説明

情報機器

【課題】電話や来客などでテレビなどの視聴が中断されても、中断要因の終了後直ちに、
視聴中の番組を一部の見損いもなく見ることができる情報機器を提供する。
【解決手段】受信した映像信号を録画、再生する手段を備えた情報機器であって、録画を
行う記録媒体と、受信した映像信号による映像を直接映出しているとき録画開始信号を検
出して映出中の映像信号の録画を自動的に開始する手段と、上記録画中に録画再生開始信
号を検出すると上記録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行
して行う手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
テレビを見ているとき、電話、来客、食事等によって視聴を中断せねばならないようなことがしばしば発生する。このような場合に、電話や来客を待たせておいて、ビデオ装置を用いて番組を録画することができるが、電話や来客対応が済んだ後、続きを見ようとしても見ていた番組の録画が終了した後でなければ再生できないという問題があった。
【背景技術】
【0002】
本発明はテレビジョン受像機やマルチメディア情報機器など受信した動画像を映像として出力する情報機器に係り、特に受信録画しながら再生出力できるテレビジョン受像機に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記従来技術の問題を解決し、電話や来客など様々な中断要因に待たせることなく対応でき、且つ中断要因の終了後直ちに、視聴中の番組を一部の見損いもなく見ることができるテレビジョン受像機やマルチメディア情報機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成する為本発明は、受信した映像信号を録画、再生する手段を備えた情報機器であって、録画を行う記録媒体と、受信した映像信号による映像を直接映出しているとき録画開始信号を検出して映出中の映像信号の録画を自動的に開始する手段と、録画中に録画再生開始信号を検出すると上記録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行う手段とを備えたこと、上記情報機器が、更に電話を送受信する機能を備え、上記録画開始信号を電話受信検知信号とし、上記録画再生開始信号を通話切断検知信号とすること、上記録画開始信号を来客検知信号とすること、上記録画開始信号及び録画再生開始信号をキー押下信号とすること、通話中、相手から受信した画像情報を映像信号による映像を出力する表示装置に出力すること、上記情報機器が、来客用撮像カメラを備え、来客の映像を映像信号による映像を出力する表示装置に出力すること、受信した映像信号を録画、再生する手段を備えた情報機器であって、録画中に録画再生開始信号を検出すると、上記録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行う手段を備えたこと、上記情報機器が、ディスク型記録媒体、受信バッファメモリ及び再生バッファメモリを備え、任意量の受信情報をディスク型記録媒体に記録した後、受信情報を常時受信バッファメモリに格納し、再生出力情報を常時再生バッファメモリから読み出し、上記受信バッファメモリへの格納及び再生バッファメモリからの読み出しと並行に、上記記録媒体から記録順に所定量の受信情報を読み出して上記再生バッファメモリに格納し、受信バッファメモリ内の情報を受信順に上記記録媒体に記録する処理を交互にくり返す構成にしたこと、上記情報機器が、記録媒体としてそれぞれ独立に録画・再生ができる2個のビデオテープを備え、任意量の受信情報を上記ビデオテープに記録した後、記録順に従って一方のビデオテープから再生する再生動作と他方のビデオテープに続きの受信情報を記録する録画動作を並行して行い、再生中のビデオテープによる上記受信情報の再生が完了すると、それまで再生中のビデオテープには続きの受信情報を録画し、録画中だったビデオテープから再生させる動作をくり返す構成にしたこと、上記記録媒体に記録する情報を圧縮情報とする構成にしたことを特徴とする。
【0005】
録画を行う記録媒体と、受信した映像信号による映像を直接映出しているとき録画開始信号を検出して映出中の映像信号の録画を自動的に開始する手段と、上記録画中に録画再生開始信号を検出すると上記録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行う手段を備えた構成にしたので、録画開始信号を与えることにより映出中の録画を自動的に開始し、上記録画中に録画再生開始信号を与えることにより録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行える。
