説明

情報端末、機器管理システム、プログラムおよび方法

【課題】機器の位置情報および設置方向の管理を可能にする情報端末を提供する。
【解決手段】情報端末11は、監視カメラに取り付けられた二次元コードの画像を読み取る読取部106と、読み取り時に、基準方向としての自端末の方位情報を取得する方位情報取得部108と、読み取られた画像および方位情報に基づいて、基準方向に対する当該画像の向きを算出する向き算出部111と、算出された画像の向きおよび方位情報に基づいて、監視カメラに含まれるセンサの設置方向を算出する設置方向算出部112と、自端末の位置情報を取得する位置情報取得部108と、センサの設置方向および当該センサの位置情報とするための前記位置情報を外部出力するプロセッサ101とを備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、センサ等の機器を管理するための情報端末、機器管理システム、プログラムおよび方法に関する。
【0002】
従来、通信機器の位置情報を取得することによって通信機器の位置を管理し、この通信機器を用いて作業を支援するための装置が知られている。例えば特許文献1の装置では、所定の処理で通信機器の位置情報を取得し、その位置情報の管理をさせるためにセンタシステムに送信する装置、すなわち情報端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−312787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された情報端末では、通信機器の位置情報をセンタシステムに送信することによって通信機器の位置を管理させる。しかしながら、センサ等の機器に関連して作業を行う環境下では、機器の位置情報を管理することに加えて、機器の設置方向の管理を可能にする情報端末は存在せず、かかる情報端末が要望されていた。
【0005】
上述した観点に鑑み、本発明の目的は、機器の位置情報および設置方向の管理を可能にする情報端末、機器管理システム、プログラムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための情報端末は、管理対象としての機器に取り付けられた情報コードの画像を読み取る読取部と、前記読み取り時に、基準方向としての自端末の方位情報を取得する方位情報取得部と、前記読み取られた画像、および、前記方位情報に基づいて、前記基準方向に対する当該画像の向きを算出する向き算出部と、前記算出された画像の向き、および、前記方位情報に基づいて、前記機器の設置方向を算出する設置方向算出部と、自端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報とするための前記位置情報を外部出力する出力部とを備える。
【0007】
上記の課題を解決するための機器管理システムは、管理対象としての機器の設置方向および位置情報を管理するための機器管理システムであって、上記機器に取り付けられた情報コードの画像を読み取る情報端末と、上記情報端末と通信網を介して接続されたサーバとを含み、上記情報端末は、上記情報コードの画像を読み取る読取部と、上記読み取り時に、基準方向としての自端末の方位情報を取得する方位情報取得部と、上記読み取られた画像、および、上記方位情報に基づいて、上記基準方向に対する当該画像の向きを算出する向き算出部と、上記算出された画像の向き、および、上記方位情報に基づいて、上記機器の設置方向を算出する設置方向算出部と、自端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、上記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報とするための上記自端末の位置情報を外部出力する出力部と、を備え、上記サーバは、上記情報端末から、上記機器の設置方向および上記位置情報を受信する受信部と、上記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報として管理される上記位置情報を管理する管理部とを備える。
【0008】
上記の課題を解決するためのプログラムは、管理対象としての機器に取り付けられた情報コードの画像を読み取るときに、基準方向としての自端末の方位情報を取得するステップと、上記読み取られた画像、および、上記方位情報に基づいて、上記基準方向に対する当該画像の向きを算出するステップと、上記算出された画像の向き、および、上記方位情報に基づいて、上記機器の設置方向を算出するステップと、自端末の位置情報を取得するステップと、上記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報とするための上記位置情報を外部出力するステップとをコンピュータに実行させるためのものである。
【0009】
