説明

情報検索装置、有識者検索方法および有識者検索プログラム

【課題】 キーワードに関する知識を有するユーザを特定すること。
【解決手段】 ファイルサーバは、HDDに記憶された文書93Aがアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報をアクセスされた文書に関連付けて記憶する文書管理部67Aと、キーワードを受け付けるキーワード受付部63Aと、受け付けられたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために記憶された文書93Aを検索する文書検索部65Aと、検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、キーワードに関連する関連ユーザを特定する関連ユーザ特定部69Aと、特定された関連ユーザに関するユーザ情報を通知するユーザ情報通知部81Aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報検索装置、有識者検索方法および有識者検索プログラムに関し、特に、キーワードで文書を検索する機能を備えた情報検索装置、その情報検索装置で実行される有識者検索方法および有識者検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書を作成する際に、これまでに蓄積された文書を参考にしながら作成したり、知識を有する人から助言等を得て作成したりする。参考とするための文書を蓄積された多くの文書のうちから抽出する技術としては、キーワードを入力してデータベース等を検索する技術が知られているが、検索によって抽出される文書の数が多い場合には適切な文書を選択する作業が煩わしい。このため、文書の有用性を、アクセス数で判定する技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
一方、作成しようとする文書のテーマ、使用する用語などの知識を有するユーザから助言を得る場合に、そのようなユーザを探す必要がある。特開2008−191894号公報には、ユーザによって操作される複数のクライアント計算機にインターネットを介して接続され、プロセッサ、メモリ及びインターフェースを備えるWEBサーバであって、検索キーワードと、当該検索キーワードを検索したユーザとの対応を示す検索履歴を記憶し、検索キーワードを含む検索要求を、前記クライアント計算機から受信し、前記受信した検索要求から検索キーワードを抽出し、前記検索履歴に基づいて、前記抽出された検索キーワードに対応するユーザを特定し、前記特定されたユーザに関する情報を、同一の検索キーワードを過去に検索したユーザに関する情報として、前記受信した検索要求の送信元であるクライアント計算機に送信することを特徴とするWEBサーバが記載されている。
【0004】
しかしながら、検索結果がすべて成功するとは限らず、また、検索結果が成功したとしてもユーザが検索結果を利用しているとは限らない。このため、従来のWEBサーバは、過去に同じ検索を実行したユーザを特定することはできるが、特定されたユーザがキーワードに関する知識を有する有識者であるとは限らないといった問題がある。
【特許文献1】特開2007−293746号公報
【特許文献2】特開2008−191894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、キーワードに関する知識を有するユーザを特定することが可能な有識者検索装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、キーワードに関する知識を有するユーザを特定することが可能な有識者検索方法を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、キーワードに関する知識を有するユーザを特定することが可能な有識者検索プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、情報検索装置は、記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報をアクセスされた文書に関連付けて記憶するアクセス履歴記憶手段と、キーワードを受け付けるキーワード受付手段と、受け付けられたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために記憶された文書を検索する文書検索手段と、文書検索手段による検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定する関連ユーザ特定手段と、特定された関連ユーザに関するユーザ情報を通知するユーザ情報通知手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体のユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報が文書に関連付けられて記憶され、キーワードが受け付けられると、記憶された文書が検索され、検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、関連ユーザが特定される。キーワードを含む文書に関連付けられたアクセス履歴情報は、アクセスしたユーザのユーザ識別情報を含むので、キーワードを含む文書にアクセスしたユーザを特定することができる。その結果、キーワードに関する知識を有するユーザを特定することが可能な有識者検索装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、関連ユーザ特定手段は、抽出された少なくとも1つの文書それぞれに関連付けられたアクセス履歴情報の数が多い順に1以上を選択する文書選択手段と、選択された1以上の文書それぞれに関連付けられたアクセス履歴情報の数を、該アクセス履歴情報に含まれるユーザ識別情報別に集計し、ユーザ別に集計されたアクセス履歴情報の数をユーザ別アクセス回数に決定するユーザ別アクセス回数集計手段と、決定されたユーザ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する。
【0011】
この局面に従えば、キーワードを含む文書に関連付けられたアクセス履歴情報の数をユーザ識別情報別に集計し、ユーザ別に集計されたアクセス履歴情報の数がユーザ別アクセス回数に決定され、ユーザ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する。このため、キーワードを含む文書にアクセスした回数で、キーワードをよく知るユーザか否かを判断することができる。
【0012】
好ましくは、関連ユーザ特定手段は、複数のユーザを少なくとも1つのグループに分類した分類テーブルを用いて、ユーザ別に算出されたユーザ別アクセス回数をグループごとに集計し、グループ別アクセス回数を算出するグループ集計手段をさらに含み、算出されたグループ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する。
【0013】
この局面に従えば、ユーザ別アクセス回数をグループごとに集計し、グループ別アクセス回数が算出され、グループ別アクセス回数に基づいて関連ユーザが特定される。このため、キーワードを含む文書にアクセスした回数で、グループに属するユーザにキーワードが知られているか否かを判断することができる。
【0014】
好ましくは、文書に対してジョブを実行するジョブ実行手段と、ジョブ実行手段により実行されたジョブの対象となった文書からキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、ジョブ実行手段によるジョブの実行に応じて、ジョブの対象となった文書から抽出されたキーワードと、ジョブの実行を指示した指示者を識別するユーザ識別情報または/およびジョブの対象となった文書の作成者を識別するためのユーザ識別情報とを含むジョブ履歴情報を記憶するジョブ履歴記憶手段と、受け付けられたキーワードを含むジョブ履歴情報を抽出するために記憶されたジョブ履歴情報を検索するジョブ履歴検索手段と、をさらに備え、関連ユーザ特定手段は、抽出された少なくとも1つのジョブ履歴情報の数を、該ジョブ履歴情報に含まれるユーザ識別情報ごとに集計し、ユーザ別に集計されたジョブ履歴情報の数をユーザ別ジョブ実行回数に決定するユーザ別ジョブ実行回数集計手段と、関連ユーザ特定手段は、ユーザ別アクセス回数とユーザ別ジョブ実行回数をユーザごとに加算したユーザ別トータル回数を算出する加算手段と、を含み、加算手段により算出されたユーザ別トータル回数に基づいて関連ユーザを特定する。
【0015】
この局面に従えば、ジョブの実行に応じて、ジョブの対象となった文書から抽出されたキーワードと、ジョブの実行を指示した指示者を識別するユーザ識別情報または/およびジョブの対象となった文書の作成者を識別するためのユーザ識別情報とを含むジョブ履歴情報が記憶され、キーワードが受け付けられると、キーワードを含むジョブ履歴情報が抽出され、抽出されたジョブ履歴情報の数をユーザ識別情報ごとに集計し、ユーザ別に集計されたジョブ履歴情報の数がユーザ別ジョブ実行回数に決定され、ユーザ別アクセス回数とユーザ別ジョブ実行回数をユーザごとに加算したユーザ別トータル回数が算出され、ユーザ別トータル回数に基づいて関連ユーザが特定される。このため、キーワードを含む文書にアクセスした回数と、キーワードを含む文書にジョブを実行させた回数との和で、キーワードをよく知るユーザか否かを判断することができる。
【0016】
好ましくは、関連ユーザ特定手段は、複数のユーザを少なくとも1つのグループに分類した分類テーブルを用いて、ユーザ別に算出されたユーザ別トータル回数をグループごとに集計し、グループ別トータル回数を算出するグループ集計手段をさらに含み、算出されたグループ別トータル回数に基づいて関連ユーザを特定する。
【0017】
この局面に従えば、ユーザ別トータル回数をグループごとに集計し、グループ別トータル回数が算出され、グループ別トータル回数に基づいて関連ユーザが特定される。このため、キーワードを含む文書にアクセスした回数とキーワードを含む文書にジョブを実行させた回数との和で、グループに属するユーザにキーワードが知られているか否かを判断することができる。
【0018】
好ましくは、関連ユーザ特定手段は、抽出された少なくとも1つの文書のうちから関連付けられたアクセス履歴情報の多い順に1以上を選択する文書選択手段と、選択された1以上の文書それぞれの作成者を関連ユーザに特定する。
【0019】
好ましくは、文書検索手段は、ネットワークに接続されたファイルサーバが備える記憶装置または/および自装置が備える記憶装置を検索する。
【0020】
この発明の他の局面によれば、有識者検索方法は、記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報をアクセスされた文書に関連付けて記憶するステップと、キーワードを受け付けるステップと、受け付けられたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために記憶された文書を検索するステップと、検索するステップにおける検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定するステップと、特定された関連ユーザに関するユーザ情報を通知するステップと、を含む。
【0021】
この局面に従えば、キーワードに関する知識を有するユーザを特定することが可能な有識者検索方法を提供することができる。
【0022】
この発明の他の局面によれば、有識者検索プログラムは、記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報をアクセスされた文書に関連付けて記憶するステップと、キーワードを受け付けるステップと、受け付けられたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために記憶された文書を検索するステップと、検索するステップにおける検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定するステップと、特定された関連ユーザに関するユーザ情報を通知するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0023】
