説明

情報提示装置及びプログラム

【課題】本人の不在時に訪問した訪問者の応対を適切に行う。
【解決手段】訪問者を表す訪問者情報を取得する訪問者情報取得部10a、予め設定されている、人物と提示情報とが対応付けられて記録された対応表20aを参照して、訪問者情報取得部10aが取得した訪問者情報によって表される訪問者と同一の人物に対応する提示情報を取得する提示情報取得部10b、提示情報取得部10bが取得した提示情報を提示部50によって訪問者に提示する提示制御部10cを備えた情報提示装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本人の不在時に、この本人の家を訪問した訪問者が、家の玄関先に設置されたインターホン等を押下すると、インターホン等に設けられた撮影装置によって訪問者を撮影し、撮影した訪問者の画像を表す画像データを本人の携帯端末に送信する技術が知られている。これにより、本人は、不在時において、家にどのような人物が訪問したのかを知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−156747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、本人が不在時において、家にどのような人物が訪問したのかを知るだけで、実際に訪問者に対して、この訪問者に応じた応対ができなかった。このような問題は、上記のような本人がいない家を訪問する訪問者の場合に限らず、訪問者への応対一般に言えることでもある。なお、訪問者とは、例えば、会社内で本人の席を訪れる者や、本発明に係る情報提示装置に近づいてくる家族等を含む。つまり、訪問者とは、情報提示装置の近くにいて、情報提示装置が提示する情報を受け取る人物である。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、訪問者に応じて適切な応対を行うことができる情報提示装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る情報提示装置は、
訪問者を表す訪問者情報を取得する訪問者情報取得手段と、
予め設定されている、人物と提示情報とが対応付けられて記録された対応表を参照して、前記訪問者情報取得手段が取得した前記訪問者情報によって表される前記訪問者と同一の前記人物に対応する前記提示情報を取得する提示情報取得手段と、
前記提示情報取得手段が取得した前記提示情報を提示部によって前記訪問者に提示する提示制御手段と、を備え、
前記提示情報は、前記対応表で対応する前記人物の属性に応じた内容の、画像又は音声メッセージの少なくとも何れかを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の観点に係るプログラムは、
訪問者を表す訪問者情報を取得する訪問者情報取得ステップと、
予め設定されている、人物と提示情報とが対応付けられて記録された対応表を参照して、前記訪問者情報取得ステップで取得した前記訪問者情報によって表される前記訪問者と同一の前記人物に対応する前記提示情報を取得する提示情報取得ステップと、
前記提示情報取得ステップで取得した前記提示情報を提示部によって前記訪問者に提示する提示制御ステップと、をコンピュータに行わせ、
前記提示情報は、前記対応表で対応する前記人物の属性に応じた内容の、画像又は音声メッセージの少なくとも何れかを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人物と提示情報とが対応付けられた対応表を参照して、訪問者と同一の人物に対応する提示情報を訪問者に提示することができるので、訪問者に応じて適切な応対を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る情報提示装置を示した全体斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報提示装置の概念図である。
【図3】本発明の実施形態に係る情報提示装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報提示装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る記憶部に記憶された第1の対応表を示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係る記憶部に記憶された第2の対応表を示した図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報提示装置が行う情報提示処理を示したフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る各提示情報の内容を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態に係る情報提示装置が、第1の提示情報を訪問者に提示した一例を示した図である。
【図10】本発明の実施形態に係る情報提示装置が、第2の提示情報を訪問者に提示した一例を示した図である。
【図11】本発明の実施形態に係る情報提示装置が、第3の提示情報を訪問者に提示した一例を示した図である。
【図12】本発明の他の形態に係る情報提示装置が、第1の提示情報を訪問者に提示した一例を示した図である。
【図13】本発明の他の形態に係る情報提示装置が、第2の提示情報を訪問者に提示した一例を示した図である。
【図14】本発明の他の形態に係る情報提示装置が、提示情報を訪問者に提示しない一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態に係る情報提示装置1は、会社内で各社員がそれぞれ自分の席において使用する、図1に示すようなパーソナルコンピュータ(ノートパソコン)である。下記では、この情報提示装置1を普段使用する使用者をユーザという。また、このユーザの席を訪れた人、つまり、このユーザの席に置かれた情報提示装置1の近傍にいる人を訪問者という。
【0011】
図2を参照して、情報提示装置1の概略を説明する。情報提示装置1は、それぞれ互いに異なる、複数の提示情報A乃至Cを予め記憶している。各提示情報は、画像と音声メッセージとを含む。ユーザの不在時(ユーザが席を離れているとき)に、このユーザの席に訪問者が訪れると、この訪問者が撮影装置31によって撮影される。情報提示装置1は、予め記憶した複数の提示情報A乃至Cの中から、撮影した画像に写る訪問者に対応する提示情報を取得し、取得した提示情報を訪問者に提示する。これによって、訪問者に応じて異なる提示情報が訪問者に提示される。
