説明

情報端末、情報端末の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体

【課題】機能制限が掛けられた場所を確認しやすく、且つ、他人が容易に認識することを防ぐ。
【解決手段】携帯電話機1は、位置情報が付加された位置情報付き画像ファイルと、自機の機能を制限する内容を示すセキュリティ設定情報とを関連付けて記憶する記憶部20と、自機の現在位置を取得する位置情報取得部501と、上記位置情報取得部501によって取得された自機の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像ファイルを、上記記憶部20から検索し、適用画像ファイルとして抽出する画像ファイル抽出部502と、上記画像ファイル抽出部502が抽出した上記適用画像ファイルおよび/または上記適用画像ファイルを識別するための識別情報を、表示部に表示する表示制御部511とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ機能を備える情報端末、情報端末の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティ機能を備える情報端末の普及に伴って、GPS装置などを使って情報端末の位置情報を取得し、取得した位置情報に応じてセキュリティ管理を行う機種が次々と開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、位置情報を用いてセキュリティ管理を行う情報処理装置が開示されている。具体的には、上記情報処理装置は、当該情報処理装置の位置情報を取得し、当該情報処理装置が有する機能のうち、どの機能を制限するかを、位置情報に応じて決定するためのデータであるセキュリティポリシーデータに基づいて、当該情報処理装置においてセキュリティ管理を要する機能の制限を位置情報に応じて行う。
【0004】
また、特許文献2には、セキュリティ機能を備える記憶装置が開示されている。具体的には、上記記憶装置は、当該記憶装置の位置を測定し、当該記憶装置が位置する場所が予め設定され、予め設定された場所と前記測定された位置の比較を行い、前記測定された位置が前記予め設定された場所と異なる場合は、当該記憶装置の記憶媒体へのアクセスを禁止する。
【0005】
また、特許文献3には、情報の利便性と安全性という相反することを同時に満足させることを目的とする携帯端末情報管理システムが開示されている。具体的には、上記携帯端末情報管理システムは、メモリカードに記憶される表示情報を、ユーザの現在位置に基づいて第1記憶部又は第2記憶部に転送を行う。すなわち、ユーザ位置情報と前回ユーザ位置情報とが一致しないと判定された場合、メモリカード、第1記憶部または第2記憶部のいずれかの記憶部に記憶されている表示情報を、他の2つの記憶部のいずれに記憶させるかを表す記憶位置を、変化したユーザ位置情報に基づいて決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−070073号公報(2009年4月2日公開)
【特許文献2】特開2009−259115号公報(2009年11月5日公開)
【特許文献3】特開2010−086165号公報(2010年4月15日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、位置情報に応じてセキュリティ管理を行った後、従来の技術、例えば、特許文献1〜3に記載の技術では、位置情報が経度緯度などで表されるため、以下のような問題が生じていた。すなわち、情報端末のユーザにとって、位置情報が示す場所を把握することが難しく、機能制限が掛けられた場所を確認するのは難しい。
【0008】
また、逆に、誰でも確認しやすくすると、セキュリティ設定状態を他人が容易に認識できてしまうので、望ましくない。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、機能制限が掛けられた場所を確認しやすく、且つ、他人が容易に認識することを防ぐことが可能な情報端末および情報端末の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報端末は、位置情報が付加された位置情報付き画像データと、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報とを関連付けて記憶する記憶部と、自情報端末の現在位置を取得する位置情報取得手段と、上記位置情報取得手段によって取得された自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データを、上記記憶部から検索し、適用画像データとして抽出する適用画像検索手段と、上記適用画像検索手段が抽出した上記適用画像データおよび/または上記適用画像データを識別するための識別情報を、表示部に表示する画像表示手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る情報端末の制御方法は、情報端末は、位置情報が付加された位置情報付き画像データと、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報とを関連付けて記憶する記憶部を備え、自情報端末の現在位置を取得する位置情報取得ステップと、上記位置情報取得ステップにて取得された自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データを、上記記憶部から検索し、適用画像データとして抽出する適用画像検索ステップと、上記適用画像検索ステップにて抽出した上記適用画像データおよび/または上記適用画像データを識別するための識別情報を、表示部に表示する画像表示ステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報と関連付けられた位置情報付き画像データのうち、自情報端末の現在位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された適用画像データ(位置情報付き画像データ)を抽出し、その適用画像データおよび/または適用画像データを識別するための識別情報を、表示部に表示することができる。ここで、上記「所定の条件」とは、具体的には、例えば、画像データに付加されている位置情報を中心とする有効範囲内に、現在位置が含まれている場合、当該画像データを適用画像データとする。
【0013】
よって、ユーザにとって、機能制限が掛けられた場所を容易に確認することができる効果を奏する。また、他人が見ても、容易に認識することができないため、セキュリティを一層高めることができるという効果を奏する。
【0014】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記画像表示手段は、上記適用画像データを、自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データであることを示す情報である適用画像明示情報とともに、上記表示部に表示することを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、適用画像データと、適用画像明示情報とを一緒に表示することができる。
【0016】
よって、ユーザが、適用画像明示情報によって、適用画像データを容易に識別することができる。
【0017】
また、適用画像データを見るだけで、現在機能制限が掛けられた場所が一目で分かり、経緯度などのテキストでの表示よりも、どの場所であるかを直感的に認識することができる。また、詳細な位置情報が表示されないため、セキュリティを保つことが期待できる。さらに、事前にユーザ自身で適用画像明示情報の表示方法を指定できるようにすることにより、ユーザは容易に認識できる一方、他人が容易に認識することを防ぐことができるという効果を奏する。
【0018】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記適用画像検索手段が、自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データを複数抽出したとき、上記画像表示手段は、上記所定の条件を最も良く満たす1つの位置情報付き画像データと、抽出された他の位置情報付き画像データとを、区別して上記表示部に表示することを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、上記所定の条件を満たす画像データが複数ある場合、最も良く満たすものから、段階的に区別して表示することができる。
【0020】
よって、ユーザが現在位置だけではなく、現在位置周辺にある機能制限が掛けられた場所も把握することができるという効果を奏する。
【0021】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記画像表示手段は、上記適用画像データを他の画像データとともに一覧表示するとき、ユーザの操作に応じて画像データを選択するためのカーソルを上記適用画像データに当てた状態で、一覧表示を開始することを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、一覧表示の初期状態(デフォルト状態)として、カーソルを適用画像データに当ることができる。
【0023】