上記の課題を解決するための方法は、管理対象としての機器に取り付けられた情報コードの画像を読み取る情報端末と、上記情報端末と通信網を介して接続されたサーバとを用いて、上記機器の設置方向および位置情報を管理するための方法であって、上記情報端末は、上記情報コードの画像を読み取るステップと、上記読み取り時に、基準方向としての自端末の方位情報を取得する方位情報取得部と、上記読み取られた画像、および、上記方位情報に基づいて、上記基準方向に対する当該画像の向きを算出するステップと、上記算出された画像の向き、および、上記方位情報に基づいて、上記機器の設置方向を算出するステップと、自端末の位置情報を取得するステップと、上記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報とするための上記自端末の位置情報を外部出力するステップと、を含み、上記サーバは、上記情報端末から、上記機器の設置方向および上記位置情報を受信するステップと、上記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報として管理される上記位置情報を管理するステップとを含むものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機器の位置情報および設置方向の管理ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る機器管理システムの構成例を示す図である。
【図2】情報端末の構成例を示すブロック図である。
【図3】サーバの構成例を示すブロック図である。
【図4】管理テーブルの構成例を示すブロック図である。
【図5】二次元コードの画像の読み取り時における情報端末と監視カメラとの位置関係の一例を説明するための図である。
【図6】情報端末において、実際に読み取られた二次元コードの画像の表示態様の一例を示す図である。
【図7】情報端末において、センサの設置方向を算出する処理を3軸座標上で説明するための図である。
【図8】機器管理システムの全体動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る機器管理システム1について図面を参照して説明する。この実施形態に係る機器管理システム1は、管理対象としての機器の設置方向および位置情報を管理するためのシステムである。
【0013】
[機器管理システム1の構成]
本実施形態に係る機器管理システム1の構成例について、図1を参照して説明する。図1は、機器管理システム1の概略構成例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、機器管理システム1では、情報端末10が、インターネット等の通信網20に接続可能に構成され、この通信網20はさらに、サーバ30に接続されている。
【0015】
この機器管理システム1では、機器として例えば監視カメラ50に搭載されたCCDイメージセンサ(以下、単に「センサ」という。)の設置方向の管理を実現するために、情報端末10によって、監視カメラ50に取り付けられたQR(Quick Response)コード(登録商標)のような二次元コードの画像が読み取られる。この実施形態の説明において、「センサの設置方向」は、センサの検知方向を意味する。さらに、センサの位置情報の管理を実現するために、情報端末10によって、GPS(Global Position System)衛星40からの衛星信号が受信される。
【0016】
[情報端末10]
次に、図1に示した情報端末10について図2を参照して説明する。図2は、情報端末10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報端末10は、プロセッサ101、メモリ102、入力部103、表示部104、通信部105、読取部106、位置情報取得部108、方位情報取得部110、向き算出部111および設置方向算出部112を備える。
【0017】
図2において、位置情報取得部108に接続されている位置センサ107は、GPS衛星40からの衛星信号を受信するために設けられている。方位情報取得部110に接続されている方位センサ109は、後述する3軸の座標系を基準として、各軸方向の地磁気を検出する。この検出は、この実施形態では、情報端末10の方位情報を取得する目的で行われる。情報端末10は、一例として、携帯情報端末とするが、携帯電話機、ラップトップパソコン(Laptop computer)、ゲーム機などでもよい。
【0018】
プロセッサ101は、情報端末10全体の動作を実現するための各種のプログラムの実行、演算処理、タイミング処理等を行う。メモリ102は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを含む。ROMには、当該プログラムが記憶されている。本実施形態の情報端末10は、当該プログラムが実行されることにより実現される。RAMには、当該プログラムおよび各種のデータが一時的に保持される。
【0019】
入力部103は、ユーザーによって行われる操作入力を受け入れるための入力デバイスである。入力部103は、操作ボタン、タッチパネル、入力ペン、センサなどを含む。表示部104は、例えば、液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)などのフラットパネル表示器とすることができる。
【0020】
通信部105は、例えばIEEE802.11に準拠するインターフェース機能を有しており、サーバ30との通信を行う。
【0021】
読取部106は、実際に設置されている監視カメラ50に取り付けられている二次元コードの画像を読み取る。
