説明

情報機器の制御方法

【課題】デジタルカメラで撮影された画像などのコンテンツを、外部の記録装置にデジタルカメラによって面倒な設定を行うことなく記録できる画像管理システムに有効な情報機器を提供する。
【解決手段】外部と通信機能を有する携帯電話4と、デジタルカメラ3とが連携しながら、デジタルカメラ3による撮影画像をインターネット上に設けられた画像管理サーバー(情報記録用サーバー)1画像記録部1eが予約された記録領域に記録する。携帯電話4は、画像記録部1eの記録領域の予約を行なう。デジタルカメラ3は、予約により確定した記録領域に関するアドレスを表す情報画像を撮影し、ホットスポット5に置かれた際に、この情報画像と共に撮影画像を、画像管理サーバー1に送信する。画像管理サーバー1は、撮影画像を画像記録部1eに記録すると共に、情報画像で指定された配信先(ユーザーB)に撮影画像を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と通信機能を有する第1の情報機器と第2の情報機器とが連携しながら、第2の情報機器によって送信された情報を外部の記録装置の予め予約された記録領域に記録するようにした該第2の情報機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットに接続された環境下のパーソナルコンピュータ(PC)などを用いて、コンテンツを作成し、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などに記事をアップロードするサービスは充実してきており、コンシューマージェネレーテッドメディア(CGM)と呼ばれ、新しいメディアの形で定着してきている。そして、移動中などインターネットに接続しにくい環境であっても、メディア発信や閲覧を試みる人が増加していることから、今後、こうしたサービスは、携帯電話の通信網と連携する方向で進展していくと思われる。
【0003】
しかし、携帯電話などの操作部は小さく、また搭載された機能もシンプルなものが多いことから、ユーザーの希望するようなコンテンツを作成することは困難である。一方、デジタルカメラで撮影した高画質の画像などを即座にネットワークを使って、特定領域にアップロードするのは大変な手間隙がかかってしまう。
【0004】
そこで、インターネットと非接続状態で作成されたコンテンツを、無線LANを利用したインターネットへの接続サービスであるホットスポットや公衆無線LANなどを通じてネットワークに接続し、サーバーなどの特定の領域に、特定の画像のみを記録したり、特定の相手にのみ送信することが考えられる。しかし、単純にサーバーに記録するだけならともかく、上述したような種々の処理を行うとすると、大変面倒であり、また即時性に欠ける場合が多い。
【0005】
また、近年、インターネットに簡単にアクセスできる技術が種々検討されており、例えば、文献1には、カメラによって撮像された画像から文字列を抽出し、その抽出された文字列がURLであるか否かを判断し、URLの場合にはそのアドレスにアクセスできるようにしたURL取得しシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−163604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の技術では、カメラ等の機器自体が、文字認識機能がないと、URLを抽出することができず、装置が大型化し、また高価となってしまう。また、簡単にURLにアクセスすることができたとしても、特定の画像のみを記録したり、また場合によっては特定のユーザーにアップロードしたコンテンツを配信することは、大変面倒であり、また困難である。
【0007】
すなわち、カメラは撮影機能に特化した設計になっており、携帯電話のようにどこでもネットワークにアクセスできるような構成でもなく、またキーボードのような設定操作部も有していない。このため、一般的なカメラでは、撮影することは簡単であっても、設定操作部材を有さないことから、撮影現場で撮像画像を友人等に送信することは簡単なことではない。
【0008】