よって、一覧表示を開始する直後に、ユーザが操作しない限り、カーソルが必ず適用画像データに当てることができるので、ユーザが一覧表示画面を操作する前に、適用画像データを容易に識別することができるという効果を奏する。さらに、ユーザが適用画像データを識別した後、カーソルを移動するだけで、適用画像データを他人に認識することを防ぐことができるという効果も奏する。
【0024】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記画像表示手段は、上記適用画像データを、他の画像データとともに一覧表示するとともに、ユーザの操作に応じて画像データを選択するカーソルにより、上記適用画像データが選択されたとき、当該選択された上記適用画像データに上記適用画像明示情報を表示することを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、カーソルが当る画像データによって、カーソルの表示仕方を変わることができる。すなわち、画像データにカーソルを当てることによって、適用画像データであるか否かを確認することができる。
【0026】
よって、調べたい画像データにカーソルに当てることで、その画像データが適用画像データであるか否かを簡単に確認することができるという効果を奏する。また、興味のない画像データについては、選択されないと、表示が変わらないため、ユーザに邪魔にならないという効果も奏する。
【0027】
さらに、本発明に係る情報端末は、上記画像表示手段は、上記適用画像検索手段が抽出した上記適用画像データを、待ち受け画面として上記表示部に表示することを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、待ち受け画面にて適用画像ファイルを表示させることができる。
【0029】
よって、情報端末の待ち受け画面を見れば、現在機能制限が掛けられた場所を簡単に確認することができる。それゆえ、ユーザの操作を減らすことができるという効果を奏する。
【0030】
さらに、本発明に係る情報端末は、自情報端末の機能を制限しているとき、上記画像表示手段は、上記制限の内容を示す機能制限設定情報と関連付けられている位置情報付き画像データを、上記表示部に表示することを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、機能が制限されているとき、少なくとも、上記制限の内容を示す機能制限設定情報と関連付けられている位置情報付き画像データを表示することができる。
【0032】
よって、機能が制限されているときに、例えば、情報端末がロックされている最中に、画像一覧画面を起動できなくても、適用画像データを確認することができるという効果を奏する。
【0033】
なお、上記情報端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報端末をコンピュータにて実現させる情報端末の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明に係る情報端末は、位置情報が付加された位置情報付き画像データと、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報とを関連付けて記憶する記憶部と、自情報端末の現在位置を取得する位置情報取得手段と、上記位置情報取得手段によって取得された自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データを、上記記憶部から検索し、適用画像データとして抽出する適用画像検索手段と上記適用画像検索手段が抽出した上記適用画像データおよび/または上記適用画像データを識別するための識別情報を、表示部に表示する画像表示手段とを備える構成である。
【0035】
また、本発明に係る情報端末の制御方法は、情報端末は、位置情報が付加された位置情報付き画像データと、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報とを関連付けて記憶する記憶部を備え、自情報端末の現在位置を取得する位置情報取得ステップと、上記位置情報取得ステップにて取得された自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データを、上記記憶部から検索し、適用画像データとして抽出する適用画像検索ステップと、上記適用画像検索ステップにて抽出した上記適用画像データおよび/または上記適用画像データを識別するための識別情報を、表示部に表示する画像表示ステップとを含む方法である。
【0036】
よって、ユーザにとって、機能制限が掛けられた場所を容易に確認することができる効果を奏する。また、他人が見ても、容易に認識することができないため、セキュリティを一層高める効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)(b)は、図1に示した携帯電話機のセキュリティ機能切り替え処理の概要の一例を示す図である。
【図3】(a)(b)は、図1に示した携帯電話機におけるセキュリティ機能に係る設定情報を格納する管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】(a)(b)は、図1に示した携帯電話機において、各画像ファイルにおける位置情報および有効範囲の関係の一例を示す図である。
【図5】図1に示した携帯電話機における色分け管理テーブルの一例を示す図である。
【図6】図1に示した携帯電話機におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】(a)(b)は、図1に示した携帯電話機において、現在位置が含まれる画像ファイルが複数存在する場合の基本的なパターンを示す図である。
【図8】(a)〜(d)は、図1に示した携帯電話機の画像一覧画面の表示例を示す図である。
【図9】図1に示した携帯電話機における画像一覧機能の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の別の実施形態に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示した携帯電話機におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】(a)(b)は、図10に示した携帯電話機の画像一覧画面の表示例を示す図である。
【図13】図10に示した携帯電話機における画像一覧機能の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明のさらに別の実施形態に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示した携帯電話機におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】(a)(b)は、図14に示した携帯電話機における画面ロック中の壁紙の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の一実施形態に係る情報端末について、図面を参照して説明すれば以下のとおりである。なお、本実施形態に係る情報端末は、携帯電話機として実現されている。このため、以下では、本実施形態に係る情報端末を端的に携帯電話機と呼称する。
【0039】
ただし、本発明は、携帯電話機に限らず、セキュリティ機能を備える情報端末一般に適用することができる。
【0040】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について図1から図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0041】
(セキュリティ機能切り替え処理概要)
本実施形態のセキュリティ機能切り替え処理の概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態のセキュリティ機能切り替え処理の概要の一例を示す図であり、位置を仕事場と仕事場以外とに分けて、セキュリティ管理を行う例を示す図である。図2の(a)は、カメラで撮影した画像ファイルを、位置情報付きで保存する場面を示す図である。図2の(b)は、位置情報に基づいて、セキュリティレベルを切り替える場面を示す図である。
【0042】
図2の(a)に示すように、まず、ユーザは自分の仕事場をカメラで撮影する。撮影した後、携帯電話機1(図1参照;情報端末)において、撮影場所を表す位置情報(すなわち、仕事場近傍の位置情報)を、上記撮影した画像ファイルに付加して保存する。
【0043】
その後、セキュリティ設定を行う。ここで、セキュリティ設定とは、セキュリティレベルおよび有効範囲の設定である。
【0044】
例えば、セキュリティレベルは「低」とし、有効範囲は「20m」(すなわち、20メートル)として設定されるものとする。上記の場合には、携帯電話機1は、画像ファイルに付加されている位置情報を中心に半径20m以内の範囲において、セキュリティレベルを「低」にし、上記範囲外において、セキュリティレベルを「高」にして、セキュリティを管理することを意味する。
【0045】
そして、図2の(b)に示すように、携帯電話機1を持つユーザが自分の仕事場にいるとき(すなわち、撮影された上記画像ファイルに付加されている位置情報を中心に半径20m以内の範囲にいるとき)、携帯電話機1は自動的にセキュリティレベルを「低」に設定する。一方、ユーザが自分の仕事場以外にいるとき(すなわち、上記範囲外にいるとき)、携帯電話機1は自動的にセキュリティレベルを「高」に設定する。
