説明

情報検索装置および情報検索用端末装置

【課題】 検索結果に応じて最適なカテゴリを生成し、利用者の目的とするカテゴリを走行情報に基づいて提案することができる車載に適した情報検索装置を提供する。
【解決手段】検索要求を入力する入力部10と、入力された検索要求に従って検索要求を含む情報を検索する検索部31と、検索された情報を基にカテゴリを決定するカテゴリ決定部32と、検索された情報が各カテゴリに帰属する度合いを計算する帰属度計算部33と、検索された情報から抽出された単語が予め登録された単語に該当するかどうかを判定し抽出する単語抽出部34、35と、抽出された単語に重み付けを付与し、カテゴリ毎にスコアを算出し、ストアの高いカテゴリを選択するカテゴリ選択部36と、選択されたカテゴリを出力する出力部20とを備え、ユーザの希望するカテゴリを的確に提案でき、ユーザは容易にその結果を絞込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索結果に応じて自動的に分類体系を決定し、その分類体系に従って検索結果を整理、提示することによって、検索結果の絞込みなどを支援することができる情報検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の情報検索装置として、検索要求に従って文書データベースを検索する文書検索部と、この文書検索部によって検索された複数の文書をそれらの文書間の類似度をもとに予め指定された数の文書群(カテゴリ)に分類分けする分類手段と、前記検索によって得られた各文書が前記各文書群のそれぞれに帰属する度合いをそれぞれ計算する帰属度計算部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これによれば、検索された文書集合を代表する複数のカテゴリをクラスタリングにより自動的に抽出し、検索された各文書について、複数のカテゴリにそれぞれ帰属する帰属度を計算することができ、また、これらの帰属度を画面上に表示し、利用者が指定したカテゴリについて、検索された複数の文書を、指定されたカテゴリへの帰属度に応じて並べ替えることができ、利用者は、検索結果に適したカテゴリ体系により検索結果を概観することができ、かつ、注目するカテゴリで検索結果をまとめることができる。
【特許文献1】特開2003−345810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の情報検索装置では、車載環境に採用した場合、利用者は、運転中にディスプレイに表示された検索結果を注視して、それらを選択する必要があり、実質的にそのことは困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、検索結果に応じて最適なカテゴリを生成し、利用者の目的とするカテゴリを走行情報に基づいて提案することができる車載に適した情報検索装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報検索装置は、検索要求を入力する入力手段と、前記入力された前記検索要求に従って前記検索要求を含む情報を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された情報を基にカテゴリを決定するカテゴリ決定手段と、前記検索された情報が前記各カテゴリに帰属する度合いを計算する帰属度計算手段と、前記検索された情報から抽出された各単語が予め登録された単語に該当するかどうかを判定し抽出する単語抽出手段と、前記単語抽出手段で抽出された前記単語に重み付けを付与し、前記カテゴリ毎にスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、前記カテゴリ選択手段で選択された前記カテゴリを出力する出力手段とを備えた構成を有する。
【0007】
この構成により、検索された情報に応じて、それぞれカテゴリを決定し、スコアを算出して、スコアの高いカテゴリをユーザが希望するカテゴリとして自動的に提案することができ、ユーザにおいていちいち検索された情報を順次注視することなく希望するカテゴリを容易に絞り込むことができるという作用を有する。
【0008】
また、本発明の情報検索装置は、前記単語抽出手段が、前記検索された情報から抽出された各単語が登録された施設に該当するかどうかを判定する施設抽出手段と、前記検索さ
れた情報から抽出された各単語が登録された地名に該当するかどうかを判定する地名抽出手段とを備えた構成を有する。
【0009】
この構成により、単語抽出手段によって施設、地名がそれぞれ抽出され、その抽出された施設、地名に重み付けがなされ、それに基づいて各カテゴリのスコアが算出されるため、スコアの高いカテゴリに希望する施設、地名がより多く含まれるという作用を有する。
【0010】
