説明

情報検索端末、情報検索システム及び検索エリア設定方法

【課題】位置に対応付けられた情報の検索において、検索範囲の設定を容易にすると共に、方位が考慮された有用な情報の提供を可能とする。
【解決手段】情報検索端末1では、端末方位及び加速度の変化にもとづき、情報検索端末1がユーザにより動かされた際の端末アクションが判別され、端末位置を基準とした端末方位に基づき検索エリアが設定される。これにより、ユーザが情報検索端末1を振るような動作を行うことにより、端末方位の方向に位置する一定の地理的な領域を検索エリアに設定できる。従って、検索エリアを容易に設定できる。また、端末位置を基準とした端末方位に基づき検索エリアが設定されるので、方位が考慮された有用な情報の提供が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検索端末、情報検索システム及び検索エリア設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年において、携帯電話等で飲食店や施設等の情報を検索するサービスが数多く提供・発表されている(例えば、非特許文献1参照)。このようなサービスでは、例えば、ユーザにより文字入力された飲食店等の名称に基づき検索が実施される。また、飲食店等の情報は位置に対応付けられているので、ユーザにより入力された所望の地域名称に基づき、当該地域に属する飲食店等の検索が実施される。また、携帯電話等の端末の位置情報をGPS等により取得し、取得された位置情報に基づいて検索を支援するサービスも提供されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“ぐるなび”、[online]、株式会社ぐるなび、[2010年6月29日検索]、インターネット〈URL:http://www.gnavi.co.jp/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地域名称等の文字入力により検索対象や検索範囲の設定を行うこととすると、ユーザに対して入力の負担を要求することとなる。また、GPS等により取得された現在の位置情報に基づき検索範囲を設定する場合には、現在位置を基準とした方位が考慮されないので、現在位置周辺に位置する全ての情報が検索されてしまうこととなり、ユーザにとって不要な情報も多く提供されてしまっていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、位置に対応付けられた情報の検索において、検索範囲の設定を容易にすると共に、現在位置を基準とした方位が考慮された有用な情報を提供することが可能な情報検索端末、情報検索システム及び検索エリア設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の情報検索端末は、位置に対応付けられた情報の検索のための地理的な検索エリアを設定する情報検索端末であって、情報検索端末の位置である端末位置を取得する位置取得手段と、情報検索端末の端末方位を取得する方位取得手段と、情報検索端末の加速度を取得する加速度取得手段と、方位取得手段により取得された端末方位の変化及び加速度取得手段により取得された加速度の変化の少なくともいずれか一方に基づき、端末方位及び加速度の少なくともいずれか一方の所定以上の変化である端末アクションを判別する端末アクション判別手段と、端末アクション判別手段により端末アクションが判別された場合に、位置取得手段により取得された端末位置を基準として、方位取得手段により取得された端末方位又は加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する検索エリア設定手段と、検索エリア設定手段により設定された検索エリアを出力する検索エリア出力手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の情報検索システムは、位置に対応付けられた情報を検索する情報検索サーバと、情報の検索のための地理的な検索エリアを設定する情報検索端末とを含む情報検索システムであって、情報検索端末は、情報検索端末の位置である端末位置を取得する位置取得手段と、情報検索端末の端末方位を取得する方位取得手段と、情報検索端末の加速度を取得する加速度取得手段と、方位取得手段により取得された端末方位の変化及び加速度取得手段により取得された加速度の変化の少なくともいずれか一方に基づき、端末方位及び加速度の少なくともいずれか一方の所定以上の変化である端末アクションを判別する端末アクション判別手段と、端末アクション判別手段により端末アクションが判別された場合に、位置取得手段により取得された端末位置を基準として、方位取得手段により取得された端末方位又は加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する検索エリア設定手段と、検索エリア設定手段により設定された検索エリアを出力する検索エリア出力手段と、情報検索サーバにおいて検索された情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段により取得された情報を表示する表示手段とを備え、情報検索サーバは、検索エリア出力手段から出力された検索エリアを取得する検索エリア取得手段と、検索対象の情報を予め記憶している情報記憶手段と、検索エリア取得手段により取得された検索エリアに位置する情報を、情報記憶手段から検索する情報検索手段と、情報検索手段により検索された情報を情報検索端末に送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の情報検索システムは、位置に対応付けられた情報を検索する情報検索サーバと、情報の検索のための地理的な検索エリアを設定する情報検索端末とを含む情報検索システムであって、情報検索端末は、情報検索端末の位置である端末位置を取得する位置取得手段と、情報検索端末の端末方位を取得する方位取得手段と、情報検索端末の加速度を取得する加速度取得手段と、情報検索サーバにおいて検索された情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段により取得された情報を表示する表示手段とを備え、情報検索サーバは、方位取得手段により取得された端末方位及び加速度取得手段により取得された加速度を取得し、端末方位の変化及び加速度の変化の少なくともいずれか一方に基づき、端末方位及び加速度の少なくともいずれか一方の所定以上の変化である端末アクションを判別する端末アクション判別手段と、端末アクション判別手段により端末アクションが判別された場合に、位置取得手段により取得された端末位置を取得し、取得した端末位置を基準として、端末方位又は加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する検索エリア設定手段と、検索対象の情報を予め記憶している情報記憶手段と、検索エリア設定手段により設定された検索エリアに位置する情報を、情報記憶手段から検索する情報検索手段と、情報検索手段により検索された情報を情報検索端末に送信する情報送信手段とを備えることとしてもよい。