6の態様は、提示フォーマットに提示対象の情報とその関連情報の情報アイコンがそれぞれ提示されている場合に、提示対象情報の情報アイコンの配置位置を変更する処理に連動して、その関連情報の情報アイコンの配置位置を利用者アイコンに対しさらに近づけるか又はさらに遠ざけるように変更するようにしたものである。
このようにすると、利用者の操作に応じて、提示対象情報のアイコンと共にその関連情報の情報アイコンについても、その提示位置が自動的に変更される。
【0015】
第7の態様は、提示フォーマットにおける情報アイコンの配置位置が変更された場合に、当該変更後に提示フォーマットに提示されている情報アイコンの数を予め設定した最大提示数と比較する。そして、この比較の結果前記提示中の情報アイコンの数が最大提示数に満たない場合には、前記算出された第1の関連度に基づいて記憶部から未提示の情報をさらに読み出し、この読み出された未提示の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に追加配置するようにしたものである。
このようにすると、提示フォーマット上には、常に予め設定した最大提示数分の情報アイコンが提示されることになり、これにより提示スペースが限られた提示フォーマットが多数の情報アイコンにより混雑することなく常に適切な提示状態を維持することができる。また、提示中のアイコン数が最大提示数に満たない場合には未提示の情報のアイコンが自動的に追加提示されるため、できる限り多くの情報を一覧提示することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
すなわちこの発明によれば、大量の情報の中から利用者に適する情報を選択し提示する際に、利用者と情報との関連度が容易に認識できるようにした情報提示装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施形態に係る情報選択提示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した情報選択提示装置の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】利用者を模したアバタと境界線とにより表した情報提示フォーマットの一例を示す図。
【図4】図3に示した情報提示フォーマットを用いた、情報の関連性の提示例を示す図。
【図5】図3に示した情報提示フォーマットを用いた、クエリに対する情報の遠近感(距離感)の自動更新の一例を示す図。
【図6】図3に示した情報提示フォーマットを用いた、利用者が意図的に情報を近づけたときの情報の提示位置の遷移例を示す図。
【図7】図3に示した情報提示フォーマットを用いた、利用者が意図的に情報を遠ざけたときの情報の提示位置の遷移例を示す図。
【図8】図2に示した情報選択提示装置に記憶される情報データの一例を示す図。
【図9】図2に示した情報選択提示装置に記憶される選択情報履歴データの一例を示す図。
【図10】図2に示した情報選択提示装置に記憶される関連情報データの一例を示す図。
【図11】図2に示した情報選択提示装置による情報データ登録処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図12】図2に示した情報選択提示装置による情報データ選択提示処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図13】図12に示した処理手順のうち操作内容判定処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図14】図12に示した処理手順のうち関連スコア算出処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図15】図12に示したフローチャートのうち描画位置算出処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図16】利用者に適した情報の一般的な提示手法の例を示す図。
【図17】一般的な提示手法を用いて関連商品を同時に提示した例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[概要]
この発明の一実施形態では、同心円状をなす提示フォーマットを生成し、この提示フォーマット上に利用者と情報を表すアイコンを「利用者と情報」および「情報と情報」との距離感を考慮して提示し、かつこの距離感を利用者の滞在位置、情報の提示時間及び利用者の情報選択操作に応じて計算し直すことにより、上記情報の提示位置を自動的に更新するようにしたものである。
【0019】
まず、利用者と情報との距離感を表現するために、利用者を模した図形アイコン(以下アバタと称する)と、その周りに同心円状に配置される複数の境界線とからなる提示フォーマットを表示画面上に表示する。図3は、その一例としてアバタQEと3つの境界線BL1,BL2,BL3(領域としては4つ)とからなる提示フォーマットを示したものである。
【0020】
このように同心円状をなす複数の境界線を有する提示フォーマット上に情報を提示すれば、利用者との距離でどのような特性(関係性、属性など)を持っているかを明示することが可能となる。例えば図3において、第1境界線BL1を推薦境界、第2境界線BL2を関連性境界、第3境界線BL3を興味境界とそれぞれ定義し、情報アイコンをこれらの境界線上又はその間の領域に提示すると、アバタQEからの距離により利用者と情報との関連度合いを明示することが可能となる。なお、この例で示した境界線の数や特性はあくまで一例であり、境界線の数を増減したり、他の特性を意味づけしてもよい。
【0021】
次に、図3に示す提示フォーマットを使用した情報提示方法を、4つの概念を例にとって説明する。なお、ここでは情報が「商品」である場合を例にとる。
【0022】
(第1の概念)
第1の概念は、この発明の一実施形態における基本的な情報提示方法を示すもので、「利用者と情報」の距離感、「情報と情報」の距離感及び「情報とその関連情報」のリンク付けを表示するものである。図4はその表示例を示す図である。
【0023】
(1) 先ず利用者が、得たい商品情報を直接又は間接的に表すキーワードをクエリとして入力する。そうすると、提示フォーマットの中央部に利用者を示すアバタが上記クエリとして表示される。図4(1)はその表示例を示す。
【0024】
(2) 次に、上記入力されたクエリに適した商品情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが提示フォーマットの第1境界線BL1上に表示される。ここで、クエリに適する商品情報は、例えばクエリに含まれるキーワードにより各商品情報を全文検索してその関連度を算出し、この関連度が所定値以上の商品情報の中から関連度が高い順に所定個数を選択される。図4(2)はその一例を示すもので、ここでは「商品A」、「商品B」、「商品C」の各アイコンが表示された場合を示している。
【0025】
(3) 続いて、「商品A」の「関連商品α、β」を表す情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが第2境界線BL2上の上記「商品A」のアイコンの近傍位置に表示される。同様に、「商品B」の「関連商品γ」、「商品C」の「関連商品Δ、ε、ζ」がそれぞれ記憶部から読み出され、そのアイコンが第2境界線BL2上の「商品B」、「商品C」のアイコンの近傍位置に表示される。図4(3)にその表示結果の一例を示す。
【0026】
なお、「商品ε,ζ」はセット価格が用意されているため、情報間の距離を0で表現している。このように、クエリに適した商品とその関連商品を表すアイコンが異なる境界線BL1,BL2上に配置されることにより、クエリと商品との距離感及び商品とその関連商品との距離感が一覧表示される。
【0027】
(4) 続いて、「商品」のアイコンとその「関連商品」のアイコンとの間がリンクにより接続される。図4(4)にその表示例を示す。このリンクによる接続により、「商品」とその「関連商品」との間の関連性がより明確に表示される。なお、「商品β」は「商品A」と「商品B」の両者に対する関連商品であるため、「商品β」のアイコンは両商品A,Bのアイコンのそれぞれとリンクで接続される。また、「商品α」と「商品β」も関連商品同士であるため、両者のアイコンはリンクで接続される。
【0028】
(5) 続いて、上記入力されたクエリと同一ジャンル(電化製品、音楽CD、本等)の他の商品情報の中から、利用者が興味を持つ可能性がある商品情報が選択的に読み出され、そのアイコンが第3境界線BL3に追加表示される。図4(5)はその表示例を示すもので、「商品W」、「商品X」が追加表示された情報である。なお、利用者が興味を持つ可能性がある商品情報は、利用者の情報閲覧履歴や購買履歴などの行動ログから類推する。このように、入力されたクエリとの結びつきは弱いものの関連性はある商品情報がクエリQEから離れたところに表示されることで、利用者にとってはより広範囲な商品情報を取得することができる。
【0029】
(6) 最後に、上記入力された検索クエリとは関連性のないキャンペーン商品やセール品等の情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが第3境界線BL3の外側の領域に表示される。図4(6)はその表示結果の一例を示すもので、「商品Y」、「商品Z」が表示された場合を示す。このように、検索クエリとは関連性のない商品情報については、利用者を示すアバタから遠く離れた領域に表示することにより、利用者の関心を惹くことがなかったとしても興味のある商品や関連商品に干渉せずに提示可能となる。また、もし関心を惹くことになれば、利用者が意図していなかった情報を得られるといった効果を与えられる。
【0030】
以上のように、利用者のクエリに対し密接に関係する商品、その関連商品、それよりもさらに関連性の低い商品の各アイコンを、アバタQEから順次距離が遠くなるように表示するようにしたので、利用者と各商品との関連性の強さをアイコンの表示位置の距離により表すことができ、同時に商品間の関連性の強さについてもアイコンの表示位置の距離により表すことが可能となる。また、その際商品とその関連商品との間はリンクで接続されるので、商品とその関連商品との組が複数組同時に表示された場合でも、商品とその関連商品との関係をより明確に表示することが可能となる。さらに、最外周の境界線BL3の外側の領域には、上記クエリに関連していない商品やサービスの情報を表示するようにしたので、利用者に対し関連情報と混同させることなくクエリとは関連していない商品やサービスの情報も提示することが可能となる。すなわち、利用者に対し当該利用者が意図していなかった情報も与えることが可能性となる。
【0031】
(第2の概念)
上記第1の概念で述べた情報提示方法では各商品の表示が固定的であるが、第2の概念は利用者の滞在位置の変化や表示された商品に対する利用者の閲覧の状況に応じて、商品の表示を更新するようにしたものである。図5はその表示例を示す図である。
【0032】
(1) 先ず利用者が得たい商品情報を直接又は間接的に表すキーワードをクエリとして入力する。この結果、提示フォーマットの中央部に利用者を示すアバタQEが上記クエリとして表示される。図5(1)はその表示例を示す。
【0033】
(2) 続いて、上記入力されたクエリに適した商品情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが提示フォーマットの第1境界線BL1上に表示される。図5(2)はその一例を示すもので、ここでは「商品A」、「商品B」、「商品C」が表示された場合を示している。ここまでは第1の概念と同様である。
【0034】
(3) この状態で、例えばある商品について、提示されてから利用者がまったく選択しないまま一定時間が経過したとする。この場合には、当該商品に対し利用者は興味がないと判断し、当該商品のアイコンをアバタQEから遠ざけて表示画面から消去する。また、利用者が電車やバス等により移動中で、当該利用者の滞在場所が表示中の商品とは無関係の場所に移動したとする。この場合にも、当該商品のアイコンをアバタQEから遠ざけて表示画面から消去する。図5(3)はその表示結果の一例を示すもので、ここでは「商品A」のアイコンを消去した場合を示している。
【0035】
(4) 上記商品Aの表示の消去により、提示中の商品の数が予め設定した最大値より少なくなったとする。この場合には、図5(2)において当初表示されなかった商品情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが第1の境界線BL1上に表示される。図5(4)はその表示結果を示すもので、ここでは「商品D」が新たに表示される。
【0036】
なお、この第2の概念による情報提示方法では、説明の簡単のため商品を第1境界線BL1上のみに表示した場合について述べたが、他の境界線BL2,BL3に関連商品及びさらに関連性の低い商品の各アイコンを表示した場合も同様である。すなわち、親となる商品のアイコンが消去された場合には、それに応じて当該商品の関連商品のアイコン及びさらに関連性の低い商品のアイコンも自動的にアバタQEから遠ざけられて表示画面上から消去される。
【0037】
以上のように利用者の滞在位置の変化や商品の提示時間の長さに応じて商品アイコンの表示を消去し、商品アイコンの表示数が同時に表示可能な最大値に満たない場合に未表示の商品のアイコンを追加表示させるようにしたことで、限られた表示画面内で複数の商品を効率良く提示可能になる。またそれと共に、利用者が興味を示さない商品や興味を示しても購入不可能となった商品の表示が自動的に消去されるので、実情に即した商品の提示が可能となる。
【0038】
(第3の概念)
第3の概念は、上記第1の概念又は第2の概念の情報提示方法により提示フォーマット上にアバタと商品のアイコンが表示された状態で、利用者が表示中の当該商品のアイコンをアバタに近づけるドラッグ操作を行った場合に、当該商品のアイコンをアバタに吸着させると共に、当該商品のアイコンの移動に追従して当該商品の関連商品のアイコンをアバタQEに近づけるように移動させるようにしたものである。図6はその表示例を示す図である。
【0039】
(1) 例えば図6(1)に示すように、入力された検索クエリに適する商品のアイコンと、その関連商品のアイコンが提示されていたとする。
【0040】
(2) この状態で、利用者が気になる商品のアイコンを指の操作でアバタQE方向へ近づけるように移動させたとする。図6(2)はその一例を示すもので、ここでは「商品A」のアイコンをアバタQEに近づけた場合を示している。
【0041】
(3) 上記アイコンの移動操作がなされると、上記移動された商品アイコンは第1境界線BL1の内側の領域に入り、図6(3)に例示したようにアバタQEに吸着される。
【0042】
(4) また、上記アバタQEにアイコン吸着された商品に対し利用者が興味を示しているとみなし、入力された検索クエリと上記アイコンがアバタQEに吸着された商品の情報とをもとに関連度合いの計算が再度行われる。そして、この再計算結果をもとに、当初提示されていた商品の中で適さない商品が抽出され、この抽出された商品のアイコンが上記した第2の概念と同様に表示画面外へ移動消去される。図6(4)はその様子を示すもので、ここでは商品C,△,ε,ζの各アイコンが表示画面外へ移動し消去された場合を示している。
【0043】
また、同時にアバタQEにアイコンが吸着された商品と関連する商品のアイコンは、例えば図6(4)の商品α,βのように第2境界線BL2から第1境界線BL1へと移動する。さらに、上記アバタQEにアイコンが吸着された商品以外の商品とその関連商品の各アイコンは、図6(5)に示す商品B,商品γのようにそれぞれ第1境界線BL1から第2境界線BL2へ、第2境界線BL2から第3境界線BL3へ移動する。
【0044】
すなわち、利用者がアバタQEに近づけるように移動操作した商品とその関連商品については、アバタQEに対しより一層近づくようにアイコンの表示位置が更新され、反対に利用者が移動操作しなかった商品とその関連商品についてはアバタQEから遠ざかるようにそのアイコンの表示位置が更新される。
【0045】