【0006】
電話を送受信する機能を備え、録画開始信号を電話受信検知信号とし、録画再生開始信号を通話切断検知信号とする構成では、電話受信検知信号により映出中の録画を自動的に開始し、通話切断検知信号により録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行える。
【0007】
録画開始信号を来客検知信号とする構成では、来客検知信号により映出中の録画を自動的に開始する。録画開始信号及び録画再生開始信号をキー押下信号とする構成では、キー押下信号により映出中の録画を自動的に開始し、更に録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行える。通話中、相手から受信した画像情報を、映像信号による映像を出力する表示装置に出力する構成にしたので、通話中、相手の顔などを表示できる。
【0008】
来客用撮像カメラを備え、来客の映像を映像信号による映像を出力する表示装置に出力する構成にしたので、ドアを開けることなく来客の顔を確認できる。録画中に録画再生開始信号を検出すると、上記録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行う手段を備えた構成にしたので、録画再生開始信号を与えることにより録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行える。ディスク型記録媒体、受信バッファメモリ及び再生バッファメモリを備え、任意量の受信情報をディスク型記録媒体に記録した後、受信情報は常時受信バッファメモリに格納し、再生出力情報は常時再生バッファメモリから読み出し、上記受信バッファメモリへの格納及び再生バッファメモリからの読み出しと並行に、上記記録媒体から記録順に所定量の受信情報を読み出して上記再生バッファメモリに格納し、受信バッファメモリ内の情報を受信順に上記記録媒体に記録する処理を交互にくり返す構成にしたので、1個のヘッドで録画と再生を並行して行える。
【0009】
記録媒体としてそれぞれ独立に録画・再生ができる2個のビデオテープを備え、任意量の受信情報を上記ビデオテープに記録した後、記録順に従って一方のビデオテープから再生する再生動作と他方のビデオテープに続きの受信情報を記録する録画動作を並行して行い、再生中のビデオテープによる上記受信情報の再生が完了すると、それまで再生中のビデオテープには続きの受信情報を録画し、録画中だったビデオテープから再生させる動作をくり返す構成にしたので、ビデオテープを使用して、映出中の録画を自動的に開始し上記録画中に録画再生開始信号を与えることにより録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行う作用を実現できる。記録媒体に記録する情報を圧縮情報とする構成にしたので、記録媒体に記録できる録画時間が長くなるし、1個のヘッドによる録画と再生の並行動作も容易になる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、録画開始信号を与えることにより映出中の録画を自動的に開始し、上記録画中に録画再生開始信号を与えることにより録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行えるので、テレビなどの視聴を中断させる電話や来客など様々な要因が発生しても、中断要因の終了後直ちに視聴中の番組を一部の見損ないもなく見ることができる。また中断要因が電話の場合、通話中、テレビなどの表示装置に相手の顔などを表示できるし、来客の場合、ドアを開けることなくテレビなどの表示装置で来客の顔を確認できるので、表示装置を有効に活用できる。
【0011】
また、録画再生開始信号を与えることにより録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行うことができるので、視聴中の番組の終了時、録画中の番組が終了していなくても、録画中の番組を直ちに再生してその番組を最後まで見ることができる。また、1個のヘッドで録画と再生を並行して行うことができるので、低コストで上記効果を実現できる。
【0012】