【0046】
次に、上記セキュリティレベルおよび有効範囲について、図3を参照して説明する。
【0047】
図3は、本実施形態において、セキュリティ機能に係る設定情報を格納する管理テーブルの一例を示す図である。図3の(a)は、画像ファイル毎に対応するセキュリティ設定情報(セキュリティレベルおよび有効範囲;機能制限設定情報)を示すセキュリティ設定管理テーブルである。図3の(b)は、セキュリティレベル毎に対応するセキュリティ機能の有効状態を示すセキュリティ有効状態管理テーブルである。
【0048】
図3の(a)に示すように、例えば、番号「1」に対応する行は、画像ファイル「IMG0001.jpg」に付加されている位置情報を中心に、半径「20m」以内の有効範囲において、セキュリティレベルを「高」に設定することを示している。
【0049】
そして、図3の(b)に示すように、セキュリティレベル「高」は、例えば、「待機画面」、「メール」、「電話」、「電話帳」および「画像一覧」機能に対して、セキュリティ機能をONに設定するように定義されている。すなわち、セキュリティレベル「高」に設定されると、上記5つの機能をユーザが利用できない状態となる。
【0050】
また、例えば、図3の(a)に示す番号「3」に対応する行は、画像ファイル「dcf0023.jpg」に付加されている位置情報を中心に、半径「100m」以内の有効範囲において、セキュリティレベルを「低」に設定することを示している。
【0051】
そして、図3の(b)に示すように、セキュリティレベル「低」は、例えば、「電話帳」以外の機能に対して、セキュリティ機能をOFFに設定し、「電話帳」機能に対して、セキュリティ機能をONに設定するように定義されている。すなわち、セキュリティレベル「低」に設定されると、「電話帳」機能だけが利用できないように制限され、「電話帳」以外の機能(「待機画面」、「メール」、「電話」および「画像一覧」)は利用できるような状態となる。
【0052】
本実施形態では、図3の(a)に示すセキュリティ設定管理テーブルにおいて、「ファイル名」列に記載されている画像ファイルについては、すべて位置情報が付加されているものとする。本実施形態では、位置情報を付加する方法としては、ジオタグなどの位置情報を画像ファイルのExifデータに付加する。なお、位置情報を付加する方法は特に限定されず、画像ファイルと位置情報とを関連付けて管理できればよく、本実施形態のように、位置情報を画像ファイルと一体のデータとして保持しても良いし、別体のデータとして保持しても良い。すなわち、例えば、位置情報を画像ファイルとは別個のデータとし、画像ファイルと位置情報とを関連付けて管理テーブルによって管理してもよい。
【0053】
また、本実施形態では、画像ファイル毎に対応するセキュリティ設定情報(セキュリティレベルおよび有効範囲)は、セキュリティ設定管理テーブルで記憶しているが、本発明は、それに限定されず、例えば、セキュリティ設定情報を、位置情報と同じように、画像ファイルのExifデータに付加してもよい。
【0054】
また、本実施形態では、図3の(b)に示すセキュリティ有効状態管理テーブルのセキュリティ機能の有効状態については、予め決められているものであってもよいし、ユーザの操作によって変更可能になっているものであってもよい。
【0055】
また、本実施形態では、有効範囲外においては、セキュリティレベルが常に「高」となっている。なお、有効範囲外におけるセキュリティレベルは、ユーザの操作によって変更可能にしてもよい。
【0056】
さらに、本実施形態のセキュリティ機能切り替え処理の概要は、図2に示す内容に限定するものではない。
【0057】
例えば、図2の(a)に関しては、位置情報付き画像ファイル(位置情報付き画像データ)に用いる画像ファイルは自機のカメラで撮影したものに限定されず、外部装置から転送されたものを利用してもよい。また、位置情報は、最初から画像ファイルに付加されなくても、後で、位置情報を付加するソフト(例えば、カシミール、AbleCVなど)を利用して付加してもよい。
【0058】
さらに、図2の(b)に関しては、セキュリティ機能を管理するとき、上記説明したように、図3の(b)に示すセキュリティ有効状態管理テーブルに従って、セキュリティレベル毎に複数の機能に対応するセキュリティ機能のON/OFFを一斉に切り替えてもよいし、機能(例えば、「メール」、「電話」など)毎に、携帯電話機が有効範囲内にいるか否かによって、セキュリティ機能のON/OFFを切り替えてもよい。
【0059】
(携帯電話機の要部構成)
本実施形態に係る携帯電話機1の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、携帯電話機1の要部構成を示すブロック図である。
【0060】
図1に示すように、携帯電話機1は、GPS10と、記憶部20と、入力部30と、表示部40と、制御部50とを備えている。なお、携帯電話機1は、これらの部材以外にも、スピーカ、マイク、バッテリー等の部材を備えていてもよいが、発明の特徴点とは関係がないため当該部材を図示していない。
【0061】
GPS10は、人工衛星から発信される電波を受信して、現在位置の経緯度や高度を測定するものである。なお、GPSに限定することなく、現在位置を特定できるものであればよく、例えば、基地局との通信によって、基地局から現在位置を受信してもよい。
【0062】
記憶部20は、制御部50が実行する制御プログラムおよびOSプログラム、ならびに、制御部50が、携帯電話機1が有する各種機能(例えば、後述の、画像一覧機能、セキュリティ機能切り替えなど)を実行するときに読み出す各種のデータを記憶するものである。本実施形態では、記憶部20には、例えば、画像ファイル、管理テーブル(図3の(a)(b)を参照)、および現状のセキュリティレベルを表す現状設定情報などのデータを記憶する。記憶部20は、例えば、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどで実現される。なお、内容の書き換えが不要な情報を記憶する記憶部としては、記憶部20とは別の、図示しない、読出し専用の半導体メモリであるROMなどで実現されてもよい。
【0063】
入力部30は、ユーザの操作指示を取得して、指示信号を生成するものである。
【0064】
表示部40は、制御部50の指示に従って画像を表示するものである。表示部40は、制御部50の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0065】
制御部50は、記憶部20から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0066】
なお、説明の便宜上、制御部50において、破線で囲まれているブロックB1は、セキュリティ機能の切り替えを行う機能ブロックであり、破線で囲まれているブロックB2は、画像一覧を表示する機能ブロックである。
【0067】
本実施形態では、制御部50は、ブロックB1として、位置情報取得部501(位置情報取得手段)と、画像ファイル抽出部502(適用画像検索手段)と、画像ファイル選別部503と、設定情報特定部504と、画像色分け部505と、現状設定情報取得部506と、セキュリティ機能制御部507とを備えている。また、ブロックB2として、操作取得部508と、画像一覧機能制御部509と、画像色分け検索部510と、表示制御部511(画像表示手段)とを備えている。これらの制御部50の各部(501〜511)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0068】
以下では、まず、ブロックB1が備える各部を説明する。
【0069】
位置情報取得部501は、GPS10から取得した経緯度の位置情報を読み出すものである。
【0070】
画像ファイル抽出部502は、記憶部20に記憶されている位置情報付き画像ファイルの中から、その画像ファイルに関連付けられている有効範囲(図3の(a)を参照)内に、位置情報取得部501が読み出した上記位置情報が表す位置を含むものを抽出するものである。
【0071】
画像ファイル選別部503は、画像ファイル抽出部502が抽出した画像ファイルが複数ある場合に、後述する優先順位の判断方法に従って、1枚の画像ファイルを選別するものである。
【0072】
ここで、抽出(または選別)された1枚の画像ファイルについて、説明の便宜上、以降では、適用画像ファイル(適用画像データ)と称する場合がある。
【0073】
設定情報特定部504は、上記適用画像ファイルに基づいて、セキュリティ設定管理テーブル(図3の(a))を参照して、セキュリティレベルを特定し、特定したセキュリティレベルに基づいて、セキュリティ有効範囲管理テーブル(図3の(b))を参照して、各機能のセキュリティ機能有効状態を特定するものである。
【0074】
画像色分け部505は、適用画像ファイルがある場合には、上記適用画像ファイルの識別情報(例えば、ファイル名など)とともに、色情報としての「赤色」を、後述する色分け管理テーブルに格納する。そして、後述する近隣範囲画像ファイル(近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイル)の検索方針に沿って、近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイルを検索し、それぞれの識別情報とともに、色情報としての「黄色」および「オレンジ色」を、上記色分け管理テーブルに格納するものである。また、適用画像ファイルがない場合には、直接近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイルを検索し、それぞれ、「黄色」および「オレンジ色」とともに、上記色分け管理テーブルに格納するものである。