本願発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、デジタルカメラで撮影された画像などのコンテンツを、外部の記録装置にデジタルカメラによって面倒な設定を行うことなく記録できる画像管理システムにおいて有効な携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる第2の情報機器の制御方法は、サーバーに対して記録領域予約を行い、上記サーバーが上記記録領域予約を受けることによって上記記録領域用に付与されたアドレス情報を送信した結果を情報画像として表示する第1の情報機器の表示結果を取得するステップと、上記サーバーに通信可能であるかを判定するステップと、上記サーバーに対して通信可能と判定された時に、上記表示結果に従った上記サーバーの記録領域に画像送信を行うステップと、を備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するため第2の発明に係わる第2の情報機器の制御方法は、請求項1に記載の制御方法において、上記第2の情報機器が撮影した撮影画像を表示するステップと、上記サーバーの予約された記録領域と、上記表示された撮影画像を関連づけるステップを備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するため第3の発明に係わる第2の情報機器の制御方法は、請求項1に記載の制御方法において、上記第1の情報機器の表示結果を取得するステップは、上記第1の情報機器の表示結果を取得する際に、撮影モードを選択するステップと、上記選択された撮影モードを利用して上記第1の情報機器のアドレス表示を撮影するステップとからなることを特徴とする。
上記目的を達成するため第4の発明に係わる第2の情報機器の制御方法は、請求項1に記載の制御方法において、上記画像送信を行うステップは、上記サーバーが、上記予約領域に上記画像を受信した時に、上記画像を特定の配信先に配信するための情報配信を行うように、上記サーバーに画像送信するステップであることを特徴とする。
上記目的を達成するため第5の発明に係わる第2の情報機器の制御方法は、請求項1に記載の制御方法において、上記第1の情報機器の表示結果を取得するステップにおいて、上記情報画像として表示する第1の情報機器の表示は、上記画像記録部の記録領域のアドレスを文字・数字を表した画像、または、記号やバーコード、QRコード(登録商標)等の二次元コード等で表現した画像であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、デジタルカメラで撮影された高画質の画像などのコンテンツを、外部の記録部にデジタルカメラによって面倒な設定を行うことなく記録できるようにした画像管理システムに有効な情報機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に従って本発明を適用した情報記録システムを用いて好ましい実施形態について説明する。本実施形態においては、インターネットのように、ホットスポットのような特定環境下でしか接続することのできない第1の通信手段を有する機器(ここではデジタルカメラ)と、移動途中でも容易に通信網に接続することのできる第2の通信手段(ここでは携帯電話のネットワーク)を有する機器とから構成される。そして、第2の通信手段の機器によって、第1の通信手段の機器で生成したコンテンツを格納するサーバー等の領域を指定し、第1の通信手段がホットスポット等において、通信が確立したときに、指定されたサーバー等の記録領域に前述のコンテンツを記録することができ、また、所定の送り先にコンテンツを配信することも可能な構成となっている。
【0012】
本実施形態における情報記録システムの構成を、図1を用いて説明する。ユーザーAの使用するデジタルカメラ3は撮像機能を有し、これによって被写体を撮影し、画像8aを取得することができる。また、デジタルカメラ3は、ユーザーAが使用する携帯電話4に表示される画面2bを撮像することもできる。なお、この画面2bには、後述するように、画像管理サーバー1に画像8aを記録する領域(アドレス)が表示され、また必要に応じて画像8aを配信するユーザーBの送信先が文字等によって表示される。また、このデジタルカメラ3は、ホットスポット5に置かれた場合には、無線通信網およびインターネットを介して、画像管理サーバー1にアクセスするための通信機能を有している。
【0013】