更に、ビデオテープを使用して、映出中の録画を自動的に開始し上記録画中に録画再生開始信号を与えることにより録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行う作用を実現できるので、本発明の適用範囲が拡大される。更にまた、記録媒体に記録する情報を圧縮情報とする構成にして記録媒体に記録できる録画時間を長くできるので、長時間の中断や頻繁に発生する中断にも対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面により本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明による情報機器の一実施例を示すブロック図である。図において、6は記録媒体、5は記録媒体6に画像情報、音声情報などの受信情報を記録する記録制御部、7は記録媒体6から記録された受信情報を再生する再生部、21は制御部であり、CPU、ROM、RAM等から構成されている。制御部21の作用先として、図1では説明の便宜上、位置付け部20とセレクタ22のみ示しているが、その他にも図1の様々な構成要素に対して作用する。また図1ではこの作用を1本の作用線で示しているが、実際はデータバス、アドレスバス、制御ライン等から成るシステムバスによって接続されている。電話器23はトーン発生器、トーン検出器などを含む回線接続手段、マイク、スピーカ、送受信回路などを備えている。
【0014】
今、テレビジョン受信信号など映像信号は、図示していない部によりディジタル化された受信情報としてセレクタ22に入力され、制御部21によって直接出力が選択されて、画像情報は出力信号処理回路19を介して表示装置13に直接出力され、音声情報はスピーカ18に直接出力されている。このとき、回線を介して電話に着呼が入り、例えばオフフックすることにより通話状態に入ったとすると、電話器は制御部21に対して、オフフック状態を示す信号のような電話受信検知信号を録画開始信号として出す。制御部21はこれを受けてセレクタ22を制御し、受信情報の出力先として記録媒体6を選択させる。こうして、今まで映出されていたテレビ放送の続きの受信情報は記録制御部等を介し、後述のようにして記録媒体6に録画される。以後この録画は操作者のキー操作などによって録画終了などが指示されるまで続行される。
【0015】
やがて通話がすんでオンフックされると、電話器23は制御部21にオンフック状態を示す信号のような通話切断検知信号を録画再生開始信号として出す。制御部21はこれを受けて位置付け部20に再生要求を出す。位置付け部20は、制御部21から再生要求を受けると、例えば位置付け部20を構成する再生用位置付け部により再生ヘッドを再生位置(記録開始位置)に位置付けし、再生を行う。また位置付け部20は制御部21から録画中であることを指示されたままなので、記録用ヘッドは今まで通り記録位置に位置付けられ、録画を続行する。
【0016】
操作者によって録画再生終了が指示されて、制御部21がそれを受けると、制御部21はセレクタ22を制御して、その出力先を記録媒体6から直接出力に切り換える。このとき、録画されたまま再生されずに記録媒体に残っている受信情報は無視する。尚、録画終了と再生終了を別々に指示をする部を設け、操作者が録画終了を指示したとき、制御部21はそれを受けて、セレクタ22は記録媒体を選択したまま、記録制御部5を制御して、録画をやめさせ、再生のみ行ない、続いて操作者が再生終了を指示したとき、再生をやめさせると共にセレクタ22は直接出力を選択する。
【0017】
また、録画・再生中に再び電話や後述する録画開始信号を受けると録画のみが行われる。
【0018】
また、通話中、相手から受信した画像情報を表示装置13に出力することができる。これは回線を介して送られてきた画像情報を制御部21、セレクタ22、出力信号処理回路19を介して表示装置13に出力することにより実現される。このとき、制御部21で例えばテレビジョン受信情報と同一のデータフォーマットにするための変換を行うか、送信側でこのデータフォーマットにして転送するようにする。なお上記において、電話器23はISDNインターフェイスにして音声、画像の送受信をすることも可能である。
【0019】
録画モードに入る指示を来客検知信号によって行うことができる。例えば玄関にテレビカメラと呼鈴を備えておき、呼鈴を鳴らす信号を上記オフフック信号の代りに録画開始信号として制御部21に入力させるわけである。また、テレビカメラから入力された画像情報を前記回線を介して入力される画像情報のように処理して、表示装置13に表示することも可能である。
【0020】
更に、録画モードに入る録画開始信号を例えばリモコンの操作キー操作によって発生する信号としてこれを受信し、制御部21に与えることも可能であり、同様に、録画再生並行モードに入る録画再生開始信号もリモコンの操作キー操作によって与えることも可能である。リモコンの信号発生器、テレビジョン受像機など情報機器側の受信回路については当業者には公知なので説明を省略する。
【0021】