(5) 上記更新の結果、表示画面に表示されている商品アイコンの数が表示可能な最大値未満になると、検索クエリに適した商品情報のうち未提示の商品情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが第1境界線BL1上に表示される。図6(5)はその様子を示すもので、ここでは商品O,Pの各アイコンが追加表示された場合を示す。
【0046】
以上のように、利用者が意図的に商品アイコンをアバタに近づける操作を行うことによって、利用者がより興味を持った商品とその関連商品の各アイコンを優先的にアバタQEに近い位置で表示させることが可能になる。
【0047】
なお、以上の説明では、説明の簡単のためアバタQEへの商品アイコンの移動操作に応じて、当該商品の関連商品のアイコンのみを第2境界BL2から第1境界線BL1へ移動させる場合について述べた。しかし、アバタQEへの商品アイコンの移動操作に応じて、第3境界線BL3に表示されている関連商品のアイコンも第2境界線BL2へ移動させるようにしてもよい。
【0048】
(第4の概念)
第4の概念は、上記第1の概念又は第2の概念の情報提示方法により提示フォーマット上にアバタと商品のアイコンが表示された状態で、利用者が表示中の当該商品のアイコンをアバタから遠ざけるドラッグ操作を行った場合に、当該商品のアイコンを表示画面外へ移動させて消去すると共に、当該商品のアイコンの移動に追従して当該商品の関連商品のアイコンも表示画面外へ移動させて消去するようにしたものである。図7はその表示例を示す図である。
【0049】
(1) 例えば図7(1)に示すように、入力された検索クエリに適する商品のアイコンと、その関連商品のアイコンが提示されていたとする。
【0050】
(2) この状態で、利用者が不要な商品のアイコンを指の操作でアバタQEから遠ざけるように移動させたとする。図6(2)はその一例を示すもので、ここでは「商品A」のアイコンをアバタQEから遠ざけた場合を示している。
【0051】
(3) 上記商品アイコンの移動操作がなされると、上記移動された商品アイコンは表示画面の外へ例えば図6(2)に例示するように移動し消去される。
【0052】
(4) また、上記消去した商品の関連商品のアイコンも表示画面の外へ移動し消去される。図7(4)はその様子を示したもので、ここでは商品βのアイコンを消去した場合を示している。ただし、図7(4)に示す商品αのように、提示されている他の商品とも関連している関連商品のアイコンについては、第2境界線BL2上から第3境界線BL3上に移動させるに留め、消去しない。
【0053】
(5) 上記商品アイコンの消去の結果、商品アイコンの表示数が同時に表示可能な最大値未満になると、図7(5)に示すように提示中の商品Bの関連情報ωのアイコンが第2境界線BL2上に追加表示される。また、上記検索クエリに適した未表示の商品A ̄のアイコンが第1境界線BL1上に追加表示される。
【0054】
以上のように、利用者が意図的に商品アイコンをアバタから遠ざける操作を行うことによって、利用者にとって興味を持たない商品とその関連商品の各アイコンを表示画面外に消去することが可能になる。
【0055】
なお、今回は検索クエリが入力されたときをトリガとして情報を提示した例で説明したが、必ずしも検索クエリの入力が必要なわけではない。例えば、利用者の現在位置や時刻を検索クエリとして設定し、これにより利用者が検索クエリを入力操作しなくても、検索クエリに応じた情報提示が自動的に行われるようにしても良い。
【0056】
[装置の機能構成]
図1は、この発明の一実施形態に係わる情報提示装置の機能構成を示すブロック図である。
この情報提示装置は、図示しない入力デバイスや表示デバイス、記憶装置との間でデータの入出力を行う入出力インタフェース部1と、プログラム及びデータを記憶するための記憶部2と、情報選択部3と、関連情報算出部4と、通信インタフェース部5とを備えている。
【0057】
通信インタフェース部5は、他の端末やサーバとの間で情報データを送受信するために使用される。入出力インタフェース部1は、利用者の操作データや通信インタフェース部5により受信された情報データの受け取り、表示データや送信データの出力を行うために使用される。
【0058】
情報選択部3は、利用者にとって適した情報を選択し提示するために必要な機能として、操作内容判定部31、関連スコア算出部32及び描画位置算出部33を備えている。操作内容判定部31は、上記入出力インタフェース部1を介して操作データを受け取ったときその操作内容を判定する機能を有する。判定対象の操作内容は、検索クエリの入力操作、情報アイコンの移動操作および詳細情報の閲覧操作である。関連スコア算出部32は、検索クエリを受け取った場合に、当該検索クエリと記憶部2に記憶されている提示候補の情報データとの間の関連スコアを算出する機能を有する。
【0059】
描画位置算出部33は、提示フォーマットを保存している。提示フォーマットは、図3に例示したように、利用者を模した図形アイコンであるアバタQEと、その周りに同心円状に配置される3個の境界線BL1,BL2,BL3とからなる。そして、利用者に適した情報とその関連情報を示す情報アイコンを、当該利用者と情報データとの関連スコアに応じて上記提示フォーマットの境界線BL1,BL2,BL3上に配置する機能を有する。
【0060】
関連情報算出部4は、新たな情報データを受け取るごとに、当該新たな情報データと記憶部2に記憶されている各情報データとの間の関連スコアを算出して、この関連スコアをもとに新たな情報データと記憶済の各情報データとの間の関連付けを行い、この関連付けられた結果を関連情報データとして記憶部2に記憶させる機能を有する。
【0061】
[装置の具体的構成]
図2は、図1に示した情報提示装置の具体的な構成を示すブロック図である。
情報提示装置は、例えばスマートホン又はタブレット型端末からなり、中央処理ユニット(Central Processing Unit;CPU)11を備える。このCPU11には、バス12を介してプログラムメモリ13及びデータメモリ14が接続され、さらに通信インタフェース16及び入出力インタフェース17が接続されている。
【0062】
通信インタフェース16はアンテナ16を備え、携帯通信網、無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(登録商標)等の移動通信ネットワークを使用して、他の端末やサーバとの間で情報データ等を送受信する機能を有する。入出力インタフェース17には入力デバイス18及び表示デバイス19が接続される。入力デバイス18は、タブレット型の入力デバイスからなり、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイを用いた表示デバイス19の表示面に配置される。
【0063】
データメモリ14には、この発明を実施する上で必要な情報データを記憶するエリアとして、情報データ記憶エリア141と、選択情報履歴データ記憶エリア142と、関連情報データ記憶エリア143が設けられている。
【0064】
情報データ記憶エリア141は、利用者に提示する候補となる情報データを記憶するために用いられる。図8は記憶された情報データの一例を示すものである。情報データは、情報データごとにユニークに発行された情報IDに対し、商品名と、ジャンルと、価格と、商品の概要を表す情報を関連付けたものからなる。なお、1つのデータが複数のジャンルを持ってもよく、設定可能なジャンルがn個であったとしても、必ずしもn個のジャンル全てを持っていなくてもよい。また、メタ情報はこの例に限らず、制作者(メーカ、出版社、著者等)、特徴、重さ、大きさ、詳細情報へのリンク等があってもよい。
【0065】
選択情報記憶エリア142は、提示中の情報データに対し利用者が選択操作を行ったときの選択履歴を記憶するために使用するものである。選択履歴データは、利用者IDに対し、操作内容には、前記第3の概念で述べたようにアバタに対し情報アイコンを近づける操作を表す「吸着」と、所望の情報を閲覧操作したことを表す「閲覧」、前記第4の概念で述べたようにアバタから情報アイコンを遠ざける操作を表す「剥離」がある。図9はこの選択履歴データの一例を示すものである。
【0066】
関連情報データ記憶エリア143は、上記情報データ記憶エリア141に記憶された各情報データとその関連情報データを管理するために用いられる。1個の関連情報データは、情報データのIDに対し、関連情報データのIDと、関連項目と、関連スコアを対応付けたものからなる。関連項目としては「ジャンル」、「価格」、「共起」が定義されている。関連スコアは、情報データに対する関連情報データの関連度合いを表す指標であり、後述する関連情報算出プログラムにより算出される。図10はこの関連情報データの一例を示すものである。
【0067】
プログラムメモリ13には、この発明を実施する上で必要なアプリケーション・プログラムとして、入出力制御プログラム131と、操作内容判定プログラム132と、関連スコア算出プログラム133と、描画位置算出プログラム134と、関連情報算出プログラム135が格納されている。
【0068】
入出力制御プログラム131は、入出力インタフェース17及び通信インタフェース16を制御することで、操作データ及び受信データを受け取る処理と、この受け取った受信データをデータメモリ14内の情報データ記憶エリア141に記憶させる処理と、表示データ及び送信データをそれぞれ表示及び送信させる処理を、上記CPU11に実行させる。
【0069】
操作内容判定プログラム132は、図1に示した操作内容判定部31の機能を実現するためのもので、入力デバイス18により行われた入力操作が、検索クエリの入力操作か、アイコンの移動操作か或いは詳細情報の閲覧操作かを判定する処理を、上記CPU11に実行させる。
【0070】
関連スコア算出プログラム133は、図1に示した関連スコア算出部32の機能を実現するためのもので、受け取った検索クエリと、情報データ記憶エリア141に記憶されている提示候補の各情報データとの間の関連スコアを算出する処理を、CPU11に実行させる。
【0071】
描画位置算出プログラム134は、図1に示した描画位置算出部33の機能を実現するもので、提示フォーマット上における、利用者に適した情報とその関連情報の各アイコンの提示位置を、当該利用者と情報との関連スコアに応じて決定し、これにより表示データを生成する処理を、CPU11に実行させる。
【0072】
関連情報算出プログラム135は、図1に示した関連情報算出部4の機能を実現するもので、新たな情報データを受け取るごとに、当該新たな情報データと記憶部2に記憶されている各情報データとの間の関連スコアを算出して、この関連スコアをもとに新たな情報データと記憶済の各情報データとの間の関連付けを行い、この関連付けられた結果を関連情報データとして記憶部2に記憶させる処理を、CPU11に実行させる。
【0073】
[装置の動作]
次に、以上のように構成された情報提示装置の動作を説明する。
なお、ここでは提示候補の情報として商品情報を取り扱う場合を例にとって説明する。
(1)情報データの登録
商品に関する情報データは、例えば店舗のサーバから通信ネットワークを介して配信される。また、他に友人等の端末から口コミ情報として通知される場合もある。情報データが受信されると、情報提示装置は以下のように当該情報データの登録処理を実行する。図11はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0074】
すなわち、入出力インタフェース17が新たな情報データを受けとると、入出力制御プログラム131の制御の下で、先ずステップS101によりデータメモリ14内の情報データ記憶エリア141に、上記受信した情報データを記憶させる。なお、受信した情報データの情報IDと同じIDの情報データが既に情報データ記憶エリア141に記憶されていた場合には、当該IDに対応する情報データを上書き保存する。また、受信した情報データに情報IDが記載されていない場合は、新たにIDを発行する。この新IDは、例えば記憶されている全ての情報IDに対して大きくなる値の中で、一番小さな値とする。そして、この新IDに関連付けて上記受信した情報データを記憶させる。この受信情報データの記憶処理が終了すると、続いてステップS102により、関連度合い算出処理を行うために、上記受信した情報データを関連情報算出部4に渡す。
【0075】
関連度合いの算出処理は、関連情報算出プログラム135の制御の下で以下のように行われる。すなわち、先ずステップS103において、今回受信した情報データと関連度合いを算出していない記録済み情報データが存在するか否かを判定する。存在する場合にはステップS110に移行し、存在しなければ関連度合いの算出処理が終了したものと判断して、情報データ登録処理を終了する。
【0076】
ステップS110では、情報データ記憶エリア141から、今回受信した情報データと関連度合いをまだ算出していない情報データをひとつ選択し、この選択した情報データと上記受信した情報データをデータメモリ14内の図示しない作業エリアに保持する。そして、ステップS111において、上記受信した情報データと上記選択した情報データとの関連度合いを計算し、その計算結果をもとに関連情報データを作成して関連情報データ記憶エリア143に格納する。
【0077】
関連度合いは情報データの項目ごとに以下の式を用いて計算する。
(a)ジャンルに対する関連度合い
同じジャンルがどの程度存在するかの割合で関連度合いを測る。例えば、図8の情報ID:1の情報データを基準として情報ID:2の情報データとのジャンルに対する関連度合いを求めると、3つのジャンルのうち2つのジャンルが同じであるため、関連度合いは0.66となる。なお、関連度合いの値は1に近いほど類似しているとみなす。
【0078】
上記受信した情報データと上記選択した情報データに紐付けられているジャンルの集合をそれぞれRgenres、Sgenresとすると、受信した情報データRと選択した情報データSのジャンルに対する関連度合い(Similaritygenre(R,S))は以下の式(1)で求められる。
【数1】
【0079】
(b)価格に対する関連度合い
価格差、つまり高価な方の価格に対する安価な方の価格の割合がどの程度あるかで関連度合いを測る。例えば、図8の情報ID:1の情報データを基準として情報ID:2の情報データとの価格に対する関連度合いを求めると、より価格が高い情報ID:1の価格が分母になるため、関連度合いは0.03となる。この場合、関連度合いの値は、1に近いほど類似しているとみなす。
【0080】
上記受信した情報データと上記選択した情報データに関連付けられている価格の値をそれぞれRprice、Spriceとすると、受信した情報データRと選択した情報データSの価格に対する関連度合い(≦Similarity price(R,S))は以下の式(2)で求められる。
【数2】
【0081】
(c)共起による関連度合い
情報データ同士が利用者によってどの程度共起されているかにより関連度合いを測る。例えば、図8の情報ID:1の情報データが意図的に近づけられ、その後情報ID:2の情報データが閲覧されているとする。この場合、情報ID:1と情報ID:2の情報データは関連している可能性があるとみなし、関連度合いを高める。
【0082】
選択情報履歴データ記憶エリア142に記憶されている選択情報履歴データを参照し、ある利用者(例:ユーザA)がある情報ID(例:情報ID:1)にアクションを起こした後、n秒以内に「吸着」もしくは「閲覧」が行われた他の情報ID(例:情報ID:1)が存在すれば、その2つの情報データ(例:情報ID:1と情報ID:2の情報データ)間の共起ポイントを1つ加算する。そして、この処理を全利用者と情報IDの組に対して行い、その算出値を、関連度合いを求めようとしている情報データ(例:情報ID:1)が選択情報履歴データに現れる回数で割った値を、関連度合いとする。この場合の関連度合いの値は、1に近いほど類似しているとみなす。
【0083】
上記受信した情報データRと選択した情報データSの共起ポイントをP(R、S)とし、受信した情報データが操作情報履歴データ上での出現回数をRhistory、Shistoryとすると、受信した情報データRと選択した情報データSの共起による関連度合い
(≦Similarity cooccurrence(R,S))は、以下の式(3)で求められる。