【0012】
図3を用いて情報提示装置1の構成を説明する。情報提示装置1は、制御部10と、記憶部20と、撮像部30と、入力部40と、提示部50と、読出書込部60と、を備える。
【0013】
制御部10は、情報提示装置1の各部の制御を行い、情報提示装置1全体の制御を行う。また、制御部10は、訪問者情報取得部10a、提示情報取得部10b、及び、提示制御部10cを備え、後述の情報提示処理を行う。
【0014】
記憶部20は、制御部10が後述の情報提示処理で使用する各種データを記憶する。また、記憶部20は、制御部10の制御のもと、制御部10が処理中に生成した各種データ、及び、読出書込部60が記録媒体100から読み出した記録画像データ等を適宜記憶する。また、記憶部20は、人物と提示情報とが対応付けられて記録された対応表20aを記憶する。対応表20aは、第1の対応表20aa及び第2の対応表20abを備える。これらの対応表は、詳しくは後述するが、後述の情報提示処理において参照される。
【0015】
撮像部30は、制御部10の制御のもと、一定時間(例えば30秒)毎に、1フレーム分の静止画像を撮像し、撮像した静止画像を表す撮像信号を生成し、生成した撮像信号をもとに、静止画像データを生成する。撮像部30は、生成した静止画像データを制御部10に供給する。
【0016】
入力部40は、ユーザの操作を受け付ける操作部であり、受け付けた操作入力の内容に対応する操作信号を制御部10に供給する。
【0017】
提示部50は、制御部10(提示制御部10c)の制御のもと、提示情報等を訪問者に提示する。提示部50は、提示情報に含まれる画像を表示する表示部50aと、提示情報に含まれる音声を発音する発音部50bとを備える。
【0018】
表示部50aは、制御部10(提示制御部10c)の制御のもと、操作画面、及び、提示情報に含まれる画像を表示する。
【0019】
発音部50bは、制御部10の制御のもと、提示情報に含まれる音声を発音する。
【0020】
読出書込部60は、制御部10の制御のもと、記録媒体100に対してデータを読み書きする。
【0021】
次に、図4を用いて情報提示装置1のハードウェアの構成を説明する。情報提示装置1は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)11と、一次記憶装置12と、二次記憶装置21と、撮影装置31と、入力装置41と、表示パネル駆動回路51と、表示パネル52と、スピーカ駆動回路53と、スピーカ54と、読出書込装置61と、を備える。
【0022】
図3の制御部10は、CPU11と一次記憶装置12とによって実現される。CPU11は、二次記憶装置21から一次記憶装置12にロードされた情報提示プログラム21aに従って、情報提示装置1全体を制御する。CPU11は、特に、情報提示プログラム21aに従って、図3の制御部10(訪問者情報取得部10a、提示情報取得部10b、提示制御部10c)が行う後述の情報提示処理を実際に行う。制御部10は、その他、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)、DSP(Digital Signal Processor)等を含んでも良い。この場合、ASIC、DSP等は、CPU11が行う処理の少なくとも一部を行う。
【0023】
一次記憶装置12は、RAM(Random Access Memory)等によって構成されている。一次記憶装置12は、CPU11のワーキングメモリ等として機能する。
【0024】
図3の記憶部20は、二次記憶装置21によって実現される。二次記憶装置21は、フラッシュメモリ又はハードディスク等によって構成される。また、二次記憶装置21は、情報提示プログラム21aを記憶している。CPU11は、二次記憶装置21が記憶している情報提示プログラム21aを一次記憶装置12にロードし、一次記憶装置12にロードした情報提示プログラム21aの指令に基づいて、後述の情報提示処理を行う。また、二次記憶装置21は、図3の第1の対応表20aa及び第2の対応表20abを記憶する。
【0025】
図3の撮像部30は、撮影装置31によって実現される。撮影装置31は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等の撮像素子、AFE(Analog Front End)、DSP等を備えるカメラ等によって構成される。撮影装置31は、図1に示すように、筐体における、表示パネル52の上側中央に設けられ、表示パネル52の前方を撮影できるように設けられている。
【0026】
撮影装置31は、撮影した静止画像を表す撮像信号を撮像素子によって生成し、生成した撮像信号に各種処理(AFE、DSP等によって行われる処理)を施して、デジタルの静止画像データを生成する。なお、各種処理には、例えば、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)の処理と、サンプリング後の撮像信号に施す自動利得調整(Automatic Gain Control)の処理と、自動利得調整後のアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換の処理と、輪郭強調、オートホワイトバランス、オートアイリス等の画質を向上させる処理とがある。
【0027】
静止画像データは、撮像素子によって撮像された1フレーム分の静止画像を表すデータである。撮影装置31は、生成した静止画像データを一次記憶装置12に供給する。一次記憶装置12は、撮影装置31から受け取った静止画像データを記憶する。CPU11は、一次記憶装置12が記憶した静止画像データを用いて、後述の情報提示処理を行う。
【0028】
図3の入力部40は、入力装置41によって実現される。入力装置41は、撮影キー、再生キー、停止キー、メニューキー、不在モード選択キー、セットキー、電源キー等の複数の操作キーを含む、ユーザにより操作が行われるインターフェース装置である。ユーザがこれらのキーを操作すると、入力装置41は、各キーに応じた操作信号をCPU11に供給する。CPU11は、操作信号を受け取ると、これに応じた処理を行う。
【0029】