【0075】
ここで、近隣範囲画像ファイルの検索方針について、図4に基づいて説明する。図4は、各画像ファイルにおける位置情報および有効範囲の関係の一例を示す図である。図4の(a)は、適用画像ファイルが存在する場合の例を示す図である。なお、図4の(a)において、適用画像ファイルは既に選別されているため、図面からは省略している。図4の(b)は、適用画像ファイルが存在しない場合の例を示す図である。
【0076】
適用画像ファイルが存在する場合、近隣範囲画像ファイル(近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイル)の検索方針は、以下のとおりである。すなわち、適用画像ファイルを除いて、画像ファイルに関連付けられている有効範囲が現在位置を含む場合に、その画像ファイルを、近隣画像ファイルと判断し、さらに、上記判断された近隣画像ファイルの内、画像ファイルに付加されている位置情報と、現在位置との距離が一番近い画像ファイルを、一番近い近隣画像ファイルと判断する。
【0077】
例えば、図4の(a)に示すように、適用画像ファイルが既に取り除かれたため、有効範囲が現在位置を含む画像ファイルであるB2およびB3は、近隣画像ファイルであり、さらに、近隣画像ファイル(B2およびB3)の内、位置情報が現在位置との距離が一番近い画像ファイルであるB2は、一番近い近隣画像ファイルである。
【0078】
また、適用画像ファイルが存在しない場合、近隣範囲画像ファイル(近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイル)の検索方針は、以下のとおりである。すなわち、近隣範囲(例えば、1000m)が予め決められており、現在位置を中心とする近隣範囲内の領域に、画像ファイルに付加されている位置情報が含まれる場合に、当該画像ファイルを近隣画像ファイルと判断する。さらに、上記判断された近隣画像ファイルの内、画像ファイルに付加されている位置情報と、現在位置との距離が一番近い画像データを、一番近い近隣画像ファイルと判断する。
【0079】
例えば、図4の(b)に示すように、位置情報が近隣範囲に含まれる画像ファイルであるB4およびB5は、近隣画像ファイルであり、さらに、近隣画像ファイル(B4およびB5)の内、位置情報が現在位置との距離が一番近い画像ファイルであるB5は、一番近い近隣画像ファイルである。
【0080】
また、色分け管理テーブルについては、図5に基づいて説明する。図5は、色分け管理テーブルの一例を示す図である。ここで、色分け管理テーブルは、「管理番号」と、「ファイル名」と、「色」とから構成される。画像色分け部505は、画像ファイルとその画像ファイルに対応する色とを関連付けて、上記色分け管理テーブルに格納する。
【0081】
現状設定情報取得部506は、記憶部20から、現状のセキュリティレベルを表す現状設定情報を取得するものである。
【0082】
セキュリティ機能制御部507は、設定情報特定部504によって特定されたセキュリティレベルと、現状設定情報取得部506によって取得された現状設定情報とを比較して、異なる場合には、設定情報特定部504によって特定されたセキュリティレベルに基づいて、セキュリティ状態を変更するものである。
【0083】
次に、ブロックB2が備える各部を説明する。
【0084】
操作取得部508は、入力部30が生成した指示信号を取得するものである。
【0085】
画像一覧機能制御部509は、画像一覧画面を起動したり、表示に必要な各種設定を行ったりするものである。例えば、画像一覧画面において、カーソルの位置やカーソルの色(適用画像明示情報)などを設定するものである。
【0086】
画像色分け検索部510は、色分け管理テーブル(図5を参照)において検索を行うものである。具体的には、画像色分け検索部510は、「赤色」に関連付けている画像ファイルを、上記色分け管理テーブルで検索する。また、画像一覧機能制御部509が通知する画像ファイル名に関連付けている「色」を、上記色分け管理テーブルで検索する。そして、検索した結果を画像一覧機能制御部509に送信する。
【0087】
表示制御部511は、表示部40に表示するための画像を生成し、生成した画像を表示部40に出力するものである。
【0088】
(セキュリティ機能切り替え処理の流れ)
携帯電話機1におけるセキュリティ機能切り替え処理の流れについて、図6に基づいて説明する。図6は、携帯電話機1におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
図6に示すように、まず、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を取得する(S101;位置情報取得ステップ)。
【0090】
続いて、画像ファイル抽出部502は、記憶部20に保存されている画像ファイルの中から、その画像ファイルに関連付けられている有効範囲(図3の(a)参照)に、上記位置情報取得部501によって取得された現在位置が含まれる画像ファイルを検索して抽出する(S102;適用画像検索ステップ)。
【0091】
次に、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあると判断した場合(S103でYes)、続いて、判断対象となる上記画像ファイルが複数あるか否かを判断する(S104)。
【0092】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数あると判断した場合(S104でYes)、画像ファイル選別部503は、優先順位の一番高い画像ファイルを選別する。
【0093】
ここで、本実施形態における優先順位の判断方法を、図7を参照して説明する。図7は、現在位置が含まれる画像ファイルが複数存在する場合の基本的なパターンを示す図である。図7にある円の領域は、画像ファイルに関連付けられている有効範囲を示すものであり、斜線の領域は、上記有効範囲が重なっている部分を示すものである。図7の(a)は、抽出した2つの画像ファイルの内、1つに関連付けられている有効範囲a2は、もう1つの画像ファイルに関連付けられている有効範囲a1内に全部重なっている(有効範囲a2は、有効範囲a1の中に完全に含まれている)場合の例を示す図である。図7の(b)は、抽出した2つの画像ファイルに関連付けられている有効範囲b1および有効範囲b2が一部重なっている場合の例を示す図である。
【0094】
本実施形態における優先順位の判断方法としては、まず、図7の(a)に示すように、有効範囲a2は、有効範囲a1内に全部重なっている場合、一番内側にある有効範囲(ここで、有効範囲a2)を持つ画像ファイルに関連付けられているセキュリティ設定情報を有効とする。さらに、一番内側にある有効範囲が複数あり、しかも、図7の(b)に示すように、その有効範囲(ここで、有効範囲b1および有効範囲b2)が一部重なっている場合、上記複数の有効範囲の中で、セキュリティレベルが一番高い有効範囲(ここで、有効範囲b1)を持つ画像ファイルに関連付けられているセキュリティ設定情報を有効とする。
【0095】
なお、優先順位の判断方法は特に限定されず、1枚の画像ファイルを選別して、セキュリティ設定情報を特定できればよく、例えば、常にセキュリティレベルの一番高いものや、一番低いものなどを選別してもよい。
【0096】
画像ファイル選別部503は、上記優先順位の判断方法に基づいて、まず、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選別する(S105)。続いて、画像ファイル選別部503は、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選別する(S106)。これによって、1枚の画像ファイル(以降では、「適用画像ファイル」と称する)が選別される。
【0097】
具体的には、例えば、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選別する。結果としては、1枚の画像ファイル、または、有効範囲の一部が重なっている複数の画像ファイルが選別されたことになる。1枚の画像ファイルが選別された場合には、上記S106の処理は省略してもよいが、複数の画像ファイルが選別された場合には、続いて、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選別する。結果としては、1枚の画像ファイル(適用画像ファイル)が選別されたことになる。
【0098】
そして、設定情報特定部504は、セキュリティ設定管理テーブルに基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S107)。
【0099】
一方、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ではない(1枚である)と判断した場合(S104でNo)、設定情報特定部504は、セキュリティ設定管理テーブルに基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S107)。