この局面に従えば、キーワードに関する知識を有するユーザを特定することが可能な有識者検索プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける有識者検索システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観の一例を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ファイルサーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】、第1の実施の形態におけるファイルサーバが備えるCPUの機能の一例を、HDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図6】ユーザデータの一例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態における関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を、HDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図9】ジョブ履歴情報の一例を示す図である。
【図10】ジョブ実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態における関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を、HDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図13】第3の実施の形態におけるファイルサーバが備えるCPUの機能の一例を、HDD205に記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図14】第3の実施の形態におけるジョブ実行装置側関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施の形態におけるサーバ側関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける有識者検索システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、有識者検索システム1は、それぞれがネットワーク3に接続された画像形成装置としての複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、ファイルサーバ200と、認証サーバ300と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)400〜402と、を含む。なお、図ではネットワーク3に3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、ジョブを実行する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0027】
PC400〜402、ファイルサーバ200および認証サーバ300は、一般的なコンピュータである。認証サーバ300は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bを使用するユーザを認証する処理を実行する。認証サーバ300は、ユーザごとに予め割り当てられ、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と認証情報(例えば、パスワード)とを含む認証用データを記憶しており、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかから、ユーザによりそれに入力されたユーザ識別情報と認証情報とを受信すると、受信されたユーザ識別情報と認証情報とを予め記憶されている認証用データと比較する。認証サーバ300は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかから受信されるユーザ識別情報と認証情報と同じ認証用データが存在すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、存在しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。
【0028】
なお、認証情報としてパスワードを用いる例を示すが、ユーザの指紋、静脈パターン、虹彩等の生体情報を用いて認証するようにしてもよい。この場合、PC400〜402、MFP100,100A,100Bには、生体情報を読み取るための読取装置が接続され、認証サーバ300に記憶される認証用データは、ユーザ識別情報と生体情報とを含む。そして、PC400〜402、MFP100,100A,100Bそれぞれは、読取装置により読み取られた生体情報が入力される。PC400〜402、MFP100,100A,100Bそれぞれは、読取装置から入力される生体情報を認証サーバ300に送信し、認証サーバ300に認証させる。
【0029】
なお、MFP100,100A,100B、ファイルサーバ200、およびPC400〜402それぞれが認証サーバ300を兼ねる場合があり、この場合には認証サーバ300は不要である。
【0030】
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有している場合を例に説明する。
【0031】
図2は、MFPの外観の一例を示す斜視図である。図2を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50と、を含む。
【0032】
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、画像読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ12上に排出する。画像読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部30に出力する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0033】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、外部から受信された画像データ、または、画像読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。
【0034】
後処理部50は、画像が形成された用紙を排紙する。後処理部50は、複数の排紙トレイを有し、画像が形成された用紙をソートして排紙することが可能である。また、後処理部50は、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えており、排紙された用紙にパンチ穴加工、またはステープル加工することが可能である。また、MFP100は、その上面にユーザとのユーザインターフェースとしての操作パネル9を備えている。
【0035】
図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路101と、ファクシミリ部122と、通信制御部123と、を含む。メイン回路101は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50とに接続されている。
【0036】
メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、を含む。
【0037】
CPU111は、RAM112、ROM113、表示部114、操作部115、HDD116およびデータ通信制御部117とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部122、通信制御部123、ADF10、画像読取部20、画像形成部30、給紙部40、後処理部50と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0038】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。
【0039】
データ通信制御部117は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子118と、シリアル通信のためのシリアル通信インターフェース端子119とを有する。データ通信制御部117は、CPU111からの指示に従って、LAN端子118またはシリアル通信インターフェース端子119に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
【0040】
LAN端子118に、ネットワーク3に接続するためのLANケーブルが接続される場合、データ通信制御部117は、LAN端子118を介して接続された他のMFP100A,100B、PC400〜402、ファイルサーバ200および認証サーバ300と通信する。さらに、データ通信制御部117は、インターネットに接続された他のコンピュータと通信する。
【0041】
シリアル通信インターフェース端子119に機器が接続された場合、データ通信制御部117は、シリアル通信インターフェース端子119に接続された機器、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラまたは携帯情報端末との間で通信して画像データを入出力する。また、シリアル通信インターフェース端子119には、フラッシュメモリを内蔵したメモリカード119Aが接続可能である。CPU111は、データ通信制御部117を制御して、メモリカード119AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM112に記憶し、実行する。
【0042】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード119Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD116に記憶する、または、インターネットに接続されたコンピュータがプログラムをHDD116に書込みするようにして、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0043】
通信制御部123は、CPU111をPSTN7に接続するためのモデムである。MFP100には、PSTN7における電話番号が予め割り当てられており、PSTN7に接続されたファクシミリ装置からMFP100に割り当てられた電話番号に発呼があると、通信制御部123がその発呼を検出する。通信制御部123は、発呼を検出すると通話を確立し、ファクシミリ部122に通信させる。
【0044】
ファクシミリ部122は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部122は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶するとともに、画像形成部30でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部30に出力する。これにより、画像形成部30は、ファクシミリ部122により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部122は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0045】
図4は、ファイルサーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、ファイルサーバ200は、それぞれがバス208に接続され、ファイルサーバ200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、ファイルサーバ200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置209と、を含む。
【0046】
外部記憶装置209は、プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)209Aが装着される。CPU201は、外部記憶装置209を介してCD−ROM209Aに記憶されたプログラムをRAM203にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM209Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、HDD205に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ファイルサーバ200が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD205に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0047】