ユーザーAが使用する携帯電話4は、基地局5aを介し、携帯ネットワークを利用して、画像管理サーバー1と接続可能である。画像管理サーバー1は携帯ネットワーク通信部1aによって、携帯電話4と通信が可能になっている。なお、携帯ネットワーク通信部1aは、画像管理サーバー1内に設けられていなくても良く、別のサーバーによって構成されていても良い。また、画像管理サーバー1は携帯ネットワーク通信部1aを介して、後述するユーザーBの携帯電話とも通信が可能となっている。
【0014】
画像管理サーバー1内には、前述の携帯ネットワーク通信部1aと協働し、インターネットを通じて外部のPCと通信を行なう通信部1bが設けられている。これらの携帯ネットワーク通信部1aおよび通信部1bに、アドレス付与部1f、暗証部1hおよび画像判定部1cが接続されている。
【0015】
アドレス付与部1fは、携帯ネットワーク通信部1aを介して画像の記録予約のためにアクセスしてきた携帯電話4に対して、後述する画像記録部1eの空き領域情報に基づいてアドレスを付与する。この付与された記録領域のアドレスは、携帯ネットワーク通信部1aを介して携帯電話4に返信される。暗証部1hは、ユーザーAがユーザーBに対して、画像の送信を許可する場合に、必要に応じて、ユーザーBに対するアクセス時の暗証番号等を付与する。この付与された暗証番号等は、記録領域用のアドレスをユーザーAに返信する際に、一緒に返信する。画像判定部1cは、通信部1bを介してデジタルカメラ3が送信してきた画像の内容を判定する。このときの画像の中からアドレスを表す文字・数字を判別する。
【0016】
また、画像管理サーバー1内には、アドレス検出部1d、画像記録部1eおよび送信制御部1gが設けられている。アドレス検出部1dは、受信した予約画像を画像判定部1cによって判定し、文字・数字列が含まれている場合に、その中から画像記録部1eのアドレスの検出を行う。画像記録部1eは、デジタルカメラ3から送信されてきた画像8aを記録する記録領域であり、アドレス検出部1dによって検出されたアドレスに対応する記録領域に画像を記憶する。
【0017】
送信制御部1gは、インターネットまたは携帯電話ネットワークを介して、ユーザーBの携帯電話やPC等の端末6に対して、ユーザーAによる画像8aの送信制御を行う。この場合、ユーザーAが事前にユーザーBに画像8aの記録されている画像記録部1eのアドレスを連絡している場合であって、ユーザーBからそのアドレスにアクセスがあった場合には、画像8aに対応する画像8bをユーザーBの端末6に配信する。
【0018】
なお、この場合、通信部1bが、ユーザーAが指定した送り先を判定し、それに従って、送信制御部1gは、携帯電話4の画面2bに表示されたユーザーB(画面2bで設定したTo Bさん)に対して、画像8aが画像記録部1eに記録されると、この画像記録部1eのアドレスをユーザーBの端末6に自動的に送信するように構成してもよい。このとき、誤った相手に送り、プライバシーが漏洩することを防止するために、暗証部1hが、ユーザーAの携帯4に暗証を送り、それを、ユーザーAがユーザーBの端末6に送っていないと、その画像8bが再生されないように構成してもよい。
【0019】
次に、図2を用いて、この本実施形態における情報記録システムの操作について、説明する。ユーザーA20が、図2(a)に示すように、デジタルカメラ3を構え、被写体表示用の表示パネル8を見ながら、レリーズスイッチ3aを操作することにより被写体の画像を取得する。
【0020】
続いて、ユーザーA20は、図2(b)に示すように、携帯電話4を操作し、撮影画像の配信先を設定し、所定のサービスを行う画像管理サーバー1に送信する。これは、メール形式で送信してもよいし、携帯電話サービスで行われているインターネットサービスを介して行うものでもよい。
【0021】
この操作によって、所定のアドレスで表わされる画像管理サーバー1の画像記録部1eのメモリ領域が確保され、同時にその旨(予約表示)が携帯電話4に返信されてくる。この時の返信画面を、図2(c)に示すように、ユーザーA20は、カメラ3によって撮影する。この時、スイッチ3bを押しながら撮影を行うと、例えば、その前に撮影された画像や再生された画像と、この画面が関連付けられるように構成しておく。このようにして本実施形態における上述のサービスに送られる画像が決まる。
【0022】