【0100】
そして、画像色分け部505は、上記抽出(または選別)した1枚の画像ファイル(適用画像ファイル)の識別情報と色情報である「赤色」とをとともに、色分け管理テーブルに格納する。(S108)
一方、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像がない(適用画像がない)と判断した場合(S103でNo)、設定情報特定部504は、有効範囲外(現在位置が含まれる画像が存在しない、すなわち、現在位置が画像に関連付けている有効範囲のいずれにも含まれていない)のセキュリティ設定情報を参照して、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S109)。なお、本実施形態では、有効範囲外のセキュリティレベルは常に「高」となっているので、上記設定すべきセキュリティレベルは「高」と特定される。
【0101】
そして、画像色分け部505は、上記近隣範囲画像ファイルの検索方針に沿って、近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイルを検出する(S110)。
【0102】
画像色分け部505は、近隣範囲画像ファイルを検出した場合(S110でYes)、一番近い近隣画像ファイルの識別情報を色情報である「オレンジ色」とともに、それ以外の近隣画像ファイルの識別情報を色情報である「黄色」とともに、それぞれ色分け管理テーブルに格納する(S111)。そして、設定情報特定部504は、上記特定したセキュリティレベルをセキュリティ機能制御部507に通知する。
【0103】
一方、画像色分け部505が、近隣範囲画像ファイルを検出しない場合(S110でNo)、設定情報特定部504は、上記特定したセキュリティレベルをセキュリティ機能制御部507に通知する。
【0104】
次に、現状設定情報取得部506は、記憶部20から、現状設定情報を取得し、セキュリティ機能制御部507に通知する。
【0105】
そして、セキュリティ機能制御部507は、設定情報特定部504によって通知された設定すべきセキュリティレベルと、現状設定情報取得部506によって通知された現状設定情報とを比較する(S112)。
【0106】
セキュリティ機能制御部507は、上記比較した結果が“異なる”場合(S112でYes)、上記設定すべきセキュリティレベルにセキュリティ状態を変更する(S113)。そして、新しく設定されたセキュリティレベルを、記憶部20に、現状設定情報として記憶する。その後、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S114)。
【0107】
一方、セキュリティ機能制御部507が、上記比較した結果が“同じ”場合(S112でNo)、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S114)。
【0108】
制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了すると判断した場合(S114でYes)、セキュリティ機能切り替え処理を終了させる(S115)。一方、制御部50が、セキュリティ機能切り替え処理を終了しないと判断した場合(S114でNo)、位置情報取得部501は、GPSより現在位置を繰り返し取得する(S101)。
【0109】
(画像一覧画面の例)
次に、携帯電話機1の画像一覧画面の一例を、図8を参照して説明する。図8は、携帯電話機1の画像一覧画面の表示例を示す図である。
【0110】
画像一覧機能制御部509が、画像一覧機能を起動した直後、適用画像ファイルがある場合には、カーソル位置を、当該適用画像ファイルに設定し、カーソル色を、適用画像ファイルを意味する「赤色」に設定する。一方、画像一覧機能制御部509が、画像一覧機能を起動した直後、上記適用画像ファイルがない場合には、カーソル位置を、先頭画像に設定し、カーソル色を、通常のカーソル色(例えば、「黒色」)に設定する。図8の(a)は、画像一覧機能を起動した直後に、カーソルを移動せず、且つ、適用画像ファイルが存在する場合の画像一覧画面の例を示す図である。図8の(a)に示すように、カーソルは適用画像ファイルに当たって、赤色で表示されている。
【0111】
また、ユーザによってカーソルが移動された場合には、画像一覧機能制御部509は、カーソルが当たっている画像ファイルは、適用画像ファイルと、近隣画像ファイルと、一番近い近隣画像ファイルとの内、どの画像ファイルに当てはまるかを判断する。適用画像ファイルの場合には、カーソル色を「赤色」に設定し、近隣画像ファイルの場合には、カーソル色を「黄色」に設定し、また、一番近い近隣画像ファイルの場合には、カーソル色を「オレンジ色」に設定する。
【0112】
図8の(b)は、カーソルが当たっている画像ファイルが近隣画像ファイルである場合の表示例を示す図である。図8の(b)に示すように、カーソルは黄色で表示されている。
【0113】
図8の(c)は、カーソルが当たっている画像ファイルが一番近い近隣画像ファイルである場合の表示例を示す図である。図8の(c)に示すように、カーソルはオレンジ色で表示されている。
【0114】
また、図8の(d)は、カーソルが当たっている画像ファイルが適用画像ファイルでもなく、近隣画像ファイルまたは一番近い近隣画像ファイルでもない場合の表示例を示す図である。図8の(d)に示すように、カーソルは、通常の色(ここでは、黒色)で表示されている。
【0115】
なお、本実施形態では、カーソルの色によって、適用画像ファイルと、近隣画像ファイルと、一番近い近隣画像ファイルとを区別するが、本発明は、それに限定することなく、適用画像ファイルと、近隣画像ファイルと、一番近い近隣画像ファイルとを区別できればよく、例えば、カーソルの形によって区別してもよい。
【0116】
(画像一覧機能処理の流れ)
次に、携帯電話機1における画像一覧機能の処理の流れについて、図9に基づいて説明する。図9は、携帯電話機1における画像一覧機能の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0117】
図9に示すように、まず、操作取得部508は、ユーザから、入力部30を介して、入力された画像一覧画面を表示させる指示信号を受信したら、その旨を、画像一覧機能制御部509に通知する。そして、画像一覧機能制御部509は画像一覧機能の起動を開始する(S201)。
【0118】
次に、画像色分け検索部510は、記憶部20に記憶されている色分け管理テーブルに基づいて、「赤色」と関連付けて記憶されている画像ファイルを検索する(S202)。画像色分け検索部510は、「赤色」と関連付けて記憶されている画像ファイルを見つければ(S202でYes)、カーソル位置をその画像ファイルに設定し、カーソル色を「赤色」に設定する(S203)。一方、画像色分け検索部510は、「赤色」と関連付けて記憶されている画像ファイルを見つけなければ(S202でNo)、カーソル位置を先頭画像ファイルに設定し、カーソル色を通常の色(ここでは、黒色)に設定する(S204)。
【0119】
カーソルの位置が設定されていれば、次に、画像一覧機能制御部509は、表示制御部511に指示し、画像一覧画面を表示部40に表示させる(S205;画像表示ステップ)。
【0120】
次に、操作取得部508は、ユーザから、入力部30を介して、入力された“カーソルの移動”を検出する(S206)。操作取得部508は、“カーソルの移動”を検出しない場合(S206でNo)、画像一覧画面を表示し続ける(S205)。一方、操作取得部508は、“カーソルの移動”を検出した場合(S206でYes)、その旨を画像一覧機能制御部509に通知する。そして、画像一覧機能制御部509は、カーソルによって選択された画像ファイルを特定し、その画像ファイル名を、画像色分け検索部510に通知する。そして、画像色分け検索部510は、画像一覧機能制御部509から受信した画像ファイル名に基づいて、色分け管理テーブルで上記画像ファイルを検索する(S207)。
【0121】
画像色分け検索部510は、上記画像ファイルを見つけた場合(S208でYes)、上記画像ファイルに関連付けられている色を、画像一覧機能制御部509に通知する。画像一覧機能制御部509は、上記通知された色で、カーソル色を設定する(S209)。一方、画像色分け検索部510は、上記画像ファイルを見つけていない場合(S208でNo)、その旨を画像一覧機能制御部509に通知する。画像一覧機能制御部509は、通常の色(ここでは、黒色)で、カーソル色を設定する(S210)。
【0122】
次に、画像一覧機能制御部509は、画像一覧画面を再表示するように、表示制御部511に指示し、表示部40に表示させる(S211;画像表示ステップ)。
【0123】
そして、画像一覧機能制御部509は、画像一覧表示を終了するか否かを判断する(S212)。ここで、画像一覧表示を終了するか否かの判断方法は、特に限定されず、例えば、ユーザが「クリア」キーを入力した場合、画像一覧表示を終了すると判断してもよいし、タイムアウトなどによって、画像一覧表示を終了すると判断してもよい。
【0124】
画像一覧機能制御部509は、画像一覧表示を終了すると判断した場合(S212でYes)、画像一覧表示処理を終了する。一方、画像一覧機能制御部509は、画像一覧表示を終了しないと判断した場合(S212でNo)、画像一覧画面を表示し続ける(S205)。