図5は、第1の実施の形態におけるファイルサーバが備えるCPUの機能の一例を、HDD205に記憶されるデータとともに示すブロック図である。図5に示すファイルサーバ200が備えるCPU201の機能は、CPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶された有識者検索プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。
【0048】
図5を参照して、ファイルサーバ200が備えるHDD205は、文書93Aと、ユーザデータ97Aとを記憶する。文書93Aは、PC400〜402がアプリケーションプログラムを実行することにより生成されるアプリケーションデータ、MFP100,100A、100Bが原稿を読み取って得られる画像データを含む。ユーザデータ97Aは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザに関連するユーザ関連情報と、ユーザが所属するグループを識別するためのグループ識別情報と、を含む。ユーザ関連情報は、ユーザに割り当てられた電話番号または/および電子メールアドレス等の連絡先情報を含む。グループ情報は、予め定められた複数のグループのうちで、ユーザが分類されるグループを識別するためのグループ識別情報である。グループは、複数のユーザを分類するために、予め定められた類であり、特に限定されるものではない。ここでは、グループを、ユーザが所属する会社としている。また、グループは、ユーザが有する知識で分類するグループであってもよく、例えば、専門とする知識分野別であってもよい。
【0049】
図6は、ユーザデータの一例を示す図である。図6を参照して、ユーザデータ97は、ユーザレコードを複数含む。ユーザレコードは、1人のユーザに対応する。ユーザレコードは、ユーザ名の項目と、E−mailの項目と、電話番号の項目と、所属の項目と、を含む。ユーザ名の項目は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報が設定される。E−mailの項目は、ユーザの連絡先としてユーザに割り当てられた電子メールアドレスが設定される。電話番号の項目は、ユーザの連絡先としてユーザに割り当てられた電話番号が設定される。所属の項目は、ユーザが属するグループとしてユーザが所属する部署名が設定される。
【0050】
図5に戻って、CPU201は、HDD205に記憶された文書93Aを管理するための文書管理部67Aと、キーワードを受け付けるキーワード受付部63Aと、キーワードを用いて文書93Aを検索する文書検索部65Aと、検索により抽出される少なくとも1つの文書に基づいて関連ユーザを特定する関連ユーザ特定部69Aと、関連ユーザに関するユーザ情報を通知するユーザ情報通知部81Aと、を含む。
【0051】
文書管理部67Aは、HDD205に記憶される文書93Aを管理する。具体的には、文書管理部67Aは、ユーザによるアクセス操作に従って、HDD205に新たな文書を記憶する処理、HDD205に記憶された文書93Aを読み出す処理、HDD205に記憶された文書93Aを変更または削除する処理を実行する。文書管理部67Aは、ネットワークI/F204を介して、PC400〜402を操作するユーザがPC400〜402に入力するアクセス操作、MFP100,100A,100Bを操作するユーザがMFP100,100A,100Bに入力するアクセス操作を受け付ける。アクセス操作は、HDD205に新たな文書を記憶する処理の実行を指示する操作、HDD205に記憶されている文書93Aを読み出し、変更または削除する処理の実行を指示する操作を含む。文書管理部67Aが、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかから受信するアクセス操作は、アクセス操作を識別するための操作識別情報と、アクセス操作を入力したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、アクセス操作に基づく処理の対象となるHDD205に記憶された文書93Aを識別するための文書識別情報とを含む。
【0052】
例えば、PC400にログインしたユーザが、PC400に、HDD205に記憶されている文書93Aを閲覧する操作を入力すれば、PC400は、ファイルサーバ200に文書93Aを閲覧することを示すアクセス操作を送信するので、ファイルサーバ200は、ネットワークI/F204でPC400が送信するアクセス操作を受信する。文書管理部67Aは、ネットワークI/F204からアクセス操作を受け付ける。この場合、PC400から受信するアクセス操作は、文書93Aの文書識別情報と、その文書93Aを閲覧する処理を指示する操作であることを示す操作識別情報と、PC400にログインしたユーザのユーザ識別情報と、を含む。また、MFP100にログインしたユーザが、MFP100に、HDD205に記憶されている文書93Aをプリントする操作を入力すれば、MFP100は、ファイルサーバ200に文書93Aをプリントするアクセス操作を送信するので、ファイルサーバ200は、ネットワークI/F204でMFP100が送信するアクセス操作を受信する。文書管理部67Aは、ネットワークI/F204からアクセス操作を受け付ける。この場合、MFP100から受信するアクセス操作は、文書93Aの文書識別情報と、その文書93Aをプリントする処理を指示する操作であることを示す操作識別情報と、MFP100にログインしたユーザのユーザ識別情報と、を含む。
【0053】
文書管理部67Aは、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかからアクセス操作を受信すると、受信されたアクセス操作に対応する処理を実行する。文書管理部67Aは、受信されたアクセス操作に対応する処理を実行すると、処理を実行した履歴を示すアクセス履歴情報を生成し、HDD205に記憶する。これにより、HDD205にアクセス履歴情報95Aが記憶される。アクセス履歴情報は、アクセス操作を識別するための操作識別情報と、アクセス操作を入力したユーザのユーザ識別情報と、アクセス操作に基づく処理の対象となった文書93Aの文書識別情報と、を少なくとも含む。
【0054】
キーワード受付部63Aは、ユーザが入力するキーワードを受け付ける。ユーザが操作部207にキーワードを入力する場合、操作部207からキーワードを受け付ける。また、ファイルサーバ200は、PC400〜402、またはMFP100,100A,100Bによって遠隔操作される場合、例えば、ユーザがPC400にキーワードを入力すれば、PC400は、入力されたキーワードをファイルサーバ200に送信するので、ネットワークI/F204がPC400からキーワードを受信する。この場合、キーワード受付部63Aは、ネットワークI/F204からキーワードを受け付ける。キーワード受付部63Aは、受け付けられたキーワードを文書検索部65Aに出力する。
【0055】
文書検索部65Aは、キーワードが入力されると、入力されたキーワードでHDD205に記憶されている文書93Aを検索し、HDD205に記憶されている文書93Aのうちからキーワードを含む文書93Aを抽出する。文書検索部65Aは、抽出された文書93Aを、関連ユーザ特定部69Aに出力する。
【0056】
関連ユーザ特定部69Aは、文書選択部73Aと、ユーザ別アクセス回数集計部75Aと、グループ集計部79Aと、を含む。文書選択部73Aは、文書検索部65Aから少なくとも1つの文書93Aが入力される場合、入力される少なくとも1つの文書93Aのうちから、アクセス数の多い順に少なくとも1つを選択文書として選択する。
【0057】
具体的には、文書選択部73Aは、まず、HDD205に記憶されているアクセス履歴情報95Aのうちから、文書検索部65Aから入力される少なくとも1つの文書93Aそれぞれに対応するアクセス履歴情報95Aのすべてを抽出する。例えば、文書検索部65Aから文書識別情報「文書A」と「文書B」の2つの文書93Aが入力される場合、文書識別情報「文書A」の文書93Aに対して、文書識別情報「文書A」を含むアクセス履歴情報のすべてを抽出し、文書識別情報「文書B」の文書93Aに対して、文書識別情報「文書B」を含むアクセス履歴情報のすべてを抽出する。次ぎに、文書選択部73Aは、文書検索部65AからN個以上の文書93Aが入力される場合、アクセス履歴情報の数が多い順に上位N個を選択文書として選択する。ここでNは、予め定められたしきい値であり、ユーザが、ファイルサーバ200に予め入力することにより設定される。そして、文書選択部73Aは、選択された最大でN個の選択文書のすべてをユーザ別アクセス回数集計部75Aに出力する。
【0058】
ユーザ別アクセス回数集計部75Aは、文書選択部73Aから入力される最大でN個の選択文書それぞれに対応するアクセス履歴情報のすべてを対象として、アクセス履歴情報の数をユーザ別に集計し、ユーザ別アクセス回数を算出する。ユーザ別アクセス回数は、ユーザ識別情報ごとのアクセス回数である。アクセス履歴情報は、ユーザ識別情報を含むので、アクセス履歴情報を同じユーザ識別情報を含むユーザに分類し、ユーザ識別情報ごとにアクセス履歴情報の数をカウントすることによってユーザ別アクセス回数を算出する。ユーザ別アクセス回数集計部75Aは、出力設定がユーザ別設定に設定されているか、または、グループ別設定に設定されているかを判断する。出力設定は、ユーザ別設定とグループ別設定とのいずれかに予め設定される設定値であり、ユーザが、ファイルサーバ200に予め入力することにより設定される。
【0059】
ユーザ別アクセス回数集計部75Aは、出力設定がユーザ別設定に設定されている場合、ユーザ別アクセス回数をアクセス回数が多い順に並び換え、アクセス回数が多い順に優先順位を付けたユーザ識別情報をユーザ情報通知部81Aに出力する。また、ユーザ別アクセス回数集計部75Aは、ユーザ識別情報の数がM個以上の場合、ユーザ識別情報をユーザ別アクセス回数が多い順に並び換え、ユーザ別アクセス回数が多い順に上位M個のユーザ識別情報をユーザ情報通知部81Aに出力する。ここでMは、予め定められたしきい値であり、ユーザが、ファイルサーバ200に予め入力することにより設定される。
【0060】
ユーザ別アクセス回数集計部75Aは、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、ユーザ別アクセス回数を、グループ集計部79Aに出力する。グループ集計部79Aは、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、ユーザ別アクセス回数集計部75Aから入力されるユーザ別アクセス回数のすべてを対象として、ユーザ別アクセス回数をグループ別に集計し、グループ別アクセス回数を算出する。グループ別アクセス回数は、グループ別のアクセス回数である。グループ集計部79Aは、ユーザデータ97Aを参照して、ユーザ識別情報のユーザが分類されているグループのグループ識別情報を特定する。そして、グループ識別情報が同じユーザ識別情報を同じグループに分類し、グループ別アクセス回数を算出する。グループ集計部79Aは、グループ別アクセス回数が最大のグループを特定し、特定されたグループのグループ識別情報を、ユーザ情報通知部81Aに出力する。
【0061】
ユーザ情報通知部81Aは、出力設定がユーザ別設定に設定されている場合、関連ユーザ特定部69Aから最大でM個のユーザ識別情報が入力され、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、関連ユーザ特定部69Aから1つのグループ識別情報が入力される。
【0062】
ユーザ情報通知部81Aは、出力設定がユーザ別設定に設定されている場合、関連ユーザ特定部69Aから入力される最大でM個のユーザ識別情報それぞれの連絡先情報を、ユーザデータ97Aを参照して取得し、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を出力する。ユーザ情報通知部81Aは、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、関連ユーザ特定部69Aから入力される1つのグループ識別情報で特定されるグループに分類されたすべてのユーザそれぞれの連絡先情報を、ユーザデータ97Aを参照して取得し、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を出力する。
【0063】