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の検索エリア設定方法は、位置に対応付けられた情報の検索のための地理的な検索エリアを設定する情報検索端末における検索エリア設定方法であって、情報検索端末の位置である端末位置を取得する位置取得ステップと、情報検索端末の端末方位を取得する方位取得ステップと、情報検索端末の加速度を取得する加速度取得ステップと、方位取得ステップにおいて取得された端末方位の変化及び加速度取得ステップにおいて取得された加速度の変化の少なくともいずれか一方に基づき、端末方位及び加速度の少なくともいずれか一方の所定以上の変化である端末アクションを判別する端末アクション判別ステップと、端末アクション判別ステップにおいて端末アクションが判別された場合に、位置取得ステップにおいて取得された端末位置を基準として、端末方位又は加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する検索エリア設定ステップと、検索エリア設定ステップにおいて設定された検索エリアを出力する検索エリア出力ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の情報検索端末、情報検索システム及び検索エリア設定方法によれば、端末方位及び加速度の少なくともいずれか一方の変化に基づき、情報検索端末がユーザにより一定以上動かされたことを示す端末アクションが判別され、端末アクションが判別されたときに、端末位置を基準とした端末方位の方向に基づき検索エリアが設定される。これにより、ユーザが情報検索端末を振るような動作を行うことにより、端末方位の方向に位置する一定の地理的な領域を検索エリアに設定できる。従って、検索エリアを容易に設定できる。また、端末位置を基準としたアクション方向に基づき検索エリアが設定されるので、方位が考慮された有用な情報の提供が可能となる。
【0011】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、端末位置を中心とする所定の長さの半径の円を設定し、円を分割して所定の中心角を有する複数の扇形を円内に設定し、複数の扇形のうち端末位置を基点として端末方位に位置する扇形の領域を、検索エリアに設定することを特徴とする。
【0012】
この場合には、端末位置から見た端末方位の方向に、端末位置を中心とする円の2本の半径と当該円の円弧に囲まれた扇形が設定され、その扇形に囲まれる領域が検索エリアに設定されるので、ユーザが情報検索端末を振るような動作を行った場合に、その端末方位の方向に検索エリアが設定されることとなる。従って、ユーザの直感的な動作を反映した領域に検索エリアを容易に設定することが可能となる。
【0013】
また、本発明の情報検索端末では、端末アクション判別手段は、端末アクションが判別されたときに、加速度取得手段により取得された加速度に基づき情報検索端末がユーザによって動かされた際の加速度であるアクション加速度を検出し、検索エリア設定手段は、端末アクション判別手段により検出されたアクション加速度に基づき円の半径を設定することを特徴とする。
【0014】
この場合には、アクション加速度に基づき、検索エリアとして設置される扇形の領域における半径の長さが決定されるので、ユーザによる情報検索端末に対するアクションを適切に反映した検索エリアが設定される。
【0015】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、端末位置を中心とし、端末位置から端末方位に所定の距離離れた位置に設定された検索範囲決定基準点を円弧上に有し、所定の中心角を有する扇形の領域を、検索エリアに設定することを特徴とする。かかる場合でも、端末位置から見た端末方位の方向に、端末位置を中心とする扇形が設定され、その扇形に囲まれる領域が検索エリアに設定されるので、ユーザが情報検索端末を振るような動作を行った場合に、その端末方位の方向に検索エリアが設定されることとなる。従って、ユーザの直感的な動作を反映した領域に検索エリアを容易に設定することが可能となる。
【0016】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、端末位置から端末方位に予め設定された所定の距離だけ離れた位置に設定された検索範囲決定基準点を中心とし、予め設定された所定の長さの半径を有する円内の領域を、検索エリアに設定することを特徴とする。
【0017】
この場合には、端末位置からアクション方向に離間した位置に検索エリアを設定できるので、ユーザによる情報検索端末に対するアクションを反映した位置に容易に検索エリアを設定できる。
【0018】
また、本発明の情報検索端末では、端末アクション判別手段は、端末アクションが判別されたときに、加速度取得手段により取得された加速度に基づき情報検索端末がユーザによって動かされた際の加速度であるアクション加速度を検出し、検索エリア設定手段は、端末アクション判別手段により判別されたアクション加速度に基づき、端末位置と検索範囲決定基準点との距離を設定することを特徴とする。
【0019】
この場合には、アクション加速度に基づき、検索エリアとして設定される円領域の端末位置からの距離が決定されるので、ユーザによる情報検索端末に対するアクションを適切に反映した位置に検索エリアを設定できる。
【0020】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、端末位置と検索範囲決定基準点との距離が長くなるに従って、円の半径を長く設定することを特徴とする。
【0021】
この場合には、検索エリアとして設定される円の領域が端末位置から遠いほど、その円の領域は大きく設定されることとなる。従って、ユーザによる情報検索端末に対するアクションが適切に反映された大きさの検索エリアを設定することが可能となる。
【0022】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、アクション加速度が大きくなるに従って、円の半径を長く設定することを特徴とする。
【0023】
この場合には、ユーザによる情報検索端末に対するアクションが強いほど、又は速いほど、検索エリアとして設定される円の領域は大きく設定されることとなる。従って、ユーザによる情報検索端末に対するアクションが適切に反映された大きさの検索エリアを設定することが可能となる。
【0024】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、端末位置から端末方位に予め設定された所定の距離だけ離れた位置を検索範囲決定基準点に設定し、端末位置及び検索範囲決定基準点の位置が含まれる地図データを取得し、地図データの地図上において端末位置から検索範囲決定基準点に至る経路を算出し、経路から予め設定された所定の距離以内の領域を検索エリアに設定することを特徴とする。
【0025】
この場合には、ユーザによる情報検索端末に対するアクションにより設定される検索範囲決定基準点を目的地に想定し、現在の端末位置からその目的地に至る経路周辺が検索エリアに設定される。このように設定された検索エリアに含まれる情報が情報検索端末に提供されるので、ユーザは、利用する可能性の高い情報を得ることができる。
【0026】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、地図データの地図上において端末位置から検索範囲決定基準点に至る複数の経路を算出し、複数の経路から抽出された一つ又は複数の経路から予め設定された所定の距離以内の領域を検索エリアに設定することを特徴とする。