また、本発明の情報検索装置は、現在位置を測位する測位手段と、目的地を取得する目的地取得手段と、目的地までの経路を取得する経路取得手段とをさらに備え、前記カテゴリ選択手段が、前記単語抽出手段によって抽出した単語に対し、それぞれの前記単語の位置と、前記測位手段、前記目的地取得手段、前記経路取得手段によって取得した現在位置、目的地、経路の位置との距離に応じた重み付けを行う構成を有する。
【0011】
この構成により、単語抽出手段によって抽出された単語に対する重み付けが、この単語の位置と現在位置、目的地、経路の位置との距離に応じたものと、現在位置、目的地、経路の位置に近いほど、その重み付けが大きくなるという作用を有する。
【0012】
また、本発明の情報検索装置は、前記現在位置とその移動方向をそれぞれ測位する測位手段を備え、前記カテゴリ選択手段が、前記単語抽出手段によって抽出した単語に対し、その単語の位置と、前記測位手段によって測位した現在位置及び移動方向に応じた重み付けを行う構成を有する。
【0013】
この構成により、現在位置の周辺でも、移動方向に近い単語に大きな重み付けを行うことができ、移動方向の単語をより多く含むカテゴリを提案することができるという作用を有する。
【0014】
また、本発明の情報検索装置は、前記カテゴリ選択手段が、前記単語抽出手段によって抽出された単語に付与した重み付けと、その抽出回数との乗算によってそれぞれの前記カテゴリ毎のスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択する構成を有する。
【0015】
この構成により、単語に付与した重み付けと、その抽出回数との乗算によってそれぞれカテゴリ毎のスコアが算出されることになり、より多く出現し、より重み付けの多い単語を含んだカテゴリが先に提案されるという作用を有する。
【0016】
また、本発明の情報検索装置は、対話によって制御可能な対話制御手段を更に備え、前記入力手段からの入力および前記出力手段への出力をそれぞれ前記対話制御手段によって対話形式で行う構成を有する。
【0017】
この構成により、検索要求から最終的な結果を出力するまで対話形式で行うことができ、その操作が容易になるという作用を有する。
【0018】
また、本発明の情報検索装置は、前記対話制御手段に音声認識手段および音声合成手段をそれぞれ備え、前記入力手段からの入力および前記出力手段からの出力をそれぞれ音声でも可能とした構成を有する。
【0019】
この構成により、入力及び出力を音声で行うことができ、車載用機器のように目を離せない場合でも容易に操作することができるという作用を有する。
【0020】
また、本発明の情報検索装置は、移動可能な端末装置と、前記端末装置と通信可能なセンタ装置とを有し、前記端末装置が、前記検索要求を入力する前記入力手段と、前記カテ
ゴリ毎にスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、前記カテゴリ選択手段で選択された前記カテゴリを出力する前記出力手段とを有し、前記センタ装置が、前記入力手段で入力された前記検索要求に従って前記検索要求を含む情報を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された情報を基にカテゴリを決定するカテゴリ決定手段と、前記検索された情報が前記各カテゴリに帰属する度合いを計算する帰属度計算手段とを有する。
【0021】
この構成により、移動可能な端末装置より検索要求を行い、センタ装置で検索を実行し、その結果に基づいて端末装置で希望するカテゴリを選択し出力することができ、移動可能な端末装置に大きなデータベースを必要としないという作用を有する。
【0022】
さらに、本発明の情報検索用端末装置は、前記検索要求を入力する前記入力手段と、前記入力手段で入力された検索要求に応じて前記センタ装置で決定された前記カテゴリ毎にスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、前記カテゴリ選択手段で選択された前記カテゴリを出力する前記出力手段とを有する。
【0023】
この構成により、ユーザにおいていちいち検索された情報を順次注視することなく希望するカテゴリを容易に絞り込むことができるという作用を有する。
【0024】
また、本発明の情報検索用端末装置は、現在位置を測位する測位手段と、目的地を取得する目的地取得手段と、前記目的地までの経路を取得する経路取得手段とをさらに備えた構成を有する。
【0025】
この構成により、単語抽出手段によって抽出された単語に対する重み付けが、この単語の位置と現在位置、目的地、経路の位置との距離に応じたものと、現在位置、目的地、経路の位置に近いほど、その重み付けが大きくなるという作用を有する。
【0026】
また、本発明の情報検索用端末装置は前記端末装置が車両に搭載される構成を有する。
【0027】