通常、デジタルカメラ3はスタンドアロンで撮影に使われているが、ホットスポット5などにおいてネットワークに接続すると、画像管理サーバー1に対して画像送信が可能となる。デジタルカメラ3から送られた画像には、画像管理サーバー1から携帯電話4に送信した予約表示画像が添付されているので、画像管理サーバー1は、それが先に確保した画像記録部1eのメモリ領域に記憶する画像と判定し、指定されたメモリ領域に格納する。
【0023】
次に、ユーザーBへの画像の送信について、データの流れを示す図3を用いて説明する。まず、デジタルカメラ3を所持するユーザーAは、ユーザーAの所持する携帯電話4を用いて、画像記録領域と画像の配信先の予約を、画像管理サーバー1に対して行う。この予約時における携帯電話4の画面は、例えば画面2aのように、送信相手と送信画像を表示する。画像管理サーバー1は、この予約処理を受けると、画像記録部1eの記録領域のアドレスを示す画像2bを、ユーザーAの携帯電話4に返信する(図3(ア)参照)。
【0024】
画像管理サーバー1から返信された記録領域のアドレスを示す画像2bは、携帯電話4の表示部に表示可能であり、ユーザーAは、この画像2bをカメラ3で撮影する(図3(イ)参照)。携帯電話4は、予約時の画像2aや記録領域アドレスを示す画像2bを表示する表示部を有する。
【0025】
なお、カメラ3は、2通りの撮影モードのいずれかを選択可能で、一つは通常のカメラ撮影である。この時は、通常のカメラと同様に、レリーズスイッチ3aを操作することにより被写体の撮影を行うことができる。他の撮影モードは、携帯電話4の画面を撮影するモードである。このような撮影モードを設けているのは、デジタルカメラ3と携帯電話4を関連付けさせるためである。即ち、カメラ3のスイッチ3bを操作しながら携帯電話4の表示部に表示される画像の記録領域を表すアドレスを示す予約表示画像を撮影することにより、アドレスを示す情報画像を取り込んでいる。
【0026】
次に、携帯電話4の予約表示を撮影したデジタルカメラ3の画像は、デジタルカメラ3がホットスポット5に置かれる等によりネットに接続すると、画像管理サーバー1の画像記録部1eの予約領域に記録される(図3(ウ)参照)。このとき、画像管理サーバー1は、画像に添付されるアドレスを画像判定部1cおよびアドレス検出部1dによって検出し、画像記録部1eの予約領域に記録を行う。
【0027】
前述したように、送信相手と送信画像は、携帯電話4によって事前に送信されているので(図3(ア)参照)、画像管理サーバー1の送信制御部1gは、送信相手と送信する画像の情報に基づいて、ユーザーBの携帯電話6(複数でも可)に、指定された画像を送信する(図3(エ)参照)。
【0028】
図2および図3において説明した本実施形態における情報記録システムの動作手順は、概ね次の通りである。
(1)コンテンツ作成用に画像入力を行う場合には、まずデジタルカメラ3を利用して撮影操作を行う。
(2)携帯電話4を操作し、撮影した画像の記録を画像管理サーバー1に対して予約する。
(3)画像管理サーバー1は記録予約に応じ、記録領域のアドレスを示す文字・数字列等を画像で、携帯電話4に返信する。
【0029】
(4)ユーザーはデジタルカメラ3のスイッチ3bを操作しながら、レリーズスイッチ3aを操作する。これによって、携帯電話4の表示部に表示された配信先を示す予約表示画像(情報画像)が撮影される。
(6)デジタルカメラ3が、ホットスポット5等において、通信可能な環境になると、このサービスを行う画像管理サーバー1に画像の送信制御が行われる。これによって、配信先が関連付けられた画像が画像管理サーバー1に送信される。この画像は、すでに携帯電話4で予約してある記録領域に格納される。
(7)画像管理サーバー1の送信制御部1gは、画像に添付されている配信先に基づいて、画像記録部1eに格納された画像を端末6に送信し、ユーザーBの端末6に画像8bが表示される。なお、配信は画像8bに限らず、画像8bが記録されている画像記録部1eのアドレスでもよい。
【0030】
このように、ユーザーAは、ネット接続環境下で面倒な手続きを行なわなくても、携帯電話4が接続できる環境下なら、どこででも、撮影画像の記録領域の設定と、配信先の設定を行っておくことができる。このためデジタルカメラ3は、画像の記録領域の設定や送信先の設定を行なう必要がない。そしてデジタルカメラ3を、ホットスポット5のようなネット接続できる環境におくだけで、簡単に画像をユーザーB等とシェアすることが可能となる。