ユーザ情報通知部81Aは、キーワード受付部63Aによってキーワードが操作部207から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を表示部206に表示する。ユーザ情報通知部81Aは、キーワード受付部63AによってキーワードがネットワークI/F204から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を、ネットワークI/F204を介して、キーワードを送信してきた装置に送信する。
【0064】
図7は、第1の実施の形態における関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示す関連ユーザ検索処理はファイルサーバ200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶された有識者検索プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0065】
図7を参照して、キーワードを受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。ユーザが入力するキーワードを受け付ける。ユーザが操作部207にキーワードを入力する場合、操作部207からキーワードを受け付け、ネットワークI/F204がPC400〜402またはMFP100,100A,100Bのいずれかからキーワードを受信すると、ネットワークI/F204からキーワードを受け付ける。キーワードを受け付けるまで待機状態となり(ステップS101でNO)、キーワードを受け付けると(ステップS101でYES)、処理をステップS102に進める。
【0066】
ステップS102においては、受け付けられたキーワードでHDD205に記憶されている文書93Aを検索する。HDD205に記憶されている文書93Aのうちからキーワードを含む文書93Aを抽出する。そして、HDD205に記憶されているアクセス履歴情報95Aのうちから、ステップS102において抽出された少なくとも1つの文書93Aそれぞれに対応するアクセス履歴情報95Aのすべてを抽出する(ステップS103)。そして、ステップS102において抽出された少なくとも1つの文書93Aを、アクセス回数が多い順に並べ替える(ステップS104)。アクセス回数は、ステップS103において、文書に対して抽出されたアクセス履歴情報95Aの数である。
【0067】
次のステップS105においては、抽出された少なくとも1つの文書93Aのうちからアクセス回数が多い順に上位N個を選択文書として選択する。ここでNは、予め定められたしきい値である。抽出された少なくとも1つの文書93AがN個以下ならば、抽出された少なくとも1つの文書93Aのすべてを選択文書として選択する。
【0068】
次のステップS106においては、最大でN個の選択文書それぞれに対応するアクセス履歴情報のすべてを対象として、アクセス履歴情報の数をユーザ別に集計することによりユーザ別アクセス回数を算出する。ユーザ別アクセス回数は、ユーザ識別情報ごとのアクセス回数である。アクセス履歴情報は、ユーザ識別情報を含むので、アクセス履歴情報を同じユーザ識別情報を含むユーザに分類し、ユーザ識別情報ごとにアクセス履歴情報の数をカウントすることによってユーザ別アクセス回数を算出する。
【0069】
次のステップS107においては、出力設定の設定状態によって処理を分岐させる。出力設定がユーザ別設定に設定されているならば処理をステップS108に進め、出力設定がグループ別設定に設定されているならば処理をステップS112に進める。ステップS108においては、ステップS106において算出されたユーザ別アクセス回数が多い順にユーザ識別情報を並び換える。そして、ユーザ別アクセス回数が多い順に上位M個のユーザ識別情報を選択する(ステップS109)。そして、選択されたユーザ識別情報のユーザを関連ユーザに設定する(ステップS110)。最大でM人のユーザが関連ユーザに設定される。
【0070】
さらに、関連ユーザのユーザ識別情報を含むユーザデータ97AをHDD205から読み出し(ステップS111)、処理をステップS116に進める。ステップS116においては、関連ユーザの連絡先情報を、ステップS111において読み出されたユーザデータ97Aから取得する。そして、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を出力し(ステップS117)、処理を終了する。ステップS101においてキーワードが操作部207から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を表示部206に表示し、キーワードがネットワークI/F204から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を、ネットワークI/F204を介して、キーワードを送信してきた装置に送信し、処理を終了する。
【0071】
一方、ステップS112においては、ユーザデータ97AをHDD205から読み出す。読み出されたユーザデータ97Aを参照して、ユーザ識別情報のユーザが分類されているグループのグループ識別情報を特定する。
【0072】
そして、次のステップS113においては、ユーザ別アクセス回数のすべてを対象として、グループ別に集計し、グループ別アクセス回数を算出する。グループ識別情報が同じユーザ識別情報を同じグループに分類し、グループ別アクセス回数を算出する。次のステップS114においては、グループ別アクセス回数が最大のグループを選択グループに選択する。次のステップS115においては、選択グループに選択されたグループに分類されたすべてのユーザを関連ユーザに設定し、処理をステップS116に進める。
【0073】
ステップS116においては、処理がステップS115から進む場合、ステップS112においてHDD205から読み出されたユーザデータ97Aを参照して、関連ユーザの連絡先情報を取得する。そして、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を出力し、処理を終了する(ステップS117)。ステップS101においてキーワードが操作部207から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を表示部206に表示し、キーワードがネットワークI/F204から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を、ネットワークI/F204を介して、キーワードを送信してきた装置に送信し、処理を終了する。
【0074】
以上説明したように第1の実施の形態における有識者検索システム1において、ファイルサーバ200は、有識者検索装置として機能し、文書93Aがアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報95Aをアクセスされた文書に関連付けてHDD205に記憶し、キーワードを受け付けると、HDD205に記憶された文書93Aを検索し、検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、キーワードに関連する関連ユーザを特定し、関連ユーザの連絡先を含むユーザ情報を出力する。
【0075】
HDD205に記憶された文書93Aを検索することにより抽出される文書はキーワードを含む。また、抽出される文書に関連付けられたアクセス履歴情報は、アクセスしたユーザのユーザ識別情報を含むので、キーワードを含む文書にアクセスしたユーザを特定することができる。
【0076】
さらに、出力設定がユーザ別設定に設定されている場合、HDD205に記憶された文書93Aを検索することにより抽出される文書に関連付けられたアクセス履歴情報の数が多い順に選択文書が選択され、選択文書それぞれに関連付けられたアクセス履歴情報の数をユーザ別に集計し、集計されたアクセス履歴情報の数をユーザ別アクセス回数に決定し、ユーザ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する。このため、キーワードを含む文書にアクセスした回数で、キーワードをよく知るユーザか否かを判断することができる。
【0077】
さらに、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、ユーザ別アクセス回数をグループごとに集計し、グループ別アクセス回数を算出し、グループ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する。このため、キーワードを含む文書にアクセスした回数で、グループに属するユーザにキーワードが知られているか否かを判断することができる。
【0078】
なお、本実施の形態においては、ファイルサーバ200が、自装置のHDD205に記憶された文書93Aを検索するようにしたが、MFP100が有するHDD116に記憶された文書を検索するようにしてもよい。この場合には、MFP100にもHDD116に記憶された文書へのアクセスを管理し、アクセス履歴をHDD116に記憶する機能を持たせるようにすればよい。
【0079】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態における有識者検索システム1においては、ファイルサーバ200に記憶された文書93Aの閲覧、変更、削除等の処理の履歴を示すアクセス履歴情報に基づいて、有識者を決定するようにした。換言すれば、文書にアクセスした回数の多い人、または多いグループに属する人を有識者に決定する。
【0080】
第2の実施の形態における有識者検索システム1Aにおいては、アクセス回数に、文書に対して実行したジョブの回数を加えて、有識者を判断するようにしたものである。換言すれば、文書に処理を施した回数の多い人、または多いグループに属する人を有識者に決定する。
【0081】
第2の実施の形態における有識者検索システム1Aの全体概要は、図1に示したのと同じである。第2の実施の形態におけるMFP100,100A,100Bの外観およびハードウエア構成は、図2および図3にそれぞれ示したのと同じである。また、ファイルサーバ200のハードウエア構成は、図4に示したのと同じである。MFP100,100A,100Bのハードウエア構成および機能は同じなので、ここではMFP100を例に説明する。
【0082】
図8は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を、HDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図8に示すMFP100が備えるCPU111の機能は、CPU111がROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶された有識者検索プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
【0083】
図8を参照して、MFP100が備えるHDD116は、文書93と、ユーザデータ97とを記憶する。文書93は、PC400〜402がアプリケーションプログラムを実行することにより生成されるアプリケーションデータ、MFP100,100A、100Bが原稿を読み取って得られる画像データを含む。ユーザデータ97は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザに関連するユーザ関連情報と、ユーザが所属するグループを識別するためのグループ識別情報と、を含む。ユーザ関連情報は、ユーザに割り当てられた電話番号、電子メールアドレス等の連絡先情報を含む。さらに、グループ情報は、予め定められた複数のグループのうちで、ユーザが分類されるグループを識別するためのグループ識別情報である。グループは、複数のユーザを分類するために、予め定められた類であり、特に限定されるものではない。ここでは、グループを、ユーザが所属する会社としている。また、グループは、ユーザが有する知識で分類するグループであってもよく、例えば、専門とする知識分野別であってもよい。
【0084】
CPU111は、MFP100を操作するユーザを認証する認証部51と、ジョブを受け付けるジョブ受付部53と、ジョブを実行するジョブ実行部55と、キーワードを抽出するキーワード抽出部57と、ジョブ履歴情報を生成するジョブ履歴情報生成部59と、ジョブ履歴検索部61と、キーワードを受け付けるキーワード受付部63と、キーワードを用いて文書93を検索する文書検索部65と、検索により抽出される少なくとも1つの文書に基づいて関連ユーザを特定する関連ユーザ特定部69と、関連ユーザに関するユーザ情報を通知するユーザ情報通知部81と、を含む。
【0085】