この構成により、車両に搭載されて表示部を注視できないときに効果が大きい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の情報検索装置は、検索要求を入力する入力手段と、前記入力された前記検索要求に従って前記検索要求を含む情報を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された情報を基にカテゴリを決定するカテゴリ決定手段と、前記検索された情報が前記各カテゴリに帰属する度合いを計算する帰属度計算手段と、前記検索された情報から抽出された各単語が予め登録された単語に該当するかどうかを判定し抽出する単語抽出手段と、前記単語抽出手段で抽出された前記単語に重み付けを付与し、前記カテゴリ毎にスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、前記カテゴリ選択手段で選択された前記カテゴリを出力する出力手段とを備えたものであり、検索された情報に応じてカテゴリを決定し、スコアを算出して、スコアの高いカテゴリをユーザが希望するカテゴリとして自動的に提案することができ、ユーザにおいていちいち検索された情報を順次注視することなく希望するカテゴリを容易に絞り込むことができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施の形態における情報検索装置ついて、図面を用いて説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態1における情報検索装置のブロック図である。
【0031】
本発明の一実施の形態における情報検索装置は、図1に示すように、移動可能な、例えば、車載用の端末装置100と、この端末装置100とネットワーク300を介して通信可能なセンタ装置200とで構成されている。
【0032】
端末装置100は、入力部10と、出力部20と、制御部30aと、測位部39と、デーベース40とを備えている。
【0033】
入力部10は、リモコン、マイク、タッチパネル、キーボードなどのいずれか1つ、または、複数で構成され、検索したい内容を示すキーワードを入力したり、目的地を入力したり、その他の指令、情報などを入力することを可能とするものである。
【0034】
出力部20は、表示器、スピーカなどで構成され、入力部10からの情報や、制御部30aで算出された結果や情報などを適宜表示、出力するものである。
【0035】
制御部30aは、入力部10からの情報、指令に基づき、希望する情報を検索し、検索した結果から、ユーザが最も希望する情報を自動的に決定し、提示するためのものであり、後述する構成を備えている。
【0036】
測位部39は、GPS(Global Positioning System)受信機や、自立航法測位装置などを用いて、端末装置100を搭載する車両の現在位置やその移動方向などを測位するものである。
【0037】
データベース40は、地図情報などを有する地図データベース41、地図上に表れる施設名を有する施設名データベース42、地図上に表れる地名を有する地名データベース43を備えている。
【0038】
ここで、上述した制御部30aは、入力部10より入力された情報、指令(検索要求)をセンタ装置200に送信したり、センタ装置200からの情報を受信したりする通信部60と、センタ装置200から受信した情報において出現した単語のうち、施設名に該当するものがあった場合、その施設名を施設名データベース42より抽出する施設名抽出部34と、各情報において出現した単語のうち、地名に該当するものがあった場合、その地名を地名データベース43より抽出する地名抽出部35と、施設名抽出部34及び地名抽出部35で抽出した単語(施設名、地名)に対し、予め定めた規定に従ってそれぞれ重み付けを付与し、その重み付けを基に各カテゴリのスコアを算出し、スコアの高い順に並べるカテゴリ選択部36と、入力部10より目的地が入力されたとき、その目的地を取得する目的地取得部37と、目的地までの経路を取得する経路取得部38と、音声認識や音声合成などを行うことか可能な対話制御部50とを備えている。
【0039】
一方、センタ装置200は、制御部30bと情報データベース44を有する。
【0040】
制御部30bは、端末装置100より送信された情報、指令(検索要求)を受信したり、検索結果やカテゴリ、帰属度などをそれぞれ送信したりする通信部70と、通信部70によって受信した情報、指令(検索要求)に沿った情報を情報データベース44から検索する検索部31と、この検索部31によって検索された結果を受けて、その結果に応じて動的にカテゴリ集合を自動的に決定するカテゴリ決定部32と、カテゴリ決定部32によって決定された各カテゴリに、各情報がどの程度帰属しているのかを計算する帰属度計算部33とを備えている。
【0041】