【0031】
このためデジタルカメラ3の内部・外部構成を単純化することができ、特別な設定部は必要なく、デジタルカメラ3は、ホットスポット5等からの送信機能は必要であるが、特殊な通信機能を具備する必要はないことから、撮影操作や撮影画質の向上に注力することができる。また、ユーザーBの操作を簡単にするために、ユーザーAが送信先を設定するだけで、ユーザーBは、特段設定動作を必要はなく、簡単に画像を閲覧することができる。
【0032】
次に、図4に示すフローチャートを用いて、デジタルカメラ3の制御動作について説明する。まず、撮影を行うか否かについて判定を行う(S1)。レリーズスイッチ3aが全押しされている場合には、撮影動作を行うと判定し、デジタルカメラ3による撮影を行う(S2)。撮影動作は、デジタルカメラ3内の撮像素子によって被写体像を光電変換し、画像データを記録媒体に記録する。
【0033】
ステップS1の判定の結果、撮影動作ではない場合には、次に、再生動作を行うか否かの判定を行なう(S11)。この判定は、デジタルカメラ3の不図示の再生釦が操作されたか否かによって行う。判定の結果、再生釦が操作された場合には、デジタルカメラ3に設けられた液晶モニタ等の表示パネル8に、記録媒体等に記録されている画像データに基づいて画像を表示する(S12)。
【0034】
再生画像を見て、ユーザーが他のユーザーに送信を望む場合は、ユーザーは、前述したように、携帯電話4を介して画像管理サーバー1にアクセスし、その画像の記録領域のアドレスと送信先を表す画像を取得する。携帯電話4の画面上に表示される記録領域のアドレスと配信先の情報画像を、デジタルカメラ4によって撮影したか否かを判定する(S13)。このアドレス等を表す情報画像を撮影する場合には、前述したように、スイッチ3bを操作しながら行なうので、ステップS13の判定は、スイッチ3bが操作されているか否かを検出することによって行なう。
【0035】
判定の結果、情報画像の撮影を行った場合には、ステップS12において再生表示された再生画像に対して配信先および記録領域アドレスの関連付けを行なう(S14)。ステップS11の判定の結果、再生動作ではなかった場合には、ホットスポット5等において通信可能な環境下にあるか否かの判定を行なう(S15)。
【0036】
判定の結果、通信可能であれば、ステップS14において、関連付けられた画像を画像管理サーバー1に画像送信を行なう(S16)。ここでは、前述したように、デジタルカメラ3の記録媒体に記録された撮影画像と、携帯電話4の画面2b(図1、図3参照)から取得した配信先と記録領域を示すアドレスを示す情報画像を関連付けて送信する。なお、無線や有線でネットワークに接続される環境であれば、ホットスポット5に限らない。ステップS2、S14、S15、S16での処理が終わると、メインルーチンに戻る。
【0037】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、画像管理サーバー1の画像管理動作について説明する。まず、インターネットを介して通信部1bに画像を入力したか否かの判定を行なう(S101)。
【0038】
ステップS101の判定の結果、画像を入力した場合には、画像照合を行う(S102)。入力画像は、配信先および記録領域のアドレスを表す情報画像と、撮影画像とが関連付けられているので、画像判定部1cにおいて、これらの画像を分離し、先に送信した予約表示と情報画像を照合し、記録領域と配信先を抽出する。
【0039】
続いて、これらの照合結果に従って、記録領域を決定する(S103)。すなわち、ステップS102において抽出されたアドレスに従って、撮影画像を記録する画像記録部1eの領域を決定する。続いて、この決定した記録領域に撮影画像を記録する(S104)。情報画像からの文字・数字列などを判定する場合には、一般的には誤差が大きいが、画像管理サーバー1が自ら送信した画像と比較するので、通常の判定より格段に高い精度ではんていすることが可能である。
【0040】
画像記録が終わると、次に、情報画像の照合結果(記録領域のアドレス)に基づいて、配信予約がなされているか否かの判定を行なう(S105)。後述するステップS112において、記録領域のアドレスと撮影画像の配信先を記憶しているので、判定の結果、配信予約がなされている場合には、記憶した配信先に、指定された撮影画像を、送信制御部1gを介して送信する(S106)。ユーザーBは、その配信された画像を見て、ユーザーAが作成したコンテンツ(ここでは画像)を楽しむことができる。