【0027】
この場合には、ユーザが利用する可能性のある経路周辺の領域が検索エリアに設定され、その検索エリアに配置された情報が情報検索端末に提供されるので、ユーザは、より利用する可能性の高い情報を容易に得ることができる。
【0028】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、地図データの地図上において端末位置から検索範囲決定基準点に至る複数の経路を算出し、複数の経路から予め設定された所定の距離以内の領域を検索エリアに設定することを特徴とする。
【0029】
この場合には、ユーザが利用する可能性のある全ての経路周辺の領域が検索エリアに設定され、その検索エリアに配置された情報が情報検索端末に提供されるので、ユーザは、より利用する可能性の高い情報を漏れなく容易に得ることができる。
【0030】
また、本発明の情報検索端末では、検索エリア設定手段は、端末位置から端末方位に所定の距離離れた位置を検索範囲決定基準点に設定し、端末位置及び検索範囲決定基準点の位置が含まれ所定のメッシュが設定された地図データを取得し、地図データの地図上において端末位置から検索範囲決定基準点に至る経路を算出し、経路が属するメッシュに含まれる領域を検索エリアに設定することを特徴とする。
【0031】
この場合には、ユーザによる情報検索端末に対するアクションにより設定される検索範囲決定基準点を目的地に想定し、現在の端末位置からその目的地に至る経路が含まれるメッシュ内の領域が検索エリアに設定される。このように設定された検索エリアに含まれる情報が情報検索端末に提供されるので、ユーザは、利用する可能性の高い情報を得ることができる。
【0032】
また、本発明の情報検索端末では、端末アクション判別手段は、端末アクションが判別されたときに、加速度取得手段により取得された加速度に基づき情報検索端末がユーザによって動かされた際の加速度であるアクション加速度を検出し、検索エリア設定手段は、端末アクション判別手段により判別されたアクション加速度に基づき、端末位置から検索範囲決定基準点までの距離を設定することを特徴とする。
【0033】
この場合には、アクション加速度に基づき、目的地として想定される検索範囲決定基準点までの距離が設定されるので、ユーザによる情報検索端末に対するアクションを適切に反映した位置に目的地を設定できる。
【0034】
また、本発明の情報検索端末は、検索対象の情報を予め記憶している情報記憶手段と、検索エリア出力手段から出力された検索エリアに位置する情報を、情報記憶手段から検索する情報検索手段と、情報検索手段により検索された情報を表示する表示手段とを更に備えることを特徴とする。
【0035】
このように、本発明の情報検索端末は、検索対象の情報を記憶する情報記憶手段を備え、その情報記憶手段から情報を検索する情報検索手段を備えることにより、情報検索サーバとの通信を実施することなく、情報検索処理を実施することが可能となる。従って、情報検索サーバとの通信が不可能な場合であっても情報検索を実施できる。
【発明の効果】
【0036】
位置に対応付けられた情報の検索において、検索範囲の設定を容易にすると共に、現在位置を基準とした方位が考慮された有用な情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】情報検索端末及び情報検索サーバからなる情報検索システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】情報検索端末のハードブロック図である。
【図3】第1実施形態における検索エリアの設定処理を説明するための図である。
【図4】情報記憶部の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【図5】第1実施形態における検索エリア設定方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態における検索エリアの設定処理を説明するための図である。
【図7】第2実施形態における検索エリア設定方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態における検索エリアの設定処理を説明するための図である。
【図9】第3実施形態における検索エリア設定方法の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明に係る情報検索端末及び情報検索システムの実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0039】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る情報検索システム100に含まれる情報検索端末1及び情報検索サーバ2の機能的構成を示すブロック図である。
【0040】
情報検索端末1は、情報検索サーバ2とネットワーク(図示せず)を介して通信可能であり、情報検索サーバ2に対して各種の情報の検索を要求する端末であって、情報検索のための地理的な検索エリアを設定し、設定した検索エリアを検索サーバ2に送信する。そして、情報検索サーバ2において検索された情報を受信し、受信した情報をユーザに対して表示することができる。
【0041】
検索対象である各種の情報は、例えば、飲食店や各種の施設等の情報であって、それらの所在地等に該当する位置に対応付けられている。
【0042】
情報検索サーバ2は、位置に対応付けられた飲食店等の情報を蓄積しており、情報検索端末1からの情報検索の要求に応じて情報検索を行い、検索された情報を当該情報検索端末1に送信する。
【0043】
図1に示されるように、情報検索端末1は、機能的には、位置取得部10(位置取得手段)、方位取得部11(方位取得手段)、加速度取得部12(加速度取得手段)、端末アクション判別部13(端末アクション判別手段)、検索エリア設定部14(検索エリア設定手段)、検索エリア出力部15(検索エリア出力手段)、情報取得部16(情報取得手段)及び表示部17(表示手段)を備える。
【0044】
また、情報検索サーバ2は、機能的には、検索エリア取得部20(検索エリア取得手段)、情報記憶部21(情報記憶手段)、情報検索部22(情報検索手段)及び情報送信部23(情報送信手段)を備える。
【0045】
図2は、情報検索端末1のハードウエア構成図である。情報検索端末1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、ネットワークカード等で構成される通信制御装置104、入力デバイスであるキーボード、マウス等の入力装置105、ディスプレイ等の出力装置106などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0046】
図1に示した各機能は、図2に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウエア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104、入力装置105、出力装置106を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。また、情報検索サーバ2も、図2に示した情報検索端末1のハードウエア構成と同様のハードウエア構成を有するコンピュータシステムとして構成されている。再び、図1を参照し、情報検索端末1の各機能部について詳細に説明する。