【0125】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、携帯電話機1において、色分け管理テーブルに基づいて、画像一覧機能を制御する例を説明したが、以下、第2の実施形態として、携帯電話機2(情報端末)において、管理テーブルを利用せず、画像一覧機能を制御する例を、図10〜図13に基づいて詳細に説明する。
【0126】
また、第1の実施形態では、画像一覧画面に表示される画像ファイルは、カーソル色によって区別されるが、第2の実施形態では、画像一覧画面に表示される画像ファイルは、カーソル色によって区別されるのではなく、画像ファイルの枠色(適用画像明示情報)によって区別される。なお、赤、黄およびオレンジの各色が代表する画像ファイルの種類(適用画像ファイル、近隣画像ファイル、一番違い近隣画像ファイル)は、第1の実施形態と同様とする。
【0127】
また、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、特に説明していない構成要素は、第1の実施形態と同様の構成および機能を有するものとする。
【0128】
(携帯電話機の要部構成)
本実施形態に係る携帯電話機2の構成について、図10に基づいて説明する。図10は、携帯電話機2の要部構成を示すブロック図である。
【0129】
図10に示すように、携帯電話機2は、画像色分け部505および画像色分け検索部510を備えず、画像一覧機能制御部509には、カーソル設定部520と、枠色設定部521と、近隣範囲検索部522とを、さらに備えること以外は、すべて図1に示す携帯電話機1の構成と同様である。
【0130】
また、携帯電話機2の記憶部20’は、携帯電話機1の記憶部20に比べて、色分け管理テーブルの代わりに、現状設定画像および現在位置を格納する。
【0131】
カーソル設定部520は、画像一覧機能制御部509が、画像一覧画面を起動した直後に、カーソル位置を設定するものである。
【0132】
枠色設定部521は、画像一覧機能制御部509が、画像一覧画面を起動した直後に、画面に表示する画像ファイルの枠色を設定するものである。
【0133】
近隣範囲検索部522は、記憶部20’の中で保存されている画像ファイルの中で、近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイルを検索するものである。
【0134】
(セキュリティ機能切り替え処理の流れ)
携帯電話機2におけるセキュリティ機能切り替え処理の流れについて、図11に基づいて説明する。図11は、携帯電話機2におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【0135】
図11に示すように、まず、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を取得する(S301;位置情報取得ステップ)。
【0136】
そして、位置情報取得部501は、取得した現在位置の位置情報を記憶部20’に記憶する(S302)。
【0137】
続いて、画像ファイル抽出部502は、記憶部20’に保存されている画像ファイルの中から、その画像ファイルに関連付けられている有効範囲(図3の(a)参照)に、上記位置情報取得部501によって取得された現在位置が含まれる画像ファイルを検索して抽出する(S303;適用画像検索ステップ)。
【0138】
次に、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあると判断した場合(S304でYes)、続いて、判断対象となる上記画像ファイルが複数あるか否かを判断する(S305)。
【0139】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数あると判断した場合(S305でYes)、画像ファイル選別部503は、図7に示す優先順位の判断方法に基づいて、まず、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選別する(S306)。続いて、画像ファイル選別部503は、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選別する(S307)。これによって、適用画像ファイルが選別される。
【0140】
そして、画像ファイル選別部503は、選別された適用画像ファイルの識別情報(ここでは、適用画像ファイル名)を、記憶部20’に、「現状設定画像」として保存する(S308)。
【0141】
そして、設定情報特定部504は、セキュリティ設定管理テーブルに基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S309)。
【0142】
一方、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ではない(1枚である)と判断した場合(S305でNo)、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した1枚の画像ファイル(適用画像ファイル)の識別情報(ここでは、適用画像ファイル名)を、記憶部20’に、「現状設定画像」として保存する(S308)。
【0143】
そして、設定情報特定部504は、セキュリティ設定管理テーブルに基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S309)。
【0144】
一方、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像がない(適用画像がない)と判断した場合(S304でNo)、画像ファイル抽出部502は、記憶部20’に記憶されている「現状設定画像」の情報をクリアする(S310)。
【0145】
そして、設定情報特定部504は、有効範囲外のセキュリティ設定情報を参照して、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S311)。なお、本実施形態では、有効範囲外のセキュリティレベルは常に「高」となっているので、上記設定すべきセキュリティレベルは「高」と特定される。
【0146】
設定情報特定部504が、設定すべきセキュリティレベルを特定した後、現状設定情報取得部506は、記憶部20’から、現状設定情報を取得し、セキュリティ機能制御部507に通知する。
【0147】
そして、セキュリティ機能制御部507は、設定情報特定部504によって通知された設定すべきセキュリティレベルと、現状設定情報取得部506によって通知された現状設定情報とを比較する(S312)。
【0148】
セキュリティ機能制御部507は、上記比較した結果が“異なる”場合(S312でYes)、上記設定すべきセキュリティレベルにセキュリティ状態を変更する(S313)。そして、新しく設定されたセキュリティレベルを、記憶部20’に、現状設定情報として記憶する。その後、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S314)。
【0149】
一方、セキュリティ機能制御部507が、上記比較した結果が“同じ”場合(S312でNo)、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S314)。
【0150】
制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了すると判断した場合(S314でYes)、セキュリティ機能切り替え処理を終了させる(S315)。一方、制御部50が、セキュリティ機能切り替え処理を終了しないと判断した場合(S314でNo)、位置情報取得部501は、GPSより現在位置を繰り返し取得する(S301)。
【0151】
(画像一覧画面の例)
次に、携帯電話機2の画像一覧画面の一例を、図12を参照して説明する。図12は、携帯電話機2の画像一覧画面の表示例を示す図である。
【0152】
画像一覧機能制御部509が、画像一覧機能を起動した直後、適用画像ファイルがある場合には、カーソル設定部520は、カーソル位置を、当該適用画像ファイルに設定し、枠色設定部521は、適用画像ファイルの枠色を、適用画像ファイルを意味する「赤色」に設定して、色情報である「赤色」を、適用画像ファイルの識別情報とともに、色分け管理テーブルに記憶する。また、枠色設定部521は、近隣画像ファイルの枠色と、一番近い近隣画像ファイルの枠色とを、それぞれ、「黄色」と「オレンジ色」とに設定して、色情報である「黄色」を、近隣画像ファイルの識別情報とともに、また、色情報である「オレンジ色」を、一番近い近隣画像ファイルの識別情報とともに、それぞれ色分け管理テーブルに記憶する。
【0153】
一方、画像一覧機能制御部509が、画像一覧機能を起動した直後、上記適用画像ファイルがない場合には、カーソル設定部520は、カーソル位置を、先頭画像に設定する。また、枠色設定部521は、近隣画像ファイルの枠色と、一番近い近隣画像ファイルの枠色とを、それぞれ、「黄色」と「オレンジ色」とに設定し、それ以外の画像ファイルの枠色を、通常の枠色(例えば、「黒色」)に設定する。
【0154】
図12の(a)は、画像一覧機能を起動した直後に、カーソルを移動せず、且つ、適用画像ファイルが存在する場合の画像一覧画面の例を示す図である。図12の(a)に示すように、カーソルは適用画像ファイルに当たって、その適用画像ファイルの枠色は赤色で表示されている。また、近隣画像ファイルや、一番近い近隣画像ファイルは、それぞれ「黄色」や「オレンジ色」で表示されている。