【数3】
なお、各関連度合いの算出手法は上記各式に固定されるものではなく、関連度合いを表すものであればどんな手法を用いてもよい。
【0084】
(2)情報データ選択・提示
商品情報を取得、操作或いは選択するために利用者が、入力デバイス18において検索クエリを入力するか、表示中の情報アイコンを移動操作するか或いは商品の詳細データを閲覧するためのアイコンの選択操作を行ったとする。そうするとCPU11は以下のように情報の選択・提示処理を実行する。図12はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0085】
(2−1)操作内容の判定
入出力インタフェース17により操作データが受信されると、操作内容判定プログラム132が起動し、この操作内容判定プログラム132の制御の下で先ずステップS201により入力操作が検索クエリのみを入力する操作であるか否かを判定する。この判定の結果、検索クエリのみの入力操作であればステップS40に移行する。そして、関連スコア算出プログラム133の制御の下、上記検索クエリと情報データ記憶エリア141に記憶されている各情報データとの間の関連スコアを計算する。この関連スコアの算出処理の詳細については後述する。
【0086】
一方、それ以外の操作であればステップS30に移行して、操作内容の判定処理を以下のように実行する。図13はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。なお、ここで入力の始点と称するものは、例えばマウスであればクリックダウン時の位置、タッチパネルであればタッチ開始位置のことを示す。同様に、入力の終点と称するものは、例えばマウスであればクリックアップ時の位置、タッチパネルであればタッチ終了位置のことを示す。
【0087】
CPU11は、先ずステップS301により入力の始点が情報データのアイコン上か否かを判定し、アイコン上であればステップS310の処理へ、そうでなければステップS320の処理へ移行する。ステップS310では、入力の始点と終点が予め設定したしきい値以上離れているか否かを判定し、離れていればステップS330の処理へ、そうでなければステップS311の処理へ移行する。このステップS311では、入力の始点が情報データのアイコン上にあり、かつ入力の終点が始点としきい値以上離れていないことから、いま行われた操作は「詳細データの閲覧操作」と判定する。そして、この判定結果をデータメモリ14内の作業エリアに保持したのち、ステップS210の処理へ移行する。なお、上記しきい値は、例えば2点間の距離が「50ピクセル以上離れている」のように設定される。
【0088】
ステップS330では、入力の始点と終点からなるベクトルが中心方向、つまり利用者アバタQEの方向か否かを判定し、中心方向であればステップS331に移行する。このステップS311では、入力の始点が情報データのアイコン上であり、入力の終点が始点としきい値以上離れており、さらにそのベクトルが中心方向であることから、利用者による「意図的な吸着操作」と判定する。そして、この判定結果をデータメモリ14内の作業エリアに保持したのち、ステップS210の処理へ進む。
【0089】
これに対し、入力の始点と終点からなるベクトルが中心方向に向いていない場合、つまり利用者アバタQEから離れる方向に向いている場合には、ステップS332に進む。このステップS332では、入力の始点が情報データのアイコン上であり、入力の終点が始点としきい値以上離れており、さらにベクトルが中心方向ではないことから、利用者による操作が「意図的な剥離操作」と判定する。そして、この判定結果をメモリ14内の作業エリアに保持したのち、ステップS210の処理へ進む。
【0090】
一方、ステップS320では、詳細データ閲覧中を示すフラグ情報がデータメモリ14の作業エリアに記憶されており、なおかつ入力の始点が閲覧表示画面外にあるかを判定する。この判定の結果、上記条件を満たしていればステップS321へ移行する。このステップS321では、入力の始点が情報データのアイコン上でなく、詳細データ閲覧中を示すフラグ情報がデータメモリ14に記憶されており、なおかつ入力の始点が閲覧表示画面外にあることから、詳細データの閲覧終了操作と判定する。そして、この判定結果をメモリ14内の作業エリアに保持したのち、ステップS210の処理へ進む。なお、上記条件を満たしていない場合には、該当操作内容なしと判定してそのままステップS210に移行する。
【0091】
(2−2)操作内容の判定結果の保存
CPU11は、先ずステップS210において、上記操作内容の判定結果が利用者による「意図的な吸着操作」であったか否かを判定し、「意図的な吸着操作」だったならばステップS211に進む。このステップS211では、意図的な吸着操作が行われた場合の処理が以下のように行われる。
【0092】
すなわち、データメモリ14内の選択情報履歴データ記憶エリア142に、対象情報のIDと操作時刻、操作内容「吸着」というデータを追記する。また、操作対象の情報が吸着状態に移行したことをデータメモリ14内の作業エリアに保存する。この保存した情報は後の関連スコア算出処理や描画位置算出処理で使用する。以上の処理が終了すると、ステップS40による関連スコア算出処理へ進む。
【0093】
これに対し、操作内容の判定結果が「意図的な吸着操作」でなければ、ステップS220において、操作内容の判定結果が「意図的な剥離操作」であったか否かを判定し、「意図的な剥離操作」であればステップS221へ移行する。このステップS221では、「意図的な剥離操作」が行われた場合の処理が以下のように行われる。
【0094】
すなわち、データメモリ14内の選択情報履歴データ記憶エリア142に対象情報のIDと操作時刻、操作内容「剥離」というデータを追記する。また、操作対象の情報が剥離状態に移行したことをデータメモリ14内の作業エリアに保存する。この保存した情報は後の関連スコア算出処理や描画位置算出処理で使用する。以上の処理が終了すると、ステップS40による関連スコア算出処理へ移行する。
【0095】
一方、操作内容の判定結果が「意図的な吸着操作」でもなく、また「意図的な剥離操作」でもなければ、ステップS230に移行する。このステップS230では、操作内容の判定結果が「詳細データ閲覧操作」であったか否かが判定され、「詳細データ閲覧操作」であればステップS231へ移行する。このステップS231では、詳細データの閲覧操作が行われた場合の処理が以下のように行われる。
【0096】
すなわち、情報データに含まれている詳細内容(メタ情報)を情報データ記憶エリア141から読み出して表示デバイス19に表示させる。このとき、表示対象とするデータは、メタ情報のすべてであってもよいし、詳細データにアクセスするためのリンク先情報がメタ情報に含まれていればこのリンク先情報のみとしてもよい。
【0097】
また、詳細データを表示する際には、利用者アバタや各情報アイコンが描画されている画面を隠すように制御する。なお、詳細データの表示時には関連スコア算出処理や描画位置算出処理が行わないようにするため、詳細データの表示中であることを示すフラグ情報をデータメモリ14内の作業エリアに保存しておく。また、データメモリ14内の選択情報履歴データ記憶エリア142に対象情報のIDと操作時刻、操作内容「閲覧」というデータを追記する。そして、以上の処理が終了するとステップS40による関連スコア算出処理へ進む。
【0098】
これに対し、操作内容の判定結果が「意図的な吸着操作」及び「意図的な剥離操作」の何れでもなく、また「詳細データ閲覧操作」でもなければ、ステップS240により操作内容が「詳細データの閲覧終了操作」であるか否かを判定する。この判定の結果、「詳細データの閲覧終了操作」であれば、ステップS241において詳細データの閲覧終了操作が行われた場合の処理、つまり描画していた詳細内容表示と記憶していた詳細表示描画中を示していたものを消去する処理を行う。そして、この処理が終了したらステップS40による関連スコア算出処理へ進む。なお、「詳細データの閲覧終了操作」でもない場合には、そのままステップS40による関連スコア算出処理へ進む。
【0099】
(2−3)操作入力データと記憶されている各情報データとの間の関連スコアの算出
この関連スコアの算出処理は以下のように行われる。図14はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
先ずステップS401において商品の詳細データが表示中か否かを判定する。そして、表示中であれば関連スコアの計算を行わずにそのままステップS50に移行する。なお、詳細データが表示中であるか否かは、詳細データ閲覧中を示すフラグ情報がデータメモリ14の作業エリアに保存されているか否かで判断する。
【0100】
これに対し、商品の詳細データが表示されていなかったとする。この場合には、先ずステップS410において検索クエリが新たに入力されたものであるか否かを判定し、新たに入力されたものであればステップS411に移行して、当該新たに入力された検索クエリをデータメモリ140内の作業エリアに保存する。次にステップS420において、利用者の操作により新たに意図的吸着状態になった情報データが存在するか否かを判定し、存在する場合にはステップS421において上記意図的吸着状態である情報データの全てをデータメモリ14内の作業エリアに保存する。続いてステップS430において、利用者の操作により新たに意図的剥離状態になった情報データが存在するか否かを判定し、存在する場合にはステップS431において上記意図的剥離状態である情報データの全てをデータメモリ14内の作業エリアに保存する。
【0101】
次にステップS440において、データメモリ14に検索クエリ、意図的吸着状態の情報データ、意図的剥離状態の情報データが保存されているか否かを判定し、保存されていればステップS441に移行する。そして、データメモリ14に保存されている各種データ(検索クエリ、意図的吸着状態の情報データ、意図的剥離状態の情報データ)をもとに、これらのデータと情報データ記憶エリア141に記憶されている情報データの1つとの間で関連スコアを算出する。
【0102】
具体的には、検索クエリと上記記憶されている情報データとの間の関連スコアは、全文検索エンジンなどを用いて算出する。また、意図的吸着・剥離状態の情報データと上記記憶されている情報データとの間の関連スコアは、関連情報データ記憶エリア143に記憶されている関連情報データにある該当する情報データ同士の全ての関連度合いの加重平均値として算出する。このように各種データ(検索クエリ、意図的吸着状態の情報データ、意図的剥離状態の情報データ)と上記記憶されている情報データとの間の関連スコアをそれぞれ算出し、その総和を当該情報データとの間の関連スコアとする。以後同様に、上記関連スコアの算出処理を、情報データ記憶エリア141に記憶されている全ての情報データに対して順次実行する。
【0103】
続いてステップS442において、上記ステップS441により算出された、検索クエリ等と各情報データとの関連スコアに基づいて、情報データ記憶エリア141に記憶されている各情報データを関連スコアが高い順にソートする。そして、その結果をデータメモリ14の作業エリアに関連スコアリストとして保存し、代わりに当該作業エリアに保存されている各種データ(検索クエリ、意図的吸着状態の情報データ、意図的剥離状態の情報データ)を消去する。
【0104】
(2−4)描画位置の算出
上記ステップS40による関連スコアの算出処理が終了すると、CPU11は描画位置算出プログラム134を起動し、この描画位置算出プログラム134の制御の下で以下のように描画位置算出処理を実行する。図15はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0105】
すなわち、先ずステップS501により商品に関する詳細データが表示中か否かを判定する。そして、表示中であれば描画位置の算出処理を行わずにそのまま待機状態に復帰する。なお、詳細情報が表示中であるか否かは、関連スコアの算出の場合と同様に、詳細データ閲覧中を示すフラグ情報がデータメモリ14の作業エリアに保存されているか否かで判断する。
【0106】
これに対し、商品の詳細データが表示されていなかったとする。この場合には、先ずステップS510により関連スコアリストが更新されたか否かを判断する。その結果、更新されていれば、ステップS511において、現在提示中の情報データのうち新たな関連スコアリストで順位が表示画面への最大提示数以下になっている情報データがあれば、当該情報データを剥離状態に、つまり提示対象の情報データから除外する。なお、情報データを提示する前の状態であれば、この処理は省略される。
【0107】
次にステップS520により、提示対象の情報データ数が予め定められた最大提示数を下回っているか否かを判断する。そして、未提示又は下回っていればステップS521へ移行する。そして、上記関連スコアリストをもとに、関連スコアが最も高い情報データを提示対象として1つ選択して、この情報データのアイコンの描画位置を図3に示した提示フォーマットの第1境界線BL1上に設定する。また、上記選択された情報データとの間の関連スコアが最も高い関連情報データを関連情報データ記憶エリア143から選択し、この関連情報データのアイコン描画位置を上記提示フォーマットの第2境界線BL2上に設定する。以後、提示フォーマット上における情報の提示数が最大提示数に達するまで、上記関連スコアリストをもとに関連スコアが高い順に情報データを1つずつ選択してそのアイコンを第1境界線BL1上に配置する。また同様に、上記情報データが1つ選択されるごとに当該情報データとの関連スコアが高い順に関連情報データを選択し、そのアイコンを第2境界線BL2上に配置する。
【0108】
なお、最大提示数は境界線BL1,BL2,BL3ごとに設定することができ、例えば第1境界線BL1の最大提示数を「5個」に設定しておけば、第1境界線BL1上には最大5個の情報データのアイコンが配置される。また、第2境界線BL2の最大提示数を「7個」に設定しておけば、第2境界線BL2上には最大7個の関連情報データのアイコンが配置される。
【0109】
また、前記第1の概念で述べたように、上記入力された検索クエリと同一ジャンル(電化製品、音楽CD、本等)の他の商品情報の中から、利用者が興味を持つ可能性がある商品情報を選択的に読み出し、そのアイコンを第3境界線BL3上に追加配置することも可能である。このとき、利用者が興味を持つ可能性がある商品情報は、別途管理される利用者の情報閲覧履歴や購買履歴などの行動ログから類推することができる。
【0110】
さらに、入力された検索クエリとは関連性のないキャンペーン商品やセール品等の情報を情報データ記憶エリア141から選択的に読み出して、そのアイコンを第3境界線BL3の外側の領域に配置することも可能である。
次にステップS530において、現在提示中の情報データのうち、今回の描画位置算出処理で剥離判定処理を行っていない情報データがあるか否かを判定する。この判定の結果、剥離判定の必要がある情報データがなければそのままステップS540に移行し、上記各情報アイコンが配置された提示フォーマットの表示データを入出力インタフェース17を介して表示デバイス19へ出力し表示させる。またこのとき、情報データのアイコンとその関連情報データのアイコンとの間はリンクで接続される。
【0111】
一方、上記ステップS530において、剥離判定処理を行っていない情報データがあったとする。この場合CPU11は、ステップS531により現在提示中の情報データのうち、今回の描画位置算出処理で剥離判定処理を行っていない情報データを1つ選択し、この選択した情報データをデータメモリ14内の作業エリアに保持する。続いてステップS532により、対象情報データが剥離となる条件を満たしているか否かを判定し、満たしていればステップS533により上記選択した情報データとその関連情報を剥離状態に遷移させる。なお、剥離となる条件は、利用者が「意図的な剥離操作を行った場合」と、「提示されてから一定時間が経過した場合」等がある。
【0112】
上記ステップS533による処理を行った場合、ステップS540では提示状態にある各情報データのアイコンをそのまま提示位置に表示させ、剥離状態に設定されているもので画面外へ移動した情報データについては非提示状態とする。そして、これらの処理が終了すると処理は終了となり、新たな入力データを受信するまで待機状態となる。