次に、1個のヘッドで録画と再生を同時実行する方法を説明する。図2は情報機器の本発明に係る要部の一実施例を示すブロック図である。図において、1及び2はディジタル化された受信情報を格納する受信バッファメモリ、3はデータ量を圧縮する圧縮部、4は圧縮部3により圧縮された情報を一時的に格納する圧縮情報バッファ、5aは圧縮情報をディスク型記録媒体6aに記録するための記録制御部である。上記において、ディスク型記録媒体6aは例えばハードディスクや光磁気ディスクのように、同心円またはスパイラル状の記録トラックを備えた記録媒体である。7aは記録媒体6aから記録されている情報を記録順に再生する再生部、8は再生された圧縮情報を一時的に格納する圧縮情報バッファ、9は圧縮情報を元の情報に伸長する伸長部、10及び11は伸長された画像情報を格納する再生バッファメモリ、12は再生バッファ10または11から再生順にフレーム単位で読み出し、1フレーム分の出力画像情報を出力画面のレイアウトで保持するフレームメモリである。
【0022】
上記のような構成の記録・再生部によって、通常はまず専ら録画が行われる。このとき、ディジタル化された受信情報は最初、受信バッファメモリ1に受信順に連続する領域に格納され、所定フレーム数(所定時間分)格納すると続いて受信情報は受信バッファメモリ2に同じ様に格納される。一方、受信バッファメモリ1への格納が終ると図示していない制御部により受信バッファメモリ1より受信順に受信情報を読み出し、専用の圧縮回路から構成される圧縮部3に入力し、30分の1程度に圧縮された圧縮画像情報を得る。圧縮部3から出力された圧縮情報は圧縮情報バッファ4に一時的に保持された後、図示していない部により画像情報と対で与えられた音声情報と共に、記録制御部5aによって記録媒体6aに記録される。この記録は受信順に連続する領域に対して行われる。上記において受信バッファメモリからの出力速度は受信バッファメモリへ格納する速度よりも数倍速く設定されており、記録制御部5aによる記録速度は、情報が圧縮されているので受信バッファメモリからの出力速度の約30分の1の圧縮部3の出力スループットに追随するスループットで行われる。
【0023】
受信バッファメモリ2への受信が完了しないうちに受信バッファメモリ1からの読み出しは完了しており、やがて受信バッファモメリ2への格納が所定フレーム数に達すると受信情報の格納は受信バッファメモリ1に対して行われ、受信バッファメモリ2から読み出して記録媒体6aの連続する領域に記録する処理が行われる。以下、このくり返しが行われる。
【0024】
録画が完了しないうちに再生が開始されると、次のように動作する。まず、記録媒体6aのヘッドが位置付け部20によって制御され読み取り位置に移される。この位置はそのとき録画した領域の先頭位置である。続いて再生部7aにより所定量の再生を行う。録画順に読み出された圧縮情報は圧縮情報バッファメモリ8に一時的に保持され、伸長部9で圧縮前の状態に伸長され、再生バッファメモリ10に格納する。この間、続きの受信情報は絶えることなく入力され、これは前記のように受信バッファメモリ1または2に格納される。
【0025】
上記再生バッファメモリ10への所定量の格納が終ると、再生バッファメモリ10からの読み出しが開始され、フレームメモリ12を介して表示装置13に、例えば30フレーム/秒の速度で映出される。また記録媒体6a上のヘッドは再び記録位置に移され、前記のようにして受信バッファメモリ1または2から続きの受信情報を読み出し、前記のようにして記録媒体6aに圧縮情報を記録する。所定量の受信情報の記録が完了すると再び記録媒体6a上のヘッドは再生位置に移され、上記のようにして伸長部9から伸長された画像情報が出力されるが、今度はこの出力情報は再生バッファメモリ12に格納される。
【0026】
上記において、所定量の情報を再生バッファメモリから出力するに要する時間は、記録・再生位置間を往復する時間と同量の受信情報を記録媒体に記録する時間と記録媒体から再生して同量の伸長情報を再生バッファメモリに格納する時間の和より長くなるように設定されているので、一方の再生バッファメモリからの出力が完了しないうちに、それに続いて出力される画像情報の他方の再生バッファメモリへの格納が終了する。以下同様にして、記録(録画)と再生が交互にくり返され、この間、受信情報を受信バッファメモリへ格納する動作及び再生バッファメモリから読み出して映出させる動作は絶えることなく続行される。
【0027】
上記において、圧縮/伸長部は記録される情報量を削減する目的、及び記録/再生時間を短縮する目的で設けられているが、圧縮しなくても、記録/再生速度を受信速度や表示装置への出力速度より速くすることにより、上記のように記録/再生時間と記録・再生位置間の往復時間の和が受信時間や出力時間よりも短かくできれば必ずしも必要ない。
【0028】
