説明

情報端末、情報処理方法及び教育支援システム

【課題】
学習者が有する学習意欲を維持し得る情報端末、情報処理方法、及び教育支援システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
複数の試験問題を記憶する試験問題記憶部と、前記試験問題記憶部により記憶される試験問題に関する情報を表示する試験問題表示部と、前記試験問題記憶部により記憶される試験問題の中から一または複数の試験問題を指定する操作を受け付ける操作受付部と、前記操作により指定された試験問題に対応する解答欄の印刷位置と、当該試験問題を識別する識別情報と、を含む符号を生成する符号生成部と、前記操作により指定された試験問題に対応する解答欄と、前記符号生成部により生成された符号と、を含むレイアウトを印刷用に出力する印刷出力部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、情報処理方法及び教育支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2004−309890号公報(特許文献1)がある。この公報には、「学習問題を自動選択する問題作成処理部5と、その学習問題を表示させると共にその学習問題に対する学習者の答案データが手書きにより直接ペンタッチ入力される出入力モニタ1と、出入力モニタ1に入力された手書きによる答案データを認識しテキストデジタルデータにライン変換するレコグナイズ処理部3と、変換されたテキストデジタルデータと予め学習問題に対応づけて用意された正解データとを照合する正誤解析部6と、正誤解析部6による結果に応じて対応データを出力させる解答処理部7と、を有するものである。」と記載されている。
【0003】
また、本技術分野の背景技術として、特開2010−152480号公報(特許文献2)がある。この公報には、「多数の解答用紙から多数の答案画像を作成し、インターネットに開放するためのWebサーバに保存し、多数の採点者はクライアント・パソコンからインターネットを介して上記Webサーバの答案にアクセスし、採点し、採点結果を採点単位データベース用Webサーバにアップロードする形式のデジタル採点システムであって、当該デジタル採点システムは少なくとも、QRコード管理システムとスキャナーシステムと採点単位管理システムとWebサーバ・システムとクライアントシステムとで構成されており、予め全教科の解答用紙に教科QRコード及び切り出しマークが印刷され、他に座席QRコードのシールが印刷され、当該座席QRコードのシールはテスト実施時に上記解答用紙及びマスターシートに貼り付けて回収される。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−309890号公報
【特許文献2】特開2010−152480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近時、情報通信技術の教育への活用が要請されているが、特許文献1のように、試験問題の解答の電子的な記録を学習者に常に求めることは、例えば、解答の記録を行う情報端末における電池の残り容量が試験時間と比して乏しかったり、学習者が当該情報端末を持ち出すことができない規則が存在したりする場合に、学習者が試験問題を解く機会や環境を制約してしまい、学習者の意欲を削いでしまう可能性がある。
【0006】
また、特許文献2のように、試験問題が学習者間で画一的であると、例えば、学習者が、自らの理解度に合わせて難易度の比較的高い試験問題を選択して自己学習をするようなことができず、折角の学習意欲を削いでしまう虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、学習者が有する学習意欲を維持し得る情報端末、情報処理方法、及び教育支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、例えば、特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0009】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、複数の試験問題を記憶する試験問題記憶部と、前記試験問題記憶部により記憶される試験問題に関する情報を表示する試験問題表示部と、前記試験問題記憶部により記憶される試験問題の中から一または複数の試験問題を指定する操作を受け付ける操作受付部と、前記操作により指定された試験問題に対応する解答欄の印刷位置と当該試験問題を識別する識別情報とを含む符号を生成する符号生成部と、前記操作により指定された試験問題に対応する解答欄と前記符号生成部により生成された符号とを含むレイアウトを印刷用に出力する印刷出力部と、を備えたことを特徴とする情報端末である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、学習者が有する学習意欲を維持し得る情報端末、情報処理法方及び教育支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】学習者用端末の構成図の例である。
【図2】解答用紙を印刷する際の学習者用端末10の動作を説明するフローチャートの例である。
【図3】解答用紙から解答を取得する際の学習者用端末10の動作を説明するフローチャートの例である。
【図4】解答用紙の例である。
【図5】解答欄マーカーを含む解答用紙の例である。
【図6】問題識別記号を含む解答用紙の例である。
【図7】基準位置マーカーを含む解答用紙の例である。
【図8(a)】印刷方向が異なる解答用紙を説明するための図である。
【図8(b)】印刷方向が異なる解答用紙を説明するための図である。
【図8(c)】印刷方向が異なる解答用紙を説明するための図である。
【図8(d)】印刷方向が異なる解答用紙を説明するための図である。
【図9】解答確認欄を含む解答用紙の例である。
【図10】複数の領域に分割された解答用紙の例である。
【図11】教育支援システムの構成の例である。
【図12】学習者用端末の構成図の例である。
【図13】学校サーバの構成図の例である。
【図14】携帯端末の構成図の例である。
【図15】PC端末の構成図の例である。
【図16】教育支援システムの動作を説明するフローチャートの例である。
【図17】解答用紙識別符号に埋め込まれた情報の例である。
【図18】解答用紙識別符号に埋め込まれた情報の例である。
【図19】紙IDと解答欄との関係を説明するための図である。
【図20】解答用紙識別符号に埋め込まれた情報の例である。
【図21】解答用紙識別符号に埋め込まれた情報の例である。
【図22】複数の学習者により同内容の解答があったことを説明するための図である。
【図23】解答欄位置決定処理の一例である。
【図24】解答用紙作成テーブルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本実施例に係る学習者用端末10の構成図の例である。
【0014】
学習者用端末10は、表示部1001、操作部1002、電源供給部1003、記憶部1004、制御部1005、インターフェース部1006、バス1007、及びカメラ部1008を備える。
【0015】
表示部1001は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、及び電子ペーパー等のパネル並びにドライバ回路等から構成され、制御部1005の制御下にて、任意の情報(例えば、文字、静止画、及び動画等)を表示する。なお、表示部1001は、複数のパネルを有し、それぞれが異なる情報を表示するようにしても良い。
【0016】
操作部1002は、キーボード、マウス、カーソルキー、及びテンキー等の一または複数を備え、ユーザの操作を受け付け、当該操作に基づいた信号を制御部1005に出力する。なお、音声認識、画像認識、またはジェスチャ認識等によってユーザの挙動に応じた信号を生成し、制御部1005に出力するようにしても良い。なお、表示部1001のパネルと操作部1002のユーザの接触操作を受け付ける部分とが一体となったタッチパネルを適用しても良い。
【0017】
電源供給部1003は、バッテリ、ACアダプタ、及び充電回路等から構成され、学習者用端末10の各部への電源供給や、バッテリへの充電を行う。また、学習者用端末10がバッテリ駆動されているか、ACアダプタ駆動されているかといった状態確認や、バッテリの残量確認を行う。
【0018】
記憶部1004は、学習者用端末10に内蔵されるメモリ、または着脱可能な外部メモリ等から構成され、各種の情報を記憶する。例えば、制御部1005が実行する動作制御用プログラムや複数種類の試験問題が記憶される。
【0019】
制御部1005は、CPU(Central Processiong Unit)、MPU(Micro Processiong Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)等から構成され、所定の動作制御用プログラムを実行するなどして、学習者用端末10全体の動作を制御する。
【0020】
インターフェース部1006は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、ワイヤレスUSB、及び無線LAN等の規格に準じた通信を可能にするポート及びコントローラ等から構成され、後述する印刷部1011及びスキャン部1012など、学習者用端末10の外部の機器(以下、単に「外部機器」)に情報を出力したり、当該外部機器からの情報を入力したりする。
【0021】
バス1007は、各部が相互に信号を伝送するための伝送路である。
【0022】
カメラ部1008は、レンズ等の光学式部品を含む撮像デバイスと画像処理デバイス等を備えている。カメラ部1008は、制御部1005の制御の下、撮像を行い、静止画や動画等の画像データを生成する。
【0023】
印刷部1011は、インターフェース部1006を介して、学習者用端末10により送信される情報を入力し、当該情報に基づいて紙への印刷を実行する。
【0024】
スキャン部1012は、紙を読み取って画像データを生成し、その画像データをインターフェース部1006を介して学習者用端末10へと出力する。
【0025】
なお、図1では、印刷部1011やスキャン部1012は、それぞれインターフェース部1006を介して学習者用端末10へと接続されているが、そのうちの一方または両方をインターフェース部1006を介さずにバス1007に直接接続し、学習者用端末10に内蔵するようにしても良い。また、図1では、印刷部1011とスキャン部1012の両方が学習者用端末10へと接続されているが、使用される場面によっては、どちらか一方のみが学習者用端末10に接続されていても良い。また、印刷部1011とスキャン部1012とは、別体であっても、一体であっても良い。
【0026】
図2に、解答用紙を印刷する際の学習者用端末10の動作をフローチャートとして示す。なお、本実施例の解答用紙は、学習者が解答を記入するための解答欄に加えて、試験問題(問題文)も含んでいる。これにより、学習者は、学習者用端末10を所持していないときであっても、解答用紙上の試験問題を解くことによって、学習を行うことができる。
【0027】
まず、制御部1005は、記憶部1004により記憶されている試験問題に関する情報を表示部1001に表示させる(S1001)。具体的には、試験問題の全文を表示したり、それぞれの冒頭の部分のみを表示したりする。また、試験問題そのものではなく、教科名や教科内の領域名など、試験問題の属性を表示するようにしても良い。また、記憶部1004により記憶されている試験問題全てについての情報を表示する必要はなく、一部の試験問題についての属性等を表示するようにしても良い。
【0028】
そして、制御部1005は、一又は複数の試験問題を指定する操作を操作部1002が受け付けるのを監視する(S1002)。ここで指定された試験問題が、解答用紙に印刷される対象となる。操作部1002が印刷対象の試験問題を指定する操作を受け付けると、制御部1005は、解答用紙に印刷される解答欄の位置を示す情報(以下、「位置情報」)を決定する解答欄位置決定処理(後述)を行う(S1003)。
【0029】
次に、制御部1005は、指定された試験問題の問題IDと解答欄の位置情報とを変換して、紙に印刷してもあとからデジタルデータとして読み取れるように、解答用紙識別符号を生成する(S1004)。問題IDとは、各試験問題を識別可能とする情報であり、例えば、その試験問題が対応する教科名や、どの教科書のどこに記載された試験問題であるかを特定可能にする情報を含んでいても良い。解答用紙識別符号は、QRコード(登録商標)などの所定の規則に従って、印刷対象となった試験問題の問題ID及び解答欄の位置情報を変換して得られる。なお、印刷対象の試験問題が複数指定された場合にあっては、解答用紙識別符号は各試験問題の問題IDとそれぞれの解答欄の位置情報とが関連付けられて生成される。
【0030】
そして、制御部1005は、学習者により指定を受けた試験問題及びその解答欄、並びに解答用紙識別符号に基づいて、解答用紙1枚ごとのレイアウト(以下、「印刷レイアウト」)を決定する(S1005)。印刷レイアウトとは、印刷予定の解答用紙のイメージであり、試験問題、解答欄、解答用紙識別符号等の配置が含まれる。例えば、解答用紙識別符号は、縦横2cm角の大きさで、解答用紙の右上端から上1.5cm、右1.5cmの余白を取った場所に位置するように印刷レイアウトが決定される。また、試験問題、解答欄及び解答用紙識別符号はそれぞれ重ならないように位置するように印刷レイアウトが決定される。
【0031】
最後に、制御部1005は、決定された印刷レイアウトに即して解答用紙が印刷されるように、当該印刷レイアウトを示す情報を印刷部1011へインターフェース部1006を介して出力する(S1006)。なお、印刷部1011は、学習者用端末10により出力された印刷レイアウトに関する情報を入力すると、当該印刷レイアウトどおりの印刷を行う。
【0032】
なお、解答記入済みの解答用紙が、紙のまま指導者などに提出されることを想定し、後で学習者が氏名を書き込めるように、氏名欄も含む印刷レイアウトを決定し、印刷しても良い。その際、学習者用端末10が、そのユーザである学習者の氏名を記憶している場合、当該学習者の氏名を印刷しても良い。
【0033】
図23は、解答欄位置決定処理の一例を示す図である。
【0034】
先ず、制御部1005は、学習者により指定された試験問題のそれぞれについて、指定された試験問題の中での通し番号を付ける(S2001)。その後、制御部1005は、解答用紙において試験問題及び解答欄が印刷される始点の位置を特定する(S2002)。始点の位置は、予め記憶部1004により記憶されており、例えば、解答用紙の左上の角から3cm下、且つ2cm右の位置が適用される。
【0035】
次に、制御部1005は、未処理の試験問題、即ち、問題の内容が記載される領域(以下、「問題記載領域」)及び解答欄の位置情報が定まっていない試験問題のうち、付された通し番号が最も若い試験問題を特定し(S2003)、記憶部2004により記憶される解答用紙作成テーブル(後述)を参照して、問題記載領域及び解答欄の位置情報を決定する(S2004)。
【0036】
そして、制御部1005は、問題記載領域の終点及び解答欄の終点が解答用紙内か否かを判別する(S2005)。尚、本実施例では、問題記載領域の終点も解答欄の終点もそれぞれの領域の最も右下の位置が適用される。問題記載領域及び解答欄のそれぞれの終点が解答用紙内に収まる場合(S2005:Yes)、制御部1005は、フラグ等を用いて、その試験問題を処理済に変更し(S2007)、未処理の試験問題が他にあるかどうかを判別する(S2008)。未処理の試験問題が他にある場合には(S2008:Yes)、制御部1005は、次の試験問題が印刷される始点の位置を特定し(S2009)、S2003の処理の実行に戻る。尚、次の試験問題が印刷される始点としては、例えば、解答用紙の左端から2cm右であって、問題記載領域の終点及び解答欄の終点のうち最も下の位置から3cm下の位置が適用される。
【0037】
問題記載領域及び解答欄のそれぞれの終点が解答用紙内に収まらない場合(S2005:No)、制御部1005は、改ページが必要であると見なして、印刷対象のページを次のページに更新し(S2006)、S2002の処理の実行に戻る。また、未処理の試験問題がない場合には、解答欄位置決定処理は終了する。
【0038】
図24は、解答用紙作成テーブルの一例を示す図である。解答用紙作成テーブルは、全ての試験問題の問題ID(A1001)毎に、試験問題の内容A1002及び問題記載領域(言い換えると、試験問題の枠)の形状を示す情報A1003と、解答欄の形状を示す情報A1004及び試験問題と問題記載領域との相対的な位置を示す情報A1005と、を規定する。例えば、問題ID「01001」の試験問題は「2×2」という内容であり、この内容は4cm×8cmの長方形の枠内に印刷される。また、この試験問題の解答が記入されるべき解答欄は2cm四方の正方形で構成され、問題記載領域の3cm右、且つ1cm下に位置する。本実施例では、解答欄の問題記載領域との相対的な位置は、解答欄の始点である左上の角が、問題記載領域の終点である右下の角に対して、どの位置にあるかにより定められる。
【0039】
なお、試験問題の内容A1002は例えば「問5 2×2」等のように問題番号を含めた形であっても良い。
【0040】
図4に、本実施例に係る解答用紙80の例を示す。解答用紙80には、試験問題8001、8002、8003と、各試験問題にそれぞれ対応した解答欄8004、8005、8006が印刷される。また、解答用紙に印刷されている試験問題を識別するための問題IDと、各試験問題に対応する解答欄の位置情報が埋め込まれている解答用紙識別符号8007が印刷される。学習者は、この印刷された解答用紙上の各試験問題を解き、解答欄に解答を記入する。
【0041】
図17に、解答用紙識別符号に埋め込まれている情報の例を示す。
【0042】
解答用紙識別符号には、印刷されている試験問題を識別するための問題ID C1001と、各試験問題に対応する解答欄の位置情報が含まれている。本実施例の解答欄の位置情報には、解答欄の形状に関する情報C1010も含まれており、何れの解答欄も2cm四方の正方形としている。また、解答欄の位置情報には、解答欄の横方向の座標X C1002と、縦方向の座標Y C1003の情報が含まれる。横方向の座標X C1002と、縦方向の座標Y C1003は、前述の正方形の左上の角の座標を表す。座標の単位は、印刷時に解答用紙識別符号へ埋め込むときの単位と、スキャン部1012が解答用紙識別符号を読み取るときの単位との対応が取れていれば、特に制限されず、例えば、ミリメートル、インチ、及びポイントなどが適用可能である。
【0043】
なお、解答欄を上記のように決まった大きさの正方形とするのではなく、より自由度を持たせるため、四角形の左上の角と右下の角の位置をそれぞれ始点及び終点とし、図18のC1004及びC1005を始点の座標として、C1006及びC1007を終点の座標として解答用紙識別符号に埋め込んでも良い。このように、多角形のそれぞれの辺の始点と終点、言い換えると各頂点の座標全てを解答用紙識別符号へ埋め込むことにより、四角形だけではなく、三角形や五角形等の様々な多角形の解答欄に対応することができる。
【0044】
図3に、学習者が解答を記入し終えた解答用紙から、解答を取得する際の動作をフローチャートとして示す。
【0045】
まず、制御部1005は、スキャン部1012によって生成された解答用紙の画像データを入力し(S1101)、記憶部1004に記憶させる。なお、カメラ部1008が解答用紙を撮影することによって、その画像データを生成するようにしても良い。
【0046】
次に、制御部1005は、入力した画像データから解答用紙識別符号を検出し、その解答用紙識別符号から問題IDと解答欄の位置情報を抽出する(S1102)。ここでは、図17に示すように、解答欄の位置情報と問題IDとが対応づけて抽出され、記憶部1004により記憶される。解答用紙識別符号が存在しない、または、解答用紙の画像データを正確に生成することができなかったなどの理由で、解答用紙識別符号の検出や問題ID等の抽出が行えなかった場合は、制御部1005は、解答の取得に失敗と判断し、表示部1001にその旨を表示させ、ユーザに再度読み取り指示を行わせるような表示を行わせる。
【0047】
解答用紙識別符号から問題IDと解答欄の位置情報を抽出した場合は(S1103:Yes)、制御部1005は、解答欄の位置情報に基づいて、記憶部1004により記憶されている解答用紙の画像データにおける解答欄の位置や形状を特定し、解答欄の部分を解答欄画像データとして、各問題IDに対応させて抽出する(S1104)。なお、学習者用端末10が、学習者によってタッチペンで入力された文字を認識し、テキストデータとして解答を保存する構成をさらに備えるのあれば、解答欄画像データを抽出した後、文字認識を行い、同様にテキストデータとして解答を保存するしても良い。
【0048】
制御部1005は、抽出した解答欄画像データに基づいて、解答欄が空欄かどうかを判別し、解答欄が空欄であった場合は(S1105:Yes)、制御部1005は、その試験問題は未解答である旨を、記憶部1004に記憶させる(S1107)。空欄でない場合は、抽出した解答欄画像データを、問題IDと対応させて記憶部1004に記憶させる(S1106)。解答用紙1枚分の全ての解答欄画像データの抽出が終わると、制御部1005は、表示部1001を通じて他に解答を取得すべき解答用紙があるかどうかユーザに問いかけ、ユーザにより新たな解答用紙がセットされた場合は(S1108:Yes)、新たな解答用紙の画像データの入力を行う。
【0049】
以上のように、本実施例に係る学習者用端末10によれば、問題ID及び解答欄の位置情報を含む解答用紙識別符号を解答欄と共に印刷し、また、当該解答用紙識別符合に基づいて解答欄の位置を特定し、解答欄に記入された内容を抽出することで、ユーザが解答欄の位置を指定する操作を行う必要なく、解答用紙に記入された解答を取得することができる。よって、学習者は、学習者用端末10に試験問題の解答を電子的に入力しなくても、印刷された解答用紙に解答を記入することで、それと同様のことが実現できる。また、学習者が選択した試験問題に対応する解答欄が解答用紙に印刷されるので、学習者は、例えば、自分の理解度に合った難易度の試験問題を選択することができる。
【0050】
また、学習者用端末10を持ち出せない事情があっても、学習者は、試験問題が印刷された解答用紙があれば、試験問題を解く機会の環境の制約を受けない。従って、学習者は、例えば、自宅や図書館などの任意の場所で試験問題を解くことができる。もちろん、当該解答用紙は、複数の学習者が一同に集まる試験会場においても利用可能である。尚、本実施例の試験問題は、試験会場で学習者に提示される問題に限られず、指導者が学習者に提示する宿題や学習者が自主的に解こうとする問題も含まれる。
【0051】
なお、問題ID及び解答欄の位置情報の組合せの複数に対応する紙IDを学習者用端末10の記憶部1004に記憶させておき、解答用紙を印刷する際に、解答用紙識別符号に紙IDのみを埋め込むようにしても良い。図19は、紙IDと問題ID及び解答欄の位置情報との関係を説明するための図である。記憶部1004は、解答用紙を識別する紙ID C1011と、解答用紙に印刷された各試験問題の問題ID C1012と、解答欄の位置を示す横方向の座標X C1002と、縦方向の座標Y C1003と、の対応関係をデータテーブルとして記憶する。解答記入後の解答用紙から解答を取得する時には、解答用紙に印刷されている解答用紙識別符号から紙IDを抽出し、前記データテーブルを利用して、当該紙IDに対応した問題IDと解答欄の位置情報を特定することにより、問題IDと対応させつつ、解答欄画像データを抽出することができる。
【0052】
また、解答用紙を印刷する際に、問題IDを解答用紙識別符号に埋め込み、解答記入後の解答用紙から解答を取得する時には、解答用紙識別符号から問題IDを抽出し、その問題IDから、印刷レイアウトを再現するようにしても良い。この場合、再現した印刷レイアウトから解答欄の位置情報を得ることにより、問題IDと対応させつつ、解答欄画像データを抽出することができる。
【0053】
さらに、解答用紙を印刷する際に、問題IDを解答用紙識別符号に埋め込むと共に、図5に示すように、解答欄の位置の基準を示す解答欄マーカー8101、8102、8103を印刷するようにしても良い。解答記入後の解答用紙から解答を取得する時には、解答用紙識別符号から印刷されている試験問題の問題IDを抽出し、また、解答欄マーカーのある場所から解答欄の位置を検出し、試験問題の順に問題IDと対応付けて解答欄画像データを抽出することができる。なお、この方法では解答欄の読み取り順が、縦書き横書きの違いや紙の方向によって異なるため、後に記す縦書き横書き、および紙の方向を認識を合わせて行うことがより望ましい。
【0054】
また、各試験問題と解答欄との位置関係を対応付ける問題識別記号を解答用紙識別符号に埋め込むようにしても良い。図20に解答用紙識別符号に埋め込まれている情報の例を示す。この解答用紙識別符号には、問題ID C1021に対応して、さまざまな形状の問題識別記号C1022が埋め込まれている。解答用紙には、図6に示すように、解答用紙識別符号と解答欄マーカー8101、8102、8103と共に、問題IDに対応した問題識別記号8111、8112、8113を印刷する。解答記入後の解答用紙から解答を取得する時には、解答用紙識別符号から試験問題の問題IDを抽出し、また、解答用紙識別符号から問題IDに対応する問題識別記号を抽出する。そして、解答欄マーカーのある場所から解答欄の位置を検出し、解答欄画像データ、および、問題識別記号を抽出する。解答用紙識別符号から読み取った問題IDと問題識別記号との対応から、問題IDと解答欄画像データとの位置関係を特定し、各問題IDに対応させつつ、解答欄画像データを抽出することができる。
【0055】
また、図7に例として示すように、基準位置マーカー8121、8122、8123、8124を解答用紙に印刷し、解答記入後の解答用紙の画像データを生成した後、制御部1005が、基準位置マーカーの位置を検出し、そのマーカーが正しく取得したときの画像データの位置と同様の位置となるように、画像データの回転、拡大、縮小、ゆがみ補正、及び位置合わせ等の補正を行うようにしても良い。例えば、紙の4つの角からそれぞれ上下左右1cm余白を取った位置に十字の中心が位置するように、解答用紙上に十字を印刷し、解答用紙の画像データを生成した後、画像データ上で四隅の十字が4つの角の上下左右1cm余白を取ったところに位置するよう、画像データの補正を行う。その後、制御部1005は、解答用紙識別符号を抽出する。このように基準位置マーカーを設け、基準位置マーカーにより画像データを補正することによって、何らかの理由で、解答用紙がゆがんだ状態で読み込まれた場合でも、解答用紙識別符号の認識や解答欄画像データの抽出が正確に行える。
【0056】
また、解答用紙識別符号として、2次元バーコードのように、解答用紙識別符号自体の方向が傾いていないか、90度傾いているかを判別できる情報を含むものを用いても良い。この場合、試験問題や解答欄の方向(例えば、縦書きや横書き)に合わせて、解答用紙識別符号を印刷する一方で、解答用紙に印刷された解答用紙識別符号の方向を検出することで、解答用紙の向きを判別することができる。さらに、解答用紙の印刷方向に応じて解答用紙識別符号を印刷する位置を変え、解答用紙識別符号が印刷されている位置を検出することで解答用紙の印刷方向を認識しても良い。例えば図8(a)及び図8(b)のように、解答用紙の印刷方向が縦のときは、解答用紙識別符号が解答用紙の右上に位置するようにし、図8(c)及び図8(d)のように、解答用紙の印刷方向が横のときは、解答用紙識別符号が解答用紙の左上に位置するようにすれば、解答用紙識別符号の位置によって解答用紙の印刷方向を判別することが可能となる。このように縦書き・横書きや解答用紙の方向を検出できるようにすることで、さまざまな教科の試験問題に対応した印刷を行うことができる。
【0057】
解答用紙識別符号に、各解答欄が必要とする解像度(以下、「必要解像度」)の情報を付加してもよい。図21に解答用紙識別符号に埋め込まれた情報の例を示す。この解答用紙識別符号には、問題ID C1001に対応する必要解像度C1031が付加されている。解答用紙の画像データを生成する際には、最大の解像度で画像データを生成し、解答用紙識別符号から解答欄ごとに必要解像度を抽出し、解答欄画像データ抽出後、必要解像度に応じて、画像データの解像度を下げる変換を行う。このように、解答欄ごとに必要解像度に関する情報を付加することで、高い解像度の必要がない解答欄画像データのデータ量を小さくすることができる。なお、必要解像度には任意な数値を適用可能であり、例えば、文字による解答が予定される解答欄の必要解像度を200dpiとし、絵画による解答が予定される解答欄の必要解像度を400dpiとすることができる。また、操作部1002が受け付ける操作に基づいて、必要解像度を変更できるようにしても良い。
【0058】
記憶部1004が学習者用端末10や学習者固有の識別情報(以下、端末ID)を記憶し、解答用紙識別符号に端末IDを付加してもよい。このようにすれば、解答用紙識別符号に基づいて、解答用紙がどの学習者用端末10により印刷されたものであるか、またはだれによって印刷されたのかを容易に特定することができる。尚、学習者用端末10は、自らが記憶する端末IDと、解答用紙上の解答用紙識別符号から抽出した端末IDとの比較を行い、一致した場合はそのまま解答の取得を行い、一致しない場合は、解答の取得を行わないようにしても良い。この場合、解答用紙を印刷した学習者用端末10のみが解答を取得できるので、解答が記入された解答用紙の生徒間での使いまわしや、複数の学習者がそれぞれ試験問題を解いたこととする不正行為を防ぐことができる。
【0059】
解答欄の近くに解答確認欄を印刷するようにしても良い。図9に、この例の解答用紙を示す。解答確認欄8131、8132、8133の位置は、解答欄の上下左右どこでも良いが、例えば、解答欄の右上隅から1cm離れた場所に1.5cm四方の正方形の解答確認欄を印刷する。学習者が解答欄に解答の記入を終えた後、学習者の保護者や指導者が学習者本人が試験問題を解き終わったことを確認し、解答を学習者自身が行ったことを示す解答用紙識別符号のシールを空欄へと貼り付ける。その後、解答記入済みの解答用紙の画像データを生成し、解答欄画像データを抽出する際に、解答確認欄の解答用紙識別符号を読み取り、その解答用紙識別符号が解答を学習者自身が行ったことを示すものであれば、制御部1005は、学習者用端末10の記憶部1004へ解答欄画像データを保存し、そうでなかった場合は解答欄画像データの保存は行わず、未解答として扱う。なお、解答を学習者自身が行ったことを示す解答用紙識別符号はシールではなく判子であっても良い。また、学習者自身が行ったことを示すものは解答用紙識別符号ではなく、星印や2重丸印などの特定の記号であっても良い。このように、解答用紙識別符号が添付された解答のみ取り込むようにすることで、指導者や親といった人による確認結果を反映することができ、他人の答えを写すなどの不正ができにくくすることができる。
【0060】
解答用紙を複数の領域に分割し、問題IDなどを含む解答用紙識別符号を領域ごとに印刷を行い、制御部1005が、領域ごとに、解答欄画像データを抽出しても良い。図10に、この例の解答用紙を示す。この場合、フォーカスを合わせることが相対的に容易となるため、学習者用端末10のカメラ部1008が解答記入済みの解答用紙を撮影し、画像データを生成する場合のように、撮影後の解像度が不十分で不鮮明な画像データしか得られず、解答用紙識別符号の抽出が不可能となったり、解答欄画像データが不鮮明な状態で抽出されたりすることを防止することができる。
【実施例2】
【0061】
図11は、本実施例に係る教育支援システムの構成を示す図である。
【0062】
本実施例に係る教育支援システムは、ネットワーク2、学習者用端末10、校内ネットワーク22、学校サーバ23、携帯端末91、及び、PC端末92を含む。
【0063】
ネットワーク2は、インターネット・プロトコル等を使用するWAN(Wide Area Network)、LTE(Long Term Evolution)、HSPA(High Speed Packet Access)、及びWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等から構成される通信ネットワークであり、学習者用端末10、携帯端末91、PC端末92、校内ネットワーク22等を相互に接続し、相互間の通信を可能にする。
【0064】
校内ネットワーク22は、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、LTE、及びWiMAX等から構成される学校専用の通信ネットワークであり、ネットワーク2、及び学校サーバ23を相互に接続し、相互間の通信を可能にする。
【0065】
学校サーバ23は学校専用のサーバであり、校内ネットワーク22を介して、情報を送受信する。なお、学校サーバ23は、必ずしも学校内に設置されている必要はなく、データセンターなど学校外に設置されていても良い。この場合、業者による学校サーバ23の保守が容易となり得る。
【0066】
図12に学習者用端末10の構成例を示す。本実施例に係る学習者用端末10は、実施例1で説明した構成に加え、通信部1101を備える。通信部1101は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、ICタグ機能、TransferJET(登録商標)、LTE、HSPA、EV−DO(Evolution Data Only)、及びWiMAX等の無線通信機能、または、Ethernet(登録商標)等の有線通信機能を備え、各種の情報を送受信する。無線通信機能は、アンテナ、及び変復調回路等を含む。有線通信機能は、コネクタ、及び変復調回路等を含む。情報の送受信は、ネットワーク2または校内ネットワーク22を介して行われても良いし、これらを介さずに各機器間で直接行われても良い。通信部1101は、複数の通信方式に対応するよう構成されても良い。
【0067】
図13に学校サーバ23の構成例を示す。
【0068】
表示部2301は、液晶ディスプレイ等のパネルとドライバ回路等から構成され、制御部2305の制御下にて、任意の情報(例えば、文字、静止画、及び動画等)を表示する。主に、サーバ管理者向けの情報を表示する。なお、表示部2301は、学校サーバ23本体とは別の筐体であっても良い。
【0069】
操作部2302は、キーボード、マウス、及びカーソルキー等の一または複数を備え、ユーザの操作を受け付け、当該操作に基づいた信号を制御部2305に出力する。なお、操作部2302は、音声認識、画像認識、またはジェスチャ認識等によってユーザの挙動に応じた信号を生成し、制御部2305に出力するようにしても良い。なお、表示部2301のパネルと操作部2302のユーザの接触操作を受け付ける部分とが一体となったタッチパネルを適用しても良い。
【0070】
電源供給部2303は、バッテリ、ACアダプタ、及び充電回路等から構成され、学校サーバ23の各部への電源供給や、バッテリへの充電を行う。また、学校サーバ23がバッテリ駆動されているか、ACアダプタ駆動されているかといった状態確認や、バッテリの残量確認を行う。
【0071】
記憶部2304は、学校サーバ23に内蔵されるメモリ、または着脱可能な外部メモリ等から構成され、各種の情報を更新可能なように記憶する。例えば、制御部2305が実行する動作制御用プログラムや、各試験問題に対応する解答が記憶されている。
【0072】
制御部2305は、CPU、MPU、DSP等から構成され、所定の動作制御用プログラムを実行するなどして、学校サーバ23全体の動作を制御する。
【0073】
通信部2306は、無線LAN等の無線通信機能、または、Ethernet(登録商標)等の有線通信機能を備え、各種の情報を入出力する。無線通信機能は、アンテナ、及び変復調回路等を含む。有線通信機能は、コネクタ、及び変復調回路等を含む。情報の入出力は、基本的にはネットワーク2を介して行われる。なお、通信部2306は、複数の通信方式に対応するよう構成されても良い。
【0074】
認証部2307は、パスワード認証、指紋認証、指静脈認証、筆跡認証、顔認証、声紋認証、及び虹彩認証等の認証方式により、学校サーバ23を利用しようとするユーザが正規のユーザか否かを認証する。認証部2307は、認証方式に応じて、ユーザが認証用に入力した情報(パスワード、指紋データ、指静脈データ、筆跡データ、顔画像データ、声紋データ、または虹彩データ等)を取り込む機能を備える。
【0075】
図14に携帯端末91の構成例を示す。
【0076】
携帯端末91は、表示部9101、操作部9102、電源供給部9103、記憶部9104、制御部9105、通信部9106、カメラ部9108、及びバス9114を備える。
【0077】
表示部9101は、液晶ディスプレイ等のパネルとドライバ回路等から構成され、制御部9105の制御下にて、任意の情報(例えば、文字、静止画、及び動画等)を表示する。なお、表示部9101は、それぞれ異なる情報を表示可能な複数のパネルを有していても良い。
【0078】
操作部9102は、キーボード、マウス、カーソルキー、及びテンキー等の一または複数を備え、ユーザの操作を受け付け、当該操作に基づいた信号を制御部9105に出力する。なお、操作部9102は、音声認識、画像認識、またはジェスチャ認識等によって信号を生成し、制御部9105に出力するようにしても良い。なお、表示部9101のパネルと操作部9102のユーザの接触操作を受け付ける部分とが一体となったタッチパネルを適用しても良い。
【0079】
電源供給部9103は、バッテリ、ACアダプタ、及び充電回路等から構成され、携帯端末91の各部への電源供給や、バッテリへの充電を行う。また、携帯端末91がバッテリ駆動されているか、ACアダプタ駆動されているかといった状態確認や、バッテリの残量確認を行う。
【0080】
記憶部9104は、携帯端末91に内蔵されるメモリ、または着脱可能な外部メモリ等から構成され、各種の情報を記憶する。例えば、制御部9105が実行する動作制御用プログラムや試験問題が記憶される。
【0081】
制御部9105は、CPU、MPU、及びDSP等から構成され、所定の動作制御用プログラムを実行するなどして、携帯端末91全体の動作を制御する。
【0082】
通信部9106は、無線LAN、Bluetooth、赤外線通信、ICタグ機能、TransferJET、LTE、HSPA、EV−DO、及びWiMAX等の無線通信機能、または、Ethernet(登録商標)等の有線通信機能を備え、各種の情報を入出力する。無線通信機能は、アンテナ、及び変復調回路等を含む。有線通信機能は、コネクタ、及び変復調回路等を含む。情報の入出力は、ネットワーク2または校内ネットワーク22を介して行われても良いし、ネットワークを介さずに各機器間で直接行われても良い。通信部9106は、複数の通信方式に対応するよう構成されても良い。
【0083】
カメラ部9108は、レンズ等の光学式部品を含む撮像デバイスと画像処理デバイス等を備えている。カメラ部9108は、制御部9105の制御の下、撮像を行い、静止画や動画等の画像データを生成する。
【0084】
バス9114は、各部が相互に信号を伝送するための伝送路である。
【0085】
図15にPC端末92の構成例を示す。
【0086】
PC端末92は、表示部9201、操作部9202、電源供給部9203、記憶部9204、制御部9205、通信部9206、インターフェース部9221、及びバス9214を備える。このうち、表示部9201、操作部9202、電源供給部9203、記憶部9204、制御部9205、通信部9206、及びバス9214は、携帯端末91の表示部9101、操作部9102、電源供給部9103、記憶部9104、制御部9105、通信部9106、及びバス9114とそれぞれ同種の構成である。
【0087】
インターフェース部9221は、たとえばUSB、ワイヤレスUSB、及び無線LAN等の規格に準じた通信を可能にするポート及びコントローラ等から構成され、PC端末92と外部の機器の間の情報の入出力を可能にするためのものである。
【0088】
スキャン部9212は、紙に印刷されていたり、手書きされていたりする文字や図形の画像データを読み取って画像データを生成し、その画像データをインターフェース部9221を介してPC端末92へと出力する。
【0089】
次に、本実施例に係る教育支援システムの動作について図16を用いて説明する。
【0090】
携帯端末91のカメラ部9108は、解答記入済みの解答用紙を撮影し、制御部9105が解答用紙全体の画像データを記憶部9204に保存させる(S1201)。その後、制御部9105は、通信部9106を介して、ネットワーク2及び校内ネットワーク22を通じて、学校サーバ23に認証を要求する(S1202)。ここでは、認証の実施に必要な情報、例えば、あらかじめ学習者ごとに定められた学習者IDとパスワードが学校サーバ12に送信される。なお、学習者ID及びパスワードは、学習者の操作に応じて、携帯端末91の操作部9202により入力される。
【0091】
学校サーバ23が、通信部9205を介して、認証の要求を入力すると、認証部2307は認証を行い(S1203)、認証が成功すると、学校サーバ23の制御部2305は、通信部2306を介して、認証が完了した旨を携帯端末に通知する(S1204)。その後、学習者の操作に応じて、携帯端末91は、解答用紙全体の画像データを学校サーバ23に出力する(S1205)。なお、PC端末92において、デジタルカメラやスキャナ等から構成されるスキャン部9212が解答用紙全体の画像データを生成し、通信部9205を介して、ネットワーク2及び校内ネットワーク22を通じて、学校サーバ23へ出力するようにしても良い。この場合、PC端末92の制御部9205が、通信部9206を介して、学校サーバ23に認証を要求するようにしても良い。また、解答の記入が完了していない状態で、解答用紙の画像データを生成し、携帯端末91やPC端末92の画像編集機能を用いて、画像データを表示部9101、9201に表示させ、学習者が操作部部9102、9202を用いて解答欄に解答を記入し、その解答を学校サーバ23へ出するようにしても良い。
【0092】
画像データを入力すると、学校サーバ23の制御部2305は、実施例1と同様に、図3のS1102〜S1107と同じ動作を行い、問題IDに対応させて解答欄画像データを記憶部2304へ保存させる(S1206)。なお、解答用紙識別符号を読み取れなかった場合は(S1103:No)、学校サーバ23の制御部2305は、携帯端末91へその旨の通知を行う。この後、学校サーバ23の制御部2305は、解答欄画像データの文字認識を行い、解答をテキストデータ化して、問題IDと対応付けて記憶部2304に保存させる(S1207)。そして、学校サーバ23の制御部2305は、あらかじめ記憶部2304により問題IDと対応付けて記憶されている正解と、入力した解答との比較を行うことにより、答えあわせを行い、問題IDに対応付けて正解または不正解の結果を記憶部2304へ保存させる(S1208)。答えあわせが終了した後、学習者が、正解した試験問題と不正解の試験問題を知ることができるように、問題IDを、解答用紙に印刷したときの問題番号へ変換し、その問題番号を、学内ネットワーク22及びネットワーク2を通じて、学習者の携帯端末91やPC端末90へ出力する(S1209)。なお、学校サーバ23の記憶部2304が、学習者IDと対応付けて学習者のメールアドレスを保存するようにすれば、試験問題の正解または不正解の情報を、そのメールアドレス宛に、電子メールとして送信しても良い。
【0093】
また、携帯端末91が、解答用紙の画像データを学校サーバ23へ出力した後、学校サーバ23の記憶部2304により保存されている問題IDと、当該問題IDに対応した解答欄画像データを、校内ネットワーク2とネットワーク22を通じて、学習者用端末10が受信するようにしても良い。
【0094】
以上の説明では、携帯端末91やPC端末92が、ネットワーク2を通じて、学校サーバ23へ、画像データの送信を行うように記述しているが、学習者用端末10が、解答用紙の画像データを学校サーバ23へ送信するようにしても良い。
【0095】
また、カメラつき携帯電話などで、解答記入済みの解答用紙を撮影し、解答欄画像データを生成する場合は、図10を用いて説明したように、1枚の解答用紙を複数の領域に分割して、解答を取得するようにしても良い。
【0096】
また、複数の解答欄画像データが学校サーバ23の記憶部2304により複数保存されている場合、学習者IDごとに同じ問題IDの解答欄画像データの比較を行い、同じ問題IDについて同じ解答欄画像データが2つ以上ある場合は、学校サーバ23の記憶部2304に解答欄画像データが同じ学習者IDの問題IDに対応させて、同内容となっている他の学習者の学習者ID(以下、同解答学習者ID)を保存させても良い。この場合、学校サーバ23は、同解答学習者IDがある場合は、複数の学習者によって同内容の解答があったことを指導者が持つ、学習者用端末10と同構成の指導者用端末(図示しない)に送信し、その表示部に表示させても良い。また、学校サーバ23は、指導者用端末が学校サーバ23へアクセスしたときに,その旨を通知しても良い。図22に、学校サーバ23の記憶部2304により保存されている内容の例を示す。学習者ID C1041、問題ID C1042に対して、解答欄画像データC1043、文字認識後のテキストデータC1044、答えあわせ結果C1045、同内容学習者ID C1046が保存される。
【0097】
以上のように、携帯端末91やPC端末92が解答記入済みの解答用紙の画像データを学校サーバ23に送信し、学校サーバ23が解答欄データを抽出し、答えあわせをすることで、学習者が学習者用端末10を持ち合わせていなくとも、採点結果まで知ることができる。また、複数の学習者が1枚の解答記入済みの解答用紙を使いまわす不正を行った場合、これを検知することができる。
【0098】
なお、本発明は前述の各実施例に限定されるものではなく、既に例示したものも含めて、様々な変形例が考えられる。
【0099】
また、前述の各実施例は本発明の理解のために詳細に説明されたものであり、本発明は、前述の各構成を全て備えるものに限定されない。また、ある実施例の一部を他の実施例の一部に置き換えることは可能であり、また、ある実施例の一部を他の実施例に付加することも可能である。
【0100】
また、各実施形態における構成の一部または全部を、例えば、集積回路等のハードウェアを用いて実現しても良いし、マイクロプロセッサがプログラムを解釈し、実行することにより実現しても良い。また、各構成を実現するプログラム、テーブル、及びファイル等の電子的情報を、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、ICカード、SDカード、DVDその他の記録媒体が記録するようにしても良い。
【0101】
なお、各図面上の制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、本発明の実施に必要な制御線や情報線が全て示されているとは限らない。例えば、全ての構成が相互に接続されるようにしてもよい。逆に、本発明の実施に際して、各図面上の制御線や情報線全てを備える必要は必ずしもない。
【符号の説明】
【0102】
2 ネットワーク
10 学習者用端末
22 校内ネットワーク
23 学校サーバ
91 携帯端末
92 PC端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の試験問題を記憶する試験問題記憶部と、
前記試験問題記憶部により記憶される試験問題に関する情報を表示する試験問題表示部と、
前記試験問題記憶部により記憶される試験問題の中から一または複数の試験問題を指定する操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作により指定された試験問題に対応する解答欄の印刷位置と当該試験問題を識別する識別情報とを含む符号を生成する符号生成部と、
前記操作により指定された試験問題に対応する解答欄と前記符号生成部により生成された符号とを含むレイアウトを印刷用に出力する印刷出力部と、
を備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記レイアウトには、前記操作により指定された試験問題を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記解答欄の印刷位置は、解答欄の各頂点の座標により特定されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記符号は、方向に関する情報を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の情報端末。
【請求項5】
前記符号は、解答欄の解像度に関する情報を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の情報端末。
【請求項6】
自己またはユーザのIDを記憶するID記憶部を備え、
前記符号は、前記ID記憶部により記憶されるIDを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の情報端末。
【請求項7】
解答用紙の画像データを入力する画像データ入力部と、
解答用紙に印刷された符号から、解答欄の印刷位置と、当該解答欄が対応する試験問題を識別する識別情報とを抽出する情報抽出部と、
前記情報抽出部により印刷位置が抽出された解答欄の回答を、当該解答欄が対応する試験問題を識別する識別情報と関連付けて取得する解答取得部と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の情報端末。
【請求項8】
複数の試験問題を記憶する工程と、
試験問題に関する情報を表示する工程と、
試験問題を指定する操作を受け付ける工程と、
前記操作により指定された試験問題に対応する解答欄の印刷位置と、当該試験問題を識別する識別情報と、を含む符号を生成する工程と、
前記操作により指定された試験問題に対応する解答欄と、前記符号生成部により生成された符号と、を含むレイアウトを印刷用に出力する工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
解答用紙の画像データを入力する工程と、
解答用紙に印刷された符号から、解答欄の印刷位置と、当該解答欄が対応する試験問題を識別する識別情報とを抽出する工程と、
印刷位置が抽出された解答欄の解答を、当該解答欄が対応する試験問題を識別する識別情報と関連付けて取得する工程と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
情報端末と、サーバと、を備える教育支援システムであって、
前記情報端末は、解答用紙の画像データを入力する画像データ入力部と、当該画像入力部により入力された画像データを前記サーバに出力する画像データ出力部と、を備え、
前記サーバは、解答用紙に印刷された符号から、解答欄の印刷位置と、当該解答欄が対応する試験問題を識別する識別情報とを抽出する情報抽出部と、前記情報抽出部により印刷位置が抽出された解答欄の解答を、当該解答欄が対応する試験問題を識別する識別情報と関連付けて取得する解答取得部と、を備えたことを特徴とする教育支援システム。
【請求項11】
前記サーバは、試験問題の正解を記憶する正解記憶部と、当該正解記憶部により記憶される正解と解答取得部により取得された解答欄の解答との比較を行う解答比較部と、を備えることを特徴とする請求項10に記載の教育支援システム。
【請求項12】
前記サーバは、前記解答比較部による解答の結果を前記情報端末に出力する回答結果出力部を備えることを特徴とする請求項11に記載の教育支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【図8(d)】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−11705(P2013−11705A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143677(P2011−143677)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】