【0022】
位置センサ107と接続される位置情報算出部108は、位置センサ107の出力に基づいて、情報端末10の現在の位置を示す位置情報を取得する。この位置情報は、緯度を示す情報と、経度を示す情報と、高度を示す情報とを含む。
【0023】
方位センサ109と接続される方位情報取得部110は、方位センサ109の出力に基づいて、情報端末10の現在の方位情報を取得する。方位情報は、後述する地平面内の方向を示す方位角と、その地平面と情報端末10の表示部104の表示面との傾きを示す傾斜角とを含む。この方位角および傾斜角については、後に詳細に説明する。
【0024】
向き算出部111は、読み取られた二次元コードの画像、および、取得された方位情報に基づいて、後述する情報端末10の基準方向Rに対する当該画像の向きを算出する。ここで、情報端末10の基準方向は、例えば、方位センサ109の地磁気検出の基準方向を意味する。画像の向きを算出する処理については、後に詳細に説明する。
【0025】
設置方向算出部112は、算出された画像の向き、および、取得された方位情報に基づいて、監視カメラ50に搭載されたセンサの設置方向を算出する。この設置方向を算出する処理については、後に詳細に説明する。
【0026】
[サーバ30]
次に、図1に示したサーバ30について図3を参照して説明する。図3は、サーバ30の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ30は、プロセッサ31、メモリ(管理部)32および通信部33を備える。
【0027】
プロセッサ31は、サーバ30全体の動作を実現するための各種のプログラムの実行、演算処理、タイミング処理等を行う。通信部33は、ネットワークインターフェース機能を有しており、情報端末10との通信を行う。
【0028】
メモリ33は、ROMとRAMとを含む。ROMには、当該プログラムが記憶されている。本実施形態のサーバ30は、当該プログラムが実行されることにより実現される。RAMには、当該プログラムおよび各種のデータが一時的に保持される。
【0029】
さらにメモリ33は、監視カメラ50が設置された状態を管理している。そのために、本実施形態のメモリ33は、管理テーブル321を備えている。
【0030】
図4は、管理テーブル321の構成例を示す図である。
図4に示すように、管理テーブル321は、機器IDと、機器名と、機器種別と、製品名と、センサ特性と、センサの設置位置と、センサの設置方向と、登録日と、設置日とを対応づけて記録している。
【0031】
プロセッサ31は、情報端末10から、自端末の位置情報と、管理対象となる機器に搭載されたセンサの設置方向とを登録する要求があった場合には、その機器ID、情報端末10の位置情報およびセンサの設置方向を、管理テーブル321の「機器ID」、「センサの設置位置」および「センサの設置方向」の項目にそれぞれ登録する。プロセッサ321は、その登録を行うときには、その登録日を、管理テーブル321の「登録日」の項目に記録する。またプロセッサ31は、情報端末10からの要求に基づいて、機器名と、機器種別と、製品名と、センサ特性と、設置日とを管理テーブル321に記録する。
【0032】
[二次元コードの読み取り処理]
次に、情報端末10の読取部106において、二次元コードの画像を読み取る処理について図2および図5を参照して説明する。図5は、二次元コードの画像の読み取り時における情報端末10と監視カメラ50との位置関係の一例を説明するための図である。
【0033】
例えば図5では、二次元コードが監視カメラ50の上面に取り付けられ、情報端末10がその二次元コードを二次元コード上方から読み取る一例を示している。この場合、読取部106における二次元コードの画像の読み取り方向の中心Oが、二次元コードの上方に置かれることによって、情報端末10は、監視カメラ50の上面からの距離がHの平面上に置かれる。そのために、この実施形態では、情報端末10の基準方向Rがセンサの設置方向Qと平行になっている。
【0034】
[二次元コードの向きの算出処理]
次に、情報端末10の向き算出部111において、実際に読み取られた二次元コードの画像の向きを算出する処理について図2、図5および図6を参照して説明する。図6は、情報端末10において、実際に読み取られた二次元コードの画像の表示態様の一例を示す図である。
【0035】
図6に示すように、この情報端末10において、表示部14には、3つの切り出しシンボル(図6中、斜線で示す。)を含む二次元コードの画像が表示される。これらの切り出しシンボルは、二次元コードの画像の位置を特定するために配置されている。
【0036】
向き算出部111は、読み取られた画像中の切り出しシンボルの配置パターンから、二次元コードの画像の向き(図6中、一点鎖線で示す。)を特定する。例えば図6の二次元コードの画像では、左上、左下および右上に切り出しシンボルが配置されていることによって、一点鎖線で示された二次元コードの画像の向きが特定される。そして、向き算出部111は、その二次元コードの画像の向きと、後述する基準方向Rとのなす角度を算出する。後述するように、この基準方向Rは、方位情報取得部110において取得された情報端末10の方位情報から得られる。例えば図6の例では、二次元コードの画像の向きと基準方向Rとのなす角度がψと算出される。