認証部51は、MFP100を操作するユーザを認証する。具体的には、認証部51は、ログイン画面を表示部114に表示する。ログイン画面は、ユーザ識別情報を入力する領域と、パスワードなどの認証情報を入力する領域とを含む。ユーザが操作部115にユーザ識別情報とパスワードとを入力すると、操作部115からユーザ識別情報とパスワードとを受け付け、受け付けたユーザ識別情報とパスワードとをデータ通信制御部117を介して認証サーバ300に送信し、認証サーバ300に認証させる。認証サーバ300は、ユーザ識別情報とパスワードとを受信すると、そのユーザ識別情報とパスワードとを予め記憶されている認証用データと比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。ここで、認証用データは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報とパスワードとを含む。
【0086】
認証部51は、データ通信制御部117が認証サーバ300から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。認証部51は、認証結果が認証成功を示す場合、ジョブ受付部53およびジョブ履歴情報生成部59に、ログインユーザのユーザ識別情報を出力するが、認証結果が認証失敗を示す場合、エラーメッセージを表示部114に表示する。認証部51により認証成功を示す認証結果が受信された場合、その後に操作部115に入力される操作は、認証されてログインが許可されたユーザによる操作として受け付けられる。
【0087】
ジョブ受付部53は、入力されるジョブを受け付け、受け付けられたジョブをジョブ実行部55に出力する。ジョブは、MFP100が有する機能をMFP100に実行させるための指令であり、例えば、プリント機能を実行させるためのプリントジョブ、ファクシミリ送受信機能を実行させるためのファクシミリ送受信ジョブ、原稿を読み取り画像データを記憶または送信させるスキャンジョブ、原稿を読み取り画像データをプリントさせるコピージョブを含む。また、ジョブは、と、そのジョブの実行を指示したユーザのユーザ識別情報を含む。
【0088】
ジョブ受付部53は、データ通信制御部117が外部からプリントデータとユーザ識別情報との組を受信すると、受信されたプリントデータとユーザ識別情報との組をプリントジョブとして受け付け、プリントジョブをジョブ実行部55に出力する。データ通信制御部117は、例えば、ネットワークで接続されたパーソナルコンピュータからプリントデータを受信する。
【0089】
また、ジョブ受付部53は、認証部51からユーザ識別情報が入力された後、ログインユーザが操作部115にジョブの実行を指示するジョブ実行指示操作を入力すると、ジョブを受け付け、認証部51から入力されるユーザ識別情報を含み、ジョブ実行指示操作により特定されるジョブをジョブ実行部55に出力する。ジョブ実行指示操作により特定されるジョブは、HDD116に記憶されている文書93をプリントするプリントジョブ、画像読取部20が原稿を読み取って出力する画像データをHDD116に文書93として記憶するスキャンジョブ、画像読取部20が原稿を読み取って出力する画像データをファクシミリ送信するファクシミリ送信ジョブ、画像読取部20が原稿を読み取って出力する画像データを画像形成部30にプリントさせるコピージョブ、画像読取部20が原稿を読み取って出力する画像データまたはHDD93に記憶されている文書93を電子メールで送信する送信ジョブを、含む。
【0090】
文書管理部67は、HDD116に記憶される文書93を管理する。具体的には、文書管理部67は、ユーザによるアクセス操作に従って、HDD116に新たな文書を記憶する処理、HDD116に記憶された文書93を読み出しする処理、HDD116に記憶された文書93を変更および削除する処理を実行する。文書管理部67は、ネットワークI/F204を介して、PC400〜402を操作するユーザがPC400〜402に入力するアクセス操作を受け付ける。アクセス操作は、HDD116に新たな文書を記憶する処理の実行を指示する操作、HDD116に記憶されている文書93を読み出し、変更、削除する処理の実行を指示する操作を含む。文書管理部67が、PC400〜402のいずれかから受信するアクセス操作は、アクセス操作を識別するための操作識別情報と、アクセス操作を入力したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、アクセス操作に基づく処理の対象となるHDD116に記憶された文書93を識別するための文書識別情報とを含む。
【0091】
例えば、PC400にログインしたユーザが、PC400に、HDD116に記憶されている文書93を閲覧する操作を入力すれば、PC400は、MFP100に文書93を閲覧することを示すアクセス操作を送信するので、MFP100は、データ通信制御部117でPC400が送信するアクセス操作を受信する。文書管理部67は、データ通信制御部117からアクセス操作を受け付ける。この場合、PC400から受信するアクセス操作は、文書93の文書識別情報と、その文書93を閲覧する処理を指示する操作であることを示す操作識別情報と、PC400にログインしたユーザのユーザ識別情報と、を含む。
【0092】
文書管理部67は、PC400〜402のいずれかからアクセス操作を受信すると、受信されたアクセス操作に対応する処理を実行する。文書管理部67は、受信されたアクセス操作に対応する処理を実行すると、処理を実行した履歴を示すアクセス履歴情報を生成し、HDD116に記憶する。これにより、HDD116にアクセス履歴情報95が記憶される。アクセス履歴情報は、アクセス操作を識別するための操作識別情報と、アクセス操作を入力したユーザのユーザ識別情報と、アクセス操作に基づく処理の対象となった文書93の文書識別情報と、を少なくとも含む。
【0093】
ジョブ実行部55は、ジョブ受付部53からジョブが入力されると、ジョブを実行する。ジョブ実行部55は、ジョブを実行する際の対象となる文書が、HDD116に記憶されている文書93の場合、文書管理部67に文書の読出しを依頼し、文書管理部67からジョブ実行の対象となる文書93を取得し、取得された文書93に対してジョブを実行する。ジョブ実行部55は、スキャンジョブまたはコピージョブを実行する場合、画像読取部20が原稿を読み取って出力する画像データを処理対象となる文書とする。ジョブ実行部55は、プリントジョブを実行する場合、データ通信制御部117が外部から受信されるプリントデータを処理対象となる文書とする。ジョブ実行部55は、ジョブ実行の処理対象となった文書をキーワード抽出部57に出力し、ジョブの実行が終了すると、実行したジョブの種類を識別するためのジョブ識別情報をジョブ履歴情報生成部59に出力する。
【0094】
キーワード抽出部57は、ジョブ実行部55から文書が入力されると、入力される文書に含まれる文字列のうちから予め定められた規則に適合する文字列をキーワードとして抽出する。抽出するキーワードは、予め定められた基準で抽出される。予め定められた基準は、例えば、名詞ならばすべて抽出してもよいし、予め登録された名詞のみを抽出するようにしてもよい。また、文字数で制限してもよい。キーワード抽出部57は、文書が画像の場合、OCR(Optical Character Reader)処理を実行してキーワードを抽出する。キーワード抽出部57は、抽出されたキーワードをジョブ履歴情報生成部59に出力する。キーワード抽出部57は、複数のキーワードを抽出する場合は、複数のキーワードのすべてをジョブ履歴情報生成部59に出力する。
【0095】
ジョブ履歴情報生成部59は、認証部51からユーザ識別情報が入力され、ジョブ実行部55からジョブ識別情報が入力され、キーワード抽出部57からキーワードが入力される。ジョブ履歴情報生成部59は、ジョブ実行部55からジョブ識別情報が入力されると、そのジョブ識別情報と、ユーザ識別情報と、キーワードとを含むジョブ履歴情報を生成し、HDD116に記憶する。これにより、HDD116にジョブ履歴情報91が記憶される。
【0096】
図9は、ジョブ履歴情報の一例を示す図である。図9を参照して、ジョブ履歴情報は、ジョブの種類の項目と、日時の項目と、文書名の項目と、ユーザ名/作成者名の項目と、キーワードの項目と、を含む。ジョブの種類の項目は、ジョブの種類を識別するためのジョブ識別情報が設定される。文書名の項目は、ジョブ実行の対象となった文書の文書識別情報が設定される。ユーザ名/作成者の項目は、ジョブの実行を指示したログインユーザのユーザ識別情報と、ジョブ実行の対象となった文書の作成者のユーザ識別情報とが設定される。図では、1つの項目の上段にジョブの実行を指示したログインユーザのユーザ識別情報を示し、下段にジョブ実行の対象となった文書の作成者のユーザ識別情報を示している。また、1つの項目に1つのユーザ識別情報が設定されている場合は、ジョブの実行を指示したログインユーザとジョブ実行の対象となった文書の作成者とが同一であることを示している。
【0097】
図8に戻って、キーワード受付部63は、ユーザが入力するキーワードを受け付ける。ユーザが操作部115にキーワードを入力する場合、操作部115からキーワードを受け付ける。また、MFP100がPC400〜402によって遠隔操作される場合、例えば、ユーザがPC400にキーワードを入力すれば、PC400は、入力されたキーワードをMFP100に送信するので、データ通信制御部117がPC400からキーワードを受信する。この場合には、データ通信制御部117からキーワードを受け付ける。キーワード受付部63は、受け付けられたキーワードをジョブ履歴検索部61および文書検索部65に出力する。
【0098】
ジョブ履歴検索部61は、キーワード受付部63からキーワードが入力されると、入力されたキーワードでHDD116に記憶されているジョブ履歴情報91を検索し、HDD116に記憶されているジョブ履歴情報91のうちからキーワードを含むジョブ履歴情報91を抽出する。HDD116に記憶されているジョブ履歴情報91であって、キーワードの項目にキーワード受付部63から入力されるキーワードと同じキーワードが設定されているジョブ履歴情報91を抽出する。ジョブ履歴検索部61は、抽出されたジョブ履歴情報91を、関連ユーザ特定部69に出力する。
【0099】
文書検索部65は、キーワードが入力されると、入力されたキーワードでHDD116に記憶されている文書93を検索し、HDD116に記憶されている文書93のうちからキーワードを含む文書93を抽出する。文書検索部65は、抽出された文書93を、関連ユーザ特定部69に出力する。
【0100】
関連ユーザ特定部69は、ユーザ別実行回数集計部71と、文書選択部73と、ユーザ別アクセス回数集計部75と、加算部77と、グループ集計部79と、を含む。ユーザ別実行回数集計部71は、ジョブ履歴検索部61から入力されるジョブ履歴情報のすべてを対象として、ジョブ履歴情報の数をユーザ別に集計することによってユーザ別ジョブ実行回数を算出する。ユーザ別ジョブ実行回数は、同じユーザ識別情報を含むジョブ履歴情報の数であり、ジョブの実行を指示した回数を示す。ジョブ履歴情報は、ユーザ識別情報を含むので、同じユーザ識別情報を含むジョブ履歴情報を同じユーザに分類し、ユーザ識別情報ごとにジョブ履歴情報の数をカウントすることによってユーザ別ジョブ実行回数を算出する。ユーザ別実行回数集計部71は、ユーザ別ジョブ実行回数を加算部77に出力する。
【0101】
文書選択部73は、文書検索部65から少なくとも1つの文書93が入力される場合、入力される少なくとも1つの文書93のうちから、アクセス数の多い順に少なくとも1つを選択文書として選択する。具体的には、文書選択部73は、まず、HDD116に記憶されているアクセス履歴情報95のうちから、文書検索部65から入力される少なくとも1つの文書93それぞれに対応するアクセス履歴情報95のすべてを抽出する。例えば、文書検索部65から文書識別情報「文書A」と「文書B」の2つの文書93が入力される場合、文書識別情報「文書A」の文書93に対して、文書識別情報「文書A」を含むアクセス履歴情報のすべてを抽出し、文書識別情報「文書B」の文書93に対して、文書識別情報「文書B」を含むアクセス履歴情報のすべてを抽出する。次ぎに、文書選択部73は、文書検索部65からN個以上の文書93が入力される場合、アクセス履歴情報の数が多い順に上位N個を選択文書として選択する。ここでNは、予め定められたしきい値であり、ユーザが、MFP100に予め入力することにより設定される。そして、文書選択部73は、選択された最大でN個の選択文書のすべてをユーザ別アクセス回数集計部75に出力する。
【0102】