なお、カテゴリ決定部32において、カテゴリ集合を自動的に決定する手法としては、特許文献1に記載されているような既存のクラスタリング手法を用いればよい。
【0042】
ところで、制御部30aの施設名抽出部34、地名抽出部35は、それぞれ単語(施設名、地名)を抽出する単語抽出部を構成しており、これらの抽出部34、35で抽出された単語(施設名、地名)に対し、それぞれ重み付けを行う場合には、それぞれ目的地取得部37、経路取得部38、測位部39の情報を活用して、次の通り重み付けをする。
【0043】
まず、目的地取得部37は、入力部10より入力された目的地について、住所、地名、施設名、緯度・経度などの情報を取得するものであり、経路取得部38は、現在位置から目的地までの経路を検索し、その経路情報を取得するものである。
【0044】
すなわち、目的地が設定されている場合には、目的地取得部37、経路取得部38、測位部39によって取得された目的地、経路、現在位置からの距離に基づいて重み付けを行い、目的地が設定されていない場合には、測位部39によって測位された現在位置と移動方向から、その方向の距離に基づいてそれぞれ重み付けを付与する。
【0045】
また、カテゴリ選択部36は、図2に示すように、施設名、地名が抽出された場合、その施設名、地名の位置が、現在位置、目的地、経路からどれだけの距離にあるかを地図上で算出する距離算出部361と、算出された距離に応じて重み付けを付与する単語重み付け部362と、カテゴリのスコアを算出するカテゴリスコア算出部363と、算出されたスコアの順にカテゴリをソートするカテゴリソート部364と、情報についても同じようにスコアを算出する情報スコア算出部365と、算出されたスコアの順に情報をソートする情報ソート部366と、これらの情報を統合してカテゴリ情報を取得し、出力部20に出力するカテゴリ情報取得部367とを備えている。また、出力部20は、先に算出し最もスコアの高いカテゴリをユーザに対し出力するように構成されている。
【0046】
次に、本実施の形態における情報検索装置について、その動作を説明する。
【0047】
図3は、本実施の形態における情報検索装置の動作を示すフローチャートである。そして、図5〜図10(a)〜(c)は、それぞれその動作時における具体的な動作状態の一例を示す概念図である。
【0048】
まず、図3に示すように、入力部10を用いて、任意の検索要求を示すキーワードを入力する(S301)。すると、入力された検索要求が、制御部30aに供給され、制御部30aの制御の基で、通信部60を介して、センタ装置200に送信される。
【0049】
センタ装置200では、端末装置100より送信された検索要求を通信部70で受信し検索部31に入力する。検索部31では、入力された検索要求(キーワード)を基にその検索要求(キーワード)を含む関連情報を情報データベース44より検索する〈S302〉。
【0050】
情報データベース44には、入力された検索要求(キーワード)に関連する情報が多数格納されており、例えば、図4に示すように、「○○」というキーワードを入力した場合、情報データベース44より、「○○」というキーワードを含む情報として、複数の文書A、B、C、D、・・を検索する。
【0051】
「○○」というキーワードを含む情報として、複数の文書A、B、C、D、・・を検索すると、次に、これらの文書A、B、C、D、・・(検索結果)がどのカテゴリに該当するか、そのカテゴリ集合をカテゴリ決定部32が自動的に決定する(S303)。
【0052】
カテゴリ決定部32において、カテゴリ集合を自動的に決定する場合には、例えば、既
存の階層的ボトムアップクラスタリング法を利用すればよい。階層的ボトムアップクラスタリング法では、初期状態として、各情報が自分自身のみからなるクラスタを作成する。ここで、各情報(クラスタ)は、図4の黒塗りの四角形で示す出現単語を要素とするベクトルで表現される。ベクトルの各要素である単語には、出現頻度に基づいて重み付けが付与される。その際、重みが最大の単語をそのクラスタ集合のカテゴリ名とする。そして、全てのクラスタ対に対して、クラスタ間の距離を計算する。距離としては、ベクトル間の余弦(コサイン)を計算することが多い。全クラスタ対の中で、最短距離クラスタ値をまとめて一つのクラスタに併合する。併合したクラスタも単語を要素とするベクトルとなる。次に併合したクラスタと残りの各クラスタとの距離を計算して距離情報を更新する。
【0053】
このようにして、カテゴリ集合を決定すると、次に、帰属度計算部33が、各情報について、各カテゴリにどの程度の度合いで帰属するかを計算する(S304)。帰属度を計算する場合には、単語のベクトルを用いて各カテゴリと各情報の距離(余弦)を算出し、その値を各カテゴリへの帰属度とする。なお、図4の黒丸はカテゴリのベクトルを示す。
【0054】