【0037】
[センサの設置方向の算出]
次に、情報端末10の設置方向算出部112において、センサの設置方向Qを算出する処理について図2、図6および図7を参照して説明する。図7は、情報端末10において、センサの設置方向を算出する処理を3軸座標上で説明するための図である。
【0038】
図7において、x軸、y軸およびz軸を有する直角座標系は、地平面上に設置される基本的な座標系である。すなわち、x軸およびy軸は地平面に平行な座標軸で、z軸は地平面に垂直方向にある座標軸である。
【0039】
図7の例では、二次元コードの画像を読み取るときの情報端末10の方位情報として、情報端末10の方位角がθ、情報端末10の傾斜角がφとなった一例を示している。この場合、方位角θは、方位センサ109の地磁気検出の基準方向としての基準方向Rが地平面に正射影された像(図7中、一点鎖線で示す。)と、x軸とのなす角度を示している。そして、傾斜角φは、この正射影された像と基準方向Rとのなす角度を示している。
【0040】
なお、図7において、ひねり角αは、基準方向Rを回転軸として情報端末10をその周りに回転させた角度を示している。この実施形態では、α=0として説明するが、αが0以外の場合もあり得る。その場合には、αに対応する角度を考慮して、基準方向Rからセンサの設置方向Qを算出するようにすればよい。
【0041】
すでに説明したように、この実施形態では、二次元コードが取り付けられるときの二次元コードの画像の向きは、センサの設置方向Qと同一の方向になるように取り付けられ、かつ、二次元コードの画像を読み取るときの情報端末10の基準方向Rが、センサの設置方向Qと平行になるようにされるため、センサの設置方向Qも、基準方向Rと同様に、θ,φの方向成分を有する。
【0042】
設置方向算出部112は、情報端末10の基準方向Rの方向成分(θ,φ)を算出することで、センサの設置方向Qを算出する。例えば図7の例では、設置方向算出部112は、情報端末10の基準方向Rの方向成分(θ,φ)と同一の方向成分、すなわち方位角θおよび傾斜角φを有する設置方向Qを算出する。
【0043】
ここで、例えば、図6に例示したように、二次元コードの画像の向きと、基準方向Rとのなす角度ψが存在する場合には、設置方向算出部112は、基準方向Rをψの角度だけ回転させて、その回転後の基準方向Rについてのθ,φを算出するようにすればよい。この算出されたθ,φが、センサの設置方向Qの方向成分として示されることになる。
【0044】
[機器管理システム1の動作]
以下、本実施形態の機器管理システム1の全体動作について、図2〜図8を参照して説明する。図8は、機器管理システム1の全体動作の一例を示すフロー図である。
【0045】
図8では、一例として、情報端末10が、監視カメラ50に搭載されているセンサの設置方向および位置情報を要求する場合の機器管理システム1の全体動作を示している。
【0046】
図8において先ず、情報端末10の読取部106が、監視カメラ50に取り付けられている二次元コードの画像を読み取る(ステップS101)。図5の例では、監視カメラ50の上面に取り付けられた二次元コードの画像が読み取られる。
【0047】
この全体動作の例では、二次元コードは、監視カメラ50の機器IDと、機器名と、機器種別と、製品名と、センサ特性とを示す情報(以下、「二次元コード情報」という。)を含むので、ステップS101において、プロセッサ106は、読み取られた画像から、二次元コード情報を取得する。
【0048】
次に、情報端末10は、自端末の位置情報および方位情報を取得する(ステップS102)。この取得は、ステップS101で二次元コードの画像を読み取るときに行われるのが好ましい。
【0049】
ステップS102では、情報端末10の位置情報取得部108が、位置センサ107の出力に基づいて、自端末10の位置情報を取得する。さらに、方位情報取得部110が、方位センサ109の出力に基づいて、自端末10の方位情報を取得する。これにより、二次元コードが読み取られるときの情報端末10の基準方向R(図5参照)が得られる。
【0050】
情報端末10は、ステップS101で読み取られた二次元コードの画像、および、ステップS102で取得された方位情報に基づいて、情報端末10の基準方向Rに対する当該画像の向きを算出する(ステップS103)。図6の例では、向き算出部111が、二次元コードの画像に含まれる3隅の切り出しシンボルの配置パターンから当該画像の向きを特定することによって、算出された画像の向きが、基準方向Rに対してψの角度を示すことになる。
【0051】
さらに、情報端末10は、ステップS103で算出された二次元コードの画像の向き、および、ステップS102で取得された方位情報に基づいて、監視カメラ50に搭載されたセンサの設置方向Qを算出する(ステップS104)。図7の例では、設置方向算出部112が、方位情報に基づいて得られる情報端末10の基準方向Rについての方位角θおよび傾斜角φを算出することによって、算出されたセンサの設置方向Qは、基準方向Rの方向成分θ,φと同一のθおよびφの方向成分を示すことになる。なお、θおよび/またはφは、0を示す場合もある。
【0052】