【0041】
ステップS101における判定の結果、画像入力ではない場合は、ユーザーAの携帯電話4から記録予約がなされているか否かの判定を行う(S111)。これは、図3の(ア)において示したように、携帯電話4から画像記録部1eに画像記録することの予約がなされているか否かの判定である。
【0042】
判定の結果、記録予約がなされている場合には、指定送り先の記憶を行う(S112)。ここでは、画像の記録を行う画像記録部1eの記録領域を表すアドレスを決定すると共に、撮影画像の送り先の記憶を行なう。また、プライバシー保護のために、本人認証用の暗証番号を設定する場合には、このステップで暗証番号を決定し、ユーザーAに返信する。なお、ここで記憶した記憶領域のアドレスと配信先の情報に基づいて、前述したステップS106において、撮影画像を送信する。続いて、記録領域のアドレスと撮影画像の配信先を表示した情報画像を返信する(S113)。
【0043】
ステップS111の判定の結果、記録予約ではない場合には、次に、撮影者とは異なるユーザーBの端末6から、画像アクセスがあるか否かの判定を行なう(S121)。判定の結果、画像アクセスがない場合には、前述のステップS101に戻り、前述のステップを繰り返す。
【0044】
ステップS121における判定の結果、画像アクセスがあった場合には、次に、暗証番号が入力されているか否かの判定を行なう(S122)。判定の結果、暗証番号が一致しない場合には、前述のステップS101に戻り、画像表示を許可しない。一方、判定の結果、暗証番号が一致した場合には、画像記録部1eの記録領域に記録されている撮影画像の表示を許可し、ユーザーBの端末6において、撮影画像8bの画像再生を行なう(S123)。暗証番号が一致する場合のみ画像再生を許可することにより、間違ったユーザーに送られたりしてプライバシーが漏洩したりすることを防止することができる。
【0045】
次に、図6に示すフローチャートを用いて、携帯電話4の動作について説明する。まず、図3(ア)に示した記録予約の操作を行なっているか否かの判定を行う(S21)。ここでは、前述したように、画像管理サーバー1に画像配信先を予約する操作をユーザーが行ったかどうかを判定する。
【0046】
ステップS21の判定の結果、記録予約の操作を行っている場合には、画像管理サーバー1の携帯ネットワーク通信部1aにアクセスし、撮影画像の記録を予約する(S22)。このとき、他のユーザー(ユーザーB等)に撮影画像を送信したい場合には、撮影画像の送信先も一緒に送信しても良い。
【0047】
ステップ21の判定の結果、記録予約の操作を行っていない場合には、携帯電話4が外部から受信しているか否かの判定を行なう(S25)。判定の結果、受信している場合には、記録予約の受信か否かの判定を行なう(S26)。判定の結果、記録予約の場合には、受信した記録予約を表示する(S27)。
【0048】
すなわち、画像管理サーバー1は、記録予約を受け付けると、撮影画像を記録する記録領域のアドレスを表す画像2bを送り返すので、この画像2bを携帯電話4の表示画面に表示する。なお、この画像2bは、前述したように、ユーザーAのデジタルカメラ3によって撮影され(図4S2)、この画像2bは撮影画像8aとともに、画像管理サーバー1に送られる(図4S16)。
【0049】
ステップ26における判定の結果、記録予約の返信ではなかった場合には、携帯電話4を使ったメールまたは電話と判断し、メールや通話など、通常の携帯電話の機能の受信モードでの動作となる。
【0050】
ステップS25における判定の結果、受信ではなかった場合には、その他の機能かを判定し(S35)、いずれでもない場合には、ステップS21に戻る。一方、その他の機能の場合には、メール作成や電話をかけるような一般的な携帯電話としての機能の利用が可能となる(S36)。
【0051】