【0155】
また、図12の(b)は、画像一覧機能を起動した直後に、カーソルを移動せず、且つ、適用画像ファイルが存在しない場合の画像一覧画面の例を示す図である。図8の(b)に示すように、カーソルは先頭画像ファイルに当たる。また、近隣画像ファイルや、一番近い近隣画像ファイルは、それぞれ「黄色」や「オレンジ色」で表示されている。
【0156】
なお、本実施形態では、画像ファイルの枠色によって、適用画像ファイルと、近隣画像ファイルと、一番近い近隣画像ファイルとを区別するが、本発明は、それに限定することなく、適用画像ファイルと、近隣画像ファイルと、一番近い近隣画像ファイルとを区別できればよく、例えば、画像ファイルの枠の形によって区別してもよいし、画像ファイルをモノクロで表示したり、透明度によって表示したりすることなどによって区別してもよいし、画像を四角形、三角形などの幾何図形でカットして表示することによって区別してもよい。
【0157】
(画像一覧機能処理の流れ)
次に、携帯電話機2における画像一覧機能の処理の流れについて、図13に基づいて説明する。図13は、携帯電話機2における画像一覧機能の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0158】
図13に示すように、まず、操作取得部508は、ユーザから、入力部30を介して、入力された画像一覧画面を表示させる指示信号を受信したら、その旨を、画像一覧機能制御部509に通知する。そして、画像一覧機能制御部509は画像一覧機能の起動を開始する(S401)。
【0159】
次に、画像一覧機能制御部509は、記憶部20’に記憶されている「現状設定画像」には、情報があるか否かを判断する(S402)。画像一覧機能制御部509が、「現状設定画像」には、情報があると判断した場合(S402でYes)、カーソル設定部520は、カーソル位置をその画像ファイルに設定する(S403)。
【0160】
そして、枠色設定部521は、上記画像ファイル枠色を「赤色」に設定して、色情報である「赤色」を、上記画像ファイルの識別情報とともに、色分け管理テーブルに記憶する(S404)。
【0161】
一方、画像一覧機能制御部509が、「現状設定画像」には、情報がないと判断した場合(S402でNo)、カーソル位置を先頭画像ファイルに設定する(S405)。
【0162】
カーソル位置が設定されていれば、次に、画像一覧機能制御部509は、記憶部20’から、現在位置を取得し、近隣範囲検索部522に通知する。そして、近隣範囲検索部522は、上記近隣範囲画像ファイルの検索方針に沿って、近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイルを検出する(S406)。
【0163】
近隣範囲検索部522は、近隣範囲の画像ファイル(近隣画像ファイルおよび/または一番近い近隣画像ファイル)を検出した場合(S406でYes)、それらの画像ファイル識別情報(ここで、画像ファイル名)を、枠色設定部521に送信する。
【0164】
そして、枠色設定部521は、近隣範囲検索部522から受信した画像ファイル名に基づいて、一番近い近隣画像ファイルの枠色を「オレンジ色」に設定し、近隣画像ファイルの枠色を「黄色」に設定する(S407)。
【0165】
そして、画像一覧機能制御部509は、表示制御部511に指示し、画像一覧画面を表示部40に表示させる(S408;画像表示ステップ)。
【0166】
一方、近隣範囲検索部522が、近隣範囲の画像ファイルを検出していない場合(S406でNo)、画像一覧機能制御部509は、表示制御部511に指示し、画像一覧画面を表示部40に表示させる(S408;画像表示ステップ)。
【0167】
そして、画像一覧機能制御部509は、画像一覧表示を終了するか否かを判断する(S409)。ここで、画像一覧表示を終了するか否かの判断方法は、特に限定されず、例えば、ユーザが「クリア」キーを入力した場合、画像一覧表示を終了すると判断してもよいし、タイムアウトなどによって、画像一覧表示を終了すると判断してもよい。
【0168】
画像一覧機能制御部509は、画像一覧表示を終了すると判断した場合(S409でYes)、画像一覧表示処理を終了する。一方、画像一覧機能制御部509は、画像一覧表示を終了しないと判断した場合(S409でNo)、記憶部20’に記憶されている「現状設定画像」には、情報があるか否かを、繰り返し判断する(S402)。
【0169】
〔第3の実施形態〕
第1および第2の実施形態では、携帯電話機1、2において、画像一覧画面によりセキュリティ設定場所や、近隣場所を確認する例を説明したが、本発明は、画像一覧画面によりセキュリティを確認することだけではなく、画面がロックされることなどにより、画像一覧画面を見ることができない場合でも、容易にセキュリティを確認することができる。以下、第3の実施形態として、携帯電話機3(情報端末)において、画面がロックされることにより、画像一覧画面を表示できない場合、壁紙(適用画像明示情報;待ち受け画面)によりセキュリティを確認する例を、図14〜図16に基づいて詳細に説明する。
【0170】
なお、第1の実施形態と同じ構成要素については、同一の部材番号を付し、その説明を省略する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、特に説明していない構成要素は、第1の実施形態と同様の構成および機能を有するものとする。
【0171】
(携帯電話機の要部構成)
本実施形態に係る携帯電話機3の構成について、図14に基づいて説明する。図14は、携帯電話機3の要部構成を示すブロック図である。
【0172】
図14に示すように、携帯電話機3は、画像色分け部505と、が画像一覧機能制御部509と、画像色分け検索部510を備えず、壁紙設定部512を備えること以外は、すべて図1に示す携帯電話機1の構成と同様である。
【0173】
なお、入力部30と、表示部40と、制御部50の機能ブロックB2にある操作取得部508と、表示制御部511とは、本実施形態において、特に関係ないため、図示を省略とする。
【0174】
(セキュリティ機能切り替え処理の流れ)
携帯電話機3におけるセキュリティ機能切り替え処理の流れについて、図15に基づいて説明する。図15は、携帯電話機3におけるセキュリティ機能切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【0175】
図15に示すように、まず、位置情報取得部501は、GPS10より現在位置を取得する(S501;位置情報取得ステップ)。
【0176】
続いて、画像ファイル抽出部502は、記憶部20に保存されている画像ファイルの中から、その画像ファイルに関連付けられている有効範囲(図3の(a)参照)に、上記位置情報取得部501によって取得された現在位置が含まれる画像ファイルを検索して抽出する(S502;適用画像検索ステップ)。
【0177】
次に、画像ファイル抽出部502は、上記抽出した画像ファイルがあると判断した場合(S503でYes)、続いて、判断対象となる上記画像ファイルが複数あるか否かを判断する(S504)。
【0178】
画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数あると判断した場合(S504でYes)、画像ファイル選別部503は、図7に示す優先順位の判断方法に基づいて、まず、図7の(a)に示すパターンにおいて、一番内側にある有効範囲を持つ画像ファイルを選別する(S505)。続いて、画像ファイル選別部503は、図7の(b)に示すパターンにおいて、セキュリティレベルが一番高い有効範囲を持つ画像ファイルを選別する(S506)。これによって、適用画像ファイルが選別される。
【0179】
そして、壁紙設定部512は、選別された適用画像ファイルを壁紙に設定する(S507)。
【0180】
そして、設定情報特定部504は、セキュリティ設定管理テーブルに基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S308)。
【0181】
一方、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像ファイルが複数ではない(1枚である)と判断した場合(S504でNo)、壁紙設定部512は、壁紙を、上記抽出した1枚の画像ファイル(適用画像ファイル)に設定する(S507)。
【0182】
そして、設定情報特定部504は、セキュリティ設定管理テーブルに基づいて、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S508)。
【0183】
一方、画像ファイル抽出部502が、上記抽出した画像がない(適用画像がない)と判断した場合(S503でNo)、壁紙設定部512は、壁紙を、ユーザが予め設定した画像ファイルに設定する(S509)。
【0184】
そして、設定情報特定部504は、有効範囲外のセキュリティ設定情報を参照して、設定すべきセキュリティレベルを特定する(S510)。なお、本実施形態では、有効範囲外のセキュリティレベルは常に「高」となっているので、上記設定すべきセキュリティレベルは「高」と特定される。
【0185】