【0113】
[実施形態の作用効果]
以上詳述したようにこの実施形態では、利用者を模したアバタQEを中央に配し、その周囲に3つの同心円状の境界線BL1,BL2,BL3を配した提示フォーマットを生成し、検索クエリとの関連スコアが高い情報データを選択してそのアイコンを上記境界線BL1に表示させると共に、この情報データの関連情報データを選択してそのアイコンを上記境界線BL2に表示させる。そして、この状態で利用者が上記アイコンを移動操作した場合に、その操作内容が意図的な吸着操作であるか又は剥離操作であるかを判定し、吸着操作であれば当該アイコンの表示位置を利用者アバタQEに接触する位置に移動させ、一方剥離操作であれば当該アイコンを表示画面から消去する。また、提示時間が一定時間を経過したアイコンも表示画面から消去する。そして、この提示消去の結果、提示中の情報数が最大提示数未満になった場合には、未提示の情報データ及びその関連情報データを選択してそのアイコンを追加表示するようにしている。
【0114】
したがって、利用者の検索クエリに対し密接に関係する情報データとその関連情報データの各アイコンが、その関連スコアに応じて利用者アバタQEから順次距離が遠くなるように表示されるので、利用者のクエリと各情報データとの関連性の強さをアイコンの表示位置の距離により表すことができ、同時に情報データとその関連情報データ間の関連性の強さについてもアイコンの表示位置の距離により表すことが可能となる。
【0115】
また、その際情報データのアイコンとその関連情報データのアイコンとの間はリンクで接続されるので、例えば商品とその関連商品との組が複数組同時に表示された場合でも、商品とその関連商品との関係をより明確に表示することが可能となる。さらに、最外周の境界線BL3の外側の領域には、上記クエリに関連していない商品やサービスの情報が表示されるので、利用者に対し関連情報と混同させることなくクエリとは関連していない商品やサービスの情報も提示することが可能となる。すなわち、利用者に対し当該利用者が意図していなかった情報も与えることが可能性となる。
【0116】
また、提示時間の長さに応じて情報データのアイコンの表示を自動的に消去し、その結果情報データの提示数が同時に提示可能な最大値を下回った場合に未提示の情報データのアイコンを追加表示するようにしたので、表示領域が限られた表示画面内で複数の情報データのアイコンを効率良く提示することが可能となる。またそれと共に、利用者が興味を示さない情報データや興味を示しても入手不可能となった情報データのアイコンが自動的に消去されるので、実情に即した情報データの提示が可能となる。
【0117】
さらに、利用者が意図的にアイコンを利用者アバタQEに近づける操作を行うことによって、例えば利用者がより興味を持った商品とその関連商品の各アイコンを意図的にアバタQEに近い位置で表示させることが可能になる。一方で、利用者が意図的にアイコンを利用者アバタQEから遠ざける操作を行うことによって、例えば利用者にとって興味を持たない商品とその関連商品の各アイコンを意図的に表示画面外に消去することが可能になる。
【0118】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、利用者の滞在位置を携帯端末等が備えるGPS(Global Positioning System)を利用して計測し、この計測された利用者の滞在位置を提示中の情報データの地理的な条件と比較し、滞在位置が当該条件から離れるに従い当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御してもよい。このようにすると、例えば情報データが店舗等のように地理的な条件を持つ場合に、利用者の滞在位置が上記店舗の位置から一定距離以上離間した時点で、当該店舗の情報を表すアイコンを自動的に消去することができる。
【0119】
また前記実施形態では、利用者による意図的な操作として「吸着操作」と「剥離操作」を例にとって説明したが、アイコンを提示フォーマット内である境界線から別の任意の境界線上に移動させることも可能である。この場合、上記アイコンの意図的な移動操作に追従して、その関連情報のアイコンの表示位置は自動的に移動される。
【0120】
さらに前記実施形態では、情報提示装置としてスマートホンやタブレット型端末を用いた場合を例にとって説明したが、ノート型又はサブノート型のパーソナル・コンピュータやテレビジョン受信機、カーナビゲーション端末等であってもよい。
その他、情報データ及びその関連情報データの種類、情報データ選択・提示処理の手順と処理内容、提示フォーマットの構成などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0121】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1…入出力インタフェース部、2…記憶部、3…情報選択部、31…操作内容判定部、32…関連スコア算出部、33…描画位置算出部、4…関連情報算出部、5…通信インタフェース部、11…中央処理ユニット(CPU)、12…バス、13…プログラムメモリ、131…入出力制御プログラム、132…操作内容判定プログラム、133…関連スコア算出プログラム、134…描画位置算出プログラム、135…関連情報算出プログラム、14…データメモリ、141…情報データ記憶エリア、142…選択情報履歴データ記憶エリア、143…関連情報データ記憶エリア、16…通信インタフェース、16a…アンテナ、17…入出力インタフェース、18…入力デバイス、19…表示デバイス。
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者に対し適切な情報を提示するための情報提示装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のコンピュータネットワークを利用して、利用者に対し当該利用者に適した情報を選択し提示するサービスが種々提案されている。提示する情報としては、衣類や食品、家電製品、音楽CD、書籍等の商品或いはサービスに関する情報や、ニュースや広告等の情報、会議やセミナに関する資料や議事録等の情報が有望である。
【0003】
ところで、利用者に適した情報は、興味度合いが高いと推測された順にリスト状かグリッド状に表示されるのが一般的である。図16(1),(2)はそれぞれ、商品を薦める際のリスト表示およびグリッド表示を例示したものである。また、このような表示手法において、表示画面上に各情報に関連する情報(各商品への関連情報)を同時に提示しようとすると、図17(1),(2)に示すような提示手法が考えられる。
しかし、このような提示手法では、図17の(1)に示すように、関連商品αが商品Aと商品Bの両者に関連している場合には両方のリストに表記されるため冗長な提示になり、また商品Aと商品Bが関連商品αを通じて関連しているという関連性を認識し難い表現となる。この問題はグリッド表示の場合においても同様に発生する(図17の(2))。また、これらの提示手法の場合、利用者の操作に応じて動的に順位を変化させると、商品同士の関連性はより把握し難くなる。このように、一般的な情報表示手法は、情報間の関連性や興味のある情報を動的に提示しようとする場合には適さない。
【0004】
そこで、3つの軸(例えば外部リンク数、アクセス数、最終更新日時)をもつ空間上に、ウェブ情報群を整理して提示する手法が提案されている(例えば特許文献1を参照)。この手法を用いると、3つの軸にそれぞれ対応付けた要素が類似しているという、情報同士の関係性を提示することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−132829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載された情報提示手法では、Web情報を閲覧する等の利用者の行動に応じて当該利用者にとって興味のある情報を加味して提示情報を再構成することや、利用者ごとに提示する情報の内容や配置位置を変化させることは困難である。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、大量の情報の中から利用者に適する情報を選択し提示する際に、利用者と情報との関連度が容易に認識できるようにした情報提示装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明の1つの観点は、提示候補となる複数の情報を記憶する記憶部と、利用者を利用者アイコンにより表しかつ前記提示候補となる情報と利用者との関連度を前記利用者アイコンからの距離により表す複数の関連度領域を有する提示フォーマットを生成する手段とを備えている。そして、前記利用者が取得を希望する情報を表すクエリが設定されたとき、当該クエリと前記記憶部に記憶された複数の情報との間の関連度合いを表す第1の関連度をそれぞれ算出し、この算出された第1の関連度に基づいて前記記憶部から提示対象の情報を選択的に読み出し、この読み出された提示対象の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置し、この利用者アイコン及び情報アイコンが配置された提示フォーマットを提示手段に提示させるようにしたものである。
したがって、利用者と提示対象情報との関連度がその提示位置の距離として表されることになり、これにより利用者は自身にとってどの情報が適しているかを容易に認識することが可能となる。
【0009】
また、この発明の1つの観点は以下のような態様を備えることを特徴とする。
第1の態様は、前記記憶部に記憶された複数の情報間でその関連度合いを表す第2の関連度を算出し、この算出された第2の関連度をもとに、前記提示対象となる情報の関連情報を前記記憶部から選択的に読み出し、この読み出された関連情報を表す情報アイコンを前記算出された第2の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置するようにしたものである。
このようにすると、利用者と提示対象情報との関連度に加え、提示対象情報とその関連情報との関連度についても、その提示位置の距離として表されることになり、これにより利用者は提示対象情報ばかりでなくその関連情報についても自身にとってどの情報が適しているかを容易に認識することが可能となる。
【0010】
第2の態様は、前記提示フォーマットに情報アイコンが配置された情報の提示時間を監視し、当該提示時間が長くなるに従い、前記提示フォーマットにおける当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御するようにしたものである。
このようにすると、提示当初は利用者との関連度が高い位置に提示された情報であっても、その後利用者の関心の度合いが低いと見なされる情報についてはそのアイコンの位置が利用者アイコンから遠ざかる。すなわち、利用者の関心の度合いに応じて情報アイコンの提示位置を動的に変更することが可能となる。
【0011】
第3の態様は、前記利用者の滞在位置を検出する手段を備える。そして、前記提示フォーマットに情報アイコンが配置された情報に地理的な条件が設定されている場合に、前記検出された利用者の滞在位置を前記地理的な条件と比較し、滞在位置が当該条件から離れるに従い当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御するようにしたものである。
このようにすると、提示当初は利用者の滞在位置に対し地理的条件が対応していた情報であっても、その後利用者の滞在位置の移動により地理的条件が対応しなくなるに従いそのアイコンの位置が利用者アイコンから遠ざかる。すなわち、利用者の滞在位置の変化に応じて情報アイコンの提示位置を動的に変更することが可能となる。
【0012】
第4の態様は、前記提示フォーマットに、提示対象の情報とその関連情報の情報アイコンが提示されている場合に、提示対象情報のアイコンの配置位置を利用者アイコンから遠ざける処理に連動して、前記関連情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンからさらに遠ざけるように制御するようにしたものである。
このようにすると、先に述べたように利用者の関心の度合いや利用者の滞在位置の移動に応じて提示対象情報のアイコンの配置位置が利用者アイコンから遠ざけられた場合に、それに連動して関連情報の情報アイコンの位置も遠ざけられる。すなわち、提示対象情報のアイコンの提示位置の変更に応じて、その関連情報のアイコンの提示位置も自動的に変更することが可能となる。
【0013】
第5の態様は、提示フォーマットに提示中の情報アイコンの配置位置を利用者が移動操作するための入力手段と、この入力手段により前記提示中の情報アイコンの配置位置を移動させる操作が行われた場合に、当該操作が前記情報アイコンを利用者アイコンに近づける操作であるか又は遠ざける操作であるかを判定する操作判定手段とをさらに備える。そして、この操作判定手段により情報アイコンを利用者アイコンに近づける操作であると判定された場合に、前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンと接触する位置に変更し、一方遠ざける操作であると判定された場合には、前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンからさらに遠い位置に変更するようにしたものである。
このようにすると、提示されている情報アイコンに対する利用者の操作に応じて、当該アイコンの提示位置を利用者アイコンに近づけたり遠ざけたりすることが可能となる。
【0014】
第6の態様は、提示フォーマットに提示対象の情報とその関連情報の情報アイコンがそれぞれ提示されている場合に、提示対象情報の情報アイコンの配置位置を変更する処理に連動して、その関連情報の情報アイコンの配置位置を利用者アイコンに対しさらに近づけるか又はさらに遠ざけるように変更するようにしたものである。
このようにすると、利用者の操作に応じて、提示対象情報のアイコンと共にその関連情報の情報アイコンについても、その提示位置が自動的に変更される。
【0015】
第7の態様は、提示フォーマットにおける情報アイコンの配置位置が変更された場合に、当該変更後に提示フォーマットに提示されている情報アイコンの数を予め設定した最大提示数と比較する。そして、この比較の結果前記提示中の情報アイコンの数が最大提示数に満たない場合には、前記算出された第1の関連度に基づいて記憶部から未提示の情報をさらに読み出し、この読み出された未提示の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に追加配置するようにしたものである。
このようにすると、提示フォーマット上には、常に予め設定した最大提示数分の情報アイコンが提示されることになり、これにより提示スペースが限られた提示フォーマットが多数の情報アイコンにより混雑することなく常に適切な提示状態を維持することができる。また、提示中のアイコン数が最大提示数に満たない場合には未提示の情報のアイコンが自動的に追加提示されるため、できる限り多くの情報を一覧提示することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
すなわちこの発明によれば、大量の情報の中から利用者に適する情報を選択し提示する際に、利用者と情報との関連度が容易に認識できるようにした情報提示装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施形態に係る情報選択提示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した情報選択提示装置の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】利用者を模したアバタと境界線とにより表した情報提示フォーマットの一例を示す図。
【図4】図3に示した情報提示フォーマットを用いた、情報の関連性の提示例を示す図。
【図5】図3に示した情報提示フォーマットを用いた、クエリに対する情報の遠近感(距離感)の自動更新の一例を示す図。