図3の表示部50aは、表示パネル駆動回路51と、表示パネル52とによって実現される。CPU11は、所定の画像データ(例えば、提示情報に含まれる画像を表す画像データ、表示部50aが表示する操作画面を表す画像データ(二次記憶装置21に記録されているものとする。))等を基に、表示用画像データ(例えば、RGB(RED−GREEN−BLUE)データ)を生成し、生成した表示用画像データを表示パネル駆動回路51に供給する。表示パネル駆動回路51は、CPU11から表示用画像データを受け取って表示パネル52を駆動し、表示用画像データによって表される画像を表示パネル52に表示させる。このようにしてCPU11は、前記の所定の画像データを用いて、このデータによって表される画像を表示部50aの表示パネル52に表示する。表示パネル52は、例えば、液晶表示パネル又は有機EL(Organic Electro-Luminescence:OEL)表示パネル等によって構成される。表示パネル52には、表示パネル駆動回路51によって画像が表示される。
【0030】
なお、図3の入力部40と表示部50aとを、タッチパネルによって実現してもよい。この場合、入力装置41及び表示パネル52は、タッチパネルによって構成される。タッチパネルは、ユーザからの所定の操作を受け付ける操作画面を表示すると共に、操作画面においてユーザが接触操作を行った位置に対応する操作信号をCPU11に供給する。
【0031】
図3の発音部50bは、スピーカ駆動回路53と、スピーカ54とによって実現される。CPU11は、所定の音声データ(提示情報に含まれる音声メッセージを表す音声データ)をスピーカ駆動回路53に供給する。スピーカ駆動回路53は、CPU11から受け取った音声データに基づいてスピーカ54を駆動し、音声データによって表される音声をスピーカ54から発音させる。スピーカ54には、スピーカ駆動回路53によって音声が発音される。このようにして、CPU11は、音声データを用いて、このデータが表す音声をスピーカ54に発音させる。図1に示すように、スピーカ54は、表示パネル52の左右側部に沿って、表示パネル52の前方に向けて発音できるように設けられている。
【0032】
図3の読出書込部60は、読出書込装置61によって実現される。読出書込装置61は、メモリーカード101に対して、データの読み出しや書き込みを行うインターフェース装置である。
【0033】
記録媒体100は、フラッシュメモリタイプのメモリーカード101等によって実現される。メモリーカード101としては、データを記録するSDメモリーカード等がある。
【0034】
ここで、対応表について説明する。なお、ユーザが情報提示装置1の入力部40等を操作する等して、下記の、人物、属性、提示情報が設定登録される。つまり、対応表には、これらを表す各データが登録され、下記の対応表が予め生成されるものとする。この対応表の作り方は、適宜の方法によって行われる。
【0035】
第1の対応表20aaは、人物と人物の属性とを対応付けて記録する。第1の対応表20aaにおいて、人物は、その人物の顔画像により表される。また、人物の属性は、ユーザとその人物との人間関係(社会的関係)の性質や特徴によって表される。第1の対応表20aaには、人物の顔画像を表す顔画像データ(人物)と、人物の属性を表す属性データ(属性)とが対応付けられて記録される。
【0036】
例えば、図5に示すように、人物A乃至人物Cが仕事関係の人物である場合、これら人物に対して第1の属性として“仕事”が設定され、人物A乃至人物Cの画像をそれぞれ表す顔画像データと“仕事”を表す第1の属性データとが対応付けられて記録されている。これによって、人物A乃至人物Cが同じ仕事関係の人物であることが表される。ここでは、第1の属性は、ユーザが丁寧な対応をしなければならない人物が属する属性である。
【0037】
また、人物D及び人物Eがユーザと同じサークルに属している場合、これら人物に対して第2の属性として“サークル”が設定され、人物D及び人物Eの画像をそれぞれ表す顔画像データと“サークル”を表す第2の属性データとが対応付けられて記録されている。これによって、人物D及び人物Eが同じサークル関係の人物であることが表される。ここでは、第2の属性は、ユーザが普段の対応をできる人物が属する属性である。
【0038】
また、第1の対応表20aaに示される属性は、第1の対応表20aaに登録されていない人物(第1の対応表20aaに顔画像が記録されていない人物)と人物の属性とを対応付けて記録する。例えば、第1の対応表20aaにおいて画像データが記録されていない人物(登録されていない人物)に対して、第3の属性として“その他”が設定され、登録されていない人物を表すブランクデータと“その他”を表す第3の属性データと対応付けられて記録されている。これによって、登録されていない人物がユーザとの間でその他の関係にあることが表される。なお、その他の関係とは、親しくない等の関係である。ここでは、第3の属性は、ユーザとは無関係な人物が属する属性である。
【0039】
第2の対応表20abは、人物の属性と提示情報とを対応付けて記録する。第2の対応表20abにおいて、人物の属性は、上記第1の対応表20aaにおいて設定したものと同じである。提示情報は、表示情報である画像、発音情報である音声メッセージの少なくとも何れかを含む。第2の対応表20abには、人物の属性を表す属性データ(属性)と、提示情報を表す提示情報データ(提示情報)とが対応付けられて記録される。提示情報データは、提示情報に含まれる画像及び音声メッセージをそれぞれ表す画像データ及び音声データを含む。
【0040】
第2の対応表20abは、例えば、図6に示すように、第1の属性データと第1の提示情報データ(第1の提示情報を表すデータ)とが、第2の属性データと第2の提示情報データ(第2の提示情報を表すデータ)とが、第3の属性データと第3の提示情報データ(第3の提示情報を表すデータ)とが、それぞれ対応付けられて記録される。
【0041】
各提示情報は、それぞれ互いに同じ趣旨を異なる表現態様で表現する。ここでいう趣旨とは訪問者に伝える情報の内容をいう。また、表現態様とは訪問者に伝える情報の表現の仕方をいう。第1の提示情報は、第1の属性に対応して、不在である旨を、正式、儀礼的な印象を訪問者に与えるフォーマルな表現態様(例えば、画像であったら加工されていない画像、音声であったら敬語)によって表現する。第2の提示情報は、第2の属性に対応して、不在である旨を、気軽で親しい印象を訪問者に与えるカジュアルな表現態様(例えば、画像であったら加工された画像、音声であったら普通の言葉)によって表現する。第3の提示情報は、不在である旨を、ユーザの情報を訪問者が特定できない表現態様によって表現する。