ユーザ別アクセス回数集計部75は、文書選択部73から入力される最大でN個の選択文書それぞれに対応するアクセス履歴情報のすべてを対象として、アクセス履歴情報の数をユーザ別に集計し、ユーザ別アクセス回数を算出する。ユーザ別アクセス回数は、ユーザ識別情報ごとのアクセス回数である。アクセス履歴情報は、ユーザ識別情報を含むので、アクセス履歴情報を同じユーザ識別情報を含むユーザに分類し、ユーザ識別情報ごとにアクセス履歴情報の数をカウントすることによってユーザ別アクセス回数を算出する。ユーザ別アクセス回数集計部75は、ユーザ別アクセス回数を加算部77に出力する。
【0103】
加算部77は、ユーザ別アクセス回数集計部75からユーザ別アクセス回数が入力されユーザ別実行回数集計部71からユーザ別ジョブ実行回数が入力される。加算部77は、ユーザごとにアクセス回数とジョブ実行回数とを加算したトータル回数を算出することにより、ユーザ別トータル回数を算出する。ユーザ別トータル回数は、ユーザ別アクセス回数とユーザ別ジョブ実行回数との和である。
【0104】
加算部77は、出力設定がユーザ別設定に設定されているか、または、グループ別設定に設定されているかを判断する。出力設定は、ユーザ別設定とグループ別設定とのいずれかに予め設定される設定値であり、ユーザが、MFP100に予め入力することにより設定される。加算部77は、出力設定がユーザ別設定に設定されている場合、ユーザ別トータル回数が多い順にユーザ識別情報を並び換え、ユーザ別トータル回数が多い順に優先順位を付けたユーザ識別情報をユーザ情報通知部81に出力する。また、ユーザ別アクセス回数集計部75は、ユーザ別トータル回数の数がM個以上の場合、ユーザ識別情報をユーザ別トータル回数が多い順に並び換え、ユーザ別トータル回数が多い順に上位M個のユーザ識別情報をユーザ情報通知部81に出力する。ここでMは、予め定められたしきい値であり、ユーザが、MFP100に予め入力することにより設定される。
【0105】
加算部77は、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、ユーザ別トータル回数を、グループ集計部79に出力する。グループ集計部79は、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、加算部77から入力されるユーザ別トータル回数のすべてを対象として、ユーザ別トータル回数をグループ別に集計し、グループ別トータル回数を算出する。グループ別トータル回数は、グループ別のユーザ別トータル回数の和である。グループ集計部79は、ユーザデータ97を参照して、ユーザ識別情報のユーザが分類されているグループのグループ識別情報を特定する。そして、グループ識別情報が同じユーザ識別情報を同じグループに分類し、グループ別トータル回数を算出する。グループ集計部79は、グループ別トータル回数が最大のグループを特定し、特定されたグループのグループ識別情報を、ユーザ情報通知部81に出力する。
【0106】
ユーザ情報通知部81は、出力設定がユーザ別設定に設定されている場合、関連ユーザ特定部69から最大でM個のユーザ識別情報が入力され、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、関連ユーザ特定部69から1つのグループ識別情報が入力される。ユーザ情報通知部81は、出力設定がユーザ別設定に設定されている場合、関連ユーザ特定部69から入力される最大でM個のユーザ識別情報それぞれの連絡先情報を、ユーザデータ97を参照して取得し、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を出力する。ユーザ情報通知部81は、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、関連ユーザ特定部69から入力される1つのグループ識別情報で特定されるグループに分類されたユーザそれぞれの連絡先情報を、ユーザデータ97を参照して取得し、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を出力する。
【0107】
ユーザ情報通知部81は、キーワード受付部63によってキーワードが操作部207から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を表示部206に表示する。ユーザ情報通知部81は、キーワード受付部63によってキーワードがデータ通信制御部117から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を、データ通信制御部117を介して、キーワードを送信してきた装置に送信する。
【0108】
図10は、ジョブ実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10に示すジョブ実行処理はMFP100が備えるCPU111がROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶されたジョブ実行プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ジョブ実行プログラムは、有識者検索プログラム一部である。
【0109】
図10を参照して、CPU111は、ユーザの認証に成功したか否かを判断する(ステップS01)。MFP100Bを操作するユーザから、ユーザ識別情報とパスワードとの入力を受け付け、認証サーバ300に、認証を依頼し、認証サーバ300から認証成功を示す認証結果を受信したならば認証に成功したと判断する。ユーザの認証に成功したならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。ステップS09においては、ジョブを受信したか否かを判断する。データ通信制御部117が、PC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザ識別情報との組を受信したならばジョブを受信したと判断する。ジョブを受信したならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。
【0110】
ステップS02においては、ジョブ実行指示を受け付けたか否かを判断する。操作部115にジョブ実行指示操作が入力されたならばジョブ実行指示を受け付ける。ジョブ実行指示を受け付けたならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS08に進める。ジョブは、MFP100が有する機能をMFP100に実行させるための指令である。
【0111】
ステップS03においては、ログインユーザを指示ユーザに設定する。そして、ジョブを実行する(ステップS04)。そして、ジョブを実行する際に処理の対象となる文書からキーワードを抽出する(ステップS05)。ジョブを実行する際に処理の対象となる文書は、ステップS02において受け付けられたジョブ実行指示によって定まり、HDD116に記憶されている文書93、画像読取部20が原稿を読み取って出力する画像データ、およびデータ通信制御部がPC400,401,402から受信するプリントデータを含む。ジョブを実行する際に処理の対象となる文書が画像データの場合、画像データをOCR処理し、キーワードを抽出する。
【0112】
次のステップS06においては、ジョブ履歴情報を生成する。そして、生成されたジョブ履歴情報をHDD116に記憶する(ステップS07)。ジョブ履歴情報は、ステップS03において設定された指示ユーザのユーザ識別情報と、ステップS05において抽出されたキーワードと、ステップS04において実行されたジョブの種類を識別するためのジョブ識別情報とを含む。
【0113】
ステップS08においては、ログアウト条件が成立したか否かを判断する。操作部115に予め設けられたキーが押下される場合、または、ユーザが操作部115に操作を入力することなく所定の時間が経過した場合、ログアウト条件が成立したと判断する。ログアウト条件が成立したならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS02に戻す。ステップS15においては、電源がOFFに切り換えられたか否かを判断する。電源がOFFに切り換えられたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
【0114】
一方、ステップS09においてジョブが受信される場合、ステップS10において、指示ユーザを特定する。ステップS09においてプリントデータとともに受信されるユーザ識別情報で識別されるユーザを指示ユーザとして特定する。次のステップS11においては、ステップS09において受信されたジョブを実行する。そして、ジョブを実行する際に処理の対象となる文書からキーワードを抽出する(ステップS12)。ジョブを実行する際に処理の対象となる文書は、ステップS09において受信されたジョブに含まれるプリントデータである。プリントデータが画像データの場合、プリントデータをOCR処理し、キーワードを抽出する。
【0115】
次のステップS13においては、ジョブ履歴情報を生成する。そして、生成されたジョブ履歴情報をHDD116に記憶し(ステップS14)、処理をステップS15に進める。ジョブ履歴情報は、ステップS10において設定された指示ユーザのユーザ識別情報と、ステップS12において抽出されたキーワードと、ステップS11において実行されたジョブの種類、ここではプリントジョブを識別するためのジョブ識別情報とを含む。ステップS15においては、電源がOFFに切り換えられたか否かを判断し、電源がOFFに切り換えられたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
【0116】
図11は、第2の実施の形態における関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示す関連ユーザ検索処理はMFP100が備えるCPU111がROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶された有識者検索プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0117】
図11を参照して、CPU111は、キーワードを受け付けたか否かを判断する(ステップS21)。ユーザが操作部207にキーワードを入力する場合、操作部207からキーワードを受け付け、データ通信制御部117がPC400〜402のいずれかからキーワードを受信する場合、データ通信制御部117からキーワードを受け付ける。キーワードを受け付けるまで待機状態となり(ステップS21でNO)、キーワードを受け付けると(ステップS21でYES)、処理をステップS22に進める。
【0118】
ステップS22においては、受け付けられたキーワードでHDD116に記憶されている文書93を検索する。HDD116に記憶されている文書93のうちからキーワードを含む文書93を抽出する。そして、HDD116に記憶されているアクセス履歴情報95のうちから、ステップS22において抽出された少なくとも1つの文書93それぞれに対応するアクセス履歴情報95のすべてを抽出する(ステップS23)。そして、ステップS22において抽出された少なくとも1つの文書93をアクセス回数が多い順に並べ替える(ステップS24)。アクセス回数は、ステップS23において文書ごとに抽出されたアクセス履歴情報の数である。
【0119】
次のステップS25においては、抽出された少なくとも1つの文書93のうちからアクセス回数が多い順に上位N個を選択文書として選択する。ここでNは、予め定められたしきい値である。抽出された少なくとも1つの文書93がN個以下ならば、抽出された少なくとも1つの文書93のすべてを選択文書として選択する。
【0120】
次のステップS26においては、最大でN個の選択文書それぞれに対応するアクセス履歴情報のすべてを対象として、アクセス履歴情報の数をユーザ別に集計する。アクセス履歴情報は、ユーザ識別情報を含むので、同じユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報を同じグループに分類し、ユーザ識別情報ごとにアクセス履歴情報の数をカウントする。
【0121】
次のステップS27においては、受け付けられたキーワードでHDD116に記憶されているジョブ履歴情報91を検索する。HDD116に記憶されているジョブ履歴情報91のうちからキーワードの項目にステップS21において受け付けられたキーワードと同じキーワードが設定されているジョブ履歴情報91を抽出する。そして抽出された少なくとも1つのジョブ履歴情報91のすべてを対象として、ジョブ履歴情報91の数をユーザ別に集計することによって、ユーザ別ジョブ実行回数を算出する(ステップS28)。ジョブ履歴情報91は、ユーザ識別情報を含むので、同じユーザ識別情報を含むジョブ履歴情報を同じグループに分類し、ユーザ識別情報ごとにジョブ履歴情報の数をカウントする。