【図6】図3に示した情報提示フォーマットを用いた、利用者が意図的に情報を近づけたときの情報の提示位置の遷移例を示す図。
【図7】図3に示した情報提示フォーマットを用いた、利用者が意図的に情報を遠ざけたときの情報の提示位置の遷移例を示す図。
【図8】図2に示した情報選択提示装置に記憶される情報データの一例を示す図。
【図9】図2に示した情報選択提示装置に記憶される選択情報履歴データの一例を示す図。
【図10】図2に示した情報選択提示装置に記憶される関連情報データの一例を示す図。
【図11】図2に示した情報選択提示装置による情報データ登録処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図12】図2に示した情報選択提示装置による情報データ選択提示処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図13】図12に示した処理手順のうち操作内容判定処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図14】図12に示した処理手順のうち関連スコア算出処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図15】図12に示したフローチャートのうち描画位置算出処理の手順と処理内容を示すフローチャート。
【図16】利用者に適した情報の一般的な提示手法の例を示す図。
【図17】一般的な提示手法を用いて関連商品を同時に提示した例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[概要]
この発明の一実施形態では、同心円状をなす提示フォーマットを生成し、この提示フォーマット上に利用者と情報を表すアイコンを「利用者と情報」および「情報と情報」との距離感を考慮して提示し、かつこの距離感を利用者の滞在位置、情報の提示時間及び利用者の情報選択操作に応じて計算し直すことにより、上記情報の提示位置を自動的に更新するようにしたものである。
【0019】
まず、利用者と情報との距離感を表現するために、利用者を模した図形アイコン(以下アバタと称する)と、その周りに同心円状に配置される複数の境界線とからなる提示フォーマットを表示画面上に表示する。図3は、その一例としてアバタQEと3つの境界線BL1,BL2,BL3(領域としては4つ)とからなる提示フォーマットを示したものである。
【0020】
このように同心円状をなす複数の境界線を有する提示フォーマット上に情報を提示すれば、利用者との距離でどのような特性(関係性、属性など)を持っているかを明示することが可能となる。例えば図3において、第1境界線BL1を推薦境界、第2境界線BL2を関連性境界、第3境界線BL3を興味境界とそれぞれ定義し、情報アイコンをこれらの境界線上又はその間の領域に提示すると、アバタQEからの距離により利用者と情報との関連度合いを明示することが可能となる。なお、この例で示した境界線の数や特性はあくまで一例であり、境界線の数を増減したり、他の特性を意味づけしてもよい。
【0021】
次に、図3に示す提示フォーマットを使用した情報提示方法を、4つの概念を例にとって説明する。なお、ここでは情報が「商品」である場合を例にとる。
【0022】
(第1の概念)
第1の概念は、この発明の一実施形態における基本的な情報提示方法を示すもので、「利用者と情報」の距離感、「情報と情報」の距離感及び「情報とその関連情報」のリンク付けを表示するものである。図4はその表示例を示す図である。
【0023】
(1) 先ず利用者が、得たい商品情報を直接又は間接的に表すキーワードをクエリとして入力する。そうすると、提示フォーマットの中央部に利用者を示すアバタが上記クエリとして表示される。図4(1)はその表示例を示す。
【0024】
(2) 次に、上記入力されたクエリに適した商品情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが提示フォーマットの第1境界線BL1上に表示される。ここで、クエリに適する商品情報は、例えばクエリに含まれるキーワードにより各商品情報を全文検索してその関連度を算出し、この関連度が所定値以上の商品情報の中から関連度が高い順に所定個数を選択される。図4(2)はその一例を示すもので、ここでは「商品A」、「商品B」、「商品C」の各アイコンが表示された場合を示している。
【0025】
(3) 続いて、「商品A」の「関連商品α、β」を表す情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが第2境界線BL2上の上記「商品A」のアイコンの近傍位置に表示される。同様に、「商品B」の「関連商品γ」、「商品C」の「関連商品Δ、ε、ζ」がそれぞれ記憶部から読み出され、そのアイコンが第2境界線BL2上の「商品B」、「商品C」のアイコンの近傍位置に表示される。図4(3)にその表示結果の一例を示す。
【0026】
なお、「商品ε,ζ」はセット価格が用意されているため、情報間の距離を0で表現している。このように、クエリに適した商品とその関連商品を表すアイコンが異なる境界線BL1,BL2上に配置されることにより、クエリと商品との距離感及び商品とその関連商品との距離感が一覧表示される。
【0027】
(4) 続いて、「商品」のアイコンとその「関連商品」のアイコンとの間がリンクにより接続される。図4(4)にその表示例を示す。このリンクによる接続により、「商品」とその「関連商品」との間の関連性がより明確に表示される。なお、「商品β」は「商品A」と「商品B」の両者に対する関連商品であるため、「商品β」のアイコンは両商品A,Bのアイコンのそれぞれとリンクで接続される。また、「商品α」と「商品β」も関連商品同士であるため、両者のアイコンはリンクで接続される。
【0028】
(5) 続いて、上記入力されたクエリと同一ジャンル(電化製品、音楽CD、本等)の他の商品情報の中から、利用者が興味を持つ可能性がある商品情報が選択的に読み出され、そのアイコンが第3境界線BL3に追加表示される。図4(5)はその表示例を示すもので、「商品W」、「商品X」が追加表示された情報である。なお、利用者が興味を持つ可能性がある商品情報は、利用者の情報閲覧履歴や購買履歴などの行動ログから類推する。このように、入力されたクエリとの結びつきは弱いものの関連性はある商品情報がクエリQEから離れたところに表示されることで、利用者にとってはより広範囲な商品情報を取得することができる。
【0029】
(6) 最後に、上記入力された検索クエリとは関連性のないキャンペーン商品やセール品等の情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが第3境界線BL3の外側の領域に表示される。図4(6)はその表示結果の一例を示すもので、「商品Y」、「商品Z」が表示された場合を示す。このように、検索クエリとは関連性のない商品情報については、利用者を示すアバタから遠く離れた領域に表示することにより、利用者の関心を惹くことがなかったとしても興味のある商品や関連商品に干渉せずに提示可能となる。また、もし関心を惹くことになれば、利用者が意図していなかった情報を得られるといった効果を与えられる。
【0030】
以上のように、利用者のクエリに対し密接に関係する商品、その関連商品、それよりもさらに関連性の低い商品の各アイコンを、アバタQEから順次距離が遠くなるように表示するようにしたので、利用者と各商品との関連性の強さをアイコンの表示位置の距離により表すことができ、同時に商品間の関連性の強さについてもアイコンの表示位置の距離により表すことが可能となる。また、その際商品とその関連商品との間はリンクで接続されるので、商品とその関連商品との組が複数組同時に表示された場合でも、商品とその関連商品との関係をより明確に表示することが可能となる。さらに、最外周の境界線BL3の外側の領域には、上記クエリに関連していない商品やサービスの情報を表示するようにしたので、利用者に対し関連情報と混同させることなくクエリとは関連していない商品やサービスの情報も提示することが可能となる。すなわち、利用者に対し当該利用者が意図していなかった情報も与えることが可能性となる。
【0031】
(第2の概念)
上記第1の概念で述べた情報提示方法では各商品の表示が固定的であるが、第2の概念は利用者の滞在位置の変化や表示された商品に対する利用者の閲覧の状況に応じて、商品の表示を更新するようにしたものである。図5はその表示例を示す図である。
【0032】
(1) 先ず利用者が得たい商品情報を直接又は間接的に表すキーワードをクエリとして入力する。この結果、提示フォーマットの中央部に利用者を示すアバタQEが上記クエリとして表示される。図5(1)はその表示例を示す。
【0033】
(2) 続いて、上記入力されたクエリに適した商品情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが提示フォーマットの第1境界線BL1上に表示される。図5(2)はその一例を示すもので、ここでは「商品A」、「商品B」、「商品C」が表示された場合を示している。ここまでは第1の概念と同様である。
【0034】
(3) この状態で、例えばある商品について、提示されてから利用者がまったく選択しないまま一定時間が経過したとする。この場合には、当該商品に対し利用者は興味がないと判断し、当該商品のアイコンをアバタQEから遠ざけて表示画面から消去する。また、利用者が電車やバス等により移動中で、当該利用者の滞在場所が表示中の商品とは無関係の場所に移動したとする。この場合にも、当該商品のアイコンをアバタQEから遠ざけて表示画面から消去する。図5(3)はその表示結果の一例を示すもので、ここでは「商品A」のアイコンを消去した場合を示している。
【0035】
(4) 上記商品Aの表示の消去により、提示中の商品の数が予め設定した最大値より少なくなったとする。この場合には、図5(2)において当初表示されなかった商品情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが第1の境界線BL1上に表示される。図5(4)はその表示結果を示すもので、ここでは「商品D」が新たに表示される。
【0036】
なお、この第2の概念による情報提示方法では、説明の簡単のため商品を第1境界線BL1上のみに表示した場合について述べたが、他の境界線BL2,BL3に関連商品及びさらに関連性の低い商品の各アイコンを表示した場合も同様である。すなわち、親となる商品のアイコンが消去された場合には、それに応じて当該商品の関連商品のアイコン及びさらに関連性の低い商品のアイコンも自動的にアバタQEから遠ざけられて表示画面上から消去される。
【0037】
以上のように利用者の滞在位置の変化や商品の提示時間の長さに応じて商品アイコンの表示を消去し、商品アイコンの表示数が同時に表示可能な最大値に満たない場合に未表示の商品のアイコンを追加表示させるようにしたことで、限られた表示画面内で複数の商品を効率良く提示可能になる。またそれと共に、利用者が興味を示さない商品や興味を示しても購入不可能となった商品の表示が自動的に消去されるので、実情に即した商品の提示が可能となる。
【0038】
(第3の概念)
第3の概念は、上記第1の概念又は第2の概念の情報提示方法により提示フォーマット上にアバタと商品のアイコンが表示された状態で、利用者が表示中の当該商品のアイコンをアバタに近づけるドラッグ操作を行った場合に、当該商品のアイコンをアバタに吸着させると共に、当該商品のアイコンの移動に追従して当該商品の関連商品のアイコンをアバタQEに近づけるように移動させるようにしたものである。図6はその表示例を示す図である。
【0039】
(1) 例えば図6(1)に示すように、入力された検索クエリに適する商品のアイコンと、その関連商品のアイコンが提示されていたとする。
【0040】
(2) この状態で、利用者が気になる商品のアイコンを指の操作でアバタQE方向へ近づけるように移動させたとする。図6(2)はその一例を示すもので、ここでは「商品A」のアイコンをアバタQEに近づけた場合を示している。
【0041】
(3) 上記アイコンの移動操作がなされると、上記移動された商品アイコンは第1境界線BL1の内側の領域に入り、図6(3)に例示したようにアバタQEに吸着される。
【0042】
(4) また、上記アバタQEにアイコン吸着された商品に対し利用者が興味を示しているとみなし、入力された検索クエリと上記アイコンがアバタQEに吸着された商品の情報とをもとに関連度合いの計算が再度行われる。そして、この再計算結果をもとに、当初提示されていた商品の中で適さない商品が抽出され、この抽出された商品のアイコンが上記した第2の概念と同様に表示画面外へ移動消去される。図6(4)はその様子を示すもので、ここでは商品C,△,ε,ζの各アイコンが表示画面外へ移動し消去された場合を示している。
【0043】
また、同時にアバタQEにアイコンが吸着された商品と関連する商品のアイコンは、例えば図6(4)の商品α,βのように第2境界線BL2から第1境界線BL1へと移動する。さらに、上記アバタQEにアイコンが吸着された商品以外の商品とその関連商品の各アイコンは、図6(5)に示す商品B,商品γのようにそれぞれ第1境界線BL1から第2境界線BL2へ、第2境界線BL2から第3境界線BL3へ移動する。
【0044】
すなわち、利用者がアバタQEに近づけるように移動操作した商品とその関連商品については、アバタQEに対しより一層近づくようにアイコンの表示位置が更新され、反対に利用者が移動操作しなかった商品とその関連商品についてはアバタQEから遠ざかるようにそのアイコンの表示位置が更新される。
【0045】
(5) 上記更新の結果、表示画面に表示されている商品アイコンの数が表示可能な最大値未満になると、検索クエリに適した商品情報のうち未提示の商品情報が記憶部から読み出され、そのアイコンが第1境界線BL1上に表示される。図6(5)はその様子を示すもので、ここでは商品O,Pの各アイコンが追加表示された場合を示す。
【0046】
以上のように、利用者が意図的に商品アイコンをアバタに近づける操作を行うことによって、利用者がより興味を持った商品とその関連商品の各アイコンを優先的にアバタQEに近い位置で表示させることが可能になる。
【0047】
なお、以上の説明では、説明の簡単のためアバタQEへの商品アイコンの移動操作に応じて、当該商品の関連商品のアイコンのみを第2境界BL2から第1境界線BL1へ移動させる場合について述べた。しかし、アバタQEへの商品アイコンの移動操作に応じて、第3境界線BL3に表示されている関連商品のアイコンも第2境界線BL2へ移動させるようにしてもよい。
【0048】
(第4の概念)
第4の概念は、上記第1の概念又は第2の概念の情報提示方法により提示フォーマット上にアバタと商品のアイコンが表示された状態で、利用者が表示中の当該商品のアイコンをアバタから遠ざけるドラッグ操作を行った場合に、当該商品のアイコンを表示画面外へ移動させて消去すると共に、当該商品のアイコンの移動に追従して当該商品の関連商品のアイコンも表示画面外へ移動させて消去するようにしたものである。図7はその表示例を示す図である。
【0049】
(1) 例えば図7(1)に示すように、入力された検索クエリに適する商品のアイコンと、その関連商品のアイコンが提示されていたとする。
【0050】
(2) この状態で、利用者が不要な商品のアイコンを指の操作でアバタQEから遠ざけるように移動させたとする。図6(2)はその一例を示すもので、ここでは「商品A」のアイコンをアバタQEから遠ざけた場合を示している。
【0051】
(3) 上記商品アイコンの移動操作がなされると、上記移動された商品アイコンは表示画面の外へ例えば図6(2)に例示するように移動し消去される。
【0052】
(4) また、上記消去した商品の関連商品のアイコンも表示画面の外へ移動し消去される。図7(4)はその様子を示したもので、ここでは商品βのアイコンを消去した場合を示している。ただし、図7(4)に示す商品αのように、提示されている他の商品とも関連している関連商品のアイコンについては、第2境界線BL2上から第3境界線BL3上に移動させるに留め、消去しない。
【0053】
(5) 上記商品アイコンの消去の結果、商品アイコンの表示数が同時に表示可能な最大値未満になると、図7(5)に示すように提示中の商品Bの関連情報ωのアイコンが第2境界線BL2上に追加表示される。また、上記検索クエリに適した未表示の商品A ̄のアイコンが第1境界線BL1上に追加表示される。
【0054】
以上のように、利用者が意図的に商品アイコンをアバタから遠ざける操作を行うことによって、利用者にとって興味を持たない商品とその関連商品の各アイコンを表示画面外に消去することが可能になる。
【0055】
なお、今回は検索クエリが入力されたときをトリガとして情報を提示した例で説明したが、必ずしも検索クエリの入力が必要なわけではない。例えば、利用者の現在位置や時刻を検索クエリとして設定し、これにより利用者が検索クエリを入力操作しなくても、検索クエリに応じた情報提示が自動的に行われるようにしても良い。
【0056】
[装置の機能構成]
図1は、この発明の一実施形態に係わる情報提示装置の機能構成を示すブロック図である。
この情報提示装置は、図示しない入力デバイスや表示デバイス、記憶装置との間でデータの入出力を行う入出力インタフェース部1と、プログラム及びデータを記憶するための記憶部2と、情報選択部3と、関連情報算出部4と、通信インタフェース部5とを備えている。
【0057】
通信インタフェース部5は、他の端末やサーバとの間で情報データを送受信するために使用される。入出力インタフェース部1は、利用者の操作データや通信インタフェース部5により受信された情報データの受け取り、表示データや送信データの出力を行うために使用される。
【0058】
情報選択部3は、利用者にとって適した情報を選択し提示するために必要な機能として、操作内容判定部31、関連スコア算出部32及び描画位置算出部33を備えている。操作内容判定部31は、上記入出力インタフェース部1を介して操作データを受け取ったときその操作内容を判定する機能を有する。判定対象の操作内容は、検索クエリの入力操作、情報アイコンの移動操作および詳細情報の閲覧操作である。関連スコア算出部32は、検索クエリを受け取った場合に、当該検索クエリと記憶部2に記憶されている提示候補の情報データとの間の関連スコアを算出する機能を有する。
【0059】
描画位置算出部33は、提示フォーマットを保存している。提示フォーマットは、図3に例示したように、利用者を模した図形アイコンであるアバタQEと、その周りに同心円状に配置される3個の境界線BL1,BL2,BL3とからなる。そして、利用者に適した情報とその関連情報を示す情報アイコンを、当該利用者と情報データとの関連スコアに応じて上記提示フォーマットの境界線BL1,BL2,BL3上に配置する機能を有する。
【0060】
関連情報算出部4は、新たな情報データを受け取るごとに、当該新たな情報データと記憶部2に記憶されている各情報データとの間の関連スコアを算出して、この関連スコアをもとに新たな情報データと記憶済の各情報データとの間の関連付けを行い、この関連付けられた結果を関連情報データとして記憶部2に記憶させる機能を有する。
【0061】
[装置の具体的構成]
図2は、図1に示した情報提示装置の具体的な構成を示すブロック図である。
情報提示装置は、例えばスマートホン又はタブレット型端末からなり、中央処理ユニット(Central Processing Unit;CPU)11を備える。このCPU11には、バス12を介してプログラムメモリ13及びデータメモリ14が接続され、さらに通信インタフェース16及び入出力インタフェース17が接続されている。
【0062】
通信インタフェース16はアンテナ16を備え、携帯通信網、無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(登録商標)等の移動通信ネットワークを使用して、他の端末やサーバとの間で情報データ等を送受信する機能を有する。入出力インタフェース17には入力デバイス18及び表示デバイス19が接続される。入力デバイス18は、タブレット型の入力デバイスからなり、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイを用いた表示デバイス19の表示面に配置される。
【0063】
データメモリ14には、この発明を実施する上で必要な情報データを記憶するエリアとして、情報データ記憶エリア141と、選択情報履歴データ記憶エリア142と、関連情報データ記憶エリア143が設けられている。
【0064】
情報データ記憶エリア141は、利用者に提示する候補となる情報データを記憶するために用いられる。図8は記憶された情報データの一例を示すものである。情報データは、情報データごとにユニークに発行された情報IDに対し、商品名と、ジャンルと、価格と、商品の概要を表す情報を関連付けたものからなる。なお、1つのデータが複数のジャンルを持ってもよく、設定可能なジャンルがn個であったとしても、必ずしもn個のジャンル全てを持っていなくてもよい。また、メタ情報はこの例に限らず、制作者(メーカ、出版社、著者等)、特徴、重さ、大きさ、詳細情報へのリンク等があってもよい。
【0065】
選択情報記憶エリア142は、提示中の情報データに対し利用者が選択操作を行ったときの選択履歴を記憶するために使用するものである。選択履歴データは、利用者IDに対し、操作内容には、前記第3の概念で述べたようにアバタに対し情報アイコンを近づける操作を表す「吸着」と、所望の情報を閲覧操作したことを表す「閲覧」、前記第4の概念で述べたようにアバタから情報アイコンを遠ざける操作を表す「剥離」がある。図9はこの選択履歴データの一例を示すものである。
【0066】
関連情報データ記憶エリア143は、上記情報データ記憶エリア141に記憶された各情報データとその関連情報データを管理するために用いられる。1個の関連情報データは、情報データのIDに対し、関連情報データのIDと、関連項目と、関連スコアを対応付けたものからなる。関連項目としては「ジャンル」、「価格」、「共起」が定義されている。関連スコアは、情報データに対する関連情報データの関連度合いを表す指標であり、後述する関連情報算出プログラムにより算出される。図10はこの関連情報データの一例を示すものである。
【0067】
プログラムメモリ13には、この発明を実施する上で必要なアプリケーション・プログラムとして、入出力制御プログラム131と、操作内容判定プログラム132と、関連スコア算出プログラム133と、描画位置算出プログラム134と、関連情報算出プログラム135が格納されている。
【0068】
入出力制御プログラム131は、入出力インタフェース17及び通信インタフェース16を制御することで、操作データ及び受信データを受け取る処理と、この受け取った受信データをデータメモリ14内の情報データ記憶エリア141に記憶させる処理と、表示データ及び送信データをそれぞれ表示及び送信させる処理を、上記CPU11に実行させる。
【0069】
操作内容判定プログラム132は、図1に示した操作内容判定部31の機能を実現するためのもので、入力デバイス18により行われた入力操作が、検索クエリの入力操作か、アイコンの移動操作か或いは詳細情報の閲覧操作かを判定する処理を、上記CPU11に実行させる。
【0070】
関連スコア算出プログラム133は、図1に示した関連スコア算出部32の機能を実現するためのもので、受け取った検索クエリと、情報データ記憶エリア141に記憶されている提示候補の各情報データとの間の関連スコアを算出する処理を、CPU11に実行させる。
【0071】
描画位置算出プログラム134は、図1に示した描画位置算出部33の機能を実現するもので、提示フォーマット上における、利用者に適した情報とその関連情報の各アイコンの提示位置を、当該利用者と情報との関連スコアに応じて決定し、これにより表示データを生成する処理を、CPU11に実行させる。
【0072】
関連情報算出プログラム135は、図1に示した関連情報算出部4の機能を実現するもので、新たな情報データを受け取るごとに、当該新たな情報データと記憶部2に記憶されている各情報データとの間の関連スコアを算出して、この関連スコアをもとに新たな情報データと記憶済の各情報データとの間の関連付けを行い、この関連付けられた結果を関連情報データとして記憶部2に記憶させる処理を、CPU11に実行させる。
【0073】
[装置の動作]
次に、以上のように構成された情報提示装置の動作を説明する。
なお、ここでは提示候補の情報として商品情報を取り扱う場合を例にとって説明する。
(1)情報データの登録
商品に関する情報データは、例えば店舗のサーバから通信ネットワークを介して配信される。また、他に友人等の端末から口コミ情報として通知される場合もある。情報データが受信されると、情報提示装置は以下のように当該情報データの登録処理を実行する。図11はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0074】
すなわち、入出力インタフェース17が新たな情報データを受けとると、入出力制御プログラム131の制御の下で、先ずステップS101によりデータメモリ14内の情報データ記憶エリア141に、上記受信した情報データを記憶させる。なお、受信した情報データの情報IDと同じIDの情報データが既に情報データ記憶エリア141に記憶されていた場合には、当該IDに対応する情報データを上書き保存する。また、受信した情報データに情報IDが記載されていない場合は、新たにIDを発行する。この新IDは、例えば記憶されている全ての情報IDに対して大きくなる値の中で、一番小さな値とする。そして、この新IDに関連付けて上記受信した情報データを記憶させる。この受信情報データの記憶処理が終了すると、続いてステップS102により、関連度合い算出処理を行うために、上記受信した情報データを関連情報算出部4に渡す。
【0075】
関連度合いの算出処理は、関連情報算出プログラム135の制御の下で以下のように行われる。すなわち、先ずステップS103において、今回受信した情報データと関連度合いを算出していない記録済み情報データが存在するか否かを判定する。存在する場合にはステップS110に移行し、存在しなければ関連度合いの算出処理が終了したものと判断して、情報データ登録処理を終了する。
【0076】
ステップS110では、情報データ記憶エリア141から、今回受信した情報データと関連度合いをまだ算出していない情報データをひとつ選択し、この選択した情報データと上記受信した情報データをデータメモリ14内の図示しない作業エリアに保持する。そして、ステップS111において、上記受信した情報データと上記選択した情報データとの関連度合いを計算し、その計算結果をもとに関連情報データを作成して関連情報データ記憶エリア143に格納する。
【0077】
関連度合いは情報データの項目ごとに以下の式を用いて計算する。
(a)ジャンルに対する関連度合い
同じジャンルがどの程度存在するかの割合で関連度合いを測る。例えば、図8の情報ID:1の情報データを基準として情報ID:2の情報データとのジャンルに対する関連度合いを求めると、3つのジャンルのうち2つのジャンルが同じであるため、関連度合いは0.66となる。なお、関連度合いの値は1に近いほど類似しているとみなす。
【0078】
上記受信した情報データと上記選択した情報データに紐付けられているジャンルの集合をそれぞれRgenres、Sgenresとすると、受信した情報データRと選択した情報データSのジャンルに対する関連度合い(Similaritygenre(R,S))は以下の式(1)で求められる。
【数1】
【0079】
(b)価格に対する関連度合い
価格差、つまり高価な方の価格に対する安価な方の価格の割合がどの程度あるかで関連度合いを測る。例えば、図8の情報ID:1の情報データを基準として情報ID:2の情報データとの価格に対する関連度合いを求めると、より価格が高い情報ID:1の価格が分母になるため、関連度合いは0.03となる。この場合、関連度合いの値は、1に近いほど類似しているとみなす。
【0080】
上記受信した情報データと上記選択した情報データに関連付けられている価格の値をそれぞれRprice、Spriceとすると、受信した情報データRと選択した情報データSの価格に対する関連度合い(≦Similarity price(R,S))は以下の式(2)で求められる。
【数2】
【0081】
(c)共起による関連度合い
情報データ同士が利用者によってどの程度共起されているかにより関連度合いを測る。例えば、図8の情報ID:1の情報データが意図的に近づけられ、その後情報ID:2の情報データが閲覧されているとする。この場合、情報ID:1と情報ID:2の情報データは関連している可能性があるとみなし、関連度合いを高める。
【0082】
選択情報履歴データ記憶エリア142に記憶されている選択情報履歴データを参照し、ある利用者(例:ユーザA)がある情報ID(例:情報ID:1)にアクションを起こした後、n秒以内に「吸着」もしくは「閲覧」が行われた他の情報ID(例:情報ID:1)が存在すれば、その2つの情報データ(例:情報ID:1と情報ID:2の情報データ)間の共起ポイントを1つ加算する。そして、この処理を全利用者と情報IDの組に対して行い、その算出値を、関連度合いを求めようとしている情報データ(例:情報ID:1)が選択情報履歴データに現れる回数で割った値を、関連度合いとする。この場合の関連度合いの値は、1に近いほど類似しているとみなす。
【0083】
上記受信した情報データRと選択した情報データSの共起ポイントをP(R、S)とし、受信した情報データが操作情報履歴データ上での出現回数をRhistory、Shistoryとすると、受信した情報データRと選択した情報データSの共起による関連度合い
(≦Similarity cooccurrence(R,S))は、以下の式(3)で求められる。
【数3】
なお、各関連度合いの算出手法は上記各式に固定されるものではなく、関連度合いを表すものであればどんな手法を用いてもよい。
【0084】
(2)情報データ選択・提示
商品情報を取得、操作或いは選択するために利用者が、入力デバイス18において検索クエリを入力するか、表示中の情報アイコンを移動操作するか或いは商品の詳細データを閲覧するためのアイコンの選択操作を行ったとする。そうするとCPU11は以下のように情報の選択・提示処理を実行する。図12はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0085】
(2−1)操作内容の判定
入出力インタフェース17により操作データが受信されると、操作内容判定プログラム132が起動し、この操作内容判定プログラム132の制御の下で先ずステップS201により入力操作が検索クエリのみを入力する操作であるか否かを判定する。この判定の結果、検索クエリのみの入力操作であればステップS40に移行する。そして、関連スコア算出プログラム133の制御の下、上記検索クエリと情報データ記憶エリア141に記憶されている各情報データとの間の関連スコアを計算する。この関連スコアの算出処理の詳細については後述する。
【0086】
一方、それ以外の操作であればステップS30に移行して、操作内容の判定処理を以下のように実行する。図13はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。なお、ここで入力の始点と称するものは、例えばマウスであればクリックダウン時の位置、タッチパネルであればタッチ開始位置のことを示す。同様に、入力の終点と称するものは、例えばマウスであればクリックアップ時の位置、タッチパネルであればタッチ終了位置のことを示す。
【0087】
CPU11は、先ずステップS301により入力の始点が情報データのアイコン上か否かを判定し、アイコン上であればステップS310の処理へ、そうでなければステップS320の処理へ移行する。ステップS310では、入力の始点と終点が予め設定したしきい値以上離れているか否かを判定し、離れていればステップS330の処理へ、そうでなければステップS311の処理へ移行する。このステップS311では、入力の始点が情報データのアイコン上にあり、かつ入力の終点が始点としきい値以上離れていないことから、いま行われた操作は「詳細データの閲覧操作」と判定する。そして、この判定結果をデータメモリ14内の作業エリアに保持したのち、ステップS210の処理へ移行する。なお、上記しきい値は、例えば2点間の距離が「50ピクセル以上離れている」のように設定される。