【0042】
次に、図7を参照して、ユーザが不在モードを選択した時の情報提示装置1の動作を説明する。ユーザは、会議や外出等によって席を不在にする際、入力部40を用いて、不在モードを選択する。
【0043】
不在モードが選択されると、制御部10は、“不在理由”及び“戻り時間”をユーザに設定させる入力画面(もとになる画像データは、記憶部20に記録されているものとする。)を表示部50aに表示する。ユーザは、表示部50aに表示される、“不在理由”及び“戻り時間”を入力する入力画面を確認し、入力部40を用いて、“不在理由”及び“戻り時間”を入力する。例えば、ユーザが会議によって不在となる場合、ユーザは、不在理由として“会議”を入力する。また、ユーザは、戻り時間として“16:30”を入力する。入力部40は、“不在理由”及び“戻り時間”の入力に応じた操作信号を制御部10に供給する。制御部10は、入力部40から受け取った操作信号に基づいて、不在理由として、例えば、“会議”を設定し、戻り時間として“16:30”を設定する。制御部10は、これらの情報の音声データを第2の対応表20ab内の提示情報データに含まれる音声データの所定位置に組み込む。これによって、提示情報の音声メッセージには、上記の情報の音声が所定位置で挿入される。
【0044】
上記各項目を設定した後、制御部10は、情報提示処理を開始する。はじめに、制御部10は、不在モードが終了したか否かを判別する(ステップS101)。例えば、ユーザが入力部40を用いて不在モードを終了する操作を行った場合、この操作を示す操作信号が制御部10に入力される。制御部10は、この信号が入力されれば、不在モードが終了したと判別する(ステップS101;YES)。制御部10は、それ以外については、不在モードが終了していないと判別する(ステップS101;NO)。
【0045】
制御部10が不在モードを終了していないと判別した場合(ステップS101;NO)、近くに人物がいるか、すなわち、訪問者がユーザの席を訪問しているかを判別する(ステップS102)。
【0046】
例えば、訪問者情報取得部10aは、撮像部30に撮像を行わせ、撮像部30から静止画像データを取得し、取得した静止画像データによって表される静止画像から所定の大きさ以上の顔画像を抽出する。訪問者情報取得部10aは、このような人物の顔を抽出できれば訪問者がユーザの席を訪問していると判別する(ステップS102;YES)。また、それ以外の場合には、訪問者が訪問していないと判別する(ステップS102;NO)。なお、上記顔画像の抽出は、所定の顔画像のテンプレート画像(この画像を表すデータは、記憶部20に記録されている。)を用いたテンプレートマッチング等の適宜の処理によって行われる。また、所定の大きさ以上の顔画像を抽出する理由として、静止画像において所定の大きさ未満の顔画像の人物は、情報提示装置1から離れた場所にたまたまいただけで、情報提示装置1の近くにいるとは言えず、ユーザの席を訪問する訪問者の可能性が低いからである。一方で、所定の大きさ以上の顔画像の人物は、情報提示装置1の近くにいると考えられ、ユーザの席を訪問する訪問者の可能性が高いからである。
【0047】
なお、訪問者情報取得部10aは、上記の処理において、複数の前記顔画像を抽出した場合、下記での処理は、一番面積が大きな顔画像に基づいて処理を行う。複数の顔画像が同じ面積であった場合には、訪問者情報取得部10aは、例えば、ランダムでそのうちの1つの顔画像を特定し、特定した顔画像を下記の処理で用いる。
【0048】
訪問者情報取得部10aが、訪問者がユーザの席を訪問していないと判別した場合(ステップS102;NO)、制御部10は、上記ステップS101に戻り、再度、不在モードが終了したか否かを判別する。これによって、訪問者の訪問があるか、不在モードの終了があるまで情報提示装置1は待機する。
【0049】
一方、訪問者情報取得部10aが、訪問者がユーザの席を訪問していると判別した場合(ステップS102;YES)、訪問者情報取得部10aは、本実施形態では、前記の処理での顔画像の抽出により、訪問者である人物の顔画像を表す顔画像データを取得したことになる。この顔画像は、訪問者を表す情報であり、訪問者情報に該当する。また、この顔画像を表す顔画像データは、訪問者情報を表す訪問者情報データである。
【0050】
この場合、提示情報取得部10bは、記憶部20が記憶した第1の対応表20aaを参照し、第1の対応表20aaに記録された第1の属性データに対応付けられた各画像データを第1の対応表20aaから順次1つずつ取得し、取得した各画像データによりそれぞれ表される人物の顔画像と、訪問者情報取得部10aによって取得された上記の訪問者情報データ(顔画像データ)により表される顔画像との比較を行って、訪問者が第1の属性(仕事)の人物であるか否かを判別する(ステップS103)。
【0051】
具体的には、まず、提示情報取得部10bは、各画像データにより表される各人物のそれぞれの顔画像と、訪問者情報取得部10aが取得した訪問者の顔画像との類似度を順次求める。提示情報取得部10bは、順次求められる類似度が、両顔画像の両人物が同一人物であると認められる、予め設定された閾値以上であった場合、訪問者が第1の属性(仕事)の人物(人物A乃至人物Cの何れか)であると判別し(ステップS103;YES)、順次求められた類似度いずれもが、上記閾値未満であった場合、訪問者が第1の属性(仕事)の人物(人物A乃至人物Cの何れか)でないと判別する(ステップS103;NO)。
【0052】
なお、類似度の算出については、上記テンプレートマッチングと同様に、SAD (Sum of Absolute Difference)、SSD (Sum of Squared Difference)等が用いられる。また、両画像の比較では、両画像の大きさが異なるときは、適宜、どちらかの画像を拡大又は縮小して、両画像を同じ大きさにして比較するとよい。
【0053】