図5は、このようにしてカテゴリ集合を決定し、各カテゴリ集合の情報(文書A、B、C、D、・・)がどのように各カテゴリに帰属しているかを算出した状態を示している。例えば、カテゴリ1は、会社名であり、「○○会社」というカテゴリである。このカテゴリ1には、検索された情報としての文書Aがカテゴリ集合の1つとして存在し、このカテゴリ1には0.9帰属していることを示している。カテゴリ2は、商品名であり、「○○商品」というカテゴリである。このカテゴリ2には、検索された情報としての文書Dがカテゴリ集合の1つとして存在し、このカテゴリ2には0.8帰属していることを示している。カテゴリ3は、個人名であり、「○○氏」というカテゴリである。このカテゴリ3には、検索された情報としての文書Cがカテゴリ集合の1つとして存在し、このカテゴリ3には0.9帰属していることを示している。そして、文書A、D、Cの後方にそれぞれ描かれた文書は、それぞれカテゴリ1、2、3に帰属するカテゴリ集合の1つであり、それぞれのカテゴリ1、2、3にそれぞれの度合いで帰属していることを示している。
【0055】
このようにして帰属度が計算されると、この情報が検索された情報(文書A、B、C、D、・・)と共に、通信部70を介して端末装置100に送信される。端末装置100では、これらの情報を通信部60で受信し、施設名抽出部34を用いて、各情報(文書A、B、C、D、・・)につき、各カテゴリにおける出現単語のうち施設名に該当する単語を抽出し、その抽出回数を算出する(S305)。ここで、施設名を抽出する際は、施設名データベース42を用い、施設名データベース42に予め登録された施設名と検索された情報(文書A、B、C、D、・・)内の出現単語との比較により、一致したものがあったとき、その単語を施設名データベース42より抽出する。
【0056】
同様に、地名抽出部35を用いて、地名データベース43より、各情報(文書A、B、C、D、・・)につき、各カテゴリにおける出現単語のうち地名に該当する単語を抽出し、その抽出回数を算出する(S306)。
【0057】
図6は、このようにしてカテゴリ毎に、施設名及び地名を抽出し、その抽出回数を算出した状態を示している。
【0058】
このようにして、単語(施設名及び地名)が抽出されると、次に、カテゴリ選択部36において、予め目的地が入力され、設定されているかどうかを調べる(S307)。目的地が設定されている場合(S307のYes)には、カテゴリ選択部36を構成する距離算出部361において、抽出された単語(施設名及び地名)の緯度、経度が目的地、現在位置、目的地までの経路上より、どの程度の距離にあるか先ず算出する。そして、算出された距離に基づいて、単語重み付け部362が、抽出された単語(施設名及び地名)にそ
れぞれ重みづけを付与する(S308)。重みづけを付与する場合には、図7に示すように、抽出された単語(施設名及び地名)が示す地点と、目的地、現在地、目的地までの経路との距離(d2、d1、d3)が近いほど単語の重み付けの値を大きくする。また、目的地に対して、現在位置より後方に位置する単語ほど、重み付けの値を小さくする。但し、重み付けの値は0から1の範囲とする。
【0059】
また、目的地が設定されていない場合〈S307のNo〉には、移動方位と現在位置からの距離(d1)に基づいて、抽出された単語に重みづけを付与する(S309)。その際、抽出された単語(施設名及び地名)が示す地点が、移動方位上に近いほど単語の重み付けを大きくする。
【0060】
単語(施設名及び地名)に重み付けをした後は、その重み付けされた単語(施設名及び地名)に基づいて、カテゴリスコア算出部363が、図8に示すように、カテゴリ毎にスコアの総和を算出する。すなわち、算出の方法としては、抽出された単語(施設名及び地名)のそれぞれの出現回数にそれぞれの単語(施設名及び地名)の重みを掛け合わせ、それらの総和を算出する。そして、算出されたスコアの総和に基づいて、カテゴリソート部364が、スコアの総和の高い順にカテゴリを並べる(S310)。
【0061】
一方、検索された情報(文書A、B、C、D、・・)に関しても、情報スコア算出部365において、検索要求との関連度と各カテゴリへの帰属度に基づいて、図9に示すように、情報(文書A、B、C、D、・・)ごとにスコアを算出する。そして、スコアの高い順に、その情報(文書A、B、C、D、・・)を並べる(S311)。そして、最もスコアの高いカテゴリをユーザに知らせるべく、カテゴリ情報取得部367がこれらの情報を取得し、出力部20にそれぞれ出力する(S312)。
【0062】
出力部20は、表示器、タッチパネルなどで構成され、例えば、図10(a)に示すように、カテゴリ名をスコアの高い順に表示する。したがって、表示されたカテゴリから上位のカテゴリについて、Yes/Noのボタンを操作し、希望するカテゴリを選択する。
【0063】
Noの場合は、図10(b)に示すように、次のカテゴリについて、同じようにYes/Noのボタンを操作し、それを繰り返す。
【0064】
このようにして希望するカテゴリを選択すると、図10(c)に示すように、そのカテゴリにおける情報(文書)がスコアの高い順に表示される。したがって、ここでも、先と同じように、希望する情報を選択し、その詳細を表示させる。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、スコアの高い順にカテゴリ及び情報が表示されるため、希望する情報を容易に表示、出力することができる。すなわち、本実施の形態によれば、情報検索の結果を検索結果の内容によってカテゴリ毎に分類し、それらのカテゴリのうち目的地、現在位置、経路などの位置と関連が最も高いカテゴリのみをユーザに提示することができ、したがって、ユーザは、わざわざ検索結果を一覧して都度絞り込む必要がなく、車載用の情報検索装置として使用した場合、走行状況に基づいて容易に希望する情報を取得することができるという効果を有する。
【0066】
なお、本実施の形態では、単語の重み付けを目的地、現在位置、経路などの位置、距離に基づいて算出しただけであるが、同乗者が友人である場合、家族である場合、子供である場合などによってそれぞれ重み付けを変えたり、目的地からの距離が近い方が現在位置からの距離が近い地点より重み付けを大きくしたり、その逆に現在位置からの距離が近い方がより重み付けの値を大きくしたりすることも可能である。また、施設の利用料金やユーザの嗜好などを重み付けの条件に加えてもよく、さらに、目的地設定の履歴や移動した
履歴を蓄積することによってユーザのよく行く場所などを把握し、それにより重み付けを変更するようにしても良い。
【0067】
また、本実施の形態において、これまでの説明では、入力や出力を手操作や表示によってのみ行うように説明しているが、これらを音声を用いて行うことも可能である。すなわち、本実施の形態では、図1に示すように、端末装置100を構成する制御部30aに音声認識や音声合成なども可能な対話制御部50を備えており、この対話制御部50を用いれば入力や出力を手操作や表示のみならず、音声でも行うことが可能である。
【0068】
図11は、対話制御部50を用いて入力や出力を行う場合の主な動作を示すフローチャートである。次に、このフローチャートを用いて、対話制御部50を用いた場合の入力や出力の動作を説明する。
【0069】
対話制御部50は、ユーザに対し、何らかの要求を入力するように自動的に要求する。その要求は、出力部20より音声、或いは、表示によって行われる。なお、音声で入力および出力を行うためには音声合成、音声認識技術を用いれば可能である。
【0070】
対話制御部50が予め定めた要求を入力するように要求したとき、ユーザが、その要求にしたがって任意に希望する要求を入力する(S1113)。勿論、この要求は、マイク、キーボード、タッチパネル、リモコンなどを用いて入力することが可能であるが、今回は、例えば、マイクを用いて音声で入力する。音声で入力された要求は、対話制御部50で音声認識され、その要求が検索要求であるかどうか、先ず判断される(S1114)。要求が検索要求である場合(S1114のNo)には、図3に示すS302に移行し、先に説明した通りの動作を実行する。要求が検索要求でない場合(S1114のYes)には、その要求が先に検索結果として検索されたカテゴリ名であるかどうかを判断する(S1115)。判断の結果、カテゴリ名でない場合(S1115のYes)には、更に、その要求が「Yes」という音声であるかどうかを判断する(S1117)。つまり、「Yes」、「No」、又は、カテゴリ名に該当する音声要求(キーワード)であるかどうかを判断する。言い換えれば、画面上に表示された、あるいは、音声によって発音されたカテゴリ名のうち、いずれかに該当するものをユーザが選択し、発音したかどうかを調べるということである。
【0071】
入力された要求がカテゴリ名に該当する場合(S1115のNo)には、該当するカテゴリを選択し(S1116)、カテゴリ内で最もスコアの高い情報を音声により出力する(S1119)。そして、画面上にカテゴリ内の全情報をスコアの高い順に一覧表示する(S1120)。その際の画面イメージが図10(c)である。
【0072】
入力された要求がカテゴリ名に該当しない場合(S1115のYes)には、入力された要求が「Yes」、「No」のどちらであるかを判断する(S1117)。ここで「No」を示す要求が入力されたと判定した場合(S1117のNo)には、現在提示しているカテゴリの次にスコアの高いカテゴリを候補として提示する(S1118)。その際の画面のイメージが図10(b)である。もし、「Yes」を示す要求が入力されたと判定した場合(S1117のYes)には、現在提示しているカテゴリの情報の中で最もスコアの高い情報を音声により出力し(S1119)、画面上にカテゴリ内の全情報をスコアの高い順に一覧表示する(S1120)。その際の画面イメージは、図10(c)である。
【0073】