なお、ステップS104において、ステップS103で算出された二次元コードの画像の向きとして、当該画像の向きと基準方向Rとのなす角度ψが示されている場合には、設置方向算出部112は、基準方向Rに対してψに対応した角度を回転させ、その回転後の基準方向Rについてのθ,φを算出するようにすればよい。
【0053】
センサの設置方向Qが算出された後は、情報端末10のプロセッサ101は、ステップS101で読み取られた画像の二次元コード情報、ステップS102で取得された情報端末10の位置情報、および、ステップS104で算出されたセンサの設置方向Qを、外部のサーバ30に送信する(ステップS105)。ステップS102で取得された位置情報は、ステップS105で送信された後に、監視カメラ50のセンサの位置情報として登録されることになるので、センサの位置情報として送信されることになる。なお、このステップS105のプロセッサ101は、出力部として機能する。
【0054】
サーバ30は、情報端末10からの二次元コード情報、位置情報、および、センサの設置方向を受信して管理テーブル321に登録する(ステップS106)。具体的には、サーバ30のプロセッサ31は、受信された位置情報およびセンサの設置方向をそれぞれ、管理テーブル321の「センサの設置位置」および「センサの設置方向」に登録する。これにより、監視カメラ50に搭載されたセンサの位置情報および設置方向が記録される。そして、プロセッサ31は、二次元コード情報を管理テーブル321の該当する項目(図4参照)に登録する。これにより、監視カメラ50とそれに搭載されたセンサに関連する情報が記録される。
【0055】
情報端末10が二次元コードの画像を読み取る度に、ステップS101〜S106の一連の処理が繰り返し行われる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の機器管理システム1では、情報端末10は、読み取られた二次元コードの画像の向き、および、情報端末10の方位情報に基づいて、監視カメラ50のセンサの設置方向Qを算出してサーバ30に送信し、さらに自端末10の位置情報をセンサの位置情報としてサーバ30に送信する。これにより、センサの位置情報および設置方向Qの管理が可能になる。
【0057】
次に、本実施形態の機器管理システム1の変形例について説明する。
【0058】
(変形例1)
以上では、図5を参照して、情報端末10の読取部106は、監視カメラ50の上面に二次元コードが取り付けられている場合に、その監視カメラ50上面から二次元コードの画像を読み取る例について説明した。しかしながら、監視カメラ50の設置の状況次第では、二次元コードが監視カメラ50の下面、前面、または、後面に取り付けられる場合もあり得る。この場合、読取部106では、二次元コードの画像の読み取り方向を、その二次元コードの取り付け面に対して垂直になるようにしたまま読み取る。
【0059】
そして、この場合、二次元コードには、あらかじめ、監視カメラ50に取り付けられた設置面(図5の例では、例えば、上面、下面、前面、後面)を示すための指示情報を記録しておく。そして、設置方向算出部112は、図8のステップS104においてセンサの設置方向Qを算出する場合にはさらに、上述した指示情報に基づいて、算出された設置方向Qを補正する。この指示情報は、監視カメラ50に搭載されているセンサの設置方向Qを正しく判断することを目的とするものであるので、この補正では、二次元コードが読み取られるときの情報端末10の基準方向Rと、センサの設置方向Qとの位置関係(直交、または、平行)から、設置方向の方向成分θ,φ,αが補正される。例えば図8のステップS101において、読取部106が、監視カメラ50の下面に取り付けられている二次元コードの画像を読み取る場合には、設置方向算出部112は、図8のステップS104において、図7に示したひねり角αを、α=−180としてセンサの設置方向Qを算出することになる。
【0060】
なお、上述した実施形態では、機器を、監視カメラの場合を例にとって説明したが、機器の他の例として、設置方向の管理が所望される機器であればよく、例えば、人感センサ、照度センサ、距離センサなどのセンサでもよい。この場合には、情報端末10では、センサの設置方向および自端末の位置情報が、通信網20を介してサーバ30に送信される。そして、サーバ30では、情報端末10からの上記設置方向および位置情報を、当該機器の設置方向および位置情報として管理する。
【0061】
あるいはまた、機器の他の例として、例えば、街頭に設置されるモニタ装置、電子看板(デジタルサイネージ)、電子標識、自動販売機であってもよい。この場合には、情報端末10では、各機器の設置方向および自端末の位置情報が、通信網20を介してサーバ30に送信される。この場合において、「設置方向」は、機器に設けられている表示装置の照射方向(表示面に対して垂直方向)を意味する。そして、サーバ30では、情報端末10からの上記設置方向および位置情報を、各機器の設置方向および位置情報として管理する。
【0062】
また、コード情報として二次元コードの場合について説明したが、バーコードなどであってもよい。
【0063】
情報端末10およびサーバ30のハードウェア構成、動作手順およびテーブル構成は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10 情報端末
