情報端末、ナビゲーション装置、選択肢表示方法
【課題】常に2つの階層を表示することなく、ユーザによる意志決定が入力されなくても下位の階層を表示できる情報端末、ナビゲーション装置及び選択肢表示方法を提供すること。
【解決手段】接触位置を検出する接触位置検出手段24に操作手段が接触すると、表示装置21に表示された接触位置に対応する上位階層の選択肢101の下位階層の選択肢200が表示される情報端末50であって、操作手段22がタッチパネル24の前方の空間に近接したことを検出するセンサ23と、センサ23により操作手段22が上位階層の選択肢101に近接したことが検出された場合、当該選択肢101の下位階層の選択肢200を表示装置21に表示する表示制御手段31、32、33と、を有することを特徴とする。
【解決手段】接触位置を検出する接触位置検出手段24に操作手段が接触すると、表示装置21に表示された接触位置に対応する上位階層の選択肢101の下位階層の選択肢200が表示される情報端末50であって、操作手段22がタッチパネル24の前方の空間に近接したことを検出するセンサ23と、センサ23により操作手段22が上位階層の選択肢101に近接したことが検出された場合、当該選択肢101の下位階層の選択肢200を表示装置21に表示する表示制御手段31、32、33と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位階層の選択肢の決定により、当該選択肢の下位階層の選択肢が決定可能となる情報端末、ナビゲーション装置及び選択肢表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置などの車両情報端末には、施設の住所、郵便番号、電話番号、名称等のポイントデータや電話帳などの各種の情報が記憶されている。しかし、ユーザが住所などの施設を特定する情報までは把握していない場合があり、また、車両情報端末の表示装置は大きさに制限があるため、所望の情報へのアクセスが容易になるよう、例えば都道府県名、市町村名、町名等を、表示画面を見ながら順に絞りこんでいく、階層的な検索が可能となっている。
【0003】
しかしながら、このように階層毎に表示画面を生成すると、階層の前後の関係の把握が困難になる場合がある。この点について、選択した階層と共に1つ前の階層を一表示画面に表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図11は従来のナビゲーション装置が表示する表示画面の一例を示す。図11(a)は、左側の「アミューズメントホテル」が選択され、右側にアミューズメントホテルのリストとして「ホテルA〜ホテルF」が表示された一表示画面を示す。図11(a)の表示画面でユーザが「ホテルB」を選択すると、図11(b)に示すように表示画面の右半分が左側に移動する。そして、図11(c)に示すように表示画面の右半分には「ホテルB」の詳細情報が表示される。
【特許文献1】特開平11−142171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のナビゲーション装置では、下位の階層を表示するためには必ず表示画面を操作(接触する)する必要があるという問題がある。例えば、図11(a)において「民宿」のメニューを表示するには左半分(元は右半分にあったとしても)の「民宿」を選択しなければならない。すなわち、選択するというユーザの「意志決定」を「入力」しなければ、下位の階層の表示画面を表示することはできない。
【0005】
また、特許文献1記載のナビゲーション装置は、階層が深くなるとユーザの操作が増えるという問題がある。このナビゲーション装置は、上位の階層のメニューリストと、上位の階層のうちいずれか1つのメニューの下位の階層とを、一表示画面で表示するものでるが、「意志決定」の「入力」までは、下位の階層(右半分)から見たさらに下位の階層のメニューリストを表示することができない。図11(d)〜(g)は、住所の下位の階層を辿る際の表示画面の遷移例を示す。例えば、ユーザが「関東」→「東京」→「港区」と順に選択すると図11(g)の表示画面が表示される。しかし、ユーザが図11(g)の表示画面で目的の場所がないことに気づくと、図11(f)の表示画面に「戻る」必要が生じる場合がある(図11(g)の左半分から選択できない場合)。すなわち、上位と下位の階層を一表示画面に表示しても階層が深くなると、「意志決定」と「戻る」という2つの操作が必要になるという点では、一表示画面に1つの階層しか表示できないナビゲーション装置と同じである。
【0006】
また、特許文献1記載のナビゲーション装置は、常に2つの階層が表示されるため表示画面がメニューに占有されてしまうという問題があり、ユーザから見ると多くの選択肢の中から選択しなければならないため、操作性を低下させるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、常に2つの階層を表示することなく、ユーザによる意志決定が入力されなくても下位の階層を表示できる情報端末、ナビゲーション装置及び選択肢表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、接触位置を検出する接触位置検出手段に操作手段が接触すると、表示装置に表示された接触位置に対応する上位階層の選択肢の下位階層の選択肢が表示される情報端末であって、操作手段が接触位置検出手段の前方の空間に近接したことを検出するセンサと、センサにより操作手段が上位階層の選択肢に近接したことが検出された場合、当該選択肢の下位階層の選択肢を表示装置に表示する表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
常に2つの階層を表示することなく、ユーザによる意志決定が入力されなくても下位の階層を表示できる情報端末、ナビゲーション装置及び選択肢表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【0011】
図1は、情報端末50のディスプレイ21に表示される表示画面の一例を示す。本実施形態の情報端末50のディスプレイ21はいわゆるタッチパネル24を有し、タッチパネル24は、ユーザの指やユーザが所有した棒状のポインティングデバイスなど(以下、操作手段22という)が接触した接触位置を検出する。情報端末50には、接触位置に表示されたメニューに従い操作情報が入力される。また、情報端末50はタッチパネル24の他に、ディスプレイ21に接触する前に操作手段22の位置を検出するタッチ位置予測センサ23を有する。タッチ位置予測センサ23はディスプレイ21から所定距離内の操作手段22をその位置と共に検出する。
【0012】
図1(a)ではメニューリスト100にメニュー101a〜101d(以下、区別しない場合メニュー101という)が表示されている。メニューリスト100が有するメニュー101a〜101dのいずれかにユーザが操作手段22を近づけると、情報端末50は、操作手段22が接触しようとしているメニュー101の下位階層のメニューリスト200を表示する。例えば、図1(b)では「ジャンル」というメニュー101cの下位階層のメニューリスト200aが表示されており、図1(c)では「メモリ」というメニュー101bの下位階層のメニューリスト200bが表示されている。操作手段22をメニューリスト100から離せば、下位階層のメニューリスト200a又は200b(区別しない場合、メニューリスト200という)も表示されなくなる。
【0013】
したがって、ユーザが意志決定としてタッチパネル24に操作情報を入力することなく(接触することなく)、また、上位階層のメニューリスト100を常に表示したまま、操作手段22が接近した場合のみ下位階層のメニューリスト200を表示することができる。
【0014】
ユーザは操作手段22をメニューリスト100に接触させずに、ディスプレイ21上で移動させながら、下位階層のメニューリスト200を視認することができ、所望の下位階層のメニューリスト200を見つけたらその上位階層のメニュー101に操作手段22を接触させる。例えば、図1(c)で、「メモリ」というメニュー101bに操作手段22が接触した場合、図1(d)に示すように表示画面が遷移し、下位階層のメニューリスト200bの各メニュー200b1〜200b3が選択(接触)可能に表示される。
【0015】
このようにユーザは下位階層のメニューリスト200を確認した後に、上位階層のメニュー101に操作手段22を接触させて操作情報を入力するので、操作ミスを低減することができる。また、常に下位階層のメニューリスト200が表示されるわけではないので、表示画面を上下の階層のメニューリスト100、200で占有することもない。また、表示される下位階層のメニューリスト200を最小限に制限できるので、ユーザが混乱したり操作性が低下することもない。
【0016】
なお、以下では、ユーザによる意志決定の入力を、操作手段22がタッチパネル24に接触すると表現し、(厳密には、操作手段22がタッチパネル24に接近したことも操作情報の入力となるが)操作手段22がタッチパネル24に接触した場合に操作情報が入力されると表現する。また、操作手段22をタッチ位置予測センサ23が検出することを、単に操作手段22がタッチパネル24に接近すると表現する。また、単に「メニュー」といった場合、メニュー全般をいう。
【0017】
図2は、情報端末50のハードウェア構成図の一例を示す。情報端末50は、例えばナビゲーションシステムと一体に構成できるため、本実施形態ではナビECU(Electronic Control Unit)20により制御されるものとしたが、他のECUが制御してもよい。また、情報端末50は車載されている必要はなく、例えば、可搬型のPND(Personal Navigation Device)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等を含み、適宜、車載して使用することができる。
【0018】
ナビECU20は、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等の車載LAN及び専用線を介して、GPS(Global Positioning System)受信機27、タッチ位置予測センサ23、ディスプレイ21、タッチパネル24、地図DB(Data Base)25及び通信装置26等と接続される。
【0019】
GPS受信機27は、GPS衛星から送信される電波の到達時間に基づき車両の現在位置(緯度・経度・標高)を検出する。ナビECU20は、GPS受信機27が検出した位置を起点に進行方向に走行距離を累積して車両の位置を高精度に推測する。また、地図DB25には、道路を交差点や所定間隔で区切るノードが緯度・経度に対応づけて記憶されており、ノードを道路に対応するリンクで結ぶことで道路網を表現している。地図DB25には、ガソリンスタンド、駐車場、公共施設など施設のポイントデータの位置が緯度・経度に対応づけて記憶されている。
【0020】
通信装置26は、例えば携帯電話の基地局や無線LANのアクセスポイントを介して携帯電話等の通信事業者のデータサーバに接続し、所定の通信プロトコル(例えば、IP、TCP)に従いインターネットなどのネットワークを介して車外のサーバと種々の情報を送受信する。これにより、例えば車両の周囲の施設の情報、交通情報、地図情報等を取得することができる。なお、この他、テレビ放送、ラジオ放送、CD等の音楽再生及びDVD等の映像再生の機能を備えていてもよい。
【0021】
ディスプレイ21は表示画面を表示し、また、操作手段22の接触位置を検出するためのタッチパネル24を備えたHMI(Human Machine Interface)である。ディスプレイ21は、例えばセンタークラスターに収容された液晶、有機EL等のフラットパネルディスプレイであり、さらにHUD(Head Up Display)を備えていてもよい。また、タッチパネル24の他、キーボードや音声入力による操作情報の入力手段を備えていてもよい。タッチパネル24は、例えば透明電極を面状に配置して、抵抗膜方式や静電容量方式により接触位置に応じた電気信号が検出されること利用して、操作手段22の接触位置を検出する。なお、タッチパネル24が検出する接触位置は、同時に1つとは限らず2以上の接触位置を同時に検出することができる。
【0022】
また、ディスプレイ21とタッチパネル24とが一体の例を示したが、タッチパネル24を別体又は着脱可能にし、タッチパネル24の接触位置を有線又は無線で情報端末50に送信してもよい。この場合、タッチパネル24側に次述するタッチ位置予測センサ23が備えられ、同様にタッチパネル24に接触することなく、ディスプレイ24に下位階層のメニューを表示することができる。
【0023】
〔タッチ位置予測センサ23〕
タッチ位置予測センサ23について説明する。図3(a)は、タッチ位置予測センサ23の概略を模式的に説明する図の一例である。タッチ位置予測センサ23は、例えば赤外遮光方式によりタッチパネル24に近接した又はタッチパネル24から所定距離内の操作手段22の位置(以下、プレタッチ位置という)を検出する。この所定距離はタッチパネル24の面上で均一でなくてもよい。
【0024】
タッチ位置予測センサ23は、ディスプレイ21の長手方向と短手方向にそれぞれ、直線状に配置された複数の赤外線投光器23aを有し、対向する長手方向と短手方向にそれぞれ直線状に配置された複数の受光センサ23bを有する。赤外線投光器23aと受光センサ23bは、それぞれディスプレイ21から数cm〜10cm程度離れた位置に配置されている。遮光物がなければ、赤外線投光器23aが照射した光は受光センサ23bに検出されるが、操作手段22が存在する場合、赤外線が遮光される。このため、操作手段22のプレタッチ位置は、長手方向と短手方向の受光センサ23bが赤外線を検出できない位置として特定される。
【0025】
また、赤外線投光器23a及び受光センサ23bをそれぞれディスプレイ21に対し垂直方向に積層すれば、ディスプレイ21に対し垂直方向の操作手段22の位置を検出できる。
【0026】
図3(b)は、タッチ位置予測センサ23の別の一例を示す。図3のタッチ位置予測センサ23は、ディスプレイ21の各画素にそれぞれ光センサ23cを組み込み、各画素毎にディスプレイ21上の物体を撮影する。各画素の輝度や色情報により光センサ23cが検出する輝度情報は定まるとしてよいが、操作手段22が接近すると操作手段22の像により光センサ23cが検出する輝度情報が変化する。したがって、輝度情報に変化が現れた光センサ23cの位置に操作手段22が存在することが検出できる。なお、ディスプレイ21の外部に設けられたカメラにより操作手段22を撮影し、その位置を検出してもよい。
【0027】
操作手段22の検出精度を向上させるため、操作手段22の先端部を照らす近赤外投光器を配置し、光センサ23cの感度を近赤外線の波長域にしてもよい。また、極短時間だけ表示画面の表示を中断する表示制御をサイクル時間毎に繰り返し、表示画面が表示されていない間に操作手段22を撮影してもよい。
【0028】
なお、光センサ23cの場合、例えば、タッチパネル24に接触した際の操作手段22の大きさを検出しておき、その大きさを基準にして、像の大きさの変化からディスプレイ21に垂直方向の位置を検出することができる。また、図3(a)(b)のいずれの態様においても、同時に2つの操作手段22の位置を検出できる。
【0029】
〔情報端末50の詳細〕
図4は、情報端末50の機能ブロック図の一例を示す。ナビECU20は、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、入出力インターフェイス、レジスタ、メモリ、スイッチ素子(IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等)及びCANインターフェイス等を備えたコンピュータの一形態である。そして、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行するか、又は、ASIC等のハードウェアにより実現される、次表示画面決定部31、表示画面処理部32、入力・表示部33、タッチ予測位置検出部34を有する。また、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の記憶媒体には表示画面情報記憶部36、システム状態情報記憶部35が実装されている。
【0030】
タッチ予測位置検出部34は、タッチ位置予測センサ23が検出したプレタッチ位置からタッチパネル24に接触した際の接触位置(以下、タッチ予測位置という)を検出する。多くの場合、ディスプレイ21と平行な面においてプレタッチ位置とタッチ予測位置は一致するとしてよい。ユーザはメニュー101の真上から垂直方向にタッチパネル24に操作手段22を接近させることが多いので、プレタッチ位置がそのまま(多少は変動しても)タッチパネル24の接触位置となるからである。
【0031】
これに対し、操作手段22の移動(プレタッチ位置の変化)からタッチ予測位置を検出することもできる。例えば、ディスプレイ21に対し水平に操作手段22が移動した場合、移動方向にタッチ予測位置を予測することができる。図1(a)で、操作手段22がメニュー101aからメニュー101bの方向に移動した場合、操作手段22のプレタッチ位置が完全にメニュー101b位置まで到達しなくても、タッチ予測位置がメニュー101bの位置であると検出できる。すなわち、移動方向に最も近いメニュー101の位置をタッチ予測位置とすることができる。
【0032】
また、ディスプレイ21に対し垂直方向に、操作手段22が離間していく場合、タッチ位置予測センサ23の検出範囲であっても、タッチ予測位置検出部34は、タッチ予測位置を未検出とすることができる。これにより、下位階層のメニューリスト200を表示画面から早期に消去することができる。
【0033】
また、本実施形態ではどのメニュー101を操作手段22が操作しようとしているかを検出できればよいので、操作手段22がタッチ位置予測センサ23の検出範囲まで接近したら、メニュー101a〜101dのいずれかの位置をタッチ予測位置としてもよい。例えば、操作手段22が最も近いメニュー101の位置をタッチ予測位置とすることができる。この場合、操作手段22のタッチ予測位置をメニュー101の範囲に限定できるので、タッチ予測位置検出部34によるタッチ予測位置の検出が容易になる。なお、タッチ予測位置検出部34は、後述の表示画面処理部32からメニュー101の位置情報(例えば、矩形のメニュー101の4つの頂点の位置情報など)を取得している。
【0034】
入力・表示部33は、タッチパネル24が検出した接触位置と、操作手段22がタッチパネル24に接触した時に表示されているメニュー101の位置に基づき、ユーザの操作情報を取得する。例えば、図1の「メモリ」のメニュー101bが表示された状態で、メニュー101b上で接触位置が検出されると、入力・表示部33は「メモリ」に対応した操作情報を取得する。この場合、入力・表示部33は、「メモリ」の下位階層のメニューリスト200を表示するよう表示画面処理部32に要求する。なお、表示画面が遷移するだけでなく、操作情報が情報端末50の動作を要求する場合、入力・表示部33は、操作情報に応じた動作、例えば、道路地図表示、現在地の取得、目的地までの経路検索等の機能の実行をナビECU20に要求する。
【0035】
また、入力・表示部33はシステム状態情報を生成しシステム情報記憶部35に記憶する。システム状態情報は、情報端末50の現在の状態を表す情報である。本実施形態では、特に、現在のディスプレイ21に表示されている表示画面の情報がシステム状態情報であるので、システム表示情報記憶部35には表示画面を識別する画面番号が記憶されている。画面番号により、その表示画面から遷移しうる表示画面を辿ることができる。
【0036】
表示画面処理部32は、表示画面情報記憶部36を参照して、現在の階層のメニューリスト100のみ、又は、現在の階層のメニューリスト100とその下位階層のメニューリスト200が表示された表示画面を生成する。
【0037】
なお、表示される情報はレイヤ構造になっていて、表示画面処理部32は、例えば路地地図のレイヤ、メニューリスト100のレイヤ、等をそれぞれ生成し、入力・表示部33はそれらを重畳して表示画面を表示する。
【0038】
図5(a)は表示画面情報記憶部36に記憶された画面構成情報の一例を示す図である。画面構成情報には、表示画面の画面番号に対応づけて、メニュー毎に、図形番号、左上又は中心などの所定の位置の位置情報、及び、メニューが含む文字情報が登録されている。図形番号はそのメニューの形状を指定する情報である。図5(b)に示すように、表示画面情報記憶部36には、各図形番号の形状情報が登録されている。図形番号毎にメニューの形状を特定するための大きさや色を決定する色情報が登録されている。図5(b)はメニューの形状が四角形の場合を示すが、同様に円形や楕円形のメニューを指定できる。
【0039】
図5(a)の文字情報は、メニューリスト100、200に表示される文字や記号である。この他、文字の色情報や大きさ(ポイント数)が含まれることが好ましい。
【0040】
また、表示画面情報記憶手段36には、画面番号とメニュー番号毎に、下位階層の画面番号を対応づけた画面遷移情報が登録されている。図6(a)〜(c)は画面遷移情報の一例を示し、図6(a)は画面番号1の表示画面が有するメニュー1〜4に対応づけられた下位階層の表示画面の画面番号を、図6(b)は画面番号4の表示画面が有するメニュー1〜4に対応づけられた下位階層の表示画面の画面番号を、それぞれ示す。
【0041】
例えば、操作手段22が「画面番号1の表示画面においてメニュー3」に接触した場合、下位階層の表示画面として画面番号4の表示画面を生成すればよいことが分かる。同様に、操作手段22が「画面番号4の表示画面においてメニュー4」に接触すると、下位階層の表示画面として画面番号6の表示画面を生成すればよいことが分かる。
【0042】
図5(a)の画面構成情報に示すように、画面番号1のメニュー1〜4が図1(a)の表示画面に対応する場合、操作手段22が「ジャンル」のメニュー101c(メニュー3に相当)に接触すると、下位階層の「食べる」「買う」「泊まる」「遊ぶ」が表示される。
【0043】
次表示画面決定部31は、システム状態情報に登録された現在ディスプレイ21に表示されている表示画面の画面番号と、タッチ予測位置に基づき、操作手段22が接近したメニュー番号を決定する。そして、決定したメニュー番号に基づき画面遷移情報を参照して下位階層の表示画面の画面番号を決定する。下位階層の表示画面の画面番号の決定手順は、操作手段22がタッチパネル24に接触する場合と同様である。
【0044】
例えば、操作手段22のタッチ予測位置が「画面番号1のメニュー3」の場合、次表示画面決定部31は画面番号4の表示画面を下位階層の表示画面に決定する。この場合、図1(b)に示したように、「食べる」「買う」「泊まる」「遊ぶ」のメニューリスト200aが表示される。
【0045】
最下位階層の表示画面について説明する。図6(c)に示すように最下位階層の表示画面には下位階層の画面番号が対応づけられていない。図6(c)では画面番号Zが最下位層の表示画面に相当し、例えば画面番号Zでメニュー1〜4に操作手段22が接触すると、ナビECU20はユーザが辿ったメニューの詳細情報を表示する。詳細情報は、例えば「電話番号」のメニュー101dから辿って表示された電話番号「01−2345−6789」、宿泊施設の住所や電話番号、エアコンの操作画面等である。
【0046】
例えば、電話番号「01−2345−6789」に操作手段22が接触すると、ナビECU20はこの番号に電話をかけ、表示画面を発呼中のものに遷移させる。発呼中の表示画面は予め定められている。発呼後(又は発呼中でもよい)は、例えば画面番号Zの元の表示画面や予め定められた表示画面に遷移するので、以降は、画面遷移情報に従い、同様に表示画面を遷移させていくことができる。
【0047】
ところで、操作手段22により選択(接触)可能に表示されるメニューリスト100と、下位階層のメニューリスト200とでは、大きさ、輝度、色等の表示態様を変更して表示した方が、ユーザの視認性に優れ操作性が向上する。したがって、表示画面処理部32は、次表示画面決定部31から下位階層の表示画面の画面番号を通知された場合、各メニューを縮小したり、文字のポイント数を小さくしたり、輝度を小さくしたりして表示する。これにより、ユーザが誤って下位階層のメニューリスト200に操作手段22を接触させたり、ディスプレイ21が下位階層のメニューリスト200で占有されることを防止できる。
【0048】
〔情報端末50の動作手順〕
図7は、情報端末50の動作手順の一例を示すフローチャート図である。図7のフローチャート図は、例えば情報端末50のスイッチがオンになるとスタートする。表示画面処理部32は、予め定められた最上位の表示画面の画面構成情報を読み出して表示画面を生成する(S10)。そして、入力・表示部33はその表示画面をディスプレイ21に表示する。システム状態情報記憶部35には、現在の表示画面の画面番号が記憶される。
【0049】
ディスプレイ21に表示画面を表示している間、タッチ位置予測センサ23は継続的にプレタッチ位置を検出し、タッチ予測位置検出部34はプレタッチ位置からタッチ予測位置を検出する(S20)。
【0050】
ナビECU20はタッチ予測位置が検出されるか否かを判定し(S30)、タッチ予測位置が検出されない場合(S30のNo)は、操作手段22が検出範囲にないことになるので、ステップS20のタッチ予測位置の検出を継続する。
【0051】
タッチ予測位置が検出された場合(S30のYes)、システム状態情報に登録された現在の表示画面の画面番号とタッチ予測位置に基づき、接触しようとしているメニュー番号を決定し、そのメニュー番号に基づき画面遷移情報を参照して下位階層の表示画面の画面番号を決定する(S40)。
【0052】
画面遷移情報に下位階層の表示画面の画面番号が登録されていない場合があるので、表示画面処理部32は、表示すべき下位階層のメニューリスト200があるか否かを判定する(S50)。表示すべきメニューリスト200がない場合(S50のNo)、表示画面処理部32はステップS20に戻りプレタッチ位置の検出を繰り返す。
【0053】
表示すべきメニューリスト200がある場合(S50のYes)、表示画面処理部32は、表示画面情報記憶部36からその表示画面の画面構成情報を読み出して、下位階層のメニューリスト200の表示画面を生成する(S60)。そして、入力・表示部33は、下位階層のメニューリスト200を現在の表示画面に表示する(S70)。新たなレイヤを重畳してもよいし、メニューリスト100と下位階層のメニューリスト200が含まれた表示画面で現在の表示画面を更新してもよい。
【0054】
ステップS70の後、又は、ステップS70に至るまでの間、入力・表示部33は操作手段22がタッチパネル24に接触したか否かを判定する(S80)。操作手段22がタッチパネル24に接触した場合(S80のYes)、入力・表示部33は接触位置を表示画面処理部32に通知するので、表示画面処理部32は、画面遷移情報に基づき接触位置にあるメニュー101の下位階層の表示画面の画面番号を決定し、その画面番号の表示画面を生成する(S90)。そして、入力・表示部33は表示画面を更新する(S100)。情報端末50は以上の処理を繰り返す。
【0055】
〔次画面表示の例〕
・上位階層のメニューリスト100
これまでは、下位階層のメニューリスト200を表示したが、タッチ予測位置を利用して上位階層のメニューリスト100を表示することができる。図8(a)は、上位階層のメニューリスト100が表示された表示画面の一例を示す、図1(c)で操作手段22が「メモリ」のメニュー101bに接触すると、図1(d)に示す表示画面が表示された。図1(d)の表示画面では、上位階層「50音」「メモリ」「ジャンル」「電話番号」が表示されないが、操作手段22のタッチ予測位置が「戻る」メニュー102の位置に一致すると、現在の表示画面の上位階層のメニューリスト100が表示される。
【0056】
上位階層のメニューリスト100の表示は、次表示画面決定部31が図6(a)〜(c)の画面遷移情報を下位階層から上位階層に辿ることで実現できる。この場合、タッチ予測位置は「戻る」メニュー102の位置であり、タッチ予測位置により「戻る」が検出された場合、次表示画面決定部31は上位階層のメニューリスト100を生成するよう表示画面処理部32に要求する。
【0057】
なお、図8(a)の現在の表示画面は、上位階層の「メモリ」のメニュー101bに操作手段22が接触して遷移したものであるので、上位階層のメニューリスト100の「メモリ」を強調してもよい。図8(a)では「メモリ」を2重線で囲んだが、例えば、輝度を大きくする、点滅する、等により強調することができる。これにより、上位階層で操作手段22が接触したメニュー101bをユーザが把握しやすくできる。
【0058】
・下位階層の更に下位階層のメニューリスト300
図1では下位階層のメニューリスト200を表示したが、下位階層のさらに下位階層(以下、孫階層という)のメニューリスト300を表示することができる。図8(b)は孫階層のメニューリスト300が表示された表示画面の一例を示す。「ジャンル」のメニュー101cの下位階層のメニューリスト200は、「食べる」「買う」「泊まる」「遊ぶ」である。そして、「遊ぶ」の下位階層のメニューリスト300は、例えば「遊園地」「水族館」「動物園」「プロ野球」である。
【0059】
なお、ユーザが下位階層のメニューリスト200aのうちどのメニュー200a1〜200a4に操作手段22を接触させるかは次表示画面決定部31に入力されないので、メニュー200a1〜200a4のどの下位階層のメニューリスト300を表示すればよいか不明である。そこで、次表示画面決定部31は、例えば、下位階層のメニューリスト200aの右又は左から順番にそのメニュー200a1〜200a4の更に下位階層のメニューリスト300を表示する。
【0060】
これにより、ユーザは1回もタッチパネル24にタッチすることなく、3階層のメニューリスト100、200、300を把握が容易になり、操作性を向上させることができる。
【0061】
なお、下位階層のメニューリスト200と孫階層のメニューリスト300の表示を同時に開始するとユーザが戸惑うおそれがあるので、例えば、下位階層のメニューリスト200を表示してから所定時間が経過したら孫階層のメニューリスト300を表示することが好適となる。時間差をもって孫階層のメニューリスト300が表示されれば、ユーザは下位階層と孫階層の関係を把握しやすい。
【0062】
孫階層のメニューリスト300は、次表示画面決定部31が図6(a)〜(c)の画面遷移情報を上位階層から下位階層に辿ることで実現できる。すなわち、下位階層までを表示する構成と同じ構成で実現できる。
【0063】
・動作内容の表示
これまではメニューリスト200を例に説明したが、本実施形態の情報端末50は、例えばメニュー101を操作した場合の情報端末50の動作内容を表示させることができる。情報端末50の動作内容とは例えば、「電話をかける」、「エアコンの温度を調整する」、「室内の照明を操作する」「音楽再生する」等である。
【0064】
図9(a)は「電話をかける」場合の動作内容の一例を、図9(b)は「エアコンの温度を調整する」場合の動作内容の一例をそれぞれ示す。タッチ予測位置が例えば「Bさん」の位置の場合、次表示画面決定部31は、操作手段22が「Bさん」の電話番号に接触した場合の情報端末50の動作内容401を表示する。動作内容401は、例えば画面番号とメニュー番号に対応づけて表示画面情報記憶部36に記憶されている。
【0065】
例えば、電話番号に操作手段22が接触した場合、情報端末50は「Bさん」を発呼するので、図9(a)では「電話をかける」という動作内容401が表示される。
【0066】
また、図9(b)に示すように、タッチ予測位置が例えば、設定温度を上げることを意味する「△」のアイコンの位置の場合、次表示画面決定部31は、操作手段22が「△」に接触した場合の情報端末50の動作内容402を表示する。例えば、エアコンの設定画面で「△」を操作手段22が接触した場合、情報端末50は設定温度を高くするので、図9(b)では「設定温度23℃→23℃+0.5℃」という動作内容402が表示される。
【0067】
ユーザが下位階層を辿っていくと、最下位階層のメニューよりもさらに下位にメニューがあると誤解して操作してしまう場合がある。この場合、メニューの操作に応じて情報端末50が動作してしまうので、その動作を取り消すための操作が新たに必要となる。しかし、本実施形態の情報端末50は、操作手段22をメニューに接近させただけで動作内容が表示されるので、動作の入力及び取り消すための操作を低減することができる。
【0068】
・メニューが表示されていない場合に表示される動作内容
これまでは、肉眼で目視可能に表示されたメニューに操作手段22を接近させてメニューリスト200又は動作内容を表示したが、選択可能なメニューは目視可能に表示されていなくてもよい。図10(a)は、選択可能なメニュー500a〜500c(以下、区別しない場合メニュー500という)と共に表示された道路地図の表示画面の一例を示す。図10(a)では道路地図の表示画面に対し操作できるメニュー500cが常に表示される。
【0069】
これまで説明したように図10(a)の道路地図の表示画面に対し、本実施形態の情報端末50を適用すれば、メニュー500に操作手段22を接近させることでそのメニュー500の下位階層のメニューや動作内容を表示することができる。図10(a)では、「地点登録」のメニュー500bに対し「現在地を登録します」という動作内容403が表示されている。
【0070】
これに対し、図10(b)に示すように、メニュー500を非表示にしても動作内容403を表示できる。図10(a)と同じ位置に操作手段22が接近すると、「地点登録」の「現在地を登録します」という動作内容403が表示される。動作内容403の表示と共に、メニュー500bを表示してもよい。
【0071】
したがって、メニュー500を非表示にできるので、道路地図の表示領域を広くとることができ、ユーザが操作手段22をディスプレイ21に接近させれば動作内容が表示されるので、操作方法が不明となることも防止できる。なお、図10では動作内容を例に説明したが、下位階層のメニューにも適用できる。
【0072】
メニュー500の表示の有無は、ユーザが設定できるようになっているため、情報端末50の使用方法を十分に把握したユーザはメニューを非表示にすればよいし、使い始めたばかりのユーザはメニュー500を表示することができる。また、例えば表示画面毎にユーザによるメニュー500の操作回数をカウントし、操作回数が十分に大きくなったらユーザの設定がなくてもメニューを非表示にしてもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の情報端末50は、操作手段22がディスプレイ21に接近しただけで下位又は上位のメニューリスト100、200、300を表示できるので、操作手段22をメニューに接触させたり「戻る」操作が必要ないので、操作性を格段に向上できる。また、操作手段22が近接したメニューのメニューリスト100しか表示しないので、ユーザに不要な情報を与えるおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】情報端末のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す図である。
【図2】情報端末のハードウェア構成図の一例である。
【図3】タッチ位置予測センサの概略を模式的に説明する図の一例である。
【図4】情報端末の機能ブロック図の一例である。
【図5】表示画面情報記憶部に記憶された画面構成情報の一例を示す図である。
【図6】画面遷移情報の一例を示す図である。
【図7】情報端末の動作手順の一例を示すフローチャート図である。
【図8】上位階層のメニューリストが表示された表示画面の一例を示す図である。
【図9】情報端末の動作内容の表示例を示す図である。
【図10】メニューと共に表示された道路地図の表示画面の一例を示す図である。
【図11】従来のナビゲーション装置が表示する表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
21 ディスプレイ
22 操作手段
23 タッチ位置予測センサ
24 タッチパネル
31 次表示画面決定部
32 表示画面処理部
33 入力・表示部
34 タッチ予測位置検出部
35 システム状態情報記憶部
36 表示画面情報記憶部
50 情報端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位階層の選択肢の決定により、当該選択肢の下位階層の選択肢が決定可能となる情報端末、ナビゲーション装置及び選択肢表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置などの車両情報端末には、施設の住所、郵便番号、電話番号、名称等のポイントデータや電話帳などの各種の情報が記憶されている。しかし、ユーザが住所などの施設を特定する情報までは把握していない場合があり、また、車両情報端末の表示装置は大きさに制限があるため、所望の情報へのアクセスが容易になるよう、例えば都道府県名、市町村名、町名等を、表示画面を見ながら順に絞りこんでいく、階層的な検索が可能となっている。
【0003】
しかしながら、このように階層毎に表示画面を生成すると、階層の前後の関係の把握が困難になる場合がある。この点について、選択した階層と共に1つ前の階層を一表示画面に表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図11は従来のナビゲーション装置が表示する表示画面の一例を示す。図11(a)は、左側の「アミューズメントホテル」が選択され、右側にアミューズメントホテルのリストとして「ホテルA〜ホテルF」が表示された一表示画面を示す。図11(a)の表示画面でユーザが「ホテルB」を選択すると、図11(b)に示すように表示画面の右半分が左側に移動する。そして、図11(c)に示すように表示画面の右半分には「ホテルB」の詳細情報が表示される。
【特許文献1】特開平11−142171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のナビゲーション装置では、下位の階層を表示するためには必ず表示画面を操作(接触する)する必要があるという問題がある。例えば、図11(a)において「民宿」のメニューを表示するには左半分(元は右半分にあったとしても)の「民宿」を選択しなければならない。すなわち、選択するというユーザの「意志決定」を「入力」しなければ、下位の階層の表示画面を表示することはできない。
【0005】
また、特許文献1記載のナビゲーション装置は、階層が深くなるとユーザの操作が増えるという問題がある。このナビゲーション装置は、上位の階層のメニューリストと、上位の階層のうちいずれか1つのメニューの下位の階層とを、一表示画面で表示するものでるが、「意志決定」の「入力」までは、下位の階層(右半分)から見たさらに下位の階層のメニューリストを表示することができない。図11(d)〜(g)は、住所の下位の階層を辿る際の表示画面の遷移例を示す。例えば、ユーザが「関東」→「東京」→「港区」と順に選択すると図11(g)の表示画面が表示される。しかし、ユーザが図11(g)の表示画面で目的の場所がないことに気づくと、図11(f)の表示画面に「戻る」必要が生じる場合がある(図11(g)の左半分から選択できない場合)。すなわち、上位と下位の階層を一表示画面に表示しても階層が深くなると、「意志決定」と「戻る」という2つの操作が必要になるという点では、一表示画面に1つの階層しか表示できないナビゲーション装置と同じである。
【0006】
また、特許文献1記載のナビゲーション装置は、常に2つの階層が表示されるため表示画面がメニューに占有されてしまうという問題があり、ユーザから見ると多くの選択肢の中から選択しなければならないため、操作性を低下させるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、常に2つの階層を表示することなく、ユーザによる意志決定が入力されなくても下位の階層を表示できる情報端末、ナビゲーション装置及び選択肢表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、接触位置を検出する接触位置検出手段に操作手段が接触すると、表示装置に表示された接触位置に対応する上位階層の選択肢の下位階層の選択肢が表示される情報端末であって、操作手段が接触位置検出手段の前方の空間に近接したことを検出するセンサと、センサにより操作手段が上位階層の選択肢に近接したことが検出された場合、当該選択肢の下位階層の選択肢を表示装置に表示する表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
常に2つの階層を表示することなく、ユーザによる意志決定が入力されなくても下位の階層を表示できる情報端末、ナビゲーション装置及び選択肢表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【0011】
図1は、情報端末50のディスプレイ21に表示される表示画面の一例を示す。本実施形態の情報端末50のディスプレイ21はいわゆるタッチパネル24を有し、タッチパネル24は、ユーザの指やユーザが所有した棒状のポインティングデバイスなど(以下、操作手段22という)が接触した接触位置を検出する。情報端末50には、接触位置に表示されたメニューに従い操作情報が入力される。また、情報端末50はタッチパネル24の他に、ディスプレイ21に接触する前に操作手段22の位置を検出するタッチ位置予測センサ23を有する。タッチ位置予測センサ23はディスプレイ21から所定距離内の操作手段22をその位置と共に検出する。
【0012】
図1(a)ではメニューリスト100にメニュー101a〜101d(以下、区別しない場合メニュー101という)が表示されている。メニューリスト100が有するメニュー101a〜101dのいずれかにユーザが操作手段22を近づけると、情報端末50は、操作手段22が接触しようとしているメニュー101の下位階層のメニューリスト200を表示する。例えば、図1(b)では「ジャンル」というメニュー101cの下位階層のメニューリスト200aが表示されており、図1(c)では「メモリ」というメニュー101bの下位階層のメニューリスト200bが表示されている。操作手段22をメニューリスト100から離せば、下位階層のメニューリスト200a又は200b(区別しない場合、メニューリスト200という)も表示されなくなる。
【0013】
したがって、ユーザが意志決定としてタッチパネル24に操作情報を入力することなく(接触することなく)、また、上位階層のメニューリスト100を常に表示したまま、操作手段22が接近した場合のみ下位階層のメニューリスト200を表示することができる。
【0014】
ユーザは操作手段22をメニューリスト100に接触させずに、ディスプレイ21上で移動させながら、下位階層のメニューリスト200を視認することができ、所望の下位階層のメニューリスト200を見つけたらその上位階層のメニュー101に操作手段22を接触させる。例えば、図1(c)で、「メモリ」というメニュー101bに操作手段22が接触した場合、図1(d)に示すように表示画面が遷移し、下位階層のメニューリスト200bの各メニュー200b1〜200b3が選択(接触)可能に表示される。
【0015】
このようにユーザは下位階層のメニューリスト200を確認した後に、上位階層のメニュー101に操作手段22を接触させて操作情報を入力するので、操作ミスを低減することができる。また、常に下位階層のメニューリスト200が表示されるわけではないので、表示画面を上下の階層のメニューリスト100、200で占有することもない。また、表示される下位階層のメニューリスト200を最小限に制限できるので、ユーザが混乱したり操作性が低下することもない。
【0016】
なお、以下では、ユーザによる意志決定の入力を、操作手段22がタッチパネル24に接触すると表現し、(厳密には、操作手段22がタッチパネル24に接近したことも操作情報の入力となるが)操作手段22がタッチパネル24に接触した場合に操作情報が入力されると表現する。また、操作手段22をタッチ位置予測センサ23が検出することを、単に操作手段22がタッチパネル24に接近すると表現する。また、単に「メニュー」といった場合、メニュー全般をいう。
【0017】
図2は、情報端末50のハードウェア構成図の一例を示す。情報端末50は、例えばナビゲーションシステムと一体に構成できるため、本実施形態ではナビECU(Electronic Control Unit)20により制御されるものとしたが、他のECUが制御してもよい。また、情報端末50は車載されている必要はなく、例えば、可搬型のPND(Personal Navigation Device)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等を含み、適宜、車載して使用することができる。
【0018】
ナビECU20は、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等の車載LAN及び専用線を介して、GPS(Global Positioning System)受信機27、タッチ位置予測センサ23、ディスプレイ21、タッチパネル24、地図DB(Data Base)25及び通信装置26等と接続される。
【0019】
GPS受信機27は、GPS衛星から送信される電波の到達時間に基づき車両の現在位置(緯度・経度・標高)を検出する。ナビECU20は、GPS受信機27が検出した位置を起点に進行方向に走行距離を累積して車両の位置を高精度に推測する。また、地図DB25には、道路を交差点や所定間隔で区切るノードが緯度・経度に対応づけて記憶されており、ノードを道路に対応するリンクで結ぶことで道路網を表現している。地図DB25には、ガソリンスタンド、駐車場、公共施設など施設のポイントデータの位置が緯度・経度に対応づけて記憶されている。
【0020】
通信装置26は、例えば携帯電話の基地局や無線LANのアクセスポイントを介して携帯電話等の通信事業者のデータサーバに接続し、所定の通信プロトコル(例えば、IP、TCP)に従いインターネットなどのネットワークを介して車外のサーバと種々の情報を送受信する。これにより、例えば車両の周囲の施設の情報、交通情報、地図情報等を取得することができる。なお、この他、テレビ放送、ラジオ放送、CD等の音楽再生及びDVD等の映像再生の機能を備えていてもよい。
【0021】
ディスプレイ21は表示画面を表示し、また、操作手段22の接触位置を検出するためのタッチパネル24を備えたHMI(Human Machine Interface)である。ディスプレイ21は、例えばセンタークラスターに収容された液晶、有機EL等のフラットパネルディスプレイであり、さらにHUD(Head Up Display)を備えていてもよい。また、タッチパネル24の他、キーボードや音声入力による操作情報の入力手段を備えていてもよい。タッチパネル24は、例えば透明電極を面状に配置して、抵抗膜方式や静電容量方式により接触位置に応じた電気信号が検出されること利用して、操作手段22の接触位置を検出する。なお、タッチパネル24が検出する接触位置は、同時に1つとは限らず2以上の接触位置を同時に検出することができる。
【0022】
また、ディスプレイ21とタッチパネル24とが一体の例を示したが、タッチパネル24を別体又は着脱可能にし、タッチパネル24の接触位置を有線又は無線で情報端末50に送信してもよい。この場合、タッチパネル24側に次述するタッチ位置予測センサ23が備えられ、同様にタッチパネル24に接触することなく、ディスプレイ24に下位階層のメニューを表示することができる。
【0023】
〔タッチ位置予測センサ23〕
タッチ位置予測センサ23について説明する。図3(a)は、タッチ位置予測センサ23の概略を模式的に説明する図の一例である。タッチ位置予測センサ23は、例えば赤外遮光方式によりタッチパネル24に近接した又はタッチパネル24から所定距離内の操作手段22の位置(以下、プレタッチ位置という)を検出する。この所定距離はタッチパネル24の面上で均一でなくてもよい。
【0024】
タッチ位置予測センサ23は、ディスプレイ21の長手方向と短手方向にそれぞれ、直線状に配置された複数の赤外線投光器23aを有し、対向する長手方向と短手方向にそれぞれ直線状に配置された複数の受光センサ23bを有する。赤外線投光器23aと受光センサ23bは、それぞれディスプレイ21から数cm〜10cm程度離れた位置に配置されている。遮光物がなければ、赤外線投光器23aが照射した光は受光センサ23bに検出されるが、操作手段22が存在する場合、赤外線が遮光される。このため、操作手段22のプレタッチ位置は、長手方向と短手方向の受光センサ23bが赤外線を検出できない位置として特定される。
【0025】
また、赤外線投光器23a及び受光センサ23bをそれぞれディスプレイ21に対し垂直方向に積層すれば、ディスプレイ21に対し垂直方向の操作手段22の位置を検出できる。
【0026】
図3(b)は、タッチ位置予測センサ23の別の一例を示す。図3のタッチ位置予測センサ23は、ディスプレイ21の各画素にそれぞれ光センサ23cを組み込み、各画素毎にディスプレイ21上の物体を撮影する。各画素の輝度や色情報により光センサ23cが検出する輝度情報は定まるとしてよいが、操作手段22が接近すると操作手段22の像により光センサ23cが検出する輝度情報が変化する。したがって、輝度情報に変化が現れた光センサ23cの位置に操作手段22が存在することが検出できる。なお、ディスプレイ21の外部に設けられたカメラにより操作手段22を撮影し、その位置を検出してもよい。
【0027】
操作手段22の検出精度を向上させるため、操作手段22の先端部を照らす近赤外投光器を配置し、光センサ23cの感度を近赤外線の波長域にしてもよい。また、極短時間だけ表示画面の表示を中断する表示制御をサイクル時間毎に繰り返し、表示画面が表示されていない間に操作手段22を撮影してもよい。
【0028】
なお、光センサ23cの場合、例えば、タッチパネル24に接触した際の操作手段22の大きさを検出しておき、その大きさを基準にして、像の大きさの変化からディスプレイ21に垂直方向の位置を検出することができる。また、図3(a)(b)のいずれの態様においても、同時に2つの操作手段22の位置を検出できる。
【0029】
〔情報端末50の詳細〕
図4は、情報端末50の機能ブロック図の一例を示す。ナビECU20は、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、入出力インターフェイス、レジスタ、メモリ、スイッチ素子(IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等)及びCANインターフェイス等を備えたコンピュータの一形態である。そして、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行するか、又は、ASIC等のハードウェアにより実現される、次表示画面決定部31、表示画面処理部32、入力・表示部33、タッチ予測位置検出部34を有する。また、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の記憶媒体には表示画面情報記憶部36、システム状態情報記憶部35が実装されている。
【0030】
タッチ予測位置検出部34は、タッチ位置予測センサ23が検出したプレタッチ位置からタッチパネル24に接触した際の接触位置(以下、タッチ予測位置という)を検出する。多くの場合、ディスプレイ21と平行な面においてプレタッチ位置とタッチ予測位置は一致するとしてよい。ユーザはメニュー101の真上から垂直方向にタッチパネル24に操作手段22を接近させることが多いので、プレタッチ位置がそのまま(多少は変動しても)タッチパネル24の接触位置となるからである。
【0031】
これに対し、操作手段22の移動(プレタッチ位置の変化)からタッチ予測位置を検出することもできる。例えば、ディスプレイ21に対し水平に操作手段22が移動した場合、移動方向にタッチ予測位置を予測することができる。図1(a)で、操作手段22がメニュー101aからメニュー101bの方向に移動した場合、操作手段22のプレタッチ位置が完全にメニュー101b位置まで到達しなくても、タッチ予測位置がメニュー101bの位置であると検出できる。すなわち、移動方向に最も近いメニュー101の位置をタッチ予測位置とすることができる。
【0032】
また、ディスプレイ21に対し垂直方向に、操作手段22が離間していく場合、タッチ位置予測センサ23の検出範囲であっても、タッチ予測位置検出部34は、タッチ予測位置を未検出とすることができる。これにより、下位階層のメニューリスト200を表示画面から早期に消去することができる。
【0033】
また、本実施形態ではどのメニュー101を操作手段22が操作しようとしているかを検出できればよいので、操作手段22がタッチ位置予測センサ23の検出範囲まで接近したら、メニュー101a〜101dのいずれかの位置をタッチ予測位置としてもよい。例えば、操作手段22が最も近いメニュー101の位置をタッチ予測位置とすることができる。この場合、操作手段22のタッチ予測位置をメニュー101の範囲に限定できるので、タッチ予測位置検出部34によるタッチ予測位置の検出が容易になる。なお、タッチ予測位置検出部34は、後述の表示画面処理部32からメニュー101の位置情報(例えば、矩形のメニュー101の4つの頂点の位置情報など)を取得している。
【0034】
入力・表示部33は、タッチパネル24が検出した接触位置と、操作手段22がタッチパネル24に接触した時に表示されているメニュー101の位置に基づき、ユーザの操作情報を取得する。例えば、図1の「メモリ」のメニュー101bが表示された状態で、メニュー101b上で接触位置が検出されると、入力・表示部33は「メモリ」に対応した操作情報を取得する。この場合、入力・表示部33は、「メモリ」の下位階層のメニューリスト200を表示するよう表示画面処理部32に要求する。なお、表示画面が遷移するだけでなく、操作情報が情報端末50の動作を要求する場合、入力・表示部33は、操作情報に応じた動作、例えば、道路地図表示、現在地の取得、目的地までの経路検索等の機能の実行をナビECU20に要求する。
【0035】
また、入力・表示部33はシステム状態情報を生成しシステム情報記憶部35に記憶する。システム状態情報は、情報端末50の現在の状態を表す情報である。本実施形態では、特に、現在のディスプレイ21に表示されている表示画面の情報がシステム状態情報であるので、システム表示情報記憶部35には表示画面を識別する画面番号が記憶されている。画面番号により、その表示画面から遷移しうる表示画面を辿ることができる。
【0036】
表示画面処理部32は、表示画面情報記憶部36を参照して、現在の階層のメニューリスト100のみ、又は、現在の階層のメニューリスト100とその下位階層のメニューリスト200が表示された表示画面を生成する。
【0037】
なお、表示される情報はレイヤ構造になっていて、表示画面処理部32は、例えば路地地図のレイヤ、メニューリスト100のレイヤ、等をそれぞれ生成し、入力・表示部33はそれらを重畳して表示画面を表示する。
【0038】
図5(a)は表示画面情報記憶部36に記憶された画面構成情報の一例を示す図である。画面構成情報には、表示画面の画面番号に対応づけて、メニュー毎に、図形番号、左上又は中心などの所定の位置の位置情報、及び、メニューが含む文字情報が登録されている。図形番号はそのメニューの形状を指定する情報である。図5(b)に示すように、表示画面情報記憶部36には、各図形番号の形状情報が登録されている。図形番号毎にメニューの形状を特定するための大きさや色を決定する色情報が登録されている。図5(b)はメニューの形状が四角形の場合を示すが、同様に円形や楕円形のメニューを指定できる。
【0039】
図5(a)の文字情報は、メニューリスト100、200に表示される文字や記号である。この他、文字の色情報や大きさ(ポイント数)が含まれることが好ましい。
【0040】
また、表示画面情報記憶手段36には、画面番号とメニュー番号毎に、下位階層の画面番号を対応づけた画面遷移情報が登録されている。図6(a)〜(c)は画面遷移情報の一例を示し、図6(a)は画面番号1の表示画面が有するメニュー1〜4に対応づけられた下位階層の表示画面の画面番号を、図6(b)は画面番号4の表示画面が有するメニュー1〜4に対応づけられた下位階層の表示画面の画面番号を、それぞれ示す。
【0041】
例えば、操作手段22が「画面番号1の表示画面においてメニュー3」に接触した場合、下位階層の表示画面として画面番号4の表示画面を生成すればよいことが分かる。同様に、操作手段22が「画面番号4の表示画面においてメニュー4」に接触すると、下位階層の表示画面として画面番号6の表示画面を生成すればよいことが分かる。
【0042】
図5(a)の画面構成情報に示すように、画面番号1のメニュー1〜4が図1(a)の表示画面に対応する場合、操作手段22が「ジャンル」のメニュー101c(メニュー3に相当)に接触すると、下位階層の「食べる」「買う」「泊まる」「遊ぶ」が表示される。
【0043】
次表示画面決定部31は、システム状態情報に登録された現在ディスプレイ21に表示されている表示画面の画面番号と、タッチ予測位置に基づき、操作手段22が接近したメニュー番号を決定する。そして、決定したメニュー番号に基づき画面遷移情報を参照して下位階層の表示画面の画面番号を決定する。下位階層の表示画面の画面番号の決定手順は、操作手段22がタッチパネル24に接触する場合と同様である。
【0044】
例えば、操作手段22のタッチ予測位置が「画面番号1のメニュー3」の場合、次表示画面決定部31は画面番号4の表示画面を下位階層の表示画面に決定する。この場合、図1(b)に示したように、「食べる」「買う」「泊まる」「遊ぶ」のメニューリスト200aが表示される。
【0045】
最下位階層の表示画面について説明する。図6(c)に示すように最下位階層の表示画面には下位階層の画面番号が対応づけられていない。図6(c)では画面番号Zが最下位層の表示画面に相当し、例えば画面番号Zでメニュー1〜4に操作手段22が接触すると、ナビECU20はユーザが辿ったメニューの詳細情報を表示する。詳細情報は、例えば「電話番号」のメニュー101dから辿って表示された電話番号「01−2345−6789」、宿泊施設の住所や電話番号、エアコンの操作画面等である。
【0046】
例えば、電話番号「01−2345−6789」に操作手段22が接触すると、ナビECU20はこの番号に電話をかけ、表示画面を発呼中のものに遷移させる。発呼中の表示画面は予め定められている。発呼後(又は発呼中でもよい)は、例えば画面番号Zの元の表示画面や予め定められた表示画面に遷移するので、以降は、画面遷移情報に従い、同様に表示画面を遷移させていくことができる。
【0047】
ところで、操作手段22により選択(接触)可能に表示されるメニューリスト100と、下位階層のメニューリスト200とでは、大きさ、輝度、色等の表示態様を変更して表示した方が、ユーザの視認性に優れ操作性が向上する。したがって、表示画面処理部32は、次表示画面決定部31から下位階層の表示画面の画面番号を通知された場合、各メニューを縮小したり、文字のポイント数を小さくしたり、輝度を小さくしたりして表示する。これにより、ユーザが誤って下位階層のメニューリスト200に操作手段22を接触させたり、ディスプレイ21が下位階層のメニューリスト200で占有されることを防止できる。
【0048】
〔情報端末50の動作手順〕
図7は、情報端末50の動作手順の一例を示すフローチャート図である。図7のフローチャート図は、例えば情報端末50のスイッチがオンになるとスタートする。表示画面処理部32は、予め定められた最上位の表示画面の画面構成情報を読み出して表示画面を生成する(S10)。そして、入力・表示部33はその表示画面をディスプレイ21に表示する。システム状態情報記憶部35には、現在の表示画面の画面番号が記憶される。
【0049】
ディスプレイ21に表示画面を表示している間、タッチ位置予測センサ23は継続的にプレタッチ位置を検出し、タッチ予測位置検出部34はプレタッチ位置からタッチ予測位置を検出する(S20)。
【0050】
ナビECU20はタッチ予測位置が検出されるか否かを判定し(S30)、タッチ予測位置が検出されない場合(S30のNo)は、操作手段22が検出範囲にないことになるので、ステップS20のタッチ予測位置の検出を継続する。
【0051】
タッチ予測位置が検出された場合(S30のYes)、システム状態情報に登録された現在の表示画面の画面番号とタッチ予測位置に基づき、接触しようとしているメニュー番号を決定し、そのメニュー番号に基づき画面遷移情報を参照して下位階層の表示画面の画面番号を決定する(S40)。
【0052】
画面遷移情報に下位階層の表示画面の画面番号が登録されていない場合があるので、表示画面処理部32は、表示すべき下位階層のメニューリスト200があるか否かを判定する(S50)。表示すべきメニューリスト200がない場合(S50のNo)、表示画面処理部32はステップS20に戻りプレタッチ位置の検出を繰り返す。
【0053】
表示すべきメニューリスト200がある場合(S50のYes)、表示画面処理部32は、表示画面情報記憶部36からその表示画面の画面構成情報を読み出して、下位階層のメニューリスト200の表示画面を生成する(S60)。そして、入力・表示部33は、下位階層のメニューリスト200を現在の表示画面に表示する(S70)。新たなレイヤを重畳してもよいし、メニューリスト100と下位階層のメニューリスト200が含まれた表示画面で現在の表示画面を更新してもよい。
【0054】
ステップS70の後、又は、ステップS70に至るまでの間、入力・表示部33は操作手段22がタッチパネル24に接触したか否かを判定する(S80)。操作手段22がタッチパネル24に接触した場合(S80のYes)、入力・表示部33は接触位置を表示画面処理部32に通知するので、表示画面処理部32は、画面遷移情報に基づき接触位置にあるメニュー101の下位階層の表示画面の画面番号を決定し、その画面番号の表示画面を生成する(S90)。そして、入力・表示部33は表示画面を更新する(S100)。情報端末50は以上の処理を繰り返す。
【0055】
〔次画面表示の例〕
・上位階層のメニューリスト100
これまでは、下位階層のメニューリスト200を表示したが、タッチ予測位置を利用して上位階層のメニューリスト100を表示することができる。図8(a)は、上位階層のメニューリスト100が表示された表示画面の一例を示す、図1(c)で操作手段22が「メモリ」のメニュー101bに接触すると、図1(d)に示す表示画面が表示された。図1(d)の表示画面では、上位階層「50音」「メモリ」「ジャンル」「電話番号」が表示されないが、操作手段22のタッチ予測位置が「戻る」メニュー102の位置に一致すると、現在の表示画面の上位階層のメニューリスト100が表示される。
【0056】
上位階層のメニューリスト100の表示は、次表示画面決定部31が図6(a)〜(c)の画面遷移情報を下位階層から上位階層に辿ることで実現できる。この場合、タッチ予測位置は「戻る」メニュー102の位置であり、タッチ予測位置により「戻る」が検出された場合、次表示画面決定部31は上位階層のメニューリスト100を生成するよう表示画面処理部32に要求する。
【0057】
なお、図8(a)の現在の表示画面は、上位階層の「メモリ」のメニュー101bに操作手段22が接触して遷移したものであるので、上位階層のメニューリスト100の「メモリ」を強調してもよい。図8(a)では「メモリ」を2重線で囲んだが、例えば、輝度を大きくする、点滅する、等により強調することができる。これにより、上位階層で操作手段22が接触したメニュー101bをユーザが把握しやすくできる。
【0058】
・下位階層の更に下位階層のメニューリスト300
図1では下位階層のメニューリスト200を表示したが、下位階層のさらに下位階層(以下、孫階層という)のメニューリスト300を表示することができる。図8(b)は孫階層のメニューリスト300が表示された表示画面の一例を示す。「ジャンル」のメニュー101cの下位階層のメニューリスト200は、「食べる」「買う」「泊まる」「遊ぶ」である。そして、「遊ぶ」の下位階層のメニューリスト300は、例えば「遊園地」「水族館」「動物園」「プロ野球」である。
【0059】
なお、ユーザが下位階層のメニューリスト200aのうちどのメニュー200a1〜200a4に操作手段22を接触させるかは次表示画面決定部31に入力されないので、メニュー200a1〜200a4のどの下位階層のメニューリスト300を表示すればよいか不明である。そこで、次表示画面決定部31は、例えば、下位階層のメニューリスト200aの右又は左から順番にそのメニュー200a1〜200a4の更に下位階層のメニューリスト300を表示する。
【0060】
これにより、ユーザは1回もタッチパネル24にタッチすることなく、3階層のメニューリスト100、200、300を把握が容易になり、操作性を向上させることができる。
【0061】
なお、下位階層のメニューリスト200と孫階層のメニューリスト300の表示を同時に開始するとユーザが戸惑うおそれがあるので、例えば、下位階層のメニューリスト200を表示してから所定時間が経過したら孫階層のメニューリスト300を表示することが好適となる。時間差をもって孫階層のメニューリスト300が表示されれば、ユーザは下位階層と孫階層の関係を把握しやすい。
【0062】
孫階層のメニューリスト300は、次表示画面決定部31が図6(a)〜(c)の画面遷移情報を上位階層から下位階層に辿ることで実現できる。すなわち、下位階層までを表示する構成と同じ構成で実現できる。
【0063】
・動作内容の表示
これまではメニューリスト200を例に説明したが、本実施形態の情報端末50は、例えばメニュー101を操作した場合の情報端末50の動作内容を表示させることができる。情報端末50の動作内容とは例えば、「電話をかける」、「エアコンの温度を調整する」、「室内の照明を操作する」「音楽再生する」等である。
【0064】
図9(a)は「電話をかける」場合の動作内容の一例を、図9(b)は「エアコンの温度を調整する」場合の動作内容の一例をそれぞれ示す。タッチ予測位置が例えば「Bさん」の位置の場合、次表示画面決定部31は、操作手段22が「Bさん」の電話番号に接触した場合の情報端末50の動作内容401を表示する。動作内容401は、例えば画面番号とメニュー番号に対応づけて表示画面情報記憶部36に記憶されている。
【0065】
例えば、電話番号に操作手段22が接触した場合、情報端末50は「Bさん」を発呼するので、図9(a)では「電話をかける」という動作内容401が表示される。
【0066】
また、図9(b)に示すように、タッチ予測位置が例えば、設定温度を上げることを意味する「△」のアイコンの位置の場合、次表示画面決定部31は、操作手段22が「△」に接触した場合の情報端末50の動作内容402を表示する。例えば、エアコンの設定画面で「△」を操作手段22が接触した場合、情報端末50は設定温度を高くするので、図9(b)では「設定温度23℃→23℃+0.5℃」という動作内容402が表示される。
【0067】
ユーザが下位階層を辿っていくと、最下位階層のメニューよりもさらに下位にメニューがあると誤解して操作してしまう場合がある。この場合、メニューの操作に応じて情報端末50が動作してしまうので、その動作を取り消すための操作が新たに必要となる。しかし、本実施形態の情報端末50は、操作手段22をメニューに接近させただけで動作内容が表示されるので、動作の入力及び取り消すための操作を低減することができる。
【0068】
・メニューが表示されていない場合に表示される動作内容
これまでは、肉眼で目視可能に表示されたメニューに操作手段22を接近させてメニューリスト200又は動作内容を表示したが、選択可能なメニューは目視可能に表示されていなくてもよい。図10(a)は、選択可能なメニュー500a〜500c(以下、区別しない場合メニュー500という)と共に表示された道路地図の表示画面の一例を示す。図10(a)では道路地図の表示画面に対し操作できるメニュー500cが常に表示される。
【0069】
これまで説明したように図10(a)の道路地図の表示画面に対し、本実施形態の情報端末50を適用すれば、メニュー500に操作手段22を接近させることでそのメニュー500の下位階層のメニューや動作内容を表示することができる。図10(a)では、「地点登録」のメニュー500bに対し「現在地を登録します」という動作内容403が表示されている。
【0070】
これに対し、図10(b)に示すように、メニュー500を非表示にしても動作内容403を表示できる。図10(a)と同じ位置に操作手段22が接近すると、「地点登録」の「現在地を登録します」という動作内容403が表示される。動作内容403の表示と共に、メニュー500bを表示してもよい。
【0071】
したがって、メニュー500を非表示にできるので、道路地図の表示領域を広くとることができ、ユーザが操作手段22をディスプレイ21に接近させれば動作内容が表示されるので、操作方法が不明となることも防止できる。なお、図10では動作内容を例に説明したが、下位階層のメニューにも適用できる。
【0072】
メニュー500の表示の有無は、ユーザが設定できるようになっているため、情報端末50の使用方法を十分に把握したユーザはメニューを非表示にすればよいし、使い始めたばかりのユーザはメニュー500を表示することができる。また、例えば表示画面毎にユーザによるメニュー500の操作回数をカウントし、操作回数が十分に大きくなったらユーザの設定がなくてもメニューを非表示にしてもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態の情報端末50は、操作手段22がディスプレイ21に接近しただけで下位又は上位のメニューリスト100、200、300を表示できるので、操作手段22をメニューに接触させたり「戻る」操作が必要ないので、操作性を格段に向上できる。また、操作手段22が近接したメニューのメニューリスト100しか表示しないので、ユーザに不要な情報を与えるおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】情報端末のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す図である。
【図2】情報端末のハードウェア構成図の一例である。
【図3】タッチ位置予測センサの概略を模式的に説明する図の一例である。
【図4】情報端末の機能ブロック図の一例である。
【図5】表示画面情報記憶部に記憶された画面構成情報の一例を示す図である。
【図6】画面遷移情報の一例を示す図である。
【図7】情報端末の動作手順の一例を示すフローチャート図である。
【図8】上位階層のメニューリストが表示された表示画面の一例を示す図である。
【図9】情報端末の動作内容の表示例を示す図である。
【図10】メニューと共に表示された道路地図の表示画面の一例を示す図である。
【図11】従来のナビゲーション装置が表示する表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
21 ディスプレイ
22 操作手段
23 タッチ位置予測センサ
24 タッチパネル
31 次表示画面決定部
32 表示画面処理部
33 入力・表示部
34 タッチ予測位置検出部
35 システム状態情報記憶部
36 表示画面情報記憶部
50 情報端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触位置を検出する接触位置検出手段に操作手段が接触すると、表示装置に表示された接触位置に対応する上位階層の選択肢の、下位階層の選択肢が表示される情報端末であって、
前記操作手段が前記接触位置検出手段の前方の空間に近接したことを検出するセンサと、
前記センサにより前記操作手段が上位階層の選択肢に近接したことが検出された場合、当該選択肢の下位階層の選択肢を前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記センサにより所定の選択肢に前記操作手段が近接したことが検出された場合、前記表示制御手段は、上位階層の選択肢を前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報端末。
【請求項3】
前記センサにより最下位階層の選択肢に前記操作手段が近接したことが検出された場合、前記表示制御手段は、下位階層でなく該選択肢を接触した場合の動作内容を前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報端末。
【請求項4】
前記表示装置に表示される選択肢は目視不能である、
ことを特徴とする請求項1又は3項記載の情報端末。
【請求項5】
当該情報端末は、車両に搭載されているか、少なくとも車載可能である、
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の情報端末。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載の情報端末と、
車両の現在位置を検出する位置検出手段と、を有し
前記表示装置には車両の現在位置と共に道路地図が表示される、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
接触位置を検出する接触位置検出手段に操作手段が接触すると、表示装置に表示された接触位置に対応する上位階層の選択肢の、下位階層の選択肢が表示される選択肢表示方法であって、
センサが、前記操作手段が前記接触位置検出手段の前方の空間に近接したことを検出するステップと、
前記センサにより前記操作手段が上位階層の選択肢に近接したことが検出された場合、表示制御手段が、当該選択肢の下位階層の選択肢を前記表示装置に表示するステップと、
を有することを特徴とする選択肢表示方法。
【請求項1】
接触位置を検出する接触位置検出手段に操作手段が接触すると、表示装置に表示された接触位置に対応する上位階層の選択肢の、下位階層の選択肢が表示される情報端末であって、
前記操作手段が前記接触位置検出手段の前方の空間に近接したことを検出するセンサと、
前記センサにより前記操作手段が上位階層の選択肢に近接したことが検出された場合、当該選択肢の下位階層の選択肢を前記表示装置に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記センサにより所定の選択肢に前記操作手段が近接したことが検出された場合、前記表示制御手段は、上位階層の選択肢を前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報端末。
【請求項3】
前記センサにより最下位階層の選択肢に前記操作手段が近接したことが検出された場合、前記表示制御手段は、下位階層でなく該選択肢を接触した場合の動作内容を前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報端末。
【請求項4】
前記表示装置に表示される選択肢は目視不能である、
ことを特徴とする請求項1又は3項記載の情報端末。
【請求項5】
当該情報端末は、車両に搭載されているか、少なくとも車載可能である、
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の情報端末。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載の情報端末と、
車両の現在位置を検出する位置検出手段と、を有し
前記表示装置には車両の現在位置と共に道路地図が表示される、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
接触位置を検出する接触位置検出手段に操作手段が接触すると、表示装置に表示された接触位置に対応する上位階層の選択肢の、下位階層の選択肢が表示される選択肢表示方法であって、
センサが、前記操作手段が前記接触位置検出手段の前方の空間に近接したことを検出するステップと、
前記センサにより前記操作手段が上位階層の選択肢に近接したことが検出された場合、表示制御手段が、当該選択肢の下位階層の選択肢を前記表示装置に表示するステップと、
を有することを特徴とする選択肢表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−19643(P2010−19643A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179421(P2008−179421)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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