【0047】
位置取得部10は、情報検索端末1の現在の位置である端末位置を取得する部分である。位置取得部10は、例えば、GPS装置により構成される。端末位置は、例えば、緯度及び経度の情報により表される。位置取得部10は、端末位置を検索エリア設定部14に送出する。また、位置取得部10は、WiFi、RFIDといった手段により測位を実施し、端末位置を取得することとしてもよい。
【0048】
方位取得部11は、情報検索端末1の端末方位を取得する部分である。この端末方位は、例えば、情報検索端末1の所定の基準方向からの傾きとして定義される。なお、端末方位は、適宜定義されるものであって、上記定義に限定されない。例えば、水平面上における真北方向を基準方向に設定し、情報検索端末1の長手方向の当該基準方向からの傾きを端末方位とすることが可能である。方位取得部11は、例えば、地磁気センサ等からなる方位センサやジャイロ等を適宜含んで構成される。方位取得部11は、端末方位を端末アクション判別部13に送出する。
【0049】
加速度取得部12は、情報検索端末1の加速度を取得する部分である。加速度取得部12は、例えば、6軸または3軸の加速度センサを含んで構成され、これらのセンサからの情報に基づき加速度を算出する。加速度は、3次元のベクトルで表現され、大きさと方向の情報を含む。加速度取得部12は、加速度を端末アクション判別部13に送出する。
【0050】
端末アクション判別部13は、方位取得部11により取得された端末方位の変化及び加速度取得部12により取得された加速度の変化の少なくともいずれか一方に基づき、端末アクションを判別する部分である。端末アクションは、端末方位及び加速度の少なくともいずれか一方における所定以上の変化であって、例えば、ユーザが情報検索端末1を保持し、その情報検索端末1を振るような操作を行った場合に発生する。
【0051】
また、端末アクション判別部13は、端末アクションが判別されたときに、加速度取得部12により取得された加速度に基づき情報検索端末がユーザによって動かされた際の加速度であるアクション加速度を検出する。
【0052】
検索エリア設定部14は、位置取得部10により取得された端末位置を基準として、方位取得部11により取得された端末方位又は加速度取得部12により取得された加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する部分である。検索エリアの設定は、端末アクションが判別された場合に、実施される。図3を参照して、検索エリア設定部14による検索エリアの設定を具体的に説明する。図3は、検索エリアの設定処理を説明するための図である。
【0053】
図3に示すように、検索エリア設定部14は、端末位置Cから端末方位の方向に予め設定された所定の距離だけ離れた位置に検索範囲決定基準点Pを設定し、端末位置Cを中心として、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離を半径Dとする円を設定する。ここで、検索範囲決定基準点Pの設定に用いられる端末方位は、端末アクションが判別された場合において、端末アクションが検出される前、端末アクションが検出された直後、端末アクションが検出されている途中、端末アクションの検出が終了した直後のいずれのタイミングにおいて、方位取得部11により取得されたものであってもよい。いずれのタイミングにおける端末方位を取得するかは、設計的に任意に設定される。
【0054】
更に、検索エリア設定部14は、その円を分割して予め設定された所定の中心角を有する複数の扇形を円内に設定し、複数の扇形のうち端末位置Cを基点として端末方位の方向に位置する扇形の領域Aを、検索エリアに設定する。なお、本実施形態では、検索エリア設定部14は、一例として、円を16分割して中心角が22.5度の扇形を生成しているが、これには限定されない。ここで、複数の扇形のうち端末位置Cから見て端末方位の方向に位置する扇形とは、その円弧上に検索範囲決定基準点Pを有する扇形である。
【0055】
ここで、検索エリア設定部14は、円の半径Dの長さを、アクション加速度に基づき設定することとしてもよい。例えば、検索エリア設定部14は、アクション加速度を変数として円の半径Dの長さを求めるための関数を用いて、円の半径Dの長さを算出することとしてもよいし、アクション加速度と円の半径Dの長さとの関係を規定したテーブルに基づいて、円の半径Dの長さを算出することとしてもよい。
【0056】
また、検索エリア設定部14は、上記のように端末位置Cを中心とする円を設定することなく、端末位置Cを中心とし、検索範囲決定基準点Pを円弧上に有し、所定の中心角を有する扇形を設定し、この扇形の領域を検索エリアに設定することとしてもよい。このとき、端末位置Cと検索範囲決定基準点Pとを結ぶ線分が中心角を2等分するように扇形を設定することが好ましい。
【0057】
検索エリア出力部15は、検索エリア設定部14により設定された検索エリアの情報を、情報検索サーバ2に出力する部分である。
【0058】
情報取得部16は、情報検索サーバ2において、検索エリアに基づき検索された情報を取得する部分である。また、表示部17は、情報取得部16により取得された情報をユーザに対して表示する部分である。
【0059】
続いて、情報検索サーバ2の各機能部について詳細に説明する。検索エリア取得部20は、情報検索端末1の検索エリア出力部15から出力された検索エリアの情報を取得する部分である。検索エリア取得部20は、取得した検索エリアの情報を情報検索部22に送出する。
【0060】
情報記憶部21は、検索対象の情報を予め記憶している記憶手段である。本実施形態において、検索対象である各種の情報は、例えば、飲食店や各種の施設等の情報である。情報記憶部21は、各種の情報を、所在地等に該当する位置に対応付けて記憶している。図4は、情報記憶部21の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図4に示すように、情報記憶部21は、飲食店や施設等の情報である検索情報を位置情報に対応付けて記憶している。位置情報は、当該施設等の所在位置を示し、緯度、経度及び高度といった情報を含むことができる。なお、高度の情報は本発明において必須の要素ではない。検索情報は、例えば、ジャンル、名称、営業時間、住所、連絡先及び建物といった、当該施設等に関する種々の情報を含むことができる。
【0061】
情報検索部22は、検索エリア取得部20により取得された検索エリア内に位置する情報を、情報記憶部21から検索する部分である。即ち、情報検索部22は、情報記憶部21における位置情報を参照し、位置情報に示される位置が検索エリアに該当する場合に、当該位置情報に対応付けられた検索情報を情報検索端末1に提供するための情報として抽出する。情報検索部22は、情報記憶部21から検索・抽出した情報を情報送信部23に送出する。
【0062】
情報送信部23は、情報検索部22により検索された情報を情報検索端末1に送信する部分である。
【0063】
続いて、図5を参照して、本実施形態の検索エリア設定方法における情報検索端末1の動作について説明する。図5は、情報検索端末1において実施される処理内容を示すフローチャートである。
【0064】
まず、情報検索端末1は、位置取得部10、方位取得部11及び加速度取得部12の各センサを起動する(S1)。続いて、位置取得部10は、情報検索端末1の位置の情報である端末位置を取得する(S2、位置取得ステップ)。
【0065】
次に、方位取得部11は端末方位を取得し(方位取得ステップ)、加速度取得部12は、情報検索端末1の加速度を取得する(加速度取得ステップ)。そして、端末アクション判別部13は、方位取得部11により取得された端末方位の変化量及び加速度取得部12により取得された加速度の変化量に基づき、端末アクションを取得する(S3、端末アクション判別ステップ)。端末アクションは、端末方位及び加速度における所定以上の変化があった場合に検出される。
【0066】
さらに、端末アクション判別部13は、端末アクションが判別された場合に、端末方位を取得する(S4)。なお、端末方位の取得は、端末アクションが検出された場合において、端末アクションが検出される前、端末アクションが検出された直後、端末アクションが検出されている途中、端末アクションの検出が終了した直後のいずれのタイミングにおいて実施されることとしてもよい。また、端末アクション判別部13は、端末アクションの際の加速度であるアクション加速度を算出してもよい(S4)。
【0067】
次に、検索エリア設定部14は、端末位置を基準として、端末方位又はアクション加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する(S5〜S9、検索エリア設定ステップ)。ここでは、検索エリアは端末方位に基づき設定されることとして、図3も参照してより具体的に説明すると、検索エリア設定部14は、端末位置Cから端末方位の方向に予め設定された所定の距離だけ離れた位置に検索範囲決定基準点Pを設定する(S5)。なお、検索エリア設定部14は、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離をアクション加速度の大きさに基づき設定することとしてもよい。
【0068】
次に、検索エリア設定部14は、端末位置Cを中心として、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離を半径Dとする円を設定する(S6)。続いて、検索エリア設定部14は、ステップS6において設定された円を16分割して、複数の扇形を円内に生成する(S7)。そして、検索エリア設定部14は、複数の扇形のうち円弧上に検索範囲決定基準点Pを有する扇形を判別する(S8)。
【0069】
検索エリア設定部14は、ステップS8において判別された扇形の領域を検索エリアに設定する(S9)。そして、検索エリア設定部14は、ステップS9において設定された検索エリアに関する情報を、情報検索サーバ2に出力する(検索エリア出力ステップ)。こうして、本実施形態の処理を終了する。
【0070】
なお、上記説明したフローチャートにおいて、ステップS7の処理をステップS2の処理の後に実施することとしてもよい。この場合には、ステップS7における円又は扇形の半径は、予め設定された任意の長さに設定される。
【0071】
以上説明した実施形態の情報検索端末1、情報検索システム100及び検索エリア設定方法では、情報検索端末1がユーザにより動かされた際の端末方位及び加速度の変化に基づき端末アクションが判別され、端末アクションが判別された際の、端末位置を基準とした端末方位に基づき検索エリアが設定される。これにより、ユーザが情報検索端末1をある一定の方向に振るような動作を行うことにより、その方向に位置する一定の地理的な領域を検索エリアに設定できる。従って、検索エリアを容易に設定できる。また、端末位置を基準とした端末方位に基づき検索エリアが設定されるので、方位が考慮された有用な情報の提供が可能となる。
【0072】
また、端末位置から見た端末方位の方向に、端末位置を中心とする円の2本の半径と当該円の円弧に囲まれた扇形が設定され、その扇形に囲まれる領域が検索エリアに設定されるので、ユーザが情報検索端末1をある一定の方向に振るような動作を行った場合に、その方向に広がる扇形の領域に検索エリアが設定されることとなる。従って、ユーザの直感的な動作を反映した領域に検索エリアを容易に設定することが可能となる。
【0073】
なお、本実施形態では、各種情報を記憶している情報記憶部21が情報検索サーバ2に備えられ、情報検索サーバ2が情報検索端末1において設定された検索エリアに基づき情報の検索を実施することとしているが、これには限定されない。即ち、検索対象の情報を予め記憶している情報記憶部21、及び検索エリア出力部15から出力された検索エリア内に位置する情報を情報記憶部21から検索する情報検索部22が、情報検索サーバ2ではなく、情報検索端末1に備えられることとしてもよい。
【0074】
この場合には、情報検索端末1は、情報検索サーバ2との通信を実施することなく、情報検索処理を実施することが可能となる。従って、情報検索サーバ2との通信が不可能な場合であっても情報検索を実施できる。
【0075】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る情報検索端末1について説明する。第2実施形態に係る情報検索端末1では、検索エリア設定部14における検索エリアの設定処理が第1実施形態と相違する。以下、この相違点を、図6及び図7を参照して説明する。
【0076】
図6は、第2実施形態における検索エリアの設定処理を説明するための図である。図6に示すように、検索エリア設定部14は、端末位置Cから端末方位の方向に予め設定された所定の距離だけ離れた位置に検索範囲決定基準点Pを設定する。なお、検索範囲決定基準点Pの設定には、端末方位に代えてアクション加速度の方向を用いることとしてもよい。そして、検索エリア設定部14は、検索範囲決定基準点Pを中心とし、予め設定された所定の長さの半径Rを有する円内の領域Aを検索エリアに設定する。
【0077】
第2実施形態では、端末位置Cから端末方位の方向に離間した位置に検索エリアを設定できるので、ユーザによる情報検索端末1に対するアクションを反映した位置に容易に検索エリアを設定できる。
【0078】
ここで、検索エリア設定部14は、端末アクション判別部13により端末アクションが検出されたときの加速度であるアクション加速度に基づき、端末位置Cと検索範囲決定基準点Pとの距離Dを設定することとしてもよい。例えば、検索エリア設定部14は、アクション加速度を変数とする距離Dを求めるための関数を用いて、距離Dを算出することとしてもよいし、アクション加速度と距離Dとの関係を予め規定したテーブルに基づいて、距離Dを算出することとしてもよい。このように距離Dを設定することにより、ユーザによる情報検索端末1に対するアクションを適切に反映した位置に検索エリアを設定できる。
【0079】
また、検索エリア設定部14は、端末位置Cと検索範囲決定基準点Pとの距離が長くなるに従って、円の半径Rを長く設定するようにしてもよい。例えば、検索エリア設定部14は、距離Dを変数とする半径Rを求めるための関数を予め備え、この関数を用いて半径Rを算出することとしてもよいし、距離Dと半径Rとの関係を予め規定したテーブルに基づいて、半径Rを算出することとしてもよい。このように円の半径Rを設定することにより、検索エリアとして設定される円の領域Aが端末位置Cから遠いほど、その円の領域Aは大きく設定されることとなる。従って、ユーザによる情報検索端末1に対するアクションが適切に反映された大きさの検索エリアを設定することが可能となる。
【0080】
さらに、検索エリア設定部14は、アクション加速度が大きくなるに従って、円の半径Rを長く設定するようにしてもよい。例えば、検索エリア設定部14は、アクション加速度を変数とする半径Rを求めるための関数を予め備え、この関数を用いて半径Rを算出することとしてもよいし、アクション加速度と半径Rとの関係を予め規定したテーブルに基づいて、半径Rを算出することとしてもよい。このように円の半径Rを設定する場合には、ユーザによる情報検索端末1に対するアクションが強いほど、又は速いほど、検索エリアとして設定される円の領域Aは大きく設定されることとなる。従って、ユーザによる情報検索端末1に対するアクションが適切に反映された大きさの検索エリアを設定することが可能となる。
【0081】
続いて、図7を参照して、第2実施形態の検索エリア設定方法における情報検索端末1の動作について説明する。図7は、情報検索端末1において実施される処理内容を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS11〜S14の処理内容は、第1実施形態の検索エリア設定処理を示した図5のフローチャートにおけるステップS1〜S4の処理内容と同様である。続くステップS15において、検索エリア設定部14は、端末位置Cから端末方位の方向に予め設定された所定の距離だけ離れた位置に検索範囲決定基準点Pを設定する(S15)。なお、検索エリア設定部14は、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離Dをアクション加速度に基づき設定することとしてもよい。
【0083】
次に、検索エリア設定部14は、検索範囲決定基準点Pを中心とし、予め設定された所定の長さの半径Rを有する円を設定する(S16)。そして、検索エリア設定部14は、ステップS16において設定された円内の領域Aを検索エリアに設定する(S17)。こうして、第2実施形態の処理を終了する。
【0084】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る情報検索端末1について説明する。第3実施形態に係る情報検索端末1では、検索エリア設定部14における検索エリアの設定処理が第1実施形態及び第2実施形態と相違する。以下、この相違点を、図8及び図9を参照して説明する。
【0085】
図8は、第3実施形態における検索エリアの設定処理を説明するための図である。図8に示すように、検索エリア設定部14は、端末位置Cから端末方位の方向に予め設定された所定の距離だけ離れた位置に検索範囲決定基準点Pを設定する。なお、検索範囲決定基準点Pの設定には、端末方位に代えてアクション加速度の方向を用いることとしてもよい。
【0086】
ここで、検索エリア設定部14は、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離を、端末アクション判別部13により端末アクションが検出されたときの加速度であるアクション加速度に基づき設定することとしてもよい。例えば、検索エリア設定部14は、アクション加速度を変数として端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離を求めるための関数を予め備え、この関数を用いて端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離を算出することとしてもよいし、アクション加速度と、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離との関係を規定したテーブルに基づいて、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離を算出することとしてもよい。
【0087】
そして、検索エリア設定部14は、端末位置C及び検索範囲決定基準点Pの位置が含まれる地図データを取得し、地図データの地図上において端末位置Cから検索範囲決定基準点Pに至る経路Lを算出する。さらに、検索エリア設定部14は、経路Lから予め設定された所定の距離r以内の領域Aを検索エリアに設定する。なお、地図データ上における2点間の経路の算出には、いわゆるカーナビゲーションシステム等の分野において周知の技術を採用することができる。
【0088】
このように検索エリアを設定する場合には、ユーザによる情報検索端末1に対するアクションにより設定される検索範囲決定基準点Pを目的地に想定し、現在の端末位置Cからその目的地に至る経路L周辺の領域Aが検索エリアに設定される。このように設定された検索エリアに含まれる情報が情報検索端末1に提供されるので、ユーザは、利用する可能性の高い情報を得ることができる。
【0089】
なお、図8に示す例では、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pに至る経路は、経路Lの1つのみであるが、検索エリア設定部14は、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pに至る経路を複数算出することとしてもよい。複数の経路が算出された場合には、検索エリア設定部14は、複数の経路から一つ又は複数の経路を抽出し、抽出された経路から予め設定された所定の距離以内の領域を検索エリアに設定することができる。このように検索エリアを設定する場合には、ユーザが利用する可能性のある経路周辺の領域が検索エリアに設定され、その検索エリアに配置された情報が情報検索端末1に提供されるので、ユーザは、より利用する可能性の高い情報を容易に得ることができる。
【0090】
あるいは、検索エリア設定部14は、算出された複数の経路のうちの全ての経路から予め設定された所定の距離以内の領域を検索エリアに設定することとしてもよい。
【0091】
このように検索エリアを設定する場合には、ユーザが利用する可能性のある全ての経路周辺の領域が検索エリアに設定され、その検索エリアに配置された情報が情報検索端末に提供されるので、ユーザは、より利用する可能性の高い情報を漏れなく容易に得ることができる。
【0092】
また、本実施形態において検索エリア設定部14に取得される地図データにメッシュが設定されている場合には、図8に示すように、検索エリア設定部14は、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pに至る経路Lが属するメッシュMを地図データから抽出し、メッシュMに含まれる領域を検索エリアに設定することができる。
【0093】
検索エリア出力部15は、上記説明したように検索エリア設定部14により設定された検索エリアの情報を情報検索サーバ2に送信する。情報検索サーバ2の情報検索部22は、第1及び第2実施形態と同様に、検索エリア内の位置に対応付けられた情報を、情報記憶部21から検索することができる。
【0094】
また、情報検索部22は、図8に示すように、地図データ上において検索エリア(領域A)が属するメッシュMを抽出し、抽出したメッシュM内の位置に対応付けられた情報を情報記憶部21から検索・抽出し、抽出された情報を、情報検索端末1に提供するための情報として情報送信部23に送出することとしてもよい。さらに、情報検索部22は、メッシュM内の位置に対応付けられた情報を情報記憶部21から検索・抽出した後に、領域A外の位置に対応付けられた情報を除外して残った情報を、情報検索端末1に提供するための情報として情報送信部23に送出することとしてもよい。
【0095】
続いて、図9を参照して、第3実施形態の検索エリア設定方法における情報検索端末1の動作について説明する。図9は、情報検索端末1において実施される処理内容を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS21〜S24の処理内容は、第1実施形態の検索エリア設定処理を示した図5のフローチャートにおけるステップS1〜S4の処理内容と同様である。続くステップS25において、検索エリア設定部14は、端末位置Cから端末方位の方向に予め設定された所定の距離だけ離れた位置に検索範囲決定基準点Pを設定する(S25)。なお、検索エリア設定部14は、端末位置Cから検索範囲決定基準点Pまでの距離をアクション加速度に基づき設定することとしてもよい。
【0097】
次に、検索エリア設定部14は、端末位置C及び検索範囲決定基準点Pの位置が含まれる地図データを取得し、地図上において端末位置Cから検索範囲決定基準点Pに至る経路Lを算出する(S26)。
【0098】
そして、検索エリア設定部14は、経路Lから予め設定された所定の距離r以内の領域Aを検索エリアに設定する。こうして、第3実施形態の処理を終了する。
【0099】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0100】
本実施形態では、各機能部10〜17を情報検索端末1に構成し、各機能部20〜23を情報検索サーバ2に構成することとしたが、各機能部の配置はこれに限定されない。例えば、端末アクション判別部13、検索エリア設定部14及び検索エリア出力部15に相当する機能部を、情報検索端末1ではなく情報検索サーバ2に構成することとしてもよい。この場合には、情報検索サーバ2に構成された端末アクション判別部13相当の機能部は、方位取得部11からの端末方位及び加速度取得部12からの加速度の情報を取得する。また、情報検索サーバ2に構成された検索エリア設定部14相当の機能部は、位置取得部10からの端末位置を取得する。
【0101】
また、情報検索端末1において設定された検索エリアに加えて、情報検索端末1の入力装置105により入力された施設等の名称に関するテキストが情報検索端末1から情報検索サーバ2に送信され、検索エリアに基づき検索された情報を、情報検索部22がテキストによりさらに絞り込むこととしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…情報検索端末、2…情報検索サーバ、10…位置取得部、11…方位取得部、12…加速度取得部、13…端末アクション判別部、14…検索エリア設定部、15…検索エリア出力部、16…情報取得部、17…表示部、20…検索エリア取得部、21…情報記憶部、22…情報検索部、23…情報送信部、100…情報検索システム、A,A,A…領域、C,C,C…端末位置、D…半径、D…距離、L…経路、P,P,P…検索範囲決定基準点。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置に対応付けられた情報の検索のための地理的な検索エリアを設定する情報検索端末であって、
前記情報検索端末の位置である端末位置を取得する位置取得手段と、
前記情報検索端末の端末方位を取得する方位取得手段と、
前記情報検索端末の加速度を取得する加速度取得手段と、
前記方位取得手段により取得された端末方位の変化及び前記加速度取得手段により取得された加速度の少なくともいずれか一方の変化に基づき、前記端末方位及び前記加速度の少なくともいずれか一方の所定以上の変化である端末アクションを判別する端末アクション判別手段と、
前記端末アクション判別手段により端末アクションが判別された場合に、前記位置取得手段により取得された端末位置を基準として、前記方位取得手段により取得された端末方位又は前記加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する検索エリア設定手段と、
前記検索エリア設定手段により設定された検索エリアを出力する検索エリア出力手段と
を備えることを特徴とする情報検索端末。
【請求項2】
前記検索エリア設定手段は、前記端末位置を中心とする所定の長さの半径の円を設定し、前記円を分割して所定の中心角を有する複数の扇形を前記円内に設定し、前記複数の扇形のうち前記端末位置を基点として前記端末方位に位置する扇形の領域を、前記検索エリアに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検索端末。
【請求項3】
前記端末アクション判別手段は、端末アクションが判別されたときに、前記加速度取得手段により取得された前記加速度に基づき前記情報検索端末がユーザによって動かされた際の加速度であるアクション加速度を検出し、
前記検索エリア設定手段は、前記端末アクション判別手段により検出されたアクション加速度に基づき前記円の半径を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報検索端末。
【請求項4】
前記検索エリア設定手段は、前記端末位置を中心とし、前記端末位置から前記端末方位に所定の距離離れた位置に設定された検索範囲決定基準点を円弧上に有し、所定の中心角を有する扇形の領域を、前記検索エリアに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検索端末。
【請求項5】
前記検索エリア設定手段は、前記端末位置から前記端末方位に所定の距離離れた位置に設定された検索範囲決定基準点を中心とし、所定の長さの半径を有する円に形成された領域を、前記検索エリアに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検索端末。
【請求項6】
前記端末アクション判別手段は、端末アクションが判別されたときに、前記加速度取得手段により取得された前記加速度に基づき前記情報検索端末がユーザによって動かされた際の加速度であるアクション加速度を検出し、
前記検索エリア設定手段は、前記端末アクション判別手段により検出された前記アクション加速度に基づき、前記端末位置と前記検索範囲決定基準点との距離を設定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報検索端末。
【請求項7】
前記検索エリア設定手段は、前記端末位置と前記検索範囲決定基準点との距離が長くなるに従って、前記円の半径を長く設定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報検索端末。
【請求項8】
前記検索エリア設定手段は、前記アクション加速度が大きくなるに従って、前記円の半径を長く設定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報検索端末。
【請求項9】
前記検索エリア設定手段は、前記端末位置から前記端末方位に所定の距離離れた位置を検索範囲決定基準点に設定し、前記端末位置及び前記検索範囲決定基準点の位置が含まれる地図データを取得し、前記地図データの地図上において前記端末位置から前記検索範囲決定基準点に至る経路を算出し、前記経路から所定の距離以内の領域を検索エリアに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検索端末。
【請求項10】
前記検索エリア設定手段は、前記地図データの地図上において前記端末位置から前記検索範囲決定基準点に至る複数の経路を算出し、前記複数の経路から抽出された一つ又は複数の経路から所定の距離以内の領域を検索エリアに設定する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報検索端末。
【請求項11】
前記検索エリア設定手段は、前記地図データの地図上において前記端末位置から前記検索範囲決定基準点に至る複数の経路を算出し、前記複数の経路から所定の距離以内の領域を検索エリアに設定する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報検索端末。
【請求項12】
前記検索エリア設定手段は、前記端末位置から前記端末方位に所定の距離離れた位置を検索範囲決定基準点に設定し、前記端末位置及び前記検索範囲決定基準点の位置が含まれ所定のメッシュが設定された地図データを取得し、前記地図データの地図上において前記端末位置から前記検索範囲決定基準点に至る経路を算出し、前記経路が属するメッシュに含まれる領域を検索エリアに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検索端末。
【請求項13】
前記端末アクション判別手段は、端末アクションが判別されたときに、前記加速度取得手段により取得された前記加速度に基づき前記情報検索端末がユーザによって動かされた際の加速度であるアクション加速度を検出し、
前記検索エリア設定手段は、前記端末アクション判別手段により検出された前記アクション加速度に基づき、前記端末位置から前記検索範囲決定基準点までの距離を設定する
ことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の情報検索端末。
【請求項14】
検索対象の前記情報を予め記憶している情報記憶手段と、
前記検索エリア出力手段から出力された前記検索エリアに位置する前記情報を、前記情報記憶手段から検索する情報検索手段と、
前記情報検索手段により検索された前記情報を表示する表示手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の情報検索端末。
【請求項15】
位置に対応付けられた情報を検索する情報検索サーバと、前記情報の検索のための地理的な検索エリアを設定する情報検索端末とを含む情報検索システムであって、
前記情報検索端末は、
前記情報検索端末の位置である端末位置を取得する位置取得手段と、
前記情報検索端末の端末方位を取得する方位取得手段と、
前記情報検索端末の加速度を取得する加速度取得手段と、
前記方位取得手段により取得された端末方位の変化及び前記加速度取得手段により取得された加速度の変化の少なくともいずれか一方に基づき、前記端末方位及び前記加速度の少なくともいずれか一方の所定以上の変化である端末アクションを判別する端末アクション判別手段と、
前記端末アクション判別手段により端末アクションが判別された場合に、前記位置取得手段により取得された端末位置を基準として、前記方位取得手段により取得された端末方位又は前記加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する検索エリア設定手段と、
前記検索エリア設定手段により設定された検索エリアを出力する検索エリア出力手段と、
前記情報検索サーバにおいて検索された前記情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記情報を表示する表示手段とを備え、
前記情報検索サーバは、
前記検索エリア出力手段から出力された検索エリアを取得する検索エリア取得手段と、
検索対象の前記情報を予め記憶している情報記憶手段と、
前記検索エリア取得手段により取得された検索エリアに位置する前記情報を、前記情報記憶手段から検索する情報検索手段と、
前記情報検索手段により検索された前記情報を前記情報検索端末に送信する情報送信手段とを備える
ことを特徴とする情報検索システム。
【請求項16】
位置に対応付けられた情報を検索する情報検索サーバと、前記情報の検索のための地理的な検索エリアを設定する情報検索端末とを含む情報検索システムであって、
前記情報検索端末は、
前記情報検索端末の位置である端末位置を取得する位置取得手段と、
前記情報検索端末の端末方位を取得する方位取得手段と、
前記情報検索端末の加速度を取得する加速度取得手段と、
前記情報検索サーバにおいて検索された前記情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記情報を表示する表示手段とを備え、
前記情報検索サーバは、
前記方位取得手段により取得された端末方位及び前記加速度取得手段により取得された加速度を取得し、前記端末方位の変化及び前記加速度の変化の少なくともいずれか一方に基づき、前記端末方位及び前記加速度の少なくともいずれか一方の所定以上の変化である端末アクションを判別する端末アクション判別手段と、
前記端末アクション判別手段により端末アクションが判別された場合に、前記位置取得手段により取得された端末位置を取得し、取得した前記端末位置を基準として、前記端末方位又は前記加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する検索エリア設定手段と、
検索対象の前記情報を予め記憶している情報記憶手段と、
前記検索エリア設定手段により設定された前記検索エリアに位置する前記情報を、前記情報記憶手段から検索する情報検索手段と、
前記情報検索手段により検索された前記情報を前記情報検索端末に送信する情報送信手段とを備える
ことを特徴とする情報検索システム。
【請求項17】
位置に対応付けられた情報の検索のための地理的な検索エリアを設定する情報検索端末における検索エリア設定方法であって、
前記情報検索端末の位置である端末位置を取得する位置取得ステップと、
前記情報検索端末の端末方位を取得する方位取得ステップと、
前記情報検索端末の加速度を取得する加速度取得ステップと、
前記方位取得ステップにおいて取得された端末方位の変化及び前記加速度取得ステップにおいて取得された加速度の変化の少なくともいずれか一方に基づき、前記端末方位及び前記加速度の少なくともいずれか一方の所定以上の変化である端末アクションを判別する端末アクション判別ステップと、
前記端末アクション判別ステップにおいて端末アクションが判別された場合に、前記位置取得ステップにおいて取得された端末位置を基準として、前記端末方位又は前記加速度の方向に基づき定められる地理的な領域を検索エリアとして設定する検索エリア設定ステップと、
前記検索エリア設定ステップにおいて設定された前記検索エリアを出力する検索エリア出力ステップと
を有することを特徴とする検索エリア設定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−22405(P2012−22405A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158203(P2010−158203)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】