【0122】
次のステップS29においては、ステップS26において集計されたユーザ識別情報ごとのアクセス履歴情報の数と、ステップS28において集計されたユーザ識別情報ごとのジョブ履歴情報の数とを、加算することにより、ユーザ識別情報ごとのユーザ別トータル回数を集計する。
【0123】
次のステップS30においては、出力設定の設定状態によって処理を分岐させる。出力設定がユーザ別設定に設定されているならば処理をステップS31に進め、出力設定がグループ別設定に設定されているならば処理をステップS35に進める。ステップS31においては、ステップS29において算出されたユーザ別トータル回数が多い順にユーザ識別情報を並び換える。そして、ユーザ別トータル回数が多い順に上位M個のユーザ識別情報を選択する(ステップS32)。そして、選択されたユーザ識別情報のユーザを関連ユーザに設定する(ステップS33)。最大でM人のユーザが関連ユーザに設定される。
【0124】
さらに、関連ユーザのユーザ識別情報を含むユーザデータ97をHDD116から読み出し(ステップS34)、処理をステップS39に進める。ステップS39においては、関連ユーザの連絡先情報を、ステップS34において読み出されたユーザデータ97から取得する。そして、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を出力し、処理を終了する。ステップS21においてキーワードが操作部115から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を表示部114に表示し、キーワードがデータ通信制御部117から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を、データ通信制御部117を介して、キーワードを送信してきた装置に送信し、処理を終了する。
【0125】
一方、ステップS35においては、ユーザデータ97をHDD116から読み出す。ユーザデータ97を参照して、ユーザ識別情報のユーザが分類されているグループのグループ識別情報を特定する。そして、次のステップS36においては、ステップS29において算出されたユーザ別トータル回数を対象として、ユーザ別トータル回数をグループ別に集計し、グループ別トータル回数を算出する。
【0126】
次のステップS38においては、グループ別トータル回数が最大のグループを選択グループに選択する。次のステップS35においては、選択グループに選択されたグループに分類されたユーザを関連ユーザに設定し、処理をステップS39に進める。
【0127】
ステップS39においては、処理がステップS38から進む場合、関連ユーザの連絡先情報を、ステップS35において読み出されたユーザデータ97から取得する。そして、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を出力し(ステップS40)、処理を終了する。ステップS21においてキーワードが操作部207から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を表示部114に表示し、キーワードがデータ通信制御部117から受け付けられる場合は、ユーザ識別情報と連絡先情報との組を、データ通信制御部117を介して、キーワードを送信してきた装置に送信し、処理を終了する。
【0128】
第2の実施の形態における有識者検索システム1Aにおいて、MFP100は有識者検索装置として機能し、文書93がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報95をアクセスされた文書に関連付けてHDD116に記憶する。さらに、ジョブの実行に応じて、ジョブの対象となった文書から抽出されたキーワードと、ジョブの実行を指示した指示者を識別するユーザ識別情報または/およびジョブの対象となった文書の作成者を識別するためのユーザ識別情報とを含むジョブ履歴情報をHDD116に記憶する。そして、キーワードを受け付けると、HDD116に記憶された文書93を検索することにより抽出される文書に関連付けられたアクセス履歴情報95の数が多い順に選択文書を選択し、選択文書それぞれに関連付けられたアクセス履歴情報95の数をユーザ別に集計し、集計されたアクセス履歴情報の数をユーザ別アクセス回数に決定するとともに、キーワードを含むジョブ履歴情報91を抽出し、抽出されたジョブ履歴情報の数をユーザ識別情報ごとに集計し、ユーザ別に集計されたジョブ履歴情報の数をユーザ別ジョブ実行回数に決定する。さらに、ユーザ別アクセス回数とユーザ別ジョブ実行回数をユーザごとに加算したユーザ別トータル回数を算出し、ユーザ別トータル回数に基づいて関連ユーザを特定する。このため、キーワードを含む文書にアクセスした回数と、キーワードを含む文書にジョブを実行させた回数との和で、キーワードをよく知るユーザか否かを判断することができる。
【0129】
さらに、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、ユーザ別トータル回数をグループごとに集計し、グループ別トータル回数が算出され、グループ別トータル回数に基づいて関連ユーザを特定する。このため、キーワードを含む文書にアクセスした回数とキーワードを含む文書にジョブを実行させた回数との和で、グループに属するユーザにキーワードが知られているか否かを判断することができる。
【0130】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態における有識者検索システム1Bは、ファイルサーバ200においてアクセス回数をカウントし、MFP100,100A,100Bにおいてジョブ実行回数をカウントするようにする点で、第1および第2の実施の形態における有識者検索システム1Aと異なる。
【0131】
第3の実施の形態における有識者検索システム1Bの全体概要は、図1に示したのと同じである。第3の実施の形態におけるMFP100,100A,100Bの外観およびハードウエア構成は、図2および図3にそれぞれ示したのと同じである。また、第3の実施の形態におけるファイルサーバ200のハードウエア構成は、図4に示したのと同じである。MFP100,100A,100Bのハードウエア構成および機能は同じなので、ここではMFP100を例に説明する。
【0132】
図12は、第3の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を、HDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図12に示すMFP100が備えるCPU111の機能は、CPU111がROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶された有識者検索プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
【0133】
図12を参照して、図8に示した機能と異なる点は、文書検索部65、文書管理部67が削除された点、関連ユーザ特定部69が関連ユーザ特定部69Bに変更された点、ユーザ別アクセス回数取得部83が追加された点、である。関連ユーザ特定部69Bは、図8に示した関連ユーザ特定部69と異なり、文書選択部73およびユーザ別アクセス回数集計部75を有しない。その他の機能は、図8に示した機能と同じなので、ここでは異なる点を主に説明する。
【0134】
ユーザ別アクセス回数取得部83は、キーワード受付部63からキーワードが入力される。ユーザ別アクセス回数取得部83は、キーワード受付部63から入力されるキーワードを含む取得要求をファイルサーバ200に送信する。後述するように、取得要求を受信するファイルサーバ200は、ユーザ別アクセス回数を返信する。ユーザ別アクセス回数は、ユーザ識別情報とアクセス回数との組を含む。ユーザ別アクセス回数取得部83は、データ通信制御部117がファイルサーバ200からユーザ別アクセス回数を受信すると、ユーザ別アクセス回数を取得し、関連ユーザ特定部69Bに出力する。
【0135】
関連ユーザ特定部69Bは、ユーザ別実行回数集計部71と、加算部77と、グループ集計部79とを含む。ユーザ別実行回数集計部71は、ジョブ履歴検索部61から入力されるジョブ履歴情報のすべてを対象として、ジョブ履歴情報の数をユーザ別に集計することによってユーザ別ジョブ実行回数を算出する。ユーザ別ジョブ実行回数は、同じユーザ識別情報を含むジョブ履歴情報の数であり、ジョブの実行を指示した回数を示す。ジョブ履歴情報は、ユーザ識別情報を含むので、同じユーザ識別情報を含むジョブ履歴情報を同じグループに分類し、ユーザ識別情報ごとにジョブ履歴情報の数をカウントすることによってユーザ別ジョブ実行回数を算出する。ユーザ別実行回数集計部71は、ユーザ別ジョブ実行回数を加算部77に出力する。
【0136】
加算部77は、ユーザ別アクセス回数取得部83からユーザ別アクセス回数が入力されユーザ別実行回数集計部71からユーザ別ジョブ実行回数が入力される。加算部77は、ユーザごとにアクセス回数とジョブ実行回数とを加算したトータル回数を算出することにより、ユーザ別トータル回数を算出する。ユーザ別トータル回数は、ユーザ別アクセス回数とユーザ別ジョブ実行回数との和である。
【0137】
加算部77は、出力設定がユーザ別設定に設定されているか、または、グループ別設定に設定されているかを判断する。出力設定は、ユーザ別設定とグループ別設定とのいずれかに予め設定される設定値であり、ユーザが、MFP100に予め入力することにより設定される。加算部77は、出力設定がユーザ別設定に設定されている場合、ユーザ別トータル回数が多い順にユーザ識別情報を並び換え、ユーザ別トータル回数が多い順に優先順位を付けたユーザ識別情報をユーザ情報通知部81に出力する。また、ユーザ別アクセス回数集計部75は、ユーザ別トータル回数の数がM個以上の場合、ユーザ識別情報をユーザ別トータル回数が多い順に並び換え、ユーザ別トータル回数が多い順に上位M個のユーザ識別情報をユーザ情報通知部81に出力する。ここでMは、予め定められたしきい値であり、ユーザが、MFP100に予め入力することにより設定される。
【0138】
加算部77は、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、ユーザ別トータル回数を、グループ集計部79に出力する。グループ集計部79は、出力設定がグループ別設定に設定されている場合、加算部77から入力されるユーザ別トータル回数のすべてを対象として、ユーザ別トータル回数をグループ別に集計し、グループ別トータル回数を算出する。グループ別トータル回数は、グループ別のユーザ別トータル回数の和である。グループ集計部79は、ユーザデータ97を参照して、ユーザ識別情報のユーザが分類されているグループのグループ識別情報を特定する。そして、グループ識別情報が同じユーザ識別情報を同じグループに分類し、グループ別トータル回数を算出する。グループ集計部79は、グループ別トータル回数が最大のグループを特定し、特定されたグループのグループ識別情報を、ユーザ情報通知部81に出力する。
【0139】
図13は、第3の実施の形態におけるファイルサーバが備えるCPUの機能の一例を、HDD205に記憶されるデータとともに示すブロック図である。図13に示すファイルサーバ200が備えるCPU201の機能は、CPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶された有識者検索プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。
【0140】
図13を参照して、図5に示した機能と異なる点は、キーワード受付部63Aがキーワード受付部63Bに変更された点、関連ユーザ特定部69Aが関連ユーザ特定部69Cに変更された点、ユーザ情報通知部81Aがユーザ別アクセス回数送信部85Aに変更された点である。その他の機能は図5に示した機能と同じなので、ここでは主に異なる点を説明する。
【0141】
キーワード受付部63Bは、ネットワークI/F204が、MFP100,100A,100Bのいずれかから取得要求を受信すると、取得要求を取得し、取得された取得要求に含まれるキーワードを抽出する。キーワード受付部63Bは、取得要求から抽出されたキーワードを文書検索部65Aに出力する。
【0142】