提示情報取得部10bによって訪問者が第1の属性の人物(人物A乃至人物Cの何れか)であると判別された場合(ステップS103;YES)、提示制御部10cは、記憶部20が記憶した第2の対応表20abを参照し、第2の対応表20abに記録された第1の属性データに対応付けられた第1の提示情報データを第2の対応表20abから取得し、取得した第1の提示情報データにより表される第1の提示情報を提示部50(表示部50a及び発音部50b)によって訪問者に提示する(ステップS104)。
【0054】
具体的には、図8に示すように、第1の提示情報データには、スーツ姿のユーザの画像を表す画像データが含まれている。また、第1の提示情報データには、「申し訳ありません。只今、会議中です。終了予定は16:30です。」を表す音声データが含まれている。
【0055】
提示制御部10cは、取得した第1の提示情報データに含まれる画像データを用いて、この画像データによって表される、スーツ姿のユーザの画像55aを、表示部50aによって訪問者に表示する(図9参照)。また、提示制御部10cは、第1の提示情報データに含まれる音声データを用いて、この音声データによって表される「申し訳ありません。只今、会議中です。終了予定は16:30です。」という音声メッセージを、発音部50bによって訪問者に発音させる。なお、提示制御部10cは、所定時間の間(例えば、30秒間)、上記表示を行い、所定時間経過した後、上記表示を終了する。
【0056】
このようにして、情報提示装置1は、訪問者が仕事の属性(第1の属性)の人物(人物A乃至人物Cの何れか)である場合には、フォーマルな内容の、画像(スーツ姿のユーザの画像)と音声メッセージ(敬語等の言葉)とを出力する。これによって、情報提示装置1は、ユーザが不在である旨をフォーマルな表現態様で表現した提示情報を、表示部50a及び発音部50bによって訪問者に提示することができ、正式、儀礼的な印象(フォーマルな印象)を訪問者に与える応対をすることができる。
【0057】
なお、画像については、所定の画像加工処理が行われていないスーツ姿のユーザのデジタル写真の画像であり、この画像は、見た目に儀礼的な内容(フォーマルな内容)の画像である。つまり、このような訪問者に正式、儀礼的な印象(フォーマルな印象)を与える画像をフォーマルな内容の画像として用いている。また、ここでいう所定の画像加工処理は、訪問者へ与える印象を変更する画像へ変換する処理(例えば、アート変換処理、所定の重畳画像を重ね合わせる処理等)であって、画質を向上させる等の処理ではない。アート変換処理としては、フォトショップ(登録商標)等で用いられる油絵調への変換処理等がある。
【0058】
また、上記ステップS103において、提示情報取得部10bによって訪問者が第1の属性の人物(人物A乃至人物Cの何れか)ではないと判別された場合(ステップS103;NO)、提示情報取得部10bは、第1の対応表20aaを参照し、第1の対応表20aaに記録された第2の属性データに対応付けられた各画像データを第1の対応表20aaから順次1つずつ取得し、取得した各画像データによりそれぞれ表される人物の顔画像と、訪問者情報取得部10aによって取得された上記の訪問者情報データ(顔画像データ)により表される顔画像との比較を行って、訪問者が第2の属性(サークル)の人物であるか否かを判別する(ステップS105)。
【0059】
具体的には、上記ステップS103で行った処理と同様にして、各画像データにより表される各人物のそれぞれの顔画像と、訪問者情報取得部10aが取得した訪問者の顔画像との類似度を順次求める。提示情報取得部10bは、順次求められる類似度が、上記閾値以上であった場合、訪問者が第2の属性(サークル)の人物(人物D及び人物Eの何れか)であると判別し(ステップS105;YES)、順次求められた類似度いずれもが、上記閾値未満であった場合、訪問者が第2の属性(サークル)の人物(人物D及び人物Eの何れか)でないと判別する(ステップS105;NO)。
【0060】
提示情報取得部10bによって訪問者が第2の属性の人物(人物D及び人物Eの何れか)であると判別された場合(ステップS105;YES)、提示制御部10cは、記憶部20が記憶した第2の対応表20abを参照し、第2の対応表20abに記録された第2の属性データに対応付けられた第2の提示情報データを第2の対応表20abから取得し、取得した第2の提示情報データにより表される第2の提示情報を提示部50(表示部50a及び発音部50b)によって訪問者に提示する(ステップS106)。
【0061】
具体的には、第2の提示情報データには、ユーザの写る写真において、ユーザの顔以外(スーツ等)の部分を重畳画像によって覆い隠した画像を表す画像データが含まれている。また、第2の提示情報データには、「ごめーん!いま、会議中。戻りは16:30くらいかな?」を表す音声データが含まれている。
【0062】
第2の提示情報データに含まれている画像データは、情報提示装置1が画像加工処理を行うことにより生成されたものである。情報提示装置1が行う画像加工処理は、スーツ姿のユーザが写った写真を表す画像データと、ほぼ中央が切り抜かれた重畳画像を表す重畳画像データとを用いて、これらの各データにより表される画像と重畳画像とを互いに重ね合わせることにより行われ、これにより生成された画像(例えば、図10で表示される画像)を表す画像データが第2の提示情報データに含められる(図8参照)。この画像加工処理は、例えば、情報提示装置1に上記のスーツ姿のユーザの画像を表す画像データが登録されたときに、情報提示装置1が自動で行う(必要なデータ等は、記憶部20に記録されているものとする)。
【0063】
画像加工処理に用いられる、上記重畳画像は、例えば、カジュアルな服の絵を含む等によって、カジュアルな印象を見る人に与えるような絵や写真等で表される。このような重畳画像が、ユーザの写る写真における、ユーザの顔以外の部分(スーツの部分等)を覆い隠すことによって、ユーザがあたかも重畳画像に描かれたカジュアルな服を着ているような、カジュアルな印象を与える画像が生成される。なお、この重畳画像は、適宜、イラスト、絵画調等で表現されたものであってもよい。
【0064】
提示制御部10cは、取得した第2の提示情報データに含まれる、画像データを用いて、ユーザの顔以外(スーツの部分等)が前記のような重畳画像によって覆い隠された画像55bを、表示部50aによって訪問者に表示する(図10参照)。また、提示制御部10cは、音声データにより表される、「ごめーん!いま、会議中。戻りは16:30くらいかな?」という音声メッセージを、発音部50bによって訪問者に発音させる。なお、提示制御部10cは、所定時間の間(例えば、30秒間)、上記表示を行い、所定時間経過した後、上記表示を終了する。