このような本実施形態によれば、デジタルカメラ3に特別な設定部がなくとも、特定のユーザーに個々の画像を送ったり、一枚一枚の画像ごとに、閲覧可能な状態に記録したりすることが可能となる。すなわち、携帯電話4のように、各種キーを備え、また通信機能が優れた装置を用いて、画像管理サーバー1に撮影画像の記録領域を予約している。そして、画像管理サーバー1は記録領域のアドレスを示す情報画像を携帯電話4に送信し、この情報画像をデジタルカメラ3は撮影し、この情報画像と共に撮影画像を画像管理サーバー1に送信している。このように、本実施形態では、携帯電話によって記録予約を行なうことができることから、デジタルカメラ3に効果で複雑な通信や設定機能を持たせる必要がない。
【0052】
以上、説明したように本実施形態に係わる情報記録システムは、外部と通信機能を有する第1の情報機器(携帯電話4)と第2の情報機器(デジタルカメラ3)とが連携しながら、第2の情報機器によって送信された情報(撮影画像)を外部の記録装置(画像管理サーバー1)の予め予約された記録領域(画像記録部1eの記録領域)に記録するためのシステムであって、記録部の記録領域を予約するための第1の情報機器(携帯電話4)と、予約による確定した記録領域に関するアドレス情報を取得するとともに、情報を送信する第2の情報機器(デジタルカメラ3)と、第2の情報機器から送信された情報をこのアドレス情報による指定される記録領域に記録する記録装置を備えている。
【0053】
本実施形態によれば、第2の情報機器は記録装置に対して記録領域の予約を行なうための複雑で高価な装置を持つことがなく、外部の記録装置の予約した記録領域に情報を記録することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、第1の情報機器(携帯電話4)は記録装置(画像管理サーバー1)にアクセス可能な携帯電話であり、第2の情報機器はホットスポット5を介して記録装置にアクセスすることが可能なカメラ(デジタルカメラ3)である。このため、携帯電話4の通信機能と各種キーによる設定機能を活かして、カメラの取得した情報を記録することができ、またカメラは複雑かつ高価な装置とはならない。
【0055】
さらに、本実施形態によれば、第1の情報機器(携帯電話4)は情報を記録するための記録領域を予約するとともに、情報の配信先を指定している(図6のS22参照)。このため、情報の記録領域を簡単に設定できると共に、特定のユーザーの配信先も簡単に設定できる。さらに、本実施形態によれば、記録装置(画像管理サーバー1)はさらに配信先を表す情報に基づいて情報を配信するための情報配信部(送信制御部1g)を備えている。このため、個々のユーザーと情報を簡単に共有することができる。
【0056】
さらに、本実施形態によれば、第1の情報機器(携帯電話4)から送信された際に、本人認証用の情報(暗証番号)を作成し、第1の情報機器に返信するための暗証部1hを備えている。このため、他のユーザーから撮影画像の表示請求があった際に、誤って撮影画像を表示することはなく、プライバシーの漏洩を防止することができる。
【0057】
なお、本実施形態においては、携帯電話4で記録予約する際に、送信先を画像管理サーバー1に告知し、また暗証番号を取得しているが、単に撮影画像を画像管理サーバー1に記録するだけで良いのであれば、これらの両方または一方を省略することができる。また、配信先の設定と暗証番号の取得は、撮影画像の記録予約時に行っているが、別々のタイミングで行なうようにしても良い。この場合には、図6のフローにおいて別途、設定し、これをデジタルカメラ3で撮影するようにする。
【0058】
また、本実施形態においては、画像記録部1eの記録領域のアドレスを文字・数字を表した画像で携帯電話4の表示面に表示しているが、文字・数字以外にも、記号やバーコード、QRコード(登録商標)等の二次元コード等の画像を表示するようにしても勿論構わない。さらに、送信先は、携帯電話4から記録予約した際に、記憶するようにしているが、これに限らず、デジタルカメラ3から送信される情報画像から判別するようにしても良い。さらに、再生画像1コマごとに記録予約をせずに、サムネール画像を再生表示し、複数の撮影画像をまとめて記録予約しても良い。
【0059】
さらに、本実施形態では、第1の情報機器として、携帯電話4を用いた例について説明したが、これに限らず、携帯情報端末(PDA)のように、通信機能や情報設定機能を有する携帯端末であれば良い。また、第2の情報機器として、デジタルカメラ3を用いた例について説明したが、デジタルカメラとしては、所謂コンパクトタイプでも一眼レフタイプのカメラのいずれでもよく、また、各種装置に取り付ける専用カメラでも良い。