また、受信情報は画像情報と音声情報から構成されているが、所定フレームの画像に対応したディジタル化された音声情報は受信バッファメモリ1または2内の特定領域に格納され、例えば所定量(所定フレーム)の画像を記録媒体に記録する際、画像情報に連続する領域に記録される。この記録された音声情報が再生部7によって再生されると、一まず再生音声バッファメモリ14に格納され、対応する画像情報が再生バッファメモリから出力されるとき、それに同期して再生音声バッファメモリ14から読み出され、デコーダ15、DA変換器16でデコード及びDA変換され増巾器17で増巾され、スピーカ18に出力される。
前記所要時間の関係から言って、ヘッドの移動時間を記録・再生時間に比べて無視できるくらいにするのが望ましいがそのためには受信バッファメモリ及び再生バッファメモリの容量を大きくし前記所定量を大きくする必要がある。
【0029】
図3に上記記録・再生並列動作時のフローを図式的に示す。図3の丸内の番号は処理の順序を示す番号である。また、図3に示すブロックとは1回当たりの記録・再生単位つまり所定量の受信情報であって、第1回目の記録の対象ブロックがブロック1、第n回目の記録の対象ブロックがブロックnである。つまり図3のフローはブロックnを記録するところから始まっている。この直前までは再生を行わずブロック1からブロックn−1までの記録を行なってきたわけである。
【0030】
記録媒体として、それぞれ独立に録画・再生できる2個のビデオテープを備えて、受信中のテレビジョン信号などを録画しながら、前記のように既に録画済の部分を再生・映出することが可能である。この方法では、任意量の受信情報を上記ビデオテープに記録した後、記録順に従って一方のビデオテープから再生する再生動作と他方のビデオテープに続きの受信情報を記録する録画動作を並行して行い、再生中のビデオテープによる上記受信情報の再生が完了すると、そのビデオテープには続きの受信情報を録画し、録画中だったビデオテープから再生させる動作をくり返す。
【0031】
図4は本実施例の要部を示すブロック図である。制御部25は図示していない部から録画開始信号を受けると、例えばまずセレクタ26を制御して受信情報を第1テープ記録制御部28に渡す。同時に制御部25は第1テープ駆動部28により指示を与え、テープを駆動させ、第1ビデオテープ31に記録させる。やがて、制御部25が録画再生信号を受けると、制御部25はセレクタ26を制御して、引き続き受信中の受信情報を第2テープ記録制御部30に転送させると同時に、第2テープ駆動部29を駆動させ、第2ビデオテープ32に記録させる。制御部25は更に第1テープ駆動部27に指示して、第1ビデオテープ31を録画開始位置に戻させ、第1テープ再生部33により、第1ビデオテープ31に録画された受信情報を再生させる。
【0032】
第1テープ駆動部27は録画終了位置を記憶しておりその位置に達すると、その旨制御部25に通知する。制御部25はこれを受けて、第1テープの再生を終了させ、セレクタ26を制御して受信情報を第1テープ記録制御部28に転送させる。この間、第1テープ駆動部27は第1テープ31を駆動し続ける。同時に、制御部25は第2テープ駆動部29に指示を出して、第2テープ32を録画開始位置に戻し、第2テープ再生部34により第2テープ32に録画された受信情報を再生させる。以下このくり返しとなる。
【0033】
上記の場合、巻き戻し期間中の視聴が中断されてしまう。前記のようにテレビジョン信号をディジタル化して、受信バッファメモリまたは再生バッファメモリを備えればこの問題を解決できる。例えば、再生中の駆動部は再生終了位置の少し前で制御部25にその旨指示を出すと、制御部25はただちに他方のテープへの録画を中止し、巻き戻しに入る。しかし、そのとき再生中のテープ側へ受信情報を渡すにはまだ早過ぎるので、その間の受信情報を受信バッファメモリに格納し、再生側が録画側に切り換った最初の所定期間は上記受信バッファメモリへの格納速度よりも記録速度を速くして受信バッファメモリ内の受信情報が空になったとき、受信速度と記録速度を同じにするわけである。なお上記において、第1テープ駆動部27と第2テープ駆動部29は位置付け部20aを構成している。また前記において、録画・再生する受信情報はテレビジョン信号に限定されず、無線または有線で送られてくる映像信号全般について適用可能であることは説明するまでもない。
【0034】