設定情報特定部504が、設定すべきセキュリティレベルを特定した後、現状設定情報取得部506は、記憶部20から、現状設定情報を取得し、セキュリティ機能制御部507に通知する。
【0186】
そして、セキュリティ機能制御部507は、設定情報特定部504によって通知された設定すべきセキュリティレベルと、現状設定情報取得部506によって通知された現状設定情報とを比較する(S511)。
【0187】
セキュリティ機能制御部507は、上記比較した結果が“異なる”場合(S511でYes)、上記設定すべきセキュリティレベルにセキュリティ状態を変更する(S512)。そして、新しく設定されたセキュリティレベルを、記憶部20に、現状設定情報として記憶する。その後、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否か判断する(S513)。
【0188】
一方、セキュリティ機能制御部507が、上記比較した結果が“同じ”場合(S511でNo)、制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了するか否かを判断する(S513)。
【0189】
制御部50は、セキュリティ機能切り替え処理を終了すると判断した場合(S513でYes)、セキュリティ機能切り替え処理を終了させる(S514)。一方、制御部50が、セキュリティ機能切り替え処理を終了しないと判断した場合(S513でNo)、位置情報取得部501は、GPSより現在位置を繰り返し取得する(S501)。
【0190】
(画面ロック中の壁紙の例)
次に、携帯電話機3における画面ロック中の壁紙の一例を、図16を参照して説明する。図16は、携帯電話機3における画面ロック中の壁紙の表示例を示す図である。
【0191】
図16の(a)に示すように、現在位置が画像ファイルに関連付けている有効範囲内にある場合(すなわち、適用画像ファイルがない場合)、壁紙として、その適用画像ファイルが表示されている。
【0192】
また、図16の(b)に示すように、現在位置が何れの画像ファイルに関連付けられている有効範囲にもない場合(すなわち、有効範囲外において、適用画像ファイルがない場合)、壁紙において、ユーザが予め設定した画像ファイルが表示されている。
【0193】
よって、ユーザは、画面のロックを解除しなくても、容易にセキュリティ設定場所を確認することができるという効果を奏する。
【0194】
上記各実施形態では、位置情報付き画像ファイルと、セキュリティ設定情報とを関連付けて、セキュリティ設定管理テーブルに格納して管理する。なお、本発明は、それに限定せず、画像ファイルと、位置情報およびセキュリティ設定情報とを対応付けて管理できればよく、例えば、位置情報とセキュリティ設定情報とは、画像ファイルのExif情報領域に格納して管理してもよい。
【0195】
なお、本発明に係る携帯電話機は、以下の構成を備えてもよい。
【0196】
本発明に係る携帯電話機は、適用画像ファイル、近隣画像ファイル、一番近い近隣画像ファイルを表示することに限定することなく、適用画像ファイル、近隣画像ファイルおよび一番近い近隣画像ファイルを区別できればよく、例えば、表示部にて、それぞれのファイル名のリストアップなどで表示して、ユーザに知らせてもよい。
【0197】
また、実施形態では、適用画像ファイル、近隣画像ファイル、一番近い近隣画像ファイルを検索するとき、画像ファイルに関連付けられている有効範囲を用いたが、本発明に係る携帯電話機はそれに限定されず、現在位置の位置情報と画像ファイルに付加されている位置情報の関係を判断できればよく、例えば、現在位置の位置情報を中心する有効範囲を用いてもよい。
【0198】
また、実施形態では、適用画像ファイル、近隣画像ファイル、一番近い近隣画像ファイルを明示するための適用画像明示情報は、事前に決められているが、それに限定せず、ユーザによって指定されてもよい。
【0199】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0200】
最後に、携帯電話機1〜4の各ブロック、特に制御部50は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0201】
すなわち、携帯電話機1〜4は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1〜4の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機1〜4に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0202】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0203】
また、携帯電話機1〜4を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明は、情報端末に利用することができる。特に、セキュリティ機能を備え、セキュリティレベルを位置に応じて切り替える情報端末に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0205】
1、2、3 携帯電話機(情報端末)
20 記憶部
40 表示部
501 位置情報取得部(位置情報取得手段)
502 画像ファイル抽出部(適用画像検索手段)
511 表示制御部(画像表示手段)
S101、S301、S501 位置情報取得ステップ
S102、S303、S502 適用画像検索ステップ
S205、S211、S408 画像表示ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報が付加された位置情報付き画像データと、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
自情報端末の現在位置を取得する位置情報取得手段と、
上記位置情報取得手段によって取得された自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データを、上記記憶部から検索し、適用画像データとして抽出する適用画像検索手段と、
上記適用画像検索手段が抽出した上記適用画像データおよび/または上記適用画像データを識別するための識別情報を、表示部に表示する画像表示手段とを備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
上記画像表示手段は、上記適用画像データを、自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データであることを示す情報である適用画像明示情報とともに、上記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
上記適用画像検索手段が、自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データを複数抽出したとき、
上記画像表示手段は、上記所定の条件を最も良く満たす1つの位置情報付き画像データと、抽出された他の位置情報付き画像データとを、区別して上記表示部に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
上記画像表示手段は、上記適用画像データを他の画像データとともに一覧表示するとき、ユーザの操作に応じて画像データを選択するためのカーソルを上記適用画像データに当てた状態で、一覧表示を開始することを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項5】
上記画像表示手段は、上記適用画像データを、他の画像データとともに一覧表示するとともに、ユーザの操作に応じて画像データを選択するカーソルにより、上記適用画像データが選択されたとき、当該選択された上記適用画像データに上記適用画像明示情報を表示することを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項6】
上記画像表示手段は、上記適用画像検索手段が抽出した上記適用画像データを、待ち受け画面として上記表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項7】
自情報端末の機能を制限しているとき、
上記画像表示手段は、上記制限の内容を示す機能制限設定情報と関連付けられている位置情報付き画像データを、上記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報端末としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
情報端末は、位置情報が付加された位置情報付き画像データと、自情報端末の機能を制限する内容を示す機能制限設定情報とを関連付けて記憶する記憶部を備え、
自情報端末の現在位置を取得する位置情報取得ステップと、
上記位置情報取得ステップにて取得された自情報端末の現在位置と、上記位置情報が示す位置との距離が所定の条件を満たす位置情報が付加された位置情報付き画像データを、上記記憶部から検索し、適用画像データとして抽出する適用画像検索ステップと、
上記適用画像検索ステップにて抽出した上記適用画像データおよび/または上記適用画像データを識別するための識別情報を、表示部に表示する画像表示ステップとを含むことを特徴とする情報端末の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate