情報端末、情報端末の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体
【課題】位置情報と、セキュリティ機能とを容易に対応づけて登録し、後から容易に確認/変更する。
【解決手段】携帯電話機1は、画像を表示する表示部40と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部20とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部40に表示するとともに、自機の機能を制限する内容を示すセキュリティ設定情報を特定し、当該セキュリティ設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部20に記憶するセキュリティ設定部510をさらに備える。
【解決手段】携帯電話機1は、画像を表示する表示部40と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部20とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部40に表示するとともに、自機の機能を制限する内容を示すセキュリティ設定情報を特定し、当該セキュリティ設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部20に記憶するセキュリティ設定部510をさらに備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ機能を備える情報端末、情報端末の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティ機能を備える情報端末の普及に伴って、GPS装置などを使って情報端末の位置情報を取得し、取得した位置情報に応じてセキュリティ管理を行う機種が次々と開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、位置情報を用いてセキュリティ管理を行う情報処理装置が開示されている。具体的には、上記情報処理装置は、当該情報処理装置の位置情報を取得し、当該情報処理装置が有する機能のうち、どの機能を制限するかを、位置情報に応じて決定するためのデータであるセキュリティポリシーデータに基づいて、当該情報処理装置においてセキュリティ管理を要する機能の制限を位置情報に応じて行う。
【0004】
また、特許文献2には、セキュリティ機能を備える記憶装置が開示されている。具体的には、上記記憶装置は、当該記憶装置の位置を検出し、当該記憶装置が位置する場所が予め設定され、予め設定された場所と前記測定された位置の比較を行い、前記測定された位置が前記予め設定された場所と異なる場合は、当該記憶装置の記憶媒体へのアクセスを禁止する。
【0005】
また、特許文献3には、情報の利便性と安全性という相反することを同時に満足させることを目的とする携帯端末情報管理システムが開示されている。具体的には、上記携帯端末情報管理システムは、メモリカードに記憶される表示情報を、ユーザの現在位置に基づいて第1記憶部又は第2記憶部に転送を行う。すなわち、ユーザ位置情報と前回ユーザ位置情報とが一致しないと判定された場合、メモリカード、第1記憶部または第2記憶部のいずれかの記憶部に記憶されている表示情報を、他の2つの記憶部のいずれに記憶させるかを表す記憶位置を、変化したユーザ位置情報に基づいて決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−070073号公報(2009年4月2日公開)
【特許文献2】特開2009−259115号公報(2009年11月5日公開)
【特許文献3】特開2010−086165号公報(2010年4月15日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、位置情報に応じてセキュリティ管理を行う際、予め位置情報とセキュリティ機能とを対応付けて登録するとき、従来では、位置情報が経度緯度などで表されるため、以下のような問題が生じていた。すなわち、情報端末のユーザにとって、位置情報が示す場所を把握することが難しく、また、位置情報をセキュリティ機能と対応付けて登録することが煩わしい。さらに、ユーザは、登録した位置情報とセキュリティ機能との対応付け情報を確認または変更するとき、どういう場所(位置情報)にどういった設定がなされているかがわかりにくい。
【0008】
例えば、特許文献1に記載の技術は、セキュリティポリシーデータに基づき、位置情報に応じて機能の制限を行うものである。ただし、そのセキュリティポリシーデータを登録するためには、位置情報を把握することが必要になり、その位置情報をどのように把握するかは、引用文献1には具体的に記載されていない。また、機能制限が掛けられた場所はどの範囲のものかを確認しにくく、さらに、上記範囲を変更することも煩わしい。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術は、測定位置が設定場所と異なる場合には、記憶媒体へのアクセスを禁止するものである。ただし、上記特許文献1と同じように、その設定場所をどのように登録すればよいのか、また、どのように確認/変更すればよいのかがユーザにはわからず、ユーザにとって容易ではない。
【0010】
また、特許文献3に記載の技術は、ユーザ位置情報と前回ユーザ位置情報とを比較して、記憶位置を決定するものである。ただし、予め位置情報とセキュリティ機能とを対応付けて登録するものではない。よって、ユーザは、予め決められた場所に応じてセキュリティ機能を管理することができない。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、位置情報と、セキュリティ機能とを容易に対応づけて登録し、後から容易に確認/変更することが可能な情報端末および情報端末の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報端末は、自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末であって、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定手段をさらに備えることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る情報端末の制御方法は、自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末の制御方法であって、上記情報端末は、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定ステップを含むことを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末において、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を、位置情報が付加された位置情報付き画像データに付加して記憶部に記憶する。よって、上記情報端末は、自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する際、位置情報付き画像データに付加された位置情報を参照して、現在位置の近傍の位置情報が付加された位置情報付き画像データに付加された機能制限設定情報を用いて、自情報端末の機能を制限することができる。
【0015】
そして、特に、上記情報端末では、機能制限設定情報に直接関連付けられているのが位置情報ではなく、画像データである。そのため、機能制限設定情報に位置情報を対応付けて機能制限の登録や変更を行う際、ユーザは画像を見ながら行うことができる。それゆえ、位置情報の示す位置がどういう場所であるのかを、画像として具体的に認識できるため、設定作業が容易である。もちろん、位置情報付き画像データは、機能制限の登録を行いたい位置にある目標物を撮影した画像データに、その位置の経度緯度等の位置情報が付加されていることが望ましい。
【0016】
また、機能制限設定情報は、位置情報とともに、画像データに付加されているので、位置情報(または、位置情報付き画像データ)と機能制限設定情報とを関連付けて管理するための管理テーブル等のデータが必要でなく、メモリを節約することができる。
【0017】
さらに、上記画像データを共有することにより、その画像データに付加されている機能制限設定情報を共有することができる。例えば、他の情報端末に対して、上記と同じ機能制限を行いたい場合には、その情報端末において、もう一度設定する必要がなく、上記機能制限設定情報が付加されている画像データを受信するだけで、上記と同じ機能制限を行うことができる。よって、ユーザの手間がかからず、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0018】
さらに、本発明に係る情報端末は、複数のアプリケーションを備え、一つの位置情報付き画像データに付加されている上記機能制限設定情報には、上記複数のアプリケーションに対する機能の制限の内容が含まれていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、さらに、一つの位置情報付き画像データを抽出することで、複数のアプリケーションに対する機能の制限が行えるため、機能制限の登録や変更が容易である。
【0020】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記位置情報付き画像データには、付加されている上記機能制限設定情報とは異なる、自情報端末の機能を制限する内容を示す第2の機能制限設定情報が関連付けられていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、上記機能制限設定情報とは別に、画像データに関連付けられている第2の機能制限設定情報がある。それゆえ、1つの画像データに、上記機能制限設定情報とは異なる内容の上記第2の機能制限設定情報を関連付けることができ、それらに優先順位をつけて選択的に使用することが可能となる。例えば、画像データに関連付けられている第2の機能制限設定情報は、画像データに付加されている機能制限設定情報よりも、優先順位が高いとすることができる。
【0022】
よって、ユーザが、一時的に機能制限を変更したい場合には、付加された上記機能制限設定情報、すなわち位置情報付き画像データを変更せず、上記第2の機能制限設定情報を使えばよい。また、機能制限を元に戻したい場合には、上記第2の機能制限設定情報を削除、あるいは、該第2の機能制限設定情報との関連づけを削除すればよいため、ユーザが何度も上記機能制限設定情報を変更して再設定する手間がかからず、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0023】
また、画像データに付加されている上記機能制限設定情報を更新する必要がないため、全体の処理速度の向上が期待できる。
【0024】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記記憶部は、上記第2の機能制限設定情報毎にフォルダを備え、上記機能制限設定手段は、上記位置情報付き画像データと上記フォルダとを上記表示部に表示するとともに、ユーザによって上記フォルダに移動させられた上記位置情報付き画像データに対して、当該フォルダが割り当てられた機能制限設定情報を関連付けることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、さらに、フォルダが上記第2の機能制限設定情報毎に用意されているため、一つのフォルダ下にある位置情報付き画像データはすべて、そのフォルダが割り当てられた第2の機能制限設定情報に関連付けられることになる。
【0026】
そのため、位置情報(または、位置情報付き画像データ)と第2の機能制限設定情報とを関連付けて管理するための管理テーブル等のデータが必要でなく、メモリを節約することができる。
【0027】
また、ユーザが、一時的に機能制限を変更したい場合に、設定フォルダに画像データを移動するだけで、簡単に操作できる。そして、機能制限を元に戻したい場合に、画像データを設定フォルダ以外の場所に移動すればよい。このように、設定フォルダ間での移動だけであるため、ユーザは、機能制限の登録や変更の際の操作を、直感的に行うことができ、容易である。さらに、画像データに付加されている機能制限設定情報を更新しないため、全体の処理速度の向上が期待できる。
【0028】
さらに、本発明に係る情報端末は、撮像して画像データを生成する撮像手段と、上記撮像手段が撮像する時の自情報端末の現在位置を取得する位置取得手段と、上記撮像手段が生成した画像データに、上記位置取得手段が取得した位置情報を付加して、上記位置情報付き画像データを生成する位置情報付き画像データ生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、さらに、機能制限の登録を行いたい位置にある目標物を撮影した画像データに、その位置の経度緯度等の位置情報を付加した位置情報付き画像データを、容易に生成することができる。それゆえ、機能制限設定情報に位置情報を対応付けて機能制限の登録や変更を行う作業が容易となる。
【0030】
なお、上記情報端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報端末をコンピュータにて実現させる情報端末の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明に係る情報端末は、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定手段をさらに備える構成である。
【0032】
また、本発明に係る情報端末の制御方法は、上記情報端末は、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定ステップを含む方法である。
【0033】
上記情報端末では、機能制限設定情報に直接関連付けられているのが位置情報ではなく、画像データである。そのため、機能制限設定情報に位置情報を対応付けて機能制限の登録や変更を行う際、ユーザは画像を見ながら行うことができる。それゆえ、位置情報の示す位置がどういう場所であるのかを、画像として具体的に認識できるため、設定作業が容易である。もちろん、位置情報付き画像データは、機能制限の登録を行いたい位置にある目標物を撮影した画像データに、その位置の経度緯度等の位置情報が付加されていることが望ましい。
【0034】
また、機能制限設定情報は、位置情報とともに、画像データに付加されているので、位置情報(または、位置情報付き画像データ)と機能制限設定情報とを関連付けて管理するための管理テーブル等のデータが必要でなく、メモリを節約することができる。
【0035】
さらに、上記画像データを共有することにより、その画像データに付加されている機能制限設定情報を共有することができる。例えば、他の情報端末に対して、上記と同じ機能制限を行いたい場合には、その情報端末において、もう一度設定する必要がなく、上記機能制限設定情報が付加されている画像データを受信するだけで、上記と同じ機能制限を行うことができる。よって、ユーザの手間がかからず、ユーザの利便性を向上させることができるとういう効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)(b)は、図1に示した携帯電話機の処理概要の一例を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は、図1に示した携帯電話機において、セキュリティ機能に係る設定情報を格納する画像ファイルのExif情報エリアおよびセキュリティ機能有効状態管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】(a)〜(g)は、図1に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【図6】図1に示した携帯電話機におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】(a)(b)は、図1に示した携帯電話機において、現在位置が含まれる画像が複数存在する場合の基本的なパターンを示す図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】(a)〜(h)は、図8に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態に係る携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】(a)〜(d)は、図11に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【図13】図11に示した携帯電話機において、設定フォルダと、画像ファイルとの関係を示すツリー構造図である。
【図14】図11に示した携帯電話機におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明のさらに別の実施形態に係る携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】(a)〜(c)は、図15に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の一実施形態に係る情報端末について、図面を参照して説明すれば以下のとおりである。なお、本実施形態に係る情報端末は、携帯電話機として実現されている。このため、以下では、本実施形態に係る情報端末を端的に携帯電話機と呼称する。
【0038】
ただし、本発明は、携帯電話機に限らず、セキュリティ機能を備える情報端末一般に適用することができる。
【0039】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について図1から図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0040】
(処理概要)
本実施形態の処理概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態の処理概要の一例を示す図であり、位置を仕事場と仕事場以外とに分けて、セキュリティ管理を行う例を示す図である。図2の(a)は、カメラで撮影した画像ファイルを、位置情報付きで保存する場面を示す図である。図2の(b)は、位置情報に基づいて、セキュリティレベルを切り替える場面を示す図である。
【0041】
図2の(a)に示すように、まず、ユーザは自分の仕事場をカメラで撮影する。撮影した後、携帯電話機1(情報端末;図1参照)において、撮影場所を表す位置情報(すなわち、仕事場近傍の位置情報)を、上記撮影した画像ファイルに付加して保存する。
【0042】
その後、セキュリティ設定を行う。ここで、セキュリティ設定とは、位置情報が付加されている画像ファイル(位置情報付き画像ファイル)に、セキュリティ設定情報(機能制限設定情報)として、セキュリティレベルおよび有効範囲をさらに付加して、設定することである。
【0043】
具体的な設定方法は後述するが、ここでは、例えば、上記位置情報付き画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報は、セキュリティレベルを「低」とし、有効範囲を「20m」(すなわち、20メートル)として設定されたものとする。上記の場合には、携帯電話機1は、画像ファイルに付加されている位置情報を中心に半径20m以内の範囲において、セキュリティレベルを「低」にし、上記範囲以外において、セキュリティレベルを「高」にして、セキュリティを管理することを意味する。
【0044】
そして、図2の(b)に示すように、携帯電話機1を持つユーザが自分の仕事場にいるとき(すなわち、撮影された上記画像ファイルに付加されている位置情報を中心に半径20m以内の範囲にいるとき)、携帯電話機1は自動的にセキュリティレベルを「低」に設定する。一方、ユーザが自分の仕事場以外にいるとき(すなわち、上記範囲以外にいるとき)、携帯電話機1は自動的にセキュリティレベルを「高」に設定する。
【0045】
次に、上記セキュリティレベルおよび有効範囲について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態において、セキュリティ機能に係る設定情報を格納する画像ファイルのExif情報エリアおよびセキュリティ機能有効状態管理テーブルの一例を示す図である。
【0046】
本実施形態では、セキュリティレベルおよび有効範囲は、Exif情報のExifブロック(Exif IFD)にあるユーザコメント領域(UserComment)に格納されている(以降では、説明の便宜上、セキュリティレベルおよび有効範囲が格納されている領域を、セキュリティ設定情報エリアと称する)。また、位置情報がExif情報のGPS情報ブロック(GPS Info IFD)に格納されている(以降では、説明の便宜上、位置情報が格納されている領域を、位置情報エリアと称する)。また、セキュリティレベル毎に対応するセキュリティ機能の有効状態は、セキュリティ機能有効状態管理テーブル(図3の(d)を参照)に格納されている。
【0047】
図3の(a)は、画像ファイルのExif情報におけるExifブロックおよびGPS情報ブロックのフォーマットの一例を示す図である。図3の(b)は、ユーザコメントにおいて、セキュリティレベルおよび有効範囲が格納されている一例を示す図である。図3の(c)は、GPS情報ブロックにおいて、位置情報が格納されている一例を示す図である。また、図3の(d)は、セキュリティレベル毎に対応するセキュリティ機能の有効状態を示すセキュリティ機能有効状態管理テーブルの一例である。
【0048】
まず、図3の(a)に示すフォーマットにあるユーザコメント(UserComment)において、セキュリティレベルおよび有効範囲の格納方法について、図3の(b)を参照して説明する。
【0049】
図3の(b)に示すように、ユーザコメントの最初8バイト分には、文字コード(ここで、ASCIIコード)が格納され、その続きの2バイト分には、セキュリティレベルが格納され、さらにその続きの3バイト分には、有効範囲が格納されている。具体的には、セキュリティレベル用の2バイト分において、1バイト目に、セキュリティレベルの書き出しを表す特定コード(ここで、0xF1)が格納され、2バイト目に、レベルを認識する値(ここで、例えば、0x01は低、0x02は中、0x03は高とする)が格納されている。
【0050】
また、有効範囲用の3バイト分において、1バイト目に、有効範囲の書き出しを表す特定コード(ここで、0xF2)が格納され、2〜3バイト目に、有効範囲の具体的な数値(ここで、1000mを表す0x03E8)が格納されている。
【0051】
また、図3の(a)に示すフォーマットにあるGPS情報ブロック(GPS Info IFD)において、位置情報の格納方法について、図3の(c)を参照して説明する。
【0052】
図3の(c)に示すように、例えば、北緯34度38分31秒・東経136度50分50秒にある位置情報は、図3の(c)に示すように格納されている。緯度の南北および経度の東西については、それぞれ、「S」、「N」、「E」、「W」を表すASCIIコードで格納され、具体的な度・分・秒については、16進数で格納されている。また、具体的な度・分・秒について、最初の4バイト分に具体的な数値が格納され、残りの4バイト分に、最初の4バイト分の有効なバイト数を示す数値が格納されてもよい。
【0053】
ここで、セキュリティ機能に係る設定情報の例として、図3の(b)および(c)は、北緯34度38分31秒・東経136度50分50秒の位置を中心とする、半径「1000m」以内の有効範囲において、セキュリティレベルを「低」に設定することを示している。
【0054】
そして、図3の(d)に示すように、セキュリティレベル「低」は、例えば、「電話帳」以外の機能に対して、セキュリティ機能をOFFに設定し、「電話帳」機能に対して、セキュリティ機能をONに設定するように定義されている。すなわち、セキュリティレベル「低」に設定されると、「電話帳」機能だけが利用できないように制限され、「電話帳」以外の機能(「待機画面」、「メール」、「電話」および「画像一覧」)は利用できるような状態となる。
【0055】
また、位置情報を付加する方法は特に限定されず、画像ファイルと位置情報とを関連付けて管理できればよく、本実施形態のように、位置情報を画像ファイルと一体のデータとして保持してもよいし、別体のデータとして保持してもよい。すなわち、例えば、位置情報を画像ファイルとは別個のデータとし、画像ファイルと位置情報とを関連付けて位置情報を管理するテーブルなどによって管理してもよい。
【0056】
また、本実施形態では、図3の(d)に示すセキュリティ機能有効状態管理テーブルのセキュリティ機能の有効状態については、予め決められているものであってもよいし、ユーザの操作によって変更可能になっているものであってもよい。
【0057】
また、本実施形態では、有効範囲外においては、セキュリティレベルが常に「高」となっている。なお、有効範囲外におけるセキュリティレベルは、ユーザの操作によって変更可能にしてもよい。
【0058】
さらに、本実施形態の処理概要は、図2に示す処理概要に限定するものではない。
【0059】
例えば、図2の(a)に関しては、位置情報付き画像ファイルに用いる画像ファイルは自機のカメラで撮影したものに限定されず、外部装置から転送されたものを利用してもよい。また、位置情報は、最初から画像ファイルに付加されなくても、後で、位置情報を付加するソフト(例えば、カシミール、AbleCVなど)を利用して付加してもよい。
【0060】
さらに、図2の(b)に関しては、セキュリティ機能を管理するとき、上記説明したように、図3の(d)に示すセキュリティ機能有効状態管理テーブルに従って、セキュリティレベル毎に複数の機能に対応するセキュリティ機能のON/OFFを一斉に切り替えてもよいし、機能(例えば、「メール」、「電話」など)毎に、携帯電話機が有効範囲内にいるか否かによって、セキュリティ機能のON/OFFを切り替えてもよい。
【0061】
(携帯電話機の要部構成)
本実施形態に係る携帯電話機1の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、携帯電話機1の要部構成を示すブロック図である。
【0062】
図1に示すように、携帯電話機1は、GPS10と、記憶部20と、入力部30と、表示部40と、制御部50とを備えている。なお、携帯電話機1は、これらの部材以外にも、スピーカ、マイク、バッテリー等の部材を備えていてもよいが、発明の特徴点とは関係がないため当該部材を図示していない。
【0063】
GPS10は、人工衛星から発信される電波を受信して、現在位置の経緯度や高度を測定するものである。なお、GPSに限定することなく、現在位置を特定できるものであればよく、例えば、基地局との通信によって、基地局から現在位置を受信してもよい。
【0064】
記憶部20は、制御部50が実行する制御プログラムおよびOSプログラム、ならびに、制御部50が、携帯電話機1が有する各種機能(例えば、後述の、セキュリティ設定、セキュリティ機能切り替えなど)を実行するときに読み出す各種のデータを記憶するものである。本実施形態では、記憶部20には、例えば、画像ファイル、セキュリティ機能有効状態管理テーブル(図3の(d))、および現状設定情報などのデータを記憶する。記憶部20は、例えば、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどで実現される。なお、内容の書き換えが不要な情報を記憶する記憶部としては、記憶部20とは別の、図示しない、読出し専用の半導体メモリであるROMなどで実現されてもよい。
【0065】
入力部30は、ユーザの操作指示を取得して、指示信号を生成するものである。
【0066】
表示部40は、制御部50の指示に従って画像を表示するものである。表示部40は、制御部50の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0067】
制御部50は、記憶部20から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0068】
なお、説明の便宜上、制御部50において、破線で囲まれているブロックB1は、セキュリティ機能の切り替えを行う機能ブロックであり、破線で囲まれているブロックB2は、セキュリティ設定を行う機能ブロックである。
【0069】
本実施形態では、制御部50は、ブロックB1として、位置情報取得部501(位置取得手段)と、画像ファイル抽出部502と、画像ファイル選択部503と、設定情報特定部504と、現状設定情報取得部505と、セキュリティ機能制御部506とを備えている。また、ブロックB2として、表示制御部507と、操作取得部508と、画像ファイル分析部509と、セキュリティ設定部510(機能制限設定手段)とを備えている。これらの制御部50の各部(501〜510)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0070】
以下では、まず、ブロックB1が備える各部を説明する。
【0071】
位置情報取得部501は、GPS10から取得した経緯度の位置情報を読み出すものである。
【0072】
画像ファイル抽出部502は、記憶部20に記憶されている位置情報付き画像ファイルの中から、その画像ファイルに付加されている有効範囲(図3の(a)参照)内に、位置情報取得部501が読み出した位置情報を含むものを抽出するものである。
【0073】
画像ファイル選択部503は、画像ファイル抽出部502が抽出した画像ファイルが複数ある場合に、後述する優先順位による画像ファイルの選択方法に従って、1つの画像ファイルを選択するものである。
【0074】
設定情報特定部504は、抽出(または選択)された1つの画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報に基づいて、セキュリティレベルを特定し、特定したセキュリティレベルに基づいて、図3の(d)に示すセキュリティ機能有効状態管理テーブルを参照して、各機能のセキュリティ機能有効状態(機能制限設定情報)を特定するものである。
【0075】
現状設定情報取得部505は、記憶部20から、現状のセキュリティレベルを示す現状設定情報を取得するものである。
【0076】
セキュリティ機能制御部506は、設定情報特定部504によって特定されたセキュリティレベルと、現状設定情報取得部505によって取得された現状設定情報とを比較して、異なる場合には、設定情報特定部504によって特定されたセキュリティレベルに基づいて、各機能のセキュリティ機能有効状態を変更するものである。
【0077】
次に、ブロックB2が備える各部を説明する。
【0078】
表示制御部507は、表示部40に表示するための画像を生成し、生成した画像を表示部40に出力するものである。
【0079】
操作取得部508は、入力部30が生成した指示信号を取得するものである。
【0080】
画像ファイル分析部509は、画像ファイルに位置情報が付加されているか否かを分析し、付加されている場合に、その位置情報を抽出するものである。また、画像ファイルにセキュリティレベルおよび有効範囲などの情報が付加されているか否かを分析し、付加されている場合に、その情報を抽出するものである。
【0081】
セキュリティ設定部510は、操作取得部508によって取得された、ユーザが入力したセキュリティ設定情報(セキュリティレベル、有効範囲)をユーザが選択した画像ファイルに付加して、図3の(a)に示すように保存するものである。
【0082】
(セキュリティ設定の処理の流れ)
携帯電話機1におけるセキュリティ設定の処理の流れについて、図4および図5に基づいて説明する。図4は、携帯電話機1におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。図5は、携帯電話機1におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【0083】
図4に示すように、まず、表示制御部507は、携帯電話機1にある画像ファイルの一覧を作成して、表示部40に表示するように制御する(S101)。図5の(a)は、表示部40に表示されている画像ファイル一覧画面の一例を示す図である。ここで、位置情報が付加されていない画像ファイルも含まれていてもよい。
【0084】
次に、画像ファイルが長押しなどによって選択されたとき、操作取得部508は、「画像データ選択」の入力を検出する(S102)。そして、選択された画像ファイルを特定する情報(本実施形態では、「ファイル名」)を画像ファイル分析部509に通知する。
【0085】
次に、画像ファイル分析部509は、操作取得部508によって通知された「ファイル名」に基づいて、記憶部20からその画像ファイルを読み出し、当該画像ファイルに位置情報が付加されているか否かを分析する(S103)。画像ファイル分析部509が、位置情報が付加されていると判断した場合(S103でYes)、表示制御部507は、表示部40に、「編集」や「壁紙登録」などのボタンとともに、「セキュリティ」ボタンが表示される画像ファイル操作メニューを表示させる(S105)。図5の(b)は、「セキュリティ」ボタンありの画像ファイル操作メニューの一例を示す図である。
【0086】
一方、画像ファイル分析部509が、位置情報が付加されていないと判断した場合(S103でNo)、表示制御部507は、表示部40に、通常の画像ファイル操作メニューを表示させる(S104)。
【0087】
通常の画像ファイル操作メニューとは、通常の(画像ファイルに位置情報が付加されていない)場合において、画像ファイル一覧画面から、1つの画像ファイルを長押した後で表示されるメニューである。具体的には、通常の画像ファイル操作メニューにおいて、「編集」や「壁紙登録」などのボタンが表示されるが、「セキュリティ」ボタンは表示されない、または、表示されても、グレーなどになって選択不可になっている。なお、通常の画像ファイル操作メニューおよび通常の画像ファイル操作メニューが表示された後の処理については、本発明の特徴点とは関係がないため当該メニューの図示および後の処理を省略する。
【0088】
次に、「セキュリティ」ボタンありの画像ファイル操作メニューにおいて、「セキュリティ」ボタンが選択されたとき、操作取得部508は、「セキュリティを選択」を検出する(S106)。そして、その旨を画像ファイル分析部509に通知する。
【0089】
そして、画像ファイル分析部509は、操作取得部508からの通知を受信したら、選択された画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報(セキュリティレベルおよび有効範囲)を表示する(S107)。例えば、上記画像ファイルにセキュリティ設定情報が付加されていなければ、デフォルト値として、セキュリティレベルは「無し」、有効範囲は「無し」と表示する(S107)。図5の(c)は、画像ファイルにセキュリティ設定情報が付加されていない場合、セキュリティレベルおよび有効範囲がデフォルト値(レベル:無し、範囲:無し)で表示されているときの一例を示す図である。
【0090】
次に、操作取得部508は、入力部30から、ユーザが入力した“セキュリティレベル”(例えば、高、中、低など)を取得する(S108)。図5の(d)は、“セキュリティレベル”の設定画面の一例を示す図である。
【0091】
続いて、操作取得部508は、入力部30から、ユーザが入力した“有効範囲”(セキュリティ範囲)(例えば、半径20m、100m、1000mなど)を取得する(S109)。図5の(e)は、“有効範囲”(セキュリティ範囲)の選択画面の一例を示す図である。
【0092】
続いて、操作取得部508は、入力部30が生成した指示信号を受信する(S110)。操作取得部508が、入力部30から“キャンセル”信号を受信した場合(S110でNo)、“現在のセキュリティ設定”画面(画像の現在のセキュリティ状態表示画面)に戻る(S107;図5の(c)参照)。
【0093】
一方、操作取得部508が、入力部30から“OK”信号を受信した場合(S110でYes;図5の(f)参照)、ユーザが入力した上記“セキュリティレベル”、“有効範囲”、および、選択された画像ファイル名をセキュリティ設定部510に送信する。
【0094】
そして、セキュリティ設定部510は、操作取得部508から受信した情報に基づいて、上記選択された画像ファイルに、“セキュリティレベル”および“有効範囲”を、セキュリティ設定情報として、図3の(a)に示すように、画像ファイルのセキュリティ設定情報エリアに保存する(S111)。図5の(g)は、操作取得部508から受信した情報を図3の(a)に示すように保存したときに表示される画面の一例を示す図である。
【0095】
(セキュリティ機能切り替え処理の流れ)
携帯電話機1におけるセキュリティ機能切り替え処理の流れについて、図6に基づいて説明する。図6は、携帯電話機1におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【0096】
図6に示すように、まず、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を取得する(S201)。
【0097】
続いて、画像ファイル抽出部502は、記憶部20に保存されている画像ファイルの中から、その画像ファイルに付加されている有効範囲(図3の(a)参照)に、上記位置情報取得部501によって取得された現在位置が含まれる画像ファイルを検索して抽出する(S202)。
【0098】
次に、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあるか否かを判断する(S203)。
【0099】
そして、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあると判断した場合(S203でYes)、続いて、判断対象となる上記画像ファイルが複数あるか否かを判断する(S205)。
【0100】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数あると判断した場合(S205でYes)、画像ファイル選択部503は、優先順位の一番高い画像ファイルを選択する。
【0101】
ここで、本実施形態における優先順位による画像ファイルの選択方法を、図7を参照して説明する。図7は、現在位置が含まれる画像ファイルが複数存在する場合の基本的なパターンを示す図である。図7にある円の領域は、画像ファイルに付加されている有効範囲を示すものであり、斜線の区域は、上記有効範囲が重なっている部分を示すである。図7の(a)は、抽出した2つの画像ファイルの内、1つに付加されている有効範囲a2は、もう1つの画像ファイルに付加されている有効範囲a1内に全部重なっている(有効範囲a2は、有効範囲a1の中に完全に含まれている)場合の例を示す図である。図7の(b)は、抽出した2つの画像ファイルに付加されている有効範囲b1および有効範囲b2が一部重なっている場合の例を示す図である。
【0102】
本実施形態における優先順位による画像ファイルの選択方法としては、まず、図7の(a)に示すように、有効範囲a2は、有効範囲a1に全部重なっている場合、一番内側にある有効範囲(ここでは、有効範囲a2)を持つ画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報を有効とする。さらに、一番内側にある有効範囲が複数あり、しかも、図7の(b)に示すように、その有効範囲(ここで、有効範囲b1および有効範囲b2)が一部重なっている場合、上記複数の有効範囲の中で、セキュリティレベルが一番高い有効範囲(ここで、有効範囲b1)を持つ画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報を有効とする。
【0103】
なお、優先順位による画像ファイルの選択方法は特に限定されず、1つの画像ファイルを選択して、セキュリティ設定情報を特定できればよく、例えば、常にセキュリティレベルの一番高いものや、一番低いものなどを選択してもよい。
【0104】
画像ファイル選択部503は、上記優先順位による画像ファイルの選択方法に基づいて、まず、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選択する(S206)。続いて、画像ファイル選択部503は、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選択する(S207)。これによって、1つの画像ファイルが選択される。
【0105】
具体的には、例えば、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選択する。結果としては、1つの画像ファイル、または、有効範囲の一部が重なっている複数の画像ファイルが選択されたことになる。1つの画像ファイルが選択された場合には、上記S207の処理は省略してもよいが、複数の画像ファイルが選択された場合には、続いて、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選択する。結果としては、1つの画像ファイルが選択されたことになる。
【0106】
そして、設定情報特定部504は、選択された1つの画像ファイルに付加されているセキュリティレベルに従って、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S208)。
【0107】
一方、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ではない(1つである)と判断した場合(S205でNo)、設定情報特定部504は、抽出された1つの画像ファイルに付加されているセキュリティレベルに従って、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S208)。
【0108】
また、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルがないと判断した場合(S203でNo)、設定情報特定部504は、有効範囲外(現在位置が含まれる画像ファイルが存在しない、すなわち、現在位置が画像ファイルに付加されている有効範囲のいずれにも含まれていない)におけるセキュリティレベルを参照して、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S204)。なお、本実施形態では、有効範囲外のセキュリティレベルは常に「高」となっているので、上記設定すべきセキュリティレベルは「高」と特定される。
【0109】
設定情報特定部504が、設定すべきセキュリティレベルを特定した後、その特定したセキュリティレベルをセキュリティ機能制御部506に通知する。
【0110】
次に、現状設定情報取得部505は、記憶部20から、現状設定情報(現状のセキュリティレベル)を取得し、セキュリティ機能制御部506に通知する。
【0111】
そして、セキュリティ機能制御部506は、設定情報特定部504によって通知された設定すべきセキュリティレベルと、現状設定情報取得部505によって通知された現状設定情報とを比較する(S209)。
【0112】
セキュリティ機能制御部506は、上記比較した結果が“異なる”場合(S209でYes)、上記設定すべきセキュリティレベルにセキュリティ状態を変更する(S210)。そして、新しく設定されたセキュリティレベルを、記憶部20に、現状設定情報として記憶する。その後、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S211)。
【0113】
一方、セキュリティ機能制御部506が、上記比較した結果が“同じ”場合(S209でNo)、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S211)。
【0114】
制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了すると判断した場合(S211でYes)、セキュリティ機能切り替え処理を終了させる(S212)。一方、制御部50が、セキュリティ機能切り替え処理を終了しないと判断した場合(S211でNo)、位置情報取得部501は、GPSより現在位置を繰り返し取得する(S201)。
【0115】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、携帯電話機1において、画像ファイル一覧画面からセキュリティ設定を行う例を説明したが、以下、第2の実施形態として、携帯電話機2(情報端末)において、カメラで画像を撮影すると同時に、セキュリティ設定を行う例を、図8〜図10に基づいて詳細に説明する。
【0116】
なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、特に説明していない構成要素は、第1の実施形態と同様の構成および機能を有するものとする。
【0117】
(携帯電話機の要部構成)
本実施形態に係る携帯電話機2の構成について、図8に基づいて説明する。図8は、携帯電話機2の要部構成を示すブロック図である。
【0118】
図8に示すように、携帯電話機2は、カメラ60と、制御部50のブロックB2としてのカメラ制御部511(撮像手段)と、画像仕上げ部512(画像データ生成手段)とを、さらに備えること以外は、すべて図1に示す携帯電話機1の構成と同様である。
【0119】
カメラ60は、写真、動画などを撮影するためのものである。
【0120】
カメラ制御部511は、カメラ60を起動したり、撮影をさせたりするものである。
【0121】
画像仕上げ部512は、カメラ60で撮影された画像ファイルを位置情報付きまたは位置情報なしで仕上げて、記憶部20に記憶するものである。ここで、位置情報は、位置情報取得部501の制御により、カメラ60での撮影時、あるいは、撮影直前または撮影直後に、GPS10によって取得するものとする。また、画像仕上げ部512は、上記仕上げた画像ファイルに、セキュリティ設定情報を付加ものである。
【0122】
(セキュリティ設定の処理の流れ)
携帯電話機2におけるセキュリティ設定の処理の流れについて、図9および図10に基づいて説明する。図9は、携帯電話機2におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。図10は、携帯電話機2におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【0123】
図9に示すように、まず、カメラ制御部511は、カメラ撮影処理を起動し、撮影可能な画面を表示する(S301)。図10の(a)はカメラ撮影処理を起動した後の画面の一例を示す図である。
【0124】
そして、カメラ制御部511は、クリアキーなどが押されたことや、タイムアウトなどによって、カメラ撮影処理を終了するか否かを判断する(S302)。カメラ制御部511は、カメラ撮影処理を終了すると判断した場合(S302でYes)、カメラ撮影処理を終了する(S303)。
【0125】
一方、カメラ制御部511が、カメラ撮影処理を終了しないと判断した場合(S302でNo)、操作取得部508は、ユーザの撮影指示信号を受信したら(ユーザがシャッターを押したことを検出したら)、カメラ制御部511に通知する。そして、カメラ制御部511は、操作取得部508からの通知を受けたら、カメラ60にカメラ撮影を行わせる(S304)。
【0126】
続いて、画像仕上げ部512は、カメラで撮影した画像ファイルを位置情報付き画像ファイルとして保存するか否かを判断する(S305)。図10の(b)はカメラで画像を撮影した後の画面の一例を示す図である。
【0127】
画像仕上げ部512は、位置情報付き画像として保存しないと判断した場合(S305でNo)、上記撮影された画像ファイルを通常画像ファイル(位置情報なし画像ファイル)として、記憶部20に保存する(S306)。その後、表示制御部507は、カメラ起動後の撮影可能な画面(図10の(h)参照)を表示部40に表示させる(S301)。
【0128】
一方、画像仕上げ部512は、位置情報付き画像ファイルとして保存すると判断した場合(S305でYes)、位置情報取得部501から現在位置を取得し、上記撮影された画像ファイルに付加して、記憶部20に保存する(S307)。
【0129】
次に、表示制御部507は、デフォルトセキュリティ設定情報を表示部40に表示させる(S308)。デフォルトセキュリティ設定情報とは、セキュリティレベルが「無し」と、有効範囲が「無し」となっているものである。すわなち、セキュリティレベルおよび有効範囲が設定されていないものである。図10の(c)は、デフォルトセキュリティ設定情報が表示されている画面を示す図である。
【0130】
次に、操作取得部508は、ユーザが「設定」ボタン(図10の(c)参照)を選択したか否かを検知して判断する(S309)。
【0131】
操作取得部508が、ユーザが「キャンセル」ボタン(図10の(c)参照)を選択した(すなわち、「設定」ボタンを選択していなかった)と検知した場合(S309でNo)、表示制御部507は、カメラ起動後の撮影可能な画面(図10の(h)参照)を表示部40に表示させる(S301)。
【0132】
一方、操作取得部508は、ユーザが「設定」ボタンを選択したと検知した場合(S309でYes)、続いて、入力部30から、ユーザが入力した“セキュリティレベル”(例えば、高、中、低など)を取得する(S310)。図10の(d)は、“セキュリティレベル”の設定画面の一例を示す図である。
【0133】
続いて、操作取得部508は、入力部30から、ユーザが入力した“有効範囲”(セキュリティ範囲)(例えば、半径20m、100m、1000mなど)を取得する(S311)。図10の(e)は、“有効範囲”(セキュリティ範囲)の選択画面の一例を示す図である。
【0134】
続いて、操作取得部508は、入力部30から、ユーザ入力信号を判断する(S312)。操作取得部508が、入力部30から“キャンセル”信号を受信した場合(S312でNo)、デフォルトセキュリティ設定情報表示画面に戻る(S308;図10の(c)参照)。
【0135】
一方、操作取得部508が、入力部30から“OK”信号を受信した場合(S312でYes;図10の(f)参照)、ユーザが入力した上記“セキュリティレベル”、“有効範囲”、および、選択された画像ファイル名をセキュリティ設定部510に送信する。
【0136】
そして、セキュリティ設定部510は、操作取得部508から受信した情報に基づいて、上記選択された画像ファイルに、セキュリティ設定情報を付加して保存する(S313)。図10の(g)は、操作取得部508から受信した情報を上記選択された画像ファイルに付加して保存したときに表示される画面の一例を示す図である。
【0137】
その後、表示制御部507は、カメラ起動後の撮影可能な画面(図10の(h)参照)を表示部40に表示させる(S301)。
【0138】
〔第3の実施形態〕
第1および第2の実施形態では、携帯電話機1と2とにおいて、ユーザによってセキュリティレベルおよび有効範囲が選択されて、セキュリティ設定を行う例を説明したが、以下、第3の実施形態として、携帯電話機3(情報端末)において、予めセキュリティレベルと有効範囲との組み合わせからなる設定フォルダを用意しておき、画像ファイルを設定フォルダにドロップすることで、セキュリティ設定を行う例を、図11〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0139】
なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、特に説明していない構成要素は、第1の実施形態と同様の構成および機能を有するものとする。
【0140】
(携帯電話機の要部構成)
携帯電話機3が備える構成については、すべて図1に示す携帯電話機1の構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0141】
(セキュリティ設定の処理の流れ)
携帯電話機3におけるセキュリティ設定の処理の流れについて、図11および図12に基づいて説明する。図11は、携帯電話機3におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。図12は、携帯電話機3におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【0142】
図11に示すように、まず、表示制御部507は、設定フォルダの一覧と、携帯電話機3にある画像ファイルの一覧とを作成して、セキュリティ設定画面として、表示部40に表示するように制御する(S401)。図12の(a)は、表示部40に表示されているセキュリティ設定画面の一例を示す図である。
【0143】
設定フォルダについては、図13を参照して説明する。図13は、設定フォルダと、画像ファイルとの関係を示すツリー構造図である。本実施形態において、上記設定フォルダは、画像ファイルと共に、画像フォルダの下に存在する。上記画像ファイルのうち、位置情報付き画像ファイルを上記設定フォルダに移動することで、セキュリティ設定を実施する。
【0144】
ここで、各設定フォルダの下に存在する画像ファイルに、既にセキュリティ設定情報(セキュリティレベルおよび有効範囲)が付加されている場合には、付加されているセキュリティ設定情報よりも、画像ファイルが位置するフォルダに割り当てられたセキュリティ設定情報の方が、セキュリティ設定を行う際に、優先的に採用される。すなわち、設定フォルダの下にある画像ファイルについては、該画像ファイルにセキュリティ設定情報が付加されているか否かに関わらず、該画像ファイルが位置するフォルダによって、セキュリティ設定情報を決定し、セキュリティ設定を行う。例えば、「高・20m」の設定フォルダの下にある画像ファイルについては、必ず該画像ファイルに付加されている位置情報を中心に、半径「20m」以内の有効範囲において、セキュリティレベルを「高」に設定する。
【0145】
また、位置情報なし画像ファイルについては、操作画面において、ドロップできないように制御してもよいし、セキュリティ設定画面に表示しないように制御してもよい。また、位置情報付き画像ファイルと、通常の位置情報なし画像ファイルとを区別できるように表示するだけでも構わない。
【0146】
次に、操作取得部508は、クリアキーなどが押されたことを検出することによって、セキュリティ設定を終了するか否かを判断する(S402)。操作取得部508が、セキュリティ設定を終了すると判断した場合(S402でYes)、制御部50は、セキュリティ設定画面の表示を終了する。
【0147】
一方、操作取得部508は、セキュリティ設定を終了しないと判断した場合(S402でNo)、位置情報付き画像ファイルが設定フォルダへドロップされたか否かを判断する(S403)。
【0148】
操作取得部508が、位置情報付き画像ファイルが設定フォルダへドロップされていないと判断した場合(S403でNo)、表示制御部507は、セキュリティ設定画面を表示し続けるように表示部40を制御する(S401)。
【0149】
一方、操作取得部508が、位置情報付き画像ファイルが設定フォルダへドロップされた(図10の(b)参照)と判断した場合(S403でYes)、セキュリティ設定部510は、上記画像ファイルを上記設定フォルダに移動する(図10の(c)参照)ことによって、セキュリティ設定を行う(S404)。
【0150】
その後、表示制御部507は、セキュリティ設定画面(図10の(d)参照)を表示し続けるように表示部40を制御する(S401)。
【0151】
(セキュリティ機能切り替え処理の流れ)
携帯電話機3におけるセキュリティ機能切り替え処理の流れについて、図14に基づいて説明する。図14は、携帯電話機3におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【0152】
図14に示すように、まず、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を取得する(S601)。
【0153】
続いて、画像抽出部502は、各設定フォルダの下にある画像の中から、その設定フォルダの有効範囲において、位置情報取得部501によって取得された現在位置が含まれる画像ファイルを検索して抽出する(S602)。
【0154】
次に、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあるか否かを判断する(S603)。
【0155】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像がないと判断した場合(S603でNo)、設定情報特定部504は、有効範囲外におけるセキュリティレベルを参照して、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S604)。なお、本実施形態では、有効範囲外のセキュリティレベルは常に「高」と特定する。
【0156】
一方、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあると判断した場合(S603でYes)、続いて、判断対象となる上記画像ファイルが複数あるか否かを判断する(S605)。
【0157】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ある(1つではない)と判断した場合(S605でYes)、画像ファイル選択部503は、第1の実施形態において、図7で説明した優先順位による画像ファイルの選択方法に基づいて、優先順位の一番高い画像ファイルを1つ選択する。具体的には、まず、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選択する(S606)。続いて、画像ファイル選択部503は、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選択する(S607)。この結果、1つの画像ファイルが選択される。
【0158】
そして、設定情報特定部504は、上記選択された1つの画像ファイルを含む設定フォルダのフォルダ名に基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S608)。
【0159】
一方、画像抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ではない(1つである)と判断した場合(S605でNo)、設定情報特定部504は、上記抽出した1つの画像を含む設定フォルダのフォルダ名に基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S608)。
【0160】
設定情報特定部504が、設定すべきセキュリティレベルを特定した後、その特定したセキュリティレベルをセキュリティ機能制御部506に通知する。
【0161】
次に、現状設定情報取得部505は、記憶部20から、現状設定情報(現状のセキュリティレベル)を取得し、セキュリティ機能制御部506に通知する。
【0162】
そして、セキュリティ機能制御部506は、設定情報特定部504によって通知された設定すべきセキュリティレベルと、現状設定情報取得部505によって通知された現状設定情報とを比較する(S609)。
【0163】
セキュリティ機能制御部506は、上記比較した結果が“異なる”である場合(S609でYes)、上記設定すべきセキュリティレベルにセキュリティ状態を変更する(S610)。そして、新しく設定されたセキュリティレベルを、記憶部20に、現状設定情報として記憶する。そして、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否かを判断する(S611)。
【0164】
一方、セキュリティ機能制御部506が、上記比較した結果が“同じ”である場合(S609でNo)、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否かを判断する(S611)。
【0165】
制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了すると判断した場合(S611でYes)、セキュリティ機能切り替え処理を終了させる(S612)。一方、制御部50が、セキュリティ機能切り替え処理を終了しないと判断した場合(S611でNo)、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を繰り返し取得する(S601)。
【0166】
なお、以上の説明では、画面上におけるファイル移動に伴って、画像ファイルを設定フォルダへ実際に移動させたが、実際には移動させず、画面上での移動先の設定フォルダに割り当てられたセキュリティ設定に、上記画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報(セキュリティレベル、有効範囲)を書き換えるだけにしてもよい。その場合には、画像ファイルを実際に移動する手間がかからず、処理速度を向上させることができる。
【0167】
〔第4の実施形態〕
第3の実施形態では、携帯電話機3において、画像ファイルを設定フォルダの下にドロップすることで、セキュリティ設定を行う例を説明したが、以下、第4の実施形態として、携帯電話機4(情報端末)において、予めセキュリティレベルと有効範囲との組み合わせからなるアイコンを用意しておき、そのアイコンを画像ファイルにドロップすることで、セキュリティ設定を行う例を、図15〜図16に基づいて詳細に説明する。
【0168】
なお、アイコンを画像ファイルにドロップすることに限定されず、例えば、画像ファイルをアイコンにドロップすることで、セキュリティ設定を行ってもよい。
【0169】
また、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、特に説明していない構成要素は、第1の実施形態と同様の構成および機能を有するものとする。
【0170】
(セキュリティ設定の処理の流れ)
携帯電話機4におけるセキュリティ設定の処理の流れについて、図15および図16に基づいて説明する。図15は、携帯電話機4におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。図16は、携帯電話機4におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【0171】
図15に示すように、まず、表示制御部507は、アイコンの一覧と、携帯電話機4にある画像の一覧とを作成して、セキュリティ設定画面として、表示部40に表示するように制御する(S701)。図16の(a)は、表示部40に表示されているセキュリティ設定画面の一例を示す図である。例えば、「高・100」と表示されたアイコンは、そのアイコンがドロップされた画像ファイルに付加されている位置情報を中心に、半径「100m」以内の有効範囲において、セキュリティレベルを「高」に設定するアイコンである。このように、表示画面には、各セキュリティ設定が割り当てられたアイコンが、画像ファイルとともに一覧表示されている。
【0172】
なお、位置情報なし画像ファイルについては、グレーに表示して、アイコンをその画像ファイルにドロップできないように制御してもよいし、セキュリティ設定画面に表示しないように制御してもよい。また、位置情報付き画像ファイルと、通常の位置情報なし画像ファイルとを区別できるように表示するだけでもよい。
【0173】
次に、操作取得部508は、クリアキーが押されたことなどによって、セキュリティ設定を終了するか否かを判断する(S702)。操作取得部508が、セキュリティ設定を終了すると判断した場合(S702でYes)、制御部50は、セキュリティ設定画面の表示を終了する。
【0174】
一方、操作取得部508は、セキュリティ設定を終了しないと判断した場合(S702でNo)、アイコンが位置情報付き画像ファイルへドロップされたか否かを判断する(S703)。
【0175】
操作取得部508が、アイコンが位置情報付き画像ファイルへドロップされていないと判断した場合(S703でNo)、表示制御部507は、セキュリティ設定画面を表示し続けるように表示部40を制御する(S701)。
【0176】
一方、操作取得部508が、アイコンが位置情報付き画像ファイルへドロップされた(図16の(b)参照)と判断した場合(S703でYes)、セキュリティ設定部510は、ドロップされたアイコンが示すセキュリティ設定情報に基づいて、ドロップされた画像ファイルに、上記セキュリティ設定情報を付加して保存する(S704)。
【0177】
次に、表示制御部507は、セキュリティ設定画面に、上記保存したセキュリティ設定情報をポップアップ画面(図16の(c)参照)で表示する(S705)。
【0178】
その後、表示制御部507は、セキュリティ設定画面(図16の(a)参照)を表示し続けるように表示部40を制御する(S701)。
【0179】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0180】
最後に、携帯電話機1〜4の各ブロック、特に制御部50は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0181】
すなわち、携帯電話機1〜4は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1〜4の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機1〜4に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0182】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0183】
また、携帯電話機1〜4を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明は、情報端末に利用することができる。特に、セキュリティ機能を備え、セキュリティレベルを位置に応じて切り替える情報端末に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0185】
1、2、3、4 携帯電話機(情報端末)
20 記憶部
40 表示部
501 位置情報取得部(位置取得手段)
510 セキュリティ設定部(機能制限設定手段)
511 カメラ制御部(撮像手段)
512 画像仕上げ部(画像データ生成手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ機能を備える情報端末、情報端末の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティ機能を備える情報端末の普及に伴って、GPS装置などを使って情報端末の位置情報を取得し、取得した位置情報に応じてセキュリティ管理を行う機種が次々と開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、位置情報を用いてセキュリティ管理を行う情報処理装置が開示されている。具体的には、上記情報処理装置は、当該情報処理装置の位置情報を取得し、当該情報処理装置が有する機能のうち、どの機能を制限するかを、位置情報に応じて決定するためのデータであるセキュリティポリシーデータに基づいて、当該情報処理装置においてセキュリティ管理を要する機能の制限を位置情報に応じて行う。
【0004】
また、特許文献2には、セキュリティ機能を備える記憶装置が開示されている。具体的には、上記記憶装置は、当該記憶装置の位置を検出し、当該記憶装置が位置する場所が予め設定され、予め設定された場所と前記測定された位置の比較を行い、前記測定された位置が前記予め設定された場所と異なる場合は、当該記憶装置の記憶媒体へのアクセスを禁止する。
【0005】
また、特許文献3には、情報の利便性と安全性という相反することを同時に満足させることを目的とする携帯端末情報管理システムが開示されている。具体的には、上記携帯端末情報管理システムは、メモリカードに記憶される表示情報を、ユーザの現在位置に基づいて第1記憶部又は第2記憶部に転送を行う。すなわち、ユーザ位置情報と前回ユーザ位置情報とが一致しないと判定された場合、メモリカード、第1記憶部または第2記憶部のいずれかの記憶部に記憶されている表示情報を、他の2つの記憶部のいずれに記憶させるかを表す記憶位置を、変化したユーザ位置情報に基づいて決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−070073号公報(2009年4月2日公開)
【特許文献2】特開2009−259115号公報(2009年11月5日公開)
【特許文献3】特開2010−086165号公報(2010年4月15日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、位置情報に応じてセキュリティ管理を行う際、予め位置情報とセキュリティ機能とを対応付けて登録するとき、従来では、位置情報が経度緯度などで表されるため、以下のような問題が生じていた。すなわち、情報端末のユーザにとって、位置情報が示す場所を把握することが難しく、また、位置情報をセキュリティ機能と対応付けて登録することが煩わしい。さらに、ユーザは、登録した位置情報とセキュリティ機能との対応付け情報を確認または変更するとき、どういう場所(位置情報)にどういった設定がなされているかがわかりにくい。
【0008】
例えば、特許文献1に記載の技術は、セキュリティポリシーデータに基づき、位置情報に応じて機能の制限を行うものである。ただし、そのセキュリティポリシーデータを登録するためには、位置情報を把握することが必要になり、その位置情報をどのように把握するかは、引用文献1には具体的に記載されていない。また、機能制限が掛けられた場所はどの範囲のものかを確認しにくく、さらに、上記範囲を変更することも煩わしい。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術は、測定位置が設定場所と異なる場合には、記憶媒体へのアクセスを禁止するものである。ただし、上記特許文献1と同じように、その設定場所をどのように登録すればよいのか、また、どのように確認/変更すればよいのかがユーザにはわからず、ユーザにとって容易ではない。
【0010】
また、特許文献3に記載の技術は、ユーザ位置情報と前回ユーザ位置情報とを比較して、記憶位置を決定するものである。ただし、予め位置情報とセキュリティ機能とを対応付けて登録するものではない。よって、ユーザは、予め決められた場所に応じてセキュリティ機能を管理することができない。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、位置情報と、セキュリティ機能とを容易に対応づけて登録し、後から容易に確認/変更することが可能な情報端末および情報端末の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報端末は、自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末であって、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定手段をさらに備えることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る情報端末の制御方法は、自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末の制御方法であって、上記情報端末は、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定ステップを含むことを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末において、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を、位置情報が付加された位置情報付き画像データに付加して記憶部に記憶する。よって、上記情報端末は、自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する際、位置情報付き画像データに付加された位置情報を参照して、現在位置の近傍の位置情報が付加された位置情報付き画像データに付加された機能制限設定情報を用いて、自情報端末の機能を制限することができる。
【0015】
そして、特に、上記情報端末では、機能制限設定情報に直接関連付けられているのが位置情報ではなく、画像データである。そのため、機能制限設定情報に位置情報を対応付けて機能制限の登録や変更を行う際、ユーザは画像を見ながら行うことができる。それゆえ、位置情報の示す位置がどういう場所であるのかを、画像として具体的に認識できるため、設定作業が容易である。もちろん、位置情報付き画像データは、機能制限の登録を行いたい位置にある目標物を撮影した画像データに、その位置の経度緯度等の位置情報が付加されていることが望ましい。
【0016】
また、機能制限設定情報は、位置情報とともに、画像データに付加されているので、位置情報(または、位置情報付き画像データ)と機能制限設定情報とを関連付けて管理するための管理テーブル等のデータが必要でなく、メモリを節約することができる。
【0017】
さらに、上記画像データを共有することにより、その画像データに付加されている機能制限設定情報を共有することができる。例えば、他の情報端末に対して、上記と同じ機能制限を行いたい場合には、その情報端末において、もう一度設定する必要がなく、上記機能制限設定情報が付加されている画像データを受信するだけで、上記と同じ機能制限を行うことができる。よって、ユーザの手間がかからず、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0018】
さらに、本発明に係る情報端末は、複数のアプリケーションを備え、一つの位置情報付き画像データに付加されている上記機能制限設定情報には、上記複数のアプリケーションに対する機能の制限の内容が含まれていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、さらに、一つの位置情報付き画像データを抽出することで、複数のアプリケーションに対する機能の制限が行えるため、機能制限の登録や変更が容易である。
【0020】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記位置情報付き画像データには、付加されている上記機能制限設定情報とは異なる、自情報端末の機能を制限する内容を示す第2の機能制限設定情報が関連付けられていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、上記機能制限設定情報とは別に、画像データに関連付けられている第2の機能制限設定情報がある。それゆえ、1つの画像データに、上記機能制限設定情報とは異なる内容の上記第2の機能制限設定情報を関連付けることができ、それらに優先順位をつけて選択的に使用することが可能となる。例えば、画像データに関連付けられている第2の機能制限設定情報は、画像データに付加されている機能制限設定情報よりも、優先順位が高いとすることができる。
【0022】
よって、ユーザが、一時的に機能制限を変更したい場合には、付加された上記機能制限設定情報、すなわち位置情報付き画像データを変更せず、上記第2の機能制限設定情報を使えばよい。また、機能制限を元に戻したい場合には、上記第2の機能制限設定情報を削除、あるいは、該第2の機能制限設定情報との関連づけを削除すればよいため、ユーザが何度も上記機能制限設定情報を変更して再設定する手間がかからず、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0023】
また、画像データに付加されている上記機能制限設定情報を更新する必要がないため、全体の処理速度の向上が期待できる。
【0024】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記記憶部は、上記第2の機能制限設定情報毎にフォルダを備え、上記機能制限設定手段は、上記位置情報付き画像データと上記フォルダとを上記表示部に表示するとともに、ユーザによって上記フォルダに移動させられた上記位置情報付き画像データに対して、当該フォルダが割り当てられた機能制限設定情報を関連付けることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、さらに、フォルダが上記第2の機能制限設定情報毎に用意されているため、一つのフォルダ下にある位置情報付き画像データはすべて、そのフォルダが割り当てられた第2の機能制限設定情報に関連付けられることになる。
【0026】
そのため、位置情報(または、位置情報付き画像データ)と第2の機能制限設定情報とを関連付けて管理するための管理テーブル等のデータが必要でなく、メモリを節約することができる。
【0027】
また、ユーザが、一時的に機能制限を変更したい場合に、設定フォルダに画像データを移動するだけで、簡単に操作できる。そして、機能制限を元に戻したい場合に、画像データを設定フォルダ以外の場所に移動すればよい。このように、設定フォルダ間での移動だけであるため、ユーザは、機能制限の登録や変更の際の操作を、直感的に行うことができ、容易である。さらに、画像データに付加されている機能制限設定情報を更新しないため、全体の処理速度の向上が期待できる。
【0028】
さらに、本発明に係る情報端末は、撮像して画像データを生成する撮像手段と、上記撮像手段が撮像する時の自情報端末の現在位置を取得する位置取得手段と、上記撮像手段が生成した画像データに、上記位置取得手段が取得した位置情報を付加して、上記位置情報付き画像データを生成する位置情報付き画像データ生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、さらに、機能制限の登録を行いたい位置にある目標物を撮影した画像データに、その位置の経度緯度等の位置情報を付加した位置情報付き画像データを、容易に生成することができる。それゆえ、機能制限設定情報に位置情報を対応付けて機能制限の登録や変更を行う作業が容易となる。
【0030】
なお、上記情報端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報端末をコンピュータにて実現させる情報端末の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明に係る情報端末は、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定手段をさらに備える構成である。
【0032】
また、本発明に係る情報端末の制御方法は、上記情報端末は、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定ステップを含む方法である。
【0033】
上記情報端末では、機能制限設定情報に直接関連付けられているのが位置情報ではなく、画像データである。そのため、機能制限設定情報に位置情報を対応付けて機能制限の登録や変更を行う際、ユーザは画像を見ながら行うことができる。それゆえ、位置情報の示す位置がどういう場所であるのかを、画像として具体的に認識できるため、設定作業が容易である。もちろん、位置情報付き画像データは、機能制限の登録を行いたい位置にある目標物を撮影した画像データに、その位置の経度緯度等の位置情報が付加されていることが望ましい。
【0034】
また、機能制限設定情報は、位置情報とともに、画像データに付加されているので、位置情報(または、位置情報付き画像データ)と機能制限設定情報とを関連付けて管理するための管理テーブル等のデータが必要でなく、メモリを節約することができる。
【0035】
さらに、上記画像データを共有することにより、その画像データに付加されている機能制限設定情報を共有することができる。例えば、他の情報端末に対して、上記と同じ機能制限を行いたい場合には、その情報端末において、もう一度設定する必要がなく、上記機能制限設定情報が付加されている画像データを受信するだけで、上記と同じ機能制限を行うことができる。よって、ユーザの手間がかからず、ユーザの利便性を向上させることができるとういう効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)(b)は、図1に示した携帯電話機の処理概要の一例を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は、図1に示した携帯電話機において、セキュリティ機能に係る設定情報を格納する画像ファイルのExif情報エリアおよびセキュリティ機能有効状態管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】(a)〜(g)は、図1に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【図6】図1に示した携帯電話機におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】(a)(b)は、図1に示した携帯電話機において、現在位置が含まれる画像が複数存在する場合の基本的なパターンを示す図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】(a)〜(h)は、図8に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態に係る携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】(a)〜(d)は、図11に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【図13】図11に示した携帯電話機において、設定フォルダと、画像ファイルとの関係を示すツリー構造図である。
【図14】図11に示した携帯電話機におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明のさらに別の実施形態に係る携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】(a)〜(c)は、図15に示した携帯電話機におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の一実施形態に係る情報端末について、図面を参照して説明すれば以下のとおりである。なお、本実施形態に係る情報端末は、携帯電話機として実現されている。このため、以下では、本実施形態に係る情報端末を端的に携帯電話機と呼称する。
【0038】
ただし、本発明は、携帯電話機に限らず、セキュリティ機能を備える情報端末一般に適用することができる。
【0039】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について図1から図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0040】
(処理概要)
本実施形態の処理概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態の処理概要の一例を示す図であり、位置を仕事場と仕事場以外とに分けて、セキュリティ管理を行う例を示す図である。図2の(a)は、カメラで撮影した画像ファイルを、位置情報付きで保存する場面を示す図である。図2の(b)は、位置情報に基づいて、セキュリティレベルを切り替える場面を示す図である。
【0041】
図2の(a)に示すように、まず、ユーザは自分の仕事場をカメラで撮影する。撮影した後、携帯電話機1(情報端末;図1参照)において、撮影場所を表す位置情報(すなわち、仕事場近傍の位置情報)を、上記撮影した画像ファイルに付加して保存する。
【0042】
その後、セキュリティ設定を行う。ここで、セキュリティ設定とは、位置情報が付加されている画像ファイル(位置情報付き画像ファイル)に、セキュリティ設定情報(機能制限設定情報)として、セキュリティレベルおよび有効範囲をさらに付加して、設定することである。
【0043】
具体的な設定方法は後述するが、ここでは、例えば、上記位置情報付き画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報は、セキュリティレベルを「低」とし、有効範囲を「20m」(すなわち、20メートル)として設定されたものとする。上記の場合には、携帯電話機1は、画像ファイルに付加されている位置情報を中心に半径20m以内の範囲において、セキュリティレベルを「低」にし、上記範囲以外において、セキュリティレベルを「高」にして、セキュリティを管理することを意味する。
【0044】
そして、図2の(b)に示すように、携帯電話機1を持つユーザが自分の仕事場にいるとき(すなわち、撮影された上記画像ファイルに付加されている位置情報を中心に半径20m以内の範囲にいるとき)、携帯電話機1は自動的にセキュリティレベルを「低」に設定する。一方、ユーザが自分の仕事場以外にいるとき(すなわち、上記範囲以外にいるとき)、携帯電話機1は自動的にセキュリティレベルを「高」に設定する。
【0045】
次に、上記セキュリティレベルおよび有効範囲について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態において、セキュリティ機能に係る設定情報を格納する画像ファイルのExif情報エリアおよびセキュリティ機能有効状態管理テーブルの一例を示す図である。
【0046】
本実施形態では、セキュリティレベルおよび有効範囲は、Exif情報のExifブロック(Exif IFD)にあるユーザコメント領域(UserComment)に格納されている(以降では、説明の便宜上、セキュリティレベルおよび有効範囲が格納されている領域を、セキュリティ設定情報エリアと称する)。また、位置情報がExif情報のGPS情報ブロック(GPS Info IFD)に格納されている(以降では、説明の便宜上、位置情報が格納されている領域を、位置情報エリアと称する)。また、セキュリティレベル毎に対応するセキュリティ機能の有効状態は、セキュリティ機能有効状態管理テーブル(図3の(d)を参照)に格納されている。
【0047】
図3の(a)は、画像ファイルのExif情報におけるExifブロックおよびGPS情報ブロックのフォーマットの一例を示す図である。図3の(b)は、ユーザコメントにおいて、セキュリティレベルおよび有効範囲が格納されている一例を示す図である。図3の(c)は、GPS情報ブロックにおいて、位置情報が格納されている一例を示す図である。また、図3の(d)は、セキュリティレベル毎に対応するセキュリティ機能の有効状態を示すセキュリティ機能有効状態管理テーブルの一例である。
【0048】
まず、図3の(a)に示すフォーマットにあるユーザコメント(UserComment)において、セキュリティレベルおよび有効範囲の格納方法について、図3の(b)を参照して説明する。
【0049】
図3の(b)に示すように、ユーザコメントの最初8バイト分には、文字コード(ここで、ASCIIコード)が格納され、その続きの2バイト分には、セキュリティレベルが格納され、さらにその続きの3バイト分には、有効範囲が格納されている。具体的には、セキュリティレベル用の2バイト分において、1バイト目に、セキュリティレベルの書き出しを表す特定コード(ここで、0xF1)が格納され、2バイト目に、レベルを認識する値(ここで、例えば、0x01は低、0x02は中、0x03は高とする)が格納されている。
【0050】
また、有効範囲用の3バイト分において、1バイト目に、有効範囲の書き出しを表す特定コード(ここで、0xF2)が格納され、2〜3バイト目に、有効範囲の具体的な数値(ここで、1000mを表す0x03E8)が格納されている。
【0051】
また、図3の(a)に示すフォーマットにあるGPS情報ブロック(GPS Info IFD)において、位置情報の格納方法について、図3の(c)を参照して説明する。
【0052】
図3の(c)に示すように、例えば、北緯34度38分31秒・東経136度50分50秒にある位置情報は、図3の(c)に示すように格納されている。緯度の南北および経度の東西については、それぞれ、「S」、「N」、「E」、「W」を表すASCIIコードで格納され、具体的な度・分・秒については、16進数で格納されている。また、具体的な度・分・秒について、最初の4バイト分に具体的な数値が格納され、残りの4バイト分に、最初の4バイト分の有効なバイト数を示す数値が格納されてもよい。
【0053】
ここで、セキュリティ機能に係る設定情報の例として、図3の(b)および(c)は、北緯34度38分31秒・東経136度50分50秒の位置を中心とする、半径「1000m」以内の有効範囲において、セキュリティレベルを「低」に設定することを示している。
【0054】
そして、図3の(d)に示すように、セキュリティレベル「低」は、例えば、「電話帳」以外の機能に対して、セキュリティ機能をOFFに設定し、「電話帳」機能に対して、セキュリティ機能をONに設定するように定義されている。すなわち、セキュリティレベル「低」に設定されると、「電話帳」機能だけが利用できないように制限され、「電話帳」以外の機能(「待機画面」、「メール」、「電話」および「画像一覧」)は利用できるような状態となる。
【0055】
また、位置情報を付加する方法は特に限定されず、画像ファイルと位置情報とを関連付けて管理できればよく、本実施形態のように、位置情報を画像ファイルと一体のデータとして保持してもよいし、別体のデータとして保持してもよい。すなわち、例えば、位置情報を画像ファイルとは別個のデータとし、画像ファイルと位置情報とを関連付けて位置情報を管理するテーブルなどによって管理してもよい。
【0056】
また、本実施形態では、図3の(d)に示すセキュリティ機能有効状態管理テーブルのセキュリティ機能の有効状態については、予め決められているものであってもよいし、ユーザの操作によって変更可能になっているものであってもよい。
【0057】
また、本実施形態では、有効範囲外においては、セキュリティレベルが常に「高」となっている。なお、有効範囲外におけるセキュリティレベルは、ユーザの操作によって変更可能にしてもよい。
【0058】
さらに、本実施形態の処理概要は、図2に示す処理概要に限定するものではない。
【0059】
例えば、図2の(a)に関しては、位置情報付き画像ファイルに用いる画像ファイルは自機のカメラで撮影したものに限定されず、外部装置から転送されたものを利用してもよい。また、位置情報は、最初から画像ファイルに付加されなくても、後で、位置情報を付加するソフト(例えば、カシミール、AbleCVなど)を利用して付加してもよい。
【0060】
さらに、図2の(b)に関しては、セキュリティ機能を管理するとき、上記説明したように、図3の(d)に示すセキュリティ機能有効状態管理テーブルに従って、セキュリティレベル毎に複数の機能に対応するセキュリティ機能のON/OFFを一斉に切り替えてもよいし、機能(例えば、「メール」、「電話」など)毎に、携帯電話機が有効範囲内にいるか否かによって、セキュリティ機能のON/OFFを切り替えてもよい。
【0061】
(携帯電話機の要部構成)
本実施形態に係る携帯電話機1の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、携帯電話機1の要部構成を示すブロック図である。
【0062】
図1に示すように、携帯電話機1は、GPS10と、記憶部20と、入力部30と、表示部40と、制御部50とを備えている。なお、携帯電話機1は、これらの部材以外にも、スピーカ、マイク、バッテリー等の部材を備えていてもよいが、発明の特徴点とは関係がないため当該部材を図示していない。
【0063】
GPS10は、人工衛星から発信される電波を受信して、現在位置の経緯度や高度を測定するものである。なお、GPSに限定することなく、現在位置を特定できるものであればよく、例えば、基地局との通信によって、基地局から現在位置を受信してもよい。
【0064】
記憶部20は、制御部50が実行する制御プログラムおよびOSプログラム、ならびに、制御部50が、携帯電話機1が有する各種機能(例えば、後述の、セキュリティ設定、セキュリティ機能切り替えなど)を実行するときに読み出す各種のデータを記憶するものである。本実施形態では、記憶部20には、例えば、画像ファイル、セキュリティ機能有効状態管理テーブル(図3の(d))、および現状設定情報などのデータを記憶する。記憶部20は、例えば、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどで実現される。なお、内容の書き換えが不要な情報を記憶する記憶部としては、記憶部20とは別の、図示しない、読出し専用の半導体メモリであるROMなどで実現されてもよい。
【0065】
入力部30は、ユーザの操作指示を取得して、指示信号を生成するものである。
【0066】
表示部40は、制御部50の指示に従って画像を表示するものである。表示部40は、制御部50の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0067】
制御部50は、記憶部20から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0068】
なお、説明の便宜上、制御部50において、破線で囲まれているブロックB1は、セキュリティ機能の切り替えを行う機能ブロックであり、破線で囲まれているブロックB2は、セキュリティ設定を行う機能ブロックである。
【0069】
本実施形態では、制御部50は、ブロックB1として、位置情報取得部501(位置取得手段)と、画像ファイル抽出部502と、画像ファイル選択部503と、設定情報特定部504と、現状設定情報取得部505と、セキュリティ機能制御部506とを備えている。また、ブロックB2として、表示制御部507と、操作取得部508と、画像ファイル分析部509と、セキュリティ設定部510(機能制限設定手段)とを備えている。これらの制御部50の各部(501〜510)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0070】
以下では、まず、ブロックB1が備える各部を説明する。
【0071】
位置情報取得部501は、GPS10から取得した経緯度の位置情報を読み出すものである。
【0072】
画像ファイル抽出部502は、記憶部20に記憶されている位置情報付き画像ファイルの中から、その画像ファイルに付加されている有効範囲(図3の(a)参照)内に、位置情報取得部501が読み出した位置情報を含むものを抽出するものである。
【0073】
画像ファイル選択部503は、画像ファイル抽出部502が抽出した画像ファイルが複数ある場合に、後述する優先順位による画像ファイルの選択方法に従って、1つの画像ファイルを選択するものである。
【0074】
設定情報特定部504は、抽出(または選択)された1つの画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報に基づいて、セキュリティレベルを特定し、特定したセキュリティレベルに基づいて、図3の(d)に示すセキュリティ機能有効状態管理テーブルを参照して、各機能のセキュリティ機能有効状態(機能制限設定情報)を特定するものである。
【0075】
現状設定情報取得部505は、記憶部20から、現状のセキュリティレベルを示す現状設定情報を取得するものである。
【0076】
セキュリティ機能制御部506は、設定情報特定部504によって特定されたセキュリティレベルと、現状設定情報取得部505によって取得された現状設定情報とを比較して、異なる場合には、設定情報特定部504によって特定されたセキュリティレベルに基づいて、各機能のセキュリティ機能有効状態を変更するものである。
【0077】
次に、ブロックB2が備える各部を説明する。
【0078】
表示制御部507は、表示部40に表示するための画像を生成し、生成した画像を表示部40に出力するものである。
【0079】
操作取得部508は、入力部30が生成した指示信号を取得するものである。
【0080】
画像ファイル分析部509は、画像ファイルに位置情報が付加されているか否かを分析し、付加されている場合に、その位置情報を抽出するものである。また、画像ファイルにセキュリティレベルおよび有効範囲などの情報が付加されているか否かを分析し、付加されている場合に、その情報を抽出するものである。
【0081】
セキュリティ設定部510は、操作取得部508によって取得された、ユーザが入力したセキュリティ設定情報(セキュリティレベル、有効範囲)をユーザが選択した画像ファイルに付加して、図3の(a)に示すように保存するものである。
【0082】
(セキュリティ設定の処理の流れ)
携帯電話機1におけるセキュリティ設定の処理の流れについて、図4および図5に基づいて説明する。図4は、携帯電話機1におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。図5は、携帯電話機1におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【0083】
図4に示すように、まず、表示制御部507は、携帯電話機1にある画像ファイルの一覧を作成して、表示部40に表示するように制御する(S101)。図5の(a)は、表示部40に表示されている画像ファイル一覧画面の一例を示す図である。ここで、位置情報が付加されていない画像ファイルも含まれていてもよい。
【0084】
次に、画像ファイルが長押しなどによって選択されたとき、操作取得部508は、「画像データ選択」の入力を検出する(S102)。そして、選択された画像ファイルを特定する情報(本実施形態では、「ファイル名」)を画像ファイル分析部509に通知する。
【0085】
次に、画像ファイル分析部509は、操作取得部508によって通知された「ファイル名」に基づいて、記憶部20からその画像ファイルを読み出し、当該画像ファイルに位置情報が付加されているか否かを分析する(S103)。画像ファイル分析部509が、位置情報が付加されていると判断した場合(S103でYes)、表示制御部507は、表示部40に、「編集」や「壁紙登録」などのボタンとともに、「セキュリティ」ボタンが表示される画像ファイル操作メニューを表示させる(S105)。図5の(b)は、「セキュリティ」ボタンありの画像ファイル操作メニューの一例を示す図である。
【0086】
一方、画像ファイル分析部509が、位置情報が付加されていないと判断した場合(S103でNo)、表示制御部507は、表示部40に、通常の画像ファイル操作メニューを表示させる(S104)。
【0087】
通常の画像ファイル操作メニューとは、通常の(画像ファイルに位置情報が付加されていない)場合において、画像ファイル一覧画面から、1つの画像ファイルを長押した後で表示されるメニューである。具体的には、通常の画像ファイル操作メニューにおいて、「編集」や「壁紙登録」などのボタンが表示されるが、「セキュリティ」ボタンは表示されない、または、表示されても、グレーなどになって選択不可になっている。なお、通常の画像ファイル操作メニューおよび通常の画像ファイル操作メニューが表示された後の処理については、本発明の特徴点とは関係がないため当該メニューの図示および後の処理を省略する。
【0088】
次に、「セキュリティ」ボタンありの画像ファイル操作メニューにおいて、「セキュリティ」ボタンが選択されたとき、操作取得部508は、「セキュリティを選択」を検出する(S106)。そして、その旨を画像ファイル分析部509に通知する。
【0089】
そして、画像ファイル分析部509は、操作取得部508からの通知を受信したら、選択された画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報(セキュリティレベルおよび有効範囲)を表示する(S107)。例えば、上記画像ファイルにセキュリティ設定情報が付加されていなければ、デフォルト値として、セキュリティレベルは「無し」、有効範囲は「無し」と表示する(S107)。図5の(c)は、画像ファイルにセキュリティ設定情報が付加されていない場合、セキュリティレベルおよび有効範囲がデフォルト値(レベル:無し、範囲:無し)で表示されているときの一例を示す図である。
【0090】
次に、操作取得部508は、入力部30から、ユーザが入力した“セキュリティレベル”(例えば、高、中、低など)を取得する(S108)。図5の(d)は、“セキュリティレベル”の設定画面の一例を示す図である。
【0091】
続いて、操作取得部508は、入力部30から、ユーザが入力した“有効範囲”(セキュリティ範囲)(例えば、半径20m、100m、1000mなど)を取得する(S109)。図5の(e)は、“有効範囲”(セキュリティ範囲)の選択画面の一例を示す図である。
【0092】
続いて、操作取得部508は、入力部30が生成した指示信号を受信する(S110)。操作取得部508が、入力部30から“キャンセル”信号を受信した場合(S110でNo)、“現在のセキュリティ設定”画面(画像の現在のセキュリティ状態表示画面)に戻る(S107;図5の(c)参照)。
【0093】
一方、操作取得部508が、入力部30から“OK”信号を受信した場合(S110でYes;図5の(f)参照)、ユーザが入力した上記“セキュリティレベル”、“有効範囲”、および、選択された画像ファイル名をセキュリティ設定部510に送信する。
【0094】
そして、セキュリティ設定部510は、操作取得部508から受信した情報に基づいて、上記選択された画像ファイルに、“セキュリティレベル”および“有効範囲”を、セキュリティ設定情報として、図3の(a)に示すように、画像ファイルのセキュリティ設定情報エリアに保存する(S111)。図5の(g)は、操作取得部508から受信した情報を図3の(a)に示すように保存したときに表示される画面の一例を示す図である。
【0095】
(セキュリティ機能切り替え処理の流れ)
携帯電話機1におけるセキュリティ機能切り替え処理の流れについて、図6に基づいて説明する。図6は、携帯電話機1におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【0096】
図6に示すように、まず、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を取得する(S201)。
【0097】
続いて、画像ファイル抽出部502は、記憶部20に保存されている画像ファイルの中から、その画像ファイルに付加されている有効範囲(図3の(a)参照)に、上記位置情報取得部501によって取得された現在位置が含まれる画像ファイルを検索して抽出する(S202)。
【0098】
次に、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあるか否かを判断する(S203)。
【0099】
そして、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあると判断した場合(S203でYes)、続いて、判断対象となる上記画像ファイルが複数あるか否かを判断する(S205)。
【0100】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数あると判断した場合(S205でYes)、画像ファイル選択部503は、優先順位の一番高い画像ファイルを選択する。
【0101】
ここで、本実施形態における優先順位による画像ファイルの選択方法を、図7を参照して説明する。図7は、現在位置が含まれる画像ファイルが複数存在する場合の基本的なパターンを示す図である。図7にある円の領域は、画像ファイルに付加されている有効範囲を示すものであり、斜線の区域は、上記有効範囲が重なっている部分を示すである。図7の(a)は、抽出した2つの画像ファイルの内、1つに付加されている有効範囲a2は、もう1つの画像ファイルに付加されている有効範囲a1内に全部重なっている(有効範囲a2は、有効範囲a1の中に完全に含まれている)場合の例を示す図である。図7の(b)は、抽出した2つの画像ファイルに付加されている有効範囲b1および有効範囲b2が一部重なっている場合の例を示す図である。
【0102】
本実施形態における優先順位による画像ファイルの選択方法としては、まず、図7の(a)に示すように、有効範囲a2は、有効範囲a1に全部重なっている場合、一番内側にある有効範囲(ここでは、有効範囲a2)を持つ画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報を有効とする。さらに、一番内側にある有効範囲が複数あり、しかも、図7の(b)に示すように、その有効範囲(ここで、有効範囲b1および有効範囲b2)が一部重なっている場合、上記複数の有効範囲の中で、セキュリティレベルが一番高い有効範囲(ここで、有効範囲b1)を持つ画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報を有効とする。
【0103】
なお、優先順位による画像ファイルの選択方法は特に限定されず、1つの画像ファイルを選択して、セキュリティ設定情報を特定できればよく、例えば、常にセキュリティレベルの一番高いものや、一番低いものなどを選択してもよい。
【0104】
画像ファイル選択部503は、上記優先順位による画像ファイルの選択方法に基づいて、まず、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選択する(S206)。続いて、画像ファイル選択部503は、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選択する(S207)。これによって、1つの画像ファイルが選択される。
【0105】
具体的には、例えば、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選択する。結果としては、1つの画像ファイル、または、有効範囲の一部が重なっている複数の画像ファイルが選択されたことになる。1つの画像ファイルが選択された場合には、上記S207の処理は省略してもよいが、複数の画像ファイルが選択された場合には、続いて、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選択する。結果としては、1つの画像ファイルが選択されたことになる。
【0106】
そして、設定情報特定部504は、選択された1つの画像ファイルに付加されているセキュリティレベルに従って、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S208)。
【0107】
一方、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ではない(1つである)と判断した場合(S205でNo)、設定情報特定部504は、抽出された1つの画像ファイルに付加されているセキュリティレベルに従って、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S208)。
【0108】
また、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルがないと判断した場合(S203でNo)、設定情報特定部504は、有効範囲外(現在位置が含まれる画像ファイルが存在しない、すなわち、現在位置が画像ファイルに付加されている有効範囲のいずれにも含まれていない)におけるセキュリティレベルを参照して、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S204)。なお、本実施形態では、有効範囲外のセキュリティレベルは常に「高」となっているので、上記設定すべきセキュリティレベルは「高」と特定される。
【0109】
設定情報特定部504が、設定すべきセキュリティレベルを特定した後、その特定したセキュリティレベルをセキュリティ機能制御部506に通知する。
【0110】
次に、現状設定情報取得部505は、記憶部20から、現状設定情報(現状のセキュリティレベル)を取得し、セキュリティ機能制御部506に通知する。
【0111】
そして、セキュリティ機能制御部506は、設定情報特定部504によって通知された設定すべきセキュリティレベルと、現状設定情報取得部505によって通知された現状設定情報とを比較する(S209)。
【0112】
セキュリティ機能制御部506は、上記比較した結果が“異なる”場合(S209でYes)、上記設定すべきセキュリティレベルにセキュリティ状態を変更する(S210)。そして、新しく設定されたセキュリティレベルを、記憶部20に、現状設定情報として記憶する。その後、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S211)。
【0113】
一方、セキュリティ機能制御部506が、上記比較した結果が“同じ”場合(S209でNo)、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S211)。
【0114】
制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了すると判断した場合(S211でYes)、セキュリティ機能切り替え処理を終了させる(S212)。一方、制御部50が、セキュリティ機能切り替え処理を終了しないと判断した場合(S211でNo)、位置情報取得部501は、GPSより現在位置を繰り返し取得する(S201)。
【0115】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、携帯電話機1において、画像ファイル一覧画面からセキュリティ設定を行う例を説明したが、以下、第2の実施形態として、携帯電話機2(情報端末)において、カメラで画像を撮影すると同時に、セキュリティ設定を行う例を、図8〜図10に基づいて詳細に説明する。
【0116】
なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、特に説明していない構成要素は、第1の実施形態と同様の構成および機能を有するものとする。
【0117】
(携帯電話機の要部構成)
本実施形態に係る携帯電話機2の構成について、図8に基づいて説明する。図8は、携帯電話機2の要部構成を示すブロック図である。
【0118】
図8に示すように、携帯電話機2は、カメラ60と、制御部50のブロックB2としてのカメラ制御部511(撮像手段)と、画像仕上げ部512(画像データ生成手段)とを、さらに備えること以外は、すべて図1に示す携帯電話機1の構成と同様である。
【0119】
カメラ60は、写真、動画などを撮影するためのものである。
【0120】
カメラ制御部511は、カメラ60を起動したり、撮影をさせたりするものである。
【0121】
画像仕上げ部512は、カメラ60で撮影された画像ファイルを位置情報付きまたは位置情報なしで仕上げて、記憶部20に記憶するものである。ここで、位置情報は、位置情報取得部501の制御により、カメラ60での撮影時、あるいは、撮影直前または撮影直後に、GPS10によって取得するものとする。また、画像仕上げ部512は、上記仕上げた画像ファイルに、セキュリティ設定情報を付加ものである。
【0122】
(セキュリティ設定の処理の流れ)
携帯電話機2におけるセキュリティ設定の処理の流れについて、図9および図10に基づいて説明する。図9は、携帯電話機2におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。図10は、携帯電話機2におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【0123】
図9に示すように、まず、カメラ制御部511は、カメラ撮影処理を起動し、撮影可能な画面を表示する(S301)。図10の(a)はカメラ撮影処理を起動した後の画面の一例を示す図である。
【0124】
そして、カメラ制御部511は、クリアキーなどが押されたことや、タイムアウトなどによって、カメラ撮影処理を終了するか否かを判断する(S302)。カメラ制御部511は、カメラ撮影処理を終了すると判断した場合(S302でYes)、カメラ撮影処理を終了する(S303)。
【0125】
一方、カメラ制御部511が、カメラ撮影処理を終了しないと判断した場合(S302でNo)、操作取得部508は、ユーザの撮影指示信号を受信したら(ユーザがシャッターを押したことを検出したら)、カメラ制御部511に通知する。そして、カメラ制御部511は、操作取得部508からの通知を受けたら、カメラ60にカメラ撮影を行わせる(S304)。
【0126】
続いて、画像仕上げ部512は、カメラで撮影した画像ファイルを位置情報付き画像ファイルとして保存するか否かを判断する(S305)。図10の(b)はカメラで画像を撮影した後の画面の一例を示す図である。
【0127】
画像仕上げ部512は、位置情報付き画像として保存しないと判断した場合(S305でNo)、上記撮影された画像ファイルを通常画像ファイル(位置情報なし画像ファイル)として、記憶部20に保存する(S306)。その後、表示制御部507は、カメラ起動後の撮影可能な画面(図10の(h)参照)を表示部40に表示させる(S301)。
【0128】
一方、画像仕上げ部512は、位置情報付き画像ファイルとして保存すると判断した場合(S305でYes)、位置情報取得部501から現在位置を取得し、上記撮影された画像ファイルに付加して、記憶部20に保存する(S307)。
【0129】
次に、表示制御部507は、デフォルトセキュリティ設定情報を表示部40に表示させる(S308)。デフォルトセキュリティ設定情報とは、セキュリティレベルが「無し」と、有効範囲が「無し」となっているものである。すわなち、セキュリティレベルおよび有効範囲が設定されていないものである。図10の(c)は、デフォルトセキュリティ設定情報が表示されている画面を示す図である。
【0130】
次に、操作取得部508は、ユーザが「設定」ボタン(図10の(c)参照)を選択したか否かを検知して判断する(S309)。
【0131】
操作取得部508が、ユーザが「キャンセル」ボタン(図10の(c)参照)を選択した(すなわち、「設定」ボタンを選択していなかった)と検知した場合(S309でNo)、表示制御部507は、カメラ起動後の撮影可能な画面(図10の(h)参照)を表示部40に表示させる(S301)。
【0132】
一方、操作取得部508は、ユーザが「設定」ボタンを選択したと検知した場合(S309でYes)、続いて、入力部30から、ユーザが入力した“セキュリティレベル”(例えば、高、中、低など)を取得する(S310)。図10の(d)は、“セキュリティレベル”の設定画面の一例を示す図である。
【0133】
続いて、操作取得部508は、入力部30から、ユーザが入力した“有効範囲”(セキュリティ範囲)(例えば、半径20m、100m、1000mなど)を取得する(S311)。図10の(e)は、“有効範囲”(セキュリティ範囲)の選択画面の一例を示す図である。
【0134】
続いて、操作取得部508は、入力部30から、ユーザ入力信号を判断する(S312)。操作取得部508が、入力部30から“キャンセル”信号を受信した場合(S312でNo)、デフォルトセキュリティ設定情報表示画面に戻る(S308;図10の(c)参照)。
【0135】
一方、操作取得部508が、入力部30から“OK”信号を受信した場合(S312でYes;図10の(f)参照)、ユーザが入力した上記“セキュリティレベル”、“有効範囲”、および、選択された画像ファイル名をセキュリティ設定部510に送信する。
【0136】
そして、セキュリティ設定部510は、操作取得部508から受信した情報に基づいて、上記選択された画像ファイルに、セキュリティ設定情報を付加して保存する(S313)。図10の(g)は、操作取得部508から受信した情報を上記選択された画像ファイルに付加して保存したときに表示される画面の一例を示す図である。
【0137】
その後、表示制御部507は、カメラ起動後の撮影可能な画面(図10の(h)参照)を表示部40に表示させる(S301)。
【0138】
〔第3の実施形態〕
第1および第2の実施形態では、携帯電話機1と2とにおいて、ユーザによってセキュリティレベルおよび有効範囲が選択されて、セキュリティ設定を行う例を説明したが、以下、第3の実施形態として、携帯電話機3(情報端末)において、予めセキュリティレベルと有効範囲との組み合わせからなる設定フォルダを用意しておき、画像ファイルを設定フォルダにドロップすることで、セキュリティ設定を行う例を、図11〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0139】
なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、特に説明していない構成要素は、第1の実施形態と同様の構成および機能を有するものとする。
【0140】
(携帯電話機の要部構成)
携帯電話機3が備える構成については、すべて図1に示す携帯電話機1の構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0141】
(セキュリティ設定の処理の流れ)
携帯電話機3におけるセキュリティ設定の処理の流れについて、図11および図12に基づいて説明する。図11は、携帯電話機3におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。図12は、携帯電話機3におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【0142】
図11に示すように、まず、表示制御部507は、設定フォルダの一覧と、携帯電話機3にある画像ファイルの一覧とを作成して、セキュリティ設定画面として、表示部40に表示するように制御する(S401)。図12の(a)は、表示部40に表示されているセキュリティ設定画面の一例を示す図である。
【0143】
設定フォルダについては、図13を参照して説明する。図13は、設定フォルダと、画像ファイルとの関係を示すツリー構造図である。本実施形態において、上記設定フォルダは、画像ファイルと共に、画像フォルダの下に存在する。上記画像ファイルのうち、位置情報付き画像ファイルを上記設定フォルダに移動することで、セキュリティ設定を実施する。
【0144】
ここで、各設定フォルダの下に存在する画像ファイルに、既にセキュリティ設定情報(セキュリティレベルおよび有効範囲)が付加されている場合には、付加されているセキュリティ設定情報よりも、画像ファイルが位置するフォルダに割り当てられたセキュリティ設定情報の方が、セキュリティ設定を行う際に、優先的に採用される。すなわち、設定フォルダの下にある画像ファイルについては、該画像ファイルにセキュリティ設定情報が付加されているか否かに関わらず、該画像ファイルが位置するフォルダによって、セキュリティ設定情報を決定し、セキュリティ設定を行う。例えば、「高・20m」の設定フォルダの下にある画像ファイルについては、必ず該画像ファイルに付加されている位置情報を中心に、半径「20m」以内の有効範囲において、セキュリティレベルを「高」に設定する。
【0145】
また、位置情報なし画像ファイルについては、操作画面において、ドロップできないように制御してもよいし、セキュリティ設定画面に表示しないように制御してもよい。また、位置情報付き画像ファイルと、通常の位置情報なし画像ファイルとを区別できるように表示するだけでも構わない。
【0146】
次に、操作取得部508は、クリアキーなどが押されたことを検出することによって、セキュリティ設定を終了するか否かを判断する(S402)。操作取得部508が、セキュリティ設定を終了すると判断した場合(S402でYes)、制御部50は、セキュリティ設定画面の表示を終了する。
【0147】
一方、操作取得部508は、セキュリティ設定を終了しないと判断した場合(S402でNo)、位置情報付き画像ファイルが設定フォルダへドロップされたか否かを判断する(S403)。
【0148】
操作取得部508が、位置情報付き画像ファイルが設定フォルダへドロップされていないと判断した場合(S403でNo)、表示制御部507は、セキュリティ設定画面を表示し続けるように表示部40を制御する(S401)。
【0149】
一方、操作取得部508が、位置情報付き画像ファイルが設定フォルダへドロップされた(図10の(b)参照)と判断した場合(S403でYes)、セキュリティ設定部510は、上記画像ファイルを上記設定フォルダに移動する(図10の(c)参照)ことによって、セキュリティ設定を行う(S404)。
【0150】
その後、表示制御部507は、セキュリティ設定画面(図10の(d)参照)を表示し続けるように表示部40を制御する(S401)。
【0151】
(セキュリティ機能切り替え処理の流れ)
携帯電話機3におけるセキュリティ機能切り替え処理の流れについて、図14に基づいて説明する。図14は、携帯電話機3におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【0152】
図14に示すように、まず、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を取得する(S601)。
【0153】
続いて、画像抽出部502は、各設定フォルダの下にある画像の中から、その設定フォルダの有効範囲において、位置情報取得部501によって取得された現在位置が含まれる画像ファイルを検索して抽出する(S602)。
【0154】
次に、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあるか否かを判断する(S603)。
【0155】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像がないと判断した場合(S603でNo)、設定情報特定部504は、有効範囲外におけるセキュリティレベルを参照して、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S604)。なお、本実施形態では、有効範囲外のセキュリティレベルは常に「高」と特定する。
【0156】
一方、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあると判断した場合(S603でYes)、続いて、判断対象となる上記画像ファイルが複数あるか否かを判断する(S605)。
【0157】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ある(1つではない)と判断した場合(S605でYes)、画像ファイル選択部503は、第1の実施形態において、図7で説明した優先順位による画像ファイルの選択方法に基づいて、優先順位の一番高い画像ファイルを1つ選択する。具体的には、まず、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選択する(S606)。続いて、画像ファイル選択部503は、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選択する(S607)。この結果、1つの画像ファイルが選択される。
【0158】
そして、設定情報特定部504は、上記選択された1つの画像ファイルを含む設定フォルダのフォルダ名に基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S608)。
【0159】
一方、画像抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ではない(1つである)と判断した場合(S605でNo)、設定情報特定部504は、上記抽出した1つの画像を含む設定フォルダのフォルダ名に基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S608)。
【0160】
設定情報特定部504が、設定すべきセキュリティレベルを特定した後、その特定したセキュリティレベルをセキュリティ機能制御部506に通知する。
【0161】
次に、現状設定情報取得部505は、記憶部20から、現状設定情報(現状のセキュリティレベル)を取得し、セキュリティ機能制御部506に通知する。
【0162】
そして、セキュリティ機能制御部506は、設定情報特定部504によって通知された設定すべきセキュリティレベルと、現状設定情報取得部505によって通知された現状設定情報とを比較する(S609)。
【0163】
セキュリティ機能制御部506は、上記比較した結果が“異なる”である場合(S609でYes)、上記設定すべきセキュリティレベルにセキュリティ状態を変更する(S610)。そして、新しく設定されたセキュリティレベルを、記憶部20に、現状設定情報として記憶する。そして、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否かを判断する(S611)。
【0164】
一方、セキュリティ機能制御部506が、上記比較した結果が“同じ”である場合(S609でNo)、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否かを判断する(S611)。
【0165】
制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了すると判断した場合(S611でYes)、セキュリティ機能切り替え処理を終了させる(S612)。一方、制御部50が、セキュリティ機能切り替え処理を終了しないと判断した場合(S611でNo)、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を繰り返し取得する(S601)。
【0166】
なお、以上の説明では、画面上におけるファイル移動に伴って、画像ファイルを設定フォルダへ実際に移動させたが、実際には移動させず、画面上での移動先の設定フォルダに割り当てられたセキュリティ設定に、上記画像ファイルに付加されているセキュリティ設定情報(セキュリティレベル、有効範囲)を書き換えるだけにしてもよい。その場合には、画像ファイルを実際に移動する手間がかからず、処理速度を向上させることができる。
【0167】
〔第4の実施形態〕
第3の実施形態では、携帯電話機3において、画像ファイルを設定フォルダの下にドロップすることで、セキュリティ設定を行う例を説明したが、以下、第4の実施形態として、携帯電話機4(情報端末)において、予めセキュリティレベルと有効範囲との組み合わせからなるアイコンを用意しておき、そのアイコンを画像ファイルにドロップすることで、セキュリティ設定を行う例を、図15〜図16に基づいて詳細に説明する。
【0168】
なお、アイコンを画像ファイルにドロップすることに限定されず、例えば、画像ファイルをアイコンにドロップすることで、セキュリティ設定を行ってもよい。
【0169】
また、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、特に説明していない構成要素は、第1の実施形態と同様の構成および機能を有するものとする。
【0170】
(セキュリティ設定の処理の流れ)
携帯電話機4におけるセキュリティ設定の処理の流れについて、図15および図16に基づいて説明する。図15は、携帯電話機4におけるセキュリティ設定の処理の一例を示すフローチャートである。図16は、携帯電話機4におけるセキュリティ設定の処理の一例を示す画面遷移図である。
【0171】
図15に示すように、まず、表示制御部507は、アイコンの一覧と、携帯電話機4にある画像の一覧とを作成して、セキュリティ設定画面として、表示部40に表示するように制御する(S701)。図16の(a)は、表示部40に表示されているセキュリティ設定画面の一例を示す図である。例えば、「高・100」と表示されたアイコンは、そのアイコンがドロップされた画像ファイルに付加されている位置情報を中心に、半径「100m」以内の有効範囲において、セキュリティレベルを「高」に設定するアイコンである。このように、表示画面には、各セキュリティ設定が割り当てられたアイコンが、画像ファイルとともに一覧表示されている。
【0172】
なお、位置情報なし画像ファイルについては、グレーに表示して、アイコンをその画像ファイルにドロップできないように制御してもよいし、セキュリティ設定画面に表示しないように制御してもよい。また、位置情報付き画像ファイルと、通常の位置情報なし画像ファイルとを区別できるように表示するだけでもよい。
【0173】
次に、操作取得部508は、クリアキーが押されたことなどによって、セキュリティ設定を終了するか否かを判断する(S702)。操作取得部508が、セキュリティ設定を終了すると判断した場合(S702でYes)、制御部50は、セキュリティ設定画面の表示を終了する。
【0174】
一方、操作取得部508は、セキュリティ設定を終了しないと判断した場合(S702でNo)、アイコンが位置情報付き画像ファイルへドロップされたか否かを判断する(S703)。
【0175】
操作取得部508が、アイコンが位置情報付き画像ファイルへドロップされていないと判断した場合(S703でNo)、表示制御部507は、セキュリティ設定画面を表示し続けるように表示部40を制御する(S701)。
【0176】
一方、操作取得部508が、アイコンが位置情報付き画像ファイルへドロップされた(図16の(b)参照)と判断した場合(S703でYes)、セキュリティ設定部510は、ドロップされたアイコンが示すセキュリティ設定情報に基づいて、ドロップされた画像ファイルに、上記セキュリティ設定情報を付加して保存する(S704)。
【0177】
次に、表示制御部507は、セキュリティ設定画面に、上記保存したセキュリティ設定情報をポップアップ画面(図16の(c)参照)で表示する(S705)。
【0178】
その後、表示制御部507は、セキュリティ設定画面(図16の(a)参照)を表示し続けるように表示部40を制御する(S701)。
【0179】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0180】
最後に、携帯電話機1〜4の各ブロック、特に制御部50は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0181】
すなわち、携帯電話機1〜4は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1〜4の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機1〜4に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0182】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0183】
また、携帯電話機1〜4を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明は、情報端末に利用することができる。特に、セキュリティ機能を備え、セキュリティレベルを位置に応じて切り替える情報端末に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0185】
1、2、3、4 携帯電話機(情報端末)
20 記憶部
40 表示部
501 位置情報取得部(位置取得手段)
510 セキュリティ設定部(機能制限設定手段)
511 カメラ制御部(撮像手段)
512 画像仕上げ部(画像データ生成手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末であって、
画像を表示する表示部と、
位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、
上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定手段をさらに備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
複数のアプリケーションを備え、
一つの位置情報付き画像データに付加されている上記機能制限設定情報には、上記複数のアプリケーションに対する機能の制限の内容が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
上記位置情報付き画像データには、付加されている上記機能制限設定情報とは異なる、自情報端末の機能を制限する内容を示す第2の機能制限設定情報が関連付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
上記記憶部は、上記第2の機能制限設定情報毎にフォルダを備え、
上記機能制限設定手段は、上記位置情報付き画像データと上記フォルダとを上記表示部に表示するとともに、ユーザによって上記フォルダに移動させられた上記位置情報付き画像データに対して、当該フォルダが割り当てられた上記第2の機能制限設定情報を関連付けることを特徴とする請求項3に記載の情報端末。
【請求項5】
撮像して画像データを生成する撮像手段と、
上記撮像手段が撮像する時の自情報端末の現在位置を取得する位置取得手段と、
上記撮像手段が生成した画像データに、上記位置取得手段が取得した位置情報を付加して、上記位置情報付き画像データを生成する位置情報付き画像データ生成手段と、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報端末としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末の制御方法であって、
上記情報端末は、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、
上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定ステップを含むことを特徴とする情報端末の制御方法。
【請求項1】
自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末であって、
画像を表示する表示部と、
位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、
上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定手段をさらに備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
複数のアプリケーションを備え、
一つの位置情報付き画像データに付加されている上記機能制限設定情報には、上記複数のアプリケーションに対する機能の制限の内容が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
上記位置情報付き画像データには、付加されている上記機能制限設定情報とは異なる、自情報端末の機能を制限する内容を示す第2の機能制限設定情報が関連付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
上記記憶部は、上記第2の機能制限設定情報毎にフォルダを備え、
上記機能制限設定手段は、上記位置情報付き画像データと上記フォルダとを上記表示部に表示するとともに、ユーザによって上記フォルダに移動させられた上記位置情報付き画像データに対して、当該フォルダが割り当てられた上記第2の機能制限設定情報を関連付けることを特徴とする請求項3に記載の情報端末。
【請求項5】
撮像して画像データを生成する撮像手段と、
上記撮像手段が撮像する時の自情報端末の現在位置を取得する位置取得手段と、
上記撮像手段が生成した画像データに、上記位置取得手段が取得した位置情報を付加して、上記位置情報付き画像データを生成する位置情報付き画像データ生成手段と、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報端末としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
自情報端末の現在位置に応じて、自情報端末の機能を制限する情報端末の制御方法であって、
上記情報端末は、画像を表示する表示部と、位置情報が付加された位置情報付き画像データを記憶する記憶部とを備え、
上記位置情報付き画像データの画像を上記表示部に表示するとともに、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報を特定し、当該機能制限設定情報を当該位置情報付き画像データに付加して上記記憶部に記憶する機能制限設定ステップを含むことを特徴とする情報端末の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−3604(P2013−3604A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130605(P2011−130605)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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