ところで、従来技術による録画・再生では、ある番組を見ているときに同時放映中の他チャンネルの番組を録画して再生する場合、見ていた番組が終了しても録画している番組が終了してから再生しなければ、その番組の全てを録画できなくなってしまう。それに対して、本発明の一部を実施すれば、見ていた番組が終了すると、録画中の番組が終了しなくても、録画と再生を同時に行うことにより、直ちに録画中の番組の再生を開始し、且つその番組の最後まで再生できる。上記本発明の一部とは、録画中に録画再生開始信号を検出すると、上記録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像の続きの録画を並行して行う部を備えた構成にすることである。このように構成によって上記機能が達成できることはあらたに説明するまでもなく前記説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による情報機器の要部の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明による情報機器の要部の他の実施例を示すブロック図である。
【図3】図2に示す実施例の動作を説明するための図である。
【図4】本発明による情報機器の要部の他の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
1、2 受信バッファメモリ
5 記録制御部
6 記録媒体
7 再生部
10、11 再生バッファメモリ
12 フレームメモリ
13 表示装置
20 位置付け部
21 制御部
22 セレクタ
23 電話器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した映像信号を録画、再生する手段を備えた情報機器であって、録画を行う記録媒体と、受信した映像信号による映像を直接映出しているとき録画開始信号を検出して映出中の映像信号の録画を自動的に開始する手段と、録画中に録画再生開始信号を検出すると上記録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行う手段とを備えたことを特徴とする情報機器。
【請求項2】
上記情報機器が、更に電話を送受信する機能を備え、上記録画開始信号を電話受信検知信号とし、上記録画再生開始信号を通話切断検知信号とすることを特徴とする請求項1記載の情報機器。
【請求項3】
上記録画開始信号を来客検知信号とすることを特徴とする請求項1記載の情報機器。
【請求項4】
上記録画開始信号及び録画再生開始信号をキー押下信号とすることを特徴とする請求項1記載の情報機器。
【請求項5】
通話中、相手から受信した画像情報を映像信号による映像を出力する表示装置に出力することを特徴とする請求項2記載の情報機器。
【請求項6】
上記情報機器が、来客用撮像カメラを備え、来客の映像を映像信号による映像を出力する表示装置に出力することを特徴とする請求項3記載の情報機器。
【請求項7】
受信した映像信号を録画、再生する手段を備えた情報機器であって、録画中に録画再生開始信号を検出すると、上記録画中の録画情報の再生と上記録画中の映像信号の続きの録画を並行して行う手段を備えたことを特徴とする情報機器。
【請求項8】
上記情報機器が、ディスク型記録媒体、受信バッファメモリ及び再生バッファメモリを備え、任意量の受信情報をディスク型記録媒体に記録した後、受信情報を常時受信バッファメモリに格納し、再生出力情報を常時再生バッファメモリから読み出し、上記受信バッファメモリへの格納及び再生バッファメモリからの読み出しと並行に、上記記録媒体から記録順に所定量の受信情報を読み出して上記再生バッファメモリに格納し、受信バッファメモリ内の情報を受信順に上記記録媒体に記録する処理を交互にくり返す構成にしたことを特徴とする請求項1及び7記載の情報機器。
【請求項9】
上記情報機器が、記録媒体としてそれぞれ独立に録画・再生ができる2個のビデオテープを備え、任意量の受信情報を上記ビデオテープに記録した後、記録順に従って一方のビデオテープから再生する再生動作と他方のビデオテープに続きの受信情報を記録する録画動作を並行して行い、再生中のビデオテープによる上記受信情報の再生が完了すると、それまで再生中のビデオテープには続きの受信情報を録画し、録画中だったビデオテープから再生させる動作をくり返す構成にしたことを特徴とする請求項1及び7記載の情報機器。
【請求項10】
上記記録媒体に記録する情報を圧縮情報とする構成にしたことを特徴とする請求項1及び7記載の情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−95056(P2009−95056A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333766(P2008−333766)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【分割の表示】特願2007−299730(P2007−299730)の分割
【原出願日】平成5年10月29日(1993.10.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】