このように、本実施の形態によれば、対話制御部50を有するため、検索結果に応じて分類されたカテゴリに従って情報が提示され、それに対して、さらに対話的に内容を絞り込むことができるため、提示されたカテゴリがユーザの希望するものと異なっている場合でも容易に検索結果のカテゴリを変更することができ、求める情報を取得することができ
る。
【0074】
なお、本実施の形態では、検索要求を1つ入力するだけの構成としているが、2つ又はそれ以上をANDやORの形式で入力できるようにしてもよく、また、一旦検索された結果に対し、更にANDやORの条件を付加して、新たに1つ又はそれ以上の検索要求を入力できるように構成しても良い。また、対話制御部50の動作をユーザや走行状態によって動的に変更するようにしても良い。
【0075】
また、本実施の形態によれば、移動可能な端末装置100とセンタ装置200とで構成されているため、移動可能な端末装置100には、多くの情報を格納する情報データベースを必要とせず、必要なときに任意にセンタ装置200より必要な情報を入手し、それを出力部20に出力することができる。
【0076】
なお、本実施の形態では、センタ装置200に、通信部70、検索部31、カテゴリ決定部32、帰属度計算部33、情報データベース44を設けているが、センタ装置200に更に、端末装置100毎の管理部を設け、その管理部に端末装置100毎のカテゴリ選択部36、目的地取得部37、経路取得部38、施設名抽出部34、地名抽出部35を設け、端末装置100では、最終的な結果のみを通信部60で受信し、対話制御部50を介して出力部20に必要な情報を出力するようにしても良い。
【0077】
要するに、何処まで機能を端末装置100で受け持ち、何処までの機能をセンタ装置200に負担させるかは、適宜設定すればよいことである。すなわち、使用できる情報を限定するのであれば、これらの機能を全て端末装置100に持たせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の情報検索装置は、検索された情報に応じてそれぞれカテゴリを決定し、スコアを算出して、スコアの高い順にそのカテゴリをユーザが希望するカテゴリとして自動的に提案することができ、ユーザにおいていちいち検索された情報を順次注視し、希望するカテゴリを絞り込むことなく、容易に自動的に絞り込むことができるという作用を有し、車載用の情報検索装置など、ユーザが検索された情報を注視することの困難な情報検索装置として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施の形態における情報検索装置のブロック図
【図2】本発明の一実施の形態における情報検索装置の要部ブロック図
【図3】本発明の一実施の形態における情報検索装置の動作を示すフローチャート
【図4】本発明一の実施の形態における情報検索装置の情報を検索しカテゴリを決定する際の動作を説明する概念図
【図5】本発明の一実施の形態における情報検索装置の検索された情報が各カテゴリにどのように帰属しているかを示す概念図
【図6】本発明の一実施の形態における情報検索装置の各カテゴリに帰属する情報に施設、地名が何回出現するかを示した概念図
【図7】本発明の一実施の形態における情報検索装置の施設、地名に重み付けを付与する方法を説明する概念図
【図8】本発明の一実施の形態における情報検索装置の各カテゴリの総スコアを計算し、ソートする場合の動作を説明する概念図
【図9】本発明の一実施の形態における情報検索装置の最もスコアの大きいカテゴリの各情報につき、関連度、帰属度を基にスコアを計算し、ソートした状態を示す概念図
【図10】(a)本発明の一実施の形態における情報検索装置のカテゴリ1を案内する結果出力状態を示す図(b)同カテゴリ2を案内する結果出力状態を示す図(c)同カテゴリ1の情報結果出力状態を示す図
【図11】本発明の一実施の形態における情報検索装置の対話制御部の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0080】
10 入力部
20 出力部
30a、30b 制御部
31 検索部
32 カテゴリ決定部
33 帰属度計算部
34 施設名抽出部
35 地名抽出部
36 カテゴリ選択部
37 目的地取得部
38 経路取得部
39 測位部
40 データベース
41 地図データベース
42 施設名データベース
43 地名データベース
44 情報データベース
50 対話制御部
60、70 通信部
100 端末装置
200 センタ装置
300 ネットワーク
361 距離計算部
362 単語重み付け部
363 カテゴリスコア算出部
364 カテゴリソート部
365 情報スコア算出部
366 情報ソート部