30 サーバ
50 監視カメラ(機器)
101 プロセッサ
106 読取部
107 位置センサ
108 位置情報取得部
109 方位センサ
110 方位情報取得部
111 向き算出部
112 設置方向算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象としての機器に取り付けられた情報コードの画像を読み取る読取部と、
前記読み取り時に、基準方向としての自端末の方位情報を取得する方位情報取得部と、
前記読み取られた画像、および、前記方位情報に基づいて、前記基準方向に対する当該画像の向きを算出する向き算出部と、
前記算出された画像の向き、および、前記方位情報に基づいて、前記機器の設置方向を算出する設置方向算出部と、
自端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報とするための前記位置情報を外部出力する出力部と
を備えたことを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記設置方向算出部は、前記方位情報が、地平面と前記基準方向とのなす角度としての傾斜角を含んでいる場合には、当該傾斜角を、前記機器の設置方向に含めることを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記情報コードは、前記機器に取り付けられた設置面を示すための指示情報を含んでおり、
前記設置方向算出部は、前記機器の設置方向を算出する場合にはさらに、前記指示情報に基づいて、前記設置方向を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
機器の設置方向および位置情報を管理するための機器管理システムであって、
前記機器に取り付けられた情報コードの画像を読み取る情報端末と、前記情報端末と通信網を介して接続されたサーバとを含み、
前記情報端末は、
前記情報コードの画像を読み取る読取部と、
前記読み取り時に、基準方向としての自端末の方位情報を取得する方位情報取得部と、
前記読み取られた画像、および、前記方位情報に基づいて、前記基準方向に対する当該画像の向きを算出する向き算出部と、
前記算出された画像の向き、および、前記方位情報に基づいて、前記機器の設置方向を算出する設置方向算出部と、
自端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報とするための前記自端末の位置情報を外部出力する出力部と、を備え、
前記サーバは、
前記情報端末から、前記機器の設置方向および前記位置情報を受信する受信部と、
前記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報として管理される前記位置情報を管理する管理部と
を備えたことを特徴とする機器管理システム。
【請求項5】
管理対象としての機器に取り付けられた情報コードの画像を読み取るときに、基準方向としての自端末の方位情報を取得するステップと、
前記読み取られた画像、および、前記方位情報に基づいて、前記基準方向に対する当該画像の向きを算出するステップと、
前記算出された画像の向き、および、前記方位情報に基づいて、前記機器の設置方向を算出するステップと、
自端末の位置情報を取得するステップと、
前記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報とするための前記位置情報を外部出力するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
管理対象としての機器に取り付けられた情報コードの画像を読み取る情報端末と、前記情報端末と通信網を介して接続されたサーバとを用いて、前記機器の設置方向および位置情報を管理するための方法であって、
前記情報端末は、
前記情報コードの画像を読み取るステップと、
前記読み取り時に、基準方向としての自端末の方位情報を取得する方位情報取得部と、
前記読み取られた画像、および、前記方位情報に基づいて、前記基準方向に対する当該画像の向きを算出するステップと、
前記算出された画像の向き、および、前記方位情報に基づいて、前記機器の設置方向を算出するステップと、
自端末の位置情報を取得するステップと、
前記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報とするための前記自端末の位置情報を外部出力するステップと、を含み、
前記サーバは、
前記情報端末から、前記機器の設置方向および前記位置情報を受信するステップと、
前記機器の設置方向、および、当該機器の位置情報として管理される前記位置情報を管理するステップと
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−243092(P2012−243092A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112657(P2011−112657)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】