【0060】
さらに、画像の格納先として、インターネット上のサイトを例に挙げて説明したが、これに限らず、ネットワーク等の通信網を介して接続された画像格納用領域を持つシステムであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係わる情報記録システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる情報記録システムの操作について説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる情報記録システムおいて、ユーザーBに画像を送信する際のデータの流れを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態において、カメラの制御を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態において、画像管理サーバーの画像管理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態において、携帯制御電話の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1・・・画像管理サーバー、1a・・・携帯ネットワーク通信部、1b・・・通信部、1c・・・画像判定部、1d・・・アドレス検出、1e・・・画像記録部、1g・・・送信制御部、1h・・・暗証部、2a・・・画面(画像)、2b・・・画面(画像)、3・・・デジタルカメラ、3a・・・レリーズスイッチ、3b・・・スイッチ、4・・・携帯電話、5・・・ホットスポット、5a・・・基地局、8・・・表示パネル、8a・・・画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーに対して記録領域予約を行い、上記サーバーが上記記録領域予約を受けることによって上記記録領域用に付与されたアドレス情報を送信した結果を情報画像として表示する第1の情報機器の表示結果を取得するステップと、
上記サーバーに通信可能であるかを判定するステップと、
上記サーバーに対して通信可能と判定された時に、上記表示結果に従った上記サーバーの記録領域に画像送信を行うステップと、
を備えたことを特徴とする第2の情報機器の制御方法。
【請求項2】
上記第2の情報機器が撮影した撮影画像を表示するステップと、
上記サーバーの予約された記録領域と、上記表示された撮影画像を関連づけるステップを有することを特徴とする請求項1に記載の第2の情報機器の制御方法。
【請求項3】
上記第1の情報機器の表示結果を取得するステップは、
上記第1の情報機器の表示結果を取得する際に、撮影モードを選択するステップと、
上記選択された撮影モードを利用して上記第1の情報機器のアドレス表示を撮影するステップとからなることを特徴とする上記請求項1に記載の第2の情報機器の制御方法。
【請求項4】
上記画像送信を行うステップは、上記サーバーが、上記予約領域に上記画像を受信した時に、上記画像を特定の配信先に配信するための情報配信を行うように、上記サーバーに画像送信するステップであることを特徴とする請求項1に記載の第2の情報機器の制御方法。
【請求項5】
上記第1の情報機器の表示結果を取得するステップにおいて、上記情報画像として表示する第1の情報機器の表示は、上記サーバーの記録領域のアドレスを文字・数字を表した画像、または、記号やバーコード、QRコード(登録商標)等の二次元コード等で表現した画像であることを特徴とする請求項1に記載の第2の情報機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−101646(P2013−101646A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−281432(P2012−281432)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2011−234495(P2011−234495)の分割
【原出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】