367 カテゴリ情報取得部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索要求を入力する入力手段と、前記入力された前記検索要求に従って前記検索要求を含む情報を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された情報を基にカテゴリを決定するカテゴリ決定手段と、前記検索された情報が前記各カテゴリに帰属する度合いを計算する帰属度計算手段と、前記検索された情報から抽出された各単語が予め登録された単語に該当するかどうかを判定し抽出する単語抽出手段と、前記単語抽出手段で抽出された前記単語に重み付けを付与し、前記カテゴリ毎にスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、前記カテゴリ選択手段で選択された前記カテゴリを出力する出力手段とを備えた情報検索装置。
【請求項2】
前記単語抽出手段が、前記検索された情報から抽出された各単語が登録された施設に該当するかどうかを判定する施設抽出手段と、前記検索された情報から抽出された各単語が登録された地名に該当するかどうかを判定する地名抽出手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の情報検索装置。
【請求項3】
現在位置を測位する測位手段と、目的地を取得する目的地取得手段と、目的地までの経路を取得する経路取得手段とをさらに備え、前記カテゴリ選択手段が、前記単語抽出手段によって抽出した単語に対し、それぞれの前記単語の位置と、前記測位手段、前記目的地取得手段、前記経路取得手段によって取得した現在位置、目的地、経路の位置との距離に応じた重み付けを行うことを特徴とする請求項1または2記載の情報検索装置。
【請求項4】
前記現在位置とその移動方向をそれぞれ測位する測位手段を備え、前記カテゴリ選択手段が、前記単語抽出手段によって抽出した単語に対し、その単語の位置と、前記測位手段によって測位した現在位置及び移動方向に応じた重み付けを行うことを特徴とする請求項1または2記載の情報検索装置。
【請求項5】
前記カテゴリ選択手段が、前記単語抽出手段によって抽出された単語に付与した重み付けと、その抽出回数との乗算によってそれぞれの前記カテゴリ毎のスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の情報検索装置。
【請求項6】
対話によって制御可能な対話制御手段を更に備え、前記入力手段からの入力および前記出力手段への出力をそれぞれ前記対話制御手段によって対話形式で行うことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の情報検索装置。
【請求項7】
前記対話制御手段に音声認識手段および音声合成手段をそれぞれ備え、前記入力手段からの入力および前記出力手段からの出力をそれぞれ音声でも可能としたことを特徴とする請求項6記載の情報検索装置。
【請求項8】
移動可能な端末装置と、前記端末装置と通信可能なセンタ装置とを有し、前記端末装置が、前記検索要求を入力する前記入力手段と、前記カテゴリ毎にスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、前記カテゴリ選択手段で選択された前記カテゴリを出力する前記出力手段とを有し、前記センタ装置が、前記入力手段で入力された前記検索要求に従って前記検索要求を含む情報を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された情報を基にカテゴリを決定するカテゴリ決定手段と、前記検索された情報が前記各カテゴリに帰属する度合いを計算する帰属度計算手段とを有することを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の情報検索装置。
【請求項9】
前記検索要求を入力する前記入力手段と、前記入力手段で入力された検索要求に応じて前
記センタ装置で決定された前記カテゴリ毎にスコアを算出し、前記スコアの高い前記カテゴリを選択するカテゴリ選択手段と、前記カテゴリ選択手段で選択された前記カテゴリを出力する前記出力手段とを有する情報検索用端末装置。
【請求項10】
現在位置を測位する測位手段と、目的地を取得する目的地取得手段と、前記目的地までの経路を取得する経路取得手段とをさらに備えた請求項9記載の情報検索用端末装置。
【請求項11】
前記端末装置が車両に搭載されることを特徴とする請求項9から10のいずれかに記載の情報検索用端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−31149(P2006−31149A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205673(P2004−205673)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】