【0088】
ステップS330では、入力の始点と終点からなるベクトルが中心方向、つまり利用者アバタQEの方向か否かを判定し、中心方向であればステップS331に移行する。このステップS311では、入力の始点が情報データのアイコン上であり、入力の終点が始点としきい値以上離れており、さらにそのベクトルが中心方向であることから、利用者による「意図的な吸着操作」と判定する。そして、この判定結果をデータメモリ14内の作業エリアに保持したのち、ステップS210の処理へ進む。
【0089】
これに対し、入力の始点と終点からなるベクトルが中心方向に向いていない場合、つまり利用者アバタQEから離れる方向に向いている場合には、ステップS332に進む。このステップS332では、入力の始点が情報データのアイコン上であり、入力の終点が始点としきい値以上離れており、さらにベクトルが中心方向ではないことから、利用者による操作が「意図的な剥離操作」と判定する。そして、この判定結果をメモリ14内の作業エリアに保持したのち、ステップS210の処理へ進む。
【0090】
一方、ステップS320では、詳細データ閲覧中を示すフラグ情報がデータメモリ14の作業エリアに記憶されており、なおかつ入力の始点が閲覧表示画面外にあるかを判定する。この判定の結果、上記条件を満たしていればステップS321へ移行する。このステップS321では、入力の始点が情報データのアイコン上でなく、詳細データ閲覧中を示すフラグ情報がデータメモリ14に記憶されており、なおかつ入力の始点が閲覧表示画面外にあることから、詳細データの閲覧終了操作と判定する。そして、この判定結果をメモリ14内の作業エリアに保持したのち、ステップS210の処理へ進む。なお、上記条件を満たしていない場合には、該当操作内容なしと判定してそのままステップS210に移行する。
【0091】
(2−2)操作内容の判定結果の保存
CPU11は、先ずステップS210において、上記操作内容の判定結果が利用者による「意図的な吸着操作」であったか否かを判定し、「意図的な吸着操作」だったならばステップS211に進む。このステップS211では、意図的な吸着操作が行われた場合の処理が以下のように行われる。
【0092】
すなわち、データメモリ14内の選択情報履歴データ記憶エリア142に、対象情報のIDと操作時刻、操作内容「吸着」というデータを追記する。また、操作対象の情報が吸着状態に移行したことをデータメモリ14内の作業エリアに保存する。この保存した情報は後の関連スコア算出処理や描画位置算出処理で使用する。以上の処理が終了すると、ステップS40による関連スコア算出処理へ進む。
【0093】
これに対し、操作内容の判定結果が「意図的な吸着操作」でなければ、ステップS220において、操作内容の判定結果が「意図的な剥離操作」であったか否かを判定し、「意図的な剥離操作」であればステップS221へ移行する。このステップS221では、「意図的な剥離操作」が行われた場合の処理が以下のように行われる。
【0094】
すなわち、データメモリ14内の選択情報履歴データ記憶エリア142に対象情報のIDと操作時刻、操作内容「剥離」というデータを追記する。また、操作対象の情報が剥離状態に移行したことをデータメモリ14内の作業エリアに保存する。この保存した情報は後の関連スコア算出処理や描画位置算出処理で使用する。以上の処理が終了すると、ステップS40による関連スコア算出処理へ移行する。
【0095】
一方、操作内容の判定結果が「意図的な吸着操作」でもなく、また「意図的な剥離操作」でもなければ、ステップS230に移行する。このステップS230では、操作内容の判定結果が「詳細データ閲覧操作」であったか否かが判定され、「詳細データ閲覧操作」であればステップS231へ移行する。このステップS231では、詳細データの閲覧操作が行われた場合の処理が以下のように行われる。
【0096】
すなわち、情報データに含まれている詳細内容(メタ情報)を情報データ記憶エリア141から読み出して表示デバイス19に表示させる。このとき、表示対象とするデータは、メタ情報のすべてであってもよいし、詳細データにアクセスするためのリンク先情報がメタ情報に含まれていればこのリンク先情報のみとしてもよい。
【0097】
また、詳細データを表示する際には、利用者アバタや各情報アイコンが描画されている画面を隠すように制御する。なお、詳細データの表示時には関連スコア算出処理や描画位置算出処理が行わないようにするため、詳細データの表示中であることを示すフラグ情報をデータメモリ14内の作業エリアに保存しておく。また、データメモリ14内の選択情報履歴データ記憶エリア142に対象情報のIDと操作時刻、操作内容「閲覧」というデータを追記する。そして、以上の処理が終了するとステップS40による関連スコア算出処理へ進む。
【0098】
これに対し、操作内容の判定結果が「意図的な吸着操作」及び「意図的な剥離操作」の何れでもなく、また「詳細データ閲覧操作」でもなければ、ステップS240により操作内容が「詳細データの閲覧終了操作」であるか否かを判定する。この判定の結果、「詳細データの閲覧終了操作」であれば、ステップS241において詳細データの閲覧終了操作が行われた場合の処理、つまり描画していた詳細内容表示と記憶していた詳細表示描画中を示していたものを消去する処理を行う。そして、この処理が終了したらステップS40による関連スコア算出処理へ進む。なお、「詳細データの閲覧終了操作」でもない場合には、そのままステップS40による関連スコア算出処理へ進む。
【0099】
(2−3)操作入力データと記憶されている各情報データとの間の関連スコアの算出
この関連スコアの算出処理は以下のように行われる。図14はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
先ずステップS401において商品の詳細データが表示中か否かを判定する。そして、表示中であれば関連スコアの計算を行わずにそのままステップS50に移行する。なお、詳細データが表示中であるか否かは、詳細データ閲覧中を示すフラグ情報がデータメモリ14の作業エリアに保存されているか否かで判断する。
【0100】
これに対し、商品の詳細データが表示されていなかったとする。この場合には、先ずステップS410において検索クエリが新たに入力されたものであるか否かを判定し、新たに入力されたものであればステップS411に移行して、当該新たに入力された検索クエリをデータメモリ140内の作業エリアに保存する。次にステップS420において、利用者の操作により新たに意図的吸着状態になった情報データが存在するか否かを判定し、存在する場合にはステップS421において上記意図的吸着状態である情報データの全てをデータメモリ14内の作業エリアに保存する。続いてステップS430において、利用者の操作により新たに意図的剥離状態になった情報データが存在するか否かを判定し、存在する場合にはステップS431において上記意図的剥離状態である情報データの全てをデータメモリ14内の作業エリアに保存する。
【0101】
次にステップS440において、データメモリ14に検索クエリ、意図的吸着状態の情報データ、意図的剥離状態の情報データが保存されているか否かを判定し、保存されていればステップS441に移行する。そして、データメモリ14に保存されている各種データ(検索クエリ、意図的吸着状態の情報データ、意図的剥離状態の情報データ)をもとに、これらのデータと情報データ記憶エリア141に記憶されている情報データの1つとの間で関連スコアを算出する。
【0102】
具体的には、検索クエリと上記記憶されている情報データとの間の関連スコアは、全文検索エンジンなどを用いて算出する。また、意図的吸着・剥離状態の情報データと上記記憶されている情報データとの間の関連スコアは、関連情報データ記憶エリア143に記憶されている関連情報データにある該当する情報データ同士の全ての関連度合いの加重平均値として算出する。このように各種データ(検索クエリ、意図的吸着状態の情報データ、意図的剥離状態の情報データ)と上記記憶されている情報データとの間の関連スコアをそれぞれ算出し、その総和を当該情報データとの間の関連スコアとする。以後同様に、上記関連スコアの算出処理を、情報データ記憶エリア141に記憶されている全ての情報データに対して順次実行する。
【0103】
続いてステップS442において、上記ステップS441により算出された、検索クエリ等と各情報データとの関連スコアに基づいて、情報データ記憶エリア141に記憶されている各情報データを関連スコアが高い順にソートする。そして、その結果をデータメモリ14の作業エリアに関連スコアリストとして保存し、代わりに当該作業エリアに保存されている各種データ(検索クエリ、意図的吸着状態の情報データ、意図的剥離状態の情報データ)を消去する。
【0104】
(2−4)描画位置の算出
上記ステップS40による関連スコアの算出処理が終了すると、CPU11は描画位置算出プログラム134を起動し、この描画位置算出プログラム134の制御の下で以下のように描画位置算出処理を実行する。図15はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0105】
すなわち、先ずステップS501により商品に関する詳細データが表示中か否かを判定する。そして、表示中であれば描画位置の算出処理を行わずにそのまま待機状態に復帰する。なお、詳細情報が表示中であるか否かは、関連スコアの算出の場合と同様に、詳細データ閲覧中を示すフラグ情報がデータメモリ14の作業エリアに保存されているか否かで判断する。
【0106】
これに対し、商品の詳細データが表示されていなかったとする。この場合には、先ずステップS510により関連スコアリストが更新されたか否かを判断する。その結果、更新されていれば、ステップS511において、現在提示中の情報データのうち新たな関連スコアリストで順位が表示画面への最大提示数以下になっている情報データがあれば、当該情報データを剥離状態に、つまり提示対象の情報データから除外する。なお、情報データを提示する前の状態であれば、この処理は省略される。
【0107】
次にステップS520により、提示対象の情報データ数が予め定められた最大提示数を下回っているか否かを判断する。そして、未提示又は下回っていればステップS521へ移行する。そして、上記関連スコアリストをもとに、関連スコアが最も高い情報データを提示対象として1つ選択して、この情報データのアイコンの描画位置を図3に示した提示フォーマットの第1境界線BL1上に設定する。また、上記選択された情報データとの間の関連スコアが最も高い関連情報データを関連情報データ記憶エリア143から選択し、この関連情報データのアイコン描画位置を上記提示フォーマットの第2境界線BL2上に設定する。以後、提示フォーマット上における情報の提示数が最大提示数に達するまで、上記関連スコアリストをもとに関連スコアが高い順に情報データを1つずつ選択してそのアイコンを第1境界線BL1上に配置する。また同様に、上記情報データが1つ選択されるごとに当該情報データとの関連スコアが高い順に関連情報データを選択し、そのアイコンを第2境界線BL2上に配置する。
【0108】
なお、最大提示数は境界線BL1,BL2,BL3ごとに設定することができ、例えば第1境界線BL1の最大提示数を「5個」に設定しておけば、第1境界線BL1上には最大5個の情報データのアイコンが配置される。また、第2境界線BL2の最大提示数を「7個」に設定しておけば、第2境界線BL2上には最大7個の関連情報データのアイコンが配置される。
【0109】
また、前記第1の概念で述べたように、上記入力された検索クエリと同一ジャンル(電化製品、音楽CD、本等)の他の商品情報の中から、利用者が興味を持つ可能性がある商品情報を選択的に読み出し、そのアイコンを第3境界線BL3上に追加配置することも可能である。このとき、利用者が興味を持つ可能性がある商品情報は、別途管理される利用者の情報閲覧履歴や購買履歴などの行動ログから類推することができる。
【0110】
さらに、入力された検索クエリとは関連性のないキャンペーン商品やセール品等の情報を情報データ記憶エリア141から選択的に読み出して、そのアイコンを第3境界線BL3の外側の領域に配置することも可能である。
次にステップS530において、現在提示中の情報データのうち、今回の描画位置算出処理で剥離判定処理を行っていない情報データがあるか否かを判定する。この判定の結果、剥離判定の必要がある情報データがなければそのままステップS540に移行し、上記各情報アイコンが配置された提示フォーマットの表示データを入出力インタフェース17を介して表示デバイス19へ出力し表示させる。またこのとき、情報データのアイコンとその関連情報データのアイコンとの間はリンクで接続される。
【0111】
一方、上記ステップS530において、剥離判定処理を行っていない情報データがあったとする。この場合CPU11は、ステップS531により現在提示中の情報データのうち、今回の描画位置算出処理で剥離判定処理を行っていない情報データを1つ選択し、この選択した情報データをデータメモリ14内の作業エリアに保持する。続いてステップS532により、対象情報データが剥離となる条件を満たしているか否かを判定し、満たしていればステップS533により上記選択した情報データとその関連情報を剥離状態に遷移させる。なお、剥離となる条件は、利用者が「意図的な剥離操作を行った場合」と、「提示されてから一定時間が経過した場合」等がある。
【0112】
上記ステップS533による処理を行った場合、ステップS540では提示状態にある各情報データのアイコンをそのまま提示位置に表示させ、剥離状態に設定されているもので画面外へ移動した情報データについては非提示状態とする。そして、これらの処理が終了すると処理は終了となり、新たな入力データを受信するまで待機状態となる。
【0113】
[実施形態の作用効果]
以上詳述したようにこの実施形態では、利用者を模したアバタQEを中央に配し、その周囲に3つの同心円状の境界線BL1,BL2,BL3を配した提示フォーマットを生成し、検索クエリとの関連スコアが高い情報データを選択してそのアイコンを上記境界線BL1に表示させると共に、この情報データの関連情報データを選択してそのアイコンを上記境界線BL2に表示させる。そして、この状態で利用者が上記アイコンを移動操作した場合に、その操作内容が意図的な吸着操作であるか又は剥離操作であるかを判定し、吸着操作であれば当該アイコンの表示位置を利用者アバタQEに接触する位置に移動させ、一方剥離操作であれば当該アイコンを表示画面から消去する。また、提示時間が一定時間を経過したアイコンも表示画面から消去する。そして、この提示消去の結果、提示中の情報数が最大提示数未満になった場合には、未提示の情報データ及びその関連情報データを選択してそのアイコンを追加表示するようにしている。
【0114】
したがって、利用者の検索クエリに対し密接に関係する情報データとその関連情報データの各アイコンが、その関連スコアに応じて利用者アバタQEから順次距離が遠くなるように表示されるので、利用者のクエリと各情報データとの関連性の強さをアイコンの表示位置の距離により表すことができ、同時に情報データとその関連情報データ間の関連性の強さについてもアイコンの表示位置の距離により表すことが可能となる。
【0115】
また、その際情報データのアイコンとその関連情報データのアイコンとの間はリンクで接続されるので、例えば商品とその関連商品との組が複数組同時に表示された場合でも、商品とその関連商品との関係をより明確に表示することが可能となる。さらに、最外周の境界線BL3の外側の領域には、上記クエリに関連していない商品やサービスの情報が表示されるので、利用者に対し関連情報と混同させることなくクエリとは関連していない商品やサービスの情報も提示することが可能となる。すなわち、利用者に対し当該利用者が意図していなかった情報も与えることが可能性となる。
【0116】
また、提示時間の長さに応じて情報データのアイコンの表示を自動的に消去し、その結果情報データの提示数が同時に提示可能な最大値を下回った場合に未提示の情報データのアイコンを追加表示するようにしたので、表示領域が限られた表示画面内で複数の情報データのアイコンを効率良く提示することが可能となる。またそれと共に、利用者が興味を示さない情報データや興味を示しても入手不可能となった情報データのアイコンが自動的に消去されるので、実情に即した情報データの提示が可能となる。