【0065】
このようにして、情報提示装置1は、訪問者がサークルの属性(第2の属性)の人物(人物D及び人物Eの何れか)である場合には、カジュアルな内容の、画像と音声メッセージ(親しい間柄で用いられる言葉)とを出力する。これによって、情報提示装置1は、ユーザが不在である旨をカジュアルな表現態様で表現した提示情報を、表示部50a及び発音部50bによって訪問者に提示することができ、訪問者に対して気軽で親しい印象を訪問者に与える応対をすることができる。
【0066】
なお、この画像は、絵画調に変換(アート変換)する画像加工処理が行われた、絵画調の画像であっても良い。この画像によっても、訪問者に気軽で親しい印象(カジュアルな印象)を与えることができる。
【0067】
また、これら画像加工処理を行って得られる画像は、本来のユーザの容姿とは異なる印象を見る人に与えることができるものであるので、このような画像をカジュアルな内容の画像としてもよい。また、画像加工処理を行わずに、普段着姿のユーザの画像をカジュアルな内容の画像として用いても良い。
【0068】
また、上記ステップS105において、提示情報取得部10bによって訪問者が第2の属性の人物(人物D及び人物Fの何れか)ではないと判別された場合(ステップS105;NO)、提示制御部10cは、記憶部20が記憶した第2の対応表20abを参照し、第2の対応表20abに記録された第3の属性データに対応付けられた第3の提示情報データを第2の対応表20abから取得し、取得した第3の提示情報データにより表される第3の提示情報を提示部50(表示部50a及び発音部50b)によって訪問者に提示する(ステップS107)。
【0069】
具体的には、図8に示すように、第3の提示情報データには、ユーザの情報を特定できない(ユーザとは無関係な)画像(ここでは、イラスト)を表す画像データが含まれている。また、第3の提示情報データには、「只今、席を外しています。」を表す音声データが含まれている。
【0070】
提示制御部10cは、取得した第3の提示情報データに含まれる画像データを用いて、この画像データにより表されるイラスト55cを、表示部50aによって訪問者に表示する(図11参照)。また、提示制御部10cは、第3の提示情報データに含まれる音声データを用いて、この音声データによって表される「只今、席を外しています。」という音声メッセージを、発音部50bによって訪問者に発音させる。なお、提示制御部10cは、所定時間の間(例えば、30秒間)、上記表示を行い、所定時間経過した後、上記表示を終了する。
【0071】
このようにして、情報提示装置1は、訪問者が第1の属性(仕事)及び第2の属性(サークル)の何れでもない人物(人物A乃至人物Eの何れでもない人物)である場合には、ユーザの情報を特定できない表現態様で表現した提示情報を、表示部50a及び発音部50bによって訪問者に提示することができ、訪問者にユーザが誰であるかを特定させることなく、適切な応対を行うことができる。
【0072】
その後、情報提示装置1は、ユーザが戻ってきて不在モードを終了する操作が行われるまで、上記の処理を繰り返し行う。つまり、ユーザにより不在モードを終了する操作が行われたかを判別し、不在モードを終了させる操作に対応する操作入力データを入力部40から受け取った場合は、不在モードを終了する操作が行われたと判別し(ステップS101;YES)、情報提示処理を終了する(END)。
【0073】
以上、本実施形態では、上記構成によって、提示情報取得部10bによって、人物と提示情報とが対応付けられて記録された対応表20aが参照され、訪問者情報取得部10aが取得した訪問者情報によって表される訪問者と同一人物に対応する提示情報が対応表20aから取得される。そして、この提示情報が、提示部50から訪問者に提示されるので、ユーザの不在時(ユーザが席を離れているとき)に訪問した訪問者に応じて、予め設定されている複数の提示情報の何れか1つを、表示部50a又は発音部50bから出力する制御を行うことができ、これにより、訪問者に応じて適切な応対を行うことができる。なお、対応表20aは、一次記憶装置12に一度読み出され、提示情報取得部10bは、一次記憶装置12に読み出された対応表20aから提示情報を取得してもよい。
【0074】
なお、上記実施形態において、対応表20aには、登録されていない人物(顔画像が記録されていない人物)についても、その人物の属性が設定され、また、その属性に対応する提示情報が設定されているが、これ以外に、対応表20aには、登録されている人物(顔画像が記録されている人物)と提示情報との対応関係のみを示し、人物の登録がされていない場合についての提示情報を別途設定しても良い。これにより、提示情報取得部10bは、訪問者情報によって表される訪問者が対応表20aに登録された人物に含まれない場合には、この場合について予め設定されている提示情報を訪問者に提示するようにしても良い。
【0075】
また、上記実施形態において、対応表20aは、人物と人物の属性とを対応付けて記録した第1の対応表20aaと、人物の属性と提示情報とを対応付けて記録した第2の対応表20abとを備えている。提示情報取得部10bは、訪問者情報取得部10aが取得した訪問者情報によって表される訪問者と同一人物に対応する提示情報を取得するときに、第1の対応表20aaと第2の対応表20abとを参照して提示情報を取得しているが、これに限定されるものではない。
【0076】
例えば、対応表20aは、人物と、人物の属性と、提示情報とが、それぞれ互いに対応付けられたものであっても良い。この対応表20aは、結局、人物と提示情報とが対応付けられたものになる。提示情報取得部10bは、この対応表20aを参照し、訪問者情報によって表される訪問者と同一人物に対応する属性を特定し、特定した属性に対応する提示情報を取得してもよい。また、対応表20aは、属性を含まずに、人物と提示情報とが直接対応付けられたものであっても良い。提示情報取得部10bは、この対応表20aを参照し、訪問者情報よって表される訪問者と同一人物に対応する提示情報を直接取得できる。これらの場合でも、提示情報取得部10bによって、人物と提示情報とが対応付けられて記録された対応表20aが参照され、訪問者情報取得部10aが取得した訪問者情報によって表される訪問者と同一人物に対応する提示情報が取得される。
【0077】
なお、対応表20aにおいて、人物と提示情報との間に人物の属性を介し、これらが互いに対応付けられて記録されることにより、対応表20aは、ユーザにとって使い勝手が良いものになる。具体的には、このような対応表20aに新たに人物の登録を行う際、ユーザは、入力部40等を用いて、対応表20aにおいて予め記録されている人物の属性(仕事、サークル等)を選択する簡単な操作を行うことにより、対応表20aには、ユーザが登録する人物と、その人物の属性に対応する提示情報とが対応付けられて記録される。つまり、対応表20aに人物を登録する際、ユーザは、登録する人物に何れの提示情報(フォーマル、カジュアル等)を対応付けるか考えなくて良い。また、ユーザは、対応表20aにおいて記録されている人物と提示情報との対応関係を、人物の属性毎に参照でき、管理しやすい。
【0078】
なお、属性の内容や、属性の数等は、適宜に変更できる。また、提示情報の内容や、提示情報の数等も同様に、適宜に変更できる。上記実施形態では、フォーマルな表現態様によって表現する第1の提示情報に対応付けられる第1の属性として“仕事”の属性を例示したが、第1の属性は、ユーザが丁寧な対応(礼儀正しく接する、敬語を使用する等)をしなければならない人物が属する属性(例えば、会社の上司、先輩、親戚、恩師等)であればよい。また、上記実施形態では、カジュアルな表現態様によって表現する第2の提示情報に対応付けられる第2の属性として“サークル”の属性を例示したが、第2の属性は、ユーザが普段の対応(例えば、気を使わないで接する、普段の言葉を使用する等の親しい間柄の人に対する対応)を出来る人物が属する属性(例えば、会社の同僚、後輩、友人、家族等)であればよい。
【0079】
なお、上記実施形態において、各提示情報は、それぞれ互いに同じ趣旨を異なる表現態様によって表すものとして説明したが、それぞれ互いに異なる趣旨を表現しても良い。また、上記実施形態において用いた提示情報は、一部をユーザの操作によって設定しているが、全てをユーザの操作によって提示情報を設定しても良い。例えば、情報提示装置1を家族で使用する場合において、長男に提示する提示情報を母親が設定し、長女に提示する提示情報を父親が設定する、というように、異なるユーザ(母親、父親)によって、それぞれ異なる趣旨の提示情報(長男に対する提示情報、長女に対する提示情報)を設定しても良い。なお、この場合において、提示情報装置1を使用する人物をユーザという。つまり、提示情報装置1に提示情報等を設定する人物が、母親の場合は母親がユーザ、父親の場合は父親がユーザとなる。また、不在モードで動作している提示情報装置1の近傍にいる人物を訪問者という。例えば、不在モードで動作している情報提示装置1の近傍に長男がいる場合は長男が訪問者となり、その近傍に長女がいる場合は長女が訪問者となる。
【0080】
具体的には、母親による入力部40の操作によって、第1の対応表20aaにおいて、長男が写っている画像を表す画像データと、“長男”を表す第1の属性データとが対応付けられて記憶される。また、母親による入力部40の操作によって、第2の対応表20aaには、“長男”の属性を表す第1の属性データと、母親の画像と母親の音声メッセージ(「お帰り!冷蔵庫の中におやつがあるよ。」)とを含む第1の提示情報を表す第1の提示情報データとが対応付けられて記憶される。
【0081】
一方、父親による入力部40の操作によって、第1の対応表20aaには、長女が写っている画像を表す画像データと、“長女”の属性を表す第2の属性データとが対応付けられて記憶される。また、父親による入力部40の操作によって、第2の対応表20aaにおいて、“長女”を表す第2の属性データと、父親の画像と父親の音声メッセージ(「塾の帰りに電話してね!迎えに行くよ。」)とを含む第2の提示情報を表す第2の提示情報データとが対応付けられて記憶される。
【0082】
このように対応表20aに各種情報(人物、属性、提示情報)が設定記録されている場合において、長男が訪問者として訪問(家に帰宅)した時には、情報提示装置1は、上記実施形態と同様にして、撮像部30が撮像した画像データを取得し、記憶部20に予め記録された対応表20aを参照することにより、訪問者と同一の人物(長男)に対応する第1の提示情報を取得し、この第1の提示情報を訪問者である長男に提示する。例えば、図12に示すように、表示部50aの表示パネル52には、母親の画像55dが表示され、発音部50bのスピーカ54からは、「お帰り!冷蔵庫の中におやつがあるよ。」という母親の音声メッセージが発音される。
【0083】
一方、長女が訪問者として訪問(家に帰宅)した時には、上記と同様にして、情報提示装置1は、第2の提示情報を取得し、この第2の提示情報を訪問者である長女に提示する。例えば、図13に示すように、表示部50aの表示パネル52には、父親の画像55eが表示され、発音部50bのスピーカ54からは、「塾の帰りに電話してね!迎えに行くよ。」という父親の音声メッセージが発音される。
【0084】
また、第2の対応表20abが示す属性と提示情報との対応関係も、適宜に変更できる。上記実施形態においては、第1の属性情報に第1の提示情報、第2の属性情報に第2の提示情報というように、記憶されている属性情報毎に、互いに異なる提示情報を対応付けているが、例えば、第1及び第2の属性情報に第1の提示情報というように、互いに異なる属性情報に、それぞれ同じ提示情報を対応付けても良い。つまり、第1の対応表20aにおいて、人物が属する属性を細かく区分けする場合においても、属性情報毎に、複数の提示情報の何れか1つを対応付けて記憶することにより、訪問者が属する属性を判別後、判別した属性に対応付けられた提示情報を、表示部50a又は発音部50bから出力することができる。
【0085】
また、情報提示装置は、上記実施形態において、その一例として、パーソナルコンピュータを挙げたが、その他、デジタルフォト重畳画像やモニタ付きインターホン等、画像又は音声メッセージの何れかを訪問者に提示する装置であれば良い。
【0086】
なお、情報提示装置が、モニタ付きインターホンの場合は、ユーザの不在を伝えても良い人物が訪問した場合に限り、その訪問者に提示情報が提示されるように設定される。例えば、対応表20aには、ユーザの不在を伝えても良い人物のみ顔画像が登録され、その人物と提示情報とが対応付けられて、記憶部20に記録される。つまり、記憶部20に人物の登録がされていない場合についての提示情報は設定しないものとする。これにより、本人の不在時に訪問者が訪問した場合(訪問者がモニタ付きインターホンに近づいた場合)、上記実施形態と同様にして、情報提示装置1は、撮像部30が撮像した画像データにより表される画像に写る訪問者と同一の人物が、記憶部20に記憶された対応表20aに記録されているかを判別する。訪問者と同一の人物が対応表20aに記録されている場合には、その人物に対応する提示情報が訪問者に提示される。一方、訪問者と同一の人物が対応表20aに記録されていない場合は、訪問者には何も提示されない(図14参照)。
【0087】
その他、上記実施形態の情報提示装置は、一定時間毎に撮像部30に画像を撮像させ、その画像データにより表される画像に訪問者が写っているか否かを判別しているが、これに限定されるものではない。例えば、人感センサ等によって訪問者が訪問したことを検出したことに応じて、自動的に撮像部30に画像を撮像させても良い。
【0088】
また、上記実施形態においては、訪問者を表す訪問者情報として、画像を用いているが、これに限定されるものではない。訪問者情報は、訪問者を表す情報であれば良く、例えば、訪問者の音声等を用いても良い。なお、この場合、対応表において設定される人物を表す情報も、これに対応する情報が設定される。また、提示情報は、画像と音声メッセージとのいずれかであってもよい。
【0089】
なお、上記実施形態の情報提示プログラムは、持ち運び可能な記録媒体等に記録されてもよい。持ち運び可能な記録媒体には、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)又はDVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等がある。また、情報提示プログラムは、持ち運び可能な記録媒体から各種読取装置を介して情報提示装置にインストールされても良い。さらに、情報提示プログラムは、インターネット等のネットワークから図示しない通信部を介して情報提示装置にダウンロード及びインストールされても良い。また、情報提示プログラムは、情報提示装置と通信可能なサーバ等の記憶装置に格納されて、CPU等への指令を行っても良い。さらに、情報提示プログラムを記憶した読み取り可能な記録媒体(例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、CD−R、DVD−R、ハードディスク、又は、フラッシュメモリ)は、コンピュータが読み取り可能なプログラム製品となる。
【符号の説明】
【0090】
1・・・情報提示装置、10・・・制御部、10a・・・訪問者情報取得部、10b・・・提示情報取得部、10c・・・提示制御部、11・・・CPU、12・・・一次記憶装置、20・・・記憶部、20a・・・対応表、20aa・・・第1の対応表、20ab・・・第2の対応表、21・・・二次記憶装置、21a・・・情報提示プログラム、30・・・撮像部、31・・・撮影装置、40・・・入力部、41・・・入力装置、50・・・提示部、50a・・・表示部、50b・・・発音部、51・・・表示パネル駆動回路、52・・・表示パネル、53・・・スピーカ駆動回路、54・・・スピーカ、55a〜55e・・・画像、60・・・読出書込部、61・・・読出書込装置、100・・・記録媒体、101・・・メモリーカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
訪問者を表す訪問者情報を取得する訪問者情報取得手段と、
予め設定されている、人物と提示情報とが対応付けられて記録された対応表を参照して、前記訪問者情報取得手段が取得した前記訪問者情報によって表される前記訪問者と同一の前記人物に対応する前記提示情報を取得する提示情報取得手段と、
前記提示情報取得手段が取得した前記提示情報を提示部によって前記訪問者に提示する提示制御手段と、を備え、
前記提示情報は、前記対応表で対応する前記人物の属性に応じた内容の、画像又は音声メッセージの少なくとも何れかを含む、
ことを特徴する情報提示装置。
【請求項2】
前記提示情報取得手段は、前記訪問者情報によって表される前記訪問者が前記対応表における前記人物に含まれない場合には、この場合について予め設定されている提示情報を取得する、
ことを特徴する請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
複数の前記提示情報は、それぞれ互いに同じ趣旨を異なる表現態様で表現する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提示装置。
【請求項4】
2種類の前記提示情報は、一方がフォーマルな表現態様で、他方がカジュアルな表現態様で、前記同じ趣旨を表現する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報提示装置。
【請求項5】
2種類の前記提示情報は、一方がユーザの情報を特定できる表現態様で、他方がユーザの情報を特定できない表現態様で、前記同じ趣旨を表現する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報提示装置。
【請求項6】
複数の前記提示情報は、それぞれ互いに異なる趣旨を表現する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提示装置。
【請求項7】
訪問者を表す訪問者情報を取得する訪問者情報取得ステップと、
予め設定されている、人物と提示情報とが対応付けられて記録された対応表を参照して、前記訪問者情報取得ステップで取得した前記訪問者情報によって表される前記訪問者と同一の前記人物に対応する前記提示情報を取得する提示情報取得ステップと、
前記提示情報取得ステップで取得した前記提示情報を提示部によって前記訪問者に提示する提示制御ステップと、をコンピュータに行わせ、
前記提示情報は、前記対応表で対応する前記人物の属性に応じた内容の、画像又は音声メッセージの少なくとも何れかを含む、
ことを特徴するプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−257813(P2011−257813A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129449(P2010−129449)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】