関連ユーザ特定部69Cは、文書選択部73Aと、ユーザ別アクセス回数集計部75Aと、を含む。ユーザ別アクセス回数集計部75Aは、文書選択部73Aから入力される最大でN個の選択文書それぞれに対応するアクセス履歴情報のすべてを対象として、アクセス履歴情報の数をユーザ別に集計し、ユーザ別アクセス回数を算出する。ユーザ別アクセス回数集計部75Aは、ユーザ別アクセス回数をユーザ別アクセス回数送信部85Aに出力する。
【0143】
ユーザ別アクセス回数送信部85Aは、ユーザ別アクセス回数集計部75Aから入力されるユーザ別アクセス回数を、MFP100,100A,100Bのうち取得要求を送信してきた装置に、ネットワークI/F204を介して送信する。
【0144】
図14は、第3の実施の形態におけるジョブ実行装置側関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。図14に示すジョブ実行装置側関連ユーザ検索処理はMFP100が備えるCPU111がROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶された有識者検索プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0145】
図14を参照して、図11に示した第1の実施の形態における関連ユーザ検索処理と異なる点は、ステップS22〜ステップS26に代えて、ステップS41およびステップS42が実行される点である。図14を参照して、ステップS41においては、取得要求をファイルサーバ200に送信する。ステップS21において受け付けられたキーワードを含む取得要求を、データ通信制御部117を介してファイルサーバに送信する。
【0146】
次のステップS42においては、ファイルサーバからユーザ別アクセス回数を受信し、処理をステップS27に進める。ステップS29においては、ステップS42において受信されたユーザ別アクセス回数と、ステップS28において集計されたユーザ別ジョブ実行回数とを、加算することにより、ユーザ別トータル回数を集計する。
【0147】
図15は、第3の実施の形態におけるサーバ側関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15に示すサーバ側関連ユーザ検索処理は、ファイルサーバ200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶された有識者検索プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0148】
図15を参照して、図7に示した関連ユーザ検索処理と異なる点は、ステップS101がステップS121に変更された点、ステップS107〜ステップS117が削除された点、およびステップS106の後にステップS122が追加された点である。ステップS102〜ステップS106の処理は、図7に示したのと同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0149】
ステップS121においては、取得要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、MFP100,100A,10Bのいずれかから取得要求を受信したか否かにより判断する。取得要求を受信するまで待機状態となり(ステップS121でNO)、取得要求を受信すると(ステップS121でYES)、処理をステップS102に進める。ステップS102においては、ステップS121において受信された取得要求に含まれるキーワードでHDD205に記憶されている文書93Aを検索する。
【0150】
ステップS122においては、ステップS106において集計されたユーザ別アクセス回数を送信する。送信先は、MFP10,100A,100BのうちステップS121において受信された取得要求を送信してきた装置である。
【0151】
第3の実施の形態における有識者検索システム1Bは、第2の実施の形態におけるMFP100が有する機能を、ファイルサーバ200とMFP100とで分担するものであり、第2の実施の形態におけるMFP100と同様の効果を奏することができる。
【0152】
なお、上述した実施の形態においては、有識者検索システム1,1A,1Bについて説明したが、図7に示した処理をファイルサーバ200に実行させる有識者検索方法および有識者検索プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。同様に、図10および図11に示した処理をMFP100,100A,100Bに実行させる有識者検索方法および有識者検索プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。さらに、図14に示した処理をMFP100,100A,100Bに実行させ、図15に示した処理をファイルサーバ200に実行させる有識者検索方法および有識者検索プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0153】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0154】
1,1A,1B 有識者検索システム、3 ネットワーク、9 操作パネル、10 ADF、20 画像読取部、30 画像形成部、40 給紙部、50 後処理部、51 認証部、53 ジョブ受付部、55 ジョブ実行部、57 キーワード抽出部、59 ジョブ履歴情報生成部、61 ジョブ履歴検索部、63,63A,63B キーワード受付部、65,65A 文書検索部、67,67A 文書管理部、69,69A,69B,69C 関連ユーザ特定部、71 ユーザ別実行回数集計部、73,73A 文書選択部、75,75A ユーザ別アクセス回数集計部、77 加算部、79,79A グループ集計部、81,81A ユーザ情報通知部、83 ユーザ別アクセス回数取得部、85A ユーザ別アクセス回数送信部、91 ジョブ履歴情報、93,93A 文書、95,95A アクセス履歴情報、97,97A ユーザデータ、100,100A,100B MFP、101 メイン回路、111 CPU、112 RAM、113 ROM、114 表示部、115 操作部、116 HDD、117 データ通信制御部、119A メモリカード、122 ファクシミリ部、123 通信制御部、200 ファイルサーバ、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ネットワークI/F、205 HDD、206 表示部、207 操作部、208 バス、209 外部記憶装置、209A CD−ROM、300 認証サーバ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報を前記アクセスされた文書に関連付けて記憶するアクセス履歴記憶手段と、
キーワードを受け付けるキーワード受付手段と、
前記受け付けられたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために前記記憶された文書を検索する文書検索手段と、
前記文書検索手段による検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、前記受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定する関連ユーザ特定手段と、
前記特定された関連ユーザに関するユーザ情報を通知するユーザ情報通知手段と、を備えた情報検索装置。
【請求項2】
前記関連ユーザ特定手段は、前記抽出された少なくとも1つの文書それぞれに関連付けられたアクセス履歴情報の数が多い順に1以上を選択する文書選択手段と、
前記選択された1以上の文書それぞれに関連付けられたアクセス履歴情報の数を、該アクセス履歴情報に含まれるユーザ識別情報別に集計し、ユーザ別に集計されたアクセス履歴情報の数をユーザ別アクセス回数に決定するユーザ別アクセス回数集計手段と、
前記決定されたユーザ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する、請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項3】
前記関連ユーザ特定手段は、複数のユーザを少なくとも1つのグループに分類した分類テーブルを用いて、前記ユーザ別に算出されたユーザ別アクセス回数をグループごとに集計し、グループ別アクセス回数を算出するグループ集計手段をさらに含み、
前記算出されたグループ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する、請求項2に記載の情報検索装置。
【請求項4】
文書に対してジョブを実行するジョブ実行手段と、
前記ジョブ実行手段により実行されたジョブの対象となった文書からキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、
前記ジョブ実行手段によるジョブの実行に応じて、ジョブの対象となった文書から抽出されたキーワードと、ジョブの実行を指示した指示者を識別するユーザ識別情報または/およびジョブの対象となった文書の作成者を識別するためのユーザ識別情報とを含むジョブ履歴情報を記憶するジョブ履歴記憶手段と、
前記受け付けられたキーワードを含むジョブ履歴情報を抽出するために前記記憶されたジョブ履歴情報を検索するジョブ履歴検索手段と、をさらに備え、
前記関連ユーザ特定手段は、前記抽出された少なくとも1つのジョブ履歴情報の数を、該ジョブ履歴情報に含まれるユーザ識別情報ごとに集計し、ユーザ別に集計されたジョブ履歴情報の数をユーザ別ジョブ実行回数に決定するユーザ別ジョブ実行回数集計手段と、
前記関連ユーザ特定手段は、前記ユーザ別アクセス回数と前記ユーザ別ジョブ実行回数をユーザごとに加算したユーザ別トータル回数を算出する加算手段と、を含み、
前記加算手段により算出されたユーザ別トータル回数に基づいて関連ユーザを特定する、請求項2に記載の情報検索装置。
【請求項5】
前記関連ユーザ特定手段は、複数のユーザを少なくとも1つのグループに分類した分類テーブルを用いて、前記ユーザ別に算出されたユーザ別トータル回数をグループごとに集計し、グループ別トータル回数を算出するグループ集計手段をさらに含み、
前記算出されたグループ別トータル回数に基づいて関連ユーザを特定する、請求項4に記載の情報検索装置。
【請求項6】
前記関連ユーザ特定手段は、前記抽出された少なくとも1つの文書のうちから関連付けられたアクセス履歴情報の多い順に1以上を選択する文書選択手段と、
前記選択された1以上の文書それぞれの作成者を関連ユーザに特定する、請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項7】
前記文書検索手段は、ネットワークに接続されたファイルサーバが備える記憶装置または/および自装置が備える記憶装置を検索する、請求項1〜6のいずれかに記載の情報検索装置。
【請求項8】
記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報を前記アクセスされた文書に関連付けて記憶するステップと、
キーワードを受け付けるステップと、
前記受け付けられたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために前記記憶された文書を検索するステップと、
前記検索するステップにおける検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、前記受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定するステップと、
前記特定された関連ユーザに関するユーザ情報を通知するステップと、を含む有識者検索方法。
【請求項9】
記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報を前記アクセスされた文書に関連付けて記憶するステップと、
キーワードを受け付けるステップと、
前記受け付けられたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために前記記憶された文書を検索するステップと、
前記検索するステップにおける検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、前記受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定するステップと、
前記特定された関連ユーザに関するユーザ情報を通知するステップと、をコンピュータに実行させる有識者検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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