【0117】
さらに、利用者が意図的にアイコンを利用者アバタQEに近づける操作を行うことによって、例えば利用者がより興味を持った商品とその関連商品の各アイコンを意図的にアバタQEに近い位置で表示させることが可能になる。一方で、利用者が意図的にアイコンを利用者アバタQEから遠ざける操作を行うことによって、例えば利用者にとって興味を持たない商品とその関連商品の各アイコンを意図的に表示画面外に消去することが可能になる。
【0118】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、利用者の滞在位置を携帯端末等が備えるGPS(Global Positioning System)を利用して計測し、この計測された利用者の滞在位置を提示中の情報データの地理的な条件と比較し、滞在位置が当該条件から離れるに従い当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御してもよい。このようにすると、例えば情報データが店舗等のように地理的な条件を持つ場合に、利用者の滞在位置が上記店舗の位置から一定距離以上離間した時点で、当該店舗の情報を表すアイコンを自動的に消去することができる。
【0119】
また前記実施形態では、利用者による意図的な操作として「吸着操作」と「剥離操作」を例にとって説明したが、アイコンを提示フォーマット内である境界線から別の任意の境界線上に移動させることも可能である。この場合、上記アイコンの意図的な移動操作に追従して、その関連情報のアイコンの表示位置は自動的に移動される。
【0120】
さらに前記実施形態では、情報提示装置としてスマートホンやタブレット型端末を用いた場合を例にとって説明したが、ノート型又はサブノート型のパーソナル・コンピュータやテレビジョン受信機、カーナビゲーション端末等であってもよい。
その他、情報データ及びその関連情報データの種類、情報データ選択・提示処理の手順と処理内容、提示フォーマットの構成などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0121】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1…入出力インタフェース部、2…記憶部、3…情報選択部、31…操作内容判定部、32…関連スコア算出部、33…描画位置算出部、4…関連情報算出部、5…通信インタフェース部、11…中央処理ユニット(CPU)、12…バス、13…プログラムメモリ、131…入出力制御プログラム、132…操作内容判定プログラム、133…関連スコア算出プログラム、134…描画位置算出プログラム、135…関連情報算出プログラム、14…データメモリ、141…情報データ記憶エリア、142…選択情報履歴データ記憶エリア、143…関連情報データ記憶エリア、16…通信インタフェース、16a…アンテナ、17…入出力インタフェース、18…入力デバイス、19…表示デバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
提示候補となる複数の情報を記憶する記憶部と、
利用者を利用者アイコンにより表し、かつ前記提示候補となる情報と利用者との関連度を前記利用者アイコンからの距離により表す複数の関連度領域を有する提示フォーマットを生成する手段と、
前記利用者が取得を希望する情報を表すクエリが設定されたとき、当該クエリと前記記憶部に記憶された複数の情報との間の関連度合いを表す第1の関連度をそれぞれ算出する手段と、
前記算出された第1の関連度に基づいて前記記憶部から提示対象の情報を選択的に読み出し、この読み出された提示対象の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置する手段と、
前記利用者アイコン及び情報アイコンが配置された提示フォーマットを提示手段に提示させる手段と
を具備することを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶された複数の情報間でその関連度合いを表す第2の関連度を算出する手段と、
前記算出された第2の関連度をもとに、前記提示対象の情報と関連する関連情報を前記記憶部から選択的に読み出し、この読み出された関連情報を表す情報アイコンを前記算出された第2の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記提示フォーマットに情報アイコンが配置された情報の提示時間を監視し、当該提示時間が長くなるに従い、前記提示フォーマットにおける当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御する第1の更新手段を、さらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記利用者の滞在位置を検出する手段と、
前記提示フォーマットに情報アイコンが配置された情報に地理的な条件が設定されている場合に、前記検出された利用者の滞在位置を前記地理的な条件と比較し、滞在位置が当該条件から離れるに従い当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御する第2の更新手段を、さらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記提示フォーマットに、提示対象の情報とその関連情報の情報アイコンがそれぞれ配置されている場合に、前記第1又は第2の更新手段による前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざける処理に連動して、前記関連情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンからさらに遠ざけるように制御する第3の更新手段を、さらに具備することを特徴とする請求項3又は4記載の情報提示装置。
【請求項6】
前記提示フォーマットに提示中の情報アイコンの配置位置を前記利用者が移動操作するための入力手段と、
前記入力手段により前記提示中の情報アイコンの配置位置を移動させる操作が行われた場合に、当該操作が前記情報アイコンを利用者アイコンに近づける操作であるか又は遠ざける操作であるかを判定する操作判定手段と、
前記操作判定手段により情報アイコンを利用者アイコンに近づける操作であると判定された場合に、前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンと接触する位置に変更し、一方遠ざける操作であると判定された場合に、前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンからさらに遠い位置に変更する第4の更新手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の情報提示装置。
【請求項7】
前記提示フォーマットに、提示対象の情報とその関連情報の情報アイコンがそれぞれ配置されている場合に、前記第4の更新手段による情報アイコンの配置位置を変更する処理に連動して、前記関連情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンに対しさらに近づけるか又はさらに遠ざけるように変更する第5の更新手段を、さらに具備することを特徴とする請求項6記載の情報提示装置。
【請求項8】
前記第1乃至第5の更新手段のいずれかにより前記提示フォーマットにおける情報アイコンの配置位置が変更された場合に、当該変更後に前記提示フォーマットに提示されている情報アイコンの数を予め設定した最大提示数と比較する手段と、
前記比較の結果前記提示中の情報アイコンの数が最大提示数に満たない場合に、前記算出された第1の関連度に基づいて前記記憶部から未提示の情報をさらに読み出し、この読み出された未提示の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に追加配置する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1つに記載の情報提示装置。
【請求項9】
情報提示装置が備えるコンピュータが、提示候補となる複数の情報を記憶部に記憶させる過程と、
前記コンピュータが、利用者を利用者アイコンにより表し、かつ前記提示候補となる情報と利用者との関連度を前記利用者アイコンからの距離により表す複数の関連度領域を有する提示フォーマットを生成する過程と、
前記コンピュータが、前記利用者が取得を希望する情報を表すクエリが設定されたとき、当該クエリと前記記憶部に記憶された複数の情報との間の関連度合いを表す第1の関連度をそれぞれ算出する過程と、
前記コンピュータが、前記算出された第1の関連度に基づいて前記記憶部から提示対象の情報を選択的に読み出し、この読み出された提示対象の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置する過程と、
前記コンピュータが、前記利用者アイコン及び情報アイコンが配置された提示フォーマットを提示手段に提示させる過程と
を具備することを特徴とする情報提示方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の情報提示装置が備える各手段の機能を、当該情報提示装置が備えるコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
提示候補となる複数の情報を記憶する記憶部と、
利用者を利用者アイコンにより表し、かつ前記提示候補となる情報と利用者との関連度を前記利用者アイコンからの距離により表す複数の関連度領域を有する提示フォーマットを生成する手段と、
前記利用者が取得を希望する情報を表すクエリが設定されたとき、当該クエリと前記記憶部に記憶された複数の情報との間の関連度合いを表す第1の関連度をそれぞれ算出する手段と、
前記算出された第1の関連度に基づいて前記記憶部から提示対象の情報を選択的に読み出し、この読み出された提示対象の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置する手段と、
前記利用者アイコン及び情報アイコンが配置された提示フォーマットを提示手段に提示させる手段と
を具備することを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶された複数の情報間でその関連度合いを表す第2の関連度を算出する手段と、
前記算出された第2の関連度をもとに、前記提示対象の情報と関連する関連情報を前記記憶部から選択的に読み出し、この読み出された関連情報を表す情報アイコンを前記算出された第2の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記提示フォーマットに情報アイコンが配置された情報の提示時間を監視し、当該提示時間が長くなるに従い、前記提示フォーマットにおける当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御する第1の更新手段を、さらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記利用者の滞在位置を検出する手段と、
前記提示フォーマットに情報アイコンが配置された情報に地理的な条件が設定されている場合に、前記検出された利用者の滞在位置を前記地理的な条件と比較し、滞在位置が当該条件から離れるに従い当該情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざけるように制御する第2の更新手段を、さらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記提示フォーマットに、提示対象の情報とその関連情報の情報アイコンがそれぞれ配置されている場合に、前記第1又は第2の更新手段による前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンから遠ざける処理に連動して、前記関連情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンからさらに遠ざけるように制御する第3の更新手段を、さらに具備することを特徴とする請求項3又は4記載の情報提示装置。
【請求項6】
前記提示フォーマットに提示中の情報アイコンの配置位置を前記利用者が移動操作するための入力手段と、
前記入力手段により前記提示中の情報アイコンの配置位置を移動させる操作が行われた場合に、当該操作が前記情報アイコンを利用者アイコンに近づける操作であるか又は遠ざける操作であるかを判定する操作判定手段と、
前記操作判定手段により情報アイコンを利用者アイコンに近づける操作であると判定された場合に、前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンと接触する位置に変更し、一方遠ざける操作であると判定された場合に、前記情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンからさらに遠い位置に変更する第4の更新手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の情報提示装置。
【請求項7】
前記提示フォーマットに、提示対象の情報とその関連情報の情報アイコンがそれぞれ配置されている場合に、前記第4の更新手段による情報アイコンの配置位置を変更する処理に連動して、前記関連情報の情報アイコンの配置位置を前記利用者アイコンに対しさらに近づけるか又はさらに遠ざけるように変更する第5の更新手段を、さらに具備することを特徴とする請求項6記載の情報提示装置。
【請求項8】
前記第1乃至第5の更新手段のいずれかにより前記提示フォーマットにおける情報アイコンの配置位置が変更された場合に、当該変更後に前記提示フォーマットに提示されている情報アイコンの数を予め設定した最大提示数と比較する手段と、
前記比較の結果前記提示中の情報アイコンの数が最大提示数に満たない場合に、前記算出された第1の関連度に基づいて前記記憶部から未提示の情報をさらに読み出し、この読み出された未提示の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に追加配置する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1つに記載の情報提示装置。
【請求項9】
情報提示装置が備えるコンピュータが、提示候補となる複数の情報を記憶部に記憶させる過程と、
前記コンピュータが、利用者を利用者アイコンにより表し、かつ前記提示候補となる情報と利用者との関連度を前記利用者アイコンからの距離により表す複数の関連度領域を有する提示フォーマットを生成する過程と、
前記コンピュータが、前記利用者が取得を希望する情報を表すクエリが設定されたとき、当該クエリと前記記憶部に記憶された複数の情報との間の関連度合いを表す第1の関連度をそれぞれ算出する過程と、
前記コンピュータが、前記算出された第1の関連度に基づいて前記記憶部から提示対象の情報を選択的に読み出し、この読み出された提示対象の情報を表す情報アイコンを前記第1の関連度に応じて前記提示フォーマットの該当する関連度領域に配置する過程と、
前記コンピュータが、前記利用者アイコン及び情報アイコンが配置された提示フォーマットを提示手段に提示させる過程と
を具備することを特徴とする情報提示方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の情報提示装置が備える各手段の機能を、当該情報提示装置が備えるコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−92865(P2013−92865A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233734(P2011−233734)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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